説明

ゲート駆動回路

【課題】トランジスタの遮断遅延を抑制し、絶縁ゲート型トランジスタ(IGBT)の保護動作を向上できるゲート駆動回路を提供する。
【解決手段】絶縁ゲート型トランジスタ31のゲートに、相補型の対のトランジスタ41A,41Bを接続し、対のトランジスタ41A,41Bのベースライン42の電流制御により絶縁ゲート型トランジスタ31を駆動するゲート駆動回路25において、トランジスタ41A,41Bのベースライン42に、ターンオン時にベースライン電流で充電されるコンデンサCsと、ターンオフ時にコンデンサCsに充電された電荷を消費すると共に、絶縁ゲート型トランジスタ31のゲート電位上昇によりトランジスタ41Aのベースに供給された電荷を消費する抵抗Rb2とを並列接続した電荷消費回路43Aを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IGBTなどのパワー半導体を駆動するゲート駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
バイポーラトランジスタを用いたトーテムポールゲート駆動回路で絶縁ゲート型トランジスタ(Insulatede Gate Bipolar Transistor:IGBT)などのパワー半導体を駆動させる場合、過電流・短絡が生じても遮断できる保護回路が必要になる。
IGBTは、ゲート電圧を絞ることにより短絡電流を減じることができるパワー半導体であり、従来の保護回路は、過電流・短絡を検知し、IGBTのゲート電位を独立回路で直接低下させる構成が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、過電流・短絡時には保護回路がゲート電位を低下させると同時に、駆動回路を停止させる動作が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平8−10821号公報
【特許文献2】特許第3039092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特に短絡時にはIGBTのコレクタ−エミッタ間電圧であるVce電位が下がり、コレクタ−ゲート間の電荷(キャリア)がIGBTゲートに流入し、ゲート電位がベース電位(電源電圧)よりも持ち上がる現象が発生するとされている。
ゲート電位がトランジスタのベース電位よりも上昇すると、NPNトランジスタのエミッタからベースに電荷が供給されてトランジスタのベース電位が下がらず、保護回路が駆動回路を停止させようとしても電荷が抜けきるまでトランジスタがオン状態となり、結果的に短絡遮断遅延が発生してしまう。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、トランジスタの遮断遅延を抑制し、絶縁ゲート型トランジスタ(IGBT)の保護動作を向上できるゲート駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、絶縁ゲート型トランジスタのゲートに、相補型の対のトランジスタを接続し、対のトランジスタのベースラインの電流制御により絶縁ゲート型トランジスタを駆動するゲート駆動回路において、前記トランジスタのベースラインに、ターンオン時にベースライン電流で充電されるコンデンサと、ターンオフ時に前記コンデンサに充電された電荷を消費すると共に、前記絶縁ゲート型トランジスタのゲート電位上昇により前記トランジスタのベースに供給された電荷を消費する抵抗とを並列接続した電荷消費回路を設けたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、トランジスタのベースラインに、ターンオン時にベースライン電流で充電されるコンデンサと、ターンオフ時に前記コンデンサに充電された電荷を消費すると共に、前記絶縁ゲート型トランジスタのゲート電位上昇により前記トランジスタのベースに供給された電荷を消費する抵抗とを並列接続した電荷消費回路を設けたので、ターンオフ時にコンデンサに充電された電荷が電荷消費回路内の抵抗で消費されると共に、短絡などを原因としたゲート電位上昇により注入された電荷も上記抵抗で消費される。このため、異常時のゲート電位上昇があってもトランジスタの遮断遅延を抑制でき、ターンオフ性能が向上し、絶縁ゲート型トランジスタの保護動作を向上することができる。
