説明

エンジンの後処理システム

【課題】エンジンの低回転域で触媒を素早く昇温することができ、NO浄化性能を向上させることができるエンジンの後処理システムを提供する。
【解決手段】エンジン1に直列に接続された複数の過給器8、10と、エンジン1の排気通路3の最も下流側の過給器10のタービン19よりも下流側に配設された触媒31とを備えたエンジンの後処理システムにおいて、排気通路3の最も上流側の過給器8のタービン11の下流に、触媒31よりも容量の小さい小容量触媒32を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの後処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
年々厳しくなるディーゼル排気規制をクリアするために、排気ガスの一部を吸気通路に還流させ、燃焼温度を下げて、NOxの生成量を抑制するEGR装置(排気再循環装置)をエンジンに備えることが一般的となっている。
【0003】
また、エンジンの低回転域且つ高EGR条件下のようなタービンに流れる流量が少なくなる条件下でも安定した過給を行うために三段過給システムの開発も進められている。ここで、三段過給システムは、エンジンに近い方から直列に接続された高圧段過給器、中圧段過給器及び低圧段過給器と、エンジンの排気通路に接続され高圧段過給器のタービンをバイパスするバイパス流路と、そのバイパス流路に設けられたバイパスバルブとを備えたシステムであり、バイパスバルブの開閉を制御することでタービンに流れる排気ガスの流量をコントロールしてサージングの発生を防ぐシステムである(例えば、特許文献1等参照)。
【0004】
また、年々厳しくなるディーゼル排気規制をクリアするために、排気通路の過給器よりも下流側に後処理装置を配設し、エンジンから排出される有害物質を低減することが必須となっている(特許文献2等参照)。後処理装置には、NOとNO2との可逆反応等を行う酸化触媒(DOC)、煤等を捕集し再生するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)やNOを浄化する選択還元触媒(SCR)等があり、これら後処理装置を複合して使用している。
【0005】
【特許文献1】特開2007−263040号公報
【特許文献2】特開2006−183605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、エンジンの低回転域且つ高EGR条件下において、燃焼温度が低下することで排気ガスの温度も低下する。また、三段過給システムにおいては、エンジンから排出された排気ガスは三段過給器(高圧段過給器、中圧段過給器及び低圧段過給器)を通過する間に大気中に放熱し、その温度が低下する。そのため、三段過給システムにおいて、排気通路の三段過給器よりも下流側に後処理装置を配設した場合、後処理装置の触媒へと供給される排気ガスの温度が低くなる。その結果触媒の昇温が遅れ、触媒の性能を十分に発揮することができずNOの浄化が満足に行われない虞がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、エンジンの低回転域で触媒を素早く昇温することができ、NO浄化性能を向上させることができるエンジンの後処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第一の発明は、エンジンに直列に接続された複数の過給器と、上記エンジンの排気通路の最も下流側の過給器のタービンよりも下流側に配設された触媒とを備えたエンジンの後処理システムであって、上記排気通路の最も上流側の過給器のタービンの下流に、上記触媒よりも容量の小さい小容量触媒を配設したものである。
【0009】
ここで、上記排気通路に接続され最も上流側の過給器のタービン及び上記小容量触媒をバイパスするバイパス流路と、該バイパス流路に設けられ上記バイパス流路を開閉可能なバイパスバルブと、該バイパスバルブを制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、最も上流側の過給器のタービン及び上記小容量触媒に供給される排気ガスの流量が所定流量以上となるときは、上記バイパスバルブを開制御するものであっても良い。
【0010】
第二の発明は、エンジンに接続された過給器と、上記エンジンの排気通路の上記過給器のタービンよりも下流側に配設された触媒とを備えたエンジンの後処理システムであって、上記排気通路の上記過給器のタービンと上記触媒との間に、上記触媒よりも容量の小さい小容量触媒を配設したものである。
【0011】
