説明

受信機用基板及び受信機

【課題】チューナICを含むチューナ部を有する受信機用基板において、チューナ部を基板から分離する場合にも分離しない場合にも共通に用いることができ、かつ、分離したチューナ部も用いることができる受信機用基板、及びその受信機用基板を有する受信機を提供する。
【解決手段】メインボード14は、チューナICを含むチューナ部16と、チューナ部16を囲むように形成された複数のスリット18と、複数のスリット18のチューナ部16側に設けられ、チューナ部16の回路に接続された端子接続部21と、複数のスリット18のチューナ部16側とは反対側に設けられ、信号処理用の回路に接続された端子接続部22と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、受信機用基板及び受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、テレビジョン受像機等のような受信機は、チューナを有している。テレビ受像機の場合、信号処理用の主基板ユニットであるメインボードに、選局装置ユニットであるチューナが搭載される。
【0003】
チューナは、安価な半導体、空芯コイル、抵抗、コンデンサ、インダクタ等からなる回路により構成される。一般には、シールドケースに覆われた缶チューナが、メインボードに搭載される。
【0004】
また、近年、チューナ回路は、安価な半導体チップのICでも作られるようになり、そのチューナICは、メインボード上に直接実装することができるようになっている。チューナICには、従来の缶チューナのような調整等が不要であるというメリットもある。
【0005】
チューナICをメインボード上に直接実装した場合、メインボード上に配置されている他のデジタル回路及びその配線に流れる種々の信号や、組み合わされる液晶パネルや、電源ユニットなどで使われている信号からの輻射波は、アンテナからチューナICに入力される微弱な放送信号にとって、受信性能を劣化させる妨害信号となる。
【0006】
そのため、チューナICをメインボード上に直接実装する場合、その妨害を低減するために、メインボードのグラウンド、電源及び信号の配線の配置や、チューナICをシールドケースで覆うなど、種々の対策が取られる。
【0007】
しかし、そのような妨害低減対策を取ることによって、十分な受信性能が得られる場合もあるが、例えば放送信号が微弱な環境に設置される場合を考慮すると、そのような対策だけでは不十分で、さらに高いシールド性能が必要な場合もある。そのよう場合は、チューナICをメインボード上に直接実装しないで、缶チューナをメインボード上に搭載するようにして、十分な受信性能を得るようにすることが行われる。例えば、放送信号の周波数や放送規格は、地域、国などによって異なり、組み合わされる液晶パネルや、電源ユニットなどで使われている信号も異なる場合がある。
【0008】
従って、各種受信機用に用いられる基板として、チューナICが直接実装される基板と、缶チューナが搭載される基板の複数種類を予め用意しておき、販売され使用される地域や、組み合わされる液晶パネルや電源ユニット等に応じて、受信機用の基板は使い分けられている。そのため、受信機用基板は、複数種類必要であり、受信機のコスト増の原因の一つとなっていた。
なお、チューナ部を分離可能な回路基板もあるが、チューナICが直接実装される基板における受信性能の劣化防止については、従来は、考慮されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−253610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本実施形態は、チューナICを含むチューナ部を有する受信機用基板において、チューナ部を基板から分離する場合にも分離しない場合にも共通に用いることができ、かつ、分離したチューナ部も用いることができる受信機用基板、及びその受信機用基板を有する受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態の受信機用基板は、基板上に実装されたチューナICを含むチューナ部と、前記チューナ部を囲むように、前記基板に形成された複数のスリットと、前記基板上の前記複数のスリットの前記チューナ部側に設けられ、前記チューナ部の回路に接続された第1の端子接続部と、前記基板上の前記複数のスリットの前記チューナ部側とは反対側に設けられ、前記基板上の信号処理用の回路に接続された第2の端子接続部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係わるテレビジョン受像機1の正面図である。
