入退室管理システム
【課題】アクティブタグを用いて、ユーザが外出したのか、在宅しているのかを正確に判断することができる入退室管理システムを提供する。
【解決手段】入退室管理システム1は、扉200の内外に設けられ、信号を繰り返し送信する2個のアンテナと、2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度を測定し、測定した信号強度の差又は比に関する情報を送信するアクティブタグA10と、アクティブタグA10から送信された情報を受信し記憶する管理装置20とを備え、管理装置20は、記憶している前記情報を用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかを判断する。
【解決手段】入退室管理システム1は、扉200の内外に設けられ、信号を繰り返し送信する2個のアンテナと、2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度を測定し、測定した信号強度の差又は比に関する情報を送信するアクティブタグA10と、アクティブタグA10から送信された情報を受信し記憶する管理装置20とを備え、管理装置20は、記憶している前記情報を用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかを判断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブタグを用いて入退室管理を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードを携帯しているユーザが、ゲートをどちら向きに通過したのかを検出するシステムがある。
特許文献1に記載されている発明は、ICカードから送信される信号を、ゲートの入口側に設置されたアンテナおよびゲートの出口側に設置されたアンテナの2個のアンテナで受信する。そして、受信した信号の信号強度の大小によって、ICカードがゲートをどちら向きに通過しているのかを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−120304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでICカードは、小型化の要請から大きな電池を搭載することはできず、使用できる電力には限りがある。そのため、ICカードから送信される信号は微弱となり、受信側で微弱な信号の大小比較を行うと誤差が大きくなる。したがって、上記の技術を用いた場合、実際にICカードが通過する向きを判別することは困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、アクティブタグを用いて、ユーザが外出したのか、在宅しているのかを正確に判断することができる入退室管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の入退室管理システムは、扉の内外に設けられ、信号を繰り返し送信する2個のアンテナと、前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度を測定し、測定した信号強度の差又は比に関する情報を送信するタグと、前記タグから送信された情報を受信し記憶する管理装置とから構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
すなわち、従来は、ICカードから送信された信号の信号強度を管理装置側で計測していたのに対し、本発明の入退室管理システムでは、管理装置から送信された信号の信号強度をタグ側で計測するというものである。管理装置は、ICカード等の無線タグと比較し、使用できる電力が大きいため、管理装置から送信される信号は、ICカードから送信される信号と比較し、送信強度をより高いレベルに設定することが可能である。
【0007】
そのため、本発明の入退室管理システムでは、2個のアンテナを介してそれぞれ受信した信号の信号強度の差又は比を算出したときの誤差が小さくなるので、タグを携行したユーザが外出したのか、在宅しているのかをより正確に判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】入退室管理システム1のシステム構成図である。
【図2】各装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】質問信号および信号強度測定信号を説明するための図である。
【図4】扉200、アクティブタグA10、屋内ユニット30および屋外ユニット40の関係を模式的に示す図である。
【図5】管理装置20が生成するテーブル201のデータ構成を示す図である。
【図6】管理装置20が管理する在宅情報202、203、204のデータ構成を示す図である。
【図7】入退室管理システム1の初期設定処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】入退室管理システム1の在宅情報管理処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】入退室管理システム1の在宅情報管理処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】在宅情報の利用の具体例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明に係る入退室管理システムの一つの実施形態である入退室管理システム1について、図面を参照しながら説明する。
<概要>
図1は、入退室管理システム1のシステム構成図である。入退室管理システム1は、扉200、アクティブタグA10、管理装置20、屋内ユニット30、屋外ユニット40、電気錠50、電気錠60、およびホームセキュリティシステム70から構成される。
【0010】
扉200は屋内と屋外との境界に位置する。ユーザは、扉200を通り、屋内および屋外を行き来する。ここで、図1(a)は、扉200を屋内側から見た図であり、図1(b)は、扉200を屋外側から見た図である。
管理装置20および屋内ユニット30は、扉200の屋内側の面に設置されている。電気錠50および電気錠60は、一部が扉200の内部に設置されており、ユーザが操作する操作部であるハンドルは、扉200の屋内側の面に設置されている。屋外ユニット40は、扉200の屋外側の面に設置されている。
【0011】
管理装置20は、屋内ユニット30および屋外ユニット40を介して、ユーザAが携行するアクティブタグA10に対してIDを問い合わせる質問信号を送信する。アクティブタグA10は、質問信号への応答として自機のタグIDを含む応答信号を返す。
管理装置20は、応答信号に含まれるタグIDを、扉200の通行権限の有無を示すIDのリストと照らし合わせる。そして、通行権限があると判断した場合のみ、電気錠50および電気錠60を一定時間(例えば10〜20秒程度)解錠してユーザAの通行を可能にする。
【0012】
また、管理装置20は、屋内ユニット30および屋外ユニット40のそれぞれを介して、アクティブタグA10へ信号強度測定信号を送信する。アクティブタグA10は、信号強度測定信号を受信する都度、そのRSSI値を計測する。そして、アクティブタグA10は、屋内ユニット30から送信された信号強度測定信号のRSSI値と、屋外ユニット40から送信された信号強度測定信号のRSSI値との差分を算出する。
【0013】
アクティブタグA10は、算出した差分を管理装置20へ送信し、管理装置20は、受信したRSSI値の差分を用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのか(ユーザAが在宅しているのか外出しているのか)を判断する。
管理装置20は、ユーザAが在宅しているのか外出しているのかを示す在宅情報を管理し、在宅情報を用いて、ホームセキュリティシステム70を制御する。
【0014】
なお、入退室管理システム1に含まれるアクティブタグは、アクティブタグA10のみに限定されない。例えば、家族それぞれがアクティブタグを携行する場合が想定される。家族が5人(それぞれユーザA、ユーザB、ユーザC、ユーザDおよびユーザEとする)である場合には、入退室管理システム1は、アクティブタグA10に加え、アクティブタグB、アクティブタグC,アクティブタグアクティブタグDおよびアクティブタグEを含む構成でもよい。
<構成>
図2は、各装置の内部構成を示すブロック図である。
(1)アクティブタグA10
アクティブタグA10は、LF(Low Frequency)アンテナ11、LF帯受信回路12、制御部13、UHF(Ultra High Frequency)帯送受信回路14、UHFアンテナ15、表示部16、操作部17、および電池18から構成される。
【0015】
アクティブタグA10は、内蔵されている電池18の電力によって動作し、x軸、y軸、z軸の3軸のコイル型アンテナを備えた無指向性のLFアンテナ11により、質問信号および信号強度測定信号を受信する。
LF受信回路12は、LFアンテナ11が質問信号を受信すると、制御部13を起動させる。
【0016】
制御部13は、制御プログラムを格納するROM、制御プログラムを実行するCPUおよび作業用のRAMなどを含む。
制御部13は、LF受信回路12から質問信号を受け取ると、予め内部に格納されている自機のタグID(ID−A)を含む応答信号を生成する。制御部13は、生成した応答信号を、UHF帯(極超短波帯:300MHz〜3GHz)送受信回路14およびUHFアンテナ14を介して、管理装置20へ応答する。
【0017】
制御部13は、LF受信回路12から信号強度測定信号を受け取ると、受け取った信号強度測定信号の強度(以下「RSSI(ReceivedSignal Strength Indication)値」と記載する。)を検出する。
ここで、信号強度測定信号は、屋内ユニット30から送信されたか、屋外ユニット40から送信されたかを示すIDを含む。制御部13は、信号強度測定信号に含まれるIDにより、受信した信号強度測定信号が屋内ユニット30から送信されたか、屋外ユニット40から送信されたかを識別することができる。
【0018】
制御部13は、屋内ユニット30から送信された信号強度測定信号のRSSI値(以下「rA」と記載する。)と、屋外ユニット40から送信された信号強度測定信号のRSSI値(以下「rB」と記載する。)との差分であるd=rA−rBを算出する。
制御部13は、算出した差分dを含む差分通知信号を、UHF帯送受信回路14およびUHFアンテナ15を介して、管理装置20へ送信する。
【0019】
表示部16は、LEDランプの点滅・点灯により各種表示を行う。操作部17は、押しボタンなどを含み、ユーザAによる操作を受け付ける。
(2)管理装置20