また、ターンオフ時にコンデンサに充電された電荷が電荷消費回路内の抵抗で瞬間的に消費されるので、オフへの切替速度を早くできるため、IGBTスイッチング損失を低減することができる。
【0008】
また、上記構成において、前記ベースラインに、前記電荷消費回路と直列に接続される電流制限抵抗を設けるようにしてもよい。この構成によれば、トランジスタのベースへの電流を適正範囲内に確実に抑えることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、トランジスタのベースラインに、ターンオン時にベースライン電流で充電されるコンデンサと、ターンオフ時に前記コンデンサに充電された電荷を消費すると共に、前記絶縁ゲート型トランジスタのゲート電位上昇により前記トランジスタのベースに供給された電荷を消費する抵抗とを並列接続した電荷消費回路を設けたので、トランジスタの遮断遅延を抑制し、絶縁ゲート型トランジスタ(IGBT)の保護動作を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態を適用したモーター駆動装置の概要構成図である。
【図2】ゲート駆動回路を示す図である。
【図3】ゲート駆動回路を簡略的に示す図である。
【図4】比較例を示す図である。
【図5】(A)は比較例の回路のIGBT短絡波形を示す特性曲線図であり、(B)は、本回路のIGBT短絡波形を示す特性曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態を適用したモーター駆動装置の概要構成図である。
このモーター駆動装置100は、電気自動車或いはハイブリッド自動車に搭載される車載装置であり、車載バッテリーである外部電源12からの電力を、負荷としての車両駆動用のモーター30を駆動するための駆動電力に変換する電力変換装置10を備えている。
【0012】
電力変換装置10は、パワー半導体である絶縁ゲート型トランジスタ(Insulatede Gate Bipolar Transistor:以下、「IGBT」という)31H,31Lを用いた電力変換装置であり、入力側の高圧側入力端子13と低圧側入力端子14とに、外部電源12が接続され、出力側のU相出力端子15、V相出力端子16及びW相出力端子17に、三相交流モーター30が接続される。
この電力変換装置10は、コントローラー23の制御下で動作し、外部電源12から供給される直流電圧を、複数(本構成では6個)のスイッチング素子(IGBT31H,31L)を用いて三相交流電圧に変換し、各出力端子15〜17から車両駆動用の三相交流モーター30に出力することで、三相交流モーター30を回転駆動する。
【0013】
電力変換装置10は、高圧側入力端子13と低圧側入力端子14との間に設けられ、外部電源12から供給された直流電源の平滑化を行う平滑コンデンサ22と、複数(6個)のIGBT31H,31Lを備えたインバーター回路24と、インバーター回路24のIGBT31H,31Lを各々駆動するゲート駆動回路25を配置したゲート駆動基板26を備えている。
インバーター回路24は、U相出力端子15、V相出力端子16及びW相出力端子17の各々に対応するIGBT直列回路24U、24V、24Wを備えており、各IGBT直列回路24U、24V、24Wは、直列接続された一対のIGBT31H,31Lを備えている。
【0014】
インバーター回路24のIGBT31H,31Lのゲートは、ゲート駆動回路25に接続されている。ゲート駆動回路25は、IGBT31H,31Lの各々にゲート電圧を供給可能であり、IGBT31H,31Lへのゲート電圧をオン(Hiレベル)/オフ(Lowレベル)に制御することで、IGBT31H,31Lをスイッチングさせる。
IGBT直列回路24UのIGBT31Hは、高圧側入力端子13とU相出力端子15との間に接続され、U相出力端子15と低圧側入力端子14との間にIGBT32Lが接続され、これらIGBT31H,31LによりU相電流が出力される。
【0015】