ここで、上記排気通路に接続され上記小容量触媒をバイパスするバイパス流路と、該バイパス流路に設けられ上記バイパス流路を開閉可能なバイパスバルブと、該バイパスバルブを制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記小容量触媒に供給される排気ガスの温度が所定温度以上となるとき或いは上記小容量触媒に供給される排気ガスの流量が所定流量以上となるときは、上記バイパスバルブを開制御するものであっても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エンジンの低回転域で触媒を素早く昇温することができ、NO浄化性能を向上させることができるエンジンの後処理システムを提供することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る後処理システムを適用したエンジンの概略図である。
【0015】
本実施形態は、車両用のディーゼルエンジンに適用したものである。
【0016】
図1中、1がエンジン本体、2がエンジン本体1に接続され吸気が流通する吸気管(吸気通路)、3がエンジン本体1に接続され排気ガスが流通する排気管(排気通路)、4が排気管3内の排気ガスの一部を吸気管2に還流させるためのEGR装置(排気再循環装置)である。
【0017】
EGR装置4は、排気管3と吸気管2とを連通し、EGRガス(排気ガス)が流通するEGR管(EGR通路)5と、EGR管5に設けられ、EGRガスを冷却するEGRクーラ6と、EGR管5に設けられ、EGR率或いはEGR量を制御するためのEGRバルブ7とを有している。
【0018】
エンジン本体1には、複数の過給器(本実施形態では、高圧段過給器8、中圧段過給器9及び低圧段過給器10)が直列に接続されている。なお、中圧段過給器9或いは低圧段過給器10を省略して、二段過給システムとしても良い。
【0019】
高圧段過給器8は、エンジン本体1から導入される排気ガスを受けて駆動される高圧段タービン11と、高圧段タービン11によって駆動され、エンジン本体1に供給する吸気を昇圧するための高圧段コンプレッサ12とを有している。
【0020】
吸気管2には、高圧段コンプレッサ12により昇圧した吸気を冷却するインタークーラ13が設けられている。
【0021】
高圧段タービン11は、排気管3に接続され、高圧段タービン11及び後述する小容量触媒32をバイパスする排気バイパス管(バイパス流路)14と、排気バイパス管14に設けられ、排気バイパス管14を開閉可能な排気バイパスバルブ(バイパスバルブ)15とを有している。排気バイパスバルブ15は、後述するコントローラ16によって開度が制御される流量制御バルブである。
【0022】
高圧段コンプレッサ12は、吸気管2に接続され、高圧段コンプレッサ12をバイパスする吸気バイパス流路としての吸気バイパス管17と、吸気バイパス管17に設けられ、高圧段コンプレッサ12の入口圧が出口圧を超えると開となる吸気バイパスバルブ18とを有している。
【0023】
中圧段過給器9は、エンジン本体1から導入される排気ガスを受けて駆動される中圧段タービン20と、中圧段タービン20によって駆動され、エンジン本体1に供給する吸気を昇圧するための中圧段コンプレッサ21とを有している。
【0024】
吸気管2には、中圧段コンプレッサ21により昇圧した吸気を冷却するインタークーラ22が設けられている。
【0025】
中圧段タービン20は、ウェイストゲート式のものであり、中圧段タービン20をバイパスするウェイストゲート流路としてのウェイストゲート管23と、ウェイストゲート管23に設けられ、所定の排圧を超えると開となるウェイストゲートバルブ24とを有している。
【0026】
低圧段過給器10は、エンジン本体1から導入される排気ガスを受けて駆動される低圧段タービン19と、低圧段タービン19によって駆動され、エンジン本体1に供給する吸気を昇圧するための低圧段コンプレッサ25とを有している。
【0027】
吸気管2には、低圧段コンプレッサ25により昇圧した吸気を冷却するインタークーラ26が設けられている。
【0028】
低圧段タービン19は、ウェイストゲート式のものであり、低圧段タービン19をバイパスするウェイストゲート流路としてのウェイストゲート管27と、ウェイストゲート管27に設けられ、所定の排圧を超えると開となるウェイストゲートバルブ28とを有している。
【0029】
排気バイパスバルブ15を制御するための制御手段としてのコントローラ16が設けられる。コントローラ16には、過給圧(吸気マニフォールド内圧力)を検出する過給圧検出手段としての過給圧センサ29、及び、排圧(排気マニフォールド内圧力)を検出する排圧検出手段としての排圧センサ30が接続され、これらセンサ29、30からの出力がコントローラ16に入力される。
