説明

ディスクブレーキ

【課題】制動時のピストン突出量を均一にしてディスクロータ空転時の引き摺りの発生を防止することのできるディスクブレーキを提供する。
【解決手段】ディスクロータの両面に配置される一対のパッドを保持するキャリア5と、パッドを押圧するピストンを備えたキャリパ7を別体ブロックとして形成する。キャリパ7は支持ピン21を介してキャリア5に軸方向に摺動可能に支持させる。キャリア5とキャリパ7の間に、キャリパ7をセンタリングするコイルスプリング24を介装する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の車輪制動等に用いられるディスクブレーキに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の車輪制動に用いられるディスクブレーキは、車輪側に一体にディスクロータが取り付けられるとともに、車体側に取り付けられるキャリパにシリンダ部が設けられ、このシリンダ部のボア内に収容されたピストンが摩擦材であるパッドを介してディスクロータを押圧する構造となっている。
この種のディスクブレーキとして、ディスクロータのディスク軸線方向両側に夫々パッドを配置し、その両パッドを、対向配置された一対のピストンによって押圧する対向ピストン型のディスクブレーキが知られている。このディスクブレーキは、キャリパが車両の非回転部に固定されるとともに、対を成すパッドがディスク軸線方向に沿うピンによってキャリパに摺動自在に支持されるとともに、キャリパにパッドのディスク回転方向両端を支持する受承部が設けられ、この受承部によってパッドに作用する制動トルクを受け止めるようになっている。(例えば、特許文献1参照)。
この対向ピストン型のディスクブレーキにおいては、ピストンがキャリパ内部のピストンシールのリトラクト機能によって、それぞれ制動解除後に規定量後退するようになっているため、パッドクリアランスのコントロール性が良くなっている。
【特許文献1】特開2006−207655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この従来の対向ピストン型のディスクブレーキは、キャリパが車両の非回転部に固定されて不動であるため、制動時にディスクロータの熱によって発生するロータの熱倒れの状態では、キャリパに対してディスクロータ外周の軸方向位置が正規の位置からずれてしまうため、対向配置されたそれぞれのピストンの突出量が不均一になってしまう。この突出量の不均一な状態で制動が解除されて、それぞれのピストンが規定量後退しても突出量の不均一は解消されない。この状態でディスクロータの空転でロータ自体が冷却されていくと、キャリパに対してディスクロータ外周の軸方向位置が正規の位置に戻ることになるが、このときの移動方向は、突出量が多いピストンの方向になってしまう。このため、この突出量が多い側のピストンに対応するパッドがディスクロータに接触する、いわゆる引き摺りが発生し、この引き摺りとディスクロータの空転時の波打ち変形によってディスクロータの肉厚の変動を助長してしまい、これがブレーキジャダーの一因となっている。
【0004】
そこで、この発明は、制動時のピストン突出量を均一にしてディスクロータ空転時の引き摺りの発生を防止することのできるディスクブレーキを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、ディスクロータの両面に配置される一対のパッドをディスクロータの軸方向に摺動可能に支持して該パッドに制動トルクを受承するキャリアと、該キャリアに摺動可能に支持され、前記一対のパッドをそれぞれ押圧するべく、対向して設けられたピストンを有するキャリパとからなり、前記キャリアとキャリパとの間には、前記キャリパのディスクロータ軸方向中心を前記ディスクロータ中心にセンタリングするばね手段を設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のディスクブレーキにおいて、前記ばね手段は、前記キャリアに対し前記キャリパを前記ディスクロータから離間させる方向に付勢することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のディスクブレーキにおいて、前記ばね手段は、前記キャリアに対し前記キャリパを前記ディスクロータに近接させる方向に付勢することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のディスクブレーキにおいて、前記ばね手段は、前記キャリアに対し前記パッドを前記ディスクロータから離間させる方向に付勢し、前記パッドを介して前記ピストンから前記キャリパに付勢力を伝達することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のディスクブレーキにおいて、前記キャリアと前記パッドとの間には、該パッドをディスクロータ半径方向に押圧するパッドスプリングが設けられており、該パッドスプリングに前記ばね手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、パッドを通して制動トルクを受承するキャリアに、ピストンを保持するキャリパが摺動自在に支持され、キャリアとキャリパの間に、キャリパのディスクロータ軸方向中心をディスクロータ中心にセンタリングするばね手段が設けられているため、制動時にディスクロータの熱によって発生するロータの熱倒れによって、キャリパに対してディスクロータ外周の軸方向位置が正規の位置からずれてしまっても、キャリパはディスクロータ外周の軸方向の位置ずれに追従でき、対向配置されたそれぞれのピストンの突出量を均一にすることができ、ディスクロータ空転時の、パッドとブレーキロータの不要な接触、いわゆる引き摺りを未然に防止することができる。
したがって、上記引き摺りに基因するブレーキロータの肉厚の変動を防止できるため、該肉厚変動によるブレーキジャダーの発生を効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
このディスクブレーキ1は、図示する本体ブロックが車軸支持用のナックル(図示せず)にボルト締結によって一体に取り付けられ、車輪と一体回転するディスクロータ3(図3,図4参照。)を両側から押圧することによって制動力を発生するようになっている。なお、以下においては、車両への取付状態をもって説明し、この取付状態におけるディスクロータ3の半径方向をディスク半径方向と称し、ディスクロータ3の軸線方向をディスク軸線方向と称し、さらに、ディスクロータ3の円周方向をディスク円周方向と称すものとする。
【0012】
このディスクブレーキ1の本体ブロックは、ナックルに直接ボルト結合され、ディスクロータ3に圧接されるパッド4,4を主に保持するキャリア5と、パッド4,4を押圧するピストン6…を有するキャリパ7と、を備えている。このディスクブレーキ1は、ディスクロータ3の外周縁部の通過を許容する略円弧状のディスク通過リセス8(図6)がキャリア5とキャリパ7に跨って形成され、キャリア5のディスク半径方向外側にキャリパ7が重合されるかたちで配置されている。
【0013】
このディスクブレーキ1は、対向ピストン型のブレーキであり、キャリア5に保持されるパッド4,4がディスクロータ3のディスク軸線方向両側に配置されるとともに、キャリパ7に保持されるピストン6…が各パッド4の背部を押圧するようにディスクロータ3の両側に夫々配置される。この実施形態の場合、ディスクロータ3の片側につき2つのピストン6,6がディスク回転方向に並んで配置され、並列に配置された2つのピストン6,6がディスク円周方向に横長のパッド4の背部を押圧するようになっている。
【0014】
キャリパ7は、ディスクロータ3を挟んで車幅方向内側と外側にインナ側シリンダ部9とアウタ側シリンダ部10を夫々備え、各シリンダ部9,10に、ピストン6を摺動自在に収容するボア11(図2〜図4参照。)がディスク軸線方向に沿って形成されている。そして、インナ側とアウタ側の両シリンダ部9,10は、ディスクロータ3の径方向外側を跨ぐブリッジ部12によって相互に連結され、このブリッジ部12と両側のシリンダ部9,10に囲まれた領域がキャリパ7側のディスク通過リセスとされている。また、キャリパ7内の各ボア11は、キャリパ7内の図示しない給排通路によって相互に接続されるとともに、キャリパ7のインナ側のシリンダ部9に配置された給排プラグ13を通してブレーキ液が給排されるようになっている。
この実施形態の場合、インナ側シリンダ部9とアウタ側シリンダ部10はブリッジ部12とともに一体に形成されている。ただし、これらは別体に形成して適宜ボルトによって結合するようにしても良い。
【0015】