管理装置20は、制御部21、LF帯送信回路22、LF帯送信回路23、UHFアンテナ24、UHF送受信回路25、在宅情報記憶部26、ネットワーク接続部27、電気錠駆動回路28、および電気錠駆動回路29から構成される。
【0020】
制御部21は、制御プログラムを格納するROM、制御プログラムを実行するCPUおよび作業用のRAMなどを含む。
制御部21は、LF送信回路22およびLF送信回路23を介して、質問信号および信号強度測定信号を送信する。LF送信回路22およびLF送信回路23は、フィルタやアンプ等を含む。
【0021】
また、制御部21は、UHFアンテナ24およびUHF送受信回路25を介して、応答信号および差分通知信号を受信する。
ここで、図3を用いて、質問信号および信号強度測定信号について説明する。
図3の上段は、屋内ユニット30を介して送信される質問信号および信号強度測定信号を示している。図3の中段は、屋外ユニット40を介して送信される質問信号および信号強度測定信号を示している。
【0022】
制御部21は、屋内ユニット30および屋外ユニット40を介してそれぞれ時間をずらし交互に質問信号および信号強度測定信号を送信する。
質問信号は、アクティブタグA10に対してIDを問い合わせる信号である。質問信号は、所定バイト数のデータ長を有する信号であり、送信に要する時間は、一例として40msec程度である。また、質問信号は、一例として100msecの周期で繰り返し送信される。
【0023】
制御部21は、図3の下段に示す応答信号をアクティブタグA10から受信すると、送信する信号を質問信号から信号強度測定信号へ切り替える。
信号強度測定信号は、アクティブタグA10に対してRSSI値の測定を指示する信号である。信号強度測定信号は、質問信号よりも短いバイト数のデータ長を有する信号である。送信に要する時間は、一例として10msec程度である。また、信号強度測定信号は、質問信号の送信周期よりも短い周期、一例として30msecの周期で繰り返し送信される。
(認証処理)
制御部21は、応答信号を受信すると、図示していない認証用リストを用いて電気錠50および電気錠60を解錠するか否か判断する。
【0024】
具体的に、制御部21は、通行権限のあるアクティブタグのタグIDを予め登録した認証用リストを保持している。そして、応答信号に含まれるタグIDが認証用リストに記載されている場合には、制御部21は、電気錠駆動回路28および電気錠駆動回路29に対して、電気錠50および電気錠60の解錠を指示する。一方、応答信号に含まれるタグIDが認証用リストに記載されていない場合には、制御部21は、UHF帯送受信回路25およびUHFアンテナ24を介して、アクティブタグA10へ、解錠不可を示す信号を送信する。これを受けると、アクティブタグA10は、表示部16を点滅させるなどして、ユーザAに解錠不可を報知する。
(在宅情報管理処理)
制御部21は、アクティブタグA10から繰り返し差分通知信号を受信する。制御部21は、受信した差分通知信号に含まれる差分dを用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか、または、屋外にあるのかを判断する。
【0025】
ここで、図4および図5を用いて判断の詳細について説明する。
図4(a)は、扉200に設置された屋内ユニット30および屋外ユニット40と、アクティブタグA10との位置関係を示す図である。ここでは、アクティブタグA10を携行したユーザAが、屋内から扉200を通過して屋外へ出る場合を具体例として用いる。
なお、詳細については後述するが、アクティブタグA10が屋内ユニット30および屋外ユニット40から概ね等距離の位置にあるとき、rA=rBとなるように、屋内ユニット30および屋外ユニット40から出力される信号のレベルが調整されている。
【0026】
アクティブタグA10が、屋内にあるとき(例えば、位置aにあるとき)、アクティブタグA10は、屋内ユニット30から近い位置にあり、屋外ユニット40から遠い位置にある。そのため、rA>rB、d=rA−rB>0となる。
アクティブタグA10が扉200を通過するとき(例えば、位置bにあるとき)、アクティブタグA10は、屋内ユニット30および屋外ユニット40から概ね等距離の位置にある。そのため、rA=rB、d=rA−rB=0となる。
【0027】
アクティブタグA10が、屋外にあるとき(例えば、位置cにあるとき)、アクティブタグA10は、屋内ユニット30から遠い位置に在り、屋外ユニット40から近い位置にある。そのため、rA<rB、d=rA−rB<0となる。
図4(b)は、差分dの値の変化を示した概略図である。横軸は、図4(a)に対応したアクティブタグA10の位置を示し、縦軸は差分dの値を示している。
【0028】
制御部21は、アクティブタグA10から繰り返し差分通知信号を受信すると、受信した差分通知信号から差分dを抽出する。そして、制御部21は、差分dを受信した順序で記録し、一例として、図5に示すテーブル201を生成する。
図5に示すように、テーブル201は、アクティブタグA10のタグID(ID−A)、および、受信した順序を示す番号(1〜9)と対応付けられた差分dの値を含む。テーブル201によると、差分dは、番号1〜4まで正の値で変移し、番号5で符号が反転する。さらに差分dは、番号5〜9まで負の値で変移する。
【0029】
制御部21は、予め内部に閾値として所定の値を保持している。この閾値は、アクティブタグA10が扉200を通過する際に生じる差分d=rA−rBの誤差を加味して正しい判断を行うために用いられる値である。ここでは、具体例として、制御部21は、閾値「1」を保持しているものとする。
制御部21は、差分dの値の符号が正から負に反転し、且つ、差分dの値(絶対値)が閾値を超過した場合(図5の具体例では、番号6が該当する)に、アクティブタグA10が扉200を通過して屋内から屋外へ移動したと判断する。
【0030】
一方、制御部21は、差分dの値の符号が負から正に反転し、且つ、差分dの値(絶対値)が、閾値を超過した場合に、アクティブタグA10が扉200を通過して屋外から屋内へ移動したと判断する。
制御部21は、判断結果を用いて、在宅情報記憶部26に記憶されている在宅情報を更新する。
(ホームセキュリティシステム起動処理)
在宅情報記憶部26は、不揮発性メモリで構成される。
【0031】
ここでは、入退室管理システム1は、アクティブタグA10、アクティブタグB、アクティブタグC,アクティブタグアクティブタグDおよびアクティブタグEを含む構成である場合を例に説明する。アクティブタグA10,アクティブタグB、アクティブタグC,アクティブタグアクティブタグDおよびアクティブタグEは、それぞれ、ユーザA、ユーザB、ユーザC,ユーザDおよびユーザEが携行するタグである。
【0032】
在宅情報記憶部26は、入退室管理システム1の初期状態では、図6(a)に示す在宅情報202を記憶している。在宅情報202は、ユーザA〜Eの全員が在宅していることを示している。
制御部21が、アクティブタグA10が扉200を通過して屋内から屋外へ移動したと判断すると、制御部21は、在宅情報202を、図6(b)に示す在宅情報203に更新する。在宅情報203は、ユーザAが外出しているため不在であり、ユーザB〜Eが在宅していることを示している。
【0033】
その後、制御部21が、アクティブタグB〜Eそれぞれが扉200を通過して屋内から屋外へ移動したと判断すると、制御部21は、在宅情報203を、図6(c)に示す在宅情報204に更新する。在宅情報204は、ユーザA〜Eの全員が外出しているため不在であることを示している。
制御部21は、在宅情報が図6(c)の状態になると、ホームセキュリティシステム70を起動させるための命令を生成する。制御部21は、ネットワーク接続部27を介して、ホームセキュリティシステム70へ起動命令を送信する。
【0034】
ネットワーク接続部27は、一例として無線LAN(Local Area Network)接続ユニットである。ネットワーク接続部27は、無線LANなどのネットワークを介して、管理装置20と家庭内のネットワーク機器とを接続する機能を有する。ネットワーク機器の一例が、ホームセキュリティシステム70である。
(3)屋内ユニット30および屋外ユニット40
屋内ユニット30は、LFアンテナ31、表示部32および操作部33から構成される。LFアンテナ31は、LF送信回路22から受け取る質問信号および信号強度測定信号を、LF帯で送信する。表示部32は、LEDランプの点滅・点灯により各種表示を行う。操作部33は、押しボタンなどを含み、ユーザによる操作を受け付ける。
【0035】
屋外ユニット40は、屋内ユニット30と同様の構成を有する。具体的に、屋外ユニット40は、LFアンテナ41、表示部42および操作部43から構成される。LFアンテナ41は、LF送信回路23から受け取る質問信号および信号強度測定信号を、LF帯で送信する。表示部42は、LEDランプの点滅・点灯により各種表示を行う。操作部43は、押しボタンなどを含み、ユーザによる操作を受け付ける。
(4)電気錠50および電気錠60
電気錠50は、錠51、モータ52、および施錠/解錠センサ53から構成される。
【0036】
電気錠50は、管理装置20の電気錠駆動回路28から施錠および解錠の指示を受けると、モータ52を回転させて、錠51を施錠および解錠する。施錠/解錠センサ53は、錠51の施解錠状態を検出する。また、施錠/解錠センサ53は、錠51の解錠を検出してから一定時間(例えば10〜20秒程度)経過後に、モータ52を回転させて錠51を施錠する。
【0037】
電気錠60は、電気錠50と同様の構成を有する。具体的に、電気錠60は、錠61、モータ62、および施錠/解錠センサ63から構成される。電気錠60の各構成要素は、電気錠50の各構成要素と同様の機能を有するため説明を省略する。
(5)ホームセキュリティシステム70
ホームセキュリティシステム70は、起動状態において、人を検知する人感センサ71、窓の開状態を検知する窓センサ72、各センサが異常を検知すると警備会社へ異常を通報する通信部73、および、各センサが異常を検知すると音声を出力するスピーカ74等を含む。さらに、ホームセキュリティシステム70は、ユーザ操作を受け付ける操作部75を含む。
【0038】
ホームセキュリティシステム70は、管理装置20から起動命令を受け付けると、起動する。さらに、ホームセキュリティシステム70は、操作部75が「オン」を示すユーザ操作を受け付けることによっても起動することができる。
家族が全員揃ってで外出する場合、各人がアクティブタグを携行して外出するとは限らない。例えば、家族のうちの一人のみがアクティブタグを携行し、他の家族はアクティブタグを携行しないで外出する場合も想定される。
【0039】
