説明

光制御素子

【課題】
共振周波数の異なる複数の共振型電極を用いながら、変調効率が高く低コスト化することが可能な光制御素子を提供すること。
【解決手段】
電気光学効果を有する基板1と、該基板に形成された光導波路2と、該基板に設けられ、該光導波路を伝搬する光の位相を制御するための制御電極3とを有する光制御素子において、該制御電極3は、該光導波路2に沿って配置される、共振周波数(f1,f2)の異なる複数の共振型電極31,32を有し、制御信号を入力する1つの入力配線30と、該入力配線から分岐する分岐信号線が各共振型電極に接続され、かつ、該分岐信号線は、各共振型電極において該制御信号が該共振型電極に供給されるタイミングと、該光導波路を伝搬する光が当該共振型電極の近傍を通過するタイミングとを一致させるように構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光制御素子に関し、特に、光導波路を伝搬する光波を変調する共振型電極を備えた光制御素子に関する。
【背景技術】
【0002】
光変調器などの光制御素子は、光通信や光計測、光信号処理において必要不可欠なデバイスである。従来の長距離光通信においては、ベースバンド伝送方式が主流であり、光変調器には広帯域動作が要求される。現在は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)基板上に、光を閉じ込めて制御するための光導波路と、駆動変調信号(電気信号)を印加するための進行波型電極を用いた導波路型の進行波型電極光変調器を用いることが主流となっている。
【0003】
一方、共振型電極を用いた光変調器では、給電点から特定の周波数の電気信号を入力すると、その電極に電気信号の共振定在波が生じる。このように、共振型光変調器は、電気信号の共振を利用しているので、特定の周波数を入力したときに、特に効率良く動作する。進行波型光変調器よりも電極単位長さ当りの効率が良い。しかしながら、特定の帯域でのみ動作する帯域動作型の光変調器であるため、ベースバンド伝送には用いられず、光クロック発生や放送用信号の光変調器などとして用いられている。
【0004】
次世代光通信システムでは、40Gbpsを超える極めて高速度で動作する光変調器が要求されるが、このような高周波領域では、進行波型電極における損失の増加が問題となる。それゆえ、共振型電極と呼ばれる変調信号の定在波共振効果を利用した電極が有望視されている。
【0005】
また、共振型電極を光導波路に沿って複数配置した光変調器も提案されている。これらの光変調器では、特許文献1又は非特許文献1〜2に示されるように、共振周波数が同じ共振型電極が配置されているものや、特許文献2又は非特許文献3〜4に示すように、縦続した複数個の外部光変調器によってレーザ光を次々と変調する縦続変調方式によるCATVと衛星放送などの異なる信号を光ファイバーで伝送する方式(一般に縦続接続といわれる)がある。
【0006】
しかしながら、複数の光変調部を利用して光変調器などの光制御素子を構成する場合には、各変調部に対応した変調信号を印加することが必要であり、変調信号発生回路が複雑化するという問題がある。しかも、適正な変調信号光を得るには、各変調部を光が通過するタイミングに合わせて、変調タイミングを調整する必要があるため、各変調部に変調信号を印加するタイミングを調整する手段も必要となり、光変調器を含む装置全体が複雑化及び高コスト化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開WO2000/050952
【特許文献2】特開平7−87029号公報
【特許文献3】国際公開WO2007/114367
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】"High-SpeedOptical Modulator in LiNbO3 With Cascaded Resonant-TypeElectrodes", Roger Krahenbuhl, James H. Cole, Robert P. Moeller, and MartaM. Howerton, Journal of Lightwave Technology, Vol. 24, Issue 5, pp. 2184-(2006)
【非特許文献2】"AResonant Type LiNbO3 Optical Modulator Array with Micro-StripAntennas", Satoshi SHINADA, Tetsuya KAWANISHI, and Masayuki IZUTSU, IEICETRANS. ELECTRON., VOL.E90-C, NO.5 MAY 2007
【非特許文献3】縦続接続型光外部変調器を用いたマイクロ波伝送の検討", 中須賀好典, 堀川 浩二,小川 博世, 電子情報通信学会技術研究報告. OQE, 光・量子エレクトロニクス 93(237), 25-31, (1993)
