分包シート検査システム及び検査方法
【課題】内容物の位置ズレを高精度に検出できる分包シート検査システム及び検査方法を提供する。
【解決手段】分包シートの外面に照射光を照射可能な光源と、前記光源から照射された照射光が分包シートの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させる撮像手段4と、撮像手段4から出力される前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことでシール部を強調するとともに、強調されたシール部において、分包シートの外端からポケット部とシール部との境界までの距離をシール長を計測するシール長計測装置6と、分包シートに照射するX線を照射可能なX線源7と、このX線照射に伴うX線透過量を検出するX線検出器8と、シール長の情報を入力してポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、X線検出器8で検出されたX線透過量に基づいて、検査領域における内容物を検査する判定手段9とを備えたことを特徴とする。
【解決手段】分包シートの外面に照射光を照射可能な光源と、前記光源から照射された照射光が分包シートの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させる撮像手段4と、撮像手段4から出力される前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことでシール部を強調するとともに、強調されたシール部において、分包シートの外端からポケット部とシール部との境界までの距離をシール長を計測するシール長計測装置6と、分包シートに照射するX線を照射可能なX線源7と、このX線照射に伴うX線透過量を検出するX線検出器8と、シール長の情報を入力してポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、X線検出器8で検出されたX線透過量に基づいて、検査領域における内容物を検査する判定手段9とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品、食品などで用いられる錠剤やカプセル剤等の内容物がポケット部に収容された分包シートの検査システム及び検査方法に関し、更に詳しくは、内容物のポケット内における位置ズレを検出し、位置ズレに伴うシート破れ等の不良品を検出することができる分包シート検査システム及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年老人や子供など使用者の咀嚼形態や嗜好性に合わせて剤形選択ができるように、医薬品、食品分野を中心に錠剤、カプセル、グミ、チップなど様々な形態の内容物が存在している。それとともに携帯性に優れ、個々に内容物が密閉され、必要な時に必要な量利用できる分包シート包装が、安全、且つ内容物の安定性に優れた包装形態として幅広く利用されている。
分包シートには、一般にアルミシート、不透明なフィルム状の樹脂シートなどが用いられ、図11(a)に示すように、これらが重ね合わされて、内容物Rを収容する複数のポケット部P,…と、ポケット部P,…の各々の周囲が接着されてなるシール部Qとが形成されている。そして、各ポケット部P,…を分割するミシン目M,…が入れられており、各ポケット部P,…に内容物Rが分包されたまま、分包シートSを自由に分割して切り離すことができる。
【0003】
分包シートの製造には、図11(b)に示すような分包シート製造装置(充填機)100を用いる。分包シート製造装置100は、内容物Rを挿入する挿入器101と、挿入器101の下方に双対する接着ローラー102,102と、接着ローラー102,102の外側に並ぶ複数の案内ローラー103,…と、案内ローラー103,…の間に位置する張力検出器104,104と、案内ローラー103,…の下方に双対するシートロール105,105と、で概略構成されている。
双対するシートロール105,105には、一方に表側シートEを、もう一方に裏側シートFを巻いておき、案内ローラー103,…を介してそれらのシートE,Fを引き出し、張力検出器によってシートE,Fの張力を制御しながら、双対する接着ローラー102,102の中央でシートE,Fを重ね合わせて、そのまま下方に進行させる。
このとき、重ね合わせた2枚のシートE,Fの下部と両側部を、接着ローラー102,102を用いて熱及び/または圧力により接着し、内容物Rを収容するポケット部Pを形成しながら2枚重ねのシートDを形成する。そして、このポケット部Pに挿入器101から内容物Rを所定量落下させ、ポケット部Pの所定位置に内容物Rを収容し、接着ローラー102,102を用いてポケット部Pの上部を熱及びまたは圧力により接着する。このような動作を繰り返し行なうことで、シートDに連続したポケット部Pを形成しながら内容物Rを収容することができる。さらに、この連続したシートDにおいて各ポケット部P,…を分割するミシン目M,…を入れ、所定のポケット部数となるように所定の長さでシートDを分断することで、図11(a)に示すような分包シートSが完成する。
【0004】
ところが、このようにして製造された分包シートには、シートのキズ、シワ等のシート不良の他、内容物の割れや欠け、欠けの混入、ポケット内の位置ズレ、位置ズレに伴うシート破れ等、内容物に起因する不良が発生する場合があり、ポケット内の内容物を検査できる装置によってそのような不良を検出し、不良品を除去する必要がある。
【0005】
分包シートを検査する場合には、一般に分包シートをコンベヤ等により搬送しながら分包シートを順次撮像して、その撮像した画像から分包シートの良・不良を検査する。
例えば特許文献1には、錠剤包装物に透過線(X線)を照射して錠剤包装物に包装された錠剤の個数を判別し、処方箋データと照合する錠剤検査装置が記載されている。
また、特許文献2には、包装体のシール部に超軟X線を照射して得た映像情報に基づいて、包装体のシールミスの有無を判定する検査方法が記載されている。
また、特許文献3には、内容物のX線透過画像に基づき、内容物の略先端位置と欠品検出用マスク領域を重ね合わせて、内容物の欠品の有無を検査するX線検査装置が記載されている。
また、特許文献4には、CCDカメラで撮像した分包シートの画像から、シール部の凹凸に基づいた所定の周期で強度が変化する領域をシール部と判定して、ポケット部の位置を検出する分包シート検査方法及び装置が記載されている。
【特許文献1】特開2000−135268号公報
【特許文献2】特開平8−85522号公報
【特許文献3】特許第3860144号公報
【特許文献4】特開2003−291929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の装置では、X線などの透過線を分包シートに照射して内容物を撮像できても、ポケット部とシール部の境界は写らないために、ポケット部の位置は解らない。一方、特許文献4に記載の装置では、分包シートの外観を撮像してシール部を認識できても、内容物は撮像できないために内容物の検査を行なえない。
ところが、分包シートの製造の際、ローラーによってシートを引っ張る力がわずかに変動すること、またシートのカットのタイミングの変動により、分包シートのシール長Lも変動してしまうため、従来の検査装置では検査領域とポケット部の位置が正確に適合しないまま、内容物の各種検査が行なわれていた。
【0007】
そのため、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じてしまい、良品誤検知による不良排出が多く、不良品と判定された分包シートを人手により再検査を行なう必要があるなど効率が良くなかった。
特に、内容物を自然落下で挿入することでポケット部における位置が不安定になり生じる内容物の位置ズレに伴う不良については、以前はポケット部の形状が丸型で、ポケット部の大きさも大きかったためにそのような不良は少なかったが、近年は生産技術の向上とコストダウン対応から、ポケット部の形状を方形にして、ポケット部の大きさも小さくする傾向があり、内容物の位置ズレによるシート破れや、噛み込み、潰れなどの不良が深刻になっている。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ポケット部と検査領域とを正確に適合させて内容物の検査を行なうことで、内容物のポケット内における位置ズレを高精度に検出し、位置ズレに伴うシート破れ等の不良品を検出するとともに、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じることなく、良品誤検知による不良排出を大幅に軽減できる高精度な、分包シートの検査システム及び検査方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、分包シートを撮像した画像に、エッジを強調する処理を施すことによりシール長が検出できることを見出した。さらに、シール長検査装置とX線検査装置とをネットワークで統合する検査システムを開発し、シール長検査装置で検出したシール長に基づき、X線検査装置においてポケット部の位置と検査領域を適合させて内容物の検査を行なうことで、内容物のポケット内における位置ズレを高精度に検出し、位置ズレに伴うシート破れ等の不良品を検出するとともに、良品誤検知が大幅に改善されることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の構成を採用する。
【0010】
(1)本発明の分包シート検査システムは、内容物を収容する複数のポケット部と、前記ポケット部の各々の周囲が接着されてなるシール部とを有する分包シートの検査システムであって、
前記分包シートの外面を照射する照射光を照射可能な光源と、
前記光源から照射された照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させる撮像手段と、
前記撮像手段から出力される前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記分包シートの外端から、前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測するシール長計測装置と、
前記分包シートに照射するX線を照射可能なX線源と、
このX線照射に伴うX線透過量を検出するX線検出器と、
前記シール長を入力して前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、前記X線検出器で検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査する判定手段とを備えたことを特徴とする。
