アーム装置
【課題】先端側を薄型化したアーム装置を提供する。
【解決手段】アーム装置１００は、回転軸１１１を中心に回転する駆動アーム部１１０と、駆動アーム部１１０の回転に従って駆動アーム部１１０に対して回転する従動アーム部１３０と、互いに回転可能に連結された複数のリンクを有し駆動アーム部１１０及び従動アーム部１３０の回転をリンクによって同期させる同期リンク部１５０とを備え、回転軸１１１が延在する矢印１１１ａの方向で、同期リンク部１５０の少なくとも一部のリンクが駆動アーム部１１０に対して従動アーム部１３０側とは反対側に配置されている。
【解決手段】アーム装置１００は、回転軸１１１を中心に回転する駆動アーム部１１０と、駆動アーム部１１０の回転に従って駆動アーム部１１０に対して回転する従動アーム部１３０と、互いに回転可能に連結された複数のリンクを有し駆動アーム部１１０及び従動アーム部１３０の回転をリンクによって同期させる同期リンク部１５０とを備え、回転軸１１１が延在する矢印１１１ａの方向で、同期リンク部１５０の少なくとも一部のリンクが駆動アーム部１１０に対して従動アーム部１３０側とは反対側に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、駆動されることによって回転する駆動アーム部、及び、駆動アーム部の回転に従って駆動アーム部に対して回転する従動アーム部を有したアーム装置と、このアーム装置を備えた作業ユニット及び作業装置とに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、アーム装置として、図１６及び図１７に示すようなアーム装置９００が知られている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
アーム装置９００は、駆動されることによって回転軸９１１を中心に回転する駆動アーム部９１０と、駆動アーム部９１０の回転に従って駆動アーム部９１０に対して回転する従動アーム部９２０と、互いに回転可能に連結された複数のリンク９３１、９３２、９３３、９３４、９３５、９３６を有して駆動アーム部９１０及び従動アーム部９２０の回転をリンク９３１、９３２、９３３、９３４、９３５、９３６によって同期させる同期リンク部９３０と、従動アーム部９２０の先端側に取り付けられたハンド９４０とを備えていた。
【０００４】
また、同期リンク部９３０は、回転軸９１１が延在する矢印９１１ａで示す方向で駆動アーム部９１０及び従動アーム部９２０の間に配置されていた。
【０００５】
そして、アーム装置９００は、例えば、図１７に示すように壁部９９０に形成された穴９９１にハンド９４０側を通過させて、通過させたハンド９４０で作業を行うことがあった。
【０００６】
【特許文献１】特開２０００−２０８５８８号公報（第１１−１２頁、第１４−１６図）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、上記従来のアーム装置９００においては、駆動アーム部９１０の少なくとも一部が穴９９１に挿入されるとき、ハンド９４０の従動アーム部９２０側とは反対側の端９４０ａと、駆動アーム部９１０の従動アーム部９２０側とは反対側の端９１０ａとの矢印９１１ａで示す方向での厚み９０１が、穴９９１の矢印９１１ａで示す方向での幅９９２以下でなければならず、幅９９２が厚み９０１より小さいとき、駆動アーム部９１０は穴９９１に挿入されることができないという問題が有った。
【０００８】
そこで、本発明は、従来と比較して先端側を薄型化することができるアーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するために、本発明のアーム装置は、駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、前記同期リンク部の少なくとも一部は、前記回転軸が延在する方向で前記駆動アーム部に対して前記従動アーム部側とは反対側に配置された構成を有している。
【００１０】
この構成により、本発明のアーム装置は、駆動アーム部の回転軸が延在する方向で駆動アーム部に対して従動アーム部側とは反対側に同期リンク部の少なくとも一部が配置されているので、従動アーム部の駆動アーム部側とは反対側の端と、駆動アーム部の従動アーム部側とは反対側の端との回転軸が延在する方向での厚みを従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００１１】
また、本発明のアーム装置は、前記駆動アーム部は、前記回転軸が延在する方向で前記従動アーム部側とは反対側に、前記回転軸が延在する方向に重なった前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きが形成された構成を有している。
【００１２】
この構成により、本発明のアーム装置は、駆動アーム部が、回転軸が延在する方向で従動アーム部側とは反対側に、回転軸が延在する方向に重なった同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きを形成しているので、駆動アーム部に対して従動アーム部側とは反対側に配置された同期リンク部の駆動アーム部側とは反対側の端と、従動アーム部の駆動アーム部側とは反対側の端との回転軸が延在する方向での厚みを、駆動アーム部が切欠きを形成していない場合と比較して駆動アーム部の剛性を維持しつつ小さくすることができる。
【００１３】
また、本発明のアーム装置は、駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の少なくとも一方は、前記回転軸が延在する方向で前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の間に、前記回転軸が延在する方向に重なった前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きが形成された構成を有している。
【００１４】
この構成により、本発明のアーム装置は、駆動アーム部及び従動アーム部の少なくとも一方が、回転軸が延在する方向で駆動アーム部及び従動アーム部の間に、回転軸が延在する方向に重なった同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きを形成しているので、従動アーム部の駆動アーム部側とは反対側の端と、駆動アーム部の従動アーム部側とは反対側の端との回転軸が延在する方向での厚みを、駆動アーム部の剛性を維持しつつ従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００１５】
また、本発明のアーム装置は、駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、前記駆動アーム部は、前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる溝が形成された構成を有している。
【００１６】
この構成により、本発明のアーム装置は、駆動アーム部が、同期リンク部の少なくとも一部を通過させる溝を形成しているので、従動アーム部の駆動アーム部側とは反対側の端と、駆動アーム部の従動アーム部側とは反対側の端との回転軸が延在する方向での厚みを従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００１７】
また、本発明の作業ユニットは、アーム装置と、内部に前記アーム装置を収納した収納部とを備え、前記収納部は、内部及び外部を連通させる連通口が形成され、前記アーム装置は、予め設定された長さに伸長したときに前記連通口に前記駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に前記収納部に収納された構成を有している。
【００１８】
この構成により、本発明の作業ユニットは、アーム装置が、予め設定された長さに伸長したときに連通口に駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に収納部に収納されているので、駆動アーム部が連通口に挿入されない構成と比較して小型化することができる。また、本発明の作業ユニットは、従来と比較してアーム装置の先端側を薄型化することができるので、従来と比較して連通口の幅を小さくすることができる。