このような場合、在宅情報は、図6(c)に示した在宅情報204の状態にはならないため、ホームセキュリティシステム70は、管理装置20から起動命令を受け付けることはない。そこで、ユーザは、操作部75を操作することによって、上記のような状況においても、ホームセキュリティシステム70を起動させることができる。
また、ホームセキュリティシステム70の監視機能を停止させるためには、暗証番号による認証や生体認証などを利用したユーザ操作が必要である。
<動作>
ここでは、図7〜9のフローチャートを用いて、入退室管理システム1の動作について説明する。
(1)先ず、図7のフローチャートを用いて、入退室管理システム1の初期設定処理の動作について説明する。
【0040】
入退室管理システム1は、アクティブタグA10を屋内ユニット30および屋外ユニット40から等距離の位置に設置する(ステップS1)。
管理装置20の制御部21は、出力制御信号を生成し、LF送信回路22およびLF送信回路23へ出力する(ステップS2およびステップS3)。出力制御信号は、LF送信回路22およびLF送信回路23に含まれるアンプの出力レベルを設定するための情報である。初期状態では、制御部21は、予め設定されているアンプの出力強度の初期値を示す出力制御信号を生成する。
【0041】
LF送信回路22は、アンプの出力強度を、制御部21から受信した出力制御信号が示す値に設定する(ステップS4)。同様に、LF送信回路23も、アンプの出力強度を、制御部21から受信した出力制御信号が示す値に設定する(ステップS5)。
制御部21は、屋内ユニット30および屋外ユニット40を介して、アクティブタグA10へ測定用信号を送信する(ステップS6およびステップS7)。
【0042】
アクティブタグA10は、屋内ユニット30から受信した測定用信号のRSSI値(rA)を検出して、管理装置20へ通知する(ステップS8)。さらに、アクティブタグA10は、屋外ユニット40から受信した測定用信号のRSSI値(rB)を検出して、管理装置20へ通知する(ステップS9)。
制御部21は、アクティブタグA10からrAおよびrBを受信すると両者のレベルを比較する。
【0043】
rA=rBの場合(ステップS10でYES)、初期設定処理を終了する。
rA≠rBの場合(ステップS10でNO)、制御部21は、rA=rBとなるように、LF送信回路22に出力する出力制御信号および/またはLF送信回路23に出力する出力制御信号の値を補正する(ステップS11)。その後、ステップS2およびステップS3に戻り処理を続ける。
【0044】
このように、管理装置20は、アクティブタグA10を屋内ユニット30および屋外ユニット40から等距離の位置に設置した状態で、rA=rBとなるまで送信信号のレベルを調整する。
(2)続いて、図8および図9のフローチャートを用いて、入退室管理システム1の在宅情報管理処理の動作について説明する。
【0045】
管理装置20は、先ず、質問信号を選択する(ステップS21)。
管理装置20は、屋内ユニット30を介して質問信号を送信し(ステップS22)、さらに屋外ユニット40を介して質問信号を送信する(ステップS23)。
アクティブタグA10が屋内ユニット30および屋外ユニット40から送信された質問信号の受信領域内(半径1〜2m程度)にあるとき、アクティブタグA10は、質問信号を受信する(ステップS24)。
【0046】
質問信号を受信したアクティブタグA10は、自機のタグIDを含む応答信号を生成する(ステップS25)。アクティブタグA10は、応答信号を送信し、管理装置20は、応答信号を受信する(ステップS26)。
応答信号を受信した管理装置20は、送信する信号を信号強度測定信号に切り替える(ステップS27)。すなわち、管理装置20は、ステップS26で応答信号を受信するまで、ステップS22およびステップS23の処理を繰り返す。
【0047】
管理装置20は、屋内ユニット30を介して信号強度測定信号を送信し、アクティブタグA10は、信号強度測定信号を受信する(ステップS28)。アクティブタグA10は、受信した信号強度測定信号のRSSI値を測定する(ステップS29)。
管理装置20は、屋外ユニット40を介して信号強度測定信号を送信し、アクティブタグA10は、信号強度測定信号を受信する(ステップS30)。アクティブタグA10は、受信した信号強度測定信号のRSSI値を測定する(ステップS31)。
【0048】
アクティブタグA10は、ステップS29で測定したRSSI値(rA)とステップS31で測定したRSSI値(rB)との差分dを算出する(ステップS32)。アクティブタグA10は、算出した差分dを、管理装置20へ送信し、管理装置20は、差分dを受信する(ステップS33)。管理装置20は、アクティブタグA10から差分dを受信すると、内部に蓄積する(ステップS34)。
【0049】
アクティブタグA10は、一例として、扉200が解錠された後に施錠されるまでの間、ステップS28からステップS34までの処理を繰り返す。
続いて、管理装置20は、内部に蓄積された複数の差分dの値を参照し、何れかの差分dにおいて、前後の差分dの値と比較して符号が反転しているか否か判断する。
符号が反転しない場合(ステップS35でNO)、アクティブタグA10は、扉200を通過していないと判断し、管理装置20は在宅情報を更新せず、ステップS38へ進む。
【0050】
符号が反転している場合(ステップS35でYES),管理装置は20、符号が反転した後の何れかの差分dの値が閾値を超過しているか否か判断する。
閾値を超過していない場合(ステップS36でNO)、ステップS35で検出された符号の反転は誤差の範囲であり、アクティブタグA10は、扉200を通過していないと見なすことができる。そのため、管理装置20は、在宅情報を更新せず、ステップS38へ進む。
【0051】
閾値を超過している場合(ステップS36でYES)、アクティブタグA10は扉200を通過したと判断し、管理装置20は、在宅情報記憶部26に記憶されている在宅情報を更新する(ステップS37)。
その後、管理装置20は、在宅情報記憶部26に記憶されている在宅情報を参照し、家族の全員が不在であるか否か判断する。
【0052】
在宅している家族がいる場合(ステップS38でNO)、管理装置20は、処理を終了する。
家族の全員が不在である場合(ステップS38でYES),管理装置20は、ホームセキュリティシステム70を起動させるための起動命令を生成する(ステップS39)。管理装置20は、ネットワークを介してホームセキュリティシステム70へ起動命令を送信し、ホームセキュリティシステム70は、起動命令を受信する(ステップS40)。起動命令を受信したホームセキュリティシステム70は、監視機能の起動させる(ステップS41)。
<変形例>
以上、本発明に係る入退室管理システムの実施形態を説明したが、例示した入退室管理システム1を以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示したとおりの入退室管理システム1に限られないことは勿論である。
(1)上記の実施形態では、屋内ユニット30および屋外ユニット40は、扉200両面に設置されていた。しかし、この構成は必須ではない。例えば、扉200が設置されている屋内側の壁に屋内ユニット30が設置されており、屋外側の壁に屋外ユニット40が設置されている場合も本発明に含まれる。
(2)上記の実施形態では、アクティブタグA10は、RSSI値の差分dを算出する都度、算出した差分dを管理装置20へ送信していた。しかし、この構成は必須ではない。アクティブタグA10は、算出した差分dを内部に蓄積しておき、所定時間経過後に、蓄積している複数の差分dを一度に管理装置20へ送信する構成でもよい。この構成によると、アクティブタグA10から管理装置20への送信回数が減るので、送信にかかる電力消費を抑制することができる。
(3)上記の実施形態では、アクティブタグA10が、RSSI値の差分dを算出して、算出した差分dを管理装置20へ送信していた。しかし、この構成は必須ではない。アクティブタグA10は、検出したRSSI値rAおよびrBを管理装置20へ送信し、管理装置20側で、差分d=rA−rBを算出する構成としてもよい。
【0053】
この場合、アクティブタグA10は、rAおよびrBを検出する都度、検出したrAおよびrBを管理装置20へ送信してもよい。また、送信にかかる電力消費を抑制するため、アクティブタグA10は、検出したrAおよびrBを内部に蓄積しておき、所定時間経過後に、蓄積している複数のrAおよびrBを一度に管理装置20に送信してもよい。
何れの場合も、アクティブタグA10から送信されたRSSI値が、屋内ユニット30を介して受信した測定用信号のRSSI値(rA)であるか、屋外ユニット40を介して受信した測定用信号のRSSI値(rB)であるかを管理装置20側で識別可能であるとする。また、アクティブタグA10から管理装置20へ送信されるRSSI値は、測定用信号を受信した時刻に関する情報を含むなど、受信した時刻若しくは受信した順序を管理装置20側で識別可能であるとする。
【0054】
すなわち、本発明の入退室管理システムは、扉の内外に設けられ、信号を繰り返し送信する2個のアンテナと、前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度を測定するタグと、前記タグから前記信号強度を受信し、受信した信号強度の差又は比に関する情報を記憶する管理装置とを備えることを特徴とする。
(4)上記の実施形態では、LF送信回路22および23は、管理装置20に含まれる構成を有していたが、LF送信回路22が屋内ユニット30に含まれ、LF送信回路23が屋外ユニット40に含まれる構成でもよい。
(5)上記の実施形態では、タグリーダとして機能するUHFアンテナ24およびUHF送受信回路25は、管理装置20に含まれる構成を有していたが、この構成は必須ではない。UHFアンテナ24およびUHF送受信回路25は、屋内ユニット30に備わっていてもよいし、屋外ユニット40に備わっていてもよい。また、UHFアンテナ24およびUHF送受信回路25から構成されるタグリーダを扉200の付近に設置する構成でもよい。
(6)上記の実施形態では、管理装置20は、在宅情報を利用してホームセキュリティシステム70の起動を制御したが、本発明はこれに限定されない。
【0055】
近年、家庭内の電子機器や家電製品を無線LANなどのネットワークで接続し、相互に情報を送受信したり、連携して動作したりするホームネットワークシステムが開発されつつある。
そこで、管理装置20と家庭内の電子機器や家電製品とをネットワークで接続し、管理装置20が、在宅情報を利用して電子機器や家電製品を制御する場合も本発明に含まれる。
【0056】
例えば、図10に示すように、管理装置20は、図示していないネットワークを介して、ホームセキュリティシステム70、証明機器80、およびエアコン90と接続されている。
