説明

電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー

【課題】 電磁トランスジューサーを提供する。
【解決手段】 フレームと、このフレーム内に配置されており、フレームに対し、回転軸線を中心として回転できるようにフレームに連結されたパネルとを含む。トランスジューサーは、パネルが回転軸線を中心として回転するようにパネルと係合するように位置決めされたアクチュエータを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年3月1日に出願された「電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー」という表題の米国仮特許出願第60/657,946号と関連しており、この出願の優先権を主張するものである。同特許出願に触れたことにより、この特許出願に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。
【0002】
本発明は、全体として、オーディオスピーカーシステムで使用されるような電磁トランスジューサーに関し、更に詳細には、レバーダイヤフラムを持つ電磁オーディオトランスジューサーに関する。
【背景技術】
【0003】
電磁オーディオトランスジューサーは、スピーカーシステムで音響を発生するのに使用されるデバイスである。図1は、スピーカーとして周知の従来のコーン型電磁オーディオトランスジューサーの断面図である。スピーカー10は、円形の支持フレーム即ちバスケット14と、円錐形ダイヤフラム即ちコーン18と、巻型26に巻き付けたボイスコイル22として周知の導電性コイルワイヤと、円形の磁石システム30とを含む。磁石システム30は、両磁極が上下の磁束伝達プレート42及び46間に位置決めされたドーナッツ状永久磁石38を含む。スピーカー10は、更に、下プレート46の部分であるか或いは下プレート46に連結されているかのいずれかである磁束伝達磁極片50を含む。上プレート42及び磁極片50は、その間に隙間34を形成する。隙間34は、磁気回路の磁束通路の透磁性が低い空隙である。磁極片50は、隙間34を横切る磁束36を差し向け且つ集中する。ボイスコイル22及び巻型26がコーン18に取り付けられており、コーン18は、バスケット14から、可撓性周囲51及びスパイダー54によって懸架されている。可撓性周囲51及びスパイダー54は、磁束線が集中する隙間34の中央にボイスコイル22を置く。かくして、ボイスコイル22は、特に隙間34内の磁束36の線に対して垂直な軸線40に沿って往復動するように位置決めされている。
【0004】
電磁オーディオトランスジューサー即ちスピーカー10は、コーン18と、ボイスコイル22と、巻型26と、周囲51と、スパイダー54と、バスケット14と、磁石システム30によって形成される。磁石システム30及びボイスコイル22を含むアクチュエータが、スピーカー10即ち電磁オーディオトランスジューサーのドライバーを形成する。作動では、スピーカー10は、スピーカーボックス(図示せず)と呼ばれるエンクロージャーに取り付けられ、導電性ボイスコイル22がオーディオアンプ(図示せず)から交流を受け取る。帯電した即ち賦勢されたボイスコイル22が、動的電磁場を発生し、これが隙間34内の磁束36と反応し、ボイスコイル22に軸線方向往復動駆動力を発生し、ボイスコイル22を軸線40に沿って矢印A及びBの方向に隙間34内で上下に移動させる。かくして、ボイスコイル22と、巻型26と、コーン18とが、スピーカーボックスに対し、一つのユニットをなして往復動し、空気を変位し、音響波と同定される圧力波を空気中に発生する。
【0005】
スピーカーボックスに一つ以上のスピーカーを設け、スピーカーシステムを形成するのが一般的である。これにより、異なる周波数範囲の音響を各々発生する二つ又はそれ以上のスピーカーが、ボックスから、可聴音響スペクトル内の全音響範囲に亘る音響を放射する。最も一般的には、これらの個々のスピーカーは、ハイ、ミッド、バス、及びサブバスとして周知である。バス及びサブバス用のスピーカーの周波数は、これらの周波数が低いため、ミッド及びハイの周波数のスピーカーと一貫して適合した音圧レベル(SPL)を維持するためにかなり大容積の空気を移動する必要がある。
【0006】
大容積の空気を変位するための一つの方法は、コーン18の軸線方向移動を増大することである。しかしながら、コーン18の軸線方向移動は、周囲51及びスパイダー54を含むサスペンションシステムによって、及びドライバー内でのボイスコイル22の移動範囲が限られているため、機械的に制限される。スピーカー10のコーン18は、スピーカーシステムの高周波数のスピーカーで一貫したSPLを維持するため、一方の機械的制限に達する点まで移動する。しかしながら、この点を越えた軸線方向移動は、音響の品質を低下する。音響品質の低下は、歪み即ちディストーションとして知られている。ディストーションは、スピーカー10からの音響出力が、スピーカーへの電気的入力信号とぴったりと一致しない場合に発生し、その結果、音響品質が低下するのである。更に、音圧レベルの低下即ち「ロールオフ」は、この点よりも下で発生する。これは、コーン18の大きさが固定されており、低い周波数で必要とされる、大容積の空気の変位を行うことができないためである。
【0007】
従来の音響スピーカーの別の問題点は、これらのスピーカーが効率的でないということである。効率はワットで表され、スピーカーに加えられた入力電力の、スピーカーから伝達された音響出力に対する比から得られたパーセンテージである。最新の音響スピーカーの代表的な効率は、数%の範囲に過ぎない。音響アンプからの電気的出力はスピーカーによって消費され、音でなく熱の形態で放散される。かくして、スピーカーの低効率は非常に浪費的であり、スピーカーを設計する上で重大な考慮が払われる。
【0008】
図1のスピーカー10は、ボイスコイル22が隙間34の深さよりも短い「アンダーハング」ボイスコイル形状を有する。アンダーハングボイスコイル22は、電気的入力信号を受け取っておらず、及びかくしてその休止位置で示してある。正の電気的入力信号をスピーカー10の正極端子(図示せず)に加えると、ボイスコイル22及びコーン18が「コーン延長」位置に向かって矢印Bの方向に移動する。逆に、負の電気的入力信号をスピーカー10の同じ端子に加えると、ボイスコイル22及びコーン18は、「コーン引っ込め」位置に向かって矢印Aの方向に移動する。図2は、図1のスピーカー10を示し、ここでは、コーン18及びボイスコイル22がコーン延長位置に移動している。この位置では、ボイスコイル22は、隙間34の外縁部33に達している。この位置は、ボイスコイル22の最大線型変位位置(「Xmax」)として周知である。コーン18が逆方向にコーン引っ込め位置まで移動するとき、ボイスコイル22は隙間34の内縁部に達し、逆のXmax位置にある。ボイスコイル22が延長Xmaxから引っ込めXmaxまで移動する全移動範囲は、スピーカーのXmaxピーク−ピークパラメータとして周知である。スピーカー10のボイスコイル22が、図1に示すように賦勢されていない場合には、サスペンションシステム(周囲51及びスパイダー54)は、コイル22をXmaxピーク間の中間のその休止位置に戻す。ボイスコイル22を十分なエネルギレベル、及び特定的には低周波数で賦勢すると、ボイスコイル22は、Xmaxピーク−ピーク位置を越えて往復動し、一時的に、隙間34を部分的に越えて移動し、作動する。この場合、ボイスコイル22は、もはや、電気的入力信号に関して線型をなして移動しない。これは、ボイスコイル22の一部が隙間34内になく、磁界と反応してないためであり、及びかくして出力音が歪む。スピーカー10の効率は、ボイスコイル22がそのXmax位置を越えて作動する場合、更に低下する。これは、ボイスコイル22が隙間34の外にある場合、電気的入力信号が十分な力を発生せず、熱として放散されてしまうためである。
【0009】
スピーカー10のアンダーハングボイスコイル形状は、そのXmax範囲内で作動する場合、低いディストーションを維持する。スピーカー10は、ボイスコイル22がXmax範囲内で及びかくして隙間34の磁界内で作動する限り比較的効率的である。しかしながら、アンダーハングスピーカー10は、非常に低い周波数を発生しようと試みることによって、又は比較的高い音響レベルを発生するためにボイスコイル22に過電力を加える (over-powering)ことによって、容易にXmaxを越えて作動するように駆動される。過電力は、ボイスコイル22をそのXmax範囲を越えて駆動させて音響を歪ませるばかりでなく、スピーカー10のボイスコイル22がその熱限界に急速に達し、過熱する。かくして、図1のスピーカー10のアンダーハングボイスコイル形状は、歪んでいない高い音響強さレベルを低い周波数範囲で発生することができず、そのバス周波数の比較的高い範囲での高い効率及び低いディストーションを発生するのに良好に適している。
【0010】
図1のスピーカー10のアンダーハングボイスコイル形状は、大きな上プレート42及びこの大きさと対応する高さを持つ磁極片50を使用し、Xmaxピーク−ピークに達する前にボイスコイル22が更に大きく移動できる深い隙間34を形成することによって、低い周波数で比較的高い音響強さレベルを発生するように変更できる。しかしながら、この「高アンダーハング」ボイスコイル形状は、上プレート42の表面積が増大するために隙間34内の磁束36(図1参照)が強力に集中しないため、標準的なアンダーハング構成よりも効率が低い。
【0011】
図3は、アンダーハングスピーカー10(図1参照)の欠点の幾つかを解決するように設計された別の従来のスピーカー10aを示す。このスピーカー10aは、ボイスコイル22aが休止位置にあるとき、両端から隙間34aを越えて外に延びる「オーバーハング」ボイスコイル形状を有する。上プレート42a、及びかくして隙間34aは、図1のアンダーハングスピーカー10でみられるのと同様に薄く、そのため、磁束36aの密度が高度に集中する。スピーカー10aは、図1のスピーカー10と同様に、電気的入力信号の極性に応じて矢印Bの方向に移動してコーンを延長し、矢印Aの方向に移動してコーンを引っ込める。
【0012】
図4は、図3のスピーカー10aを示す。この図では、コーン18aがコーン延長位置まで移動しており、ボイスコイル22aが矢印Bの方向に休止位置からXmaxまで移動している。このXmax位置では、ボイスコイル22aの内縁部が隙間34aの内縁部に達している。コーン18aが逆方向にコーン引っ込め位置まで移動するとき、ボイスコイル22aは矢印Aの方向に、休止位置を越えてXmax位置まで移動し、ボイスコイル22aの外縁部が隙間34aの外縁部に達する。ボイスコイル22aは、軸線40aに沿って、図1のスピーカー10のアンダーハングボイスコイル22よりも大きく移動でき、及びかくして、低周波数で、歪みが発生する前に、高いSPLを発生する。ボイスコイル22aが大きければ大きい程、大量の電力を取り扱うことができる。しかしながら、ボイスコイル22aは、このボイスコイル22aの一部が常に隙間34aの外側で作動するため、効率が低く、及びかくして電力を無駄にする。更に、ボイスコイル22aの大きさ及び質量が大きいため、このボイスコイルに作用する逆方向の慣性力が増大し、そのため、コーン18aは、比較的高い周波数を発生する上で、アンダーハングスピーカー10(図1参照)の小さなボイスコイル22で可能である程効率的に即ち迅速に移動できない。かくして、バス周波数の上範囲での効率が低下する。