【図2】実施形態に係わるメインボード14の平面図である。
【図3】実施形態に係わるメインボード14のチューナ部16の部分の部分斜視図である。
【図4】実施形態に係わる、チューナ部16が分離されないメインボード14への、シールド部材の取り付けを説明するための組立図である。
【図5】実施形態に係わる、チューナ部16をメインボード14から分離した場合における、メインボード14への取り付けを説明するための組立図である。
【図6】実施形態に係わる、シールドケース41がメインボード14に搭載された状態の正面図である。
【図7】実施形態に係わる、スリット18hと18iを含む、メインボード14の一部の平面図である。
【図8】実施形態の変形例に係わる、チューナ部16をメインボード14から分離した場合における、メインボード14への取り付けを説明するための組立図である。
【図9】実施形態の変形例に係わる、シールドケース41Aがメインボード14に搭載された状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0014】
(構成)
図1は、本実施形態に係わるテレビジョン受像機1の正面図である。放送受信装置であるテレビジョン受像機1は、正面に表示画面11を有する本体部12と、本体部12を支持するスタンド13とを有して構成されている。表示画面11は、液晶パネル等の表示装置の表示部である。
【0015】
本体部12内の、表示画面11の背面側には、信号処理用の回路が実装されたメインボード14と、電源ユニット15とが配設されている。メインボード14は、後述するチューナICが搭載されたチューナ部16を有し、後述するように、チューナ部16は、メインボード14から分離可能なように設けられている。電源ユニット15は、メインボード14及びその他の回路、部品などに電源を供給する。
【0016】
テレビジョン受像器1は、例えば、表示装置として液晶パネルを用いて、地上波デジタル放送などの放送コンテンツを受信できる受信機であり、メインボード14は、受信機用基板である。
【0017】
図2は、メインボード14の平面図である。メインボード14は、略矩形の形状を有した回路基板であり、メインボード14上には、各種信号処理のための回路素子、チップ等の各種部品14aと、外部アンテナ、外部機器などとの接続のための各種コネクタ部品14bが搭載されている。
点線で囲ったチューナ部16には、チューナIC17が搭載されている。チューナ部16は、メインボード14に形成された細長い、複数のスリット18a,18b,18c,18d,18e,18f,18g,18h,18i(以下、これらのスリットを纏めて指すとき、あるいは各スリットを指すときは、単にスリット18という)により囲まれている。
【0018】
さらに、図3も用いて、メインボード14のチューナ部16の部分の構成について詳述する。図3は、メインボード14のチューナ部16の部分の部分斜視図である。チューナ部16は、図3において一点鎖線で囲まれたメインボード14の基板の一部であり、チューナIC17を含む各種回路により構成されている。図2及び図3に示すように、チューナ部16は、メインボード14の一つの縁部14xの近傍にレイアウトされている。すなわち、チューナ部16は、メインボード14上に実装されたチューナIC17を含む。
【0019】
メインボード14には、図3において一点鎖線で示す線に沿って形成された複数のスリット18が形成されている。各スリット18は、メインボード14に形成された細長い孔であり、複数のスリット18は、チューナ部16を囲むように、メインボード14に形成されている。
【0020】
複数のスリット18は、互いに所定の距離dを持って、コの字状に設けられている。コの字状の第1の部分18Aは、3つのスリット18a,18b,18cと、スリット18dの一部とを含む。コの字状の第2の部分18Bは、スリット18dの一部と、スリット18eと、スリット18fの一部とを含む。コの字状の第3の部分18Cは、スリット18dの一部と、3つのスリット18g,18h,18iとを含む。スリット18dと18fは、L字状に形成された細長い孔である。
【0021】
すなわち、図3に示すように、第1の部分18Aと第3の部分18Cは、メインボード14の縁部14xの辺方向とは直交する方向に沿って、複数のスリット18を含み、第2の部分18Bは、メインボード14の縁部14xの辺方向に平行な方向に沿って、複数のスリット18を含む。
【0022】
なお、チューナ部16がメインボード14の角部にあるときは、複数のスリット18は、2つの部分からなるL字状に設ければよい。
さらになお、ここでは、チューナ部16の形状は、四角形であるが、三角形、五角形などの多角形でもよい。