キャリパ7全体は、図3,図4に示すようにディスク軸線方向から見た側面視が略円弧状に形成されているが、インナ側シリンダ部9とアウタ側シリンダ部10のディスク円周方向の両端部には、キャリパ7をキャリア5に支持させるためのアーム部15が延設されている。また、両シリンダ部9,10を連結するブリッジ部12には、図1,図2に示すようにディスク半径方向に貫通する一対の長孔状の確認窓30が形成され、キャリパ7のディスク半径方向外側からこの確認窓30を通してパッド4の減り具合等を確認できるようになっている。
【0016】
一方、キャリア5は、図6に示すようにディスクロータ3を挟んで車幅方向内側と外側にインナ壁16とアウタ壁17が設けられ、この両壁16,17のディスク円周方向の両縁部がキャリパ7の外形の円弧に連続するように円弧を成してブリッジ部18,18が形成されるとともに、この両縁の円弧部分がディスク軸線方向に延びてインナ壁16とアウタ壁17が相互に連結されている。
【0017】
インナ壁16とアウタ壁17の各ディスク円周方向中央領域の上部には、図3,図4に示すように、パッド4と、パッド4を支持する裏金29を、ディスク軸線方向に摺動可能に支持するガイド部16a,16a,17a,17aが設けられている。この各ガイド部16a,17aは、パッド4の制動トルクを受け止める受承部となっている。
また、この各ガイド部16a,17aとパッド4の裏金29との間には、パッド4,4の摺動性を高めるためのステンレスの板材で形成されたパッドスプリング27a,28aが設けられており、このパッドスプリング27a,28aによりパッド4はディスクロータ半径方向外方に付勢されている。
インナ壁16の下端(ディスク半径方向内側の端部)には、図3,図4に示すように、延出部19が設けられ、この延出部19のディスク円周方向に離間した2位置にキャリア5をナックルにボルト締結するための締結孔2が設けられている。
【0018】
また、インナ壁16とアウタ壁17のディスク円周方向の両端の外面には、図6に示すように、ディスク軸線方向に沿うガイド穴20がそれぞれ形成されている。この各ガイド穴20は、キャリパ7の各アーム部15に突設された支持ピン21が摺動自在に嵌入される部分であり、各ガイド穴20に支持ピン21が嵌合されることにより、キャリパ7がキャリア5に対してディスク軸線方向に摺動可能に支持されるようになっている。この実施形態の場合、インナ壁16側のガイド穴20とアウタ壁17側のガイド穴20は一対一で対応し、それぞれ対応するもの同士が同一軸線上に配置されている。ただし、インナ壁16側とアウタ壁17側の各ガイド穴20は、例えば、インナ壁16側が1つ、アウタ壁17が2つのようにそれぞれ異なる個数であっても良い。
【0019】
各支持ピン21は、ガイド穴20に挿入される挿入軸部21aと、アーム部15の裏面に当接する六角フランジ部21bと、六角フランジ部21bと挿入軸部21aの間に配置され、挿入軸部21aよりも大径のボス部21cと、を備え、六角フランジ部21bの端面には、ねじ穴21dが設けられている。ねじ穴21dには、キャリパ7側のアーム部15を貫通する締結ボルト22が螺合され、それによって支持ピン21が対応するアーム部15に一体に結合されるようになっている。なお、この実施形態の場合、支持ピン21は別体の締結ボルト22によってアーム部15に固定されているが、アーム部15に直接ねじ固定する等その他の種々の形態でアーム部15に取り付けることも可能である。
【0020】
また、キャリア5側(インナ壁16とアウタ壁17)の各ガイド穴20の開口縁部には、それぞれボス部23が突設され、この各ボス部23が対応する支持ピン21のボス部21cに対面するようになっている。そして、キャリア5と各支持ピン21の各ボス部23,21cの間には、支持ピン21の挿入軸部21aの外周に嵌装されたコイルスプリング24が介装されている。このコイルスプリング24は、キャリパ7のディスクロータ軸方向中心位置をキャリア5の厚み方向(ディスク軸線方向)の中心位置にセンタリングするためのばね手段であり、厚み方向両側のコイルスプリング24のばね荷重がほぼ同じに設定されている。この実施形態の場合、コイルスプリング24は、キャリパ7の厚み方向両側のアーム部15をキャリア5に対して離間させる方向に付勢するように圧縮ばねとして用いられている。ただし、ばね手段は、キャリパ7のアーム部15をキャリア5に対して近接させる方向に付勢するように引っ張りばねとして用いることも可能である。また、ばね手段としては、コイルスプリング24に限らず他の種々のばねを採用することが可能である。なお、図6中、25は、キャリパ7側と支持ピン21側のボス部23,21cの周囲に跨って装着された蛇腹状のシール部材である。