【0013】
従来のコーン型スピーカーには、各々が異なる周波数範囲を発生する多数のスピーカーを、ホーン等の単一の制御された空間内で互いに組み合わせてフルレンジスピーカーシステムを形成する場合に別の欠点がある。このようなスピーカーシステムの例は、米国特許第5,526,456号及び米国特許第6,411,718号に開示されている。それらの円錐形ダイヤフラム(スピーカーコーン)が不規則な形状をしているため、ホーンの壁に位置決めされた、この種のスピーカーシステムの低周波数トランスジューサー及び中周波数トランスジューサーが、ホーンの頂部近くの高周波数トランスジューサーが発生した高周波数の経路を遮断してしまう。円錐形ダイヤフラムの高周波数の経路が遮断されないようにするため、特別のアダプタ及び穴をホーンに追加し、ホーン壁の連続性を維持する。更に、円錐形ダイヤフラムの周囲が丸みを帯びているため、ホーンの利用可能な壁面積が最大にならず、及びかくして有用なホーン壁空間が無駄になる。
【特許文献1】米国特許第5,526,456号
【特許文献2】米国特許第6,411,718号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、高い電気的効率及び低いディストーションを維持しつつ高い音響強さレベルを発生でき、ホーンの壁に連続性を提供でき且つスピーカーシステム内の他のオーディオトランスジューサーが放出する音響波用の経路を中断することが少ないように、スピーカーシステムの他のオーディオトランスジューサーと組み合わせることができる、オーディオスピーカーシステムで使用するためのトランスジューサーに対する必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の特定の実施例は、トランスジューサーを含む。このトランスジューサーは、フレームと、このフレーム内に配置されたパネルとを含む。パネルは、フレームに対して回転軸線を中心として回転できるようにフレームに連結されている。トランスジューサーは、パネルと係合し、パネルが回転軸線を中心として回転して空気を変位するように位置決めされたアクチュエータを含む。
【0016】
本発明の特定の実施例は、電磁トランスジューサーを含む。この電磁トランスジューサーは、フレームと、このフレーム内に配置され、フレームに対し、フレームとの間の連結部のところで回転軸線を中心として回転できるようにフレームに連結されたパネルとを有する。トランスジューサーは、パネルに連結された導電性コイルと、フレームに連結された磁気構造とを有する。磁気構造は、磁界が提供される隙間を含み、隙間は、導電性コイルを受け入れるように位置決めされている。導電性コイルは、隙間内で電荷が加えられ、パネルが回転軸線を中心として回転し、空気を変位するように移動する。
【0017】
本発明の特定の実施例は、スピーカーシステムを含む。このスピーカーシステムは、エンクロージャーと、このエンクロージャーに取り付けられたフレームと、このフレーム内に配置されており、フレームに対し、フレームとの間の連結部のところで回転軸線を中心として回転できるようにフレームに連結されたパネルとを含む。パネルは、エンクロージャーに向かって面する内側と、エンクロージャーの外側に面する外側とを有する。スピーカーシステムは、パネルに連結された導電性コイルと、フレームに連結された磁気構造とを含む。磁気構造は、磁界が提供される隙間を含む。隙間は、導電性コイルを受け入れるように位置決めされる。隙間内で導電性コイルに電荷が加えられ、パネルが回転軸線を中心として回転し、内面はエンクロージャー内の空気を変位し、外面はエンクロージャーの外側の空気を変位し、音響波を形成する。
【0018】
本発明の特定の実施例は、スピーカーシステムを含む。このスピーカーシステムは、スロートから口までフレア状の区分を形成する壁を持つホーンと、ホーンの壁の一つに沿って配置された少なくとも一つの電磁オーディオトランスジューサーとを含む。少なくとも一つの電磁オーディオトランスジューサーは、フレームと、このフレーム内に配置された、内面及び外面を持つ台形形状のパネルと、内面に連結された導電性コイルと、フレームに連結された磁気構造とを含む。導電性コイルには、磁気構造に対して電荷が加えられ、台形形状のパネルがフレームに対して移動し、ホーン内に音響波を発生する。
【0019】
本発明の特定の実施例はスピーカーを含む。スピーカーは、バッフルと、このバッフル内に配置されており且つこのバッフルに対し、回転軸線を中心として回転するようにバッフルに連結されたパネルとを含む。スピーカーは、パネルが回転軸線を中心として回転して空気を変位するようにパネルと係合するように位置決めされたアクチュエータを含む。
【0020】
以上の概要並びに本発明の特定の実施例の以下の詳細な説明は、添付図面と関連して読むことにより、更によく理解されるであろう。本発明を例示する目的で、添付図面には特定の実施例が示してある。しかしながら、本発明は、添付図面に示す構成及び機器に限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図5は、電磁オーディオトランスジューサー62を正面から見た斜視図である。トランスジューサー62は、フレーム66と、パネル即ちダイヤフラム70と、磁石ボックス74とを含む。フレーム66は、全体に正方形の閉じた形状であり、面78が側壁82と一体成形されている。フレーム66は、任意の剛性材料で形成されていてもよく、単なる例として、金属、特にアルミニウムで形成されている。パネル70は全体に平らであり、剛性で軽量の任意の材料で形成されていてもよい。例として、パネル70だけを剛性フォームで形成してもよい。パネル70は、枢動端86及びチップ端90を有する。パネル70は、溝を備えていてもよいし、ハニカム構造を備えていてもよく、又は質量を低減し且つその剛性を維持するための任意の他の手段を備えていてもよい。パネル70の枢動端86は、パネル70が回転軸線98を中心として、矢印C又はDのいずれかの方向に枢動できるように、フレーム66の第1側94に連結されている。パネル70のチップ端90は、フレーム66の第2側96と近接して自由に移動する。枢動端86は、フレーム66の第1側94に、枢動を可能にする任意の方法によって連結されていてもよい。
【0022】
図6は、図5の電磁オーディオトランスジューサー62を下方から見た斜視図である。磁石ボックス74は、中空のブロック状部材であり、磁石のアレイを収容しており、フレーム66の後側102に、側壁82の第1及び第2の両部材101及び103に取り付けられている。磁石ボックス74は、側壁82に沿って、フレーム66の後側102に、フレーム66の第1側94から任意の距離のところに、回転軸線98とほぼ平行に取り外し自在に取り付けられていてもよい。
【0023】
図7は、スピーカーシステム60を前方から見た斜視図である。スピーカーシステム60は、スピーカーボックス61に取り付けられた電磁オーディオトランスジューサー62を含む。電磁オーディオトランスジューサー62は、スピーカーボックス61がトランスジューサー62の一方の側部を取り囲むように取り付けられる。スピーカーボックス61は、エンクロージャーとも呼ばれる。フレーム66の側壁82(図5参照)は、スピーカーボックス61の穴に受け入れられ、面78は、スピーカーボックス61の外壁63に嵌着し、スピーカーボックス61の面をなす。電磁オーディオトランスジューサー62及びその構成要素及びスピーカーボックス61は、スピーカーシステムの所期の使用及び設計に従って、任意の様々な大きさ、形状、又は形体をとってもよいということは理解されよう。
【0024】
図8は、図6の電磁オーディオトランスジューサー62の分解斜視図を示す。パネル70は、内側110及び外側114を有する。外側114は、パネルの厚さがその枢動端86からチップ端90までテーパして小さくなるように、内側110に向かって徐々に角度をなしている。別の態様では、パネル70は、図示のテーパ形状以外の任意の他の形状を備えていてもよい。単なる例として、パネル70は、完全に平らであって厚さが一定であってもよいし、楔状であってもよいし、湾曲した及び/又はテーパした内側110又は外側114を持ち、反対側が直線状であってもよく、又は内側110及び外側114の一方又は両方が角度をなしていてもよく、又は内側110及び外側114の一方又は両方が湾曲していてもよく、或いは、形状、角度、テーパ、又は湾曲の任意の組み合わせを備えていてもよい。パネル70は、ばね鋼等の金属製の薄いシート106に連結されている。別の態様では、シート106は、任意の可撓性材料でできていてもよい。パネル70は、接着剤、エポキシ、又は任意の他の方法によってシート106に連結されていてもよい。
【0025】
パネル70をフレーム66に組み込むとき、パネル70が第1側94と近接して枢動できるように、薄いシート106を、フレーム66の第1側94の側壁82に、ボルト止め、クランプ止め、ピン止め、又は任意の他のファスニング方法によって連結する。別の態様では、パネル70を、フレーム66の第1側94に、又は側部材101及び103(図6参照)に、又はこれらの任意の組み合わせに、アクスル、又はヒンジ、又はブッシュ、又は支承体、又は任意の他の手段によって、パネル70が、フレーム66に対し、軸線を中心として回転できるように連結してもよい。トランスジューサー62は、ばね、弾性体、又は磁気システム、又はパネル70をフレーム66内の中央位置に維持するための任意の他の手段を含んでいてもよい。パネル70の内側110には、長い矩形形状の巻型118が取り付けられている。この巻型118は、剛性で軽量の任意の耐熱性材料で形成されていてもよい。一連の導電性巻回部136が巻型118に巻き付けてあり、導電性ボイスコイル134を形成する。この導電性ボイスコイルは、巻型118によってパネル70に連結される。磁石ボックス74には、磁界を提供する磁石を含む磁気構造が受け入れられる。例えば、磁気構造は、内磁石群122及び外磁石群126を含む。
【0026】
図9は、内磁石群122及び外磁石群126を収容した磁石ボックス74を下方から見た斜視図を示す。外磁石群126は、磁石ボックス74の内壁138に沿って位置決めされており、内磁石群122は、磁石ボックス74の中央壁142に沿って位置決めされている。内磁石群122及び外磁石群126は、内壁138及び中央壁142の夫々に、任意の方法によって、例えば接着剤又はエポキシによって連結されていてもよい。内磁石群122及び外磁石群126は、その間に隙間130を形成する。磁石ボックス74の短側部128に沿っても位置決めされている、逆の極性の内磁石群122及び外磁石群126によって、磁界が磁気構造の隙間130内に提供される。