【非特許文献4】"縦続変調による光変調器の多チャネル信号変調特性", 菊島浩二, 藤原稔久, 電子情報通信学会論文誌,J90−C 4号 pp328-343 (2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、上述したような問題を解決し、共振周波数の異なる複数の共振型電極を用いながら、変調効率が高く低コスト化することが可能な光制御素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該基板に設けられ、該光導波路を伝搬する光の位相を制御するための制御電極とを有する光制御素子において、該制御電極は、該光導波路に沿って配置される、共振周波数の異なる複数の共振型電極を有し、制御信号を入力する1つの入力配線と、該入力配線から分岐する分岐信号線が各共振型電極に接続され、かつ、該分岐信号線は、各共振型電極において該制御信号が該共振型電極に供給されるタイミングと、該光導波路を伝搬する光が当該共振型電極の近傍を通過するタイミングとを一致させるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光制御素子において、該制御信号が方形波であり、該共振周波数は、該方形波の基本周波数の略奇数倍に設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の光制御素子において、該共振周波数は、特定の周波数fと、該特定の周波数から所定量Δfだけ異なる周波数f±Δfとなるように設定され、該制御信号には、単一又は複数の異なる周波数を有する制御信号が用いられることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の光制御素子において、該共振型電極の該光導波路に沿った配置順序は、各共振型電極が該光導波路を伝搬する光に及ぼす変調深さの大きい順に、該光の伝搬方向に配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の光制御素子において、該制御電極は進行波型電極を有し、該進行波型電極には該入力配線から分岐した制御信号が供給されていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の光制御素子において、該制御電極が配置される光導波路は1本の光導波路又はマッハツェンダー型光導波路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明により、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該基板に設けられ、該光導波路を伝搬する光の位相を制御するための制御電極とを有する光制御素子において、該制御電極は、該光導波路に沿って配置される、共振周波数の異なる複数の共振型電極を有し、制御信号を入力する1つの入力配線と、該入力配線から分岐する分岐信号線が各共振型電極に接続され、かつ、該分岐信号線は、各共振型電極において該制御信号が該共振型電極に供給されるタイミングと、該光導波路を伝搬する光が当該共振型電極の近傍を通過するタイミングとを一致させるように構成されているため、各共振型電極に対応して変調信号発生回路を設ける必要が無く、しかも、各共振型電極への変調信号を印加するタイミングを調整する手段を別途設けることも不要となる。このため、共振型電極を利用し、変調効率が高く低コスト化することが可能な光制御素子を提供することが可能となる。
【0017】
請求項2に係る発明により、制御信号が方形波であり、共振周波数は、該方形波の基本周波数の略奇数倍に設定されているため、当該方形波をフーリエ展開した際に必要となる周波数成分に対応して、各共振型電極が変調を行うことが可能となるため、方形波の制御信号に対応する光変調動作を、より正確に再現することが可能となる。
【0018】
請求項3に係る発明により、共振周波数は、特定の周波数fと、該特定の周波数から所定量Δfだけ異なる周波数f±Δfとなるように設定され、制御信号には、単一又は複数の異なる周波数を有する制御信号が用いられるため、該特定の周波数fをピークとし、該所定量Δfを略半値幅とする変調周波数特性を得ることができる。
【0019】
請求項4に係る発明により、共振型電極の光導波路に沿った配置順序は、各共振型電極が該光導波路を伝搬する光に及ぼす変調深さの大きい順に、該光の伝搬方向に配置されているため、必要とされる変調深さに応じた変調動作が実現でき、制御信号に対応する光変調動作を、より正確に再現することが可能となる。
【0020】
請求項5に係る発明により、制御電極は進行波型電極を有し、該進行波型電極には該入力配線から分岐した制御信号が供給されているため、共振型電極による光変調と進行波型電極による光変調とを混在させることも可能となり、より機能性の高い光制御素子を提供することが可能となる。例えば進行波型電極で十分な変調深さが得られない周波数については、共振型電極を用いて変調し、変調帯域を拡張することも可能になる。
【0021】