また、IGBT直列回路24VのIGBT31Hは、高圧側入力端子13とV相出力端子16との間に接続され、V相出力端子16と低圧側入力端子14との間にはIGBT31Lが接続されており、これらIGBT31H,31LによりV相電流が出力される。IGBT直列回路24WのIGBT31Hは、高圧側入力端子13とW相出力端子17との間に接続され、W相出力端子17と低圧側入力端子14との間にはIGBT31Lが接続され、IGBT31H,31LによりW相電流が出力される。
各IGBT31H,31Lのコレクタ−エミッタ間には、転流ダイオード32Hが接続され、転流ダイオード32Hには、IGBT31H,31Lがオフの間にIGBT31H,31Lのエミッタ側からコレクタ側に電流が流れる。
【0016】
コントローラー23は、モーター駆動装置100の各部を制御するマイクロコンピューターとして機能し、U相のゲート駆動回路25に各々つながる信号ラインUH,UL、V相のゲート駆動回路25に各々つながる信号ラインVH,VL、及び、W相のゲート駆動回路25に各々つながる信号ラインWH,WLにモーター駆動信号を出力する等の動作を行う。
【0017】
次に、ゲート駆動回路25について説明する。ゲート駆動回路25は、IGBT31H,31Lのいずれのゲート駆動回路25も同構成であるため、以下、単一のゲート駆動回路25を説明する。また、以下の説明において、IGBT31H,31Lを特に区別して説明する必要がない場合には、IGBT31と表記する。
図2は、ゲート駆動回路25を示す図であり、図3は、ゲート駆動回路25を簡略的に示している。図2に示すように、ゲート駆動回路25は、トーテムポールゲート駆動回路で構成されており、プッシュプル回路を構成する相補型の対のトランジスタ41A,41Bを有する駆動回路部41と、駆動回路部41のトランジスタ41A,41Bのベースに共通接続されるベースライン42に設けられるベースライン回路部43と、ベースライン42に接続されるゲートドライバー(ゲートIC)44と、IGBT31の短絡や過電流を検出するための検出回路部45とを備えている。なお、ゲートドライバー44には、コントローラー23からモーター駆動信号が入力される端子や、コントローラー23へエラー出力する端子等が設けられている。
【0018】
トランジスタ41Aは、NPN型バイポーラトランジスタであり、このトランジスタ41AのエミッタがIGBT31のゲートに接続され、コレクタが電源電圧VDDが印可される電源ライン(高圧側入力端子13につながるライン)HLに接続され、オン状態の時に高いゲート電流を供給する。なお、図2及び図3中、IGBT31のゲートラインを符号31Gを付して示している。
トランジスタ41Bは、PNP型バイポーラトランジスタであり、このトランジスタ41BのコレクタがIGBT31のゲートに接続され、エミッタがアースライン(低圧側入力端子14につながるライン(GND))LLに接続され、オン状態の時にゲート放電経路を与える。
【0019】
また、図2中、抵抗41Cは、IGBT31のターンオン速度調整用の抵抗である。両トランジスタ41A,41Bは、バイポーラトランジスタであるため低い電圧で駆動できるメリットがある。この構成の下、IGBT31をオンにするには、両トランジスタ41A,41Bで共通のベースライン42に電荷が供給され(=ベースライン42がHiレベルにされ)、トランジスタ41Aがオンにされ、トランジスタ41Bがオフにされる。一方、トランジスタ41Aがオフにされ、トランジスタ41BがオンされたときにIGBT31がオフされる。
【0020】
検出回路部45は、IGBT31の過電流や短絡を検出する回路であり、検出結果をゲートドライバー44に出力する。本構成の検出回路部45は、IGBT31に設けられたセンス端子から出力される微少電流(センス電流)に基づいて過電流や短絡を検出する構成を示している。但し、この構成に限らず、公知の他の回路構成を適用してもよい。
【0021】
ところで、このゲート駆動回路25では、検出回路部45により過電流や短絡を検出すると、ゲートドライバー44がベースライン42をLowレベル(Hiインピーダンスにする場合も含む)にしてゲート電位を低下させる動作を行う。この際、特に短絡時には、IGBT31Lのコレクタ−エミッタ間電圧であるVce電位が下がり、コレクタ−ゲート間の電荷(キャリア)がIGBT31のゲートに流入してゲート電位がベース電位(電源電圧VDD)よりも持ち上がる現象、つまり、ゲート電位上昇が発生するおそれがある。