【0027】
図6を参照すると、電磁オーディオトランスジューサー62を組み立てるとき、磁石ボックス74は内磁石群122及び外磁石群126を収容しており(図9参照)、内磁石群122と外磁石群126との間の隙間130(図9参照)内に巻型118(図8参照)及びボイスコイル134(図8参照)を受け入れるようにフレーム66に取り付けられる。磁石ボックス74及びボイスコイル134は、トランスジューサー62のドライバー即ちアクチュエータを形成する。端子コネクタとボイスコイルとの間を接続するワイヤリードを持つ電気端子コネクタは図6には示してない。これらのコネクタは、アンプからボイスコイルへの電気的入力点を提供するのにも使用される。アンプもまた図示してない。コネクタ及びアンプは、本発明の実施例で使用するように適合できるということは理解されよう。
【0028】
別の態様では、磁石ボックス74及び内磁石群122及び外磁石群126は、様々な形状のボイスコイル134と対応する様々な形状の隙間130を形成するため、様々な形状を備えていてもよい。例えば、図10を参照すると、図8の単一の長い矩形の巻型118及びボイスコイル134を、複数の短い巻型118及びボイスコイル134に分割してもよい。これらは、対応する構成の磁石ボックス74内に受け入れられる。この磁石ボックスでは、内磁石群122及び外磁石群126は、ボイスコイル134を受け入れる隙間130を形成するように構成されている。別の態様では、巻型118及びボイスコイル134は、正方形や円筒形等の様々な形状を備えていてもよく、場合によっては、垂直に巻いて平らにし、位置決めしたボイスコイルが、対応する形状の磁石ボックス74及び隙間130に受け入れられていてもよい。
【0029】
図11は、図6の電磁オーディオトランスジューサー62の11−11線に沿った横断面図である。フレーム66の側壁82の第2側96は、パネル70のチップ端90の半径方向移動を受け入れるため、及びチップ端90とフレーム66の第2側96との間の距離をほぼ一定に維持するため、湾曲している。パネル70のチップ端90及びその二つの隣接した側端部91は、内側110にシール146を備えている。このシールは、側壁82に向かって延びているが、側壁82と係合しない。シール146は、フレーム66の側壁82と係合して摩擦を発生することなく、パネル70の内側110を外側114からシールするのを補助する、低摩擦で軽量で可撓性の材料である。シールが側壁82と接触した場合、低摩擦シール材料により、パネルは壁82に沿ってほとんど抵抗なしに摺動できる。別の態様では、シール146は、パネル70の外側114に配置されていてもよいし、パネル70の内側110及び外側114の両方に配置されていてもよい。パネル70が図示の休止位置にあるとき、ボイスコイル134の巻回部136は、磁石ボックス74の隙間130内に位置決めされる。
【0030】
作動では、スピーカーボックス61がパネル70の内側110をパネル70の外側114から永久的に遮断するように、図11の電磁オーディオトランスジューサー62をスピーカーボックス61(図7参照)に位置決めする。ボイスコイル134は、交流電気入力信号をボイスコイル134に提供するアンプ(図示せず)に接続され、ボイスコイル134は交互の電磁界を発生する。交互の電磁界は、内磁石群122及び外磁石群126が隙間130に提供する磁束150と反応し、ボイスコイル134を隙間130内で全体に矢印E及びFの方向に移動する。ボイスコイル134が矢印E及びFの方向に移動することにより、往復動トルク力を巻型118を通してパネル70に加え、パネル70は枢動端86のところで回転軸線98を中心としてシート106に沿って矢印D及びCの夫々の方向に回転する。パネル70のチップ端90は、これによって、回転軸線を中心とした半径方向経路内で及びフレーム66内で移動する。導電性ボイスコイル134は、磁石ボックス74の隙間130内で回転軸線を中心として半径方向経路内で移動する。パネル70がフレーム66及びスピーカーボックス61(図7参照)内で移動するとき、パネル70は空気中に圧力波を発生する。パネル70の内側110が正の圧力波を発生するとき、パネル70の外側114は負の圧力波を発生する。パネル70の内側110が発生した空気圧がスピーカーボックス61内で受け取られるため、パネル70の外側114が発生した空気圧波は、スピーカーボックス61の外側の周囲空気中に放出される。音響アンプからの入力電気信号と対応する周波数での空気の変位が音響波を発生する。
【0031】
更に、トランスジューサー62は、パネル70を移動するための磁石ボックス74及びボイスコイル134を含むドライバー又はアクチュエータとともに使用することに限定されていない。というよりはむしろ、パネル70は、パネル70に運動又は動力を伝達する任意の機械又はドライバーによってフレーム66に対して回転するように移動できるのである。別の態様では、図11の薄い可撓性ストリップ106(パネル70に対して垂直に且つ側壁82と平行に位置決めされ且つ取り付けられた状態で示してある)を90°回転させ、パネル70と平行に内側110又は外側114に取り付け、側壁82に対して垂直に取り付けてもよい。
【0032】
図12は、図11の電磁オーディオトランスジューサー62の部分断面側面図を示す。電気入力信号がボイスコイル134を、矢印Eの方向に、隙間130の外縁部154のピーク位置まで、しかしそれでも隙間130内にあるように駆動する。ボイスコイル134は、第1Xmax位置にある。ボイスコイル134がそのXmax位置まで矢印Eの方向に移動するとき、パネル70は、図11の休止位置から矢印Dの方向でダイヤフラム引っ込め位置まで回転する。更に、パネル70のチップ端90(図11参照)は、同様に、フレーム66の範囲内(図11参照)の最大引っ込め位置まで移動する。電気信号が方向を変えたとき、ボイスコイル134及びパネル70は矢印Cの方向に回転する。
【0033】
図13は、図11の電磁オーディオトランスジューサー62の部分断面側面図である。電気入力信号がボイスコイル134を矢印Fの方向に、隙間130の内縁部158のピーク位置まで、しかしそれでも隙間130内にあるように駆動する。ボイスコイル134は第2Xmax位置にある。ボイスコイル134がそのXmax位置まで矢印Fの方向に移動するとき、パネル70は、矢印Cの方向でダイヤフラム延長位置まで回転する。更に、パネル70のチップ端90(図11参照)は、同様に、フレーム66の範囲内(図11参照)の最大延長位置まで移動する。磁石ボックス74は、パネル70に対し、パネル70がダイヤフラム引っ込め位置とダイヤフラム延長位置との間のその全移動範囲に亘って移動するとき、ボイスコイル134が隙間130内にとどまるように位置決めされる。ボイスコイル134が隙間130内にとどまるため、トランスジューサー62は比較的高いスピーカー効率及び比較的低いディストーションを維持し、この際、空気を比較的大きく変位でき、その結果、特に低い周波数範囲で音響圧力レベルが高くなる。
【0034】
電磁オーディオトランスジューサー62(図11参照)の「レバーダイヤフラム」の半径方向移動及びこの半径方向移動を発生するための機械的方法により、このトランスジューサー62は、軸線方向線型移動で作動する従来の電磁トランスジューサーと関連した多くの問題点を解決できる。この電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー62(図11参照)の機構及び利点は、レバーの機構を大まかに検討することによって最もよく理解できる。図14は、電磁オーディオトランスジューサー62(図11参照)の「レバーダイヤフラム」の作動を示す、レバーシステム162の斜視図である。このレバーシステム162は、アーム即ちパネル166と、支点170と、ボイスコイル134(図11参照)を隙間130(図11参照)内で賦勢したときに発生する力を表す入力174とを含む。入力174は、パネル166の両側に加えることができる往復動力であり、パネル166の全幅に亘って加えることができ、パネル166の端部182に往復動出力186を発生する。パネル166の幅に亘って加えられた入力174により、パネル166を図示のように、矢印Gが示すように回転する。トルク又はモーメント175は、パネル166の幅に沿って延びる点172に加えられた入力174と、点172とモーメント中心即ち支点170までの距離との積である。末端182は、パネル166上の全ての点のうち、最も大きな距離に亘って移動し、これに対し近端178はパネル166上の全ての点のうち最も小さな距離に亘って移動する。パネル166上の全ての点によって加えられる力及びこれらの点が移動する距離は、支点170からパネルの全長までの入力174の距離のメカニカルアドバンテージの関数である。例えば、入力174は、支点170から、パネル166の長さの約1/4のところの離れた点172のところに加えられる。メカニカルアドバンテージのこの比に基づくと、入力174は、パネル166の端部182のところでの出力186の4倍であるが、パネル166の端部182は、点172の移動距離の4倍移動する。かくして、このレバーシステム162は、点172を越えて端部182まで運動を増幅するレバーである。
【0035】
図11に戻ると、電磁オーディオトランスジューサー62のダイヤフラムのレバー作動により、パネル70の移動、及びかくして音響を発生するための空気の変位を最大にでき、これと同時にボイスコイル134の移動を最小にできる。例えば、磁石ボックス74及びボイスコイル134は、パネル70を作動し、枢動端86(ほぼ支点のところ)からパネル70の長さの約1/4のところのパネル70に沿った領域でトルクをパネル70に加えるように位置決めされる。パネル70のチップ端90は、メカニカルアドバンテージに基づき、ボイスコイル134及び巻型118によってトルクが加えられたパネル70の領域の4倍の距離移動する。従って、ボイスコイルがコーンと同じ直線距離移動しなければならず、及びかくしてコーン全体の移動が、ボイスコイルを隙間内に維持するように制限される。従来のトランスジューサーの軸線方向に移動するダイヤフラムとは異なり、パネル70の大きな部分を、ボイスコイル134よりも遥かに大きな距離に亘って移動できると同時に、ボイスコイル134を隙間130内にとどめることができる。換言すると、パネル70の移動は、コーンが軸線方向に移動する種類の従来のオーディオトランスジューサーのように、ボイスコイル134の移動に対し、1:1の比によって制限されない。というよりはむしろ、パネル70のチップ端90に近い領域は、ボイスコイル134が移動するよりも大きな距離に亘って、1:1よりも大きな大きな比で、パネル70でのボイスコイル134の位置の関数として移動する。オーディオトランスジューサー62の枢動端86に対するボイスコイル134及び磁石ボックス74の位置が近ければ近い程、ボイスコイル134の移動距離に対するチップ端90の移動距離の比が大きくなる。かくして、電磁オーディオトランスジューサー62の「レバーダイヤフラム」は、コーンが軸線方向に移動する種類の従来のスピーカーよりも大きく空気を変位できると同時に、ボイスコイル134の移動を隙間130内に制限する。ダイヤフラム−空気変位を過度に行うためにボイスコイル134を隙間130から離す必要がないため、追加の入力電力を受け取ってこれを熱でなく力に変換できる。このようにして、電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー62は、ディストーションを増大したり効率を犠牲にすることなく、更に多くの入力電力を受け取って更に強い音響レベルを発生できる。
