非接触充電対応型二次電池、非接触充電器
【課題】より利便性の高い非接触充電対応型二次電池、非接触充電器を実現する。
【解決手段】本発明の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、アルカリ二次電池10と、受電コイルL1〜L4、受電コイルL1〜L4に並列に接続された共振コンデンサC1を含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路21と、受電回路21で受電する交流電力を整流する整流回路22と、整流回路22からアルカリ二次電池10への充電電流を制限する電流制限回路23と、アルカリ二次電池10が収容され、アルカリ二次電池10の正極12が接続される正極端子31、アルカリ二次電池10の負極13が接続される負極端子32を含む円柱形状の外装体30と、を備え、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイルL1〜L4が外装体30の内周面33に沿って設けられている。
【解決手段】本発明の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、アルカリ二次電池10と、受電コイルL1〜L4、受電コイルL1〜L4に並列に接続された共振コンデンサC1を含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路21と、受電回路21で受電する交流電力を整流する整流回路22と、整流回路22からアルカリ二次電池10への充電電流を制限する電流制限回路23と、アルカリ二次電池10が収容され、アルカリ二次電池10の正極12が接続される正極端子31、アルカリ二次電池10の負極13が接続される負極端子32を含む円柱形状の外装体30と、を備え、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイルL1〜L4が外装体30の内周面33に沿って設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾電池と代替可能なアルカリ二次電池であって非接触で充電可能な非接触充電対応型二次電池、この非接触充電対応型二次電池に非接触で電力を伝送して充電する非接触充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
乾電池(IEC60086(JISC8500)に規定される一次電池)とサイズや出力電圧等が同じであり、乾電池と代替可能なアルカリ二次電池等の二次電池(Secondary Battery)は、近年の地球環境保護の気運の高まりから広く普及しつつある。また二次電池の充電に関する技術の一例としては、非接触電力伝送(Contactless Power Transmission)技術を用いたものが公知である。そして乾電池と代替可能な二次電池に対し、非接触電力伝送技術を用いて充電する従来技術の一例としては、電磁誘導(Electromagnetic Induction)方式が公知である(例えば特許文献1〜5を参照)。
【0003】
しかし電磁誘導方式による非接触電力伝送は、電力を伝送できる距離が非常に短い上、送電側のコイルと受電側のコイルとの位置関係が僅かにずれただけでも電力伝送効率が大幅に低下してしまうため、その位置関係を正確に合わせる必要があり、利便性の面で課題がある。また電磁誘導方式による非接触電力伝送は、何らかの金属製の物質が電力伝送経路に介在すると、その金属製の物質が誘導加熱によって加熱されてしまうため、安全性の面でも課題がある。
【0004】
このようなことから近年は、磁界共鳴(Magnetic Resonance)方式の非接触電力伝送技術が注目されている(例えば特許文献6〜10を参照)。磁界共鳴方式は、送電側のコイルに電流が流れることにより発生した磁場の振動が、同じ周波数で共振する受電側の共振回路に伝わる磁界共鳴を利用したものであり、電磁誘導方式とは全く異なる方式である。磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、電磁誘導方式と比較して電力を伝送できる距離が長い上、送電側のコイルと受電側のコイルとの位置関係が多少ずれていても電力伝送効率がほとんど低下しないため、利便性の面でメリットが大きい。また磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、電磁誘導方式と比較して利用する磁場が小さい上、特定の共振周波数の共振回路だけが受電できるため、誘導加熱がほとんど生じない。さらには共振周波数に応じて充電対象を選択することも可能である。さらに電磁誘導方式は送電側と受電側とが一対一の関係にあるのに対し、磁界共鳴方式は、一の送電コイルから複数の受電コイルへ送電することも可能であり、この点においても利便性の面でメリットが大きいといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−117748号公報
【特許文献2】特開2005−124324号公報
【特許文献3】特開2010−193701号公報
【特許文献4】特開2011−45236号公報
【特許文献5】特開2011−60677号公報
【特許文献6】米国特許第7741734号公報
【特許文献7】米国特許第7825543号公報
【特許文献8】特表2009−501510号公報
【特許文献9】特開2010−119193号公報
【特許文献10】特開2011−30294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら乾電池と代替可能な非接触充電対応型二次電池において、磁界共鳴方式による非接触電力伝送を採用する従来技術は、出願人が知る限り存在しない。
【0007】
また電磁誘導方式による非接触電力伝送は、前述したように利便性及び安全性の面で課題があることに加えて、実用的な電力伝送を実現する上ではコイルの巻き数を一定以上にせざるを得ないという問題がある。さらに乾電池と代替可能な非接触充電対応型二次電池は、規格(IEC60086(JISC8500))で定められた形状及び寸法でなければならず、一定以上の電池容量も確保しなければならない。そのため乾電池と代替可能な非接触充電対応型二次電池において、電磁誘導方式による非接触電力伝送を採用する場合には、特許文献1〜5に開示されているように、実装効率の観点から二次電池の軸芯を中心とする巻き方向にコイルを巻かざるを得なくなる。
【0008】
そして電磁誘導方式による非接触電力伝送は、前述したように、充電時に送電側のコイルと受電側のコイルとの位置関係を正確に合わせる必要がある。したがって乾電池と代替可能な非接触充電対応型二次電池において、電磁誘導方式による非接触電力伝送を採用する場合には、特許文献1〜4に開示されているように、二次電池側のコイルの巻き方向の制約によって非接触充電器の構造も極めて限定的な範囲に制約されることになってしまう。
【0009】
例えば特許文献1又は2に開示されている非接触充電器は、送電コイルを内蔵した円筒形状の電池収容部が設けられており、その筒状の電池収容部に二次電池を立てた状態で収容しなければならない構成になっている。また例えば特許文献3又は4に開示されている非接触充電器は、底面に送電コイルが埋設された複数の窪み部が筐体に並設されており、その複数の窪み部に二次電池を一本ずつ並べて載置しなければならない構成になっている。つまり特許文献1〜4に開示されている従来技術は、充電時における二次電池の取り扱いが依然として煩わしく、同時に充電可能な二次電池の数も少ないため、非接触充電のメリットが十分に生かされているとは言えず、依然として利便性の面で課題がある。
【0010】
このような状況に鑑み本発明はなされたものであり、その目的は、より利便性の高い非接触充電対応型二次電池、非接触充電器を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、二次電池と、受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、前記二次電池が収容され、前記二次電池の正極が接続される正極端子、前記二次電池の負極が接続される負極端子を含む円柱形状の外装体と、を備え、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記受電コイルが前記外装体の内周面に沿って設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
【0012】
受電コイルは、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された所謂平板コイルであり、外装体の内周面に沿って設けられている。したがって外装体の外周面に非接触充電器の送電コイルを対向させることで、受電コイルと送電コイルとが対向する状態、すなわち効率的に非接触電力伝送を行うことが可能な状態を構成することができる。つまり本発明の第1の態様の非接触充電対応型二次電池は、例えば平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された送電コイルが載置面部と平行に設けられた非接触充電器に対し、その載置面部に横に寝かせて転がした状態とするだけで、効率的に非接触電力伝送を行うことができる。また磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、電磁誘導方式と比較して電力を伝送できる距離が長い上、送電側のコイルと受電側のコイルとの位置関係が多少ずれていても電力伝送効率がほとんど低下しない。
【0013】
このようなことから本発明の第1の態様の非接触充電対応型二次電池は、その向きや位置を気にすることなく、横に寝かせて転がした状態で、無造作に非接触充電器の載置面部に置くだけで、多数同時に非接触で充電することができる。つまり本発明の第1の態様の非接触充電対応型二次電池は、充電時の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした高い利便性を実現することができる。
【0014】
そして磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、一般に電磁誘導方式より高い周波数帯の電磁波を用いるため、電磁誘導方式より少ない巻き数のコイルで実用的な電力伝送を実現することができる。したがって平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイルを外装体の内周面に沿って設ける上記構成を採用しても、その受電コイルによって二次電池の電池容量が制限される虞はほとんどなく、乾電池と代替可能な寸法の範囲内で充分な電池容量を確保することができる。
【0015】
これにより本発明の第1の態様によれば、より利便性の高い非接触充電対応型二次電池を実現することができるという作用効果が得られる。
【0016】
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、前記二次電池と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、外装体内の二次電池の表面に発生する渦電流に起因した受電コイルの損失を低減することができるので、その渦電流損によって受電効率が低下する虞を低減することができる。
【0017】
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、前述した本発明の第1の態様又は第2の態様において、前記二次電池と前記受電コイルとの間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、外装体内の二次電池の表面に受電コイルが接触して受電コイルに短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0018】
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、前述した本発明の第1〜第3の態様のいずれかにおいて、前記受電コイルと前記外装体の内周面との間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、外装体の内周面に受電コイルが接触して受電コイルに短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0019】
<本発明の第5の態様>
本発明の第5の態様は、二次電池と、受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、前記二次電池が収容され、前記二次電池の正極が接続される正極端子、前記二次電池の負極が接続される負極端子を含む円柱形状の外装体と、を備え、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記受電コイルが前記外装体の外周面に沿って設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
本発明の第5の態様によれば、前述した本発明の第1の態様と同様の作用効果が得られる。
【0020】
<本発明の第6の態様>
本発明の第6の態様は、前述した本発明の第5の態様において、前記外装体の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、外装体の外周面に発生する渦電流に起因した受電コイルの損失を低減することができるので、その渦電流損によって受電効率が低下する虞を低減することができる。
【0021】
<本発明の第7の態様>
本発明の第7の態様は、前述した本発明の第5の態様又は第6の態様において、前記外装体の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、外装体の外周面に受電コイルが接触して受電コイルに短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0022】
<本発明の第8の態様>
本発明の第8の態様は、前述した本発明の第5〜第7の態様のいずれかにおいて、前記受電コイルの外側を覆う絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、何らかの外的要因で受電コイルに破損や短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0023】
<本発明の第9の態様>
本発明の第9の態様は、円柱形状の二次電池と、前記二次電池の外周面を覆う絶縁体層と、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、を備え、前記受電回路、前記整流回路及び前記電流制限回路が前記二次電池の外周面と前記絶縁体層との間に設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
本発明の第9の態様によれば、前述した本発明の第1の態様と同様の作用効果が得られる。
【0024】
<本発明の第10の態様>
本発明の第10の態様は、前述した本発明の第9の態様において、前記二次電池の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、二次電池の外周面に発生する渦電流に起因した受電コイルの損失を低減することができるので、その渦電流損によって受電効率が低下する虞を低減することができる。
【0025】
<本発明の第11の態様>
本発明の第11の態様は、前述した本発明の第1〜第10の態様のいずれかにおいて、前記外装体の軸芯に対して重心が偏芯している、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、例えば平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された送電コイルが載置面部と平行に設けられた非接触充電器に対し、その載置面部に非接触充電対応型二次電池を横に寝かせて転がした状態において、送電コイルと受電コイルとの位置関係は、その重心の偏芯方向に応じて常に一定になる。したがって、その状態において送電コイルと受電コイルとが最も電力伝送効率が高い位置関係となるように、重心の偏芯方向に対する受電コイルの配置を設定することによって、常に最も電力伝送効率が高い状態で非接触充電を行うことができる。
【0026】
<本発明の第12の態様>
本発明の第12の態様は、前述した本発明の第1〜第11の態様のいずれかにおいて、前記整流回路は半波整流回路である、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、全波整流回路よりも回路素子の数が少ない半波整流回路を採用することによって、製造コストを大幅に削減することができる。特に1つの整流ダイオードだけで構成した半波整流回路は、その製造コストの削減効果が顕著となる。また全波整流回路よりも回路素子の数が少ない半波整流回路を採用することによって、整流回路における電圧降下を低減することができる。それによって整流回路における電圧降下に起因した充電効率の低下を低減することができる。さらに半波整流回路の出力電流で二次電池を充電することによって、ごく短時間の充電と自己放電が交互に繰り返されるパルス充電によって二次電池が充電されることになるので、過充電に起因する二次電池の発熱や劣化が生ずる虞を低減することができる。
【0027】
<本発明の第13の態様>
本発明の第13の態様は、前述した本発明の第1〜第12の態様のいずれかにおいて、前記電流制限回路は定電流回路を含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、二次電池に対して過電流で充電が行われる虞をさらに低減することができる。
【0028】
<本発明の第14の態様>
本発明の第14の態様は、前述した本発明の第1〜第13の態様のいずれかにおいて、前記受電回路は、共振のQ値が100以下である、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、受電回路における共振周波数の範囲を広げることができるので、非接触充電器の送電回路と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を低減することができる。それによって共振周波数が異なる様々な非接触充電器に柔軟に対応できる非接触充電対応型二次電池を実現することができる。さらに受電回路又は送電回路を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0029】
<本発明の第15の態様>
本発明の第15の態様は、前述した本発明の第1〜第14の態様のいずれかにおいて、前記受電回路は、前記受電コイルを複数備え、複数の前記受電コイルが前記外装体の周方向に隣接して設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、複数の受電コイルで受電することが可能になるので、送電回路から受電回路への電力伝送効率を向上させることができる。また複数の受電コイルを外装体の周方向に隣接して設けることによって、外装体の外周面のどの部分が送電コイルに対向しても、複数の受電コイルのいずれかが送電コイルと対向することになる。それによって外装体の外周面のどの部分が送電コイルに対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0030】
<本発明の第16の態様>
本発明の第16の態様は、前述した本発明の第15の態様において、前記受電回路は、直列に接続された複数の前記受電コイルに前記共振コンデンサが並列に接続されている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、複数の受電コイルに対して共振コンデンサを共用する構成によって、部品点数を削減することができる。それによって、複数の受電コイルを外装体の周方向に隣接して設ける構成による作用効果を得つつ、その製造コストを低減することができる。
【0031】
<本発明の第17の態様>
本発明の第17の態様は、前述した本発明の第15の態様において、前記受電回路は、前記受電コイルと前記共振コンデンサとが並列に接続された共振回路を複数含み、前記整流回路は、複数の前記共振回路の各々に対応して複数設けられ、複数の前記整流回路の出力が並列に接続されている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、複数の独立した共振回路が並列に接続されて受電回路が構成されているので、受電電圧が最も高い共振回路から二次電池に充電されることになる。また複数の受電コイルは、外装体の周方向に隣接して設けられているので、非接触充電対応型二次電池の外周面のどの部分が送電コイルに対向しても、複数の受電コイルのいずれかが送電コイルと対向することになる。したがって非接触充電対応型二次電池の外周面のどの部分が送電コイルに対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0032】
また複数の独立した共振回路が並列に接続されて受電回路が構成されていることによって、仮に複数の共振回路のいずれかに受電コイルの断線等が生じても、他の共振回路で受電することができるので、非接触充電対応型二次電池の耐久性を向上させることができる。
【0033】
<本発明の第18の態様>
本発明の第18の態様は、前述した本発明の第17の態様において、複数の前記共振回路は、前記受電コイルの巻き方向が正方向の共振回路と、前記受電コイルの巻き方向が逆方向の共振回路とを含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、送電される交流電力の正電圧の部分は、受電コイルの巻き方向が正方向の共振回路で受電することができ、送電される交流電力の負電圧の部分は、受電コイルの巻き方向が逆方向の共振回路で受電することができる。つまり全波整流回路を設けることなく、送電される交流電力の負電圧の部分も無駄に捨てることなく受電することができるので、電力伝送効率をさらに向上させることができる。
【0034】
<本発明の第19の態様>
本発明の第19の態様は、前述した本発明の第17の態様又は第18の態様において、複数の前記共振回路は、前記受電コイルが隣接する前記共振回路に対して共振周波数が異なる、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、受電回路における共振周波数の範囲を拡大することができるので、非接触充電器の送電回路と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を低減することができる。それによって共振周波数が異なる様々な非接触充電器に柔軟に対応できる非接触充電対応型二次電池を実現することができる。さらに受電回路又は送電回路を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0035】
<本発明の第20の態様>
本発明の第20の態様は、前述した本発明の第15の態様において、前記受電回路は、前記受電コイルと前記共振コンデンサとが並列に接続された共振回路を複数含み、複数の前記共振回路は、前記整流回路に接続された第1共振回路と、共振回路間の磁気結合により他の共振回路を介して前記整流回路に接続される第2共振回路とを含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
【0036】
このような特徴によれば、複数の独立した共振回路がそれぞれ磁気結合されるので、受電電圧が最も高い第2共振回路の受電電力は、共振回路間の磁気結合によって、他の第2共振回路へ伝達され、さらに第1共振回路へ伝達され、そして整流回路を通じて二次電池に充電されることになる。また複数の受電コイルは、外装体の周方向に隣接して設けられているので、非接触充電対応型二次電池の外周面のどの部分が送電コイルに対向しても、複数の受電コイルのいずれかが送電コイルと対向することになる。したがって非接触充電対応型二次電池の外周面のどの部分が送電コイルに対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0037】
また複数の独立した共振回路が並列に設けられて受電回路が構成されていることによって、仮に複数の共振回路のいずれかに受電コイルの断線等が生じても、他の共振回路で受電することができるので、非接触充電対応型二次電池の耐久性を向上させることができる。
【0038】