このゲート電位上昇は、トランジスタ(NPNトランジスタ)41Aのエミッタからベースに電荷が供給されてトランジスタ41Aのベース電位が低下しなくなる状況を招いてしまい、電荷が抜けきれるまでトランジスタ41Aがオフに切り替わらず、短絡遮断が遅れてしまう。
【0022】
この短絡遮断の遅延を解消するには、短絡などでゲート電位上昇があると仮定した場合にトランジスタ41Aのベースに注入された電荷を強制的に消費する回路を備えることが望まれる。また、その回路は、通常のターンオン・オフに悪影響を与えない回路(できれば良い方向に寄与する回路)であることが望まれる。
そこで、本構成では、トランジスタ41A,41Bのベースライン42に設けられるベースライン回路部43を、図2及び図3に示すように、電流制限抵抗Rb1と、抵抗Rb2とコンデンサCsとを並列接続した回路(電荷消費回路)43Aとを直列接続した回路構成にしている。
【0023】
次に、ゲート駆動回路25の動作を説明する。
まず、IGBT31をオンに切り替える場合を説明する。オフからオンへ切り替える場合、ゲートドライバー44は、ベースライン42をHiレベルにしてトランジスタ41A,41Bのベースに電流を供給する。この場合、電流制限抵抗Rb1を通過してコンデンサCsに貫通電流が流れると共に、このコンデンサCsに電荷がチャージされるため、コンデンサCsを付加したことによるIGBTオンスピードの低下はほぼなくなる。
【0024】
次いで、IGBT31をオフに切り替える場合を説明する。なお、オフに切り替える場合には、通常のスイッチング動作(モーター30の回転駆動を正常に行うためのスイッチング動作)の場合と、検出回路部45が過電流や短絡を検出した場合とがあるが、いずれもゲートドライバー44がベース電位を低下させる(ベースの電荷を引き抜く)点では共通であるため、まとめて説明する。なお、過電流や短絡を検出した場合には、ゲート電位を低下させると同時に各種回路を停止させる動作も行われる。
【0025】
オンからオフへ切り替える場合、ゲートドライバー44は、ベースライン42をLowレベル(Hiインピーダンスにする場合も含む)にする。この場合、コンデンサCsにチャージされている電荷が、抵抗Rb2を介して消費される閉回路(図3中、符号α参照)が形成されるので、電流制限抵抗Rb1による電荷の引き抜きが遅くなる要因があっても、この要因を相殺してベース電位の低下を早くすることができる。従って、両トランジスタ41A,41Bの切り替えを早くすることができ、IGBT31を素早くオフに切り替えることができる。
【0026】
また、このオンからオフに切り替える間、つまり、ターンオフ時に、短絡などを原因としてゲート電位上昇が生じており、トランジスタ41Aのエミッタからベースに電荷が注入されている場合には(図3中、符号β参照)、この注入された電荷が上記閉回路αに流れて抵抗Rb2で瞬間的に消費される。このため、ゲート電位上昇が生じてもベース電位の低下が早く、IGBT31を素早くオフに切り替えることができる。従って、ゲート電位上昇が生じても、オフへの切り替わりの遅延を抑制でき、短絡遮断を迅速に行うことが可能になる。
従って、ゲート駆動回路25内の電荷消費回路43Aは、通常のターンオン・オフに悪影響を与えることなく、ベースライン42の残存電荷を強制的に消費する回路として機能することができる。
【0027】
図4は、比較例を示している。この比較例は、図3に示すゲート駆動回路25から、電荷消費回路43Aを除いた回路である。また、図5(A)は、この比較例の回路におけるIGBT短絡波形を示す特性曲線図であり、図5(B)は、本ゲート駆動回路におけるIGBT短絡波形を示す特性曲線図である。
この図5(A)(B)では、横軸が時間(Time[μsec])を示し、縦軸が、電圧値或いは電流値を示しており、短絡時のトランジスタ41Aのオン時間を符号T1で各々示している。
また、図5中、符号Vgeは、IGBT31のゲート−エミッタ間電圧であるゲート電位であり、符号Icは、IGBT31のコレクタ電流であり、符号Vceは、IGBT31のコレクタ−エミッタ間電圧である。
【0028】
図5(A)(B)に示すように、本構成のトランジスタ41Aのオン時間T1は、比較例と比較して半分以下の長さであり(本構成では約3μsec、比較例では約7μsec)、短絡遮断の遅延を効果的に抑制できることが判る。