【0036】
電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー62のメカニカルアドバンテージは、スピーカーの様々な必要条件に合わせて容易に変化させることができる。例えば、ドライバーからパネル70に加えられる力はトルクであり、回転軸線98に対するドライバーのフレーム66上での位置によって容易に変化させることができるため、このレバーダイヤフラム構成を使用するスピーカーは、特定の使用に対して容易に「調整」できる。このような使用には、ホーンローディング、シールドボックスダイレクトラジエータ、バス−リフレックス、及び導波ホーンの用途が含まれる。ドライバーをパネルの回転軸線98に対して位置決めすることと関連した別の利点は、パネル70が変位できる空気の量を変化できるということである。ドライバーを回転軸線98に近付けることによって、パネル70のチップ端90(図11参照)は、隙間130内でのボイスコイル134の移動距離に対して大きな距離に亘って移動し、及びかくして更に多くの空気を変位する。軸線方向に移動する従来のオーディオトランスジューサーは、これらのトランスジューサーの構造及び作動のため、ダイヤフラムに加わる力の量、又は空気を変位するためのダイヤフラムの移動距離を変化するように変更するのは容易でない。
【0037】
別の態様では、図15に示すように、電磁オーディオトランスジューサー62の効率を向上するようにボイスコイル134及び磁石ボックス74の構造を変更してもよい。巻型118及びボイスコイル134は湾曲しており、内磁石群122及び外磁石群126は、同様に湾曲しており、湾曲したボイスコイル134を受け入れための湾曲した隙間130を形成する。ボイスコイル134及び隙間130の湾曲は、パネル70の半径方向移動と適合しており、ボイスコイル134が隙間130内の半径方向経路に沿って移動するとき、ボイスコイル134は、常に、内磁石群122及び外磁石群126の両方からほぼ同じ距離のところに配置される。ボイスコイル134が、移動中、内磁石群122及び外磁石群126のいずれかに近づいたり遠ざかったりしないため、図12及び図13に示すように内磁石群122及び外磁石群126が平らな表面を持つ場合よりも隙間130を狭幅にできる。隙間130を狭幅にすることにより、隙間130内の磁束密度を向上し、及びかくして電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー62の効率を向上する。
【0038】
別の態様では、図16に示すように、内磁石群122(図11参照)を磁石ボックス74からなくしてもよい。図示のように、磁石ボックス74の中央壁142には内磁石群122(図11参照)が取り付けられておらず、というよりはむしろ、隙間130が外磁石群126及び中央壁142だけで形成されている。中央壁142は、外磁石群126が提供する磁束150用の強磁性体でできた戻り経路である。隙間130内の磁束150は、この磁気構造ではそれ程強くないが、図16に示す実施例は、内磁石群122(図11参照)を持たず、組み立てが安価であり且つ容易である。
【0039】
別の態様では、磁気構造は、永久磁石がボイスコイル134に直接露呈されないように再形成してもよい。高出力の用途では、ボイスコイルは、スピーカーから高レベルの音圧を得るため、大量の電気エネルギを受け取る。このような場合には、電気入力を追加するとボイスコイルの磁力が増大し、これがダイヤフラムに伝達され、高レベルの音圧を発生する。しかしながら電気入力が高いと、ボイスコイルの温度が上昇する。電磁レバーダイヤフラムトランスジューサー62で使用された永久磁石はネオジム型であってもよい。これらの磁石は、消磁状態への磁石の遷移を開始する点であるキュリー温度を越えて加熱されることによる損傷(減磁)を被り易い。永久磁石に加わる熱を減少するための一つの方法は、磁石を隙間から遠ざけ、磁石が発生する磁界を、隙間を形成する鉄等の高透磁性導体により隙間に導くことである。この方法により、ボイスコイルが隙間内に発生した熱を高透磁性導体が受け取って吸収し、永久磁石に届く前にキュリー温度以下で放散する。高透磁性材料が形成する隙間を持ち、磁界を永久磁石から隙間に高透磁性材料を通して導くことによって、及びかくして磁石をボイスコイルに直接露呈しないことによって隙間内に磁界を形成する磁気構造は、ここに開示した実施例に容易に適合でき且つ使用できる。
【0040】
別の態様では、図17に示すように、磁石ボックス74の配向を変更することにより、トランスジューサー62のボイスコイル134が良好に受け入れられるようにする。巻型118と、ボイスコイル134と、内磁石群122及び外磁石群126と、隙間130とは全て湾曲している。磁石ボックス74は、半径方向経路内を移動するボイスコイル134を良好に受け入れるように磁石ボックス74が配向されるように、フレーム66に対して垂直でない角度でフレーム66に位置決めされる。図17の実施例では、磁石ボックス74を回転軸線に対してこのように配向することによって、トランスジューサー62の機械的効率を改善できる。
【0041】
別の態様では、図18に示すように、「オーバーハング」ボイスコイル134を電磁オーディオトランスジューサー62で使用できる。ボイスコイル134は、ボイスコイル134が休止位置にあるとき、隙間130の外に延びている。ボイスコイル134の長さを延長することによって、パネル70は、ボイスコイル134の一部を隙間130に残したまま幾分大きな距離に亘って回転できる。ボイスコイル134が大きく、隙間130の外に延びているため、ボイスコイル134は更に多くの電気エネルギを熱として放散し、及びかくして効率が低い。しかしながら、効率における損失は、パネル70が更に大きな距離に亘って移動できることにより変位される空気の容積が増大することによるトランスジューサー62の低周波数性能の向上によって相殺される。更に、パネル70は、可撓性ストリップでなく、ベアリング、ブッシュ、又はヒンジ225及びばね221によってフレーム66に回転自在に連結されてもよい。ばね221は、パネル70の回転に抵抗し、休止位置にある場合にパネル70及びボイスコイル134を図18に示す中央位置に維持するため、パネル70に圧力を加える。
【0042】
別の態様では、図19に示すトランスジューサー62は、ばね221(図18参照)がなくしてあり、ばねに代えて別の種類のサスペンションシステムが設けられている。ここでは、磁石260又は複数の磁石260がパネル70に取り付けてある。別の対応する磁石群261及び262がフレーム66に固定されている。パネル70には、磁石群261に対してクリアランスを提供する溝270が設けられている。磁極は、磁石260が磁石群261及び262の両磁石によって斥力を受けるように配向されている。磁石260は、磁石群261と262との間で等しい距離のところに維持されるように斥力を受ける。作動では、パネル70がその軸線を中心としていずれかの方向に回転するとき、磁石260が磁石群261又は262のいずれかに近づく。磁石260が磁石群261又は262のいずれかに近づくと、磁石間の斥力が、ばねを圧縮したのと同様に増大する。この斥力は、パネル70の移動に抵抗し、パネル70が回転していないとき、磁石260は、磁石群261及び262の間の中央の等距離の位置に押され、パネル70及びボイスコイル134を中央休止位置に戻す。磁気サスペンションシステムの利点は、磨耗する部品がないということである。更に、様々な作動温度において、磁気斥力は、温度の低下に従って硬くなる傾向のあるばね材料よりも安定している。例えば、従来のスピーカーシステムでは、周囲及びスパイダーのサスペンションシステムは、低温で硬くなり、スピーカーの作動特性を変化する傾向がある。更に、周囲及びスパイダーは、経時的に緩くなったり磨耗してしまう傾向がある。別の態様では、磁石群260をパネル70の別の位置に配置してもよく、磁石群261及び262をこれと対応してフレーム66及び磁石ボックス74の別の位置に配置してもよい。磁石群260を図19に示す位置に配置することの利点は、磁石260の慣性モーメントを最小に保持するということである。
【0043】
変形例では図11のパネル70を、フレーム66の側壁82の第1及び第2の両部材101及び103(図6参照)に連結してもよい。これは、少なくとも一つのピン又はアクスル、及びチップ端90と枢動端86との間に配置されたベアリングで形成される連結部によって行われる。パネル70は、連結部を中心として回転軸線に沿ってフレーム66内で回転してもよい。このような配向では、パネル70の枢動端86及びチップ端90の両方が半径方向に、フレーム66内で「シーソー」のように自由に移動する。更に、パネル70を移動するため、ボイスコイル134は、ピン及びベアリングのいずれかの側又は両側でパネル70に連結されていてもよく、磁石ボックス74は、ボイスコイル134を受け入れるため、ピン及びベアリングのいずれかの側又は両側でフレーム66に直接的に又は間接的に連結されていてもよい。
【0044】
別の態様では、図26及び図27に示すように、パネル70はバッフル300の穴301内に配置されていてもよい。バッフル300は音響波間の干渉を阻止する隔壁である。磁石ボックス74は、パネル70に連結されたコイル134と係合するようにバッフル300に取り付けられていてもよく、及びかくして、パネル70をバッフル300に対して回転するアクチュエータとして役立つ。パネル70は、パネル70をバッフル300に薄い可撓性材料106で連結することによって、穴301内に懸架されている。この連結により、パネル70の回転軸線が提供される。別の態様では、パネル70をフレームに回転するように連結するための本明細書中に説明した任意の他の方法、例えばベアリング又はアクスル、又はばねや磁石によるセンタリングを使用して、パネル70をバッフル300内に懸架してもよい。パネル70は、図5のフレーム66内で作動するのと同じ方法で、包囲バッフル300内で回転し作動する。別の態様では一つ以上のパネル70及びアクチュエータ機構74を単一のバッフル300に取り付けてもよい。別の態様では、パネル70は、図28に示すように、包囲中空ボックス302のバッフル300の穴内に配置されてもよい。中空ボックス302は、エンクロージャー又はスピーカーボックスであってもよく、任意の形状であってもよい。