【0030】
コントローラ16は、エンジンの低回転域ではEGRバルブ7を開き、エンジンの高回転域ではEGRバルブ7を絞るようにEGRバルブ7を制御する。
【0031】
また、本実施形態では、排気管3の最も下流側の過給器のタービン(本実施形態では、低圧段タービン19)よりも下流側に触媒31を配設し、排気管3の最も上流側の過給器のタービン(本実施形態では、高圧段タービン11)の下流に、触媒31よりも容量の小さい小容量触媒32を配設している。
【0032】
本実施形態では、触媒31として、上流側から順に、DOC(酸化触媒)33、SCR(選択還元触媒)35、DOC(酸化触媒)36を排気管3に配設し、排気管3のDOC33とSCR35との間に、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)34を配設している。図示はしないが、排気管3のDPF34とSCR35との間に、排気管3内に尿素水を噴射する尿素噴射装置が配設される。前段のDOC33はNOを酸化してNO2を増やしておくためのものである。DPF34は煤等を捕集し再生するものである。SCR35はNOを浄化するものである。後段のDOC36はNOの浄化反応に寄与しないNH3をN2に変えるためのものである。
【0033】
また、本実施形態では、小容量触媒32として、上流側から順に、小容量DOC(酸化触媒)37、小容量SCR(選択還元触媒)38を排気管3に配設している。小容量DOC37はNOを酸化してNO2を増やしておくためのものである。小容量SCR38はNOを浄化するものである。なお、小容量SCR38の還元反応に尿素を用いる場合には、排気管3の小容量DOC37と小容量SCR38との間に、排気管3内に尿素水を噴射する尿素噴射装置を配設する。
【0034】
次に本実施形態の作用を説明する。
【0035】
本実施形態では、コントローラ16は、エンジンの低回転域且つ高EGR条件下のように高圧段タービン11及び小容量触媒32に供給される排気ガスの流量が所定流量未満となるときに、排気バイパスバルブ15を閉じて(閉制御して)、排気バイパス管14を閉鎖する。即ち、本実施形態では、高圧段タービン11及び小容量触媒32に供給される排気ガスの流量が少なくなるエンジンの低回転域且つ高EGR運転時には、エンジン本体1からの排気ガスが小容量触媒32に導入される。
【0036】
また、コントローラ16は、エンジンの高回転域且つ低EGR条件下のように高圧段タービン11及び小容量触媒32に供給される排気ガスの流量が上記所定流量以上となるときに、排気バイパスバルブ15を開いて(開制御して)、排気バイパス管14を開放する。即ち、本実施形態では、高圧段タービン11及び小容量触媒32に供給される排気ガスの流量が多くなるエンジンの高回転域且つ低EGR運転時には、エンジン本体1からの排気ガスは排気バイパス管14を通って排気管3の小容量触媒32下流側へと流され、小容量触媒32には導入されない。
【0037】
排気バイパスバルブ15の開閉制御に用いる排気ガスの流量の閾値(上記所定流量)は小容量触媒32の容量や性能に依存するため、使用する小容量触媒32の容量や性能に応じて設定される。
【0038】
本実施形態によれば、排気管3の高圧段タービン11の下流に、低圧段タービン19下流に配設される触媒31よりも容量の小さい小容量触媒32を配設したので、高圧段タービン11を通過した高温の排気ガスを小容量触媒32に導入することができる。そのため、小容量SCR38はNO浄化可能温度への到達が早くなり、小容量SCR38によるNO浄化を促進することが可能となり、システム全体におけるエンジンの低回転域且つ高EGR条件下でのNO浄化性能を向上させることが可能となる。特にエンジン始動開始直後等は小容量SCR38による高いNO浄化効果を発揮することができる。
【0039】
また、本実施形態では、コントローラ16は、エンジンの高回転域且つ低EGR条件下のように高圧段タービン11及び小容量触媒32に供給される排気ガスの流量が所定流量以上となるときは、排気バイパスバルブ15を開制御して、エンジン本体1からの排気ガスを小容量触媒32には導入しないようにしている。即ち、排気ガスの流量が少ないときのみに小容量触媒32の使用を制限することで空間速度の上昇を防ぐことができるため、少容量触媒32の容積も抑えられる。そのため、小容量SCR38は低圧段タービン19下流のSCR35よりも昇温速度が速く、NO浄化可能温度に素早く到達することができる。
【0040】
また、低圧段タービン19下流のSCR35がNO浄化可能温度に到達した後でも、小容量SCR38において高いNO浄化率が望める条件(例えば、アイドル時の小流量の排気ガス条件)等で小容量SCR38を使用することで、触媒31のみで小容量触媒32を配設しない場合と比較して高いNO低減効果が期待できる。