さらに受電回路は、整流回路に接続された第1共振回路と、共振回路間の磁気結合により他の共振回路を介して整流回路に接続される第2共振回路とで構成されているので、非接触充電対応型二次電池の耐久性を向上させつつ、整流回路の部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
【0039】
<本発明の第21の態様>
本発明の第21の態様は、前述した本発明の第20の態様において、前記第2共振回路の共振周波数は、前記第1共振回路の共振周波数に対し、前記第1共振回路の共振周波数の半値幅の範囲内で異なる、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、非接触充電器の送電回路と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を最大値の半分以下に抑制しつつ、受電回路における共振周波数の範囲を拡大することができる。それによって、一定以上の電力伝送効率を確保しつつ、共振周波数が異なる様々な非接触充電器に柔軟に対応できる非接触充電対応型二次電池を実現することができる。さらに受電回路又は送電回路を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0040】
<本発明の第22の態様>
本発明の第22の態様は、共振周波数の交流電力を出力する電源回路と、送電コイル、前記送電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を送電する送電回路と、非接触充電対応型二次電池が載置され、前記送電コイルから電磁波が放射される載置面部と、を備え、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記送電コイルが前記載置面部と平行に設けられている、ことを特徴とする非接触充電器である。
【0041】
送電コイルは、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された所謂平板コイルであり、載置面部と平行に設けられている。したがって非接触充電対応型二次電池の受電コイルを載置面部に対向させることで、受電コイルと送電コイルとが対向する状態、すなわち効率的に非接触電力伝送を行うことが可能な状態を構成することができる。つまり本発明の第22の態様の非接触充電器は、例えば平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイルが外装体の内周面又は外周面に沿って設けられている非接触充電対応型二次電池を、その載置面部に横に寝かせて転がした状態とすれば、効率的に非接触電力伝送を行うことができる。また磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、電磁誘導方式と比較して電力を伝送できる距離が長い上、送電側のコイルと受電側のコイルとの位置関係が多少ずれていても電力伝送効率がほとんど低下しない。
【0042】
このようなことから本発明の第22の態様の非接触充電器は、その向きや位置を気にすることなく、横に寝かせて転がした状態で、無造作に非接触充電対応型二次電池を載置面部に置くだけで、多数の非接触充電対応型二次電池に同時に非接触で充電することができる。したがって本発明の第22の態様の非接触充電器は、充電時の非接触充電対応型二次電池の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした極めて高い利便性を実現することができる。
【0043】
これにより本発明の第22の態様によれば、より利便性の高い非接触充電器を実現することができるという作用効果が得られる。
【0044】
<本発明の第23の態様>
本発明の第23の態様は、前述した本発明の第22の態様において、前記送電コイルと前記電源回路との間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器である。
このような特徴によれば、電源回路に発生する渦電流に起因した送電コイルの損失を低減することができるので、その渦電流損によって送電効率が低下する虞を低減することができる。
【0045】
<本発明の第24の態様>
本発明の第24の態様は、前述した本発明の第22の態様又は第23の態様において、前記送電回路から間欠的に送電が行われるように前記電源回路を制御する制御装置をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器である。
【0046】
ニッケル水素二次電池、ニカド二次電池等のアルカリ二次電池は、常時電流を流し続けて充電を行うと、電極の表面において反応が最も活性な部分だけ充電される傾向がある。また満充電後は、過充電状態が長時間継続することになるため、副反応により発生する酸素ガスに起因して電池反応が停止し、それによって発熱の虞が生ずるとともに、電解液や電極板の劣化が進行して電池寿命が短くなる虞が生ずる。
【0047】
本発明の第24の態様によれば、送電回路から間欠的に送電が行われるように電源回路が制御されるので、アルカリ二次電池を用いた非接触充電対応型二次電池に対して、休止期間と充電期間が交互に繰り返される間欠充電を行うことができる。間欠充電によるアルカリ二次電池の充電は、休止時間に電極表面の状態がリフレッシュされて電極表面全体が均一に反応する傾向となる。また休止期間における自己放電と充電期間における満充電状態の回復が交互に繰り返されることによって、過充電に起因する発熱や劣化が生ずる虞を低減することができる。
【0048】
<本発明の第25の態様>
本発明の第25の態様は、前述した本発明の第22〜第24の態様のいずれかにおいて、前記送電回路から放射される電磁波を外部へ漏洩しないように遮蔽する遮蔽構造をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器である。
このような特徴によれば、非接触充電器から外部へ電磁波が漏洩することを防止することができるので、非接触充電器から電磁波が漏洩して周囲の電子機器や人体に影響を及ぼすことを未然に防止することができる。
【0049】
<本発明の第26の態様>
本発明の第26の態様は、前述した本発明の第25の態様において、前記送電回路から放射される電磁波が前記遮蔽構造により遮蔽される状態で前記電源回路から前記送電回路へ交流電力が供給されるように、前記遮蔽構造と係合して前記電源回路から前記送電回路への交流電力の供給路を開閉する開閉器をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器である。
このような特徴によれば、送電回路から放射される電磁波が遮蔽構造により遮蔽される状態でなければ送電回路から電磁波が放射されないので、非接触充電器から外部へ電磁波が漏洩することを確実に防止することができる。
【0050】
<本発明の第27の態様>
本発明の第27の態様は、前述した本発明の第26の態様において、前記遮蔽構造は、開閉可能に支持され、閉じた状態で前記載置面部を覆う遮蔽カバーを含み、前記遮蔽カバーを閉じた状態で、前記載置面部の周囲が遮蔽される状態となって前記開閉器が開く、ことを特徴とする非接触充電器である。
このような特徴によれば、送電回路から放射される電磁波が遮蔽構造により遮蔽される状態、すなわち遮蔽カバーが閉じた状態でのみ、送電回路から電磁波が放射され、それ以外の状態では送電回路から電磁波が放射されない。それによって非接触充電器から外部へ電磁波が漏洩することを確実に防止することができる。
【0051】
<本発明の第28の態様>
本発明の第28の態様は、前述した本発明の第26の態様において、前記遮蔽構造は、内側の底面が前記載置面部となる挿抜可能なトレイを含み、前記トレイを所定位置まで挿入した状態で前記トレイの内側の底面の周囲が遮蔽される状態となって前記開閉器が開く、ことを特徴とする非接触充電器である。
このような特徴によれば、送電回路から放射される電磁波が遮蔽構造により遮蔽される状態、すなわちトレイを所定位置まで挿入した状態でのみ、送電回路から電磁波が放射され、それ以外の状態では送電回路から電磁波が放射されない。それによって非接触充電器から外部へ電磁波が漏洩することを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、より利便性の高い非接触充電対応型二次電池、非接触充電器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の正面図及び平面図。
【図2】第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のII−II断面図。
【図3】第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のI−I断面図。
【図4】第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図5】第1実施例の非接触充電器の外観を図示した平面図及び正面視の断面図。
【図6】第1実施例の非接触充電器の回路図。
【図7】第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のII−II断面図。
【図8】第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のI−I断面図。
【図9】第3実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のI−I断面図。
【図10】第4実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のI−I断面図。
【図11】第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の外観を図示した正面図。
【図12】第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のIII−III断面図。
【図13】第6実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のIII−III断面図。
【図14】第7実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のIII−III断面図。
【図15】第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の構造を分解図示した正面図。
【図16】第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のIV−IV断面図。
【図17】第9実施例及び第11実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図18】第10実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図19】第12実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図20】第13実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図21】第14実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図22】第15実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図23】第16実施例の非接触充電器の正面視の断面図。
【図24】第17実施例の非接触充電器の正面視の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、本発明は、以下説明する実施例に特に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変形が可能であること言うまでもない。
【0055】
<第1実施例>
1.非接触充電対応型二次電池の構成
本発明の第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図1〜図4を参照しながら説明する。
図1は、第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外観を図示した正面図(図1(a))及び平面図(図1(b))である。図2は、第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(b)のII−II断面で外装体30だけを切断した状態を図示したものである。図3は、第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(a)のI−I断面を図示したものである。図4は、第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
【0056】
「非接触充電対応型二次電池」としての非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、アルカリ二次電池10、受電回路21、整流回路22、電流制限回路23及び外装体30を備える。
【0057】
「二次電池」としてのアルカリ二次電池10は、公知のニッケル水素二次電池又はニッケル・カドミウム二次電池である。アルカリ二次電池10は、その形状や構造等に特に限定はないが、当該実施例においては、いわゆる単4形(AAA)乾電池(IEC60086の記号R03)と形状及びサイズが同じである。より具体的にはアルカリ二次電池10は、正極活物質を保持する正極板、負極活物質を保持する負極板、正極板と負極板とを分離するセパレータを含み、セパレータを介して正極板と負極板とを重ねて負極板が外側になるように渦巻き状に巻いた電極体が有底円筒形状の金属からなる外装缶に収容され、さらに外装缶内に電解液が充填されて構成されている(図示省略)。アルカリ二次電池10の内部の正極板は、アルカリ二次電池10の頂部に設けられた正極12に接続され、アルカリ二次電池10の内部の負極板は、アルカリ二次電池10の底部に設けられた負極13に接続されている(図示省略)。
【0058】
受電回路21は、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する回路であり、4つの受電コイルL1〜L4、共振コンデンサC1を含む。受電コイルL1〜L4は、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された所謂平板コイルであり、アルカリ二次電池10の外周面11と外装体30の内周面33の間に設けられている。より具体的には受電コイルL1〜L4は、外装体30の内周面33に沿って、周方向に隣接して設けられている。共振コンデンサC1は回路基板20に実装されている。受電回路21の共振周波数は、例えば数MHz〜数十MHzの範囲で任意の周波数に設定され、受電コイルL1〜L4のインダクタンスと共振コンデンサC1のキャパシタンスによって定まる。
【0059】
4つの受電コイルL1〜L4は、直列に接続されており、共振コンデンサC1は、その直列に接続された4つの受電コイルL1〜L4に並列に接続されている。共振コンデンサC1の一端側と受電コイルL1との接続点は、後述する整流ダイオードD1及び電流制限抵抗R1を介してアルカリ二次電池10の正極12に接続されている。共振コンデンサC1の他端側と受電コイルL4との接続点は、アルカリ二次電池10の負極13に接続されている。つまり第1実施例の受電回路21は、複数の受電コイルL1〜L4に対して共振コンデンサC1を共用する構成となっている。受電回路21は、特にこのような構成に限定されないが、複数の受電コイルL1〜L4に対して共振コンデンサC1を共用する構成とすることによって、部品点数を削減することができるので、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の製造コストを低減することができる。
【0060】
整流回路22は、回路基板20に実装された整流ダイオードD1を含み、受電回路21で受電する交流電力を整流する回路である。整流ダイオードD1は、アノードが受電コイルL1と共振コンデンサC1との接続点に接続され、カソードが後述する電流制限抵抗R1の一端側に接続されている。
【0061】
整流回路22は、交流電力を整流する回路であれば、どのような構成の回路でもよく、例えばブリッジ回路等で構成した全波整流回路としてもよいが、半波整流回路とするのが好ましい。全波整流回路よりも回路素子の数が少ない半波整流回路を採用することによって、製造コストを大幅に削減することができる。特に当該実施例のように1つの整流ダイオードD1で構成した半波整流回路は、その製造コストの削減効果が顕著となる。また全波整流回路よりも回路素子の数が少ない半波整流回路を採用することによって、整流回路22における電圧降下を低減することができる。それによって整流回路22における電圧降下に起因した充電効率の低下を低減することができる。さらに半波整流回路の出力電流でアルカリ二次電池10を充電することによって、アルカリ二次電池10は、ごく短時間の充電と自己放電が交互に繰り返されるパルス充電によって充電されることになる。パルス充電による充電は、過充電に起因するアルカリ二次電池10の発熱や劣化が生ずる虞を低減することができる。
【0062】
電流制限回路23は、回路基板20に実装された電流制限抵抗R1を含み、整流回路22からアルカリ二次電池10への充電電流を制限する回路である。電流制限抵抗R1は、一端側が整流ダイオードD1のカソードに接続され、他端側がアルカリ二次電池10の正極12に接続されている。この電流制限回路23によって、受電回路21からアルカリ二次電池10への充電電流が過電流となる虞を低減することができる。この電流制限回路23は、アルカリ二次電池10が厳密な充電制御を必要としない点を考慮し、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の製造コストの低減、製造容易性の観点から、少ない部品点数で簡素な回路構成とするのが好ましい。
【0063】
外装体30は、アルカリ二次電池10、回路基板20、受電コイルL1〜L4が収容される内部空間を有する円柱形状をなし、少なくとも受電回路21の共振周波数の電磁波が透過する材料で形成された構造体である。外装体30は、アルカリ二次電池10の正極12が接続される正極端子31、アルカリ二次電池10の負極13が接続される負極端子32を含む。より具体的には外装体30は、いわゆる単3形(AA)乾電池(IEC60086の記号R6)と形状及びサイズが同じである。
【0064】
2.非接触充電器の構成
本発明の第1実施例の非接触充電器について、図5及び図6を参照しながら説明する。 図5は、第1実施例の非接触充電器2の外観を図示した平面図(a)及び正面視の断面図(b)である。図6は、第1実施例の非接触充電器2の回路図である。
【0065】
非接触充電器2は、充電器本体50、送電回路61、AC−DCコンバータ(AC-DC Converter)62、インバータ(Inverter)63、制御装置64を備える。
【0066】
充電器本体50は、送電回路61、AC−DCコンバータ62、インバータ63、制御装置64が内蔵され、上面には載置面部51が設けられている。載置面部51は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1が載置される面部であり、少なくとも送電回路61の共振周波数の電磁波が透過する材料で形成されている。
【0067】
送電回路61は、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を送電する回路であり、送電コイルL11、共振コンデンサC11を含む。送電コイルL11は、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された所謂平板コイルであり、載置面部51と平行に設けられている。共振コンデンサC11は、送電コイルL11に直列に接続されている。送電回路61の共振周波数は、送電コイルL11のインダクタンスと共振コンデンサC11のキャパシタンスによって定まる。
【0068】
「電源回路」を構成する公知のAC−DCコンバータ62は、プラグ621を介して受電した商用交流電力を直流電力に変換する装置である。「電源回路」を構成する公知のインバータ63は、AC−DCコンバータ62から供給される直流電力を共振周波数の交流電力に変換して出力する装置である。開閉器SWは、AC−DCコンバータ62からインバータ63への電力供給路を開閉する。制御装置64は、インバータ63を制御する装置である。
【0069】
載置面部51とインバータ63との間には、本発明に必須の構成要素ではないが、「磁性体層」としての磁性シート52が設けられている。磁性シート52は、例えばフェライト、アモルファス等の金属磁性体、焼結フェライト等の粉を樹脂に分散させてシート状に成形したものである。このように載置面部51とインバータ63との間に磁性シート52を設けることによって、インバータ63に発生する渦電流に起因した送電コイルL11の損失を低減することができるので、その渦電流損によって送電効率が低下する虞を低減することができる。
【0070】
3.磁界共鳴による電力伝送
非接触充電器2による非接触充電対応型アルカリ二次電池1の充電について、図1〜図6を参照しながら説明する。
【0071】
非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイルL1〜L4が外装体30の内周面33に沿って設けられている(図2、図3)。他方、非接触充電器2は、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された送電コイルL11が載置面部51と平行に設けられている(図5、図6)。したがって非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、図5に図示したように、非接触充電器2の載置面部51に横に寝かせて転がした状態とするだけで、受電コイルL1〜L4のいずれかが非接触充電器2の送電コイルL11と対向する状態となる。すなわち非接触充電器2の載置面部51に横に寝かせて転がした状態とするだけで、磁界共鳴による非接触電力伝送を効率的に行うことが可能な状態を構成することができる。
【0072】
そして、その状態で非接触充電器2の開閉器SWを操作し、送電コイルL11から共振周波数の電磁波を放射することによって、非接触充電器2から非接触充電対応型アルカリ二次電池1へ磁界共鳴方式による非接触電力伝送が行われる。磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、電磁誘導方式と比較して電力を伝送できる距離が長い上、送電コイルL11と受電コイルL1〜L4との位置関係が多少ずれていても電力伝送効率がほとんど低下しない。
【0073】
すなわち本発明の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、図5に図示したように、その向きや位置を気にすることなく、横に寝かせて転がした状態で、無造作に非接触充電器2の載置面部51に置くだけで、多数同時に非接触で充電することができる。つまり本発明の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、充電時の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした高い利便性を実現することができる。同様に、本発明に係る非接触充電器2は、充電時の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした極めて高い利便性を実現することができる。
【0074】
そして磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、一般に電磁誘導方式より高い周波数帯の電磁波を用いるため、電磁誘導方式より少ない巻き数のコイルで実用的な電力伝送を実現することができる。したがって平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイルL1〜L4を外装体30の内周面33に沿って設ける上記構成を採用しても、その受電コイルL1〜L4によってアルカリ二次電池10の電池容量が制限される虞はほとんどなく、乾電池と代替可能な寸法の範囲内で充分な電池容量を確保することができる。
【0075】
このようにして本発明によれば、より利便性の高い非接触充電対応型アルカリ二次電池1、非接触充電器2を実現することができる。
【0076】