【００１９】
また、本発明の作業装置は、アーム装置と、内部に前記アーム装置を収納した収納部と、内部が前記収納部の内部に連通する連通部とを備え、前記収納部の内部及び前記連通部の内部を連通させる連通口が形成され、前記アーム装置は、予め設定された長さに伸長したときに前記連通口に前記駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に前記収納部に収納された構成を有している。
【００２０】
この構成により、本発明の作業装置は、アーム装置が、予め設定された長さに伸長したときに連通口に駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に収納部に収納されているので、駆動アーム部が連通口に挿入されない構成と比較して小型化することができる。また、本発明の作業装置は、従来と比較してアーム装置の先端側を薄型化することができるので、従来と比較して連通口の幅を小さくすることができる。
【発明の効果】
【００２１】
本発明によれば、従来と比較して先端側を薄型化することができるアーム装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２２】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【００２３】
（第１の実施の形態）
まず、第１の実施の形態に係るアーム装置の構成について説明する。
【００２４】
図１から図６までにおいて、本実施の形態に係るアーム装置１００は、駆動されることによって回転軸１１１を中心に回転する駆動アーム部１１０と、駆動アーム部１１０の回転に従って駆動アーム部１１０に対して回転する従動アーム部１３０と、駆動アーム部１１０及び従動アーム部１３０の回転を同期させる同期リンク部１５０とを備えている。
【００２５】
ここで、駆動アーム部１１０は、基部１２１と、回転軸１１１を中心に回転可能に基部１２１に支持されたリンク１２２と、回転軸１１１とは異なる回転軸１１２を中心に回転可能に基部１２１に支持されたリンク１２３と、リンク１２２及びリンク１２３に回転可能に連結されたリンク１２４とを有しており、基部１２１、リンク１２２、リンク１２３及びリンク１２４によって平行リンク機構を構成している。
【００２６】
また、従動アーム部１３０は、リンク１２４と、リンク１２４に回転可能に連結されたリンク１４１及びリンク１４２と、リンク１４１及びリンク１４２に回転可能に連結されて図示していないハンドを取り付けるハンド取付部１４３とを有しており、リンク１２４、リンク１４１、リンク１４２及びハンド取付部１４３によって平行リンク機構を構成している。
【００２７】
また、同期リンク部１５０は、リンク１２３、リンク１２４及びリンク１４２と、リンク１２４に回転可能に連結されたリンク１６１と、リンク１４２及びリンク１６１に回転可能に連結されたリンク１６２と、リンク１２３及びリンク１６１に回転可能に連結されたリンク１６３とを有している。
【００２８】
なお、リンク１２３、リンク１２４、リンク１４２、リンク１６１、リンク１６２及びリンク１６３は、リンク１２３及びリンク１４２がリンク１２４に対して同期して逆方向に回転するように互いに連結されており、同期リンク部１５０は、リンク１２３、リンク１２４、リンク１４２、リンク１６１、リンク１６２及びリンク１６３によって駆動アーム部１１０及び従動アーム部１３０の回転を同期させるようになっている。
【００２９】
また、同期リンク部１５０のリンク１６１、リンク１６２及びリンク１６３の一部は、回転軸１１１が延在する矢印１１１ａで示す方向で駆動アーム部１１０に対して従動アーム部１３０側とは反対側に配置されている。
【００３０】
また、駆動アーム部１１０は、矢印１１１ａで示す方向で従動アーム部１３０側とは反対側に、矢印１１１ａで示す方向に重なったリンク１６１の一部を通過させる切欠き１２２ａが形成されている。
【００３１】
なお、アーム装置１００は、簡略化すると図７に示すようになる。
【００３２】
次に、本実施の形態に係るアーム装置の動作について説明する。
【００３３】
図示していないモータによってリンク１２２が基部１２１に対して回転軸１１１を中心に回転させられると、駆動アーム部１１０が回転軸１１１を中心に回転する。
【００３４】
駆動アーム部１１０が回転軸１１１を中心に回転すると、同期リンク部１５０が駆動アーム部１１０及び従動アーム部１３０の回転を同期させるので、従動アーム部１３０は、駆動アーム部１１０の回転に従って駆動アーム部１１０に対して回転する。
【００３５】
したがって、アーム装置１００は、モータによってリンク１２２が基部１２１に対して回転軸１１１を中心に回転させられることによって、図１に示すように収縮することや、図４に示すように伸長することができる。なお、アーム装置１００は、図１に示す状態から図４に示すように基部１２１に対してハンド取付部１４３を前進させることができるだけでなく、図１に示す状態から基部１２１に対してハンド取付部１４３を後退させることもできる。
【００３６】
また、リンク１２２を基部１２１に対して回転させるモータとは別の図示していないモータによって基部１２１が回転軸１１１を中心に回転させられると、アーム装置１００自体が回転軸１１１を中心に回転する。
【００３７】
以上に説明したように、アーム装置１００は、矢印１１１ａで示す方向で駆動アーム部１１０に対して従動アーム部１３０側とは反対側に同期リンク部１５０のリンク１６１、リンク１６２及びリンク１６３の一部が配置されているので、図６及び図７に示すように、従動アーム部１３０の駆動アーム部１１０側とは反対側の端１３０ａと、駆動アーム部１１０の従動アーム部１３０側とは反対側の端１１０ａとの矢印１１１ａで示す方向での厚み１０１を従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００３８】
また、アーム装置１００は、駆動アーム部１１０が、矢印１１１ａで示す方向で従動アーム部１３０側とは反対側に、矢印１１１ａで示す方向に重なったリンク１６１の一部を通過させる切欠き１２２ａを形成しているので、駆動アーム部１１０に対して従動アーム部１３０側とは反対側に配置された同期リンク部１５０の駆動アーム部１１０側とは反対側の端１５０ａと、従動アーム部１３０の駆動アーム部１１０側とは反対側の端１３０ａとの矢印１１１ａで示す方向での厚み１０２を、駆動アーム部１１０が切欠き１２２ａを形成していない場合と比較して駆動アーム部１１０の剛性を維持しつつ小さくすることができる。
【００３９】
なお、アーム装置１００は、本実施の形態において、同期リンク部１５０を備えていたが、本発明によれば、駆動アーム部１１０及び従動アーム部１３０の回転をリンクによって同期させるものであれば、同期リンク部１５０に代えて他の同期リンク部を備えていても良い。例えば、アーム装置１００は、図１６に示すような同期リンク部９３０を同期リンク部１５０に代えて備えていても良い。
【００４０】
（第２の実施の形態）
第２の実施の形態に係るアーム装置の構成について説明する。
【００４１】
図８において、本実施の形態に係るアーム装置２００は、駆動されることによって回転軸２１１を中心に回転する駆動アーム部２１０と、駆動アーム部２１０の回転に従って駆動アーム部２１０に対して回転する従動アーム部２３０と、互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して駆動アーム部２１０及び従動アーム部２３０の回転をリンクによって同期させる同期リンク部２５０とを備えている。
【００４２】
なお、駆動アーム部２１０、従動アーム部２３０及び同期リンク部２５０の構成は、以下に述べる構成を除いて、図１に示すアーム装置１００の駆動アーム部１１０、従動アーム部１３０及び同期リンク部１５０の構成と同様である。したがって、以下においては、駆動アーム部２１０、従動アーム部２３０及び同期リンク部２５０の構成のうち、駆動アーム部１１０、従動アーム部１３０及び同期リンク部１５０の構成と異なる構成についてのみ説明する。