管理装置20は、在宅情報を参照して、家族の全員が不在である場合に、証明機器80を消灯したり、エアコン90の電源をオフにしたりする制御を行ってもよい。また、管理装置20は、家族の全員が不在である場合に、ホームセキュリティシステム70を介して、警備会社のシステム100にその旨を通知してもよい。
(7)上記の実施形態では、管理装置20は、アクティブタグA10から受信した信号強度の差分dの値を複数個用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかを判断した。しかし、本発明はこの構成に限定されない。
【0057】
現時点において在宅情報記憶部26に記憶されている在宅情報が「在宅」を示しており、且つ、現時点における信号強度の差分dが負の値であれば、管理装置20は、アクティブタグA10が屋内から屋外へ移動したと判断してもよい。一方、現時点において在宅情報記憶部26に記憶されている在宅情報が「不在」を示しており、且つ、現時点における信号強度の差分dが正の値であれば、管理装置20は、アクティブタグA10が屋外から屋内に移動したと判断してもよい。
【0058】
また、管理装置20の制御部21は、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかの判断に用いた差分dの値を1個保持しておき、次の判断時において、現時点における信号強度の差分dの値と、保持している差分dの値とを用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかを判断してもよい。
(8)上記の実施形態では、制御部21は予め設定された閾値を保持しており、閾値を用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかを判断した。しかし、本発明はこれに限定されない。制御部21は、閾値を用いずに、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかを判断してもよい。
【0059】
具体例として、図5のテーブル201を用いて説明する。
上記の実施形態では、制御部21は、差分dの符号が反転し、且つ、閾値「1」を超過した番号6の時点で、アクティブタグA10が扉200を通過して屋外に出たと判断した。しかし、閾値を用いない場合、制御部21は、差分dの符号が反転した番号5の時点で、番号6以降の差分dの値に関わらず、アクティブタグA10が扉200を通過して屋外に出たと判断してもよい。
【0060】
このように、閾値を用いた判断を行わない場合、アクティブタグA10は、差分d=rA−rBの値を管理装置20へ送信しなくてもよい。アクティブタグA10は、rAおよびrBのどちらが大きいかを判別可能な1ビットの情報のみを管理装置20へ送信すればよい。例えば、rA>rBの場合、アクティブタグA10は管理装置20へ「1」を送信し、rA<rBの場合、アクティブタグA10は管理装置20へ「0」を送信するとしてもよい。
【0061】
そして、管理装置20は、アクティブタグA10から受信した情報が「1」から「0」に変化した場合に、アクティブタグA10が扉200を通過して屋内から屋外へ移動したと判断してもよい。一方、管理装置20は、アクティブタグA10から受信した情報が「0」から「1」に変化した場合に、アクティブタグA10が扉200を通過して屋外から屋内へ移動したと判断してもよい。
(9)上記の実施形態では、2つの信号のRSSI値の差分d=rA−rBを用いて、アクティブタグA10が屋内ユニット30および屋外ユニット40のどちらに近いのかを判断した。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0062】
一例として、2つの信号のRSSI値の比f=rA/rBを用いてもよい。
この場合、管理装置20は、f=rA/rB>1のとき、アクティブタグA10は、屋内ユニット30に近いので、屋内側にあると判断し、f=rA/rB<1のとき、アクティブタグA10は、屋外ユニット40に近いので、屋外側にあると判断する。
(10)上記の実施形態および上記の変形例を適宜組み合わせてもよい。
<補足>
以下、更に本発明の一実施形態としての入退室管理システムの構成およびその変形例と効果について説明する。
(a)本発明の一実施形態に係る入退室管理システムは、扉の内外に設けられ、信号を繰り返し送信する2個のアンテナと、前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度を測定し、測定した信号強度の差又は比に関する情報を送信するタグと、前記タグから送信された情報を受信し記憶する管理装置とから構成されることを特徴とする。
【0063】
この構成によると、タグ側で2個のアンテナを介してそれぞれ受信した信号の信号強度を測定するので、ICカードから送信された信号の信号強度を管理装置側で検出する場合と比較して、測定の誤差が小さくなる。
(b)前記入退室管理システムにおいて、前記情報は、前記タグが前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度の差分を示し、前記管理装置は、記憶している前記差分を用いて、前記タグの位置を判断する制御部と、前記制御部による判断結果を在宅情報として記憶する在宅情報記憶部とを備えることを特徴とする。
【0064】
この構成によると、管理装置は、タグから受信した信号強度の差分を用いて、ユーザが外出したのか、在宅しているのかをより正確に判断することが可能となる。
(c)前記入退室管理システムにおいて、前記管理装置は、前記タグが前記2個のアンテナから繰り返し受信した信号の信号強度の差分を複数受信し、前記制御部は、受信した複数の差分の何れかが予め保持している閾値を超過した場合に、前記在宅情報記憶部が記憶している在宅情報を更新することを特徴とする。
【0065】
前記2個のアンテナが扉自体に設置されている場合、扉の開け閉めによって、タグと各アンテナとの距離が変動する。そこで、閾値を用いることにより、管理装置は、タグが扉を通過する際に生じる信号強度の差の誤差を加味した正しい判断を行うことができる。
(d)前記入退室管理システムにおいて、前記タグは、前記2個のアンテナから繰り返し受信する信号の信号強度の差分を算出して蓄積し、蓄積された複数の差分を前記管理装置へ一度に送信することを特徴とする。
【0066】
この構成によると、タグから管理装置への送信回数が減るので、送信にかかる電力消費を抑制することができる。
(e)前記入退室管理システムにおいて、前記管理装置は、さらに、ネットワーク通信部を備え、前記制御部は、前記在宅情報記憶部に記憶されている前記在宅情報が示す状態に応じて、前記ネットワーク通信部を介して室内の装置を制御することを特徴とする。
【0067】
この構成によると、ユーザの入室/退室と連動させて室内の各種の電化製品や家電製品を制御することが可能となる。
例えば、ユーザが外出した場合に、照明機器やエアコンなどの電化製品を自動で停止させたり、ユーザが帰宅した場合に、照明機器やエアコンなどを自動で起動させたりすることができる。また、ユーザが外出した場合に、ホームセキュリティシステムを自動で起動させることができる。
(f)前記入退室管理システムにおいて、前記管理装置は、前記2個のアンテナを介して、前記タグを検出するまで第1周期で交互にタグ検出用の第1信号を送信し、前記タグを検出すると、前記第1周期より早い第2周期で交互に受信信号強度測定用の第2信号を送信することを特徴とする。
【0068】
この構成によると、管理装置は、タグを検出した後に高速で第2信号を送信することにより、タグから前記情報を高速で取得することが可能となる。
(g)前記入退室管理システムは、前記タグを前記2個のアンテナから等距離に設置した状態で、前記タグが各アンテナから受信する信号の信号強度が等しくなるように、前記2個のアンテナそれぞれから送信される信号の信号強度を設定することを特徴とする。
【0069】
この構成によると、前記タグを前記2個のアンテナから等距離に設置した状態で、前記タグが各アンテナから受信する信号の信号強度が等しくなるので、信号強度の差又は比に関する前記情報を用いて、前記タグが屋内にあるのか屋外にあるのかを正確に判断することが可能となる。
【符号の説明】
【0070】
1 入退室管理システム
10 アクティブタグA
30 屋内ユニット
40 屋外ユニット
50 電気錠
60 電気錠
70 ホームセキュリティシステム
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブタグを用いて入退室管理を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードを携帯しているユーザが、ゲートをどちら向きに通過したのかを検出するシステムがある。
特許文献1に記載されている発明は、ICカードから送信される信号を、ゲートの入口側に設置されたアンテナおよびゲートの出口側に設置されたアンテナの2個のアンテナで受信する。そして、受信した信号の信号強度の大小によって、ICカードがゲートをどちら向きに通過しているのかを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−120304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでICカードは、小型化の要請から大きな電池を搭載することはできず、使用できる電力には限りがある。そのため、ICカードから送信される信号は微弱となり、受信側で微弱な信号の大小比較を行うと誤差が大きくなる。したがって、上記の技術を用いた場合、実際にICカードが通過する向きを判別することは困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、アクティブタグを用いて、ユーザが外出したのか、在宅しているのかを正確に判断することができる入退室管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の入退室管理システムは、扉の内外に設けられ、信号を繰り返し送信する2個のアンテナと、前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度を測定し、測定した信号強度の差又は比に関する情報を送信するタグと、前記タグから送信された情報を受信し記憶する管理装置とから構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
すなわち、従来は、ICカードから送信された信号の信号強度を管理装置側で計測していたのに対し、本発明の入退室管理システムでは、管理装置から送信された信号の信号強度をタグ側で計測するというものである。管理装置は、ICカード等の無線タグと比較し、使用できる電力が大きいため、管理装置から送信される信号は、ICカードから送信される信号と比較し、送信強度をより高いレベルに設定することが可能である。
