説明

受信装置

【課題】主に門扉の施解錠等の遠隔操作に用いられる受信装置に関し、使い易く確実な操作が可能なものを提供することを目的とする。
【解決手段】制御手段19が電池8の電圧を検出すると共に、この電圧が所定値以下の場合には、送信手段18から警告コードPを送信することによって、門扉の錠を遠隔操作する都度、制御手段19が電池8の電圧を検出し、電圧が所定値以下の場合には、これを操作者に知らせることができるため、使い易く確実な操作が可能な受信装置22を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に門扉の施解錠等の遠隔操作に使用される受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、門扉の施解錠等を、機械式キーにより直接操作することに加え、携帯した送信装置から受信装置に操作信号を送信し、離れた箇所から遠隔操作することが一般的に行われており、使い易く確実な操作の可能なものが求められている。
【0003】
このような従来の受信装置や通信システムについて、図4を用いて説明する。
【0004】
図4は従来の通信システムのブロック回路図であり、同図において、1はアンテナ等の送信手段、2はマイコン等の制御手段、3Aと3Bはスイッチで、上下面に複数の配線パターンが形成された配線基板(図示せず)にこれらが実装され、送信手段1とスイッチ3A、3Bが制御手段2に接続されている。
【0005】
そして、これらを略箱型で絶縁樹脂製のケース(図示せず)が覆い、スイッチ3A、3Bにはケースから突出する押釦等が装着されて、送信装置4が構成されている。
【0006】
また、5はアンテナ等の受信手段、6はマイコン等の制御手段で、これらが配線基板(図示せず)に実装され、受信手段5が制御手段6に接続されて、受信装置7が形成されている。
【0007】
さらに、このような受信装置7が門扉に装着されると共に、受信装置7の制御手段6には電池8と、門扉の錠機構(図示せず)を駆動するモータ等の駆動手段9が接続されて、通信システムが構成される。
【0008】
以上の構成において、門扉とある程度離れた場所から、携帯した送信装置4の例えば解錠用のスイッチ3Aを押圧操作すると、スイッチ3Aの電気的接離が行われ、この電気的接離に応じて制御手段2が、解錠用の操作信号を送信手段1から電波として送信する。
【0009】
そして、この操作信号を受信装置7の受信手段5が受信して、制御手段6が操作信号内の識別コード等によって操作者を確認すると、制御手段6から駆動信号が出力され、駆動手段9が駆動して門扉の錠のロックが解除される。
【0010】
また、施錠用のスイッチ3Bを押圧操作した場合には、この電気的接離を制御手段2が検出して、施錠用の操作信号を電波として送信し、これを受信装置7が受信して、制御手段6が操作者を確認した後、駆動手段9を駆動して門扉の錠がロックされる。
【0011】
つまり、門扉に接近し機械式キーによって、門扉の錠の施錠や解錠を直接行うことに加え、携帯した送信装置4を操作することによって、ある程度離れた場所からでも、門扉の施錠や解錠を遠隔操作できるように構成されているものであった。
【0012】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−177813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記従来の受信装置7や通信システムにおいては、電池8を用いて送信装置4からの操作信号を受信しているため、門扉まで交流電源を配線する等の手間がかからず、門扉への装着も容易ではあるが、電池8の電圧が所定値以下に低下、あるいは電池8が切れた場合には、送信装置4による遠隔操作が行えなくなってしまうという課題があった。
【0015】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、電池電圧の低下を操作者に知らせ、確実な遠隔操作が可能な受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために本発明は、制御手段が電池電圧を検出すると共に、この電圧が所定値以下の場合には、送信手段から警告コードを送信するようにして受信装置を構成したものであり、門扉の錠を遠隔操作する都度、制御手段が電池電圧を検出し、電圧が所定値以下の場合には、これを操作者に知らせることができるため、使い易く確実な操作が可能な受信装置を得ることができるという作用を有するものである。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、使い易く確実な操作が可能な受信装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態による通信システムのブロック回路図
【図2】同波形図
【図3】同波形図
【図4】従来の通信システムのブロック回路図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図3を用いて説明する。
【0020】
なお、背景技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0021】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による通信システムのブロック回路図であり、同図において、11はアンテナ等の送信手段、12は同じく受信手段、13はマイコン等の制御手段で、上下面に複数の配線パターンが形成された配線基板(図示せず)にこれらが実装され、送信手段11と受信手段12が制御手段13に接続されている。
【0022】
そして、14Aと14B、14Cはスイッチ、15Aと15Bは発光ダイオード等の発光素子で、これらが制御手段13に各々接続されると共に、この配線基板を略箱型で絶縁樹脂製のケース(図示せず)が覆い、スイッチ14Aや14B、14Cにはケースから突出する押釦等が装着されて、送信装置16が構成されている。