【0023】
各スリット18は、細長い貫通孔であるため、メインボード14の隣り合う2つのスリット18間の領域、及びメインボード14の縁部14xと縁部14xに近いスリット18aと18iとの間の領域は、図示しない治具あるいは切断装置に切断し易くなっている。これらの領域を切断することによって、チューナ部16が分離できるように、メインボード14は構成されている。
【0024】
チューナ部16には、チューナIC17だけでなく、その他の必要な回路も搭載されている。チューナ部16の各種回路と、複数のスリット18によって囲まれていないチューナ部16以外の他の回路とは、複数の信号線により接続され、チューナ部16へのチャンネル選択信号等の信号が、メインボード14上の信号処理用の回路等から供給され、チューナ部16から受信信号がメインボード14上の信号処理用の回路等へ供給可能となっている。
【0025】
なお、スリット18の数が多いことは、隣り合うスリット18間の切り取られる基板部分が少なくなるというメリットと、さらに、チューナ部16とその周囲の回路とをつなぐ基板部分が少なくなるので、デジタル信号等によるチューナ回路にとっては妨害信号となりうるメインボード14内からの誘導を減らすことにもつながり、チューナの受信性能を向上させるというメリットもある。
【0026】
メインボード14の複数のスリット18で囲まれた領域内には、複数の端子接続部21が設けられ、複数のスリット18で囲まれた領域の外側の領域には、複数の端子接続部22が設けられている。
【0027】
複数の端子接続部21は、複数のスリット18で囲まれた領域内の各種回路(チューナIC17を含む)と複数の信号線23によって接続されている。複数の端子接続部22は、複数のスリット18で囲まれた領域の外側の領域の各種回路(信号処理用の回路等)と複数の信号線24によって接続されている。複数の端子接続部22は、複数の信号線25によって、対応する複数の接続端子23と接続されている。よって、複数の信号線23と複数の信号線24は、複数の端子接続部21,複数の信号線25及び複数の端子接続部22を介して、電気的に接続されている。
【0028】
図3では、複数の複数の端子接続部21は、第3の部分18Cの複数のスリット18g、18h、18iに沿って、直線状に設けられ、複数の端子接続部22も、第3の部分18Cの複数のスリット18g、18h、18iに沿って、直線状に設けられている。図3に示すように、複数の端子接続部21は、メインボード14上の複数のスリット18のチューナ部16側に設けられ、チューナ部16の回路に接続されている。複数の端子接続部22は、メインボード14上の複数のスリット18のチューナ部16側とは反対側に設けられ、メインボード14上の信号処理用の回路に接続されている。そして、複数の信号線25の配線パターンは、メインボード14のスリット18間の領域を通るように、形成されている。
【0029】
複数の端子接続部21、22は、例えば、接続用のピン部材である端子ピンが差し込み可能な孔(図7参照)を有するランドであり、メインボード14の両面あるいは片面で、複数の端子接続部21,22と端子ピンとが半田付け可能となっている。
【0030】
さらに、メインボード14には、後述するように、シールドケース用の4つの取り付け孔19が形成されている。すなわち、メインボード14は、後述するシールド部材を固定するために、シールド部材の一部が差し込み可能な複数の孔19を有する。
【0031】
メインボード14は、隣り合う2つのスリット18間の領域、及びメインボード14の縁部14xと縁部14xに近いスリット18aと18iとの間の領域を、図示しない治具あるいは切断装置を用いて切断することによって、メインボード14からチューナ部16を分離することが出来るようになっている。
【0032】
(作用)
上記のメインボード14は、チューナ部16を分離しないで使用される場合と、チューナ部を分離して使用される場合の2つの場合に対応することができる。
例えば、上記のメインボード14を使用するテレビジョン受像機1の放送信号が、メインボード14で使用されているデジタル信号からの妨害を受けにくい周波数関係であったり、組み合わされる液晶パネルや、電源ユニットの信号からの輻射波などからの妨害を受けにくい構造や配置によって、かつ高いシールド性能が必要とされない環境で使用されるものである場合、チューナ部16を分離しないで、上述したメインボード14はそのまま、テレビジョン受像機1に搭載される。そして、チューナ部16は、シールドケースなどによって覆われる。
【0033】