【0021】
ところで、初期状態(ブレーキ非作動時)におけるボス部23,21c間の距離Lは、制動時の摩擦熱等によるディスクロータ3の熱倒れが生じた場合や、車両旋回時の遠心力等の外力によってキャリパ7がキャリア5に対してディスク軸線方向に変位したときに、ディスクロータ3が非制動時にパッド4に接触することがないように設定されている。なお、キャリパ7内に組み込まれるピストン6とボア11の間には、図示しないピストンシールによるパッド摩耗に対する自動調整機構が設けられている。このため、経時使用によってパッド4が磨耗した場合であっても、その磨耗によってパッド4とディスクロータ3の間の距離が変化することはない。
【0022】
また、コイルスプリング24のばね荷重は、車両旋回時の遠心力とキャリパ7の質量を積算した値よりも大きいことが望ましいが、ばね組み付け性を考慮すると、それよりも小さい値であっても良い。すなわち、この実施形態においては、前述のようにボス部23,21c間の距離Lが、非制動時にパッド4とディスクロータ3が接触することのない距離に設定されているため、コイルスプリング24のばね荷重以上の外力が作用した場合であっても、ボス部23,21cが変位規制ストッパとして機能し、パッド4とディスクロータ3の不要な接触、いわゆる引き摺りを回避することができる。
【0023】
以上のように構成されたこのディスクブレーキ1は、制動時にシリンダ部9,10の各ボア11にブレーキ液が供給されると、各ボア11内のピストン6が液圧を受けて前進し、ピストン6が裏金29を介して対応するパッド4を前進させる。これにより、ディスクロータ3の両側のパッド4が同様にディスク3の両面に圧接され、それによって制動力が作用するようになる。
【0024】
一方、このときパッド4に作用する制動トルクは、キャリア5のガイド部によって受け止められる。この制動トルクは、キャリア5に応力として作用するが、キャリア5とキャリパ7とは別体に形成され、ガイド穴20と支持ピン21による嵌合によって係合されているため、制動トルクに起因する応力がキャリパ7に直接的に作用することはない。つまり、このディスクブレーキ1では、キャリア5のガイド部がパッド4のディスク円周方向とディスク半径方向の変位を規制し、キャリパ7側はピストン6のみでパッド4と一体の裏金29に接触するようになっているため、キャリパ7には制動トルクに起因する応力は直接作用しない。
【0025】
このため、このディスクブレーキ1においては、制動トルクに起因する応力によってキャリパ7のシリンダ部9,10に撓み変形が生じることがなく、ボア11の変形や傾きによってピストン6の摺動が阻害されたり、ピストン6の押圧方向が傾斜する不具合は生じない。したがって、このディスクブレーキ1においては、常にピストン6の安定した作動を得ることができ、ブレーキ鳴きの発生を未然に防止することができる。
【0026】
また、繰り返し制動による摩擦熱等によってディスクロータ3に軸方向の熱倒れが生じてキャリパ7に対するディスクロータ3外周の位置が軸方向にずれた場合には、制動に際して一方のパッド4が先にディスクロータ3に当接すると、その当接反力を受けてキャリパ7全体が一方のパッド4のある側に変位し、それによって両側のパッド4がディスクロータ3の両面に均一に当接するようになる。
したがって、このディスクブレーキ1においては、ディスクロータ3の軸方向の変形に拘わらず、対向配置されるピストン6、6の突出量が均一となり、ディスクロータ3の両面で安定した制動を得ることができるとともに、パッド4の偏摩耗や、それによるディスクロータの肉厚変動やジャダの発生を未然に防止することができる。
【0027】
さらに、このディスクブレーキ1は、ピストン6を保持するキャリパ7がキャリア5に対してコイルスプリング24でセンタリングされるようになっているため、制動時に熱倒れしたディスクロータ3が制動解除後、空転時に冷却して正規の軸方向位置に戻ったとしても、コイルスプリング24の力によってキャリパ7を初期位置に速やかに復帰させることができる。また、車両旋回時の遠心力等の外力を受けてキャリパ7が大きく変位しようとするのをコイルスプリング24の力で抑制することができるとともに、外力が解除された際にコイルスプリング24の力によって初期位置に速やかに復帰させることができる。したがって、キャリパ7の不要な移動によって回転中のディスクロータ3にパッド4が接触する、いわゆる引き摺りを防止することができる。
