説明

高周波スイッチモジュール

【課題】スイッチポート切替時間が短く、かつ低消費電力、低面積を同時に満たす高周波スイッチモジュールを提供する。
【解決手段】デコーダ3は、前記スイッチポートを切替える制御信号CNTに応答し、スイッチ7を制御するためのスイッチ制御信号SWCNTを生成して、スイッチ切替タイミング検出器は、スイッチ制御信号SWCNTに応答し、スイッチ切替え検出信号t_swを生成し、周波数制御信号生成器は、スイッチ切替え検出信号t_swに応答し、周波数制御信号ICONT、CCONTを生成し、負電圧発生回路は、周波数制御信号ICONT、CCONTに応答し、前記負電圧発生回路内で生成したクロック信号の周波数を2つ以上のそれぞれ異なる周波数に切替つつ、負電圧出力信号NVG_OUTを生成し、スイッチ7は、スイッチ制御信号SWCNTと前記負電圧出力信号NVG_OUTに応答し、複数の高周波信号ポート間の経路を切替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波スイッチモジュールに係り、特に、送受信アンテナと2つ以上の送受信回路との間の信号経路を切替える高周波スイッチモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話システムは、第3世代携帯電話での音声通信、TV電話、無線インターネットによる高機能通信が実現し、さらに高速かつ高い機能の実現に向けて発展を続けている。その多様なサービス実現のためにGSM(Global System for Mobile Communication)の通信速度を向上させたEDGE(Enhanced Data rate for GSM Evolution)や、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)や、LTE (Long Term Evolution)などの規格が考案されている。
【0003】
また使用周波数帯も加入者数の増加、通信方式の多様化に伴い増加し、欧州では900MHz帯のGSMと1.8GHz帯のDCS(Digital Cellular System)がある。一方、米国では1.9GHz帯のPCS(Personal Communication Service)と850MHzのGSMがある。加えて、1.5GHz、2GHz帯、2.5GHzを使用するW−CDMA、LTEも加わり、マルチバンド・マルチモード化が携帯端末の必須の条件となっている。
【0004】
高周波スイッチモジュールは、上記のようなマルチバンド・マルチモード化に対応するために、DP9T(Double Pole 9 throw)などの大規模な回路が必要となる。
【0005】
図30A、30Bは、スイッチモジュール内のSPDT (Single pole,double throw) として構成されたスイッチ回路を模式的に示した回路図である。GSMやLTEではTDD(Time Division Duplex)方式を用いているため、送信(TX)と受信(RX)を頻繁に切替える必要がある。例えば、送信時の場合(図30B)は、トランジスタM261とM264に正電圧を印加してトランジスタをオンさせ、一方トランジスタM262とM263には負電圧を印加させトランジスタをオフさせる。これにより、送信回路TX1からの高周波信号はオントランジスタM261を通してアンテナANTに伝達されANTから電波として空中に放射される。受信回路RX1はTX1からの高周波信号のリーク信号を遮断するために、M263をオフし、かつM264にてRX1をグランドGNDに接続している。一方、受信時の場合(図30A)は、トランジスタM262とM263に正電圧を印加してトランジスタをオンさせ、一方トランジスタM261とM264に負電圧を印加させトランジスタをオフさせる。これにより、アンテナANTから受信した高周波信号(瞬時電圧値は数μVpp〜数mVpp)は、オントランジスタM263を通じてRX1へ伝達され、スイッチモジュールの外のRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)へ接続される。ANTからの受信高周波信号がTX1へリークするのを防ぐため、M261をオフし、かつM262をGNDに接続している。
【0006】
上記のように、オフスイッチに負電圧を印加する理由は、TX1からスイッチに入力される高周波信号の電力は最大1W程度になるため、スイッチを構成するトランジスタのドレイン端子もしくはソース端子に印加される瞬時電圧値は数Vppに達する。このような数Vppに達する電圧が印加されてもトランジスタのオフ状態に保つために、オフトランジスタには例えば−2.5V程度の負電圧値を印加する必要がある。
【0007】
図31は、一般的な構成の高周波スイッチモジュールを表している。高周波スイッチモジュール(1)は、前記SPDTのようなスイッチ(7)本体、携帯端末のBBIC(Base−Band Integrated Circuit)からの制御データ信号SDATA、システムクロックSCLKを受けてスイッチモジュールの起動、スイッチポートの切替、スタンバイ等の制御を行うI/Oインターフェース(2)、前記I/Oインターフェースからの制御信号CNTを受けて実際のスイッチ切替に適したスイッチ制御信号SWCNTを生成するデコーダ(3)、及び、スイッチ(7)に負電圧出力信号NVG_OUTを供給する負電圧発生回路(6)から構成される。
【0008】
負電圧発生回路(6)は、例えば非特許文献1に示されているように、クロック生成器とチャージポンプ回路と大面積の容量素子によって構成されており、クロック生成器で生成したクロックでチャージポンプを駆動し、チャージポンプから出力された負電荷を容量素子に充電することで負電圧を発生させる。
【0009】
特許文献1には、スイッチを構成するトランジスタのゲート端子とGND端子にFET(field effect transistor)とダイオードにより構成される電荷の放流路を別途用意して、スイッチを構成するトランジスタのゲート端子−ソース端子間の寄生容量Cgsに充電された正電荷が負電圧回路の充電容量に流入するのを防ぐことで、スイッチのポート切替時に発生する負電圧値の上昇を抑え、スイッチの切替時間を短縮することが開示されている。
【0010】
さらに、特許文献2の実施例9には、昇圧電圧値の変動をコンパレータによって検出し、ある一定値まで昇圧電圧値が変動すると、昇圧回路内のクロック生成器の周波数を上昇させ昇圧電圧値を迅速に元の値に戻す方向に操作し、昇圧電圧値がある一定値まで上昇したところでクロック周波数を元の周波数に戻すものが開示されている。この構成によれば、スイッチポートの切替タイミング時のみクロック周波数を上昇させることで、昇圧回路内の充電容量Ccの面積を増大させずに、かつ消費電力の増大を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−27487号公報
【特許文献2】特開2010−103971号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Jeongwon Cha et al, ”Analysis and Design Techniques of CMOS Charge−pump−Based Radio−Frequency Antenna−Switch Controllers”,IEEE TRANSACTIONS ON CIRCUITS AND SYSTEMS−I,VOL.56,NO.5,MAY 2009 PP.1053−1062
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
携帯端末内のICやスイッチは搭載したバッテリーから電力を供給されるため、携帯端末に組み込まれたBBIC、RFIC、PA(Power Amplifier)等は低消費電力が求められ、負電圧発生回路を含んだ高周波スイッチモジュールにも低消費電力化が要求されている。
【0014】
負電圧発生回路はクロックを停止すると、容量素子からの電荷リークによって徐々に電荷抜けが発生し負電圧値が上昇(0Vに近づいていく)するため常にクロック生成器を動作させておく必要がある。そのため高周波スイッチモジュールは、送受信アンテナと2つ以上の送受信回路との間の信号経路を切替えるスイッチ回路であるが、常に電流を消費することになる。
【0015】
さらに、高周波スイッチモジュールは、携帯電話を代表とする非常に量産性を重視する携帯端末等に搭載されるため、市場に安価に提供することが必須となっている。
【0016】
このために、高周波スイッチモジュールでは、従来基板の抵抗率が高く信号損失が少ないHEMT(High Electron Mobility Transistor)を使用したスイッチが用いられてきたが、近年では安価なシリコンを用いたSOI(Silicon ON Insulator)スイッチに置き換わりつつある。
【0017】
また、従来の高周波スイッチモジュールでは、スイッチ本体、デコーダ、負電圧発生回路を個別部品として作成し、モジュールパッケージ上で組立てられてきたが、組立てコスト低減のため、上記全ての回路ブロックを同一の半導体集積回路で1チップ化したモジュール化が求められている。さらに上記の半導体回路においても低コスト化のため小さいチップ面積での実現が要求されている。なおかつ携帯端末は搭載したバッテリーから電力を供給されるため、携帯端末に組み込まれたBBIC、RFIC、PA等は低消費電力が求められ、負電圧発生回路を含んだ高周波スイッチモジュールも低消費電力化が要求されている。つまり上記をまとめると、高周波スイッチモジュールでは、W−CDMA、LTE、GSMなどの規格に準拠するスイッチポート切替時間を満足しつつ、低消費電力化と低面積化が要求されている。
【0018】
図32及び図33は、負電圧発生回路NVG(6)で生成した負電圧出力信号NVG_OUTをスイッチ(7)に印加する手段と、その時に生じる課題について説明する図である。スイッチ(7)はスイッチ本体(スイッチコアと呼ぶ場合がある)であるSPST(Single pole, Single throw)(70)とレベルシフタ(71)から構成される。なお説明を簡単にする為に図32においてはスイッチコアはSPSTとするが、SPDTや他の構成となる場合もある。また複数のスイッチコアを有し、それぞれにアンテナANTが接続される場合もある。
【0019】
レベルシフタ(71)は前記デコーダ(3)からのスイッチ制御信号SWCNTの電圧レベルをVDD−GNDからVDD−NVG_OUTのゲート制御信号GCNT、NGCNTに変換する回路ブロックである。つまりスイッチ制御信号SWCNTのレベルは、HIGHレベル時が電源電圧VDD、LOWレベル時がGNDであるのに対し、ゲート制御信号GCNTおよびNGCNTのレベルは、HIGHレベル時がVDD、LOWレベル時がNVG_OUTとなる。レベルシフタ(71)は、ソース端子が接地されているトランジスタMN711とソース端子がVDDの電圧源に接続されているトランジスタMP713から構成されるインバータと、ソース端子が接地されているトランジスタMN712とソース端子がVDDの電圧源に接続されているトランジスタMP714から構成されるインバータと、ソース端子が負電圧発生回路NVG(6)に接続されているMN713とMN714と、ソース端子がVDDの電圧源に接続されているMP715とMP716から構成される差動入力クロスカップルラッチの3つの回路から構成されている。前記2つのインバータで信号レベルがVDD−GNDとなるスイッチ制御信号SWCNTの差動信号を生成し、上記差動信号を差動入力クロスカップルラッチに入力する。これにより、クロスカップルラッチの出力には信号レベルがVDD−NVG_OUTのGCNTとNGCNTが生成され、前記GCNTはSPST(70)のスルートランジスタMN701、前記NGCNTはシャントトランジスタMN700に接続される。このとき、MN700のゲート−ソース間容量Cgsに充電されていた電荷が、MN713を通じて負電圧発生回路NVG(6)の充電容量CcにIgateとして流れ込む。
【0020】
図33は、図32の各ノードにおける時間波形を模式的に示した図である。t<t1までの時間においてスイッチ制御信号SWCNTがLOWレベルにある時、差動入力クロスカップルラッチのMP715とMN714がオンしMP716とMN713がオフとなるため、ゲート制御信号GCNT、NGCNTはそれぞれLOW、HIGHとなる。このときSPST(70)のMN700はオンし、MN701はオフすることでSPST(70)のANTポートとRF1ポートは分離された状態となる。MN700のゲート端子にはVDDが印加されているためMN700のゲート−ソース間の寄生容量Cgsにはその容量値CgsnとVDDの積で表される電荷が充電された状態となる。SPST(70)を構成するMN700およびMN701はスイッチオン時のオン抵抗を低減させるため、MN713、MN714、MP715、MP716と比較して、非常に大きなゲート幅となっている。そのためMN700のゲート−ソース間の寄生容量Cgsには大きな電荷が充電されている。
【0021】
次に、t=t1においてスイッチ制御信号SWCNTがLOWからHIGHに切替った時、差動入力クロスカップルラッチのMP716、MN713がオンしMP715とMN714がオフとなるため、ゲート制御信号GCNT、NGCNTはそれぞれHIGH、LOWとなる。このときSPST70のMN700はオフ、MN701はオンすることでSPST70のANTポートとRF1ポートは接続された状態となる。この時、MN700がオンからオフになる瞬間、すなわちMN700のゲート端子に印加された電圧がVDDからNVG_OUTに切替える瞬間に、MN700のゲート−ソース間容量Cgsに充電されていた電荷が、MN713を通じて負電圧発生回路NVG(6)の充電容量CcにIgateとして流れ込む。充電容量Ccには負電荷が充電されているため、MN700のCgsの正電荷がIgateとして流れ込むことで、t<t1のときに負電圧発生回路(6)の出力であるNVG_OUTの負電圧値が上昇(0Vに近づく)する現象が発生する。この後、NVG_OUTの負電圧値は、負電圧発生回路(6)内の、クロック生成器とチャージポンプにより負電荷を充電容量Ccに再充電することで、スイッチ制御信号SWCNTの切替前の負電圧値に戻る。