図4は、チューナ部16が分離されないメインボード14への、シールド部材の取り付けを説明するための組立図である。図4に示すように、チューナ部16は、シールドケース31とシールドカバー32とによって覆われる。シールドケース31とシールドカバー32が、シールド部材を構成する。
【0034】
シールドケース31は、例えば、導電性を有する金属製の、矩形の枠部材であって、複数のスリット18に嵌合する複数の突出部31a、31b,31c,31d,31e,31f,31g,31h,31i(以下、これらの突出部を纏めて指すとき、あるいは各突出部を指すときは、突出部31という)を有する。シールドケース31の一側面には、アンテナからのケーブルが接続されるアンテナ用端子20が設けられている。
【0035】
シールドカバー32は、例えば、導電性を有する金属製の、矩形の蓋部材であり、シールドケース31の上部に装着して取り付け可能な構造を有する。具体的には、シールドカバー32は、矩形の平面部32aと、平面部32aの4つの縁部に設けられた側壁部32bを有する。図4では、各側壁部32bは、平面部32aの平面に平行な外側に延出した延出部32b1を有している。
【0036】
シールドケース31は、各突出部31が、対応するスリット18に嵌合するようにして、メインボード14に取り付けられ、さらにシールドケース31がシールドカバー32が取り付けられることによって、チューナ部16は、シールド部材によって覆われる。図3に示すように、突出部31a、31b,31c,31d,31e,31f,31g,31h,31iは、それぞれ、スリット18a,18b,18c,18d,18e,18f,18g,18h,18iに挿入される。
【0037】
従って、テレビジョン受像機1の放送信号が前述したような妨害信号に対して高いシールド性能が必要とされない環境で使用されるものである場合は、図4のように、メインボード14は使用される。
【0038】
また、上記のメインボード14が搭載されるテレビジョン受像機1の放送信号が前述したような妨害信号に対してさらに高いシールド性能が必要とされる環境で使用されるものである場合、チューナ部16は、より高いシールド性能を有するように、メインボード14から分離されて利用される。
【0039】
図5は、チューナ部16をメインボード14から分離した場合における、メインボード14への取り付けを説明するための組立図である。上述したように、メインボード14の隣り合う2つのスリット18間の領域、及びメインボード14の縁部14xと縁部14xに近いスリット18aと18iとの間の領域を、図示しない治具あるいは切断装置によって切断することによって、チューナ部16の基板14Aをメインボード14から分離することができる。
【0040】
図5に示すように、分離されたチューナ部16は、シールドケース41とシールドカバー42とによって覆われる。シールドケース41とシールドカバー42が、シールド部材を構成する。
【0041】
シールドケース41は、例えば、導電性を有する金属製の、矩形の枠部材であって、複数の突出部41a、41b,41c,41d,41e,41f,41g,41h,41i(以下、これらの突出部を纏めて指すとき、あるいは各突出部を指すときは、突出部41という)を有する。
また、シールドケース41は、メインボード14の4つの取り付け孔19に係合する4つの脚部43を有する。
さらに、シールドケース41の一側面には、端子ユニット44が設けられている。端子ユニット44は、棒状の絶縁部材44aと、絶縁部材44aの軸方向に直交する方向に貫通するように設けられた、導線性の金属製の複数のピン部材44bとを有している。複数のピン部材44bは、シールドケース41の内側と外側の方向に延出しており、各ピン部材44bは、シールドケース41の枠体の平面に方向に延びて途中で下側に延びるように、屈曲した形状を有している。
【0042】
シールドカバー42は、例えば、導電性を有する金属製の、矩形の蓋部材であり、シールドケース41の上部に装着して取り付け可能な構造を有する。具体的には、シールドカバー42は、矩形の平面部42aと、平面部42aの4つの縁部に設けられた側壁部42bを有する。図5では、各側壁部42bは、平面部42aの平面に平行な外側に延出した延出部42b1を有している。
【0043】
図6は、シールドケース41がメインボード14に搭載された状態の正面図である。
図5に示すように、分離されたチューナ部16の基板14Aは、シールドケース41の下部に装着され、固定される。チューナ部16の基板14Aが取り付けされたシールケース41は、メインボード14に搭載される。
【0044】