【0045】
多くの場合、多数のオーディオトランスジューサーが単一のホーンで互いに組み合わせられており、このホーンで各トランスジューサーが様々な周波数範囲の音響波をホーン内に放出する。これらの音響波は、ホーンを出て自由空気空間に入る前に互いに組み合わせられる。このようなトランスジューサー−ホーン構成は、空気の音響負荷のインピーダンスを各音響トランスジューサーと合致させ、多数の音響トランスジューサーがホーン内で発生した音響波の経路の向きを定め且つ設定するのに役立つ。図20及び図21に示すように、様々な周波数範囲の音響を発生する多数の音響トランスジューサーを互いに組み合わせてホーンを形成し、全音響範囲のホーン−スピーカーシステムアッセンブリ190を形成する。図20は、少なくとも一つの従来の高周波数デバイス192(断面図でなく全図として示す)、中周波数及び低周波数の電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー194及び198を使用するスピーカーシステムアッセンブリ190の平断面図を示す。これらは、スロート区分202及び口区分204を持つホーンが形成されるようにエンクロージャー208に取り付けられる。低周波数トランスジューサー198のパネル70は平らであり且つテーパしている。エンクロージャー208は、トランスジューサー198のパネル70の後側からの音圧を捕捉して閉じ込める。同様に、エンクロージャー206は、トランスジューサー194のパネル70の後側からの音圧を捕捉して閉じ込め、更に、トランスジューサー198からの低周波数の音圧に対する障壁を提供する。高周波数デバイス192、即ちドライバーは、高周波数オーディオ音圧波を発生する。
【0046】
中周波数トランスジューサー194のパネル70及びフレーム66は、スロート区分202のところでの高周波数ドライバー192についてのホーンのフレア率と良好に適合するように湾曲していてもよい。中周波数トランスジューサー194のパネル70及びフレーム66の湾曲は、更に、高周波数ドライバー192から出る高周波数音響波用の、障害が最小の導波経路を提供する。例えば、高周波数ドライバー192から出た高周波数音響波は、中周波数トランスジューサー194の滑らかに湾曲したパネル70に沿って、最小の干渉で通過し且つ差し向けられる。作動中にピークからピークまで往復動する中周波数トランスジューサー194のパネル70では、パネル70の形状及び位置は、ドライバー192から出る高周波数音響波の主経路とほとんど干渉しない。同様に、低周波数トランスジューサー198のテーパしたパネル70は、高周波数ドライバー192及び中周波数トランスジューサー194から出る音響波とほとんど干渉しない。別の態様では、スピーカーシステム190は、従来の高周波数ドライバー192とともに使用することに限定されない。例えば、別の電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーを、スピーカーシステム190の高周波数ドライバーとして使用されるように適合してもよい。
【0047】
壁は、ホーンシステムの堅固な境界を形成し、トランスジューサーがホーンと関連して発生した音響波をホーンの外へ自由空気空間に差し向けるための経路を形成する。壁は、更に、トランスジューサーのインピーダンス適合機能を提供する。電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー194及び198のパネル70は、ホーンに容易に適合できる。この場合、パネル70は、ホーンシステムの他のトランスジューサーが発生した音響波を差し向けるための堅固な境界である。更に、パネル70は、これらのパネルそれ自体の音響周波数範囲をホーン内に放射する。スピーカーシステム190の電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー194及び198のパネル70は、ホーンの一体のアクティブ壁(active wall)となる。電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー194及び198をホーンの一体のアクティブ壁として使用することによって、スピーカーシステム190は従来のスピーカーシステムよりも小型化でき且つ軽量化できる。別の態様では、スピーカーシステム190のトランスジューサー194又は198の配向を、各トランスジューサーと関連したドライバーの枢動端がホーンの口区分204の近くに位置決めされるように配置してもよい。この場合、半径方向移動が最大のパネル70のチップ端は、ホーンのスロート区分202の近くにある。トランスジューサーのこの構成は、スピーカーシステム190のインピーダンス適合を改善する。
【0048】
別の態様では、図21に示すように、スピーカーシステム190は、台形形状のパネル70及びフレーム66を持つ追加の電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー210をスピーカーシステム190のホーンの上部に取り付けてもよい。別の態様では、台形形状のパネル70及びフレーム66を持つ別の電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーをスピーカーシステム190のホーンの下部に取り付けてもよい。追加の電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー210は、スピーカーシステム190の外に放射される前にホーン内で発生する周波数範囲の音響強さレベルを増大する。図示のように、磁石ボックス74及び枢動端86は、台形パネル70に設けられたボイスコイル134(図示せず)を受け入れるため、台形フレーム66の広幅の端部に位置決めされる。別の態様では、磁石ボックス74及び枢動端86は、台形パネル70に設けられたボイスコイル134(図示せず)を受け入れるため、台形フレーム66の狭幅の端部に位置決めされてもよい。
【0049】
変形例では電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー210は、スピーカーシステムの形状に適合する任意の他の形状を備えていてもよい。単なる例として、電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー210及びそのパネル70及びフレーム66は、正方形、矩形、三角形、半円形、又はスピーカーシステムで使用するのに適した任意の他の形状を備えていてもよい。更に、ボイスコイル134及び磁石ボックス74は、回転軸線を中心としてパネル70を回転するため、パネル70及びフレーム66に様々な位置及び配向で位置決めされていてもよい。
【0050】
別の態様では、全体に台形形状のパネル即ちダイヤフラムを他の実施例で使用してもよい。図22乃至図25は、図20に示す空気圧シールエンクロージャーを持たないホーンスピーカーシステムを示す。作動では、エンクロージャー206及び208を図22乃至図25に示す作動システムで使用するように適合できる。図22及び図23は、縁部のところを互いに連結してホーン220の境界を形成する一連の台形壁216を持つスピーカーシステム190を示す。ホーン220は、ドライバー192のスロート202のところで開始し、ホーン220の口228まで延びる垂直方向フレア区分224を有する。図23の平断面図を参照すると、水平方向フレアは点203のところで開始し、ホーン220の口228まで維持される。この最終フレア区分232(即ちホーンのベル)は、オーディオトランスジューサーがホーン220内で発生した音響波を出すため、ホーン220の一定の指向角度を決定する。
【0051】
図22を参照すると、低周波数電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー214及び中周波数電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサー218は、各々、台形形状のパネル70を有し、ホーン220の壁216に取り付けることができる。図23を参照すると、台形のパネル70を持つトランスジューサー214及び218は、ホーン220の向き合った壁216に取り付けられていてもよい。低周波数トランスジューサー214は、ホーン220のベル232に沿って、ホーン220の点203と口228との間に互いに向き合って取り付けられている。同様に、中周波数トランスジューサー218は、スロート202とホーン220の点203との間に互いに向き合って取り付けられている。各トランスジューサー214及び218の台形形状のパネル70及びフレーム66により、これらのトランスジューサー214及び218をホーン220のフレア形状内で使用できる。別の態様では、ホーン220は、台形のパネル70を持つ任意の電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーを、ホーン220の各壁216に備えていてもよい。
【0052】
別の態様では、ホーン構成の従来の軸線方向往復動トランスジューサーで台形のパネル70を使用してもよい。図24及び図25は、トランスジューサーが、電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーでなく、軸線方向に往復動するフラットパネル型低周波数オーディオトランスジューサー234及び中周波数オーディオトランスジューサー238であることを除き、図22及び図23に示すのと同様のホーン220を示す。図24を参照すると、低周波数オーディオトランスジューサー234及び中周波数オーディオトランスジューサー238の各々は、軸線方向駆動ドライバーシステム240に連結された台形形状のパネル70を各々有し、ホーン220の壁216に取り付けられていてもよい。図25を参照すると、台形パネル70を持つトランスジューサー234及び238は、ホーン220の向き合った壁216に取り付けられていてもよい。低周波数トランスジューサー234は、ホーン220のベル232に沿って、ホーン220の点203と口228との間に互いに向き合って取り付けられている。同様に、中周波数トランスジューサー238は、垂直フレア224に沿って、ホーン220のスロート202と点203との間に互いに向き合って取り付けられている。トランスジューサー234及び238の台形形状のパネル70及びフレーム66により、トランスジューサー234及び238をホーン220のフレア形状内で使用できる。別の態様では、ホーン220は、ホーン220の各壁216に台形パネル70が設けられた任意の数の従来の軸線方向に往復動するフラットパネル型オーディオトランスジューサーを備えていてもよい。
【0053】