(2)本発明の分包シート検査システムは、前記判定手段が、前記内容物のX線透過画像における重心と前記検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することができる。
(3)本発明の分包シート検査システムは、前記シール長計測装置において、前記分包シートの外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することができる。
(4)本発明の分包シート検査方法は、内容物を収容する複数のポケット部と、前記ポケット部の各々の周囲が接着されてなるシール部とを有する分包シートの検査方法であって、
前記分包シートの外面に照射光を照射し、前記照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を撮像手段で受けて映像信号を発生させ、得られた前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記分包シートの外端から前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測し、
前記分包シートにX線を照射し、このX線照射に伴うX線透過量を検出し、
前記シール長に基づいて前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査することを特徴とする。
(5)本発明の分包シート検査方法は、前記内容物のX線透過画像における重心と前記内容物検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することができる。
(6)本発明の分包シート検査方法は、前記分包シートの外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の分包シートの検査システムによれば、前記分包シートの外面を照射する照射光を照射可能な照明と、前記照明から照射された照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させる撮像手段と、前記撮像手段から出力される前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記分包シートの外端から、前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測するシール長計測装置と、前記分包シートに照射するX線を照射可能なX線源と、このX線照射に伴うX線透過量を検出するX線検出器と、前記シール長を入力して前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、前記X線検出器で検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査する判定手段とを備えたことで、光学的検査によるシール長検出と、X線検査による内容物の検査を連動して行うことができ、個々の分包シートのシール長に合わせて検査領域を設定して、検査の判定を行うことができる。そのため、検査領域の設定の際にシール長の誤差を考慮する必要がなく、従来よりも検査領域を広く設定することが可能であり、内容物の各種検査を高精度に行なうことができる。
【0012】
また、本発明の分包シート検査システムによれば、前記判定手段が、前記内容物のX線透過画像における重心と前記検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することで、位置ズレの度合いによって生じる不良を検出することができ、シートの亀裂や内容物の浮き彫りなどが生じた可能性のある不良品を検出することができる。
【0013】
また、本発明の分包シート検査システムによれば、前記シール長計測装置において、前記分包シート外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することで、ポケット部とシール部との境界を強調することが容易に行なえ、シール長を正確に検出することができる。
【0014】
本発明の分包シート検査方法によれば、前記分包シートの外面に照射光を照射し、前記照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を撮像手段で受けて映像信号を発生させ、得られた前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記分包シートの外端から前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測し、前記分包シートにX線を照射し、このX線照射に伴うX線透過量を検出し、前記シール長の情報に基づいて前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査することで、光学的検査によるシール長検出と、X線検査による内容物の検査を連動して行うことができ、個々の分包シートのシール長に合わせて検査領域を設定して、検査の判定を行うことができる。そのため、検査領域の設定の際にシール長の誤差を考慮する必要がなく、従来よりも検査領域を広く設定することが可能であり、内容物の各種検査を高精度に行なうことができる。
【0015】
また、本発明の分包シート検査方法によれば、前記内容物のX線透過画像における重心と前記内容物検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することで、位置ズレの度合いによって生じる不良を検出することができ、シートの亀裂や内容物の浮き彫りなどが生じた可能性のある不良品を検出することができる。
【0016】
また、本発明の分包シート検査方法によれば、前記分包シートの外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することで、ポケット部とシール部との境界を強調することが容易に行なえ、シール長を正確に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の一実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
本発明は、分包シートの検査システム及び検査方法であって、例えば図11(a)に示すような内容物Rを収容する複数のポケット部P,…と、ポケット部P,…の各々の周囲が接着されてなるシール部Qとを有する分包シートSに対して、シール長L1,L2を検出する光学的検査と、内容物Rを検査するX線検査とから概略構成されている。
なお、図11(a)に示した数値は、一般的な分包シートの寸法を示しているが、本発明はこれらの数値に限定されない。
【0018】
まず、本発明に係る分包シート検査システムの実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る分包シート検査システムの構成図を示すものであり、この形態の分包シート検査システム1は、照射光を発光する光源装置3と、光源装置3で発光された照射光を分包シートSの外面に照射する照明装置2と(照明装置2と光源装置3とを合わせて光源とする)、照明装置2から照射された照射光が分包シートSの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させるCCDカメラ(撮像手段)4と、CCDカメラ4から出力される映像信号にエッジ強調処理を行なって、シール長L1,L2を計測するシール長検査PC(シール長計測装置)6と、分包シートSに照射するX線を照射可能なX線源7と、このX線照射に伴うX線透過量を検出するX線検出器8と、シール長L1,L2の情報を入力してポケット部P,…の位置と適合する検査領域を設定し、X線検出器8で検出されたX線透過量に基づいて、検査領域における内容物を検査するX線検査PC(判定手段)9と、検査システムの一連の動作を制御するPLC(プログラマブルロジカルコントローラ)10とを主体として構成され、これらがトリガーを通信するトリガー信号用ケーブル11やLANケーブル12を介して接続され、モニタリング用PC61で監視されている。
このような構成により、光学的検査によるシール長L1,L2検出と、X線検査による内容物Rの検査を連動して行うことができ、個々の分包シートSのシール長L1,L2に合わせて検査領域を設定して、検査の判定を行うことができる。そのため、検査領域の設定の際にシール長L1,L2の誤差を考慮する必要がなく、ポケット部と検査領域を適合させることが可能であり、内容物Rの位置ズレ等の検査を高精度に行なうことができる。
【0019】
分包シート検査システム1において、例えば図2に示すように、フレーム1Fに照明装置2とCCDカメラ4とを備えた撮像部1Dと、X線源7とX線検出器8とを備えたX線検査部1Cとを組み合わせて一体化した検査装置1Aとすることができる。検査装置1Aは、撮像部1DとX線検査部1Cとを載せた基台1Eの内部に、撮像部1DからX線検査部1Cの方向に分包シートSを搬送する搬送コンベヤ13が内蔵され、不良シートと判定された不良シートを排出する不良シート排出ダンパー5が搬送方向の終端に設けられている。搬送コンベヤ13は、搬送コンベヤ13の上部、下部、中央部に取り付けられたローラー13a,…と、ローラー13a,…に巻かれた環状の搬送ベルト13bとを備え、撮像部1DとX線検出器8の下方における搬送ベルト13aの上面において、分包シートSは搬送方向に直列している搬送ピン14,14間に配置され、図5(b)に示すように、分包シートSの両脇に配置された搬送ガイド15に沿って搬送される。
【0020】
光学的検査装置として、図3(a)、(b)に示すように、分包シート(被検査物)Sを搬送する搬送コンベヤ13の上に、CCDカメラ4が高さh1で設置され、CCDカメラ4と搬送コンベヤ13の間に照明装置2が高さh2で設置されている。
CCDカメラ4は、分包シートSの全体を撮像できるように設置すればよい。
照明装置2は、分包シートSの上面全体に照射できればよく、例えば直管式光源などを用い、CCDカメラ4の真下に設置すればよい。照射光の強弱は照明装置2の高さh2によってある程度調整できる。
【0021】
分包シートSがCCDカメラ4の直下にきたタイミングがトリガーとして入力されると、CCDカメラ4は分包シートSの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させ、図4に示すように、その映像信号をシール長検査PC6に送信する。
シール長検査PC6は、図4(b)に示すように、受信した映像信号にエッジ強調処理を行なうことでシール部Qを強調するとともに、強調されたシール部Qにおいて、分包シートSの外端A1,A2から、ポケット部Pとシール部Qとの境界B1,B2までの距離をシール長L1,L2として計測する。