また本発明において受電回路21は、1つの受電コイルと1つの共振コンデンサだけで構成してもよいが、当該実施例のように、複数の受電コイルL1〜L4を外装体30の周方向に隣接して設けるのが好ましい。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによって複数の受電コイルL1〜L4で受電することが可能になるので、送電回路61から受電回路21への電力伝送効率を向上させることができる。また非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、外周面のどの部分が送電コイルL11に対向しても、複数の受電コイルL1〜L4のいずれかが送電コイルL11と対向することになる。したがって非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、外周面のどの部分が送電コイルL11に対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0077】
また本発明において受電回路21は、共振のQ(Quality factor)値が100以下であるのが好ましい。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによって受電回路21における共振周波数の範囲を広げることができるので、非接触充電器2の送電回路61と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を低減することができる。それによって共振周波数が異なる様々な非接触充電器2に柔軟に対応できる非接触充電対応型アルカリ二次電池1を実現することができる。さらに受電回路21又は送電回路61を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0078】
また本発明において非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、例えば外装体30の軸芯に対してアルカリ二次電池10の軸芯をずらしたり、外装体30の軸芯からずれた位置に錘等を設けたりする等によって、外装体30の軸芯に対して重心を偏芯させるのが好ましい。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによって非接触充電器2の載置面部51に横に寝かせて転がした状態において、送電コイルL11と受電コイルL1〜L4との位置関係は、その重心の偏芯方向に応じて常に一定になる。したがって、その状態において送電コイルL11と受電コイルL1〜L4とが最も電力伝送効率が高い位置関係となるように、重心の偏芯方向に対する受電コイルL1〜L4の配置を設定することによって、常に最も電力伝送効率が高い状態で非接触充電を行うことができる。
【0079】
一般的にアルカリ二次電池10は、常時電流を流し続けて充電を行うと、電極の表面において反応が最も活性な部分だけ充電される傾向がある。またアルカリ二次電池10は、満充電後は過充電状態が長時間継続することになるため、副反応により発生する酸素ガスに起因して電池反応が停止し、それによって発熱の虞が生ずるとともに、電解液や電極板の劣化が進行して電池寿命が短くなる虞が生ずる。このようなことから本発明において非接触充電器2は、送電回路61から間欠的に送電が行われるようにインバータ63を制御するのが好ましい。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによってアルカリ二次電池10に対して、休止期間と充電期間が交互に繰り返される間欠充電を行うことができる。間欠充電によるアルカリ二次電池10の充電は、休止時間に電極表面の状態がリフレッシュされて電極表面全体が均一に反応する傾向となる。また休止期間における自己放電と充電期間における満充電状態の回復が交互に繰り返されることによって、過充電に起因するアルカリ二次電池10の発熱や劣化が生ずる虞を低減することができる。
【0080】
<第2実施例>
本発明の第2実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第1実施例と異なる。以下、本発明の第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図7及び図8を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0081】
図7は、第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(b)のII−II断面で外装体30だけを切断した状態を図示したものである。図8は、第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(a)のI−I断面を図示したものである。
【0082】
第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、「磁性体層」としての磁性シート41を備える以外は第1実施例と同じ構成である。磁性シート41は、アルカリ二次電池10と受電コイルL1〜L4との間に設けられており、例えばフェライト、アモルファス等の金属磁性体、焼結フェライト等の粉を樹脂に分散させてシート状に成形したものである。
【0083】
このようにアルカリ二次電池10と受電コイルL1〜L4との間に磁性シート41を設けることによって、アルカリ二次電池10の外周面11に発生する渦電流に起因した受電コイルL1〜L4の損失を低減することができる。それによって受電コイルL1〜L4における受電効率が渦電流損で低下する虞を低減することができる。
【0084】
<第3実施例>
本発明の第3実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第2実施例と異なる。以下、本発明の第3実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図9を参照しながら説明する。
尚、第2実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0085】
図9は、第3実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(a)のI−I断面を図示したものである。
第3実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、「絶縁体層」としての絶縁樹脂層42を備える以外は第2実施例と同じ構成である。絶縁樹脂層42は、絶縁樹脂からなる層であり、アルカリ二次電池10と受電コイルL1〜L4との間に設けられている。より具体的には絶縁樹脂層42は、アルカリ二次電池10と磁性シート41との間に設けられている。このようにアルカリ二次電池10と受電コイルL1〜L4との間に絶縁樹脂層42を設けることによって、アルカリ二次電池10の外周面11に受電コイルL1〜L4が接触して受電コイルL1〜L4に短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0086】
<第4実施例>
本発明の第4実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第3実施例と異なる。以下、本発明の第4実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図10を参照しながら説明する。
尚、第3実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0087】
図10は、第4実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(a)のI−I断面を図示したものである。
第4実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、「絶縁体層」としての絶縁樹脂層43を備える以外は第3実施例と同じ構成である。絶縁樹脂層43は、絶縁樹脂からなる層であり、受電コイルL1〜L4と外装体30の内周面33との間に設けられている。このように受電コイルL1〜L4と外装体30の内周面33との間に絶縁樹脂層43を設けることによって、外装体30の内周面33に受電コイルL1〜L4が接触して受電コイルL1〜L4に短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0088】
<第5実施例>
本発明の第5実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第1実施例と異なる。以下、第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成について、図11及び図12を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0089】
図11は、第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外観を図示した正面図である。図12は、第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図11のIII−III断面を図示したものである。
【0090】
第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、アルカリ二次電池10、受電回路21、整流回路22、電流制限回路23、外装体30及び絶縁樹脂膜44を備える。ここでアルカリ二次電池10、受電回路21、整流回路22、電流制限回路23、外装体30は、第1実施例と同じ構成である。
尚、第5実施例の外装体30は、受電回路21の共振周波数の電磁波が透過する材料で形成する必要はない。
【0091】
第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、受電コイルL1〜L4が外装体30の外周面34に沿って設けられており、その受電コイルL1〜L4の外側を覆う絶縁樹脂膜44が設けられている点で第1実施例と異なる構造になっている。より具体的には受電コイルL1〜L4は、外装体30の外周面34に沿って、周方向に隣接して設けられている。また「絶縁体層」としての絶縁樹脂膜44は、絶縁樹脂からなる被膜である。この絶縁樹脂膜44は、本発明に必須の構成要素ではないが、何らかの外的要因で受電コイルL1〜L4に破損や短絡等が生ずる虞を低減することができる点で、設けるのが好ましい。
【0092】
このような構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、第1実施例と同様に、その向きや位置を気にすることなく、横に寝かせて転がした状態で、無造作に非接触充電器2の載置面部51に置くだけで、多数同時に非接触で充電することができる(図5)。つまり第1実施例と同様に、充電時の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした高い利便性を実現することができる。したがって第1実施例と同様に、より利便性の高い非接触充電対応型アルカリ二次電池1、非接触充電器2を実現することができる。
【0093】
<第6実施例>
本発明の第6実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第5実施例と異なる。以下、本発明の第6実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図13を参照しながら説明する。
尚、第5実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0094】
図13は、第6実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図11のIII−III断面を図示したものである。
第6実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、「磁性体層」としての磁性シート45を備える以外は第5実施例と同じ構成である。磁性シート45は、外装体30の外周面34と受電コイルL1〜L4との間に設けられており、例えばフェライト、アモルファス等の金属磁性体、焼結フェライト等の粉を樹脂に分散させてシート状に成形したものである。
【0095】
このように外装体30の外周面34と受電コイルL1〜L4との間に磁性シート45を設けることによって、外装体30の外周面34の外周面11に発生する渦電流に起因した受電コイルL1〜L4の損失を低減することができる。それによって受電コイルL1〜L4における受電効率が渦電流損で低下する虞を低減することができる。
【0096】
<第7実施例>
本発明の第7実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第6実施例と異なる。以下、本発明の第7実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図14を参照しながら説明する。
尚、第6実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0097】
図14は、第7実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図11のIII−III断面を図示したものである。
第7実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、「絶縁体層」としての絶縁樹脂層46を備える以外は第6実施例と同じ構成である。絶縁樹脂層46は、絶縁樹脂からなる層であり、外装体30の外周面34と受電コイルL1〜L4との間に設けられている。より具体的には絶縁樹脂層46は、外装体30の外周面34と磁性シート45との間に設けられている。このように外装体30の外周面34と受電コイルL1〜L4との間に絶縁樹脂層46を設けることによって、外装体30の外周面34に受電コイルL1〜L4が接触して受電コイルL1〜L4に短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0098】
<第8実施例>
本発明の第8実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第1実施例と異なる。以下、第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成について、図15及び図16を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0099】
図15は、第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構造を分解して図示した正面図である。図16は、第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図15のIV−IV断面を図示したものである。
【0100】
第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、アルカリ二次電池10、受電回路21、整流回路22、電流制限回路23、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)47、磁性シート48及び絶縁樹脂膜49を備える。ここで受電回路21、整流回路22、電流制限回路23は、第1実施例と同じ構成である。
【0101】
第8実施例のアルカリ二次電池10は、サイズが異なる以外は第1実施例のアルカリ二次電池10と同じ構成である。第8実施例のアルカリ二次電池10は、いわゆる単3形(AA)乾電池(IEC60086の記号R6)と形状及びサイズが同じである。第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、単3形(AA)のアルカリ二次電池10、フレキシブルプリント基板47、磁性シート48及び絶縁樹脂膜49で構成されている。そして受電回路21を構成する受電コイルL1〜L4、共振コンデンサC1、整流回路22を構成する整流ダイオードD1及び電流制限回路23を構成する電流制限抵抗R1は、フレキシブルプリント基板47に設けられている。上記構成において受電コイルL1〜L4は、アルカリ二次電池10の外周面11に沿って、周方向に隣接して設けられている。磁性シート48は、例えばフェライト、アモルファス等の金属磁性体、焼結フェライト等の粉を樹脂に分散させてシート状に成形したものである。
【0102】
より具体的には、エッチングや印刷技術等で受電コイルL1〜L4及び配線パターンを形成したフレキシブルプリント基板47に、共振コンデンサC1、整流ダイオードD1及び電流制限抵抗R1が表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)で実装されている。フレキシブルプリント基板47及び磁性シート48の寸法は、アルカリ二次電池10の高さと略同じ幅で、アルカリ二次電池10の外周長と略同じ長さである。磁性シート48は、アルカリ二次電池10の外周面11に巻かれている。フレキシブルプリント基板47は、磁性シート48の外側に巻かれている。絶縁樹脂膜49は、フレキシブルプリント基板47の外側を覆っている。フレキシブルプリント基板47及び磁性シート48を絶縁樹脂膜49に一体化し、それをアルカリ二次電池10に巻いてもよい。フレキシブルプリント基板47の正極側端子471と負極側端子472は、アルカリ二次電池10の正極12と負極13にそれぞれ接続されている(図示せず)。
尚、磁性シート48は、本発明に必須の構成要素ではないが、アルカリ二次電池10の外周面11に発生する渦電流に起因した受電コイルL1〜L4の損失を低減することができる点で、設けるのが好ましい。
【0103】
このような構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、第1実施例と同様に、その向きや位置を気にすることなく、横に寝かせて転がした状態で、無造作に非接触充電器2の載置面部51に置くだけで、多数同時に非接触で充電することができる(図5)。つまり第1実施例と同様に、充電時の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした高い利便性を実現することができる。したがって第1実施例と同様に、より利便性の高い非接触充電対応型アルカリ二次電池1、非接触充電器2を実現することができる。さらに上記構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、極めて簡素な工程で非接触充電対応型アルカリ二次電池1を製造することが可能である。つまり本発明の第8実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1を極めて低コストで製造することができる点に特に技術的意義を有する。
【0104】
<第9実施例>
本発明の第9実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第1実施例と異なる。以下、第9実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図17を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0105】
図17は、第9実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第9実施例の受電回路21は、4つの受電コイルL1〜L4、4つの共振コンデンサC1〜C4を含み、受電コイルL1〜L4と共振コンデンサC1〜C4とが各々並列に接続されて4つの共振回路が構成されている。第9実施例の整流回路22は、受電回路21の4つの共振回路の各々に対応する4つの整流ダイオードD1〜D4を含む。受電回路21の4つの共振回路は、整流ダイオードD1〜D4及び電流制限抵抗R1を介してアルカリ二次電池10に並列に接続されている。
【0106】
より具体的には、受電コイルL1と共振コンデンサC1は、並列に接続されて共振回路を構成する。受電コイルL2と共振コンデンサC2は、並列に接続されて共振回路を構成する。受電コイルL3と共振コンデンサC3は、並列に接続されて共振回路を構成する。受電コイルL4と共振コンデンサC4は、並列に接続されて共振回路を構成する。
【0107】
共振コンデンサC1は、一端側が整流ダイオードD1のアノードに接続されており、他端側がアルカリ二次電池10の負極13に接続されている。共振コンデンサC2は、一端側が整流ダイオードD2のアノードに接続されており、他端側がアルカリ二次電池10の負極13に接続されている。共振コンデンサC3は、一端側が整流ダイオードD3のアノードに接続されており、他端側がアルカリ二次電池10の負極13に接続されている。共振コンデンサC4は、一端側が整流ダイオードD4のアノードに接続されており、他端側がアルカリ二次電池10の負極13に接続されている。整流ダイオードD1〜D4のカソードは、電流制限抵抗R1の一端側に接続されている。電流制限抵抗R1の他端側はアルカリ二次電池10の正極12に接続されている。
【0108】
このような構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、受電回路21の4つの共振回路のうち、受電電圧が最も高い共振回路からアルカリ二次電池10に充電されることになる。また4つの受電コイルL1〜L4は、外装体30の周方向に隣接して設けられているので、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外周面のどの部分が送電コイルL11に対向しても、4つの受電コイルL1〜L4のいずれかが送電コイルL11と対向することになる。したがって非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外周面のどの部分が送電コイルL11に対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0109】
また4つの独立した共振回路が並列に接続されて受電回路21が構成されていることによって、仮に受電コイルL1に断線等が生じても、他の受電コイルL2〜L4のいずれかで受電することができるので、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の耐久性を向上させることができる。
【0110】
<第10実施例>
本発明の第10実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第9実施例と異なる。以下、第10実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図18を参照しながら説明する。
尚、第9実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0111】
図18は、第10実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第10実施例の受電回路21は、受電コイルL1〜L4と共振コンデンサC1〜C4とが各々並列に接続されて4つの共振回路が構成されている点では第9実施例と同じ回路構成である。他方、第10実施例の受電回路21は、受電コイルL1、L3の巻き方向が正方向であるのに対し、受電コイルL2、L4の巻き方向が逆方向になっている点で、第9実施例と異なる。
【0112】
すなわち第10実施例の受電回路21は、巻き方向が正方向の受電コイルL1、L3で構成された共振回路と、巻き方向が逆方向の受電コイルL2、L4で構成された共振回路とを含んでいる。それによって非接触充電器2から送電される交流電力の正電圧の部分は、巻き方向が正方向の受電コイルL1、L3で構成された共振回路で受電することができ、負電圧の部分は、巻き方向が逆方向の受電コイルL2、L4で構成された共振回路で受電することができる。つまり第10実施例は、全波整流回路を設けることなく、非接触充電器2から送電される交流電力の負電圧の部分も無駄に捨てることなく受電することができるので、電力伝送効率をさらに向上させることができる。
【0113】
<第11実施例>
本発明の第11実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第9実施例と異なる。以下、第11実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図17を参照しながら説明する。
尚、第9実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0114】