【0022】
上記の、スイッチ制御信号SWCNTの切替時t1から、負電圧値が一端上昇して元の負電圧値までに戻るまでの時間t_Aを「スイッチ切替時間」と定義する。スイッチ切替時間t_Aは、W−CDMAやGSMなどの規格や携帯端末セットメーカの仕様に準拠する必要がある。
【0023】
スイッチの切替え時間を短縮するためには、(1)負電圧発生回路(6)内の充電容量Ccの容量値を大きくすること、(2)負電圧発生回路(6)内のクロック生成器のクロック周波数を上げることが挙げられる。
【0024】
上記(1)に関しては、SPST(70)のMN700のゲート−ソース間容量Cgsの正電荷が流れ込んできても、影響の無い程度まで充電容量Ccの大きさを上げることで、NVG_OUTの電圧上昇量を小さくし、負電圧値が元に戻るまでの時間を短縮する、即ちスイッチ切替え時間を短縮する。しかしながら、充電容量Ccの容量値を大きくすることはチップ面積の増大を意味するため、チップ単価が上昇するため好ましくない。上記(2)に関しては、クロック生成器のクロック周波数を上げることはチャージポンプによって充電容量Ccに負電荷を供給する頻度を向上させることにつながり、NVG_OUTの負電圧値が元に戻るまでの時間を短縮させることでスイッチ切替え時間を短縮する。しかしながら、クロック生成器のクロック周波数を上げることは消費電流を増大させることにつながり、携帯端末の使用時間を短縮させることにつながる為に好ましくない。
【0025】
特許文献1の構成では、ダイオードがオン状態を保てる0.6〜0.7V程度までは電荷を別放流路に逃がすことができるが、0.6V以下の電圧値になると上記放流路はオフしてしまい、それ以降は充電容量CcにトランジスタのCgsに充電された正電荷が流入してしまうために、スイッチの切替時間短縮効果は限定的となる。また、上記特開2009−27487号公報の別実施例では、上記ダイオードが0.6V以下の場合でも電荷でも別放流路に電荷を流すために上記ダイオードをGNDではなく、第2の負電圧発生回路の出力端子に接続する例が示されているが、負電圧発生回路を2つ用意することになるため面積が増大しチップ単価が上昇してしまう。
【0026】
また、特許文献2の実施例9の構成では、昇圧電圧値の変動を検出してからクロック生成器の周波数を上昇させるため、制御信号を受けてからクロック生成器のクロック周波数を上昇させるまでにある一定の遅延時間があり、スイッチ切替え時間の短縮効果は限定的となる。
【0027】
以上より、今まで提案されてきた技術ではスイッチ切替時間が短く、かつ消費電力、チップ面積が小さいという条件を同時に満足する高周波スイッチモジュールを実現することは困難という問題があった。
本発明の課題は、上記問題を解決し、スイッチ切替時間の短縮、低消費電力、低面積を同時に満たす高周波スイッチモジュール技術を提供することである。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本願において開示される発明のうちの代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明の代表的な高周波スイッチモジュールは、複数のスイッチポート間の経路を切替えるスイッチを具備する高周波スイッチモジュールであって、外部の装置から受信したシステムデータ信号とシステムクロックとに基づいて、前記スイッチモジュールの制御を行う複数種の制御信号を生成するI/Oインターフェースと、前記複数種の制御信号の中の前記スイッチポートを切替える目的の制御信号に応答して、前記スイッチを制御するためのスイッチ制御信号を生成するデコーダと、前記スイッチポートを切替える目的の制御信号の切替タイミングに応答して、スイッチ切替え検出信号を生成するスイッチ切替タイミング検出器と、前記スイッチ切替え検出信号に応答して、周波数を変更するための複数の周波数制御信号を生成する周波数制御信号生成器と、前記複数の周波数制御信号に応答して異なる周波数のクロック信号を生成すると共に、該クロック信号に基づき負電圧出力信号を生成する、負電圧発生回路とを備え、前記負電圧発生回路は、前記複数の周波数制御信号に応答して、前記スイッチ切替タイミングにおいて前記クロック信号の周波数を一時的に増大させ、前記スイッチは、前記スイッチ制御信号と前記負電圧出力信号とに応答して、前記複数のスイッチポート間の経路を切替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。すなわち、本発明によれば、スイッチのポート切替えタイミングを実際に切替えるタイミングに同期して、あるいはそれ以前に検出することができ、スイッチポートの切替時間の短縮化と、消費電力の低減、半導体チップ面積の低減効果を同時に満足する、高周波スイッチモジュールを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態1による高周波スイッチモジュールの構成を示すものである。
【図2】図1に示した高周波スイッチモジュールに含まれるスイッチ切替タイミング検出器の構成を示す図である。
【図3】図2に示したスイッチ切替タイミング検出器の内部動作を説明するための、タイミングチャートである。
【図4】図1に示した高周波スイッチモジュールに含まれる周波数制御信号生成器の構成を示す図である。
【図5】図4に示した周波数制御信号生成器の内部動作を説明するための、タイミングチャートである。
【図6】図1に示す高周波スイッチモジュールに含まれる負電圧発生回路の構成を示す図である。
【図7】図6に示した負電圧発生回路の生成する負電圧出力信号NVG_OUTの収束過程を示す図である。
【図8】図6に示す負電圧発生回路に含まれるクロック発生回路の構成を示す図である。
【図9】図6に示す負電圧発生回路に含まれるチャージポンプの構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1の高周波スイッチモジュールの内部動作を示す、タイミングチャートである。
【図11】図1に示す高周波スイッチモジュールに含まれるスイッチの構成を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2による高周波スイッチモジュールの構成を示すものである。
【図13】図12に示した高周波スイッチモジュールに含まれる周波数制御信号生成器の構成を示す図である。
【図14】図13に示した周波数制御信号生成器の内部動作を説明するための、タイミングチャートである。
【図15】本発明の実施の形態2の高周波スイッチモジュールの内部動作を示す、タイミングチャートである。
【図16】本発明の実施の形態3による高周波スイッチモジュールの構成を示すものである。
【図17】高周波スイッチモジュールのスイッチにおいてアンテナが2つ以上ある場合の詳細な回路構成を示す図である。
【図18】図17に示すスイッチ7のスイッチポート切替に伴う、負電圧出力信号NVG_OUTの上昇および再収束過程を示す図である。
【図19】図16に示した高周波スイッチモジュールに含まれる、スイッチ切替パターン検出器のフローチャートである。
【図20】図16に示した高周波スイッチモジュールに含まれる、周波数制御信号生成器の構成を示す図である。
【図21】図20に示した周波数制御信号生成器の内部動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図22】本発明の実施の形態3の高周波スイッチモジュールの内部動作を示すタイミングチャートである。
【図23】本発明の実施の形態4による高周波スイッチモジュールの構成を示すものである。
【図24】図23に示す高周波スイッチモジュールに含まれる周波数制御信号生成器の構成を示す図である。
【図25】図24に示した周波数制御信号生成器の内部動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図26】本発明の実施の形態5による高周波スイッチモジュールの構成を示すものである。
【図27】本発明の実施の形態5に高周波スイッチモジュールの内部動作を示すタイミングチャートである。
【図28】本発明の実施の形態5による高周波スイッチモジュールの構成を示すものである。
【図29】本発明の実施の形態5に高周波スイッチモジュールの内部動作を示すタイミングチャートである。
【図30A】一般的なSPDTスイッチの受信系の動作原理を説明するための図である。
【図30B】一般的なSPDTスイッチの送信系の動作原理を説明するための図である。
【図31】従来の高周波スイッチモジュールの構成例を示す図である。
【図32】図31に示すスイッチの詳細な回路構成を示す図である。
【図33】図32に示すスイッチのスイッチポート切替に伴う、負電圧出力信号NVG_OUTの上昇および再収束過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本願発明の代表的な実施の形態について、詳細に説明する。
[発明の実施形態の概要]
まず、代表的な実施の形態について説明する。この概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0032】
本発明の代表的な実施の形態による高周波スイッチモジュールは複数のスイッチポート間の経路を切替えるスイッチを具備する高周波スイッチモジュールであって、前記スイッチは、複数のスイッチポート間の経路を切替えるスイッチであり、
外部の装置から受信した制御データ信号SDATAとシステムクロックとに基づいて、前記高周波スイッチモジュールの制御を行う制御信号を生成するI/Oインターフェースと、
前記I/Oインターフェースからの前記制御信号に基づいて前記スイッチのスイッチポートを切替えるためのスイッチ制御信号を出力するデコーダと、
前記制御信号に基づいて、スイッチ切替タイミング検出信号を出力するスイッチ切替タイミング検出器と、
前記スイッチ切替タイミング検出器と接続された周波数制御信号生成器と、
前記周波数制御信号生成器と接続され、負電圧出力信号を出力生成する負電圧発生回路とを備え、
前記周波数制御信号生成器は、前記スイッチ切替タイミング検出信号に基づいて、前記負電圧発生回路内のクロック信号を2つ以上のクロック周波数に切替える複数の周波数制御信号を出力し、
前記負電圧発生回路は、前記スイッチ切替タイミング検出信号の前記周波数制御信号生成器への入力から所定の時間において、前記複数の周波数制御信号に基づいて前記クロック周波数を高め、
前記スイッチは、前記スイッチ制御信号と前記負電圧出力信号とに応答して、前記複数のスイッチポート間の経路を切替えることを特徴とする。
【0033】
前記I/Oインターフェースは、高周波スイッチモジュールの外部の装置の制御回路からの制御データ信号SDATA、システムクロックSCLK、インターフェース電源電圧VIOを受けて、スイッチを制御する制御信号CNTを生成する。デコーダは、前記I/Oインターフェースから生成される制御信号CNTを受けて、スイッチのスイッチポートを切替えるためのスイッチ制御信号SWCNTを生成する。前記スイッチ切替タイミング検出器は、前記I/Oインターフェースから生成される制御信号CNTから、スイッチのスイッチポートが切替るタイミングを検出して、スイッチ切替タイミング検出信号t_swを生成する。
【0034】
前記周波数制御信号生成器は、前記スイッチ切替タイミング検出器からのスイッチ切替タイミング検出信号t_swを受け、前記負電圧発生回路内のクロック信号を2つ以上の周波数に切替える複数の周波数制御信号ICONT、CCONTを生成する。前記周波数制御信号ICONT、CCONTは1ビット以上のデジタル値であり、前記スイッチ切替タイミング検出器からの前記スイッチ切替タイミング検出信号t_swに呼応してある一定時間内だけ前記負電圧発生回路内のクロック生成器が生成するクロック周波数が増加するようなデジタル値をとる。そして、前記スイッチ切替タイミング検出信号t_swに呼応した後、ある一定時間を過ぎた後においては、前記周波数制御信号ICONT、CCONTは、前記スイッチ切替タイミング検出信号t_swを検出する以前のデジタル値に戻る。すなわち、前記負電圧発生回路内のクロック生成器のクロック周波数は、負電圧出力信号NVG_OUTが前記スイッチ切替タイミング以前の元の値まで復帰した後に、前記スイッチ切替タイミング検出信号t_swを検出する以前の低い周波数に戻る。
【0035】
前記負電圧発生回路は、前記周波数制御信号生成器からの周波数制御信号ICONT、CCONTを受け、負電圧出力信号NVG_OUTを生成する。前記スイッチは、前記デコーダからのスイッチ制御信号制御信号SWCNTと、前記負電圧発生回路からの負電圧出力信号NVG_OUTとにより、スイッチのトランジスタのオンおよびオフの制御を行い、高周波スイッチモジュールへ接続される送信回路および受信回路からの2つ以上のRFポートへ入力あるいは出力される入力信号TX1〜TXN、出力信号RX1〜RXNのアンテナANTへ通ずる信号経路を切り替える。
【0036】
前記実施の形態によれば、スイッチのポート切替えタイミングを実際に切替える以前に検出することができ、前記検出タイミングに基づいて負電圧発生器内のクロック生成器の周波数をある一定時間のみ上げることができ、その結果消費電流の増加、チップ面積の増大を抑えつつ、スイッチのスイッチポートの切替えに伴う負電圧出力信号NVG_OUTの電圧値の上昇を、速やかに元の負電圧値まで回復することが可能となる。すなわち、スイッチポートの切替時間の短縮化と、消費電力の低減の両効果を、実質的に半導体チップ面積を増やさずに、満足する高周波スイッチモジュールを実現することができる。すなわち、前記実施の形態によれば、容量値を増やすことなく、デジタル回路のみ追加することで実現できるので、半導体チップ面積を殆ど増加させずに上記両効果を実現できる。