図22乃至図25のパネル70及びフレーム66が台形形状であるため、トランスジューサー214、218、234、及び238をスピーカー−ホーン構成で使用でき、これによって、従来の円形形状のトランスジューサーを越える幾つかの利点を提供する。台形パネル70は、ホーン壁216に沿った空間の大部分を使用し、ホーン220内の各トランスジューサーの音響波経路を損なわないように、角度をなしたホーン壁216に連続性を提供する。台形パネル70は、更に、単なる静的ホーン壁境界ではなく、一体のアクティブホーン壁境界として役立つ。換言すると、各パネル70は、各トランスジューサーに対し、導波体として役立つ他、所定範囲の周波数に亘ってそれ自体の音響波を発生する。
【0054】
別の態様では、上文中に説明した実施例のうちの任意の実施例を、多くの方法で組み合わせ且つ相互に入れ替えることにより、特定のスピーカーシステムについての必要に適した実施例が提供される。
【0055】
電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーの様々な実施例は、軸線方向に往復動する従来のオーディオトランスジューサーを越える多くの利点及び改良を提供する。第1に、上文中に説明したように、レバーダイヤフラム即ちパネルの移動が、ボイスコイルの移動に対し、1:1の比に限定されない。というよりはむしろ、トランスジューサーのダイヤフラムをレバー設計にすることにより、パネルのチップ端がボイスコイルよりも大きな距離に亘って移動するのである。かくして、ダイヤフラムパネルは、ボイスコイルを隙間内に維持しつつ、コーンが軸線方向に往復動する種類の従来のスピーカーよりも多くの空気を変位できる。従って、電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーは、ディストーションを発生したり効率を犠牲にしたりすることなく高レベルの音の強さを発生するため、低周波数で、比較的高い電気入力信号を受け取ることができる。従来技術に記載した、コーンが軸線方向に往復動する種類のオーディオトランスジューサーと関連した問題点は、電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーによって低減される。
【0056】
第2に、電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーのレバーダイヤフラム及び関連した部品は、移動中の慣性による悪影響が、従来のオーディオトランスジューサーでの同様の可動部品によるよりも小さい。軸線方向に往復動する従来のオーディオトランスジューサーの可動部品と関連した全質量は、それらの移動に抗する慣性力に対して所定の関係にある。本発明の電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーの可動部品が遭遇する慣性力は、レバーダイヤフラムパネルの枢動端即ち支点からの距離に関するそれらの質量の関数である。例えば、高質量のボイスコイルは、ボイスコイルの慣性モーメントを減少するため、枢動端近くに位置決めされる。逆に、パネルのチップ端は支点から遠くにあり、及びかくしてモーメントが最大であるが、チップ端は、移動するパネルに限られた量の慣性しか発生しないように、質量が小さい。電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーの大質量の構成要素を支点の近くに置くことにより、慣性力を低減でき、電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーは、従来のトランスジューサーよりも効率が高い。更に、慣性力の効果を低減するため、ボイスコイルのモーメントを制限するこの方法によって、慣性を大幅に増大することなく、比較的高レベルの音響出力を発生するため、比較的大きな電気入力を受け取るため、電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーで、大型の更に強力なボイスコイルを使用できる。
【0057】
更に、電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーのレバー設計により、ダイヤフラム即ちパネルの移動に及ぼされる慣性の作用を増大することなく、強固であり且つ更に丈夫な懸架システムが可能になる。電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーの支点は、回転軸線のところに配置されており、及び従って、移動するパネルの慣性を大幅に増大することなく、重量のある強固な材料で形成できる。従って、電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーのサスペンションシステムを、トランスジューサーのダイヤフラムに追加の慣性を発生することなく、軸線方向に往復動する従来のオーディオトランスジューサーのサスペンションシステムよりも遥かに強固につくることができる。
【0058】
電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーのレバー設計は、更に、パネル及びボイスコイルを中心決めし且つ懸架するための周囲及びスパイダーに対する必要をなくすことによって、従来のトランスジューサーを改良する。周囲及びスパイダーの質量は、従来のオーディオトランスジューサーの軸線方向に往復動するダイヤフラムに慣性を追加する。周囲及びスパイダーは、更に、軸線方向に往復動するコーンの移動範囲を制限し、その移動に対する機械的抵抗を追加する。電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーでは、支点のところにある丈夫なサスペンションシステムがパネル及びボイスコイルを懸架し且つ中心決めし、これによりパネルの移動範囲を大きくできると同時に、慣性の効果を制限し、及びかくして電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーの効率を向上する。
【0059】
更に、電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーのダイヤフラム設計は、多トランスジューサーホーンスピーカーシステムに容易に適合できることによって、従来のオーディオトランスジューサーを改良する。ダイヤフラム又はパネルの形状を、特定のホーン設計の形状上の必要に従って定めることができるため、パネルをホーンの一体のアクティブ導波壁として使用できる。一つの電磁レバーダイヤフラムオーディオトランスジューサーのパネルは、所定範囲の音響周波数をホーン内に放出すると同時に、他のトランスジューサーの音響波を、ホーン形状の連続性の中断が最小のホーンシステム内に案内する。
【0060】
本発明を特定の実施例を参照して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、等価物に代えてもよいということは当業者には理解されよう。更に、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合するため、本発明の範囲から逸脱することなく多くの変更を行うことができる。従って、本発明を開示の特定の実施例に限定しようとするものではなく、本発明は、特許請求の範囲の範疇の全ての実施例を含もうとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、従来技術のスピーカーの断面図である。
【図2】図2は、コーン延長位置での図1のスピーカーの断面図である。
【図3】図3は、従来技術のスピーカーの断面図である。
【図4】図4は、コーン延長位置での図3のスピーカーの断面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施例に従って形成した電磁オーディオトランスジューサーを正面から見た斜視図である。
【図6】図6は、図5の電磁オーディオトランスジューサーを下側から見た斜視図である。
【図7】図7は、本発明の一実施例に従って形成したスピーカーシステムを正面から見た斜視図である。
【図8】図8は、図6の電磁オーディオトランスジューサーの分解斜視図である。
【図9】図9は、図6の磁石ボックスの下側の斜視図である。
【図10】図10は、本発明の一実施例に従って形成したボイスコイルを受け入れる磁石ボックスの下側の平面図である。
【図11】図11は、図6の電磁オーディオトランスジューサーの11−11線に沿った側断面図である。
【図12】図12は、図11の電磁オーディオトランスジューサーの部分側面図である。
【図13】図13は、図11の電磁オーディオトランスジューサーの部分側面図である。
【図14】図14は、本発明の一実施例に従って形成した電磁オーディオトランスジューサーのレバーダイヤフラムの作動を示す、レバーシステムの斜視図である。
【図15】図15は、本発明の一実施例に従って形成した電磁オーディオトランスジューサーの部分断面側面図である。
【図16】図16は、本発明の一実施例に従って形成した電磁オーディオトランスジューサーの部分断面側面図である。
【図17】図17は、本発明の一実施例に従って形成した電磁オーディオトランスジューサーの部分断面側面図である。
【図18】図18は、本発明の一実施例に従って形成した電磁オーディオトランスジューサーの部分断面側面図である。
【図19】図19は、本発明の一実施例に従って形成した電磁オーディオトランスジューサーの部分断面側面図である。
【図20】図20は、本発明の一実施例に従って形成したスピーカーシステムを上方から見た断面図である。
【図21】図21は、本発明の一実施例に従って形成したスピーカーシステムを上方から見た断面図である。
【図22】図22は、本発明の一実施例に従って形成したスピーカーホーンの側面図である。
【図23】図23は、図22の23−23線に沿ったスピーカーホーンの断面図である。
【図24】図24は、本発明の一実施例に従って形成したスピーカーホーンの側面図である。
【図25】図25は、図24の25−25線に沿ったスピーカーホーンの断面図である。
【図26】図26は、本発明の一実施例に従って形成したバッフル内に取り付けたパネルの側断面図である。
【図27】図27は、図26のパネル及びバッフルの斜視図である。
【図28】図28は、本発明の一実施例に従って形成したスピーカーボックスのバッフル内に取り付けたパネルを正面から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
60 スピーカーシステム
61 スピーカーボックス
62 電磁オーディオトランスジューサー
66 フレーム
70 パネル即ちダイヤフラム
74 磁石ボックス
82 側壁
86 枢動端
90 チップ端
94 第1側
96 第2側
98 回転軸線
101 第1部材
102 後側
103 第2部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスジューサーにおいて、
フレームと、