【0022】
エッジ強調処理としてはソーベルフィルタ処理やラプラシアン処理が好ましく、分包シートSの外縁部に、ポケット部Pの内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域W1をそれぞれ設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を平均してシール長L1,L2とすればよい。
このようにすることで、シール部Qを強調することが容易に行なえ、シール長L1,L2を正確に検出することができる。
光学的検査が終わると、搬送ガイド15によりX線検査装置へと搬送コンベヤ13で運ばれる。
【0023】
続いて、X線検査装置として、X線源7が分包シートSにX線を照射し、このX線照射に伴うX線透過量をX線検出器8が検出する。検出されたX線透過量に基づいて画像処理が行なわれると、図5に示すようなX線透過画像として認識でき、内容物Rを検査することができる。
このとき、図5(a)に示すように、可視光画像では撮像されたポケット部P,…は、図5(b)に示すように、X線透過画像では写らないため、光学的検査で検出したシール長L1,L2の情報を、X線検査PC9に入力してポケット部P,…の位置と適合する検査領域を設定する必要がある。
【0024】
本実施形態において、PLC(プログラマブルロジカルコントローラ)10が、シール長L1,L2の情報送信の経由を行なう。これは、データのシフト(タイミング合わせ)を容易に行なうためであり、必須な手段ではなく、シール長L1,L2の情報送信手段は特に限定されない。
X線検査PC9は、このシール長L1,L2の情報をもとに、図6(a)のようにポケット部P,…の位置と適合する検査領域W2(ポケット部Pより若干大きい正方形状の領域)を設定し、この検査領域W2における内容物Rを検査する。図6(a)において、(A)はシール長L1が長く、(B)はシール長L1が正常であり、(C)はシール長L1が短い場合であるが、いずれの場合にもシール長L1の情報が入力されることでその分包シートSのポケット部P,…の位置が解り、ポケット部P,…の位置と適合する検査領域W2を設定することができる。内容物Rの検査としては、このように内容物Rの位置ズレのほか、内容物Rの割れや欠け、欠けの混入などの検査を行なうことができる。
【0025】
従来の装置では、X線検査装置においてシール長L1,L2を得られなかったために、図6(b)に示すように、(A)はシール長L1が長く、(B)はシール長L1が正常であり、(C)はシール長L1が短い場合であっても、検査領域W3の位置は同じに設定するため、ポケット部P,…の位置と検査領域W3が(A)や(C)では適合せず、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じていた。良品誤検知による不良排出が多く、不良品と判定された分包シートを人手により再検査を行なう必要があるなど効率が良くなかった。
このように、良品誤検知による不良排出の多さから、内容物Rについての位置ズレ検査の精度を向上させる検討が困難な状況が生じていた。
【0026】
以上説明したように、本実施形態の分包シート検査システム1によれば、ポケット部Pと検査領域W2とを正確に適合させて内容物Rの検査を行なうことで、内容物Rのポケット部P内における位置ズレを高精度に検出し、位置ズレに伴うシート破れ等の不良品を検出するとともに、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じることなく、良品誤検知による不良排出を大幅に軽減できる高精度な分包シートの検査システムを提供することができる。
【0027】
続いて、本発明に係る分包シートの検査方法の実施の形態について説明する。
本実施形態における分包シートの検査方法は、図1に示したような分包シート検査システム1を用いる。
分包シートSには、一般にアルミシート、透明または不透明なフィルム状の樹脂シートなどが用いられ、図11(a)に示すように、これらが重ね合わされて、内容物Rを収容する複数のポケット部P,…と、ポケット部P,…の各々の周囲が接着されてなるシール部Qとが形成されている。そして、各ポケット部P,…を分割するミシン目M,…が入れられており、各ポケット部P,…に内容物Rが分包されたまま、分包シートSを自由に分割して切り離すことができる。
【0028】
まず、光学的検査により、シール長L1,L2を検出する。分包シートSの外面に照明装置2で照射光を照射し、照射光が分包シートSの外面で反射された反射光をCCDカメラ(撮像手段)4から得られた映像信号に、シール長検査PC6を用いてエッジ強調処理を行なって、ポケット部Pとシール部Qとの境界を強調し、分包シートSの外端からポケット部Pとシール部Qとの境界までの距離をシール長L1,L2として計測する。
【0029】
分包シートSがCCDカメラ4の直下にきたタイミングがトリガーとして入力し、CCDカメラ4により分包シートSの外面で反射された反射光を受けて、図4(a)に示すような映像信号を出力し、その映像信号をシール長検査PC6に送信する。
図4(b)に示すように、得られた映像信号に、シール長検査PC6を用いてエッジ強調処理を行なうことで、シール部Qを強調するとともに、強調されたシール部Qにおいて、分包シートSの外端A1,A2から、ポケット部Pとシール部Qとの境界B1,B2までの距離をシール長L1,L2として計測する。
【0030】
エッジ強調処理としてはソーベルフィルタ処理やラプラシアン処理が好ましく、分包シートSの外縁部に、ポケット部Pの内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域W1をそれぞれ設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を平均してシール長L1,L2とすればよい。
このようにすることで、シール部Qを強調することが容易に行なえ、シール長L1,L2を正確に検出することができる。
光学的検査が終わると、分包シートSはX線検査を行なう装置へと、搬送コンベヤ13により搬送する。
【0031】
次に、X線検査により、内容物Rの検査を行なう。まず、分包シートSにX線源7を用いてX線を照射し、このX線照射に伴うX線透過量をX線検出器8により検出し、検出されたX線透過量に基づいて、図5に示すようなX線透過画像に画像処理を行なう。そして、X線検査PC9を用い、シール長L1,L2の情報に基づいてポケット部Pの位置と適合する検査領域W2を設定し、検査領域W2における内容物Rを検査する。
このとき、図5(a)に示すように、可視光画像では撮像されたポケット部P,…は、図5(b)に示すように、X線透過画像では写らないため、光学的検査で検出したシール長L1,L2の情報を、X線検査PC9に入力してポケット部P,…の位置と適合する検査領域を設定する必要がある。
【0032】
本実施形態において、シール長L1,L2の情報送信は、PLC(プログラマブルロジカルコントローラ)10を経由して行なうが、これはデータのシフト(タイミング合わせ)を容易に行なうためであり、必須な手段ではなく、シール長L1,L2の情報送信手段は特に限定されない。
このシール長L1,L2の情報をもとに、X線検査PC9により、図6(a)のようにポケット部P,…の位置と適合する検査領域W2を設定し、この検査領域W2における内容物Rを検査する。(A)はシール長L1が長く、(B)はシール長L1が正常であり、(C)はシール長L1が短い場合であるが、いずれの場合にもシール長L1の情報を入力することでその分包シートSのポケット部P,…の位置が解り、ポケット部P,…の位置と適合する検査領域W2を設定することができる。内容物Rの検査としては、このように内容物Rの位置ズレのほか、内容物Rの割れや欠け、欠けの混入などの検査を行なうことができる。
【0033】
従来の検査方法では、X線検査の際にシール長L1,L2の情報が得られなかったために、図6(b)に示すように、(A)はシール長L1が長く、(B)はシール長L1が正常であり、(C)はシール長L1が短い場合であっても、検査領域W3の位置は同じに設定するため、ポケット部P,…の位置と検査領域W3が(A)や(C)では適合せず、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じていた。良品誤検知による不良排出が多く、不良品と判定された分包シートを人手により再検査を行なう必要があるなど効率が良くなかった。
また、シール長L1,L2の誤差を防ぐために、検査領域W3もポケット部P,…の大きさよりも狭く設定せざるを得ない制約もあり、図6(c)に示すように、内容物Rがポケット部P内に収容されていても、良品と判定されるのは内容物RのX線透過画像における重心とポケット部Pの中心Oが一致している(B)のみであり、(A)や(C)のように内容物RのX線透過画像における重心が少しポケット部P内で上下していると検査領域W3から外れてしまい、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じていた。
このように、良品誤検知による不良排出の多さから、内容物Rについてのその他の各種検査項目の精度を向上させる検討が困難な状況が生じていた。
【0034】
内容物Rの位置ズレの検査方法は、図7(a)に示すように、内容物RのX線透過画像における重心Gと検査領域W2の中心Oとの距離dを計測することで、ポケット部P内における内容物Rの位置ズレを検出することができる。距離dの計算は、内容物RのX線透過画像における重心Gと検査領域W2の中心OとX軸方向の差を△xとし、Y軸方向の差を△yとすると、△xと△yをそれぞれ二乗した和の平方根を計算することによって求められる。
また、図7(b)に示すように、X軸方向の差△x又は/及びY軸方向の差△yで、位置ズレを判定してもよい。
このように位置ズレを検出することによって、位置ズレの度合いによって生じる不良を検出でき、シートの亀裂や内容物の浮き彫りなどが生じた可能性のある不良品を検出することができる。
【0035】
内容物Rの検査としては、このように内容物Rの位置ズレのほか、内容物Rの割れや欠け、欠けの混入などの検査を行なうことができる。