第11実施例の受電回路21は、受電コイルL1〜L4と共振コンデンサC1〜C4とが各々並列に接続されて4つの共振回路が構成されている点では第9実施例と同じ回路構成である。他方、第11実施例の受電回路21は、その4つの共振回路の各共振周波数が異なっている点で第9実施例と異なる。
【0115】
より具体的には、受電コイルL1と共振コンデンサC1とで構成される共振回路の共振周波数f1は、受電コイルL1に隣接する受電コイルL2と共振コンデンサC2とで構成される共振回路の共振周波数f2、受電コイルL1に隣接する受電コイルL4と共振コンデンサC4とで構成される共振回路の共振周波数f4とは異なる共振周波数に設定されている。同様に、受電コイルL3と共振コンデンサC3とで構成される共振回路の共振周波数f3は、受電コイルL3に隣接する受電コイルL2と共振コンデンサC2とで構成される共振回路の共振周波数f2、受電コイルL3に隣接する受電コイルL4と共振コンデンサC4とで構成される共振回路の共振周波数f4とは異なる共振周波数に設定されている。
【0116】
共振周波数f1と共振周波数f3は、同じ共振周波数としてもよいし、異なる共振周波数としてもよい。同様に、共振周波数f2と共振周波数f4は、同じ共振周波数としてもよいし、異なる共振周波数としてもよい。
【0117】
このような構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、受電回路21における共振周波数の範囲をf1〜f4の範囲で拡大することができるので、非接触充電器2の送電回路61と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を低減することができる。それによって共振周波数が異なる様々な非接触充電器2に柔軟に対応できる非接触充電対応型アルカリ二次電池1を実現することができる。さらに受電回路21又は送電回路61を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0118】
<第12実施例>
本発明の第12実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第9実施例と異なる。以下、第12実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図19を参照しながら説明する。
尚、第9実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0119】
図19は、第12実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第12実施例の受電回路21は、受電コイルL1〜L4と共振コンデンサC1〜C4とが各々並列に接続されて4つの共振回路が構成されている点では第9実施例と同じ回路構成である。他方、第12実施例の受電回路21は、以下の点で第9実施例と異なる。
【0120】
4つの共振回路のうち、整流回路22(整流ダイオードD1)に接続されているのは、受電コイルL4と共振コンデンサC4とで構成された第1共振回路214だけである。他方、受電コイルL1と共振コンデンサC1、受電コイルL2と共振コンデンサC2、受電コイルL3と共振コンデンサC3とで構成された第2共振回路211〜213は、共振回路間の磁気結合により他の共振回路を介して整流回路22に接続される。
【0121】
より具体的には、共振コンデンサC1〜C3は整流ダイオードD1に接続されていない。他方、共振コンデンサC4は、一端側が整流ダイオードD1のアノードに接続されており、他端側がアルカリ二次電池10の負極13に接続されている。整流ダイオードD1のカソードは、電流制限抵抗R1の一端側に接続されている。電流制限抵抗R1の他端側はアルカリ二次電池10の正極12に接続されている。
【0122】
このような構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、複数の独立した共振回路がそれぞれ磁気結合された状態で受電回路21が構成されているので、例えば第2共振回路212の受電電圧が最も高い場合、その受電電力は、共振回路間の磁気結合によって、他の第2共振回路211、213へ伝達され、さらに第1共振回路214へ伝達され、そして整流回路22を通じてアルカリ二次電池10に充電されることになる。また4つの受電コイルL1〜L4は、外装体30の周方向に隣接して設けられているので、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外周面のどの部分が送電コイルL11に対向しても、4つの受電コイルL1〜L4のいずれかが送電コイルL11と対向することになる。したがって非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外周面のどの部分が送電コイルL11に対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0123】
さらに上記構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、整流回路22に接続された第1共振回路214と、共振回路間の磁気結合により他の共振回路を介して整流回路22に接続される第2共振回路211〜213とを含んで受電回路21が構成されていることによって、例えば受電コイルL1に断線等が生じても、他の受電コイルL2〜L4のいずれかで受電することができるので、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の耐久性を向上させることができる。また上記構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、整流回路22の部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
【0124】
また第12実施例の受電回路21において、第2共振回路211〜213の共振周波数f1〜f3は、第1共振回路214に対し、第1共振回路214の共振周波数f4の半値幅の範囲内で異なるのが好ましい。それによって非接触充電器2の送電回路61と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を最大値の半分以下に抑制しつつ、受電回路21における共振周波数の範囲を拡大することができる。それによって、一定以上の電力伝送効率を確保しつつ、共振周波数が異なる様々な非接触充電器2に柔軟に対応できる非接触充電対応型アルカリ二次電池1を実現することができる。さらに受電回路21又は送電回路61を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0125】
<第13実施例>
本発明の第13実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第1実施例と異なる。以下、第13実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図20を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0126】
図20は、第13実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第13実施例の電流制限回路23は、「定電流回路」としての定電流ダイオードCRD1で構成されている点で、第1実施例と異なる。より具体的には定電流ダイオードCRD1は、アノードが整流ダイオードD1のカソードに接続され、カソードがアルカリ二次電池10の正極12に接続されている。このように電流制限回路23を定電流ダイオードCRD1で構成することによって、アルカリ二次電池10に対して過電流で充電が行われる虞をさらに低減することができる。
【0127】
<第14実施例>
本発明の第14実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第1実施例と異なる。以下、第14実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図21を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0128】
図21は、第14実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第14実施例の電流制限回路23は、トランジスタTR1、ツェナーダイオードZD1、抵抗R2、R3で構成される定電流回路である点で、第1実施例と異なる。
【0129】
トランジスタTR1は、PNP型バイポーラトランジスタである。ツェナーダイオードZD1のカソードは抵抗R3の一端側に接続され、その接続点が整流ダイオードD1のカソードに接続されている。抵抗R3の他端側は、トランジスタTR1のエミッタに接続されている。ツェナーダイオードZD1のアノードはトランジスタTR1のベースに接続され、その接続点が抵抗R2の一端側に接続されている。抵抗R2の他端側は、アルカリ二次電池10の負極13に接続されている。トランジスタTR1のコレクタは、アルカリ二次電池10の正極12に接続されている。
【0130】
このような構成の公知の定電流回路は、トランジスタTR1のベース電圧がツェナーダイオードZD1によって一定に維持される。したがってトランジスタTR1のコレクタ電流、すなわちアルカリ二次電池10の充電電流は、整流回路22の出力電圧が変動しても一定の電流以下に維持される。それによってアルカリ二次電池10に対して過電流で充電が行われる虞をさらに低減することができる。
【0131】
<第15実施例>
本発明の第15実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第1実施例と異なる。以下、第15実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図22を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0132】
図22は、第15実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第15実施例の電流制限回路23は、電界効果トランジスタFET1、抵抗R4で構成される定電流回路である点で、第1実施例と異なる。
【0133】
電界効果トランジスタFET1は、Nチャネル接合型電界効果トランジスタである。電界効果トランジスタFET1は、整流ダイオードD1のカソードがドレインに接続され、抵抗R4の一端側がソースに接続され、抵抗R4の他端側がゲートに接続されている。電界効果トランジスタFET1のゲートと抵抗R4の他端側との接続点は、アルカリ二次電池10の正極12に接続されている。
【0134】
このような構成の公知の定電流回路は、電界効果トランジスタFET1のゲートとソースが抵抗R4を介して接続されている。したがって電界効果トランジスタFET1のドレイン電流、すなわちアルカリ二次電池10の充電電流は、電界効果トランジスタの定電流特性によって一定の電流以下に維持される。それによってアルカリ二次電池10に対して過電流で充電が行われる虞をさらに低減することができる。
【0135】
<第16実施例>
本発明の第16実施例は、非接触充電器2の構成が第1実施例と異なる。以下、本発明の第16実施例の非接触充電器2について、図23を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0136】
図23は、第16実施例の非接触充電器2の正面視の断面図である。
第16実施例の非接触充電器2は、第1実施例において、送電回路61から放射される電磁波を外部へ漏洩しないように遮蔽する遮蔽構造をさらに備える。より具体的には第16実施例の非接触充電器2は、符号Aで示した方向へ開閉可能に支持され、閉じた状態で載置面部51を覆う遮蔽カバー53を備える。遮蔽カバー53は、電磁波シールド材等で形成された箱形状の部材であり、軸部531で充電器本体50に軸支されている。
【0137】
開閉器SWは、遮蔽カバー53を閉じた状態で、その遮蔽カバー53と係合する位置に設けられている。つまり第16実施例の非接触充電器2は、遮蔽カバー53を閉じた状態においてのみ、AC−DCコンバータ62からインバータ63へ電力が供給される状態となる。
【0138】
このような構成の非接触充電器2は、遮蔽カバー53を閉じた状態で、送電回路61から放射される電磁波が外部へ漏洩しない状態となる。そして上記構成の非接触充電器2は、遮蔽カバー53を閉じた状態においてのみ、送電回路61から電磁波が放射され、それ以外の状態では送電回路61から電磁波が放射されない。それによって非接触充電器2から外部へ電磁波が漏洩することを確実に防止することができるので、非接触充電器2から電磁波が漏洩して周囲の電子機器や人体に影響を及ぼすことを未然に防止することができる。
【0139】
<第17実施例>
本発明の第17実施例は、非接触充電器2の構成が第1実施例と異なる。以下、本発明の第17実施例の非接触充電器2について、図24を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0140】
図24は、第17実施例の非接触充電器2の正面視の断面図である。
第17実施例の非接触充電器2は、第1実施例の非接触充電器2に対し、送電回路61から放射される電磁波を外部へ漏洩しないように遮蔽する遮蔽構造をさらに備える。より具体的には第17実施例の非接触充電器2は、第1実施例の非接触充電器2に対し、送電コイルL11の上面側の空間を覆う遮蔽部材54と、遮蔽部材54と送電コイルL11との間の空間に収容可能なトレイ55とを含む。遮蔽部材54は、電磁波シールド材等で形成され、前面及び底面が開口した箱形状の部材である。トレイ55は、上面が開口した箱形状の部材であり、内底面部551は、少なくとも送電回路61の共振周波数の電磁波が透過する材料で形成されており、前面部552は電磁波シールド材等で形成されている。トレイ55は、遮蔽部材54と送電コイルL11との間の空間に対し、遮蔽部材54の前面の開口部541を通じて符号Bで示した方向へ挿抜することができる。トレイ55の内底面部551は、遮蔽部材54と送電コイルL11との間の空間に収容された状態において、非接触充電対応型アルカリ二次電池1が載置される「載置面部」となる。
【0141】
開閉器SWは、遮蔽部材54の開口部541から所定位置までトレイ55を挿入して、遮蔽部材54と送電コイルL11との間の空間にトレイ55を収容した状態で、そのトレイ55の背面部553が当接する位置に設けられている。つまり第17実施例の非接触充電器2は、遮蔽部材54の開口部541から所定位置までトレイ55を挿入した状態においてのみ、AC−DCコンバータ62からインバータ63へ電力が供給される。
【0142】
このような構成の非接触充電器2は、遮蔽部材54の開口部541から所定位置までトレイ55を挿入した状態で、送電回路61から放射される電磁波が外部へ漏洩しない状態となる。そして上記構成の非接触充電器2は、遮蔽部材54の開口部541から所定位置までトレイ55を挿入した状態においてのみ、送電回路61から電磁波が放射され、それ以外の状態では送電回路61から電磁波が放射されない。それによって非接触充電器2から外部へ電磁波が漏洩することを確実に防止することができるので、非接触充電器2から電磁波が漏洩して周囲の電子機器や人体に影響を及ぼすことを未然に防止することができる。
【符号の説明】
【0143】
1 非接触充電対応型アルカリ二次電池
2 非接触充電器
10 アルカリ二次電池
20 回路基板
21 受電回路
22 整流回路
23 電流制限回路
30 外装体
50 充電器本体
51 載置面部
61 送電回路
62 AC−DCコンバータ
63 インバータ
64 制御装置
C1〜C4、C11 共振コンデンサ
L1〜L4 受電コイル
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾電池と代替可能なアルカリ二次電池であって非接触で充電可能な非接触充電対応型二次電池、この非接触充電対応型二次電池に非接触で電力を伝送して充電する非接触充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
乾電池(IEC60086(JISC8500)に規定される一次電池)とサイズや出力電圧等が同じであり、乾電池と代替可能なアルカリ二次電池等の二次電池(Secondary Battery)は、近年の地球環境保護の気運の高まりから広く普及しつつある。また二次電池の充電に関する技術の一例としては、非接触電力伝送(Contactless Power Transmission)技術を用いたものが公知である。そして乾電池と代替可能な二次電池に対し、非接触電力伝送技術を用いて充電する従来技術の一例としては、電磁誘導(Electromagnetic Induction)方式が公知である(例えば特許文献1〜5を参照)。
【0003】
しかし電磁誘導方式による非接触電力伝送は、電力を伝送できる距離が非常に短い上、送電側のコイルと受電側のコイルとの位置関係が僅かにずれただけでも電力伝送効率が大幅に低下してしまうため、その位置関係を正確に合わせる必要があり、利便性の面で課題がある。また電磁誘導方式による非接触電力伝送は、何らかの金属製の物質が電力伝送経路に介在すると、その金属製の物質が誘導加熱によって加熱されてしまうため、安全性の面でも課題がある。
【0004】
このようなことから近年は、磁界共鳴(Magnetic Resonance)方式の非接触電力伝送技術が注目されている(例えば特許文献6〜10を参照)。磁界共鳴方式は、送電側のコイルに電流が流れることにより発生した磁場の振動が、同じ周波数で共振する受電側の共振回路に伝わる磁界共鳴を利用したものであり、電磁誘導方式とは全く異なる方式である。磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、電磁誘導方式と比較して電力を伝送できる距離が長い上、送電側のコイルと受電側のコイルとの位置関係が多少ずれていても電力伝送効率がほとんど低下しないため、利便性の面でメリットが大きい。また磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、電磁誘導方式と比較して利用する磁場が小さい上、特定の共振周波数の共振回路だけが受電できるため、誘導加熱がほとんど生じない。さらには共振周波数に応じて充電対象を選択することも可能である。さらに電磁誘導方式は送電側と受電側とが一対一の関係にあるのに対し、磁界共鳴方式は、一の送電コイルから複数の受電コイルへ送電することも可能であり、この点においても利便性の面でメリットが大きいといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−117748号公報
【特許文献2】特開2005−124324号公報
【特許文献3】特開2010−193701号公報
【特許文献4】特開2011−45236号公報
【特許文献5】特開2011−60677号公報
【特許文献6】米国特許第7741734号公報
【特許文献7】米国特許第7825543号公報
【特許文献8】特表2009−501510号公報
【特許文献9】特開2010−119193号公報
【特許文献10】特開2011−30294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら乾電池と代替可能な非接触充電対応型二次電池において、磁界共鳴方式による非接触電力伝送を採用する従来技術は、出願人が知る限り存在しない。
【0007】
また電磁誘導方式による非接触電力伝送は、前述したように利便性及び安全性の面で課題があることに加えて、実用的な電力伝送を実現する上ではコイルの巻き数を一定以上にせざるを得ないという問題がある。さらに乾電池と代替可能な非接触充電対応型二次電池は、規格(IEC60086(JISC8500))で定められた形状及び寸法でなければならず、一定以上の電池容量も確保しなければならない。そのため乾電池と代替可能な非接触充電対応型二次電池において、電磁誘導方式による非接触電力伝送を採用する場合には、特許文献1〜5に開示されているように、実装効率の観点から二次電池の軸芯を中心とする巻き方向にコイルを巻かざるを得なくなる。
【0008】
そして電磁誘導方式による非接触電力伝送は、前述したように、充電時に送電側のコイルと受電側のコイルとの位置関係を正確に合わせる必要がある。したがって乾電池と代替可能な非接触充電対応型二次電池において、電磁誘導方式による非接触電力伝送を採用する場合には、特許文献1〜4に開示されているように、二次電池側のコイルの巻き方向の制約によって非接触充電器の構造も極めて限定的な範囲に制約されることになってしまう。
【0009】
例えば特許文献1又は2に開示されている非接触充電器は、送電コイルを内蔵した円筒形状の電池収容部が設けられており、その筒状の電池収容部に二次電池を立てた状態で収容しなければならない構成になっている。また例えば特許文献3又は4に開示されている非接触充電器は、底面に送電コイルが埋設された複数の窪み部が筐体に並設されており、その複数の窪み部に二次電池を一本ずつ並べて載置しなければならない構成になっている。つまり特許文献1〜4に開示されている従来技術は、充電時における二次電池の取り扱いが依然として煩わしく、同時に充電可能な二次電池の数も少ないため、非接触充電のメリットが十分に生かされているとは言えず、依然として利便性の面で課題がある。
【0010】
このような状況に鑑み本発明はなされたものであり、その目的は、より利便性の高い非接触充電対応型二次電池、非接触充電器を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、二次電池と、受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、前記二次電池が収容され、前記二次電池の正極が接続される正極端子、前記二次電池の負極が接続される負極端子を含む円柱形状の外装体と、を備え、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記受電コイルが前記外装体の内周面に沿って設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
【0012】
受電コイルは、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された所謂平板コイルであり、外装体の内周面に沿って設けられている。したがって外装体の外周面に非接触充電器の送電コイルを対向させることで、受電コイルと送電コイルとが対向する状態、すなわち効率的に非接触電力伝送を行うことが可能な状態を構成することができる。つまり本発明の第1の態様の非接触充電対応型二次電池は、例えば平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された送電コイルが載置面部と平行に設けられた非接触充電器に対し、その載置面部に横に寝かせて転がした状態とするだけで、効率的に非接触電力伝送を行うことができる。また磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、電磁誘導方式と比較して電力を伝送できる距離が長い上、送電側のコイルと受電側のコイルとの位置関係が多少ずれていても電力伝送効率がほとんど低下しない。
【0013】
このようなことから本発明の第1の態様の非接触充電対応型二次電池は、その向きや位置を気にすることなく、横に寝かせて転がした状態で、無造作に非接触充電器の載置面部に置くだけで、多数同時に非接触で充電することができる。つまり本発明の第1の態様の非接触充電対応型二次電池は、充電時の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした高い利便性を実現することができる。
【0014】
そして磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、一般に電磁誘導方式より高い周波数帯の電磁波を用いるため、電磁誘導方式より少ない巻き数のコイルで実用的な電力伝送を実現することができる。したがって平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイルを外装体の内周面に沿って設ける上記構成を採用しても、その受電コイルによって二次電池の電池容量が制限される虞はほとんどなく、乾電池と代替可能な寸法の範囲内で充分な電池容量を確保することができる。