【0041】
次に、本発明の別の実施形態を図2により説明する。
【0042】
図2の実施形態では、エンジン本体(図示せず)に、過給器41が接続されている。図2の実施形態では、排気管42の過給器41のタービン43よりも下流側に触媒44を配設し、排気管42のタービン43と触媒44との間に、触媒44よりも容量の小さい小容量触媒45を配設している。
【0043】
図2の実施形態では、触媒44として、上流側から順に、DOC(酸化触媒)46、SCR(選択還元触媒)48、DOC(酸化触媒)49を排気管42に配設し、排気管42のDOC46とSCR48との間に、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)47を配設している。図示はしないが、排気管42のDPF47とSCR48との間に、排気管42内に尿素水を噴射する尿素噴射装置が配設される。前段のDOC46はNOを酸化してNO2を増やしておくためのものである。DPF47は煤等を捕集し再生するものである。SCR48はNOを浄化するものである。後段のDOC49はNOの浄化反応に寄与しないNH3をN2に変えるためのものである。
【0044】
また、図2の実施形態では、小容量触媒45として、上流側から順に、小容量DOC(酸化触媒)50、小容量SCR(選択還元触媒)51を排気管42に配設している。小容量DOC50はNOを酸化してNO2を増やしておくためのものである。小容量SCR51はNOを浄化するものである。なお、小容量SCR51の還元反応に尿素を用いる場合には、排気管42の小容量DOC50と小容量SCR51との間に、排気管42内に尿素水を噴射する尿素噴射装置を配設する。
【0045】
また、図2の実施形態では、排気管42には小容量触媒45をバイパスするバイパス管(バイパス流路)52が接続されており、バイパス管52にはバイパス管52を開閉可能なバイパスバルブ53が配設されている。バイパスバルブ53は、コントローラ(制御手段)54によって開度が制御される流量制御バルブである。
【0046】
また、コントローラ54には、小容量触媒45に供給される排気ガスの温度を検出する排気温度検出手段としての排気温度センサ55、及び、小容量触媒45に供給される排気ガスの流量を検出する流量検出手段としての流量センサ56が接続され、これらセンサ55、56からの出力がコントローラ54に入力される。
【0047】
図2の実施形態においては、コントローラ54は、排気温度センサ55で検出される排気ガスの温度が所定温度未満のとき或いは流量センサ56で検出される排気ガスの流量が所定流量未満のときに、バイパスバルブ53を閉じて(全閉制御して)、バイパス管52を閉鎖する。即ち、図2の実施形態では、タービン43及び小容量触媒45に供給される排気ガスの温度が低くなり或いは排気ガスの流量が少なくなるエンジンの低回転域且つ高EGR運転時には、エンジン本体からの排気ガスが小容量触媒45に導入される。
【0048】
また、コントローラ54は、排気温度センサ55で検出される排気ガスの温度が上記所定温度以上のとき或いは流量センサ56で検出される排気ガスの流量が上記所定流量以上のときに、バイパスバルブ53を開いて(全開制御して)、バイパス管52を開放する。即ち、図2の実施形態では、タービン43及び小容量触媒45に供給される排気ガスの温度が高くなり或いは排気ガスの流量が多くなるエンジンの高回転域且つ低EGR運転時には、エンジン本体からの排気ガスはバイパス管52を通って排気管42の小容量触媒45下流側へと流され、小容量触媒45には導入されない。
【0049】
バイパスバルブ53の開閉制御に用いる排気ガスの温度及び流量の閾値(上記所定温度及び上記所定流量)は小容量触媒45の容量や性能に依存するため、使用する小容量触媒45の容量や性能に応じて設定される。
【0050】
図2の実施形態によれば、排気管42のタービン43と触媒44との間に、触媒44よりも容量の小さい小容量触媒45を配設したので、タービン43を通過した高温の排気ガスを小容量触媒45に導入することができる。そのため、小容量SCR51はNO浄化可能温度への到達が早くなり、小容量SCR51によるNO浄化を促進することが可能となり、システム全体におけるエンジンの低回転域且つ高EGR条件下でのNO浄化性能を向上させることが可能となる。特にエンジン始動開始直後等は小容量SCR51による高いNO浄化効果を発揮することができる。
【0051】