請求項6に係る発明により、制御電極が配置される光導波路は1本の光導波路又はマッハツェンダー型光導波路であるため、光導波路を伝搬する光波に対して多様な光変調を行うこと可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の光制御素子に係る第1の実施例を説明する図である。
【図2】本発明の光制御素子に係る第2の実施例を説明する図である。
【図3】第2の実施例における方形波を制御信号に用いた場合の変調状態を説明する図である。
【図4】本発明の光制御素子に係る第3の実施例を説明する図である。
【図5】第3の実施例における変調状態を説明する図である。
【図6】本発明の光制御素子に係る第4の実施例を説明する図である。
【図7】両端が開放された共振型電極を示す図である。
【図8】両端が短絡された共振型電極を示す図である。
【図9】共振型電極の共振周波数をf=20.0GHzとΔf=1.5GHzに設定した場合の変調周波数特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の光制御素子について、詳細に説明する。
本発明の光制御素子は、図1に示すように、電気光学効果を有する基板1と、該基板に形成された光導波路2と、該基板に設けられ、該光導波路を伝搬する光の位相を制御するための制御電極3とを有する光制御素子において、該制御電極3は、該光導波路2に沿って配置される、共振周波数(f1,f2)の異なる複数の共振型電極31,32を有し、制御信号を入力する1つの入力配線30と、該入力配線から分岐する分岐信号線が各共振型電極に接続され、かつ、該分岐信号線は、各共振型電極において該制御信号が該共振型電極に供給されるタイミングと、該光導波路を伝搬する光が当該共振型電極の近傍を通過するタイミングとを一致させるように構成されていることを特徴とする。
【0024】
電気光学効果を有する基板1としては、例えば、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、PLZT(ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)、及び石英系の材料及びこれらの組み合わせが利用可能である。特に、電気光学効果の高いニオブ酸リチウム(LN)やタンタル酸リチウム(LT)結晶が好適に利用される。本発明の光制御素子では、図1のように、光導波路上に共振型電極を配置する構成が、最も効果的な変調が期待できるため、Zカット型の基板が好ましい。
【0025】
光導波路2は、基板にリッジを形成する方法や基板の一部の屈折率を調整する方法、又は両者を組み合わせた方法で形成することが可能である。リッジ型導波路では、光導波路となる基板部分を残すように、その他の部分を機械的に切削したり、化学的にエッチングを施すことで除去する。また、光導波路の両側に溝を形成することも可能である。屈折率を調整する方法では、Tiなどを熱拡散法したり、プロトン交換法などを利用することで、光導波路に対応する基板表面の一部の屈折率を、基板自体の屈折率より高くなるよう構成する。
【0026】
制御電極3は、共振型電極(31,32)などの信号電極や給電線(共振型電極に制御信号を供給する配線)と、接地電極(不図示)などで構成されている。制御電極は、Ti・Auの電極パターンの形成及び金メッキ方法などにより形成することが可能である。また、各電極は、必要に応じて、基板との間にSiO膜などのバッファ層を介して配置されている。バッファ層には、光導波路を伝搬する光波が、制御電極により吸収又は散乱されることを防止する効果を有している。また、バッファ層の構成としては、必要に応じ、薄板の焦電効果を緩和するため、Si膜などを組み込むことも可能である。
【0027】
本発明の光制御素子に使用する共振型電極は、所定の共振周波数(f1,f2)を有するように、長さや形状等が設定されている。共振型電極の形状としては、信号電極の両端を接地電極から開放した「両端開放型」や、信号電極の両端が共に接地電極に短絡されている「両端短絡型」、さらには、一端が接地電極に短絡され、他端が接地電極から開放された「一方短絡他方開放型」など種々の組み合わせが可能であることはいうまでもない。また、リング型の共振器を用いても良い。ただし、変調光の位相の周波数の連続性を確保する観点からは、リング型の共振電極部のマイクロ波の速度が、導波路を伝搬する光の速度と一致するか、速度が近いことが望ましい。
【0028】
本発明の光制御素子では、共振周波数の異なる複数の共振型電極(31,32)を用いている。これらの共振型電極に制御信号を入力する方法としては、1つの入力配線30を用いて制御信号が供給されている。制御信号は、フィルター等で変調周波数f1及びf2の成分からなる信号に分離して、共振周波数がそれぞれf1及びf2である共振型電極(31,32)へ供給して光変調をおこなうことも可能であるがある、構成を簡略化するため、図1に示すように、給電線を分岐した分配回路を用いて、各共振型電極に制御信号を供給している。
【0029】