図6に示すように、分離されたチューナ部16の基板14Aがシールドケース41に下部から装着されたときに、端子ユニット44の、シールドケース41の内側の各ピン部材44bが基板14Aの対応する複数の端子接続部21の孔に通るように、端子ユニット44の複数のピン部材44bと複数の端子接続部21は、配置されている。そして、各複数の端子接続部21とピン部材44bとは、半田付けすることができる。
【0045】
また、シールドケース41がメインボード14に搭載されたとき、シールドケース41に設けられた4つの脚部43がメインボード14の取り付け孔19に差し込まれることにより、シールドケース41は、メインボード14に固定される。
【0046】
チューナ部16の基板14Aが取り付けされたシールケース41がメインボード14に搭載されたときに、端子ユニット44の、シールドケース41の外側の各ピン部材44bがメインボード14の対応する端子接続部22の孔に通るように、端子ユニット44の複数のピン部材44bと複数の端子接続部22は、配置されている。そして、各端子接続部22とピン部材44bとは、半田付けすることができる。
【0047】
上記の例では、複数の端子接続部21と22は、矩形のチューナ部16の基板14Aの部分の四角形の一辺に沿って配置されているので、シールドケース41に取り付ける端子ユニット44が一つで済み、コスト低減になる。
なお、ここでは、チューナ部16の基板14Aの形状は、四角形であるが、三角形、五角形などの他の多角形でもよく、その場合、複数の端子接続部21と22をその多角形の一辺に沿って配置すれば、同様に、シールドケース41に取り付ける端子ユニット44が一つで済み、コスト低減になる。
【0048】
最後に、シールドカバー42が、シールドケース41の上面に取り付けられることにより、チューナ部16の基板14Aは、メインボード14から分離されかつシールド部材によりシールドされたことになる。
【0049】
図7は、スリット18hと18iを含む、メインボード14の一部の平面図である。図7に示すように、チューナ部16をメインボード14から分離しないときは、各信号線23と24は、端子接続部21,22,および信号線25の配線パターンによって、電気的に接続されている。
【0050】
そして、チューナ部16をメインボード14から分離すると、図7において、分断線DLに沿って、メインボード14は分断される。そのため、各信号線23と24は、信号線25の配線パターンが切断されるため、電気的に接続されなくなる。
【0051】
しかし、端子接続部21,22のそれぞれの孔21a、22aに、一点鎖線で示すピン部材44bが挿入され、半田付けされることによって、各信号線23と24は、端子接続部21,22,およびピン部材44bによって、電気的に接続されることになる。
【0052】
従って、搭載されるテレビジョン受像機1の放送信号が前述したような妨害信号に対して高いシールド性能が必要とされる環境で使用されるものである場合は、図5のように、チューナ部16の基板14Aは、メインボード14から分離されて使用される。
【0053】
以上のように、チューナ部16が分離可能であるため、メインボード14は、チューナ部16を分離しても、分離しなくても使用できる。よって、同じメインボード14が、チューナ部16がより高いシールド性能が必要とする場合としない場合の両方の場合に、使用できると共に、チューナ部16の基板14Aを分離して使用する場合、分離されたチューナ部16の基板14Aをそのまま利用できるので、大きなコスト低減になる。
【0054】
なお、上述した例では、チューナ部16がより高いシールド性能が必要とする場合に、分離したチューナ部16が利用されているが、別のチューナ、例えば缶チューナ、をメインボード14に搭載するようにしてもよい。
【0055】
なお、チューナ部16の基板部分14Aをメインボード14から分離して、メインボード14に搭載する場合、低背化のために、次のような構成でもよい。
図8及び図9は、分離したチューナ部16をメインボード14に搭載する場合の変形例を説明する。なお、図8及び図9において、図5と図6における同じ構成要素については、同じ符号を付して説明は省略する。
【0056】
図8は、チューナ部16をメインボード14から分離した場合における、メインボード14への取り付けを説明するための組立図である。図9は、シールドケース41Aがメインボード14に搭載された状態の正面図である。
本変形例では、シールドケース41Aの構成が、上述したシールドケース41とは異なっている。シールドケース41Aは、メインボード14の4つの取り付け孔19に係合する4つの脚部43Aを有するが、シールドケース41Aに設けられた4つの脚部43Aがメインボード14の取り付け孔19に差し込まれてシールドケース41Aがメインボード14に固定されたときに、シールドケース41Aがメインボード14のチューナ部16の基板14Aのあった部分に、入り込むように、4つの脚部43Aは、シールドケース41Aの上側寄りに設けられている。