【0037】
好適な実施の形態によれば、前記周波数制御信号生成器は前記負電圧発生回路内のクロック生成器から生成されたクロック信号CLK_OUTを受け、前記クロック信号CLK_OUTのクロック数をN個カウントするカウンタを具備することで、前記スイッチ切替タイミング検出信号t_swに呼応して、前記クロック生成器のクロック周波数を上昇させておく時間タイミングを生成することができる。
【0038】
他の好適な実施の形態によれば、前記I/Oインターフェースは高周波スイッチモジュールの外部の装置の制御回路からの制御データ信号SDATA、システムクロックSCLK、インターフェース電源電圧VIOを受けてスイッチを制御する制御信号CNTと前記I/Oインターフェースがアクティブ状態であることを示すイネーブル信号IO_ENを生成する。
【0039】
前記周波数制御信号生成器は、前記I/Oインターフェースからのイネーブル信号IO_ENを受け、前記負電圧発生回路内のクロック生成器のクロック信号を2つ以上の周波数に切替える周波数制御信号ICONT、CCONTを生成する。また、前記スイッチ切替タイミング検出器から前記スイッチ切替タイミング検出信号t_swを受け、t_swがHighとなってから一定時間をカウントした後、前記周波数制御信号ICONT、CCONTは、前記イネーブル信号IO_ENを検出する以前のデジタル値に戻ることを特徴とする。すなわち上記の実施の形態では、クロック生成器のクロック周波数を上昇させるトリガ信号はイネーブル信号IO_ENとし、その後前記クロック生成器のクロック周波数を元の周波数に戻すトリガ信号はスイッチ切替タイミング検出信号t_swとしていることが特徴である。
【0040】
他の好適な実施の形態によれば、高周波スイッチモジュールは、I/Oインターフェース、デコーダ、スイッチ切替タイミング検出器、周波数制御信号生成器、負電圧発生回路、スイッチ、切替パターン検出器を具備する。
【0041】
前記切替パターン検出器は、前記I/Oインターフェースからの制御信号CNTの切替りパターンを検出し、切替パターン検出信号PTTを生成する。
【0042】
前記周波数制御信号生成器は、前記スイッチ切替タイミング検出器からのスイッチ切替タイミング検出信号t_swと、前記切替パターン検出器からの前記切替パターン検出信号PTTを受け、前記負電圧発生回路内のクロック信号を3つ以上の周波数に切替える周波数制御信号ICONT、CCONTを生成する。前記周波数制御信号ICONT、CCONTは1ビット以上のデジタル値であり、前記スイッチ切替タイミング検出器からのスイッチ切替タイミング検出信号t_swに呼応してある一定時間内だけ前記負電圧発生回路内のクロック生成器が生成するクロック周波数を前記切替パターン検出信号PTTに基づく分だけ増加するようなデジタル値をとる。前記スイッチ切替タイミング検出信号t_swに呼応した後、ある一定時間を過ぎた後においては、前記周波数制御信号ICONT、CCONTは、前記スイッチ切替タイミング検出信号t_swを検出する以前のデジタル値に戻る。すなわち、前記負電圧発生回路内のクロック生成器のクロック周波数は、前記負電圧出力信号が前記スイッチ切替タイミング以前の元の負電圧出力信号NVG_OUTまで復帰した後に、前記スイッチ切替タイミング検出信号t_swを検出する以前の低い周波数に戻る。
【0043】
前記実施の形態によれば、スイッチのポート切替えタイミングを実際に切替えるタイミングに同期して、あるいはそれ以前に検出することができ、スイッチポートの切替時間の短縮化と、消費電力の低減、半導体チップ面積の低減効果を同時に満足する高周波スイッチモジュールを実現することができる。
[発明の実施形態の詳細]
次に、実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0044】
本発明の実施の形態1による高周波スイッチモジュールについて、図1〜図11を参照しながら説明する。なお従来技術と同様な構成部分の説明は図32も合わせて参照する。
《高周波スイッチモジュールの構成》
図1は、本発明の実施の形態1による高周波スイッチモジュール(1)の構成を示す図である。
【0045】
図1に示す高周波スイッチモジュール(1)は、I/Oインターフェース(2)、デコーダ(3)、スイッチ切替タイミング検出器(4)、周波数制御信号生成器(5)、負電圧発生回路(6)、及び、スイッチ(7)から構成される。
【0046】
I/Oインターフェース(2)は、高周波スイッチモジュール(1)の外部に配置された制御回路からの制御データ信号SDATA、システムクロックSCLK、インターフェース電源電圧VIOを受けて、スイッチ(7)を制御する制御信号CNTを生成する。
【0047】
デコーダ(3)は、I/Oインターフェース(2)から生成される制御信号CNTを受けて、スイッチ(7)のスイッチポートを切替えるためのスイッチ制御信号SWCNTを生成する。
【0048】
スイッチ切替タイミング検出器(4)は、I/Oインターフェース(2)から生成される制御信号CNTから、スイッチ(7)のスイッチポートが切替るタイミングを検出して、スイッチ切替タイミング検出信号t_swを生成する。
【0049】
周波数制御信号生成器(5)は、スイッチ切替タイミング検出器(4)からのスイッチ切替タイミング検出信号t_swを受け、負電圧発生回路(6)内のクロック信号を2つ以上のクロック周波数に切替える周波数制御信号ICONT、CCONTを生成する。周波数制御信号ICONT、CCONTは1ビット以上のデジタル値であり、スイッチ切替タイミング検出器(4)からのスイッチ切替タイミング検出信号t_swに呼応してある一定時間内だけ負電圧発生回路(6)内のクロック生成器(61)が生成するクロック周波数が増加するようなデジタル値をとる。スイッチ切替タイミング検出信号t_swに呼応した後、ある一定時間を過ぎた後については、周波数制御信号ICONT、CCONTは、スイッチ切替タイミング検出信号t_swを検出する以前のデジタル値に戻る。すなわち、負電圧発生回路(6)内のクロック生成器(61)のクロック周波数はスイッチ切替タイミング検出信号t_swを検出する以前の低い周波数に戻る。
【0050】
負電圧発生回路(6)は、周波数制御信号生成器(5)からの周波数制御信号ICONT、CCONTを受けて、負電圧発生回路(6)内のクロック生成器(61)のクロック周波数を制御し、負電圧出力信号NVG_OUTを生成する。
【0051】
スイッチ(7)は、デコーダからのスイッチ制御信号SWCNTと、負電圧発生回路(6)からの負電圧出力信号NVG_OUTを受け、スイッチ(7)のトランジスタのオンおよびオフの制御を行い、RFポートとアンテナANTのスイッチポート間の通信経路の切替えを行う。すなわち、スイッチ(7)は、外部の装置と接続するRF信号の少なくとも1つのTXポート(TX1〜TXN)、少なくとも1つのRXポート(RX1〜RXN)、及びアンテナANT間の、入出力信号の通信経路を切り替える。
【0052】
次に、高周波スイッチモジュール(1)の詳細な動作原理を、各部ブロックの詳細説明とともにタイムチャートを用いて説明する。
《スイッチ切替タイミング検出器》
図2は、図1に示した本発明の実施の形態1による高周波スイッチモジュール(1)で、I/Oインターフェース回路(2)からの制御信号CNT<3:0>からスイッチ切替りタイミングを検出するためのスイッチ切替タイミング検出回路(4)の構成を示す図である。なお、制御信号CNT<3:0>とは、制御信号<0>〜制御信号<3>の4ビットのデジタル信号を表す。たとえば、”0110”と表記される場合は、CNT<0>=0,CNT<1>=1,CNT<2>=1,CNT<3>=0の状態を示す。
【0053】
図2の実施の形態1における制御信号CNT<3:0>は4ビットのデジタル信号となっているが、このビット数はスイッチのポート数や制御論理により変化し、特に4ビットに限定するものではない。
【0054】
図2に示すスイッチ切替タイミング検出器(4)は、制御信号CNTのビット数と同一の数である4つのフォールエッジDFF(DFF:Delay Flip Flop)(41)〜(43)と、同じく同一の数である4つの2入力排他的論理和回路EXOR(44)〜(46)と、1つの4入力論理和回路OR(47)から構成されている。なお図中、省略された制御信号に応じたフォールエッジDFF、2入力排他的論理和回路EXORは省略されている。4つのフォールエッジDFF(41)〜(43)の入力端子には、それぞれDFF(41)には制御信号CNT<0>、DFF(42)には制御信号CNT<1>、DFF(43)には制御信号CNT<3>が入力され、またDFF(41)〜(43)のクロック入力端子には、高周波スイッチモジュール(1)の外部に配置された制御回路からのシステムクロックSCLKが入力される。4つの2入力排他的論理和回路EXOR(44)〜(46)には、それぞれEXOR(44)にはCNT<0>とDFF(41)の出力信号、EXOR(45)にはCNT<1>とDFF(42)の出力信号、EXOR(46)にはCNT<3>とDFF(43)の出力信号が入力される。1つの4入力論理和回路OR(47)には、EXOR(44)〜(46)の出力信号が入力される。
【0055】
図3は、図2に示すスイッチ切替タイミング検出器(4)内部のタイミングチャートを示している。まず高周波スイッチモジュール(1)の制御信号CNT<3:0>の値がt=t1_1のタイミングでシステムクロックSCLKの立上りエッジに同期して、”0110”から”0010”に切替った場合、スイッチ切替タイミング検出器(4)内のEXOR(45)にはCNT<1>のHigh信号と、DFF(42)に格納されていたSCLKの1クロック前の値であるLow信号が入力されるため、EXOR(45)の出力値はLowから次のSCLKの立下りまでの間だけHighになる。それに伴い4入力論理和OR(47)の出力値もLowから次のSCLKの立下りまでの間だけHighになる。つまり、上記からスイッチ切替タイミング検出器(4)は、制御信号CNTのデジタル値が切替ってからSCLKの半周期の間だけLowからHighになるスイッチ切替タイミング検出信号t_swを出力することが可能となることが分かる。
【0056】
なおDFF(41)〜(43)をフォール(立ち下り)エッジトリガ型にしているのは、I/Oインターフェース(2)はスイッチの制御信号CNTを切替えた後に、消費電力を抑えるためにSCLKおよびSDATAを遮断する(Lowのままになる)ことがあるためである。上記の場合にライズ(立ち上がり)エッジトリガ型のDFFを用いた場合、SCLKが到来しないため更新後のCNT<1>の値をDFF(42)に格納できず、スイッチ切替タイミング検出信号t_swがHighのままとなる可能性があるためである。
《周波数制御信号生成器》
図4は、図1に示した本発明の実施の形態1による高周波スイッチモジュール(1)で、スイッチ切替タイミング検出信号t_swを受け、負電圧発生回路(6)内のクロック信号を2つ以上のクロック周波数に切替える周波数制御信号ICONT、CCONTを生成するための周波数制御信号生成回路(5)の構成を示す図である。
【0057】
図4に示す周波数制御信号生成器(5)は、DFF(51)と2つの2入力セレクタ(53)、(54)とNカウンタ(52)から構成される。DFF(51)の入力端子Dには電源電圧VDD、CLK入力端子にはスイッチ切替タイミング検出信号t_sw、リセット端子RにはNカウンタの出力信号rstがそれぞれ入力され、2入力セレクタ(53)の入力端子には、それぞれ任意のビット数のデジタル値となるバイアス電流調整値ICONT0、ICONT1が入力され、もうひとつの2入力セレクタ(54)の入力端子には、それぞれ任意のビット数のデジタル値となる負荷容量調整値CCONT0、CCONT1が入力され、また前記2つの2入力セレクタには、前記2つの入力端子に接続されたデジタル値のどちらかを出力するかを選択するためのセレクタ端子があり、DFF(51)の出力端子Qからの出力であるsel_cntが入力される。Nカウンタ(52)の入力端子には負電圧発生回路(6)内の(図6に示した)クロック生成器(61)から生成されたクロック信号CLK_OUT、とリセット端子RにはDFF(51)の反転出力端子Qから出力されたsel_cntの反転信号が入力されている。
【0058】
図5は、図4に示す周波数制御信号生成器(5)内部のタイミングチャートを示している。t=t1_1において前述のスイッチ切替タイミング検出器(4)からのスイッチ切替タイミング検出信号t_swをトリガとして、DFF(51)の出力sel_cntは、LowからHighとなる。sel_cntがLowからHighへの切替りを受けて2入力セレクタ(53)、(54)の出力であるICONT、CCONTはそれぞれ、ICONT0からICONT1、CCONT0からCCONT1へと切替る。一方sel_cntのLowからHighに伴い、Nカウンタ(52)のリセットが解除され(図6に示した)クロック生成器(61)からのクロック信号CLK_OUTの立ち上がりエッジのカウントを開始する。ここでNカウンタのカウント値Nを例えば64とすると、前記Nカウンタが64個の信号がほぼ垂直に立ち上がるクロックエッジをカウントしたところ、つまりt=t1_2のタイミングでNカウンタの出力信号rstがLowからHighとなる。この出力信号rstのLowからHighに伴いDFF(51)の出力信号であるsel_cntは再びHighからLowになり、セレクタ(53)、(54)の出力ICONT、CCONTもそれぞれICONT0、CCONT0となり、またNカウンタのリセット端子Rにはsel_cntの反転信号つまりHighが入力されるためNカウンタの内部カウント値は初期化されスタンバイ状態となる。ここでICONT1とCCONT1がクロック生成器(61)に入力された場合のクロック周波数を5MHzとしたときはNカウンタが64個のクロックエッジを数えるまでの時間は12usとなる。つまり周波数制御信号生成器(5)は12usの間だけ、クロック生成器(61)の周波数を高める制御信号ICONT、CCONTを出力することが可能であることが分かる。カウント値Nは64に限定される訳では無く、本発明の技術思想に基づいて適宜設定され得る。