【００４３】
同期リンク部２５０は、回転軸２１１が延在する矢印２１１ａで示す方向で駆動アーム部２１０及び従動アーム部２３０の間に配置されている。
【００４４】
また、駆動アーム部２１０は、矢印２１１ａで示す方向で従動アーム部２３０との間に、矢印２１１ａで示す方向に重なった同期リンク部２５０のリンクの少なくとも一部を通過させる切欠き２２２ａが形成されている。
【００４５】
なお、本実施の形態に係るアーム装置２００の動作は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００の動作とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【００４６】
以上に説明したように、アーム装置２００は、駆動アーム部２１０が、矢印２１１ａで示す方向で従動アーム部２３０との間に、矢印２１１ａで示す方向に重なった同期リンク部２５０のリンクの少なくとも一部を通過させる切欠き２２２ａを形成しているので、従動アーム部２３０の駆動アーム部２１０側とは反対側の端２３０ａと、駆動アーム部２１０の従動アーム部２３０側とは反対側の端２１０ａとの矢印２１１ａで示す方向での厚み２０１を、駆動アーム部２１０の剛性を維持しつつ従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００４７】
なお、本発明によれば、従動アーム部２３０が、矢印２１１ａで示す方向で駆動アーム部２１０との間に、矢印２１１ａで示す方向に重なった同期リンク部２５０のリンクの少なくとも一部を通過させる切欠きを形成していても良い。
【００４８】
（第３の実施の形態）
第３の実施の形態に係るアーム装置の構成について説明する。
【００４９】
図９及び図１０において、本実施の形態に係るアーム装置２６０は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００（図４及び図６参照）において駆動アーム部１１０（図４及び図６参照）を駆動アーム部２７０に代えたものである。したがって、アーム装置２６０の構成のうちアーム装置１００の構成と同様な構成については、アーム装置１００の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【００５０】
また、駆動アーム部２７０は、駆動アーム部１１０（図４及び図６参照）においてリンク１２２（図４及び図６参照）をリンク２７１に代えたものである。
【００５１】
なお、リンク１２２の構成と、リンク２７１の構成とは、以下に述べる構成を除いて同一である。
【００５２】
リンク１２２は、矢印１１１ａで示す方向で従動アーム部１３０側とは反対側に、矢印１１１ａで示す方向に重なったリンク１６１の一部を通過させる切欠き１２２ａ（図４及び図６参照）が形成されているのに対して、リンク２７１は、リンク１６１及びリンク１６３の一部を通過させる溝２７１ａが矢印１１１ａで示す方向の中央部分に形成されている。
【００５３】
なお、本実施の形態に係るアーム装置２６０の動作は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００の動作とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【００５４】
以上に説明したように、アーム装置２６０は、駆動アーム部２７０が、同期リンク部１５０の少なくとも一部を通過させる溝２７１ａを形成しているので、従動アーム部１３０の駆動アーム部２７０側とは反対側の端１３０ａと、駆動アーム部２７０の従動アーム部１３０側とは反対側の端２７０ａとの矢印１１１ａで示す方向での厚みを従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００５５】
（第４の実施の形態）
第４の実施の形態に係るアーム装置の構成について説明する。
【００５６】
図１１及び図１２において、本実施の形態に係るアーム装置２８０は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００（図４及び図６参照）において駆動アーム部１１０（図４及び図６参照）を駆動アーム部２９０に代えたものである。したがって、アーム装置２８０の構成のうちアーム装置１００の構成と同様な構成については、アーム装置１００の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【００５７】
また、駆動アーム部２９０は、駆動アーム部１１０（図４及び図６参照）においてリンク１２２（図４及び図６参照）をリンク２９１に代えたものである。
【００５８】
なお、リンク１２２の構成と、リンク２９１の構成とは、以下に述べる構成を除いて同一である。
【００５９】
リンク１２２は、矢印１１１ａで示す方向で従動アーム部１３０側とは反対側に、矢印１１１ａで示す方向に重なったリンク１６１の一部を通過させる切欠き１２２ａ（図４及び図６参照）が形成されているのに対して、リンク２９１は、リンク１６１の一部を通過させる溝２９１ａが形成されている。
【００６０】
なお、本実施の形態に係るアーム装置２８０の動作は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００の動作とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【００６１】
以上に説明したように、アーム装置２８０は、駆動アーム部２９０が、同期リンク部１５０の少なくとも一部を通過させる溝２９１ａを形成しているので、従動アーム部１３０の駆動アーム部２９０側とは反対側の端１３０ａと、駆動アーム部２９０の従動アーム部１３０側とは反対側の端２９０ａとの矢印１１１ａで示す方向での厚みを従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００６２】
（第５の実施の形態）
まず、第５の実施の形態に係る作業装置の構成について説明する。
【００６３】
図１３から図１５までにおいて、本実施の形態に係る作業装置３００は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００と、アーム装置１００を収納した収納室（メインチャンバー）３１５ａが内部に形成された収納部３１５とを有した作業ユニット３１０を備えている。なお、収納部３１５は、収納室３１５ａと外部とを連通させる連通口３１６、連通口３１７及び連通口３１８が形成されている。
【００６４】
また、作業装置３００は、連通口３１６の開閉を行うゲート部３２１と、連通口３１７の開閉を行うゲート部３２２と、連通口３１８の開閉を行うゲート部３２３と、連通口３１６を介して収納室３１５ａに連通する連通室（サイドチャンバー）３３０ａが内部に形成された連通部３３０と、連通口３１７を介して収納室３１５ａに連通する連通室（サイドチャンバー）３４０ａが内部に形成された連通部３４０とを備えている。
【００６５】
ここで、収納室３１５ａ、連通室３３０ａ及び連通室３４０ａは、図示していない減圧装置によって減圧されるようになっている。
【００６６】
また、連通室３３０ａ及び連通室３４０ａは、ウエハを処理する図示していない処理装置を収納している。
【００６７】
また、アーム装置１００は、図１４及び図１５に示すように、予め設定された長さ以上に伸長したときに駆動アーム部１１０の少なくとも一部が連通口３１６に挿入される位置に収納室３１５ａに収納されている。
【００６８】
また、アーム装置１００は、図示していないが、ハンド取付部１４３にハンドが取り付けられている。
【００６９】
次に、本実施の形態に係る作業装置の動作について説明する。
【００７０】
アーム装置１００が図１３に示す状態であるとき、ゲート部３２３が開き、収納部３１５の外部に設置された図示していない装置が、収納部３１５の連通口３１８及びゲート部３２３を介してアーム装置１００のハンドにウエハを保持させた後、ゲート部３２３が閉じる。