また、図2の実施形態では、コントローラ54は、エンジンの高回転域且つ低EGR条件下のように小容量触媒45に供給される排気ガスの温度が所定温度以上となるとき或いは排気ガスの流量が所定流量以上となるときは、バイパスバルブ53を開制御して、エンジン本体からの排気ガスを小容量触媒45には導入しないようにしている。このようにすることにより、少容量触媒45にとって都合の悪い大量の排気ガス及び高温過ぎる排気ガスが小容量触媒45に供給される状況を回避することができる。
【0052】
また、触媒44がNO浄化可能温度に到達した後でも、小容量SCR51において高いNO浄化率が望める条件(例えば、アイドル時の小流量の排気ガス条件)等で小容量SCR51を使用することで、触媒44のみで小容量触媒45を配設しない場合と比較して高いNO低減効果が期待できる。
【0053】
図3にシミュレーションを用いて算出したNO排出量(排気管42からのNO排出量)を示す。図3より、SCR48の容量を20Lとした場合に、小容量DOC50の容量を5Lとすると共に小容量SCR51の容量を5Lとしたケースでは、触媒44のみで小容量触媒45を配設しないケースと比較して約48%のNO低減効果が期待できる。
【0054】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず他の様々な実施形態を採ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る後処理システムを適用したエンジンの概略図である。
【図2】図2は、本発明の別の実施形態に係る後処理システムを適用したエンジンの概略図である。
【図3】図3は、シミュレーションを用いて算出したNO排出量を示すグラフである。
【符号の説明】
【0056】
1 エンジン本体(エンジン)
3 排気管(排気通路)
8 高圧段過給器(最も上流側の過給器)
10 低圧段過給器(最も下流側の過給器)
11 高圧段タービン(タービン)
14 排気バイパス管(バイパス流路)
15 排気バイパスバルブ(バイパスバルブ)
16 コントローラ(制御手段)
19 低圧段タービン(タービン)
31 触媒
32 小容量触媒
41 過給器
42 排気管(排気通路)
43 タービン
44 触媒
45 小容量触媒
52 バイパス管(バイパス流路)
53 バイパスバルブ
54 コントローラ(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンに直列に接続された複数の過給器と、上記エンジンの排気通路の最も下流側の過給器のタービンよりも下流側に配設された触媒とを備えたエンジンの後処理システムであって、上記排気通路の最も上流側の過給器のタービンの下流に、上記触媒よりも容量の小さい小容量触媒を配設したことを特徴とするエンジンの後処理システム。
【請求項2】
上記排気通路に接続され最も上流側の過給器のタービン及び上記小容量触媒をバイパスするバイパス流路と、該バイパス流路に設けられ上記バイパス流路を開閉可能なバイパスバルブと、該バイパスバルブを制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、最も上流側の過給器のタービン及び上記小容量触媒に供給される排気ガスの流量が所定流量以上となるときは、上記バイパスバルブを開制御する請求項1に記載のエンジンの後処理システム。
【請求項3】
エンジンに接続された過給器と、上記エンジンの排気通路の上記過給器のタービンよりも下流側に配設された触媒とを備えたエンジンの後処理システムであって、上記排気通路の上記過給器のタービンと上記触媒との間に、上記触媒よりも容量の小さい小容量触媒を配設したことを特徴とするエンジンの後処理システム。
【請求項4】
上記排気通路に接続され上記小容量触媒をバイパスするバイパス流路と、該バイパス流路に設けられ上記バイパス流路を開閉可能なバイパスバルブと、該バイパスバルブを制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記小容量触媒に供給される排気ガスの温度が所定温度以上となるとき或いは上記小容量触媒に供給される排気ガスの流量が所定流量以上となるときは、上記バイパスバルブを開制御する請求項3に記載のエンジンの後処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−121521(P2010−121521A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295753(P2008−295753)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、革新的次世代低公害車総合技術開発委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】