《負電圧発生回路》
図6は、図1に示した本発明の実施の形態1による高周波スイッチモジュール1で、負電圧出力信号NVG_OUTを生成する負電圧発生回路(6)の構成を示す図である。
【0059】
図6に示す負電圧発生回路(6)は、クロック生成器(61)とチャージポンプ回路(62)から構成される。クロック生成器(61)の入力には、周波数制御信号生成回路(5)からの周波数制御信号ICONT、CCONTが入力し、前記ICONT、CCONTのデジタル値に基づいた周波数のクロック信号CLK_OUTを生成し、チャージポンプ回路(62)の入力には、クロック生成器(61)のクロック信号CLK_OUTが入力される。また、クロック生成器(61)のクロック信号CLK_OUTは周波数制御信号生成回路(5)にも入力される。
【0060】
図7は、クロック生成器(61)の出力のクロック信号CLK_OUTとチャージポンプ(62)の出力である負電圧出力信号NVG_OUTの収束過程を模式的に示した図である。t=t0において、電源投入時など負電圧生成回路(6)が動作を開始した場合など、後述する差動クロック信号CLK_OP、CLK_OMが入力されてから間も無い場合には、図9に示した充電容量Cc6207に十分な電荷が充電されていないため、すぐにNVG_OUTは−VDDの負電圧値は発生しないが、CLK_OPとCLK_OMのHighとLowのサイクルを繰り返す度に充電容量Ccには負電荷がチャージされ、最終的には充電容量Ccに十分は負電荷が蓄えられ−VDDの値、例えば−2.5V、に落ち着く。
【0061】
負電圧出力信号NVG_OUTの収束時間を短縮するために、本発明では、高周波スイッチモジュールのスイッチポートを切替るタイミングで周波数を高める。すなわち、図7のt=t1_1のタイミングでスイッチポートを切替える制御信号CNTに基づくスイッチ切替タイミング検出信号t_swが検出されたタイミングからある一定時間(=t1_B)のみ、クロック信号CLK_OUTのクロック周波数を高めて、t1_1からt1_B経過後のt=t1_2のタイミングで、CLK_OUTを再び元のクロック周波数に戻す。当然に、一定時間t1_Bは負電圧出力信号NVG_OUTの収束時間t1_Aよりも長く設定される。
【0062】
図8は、負電圧発生回路(6)内のクロック生成器(61)の構成を示した図である。クロック生成器(61)は、それぞれ3つのインバータ6121〜6123、3つの可変バイアス電流源6111〜6113、可変容量6131〜6133で構成される。3つの可変バイアス電流源6111〜6113の制御端子は、周波数制御信号ICONT<3:0>が接続され、3つの可変容量6131〜6133は周波数制御信号CCONT<3:0>が接続され、インバータ6121の入力端子にはインバータ6123の出力端子、電源端子には可変バイアス電流源6111、出力端子には可変容量6131が接続され、インバータ6122の入力端子にはインバータ6121の出力端子、電源端子には可変バイアス電流源6112、出力端子には可変容量6132が接続され、インバータ6123の入力端子にはインバータ6122の出力端子、電源端子には可変バイアス電流源6113、出力端子には可変容量6133が接続されることで、クロック周波数を可変電流源6111〜6113、可変容量6131から6133で制御可能な発振器を実現することができる。ここで実施の形態1でのクロック生成器(61)は、ICONTがICONT1>ICONT0、またCCONTがCCONT1>CCONT0の時にクロック周波数が増加する構成となっていることとする。
【0063】
図9は、負電圧発生回路(6)内のチャージポンプ回路(62)の構成を示した図である。チャージポンプ回路(62)は、クロックバッファ621とチャージポンプコア620から構成される。クロックバッファ(621)は、クロック生成器(61)からのクロック信号CLK_OUTを受け、チャージポンプコア(620)を駆動するための差動クロック信号CLK_OPとCLK_OMを生成する。チャージポンプコア(620)は、2つの伝達容量Ct6201、Ct6202、それぞれ2つのNMOS(N型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタnegative channel Metal Oxide Semiconductor)であるMN6205、MN6206と、2つのPMOS(P型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、positive channel Metal Oxide Semiconductor)であるMP6203とMP6204からなるクロスカップル回路と充電容量Cc6207から構成される。チャージポンプコア(620)内の2つの伝達容量Ct6201、Ct6202の入力端子は、クロックバッファ(621)と接続し、それぞれ差動クロック信号CLK_OP、CLK_OMが入力される。クロスカップル回路の入力端子には伝達容量Ct6201,Ct6202が接続される。充電容量Cc6207にはクロスカップル回路のMN6206およびMN6205が接続される。チャージポンプコア(620)は、差動クロック信号CLK_OPがHigh、CLK_OMがLowの時、クロスカップル回路のMP6203とMN6205がオフ、MP6204とMN6206がオンとなる。このとき伝達容量Ct6201の出力端子はグランドGND側に接続されることで伝達容量Ct6201の容量にはCLK_OPのHighレベルであるVDDが印加され、伝達容量Ct6201にはその容量値Ctnと電圧値VDDとの積で表されるCtn・VDDの電荷が充電される。次に差動クロック信号CLK_OPがLow、CLK_OMがHighの時、クロスカップル回路のMP6204とMN6206がオフ、MP6203とMN6205がオンとなる。このとき伝達容量Ct6201の出力端子は充電容量Cc側に接続されることで伝達容量Ct6201の容量の入力端子の電圧はCLK_OPの電位であるGNDとなるが、先程のCLK_OPがHighのときにCtn・VDDの電荷が充電されているため、充電容量Cc6207の入力端子の電圧には−VDDという負電圧が発生する。
【0064】
図7に示したように、t=t0において、負電圧生成回路(6)が動作を開始したとき、差動クロックCLK_OP、CLK_OMが入力されてから間も無い場合には、充電容量Cc6207に十分な電荷が充電されていないため、すぐにNVG_OUTは−VDDの負電圧値は発生しない。しかしながら、上記のようにCLK_OPとCLK_OMのHighとLowのサイクルを繰り返す度に充電容量Cc6207には負電荷がチャージされ、最終的には充電容量Cc6207に十分は負電荷が蓄えられ−VDDの値に落ち着く。負電圧出力信号NVG_OUTの収束時間を短縮するには伝達容量Ctの値を大きくするか、もしくはクロック周波数の増加が必要である。しかし伝達容量Ctの値を大きくすることは面積の増大につながり好ましくない。一方、クロック周波数の増大は、クロック生成器の消費電力を増大させる。本実施の形態では、高周波スイッチモジュールのスイッチポートを切替るタイミングから一定時間周波数を高めることで、消費電力の増大を最小限に抑えて負電圧値の収束時間を短縮することが可能となる。
【0065】
本実施の高周波スイッチモジュールの形態1では、図10のタイミングチャートに示すように動作する。t=t1_1、t2_1・・・のタイミングでスイッチポートを切替える制御信号CNT<3:0> をスイッチ切替タイミング検出器(4)によって検出し、そのスイッチ切替タイミング検出信号t_swが検出されたタイミングからある一定時間(=t1_B,t2_B,・・・)のみクロック生成器(61)のクロック信号CLK_OUTのクロック周波数を増大させる。この一定時間(t1_B,t2_B,・・・)は、負電圧生成回路(6)に負電荷が蓄えられ−VDDの値に落ち着くまでの所要時間(=t1_A,t2_A,・・・)よりも長い時間に設定される。例えば、t=t1_1,t=t2_1から各々10μs程度だけ、クロック周波数を、例えば2倍の値に、増大させる。これにより、半導体回路面積を増大させずに、消費電力の増大を抑えて負電圧値の収束時間を短縮することが可能となる。高周波スイッチモジュール(1)の動作については、あらためて詳しく後述する。
《スイッチ》
図11は、図1に示した本発明の実施の形態1による高周波スイッチモジュール(1)で、スイッチポートの切替を行うスイッチ(7)の構成を示す図である。
【0066】
図11のスイッチ(7)は、レベルシフタ(71)とスイッチコア(70)から構成されている。レベルシフタ(71)は、前記デコーダ(3)のSW制御信号の本数Nと同一数のレベルシフタユニット710から71Nから構成されている。レベルシフタ(71)内のレベルシフタユニット710から71Nの入力は、それぞれデコーダ(3)のスイッチ制御信号SWCNT<0>〜SWCNT<N>が接続され、電源系端子には電源電圧VDDとGNDそして負電圧出力信号NVG_OUTが入力される。このレベルシフタ(71)は、スイッチ制御信号SWCNT<N:0>をスイッチコア(70)を制御するのに適した電圧レベル、つまり電源電圧VDDと負電圧出力信号NVG_OUTに変換するための回路である。スイッチコア(70)の入力は、レベルシフタ(71)からのゲート制御信号GCNT<0>〜GCNT<N>、NGCNT<0>〜NGCNT<N>と、高周波スイッチモジュール(1)外部と接続するRF信号用のRFポート(TX1〜RXN)と、アンテナANT1〜ANTNが接続される。スイッチ(7)は、前記レベルシフタ(71)からゲート制御信号GCNT<0>〜GCNT<N>、NGCNT<0>〜NGCNT<N>によって、スイッチモジュール外部のN個のRFポートからの入出力信号RX1〜TXNとアンテナANT1〜ANTNからの入出力信号を受けスイッチコア(7)内のトランジスタのオンおよびオフの制御を行い、前記RFポートとアンテナANTのスイッチポートの切替えを行う役割を持つ。
【0067】
なお、スイッチ(7)としては、図32に従来例として示したスイッチを採用することができる。図32の回路構成では、簡単化のためにSW制御信号の本数NはN=1としている。そのためスイッチコア(70)もSPSTスイッチとなっているが、本発明はN=1の場合に限定されるものではない。なお、図32のスイッチ(7)の詳細動作に関しては、従来例として説明したのと同じものになるので、本実施の形態1での再度の説明は割愛する。
【0068】
《高周波スイッチモジュール1の内部動作》
図10は、上述した本発明の実施の形態1による高周波スイッチモジュール1の内部動作を説明するため、内部各部の波形を示す図である。
【0069】
図10の一番上の波形は、I/Oインターフェース(2)の出力制御信号CNT<3:0>である。制御信号CNT<3:0> がt=t1_1で”0110”から”0010”に切替ったタイミングで、2番目のスイッチ切替タイミング検出器のスイッチ切替タイミング検出信号t_swがHighとなる。一方、制御信号CNTが”0110”から”0010”に切替ったことでスイッチコア(70)内のトランジスタのゲート−ソース間容量Cgsに充電されていたCgs・VDDの正電荷が負電圧発生回路(6)内の充電容量Ccに流れ込み、Cc内の負電荷をキャンセルするため負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧値は上昇する(0Vに近づく)。しかしながら前記のNVG_OUTの負電圧値が上昇するのとほぼ同時タイミングで周波数制御信号ICONT<3:0>、CCONT<3:0>がICONT1<3:0>、CCONT1<3:0>を出力し、負電圧発生回路(6)内のクロック生成器(61)のクロック周波数が増大する。上記動作により、負電圧出力信号NVG_OUTの上昇を速やかに(t1_A)、元の負電圧値まで復帰させることができる。一方、t_swがHighとなるタイミングで周波数制御信号生成器(5)内の64カウンタがクロック生成器(61)の出力クロックCLK_OUTのクロック数のカウントを開始し、64カウントを数えたタイミング、すなわち図10のt=t1_2のタイミングで再び周波数制御信号ICONT<3:0>、CCONT<3:0>を、t=t_t1以前の値であるICONT0<3:0>、CCONT0<3:0>に戻す。これ以降もt=t2_1で再び制御信号CNTが切替ったときも同様の動作を繰り返す。
【0070】
以上の説明した本発明の実施の形態1による高周波スイッチモジュールによれば、スイッチの切替タイミングを、実際に切替えるタイミングに同期して、瞬時に検出できるため、スイッチのスイッチポートが実際に切替るのとほぼ同時タイミングでクロック生成器のクロック周波数を増大させることが可能となる。また、クロック周波数の増大する期間をある一定の時間に制限させることが可能となる。これにより、スイッチのスイッチポート切替に伴う負電圧出力信号NVG_OUTの電圧上昇を、充電容量Ccおよび伝達容量Ctの容量値を増大させることなく速やかに元の負電圧値まで復帰させることができる。その結果、スイッチポートの切替時間の短縮化と、消費電力の低減、半導体チップ面積の低減効果とを同時に満足する、高周波スイッチモジュールを実現することができる。
【実施例2】