【００７１】
ゲート部３２３が閉じると、アーム装置１００自体が回転軸１１１を中心に矢印１９１に示す方向に略９０度回転して停止する。
【００７２】
アーム装置１００が回転を停止すると、ゲート部３２１が開き、アーム装置１００が、図１４及び図１５に示すように伸長して収納部３１５の連通口３１６及びゲート部３２１を介して連通室３３０ａに先端側を移動させて処理装置までウエハを搬送し、収縮して収納室３１５ａに先端側を移動させた後、ゲート部３２１が閉じる。
【００７３】
ゲート部３２１が閉じると、処理装置がウエハの処理を開始する。
【００７４】
処理装置によるウエハの処理が終了すると、ゲート部３２１が開き、アーム装置１００は、再び伸長して連通室３３０ａに先端側を移動させ、処理装置からウエハを受け取り、収縮して収納室３１５ａに先端側を移動させた後、ゲート部３２１が閉じる。
【００７５】
ゲート部３２１が閉じると、アーム装置１００自体が回転軸１１１を中心に矢印１９２に示す方向に略９０度回転して停止し、連通室３３０ａに収納された処理装置によるウエハの処理と同様に、連通室３４０ａに収納された処理装置によるウエハの処理も行われる。
【００７６】
そして、連通室３４０ａに収納された処理装置によるウエハの処理が終了すると、ゲート部３２３が開き、収納部３１５の外部に設置された図示していない装置が、収納部３１５の連通口３１８及びゲート部３２３を介してアーム装置１００のハンドからウエハを受け取る。
【００７７】
以上に説明したように、アーム装置１００が、予め設定された長さに伸長したときに連通口３１６に駆動アーム部１１０の少なくとも一部が挿入される位置に収納部３１５に収納されているので、収納部３１５は、駆動アーム部１１０が連通口３１６に挿入されない構成と比較して、容積を減少させることができる。したがって、作業ユニット３１０及び作業装置３００は、駆動アーム部１１０が連通口３１６に挿入されない構成と比較して、小型化することができるとともに、収納室３１５ａを減圧する減圧装置への負担を減少することができる。
【００７８】
また、上述したように、アーム装置１００が従来と比較して先端側を薄型化することができるので、作業ユニット３１０及び作業装置３００は、図１５に示すように、回転軸１１１が延在する矢印１１１ａで示す方向での連通口３１６の幅３１６ａを従来と比較して小さくすることができる。
【００７９】
なお、作業ユニット３１０及び作業装置３００は、本実施の形態において、アーム装置１００自体が回転して伸縮を行う構成であったが、本発明によれば、アーム装置１００自体が回転せずに単に伸縮だけを行う構成であっても良い。
【００８０】
また、作業ユニット３１０及び作業装置３００は、本実施の形態において、第１の実施の形態に係るアーム装置１００を備えていたが、本発明によれば、第２の実施の形態に係るアーム装置２００（図８参照）、第３の実施の形態に係るアーム装置２６０（図９参照）又は第４の実施の形態に係るアーム装置２８０（図１１参照）をアーム装置１００に代えて備えていても良い。
【図面の簡単な説明】
【００８１】
【図１】本発明の第１の実施の形態に係るアーム装置の収縮した状態での上面図
【図２】図１に示す状態でのアーム装置の概略構成図
【図３】図１の矢印Ａで示す方向から見たアーム装置の側面図
【図４】図１に示すアーム装置の伸長した状態での上面図
【図５】図４に示す状態でのアーム装置の概略構成図
【図６】図４の矢印Ｂで示す方向から見たアーム装置の側面図
【図７】図１に示すアーム装置の模式図
【図８】本発明の第２の実施の形態に係るアーム装置の模式図
【図９】本発明の第３の実施の形態に係るアーム装置の伸長した状態での上面図
【図１０】図９の矢印Ｃで示す方向から見たアーム装置の側面図
【図１１】本発明の第４の実施の形態に係るアーム装置の伸長した状態での上面図
【図１２】図１１の矢印Ｄで示す方向から見たアーム装置の側面図
【図１３】本発明の第５の実施の形態に係る作業装置の上面断面図
【図１４】図１３に示す状態とは異なる状態での作業装置の上面断面図
【図１５】図１４の矢印Ｅで示す方向から見た作業装置の断面図
【図１６】従来のアーム装置の概略構成図
【図１７】図１６に示すアーム装置の模式図
【符号の説明】
【００８２】
１００ アーム装置
１１０ 駆動アーム部
１１１ 回転軸
１２２ａ 切欠き
１３０ 従動アーム部
１５０ 同期リンク部
１２３、１２４、１４２、１６１、１６２、１６３ リンク
２００ アーム装置
２１０ 駆動アーム部
２１１ 回転軸
２２２ａ 切欠き
２３０ 従動アーム部
２５０ 同期リンク部
２６０ アーム装置
２７０ 駆動アーム部
２７１ａ 溝
２８０ アーム装置
２９０ 駆動アーム部
２９１ａ 溝
３００ 作業装置
３１０ 作業ユニット
３１５ 収納部
３１６ 連通口
３３０ 連通部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、駆動されることによって回転する駆動アーム部、及び、駆動アーム部の回転に従って駆動アーム部に対して回転する従動アーム部を有したアーム装置と、このアーム装置を備えた作業ユニット及び作業装置とに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、アーム装置として、図１６及び図１７に示すようなアーム装置９００が知られている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
アーム装置９００は、駆動されることによって回転軸９１１を中心に回転する駆動アーム部９１０と、駆動アーム部９１０の回転に従って駆動アーム部９１０に対して回転する従動アーム部９２０と、互いに回転可能に連結された複数のリンク９３１、９３２、９３３、９３４、９３５、９３６を有して駆動アーム部９１０及び従動アーム部９２０の回転をリンク９３１、９３２、９３３、９３４、９３５、９３６によって同期させる同期リンク部９３０と、従動アーム部９２０の先端側に取り付けられたハンド９４０とを備えていた。
【０００４】
また、同期リンク部９３０は、回転軸９１１が延在する矢印９１１ａで示す方向で駆動アーム部９１０及び従動アーム部９２０の間に配置されていた。
【０００５】
そして、アーム装置９００は、例えば、図１７に示すように壁部９９０に形成された穴９９１にハンド９４０側を通過させて、通過させたハンド９４０で作業を行うことがあった。
【０００６】
【特許文献１】特開２０００−２０８５８８号公報（第１１−１２頁、第１４−１６図）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、上記従来のアーム装置９００においては、駆動アーム部９１０の少なくとも一部が穴９９１に挿入されるとき、ハンド９４０の従動アーム部９２０側とは反対側の端９４０ａと、駆動アーム部９１０の従動アーム部９２０側とは反対側の端９１０ａとの矢印９１１ａで示す方向での厚み９０１が、穴９９１の矢印９１１ａで示す方向での幅９９２以下でなければならず、幅９９２が厚み９０１より小さいとき、駆動アーム部９１０は穴９９１に挿入されることができないという問題が有った。
【０００８】
そこで、本発明は、従来と比較して先端側を薄型化することができるアーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するために、本発明のアーム装置は、駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、前記同期リンク部の少なくとも一部は、前記回転軸が延在する方向で前記駆動アーム部に対して前記従動アーム部側とは反対側に配置された構成を有している。
【００１０】
この構成により、本発明のアーム装置は、駆動アーム部の回転軸が延在する方向で駆動アーム部に対して従動アーム部側とは反対側に同期リンク部の少なくとも一部が配置されているので、従動アーム部の駆動アーム部側とは反対側の端と、駆動アーム部の従動アーム部側とは反対側の端との回転軸が延在する方向での厚みを従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００１１】