【0015】
これにより本発明の第1の態様によれば、より利便性の高い非接触充電対応型二次電池を実現することができるという作用効果が得られる。
【0016】
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、前記二次電池と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、外装体内の二次電池の表面に発生する渦電流に起因した受電コイルの損失を低減することができるので、その渦電流損によって受電効率が低下する虞を低減することができる。
【0017】
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、前述した本発明の第1の態様又は第2の態様において、前記二次電池と前記受電コイルとの間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、外装体内の二次電池の表面に受電コイルが接触して受電コイルに短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0018】
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、前述した本発明の第1〜第3の態様のいずれかにおいて、前記受電コイルと前記外装体の内周面との間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、外装体の内周面に受電コイルが接触して受電コイルに短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0019】
<本発明の第5の態様>
本発明の第5の態様は、二次電池と、受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、前記二次電池が収容され、前記二次電池の正極が接続される正極端子、前記二次電池の負極が接続される負極端子を含む円柱形状の外装体と、を備え、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記受電コイルが前記外装体の外周面に沿って設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
本発明の第5の態様によれば、前述した本発明の第1の態様と同様の作用効果が得られる。
【0020】
<本発明の第6の態様>
本発明の第6の態様は、前述した本発明の第5の態様において、前記外装体の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、外装体の外周面に発生する渦電流に起因した受電コイルの損失を低減することができるので、その渦電流損によって受電効率が低下する虞を低減することができる。
【0021】
<本発明の第7の態様>
本発明の第7の態様は、前述した本発明の第5の態様又は第6の態様において、前記外装体の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、外装体の外周面に受電コイルが接触して受電コイルに短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0022】
<本発明の第8の態様>
本発明の第8の態様は、前述した本発明の第5〜第7の態様のいずれかにおいて、前記受電コイルの外側を覆う絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、何らかの外的要因で受電コイルに破損や短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0023】
<本発明の第9の態様>
本発明の第9の態様は、円柱形状の二次電池と、前記二次電池の外周面を覆う絶縁体層と、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、を備え、前記受電回路、前記整流回路及び前記電流制限回路が前記二次電池の外周面と前記絶縁体層との間に設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
本発明の第9の態様によれば、前述した本発明の第1の態様と同様の作用効果が得られる。
【0024】
<本発明の第10の態様>
本発明の第10の態様は、前述した本発明の第9の態様において、前記二次電池の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、二次電池の外周面に発生する渦電流に起因した受電コイルの損失を低減することができるので、その渦電流損によって受電効率が低下する虞を低減することができる。
【0025】
<本発明の第11の態様>
本発明の第11の態様は、前述した本発明の第1〜第10の態様のいずれかにおいて、前記外装体の軸芯に対して重心が偏芯している、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、例えば平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された送電コイルが載置面部と平行に設けられた非接触充電器に対し、その載置面部に非接触充電対応型二次電池を横に寝かせて転がした状態において、送電コイルと受電コイルとの位置関係は、その重心の偏芯方向に応じて常に一定になる。したがって、その状態において送電コイルと受電コイルとが最も電力伝送効率が高い位置関係となるように、重心の偏芯方向に対する受電コイルの配置を設定することによって、常に最も電力伝送効率が高い状態で非接触充電を行うことができる。
【0026】
<本発明の第12の態様>
本発明の第12の態様は、前述した本発明の第1〜第11の態様のいずれかにおいて、前記整流回路は半波整流回路である、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、全波整流回路よりも回路素子の数が少ない半波整流回路を採用することによって、製造コストを大幅に削減することができる。特に1つの整流ダイオードだけで構成した半波整流回路は、その製造コストの削減効果が顕著となる。また全波整流回路よりも回路素子の数が少ない半波整流回路を採用することによって、整流回路における電圧降下を低減することができる。それによって整流回路における電圧降下に起因した充電効率の低下を低減することができる。さらに半波整流回路の出力電流で二次電池を充電することによって、ごく短時間の充電と自己放電が交互に繰り返されるパルス充電によって二次電池が充電されることになるので、過充電に起因する二次電池の発熱や劣化が生ずる虞を低減することができる。
【0027】
<本発明の第13の態様>
本発明の第13の態様は、前述した本発明の第1〜第12の態様のいずれかにおいて、前記電流制限回路は定電流回路を含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、二次電池に対して過電流で充電が行われる虞をさらに低減することができる。
【0028】
<本発明の第14の態様>
本発明の第14の態様は、前述した本発明の第1〜第13の態様のいずれかにおいて、前記受電回路は、共振のQ値が100以下である、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、受電回路における共振周波数の範囲を広げることができるので、非接触充電器の送電回路と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を低減することができる。それによって共振周波数が異なる様々な非接触充電器に柔軟に対応できる非接触充電対応型二次電池を実現することができる。さらに受電回路又は送電回路を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0029】
<本発明の第15の態様>
本発明の第15の態様は、前述した本発明の第1〜第14の態様のいずれかにおいて、前記受電回路は、前記受電コイルを複数備え、複数の前記受電コイルが前記外装体の周方向に隣接して設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、複数の受電コイルで受電することが可能になるので、送電回路から受電回路への電力伝送効率を向上させることができる。また複数の受電コイルを外装体の周方向に隣接して設けることによって、外装体の外周面のどの部分が送電コイルに対向しても、複数の受電コイルのいずれかが送電コイルと対向することになる。それによって外装体の外周面のどの部分が送電コイルに対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0030】
<本発明の第16の態様>
本発明の第16の態様は、前述した本発明の第15の態様において、前記受電回路は、直列に接続された複数の前記受電コイルに前記共振コンデンサが並列に接続されている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、複数の受電コイルに対して共振コンデンサを共用する構成によって、部品点数を削減することができる。それによって、複数の受電コイルを外装体の周方向に隣接して設ける構成による作用効果を得つつ、その製造コストを低減することができる。
【0031】
<本発明の第17の態様>
本発明の第17の態様は、前述した本発明の第15の態様において、前記受電回路は、前記受電コイルと前記共振コンデンサとが並列に接続された共振回路を複数含み、前記整流回路は、複数の前記共振回路の各々に対応して複数設けられ、複数の前記整流回路の出力が並列に接続されている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、複数の独立した共振回路が並列に接続されて受電回路が構成されているので、受電電圧が最も高い共振回路から二次電池に充電されることになる。また複数の受電コイルは、外装体の周方向に隣接して設けられているので、非接触充電対応型二次電池の外周面のどの部分が送電コイルに対向しても、複数の受電コイルのいずれかが送電コイルと対向することになる。したがって非接触充電対応型二次電池の外周面のどの部分が送電コイルに対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0032】
また複数の独立した共振回路が並列に接続されて受電回路が構成されていることによって、仮に複数の共振回路のいずれかに受電コイルの断線等が生じても、他の共振回路で受電することができるので、非接触充電対応型二次電池の耐久性を向上させることができる。
【0033】
<本発明の第18の態様>
本発明の第18の態様は、前述した本発明の第17の態様において、複数の前記共振回路は、前記受電コイルの巻き方向が正方向の共振回路と、前記受電コイルの巻き方向が逆方向の共振回路とを含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、送電される交流電力の正電圧の部分は、受電コイルの巻き方向が正方向の共振回路で受電することができ、送電される交流電力の負電圧の部分は、受電コイルの巻き方向が逆方向の共振回路で受電することができる。つまり全波整流回路を設けることなく、送電される交流電力の負電圧の部分も無駄に捨てることなく受電することができるので、電力伝送効率をさらに向上させることができる。
【0034】
<本発明の第19の態様>
本発明の第19の態様は、前述した本発明の第17の態様又は第18の態様において、複数の前記共振回路は、前記受電コイルが隣接する前記共振回路に対して共振周波数が異なる、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、受電回路における共振周波数の範囲を拡大することができるので、非接触充電器の送電回路と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を低減することができる。それによって共振周波数が異なる様々な非接触充電器に柔軟に対応できる非接触充電対応型二次電池を実現することができる。さらに受電回路又は送電回路を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0035】
<本発明の第20の態様>
本発明の第20の態様は、前述した本発明の第15の態様において、前記受電回路は、前記受電コイルと前記共振コンデンサとが並列に接続された共振回路を複数含み、複数の前記共振回路は、前記整流回路に接続された第1共振回路と、共振回路間の磁気結合により他の共振回路を介して前記整流回路に接続される第2共振回路とを含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
【0036】
このような特徴によれば、複数の独立した共振回路がそれぞれ磁気結合されるので、受電電圧が最も高い第2共振回路の受電電力は、共振回路間の磁気結合によって、他の第2共振回路へ伝達され、さらに第1共振回路へ伝達され、そして整流回路を通じて二次電池に充電されることになる。また複数の受電コイルは、外装体の周方向に隣接して設けられているので、非接触充電対応型二次電池の外周面のどの部分が送電コイルに対向しても、複数の受電コイルのいずれかが送電コイルと対向することになる。したがって非接触充電対応型二次電池の外周面のどの部分が送電コイルに対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0037】
また複数の独立した共振回路が並列に設けられて受電回路が構成されていることによって、仮に複数の共振回路のいずれかに受電コイルの断線等が生じても、他の共振回路で受電することができるので、非接触充電対応型二次電池の耐久性を向上させることができる。
【0038】
さらに受電回路は、整流回路に接続された第1共振回路と、共振回路間の磁気結合により他の共振回路を介して整流回路に接続される第2共振回路とで構成されているので、非接触充電対応型二次電池の耐久性を向上させつつ、整流回路の部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
【0039】
<本発明の第21の態様>
本発明の第21の態様は、前述した本発明の第20の態様において、前記第2共振回路の共振周波数は、前記第1共振回路の共振周波数に対し、前記第1共振回路の共振周波数の半値幅の範囲内で異なる、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池である。
このような特徴によれば、非接触充電器の送電回路と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を最大値の半分以下に抑制しつつ、受電回路における共振周波数の範囲を拡大することができる。それによって、一定以上の電力伝送効率を確保しつつ、共振周波数が異なる様々な非接触充電器に柔軟に対応できる非接触充電対応型二次電池を実現することができる。さらに受電回路又は送電回路を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0040】
<本発明の第22の態様>
本発明の第22の態様は、共振周波数の交流電力を出力する電源回路と、送電コイル、前記送電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を送電する送電回路と、非接触充電対応型二次電池が載置され、前記送電コイルから電磁波が放射される載置面部と、を備え、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記送電コイルが前記載置面部と平行に設けられている、ことを特徴とする非接触充電器である。
【0041】
送電コイルは、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された所謂平板コイルであり、載置面部と平行に設けられている。したがって非接触充電対応型二次電池の受電コイルを載置面部に対向させることで、受電コイルと送電コイルとが対向する状態、すなわち効率的に非接触電力伝送を行うことが可能な状態を構成することができる。つまり本発明の第22の態様の非接触充電器は、例えば平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイルが外装体の内周面又は外周面に沿って設けられている非接触充電対応型二次電池を、その載置面部に横に寝かせて転がした状態とすれば、効率的に非接触電力伝送を行うことができる。また磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、電磁誘導方式と比較して電力を伝送できる距離が長い上、送電側のコイルと受電側のコイルとの位置関係が多少ずれていても電力伝送効率がほとんど低下しない。
【0042】
このようなことから本発明の第22の態様の非接触充電器は、その向きや位置を気にすることなく、横に寝かせて転がした状態で、無造作に非接触充電対応型二次電池を載置面部に置くだけで、多数の非接触充電対応型二次電池に同時に非接触で充電することができる。したがって本発明の第22の態様の非接触充電器は、充電時の非接触充電対応型二次電池の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした極めて高い利便性を実現することができる。
【0043】
これにより本発明の第22の態様によれば、より利便性の高い非接触充電器を実現することができるという作用効果が得られる。
【0044】
<本発明の第23の態様>
本発明の第23の態様は、前述した本発明の第22の態様において、前記送電コイルと前記電源回路との間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器である。
このような特徴によれば、電源回路に発生する渦電流に起因した送電コイルの損失を低減することができるので、その渦電流損によって送電効率が低下する虞を低減することができる。
【0045】
<本発明の第24の態様>
本発明の第24の態様は、前述した本発明の第22の態様又は第23の態様において、前記送電回路から間欠的に送電が行われるように前記電源回路を制御する制御装置をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器である。
【0046】
ニッケル水素二次電池、ニカド二次電池等のアルカリ二次電池は、常時電流を流し続けて充電を行うと、電極の表面において反応が最も活性な部分だけ充電される傾向がある。また満充電後は、過充電状態が長時間継続することになるため、副反応により発生する酸素ガスに起因して電池反応が停止し、それによって発熱の虞が生ずるとともに、電解液や電極板の劣化が進行して電池寿命が短くなる虞が生ずる。
【0047】
本発明の第24の態様によれば、送電回路から間欠的に送電が行われるように電源回路が制御されるので、アルカリ二次電池を用いた非接触充電対応型二次電池に対して、休止期間と充電期間が交互に繰り返される間欠充電を行うことができる。間欠充電によるアルカリ二次電池の充電は、休止時間に電極表面の状態がリフレッシュされて電極表面全体が均一に反応する傾向となる。また休止期間における自己放電と充電期間における満充電状態の回復が交互に繰り返されることによって、過充電に起因する発熱や劣化が生ずる虞を低減することができる。
【0048】
<本発明の第25の態様>
本発明の第25の態様は、前述した本発明の第22〜第24の態様のいずれかにおいて、前記送電回路から放射される電磁波を外部へ漏洩しないように遮蔽する遮蔽構造をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器である。
このような特徴によれば、非接触充電器から外部へ電磁波が漏洩することを防止することができるので、非接触充電器から電磁波が漏洩して周囲の電子機器や人体に影響を及ぼすことを未然に防止することができる。
【0049】
<本発明の第26の態様>
本発明の第26の態様は、前述した本発明の第25の態様において、前記送電回路から放射される電磁波が前記遮蔽構造により遮蔽される状態で前記電源回路から前記送電回路へ交流電力が供給されるように、前記遮蔽構造と係合して前記電源回路から前記送電回路への交流電力の供給路を開閉する開閉器をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器である。
このような特徴によれば、送電回路から放射される電磁波が遮蔽構造により遮蔽される状態でなければ送電回路から電磁波が放射されないので、非接触充電器から外部へ電磁波が漏洩することを確実に防止することができる。
【0050】
<本発明の第27の態様>
本発明の第27の態様は、前述した本発明の第26の態様において、前記遮蔽構造は、開閉可能に支持され、閉じた状態で前記載置面部を覆う遮蔽カバーを含み、前記遮蔽カバーを閉じた状態で、前記載置面部の周囲が遮蔽される状態となって前記開閉器が開く、ことを特徴とする非接触充電器である。
このような特徴によれば、送電回路から放射される電磁波が遮蔽構造により遮蔽される状態、すなわち遮蔽カバーが閉じた状態でのみ、送電回路から電磁波が放射され、それ以外の状態では送電回路から電磁波が放射されない。それによって非接触充電器から外部へ電磁波が漏洩することを確実に防止することができる。
【0051】
<本発明の第28の態様>
本発明の第28の態様は、前述した本発明の第26の態様において、前記遮蔽構造は、内側の底面が前記載置面部となる挿抜可能なトレイを含み、前記トレイを所定位置まで挿入した状態で前記トレイの内側の底面の周囲が遮蔽される状態となって前記開閉器が開く、ことを特徴とする非接触充電器である。
このような特徴によれば、送電回路から放射される電磁波が遮蔽構造により遮蔽される状態、すなわちトレイを所定位置まで挿入した状態でのみ、送電回路から電磁波が放射され、それ以外の状態では送電回路から電磁波が放射されない。それによって非接触充電器から外部へ電磁波が漏洩することを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、より利便性の高い非接触充電対応型二次電池、非接触充電器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の正面図及び平面図。
【図2】第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のII−II断面図。
【図3】第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のI−I断面図。
【図4】第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図5】第1実施例の非接触充電器の外観を図示した平面図及び正面視の断面図。
【図6】第1実施例の非接触充電器の回路図。
【図7】第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のII−II断面図。
【図8】第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のI−I断面図。
【図9】第3実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のI−I断面図。
【図10】第4実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のI−I断面図。
【図11】第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の外観を図示した正面図。
【図12】第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のIII−III断面図。
【図13】第6実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のIII−III断面図。
【図14】第7実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のIII−III断面図。
【図15】第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の構造を分解図示した正面図。
【図16】第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池のIV−IV断面図。