例えば、図8(a)に示すように、検査領域W2に計測対象ドットKを横縞状に設け、閾値以上の明るさを持つドットの数を集計し、上限値と比較することで、内容物Rの割れや欠けを検出することができる。内容物Rが割れている場合は、図8(b)に示すように、割れ部分の計測対象ドットK´が閾値以上の明るさとなり、この閾値以上の明るさを持つドット数が正常な場合よりも多くなる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態における分包シート検査方法によれば、光学的検査によるシール長L1,L2検出と、X線検査による内容物Rの検査を連動して行うことができ、個々の分包シートSのシール長L1,L2に合わせて検査領域W2を設定して、検査の判定を行うことができる。そのため、検査領域W2の設定の際にシール長L1,L2の誤差を考慮する必要がなく、ポケット部と検査領域を適合させることが可能であり、内容物Rの各種検査を高精度に行なうことができる。
【実施例】
【0037】
図1に示したような分包シート検査システムを用い、分包シートとしてアルミニウムからなるSP(ストリップパッケージ)シートの検査を行なった。
各SPシートの寸法は、X軸方向が48mmであり、Y軸方向(搬送方向)が118mmである。各ポケット部の寸法は縦、横ともに16mmの正方形である。各ポケット部には、内容物として直径8mmの錠剤が1個ずつ収納されている。
このようなSPシートであって、表1に示す被検査シートに対し、光学的検査によりシール長L1,L2を検出し、続いてX線検査により内容物Rの位置ズレの検査を行なった。なお、表中の山切とは、製造された被検査シートのシール長が長すぎたために、ピンキング鋏を用いて山切にカットされたものである。
【0038】
【表1】
【0039】
「シール長検出」
図3に示したように、SPシート(被検査物)を搬送する搬送コンベヤ13の上に、1280×960画素、f16mmのCCDカメラ4を高さh1=500mmで設置した。照明装置2としては、分包シートSの上面全体に照射できるような直管式光源を用い、CCDカメラ4と搬送コンベヤ13の間に、CCDカメラ4の真下に高さh2で設置した。
撮像は、各SPシートは上下を入れ替えて2回撮像した。撮像によって得られた映像信号に、ラプラシアン処理を施すことで、シール部の(エッジ)強調を行なった。計測は、図4(a)に示したように、SPシートの外縁部に、ポケット内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域W1をそれぞれ設定し、Y軸への投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を平均してシール長L1,L2とした。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
照射光の強弱を照明装置2の高さh2によって調整できるため、照明装置2の高さh2は30、100、190mmに変化させて測定を行ない、得られた計測値を対象に回帰分析を行なった。
回帰分析は、カット形状を区分せず全データを対象にした場合と、カット形状が山切であるデータを除いて通常のデータのみで行なった。結果をそれぞれ図9、図10に示す。
【0042】
図9、図10の結果から、これらの計測値を直線回帰にて分析を行なうと、照明装置2の高さh2が30、100、190mmの順で相関係数R2は大きくなり精度が向上する傾向があるが、R2=0.9743に止まっている。しかし、カット形状が山切であるデータを除いて通常のデータのみで行なうと、照明装置2の高さh2=190mmで、R2=0.9919となり、高い相関性が得られた。
続いて、この回帰分析を基にシール長L1,L2を推定した。その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
「位置ズレの検査」
次に、これらのSPシートに対し、X線検査を行い位置ズレの検査を行なった。
X線検査機は、SPシートの充填機、集積、搬送を含めインライン式である。
検査領域W2の設定には、検出したシール長L1,L2の内、搬送方向後側のシール長L1(搬送ピン側)を用いた。搬送ピン14上部端を基準にして、シール長L1分離れた所に検査領域W2の下部端が来るように検査領域W2の位置を設定した。
錠剤(内容物)の検査として、錠剤の欠け、割れ、欠け混入、位置ズレ、カットズレの各項目について検査を行なった。結果を表3に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
<位置ズレ不良品の判定基準>
位置ズレは、図7(b)に示したように、錠剤(内容物R)のX線透過画像における重心Gとポケットの中心Oとの距離dのY成分、すなわち△yの値によって以下のように判定した。
(1)△yの絶対値が3.1mm以上であると、アルミシートに亀裂が入る。
(2)△yの絶対値が2.5mm以上であると、アルミシートに錠剤のエッジ部分が浮き彫りになる。
(3)以上から、検査装置では△yの絶対値が2.5mm以上である場合に不良品と判定する。
現状のX線検査機では錠剤のズレを相対的に判断しているため、絶対値(2.5mm以上)での判定は出来ないが、シール長検査(CCDカメラ)と組合せることで、錠剤のズレを絶対値として計測できるため、2.5mm以上ズレた場合に不良品と判定することが可能になる。
【0047】
表4の結果より、実施例では位置ズレによる不良が大きく減少し、その他の検査項目による不良も減少し、全体における不良品の検出量が減少した。これにより、良品誤検知による不良排出が改善されることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、医薬品、食品分野を中心に錠剤、カプセル、グミ、チップなどを収納した、アルミシート、不透明なフィルム状の樹脂シートからなる分包シート包装の検査に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明に係る分包シート検査装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】図2は、同実施形態の分包シート検査装置の模式図である。
【図3】図3は、同実施形態の分包シート検査システムで分包シートを検査する場合の照明装置と分包シートの位置関係を示すもので、図3(a)は側面図、図3(b)は平面図である。
【図4】図4は、光学的検査を説明するための図であり、図4(a)は分包シートの映像信号、図4(b)は図4(a)にラプラシアン処理を行なった状態を示す。
【図5】図5は、X線検査を説明するための図であり、図5(a)は分包シートの可視光画像、図5(b)は図5(a)の分包シートのX線透過画像である。
【図6】図6は、内容物の検査領域を説明するための図であり、図6(a)は本発明における検査領域の設定を示し、図6(b)は従来例における検査領域の設定を示す。
【図7】図7は、内容物のX線透過画像における重心と検査領域の中心との距離を説明するための図であり、図7(a)はX軸、Y軸両方の成分の差により計算するもので、図7(b)はX軸成分、Y軸成分それぞれについて計算を行なう方法を示す。
【図8】図8は、内容物の割れの検査について説明するための図であり、図8(a)は内容物が正常であり、図8(b)は内容物が割れている状態を示す。
【図9】図9は、実施例において全データの回帰分析の結果を示す図であり、図9(a)は照明の高さが30mm、図9(b)は照明の高さが100mm、図9(c)は照明の高さが190mmである。
【図10】図10は、実施例において山切データを除いた回帰分析の結果を示す図であり、図10(a)は照明の高さが30mm、図10(b)は照明の高さが100mm、図10(c)は照明の高さが190mmである。
【図11】図11(a)は分包シート(SPシート)の平面図であり、図11(b)は分包シートの製造装置である。
【符号の説明】
【0050】
1…分包シート検査システム、2…照明装置、3…光源装置、4…CCDカメラ(撮像手段)、5…不良品排出ダンパー、6…シール長検査PC(シール長計測装置)、61…モニタリング用PC、7…X線源、8…X線検出器、9…X線検査PC(判定手段)、10…PLC、11…トリガー信号用ケーブル、12…LANケーブル、13…搬送コンベヤ、14…搬送ピン、15…搬送ガイド、P…ポケット部、Q…シール部、R…内容物、S…分包シート。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品、食品などで用いられる錠剤やカプセル剤等の内容物がポケット部に収容された分包シートの検査システム及び検査方法に関し、更に詳しくは、内容物のポケット内における位置ズレを検出し、位置ズレに伴うシート破れ等の不良品を検出することができる分包シート検査システム及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年老人や子供など使用者の咀嚼形態や嗜好性に合わせて剤形選択ができるように、医薬品、食品分野を中心に錠剤、カプセル、グミ、チップなど様々な形態の内容物が存在している。それとともに携帯性に優れ、個々に内容物が密閉され、必要な時に必要な量利用できる分包シート包装が、安全、且つ内容物の安定性に優れた包装形態として幅広く利用されている。
分包シートには、一般にアルミシート、不透明なフィルム状の樹脂シートなどが用いられ、図11(a)に示すように、これらが重ね合わされて、内容物Rを収容する複数のポケット部P,…と、ポケット部P,…の各々の周囲が接着されてなるシール部Qとが形成されている。そして、各ポケット部P,…を分割するミシン目M,…が入れられており、各ポケット部P,…に内容物Rが分包されたまま、分包シートSを自由に分割して切り離すことができる。
【0003】
分包シートの製造には、図11(b)に示すような分包シート製造装置(充填機)100を用いる。分包シート製造装置100は、内容物Rを挿入する挿入器101と、挿入器101の下方に双対する接着ローラー102,102と、接着ローラー102,102の外側に並ぶ複数の案内ローラー103,…と、案内ローラー103,…の間に位置する張力検出器104,104と、案内ローラー103,…の下方に双対するシートロール105,105と、で概略構成されている。
双対するシートロール105,105には、一方に表側シートEを、もう一方に裏側シートFを巻いておき、案内ローラー103,…を介してそれらのシートE,Fを引き出し、張力検出器によってシートE,Fの張力を制御しながら、双対する接着ローラー102,102の中央でシートE,Fを重ね合わせて、そのまま下方に進行させる。
このとき、重ね合わせた2枚のシートE,Fの下部と両側部を、接着ローラー102,102を用いて熱及び/または圧力により接着し、内容物Rを収容するポケット部Pを形成しながら2枚重ねのシートDを形成する。そして、このポケット部Pに挿入器101から内容物Rを所定量落下させ、ポケット部Pの所定位置に内容物Rを収容し、接着ローラー102,102を用いてポケット部Pの上部を熱及びまたは圧力により接着する。このような動作を繰り返し行なうことで、シートDに連続したポケット部Pを形成しながら内容物Rを収容することができる。さらに、この連続したシートDにおいて各ポケット部P,…を分割するミシン目M,…を入れ、所定のポケット部数となるように所定の長さでシートDを分断することで、図11(a)に示すような分包シートSが完成する。