【0071】
次に、本発明の実施の形態2による高周波スイッチモジュールについて、図12〜図16を参照しながら説明する。
【0072】
図12は、本発明の実施の形態2による高周波スイッチモジュール(1)の構成を示す図である。
図12に示す高周波スイッチモジュール(1)は、図1の本発明の実施の形態1と同様にI/Oインターフェース(2)、デコーダ(3)、スイッチ切替タイミング検出器(4)、周波数制御信号生成器(5A)、負電圧発生回路(6)、スイッチ(7)から構成される。
【0073】
しかし、周波数制御信号生成器(5A)は、周波数制御信号ICONT、CCONTの制御を開始するタイミングを実施の形態1のようにスイッチ切替タイミング検出器(4)が制御信号CNTの切替を検出したタイミングではなく、I/Oインターフェース(2)がアクティブとなったタイミングとすることを特徴としている。I/Oインターフェース(2)がアクティブになるタイミングは、必然的に制御信号CNTが切替るタイミングより早くなる。それはI/Oインターフェース(2)がアクティブになり様々なコマンドのやり取りの後に、制御信号CNTが更新されるためである。そのため、I/Oインターフェースがアクティブになるタイミング信号IO_ENを周波数制御信号ICONT、CCONTの制御を開始するタイミングとすることができ、制御信号CNTが切替るよりもはるかに早いタイミングつまりスイッチポートが切替るより早いタイミングで、クロック生成器(61)の周波数をあらかじめ増大させておくことができる。
【0074】
図13は、実施の形態2におけるスイッチモジュール(1)の周波数制御信号生成回路(5A)の回路構成を示している。図13に示す周波数制御信号生成器は、2つのDFF51、50と2つの2入力セレクタ53、54とNカウンタ52と2つの2入力論理和59、511と2入力否定論理和512から構成される。DFF51の入力端子Dには電源電圧VDD、CLK入力端子にはI/Oインターフェース(2)から生成されたI/Oアクティブ信号IO_EN、リセット端子Rには2入力論理和511の出力、それぞれ接続され、2入力セレクタ53の入力端子には、それぞれ任意のビット数のデジタル値となるバイアス電流調整値ICONT0、ICONT1が接続され、もうひとつの2入力セレクタ54の入力端子には、それぞれ任意のビット数のデジタル値とのある負荷容量調整値CCONT0、CCONT1が接続され、また前記2つの2入力セレクタには、前記2つの入力端子に接続されたデジタル値のどちらかを出力するかを選択するためのセレクタ端子がありDFF51の出力であるsel_cntが接続され、Nカウンタ52の入力端子には負電圧発生回路(6)内のクロック生成器(61)から生成されたクロック信号CLK_OUTとリセット端子には2入力論和回路59の出力が接続されている。DFF50のD入力端子には電源電圧VDD、クロック端子にはスイッチ切替タイミング検出信号t_sw、リセット端子にはDFF51から出力されるsel_cntの反転信号が入力されている。否定論理和512の入力端子にはI/Oアクティブ信号であるタイミング信号IO_ENとDFF50の出力が接続されている。論理和511の入力端子には否定論理和512の出力とNカウンタの出力が接続されている。論理和59の入力端子にはDFF51の出力信号sel_cntの反転信号とDFF50の出力の反転信号が入力されている。
【0075】
図14は、図13に示す周波数制御信号生成器(5A)内部のタイミングチャートを示している。t=t1_0においてI/Oインターフェース(2)がアクティブとなりIO_ENがHighとなるのをトリガとして、DFF51の出力sel_cntは、LowからHighとなる。sel_cntがLowからHighへの切替りを受けてセレクタ53、54の出力であるICONT、CCONTはそれぞれ、ICONT0からICONT1、CCONT0からCCONT1へと切替る。その後、t=t1_1のタイミングで制御信号CNTが切替り、スイッチ切替タイミング検出信号t_swがHighとなるのに伴い、Nカウンタ52のリセットが解除されクロック生成器(61)からのクロック信号の立ち上がりエッジのカウントを開始する。ここでNカウンタのカウント値Nを64とすると、前記Nカウンタが64個のクロックエッジをカウントしたところ、つまりt=t1_2のタイミングでNカウンタの出力信号rstがLowからHighとなる。この出力信号rstのLowからHighに伴いDFF51の出力信号であるsel_cntは再びHighからLowになり、セレクタ53、54の出力ICONT、CCONTもそれぞれICONT0、CCONT0となり、またNカウンタおよびDFF50のリセット端子にはsel_cntの反転信号つまりHighが入力されるためNカウンタの内部カウント値は初期化されスタンバイ状態となる。ここで、もしI/Oインターフェース(1)がアクティブになったあと、制御信号CNTが切替らなかった場合すなわちスイッチのポートが切替らなかった場合は、I/Oアクティブ信号であるタイミング信号IO_ENがHighからLowになるタイミングでDFF51のリセットがかかる仕組みとなっている。より詳細に説明すると、制御信号CNTが切替らなかった場合は、t_swがLowでIO_ENがHighからLowになったタイミングで否定論理和512の出力はHighとなり、そのため論理和511もHighとなるためDFF51はリセットがかかり、sel_cntもLowとなり、セレクタ53、54の出力ICONT、CCONTもそれぞれICONT0、CCONT0となりクロック生成器(61)の周波数もt=t1_0以前の周波数に戻る。なお、t=t1_0以前、及びt=t1_2以降のクロック信号CLK_OUTには周波数の低い波が有るが、図示を省略する。(図21、図25等も同様)。
【0076】
本実施の形態2の高周波スイッチモジュール(1)を構成する周波数制御信号生成器(5A)以外の構成要素は、実施の形態1と同様の構成および動作原理であるため本実施の形態2での繰り返しの説明は割愛する。
【0077】
《高周波スイッチモジュール1の内部動作》
図15は、上述した本発明の実施の形態2による高周波スイッチモジュール(1)の内部動作を説明するための内部各部の波形を示す図である。
図15の一番上と2番目の波形は、高周波スイッチモジュール(1)の外部からの制御用信号SDATAおよびシステムクロックSCLKである。上記SDATAとSCLKから制御コマンドを検出し、t=t1_0のタイミングでI/Oアクティブ信号であるタイミング信号IO_ENがHighとなる。t=t1_0のタイミングで周波数制御信号ICONT<3:0>、CCONT<3:0>がICONT1<3:0>、CCONT1<3:0>を出力し、負電圧生成回路(6)内のクロック生成器(61)のクロック周波数が増大する。その後、I/Oインターフェース(2)の出力制御信号CNTである制御信号CNTがt=t1_1で”0110”から”0010”に切替ったタイミングで、スイッチ切替タイミング検出器のスイッチ切替タイミング検出信号t_swがHighとなる。一方、制御信号CNTが”0110”から”0010”に切替ったことでスイッチコア(70)内のスイッチポートの切替りのためトランジスタのゲート−ソース間容量Cgsに充電されていたCgs・VDDの正電荷が負電圧発生回路(6)内の充電容量Ccに流れ込み、Cc内の負電荷をキャンセルするため負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧値は上昇する(0Vに近づく)。しかしながら前記のようにNVG_OUTの負電圧値が上昇する以前に、クロック生成器(61)のクロック周波数が増大しているため、負電圧出力信号NVG_OUTの上昇を実施の形態1よりもさらに速やかに(t1_A,t2_A,−)元の負電圧値まで復帰させることができる。一方、t_swがHighとなるタイミングで周波数制御信号生成器(5A)内の64カウンタがクロック生成器(61)のクロック信号CLK_OUTのクロック数のカウントを開始し、64カウントを数えたタイミングすなわち図15のt=t1_2のタイミングで再び周波数制御信号ICONT<3:0>、CCONT<3:0>をt=t1_0以前の値であるICONT0<3:0>、CCONT0<3:0>に戻す。これ以降もt=t2_1で再び制御信号CNTが切替ったときも同様の動作を繰り返す。
【0078】
以上の説明した本発明の実施の形態2による高周波スイッチモジュール(1)によれば、スイッチの切替タイミングよりもはるかに早くクロック生成器(61)のクロック周波数を増大させることが可能で、かつクロック周波数の増大する期間をある一定の時間に制限させることが可能となる。これにより、スイッチ(7)のスイッチポート切替に伴う負電圧出力信号NVG_OUTの電圧上昇を、充電容量Ccおよび伝達容量Ctの容量値を増大させることなく速やかに元の負電圧値まで復帰させることができる。その結果、実施の形態1を上回るスイッチポートの切替時間の短縮化と、消費電力の低減、半導体チップ面積の低減効果を同時に満足する高周波スイッチモジュールを実現することができる。
【実施例3】
【0079】
次に、本発明の実施の形態3による高周波スイッチモジュールについて、図16〜図22を参照しながら、説明する。
【0080】
図16は、本発明の実施の形態3による高周波スイッチモジュール(1)の構成を示す図である。
図16に示す高周波スイッチモジュール(1)は、I/Oインターフェース(2)、デコーダ(3)、スイッチ切替タイミング検出器(4)、周波数制御信号生成器(5B)、負電圧発生回路(6)、スイッチ(7)、切替パターン検出器(8)から構成される。
【0081】
切替パターン検出器(8)は、I/Oインターフェース(2)からの切替信号CNTを受け、後で説明するフローチャートに示すように、切替信号CNTの切替パターンを検出し、パターン検出信号PTTを生成する。
【0082】
本実施の形態3の高周波モジュールは、切替パターン検出器(8)を具備することで、現在選択されているスイッチポートから次のスイッチポートへ切替る際の、切替スイッチポート数に応じて、クロック生成器のクロック周波数の増大分を切替えることを特徴とする。背景の技術で説明したとおり、現在の携帯端末はマルチバンド、マルチモード化が進み高周波スイッチモジュール(1)のポート数も増加の一途を辿っている。そのため、スイッチポートの切替パターンも様々なパターンが存在し、その組み合わせによってスイッチ(7)内のオンおよびオフするトランジスタの数が異なるため、切替パターンによる負電圧出力信号NVG_OUTの上昇値も変化する。
【0083】
例えば、図17のスイッチ(7)は2つのSPSTスイッチとなっており2つのアンテナを有している。レベルシフタ(71)は、第1のレベルシフタ(711)及び第2のレベルシフタ(712)で構成されている。これらのレベルシフタの具体的な構成例は、図32に示したレベルシフタ(71)と同じであり、説明を省略する。
2つのアンテナのうちANT1は800MHz帯のアンテナであり、ANT2は1900MHz帯のアンテナとする。ここで1900MHz帯のANT2側のスイッチSW2を構成するトランジスタMN703がオンからオフになりMN702がオフからオンになるタイミングのとき、かつ800MHz帯のANT1側のスイッチSW1に関してはスイッチポートの切替りがない場合、NVG_OUTにはMN703のゲート−ソース間容量Cgsに充電されていた正電荷がMN7123を通じて負電圧生成回路(6)の充電容量Ccに流れ込むことで負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧値が上昇する。
【0084】
次に、図17、図18に示すように、1900MHz帯のANT2側のトランジスタMN703がオンからオフになりMN702がオフからオンになり、かつ800MHz帯のANT1側のトランジスタMN700もオンからオフになりMN701がオフからオンになる場合について述べる。つまり1900MHz帯の通信をオフし800MHz帯の通信をオンしたタイミングでは、MN703のゲート−ソース間容量Cgsに充電されていた正電荷がMN7123を通じて負電圧発生回路(6)の充電容量Ccに流れ込むばかりではなく、MN700のゲート−ソース間容量Cgsに充電されていた正電荷もMN7114を通じて同時タイミングで充電容量Ccに流れ込む。この結果、NVG_OUTの負電圧値の上昇値は1900MHz帯のスイッチポートのみを切替える場合と比較して約2倍となり、そのため負電圧値が元の負電圧値に復帰するまでの時間(切替時間t_A)も増大する。
【0085】
上記のような現象に対しても、実施の形態3の高周波スイッチモジュール(1)では、切替パターン検出器(8)を有しているため、あらかじめ上昇する負電圧値を予見し、速やかに負電圧値を復帰させることができる。
【0086】
図19は、切替パターン検出器(8)のフローチャートの一例を示したものである。例えば現在、スイッチポートがANT1側つまり800MHz帯が選択されている状況において、次の切替りが再び800MHz帯内部での切替りである場合にはパターン検出信号PTTはLowとする。また現在、スイッチポートがANT2側、つまり1900MHz帯が選択されている状況において、次の切替りが再び1900MHz帯内部での切替りである場合には、パターン検出信号PTTはLowとする。最後に、次の切替えが800MHz帯から1900MHz帯、もしくは1900MHz帯から800MHz帯というような帯域(Band)間の切替を伴う場合には、パターン検出信号PTTはHighとなる。上記のように切替パターン検出信号PTTがHighとなった場合には、クロック生成器(61)のクロック周波数の増大分を、PTTがLowと検出された場合よりもさらに高くすることで、スイッチポート切替に伴う負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧値の復帰を高速化できる。また別の見方をするとBand間のスイッチポートの切替を伴わない場合は、クロック生成器(61)のクロック周波数増大分を過度に高める必要がないので、周波数増大に伴う消費電力の増加をさらに抑えることが可能となる。