【図17】第9実施例及び第11実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図18】第10実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図19】第12実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図20】第13実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図21】第14実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図22】第15実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池の回路図。
【図23】第16実施例の非接触充電器の正面視の断面図。
【図24】第17実施例の非接触充電器の正面視の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、本発明は、以下説明する実施例に特に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変形が可能であること言うまでもない。
【0055】
<第1実施例>
1.非接触充電対応型二次電池の構成
本発明の第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図1〜図4を参照しながら説明する。
図1は、第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外観を図示した正面図(図1(a))及び平面図(図1(b))である。図2は、第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(b)のII−II断面で外装体30だけを切断した状態を図示したものである。図3は、第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(a)のI−I断面を図示したものである。図4は、第1実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
【0056】
「非接触充電対応型二次電池」としての非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、アルカリ二次電池10、受電回路21、整流回路22、電流制限回路23及び外装体30を備える。
【0057】
「二次電池」としてのアルカリ二次電池10は、公知のニッケル水素二次電池又はニッケル・カドミウム二次電池である。アルカリ二次電池10は、その形状や構造等に特に限定はないが、当該実施例においては、いわゆる単4形(AAA)乾電池(IEC60086の記号R03)と形状及びサイズが同じである。より具体的にはアルカリ二次電池10は、正極活物質を保持する正極板、負極活物質を保持する負極板、正極板と負極板とを分離するセパレータを含み、セパレータを介して正極板と負極板とを重ねて負極板が外側になるように渦巻き状に巻いた電極体が有底円筒形状の金属からなる外装缶に収容され、さらに外装缶内に電解液が充填されて構成されている(図示省略)。アルカリ二次電池10の内部の正極板は、アルカリ二次電池10の頂部に設けられた正極12に接続され、アルカリ二次電池10の内部の負極板は、アルカリ二次電池10の底部に設けられた負極13に接続されている(図示省略)。
【0058】
受電回路21は、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する回路であり、4つの受電コイルL1〜L4、共振コンデンサC1を含む。受電コイルL1〜L4は、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された所謂平板コイルであり、アルカリ二次電池10の外周面11と外装体30の内周面33の間に設けられている。より具体的には受電コイルL1〜L4は、外装体30の内周面33に沿って、周方向に隣接して設けられている。共振コンデンサC1は回路基板20に実装されている。受電回路21の共振周波数は、例えば数MHz〜数十MHzの範囲で任意の周波数に設定され、受電コイルL1〜L4のインダクタンスと共振コンデンサC1のキャパシタンスによって定まる。
【0059】
4つの受電コイルL1〜L4は、直列に接続されており、共振コンデンサC1は、その直列に接続された4つの受電コイルL1〜L4に並列に接続されている。共振コンデンサC1の一端側と受電コイルL1との接続点は、後述する整流ダイオードD1及び電流制限抵抗R1を介してアルカリ二次電池10の正極12に接続されている。共振コンデンサC1の他端側と受電コイルL4との接続点は、アルカリ二次電池10の負極13に接続されている。つまり第1実施例の受電回路21は、複数の受電コイルL1〜L4に対して共振コンデンサC1を共用する構成となっている。受電回路21は、特にこのような構成に限定されないが、複数の受電コイルL1〜L4に対して共振コンデンサC1を共用する構成とすることによって、部品点数を削減することができるので、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の製造コストを低減することができる。
【0060】
整流回路22は、回路基板20に実装された整流ダイオードD1を含み、受電回路21で受電する交流電力を整流する回路である。整流ダイオードD1は、アノードが受電コイルL1と共振コンデンサC1との接続点に接続され、カソードが後述する電流制限抵抗R1の一端側に接続されている。
【0061】
整流回路22は、交流電力を整流する回路であれば、どのような構成の回路でもよく、例えばブリッジ回路等で構成した全波整流回路としてもよいが、半波整流回路とするのが好ましい。全波整流回路よりも回路素子の数が少ない半波整流回路を採用することによって、製造コストを大幅に削減することができる。特に当該実施例のように1つの整流ダイオードD1で構成した半波整流回路は、その製造コストの削減効果が顕著となる。また全波整流回路よりも回路素子の数が少ない半波整流回路を採用することによって、整流回路22における電圧降下を低減することができる。それによって整流回路22における電圧降下に起因した充電効率の低下を低減することができる。さらに半波整流回路の出力電流でアルカリ二次電池10を充電することによって、アルカリ二次電池10は、ごく短時間の充電と自己放電が交互に繰り返されるパルス充電によって充電されることになる。パルス充電による充電は、過充電に起因するアルカリ二次電池10の発熱や劣化が生ずる虞を低減することができる。
【0062】
電流制限回路23は、回路基板20に実装された電流制限抵抗R1を含み、整流回路22からアルカリ二次電池10への充電電流を制限する回路である。電流制限抵抗R1は、一端側が整流ダイオードD1のカソードに接続され、他端側がアルカリ二次電池10の正極12に接続されている。この電流制限回路23によって、受電回路21からアルカリ二次電池10への充電電流が過電流となる虞を低減することができる。この電流制限回路23は、アルカリ二次電池10が厳密な充電制御を必要としない点を考慮し、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の製造コストの低減、製造容易性の観点から、少ない部品点数で簡素な回路構成とするのが好ましい。
【0063】
外装体30は、アルカリ二次電池10、回路基板20、受電コイルL1〜L4が収容される内部空間を有する円柱形状をなし、少なくとも受電回路21の共振周波数の電磁波が透過する材料で形成された構造体である。外装体30は、アルカリ二次電池10の正極12が接続される正極端子31、アルカリ二次電池10の負極13が接続される負極端子32を含む。より具体的には外装体30は、いわゆる単3形(AA)乾電池(IEC60086の記号R6)と形状及びサイズが同じである。
【0064】
2.非接触充電器の構成
本発明の第1実施例の非接触充電器について、図5及び図6を参照しながら説明する。 図5は、第1実施例の非接触充電器2の外観を図示した平面図(a)及び正面視の断面図(b)である。図6は、第1実施例の非接触充電器2の回路図である。
【0065】
非接触充電器2は、充電器本体50、送電回路61、AC−DCコンバータ(AC-DC Converter)62、インバータ(Inverter)63、制御装置64を備える。
【0066】
充電器本体50は、送電回路61、AC−DCコンバータ62、インバータ63、制御装置64が内蔵され、上面には載置面部51が設けられている。載置面部51は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1が載置される面部であり、少なくとも送電回路61の共振周波数の電磁波が透過する材料で形成されている。
【0067】
送電回路61は、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を送電する回路であり、送電コイルL11、共振コンデンサC11を含む。送電コイルL11は、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された所謂平板コイルであり、載置面部51と平行に設けられている。共振コンデンサC11は、送電コイルL11に直列に接続されている。送電回路61の共振周波数は、送電コイルL11のインダクタンスと共振コンデンサC11のキャパシタンスによって定まる。
【0068】
「電源回路」を構成する公知のAC−DCコンバータ62は、プラグ621を介して受電した商用交流電力を直流電力に変換する装置である。「電源回路」を構成する公知のインバータ63は、AC−DCコンバータ62から供給される直流電力を共振周波数の交流電力に変換して出力する装置である。開閉器SWは、AC−DCコンバータ62からインバータ63への電力供給路を開閉する。制御装置64は、インバータ63を制御する装置である。
【0069】
載置面部51とインバータ63との間には、本発明に必須の構成要素ではないが、「磁性体層」としての磁性シート52が設けられている。磁性シート52は、例えばフェライト、アモルファス等の金属磁性体、焼結フェライト等の粉を樹脂に分散させてシート状に成形したものである。このように載置面部51とインバータ63との間に磁性シート52を設けることによって、インバータ63に発生する渦電流に起因した送電コイルL11の損失を低減することができるので、その渦電流損によって送電効率が低下する虞を低減することができる。
【0070】
3.磁界共鳴による電力伝送
非接触充電器2による非接触充電対応型アルカリ二次電池1の充電について、図1〜図6を参照しながら説明する。
【0071】
非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイルL1〜L4が外装体30の内周面33に沿って設けられている(図2、図3)。他方、非接触充電器2は、平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された送電コイルL11が載置面部51と平行に設けられている(図5、図6)。したがって非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、図5に図示したように、非接触充電器2の載置面部51に横に寝かせて転がした状態とするだけで、受電コイルL1〜L4のいずれかが非接触充電器2の送電コイルL11と対向する状態となる。すなわち非接触充電器2の載置面部51に横に寝かせて転がした状態とするだけで、磁界共鳴による非接触電力伝送を効率的に行うことが可能な状態を構成することができる。
【0072】
そして、その状態で非接触充電器2の開閉器SWを操作し、送電コイルL11から共振周波数の電磁波を放射することによって、非接触充電器2から非接触充電対応型アルカリ二次電池1へ磁界共鳴方式による非接触電力伝送が行われる。磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、電磁誘導方式と比較して電力を伝送できる距離が長い上、送電コイルL11と受電コイルL1〜L4との位置関係が多少ずれていても電力伝送効率がほとんど低下しない。
【0073】
すなわち本発明の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、図5に図示したように、その向きや位置を気にすることなく、横に寝かせて転がした状態で、無造作に非接触充電器2の載置面部51に置くだけで、多数同時に非接触で充電することができる。つまり本発明の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、充電時の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした高い利便性を実現することができる。同様に、本発明に係る非接触充電器2は、充電時の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした極めて高い利便性を実現することができる。
【0074】
そして磁界共鳴方式による非接触電力伝送は、一般に電磁誘導方式より高い周波数帯の電磁波を用いるため、電磁誘導方式より少ない巻き数のコイルで実用的な電力伝送を実現することができる。したがって平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイルL1〜L4を外装体30の内周面33に沿って設ける上記構成を採用しても、その受電コイルL1〜L4によってアルカリ二次電池10の電池容量が制限される虞はほとんどなく、乾電池と代替可能な寸法の範囲内で充分な電池容量を確保することができる。
【0075】
このようにして本発明によれば、より利便性の高い非接触充電対応型アルカリ二次電池1、非接触充電器2を実現することができる。
【0076】
また本発明において受電回路21は、1つの受電コイルと1つの共振コンデンサだけで構成してもよいが、当該実施例のように、複数の受電コイルL1〜L4を外装体30の周方向に隣接して設けるのが好ましい。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによって複数の受電コイルL1〜L4で受電することが可能になるので、送電回路61から受電回路21への電力伝送効率を向上させることができる。また非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、外周面のどの部分が送電コイルL11に対向しても、複数の受電コイルL1〜L4のいずれかが送電コイルL11と対向することになる。したがって非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、外周面のどの部分が送電コイルL11に対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0077】
また本発明において受電回路21は、共振のQ(Quality factor)値が100以下であるのが好ましい。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによって受電回路21における共振周波数の範囲を広げることができるので、非接触充電器2の送電回路61と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を低減することができる。それによって共振周波数が異なる様々な非接触充電器2に柔軟に対応できる非接触充電対応型アルカリ二次電池1を実現することができる。さらに受電回路21又は送電回路61を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0078】
また本発明において非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、例えば外装体30の軸芯に対してアルカリ二次電池10の軸芯をずらしたり、外装体30の軸芯からずれた位置に錘等を設けたりする等によって、外装体30の軸芯に対して重心を偏芯させるのが好ましい。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによって非接触充電器2の載置面部51に横に寝かせて転がした状態において、送電コイルL11と受電コイルL1〜L4との位置関係は、その重心の偏芯方向に応じて常に一定になる。したがって、その状態において送電コイルL11と受電コイルL1〜L4とが最も電力伝送効率が高い位置関係となるように、重心の偏芯方向に対する受電コイルL1〜L4の配置を設定することによって、常に最も電力伝送効率が高い状態で非接触充電を行うことができる。
【0079】
一般的にアルカリ二次電池10は、常時電流を流し続けて充電を行うと、電極の表面において反応が最も活性な部分だけ充電される傾向がある。またアルカリ二次電池10は、満充電後は過充電状態が長時間継続することになるため、副反応により発生する酸素ガスに起因して電池反応が停止し、それによって発熱の虞が生ずるとともに、電解液や電極板の劣化が進行して電池寿命が短くなる虞が生ずる。このようなことから本発明において非接触充電器2は、送電回路61から間欠的に送電が行われるようにインバータ63を制御するのが好ましい。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによってアルカリ二次電池10に対して、休止期間と充電期間が交互に繰り返される間欠充電を行うことができる。間欠充電によるアルカリ二次電池10の充電は、休止時間に電極表面の状態がリフレッシュされて電極表面全体が均一に反応する傾向となる。また休止期間における自己放電と充電期間における満充電状態の回復が交互に繰り返されることによって、過充電に起因するアルカリ二次電池10の発熱や劣化が生ずる虞を低減することができる。
【0080】
<第2実施例>
本発明の第2実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第1実施例と異なる。以下、本発明の第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図7及び図8を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0081】
図7は、第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(b)のII−II断面で外装体30だけを切断した状態を図示したものである。図8は、第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(a)のI−I断面を図示したものである。
【0082】
第2実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、「磁性体層」としての磁性シート41を備える以外は第1実施例と同じ構成である。磁性シート41は、アルカリ二次電池10と受電コイルL1〜L4との間に設けられており、例えばフェライト、アモルファス等の金属磁性体、焼結フェライト等の粉を樹脂に分散させてシート状に成形したものである。
【0083】
このようにアルカリ二次電池10と受電コイルL1〜L4との間に磁性シート41を設けることによって、アルカリ二次電池10の外周面11に発生する渦電流に起因した受電コイルL1〜L4の損失を低減することができる。それによって受電コイルL1〜L4における受電効率が渦電流損で低下する虞を低減することができる。
【0084】
<第3実施例>
本発明の第3実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第2実施例と異なる。以下、本発明の第3実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図9を参照しながら説明する。
尚、第2実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0085】
図9は、第3実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(a)のI−I断面を図示したものである。
第3実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、「絶縁体層」としての絶縁樹脂層42を備える以外は第2実施例と同じ構成である。絶縁樹脂層42は、絶縁樹脂からなる層であり、アルカリ二次電池10と受電コイルL1〜L4との間に設けられている。より具体的には絶縁樹脂層42は、アルカリ二次電池10と磁性シート41との間に設けられている。このようにアルカリ二次電池10と受電コイルL1〜L4との間に絶縁樹脂層42を設けることによって、アルカリ二次電池10の外周面11に受電コイルL1〜L4が接触して受電コイルL1〜L4に短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0086】
<第4実施例>
本発明の第4実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第3実施例と異なる。以下、本発明の第4実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図10を参照しながら説明する。
尚、第3実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0087】
図10は、第4実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図1(a)のI−I断面を図示したものである。
第4実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、「絶縁体層」としての絶縁樹脂層43を備える以外は第3実施例と同じ構成である。絶縁樹脂層43は、絶縁樹脂からなる層であり、受電コイルL1〜L4と外装体30の内周面33との間に設けられている。このように受電コイルL1〜L4と外装体30の内周面33との間に絶縁樹脂層43を設けることによって、外装体30の内周面33に受電コイルL1〜L4が接触して受電コイルL1〜L4に短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0088】
<第5実施例>
本発明の第5実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第1実施例と異なる。以下、第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成について、図11及び図12を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0089】
図11は、第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外観を図示した正面図である。図12は、第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図11のIII−III断面を図示したものである。
【0090】
第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、アルカリ二次電池10、受電回路21、整流回路22、電流制限回路23、外装体30及び絶縁樹脂膜44を備える。ここでアルカリ二次電池10、受電回路21、整流回路22、電流制限回路23、外装体30は、第1実施例と同じ構成である。
尚、第5実施例の外装体30は、受電回路21の共振周波数の電磁波が透過する材料で形成する必要はない。
【0091】
第5実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、受電コイルL1〜L4が外装体30の外周面34に沿って設けられており、その受電コイルL1〜L4の外側を覆う絶縁樹脂膜44が設けられている点で第1実施例と異なる構造になっている。より具体的には受電コイルL1〜L4は、外装体30の外周面34に沿って、周方向に隣接して設けられている。また「絶縁体層」としての絶縁樹脂膜44は、絶縁樹脂からなる被膜である。この絶縁樹脂膜44は、本発明に必須の構成要素ではないが、何らかの外的要因で受電コイルL1〜L4に破損や短絡等が生ずる虞を低減することができる点で、設けるのが好ましい。
【0092】