本発明の光制御素子は、さらに、入力配線30から分岐して各共振型電極(31,32)に繋がる分岐信号線は、各共振型電極において制御信号が該共振型電極に供給されるタイミングと、光導波路2を伝搬する光が当該共振型電極の近傍を通過するタイミングとを一致させるように構成している。具体的には、図1に示すように分岐信号線に電気遅延線路41を設けている。
なお、本発明における「光導波路を伝搬する光が共振型電極の近傍を通過するタイミング」とは、共振型電極に印加された制御信号により該共振型電極が発生する電界により光導波路を伝搬する光が位相制御を受けるタイミングを意味する。
【0030】
この電気遅延線路41は、共振型電極間を光波が光導波路中を伝搬する時間(光遅延時間)を補うために設けられている。例えば、両電極の間隔が10mm程度とすれば、光遅延時間は数10psのオーダーであり、1GHz以下の低速変調では、当該光遅延時間は問題とならない。しかし、40GHzを超える高速変調においては、光遅延時間を正確に補償する必要がある。
【0031】
電気遅延線路を進む制御信号の速度Vmを、光導波路中を進む光波の速度Vgと完全に一致させる場合には、図1に示すように、光導波路2と平行に電気遅延線路41を配置することで、光遅延時間を補償することができる。つまり、入力信号が各共振型電極へ到達する時間には遅延が生じるが、電気遅延時間と光遅延時間が一致するため、光変調特性には光遅延時間による乱れが生じない。また、通常の電気線路を進む信号の速度は、周波数に依らず、ほぼ一定であるため、周波数毎に特別な回路を設ける必要もない。
【0032】
さらに、電気遅延線路の長さは、光導波路に沿わせて任意に設定できるため、設計上の自由度が大きい。電気遅延線路を光導波路に沿って更に延ばすことで、複数の共振型電極にも適用可能である。進行波型電極とも併用することができる。
【0033】
光と制御信号との到達時間を調整するための配線について、さらに詳しく説明する。図1のように、ほぼ直線状の光導波路にほぼ平行に沿わせて複数電極を配置する場合、この配線を伝搬する制御信号の速さと光導波を伝搬する光の速さをほぼ等しくすること(配線部のマイクロ波に対する群屈折率と光導波路の光に対する群屈折率を合わせることと等価)により、タイミングを大まかに合わせることが可能である。
【0034】
その際に、配線の分岐部で分岐される制御信号の位相の変化や、給電部配線の長さ、共振電極への給電部の位置などを考慮して、到達時間のタイミングが合うように、各部の長さや制御信号の速さを設計して形成する。
【0035】
ニオブ酸リチウムなど強誘電体を基板として用いた構成では、SiOなどの低誘電率のバッファ層の使用、高アスペクト比のコプレーナ型電極の採用、薄い基板の採用などで、マイクロ波の速度と光の速度を合わせられることが知られている。
【0036】
ビルドアップ配線、フリップチップ配線やエアブリッジ電極を用いての速度を調整も可能である。さらに、特許文献3に示すような構成(薄い基板の両面に電極を配置する構成)の基板を用いる場合、配線部を多様な構成にすることが可能である。例えば、この基板構成では、縦続配置(直列状の配置)する共振型電極を互いに接続する配線電極の構造は、G−CPW(基板の表面に信号線とそれを挟む接地電極でコプレーナ型線路を形成し、反対側の裏面には接地電極を配置する構成)、CPW(基板の表面のみにコプレーナ型線路を配置する構成)、CPS(コプレーナストリップライン)、マイクロストリップラインのいずれか、あるいはその組み合わせを用いることが可能である。
【0037】
配線の途中で線路インピーダンスは変化させない構成が望ましいが、特許文献3に示すように、薄板の基板に補強板を貼り合せ、さらには、薄板にはリッジ型導波路を形成するような構成(貼り合せ(リッジ)導波路基板)では、形成可能な電極の設計自由度がきわめて高く、光の伝搬速度と制御信号の伝搬速度との速度整合は容易に実現される。
【0038】
貼り合せ(リッジ)導波路基板に、同じ幅、高さの配線電極を用いて、G−CPW電極、CPS電極、CPW電極、マイクロストリップライン電極を形成した場合、電気信号(制御信号)に対する屈折率(マイクロ波屈折率)は、1.5<CPWの屈折率<G−CPWの屈折率(約2)<マイクロストリップラインの屈折率<5となる。
【0039】
つまり、大きな遅延量が必要な配線部にはマイクロストリップライン電極、先行量が必要な配線部には、CPW電極を用いることができる。ここで、配線の幅や高さは、配線部全体で規定されるものでなく、適宜変更してよいが、配線の高さについては、製造プロセス上、一回の工程で形成可能とするコスト上の視点から、同じ高さとするのが望ましい。
【0040】