【0028】
また、特に、この実施形態においては、キャリア5側のボス部23と支持ピン21のボス部21cが向かい合って配置され、これらのボス部23,21cがキャリア5に対するキャリパ7の過大変位を規制するストッパとして機能するようになっているため、ディスクロータ3に対する不要なパッド4の接触をより確実に防止することができる。
【0029】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記の実施形態においては、キャリア5側のボス部23とキャリパ7側のアーム部15の間にばね手段であるコイルスプリング24を配置してキャリパ7をセンタリングするようにしているが、上述したパッドスプリング27a,28aにキャリパ7をディスクロータ3から離間する方向、または、キャリパ7をディスクロータ3へ近接させる方向に付勢する付勢片を形成してセンタリングを行うようにしてもよい。また、左右の各パッド4に取り付けられる裏金29に、パッド4をキャリア5に対してディスクロータ3から離間する方向に付勢するパッド戻しばねを設け、その各パッド戻しばねのばね力を、ピストン6を介してキャリパ7にセンタリングのための付勢力として作用させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施形態のディスクブレーキの斜視図。
【図2】同実施形態のディスクブレーキの平面図。
【図3】同実施形態のディスクブレーキの図2のA矢視図。
【図4】同実施形態のディスクブレーキの図2のB矢視図。
【図5】同実施形態のディスクブレーキの図2のC矢視図。
【図6】同実施形態のディスクブレーキの図2のD−D断面に対応する断面図。
【符号の説明】
【0031】
1…ディスクブレーキ
3…ディスクロータ
4…パッド
5…キャリア
6…ピストン
7…キャリパ
24…コイルスプリング(ばね手段)
27a、28a…パッドスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクロータの両面に配置される一対のパッドをディスクロータの軸方向に摺動可能に支持して該パッドに制動トルクを受承するキャリアと、
該キャリアに摺動可能に支持され、前記一対のパッドをそれぞれ押圧するべく、対向して設けられたピストンを有するキャリパとからなり、
前記キャリアとキャリパとの間には、前記キャリパのディスクロータ軸方向中心を前記ディスクロータ中心にセンタリングするばね手段を設けたことを特徴とするディスクブレーキ。
【請求項2】
前記ばね手段は、前記キャリアに対し前記キャリパを前記ディスクロータから離間させる方向に付勢することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
【請求項3】
前記ばね手段は、前記キャリアに対し前記キャリパを前記ディスクロータに近接させる方向に付勢することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
【請求項4】
前記ばね手段は、前記キャリアに対し前記パッドを前記ディスクロータから離間させる方向に付勢し、前記パッドを介して前記ピストンから前記キャリパに付勢力を伝達することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
【請求項5】
前記キャリアと前記パッドとの間には、該パッドをディスクロータ半径方向に押圧するパッドスプリングが設けられており、該パッドスプリングに前記ばね手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のディスクブレーキ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−115172(P2009−115172A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287723(P2007−287723)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】