【0087】
また、本実施の形態3では、Band間の切替のみについての説明をしたが、本実施の形態3の基本的なアイデアは上記のみに限定されるものではなく、例えば複数のRF信号を同時に送受信するダイバーシティ方式や、MIMO(Multiple Input Multiple Output)等の方式についても、スイッチの切替時間の短縮および消費電力のさらなる低減が可能となる。
【0088】
図20は、実施の形態3におけるスイッチモジュール(1)の周波数制御信号生成回路(5B)の回路構成を示している。図20に示す周波数制御信号生成器は、DFF51と6つの2入力セレクタ53〜58とNカウンタ52から構成される。DFF51の入力端子Dには電源電圧VDD、CLK入力端子にはスイッチ切替タイミング検出信号t_sw、リセット端子RにはNカウンタの出力がそれぞれ接続され、1つ目の2入力セレクタ53の入力端子には、それぞれ任意のビット数のデジタル値となるバイアス電流調整値ICONT0、ICONT1が接続され、2つ目の2入力セレクタ54の入力端子には、それぞれ任意のビット数のデジタル値とのある負荷容量調整値CCONT0、CCONT1が接続され、3つ目の2入力セレクタ55の入力端子には、バイアス電流調整値ICONT0、ICONT2が接続され、4つ目の2入力セレクタ56の入力端子には、負荷容量調整値CCONT0、CCONT2が接続され、また前記2入力セレクタ53〜56には、前記2つの入力端子に接続されたデジタル値のどちらかを出力するためのセレクタ端子がありDFF51の出力であるsel_cntが接続され、また2入力セレクタ57の入力端子には、前記1つ目のセレクタ53の出力と前記3つ目のセレクタ55の出力端子が接続され、最後の2入力セレクタ58の入力端子には、前記2つ目のセレクタ54の出力と前記4つ目のセレクタ56の出力が接続され、また前記2入力セレクタ57、58には前記2つの入力端子に接続されたデジタル値のどちらかを出力するためのセレクタ端子があり切替パターン検出信号PTTが入力される。
【0089】
図21は、図20に示す周波数制御信号生成器(5B)内部のタイミングチャートを示している。t=t1_1において前述のスイッチ切替タイミング検出器からのスイッチ切替タイミング検出信号t_swをトリガとして、DFF51の出力sel_cntは、LowからHighとなる。sel_cntがLowからHighへの切替りを受けてセレクタ53〜56の出力信号はそれぞれ、ICONT0からICONT1、CCONT0からCCONT1へと切替る。一方、t=t2_1のタイミングにおいて切替パターン検出回路(8)は、スイッチ(7)のバンドが1900MHzから800MHzへの切替りを検出し切替パターン検出信号PTTをHighとする。これにより、セレクタ57、58の出力信号ICONT、CCONTは、それぞれICONT2、CCONT2が出力される。一方sel_cntのLowからHighに伴い、Nカウンタ52のリセットが解除されクロック生成器(61)からのクロック信号の立ち上がりエッジのカウントを開始する。ここでNカウンタのカウント値Nを64とすると、前記Nカウンタが64個のクロックエッジをカウントしたところ、つまり、t=t1_2、t=t2_2のタイミングでNカウンタの出力信号rstがLowからHighとなる。この出力信号rstのLowからHighに伴いDFF51の出力信号であるsel_cntは再びHighからLowになり、セレクタ53、55の出力はICONT0、セレクタ54、56の出力はCCONT0となり、その結果、セレクタ57、58の出力ICONT、CCONTもそれぞれICONT0、CCONT0となり、またNカウンタのリセット端子にはsel_cntの反転信号つまりHighが入力されるためNカウンタの内部カウント値は初期化されスタンバイ状態となる。
ここでICONT1とCCONT1がクロック生成器(61)に入力された場合のクロック周波数を5MHzとしたときはNカウンタが64個のクロックエッジを数えるまでの時間は12usとなる。同様に、ICONT2とCCONT2がクロック生成器(61)に入力された場合のクロック周波数を8MHzとしたときはNカウンタが64個のクロックエッジを数えるまでの時間は8usとなる。つまり周波数制御信号生成器(5B)は12us、もしくは8usの間だけ、クロック生成器(61)の周波数を高める制御信号ICONT1もしくはICONT2、CCONT1もしくはCCONT2を出力することが可能であることが分かる。
【0090】
なお、周波数制御信号ICONTとCCONTと対応するクロック周波数の大小はそれぞれ、ICONT2>ICONT1>ICONT0、CCONT2>CCONT1>CCONT0とする。
【0091】
本実施の形態3の高周波スイッチモジュール(1)を構成する周波数制御信号生成器(5B)、切替パターン検出器(8)以外の構成要素は、実施の形態1および実施の形態2と同様の構成および動作原理であるため本実施の形態3での繰り返しの説明は割愛する。
【0092】
《高周波スイッチモジュール1の内部動作》
図22は、上述した本発明の実施の形態3による高周波スイッチモジュール1の内部動作を説明するための、内部各部の波形を示す図である。
【0093】
図22の一番上の波形はI/Oインターフェース(2)の出力制御信号CNTである。制御信号CNTがt=t2_1で”0010”から”1000”に切替ったタイミングで、2番目のスイッチ切替タイミング検出器のスイッチ切替タイミング検出信号t_swがHighとなる。また同タイミングにおいて切替パターン検出回路(8)は、スイッチ(7)のバンドが1900MHzから800MHzへの切替りを検出し検出信号PTTをHighとする。一方、制御信号CNTが”0010”から”1000”に切替ったことでスイッチコア(70)内のスイッチポートの切替のためトランジスタのゲート−ソース間容量Cgsに充電されていたCgs・VDDの正電荷が負電圧発生回路(6)内の充電容量Ccに流れ込み、Cc内の負電荷をキャンセルするため負電圧出力信号の負電圧値は上昇する(0Vに近づく)。さらに周波数バンド間の切替え(1900MHzから800MHzへの)を伴うため、同一Band内におけるスイッチポートの切替えと比較して負電圧値の上昇量は増加する。しかしながら前記のNVG_OUTの負電圧値が上昇するのとほぼ同時タイミングで周波数制御信号ICONT<3:0>、CCONT<3:0>がICONT2<3:0>、CCONT2<3:0>を出力し、負電圧発生回路(6)内のクロック生成器(61)のクロック周波数は増大する。この場合、バンド間での切替時よりもクロック周波数はさらに増大する。すなわち、Band間の切替時にはクロック生成器(61)の出力クロックのNVG_周波数が、LOWからHIGHに変化するところ、ここでは、LOWからVery HIGHに変化する。この例では、クロック周波数が8MHzなので、Nカウンタが64カウントを数えるt=t2_1からt=t2_2迄のタイミングは8usとなる。上記動作により、スイッチポートがBand間で切替った場合においても負電圧出力信号NVG_OUTの上昇を速やかに元の負電圧値まで復帰させることができる。一方、t_swがHighとなるタイミングで周波数制御信号生成器(5B)内の64カウンタがクロック生成器(61)のクロック信号CLK_OUTのクロック数のカウントを開始し、64カウントを数えたタイミング、すなわち図22のt=t1_2のタイミングで再び周波数制御信号ICONT<3:0>、CCONT<3:0>をt=t2_1以前の値であるICONT0<3:0>、CCONT<3:0>に戻す。また、クロック生成器(61)の出力クロックのNVG_周波数もLOWに戻す。
【0094】
以上の説明した本発明の実施の形態3による高周波スイッチモジュール(1)によれば、スイッチ(7)の切替パターンを検出することで、負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧値の上昇に応じさせることで切替パターン検出信号PTTがHighとなった場合には、クロック発生回路(6)のクロック周波数の増大分を、PTTがLowと検出された場合よりもさらに高くすることで、スイッチポート切替に伴う負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧値の復帰を高速化できる。また別の見方をするとBand間のスイッチポートの切替を伴わない場合は、クロック発生回路(6)のクロック周波数増大分を過度に高める必要がないので、周波数増大に伴う消費電力の増加をさらに抑えることが可能となる。また、Band間の切替のみについての説明をしたが、本実施の形態3の基本的なアイデアは上記のみに限定されるものではなく、例えば複数のRF信号を同時に送受信するダイバーシティ方式や、MIMO(Multi Input Multi Output)等の方式についても、スイッチの切替時間の短縮および消費電力のさらなる低減が可能となる。
【実施例4】
【0095】
次に、本発明の実施の形態4による高周波スイッチモジュールについて、図23〜図25を参照しながら、説明する。
【0096】
図23は、本発明の実施の形態4による高周波スイッチモジュール(1)の構成を示す図である。
【0097】
高周波スイッチモジュール(1)は、実施の形態3と同様にI/Oインターフェース(2)、デコーダ(3)、スイッチ切替タイミング検出器(4)、周波数制御信号生成器(5C)、負電圧発生回路(6)、スイッチ(7)、切替パターン検出器(8)から構成される。
【0098】
本発明の実施の形態において、周波数制御信号生成器(5C)は、実施の形態2と同様に周波数制御信号ICONT、CCONTの制御を開始するタイミングを実施の形態1のようにスイッチ切替タイミング検出器が制御信号CNTの切替を検出したタイミングt_swではなく、I/Oインターフェース(2)がアクティブとなったタイミングとすることを特徴としている。すなわち、実施の形態2の高周波スイッチモジュール(1)と実施の形態3の高周波スイッチモジュールの両方の特徴を有している。
【0099】
図24は、実施の形態4におけるスイッチモジュール(1)の周波数制御信号生成回路(5C)の回路構成を示している。2つのDFF51、50と6つの2入力セレクタ53〜58と、Nカウンタ52から構成される。とNカウンタ52と2つの2入力論理和59、511と2入力否定論理和512から構成される。DFF51の入力端子Dには電源電圧VDD、CLK入力端子にはI/Oインターフェース(1)から生成されたI/Oアクティブ信号IO_EN、リセット端子Rには2入力論理和511の出力、それぞれ接続され、1つ目の2入力セレクタ53の入力端子には、それぞれ任意のビット数のデジタル値となるバイアス電流調整値ICONT0、ICONT1が接続され、2つ目の2入力セレクタ54の入力端子には、それぞれ任意のビット数のデジタル値とのある負荷容量調整値CCONT0、CCONT1が接続され、3つ目の2入力セレクタ55の入力端子には、バイアス電流調整値ICONT0、ICONT2が接続され、4つ目の2入力セレクタ56の入力端子には、負荷容量調整値CCONT0、CCONT2が接続され、また前記2入力セレクタ53〜56には、前記2つの入力端子に接続されたデジタル値のどちらかを出力するためのセレクタ端子がありDFF51の出力であるsel_cntが接続され、また2入力セレクタ57の入力端子には、前記1つ目のセレクタ53の出力と前記3つ目のセレクタ55の出力端子が接続され、最後の2入力セレクタ58の入力端子には、前記2つ目のセレクタ54の出力と前記4つ目のセレクタ56の出力が接続され、また前記2入力セレクタ57、58には前記2つの入力端子に接続されたデジタル値のどちらかを出力するためのセレクタ端子があり切替パターン検出信号PTTが接続され、Nカウンタ52の入力端子には負電圧発生回路(6)内のクロック生成器(61)から生成されたクロック信号CLK_OUTとリセット端子には2入力論和回路59の出力が接続されている。DFF50のD入力端子には電源電圧VDD、クロック端子にはスイッチ切替タイミング検出信号t_sw、リセット端子にはDFF51から出力されるsel_cntの反転信号が入力されている。否定論理和512の入力端子にはI/Oアクティブ信号IO_ENとDFF50の出力が接続されている。論理和511の入力端子には否定論理和512の出力とNカウンタの出力が接続されている。論理和59の入力端子にはDFF51の出力信号sel_cntの反転信号とDFF50の出力の反転信号が入力されている。
【0100】