このような構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、第1実施例と同様に、その向きや位置を気にすることなく、横に寝かせて転がした状態で、無造作に非接触充電器2の載置面部51に置くだけで、多数同時に非接触で充電することができる(図5)。つまり第1実施例と同様に、充電時の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした高い利便性を実現することができる。したがって第1実施例と同様に、より利便性の高い非接触充電対応型アルカリ二次電池1、非接触充電器2を実現することができる。
【0093】
<第6実施例>
本発明の第6実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第5実施例と異なる。以下、本発明の第6実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図13を参照しながら説明する。
尚、第5実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0094】
図13は、第6実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図11のIII−III断面を図示したものである。
第6実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、「磁性体層」としての磁性シート45を備える以外は第5実施例と同じ構成である。磁性シート45は、外装体30の外周面34と受電コイルL1〜L4との間に設けられており、例えばフェライト、アモルファス等の金属磁性体、焼結フェライト等の粉を樹脂に分散させてシート状に成形したものである。
【0095】
このように外装体30の外周面34と受電コイルL1〜L4との間に磁性シート45を設けることによって、外装体30の外周面34の外周面11に発生する渦電流に起因した受電コイルL1〜L4の損失を低減することができる。それによって受電コイルL1〜L4における受電効率が渦電流損で低下する虞を低減することができる。
【0096】
<第7実施例>
本発明の第7実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第6実施例と異なる。以下、本発明の第7実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1について、図14を参照しながら説明する。
尚、第6実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0097】
図14は、第7実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図11のIII−III断面を図示したものである。
第7実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、「絶縁体層」としての絶縁樹脂層46を備える以外は第6実施例と同じ構成である。絶縁樹脂層46は、絶縁樹脂からなる層であり、外装体30の外周面34と受電コイルL1〜L4との間に設けられている。より具体的には絶縁樹脂層46は、外装体30の外周面34と磁性シート45との間に設けられている。このように外装体30の外周面34と受電コイルL1〜L4との間に絶縁樹脂層46を設けることによって、外装体30の外周面34に受電コイルL1〜L4が接触して受電コイルL1〜L4に短絡等が生ずる虞を低減することができる。
【0098】
<第8実施例>
本発明の第8実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成が第1実施例と異なる。以下、第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構成について、図15及び図16を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0099】
図15は、第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の構造を分解して図示した正面図である。図16は、第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の断面図であり、図15のIV−IV断面を図示したものである。
【0100】
第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、アルカリ二次電池10、受電回路21、整流回路22、電流制限回路23、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)47、磁性シート48及び絶縁樹脂膜49を備える。ここで受電回路21、整流回路22、電流制限回路23は、第1実施例と同じ構成である。
【0101】
第8実施例のアルカリ二次電池10は、サイズが異なる以外は第1実施例のアルカリ二次電池10と同じ構成である。第8実施例のアルカリ二次電池10は、いわゆる単3形(AA)乾電池(IEC60086の記号R6)と形状及びサイズが同じである。第8実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、単3形(AA)のアルカリ二次電池10、フレキシブルプリント基板47、磁性シート48及び絶縁樹脂膜49で構成されている。そして受電回路21を構成する受電コイルL1〜L4、共振コンデンサC1、整流回路22を構成する整流ダイオードD1及び電流制限回路23を構成する電流制限抵抗R1は、フレキシブルプリント基板47に設けられている。上記構成において受電コイルL1〜L4は、アルカリ二次電池10の外周面11に沿って、周方向に隣接して設けられている。磁性シート48は、例えばフェライト、アモルファス等の金属磁性体、焼結フェライト等の粉を樹脂に分散させてシート状に成形したものである。
【0102】
より具体的には、エッチングや印刷技術等で受電コイルL1〜L4及び配線パターンを形成したフレキシブルプリント基板47に、共振コンデンサC1、整流ダイオードD1及び電流制限抵抗R1が表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)で実装されている。フレキシブルプリント基板47及び磁性シート48の寸法は、アルカリ二次電池10の高さと略同じ幅で、アルカリ二次電池10の外周長と略同じ長さである。磁性シート48は、アルカリ二次電池10の外周面11に巻かれている。フレキシブルプリント基板47は、磁性シート48の外側に巻かれている。絶縁樹脂膜49は、フレキシブルプリント基板47の外側を覆っている。フレキシブルプリント基板47及び磁性シート48を絶縁樹脂膜49に一体化し、それをアルカリ二次電池10に巻いてもよい。フレキシブルプリント基板47の正極側端子471と負極側端子472は、アルカリ二次電池10の正極12と負極13にそれぞれ接続されている(図示せず)。
尚、磁性シート48は、本発明に必須の構成要素ではないが、アルカリ二次電池10の外周面11に発生する渦電流に起因した受電コイルL1〜L4の損失を低減することができる点で、設けるのが好ましい。
【0103】
このような構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、第1実施例と同様に、その向きや位置を気にすることなく、横に寝かせて転がした状態で、無造作に非接触充電器2の載置面部51に置くだけで、多数同時に非接触で充電することができる(図5)。つまり第1実施例と同様に、充電時の取り扱いが極めて簡単であり、よって非接触充電のメリットを最大限に生かした高い利便性を実現することができる。したがって第1実施例と同様に、より利便性の高い非接触充電対応型アルカリ二次電池1、非接触充電器2を実現することができる。さらに上記構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、極めて簡素な工程で非接触充電対応型アルカリ二次電池1を製造することが可能である。つまり本発明の第8実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1を極めて低コストで製造することができる点に特に技術的意義を有する。
【0104】
<第9実施例>
本発明の第9実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第1実施例と異なる。以下、第9実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図17を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0105】
図17は、第9実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第9実施例の受電回路21は、4つの受電コイルL1〜L4、4つの共振コンデンサC1〜C4を含み、受電コイルL1〜L4と共振コンデンサC1〜C4とが各々並列に接続されて4つの共振回路が構成されている。第9実施例の整流回路22は、受電回路21の4つの共振回路の各々に対応する4つの整流ダイオードD1〜D4を含む。受電回路21の4つの共振回路は、整流ダイオードD1〜D4及び電流制限抵抗R1を介してアルカリ二次電池10に並列に接続されている。
【0106】
より具体的には、受電コイルL1と共振コンデンサC1は、並列に接続されて共振回路を構成する。受電コイルL2と共振コンデンサC2は、並列に接続されて共振回路を構成する。受電コイルL3と共振コンデンサC3は、並列に接続されて共振回路を構成する。受電コイルL4と共振コンデンサC4は、並列に接続されて共振回路を構成する。
【0107】
共振コンデンサC1は、一端側が整流ダイオードD1のアノードに接続されており、他端側がアルカリ二次電池10の負極13に接続されている。共振コンデンサC2は、一端側が整流ダイオードD2のアノードに接続されており、他端側がアルカリ二次電池10の負極13に接続されている。共振コンデンサC3は、一端側が整流ダイオードD3のアノードに接続されており、他端側がアルカリ二次電池10の負極13に接続されている。共振コンデンサC4は、一端側が整流ダイオードD4のアノードに接続されており、他端側がアルカリ二次電池10の負極13に接続されている。整流ダイオードD1〜D4のカソードは、電流制限抵抗R1の一端側に接続されている。電流制限抵抗R1の他端側はアルカリ二次電池10の正極12に接続されている。
【0108】
このような構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、受電回路21の4つの共振回路のうち、受電電圧が最も高い共振回路からアルカリ二次電池10に充電されることになる。また4つの受電コイルL1〜L4は、外装体30の周方向に隣接して設けられているので、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外周面のどの部分が送電コイルL11に対向しても、4つの受電コイルL1〜L4のいずれかが送電コイルL11と対向することになる。したがって非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外周面のどの部分が送電コイルL11に対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0109】
また4つの独立した共振回路が並列に接続されて受電回路21が構成されていることによって、仮に受電コイルL1に断線等が生じても、他の受電コイルL2〜L4のいずれかで受電することができるので、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の耐久性を向上させることができる。
【0110】
<第10実施例>
本発明の第10実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第9実施例と異なる。以下、第10実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図18を参照しながら説明する。
尚、第9実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0111】
図18は、第10実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第10実施例の受電回路21は、受電コイルL1〜L4と共振コンデンサC1〜C4とが各々並列に接続されて4つの共振回路が構成されている点では第9実施例と同じ回路構成である。他方、第10実施例の受電回路21は、受電コイルL1、L3の巻き方向が正方向であるのに対し、受電コイルL2、L4の巻き方向が逆方向になっている点で、第9実施例と異なる。
【0112】
すなわち第10実施例の受電回路21は、巻き方向が正方向の受電コイルL1、L3で構成された共振回路と、巻き方向が逆方向の受電コイルL2、L4で構成された共振回路とを含んでいる。それによって非接触充電器2から送電される交流電力の正電圧の部分は、巻き方向が正方向の受電コイルL1、L3で構成された共振回路で受電することができ、負電圧の部分は、巻き方向が逆方向の受電コイルL2、L4で構成された共振回路で受電することができる。つまり第10実施例は、全波整流回路を設けることなく、非接触充電器2から送電される交流電力の負電圧の部分も無駄に捨てることなく受電することができるので、電力伝送効率をさらに向上させることができる。
【0113】
<第11実施例>
本発明の第11実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第9実施例と異なる。以下、第11実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図17を参照しながら説明する。
尚、第9実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0114】
第11実施例の受電回路21は、受電コイルL1〜L4と共振コンデンサC1〜C4とが各々並列に接続されて4つの共振回路が構成されている点では第9実施例と同じ回路構成である。他方、第11実施例の受電回路21は、その4つの共振回路の各共振周波数が異なっている点で第9実施例と異なる。
【0115】
より具体的には、受電コイルL1と共振コンデンサC1とで構成される共振回路の共振周波数f1は、受電コイルL1に隣接する受電コイルL2と共振コンデンサC2とで構成される共振回路の共振周波数f2、受電コイルL1に隣接する受電コイルL4と共振コンデンサC4とで構成される共振回路の共振周波数f4とは異なる共振周波数に設定されている。同様に、受電コイルL3と共振コンデンサC3とで構成される共振回路の共振周波数f3は、受電コイルL3に隣接する受電コイルL2と共振コンデンサC2とで構成される共振回路の共振周波数f2、受電コイルL3に隣接する受電コイルL4と共振コンデンサC4とで構成される共振回路の共振周波数f4とは異なる共振周波数に設定されている。
【0116】
共振周波数f1と共振周波数f3は、同じ共振周波数としてもよいし、異なる共振周波数としてもよい。同様に、共振周波数f2と共振周波数f4は、同じ共振周波数としてもよいし、異なる共振周波数としてもよい。
【0117】
このような構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、受電回路21における共振周波数の範囲をf1〜f4の範囲で拡大することができるので、非接触充電器2の送電回路61と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を低減することができる。それによって共振周波数が異なる様々な非接触充電器2に柔軟に対応できる非接触充電対応型アルカリ二次電池1を実現することができる。さらに受電回路21又は送電回路61を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0118】
<第12実施例>
本発明の第12実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第9実施例と異なる。以下、第12実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図19を参照しながら説明する。
尚、第9実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0119】
図19は、第12実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第12実施例の受電回路21は、受電コイルL1〜L4と共振コンデンサC1〜C4とが各々並列に接続されて4つの共振回路が構成されている点では第9実施例と同じ回路構成である。他方、第12実施例の受電回路21は、以下の点で第9実施例と異なる。
【0120】
4つの共振回路のうち、整流回路22(整流ダイオードD1)に接続されているのは、受電コイルL4と共振コンデンサC4とで構成された第1共振回路214だけである。他方、受電コイルL1と共振コンデンサC1、受電コイルL2と共振コンデンサC2、受電コイルL3と共振コンデンサC3とで構成された第2共振回路211〜213は、共振回路間の磁気結合により他の共振回路を介して整流回路22に接続される。
【0121】
より具体的には、共振コンデンサC1〜C3は整流ダイオードD1に接続されていない。他方、共振コンデンサC4は、一端側が整流ダイオードD1のアノードに接続されており、他端側がアルカリ二次電池10の負極13に接続されている。整流ダイオードD1のカソードは、電流制限抵抗R1の一端側に接続されている。電流制限抵抗R1の他端側はアルカリ二次電池10の正極12に接続されている。
【0122】
このような構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、複数の独立した共振回路がそれぞれ磁気結合された状態で受電回路21が構成されているので、例えば第2共振回路212の受電電圧が最も高い場合、その受電電力は、共振回路間の磁気結合によって、他の第2共振回路211、213へ伝達され、さらに第1共振回路214へ伝達され、そして整流回路22を通じてアルカリ二次電池10に充電されることになる。また4つの受電コイルL1〜L4は、外装体30の周方向に隣接して設けられているので、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外周面のどの部分が送電コイルL11に対向しても、4つの受電コイルL1〜L4のいずれかが送電コイルL11と対向することになる。したがって非接触充電対応型アルカリ二次電池1の外周面のどの部分が送電コイルL11に対向するかにかかわらず、常に一定以上の電力伝送効率で非接触充電を行うことが可能になる。
【0123】
さらに上記構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、整流回路22に接続された第1共振回路214と、共振回路間の磁気結合により他の共振回路を介して整流回路22に接続される第2共振回路211〜213とを含んで受電回路21が構成されていることによって、例えば受電コイルL1に断線等が生じても、他の受電コイルL2〜L4のいずれかで受電することができるので、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の耐久性を向上させることができる。また上記構成の非接触充電対応型アルカリ二次電池1は、整流回路22の部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
【0124】
また第12実施例の受電回路21において、第2共振回路211〜213の共振周波数f1〜f3は、第1共振回路214に対し、第1共振回路214の共振周波数f4の半値幅の範囲内で異なるのが好ましい。それによって非接触充電器2の送電回路61と共振周波数が相違することに起因した電力伝送効率の低下を最大値の半分以下に抑制しつつ、受電回路21における共振周波数の範囲を拡大することができる。それによって、一定以上の電力伝送効率を確保しつつ、共振周波数が異なる様々な非接触充電器2に柔軟に対応できる非接触充電対応型アルカリ二次電池1を実現することができる。さらに受電回路21又は送電回路61を構成する回路素子の温度特性や経年劣化による共振周波数の変動にも柔軟に対応することができる。
【0125】
<第13実施例>
本発明の第13実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第1実施例と異なる。以下、第13実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図20を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0126】
図20は、第13実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第13実施例の電流制限回路23は、「定電流回路」としての定電流ダイオードCRD1で構成されている点で、第1実施例と異なる。より具体的には定電流ダイオードCRD1は、アノードが整流ダイオードD1のカソードに接続され、カソードがアルカリ二次電池10の正極12に接続されている。このように電流制限回路23を定電流ダイオードCRD1で構成することによって、アルカリ二次電池10に対して過電流で充電が行われる虞をさらに低減することができる。
【0127】
<第14実施例>
本発明の第14実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第1実施例と異なる。以下、第14実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図21を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0128】
図21は、第14実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第14実施例の電流制限回路23は、トランジスタTR1、ツェナーダイオードZD1、抵抗R2、R3で構成される定電流回路である点で、第1実施例と異なる。
【0129】
トランジスタTR1は、PNP型バイポーラトランジスタである。ツェナーダイオードZD1のカソードは抵抗R3の一端側に接続され、その接続点が整流ダイオードD1のカソードに接続されている。抵抗R3の他端側は、トランジスタTR1のエミッタに接続されている。ツェナーダイオードZD1のアノードはトランジスタTR1のベースに接続され、その接続点が抵抗R2の一端側に接続されている。抵抗R2の他端側は、アルカリ二次電池10の負極13に接続されている。トランジスタTR1のコレクタは、アルカリ二次電池10の正極12に接続されている。
【0130】
このような構成の公知の定電流回路は、トランジスタTR1のベース電圧がツェナーダイオードZD1によって一定に維持される。したがってトランジスタTR1のコレクタ電流、すなわちアルカリ二次電池10の充電電流は、整流回路22の出力電圧が変動しても一定の電流以下に維持される。それによってアルカリ二次電池10に対して過電流で充電が行われる虞をさらに低減することができる。
【0131】
<第15実施例>
本発明の第15実施例は、非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成が第1実施例と異なる。以下、第15実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路構成について、図22を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0132】
図22は、第15実施例の非接触充電対応型アルカリ二次電池1の回路図である。
第15実施例の電流制限回路23は、電界効果トランジスタFET1、抵抗R4で構成される定電流回路である点で、第1実施例と異なる。
【0133】
電界効果トランジスタFET1は、Nチャネル接合型電界効果トランジスタである。電界効果トランジスタFET1は、整流ダイオードD1のカソードがドレインに接続され、抵抗R4の一端側がソースに接続され、抵抗R4の他端側がゲートに接続されている。電界効果トランジスタFET1のゲートと抵抗R4の他端側との接続点は、アルカリ二次電池10の正極12に接続されている。
【0134】