また、本発明のアーム装置は、前記駆動アーム部は、前記回転軸が延在する方向で前記従動アーム部側とは反対側に、前記回転軸が延在する方向に重なった前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きが形成された構成を有している。
【００１２】
この構成により、本発明のアーム装置は、駆動アーム部が、回転軸が延在する方向で従動アーム部側とは反対側に、回転軸が延在する方向に重なった同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きを形成しているので、駆動アーム部に対して従動アーム部側とは反対側に配置された同期リンク部の駆動アーム部側とは反対側の端と、従動アーム部の駆動アーム部側とは反対側の端との回転軸が延在する方向での厚みを、駆動アーム部が切欠きを形成していない場合と比較して駆動アーム部の剛性を維持しつつ小さくすることができる。
【００１３】
また、本発明のアーム装置は、駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の少なくとも一方は、前記回転軸が延在する方向で前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の間に、前記回転軸が延在する方向に重なった前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きが形成された構成を有している。
【００１４】
この構成により、本発明のアーム装置は、駆動アーム部及び従動アーム部の少なくとも一方が、回転軸が延在する方向で駆動アーム部及び従動アーム部の間に、回転軸が延在する方向に重なった同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きを形成しているので、従動アーム部の駆動アーム部側とは反対側の端と、駆動アーム部の従動アーム部側とは反対側の端との回転軸が延在する方向での厚みを、駆動アーム部の剛性を維持しつつ従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００１５】
また、本発明のアーム装置は、駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、前記駆動アーム部は、前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる溝が形成された構成を有している。
【００１６】
この構成により、本発明のアーム装置は、駆動アーム部が、同期リンク部の少なくとも一部を通過させる溝を形成しているので、従動アーム部の駆動アーム部側とは反対側の端と、駆動アーム部の従動アーム部側とは反対側の端との回転軸が延在する方向での厚みを従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００１７】
また、本発明の作業ユニットは、アーム装置と、内部に前記アーム装置を収納した収納部とを備え、前記収納部は、内部及び外部を連通させる連通口が形成され、前記アーム装置は、予め設定された長さに伸長したときに前記連通口に前記駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に前記収納部に収納された構成を有している。
【００１８】
この構成により、本発明の作業ユニットは、アーム装置が、予め設定された長さに伸長したときに連通口に駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に収納部に収納されているので、駆動アーム部が連通口に挿入されない構成と比較して小型化することができる。また、本発明の作業ユニットは、従来と比較してアーム装置の先端側を薄型化することができるので、従来と比較して連通口の幅を小さくすることができる。
【００１９】
また、本発明の作業装置は、アーム装置と、内部に前記アーム装置を収納した収納部と、内部が前記収納部の内部に連通する連通部とを備え、前記収納部の内部及び前記連通部の内部を連通させる連通口が形成され、前記アーム装置は、予め設定された長さに伸長したときに前記連通口に前記駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に前記収納部に収納された構成を有している。
【００２０】
この構成により、本発明の作業装置は、アーム装置が、予め設定された長さに伸長したときに連通口に駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に収納部に収納されているので、駆動アーム部が連通口に挿入されない構成と比較して小型化することができる。また、本発明の作業装置は、従来と比較してアーム装置の先端側を薄型化することができるので、従来と比較して連通口の幅を小さくすることができる。
【発明の効果】
【００２１】
本発明によれば、従来と比較して先端側を薄型化することができるアーム装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２２】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【００２３】
（第１の実施の形態）
まず、第１の実施の形態に係るアーム装置の構成について説明する。
【００２４】
図１から図６までにおいて、本実施の形態に係るアーム装置１００は、駆動されることによって回転軸１１１を中心に回転する駆動アーム部１１０と、駆動アーム部１１０の回転に従って駆動アーム部１１０に対して回転する従動アーム部１３０と、駆動アーム部１１０及び従動アーム部１３０の回転を同期させる同期リンク部１５０とを備えている。
【００２５】
ここで、駆動アーム部１１０は、基部１２１と、回転軸１１１を中心に回転可能に基部１２１に支持されたリンク１２２と、回転軸１１１とは異なる回転軸１１２を中心に回転可能に基部１２１に支持されたリンク１２３と、リンク１２２及びリンク１２３に回転可能に連結されたリンク１２４とを有しており、基部１２１、リンク１２２、リンク１２３及びリンク１２４によって平行リンク機構を構成している。
【００２６】
また、従動アーム部１３０は、リンク１２４と、リンク１２４に回転可能に連結されたリンク１４１及びリンク１４２と、リンク１４１及びリンク１４２に回転可能に連結されて図示していないハンドを取り付けるハンド取付部１４３とを有しており、リンク１２４、リンク１４１、リンク１４２及びハンド取付部１４３によって平行リンク機構を構成している。
【００２７】
また、同期リンク部１５０は、リンク１２３、リンク１２４及びリンク１４２と、リンク１２４に回転可能に連結されたリンク１６１と、リンク１４２及びリンク１６１に回転可能に連結されたリンク１６２と、リンク１２３及びリンク１６１に回転可能に連結されたリンク１６３とを有している。
【００２８】
なお、リンク１２３、リンク１２４、リンク１４２、リンク１６１、リンク１６２及びリンク１６３は、リンク１２３及びリンク１４２がリンク１２４に対して同期して逆方向に回転するように互いに連結されており、同期リンク部１５０は、リンク１２３、リンク１２４、リンク１４２、リンク１６１、リンク１６２及びリンク１６３によって駆動アーム部１１０及び従動アーム部１３０の回転を同期させるようになっている。
【００２９】
また、同期リンク部１５０のリンク１６１、リンク１６２及びリンク１６３の一部は、回転軸１１１が延在する矢印１１１ａで示す方向で駆動アーム部１１０に対して従動アーム部１３０側とは反対側に配置されている。
【００３０】
また、駆動アーム部１１０は、矢印１１１ａで示す方向で従動アーム部１３０側とは反対側に、矢印１１１ａで示す方向に重なったリンク１６１の一部を通過させる切欠き１２２ａが形成されている。
【００３１】
なお、アーム装置１００は、簡略化すると図７に示すようになる。
【００３２】
次に、本実施の形態に係るアーム装置の動作について説明する。
【００３３】
図示していないモータによってリンク１２２が基部１２１に対して回転軸１１１を中心に回転させられると、駆動アーム部１１０が回転軸１１１を中心に回転する。