【0004】
ところが、このようにして製造された分包シートには、シートのキズ、シワ等のシート不良の他、内容物の割れや欠け、欠けの混入、ポケット内の位置ズレ、位置ズレに伴うシート破れ等、内容物に起因する不良が発生する場合があり、ポケット内の内容物を検査できる装置によってそのような不良を検出し、不良品を除去する必要がある。
【0005】
分包シートを検査する場合には、一般に分包シートをコンベヤ等により搬送しながら分包シートを順次撮像して、その撮像した画像から分包シートの良・不良を検査する。
例えば特許文献1には、錠剤包装物に透過線(X線)を照射して錠剤包装物に包装された錠剤の個数を判別し、処方箋データと照合する錠剤検査装置が記載されている。
また、特許文献2には、包装体のシール部に超軟X線を照射して得た映像情報に基づいて、包装体のシールミスの有無を判定する検査方法が記載されている。
また、特許文献3には、内容物のX線透過画像に基づき、内容物の略先端位置と欠品検出用マスク領域を重ね合わせて、内容物の欠品の有無を検査するX線検査装置が記載されている。
また、特許文献4には、CCDカメラで撮像した分包シートの画像から、シール部の凹凸に基づいた所定の周期で強度が変化する領域をシール部と判定して、ポケット部の位置を検出する分包シート検査方法及び装置が記載されている。
【特許文献1】特開2000−135268号公報
【特許文献2】特開平8−85522号公報
【特許文献3】特許第3860144号公報
【特許文献4】特開2003−291929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の装置では、X線などの透過線を分包シートに照射して内容物を撮像できても、ポケット部とシール部の境界は写らないために、ポケット部の位置は解らない。一方、特許文献4に記載の装置では、分包シートの外観を撮像してシール部を認識できても、内容物は撮像できないために内容物の検査を行なえない。
ところが、分包シートの製造の際、ローラーによってシートを引っ張る力がわずかに変動すること、またシートのカットのタイミングの変動により、分包シートのシール長Lも変動してしまうため、従来の検査装置では検査領域とポケット部の位置が正確に適合しないまま、内容物の各種検査が行なわれていた。
【0007】
そのため、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じてしまい、良品誤検知による不良排出が多く、不良品と判定された分包シートを人手により再検査を行なう必要があるなど効率が良くなかった。
特に、内容物を自然落下で挿入することでポケット部における位置が不安定になり生じる内容物の位置ズレに伴う不良については、以前はポケット部の形状が丸型で、ポケット部の大きさも大きかったためにそのような不良は少なかったが、近年は生産技術の向上とコストダウン対応から、ポケット部の形状を方形にして、ポケット部の大きさも小さくする傾向があり、内容物の位置ズレによるシート破れや、噛み込み、潰れなどの不良が深刻になっている。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ポケット部と検査領域とを正確に適合させて内容物の検査を行なうことで、内容物のポケット内における位置ズレを高精度に検出し、位置ズレに伴うシート破れ等の不良品を検出するとともに、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じることなく、良品誤検知による不良排出を大幅に軽減できる高精度な、分包シートの検査システム及び検査方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、分包シートを撮像した画像に、エッジを強調する処理を施すことによりシール長が検出できることを見出した。さらに、シール長検査装置とX線検査装置とをネットワークで統合する検査システムを開発し、シール長検査装置で検出したシール長に基づき、X線検査装置においてポケット部の位置と検査領域を適合させて内容物の検査を行なうことで、内容物のポケット内における位置ズレを高精度に検出し、位置ズレに伴うシート破れ等の不良品を検出するとともに、良品誤検知が大幅に改善されることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の構成を採用する。
【0010】
(1)本発明の分包シート検査システムは、内容物を収容する複数のポケット部と、前記ポケット部の各々の周囲が接着されてなるシール部とを有する分包シートの検査システムであって、
前記分包シートの外面を照射する照射光を照射可能な光源と、
前記光源から照射された照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させる撮像手段と、
前記撮像手段から出力される前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記分包シートの外端から、前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測するシール長計測装置と、
前記分包シートに照射するX線を照射可能なX線源と、
このX線照射に伴うX線透過量を検出するX線検出器と、
前記シール長を入力して前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、前記X線検出器で検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査する判定手段とを備えたことを特徴とする。
(2)本発明の分包シート検査システムは、前記判定手段が、前記内容物のX線透過画像における重心と前記検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することができる。
(3)本発明の分包シート検査システムは、前記シール長計測装置において、前記分包シートの外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することができる。
(4)本発明の分包シート検査方法は、内容物を収容する複数のポケット部と、前記ポケット部の各々の周囲が接着されてなるシール部とを有する分包シートの検査方法であって、
前記分包シートの外面に照射光を照射し、前記照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を撮像手段で受けて映像信号を発生させ、得られた前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記分包シートの外端から前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測し、
前記分包シートにX線を照射し、このX線照射に伴うX線透過量を検出し、
前記シール長に基づいて前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査することを特徴とする。
(5)本発明の分包シート検査方法は、前記内容物のX線透過画像における重心と前記内容物検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することができる。
(6)本発明の分包シート検査方法は、前記分包シートの外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の分包シートの検査システムによれば、前記分包シートの外面を照射する照射光を照射可能な照明と、前記照明から照射された照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させる撮像手段と、前記撮像手段から出力される前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記分包シートの外端から、前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測するシール長計測装置と、前記分包シートに照射するX線を照射可能なX線源と、このX線照射に伴うX線透過量を検出するX線検出器と、前記シール長を入力して前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、前記X線検出器で検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査する判定手段とを備えたことで、光学的検査によるシール長検出と、X線検査による内容物の検査を連動して行うことができ、個々の分包シートのシール長に合わせて検査領域を設定して、検査の判定を行うことができる。そのため、検査領域の設定の際にシール長の誤差を考慮する必要がなく、従来よりも検査領域を広く設定することが可能であり、内容物の各種検査を高精度に行なうことができる。
【0012】
また、本発明の分包シート検査システムによれば、前記判定手段が、前記内容物のX線透過画像における重心と前記検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することで、位置ズレの度合いによって生じる不良を検出することができ、シートの亀裂や内容物の浮き彫りなどが生じた可能性のある不良品を検出することができる。
【0013】
また、本発明の分包シート検査システムによれば、前記シール長計測装置において、前記分包シート外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することで、ポケット部とシール部との境界を強調することが容易に行なえ、シール長を正確に検出することができる。
【0014】
本発明の分包シート検査方法によれば、前記分包シートの外面に照射光を照射し、前記照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を撮像手段で受けて映像信号を発生させ、得られた前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記分包シートの外端から前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測し、前記分包シートにX線を照射し、このX線照射に伴うX線透過量を検出し、前記シール長の情報に基づいて前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査することで、光学的検査によるシール長検出と、X線検査による内容物の検査を連動して行うことができ、個々の分包シートのシール長に合わせて検査領域を設定して、検査の判定を行うことができる。そのため、検査領域の設定の際にシール長の誤差を考慮する必要がなく、従来よりも検査領域を広く設定することが可能であり、内容物の各種検査を高精度に行なうことができる。