【0007】
そのため、本発明の入退室管理システムでは、2個のアンテナを介してそれぞれ受信した信号の信号強度の差又は比を算出したときの誤差が小さくなるので、タグを携行したユーザが外出したのか、在宅しているのかをより正確に判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】入退室管理システム1のシステム構成図である。
【図2】各装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】質問信号および信号強度測定信号を説明するための図である。
【図4】扉200、アクティブタグA10、屋内ユニット30および屋外ユニット40の関係を模式的に示す図である。
【図5】管理装置20が生成するテーブル201のデータ構成を示す図である。
【図6】管理装置20が管理する在宅情報202、203、204のデータ構成を示す図である。
【図7】入退室管理システム1の初期設定処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】入退室管理システム1の在宅情報管理処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】入退室管理システム1の在宅情報管理処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】在宅情報の利用の具体例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明に係る入退室管理システムの一つの実施形態である入退室管理システム1について、図面を参照しながら説明する。
<概要>
図1は、入退室管理システム1のシステム構成図である。入退室管理システム1は、扉200、アクティブタグA10、管理装置20、屋内ユニット30、屋外ユニット40、電気錠50、電気錠60、およびホームセキュリティシステム70から構成される。
【0010】
扉200は屋内と屋外との境界に位置する。ユーザは、扉200を通り、屋内および屋外を行き来する。ここで、図1(a)は、扉200を屋内側から見た図であり、図1(b)は、扉200を屋外側から見た図である。
管理装置20および屋内ユニット30は、扉200の屋内側の面に設置されている。電気錠50および電気錠60は、一部が扉200の内部に設置されており、ユーザが操作する操作部であるハンドルは、扉200の屋内側の面に設置されている。屋外ユニット40は、扉200の屋外側の面に設置されている。
【0011】
管理装置20は、屋内ユニット30および屋外ユニット40を介して、ユーザAが携行するアクティブタグA10に対してIDを問い合わせる質問信号を送信する。アクティブタグA10は、質問信号への応答として自機のタグIDを含む応答信号を返す。
管理装置20は、応答信号に含まれるタグIDを、扉200の通行権限の有無を示すIDのリストと照らし合わせる。そして、通行権限があると判断した場合のみ、電気錠50および電気錠60を一定時間(例えば10〜20秒程度)解錠してユーザAの通行を可能にする。
【0012】
また、管理装置20は、屋内ユニット30および屋外ユニット40のそれぞれを介して、アクティブタグA10へ信号強度測定信号を送信する。アクティブタグA10は、信号強度測定信号を受信する都度、そのRSSI値を計測する。そして、アクティブタグA10は、屋内ユニット30から送信された信号強度測定信号のRSSI値と、屋外ユニット40から送信された信号強度測定信号のRSSI値との差分を算出する。
【0013】
アクティブタグA10は、算出した差分を管理装置20へ送信し、管理装置20は、受信したRSSI値の差分を用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのか(ユーザAが在宅しているのか外出しているのか)を判断する。
管理装置20は、ユーザAが在宅しているのか外出しているのかを示す在宅情報を管理し、在宅情報を用いて、ホームセキュリティシステム70を制御する。
【0014】
なお、入退室管理システム1に含まれるアクティブタグは、アクティブタグA10のみに限定されない。例えば、家族それぞれがアクティブタグを携行する場合が想定される。家族が5人(それぞれユーザA、ユーザB、ユーザC、ユーザDおよびユーザEとする)である場合には、入退室管理システム1は、アクティブタグA10に加え、アクティブタグB、アクティブタグC,アクティブタグアクティブタグDおよびアクティブタグEを含む構成でもよい。
<構成>
図2は、各装置の内部構成を示すブロック図である。
(1)アクティブタグA10
アクティブタグA10は、LF(Low Frequency)アンテナ11、LF帯受信回路12、制御部13、UHF(Ultra High Frequency)帯送受信回路14、UHFアンテナ15、表示部16、操作部17、および電池18から構成される。
【0015】
アクティブタグA10は、内蔵されている電池18の電力によって動作し、x軸、y軸、z軸の3軸のコイル型アンテナを備えた無指向性のLFアンテナ11により、質問信号および信号強度測定信号を受信する。
LF受信回路12は、LFアンテナ11が質問信号を受信すると、制御部13を起動させる。
【0016】
制御部13は、制御プログラムを格納するROM、制御プログラムを実行するCPUおよび作業用のRAMなどを含む。
制御部13は、LF受信回路12から質問信号を受け取ると、予め内部に格納されている自機のタグID(ID−A)を含む応答信号を生成する。制御部13は、生成した応答信号を、UHF帯(極超短波帯:300MHz〜3GHz)送受信回路14およびUHFアンテナ14を介して、管理装置20へ応答する。
【0017】
制御部13は、LF受信回路12から信号強度測定信号を受け取ると、受け取った信号強度測定信号の強度(以下「RSSI(ReceivedSignal Strength Indication)値」と記載する。)を検出する。
ここで、信号強度測定信号は、屋内ユニット30から送信されたか、屋外ユニット40から送信されたかを示すIDを含む。制御部13は、信号強度測定信号に含まれるIDにより、受信した信号強度測定信号が屋内ユニット30から送信されたか、屋外ユニット40から送信されたかを識別することができる。
【0018】
制御部13は、屋内ユニット30から送信された信号強度測定信号のRSSI値(以下「rA」と記載する。)と、屋外ユニット40から送信された信号強度測定信号のRSSI値(以下「rB」と記載する。)との差分であるd=rA−rBを算出する。
制御部13は、算出した差分dを含む差分通知信号を、UHF帯送受信回路14およびUHFアンテナ15を介して、管理装置20へ送信する。
【0019】
表示部16は、LEDランプの点滅・点灯により各種表示を行う。操作部17は、押しボタンなどを含み、ユーザAによる操作を受け付ける。
(2)管理装置20
管理装置20は、制御部21、LF帯送信回路22、LF帯送信回路23、UHFアンテナ24、UHF送受信回路25、在宅情報記憶部26、ネットワーク接続部27、電気錠駆動回路28、および電気錠駆動回路29から構成される。
【0020】
制御部21は、制御プログラムを格納するROM、制御プログラムを実行するCPUおよび作業用のRAMなどを含む。
制御部21は、LF送信回路22およびLF送信回路23を介して、質問信号および信号強度測定信号を送信する。LF送信回路22およびLF送信回路23は、フィルタやアンプ等を含む。
【0021】
また、制御部21は、UHFアンテナ24およびUHF送受信回路25を介して、応答信号および差分通知信号を受信する。
ここで、図3を用いて、質問信号および信号強度測定信号について説明する。
図3の上段は、屋内ユニット30を介して送信される質問信号および信号強度測定信号を示している。図3の中段は、屋外ユニット40を介して送信される質問信号および信号強度測定信号を示している。
【0022】
制御部21は、屋内ユニット30および屋外ユニット40を介してそれぞれ時間をずらし交互に質問信号および信号強度測定信号を送信する。
質問信号は、アクティブタグA10に対してIDを問い合わせる信号である。質問信号は、所定バイト数のデータ長を有する信号であり、送信に要する時間は、一例として40msec程度である。また、質問信号は、一例として100msecの周期で繰り返し送信される。
【0023】
制御部21は、図3の下段に示す応答信号をアクティブタグA10から受信すると、送信する信号を質問信号から信号強度測定信号へ切り替える。
信号強度測定信号は、アクティブタグA10に対してRSSI値の測定を指示する信号である。信号強度測定信号は、質問信号よりも短いバイト数のデータ長を有する信号である。送信に要する時間は、一例として10msec程度である。また、信号強度測定信号は、質問信号の送信周期よりも短い周期、一例として30msecの周期で繰り返し送信される。
(認証処理)
制御部21は、応答信号を受信すると、図示していない認証用リストを用いて電気錠50および電気錠60を解錠するか否か判断する。
【0024】
具体的に、制御部21は、通行権限のあるアクティブタグのタグIDを予め登録した認証用リストを保持している。そして、応答信号に含まれるタグIDが認証用リストに記載されている場合には、制御部21は、電気錠駆動回路28および電気錠駆動回路29に対して、電気錠50および電気錠60の解錠を指示する。一方、応答信号に含まれるタグIDが認証用リストに記載されていない場合には、制御部21は、UHF帯送受信回路25およびUHFアンテナ24を介して、アクティブタグA10へ、解錠不可を示す信号を送信する。これを受けると、アクティブタグA10は、表示部16を点滅させるなどして、ユーザAに解錠不可を報知する。
(在宅情報管理処理)
制御部21は、アクティブタグA10から繰り返し差分通知信号を受信する。制御部21は、受信した差分通知信号に含まれる差分dを用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか、または、屋外にあるのかを判断する。
【0025】
ここで、図4および図5を用いて判断の詳細について説明する。
図4(a)は、扉200に設置された屋内ユニット30および屋外ユニット40と、アクティブタグA10との位置関係を示す図である。ここでは、アクティブタグA10を携行したユーザAが、屋内から扉200を通過して屋外へ出る場合を具体例として用いる。
なお、詳細については後述するが、アクティブタグA10が屋内ユニット30および屋外ユニット40から概ね等距離の位置にあるとき、rA=rBとなるように、屋内ユニット30および屋外ユニット40から出力される信号のレベルが調整されている。