【００３４】
駆動アーム部１１０が回転軸１１１を中心に回転すると、同期リンク部１５０が駆動アーム部１１０及び従動アーム部１３０の回転を同期させるので、従動アーム部１３０は、駆動アーム部１１０の回転に従って駆動アーム部１１０に対して回転する。
【００３５】
したがって、アーム装置１００は、モータによってリンク１２２が基部１２１に対して回転軸１１１を中心に回転させられることによって、図１に示すように収縮することや、図４に示すように伸長することができる。なお、アーム装置１００は、図１に示す状態から図４に示すように基部１２１に対してハンド取付部１４３を前進させることができるだけでなく、図１に示す状態から基部１２１に対してハンド取付部１４３を後退させることもできる。
【００３６】
また、リンク１２２を基部１２１に対して回転させるモータとは別の図示していないモータによって基部１２１が回転軸１１１を中心に回転させられると、アーム装置１００自体が回転軸１１１を中心に回転する。
【００３７】
以上に説明したように、アーム装置１００は、矢印１１１ａで示す方向で駆動アーム部１１０に対して従動アーム部１３０側とは反対側に同期リンク部１５０のリンク１６１、リンク１６２及びリンク１６３の一部が配置されているので、図６及び図７に示すように、従動アーム部１３０の駆動アーム部１１０側とは反対側の端１３０ａと、駆動アーム部１１０の従動アーム部１３０側とは反対側の端１１０ａとの矢印１１１ａで示す方向での厚み１０１を従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００３８】
また、アーム装置１００は、駆動アーム部１１０が、矢印１１１ａで示す方向で従動アーム部１３０側とは反対側に、矢印１１１ａで示す方向に重なったリンク１６１の一部を通過させる切欠き１２２ａを形成しているので、駆動アーム部１１０に対して従動アーム部１３０側とは反対側に配置された同期リンク部１５０の駆動アーム部１１０側とは反対側の端１５０ａと、従動アーム部１３０の駆動アーム部１１０側とは反対側の端１３０ａとの矢印１１１ａで示す方向での厚み１０２を、駆動アーム部１１０が切欠き１２２ａを形成していない場合と比較して駆動アーム部１１０の剛性を維持しつつ小さくすることができる。
【００３９】
なお、アーム装置１００は、本実施の形態において、同期リンク部１５０を備えていたが、本発明によれば、駆動アーム部１１０及び従動アーム部１３０の回転をリンクによって同期させるものであれば、同期リンク部１５０に代えて他の同期リンク部を備えていても良い。例えば、アーム装置１００は、図１６に示すような同期リンク部９３０を同期リンク部１５０に代えて備えていても良い。
【００４０】
（第２の実施の形態）
第２の実施の形態に係るアーム装置の構成について説明する。
【００４１】
図８において、本実施の形態に係るアーム装置２００は、駆動されることによって回転軸２１１を中心に回転する駆動アーム部２１０と、駆動アーム部２１０の回転に従って駆動アーム部２１０に対して回転する従動アーム部２３０と、互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して駆動アーム部２１０及び従動アーム部２３０の回転をリンクによって同期させる同期リンク部２５０とを備えている。
【００４２】
なお、駆動アーム部２１０、従動アーム部２３０及び同期リンク部２５０の構成は、以下に述べる構成を除いて、図１に示すアーム装置１００の駆動アーム部１１０、従動アーム部１３０及び同期リンク部１５０の構成と同様である。したがって、以下においては、駆動アーム部２１０、従動アーム部２３０及び同期リンク部２５０の構成のうち、駆動アーム部１１０、従動アーム部１３０及び同期リンク部１５０の構成と異なる構成についてのみ説明する。
【００４３】
同期リンク部２５０は、回転軸２１１が延在する矢印２１１ａで示す方向で駆動アーム部２１０及び従動アーム部２３０の間に配置されている。
【００４４】
また、駆動アーム部２１０は、矢印２１１ａで示す方向で従動アーム部２３０との間に、矢印２１１ａで示す方向に重なった同期リンク部２５０のリンクの少なくとも一部を通過させる切欠き２２２ａが形成されている。
【００４５】
なお、本実施の形態に係るアーム装置２００の動作は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００の動作とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【００４６】
以上に説明したように、アーム装置２００は、駆動アーム部２１０が、矢印２１１ａで示す方向で従動アーム部２３０との間に、矢印２１１ａで示す方向に重なった同期リンク部２５０のリンクの少なくとも一部を通過させる切欠き２２２ａを形成しているので、従動アーム部２３０の駆動アーム部２１０側とは反対側の端２３０ａと、駆動アーム部２１０の従動アーム部２３０側とは反対側の端２１０ａとの矢印２１１ａで示す方向での厚み２０１を、駆動アーム部２１０の剛性を維持しつつ従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００４７】
なお、本発明によれば、従動アーム部２３０が、矢印２１１ａで示す方向で駆動アーム部２１０との間に、矢印２１１ａで示す方向に重なった同期リンク部２５０のリンクの少なくとも一部を通過させる切欠きを形成していても良い。
【００４８】
（第３の実施の形態）
第３の実施の形態に係るアーム装置の構成について説明する。
【００４９】
図９及び図１０において、本実施の形態に係るアーム装置２６０は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００（図４及び図６参照）において駆動アーム部１１０（図４及び図６参照）を駆動アーム部２７０に代えたものである。したがって、アーム装置２６０の構成のうちアーム装置１００の構成と同様な構成については、アーム装置１００の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【００５０】
また、駆動アーム部２７０は、駆動アーム部１１０（図４及び図６参照）においてリンク１２２（図４及び図６参照）をリンク２７１に代えたものである。
【００５１】
なお、リンク１２２の構成と、リンク２７１の構成とは、以下に述べる構成を除いて同一である。
【００５２】
リンク１２２は、矢印１１１ａで示す方向で従動アーム部１３０側とは反対側に、矢印１１１ａで示す方向に重なったリンク１６１の一部を通過させる切欠き１２２ａ（図４及び図６参照）が形成されているのに対して、リンク２７１は、リンク１６１及びリンク１６３の一部を通過させる溝２７１ａが矢印１１１ａで示す方向の中央部分に形成されている。
【００５３】
なお、本実施の形態に係るアーム装置２６０の動作は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００の動作とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【００５４】
以上に説明したように、アーム装置２６０は、駆動アーム部２７０が、同期リンク部１５０の少なくとも一部を通過させる溝２７１ａを形成しているので、従動アーム部１３０の駆動アーム部２７０側とは反対側の端１３０ａと、駆動アーム部２７０の従動アーム部１３０側とは反対側の端２７０ａとの矢印１１１ａで示す方向での厚みを従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００５５】
（第４の実施の形態）
第４の実施の形態に係るアーム装置の構成について説明する。
【００５６】
図１１及び図１２において、本実施の形態に係るアーム装置２８０は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００（図４及び図６参照）において駆動アーム部１１０（図４及び図６参照）を駆動アーム部２９０に代えたものである。したがって、アーム装置２８０の構成のうちアーム装置１００の構成と同様な構成については、アーム装置１００の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【００５７】