図25は、図24に示す周波数制御信号生成器(5C)内部のタイミングチャートを示している。t=t2_0においてI/OインターフェースがアクティブとなりIO_ENがHighとなるのをトリガとして、DFF51の出力sel_cntは、LowからHighとなる。sel_cntがLowからHighへの切替りを受けてセレクタ53〜56の出力信号は、ICONT0、CCONT0からICONT1、CCONT1、へとそれぞれ切替る。一方t=t2_1のタイミングにおいて切替パターン検出回路(8)は、スイッチ(7)のバンドが1900MHzから800MHzへの切替りを検出し、検出信号PTTをHighとする。これにより、セレクタ57、58の出力信号ICONT、CCONTは、それぞれICONT2、CCONT2が出力される。また同タイミングt=t2_1で制御信号CNTが切替り、スイッチ切替タイミング検出信号t_swがHighとなるのに伴い、Nカウンタ52のリセットが解除されクロック生成器(61)からのクロック信号の立ち上がりエッジのカウントを開始する。ここでNカウンタのカウント値Nを64とすると、前記Nカウンタが64個のクロックエッジをカウントしたところ、つまりt=t2_2のタイミングでNカウンタの出力信号rstがLowからHighとなる。この出力信号rstのLowからHighに伴いDFF51の出力信号であるsel_cntは再びHighからLowになり、セレクタ57、58の出力ICONT、CCONTもそれぞれICONT0、CCONT0となり、またNカウンタおよびDFF50のリセット端子にはsel_cntの反転信号つまりHighが入力されるためNカウンタの内部カウント値は初期化されスタンバイ状態となる。ここで、もしI/Oインターフェースがアクティブになったあと、制御信号CNTが切替らなかった場合すなわちスイッチのポートが切替らなかった場合は、I/Oアクティブ信号IO_ENがHighからLowになるタイミングでDFF51のリセットがかかる仕組みとなっている。より詳細に説明すると、制御信号CNTが切替らなかった場合は、t_swがLowでIO_ENがHighからLowになったタイミングで否定論理和512の出力はHighとなり、そのため論理和511もHighとなるためDFF511はリセットがかかり、sel_cntもLowとなり、セレクタ53、54の出力ICONT、CCONTもそれぞれICONT0、CCONT0となりクロック生成器(61)の周波数もt=t2_0以前の周波数に戻る。
【0101】
本実施の形態4の高周波スイッチモジュール(1)を構成する周波数制御信号生成器(5C)、以外の構成要素は、実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3と同様の構成および動作原理であるため本実施の形態4での繰り返しの説明は割愛する。また高周波スイッチモジュール(1)のタイミングチャートも実施の形態2と実施の形態3の組み合わせとなるため説明を割愛する。
【0102】
以上の説明した本発明の実施の形態4による高周波スイッチモジュール(1)によれば、スイッチの切替タイミングよりもはるかに早くクロック生成器(61)のクロック周波数を増大させることが可能で、かつスイッチ(7)の切替パターンを検出することで、負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧値の上昇に対応させることができる。これにより、切替パターン検出信号PTTがHighとなった場合には、クロック発生回路(6)のクロック周波数の増大分を、PTTがLowと検出された場合よりもさらに高くすることで、スイッチポート切替に伴う負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧値の復帰を高速化できる。また別の見方をすると、Band間のスイッチポートの切替を伴わない場合は、クロック発生回路(6)のクロック周波数増大分を過度に高める必要がないので、周波数増大に伴う消費電力の増加をさらに抑えることが可能となる。また、Band間の切替のみについての説明をしたが、本実施の形態3の基本的なアイデアは上記のみに限定されるものではなく、例えば複数のRF信号を同時に送受信するダイバーシティ方式や、MIMO(Multi Input Multi Output)等の方式についても、スイッチの切替時間の短縮および消費電力のさらなる低減が可能となる。
【実施例5】
【0103】
次に、本発明の実施の形態5による高周波スイッチモジュールについて、説明する。図26は、本発明の実施の形態5による高周波スイッチモジュール(1)の構成を示す図である。
【0104】
図26に示す高周波スイッチモジュール(1)は、図1の本発明の実施の形態1の変形例であり、実施の形態1と同様にI/Oインターフェース(2)、デコーダ(3)、スイッチ切替タイミング検出器(4)、周波数制御信号生成器(5D)、負電圧発生回路(6)、スイッチ(7)から構成される。
【0105】
周波数制御信号生成器(5D)は、スイッチ切替タイミング検出器(4)からのスイッチ切替タイミング検出信号t_swと負電圧発生回路(5D)からの負電圧出力信号NVG_OUTと基準電圧VREFを受け、負電圧発生回路(5D)内のクロック生成器(61)のクロック周波数を制御する周波数制御信号ICONT、CCONTを生成する。
【0106】
周波数制御信号生成器(5D)は、実施の形態1と同様に周波数制御信号ICONT、CCONTの制御を開始するタイミングは実施の形態1と同様にスイッチ切替タイミング検出器が制御信号CNTの切替を検出したタイミングとするが、制御を終了するタイミングは負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧出力値がある一定の電圧VREFまで復帰したタイミングとしている。つまり、負電圧値が規定の値に復帰しだい速やかにクロック生成器(61)のクロック周波数を増大前の周波数に戻せるため、消費電力の増大を最小にすることが可能となる。
【0107】
本実施の形態5の高周波スイッチモジュール(1)を構成する周波数制御信号生成器(5D)以外の構成要素は、実施の形態1と同様の構成および動作原理であるため本実施の形態5での繰り返しの説明は割愛する。
【0108】
《高周波スイッチモジュール1の内部動作》
図27は、上述した図26を参照して説明した本発明の実施の形態5による高周波スイッチモジュール(1)の内部動作を説明するための内部各部の波形を示す図である。図27の一番上の波形はI/Oインターフェース(2)の出力制御信号CNTである。制御信号CNTがt=t1_1で”0110”から”0010”に切替ったタイミングで、2番目のスイッチ切替タイミング検出器のスイッチ切替タイミング検出信号t_swがHighとなる。一方、制御信号CNTが”0110”から”0010”に切替ったことでスイッチコア(70)内のスイッチポートの切替のためトランジスタのゲート−ソース間容量Cgsに充電されていたCgs・VDDの正電荷が負電圧発生回路(6)内の充電容量Ccに流れ込み、Cc内の負電荷をキャンセルするため負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧値は上昇し(0Vに近づく)。しかしながら、前記のNVG_OUTの負電圧値が上昇するのとほぼ同時タイミングで周波数制御信号ICONT<3:0>、CCONT<3:0>がICONT1<3:0>、CCONT1<3:0>を出力し、負電圧発生回路(6)内のクロック生成器(61)のクロック周波数が増大する。上記動作により、負電圧出力信号NVG_OUTの上昇を速やかに元の負電圧値まで復帰させることができる。一方、充電容量Ccに十分な負電荷が充電されて再びある基準電圧VREFまで負電圧値が復帰したタイミングt1_2で(例えば、t1_1から3μs後=切替時間t1_A)、再び周波数制御信号ICONT<3:0>、CCONT<3:0>を、t=t_t1以前の値であるICONT0<3:0>、CCONT0<3:0>に戻す。これ以降もt=t2_1で再び制御信号CNTが切替ったときも同様の動作を繰り返す。
【0109】
上述より、周波数制御信号ICONT、CCONTの制御を開始するタイミングは実施の形態1と同様に、スイッチ切替タイミング検出器が制御信号CNTの切替えを検出したタイミングとし、制御を終了するタイミングは負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧出力値がある一定の電圧VREFまで復帰したタイミング、という所望の動作が実現されていることがわかる。
【0110】
以上の説明した本発明の実施の形態5による高周波スイッチモジュール(1)によれば、負電圧値が規定の値に復帰しだい速やかにクロック生成器(61)のクロック周波数を増大前の周波数に戻せるため、消費電力の増大を最小にし、かつ半導体チップ面積の低減効果を同時に満足する高周波スイッチモジュールを実現することができる。
【実施例6】
【0111】
次に、本発明の実施の形態6による高周波スイッチモジュールについて、説明する。図28は、本発明の実施の形態5による高周波スイッチモジュール(1)の構成を示す図である。
【0112】
図28に示す高周波スイッチモジュール(1)は、図1の本発明の実施の形態1の変形例であり、実施の形態1と同様にI/Oインターフェース(2)、デコーダ(3)、スイッチ切替タイミング検出器(4)、周波数制御信号生成器(5E)、負電圧発生回路(6)、スイッチ(7)、N分周器(9)から構成される。
【0113】
図28のN分周器(9)は、高周波スイッチモジュール(1)の外部からのシステムクロックSCLKを受け、SCLKのクロック周波数をN分周した分周信号SCLK/Nを生成し、この分周信号SCLK/Nを周波数制御信号生成器(5E)に受け渡す。上記システムクロックSCLKは、通常携帯端末基板上の水晶発振器から生成されるため、その周波数精度は極めて高いことが特徴であり、その分周信号SCLK/Nもまた極めて高い周波数精度を持つ。周波数制御信号生成器(5E)において、前述の実施の形態1で述べたNカウンタ(52)がN個のクロック数をカウントするクロック信号を実施の形態1の負電圧発生回路(6)内のクロック生成器(61)のクロック信号CLK_OUTから、上記の分周信号SCLK/Nに置き換えることで、クロック生成器(61)が周波数を増大させている期間を極めて高い精度で規定することが可能となる。
【0114】
《高周波スイッチモジュール1の内部動作》
図29は、上述した図28を参照して説明した本発明の実施の形態1による高周波スイッチモジュール(1)の内部動作を説明するための内部各部の波形を示す図である。
【0115】
図29の一番上の波形はI/Oインターフェース(2)の出力制御信号CNTである。制御信号CNTがt=t1_1で”0110”から”0010”に切替ったタイミングで、2番目のスイッチ切替タイミング検出器のスイッチ切替タイミング検出信号t_swがHighとなる。一方、制御信号CNTが”0110”から”0010”に切替ったことでスイッチコア(70)内のスイッチポートの切替のためトランジスタのゲート−ソース間容量Cgsに充電されていたCgs・VDDの正電荷が負電圧発生回路(6)内の充電容量Ccに流れ込み、Cc内の負電荷をキャンセルするため負電圧出力信号NVG_OUTの負電圧値は上昇する(0Vに近づく)。しかしながら前記のNVG_OUTの負電圧値が上昇するのとほぼ同時タイミングで周波数制御信号ICONT<3:0>、CCONT<3:0>がICONT1<3:0>、CCONT1<3:0>を出力し、負電圧発生回路(6)内のクロック生成器(61)のクロック周波数が増大する。上記動作により、負電圧出力信号NVG_OUTの上昇を速やかに元の負電圧値まで復帰させることができる。一方、t_swがHighとなるタイミングで周波数制御信号生成器(5E)内の64カウンタが高周波スイッチモジュール(1)の外部から受信したしシステムクロックSCLKのN分周信号SCLK/Nのクロック数のカウントを開始し、64カウントを数えたタイミングすなわち図29のt=t1_2のタイミングで再び周波数制御信号ICONT<3:0>、CCONT<3:0>をt=t_t1以前の値であるICONT0<3:0>、CCONT0<3:0>に戻す。これ以降もt=t2_1で再び制御信号CNTが切替ったときも同様の動作を繰り返す。
【0116】
以上の説明した本発明の実施の形態6による高周波スイッチモジュール(1)によれば、スイッチの切替タイミングを瞬時に検出できるため、スイッチ(7)のスイッチポートが実際に切替るのとほぼ同時タイミングでクロック生成器(61)のクロック周波数を増大させることが可能で、かつクロック周波数の増大する期間をある一定の時間に制限させることが可能となり、スイッチ(7)のスイッチポート切替に伴う負電圧出力信号NVG_OUTの電圧上昇を、充電容量Ccおよび伝達容量Ctの容量値を増大させることなく速やかに元の負電圧値まで復帰させることができ、その結果スイッチポートの切替時間の短縮化と、消費電力の低減、半導体チップ面積の低減効果を同時に満足する高周波スイッチモジュールを実現することができる。
【0117】
以上、本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0118】
例えば携帯端末であれば携帯電話に限定されるものではなく、マルチバンド・マルチモードの無線LAN送受信装置、また負電圧を用いるシステムのみならず昇圧電圧を用いる記録媒体である半導体メモリにも使用することが可能である。
【符号の説明】
【0119】
1…高周波スイッチモジュール
2…I/Oインターフェース
3…デコーダ
4…スイッチ切替タイミング検出器
41〜43…ダウンエッジトリガDFF
44〜46…2入力排他的論理和回路
47…3入力論理和回路
5、5A、5B、5C、5D、5E…周波数制御信号生成器
50、51…DFF
52…Nカウンタ
53〜58…2入力セレクタ
59…2入力論理和
511…2入力論理和
512…2入力論理否定和
6…負電圧発生器
61…クロック発生器
62…チャージポンプ
6111〜6113…可変制御バイアス電流源
6121〜6123…インバータ
6131〜6133…可変容量
620…チャージポンプコア
6201、6202…伝達容量
6203〜6204…PMOS
6205〜6206…NMOS
6207…充電容量
621…クロックバッファ
7…スイッチ
70…スイッチコア
710〜71N…レベルシフタユニット
MN700〜MN703…NMOS
MN711〜MN714…NMOS
MP713〜MP716…PMOS
MN7111〜MN7114…NMOS
MN7121〜MN7124…NMOS
MP7113〜MP7116…PMOS
MP7123〜MP7126…PMOS
71…レベルシフタ
8…スイッチ切替パターン検出器
9…周波数分周器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチポート間の経路を切替えるスイッチを具備する高周波スイッチモジュールであって、