【0015】
また、本発明の分包シート検査方法によれば、前記内容物のX線透過画像における重心と前記内容物検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することで、位置ズレの度合いによって生じる不良を検出することができ、シートの亀裂や内容物の浮き彫りなどが生じた可能性のある不良品を検出することができる。
【0016】
また、本発明の分包シート検査方法によれば、前記分包シートの外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することで、ポケット部とシール部との境界を強調することが容易に行なえ、シール長を正確に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の一実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
本発明は、分包シートの検査システム及び検査方法であって、例えば図11(a)に示すような内容物Rを収容する複数のポケット部P,…と、ポケット部P,…の各々の周囲が接着されてなるシール部Qとを有する分包シートSに対して、シール長L1,L2を検出する光学的検査と、内容物Rを検査するX線検査とから概略構成されている。
なお、図11(a)に示した数値は、一般的な分包シートの寸法を示しているが、本発明はこれらの数値に限定されない。
【0018】
まず、本発明に係る分包シート検査システムの実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る分包シート検査システムの構成図を示すものであり、この形態の分包シート検査システム1は、照射光を発光する光源装置3と、光源装置3で発光された照射光を分包シートSの外面に照射する照明装置2と(照明装置2と光源装置3とを合わせて光源とする)、照明装置2から照射された照射光が分包シートSの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させるCCDカメラ(撮像手段)4と、CCDカメラ4から出力される映像信号にエッジ強調処理を行なって、シール長L1,L2を計測するシール長検査PC(シール長計測装置)6と、分包シートSに照射するX線を照射可能なX線源7と、このX線照射に伴うX線透過量を検出するX線検出器8と、シール長L1,L2の情報を入力してポケット部P,…の位置と適合する検査領域を設定し、X線検出器8で検出されたX線透過量に基づいて、検査領域における内容物を検査するX線検査PC(判定手段)9と、検査システムの一連の動作を制御するPLC(プログラマブルロジカルコントローラ)10とを主体として構成され、これらがトリガーを通信するトリガー信号用ケーブル11やLANケーブル12を介して接続され、モニタリング用PC61で監視されている。
このような構成により、光学的検査によるシール長L1,L2検出と、X線検査による内容物Rの検査を連動して行うことができ、個々の分包シートSのシール長L1,L2に合わせて検査領域を設定して、検査の判定を行うことができる。そのため、検査領域の設定の際にシール長L1,L2の誤差を考慮する必要がなく、ポケット部と検査領域を適合させることが可能であり、内容物Rの位置ズレ等の検査を高精度に行なうことができる。
【0019】
分包シート検査システム1において、例えば図2に示すように、フレーム1Fに照明装置2とCCDカメラ4とを備えた撮像部1Dと、X線源7とX線検出器8とを備えたX線検査部1Cとを組み合わせて一体化した検査装置1Aとすることができる。検査装置1Aは、撮像部1DとX線検査部1Cとを載せた基台1Eの内部に、撮像部1DからX線検査部1Cの方向に分包シートSを搬送する搬送コンベヤ13が内蔵され、不良シートと判定された不良シートを排出する不良シート排出ダンパー5が搬送方向の終端に設けられている。搬送コンベヤ13は、搬送コンベヤ13の上部、下部、中央部に取り付けられたローラー13a,…と、ローラー13a,…に巻かれた環状の搬送ベルト13bとを備え、撮像部1DとX線検出器8の下方における搬送ベルト13aの上面において、分包シートSは搬送方向に直列している搬送ピン14,14間に配置され、図5(b)に示すように、分包シートSの両脇に配置された搬送ガイド15に沿って搬送される。
【0020】
光学的検査装置として、図3(a)、(b)に示すように、分包シート(被検査物)Sを搬送する搬送コンベヤ13の上に、CCDカメラ4が高さh1で設置され、CCDカメラ4と搬送コンベヤ13の間に照明装置2が高さh2で設置されている。
CCDカメラ4は、分包シートSの全体を撮像できるように設置すればよい。
照明装置2は、分包シートSの上面全体に照射できればよく、例えば直管式光源などを用い、CCDカメラ4の真下に設置すればよい。照射光の強弱は照明装置2の高さh2によってある程度調整できる。
【0021】
分包シートSがCCDカメラ4の直下にきたタイミングがトリガーとして入力されると、CCDカメラ4は分包シートSの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させ、図4に示すように、その映像信号をシール長検査PC6に送信する。
シール長検査PC6は、図4(b)に示すように、受信した映像信号にエッジ強調処理を行なうことでシール部Qを強調するとともに、強調されたシール部Qにおいて、分包シートSの外端A1,A2から、ポケット部Pとシール部Qとの境界B1,B2までの距離をシール長L1,L2として計測する。
【0022】
エッジ強調処理としてはソーベルフィルタ処理やラプラシアン処理が好ましく、分包シートSの外縁部に、ポケット部Pの内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域W1をそれぞれ設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を平均してシール長L1,L2とすればよい。
このようにすることで、シール部Qを強調することが容易に行なえ、シール長L1,L2を正確に検出することができる。
光学的検査が終わると、搬送ガイド15によりX線検査装置へと搬送コンベヤ13で運ばれる。
【0023】
続いて、X線検査装置として、X線源7が分包シートSにX線を照射し、このX線照射に伴うX線透過量をX線検出器8が検出する。検出されたX線透過量に基づいて画像処理が行なわれると、図5に示すようなX線透過画像として認識でき、内容物Rを検査することができる。
このとき、図5(a)に示すように、可視光画像では撮像されたポケット部P,…は、図5(b)に示すように、X線透過画像では写らないため、光学的検査で検出したシール長L1,L2の情報を、X線検査PC9に入力してポケット部P,…の位置と適合する検査領域を設定する必要がある。
【0024】
本実施形態において、PLC(プログラマブルロジカルコントローラ)10が、シール長L1,L2の情報送信の経由を行なう。これは、データのシフト(タイミング合わせ)を容易に行なうためであり、必須な手段ではなく、シール長L1,L2の情報送信手段は特に限定されない。
X線検査PC9は、このシール長L1,L2の情報をもとに、図6(a)のようにポケット部P,…の位置と適合する検査領域W2(ポケット部Pより若干大きい正方形状の領域)を設定し、この検査領域W2における内容物Rを検査する。図6(a)において、(A)はシール長L1が長く、(B)はシール長L1が正常であり、(C)はシール長L1が短い場合であるが、いずれの場合にもシール長L1の情報が入力されることでその分包シートSのポケット部P,…の位置が解り、ポケット部P,…の位置と適合する検査領域W2を設定することができる。内容物Rの検査としては、このように内容物Rの位置ズレのほか、内容物Rの割れや欠け、欠けの混入などの検査を行なうことができる。
【0025】
従来の装置では、X線検査装置においてシール長L1,L2を得られなかったために、図6(b)に示すように、(A)はシール長L1が長く、(B)はシール長L1が正常であり、(C)はシール長L1が短い場合であっても、検査領域W3の位置は同じに設定するため、ポケット部P,…の位置と検査領域W3が(A)や(C)では適合せず、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じていた。良品誤検知による不良排出が多く、不良品と判定された分包シートを人手により再検査を行なう必要があるなど効率が良くなかった。
このように、良品誤検知による不良排出の多さから、内容物Rについての位置ズレ検査の精度を向上させる検討が困難な状況が生じていた。
【0026】
以上説明したように、本実施形態の分包シート検査システム1によれば、ポケット部Pと検査領域W2とを正確に適合させて内容物Rの検査を行なうことで、内容物Rのポケット部P内における位置ズレを高精度に検出し、位置ズレに伴うシート破れ等の不良品を検出するとともに、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じることなく、良品誤検知による不良排出を大幅に軽減できる高精度な分包シートの検査システムを提供することができる。
【0027】
続いて、本発明に係る分包シートの検査方法の実施の形態について説明する。
本実施形態における分包シートの検査方法は、図1に示したような分包シート検査システム1を用いる。
分包シートSには、一般にアルミシート、透明または不透明なフィルム状の樹脂シートなどが用いられ、図11(a)に示すように、これらが重ね合わされて、内容物Rを収容する複数のポケット部P,…と、ポケット部P,…の各々の周囲が接着されてなるシール部Qとが形成されている。そして、各ポケット部P,…を分割するミシン目M,…が入れられており、各ポケット部P,…に内容物Rが分包されたまま、分包シートSを自由に分割して切り離すことができる。
【0028】
まず、光学的検査により、シール長L1,L2を検出する。分包シートSの外面に照明装置2で照射光を照射し、照射光が分包シートSの外面で反射された反射光をCCDカメラ(撮像手段)4から得られた映像信号に、シール長検査PC6を用いてエッジ強調処理を行なって、ポケット部Pとシール部Qとの境界を強調し、分包シートSの外端からポケット部Pとシール部Qとの境界までの距離をシール長L1,L2として計測する。