また、駆動アーム部２９０は、駆動アーム部１１０（図４及び図６参照）においてリンク１２２（図４及び図６参照）をリンク２９１に代えたものである。
【００５８】
なお、リンク１２２の構成と、リンク２９１の構成とは、以下に述べる構成を除いて同一である。
【００５９】
リンク１２２は、矢印１１１ａで示す方向で従動アーム部１３０側とは反対側に、矢印１１１ａで示す方向に重なったリンク１６１の一部を通過させる切欠き１２２ａ（図４及び図６参照）が形成されているのに対して、リンク２９１は、リンク１６１の一部を通過させる溝２９１ａが形成されている。
【００６０】
なお、本実施の形態に係るアーム装置２８０の動作は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００の動作とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【００６１】
以上に説明したように、アーム装置２８０は、駆動アーム部２９０が、同期リンク部１５０の少なくとも一部を通過させる溝２９１ａを形成しているので、従動アーム部１３０の駆動アーム部２９０側とは反対側の端１３０ａと、駆動アーム部２９０の従動アーム部１３０側とは反対側の端２９０ａとの矢印１１１ａで示す方向での厚みを従来と比較して小さくすることができ、従来と比較して先端側を薄型化することができる。
【００６２】
（第５の実施の形態）
まず、第５の実施の形態に係る作業装置の構成について説明する。
【００６３】
図１３から図１５までにおいて、本実施の形態に係る作業装置３００は、第１の実施の形態に係るアーム装置１００と、アーム装置１００を収納した収納室（メインチャンバー）３１５ａが内部に形成された収納部３１５とを有した作業ユニット３１０を備えている。なお、収納部３１５は、収納室３１５ａと外部とを連通させる連通口３１６、連通口３１７及び連通口３１８が形成されている。
【００６４】
また、作業装置３００は、連通口３１６の開閉を行うゲート部３２１と、連通口３１７の開閉を行うゲート部３２２と、連通口３１８の開閉を行うゲート部３２３と、連通口３１６を介して収納室３１５ａに連通する連通室（サイドチャンバー）３３０ａが内部に形成された連通部３３０と、連通口３１７を介して収納室３１５ａに連通する連通室（サイドチャンバー）３４０ａが内部に形成された連通部３４０とを備えている。
【００６５】
ここで、収納室３１５ａ、連通室３３０ａ及び連通室３４０ａは、図示していない減圧装置によって減圧されるようになっている。
【００６６】
また、連通室３３０ａ及び連通室３４０ａは、ウエハを処理する図示していない処理装置を収納している。
【００６７】
また、アーム装置１００は、図１４及び図１５に示すように、予め設定された長さ以上に伸長したときに駆動アーム部１１０の少なくとも一部が連通口３１６に挿入される位置に収納室３１５ａに収納されている。
【００６８】
また、アーム装置１００は、図示していないが、ハンド取付部１４３にハンドが取り付けられている。
【００６９】
次に、本実施の形態に係る作業装置の動作について説明する。
【００７０】
アーム装置１００が図１３に示す状態であるとき、ゲート部３２３が開き、収納部３１５の外部に設置された図示していない装置が、収納部３１５の連通口３１８及びゲート部３２３を介してアーム装置１００のハンドにウエハを保持させた後、ゲート部３２３が閉じる。
【００７１】
ゲート部３２３が閉じると、アーム装置１００自体が回転軸１１１を中心に矢印１９１に示す方向に略９０度回転して停止する。
【００７２】
アーム装置１００が回転を停止すると、ゲート部３２１が開き、アーム装置１００が、図１４及び図１５に示すように伸長して収納部３１５の連通口３１６及びゲート部３２１を介して連通室３３０ａに先端側を移動させて処理装置までウエハを搬送し、収縮して収納室３１５ａに先端側を移動させた後、ゲート部３２１が閉じる。
【００７３】
ゲート部３２１が閉じると、処理装置がウエハの処理を開始する。
【００７４】
処理装置によるウエハの処理が終了すると、ゲート部３２１が開き、アーム装置１００は、再び伸長して連通室３３０ａに先端側を移動させ、処理装置からウエハを受け取り、収縮して収納室３１５ａに先端側を移動させた後、ゲート部３２１が閉じる。
【００７５】
ゲート部３２１が閉じると、アーム装置１００自体が回転軸１１１を中心に矢印１９２に示す方向に略９０度回転して停止し、連通室３３０ａに収納された処理装置によるウエハの処理と同様に、連通室３４０ａに収納された処理装置によるウエハの処理も行われる。
【００７６】
そして、連通室３４０ａに収納された処理装置によるウエハの処理が終了すると、ゲート部３２３が開き、収納部３１５の外部に設置された図示していない装置が、収納部３１５の連通口３１８及びゲート部３２３を介してアーム装置１００のハンドからウエハを受け取る。
【００７７】
以上に説明したように、アーム装置１００が、予め設定された長さに伸長したときに連通口３１６に駆動アーム部１１０の少なくとも一部が挿入される位置に収納部３１５に収納されているので、収納部３１５は、駆動アーム部１１０が連通口３１６に挿入されない構成と比較して、容積を減少させることができる。したがって、作業ユニット３１０及び作業装置３００は、駆動アーム部１１０が連通口３１６に挿入されない構成と比較して、小型化することができるとともに、収納室３１５ａを減圧する減圧装置への負担を減少することができる。
【００７８】
また、上述したように、アーム装置１００が従来と比較して先端側を薄型化することができるので、作業ユニット３１０及び作業装置３００は、図１５に示すように、回転軸１１１が延在する矢印１１１ａで示す方向での連通口３１６の幅３１６ａを従来と比較して小さくすることができる。
【００７９】
なお、作業ユニット３１０及び作業装置３００は、本実施の形態において、アーム装置１００自体が回転して伸縮を行う構成であったが、本発明によれば、アーム装置１００自体が回転せずに単に伸縮だけを行う構成であっても良い。
【００８０】
また、作業ユニット３１０及び作業装置３００は、本実施の形態において、第１の実施の形態に係るアーム装置１００を備えていたが、本発明によれば、第２の実施の形態に係るアーム装置２００（図８参照）、第３の実施の形態に係るアーム装置２６０（図９参照）又は第４の実施の形態に係るアーム装置２８０（図１１参照）をアーム装置１００に代えて備えていても良い。
【図面の簡単な説明】
【００８１】
【図１】本発明の第１の実施の形態に係るアーム装置の収縮した状態での上面図
【図２】図１に示す状態でのアーム装置の概略構成図
【図３】図１の矢印Ａで示す方向から見たアーム装置の側面図
【図４】図１に示すアーム装置の伸長した状態での上面図
【図５】図４に示す状態でのアーム装置の概略構成図
【図６】図４の矢印Ｂで示す方向から見たアーム装置の側面図
【図７】図１に示すアーム装置の模式図
【図８】本発明の第２の実施の形態に係るアーム装置の模式図
【図９】本発明の第３の実施の形態に係るアーム装置の伸長した状態での上面図
【図１０】図９の矢印Ｃで示す方向から見たアーム装置の側面図
【図１１】本発明の第４の実施の形態に係るアーム装置の伸長した状態での上面図
【図１２】図１１の矢印Ｄで示す方向から見たアーム装置の側面図
【図１３】本発明の第５の実施の形態に係る作業装置の上面断面図
【図１４】図１３に示す状態とは異なる状態での作業装置の上面断面図
【図１５】図１４の矢印Ｅで示す方向から見た作業装置の断面図
【図１６】従来のアーム装置の概略構成図
【図１７】図１６に示すアーム装置の模式図
【符号の説明】
【００８２】
１００ アーム装置
１１０ 駆動アーム部
１１１ 回転軸
１２２ａ 切欠き
１３０ 従動アーム部
１５０ 同期リンク部
１２３、１２４、１４２、１６１、１６２、１６３ リンク
２００ アーム装置
２１０ 駆動アーム部
２１１ 回転軸
２２２ａ 切欠き
２３０ 従動アーム部
２５０ 同期リンク部
２６０ アーム装置
２７０ 駆動アーム部