本発明の構成の場合、高さを規定しても、制御信号の遅延先行量の調整、インピーダンスの調整が、G−CPW、CPW中心と設置電極のギャップ間、埋込電極の有無、配線幅の設定によって適切に行える。一般に、従来の配線基板上のCPW電極、G−CPWやマイクロストリップラインの配線は、マイクロ波が伝搬する位置(高さ)が大きく異なり、接続の損失が大きい。このため、これらの配線が同時に使われることは無い。つまり、従来、別系列の信号線として、同じ基板上に混載して使用することは部分的に行われているが、同一基板上の同じ配線で互いに直接接合するようなことはない。これに対し、CPW、CPS,G−CPW、マイクロストリップラインの、同一基板上での低損失な接続は、特許文献3に示す構成のようにLN基板の様な高い誘電率(比誘電率28〜48)の10μm以下のきわめて薄い配線基板において、初めて発現する特性でもある。
【0041】
一方、半導体を基板として用いた場合は、電極の蛇行、電極の折り畳み多段化、セグメント化や電極付近への高誘電率材料の配置などで、マイクロ波の速度の調整が可能である。もちろんビルドアップ配線、フリップチップ配線やエアブリッジ電極を用いての速度を調整も可能である。また、基板にポリマー系材料を用いた場合は、多くの配線構成において光のマイクロ波の速度はほぼ整合するが、強誘電体や半導体で用いられる手法と同様の手法で、マイクロ波の速度を調整することが可能である。
【0042】
また、配線分岐部については、形状や原理への制限はないが、低損失な分岐することが重要である。周波数毎に分岐比を変え、その先に周波数に対応した電極を設ける構成のほうが、全体として高効率の光変調が可能である。分岐の際の、制御信号の位相の変化量については、配線の長さやマイクロ波速度の設計と形成においても、考慮する必要がある。
【0043】
次に、共振型変調器への給電する部分について述べる。給電の効率を高めるために、配線と共振電極のインピーダンス整合を取ることが望ましい。そのために、インピーダンス変換回路を用いても良いし、適宜スタブなどを設けてインピーダンスを整合させて給電しても良い。また、共振型電極に対する給電位置を調整して、配線と共振型電極のインピーダンス整合を取って給電することが可能である。
【0044】
本発明の光制御素子は、異なる変調周波数特性を持つ共振型電極を組み合わせて、変調器全体としての広い範囲の周波数特性を合成・設計する。本発明の光制御素子によれば、共振周波数の異なる共振型電極を複数個、縦続配置し、低消費電力のデジタル型変調器を実現することが可能となる。しかも、進行波型電極構成の光変調器でしか対応できなかった、デジタル信号や広帯域ベースバンド伝送に、低消費駆動が可能な共振型電極を用いることが可能となる。
【0045】
本発明の光制御素子においては、光導波路に沿って制御電極を多数配置した「多電極構成光変調器」において問題となる、「遅延時間差による光変調特性の劣化」を補償すること可能となる。しかも、本発明では、適用可能な共振型電極の個数には原理的には制約が無い。さらに、プッシュ・プル駆動や、リッジ導波路、薄板導波路など高機能光変調器構成と組合せが可能である。
【0046】
また、本発明の光制御素子は、次世代光通信における40Gbpsを超える超高速光変調器の実現のために非常に有効である。特に、動作周波数が異なる複数の共振型電極を縦続に配置した構成により、所望の周波数特性を持たせることができるため、応用範囲が大きく広がる。しかも、各共振型電極を、特別な信号処理回路を用いることなく単一信号で駆動することができるため、変調効率が高く高性能な高速変調器を、小型・低コストで実現することが可能である。
【0047】
次に、本発明の光制御素子について、図2のように、多くの共振型電極を用いた場合の種々の形態について説明する。図2は、図1と比較し、共振型電極31〜34は互いに異なる共振周波数(f1,f2,f3,fn。nは任意の自然数)を有している。また、各共振型電極間には電気遅延線路が設けられている。例えば、共振型電極31と32との間には、電気遅延線路41が設けられ、同様に、共振型電極32と33との間には、電気遅延線路42が設けられている。
【0048】
図1又は2のような光制御素子を用いることで、複数の周波数成分からなるデジタル信号や任意波形の信号の光変調を効率的に行うことが可能となる。以下では、方形波を例に、任意波形の光変調が可能となることを説明する。
【0049】
以下の式は方形波をフーリエ展開したものである。方形波の場合は、基本周波数の奇数倍の周波数成分の集合体として、表現できる。方形波以外の場合でも、フーリエ展開し、各周波数成分の集合体で表現することで、必要な共振周波数や変調深さを特定することが可能である。
【0050】
【数1】

【0051】
この場合、図2の共振型電極では、n個の電極を縦続配置し、方形波の基本周波数(f1)の共振型電極31、基本波の3倍の周波数(f2)の共振型電極32、基本波の5倍の周波数(f3)の共振型電極33、基本波の2n−1倍の周波数(fn)の共振型電極34に設定する。
【0052】
各共振型電極の変調深さは、完全方形波をフーリエ展開した際の各周波数成分の量に合わせて、それぞれ基本周波数f1の変調の深さの、1/3,1/5・・・1/(2n−1)となる。変調深さの設定は、制御信号分岐比、分岐回路や給電部を含む配線の損失、各電極部の変調効率を調整して設定することが可能である。また、制御信号自体が複数の周波数成分の集合体でもあるため、制御信号を各共振型電極に供給するだけで、各共振型電極には、共振周波数に対応する周波数成分のみが印加されるため、変調深さも自動的に設定されることとなる。