このような構成の公知の定電流回路は、電界効果トランジスタFET1のゲートとソースが抵抗R4を介して接続されている。したがって電界効果トランジスタFET1のドレイン電流、すなわちアルカリ二次電池10の充電電流は、電界効果トランジスタの定電流特性によって一定の電流以下に維持される。それによってアルカリ二次電池10に対して過電流で充電が行われる虞をさらに低減することができる。
【0135】
<第16実施例>
本発明の第16実施例は、非接触充電器2の構成が第1実施例と異なる。以下、本発明の第16実施例の非接触充電器2について、図23を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0136】
図23は、第16実施例の非接触充電器2の正面視の断面図である。
第16実施例の非接触充電器2は、第1実施例において、送電回路61から放射される電磁波を外部へ漏洩しないように遮蔽する遮蔽構造をさらに備える。より具体的には第16実施例の非接触充電器2は、符号Aで示した方向へ開閉可能に支持され、閉じた状態で載置面部51を覆う遮蔽カバー53を備える。遮蔽カバー53は、電磁波シールド材等で形成された箱形状の部材であり、軸部531で充電器本体50に軸支されている。
【0137】
開閉器SWは、遮蔽カバー53を閉じた状態で、その遮蔽カバー53と係合する位置に設けられている。つまり第16実施例の非接触充電器2は、遮蔽カバー53を閉じた状態においてのみ、AC−DCコンバータ62からインバータ63へ電力が供給される状態となる。
【0138】
このような構成の非接触充電器2は、遮蔽カバー53を閉じた状態で、送電回路61から放射される電磁波が外部へ漏洩しない状態となる。そして上記構成の非接触充電器2は、遮蔽カバー53を閉じた状態においてのみ、送電回路61から電磁波が放射され、それ以外の状態では送電回路61から電磁波が放射されない。それによって非接触充電器2から外部へ電磁波が漏洩することを確実に防止することができるので、非接触充電器2から電磁波が漏洩して周囲の電子機器や人体に影響を及ぼすことを未然に防止することができる。
【0139】
<第17実施例>
本発明の第17実施例は、非接触充電器2の構成が第1実施例と異なる。以下、本発明の第17実施例の非接触充電器2について、図24を参照しながら説明する。
尚、第1実施例と共通する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0140】
図24は、第17実施例の非接触充電器2の正面視の断面図である。
第17実施例の非接触充電器2は、第1実施例の非接触充電器2に対し、送電回路61から放射される電磁波を外部へ漏洩しないように遮蔽する遮蔽構造をさらに備える。より具体的には第17実施例の非接触充電器2は、第1実施例の非接触充電器2に対し、送電コイルL11の上面側の空間を覆う遮蔽部材54と、遮蔽部材54と送電コイルL11との間の空間に収容可能なトレイ55とを含む。遮蔽部材54は、電磁波シールド材等で形成され、前面及び底面が開口した箱形状の部材である。トレイ55は、上面が開口した箱形状の部材であり、内底面部551は、少なくとも送電回路61の共振周波数の電磁波が透過する材料で形成されており、前面部552は電磁波シールド材等で形成されている。トレイ55は、遮蔽部材54と送電コイルL11との間の空間に対し、遮蔽部材54の前面の開口部541を通じて符号Bで示した方向へ挿抜することができる。トレイ55の内底面部551は、遮蔽部材54と送電コイルL11との間の空間に収容された状態において、非接触充電対応型アルカリ二次電池1が載置される「載置面部」となる。
【0141】
開閉器SWは、遮蔽部材54の開口部541から所定位置までトレイ55を挿入して、遮蔽部材54と送電コイルL11との間の空間にトレイ55を収容した状態で、そのトレイ55の背面部553が当接する位置に設けられている。つまり第17実施例の非接触充電器2は、遮蔽部材54の開口部541から所定位置までトレイ55を挿入した状態においてのみ、AC−DCコンバータ62からインバータ63へ電力が供給される。
【0142】
このような構成の非接触充電器2は、遮蔽部材54の開口部541から所定位置までトレイ55を挿入した状態で、送電回路61から放射される電磁波が外部へ漏洩しない状態となる。そして上記構成の非接触充電器2は、遮蔽部材54の開口部541から所定位置までトレイ55を挿入した状態においてのみ、送電回路61から電磁波が放射され、それ以外の状態では送電回路61から電磁波が放射されない。それによって非接触充電器2から外部へ電磁波が漏洩することを確実に防止することができるので、非接触充電器2から電磁波が漏洩して周囲の電子機器や人体に影響を及ぼすことを未然に防止することができる。
【符号の説明】
【0143】
1 非接触充電対応型アルカリ二次電池
2 非接触充電器
10 アルカリ二次電池
20 回路基板
21 受電回路
22 整流回路
23 電流制限回路
30 外装体
50 充電器本体
51 載置面部
61 送電回路
62 AC−DCコンバータ
63 インバータ
64 制御装置
C1〜C4、C11 共振コンデンサ
L1〜L4 受電コイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池と、
受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、
前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、
前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、
前記二次電池が収容され、前記二次電池の正極が接続される正極端子、前記二次電池の負極が接続される負極端子を含む円柱形状の外装体と、を備え、
平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記受電コイルが前記外装体の内周面に沿って設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記二次電池と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記二次電池と前記受電コイルとの間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電コイルと前記外装体の内周面との間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項5】
二次電池と、
受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、
前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、
前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、
前記二次電池が収容され、前記二次電池の正極が接続される正極端子、前記二次電池の負極が接続される負極端子を含む円柱形状の外装体と、を備え、
平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記受電コイルが前記外装体の外周面に沿って設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項6】
請求項5に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記外装体の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記外装体の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電コイルの外側を覆う絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項9】
円柱形状の二次電池と、
前記二次電池の外周面を覆う絶縁体層と、
平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、
前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、
前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、を備え、
前記受電回路、前記整流回路及び前記電流制限回路が前記二次電池の外周面と前記絶縁体層との間に設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項10】
請求項9に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記二次電池の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記外装体の軸芯に対して重心が偏芯している、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記整流回路は半波整流回路である、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記電流制限回路は定電流回路を含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電回路は、共振のQ値が100以下である、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電回路は、前記受電コイルを複数備え、複数の前記受電コイルが前記外装体の周方向に隣接して設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項16】
請求項15に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電回路は、直列に接続された複数の前記受電コイルに前記共振コンデンサが並列に接続されている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項17】
請求項15に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電回路は、前記受電コイルと前記共振コンデンサとが並列に接続された共振回路を複数含み、前記整流回路は、複数の前記共振回路の各々に対応して複数設けられ、複数の前記整流回路の出力が並列に接続されている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項18】
請求項17に記載の非接触充電対応型二次電池において、複数の前記共振回路は、前記受電コイルの巻き方向が正方向の共振回路と、前記受電コイルの巻き方向が逆方向の共振回路とを含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の非接触充電対応型二次電池において、複数の前記共振回路は、前記受電コイルが隣接する前記共振回路に対して共振周波数が異なる、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項20】
請求項15に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電回路は、前記受電コイルと前記共振コンデンサとが並列に接続された共振回路を複数含み、複数の前記共振回路は、前記整流回路に接続された第1共振回路と、共振回路間の磁気結合により他の共振回路を介して前記整流回路に接続される第2共振回路とを含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項21】
請求項20に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記第2共振回路の共振周波数は、前記第1共振回路の共振周波数に対し、前記第1共振回路の共振周波数の半値幅の範囲内で異なる、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項22】
共振周波数の交流電力を出力する電源回路と、
送電コイル、前記送電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を送電する送電回路と、
非接触充電対応型二次電池が載置され、前記送電コイルから電磁波が放射される載置面部と、を備え、
平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記送電コイルが前記載置面部と平行に設けられている、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項23】
請求項22に記載の非接触充電器において、前記送電コイルと前記電源回路との間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項24】
請求項22又は23に記載の非接触充電器において、前記送電回路から間欠的に送電が行われるように前記電源回路を制御する制御装置をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項25】
請求項22〜24のいずれかに記載の非接触充電器において、前記送電回路から放射される電磁波を外部へ漏洩しないように遮蔽する遮蔽構造をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項26】
請求項25に記載の非接触充電器において、前記送電回路から放射される電磁波が前記遮蔽構造により遮蔽される状態で前記電源回路から前記送電回路へ交流電力が供給されるように、前記遮蔽構造と係合して前記電源回路から前記送電回路への交流電力の供給路を開閉する開閉器をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項27】
請求項26に記載の非接触充電器において、前記遮蔽構造は、開閉可能に支持され、閉じた状態で前記載置面部を覆う遮蔽カバーを含み、前記遮蔽カバーを閉じた状態で、前記載置面部の周囲が遮蔽される状態となって前記開閉器が開く、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項28】
請求項26に記載の非接触充電器において、前記遮蔽構造は、内側の底面が前記載置面部となる挿抜可能なトレイを含み、前記トレイを所定位置まで挿入した状態で前記トレイの内側の底面の周囲が遮蔽される状態となって前記開閉器が開く、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項1】
二次電池と、
受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、
前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、
前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、
前記二次電池が収容され、前記二次電池の正極が接続される正極端子、前記二次電池の負極が接続される負極端子を含む円柱形状の外装体と、を備え、
平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記受電コイルが前記外装体の内周面に沿って設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記二次電池と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記二次電池と前記受電コイルとの間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電コイルと前記外装体の内周面との間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項5】
二次電池と、
受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、
前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、
前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、
前記二次電池が収容され、前記二次電池の正極が接続される正極端子、前記二次電池の負極が接続される負極端子を含む円柱形状の外装体と、を備え、
平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記受電コイルが前記外装体の外周面に沿って設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項6】
請求項5に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記外装体の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記外装体の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電コイルの外側を覆う絶縁体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項9】
円柱形状の二次電池と、
前記二次電池の外周面を覆う絶縁体層と、
平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された受電コイル、前記受電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を受電する受電回路と、
前記受電回路で受電する交流電力を整流する整流回路と、
前記整流回路から前記二次電池への充電電流を制限する電流制限回路と、を備え、
前記受電回路、前記整流回路及び前記電流制限回路が前記二次電池の外周面と前記絶縁体層との間に設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項10】
請求項9に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記二次電池の外周面と前記受電コイルとの間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記外装体の軸芯に対して重心が偏芯している、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記整流回路は半波整流回路である、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記電流制限回路は定電流回路を含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電回路は、共振のQ値が100以下である、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電回路は、前記受電コイルを複数備え、複数の前記受電コイルが前記外装体の周方向に隣接して設けられている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項16】
請求項15に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電回路は、直列に接続された複数の前記受電コイルに前記共振コンデンサが並列に接続されている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項17】
請求項15に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電回路は、前記受電コイルと前記共振コンデンサとが並列に接続された共振回路を複数含み、前記整流回路は、複数の前記共振回路の各々に対応して複数設けられ、複数の前記整流回路の出力が並列に接続されている、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項18】
請求項17に記載の非接触充電対応型二次電池において、複数の前記共振回路は、前記受電コイルの巻き方向が正方向の共振回路と、前記受電コイルの巻き方向が逆方向の共振回路とを含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の非接触充電対応型二次電池において、複数の前記共振回路は、前記受電コイルが隣接する前記共振回路に対して共振周波数が異なる、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項20】
請求項15に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記受電回路は、前記受電コイルと前記共振コンデンサとが並列に接続された共振回路を複数含み、複数の前記共振回路は、前記整流回路に接続された第1共振回路と、共振回路間の磁気結合により他の共振回路を介して前記整流回路に接続される第2共振回路とを含む、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項21】
請求項20に記載の非接触充電対応型二次電池において、前記第2共振回路の共振周波数は、前記第1共振回路の共振周波数に対し、前記第1共振回路の共振周波数の半値幅の範囲内で異なる、ことを特徴とする非接触充電対応型二次電池。
【請求項22】
共振周波数の交流電力を出力する電源回路と、
送電コイル、前記送電コイルに並列に接続された共振コンデンサを含み、磁界共鳴により共振周波数の交流電力を送電する送電回路と、
非接触充電対応型二次電池が載置され、前記送電コイルから電磁波が放射される載置面部と、を備え、
平面に沿って電線が巻かれてシート状に形成された前記送電コイルが前記載置面部と平行に設けられている、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項23】
請求項22に記載の非接触充電器において、前記送電コイルと前記電源回路との間に設けられる磁性体層をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項24】
請求項22又は23に記載の非接触充電器において、前記送電回路から間欠的に送電が行われるように前記電源回路を制御する制御装置をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項25】
請求項22〜24のいずれかに記載の非接触充電器において、前記送電回路から放射される電磁波を外部へ漏洩しないように遮蔽する遮蔽構造をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項26】
請求項25に記載の非接触充電器において、前記送電回路から放射される電磁波が前記遮蔽構造により遮蔽される状態で前記電源回路から前記送電回路へ交流電力が供給されるように、前記遮蔽構造と係合して前記電源回路から前記送電回路への交流電力の供給路を開閉する開閉器をさらに備える、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項27】
請求項26に記載の非接触充電器において、前記遮蔽構造は、開閉可能に支持され、閉じた状態で前記載置面部を覆う遮蔽カバーを含み、前記遮蔽カバーを閉じた状態で、前記載置面部の周囲が遮蔽される状態となって前記開閉器が開く、ことを特徴とする非接触充電器。
【請求項28】
請求項26に記載の非接触充電器において、前記遮蔽構造は、内側の底面が前記載置面部となる挿抜可能なトレイを含み、前記トレイを所定位置まで挿入した状態で前記トレイの内側の底面の周囲が遮蔽される状態となって前記開閉器が開く、ことを特徴とする非接触充電器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−38967(P2013−38967A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174244(P2011−174244)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000237721)FDK株式会社 (449)
【出願人】(510206213)FDKトワイセル株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000237721)FDK株式会社 (449)
【出願人】(510206213)FDKトワイセル株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
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