【0026】
アクティブタグA10が、屋内にあるとき(例えば、位置aにあるとき)、アクティブタグA10は、屋内ユニット30から近い位置にあり、屋外ユニット40から遠い位置にある。そのため、rA>rB、d=rA−rB>0となる。
アクティブタグA10が扉200を通過するとき(例えば、位置bにあるとき)、アクティブタグA10は、屋内ユニット30および屋外ユニット40から概ね等距離の位置にある。そのため、rA=rB、d=rA−rB=0となる。
【0027】
アクティブタグA10が、屋外にあるとき(例えば、位置cにあるとき)、アクティブタグA10は、屋内ユニット30から遠い位置に在り、屋外ユニット40から近い位置にある。そのため、rA<rB、d=rA−rB<0となる。
図4(b)は、差分dの値の変化を示した概略図である。横軸は、図4(a)に対応したアクティブタグA10の位置を示し、縦軸は差分dの値を示している。
【0028】
制御部21は、アクティブタグA10から繰り返し差分通知信号を受信すると、受信した差分通知信号から差分dを抽出する。そして、制御部21は、差分dを受信した順序で記録し、一例として、図5に示すテーブル201を生成する。
図5に示すように、テーブル201は、アクティブタグA10のタグID(ID−A)、および、受信した順序を示す番号(1〜9)と対応付けられた差分dの値を含む。テーブル201によると、差分dは、番号1〜4まで正の値で変移し、番号5で符号が反転する。さらに差分dは、番号5〜9まで負の値で変移する。
【0029】
制御部21は、予め内部に閾値として所定の値を保持している。この閾値は、アクティブタグA10が扉200を通過する際に生じる差分d=rA−rBの誤差を加味して正しい判断を行うために用いられる値である。ここでは、具体例として、制御部21は、閾値「1」を保持しているものとする。
制御部21は、差分dの値の符号が正から負に反転し、且つ、差分dの値(絶対値)が閾値を超過した場合(図5の具体例では、番号6が該当する)に、アクティブタグA10が扉200を通過して屋内から屋外へ移動したと判断する。
【0030】
一方、制御部21は、差分dの値の符号が負から正に反転し、且つ、差分dの値(絶対値)が、閾値を超過した場合に、アクティブタグA10が扉200を通過して屋外から屋内へ移動したと判断する。
制御部21は、判断結果を用いて、在宅情報記憶部26に記憶されている在宅情報を更新する。
(ホームセキュリティシステム起動処理)
在宅情報記憶部26は、不揮発性メモリで構成される。
【0031】
ここでは、入退室管理システム1は、アクティブタグA10、アクティブタグB、アクティブタグC,アクティブタグアクティブタグDおよびアクティブタグEを含む構成である場合を例に説明する。アクティブタグA10,アクティブタグB、アクティブタグC,アクティブタグアクティブタグDおよびアクティブタグEは、それぞれ、ユーザA、ユーザB、ユーザC,ユーザDおよびユーザEが携行するタグである。
【0032】
在宅情報記憶部26は、入退室管理システム1の初期状態では、図6(a)に示す在宅情報202を記憶している。在宅情報202は、ユーザA〜Eの全員が在宅していることを示している。
制御部21が、アクティブタグA10が扉200を通過して屋内から屋外へ移動したと判断すると、制御部21は、在宅情報202を、図6(b)に示す在宅情報203に更新する。在宅情報203は、ユーザAが外出しているため不在であり、ユーザB〜Eが在宅していることを示している。
【0033】
その後、制御部21が、アクティブタグB〜Eそれぞれが扉200を通過して屋内から屋外へ移動したと判断すると、制御部21は、在宅情報203を、図6(c)に示す在宅情報204に更新する。在宅情報204は、ユーザA〜Eの全員が外出しているため不在であることを示している。
制御部21は、在宅情報が図6(c)の状態になると、ホームセキュリティシステム70を起動させるための命令を生成する。制御部21は、ネットワーク接続部27を介して、ホームセキュリティシステム70へ起動命令を送信する。
【0034】
ネットワーク接続部27は、一例として無線LAN(Local Area Network)接続ユニットである。ネットワーク接続部27は、無線LANなどのネットワークを介して、管理装置20と家庭内のネットワーク機器とを接続する機能を有する。ネットワーク機器の一例が、ホームセキュリティシステム70である。
(3)屋内ユニット30および屋外ユニット40
屋内ユニット30は、LFアンテナ31、表示部32および操作部33から構成される。LFアンテナ31は、LF送信回路22から受け取る質問信号および信号強度測定信号を、LF帯で送信する。表示部32は、LEDランプの点滅・点灯により各種表示を行う。操作部33は、押しボタンなどを含み、ユーザによる操作を受け付ける。
【0035】
屋外ユニット40は、屋内ユニット30と同様の構成を有する。具体的に、屋外ユニット40は、LFアンテナ41、表示部42および操作部43から構成される。LFアンテナ41は、LF送信回路23から受け取る質問信号および信号強度測定信号を、LF帯で送信する。表示部42は、LEDランプの点滅・点灯により各種表示を行う。操作部43は、押しボタンなどを含み、ユーザによる操作を受け付ける。
(4)電気錠50および電気錠60
電気錠50は、錠51、モータ52、および施錠/解錠センサ53から構成される。
【0036】
電気錠50は、管理装置20の電気錠駆動回路28から施錠および解錠の指示を受けると、モータ52を回転させて、錠51を施錠および解錠する。施錠/解錠センサ53は、錠51の施解錠状態を検出する。また、施錠/解錠センサ53は、錠51の解錠を検出してから一定時間(例えば10〜20秒程度)経過後に、モータ52を回転させて錠51を施錠する。
【0037】
電気錠60は、電気錠50と同様の構成を有する。具体的に、電気錠60は、錠61、モータ62、および施錠/解錠センサ63から構成される。電気錠60の各構成要素は、電気錠50の各構成要素と同様の機能を有するため説明を省略する。
(5)ホームセキュリティシステム70
ホームセキュリティシステム70は、起動状態において、人を検知する人感センサ71、窓の開状態を検知する窓センサ72、各センサが異常を検知すると警備会社へ異常を通報する通信部73、および、各センサが異常を検知すると音声を出力するスピーカ74等を含む。さらに、ホームセキュリティシステム70は、ユーザ操作を受け付ける操作部75を含む。
【0038】
ホームセキュリティシステム70は、管理装置20から起動命令を受け付けると、起動する。さらに、ホームセキュリティシステム70は、操作部75が「オン」を示すユーザ操作を受け付けることによっても起動することができる。
家族が全員揃ってで外出する場合、各人がアクティブタグを携行して外出するとは限らない。例えば、家族のうちの一人のみがアクティブタグを携行し、他の家族はアクティブタグを携行しないで外出する場合も想定される。
【0039】
このような場合、在宅情報は、図6(c)に示した在宅情報204の状態にはならないため、ホームセキュリティシステム70は、管理装置20から起動命令を受け付けることはない。そこで、ユーザは、操作部75を操作することによって、上記のような状況においても、ホームセキュリティシステム70を起動させることができる。
また、ホームセキュリティシステム70の監視機能を停止させるためには、暗証番号による認証や生体認証などを利用したユーザ操作が必要である。
<動作>
ここでは、図7〜9のフローチャートを用いて、入退室管理システム1の動作について説明する。
(1)先ず、図7のフローチャートを用いて、入退室管理システム1の初期設定処理の動作について説明する。
【0040】
入退室管理システム1は、アクティブタグA10を屋内ユニット30および屋外ユニット40から等距離の位置に設置する(ステップS1)。
管理装置20の制御部21は、出力制御信号を生成し、LF送信回路22およびLF送信回路23へ出力する(ステップS2およびステップS3)。出力制御信号は、LF送信回路22およびLF送信回路23に含まれるアンプの出力レベルを設定するための情報である。初期状態では、制御部21は、予め設定されているアンプの出力強度の初期値を示す出力制御信号を生成する。
【0041】
LF送信回路22は、アンプの出力強度を、制御部21から受信した出力制御信号が示す値に設定する(ステップS4)。同様に、LF送信回路23も、アンプの出力強度を、制御部21から受信した出力制御信号が示す値に設定する(ステップS5)。
制御部21は、屋内ユニット30および屋外ユニット40を介して、アクティブタグA10へ測定用信号を送信する(ステップS6およびステップS7)。
【0042】
アクティブタグA10は、屋内ユニット30から受信した測定用信号のRSSI値(rA)を検出して、管理装置20へ通知する(ステップS8)。さらに、アクティブタグA10は、屋外ユニット40から受信した測定用信号のRSSI値(rB)を検出して、管理装置20へ通知する(ステップS9)。
制御部21は、アクティブタグA10からrAおよびrBを受信すると両者のレベルを比較する。
【0043】
rA=rBの場合(ステップS10でYES)、初期設定処理を終了する。
rA≠rBの場合(ステップS10でNO)、制御部21は、rA=rBとなるように、LF送信回路22に出力する出力制御信号および/またはLF送信回路23に出力する出力制御信号の値を補正する(ステップS11)。その後、ステップS2およびステップS3に戻り処理を続ける。
【0044】
このように、管理装置20は、アクティブタグA10を屋内ユニット30および屋外ユニット40から等距離の位置に設置した状態で、rA=rBとなるまで送信信号のレベルを調整する。
(2)続いて、図8および図9のフローチャートを用いて、入退室管理システム1の在宅情報管理処理の動作について説明する。
【0045】
管理装置20は、先ず、質問信号を選択する(ステップS21)。
管理装置20は、屋内ユニット30を介して質問信号を送信し(ステップS22)、さらに屋外ユニット40を介して質問信号を送信する(ステップS23)。
アクティブタグA10が屋内ユニット30および屋外ユニット40から送信された質問信号の受信領域内(半径1〜2m程度)にあるとき、アクティブタグA10は、質問信号を受信する(ステップS24)。
【0046】
質問信号を受信したアクティブタグA10は、自機のタグIDを含む応答信号を生成する(ステップS25)。アクティブタグA10は、応答信号を送信し、管理装置20は、応答信号を受信する(ステップS26)。
応答信号を受信した管理装置20は、送信する信号を信号強度測定信号に切り替える(ステップS27)。すなわち、管理装置20は、ステップS26で応答信号を受信するまで、ステップS22およびステップS23の処理を繰り返す。