【0053】
図3は、図2の共振型電極が5個(n=5)の場合において、方形波Aの制御信号を光制御素子に入力した結果、光導波路を伝搬する光波の位相が制御される様子をシュミレーションしたグラフBである。縦続配置した共振型電極では、高周波成分の光変調を併せて行うことで、方形波の立ち上がりと立ち下がりを、より急峻に設定でき、方形波の形状に近づけることが可能となる。
【0054】
長距離光ファイバー通信においては、2値信号による方形波を用いるのが一般的であるが、完全な矩形波でなく、図3のグラフBのように、ある程度肩がなまった波形であっても、良好な光信号伝送が可能である。ここでは、5個の共振型電極の構成で、基本波の9倍の周波数まで変調した場合の特性を示したが、実際の伝送においては、3個(又は2個)の共振型電極構成による基本周波数の5倍(又は3倍)の周波数まで変調する構成でも、実用上十分な特性の光信号の波形が得られる。
【0055】
以上のように、制御信号が方形波であり、共振周波数は、該方形波の基本周波数の略奇数倍に設定されているため、当該方形波をフーリエ展開した際に必要となる周波数成分に対応して、各共振型電極が変調を行うことが可能となり、方形波の制御信号に対応する光変調動作を、より正確に再現することが可能となる。
なお、本発明における「略奇数倍」とは、方形波を再現する際に、実用上支障が無い範囲内において、奇数倍から若干ずれた周波数でも許容可能であることを意味する。
【0056】
各周波数成分の光変調の深さの比率は、制御信号波形の周波数成分や、光伝送経路の波長フィルターなどの特性、経路の分散に依る影響や受光系の周波数応答性などに合わせて、適宜調整する方が、良好な伝送特性が得られる。具体的には、光ファイバー経路上の光フィルターの透過帯域が狭く光スペクトルの高周波成分が減衰する場合は、本発明の光制御素子において高周波成分の変調深さを高めることにより、良好な伝送結果が得られる。
【0057】
また、受光系のフォトディテクターや増幅アンプの動作帯域が狭く、高周波成分の劣化が大きいときも、同様に、光制御素子において高周波成分の変調深さを高めることにより、良好な伝送結果が得られる。
【0058】
図2のように、複数の共振型電極の光導波路に沿って直列的に配置(縦続配置)する場合の配置順序について、説明する。配置順序については、原理的には制限はない。しかしながら、分岐回路や配線部での制御信号の減衰があるため、消費電力低減の観点からは、深い変調を行う周波数の変調を担う共振型電極を、光の入力部に近い位置に配置する方が望ましい。また、制御信号を分岐する順番と伝搬してくる光に作用させる順番は、一致している必要はない。
【0059】
次に、図4に示すように、本発明の光制御素子において、制御電極3は進行波型電極60を有し、該進行波型電極には該入力配線30から分岐した制御信号が供給されるよう構成することが可能である。特に、図4のように、共振型電極(31,32)による光変調と進行波型電極60による光変調とを混在させることで、より機能性の高い光制御素子を提供することが可能となる。例えば、進行波型電極で十分な変調深さが得られない周波数(f1,f2)については、共振型電極(31,32)を用いて変調し、変調帯域を拡張することが可能となる。当然、進行波型電極と各共振型電極との間にも電気遅延線路(40,41)が設けられている。
【0060】
図5は、変調帯域を拡張する様子を示すグラフであり、グラフCは進行波型電極による変調特性である。このグラフCの特性に、共振型電極(31,32)による変調特性(d1,d2)を付加することで、全体の変調特性をグラフDのように広帯域化することが可能となる。
【0061】
本発明の光制御素子に使用される、制御電極としては、上述のような進行波型電極だけでなく、バイアス印加のためのDC成分を含む低い周波数成分の光変調のための電極を取り入れることも可能である。
【0062】
本発明の光制御素子に使用される光導波路としては、図1及び図2に示すような、1本の光導波路2を用いるものに限定されず、図4及び図6に示すようなマッハツェンダー型光導波路20を用いることも可能である。当然、マッハツェンダー型光導波路が、複数集積される構成への適応も可能であることは、言うまでもない。
【0063】
また、湾曲した光導波路、反射などにより折り返した光導波路も利用可能である。これらの光導波路に対して、共振型電極を縦続配置する場合には、常に、光と制御信号のタイミングが合うように構成することが不可欠である。
【0064】
基板1としては、ニオブ酸リチウムのZカット型基板のような、電気光学材料の分極主軸にほぼ垂直の面基板を用い、かつ、制御信号の分岐部において、分岐した制御信号が逆相になるような分岐回路を用いた場合には、マッハツェンダー型光導波路の一方の分岐導波路に、順相の制御信号で駆動する電極(複数の共振型電極の組み合わせ)を配置し、他方の分岐導波路に、逆相で分岐された制御信号で駆動する電極(同様に、複数の共振型電極の組み合わせ)を配置する。このような構成により、プッシュ・プル駆動が可能となり、駆動電圧を一層低減することも可能となる。また、制御信号が同相となるように分岐する場合には、一方の分岐導波路が形成された基板の分極主軸を反転させることで、同様の効果を得ることができる。