【0029】
分包シートSがCCDカメラ4の直下にきたタイミングがトリガーとして入力し、CCDカメラ4により分包シートSの外面で反射された反射光を受けて、図4(a)に示すような映像信号を出力し、その映像信号をシール長検査PC6に送信する。
図4(b)に示すように、得られた映像信号に、シール長検査PC6を用いてエッジ強調処理を行なうことで、シール部Qを強調するとともに、強調されたシール部Qにおいて、分包シートSの外端A1,A2から、ポケット部Pとシール部Qとの境界B1,B2までの距離をシール長L1,L2として計測する。
【0030】
エッジ強調処理としてはソーベルフィルタ処理やラプラシアン処理が好ましく、分包シートSの外縁部に、ポケット部Pの内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域W1をそれぞれ設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を平均してシール長L1,L2とすればよい。
このようにすることで、シール部Qを強調することが容易に行なえ、シール長L1,L2を正確に検出することができる。
光学的検査が終わると、分包シートSはX線検査を行なう装置へと、搬送コンベヤ13により搬送する。
【0031】
次に、X線検査により、内容物Rの検査を行なう。まず、分包シートSにX線源7を用いてX線を照射し、このX線照射に伴うX線透過量をX線検出器8により検出し、検出されたX線透過量に基づいて、図5に示すようなX線透過画像に画像処理を行なう。そして、X線検査PC9を用い、シール長L1,L2の情報に基づいてポケット部Pの位置と適合する検査領域W2を設定し、検査領域W2における内容物Rを検査する。
このとき、図5(a)に示すように、可視光画像では撮像されたポケット部P,…は、図5(b)に示すように、X線透過画像では写らないため、光学的検査で検出したシール長L1,L2の情報を、X線検査PC9に入力してポケット部P,…の位置と適合する検査領域を設定する必要がある。
【0032】
本実施形態において、シール長L1,L2の情報送信は、PLC(プログラマブルロジカルコントローラ)10を経由して行なうが、これはデータのシフト(タイミング合わせ)を容易に行なうためであり、必須な手段ではなく、シール長L1,L2の情報送信手段は特に限定されない。
このシール長L1,L2の情報をもとに、X線検査PC9により、図6(a)のようにポケット部P,…の位置と適合する検査領域W2を設定し、この検査領域W2における内容物Rを検査する。(A)はシール長L1が長く、(B)はシール長L1が正常であり、(C)はシール長L1が短い場合であるが、いずれの場合にもシール長L1の情報を入力することでその分包シートSのポケット部P,…の位置が解り、ポケット部P,…の位置と適合する検査領域W2を設定することができる。内容物Rの検査としては、このように内容物Rの位置ズレのほか、内容物Rの割れや欠け、欠けの混入などの検査を行なうことができる。
【0033】
従来の検査方法では、X線検査の際にシール長L1,L2の情報が得られなかったために、図6(b)に示すように、(A)はシール長L1が長く、(B)はシール長L1が正常であり、(C)はシール長L1が短い場合であっても、検査領域W3の位置は同じに設定するため、ポケット部P,…の位置と検査領域W3が(A)や(C)では適合せず、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じていた。良品誤検知による不良排出が多く、不良品と判定された分包シートを人手により再検査を行なう必要があるなど効率が良くなかった。
また、シール長L1,L2の誤差を防ぐために、検査領域W3もポケット部P,…の大きさよりも狭く設定せざるを得ない制約もあり、図6(c)に示すように、内容物Rがポケット部P内に収容されていても、良品と判定されるのは内容物RのX線透過画像における重心とポケット部Pの中心Oが一致している(B)のみであり、(A)や(C)のように内容物RのX線透過画像における重心が少しポケット部P内で上下していると検査領域W3から外れてしまい、良品を不良品と判定してしまう誤判定が生じていた。
このように、良品誤検知による不良排出の多さから、内容物Rについてのその他の各種検査項目の精度を向上させる検討が困難な状況が生じていた。
【0034】
内容物Rの位置ズレの検査方法は、図7(a)に示すように、内容物RのX線透過画像における重心Gと検査領域W2の中心Oとの距離dを計測することで、ポケット部P内における内容物Rの位置ズレを検出することができる。距離dの計算は、内容物RのX線透過画像における重心Gと検査領域W2の中心OとX軸方向の差を△xとし、Y軸方向の差を△yとすると、△xと△yをそれぞれ二乗した和の平方根を計算することによって求められる。
また、図7(b)に示すように、X軸方向の差△x又は/及びY軸方向の差△yで、位置ズレを判定してもよい。
このように位置ズレを検出することによって、位置ズレの度合いによって生じる不良を検出でき、シートの亀裂や内容物の浮き彫りなどが生じた可能性のある不良品を検出することができる。
【0035】
内容物Rの検査としては、このように内容物Rの位置ズレのほか、内容物Rの割れや欠け、欠けの混入などの検査を行なうことができる。
例えば、図8(a)に示すように、検査領域W2に計測対象ドットKを横縞状に設け、閾値以上の明るさを持つドットの数を集計し、上限値と比較することで、内容物Rの割れや欠けを検出することができる。内容物Rが割れている場合は、図8(b)に示すように、割れ部分の計測対象ドットK´が閾値以上の明るさとなり、この閾値以上の明るさを持つドット数が正常な場合よりも多くなる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態における分包シート検査方法によれば、光学的検査によるシール長L1,L2検出と、X線検査による内容物Rの検査を連動して行うことができ、個々の分包シートSのシール長L1,L2に合わせて検査領域W2を設定して、検査の判定を行うことができる。そのため、検査領域W2の設定の際にシール長L1,L2の誤差を考慮する必要がなく、ポケット部と検査領域を適合させることが可能であり、内容物Rの各種検査を高精度に行なうことができる。
【実施例】
【0037】
図1に示したような分包シート検査システムを用い、分包シートとしてアルミニウムからなるSP(ストリップパッケージ)シートの検査を行なった。
各SPシートの寸法は、X軸方向が48mmであり、Y軸方向(搬送方向)が118mmである。各ポケット部の寸法は縦、横ともに16mmの正方形である。各ポケット部には、内容物として直径8mmの錠剤が1個ずつ収納されている。
このようなSPシートであって、表1に示す被検査シートに対し、光学的検査によりシール長L1,L2を検出し、続いてX線検査により内容物Rの位置ズレの検査を行なった。なお、表中の山切とは、製造された被検査シートのシール長が長すぎたために、ピンキング鋏を用いて山切にカットされたものである。
【0038】
【表1】
【0039】
「シール長検出」
図3に示したように、SPシート(被検査物)を搬送する搬送コンベヤ13の上に、1280×960画素、f16mmのCCDカメラ4を高さh1=500mmで設置した。照明装置2としては、分包シートSの上面全体に照射できるような直管式光源を用い、CCDカメラ4と搬送コンベヤ13の間に、CCDカメラ4の真下に高さh2で設置した。
撮像は、各SPシートは上下を入れ替えて2回撮像した。撮像によって得られた映像信号に、ラプラシアン処理を施すことで、シール部の(エッジ)強調を行なった。計測は、図4(a)に示したように、SPシートの外縁部に、ポケット内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域W1をそれぞれ設定し、Y軸への投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を平均してシール長L1,L2とした。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
照射光の強弱を照明装置2の高さh2によって調整できるため、照明装置2の高さh2は30、100、190mmに変化させて測定を行ない、得られた計測値を対象に回帰分析を行なった。
回帰分析は、カット形状を区分せず全データを対象にした場合と、カット形状が山切であるデータを除いて通常のデータのみで行なった。結果をそれぞれ図9、図10に示す。
【0042】
図9、図10の結果から、これらの計測値を直線回帰にて分析を行なうと、照明装置2の高さh2が30、100、190mmの順で相関係数R2は大きくなり精度が向上する傾向があるが、R2=0.9743に止まっている。しかし、カット形状が山切であるデータを除いて通常のデータのみで行なうと、照明装置2の高さh2=190mmで、R2=0.9919となり、高い相関性が得られた。
続いて、この回帰分析を基にシール長L1,L2を推定した。その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
「位置ズレの検査」
次に、これらのSPシートに対し、X線検査を行い位置ズレの検査を行なった。
X線検査機は、SPシートの充填機、集積、搬送を含めインライン式である。
検査領域W2の設定には、検出したシール長L1,L2の内、搬送方向後側のシール長L1(搬送ピン側)を用いた。搬送ピン14上部端を基準にして、シール長L1分離れた所に検査領域W2の下部端が来るように検査領域W2の位置を設定した。
錠剤(内容物)の検査として、錠剤の欠け、割れ、欠け混入、位置ズレ、カットズレの各項目について検査を行なった。結果を表3に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
<位置ズレ不良品の判定基準>
位置ズレは、図7(b)に示したように、錠剤(内容物R)のX線透過画像における重心Gとポケットの中心Oとの距離dのY成分、すなわち△yの値によって以下のように判定した。
(1)△yの絶対値が3.1mm以上であると、アルミシートに亀裂が入る。
(2)△yの絶対値が2.5mm以上であると、アルミシートに錠剤のエッジ部分が浮き彫りになる。
(3)以上から、検査装置では△yの絶対値が2.5mm以上である場合に不良品と判定する。
現状のX線検査機では錠剤のズレを相対的に判断しているため、絶対値(2.5mm以上)での判定は出来ないが、シール長検査(CCDカメラ)と組合せることで、錠剤のズレを絶対値として計測できるため、2.5mm以上ズレた場合に不良品と判定することが可能になる。