【0047】
管理装置20は、屋内ユニット30を介して信号強度測定信号を送信し、アクティブタグA10は、信号強度測定信号を受信する(ステップS28)。アクティブタグA10は、受信した信号強度測定信号のRSSI値を測定する(ステップS29)。
管理装置20は、屋外ユニット40を介して信号強度測定信号を送信し、アクティブタグA10は、信号強度測定信号を受信する(ステップS30)。アクティブタグA10は、受信した信号強度測定信号のRSSI値を測定する(ステップS31)。
【0048】
アクティブタグA10は、ステップS29で測定したRSSI値(rA)とステップS31で測定したRSSI値(rB)との差分dを算出する(ステップS32)。アクティブタグA10は、算出した差分dを、管理装置20へ送信し、管理装置20は、差分dを受信する(ステップS33)。管理装置20は、アクティブタグA10から差分dを受信すると、内部に蓄積する(ステップS34)。
【0049】
アクティブタグA10は、一例として、扉200が解錠された後に施錠されるまでの間、ステップS28からステップS34までの処理を繰り返す。
続いて、管理装置20は、内部に蓄積された複数の差分dの値を参照し、何れかの差分dにおいて、前後の差分dの値と比較して符号が反転しているか否か判断する。
符号が反転しない場合(ステップS35でNO)、アクティブタグA10は、扉200を通過していないと判断し、管理装置20は在宅情報を更新せず、ステップS38へ進む。
【0050】
符号が反転している場合(ステップS35でYES),管理装置は20、符号が反転した後の何れかの差分dの値が閾値を超過しているか否か判断する。
閾値を超過していない場合(ステップS36でNO)、ステップS35で検出された符号の反転は誤差の範囲であり、アクティブタグA10は、扉200を通過していないと見なすことができる。そのため、管理装置20は、在宅情報を更新せず、ステップS38へ進む。
【0051】
閾値を超過している場合(ステップS36でYES)、アクティブタグA10は扉200を通過したと判断し、管理装置20は、在宅情報記憶部26に記憶されている在宅情報を更新する(ステップS37)。
その後、管理装置20は、在宅情報記憶部26に記憶されている在宅情報を参照し、家族の全員が不在であるか否か判断する。
【0052】
在宅している家族がいる場合(ステップS38でNO)、管理装置20は、処理を終了する。
家族の全員が不在である場合(ステップS38でYES),管理装置20は、ホームセキュリティシステム70を起動させるための起動命令を生成する(ステップS39)。管理装置20は、ネットワークを介してホームセキュリティシステム70へ起動命令を送信し、ホームセキュリティシステム70は、起動命令を受信する(ステップS40)。起動命令を受信したホームセキュリティシステム70は、監視機能の起動させる(ステップS41)。
<変形例>
以上、本発明に係る入退室管理システムの実施形態を説明したが、例示した入退室管理システム1を以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示したとおりの入退室管理システム1に限られないことは勿論である。
(1)上記の実施形態では、屋内ユニット30および屋外ユニット40は、扉200両面に設置されていた。しかし、この構成は必須ではない。例えば、扉200が設置されている屋内側の壁に屋内ユニット30が設置されており、屋外側の壁に屋外ユニット40が設置されている場合も本発明に含まれる。
(2)上記の実施形態では、アクティブタグA10は、RSSI値の差分dを算出する都度、算出した差分dを管理装置20へ送信していた。しかし、この構成は必須ではない。アクティブタグA10は、算出した差分dを内部に蓄積しておき、所定時間経過後に、蓄積している複数の差分dを一度に管理装置20へ送信する構成でもよい。この構成によると、アクティブタグA10から管理装置20への送信回数が減るので、送信にかかる電力消費を抑制することができる。
(3)上記の実施形態では、アクティブタグA10が、RSSI値の差分dを算出して、算出した差分dを管理装置20へ送信していた。しかし、この構成は必須ではない。アクティブタグA10は、検出したRSSI値rAおよびrBを管理装置20へ送信し、管理装置20側で、差分d=rA−rBを算出する構成としてもよい。
【0053】
この場合、アクティブタグA10は、rAおよびrBを検出する都度、検出したrAおよびrBを管理装置20へ送信してもよい。また、送信にかかる電力消費を抑制するため、アクティブタグA10は、検出したrAおよびrBを内部に蓄積しておき、所定時間経過後に、蓄積している複数のrAおよびrBを一度に管理装置20に送信してもよい。
何れの場合も、アクティブタグA10から送信されたRSSI値が、屋内ユニット30を介して受信した測定用信号のRSSI値(rA)であるか、屋外ユニット40を介して受信した測定用信号のRSSI値(rB)であるかを管理装置20側で識別可能であるとする。また、アクティブタグA10から管理装置20へ送信されるRSSI値は、測定用信号を受信した時刻に関する情報を含むなど、受信した時刻若しくは受信した順序を管理装置20側で識別可能であるとする。
【0054】
すなわち、本発明の入退室管理システムは、扉の内外に設けられ、信号を繰り返し送信する2個のアンテナと、前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度を測定するタグと、前記タグから前記信号強度を受信し、受信した信号強度の差又は比に関する情報を記憶する管理装置とを備えることを特徴とする。
(4)上記の実施形態では、LF送信回路22および23は、管理装置20に含まれる構成を有していたが、LF送信回路22が屋内ユニット30に含まれ、LF送信回路23が屋外ユニット40に含まれる構成でもよい。
(5)上記の実施形態では、タグリーダとして機能するUHFアンテナ24およびUHF送受信回路25は、管理装置20に含まれる構成を有していたが、この構成は必須ではない。UHFアンテナ24およびUHF送受信回路25は、屋内ユニット30に備わっていてもよいし、屋外ユニット40に備わっていてもよい。また、UHFアンテナ24およびUHF送受信回路25から構成されるタグリーダを扉200の付近に設置する構成でもよい。
(6)上記の実施形態では、管理装置20は、在宅情報を利用してホームセキュリティシステム70の起動を制御したが、本発明はこれに限定されない。
【0055】
近年、家庭内の電子機器や家電製品を無線LANなどのネットワークで接続し、相互に情報を送受信したり、連携して動作したりするホームネットワークシステムが開発されつつある。
そこで、管理装置20と家庭内の電子機器や家電製品とをネットワークで接続し、管理装置20が、在宅情報を利用して電子機器や家電製品を制御する場合も本発明に含まれる。
【0056】
例えば、図10に示すように、管理装置20は、図示していないネットワークを介して、ホームセキュリティシステム70、証明機器80、およびエアコン90と接続されている。
管理装置20は、在宅情報を参照して、家族の全員が不在である場合に、証明機器80を消灯したり、エアコン90の電源をオフにしたりする制御を行ってもよい。また、管理装置20は、家族の全員が不在である場合に、ホームセキュリティシステム70を介して、警備会社のシステム100にその旨を通知してもよい。
(7)上記の実施形態では、管理装置20は、アクティブタグA10から受信した信号強度の差分dの値を複数個用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかを判断した。しかし、本発明はこの構成に限定されない。
【0057】
現時点において在宅情報記憶部26に記憶されている在宅情報が「在宅」を示しており、且つ、現時点における信号強度の差分dが負の値であれば、管理装置20は、アクティブタグA10が屋内から屋外へ移動したと判断してもよい。一方、現時点において在宅情報記憶部26に記憶されている在宅情報が「不在」を示しており、且つ、現時点における信号強度の差分dが正の値であれば、管理装置20は、アクティブタグA10が屋外から屋内に移動したと判断してもよい。
【0058】
また、管理装置20の制御部21は、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかの判断に用いた差分dの値を1個保持しておき、次の判断時において、現時点における信号強度の差分dの値と、保持している差分dの値とを用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかを判断してもよい。
(8)上記の実施形態では、制御部21は予め設定された閾値を保持しており、閾値を用いて、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかを判断した。しかし、本発明はこれに限定されない。制御部21は、閾値を用いずに、アクティブタグA10が屋内にあるのか屋外にあるのかを判断してもよい。
【0059】
具体例として、図5のテーブル201を用いて説明する。
上記の実施形態では、制御部21は、差分dの符号が反転し、且つ、閾値「1」を超過した番号6の時点で、アクティブタグA10が扉200を通過して屋外に出たと判断した。しかし、閾値を用いない場合、制御部21は、差分dの符号が反転した番号5の時点で、番号6以降の差分dの値に関わらず、アクティブタグA10が扉200を通過して屋外に出たと判断してもよい。
【0060】
このように、閾値を用いた判断を行わない場合、アクティブタグA10は、差分d=rA−rBの値を管理装置20へ送信しなくてもよい。アクティブタグA10は、rAおよびrBのどちらが大きいかを判別可能な1ビットの情報のみを管理装置20へ送信すればよい。例えば、rA>rBの場合、アクティブタグA10は管理装置20へ「1」を送信し、rA<rBの場合、アクティブタグA10は管理装置20へ「0」を送信するとしてもよい。
【0061】
そして、管理装置20は、アクティブタグA10から受信した情報が「1」から「0」に変化した場合に、アクティブタグA10が扉200を通過して屋内から屋外へ移動したと判断してもよい。一方、管理装置20は、アクティブタグA10から受信した情報が「0」から「1」に変化した場合に、アクティブタグA10が扉200を通過して屋外から屋内へ移動したと判断してもよい。
(9)上記の実施形態では、2つの信号のRSSI値の差分d=rA−rBを用いて、アクティブタグA10が屋内ユニット30および屋外ユニット40のどちらに近いのかを判断した。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0062】
一例として、2つの信号のRSSI値の比f=rA/rBを用いてもよい。