トランジスタ41Aのオン時間T1が短ければ、図5(A)(B)に示すように、ゲート電位Vgeが高い時間、及び、コレクタ電流Icが供給され続ける時間(コレクタ電流印可時間)を短くすることができ、IGBT31の耐量をオーバーする事態を効果的に回避できることが判る。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態では、トランジスタ41A,41Bのベースライン42に、ターンオン時にベースライン電流で充電されるコンデンサCsと、ターンオフ時にコンデンサCsに充電された電荷を消費すると共に、IGBT31のゲート電位上昇によりトランジスタ41Aのベースに供給された電荷を消費する抵抗Rb2とを並列接続した電荷消費回路43Aを設けたので、短絡などの異常時のゲート電位上昇があってもトランジスタ41Aの遮断遅延を抑制できる。このため、短絡保護機能などの保護機能が作用した際にトランジスタ41Aのオン状態が継続する事態を防止することができ、ターンオフ性能が向上し、IGBT31の保護動作を向上することができる。
【0030】
さらに、通常のターンオフ時であっても、コンデンサCsにチャージされた電荷が、抵抗Rb2を介して瞬間的に消費されるため、ベース電位の低下が早く、オンからオフへの切り替え速度を早くできる効果も奏する。
これらにより、本構成では、異常時のゲート電位上昇に起因するキャリアの注入があっても遮断時間の遅延を抑制でき、遮断時間を短縮できるという効果に加え、通常のスイッチングにおけるターンオフスピードが向上し、特にトランジスタ蓄積時間が改善されることでオフ性能が向上し、IGBT損失低減にも効果がある。
【0031】
また、本構成では、ベースライン42に、電荷消費回路43Aと直列に接続される電流制限抵抗Rb1を設けるので、トランジスタ41A,41Bのベースへの電流を適正範囲内に確実に抑えることができる。
また、本構成では、上記電力消費回路43Aを、車両駆動用モーター30を駆動するモーター駆動装置100の電力変換装置10に使用しているので、ターンオフスピードの向上などで車両の燃費向上、モーター制御のタイムラグ短縮などに有利である。
【0032】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形可能である。例えば、上述の実施形態では、電流制限抵抗Rb1を設ける場合について説明したが、電流制限抵抗Rb1を設けない構成にしてもよい。また、上述の実施形態では、モーター駆動装置100の電力変換装置10に使用されるゲート駆動回路25に本発明を適用する場合について説明したが、それ以外の装置に使用されるゲート駆動回路に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
10 電力変換装置
25 ゲート駆動回路
31,31H,31L 絶縁ゲート型トランジスタ(IGBT)
41A,41B トランジスタ
42 ベースライン
43A 電荷消費回路
44 ゲートドライバー
Cs コンデンサ
Rb1 電流制限抵抗
Rb2 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ゲート型トランジスタのゲートに、相補型の対のトランジスタを接続し、対のトランジスタのベースラインの電流制御により絶縁ゲート型トランジスタを駆動するゲート駆動回路において、
前記トランジスタのベースラインに、ターンオン時にベースライン電流で充電されるコンデンサと、ターンオフ時に前記コンデンサに充電された電荷を消費すると共に、前記絶縁ゲート型トランジスタのゲート電位上昇により前記トランジスタのベースに供給された電荷を消費する抵抗とを並列接続した電荷消費回路を設けたことを特徴とするゲート駆動回路。
【請求項2】
前記ベースラインに、前記電荷消費回路と直列に接続される電流制限抵抗を設けたことを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−9962(P2012−9962A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142092(P2010−142092)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】