【0057】
すなわち、チューナ部16を含むシールドケース41Aのサイズを、メインボード14のチューナ部16の基板部分14Aが切り取られている部分のサイズよりも小さくし、メインボード14に実装するための脚部43Aをシールドケース41Aの上側寄りに設け、さらに、端子ピン44bの屈曲部がメインボード14が上面側に近くなるように配置することによって、メインボード14の基板面からのチューナ部16の高さを低く抑えることができる。
【0058】
その結果、図9に示すように、チューナ部16を含むメインボード14の厚さDを、図6の構成に比べて、より薄くすることができる。いわゆるメインボードの低背化を図ることができ、ひいては、メインボード14が搭載されるテレビジョン受像機1の薄型化をさらに図ることができる。
【0059】
よって、上述した実施形態及び変形例に係る受信機用基板によれば、メインボードは、チューナ部16を分離する場合にも分離しない場合にも共通に利用できるので、コスト低減になり、さらにメインボードのチューナ部を切り離しそのチューナ部の基板部分をチューナ部の基板として利用するために他の基板を準備する必要がなく、基板コストを抑えることができる。
【0060】
以上のように、上述した実施形態及び変形例によれば、チューナICを含むチューナ部を有する受信機用基板において、チューナ部を基板から分離する場合にも分離しない場合にも共通に用いることができ、かつ、分離したチューナ部も用いることができる受信機用基板、及びその受信機用基板を有する受信機を提供することができる。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1 テレビジョン受像機、11 表示画面、12 本体部、13 スタンド、14 メインボード、14A チューナ部の基板部分、14a 各種部品、14b 各種コネクタ部品、15 電源ユニット、16 チューナ部、17 チューナIC、18、18a,18b,18c,18d,18e,18f,18g,18h,18i スリット、19 取り付け孔、20 アンテナ用端子、21,22 端子接続部、21a,22a 孔、23,24、25 信号線、31、41,41A シールドケース、32,42,42A シールドカバー、32a、42a 平面部、32b、42b 側壁部、32b1,42b1 延出部、31,31a、31b,31c,31d,31e,31f,31g,31h,31i 突出部、43,43A 脚部、44 端子ユニット、44a 絶縁部材、44b ピン部材、1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に実装されたチューナICを含むチューナ部と、
前記チューナ部を囲むように、前記基板に形成された複数のスリットと、
前記基板上の前記複数のスリットの前記チューナ部側に設けられ、前記チューナ部の回路に接続された第1の端子接続部と、
前記基板上の前記複数のスリットの前記チューナ部側とは反対側に設けられ、前記基板上の信号処理用の回路に接続された第2の端子接続部と、
を有することを特徴とする受信機用基板。
【請求項2】
前記チューナ部を覆うシールド部材を有することを特徴とする請求項1に記載の受信機用基板。
【請求項3】
前記シールド部材を固定するために前記基板に設けられた、前記シールド部材の一部が差し込み可能な複数の孔を有することを特徴とする請求項2に記載の受信機用基板。
【請求項4】
前記複数のスリットより形成される前記チューナ部の基板部分の形状は、多角形であり、
前記第1の端子接続部は、前記多角形の一辺に沿って配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の受信機用基板。
【請求項5】
前記第1及び第2の端子接続部は、端子ピンが差込可能な孔を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の受信機用基板。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の前記受信機用基板を有する受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−74433(P2013−74433A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211421(P2011−211421)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】