外部から受信したシステムデータ信号とシステムクロックとに基づいて、前記スイッチモジュールの制御を行う複数種の制御信号を生成するI/Oインターフェースと、
前記複数種の制御信号の中の前記スイッチポートを切替える目的の制御信号に応答して、前記スイッチを制御するためのスイッチ制御信号を生成するデコーダと、
前記スイッチポートを切替える目的の制御信号の切替タイミングに応答して、スイッチ切替え検出信号を生成するスイッチ切替タイミング検出器と、
前記スイッチ切替え検出信号に応答して、周波数を変更するための複数の周波数制御信号を生成する周波数制御信号生成器と、
前記複数の周波数制御信号に応答して異なる周波数のクロック信号を生成すると共に、該クロック信号に基づき負電圧出力信号を生成する、負電圧発生回路とを備え、
前記負電圧発生回路は、前記複数の周波数制御信号に応答して、前記スイッチ切替タイミングにおいて前記クロック信号の周波数を一時的に増大させ、
前記スイッチは、前記スイッチ制御信号と前記負電圧出力信号とに応答して、前記複数のスイッチポート間の経路を切替える
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項2】
請求項1において、
前記負電圧発生回路は、前記複数の周波数制御信号に応答して異なる周波数のクロック信号を生成するクロック生成器と、該クロック信号を入力とし前記負電圧を生成するチャージポンプ回路とを備えている
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項3】
請求項1において、
前記クロック信号の周波数を一時的に増大させる期間は、前記スイッチポートの周期的な切替りタイミングの期間より短く、前記負電圧出力信号が前記スイッチ切替タイミング以前の元の負電圧値まで復帰する期間以上である
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項4】
請求項1において、
前記負電圧発生回路は、前記複数の周波数制御信号に応答して、前記スイッチ切替タイミングに同期して前記クロック信号の周波数を一時的に増大させる
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項5】
請求項1において、
前記周波数制御信号生成器から生成される前記周波数制御信号は少なくとも2つ以上の制御値を持ち、前記スイッチ切替え検出信号に応答し、一定時間のみ前記2つ以上の制御値のうち、いずれか1つの制御値を1つの前記周波数制御信号として生成し、前記一定時間が過ぎた後は、再び別の制御値を他の前記周波数制御信号として生成する
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項6】
請求項5において、
前記負電圧発生回路は、前記異なる周波数のクロック信号を生成するクロック生成器と、該クロック信号を入力とし前記負電圧出力信号を生成するチャージポンプ回路とを備えており、
前記周波数制御信号生成器は、N個のクロックを計測するカウンタを具備し、
前記一定時間は、前記負電圧生成回路内の前記クロック生成器からのクロック出力に応答し、前記カウンタでN個のクロックを計測するまでの時間とする
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項7】
請求項1において、
前記周波数制御信号生成器は、前記スイッチ切替え検出信号に応答し、前記周波数制御信号を生成して、
前記負電圧発生回路は、前記複数の周波数制御信号に応答し、前記負電圧発生回路内で生成したクロック信号の周波数を2つ以上のそれぞれ異なる周波数に切替つつ、負電圧出力信号を生成し、
前記スイッチは、前記スイッチ制御信号と前記負電圧出力信号に応答して、複数のスイッチポート間の経路を切替える
ことを特徴とする高周波スイッチモジュールにおいて、
前記周波数制御信号生成器は、前記負電圧生成回路の負電圧出力の負電圧値と基準電圧値に応答し、
前記一定時間は、前記負電圧値が前記基準電圧値に達するまでの時間とする
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項8】
請求項1において、
前記システムクロックを受け、前記システムクロック周波数をN分周(N>1)する、周波数分周信号を生成する周波数分周器を備え、
前記周波数制御信号生成器は、少なくとも2つ以上の制御値を持つ前記周波数制御信号を生成し、前記スイッチ切替え検出信号に応答し、一定時間のみ前記2つ以上の制御値のうち、いずれか1つの制御値を1つの前記周波数制御信号として生成し、前記一定時間が過ぎた後は、再び別の制御値を他の前記周波数制御信号として生成し、
かつ、前記周波数制御信号生成器は、N個のクロックを計測するカウンタを具備し、
前記一定時間は、前記周波数分周回路の周波数分周信号に応答し、前記カウンタでN個のクロックを計測するまでの時間とする
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項9】
複数のスイッチポート間の経路を切替えるスイッチを具備する高周波スイッチモジュールであって、
外部から受信したシステムデータ信号とシステムクロックに基づいて、前記スイッチモジュールの制御を行う各種制御信号と、前記I/Oインターフェースが活性化されていることを示す活性化信号であるIO_ENを生成するI/Oインターフェースと、
前記複数種の制御信号の中の前記スイッチポートを切替える目的の制御信号に応答して、前記スイッチを制御するためのスイッチ制御信号を生成するデコーダと、
前記スイッチポートを切替える目的の制御信号の切替りタイミングに応答して、スイッチ切替え検出信号を生成するスイッチ切替タイミング検出器と、
前記活性化信号IO_ENと前記スイッチ切替え検出信号に応答して、複数の周波数制御信号を生成する周波数制御信号生成器と、
前記周波数制御信号に応答して異なる周波数のクロック信号を生成すると共に、該クロック信号に基づき負電圧出力信号を生成する、負電圧発生回路とを備え、
前記負電圧発生回路は、前記複数の周波数制御信号に応答して、前記スイッチ切替タイミングを挟んでその前後に前記クロック信号の周波数を一時的に増大させ、
前記スイッチは、前記スイッチ制御信号と前記負電圧出力信号とに応答して、前記複数のスイッチポート間の経路を切替える
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項10】
請求項9において、
前記クロック信号の周波数を一時的に増大させる期間は、前記スイッチポートの周期的な切替りタイミングの期間より短く、前記負電圧出力信号が前記スイッチ切替タイミング以前の元の負電圧値まで復帰する期間以上である
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項11】
請求項9において、
前記負電圧発生回路は、前記異なる周波数のクロック信号を生成するクロック生成器と、該クロック信号を入力とし前記負電圧出力信号を生成するチャージポンプ回路とを備えており、
前記負電圧発生回路は、前記複数の周波数制御信号に応答して、前記活性化信号IO_ENに同期して前記クロック信号の周波数を一時的に増大させる
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項12】
請求項9において、
前記周波数制御信号生成器から生成される前記周波数制御信号は、少なくとも2つ以上の制御値を持ち、
前記周波数制御信号生成器は、前記活性化信号IO_ENに応答し、一定時間のみ前記2つ以上の制御値のうち、いずれか1つの制御値を1つの前記周波数制御信号として生成し、前記一定時間が過ぎた後は、再び別の制御値を他の前記周波数制御信号として生成する
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項13】
請求項12において、
前記周波数制御信号生成器は、
N個のクロックを計測するカウンタを具備し、
前記一定時間は、前記負電圧生成回路内の前記クロック生成器からのクロック出力に応答し、前記スイッチ切替え検出信号が検出されたタイミングから、前記カウンタで前記クロック出力のクロック数のカウントを開始して、その後N個のクロックを計測するまでの時間とする
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項14】
請求項9において、
前記I/Oインターフェースは、前記スイッチモジュールの外部から受信した前記システムデータ信号と前記システムクロックに基づいて、前記スイッチモジュールの制御を行う各種制御信号と、前記I/Oインターフェースが活性化されていることを示す活性化信号であるIO_ENを生成し、
前記周波数制御信号生成器は、前記各種制御信号の中で前記スイッチポートを切替える目的の制御信号の切替りパターンに応答してスイッチ切替パターン検出信号を生成するスイッチ切替パターン検出器を備え、前記活性化信号IO_ENと前記スイッチ切替え検出信号と前記スイッチ切替パターン検出信号とに応答し、周波数制御信号を生成する
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項15】
請求項14において、
前記周波数制御信号生成器は、少なくとも3つ以上の制御値を持つ前記周波数制御信号を生成し、前記スイッチ切替え検出信号と前記スイッチ切替パターン検出器に応答し、一定時間のみ前記3つ以上の制御値のうち、いずれか1つの制御値を1つの前記周波数制御信号として生成し、前記一定時間が過ぎた後は、再び別の制御値を他の前記周波数制御信号として生成する
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項16】
請求項15において、
前記周波数制御信号生成器は、N個のクロックを計測するカウンタを具備し、
前記一定時間は、前記負電圧生成回路内の前記クロック生成器からのクロック出力に応答し、前記スイッチ切替え検出信号が検出されたタイミングから、前記カウンタで前記クロック出力のクロック数のカウントを開始して、その後N個のクロックを計測するまでの時間とする
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項17】
複数のスイッチポート間の経路を切替えるスイッチを具備する高周波スイッチモジュールであって、
I/Oインターフェースとデコーダとスイッチ切替タイミング検出器と周波数制御信号生成器と負電圧発生回路とスイッチとスイッチ切替パターン検出器を具備する高周波スイッチモジュールであって、
外部から受信したシステムデータ信号とシステムクロックとに基づいて、前記スイッチモジュールの制御を行う複数種の制御信号を生成するI/Oインターフェースと、
前記複数種の制御信号の中の前記スイッチポートを切替える目的の制御信号に応答して、前記スイッチを制御するためのスイッチ制御信号を生成するデコーダと、
前記スイッチポートを切替える目的の制御信号の切替タイミングに応答して、スイッチ切替え検出信号を生成するスイッチ切替タイミング検出器と、
前記各種制御信号の中で前記スイッチポートを切替える目的の制御信号の切替りパターンに応答して、スイッチ切替パターン検出信号を生成するスイッチ切替パターン検出器と、
前記スイッチ切替え検出信号と前記スイッチ切替パターン検出信号に応答し、複数の周波数制御信号を生成する周波数制御信号生成器と、
前記複数の周波数制御信号に応答し、当該負電圧発生回路内で生成したクロック信号の周波数を3つ以上のそれぞれ異なる周波数に切替つつ負電圧出力信号を生成する、負電圧発生回路とを備え、
前記負電圧発生回路は、前記複数の周波数制御信号に応答して、前記スイッチ切替タイミングにおいて前記クロック信号の周波数を一時的に増大させ、
前記スイッチは、前記スイッチ制御信号と前記負電圧出力信号に応答して、前記複数のスイッチポート間の経路を切替える
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項18】
請求項17において、
前記クロック信号の周波数を一時的に増大させる期間は、前記スイッチポートの周期的な切替りタイミングの期間より短く、前記負電圧出力信号が前記スイッチ切替タイミング以前の元の負電圧値まで復帰する期間以上である
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項19】
請求項17において、
前記周波数制御信号生成器から生成される前記周波数制御信号は少なくとも3つ以上の制御値を持ち、前記スイッチ切替え検出信号と前記スイッチ切替パターン検出器に応答し、一定時間のみ前記3つ以上の制御値のうち、いずれか1つの制御値を1つの前記周波数制御信号として生成し、前記一定時間が過ぎた後は、再び別の制御値を他の前記周波数制御信号として生成する
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
【請求項20】
請求項19において、
前記負電圧発生回路は、前記異なる周波数のクロック信号を生成するクロック生成器と、該クロック信号を入力とし前記負電圧出力信号を生成するチャージポンプ回路とを備えており、
前記周波数制御信号生成器は、N個のクロックを計測するカウンタを具備し、
前記一定時間は、前記負電圧生成回路内の前記クロック生成器からのクロック出力に応答し、
前記カウンタでN個のクロックを計測するまでの時間とする
ことを特徴とする高周波スイッチモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−217142(P2012−217142A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−32922(P2012−32922)
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【Fターム(参考)】