前記フレーム内に配置され、前記フレームに対して回転軸線を中心として回転できるように前記フレームに連結されたパネルと、
前記パネルと係合し、前記パネルが前記回転軸線を中心として回転して空気を変位するように位置決めされたアクチュエータとを含む、トランスジューサー。
【請求項2】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記アクチュエータは、磁界が提供される隙間を持つ磁気構造を含み、前記アクチュエータは、前記隙間内で前記磁気構造に対して移動するように前記隙間内に配置される導電性コイルを含む、トランスジューサー。
【請求項3】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記アクチュエータは、前記パネルに連結された巻型を含み、該巻型に導電性コイルが連結されている、トランスジューサー。
【請求項4】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルは第1端を有し、該第1端は、前記パネルが、前記第1端と前記フレームとの間の連結部のところで、前記回転軸線を中心として回転するように前記フレームに連結されている、トランスジューサー。
【請求項5】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルは、可撓性シートによって前記フレームに連結された第1端を含み、前記可撓性シートは、前記パネルが回転するときに撓むように前記パネルの前記第1端及び前記フレームに連結されている、トランスジューサー。
【請求項6】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルはベアリングによって前記フレームに連結されており、前記連結は、前記パネルが前記ベアリングを中心として前記フレームに対して回転するようになされる、トランスジューサー。
【請求項7】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルは、前記回転軸線を中心として回転していない場合には第1位置にあり、前記パネルは、ばねに連結されており、前記ばねは、前記パネルが回転するとき、前記パネルの回転に抵抗し、前記パネルが回転していない場合には、前記パネルを前記第1位置に維持する、トランスジューサー。
【請求項8】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルは、前記回転軸線を中心として回転していない場合には第1位置にあり、前記パネルは、第1磁石を含み、前記フレームは第2磁石及び第3磁石を含み、前記第1磁石は、前記パネルが回転するとき、記第2磁石及び前記第3磁石による磁気的斥力を受け、前記パネルが回転していない場合には、前記磁気的斥力が前記パネルを前記第1位置に維持するように、前記第2磁石及び前記第3磁石に対して配向されている、トランスジューサー。
【請求項9】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルは前記フレームに向かって延びるシールを含む、トランスジューサー。
【請求項10】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記トランスジューサーを少なくとも一つの他のトランスジューサーと組み合わせ、トランスジューサーシステムを形成する、トランスジューサー。
【請求項11】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルは平らな形状を有する、トランスジューサー。
【請求項12】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルは湾曲している、トランスジューサー。
【請求項13】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルはテーパしている、トランスジューサー。
【請求項14】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記アクチュエータは複数の導電性コイルを有する、トランスジューサー。
【請求項15】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルはチップ端を有し、前記フレームは前記パネルの前記チップ端と整合した壁を有し、前記壁は、前記パネルが回転するとき、前記パネルの前記チップ端の移動を受け入れるため、湾曲している、トランスジューサー。
【請求項16】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルは台形形状であり、前記フレームは台形形状である、トランスジューサー。
【請求項17】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルは、ホーンの一体の壁である、トランスジューサー。
【請求項18】
請求項1に記載のトランスジューサーにおいて、
前記パネルは、別のトランスジューサーが発生した音響波を差し向ける、トランスジューサー。
【請求項19】
電磁トランスジューサーにおいて、
フレームと、
前記フレーム内に配置され、前記フレームに対し、前記フレームとの間の連結部のところで回転軸線を中心として回転できるように前記フレームに連結されたパネルと、
前記パネルに連結された導電性コイルと、
前記フレームに連結された磁気構造とを有し、前記磁気構造は、磁界が提供される隙間を含み、前記隙間は、前記導電性コイルを受け入れるように位置決めされ、
前記導電性コイルは、前記隙間内で電荷が加えられ、前記パネルは前記回転軸線を中心として回転し、空気を変位するように移動する、電磁トランスジューサー。
【請求項20】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記導電性コイルは、前記パネルが回転するとき、半径方向経路に沿って移動する、電磁トランスジューサー。
【請求項21】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記隙間は湾曲しており、前記導電性コイルは湾曲しており、前記湾曲したコイルは、前記パネルが前記回転軸線を中心として回転するとき、前記湾曲した隙間内で、前記磁気構造に対して半径方向経路内で移動するように、前記湾曲した隙間内に配置される、電磁トランスジューサー。
【請求項22】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルは内面及び外面を有し、前記フレームは、エンクロージャーに取り付けられており、前記パネルが回転するとき、前記内面が前記エンクロージャー内の空気を変位し且つ前記外面が前記エンクロージャーの外側の空気を変位し、音響波を形成する、電磁トランスジューサー。
【請求項23】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、更に、
前記パネルに連結された巻型を含み、前記導電性コイルは、前記巻型に連結されている、電磁トランスジューサー。
【請求項24】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルは前記フレームに可撓性シートによって連結されており、前記可撓性シートは、前記パネルの第1端及び前記フレームの第1側に、前記パネルが回転するときに撓むように連結されている、電磁トランスジューサー。
【請求項25】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルは前記フレームにベアリングによって連結されており、前記パネルは、前記フレームに対し、前記ベアリングを中心として回転する、電磁トランスジューサー。
【請求項26】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルは、前記回転軸線を中心として回転していない場合には第1位置にあり、前記パネルは、ばねに連結されており、前記ばねは、前記パネルが回転するとき、前記パネルの回転に抵抗し、前記パネルが回転していない場合には、前記パネルを前記第1位置に維持する、トランスジューサー。
【請求項27】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルは、前記回転軸線を中心として回転していない場合には第1位置にあり、前記パネルは、第1磁石を含み、前記フレームは第2磁石及び第3磁石を含み、前記第1磁石は、前記パネルが回転するとき、前記第2磁石及び前記第3磁石による磁気的斥力を受け、前記パネルが回転していない場合には、前記磁気的斥力が前記パネルを前記第1位置に維持するように、前記第2磁石及び前記第3磁石に対して配向されている、トランスジューサー。
【請求項28】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルは前記フレームに向かって延びるシールを含む、電磁トランスジューサー。
【請求項29】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記トランスジューサーを少なくとも一つの他のオーディオトランスジューサーと組み合わせ、トランスジューサーシステムを形成する、電磁トランスジューサー。
【請求項30】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルは平らな形状を有する、電磁トランスジューサー。
【請求項31】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記磁気構造は、第1磁石が取り付けられた内壁と、第2磁石が取り付けられた中央壁とを含み、前記第1及び第2の磁石は、その間に前記隙間を形成し、前記隙間に前記磁界を提供し、前記導電性コイルは、前記パネルが前記回転軸線を中心として回転するとき、前記隙間内で移動する、電磁トランスジューサー。
【請求項32】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記磁気構造は、内壁及び中央壁を含み、前記内壁には磁石が取り付けられており、前記磁石及び前記中央壁はその間に前記隙間を形成し、前記隙間内に前記磁界を提供し、前記導電性コイルは、前記パネルが前記回転軸線を中心として回転するとき、前記隙間内で移動する、電磁トランスジューサー。
【請求項33】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記導電性コイルは湾曲しており、前記磁気構造は磁石が取り付けられた内壁及び中央壁を含み、前記磁石は前記内壁に関して湾曲しており、前記中央壁は前記内壁に関して湾曲しており、前記湾曲した磁石及び前記湾曲した中央壁がその間に前記隙間を形成し、前記隙間は湾曲しており、前記湾曲した隙間内に前記磁界を提供し、前記湾曲した隙間は前記湾曲した導電性コイルを内部に受け入れる、電磁トランスジューサー。