【0065】
共振型電極の数については、上述した光制御素子では、各共振周波数に対して1つずつの共振型電極を対応させていた。例えば、縦続配置した5個の共振型電極を用いて方形波に対応する光変調を行う場合には、5個の共振型電極は、基本周波数fと、基本周波数の奇数倍(f:3倍,f:5倍,f:7倍,f:9倍)に対応した長さに設定されている。ここで、共振型電極を必要な共振周波数の数だけ備えるには、光制御素子が大型化する原因となる。このため、一つの共振型電極で複数の共振周波数の変調も可能となることを以下で説明する。
【0066】
図7は、共振型電極31の両端が電気的に開放されている場合を示している。共振型電極の電極長Lと、電極上でのマイクロ波の波長λmとの関係は、自然数nを用いて以下のように表現される。図7の符号51〜53は接地電極である。
L=λ×(2n−1)/2 ・・・・・(1)
【0067】
共振型電極上の波長λは電極上を伝わるマイクロ波の速度をv、周波数をfとすると、v=f×λの関係がある。また、マイクロ波の速度vは電極上のマイクロ波の屈折率をn、真空中の光の速度をcとすると、v=c/n(=f×λ)の関係にある。したがって、上記(1)式は、次のように書き換えられる。
L=c/(n・f)×(2n−1)/2 ・・・・・(2)
さらに、周波数fで整理すると以下のようになる。
=c/(2・n・L)×(2n−1)=f×(2n−1) ・・・・・(3)
ここで、f1(=c/(2・n・L))であり、基本周波数を意味する。
【0068】
つまり、1つの電極長Lでは、f1(=c/(2・n・L))の基本周波数の共振波形だけでなく、基本周波数fの奇数倍の共振周波数の共振波形も同時に形成されることが可能であることが、容易に理解される。
【0069】
次に、図8は、共振型電極31の両端が電気的に短絡されている場合を示している。共振型電極の電極長Lと、電極上でのマイクロ波の波長λmとの関係は、自然数nを用いて以下のように表現される。図8の符号50は接地電極である。
L=λ×n ・・・・・(4)
【0070】
上記(2)及び(3)と同様に、マイクロ波の速度の関係式v=c/n(=f×λ)を用いて、以下の(5)及び(6)のように書き換えられる。
L=c/(n・f)×n ・・・・・(5)
さらに、周波数fで整理すると以下のようになる。
=c/(n・L)×n=f×n ・・・・・(6)
ここで、f1(=c/(n・L))であり、基本周波数を意味する。
【0071】
つまり、1つの電極長Lでは、f1(=c/(n・L))の基本周波数の共振波形だけでなく、基本周波数fの自然数倍の共振周波数の共振波形も同時に形成されることが可能であることが、容易に理解される。
【0072】
ただし、マイクロ波屈折率nには、わずかながら周波数依存性があるため、同じ電極で共振可能な周波数は、完全な奇数倍又は自然数倍にはならないが、一つの共振型電極で、基本周波数fとその奇数倍又は自然数倍の共振周波数を、同時に共振させることは可能である。したがって、奇数倍又は自然数倍の複数の共振周波数を一つの共振型電極で共振させることが可能となり、共振型電極の数を削減することが可能となる。
【0073】
なお、各共振周波数成分の変調深さは、完全方形波をフーリエ展開した際の各周波数成分の量に合わせて、それぞれ基本周波数fの変調の深さの、1/3(f=3fの場合)、1/5(f=5fの場合)、1/7(f=7fの場合)、1/9(f=9fの場合)とするのが望ましい。これは、あらかじめ信号配線を周波数成分毎に分割しておき、それぞれの周波数を励振するのに適した位置に、周波数成分毎に、位相と強度を合わせて配線し給電するか、あるいは、それぞれの給電効率が、なるべく理想的な分配費になるような位置に給電することで、対応することが可能である。
【0074】
次に、共振周波数として、特定の周波数fと、該特定の周波数から所定量Δfだけ異なる周波数f±Δfとなるように設定した場合について説明する。この場合、3つの共振周波数を有するため、変調周波数特性は、理想的には3つのピークを示すことが期待される。しかしながら、周波数(f,f±Δf)の制御信号は、当該周波数に共振する特定の共振型電極のみに印加されるのではなく、他の共振型電極にも同時に印加されるため、結果として、特定の周波数fをピークとし、所定量Δfを略半値幅とする1つのピーク形状の変調周波数特性を得ることができる。
なお、「略半値幅」という意味は、ピーク波形の「半値幅」のように、ピーク波形が当該所定量Δfに基づく広がりを形成していることを意味している。
【0075】