この場合、管理装置20は、f=rA/rB>1のとき、アクティブタグA10は、屋内ユニット30に近いので、屋内側にあると判断し、f=rA/rB<1のとき、アクティブタグA10は、屋外ユニット40に近いので、屋外側にあると判断する。
(10)上記の実施形態および上記の変形例を適宜組み合わせてもよい。
<補足>
以下、更に本発明の一実施形態としての入退室管理システムの構成およびその変形例と効果について説明する。
(a)本発明の一実施形態に係る入退室管理システムは、扉の内外に設けられ、信号を繰り返し送信する2個のアンテナと、前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度を測定し、測定した信号強度の差又は比に関する情報を送信するタグと、前記タグから送信された情報を受信し記憶する管理装置とから構成されることを特徴とする。
【0063】
この構成によると、タグ側で2個のアンテナを介してそれぞれ受信した信号の信号強度を測定するので、ICカードから送信された信号の信号強度を管理装置側で検出する場合と比較して、測定の誤差が小さくなる。
(b)前記入退室管理システムにおいて、前記情報は、前記タグが前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度の差分を示し、前記管理装置は、記憶している前記差分を用いて、前記タグの位置を判断する制御部と、前記制御部による判断結果を在宅情報として記憶する在宅情報記憶部とを備えることを特徴とする。
【0064】
この構成によると、管理装置は、タグから受信した信号強度の差分を用いて、ユーザが外出したのか、在宅しているのかをより正確に判断することが可能となる。
(c)前記入退室管理システムにおいて、前記管理装置は、前記タグが前記2個のアンテナから繰り返し受信した信号の信号強度の差分を複数受信し、前記制御部は、受信した複数の差分の何れかが予め保持している閾値を超過した場合に、前記在宅情報記憶部が記憶している在宅情報を更新することを特徴とする。
【0065】
前記2個のアンテナが扉自体に設置されている場合、扉の開け閉めによって、タグと各アンテナとの距離が変動する。そこで、閾値を用いることにより、管理装置は、タグが扉を通過する際に生じる信号強度の差の誤差を加味した正しい判断を行うことができる。
(d)前記入退室管理システムにおいて、前記タグは、前記2個のアンテナから繰り返し受信する信号の信号強度の差分を算出して蓄積し、蓄積された複数の差分を前記管理装置へ一度に送信することを特徴とする。
【0066】
この構成によると、タグから管理装置への送信回数が減るので、送信にかかる電力消費を抑制することができる。
(e)前記入退室管理システムにおいて、前記管理装置は、さらに、ネットワーク通信部を備え、前記制御部は、前記在宅情報記憶部に記憶されている前記在宅情報が示す状態に応じて、前記ネットワーク通信部を介して室内の装置を制御することを特徴とする。
【0067】
この構成によると、ユーザの入室/退室と連動させて室内の各種の電化製品や家電製品を制御することが可能となる。
例えば、ユーザが外出した場合に、照明機器やエアコンなどの電化製品を自動で停止させたり、ユーザが帰宅した場合に、照明機器やエアコンなどを自動で起動させたりすることができる。また、ユーザが外出した場合に、ホームセキュリティシステムを自動で起動させることができる。
(f)前記入退室管理システムにおいて、前記管理装置は、前記2個のアンテナを介して、前記タグを検出するまで第1周期で交互にタグ検出用の第1信号を送信し、前記タグを検出すると、前記第1周期より早い第2周期で交互に受信信号強度測定用の第2信号を送信することを特徴とする。
【0068】
この構成によると、管理装置は、タグを検出した後に高速で第2信号を送信することにより、タグから前記情報を高速で取得することが可能となる。
(g)前記入退室管理システムは、前記タグを前記2個のアンテナから等距離に設置した状態で、前記タグが各アンテナから受信する信号の信号強度が等しくなるように、前記2個のアンテナそれぞれから送信される信号の信号強度を設定することを特徴とする。
【0069】
この構成によると、前記タグを前記2個のアンテナから等距離に設置した状態で、前記タグが各アンテナから受信する信号の信号強度が等しくなるので、信号強度の差又は比に関する前記情報を用いて、前記タグが屋内にあるのか屋外にあるのかを正確に判断することが可能となる。
【符号の説明】
【0070】
1 入退室管理システム
10 アクティブタグA
30 屋内ユニット
40 屋外ユニット
50 電気錠
60 電気錠
70 ホームセキュリティシステム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉の内外に設けられ、信号を繰り返し送信する2個のアンテナと、
前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度を測定し、測定した信号強度の差又は比に関する情報を送信するタグと、
前記タグから送信された情報を受信し記憶する管理装置と
を備えることを特徴とする入退室管理システム。
【請求項2】
前記情報は、前記タグが前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度の差分を示し、
前記管理装置は、
記憶している前記差分を用いて、前記タグの位置を判断する制御部と、
前記制御部による判断結果を在宅情報として記憶する在宅情報記憶部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の入退室管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記タグが前記2個のアンテナから繰り返し受信した信号の信号強度の差分を複数受信し、
前記制御部は、受信した複数の差分の何れかが予め保持している閾値を超過した場合に、前記在宅情報記憶部が記憶している在宅情報を更新する
ことを特徴とする請求項2に記載の入退室管理システム。
【請求項4】
前記タグは、
前記2個のアンテナから繰り返し受信する信号の信号強度の差分を算出して蓄積し、蓄積された複数の差分を前記管理装置へ一度に送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の入退室管理システム。
【請求項5】
前記管理装置は、さらに、
ネットワーク通信部を備え、
前記制御部は、前記在宅情報記憶部に記憶されている前記在宅情報が示す状態に応じて、前記ネットワーク通信部を介して室内の装置を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の入退室管理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、
前記2個のアンテナを介して、前記タグを検出するまで第1周期で交互にタグ検出用の第1信号を送信し、前記タグを検出すると、前記第1周期より早い第2周期で交互に受信信号強度測定用の第2信号を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の入退室管理システム。
【請求項7】
前記入退室管理システムは、
前記タグを前記2個のアンテナから等距離に設置した状態で、前記タグが各アンテナから受信する信号の信号強度が等しくなるように、前記2個のアンテナそれぞれから送信される信号の信号強度を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の入退室管理システム。
【請求項1】
扉の内外に設けられ、信号を繰り返し送信する2個のアンテナと、
前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度を測定し、測定した信号強度の差又は比に関する情報を送信するタグと、
前記タグから送信された情報を受信し記憶する管理装置と
を備えることを特徴とする入退室管理システム。
【請求項2】
前記情報は、前記タグが前記2個のアンテナそれぞれから受信した信号の信号強度の差分を示し、
前記管理装置は、
記憶している前記差分を用いて、前記タグの位置を判断する制御部と、
前記制御部による判断結果を在宅情報として記憶する在宅情報記憶部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の入退室管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記タグが前記2個のアンテナから繰り返し受信した信号の信号強度の差分を複数受信し、
前記制御部は、受信した複数の差分の何れかが予め保持している閾値を超過した場合に、前記在宅情報記憶部が記憶している在宅情報を更新する
ことを特徴とする請求項2に記載の入退室管理システム。
【請求項4】
前記タグは、
前記2個のアンテナから繰り返し受信する信号の信号強度の差分を算出して蓄積し、蓄積された複数の差分を前記管理装置へ一度に送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の入退室管理システム。
【請求項5】
前記管理装置は、さらに、
ネットワーク通信部を備え、
前記制御部は、前記在宅情報記憶部に記憶されている前記在宅情報が示す状態に応じて、前記ネットワーク通信部を介して室内の装置を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の入退室管理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、
前記2個のアンテナを介して、前記タグを検出するまで第1周期で交互にタグ検出用の第1信号を送信し、前記タグを検出すると、前記第1周期より早い第2周期で交互に受信信号強度測定用の第2信号を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の入退室管理システム。
【請求項7】
前記入退室管理システムは、
前記タグを前記2個のアンテナから等距離に設置した状態で、前記タグが各アンテナから受信する信号の信号強度が等しくなるように、前記2個のアンテナそれぞれから送信される信号の信号強度を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の入退室管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−44169(P2013−44169A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182783(P2011−182783)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]