【請求項34】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルは内面を有し、該内面には、前記内面に関して湾曲した巻型が設けられ、前記導電性コイルは、前記内面に関して湾曲しており且つ前記巻型に連結されており、前記導電性コイル及び前記巻型は前記隙間内に受け入れられる、電磁トランスジューサー。
【請求項35】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記フレームは内面を有し、前記磁気構造は、前記隙間が前記導電性コイルを内部に受け入れるように前記フレームの前記内面に垂直でない角度で取り付けられている、電磁トランスジューサー。
【請求項36】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルは湾曲している、電磁トランスジューサー。
【請求項37】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルはテーパしている、電磁トランスジューサー。
【請求項38】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記導電性コイルは複数の導電性コイルを含み、これらの複数の導電性コイルは、前記磁気構造によって受け入れられる、電磁トランスジューサー。
【請求項39】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルはチップ端を有し、前記フレームは前記パネルの前記チップ端と整合した壁を有し、前記壁は、前記パネルが回転するとき、前記パネルの前記チップ端と前記フレームの前記壁との間にほぼ一定の距離が維持されるように、湾曲している、電磁トランスジューサー。
【請求項40】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルは台形形状であり、前記フレームは台形形状である、電磁トランスジューサー。
【請求項41】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記パネルは、ホーンの一体の壁である、電磁トランスジューサー。
【請求項42】
請求項19に記載の電磁トランスジューサーにおいて、
前記電磁トランスジューサーの前記パネルは、別のトランスジューサーが発生した音響波を案内する、電磁トランスジューサー。
【請求項43】
スピーカーシステムにおいて、
エンクロージャーと、
前記エンクロージャーに取り付けられたフレームと、
前記フレーム内に配置され、前記フレームに対し、前記フレームとの間の連結部のところで回転軸線を中心として回転できるように前記フレームに連結されており、前記エンクロージャーに向かって面する内側と、前記エンクロージャーの外側に面する外側とを有する、パネルと、
前記パネルに連結された導電性コイルと、
前記フレームに連結された磁気構造とを有し、前記磁気構造は、磁界が提供される隙間を含み、前記隙間は、前記導電性コイルを受け入れるように位置決めされ、
前記導電性コイルは、前記隙間内で電荷が加えられ、前記パネルは前記回転軸線を中心として回転し、前記内面は前記エンクロージャー内の空気を変位し、前記外面は前記エンクロージャーの外側の空気を変位し、音響波を形成する、スピーカーシステム。
【請求項44】
請求項43に記載のスピーカーシステムにおいて、
前記パネルは台形形状であり、前記フレームは台形形状である、スピーカーシステム。
【請求項45】
請求項43に記載のスピーカーシステムにおいて、
前記スピーカーシステムは、スピーカーシステムアッセンブリで第2スピーカーシステムと組み合わせられた第1スピーカーシステムであり、前記第1スピーカーシステムの前記パネルは、前記第2スピーカーシステムから音響波を案内する壁である、スピーカーシステム。
【請求項46】
請求項43に記載のスピーカーシステムにおいて、更に、
高周波数トランスジューサーを含み、前記高周波数トランスジューサーは音響波を放出し、これらの音響波は前記パネルによって案内される、スピーカーシステム。
【請求項47】
請求項43に記載のスピーカーシステムにおいて、
前記スピーカーシステムの前記パネルは、ホーンの一体の壁である、スピーカーシステム。
【請求項48】
スピーカーシステムにおいて、
スロートから口までフレア状区分を形成する壁を持つホーンと、
前記ホーンの前記壁の一つに沿って配置された少なくとも一つの電磁オーディオトランスジューサーとを含み、
前記少なくとも一つの電磁オーディオトランスジューサーは、フレームと、該フレーム内に配置された、内面及び外面を持つ台形形状のパネルと、前記内面に連結された導電性コイルと、前記フレームに連結された磁気構造とを含み、前記導電性コイルには、前記磁気構造に対して電荷が加えられ、前記台形形状のパネルが前記フレームに対して移動し、前記ホーン内に音響波を発生する、スピーカーシステム。
【請求項49】
請求項48に記載のスピーカーシステムにおいて、
前記フレームは台形形状である、スピーカーシステム。
【請求項50】
請求項48に記載のスピーカーシステムにおいて、
前記ホーンは、その少なくとも二つの向き合った壁に少なくとも一つの電磁オーディオトランスジューサーを備えている、スピーカーシステム。
【請求項51】
スピーカーにおいて、
バッフルと、
前記バッフル内に配置されており、前記バッフルに対して回転軸線を中心として回転できるように前記バッフルに連結されたパネルと、
前記パネルが前記回転軸線を中心として回転し、空気を変位するように前記パネルと係合するように位置決めされたアクチュエータとを含む、スピーカー。
【請求項52】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記アクチュエータは、磁界が提供される隙間を持つ磁気構造を含み、前記アクチュエータは、前記隙間内で前記磁気構造に対して移動するように前記パネルに連結されており且つ前記隙間内に配置された導電性コイルを含む、スピーカー。
【請求項53】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記アクチュエータは、前記パネルに連結された巻型を含み、前記巻型には導電性コイルが連結されている、スピーカー。
【請求項54】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記バッフルには、前記パネルと前記バッフルとの間を通過するように空気を制限するように、前記パネルと対応する形状を持ち且つ前記パネルを包囲するように受け入れる穴が設けられている、スピーカー。
【請求項55】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記穴は、内壁によって部分的に形成されており、前記パネルはチップ端を有し、前記内壁は前記チップ端と整合し、前記内壁は、前記パネルが回転するとき、前記チップ端と前記湾曲した内壁との間にほぼ一定の距離が維持されるように湾曲している、スピーカー。
【請求項56】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記パネルは、可撓性シートによって前記バッフルに連結された第1端を含み、前記可撓性シートは、前記パネルが回転するときに撓む、スピーカー。
【請求項57】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記パネルは、ベアリングによって前記バッフルに連結されており、前記パネルは、前記バッフルに対し、前記ベアリングを中心として回転する、スピーカー。
【請求項58】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記パネルは、前記回転軸線を中心として回転していない場合には第1位置にあり、前記パネルは、ばねに連結されており、前記ばねは、前記パネルが回転するとき、前記パネルの回転に抵抗し、前記パネルが回転していない場合には、前記パネルを前記第1位置に維持する、トランスジューサー。
【請求項59】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記パネルは、前記回転軸線を中心として回転していない場合には第1位置にあり、前記パネルは、第1磁石を含み、前記バッフルは第2磁石及び第3磁石を含み、前記第1磁石は、前記パネルが回転するとき、前記第2磁石及び前記第3磁石による磁気的斥力を受け、前記パネルが回転していない場合には、前記磁気的斥力が前記パネルを前記第1位置に維持するように、前記第2磁石及び前記第3磁石に対して配向されている、トランスジューサー。
【請求項60】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記トランスジューサーを少なくとも一つの他のトランスジューサーと組み合わせ、トランスジューサーシステムを形成する、スピーカー。
【請求項61】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記パネルは、前記バッフルに向かって延びるシールを含む、スピーカー。
【請求項62】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記パネルは平らな形状を有する、スピーカー。
【請求項63】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記パネルは湾曲している、スピーカー。
【請求項64】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記パネルはテーパしている、スピーカー。
【請求項65】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記パネルは台形形状である、スピーカー。
【請求項66】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記パネルはホーンの一体の壁である、スピーカー。
【請求項67】
請求項51に記載のスピーカーにおいて、
前記パネルは、音響波を別のトランスジューサーから案内する、スピーカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2008−532422(P2008−532422A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558099(P2007−558099)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/006860
【国際公開番号】WO2006/093876
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(507293561)
【Fターム(参考)】