２７１ａ 溝
２８０ アーム装置
２９０ 駆動アーム部
２９１ａ 溝
３００ 作業装置
３１０ 作業ユニット
３１５ 収納部
３１６ 連通口
３３０ 連通部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、
前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、
互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、
前記同期リンク部の少なくとも一部は、前記回転軸が延在する方向で前記駆動アーム部に対して前記従動アーム部側とは反対側に配置されたことを特徴とするアーム装置。
【請求項２】
前記駆動アーム部は、前記回転軸が延在する方向で前記従動アーム部側とは反対側に、前記回転軸が延在する方向に重なった前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きが形成されたことを特徴とする請求項１に記載のアーム装置。
【請求項３】
駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、
前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、
互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、
前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の少なくとも一方は、前記回転軸が延在する方向で前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の間に、前記回転軸が延在する方向に重なった前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きが形成されたことを特徴とするアーム装置。
【請求項４】
駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、
前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、
互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、
前記駆動アーム部は、前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる溝が形成されたことを特徴とするアーム装置。
【請求項５】
請求項１から請求項４までの何れかに記載のアーム装置と、
内部に前記アーム装置を収納した収納部とを備え、
前記収納部は、内部及び外部を連通させる連通口が形成され、
前記アーム装置は、予め設定された長さに伸長したときに前記連通口に前記駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に前記収納部に収納されたことを特徴とする作業ユニット。
【請求項６】
請求項１から請求項４までの何れかに記載のアーム装置と、
内部に前記アーム装置を収納した収納部と、
内部が前記収納部の内部に連通する連通部とを備え、
前記収納部の内部及び前記連通部の内部を連通させる連通口が形成され、
前記アーム装置は、予め設定された長さに伸長したときに前記連通口に前記駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に前記収納部に収納されたことを特徴とする作業装置。
【請求項１】
駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、
前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、
互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、
前記同期リンク部の少なくとも一部は、前記回転軸が延在する方向で前記駆動アーム部に対して前記従動アーム部側とは反対側に配置されたことを特徴とするアーム装置。
【請求項２】
前記駆動アーム部は、前記回転軸が延在する方向で前記従動アーム部側とは反対側に、前記回転軸が延在する方向に重なった前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きが形成されたことを特徴とする請求項１に記載のアーム装置。
【請求項３】
駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、
前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、
互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、
前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の少なくとも一方は、前記回転軸が延在する方向で前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の間に、前記回転軸が延在する方向に重なった前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる切欠きが形成されたことを特徴とするアーム装置。
【請求項４】
駆動されることによって回転軸を中心に回転する駆動アーム部と、
前記駆動アーム部の回転に従って前記駆動アーム部に対して回転する従動アーム部と、
互いに回転可能に連結された複数のリンクを有して前記駆動アーム部及び前記従動アーム部の回転を前記リンクによって同期させる同期リンク部とを備え、
前記駆動アーム部は、前記同期リンク部の少なくとも一部を通過させる溝が形成されたことを特徴とするアーム装置。
【請求項５】
請求項１から請求項４までの何れかに記載のアーム装置と、
内部に前記アーム装置を収納した収納部とを備え、
前記収納部は、内部及び外部を連通させる連通口が形成され、
前記アーム装置は、予め設定された長さに伸長したときに前記連通口に前記駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に前記収納部に収納されたことを特徴とする作業ユニット。
【請求項６】
請求項１から請求項４までの何れかに記載のアーム装置と、
内部に前記アーム装置を収納した収納部と、
内部が前記収納部の内部に連通する連通部とを備え、
前記収納部の内部及び前記連通部の内部を連通させる連通口が形成され、
前記アーム装置は、予め設定された長さに伸長したときに前記連通口に前記駆動アーム部の少なくとも一部が挿入される位置に前記収納部に収納されたことを特徴とする作業装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【公開番号】特開２００８−２８４６８９（Ｐ２００８−２８４６８９Ａ）
【公開日】平成２０年１１月２７日（２００８．１１．２７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２１４２６１（Ｐ２００８−２１４２６１）
【出願日】平成２０年８月２２日（２００８．８．２２）
【分割の表示】特願２００２−３００７９７（Ｐ２００２−３００７９７）の分割
【原出願日】平成１４年１０月１５日（２００２．１０．１５）
【出願人】（５０３４０５６８９）ナブテスコ株式会社 (737)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年１１月２７日（２００８．１１．２７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年８月２２日（２００８．８．２２）
【分割の表示】特願２００２−３００７９７（Ｐ２００２−３００７９７）の分割
【原出願日】平成１４年１０月１５日（２００２．１０．１５）
【出願人】（５０３４０５６８９）ナブテスコ株式会社 (737)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]