このような共振型電極を有する光制御素子に入力する制御信号としては、単一又は複数の異なる周波数を有する制御信号が用いられる。当然、共振周波数に併せて、特定の周波数fや、該特定の周波数から所定量Δfだけ異なる周波数f±Δfを有する制御信号を用いることが変調効率を考慮すると好ましい。しかしながら、上述のように変調周波数特性が一つのピークを有する場合、特定の周波数fだけでなく、例えば、f±Δf程度の範囲内で任意の周波数を選択しても、比較的高い変調効率を得ることができる。
【0076】
次の条件で光制御素子を試作し、変調周波数特性を測定した。
一本の光導波路に対し3つの共振電極をタンデムに並べた構成において、各共振電極の共振周波数がf=20.0GHzで、Δf=1.5GHzとなるように共振電極長を設定した。
基板は厚さ1mmのz−cutのLiNbO、バッファ層は厚さ0.2μmのSiOとし、電極はコプレーナ構造、厚さ3μmのAl(アルミニウム)とした。信号電極の幅は20μm、信号電極とGND電極の間隔は20μmとした。共振周波数に対する共振電極長は、それぞれ2.01mm(18.5GHz)、1.87mm(20.0GHz)、1.71mm(21.5GHz)とした。
【0077】
光導波路は、Ti拡散で形成し、光制御素子のデバイスサイズは、長さ6.35mm、幅2.75mmとした。作製した光制御素子について、光スペクトラムアナライザーを用いて変調特性の評価を行った。その結果を図9に示す。この結果からも明らかなように、中心周波数は設計通り20GHzとなり、また3dB帯域幅も設計値である5.3GHzとほぼ一致した5GHzであった。
【0078】
図9に示す変調度の周波数特性は、四角の点が測定値であり、実線が近似線であるが、全体的に1つのピークに近い形状となっている。これは上述したように、制御信号の周波数が共振周波数でない共振型電極にも同時に給電されていることに原因があり、例えば、各共振型電極に入力される線路に、当該共振型電極で共振する周波数の透過フィルタなどを設けることで、計算値となる3つのピークを有する変調周波数特性を得ることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上説明したように、本発明によれば、共振周波数の異なる複数の共振型電極を用いながら、変調効率が高く低コスト化することが可能な光制御素子を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0080】
1 電気光学効果を有する基板
2,20 光導波路
3 制御電極
30 入力配線
31〜34 信号電極(共振型電極)
40〜42 電気遅延線路
60 進行波型電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該基板に設けられ、該光導波路を伝搬する光の位相を制御するための制御電極とを有する光制御素子において、
該制御電極は、該光導波路に沿って配置される、共振周波数の異なる複数の共振型電極を有し、
制御信号を入力する1つの入力配線と、該入力配線から分岐する分岐信号線が各共振型電極に接続され、かつ、該分岐信号線は、各共振型電極において該制御信号が該共振型電極に供給されるタイミングと、該光導波路を伝搬する光が当該共振型電極の近傍を通過するタイミングとを一致させるように構成されていることを特徴とする光制御素子。
【請求項2】
請求項1に記載の光制御素子において、該制御信号が方形波であり、該共振周波数は、該方形波の基本周波数の略奇数倍に設定されていることを特徴とする光制御素子。
【請求項3】
請求項1に記載の光制御素子において、該共振周波数は、特定の周波数fと、該特定の周波数から所定量Δfだけ異なる周波数f±Δfとなるように設定され、該制御信号には、単一又は複数の異なる周波数を有する制御信号が用いられることを特徴とする光制御素子。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の光制御素子において、該共振型電極の該光導波路に沿った配置順序は、各共振型電極が該光導波路を伝搬する光に及ぼす変調深さの大きい順に、該光の伝搬方向に配置されていることを特徴とする光制御素子。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の光制御素子において、該制御電極は進行波型電極を有し、該進行波型電極には該入力配線から分岐した制御信号が供給されていることを特徴とする光制御素子。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の光制御素子において、該制御電極が配置される光導波路は1本の光導波路又はマッハツェンダー型光導波路であることを特徴とする光制御素子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−198492(P2012−198492A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198114(P2011−198114)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【Fターム(参考)】