【0047】
表4の結果より、実施例では位置ズレによる不良が大きく減少し、その他の検査項目による不良も減少し、全体における不良品の検出量が減少した。これにより、良品誤検知による不良排出が改善されることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、医薬品、食品分野を中心に錠剤、カプセル、グミ、チップなどを収納した、アルミシート、不透明なフィルム状の樹脂シートからなる分包シート包装の検査に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明に係る分包シート検査装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】図2は、同実施形態の分包シート検査装置の模式図である。
【図3】図3は、同実施形態の分包シート検査システムで分包シートを検査する場合の照明装置と分包シートの位置関係を示すもので、図3(a)は側面図、図3(b)は平面図である。
【図4】図4は、光学的検査を説明するための図であり、図4(a)は分包シートの映像信号、図4(b)は図4(a)にラプラシアン処理を行なった状態を示す。
【図5】図5は、X線検査を説明するための図であり、図5(a)は分包シートの可視光画像、図5(b)は図5(a)の分包シートのX線透過画像である。
【図6】図6は、内容物の検査領域を説明するための図であり、図6(a)は本発明における検査領域の設定を示し、図6(b)は従来例における検査領域の設定を示す。
【図7】図7は、内容物のX線透過画像における重心と検査領域の中心との距離を説明するための図であり、図7(a)はX軸、Y軸両方の成分の差により計算するもので、図7(b)はX軸成分、Y軸成分それぞれについて計算を行なう方法を示す。
【図8】図8は、内容物の割れの検査について説明するための図であり、図8(a)は内容物が正常であり、図8(b)は内容物が割れている状態を示す。
【図9】図9は、実施例において全データの回帰分析の結果を示す図であり、図9(a)は照明の高さが30mm、図9(b)は照明の高さが100mm、図9(c)は照明の高さが190mmである。
【図10】図10は、実施例において山切データを除いた回帰分析の結果を示す図であり、図10(a)は照明の高さが30mm、図10(b)は照明の高さが100mm、図10(c)は照明の高さが190mmである。
【図11】図11(a)は分包シート(SPシート)の平面図であり、図11(b)は分包シートの製造装置である。
【符号の説明】
【0050】
1…分包シート検査システム、2…照明装置、3…光源装置、4…CCDカメラ(撮像手段)、5…不良品排出ダンパー、6…シール長検査PC(シール長計測装置)、61…モニタリング用PC、7…X線源、8…X線検出器、9…X線検査PC(判定手段)、10…PLC、11…トリガー信号用ケーブル、12…LANケーブル、13…搬送コンベヤ、14…搬送ピン、15…搬送ガイド、P…ポケット部、Q…シール部、R…内容物、S…分包シート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する複数のポケット部と、前記ポケット部の各々の周囲が接着されてなるシール部とを有する分包シートの検査システムであって、
前記分包シートの外面を照射する照射光を照射可能な光源と、
前記光源から照射された照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させる撮像手段と、
前記撮像手段から出力される前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記分包シートの外端から前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測するシール長計測装置と、
前記分包シートに照射するX線を照射可能なX線源と、
このX線照射に伴うX線透過量を検出するX線検出器と、
前記判定手段前記シール長を入力して前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、前記X線検出器で検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査する判定手段とを備えたことを特徴とする分包シート検査システム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記内容物のX線透過画像における重心と前記検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することを特徴とする請求項1に記載の分包シート検査システム。
【請求項3】
前記シール長計測装置において、前記分包シートの外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することを特徴とする請求項1または2に記載の分包シート検査システム。
【請求項4】
内容物を収容する複数のポケット部と、前記ポケット部の各々の周囲が接着されてなるシール部とを有する分包シートの検査方法であって、
前記分包シートの外面に照射光を照射し、前記照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を撮像手段で受けて映像信号を発生させ、得られた前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記シール部を強調し、前記分包シートの外端から前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測し、
前記分包シートにX線を照射し、このX線照射に伴うX線透過量を検出し、
前記シール長の情報に基づいて前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査することを特徴とする分包シート検査方法。
【請求項5】
前記内容物のX線透過画像における重心と前記内容物検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することを特徴とする請求項4に記載の分包シート検査方法。
【請求項6】
前記分包シートの外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することを特徴とする請求項4または5に記載の分包シート検査方法。
【請求項1】
内容物を収容する複数のポケット部と、前記ポケット部の各々の周囲が接着されてなるシール部とを有する分包シートの検査システムであって、
前記分包シートの外面を照射する照射光を照射可能な光源と、
前記光源から照射された照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を受けて映像信号を発生させる撮像手段と、
前記撮像手段から出力される前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記分包シートの外端から前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測するシール長計測装置と、
前記分包シートに照射するX線を照射可能なX線源と、
このX線照射に伴うX線透過量を検出するX線検出器と、
前記判定手段前記シール長を入力して前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、前記X線検出器で検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査する判定手段とを備えたことを特徴とする分包シート検査システム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記内容物のX線透過画像における重心と前記検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することを特徴とする請求項1に記載の分包シート検査システム。
【請求項3】
前記シール長計測装置において、前記分包シートの外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することを特徴とする請求項1または2に記載の分包シート検査システム。
【請求項4】
内容物を収容する複数のポケット部と、前記ポケット部の各々の周囲が接着されてなるシール部とを有する分包シートの検査方法であって、
前記分包シートの外面に照射光を照射し、前記照射光が前記分包シートの外面で反射された反射光を撮像手段で受けて映像信号を発生させ、得られた前記映像信号にエッジ強調処理を行なうことで前記シール部を強調するとともに、強調された前記シール部において、前記シール部を強調し、前記分包シートの外端から前記ポケット部と前記シール部との境界までの距離をシール長として計測し、
前記分包シートにX線を照射し、このX線照射に伴うX線透過量を検出し、
前記シール長の情報に基づいて前記ポケット部の位置と適合する検査領域を設定し、検出された前記X線透過量に基づいて、前記検査領域における前記内容物を検査することを特徴とする分包シート検査方法。
【請求項5】
前記内容物のX線透過画像における重心と前記内容物検査領域の中心との距離を計測し、前記ポケット部内における前記内容物の位置ズレを検出することを特徴とする請求項4に記載の分包シート検査方法。
【請求項6】
前記分包シートの外縁部に、前記ポケット部の内側から外側を含む領域からなるシール長検査領域を設定して投影処理を行ない、投影データの立上りから立下りまでの幅を前記シール長として計測することを特徴とする請求項4または5に記載の分包シート検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−42172(P2009−42172A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−209736(P2007−209736)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000115418)ライオンエンジニアリング株式会社 (9)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000115418)ライオンエンジニアリング株式会社 (9)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】
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