【0023】
また、17はアンテナ等の受信手段、18は同じく送信手段、19はマイコン等の制御手段で、これらが配線基板(図示せず)に実装され、受信手段17と送信手段18が制御手段19に接続されている。
【0024】
さらに、20は複数の固定抵抗器から形成された分圧手段、21はトランジスタ等の切換手段で、この分圧手段20と切換手段21が制御手段19に接続されて、受信装置22が形成されている。
【0025】
さらに、このような受信装置22が門扉に装着されると共に、受信装置22の制御手段19には電池8と、門扉の錠機構(図示せず)を駆動するモータ等の駆動手段9が接続されて、通信システムが構成される。
【0026】
以上の構成において、門扉とある程度離れた場所から、携帯した送信装置16の例えば解錠用のスイッチ14Aを押圧操作すると、スイッチ14Aの電気的接離が行われ、この電気的接離に応じて制御手段13が、図2(a)の波形図に示すような、識別コードLと解錠用の操作コードM1から形成された、操作信号を送信手段11から電波として送信する。
【0027】
そして、この操作信号を受信装置22の受信手段17が受信して、制御手段19が操作信号内の識別コードLによって操作者を確認すると、制御手段19から解錠用の駆動信号が出力され、駆動手段9が駆動して門扉の錠のロックが解除される。
【0028】
また、この時、制御手段19が切換手段21を切換え、分圧手段20からの電圧によって電池8の電圧を検出し、この電圧が所定値以上、例えば4Vを超える電圧である場合には、図2(b)に示すような、識別コードLと解錠用の応答コードN1から形成された、応答信号を送信手段18から電波として送信する。
【0029】
そして、この応答信号を送信装置16の受信手段12が受信すると、制御手段13が例えば赤色の発光素子15Aを1回点滅させて、解錠用の操作信号が送信され、受信装置22がこれを受信して、門扉の錠のロックが解除されたことを操作者に知らせる。
【0030】
これに対し、受信装置22の制御手段19が検出した電池8の電圧が所定値以下、例えば4V以下であった場合には、図2(c)に示すような、識別コードLと解錠用の応答コードN1に、警告コードPが加わった応答信号が送信手段18から送信される。
【0031】
そして、この応答信号を送信装置16の受信手段12が受信した場合には、制御手段13が例えば赤色の発光素子15Aを、連続して1〜2秒間点滅させて、受信装置22の電池8の電圧が所定値以下に低下し、電池8が切れかかっていることを操作者に知らせる。
【0032】
なお、施錠用のスイッチ14Bを押圧操作した場合には、この電気的接離を制御手段13が検出して、施錠用の操作信号を電波として送信し、これを受信装置22が受信して、制御手段19が操作者を確認した後、駆動手段9を駆動して門扉の錠がロックされる。
【0033】
また、この時にも、制御手段19が切換手段21を切換えて電池8の電圧を検出し、この電圧が4Vを超える電圧である場合には、識別コードLと施錠用の応答コードから形成された応答信号を、4V以下であった場合には、これに警告コードPが加わった応答信号を、各々送信手段18から電波として送信する。
【0034】
そして、この応答信号を送信装置16が受信し、電池8の電圧が4Vを超えていた場合には、例えば緑色の発光素子15Bを1回点滅させて、門扉の錠がロックされたことを操作者に知らせ、4V以下であった場合には、赤色の発光素子15Aを連続して1〜2秒間点滅させて、受信装置22の電池8が切れかかっていることを操作者に知らせる。
【0035】
さらに、門扉の施解錠がどうなっているか確認したい場合には、確認用のスイッチ14Cを押圧操作すると、この電気的接離を制御手段13が検出して、図3(a)の波形図に示すような、識別コードLと確認コードM2から形成された、操作信号を送信手段11から電波として送信する。
【0036】
そして、この操作信号を受信装置22が受信して、制御手段19が門扉の錠が施錠状態か解錠状態かを確認し、例えば解錠状態である場合には、図3(b)に示すような、識別コードLと解錠用の応答コードN1から形成された、応答信号を送信手段18から送信し、これを送信装置16が受信すると、制御手段13が赤色の発光素子15Aを1回点滅させて、門扉の錠が解錠状態であることを操作者に知らせる。
【0037】
なお、門扉の錠が施錠状態であった場合には、識別コードLと施錠用の応答コードから形成された応答信号が受信装置22から送信され、これを送信装置16が受信すると、緑色の発光素子15Bを1回点滅させて、門扉の錠が施錠状態であることを操作者に知らせる。
【0038】
また、この施解錠の確認操作を行った場合にも、制御手段19が電池8の電圧を検出し、電池8の電圧が所定値以下であった場合には、例えば図3(c)に示すような、識別コードLと解錠用の応答コードN1に、警告コードPが加わった応答信号を送信し、送信装置16の赤色の発光素子15Aが連続して1〜2秒間点滅して、電池8が切れかかっていることを操作者に知らせる。
【0039】
つまり、門扉に接近し機械式キーによって、門扉の錠の施錠や解錠を直接行うことに加え、携帯した送信装置16を操作することによって、ある程度離れた場所からでも、門扉の施錠や解錠を遠隔操作できると共に、施解錠の遠隔操作や確認操作を行う都度、受信装置22の電池8の電圧を操作者が確認できるように構成されている。
【0040】
すなわち、施解錠の遠隔操作や確認操作の都度、制御手段19が切換手段21を切換え、分圧手段20からの電圧によって、電池8の電圧を検出すると共に、この電圧が所定値以下の場合には、送信手段18から警告コードPを送信することで、電池8の電圧が低下し切れかかっている場合には、これを操作者に知らせ、施錠あるいは解錠したつもりが、実際にはされていなかったというような、不具合を防ぐことができるようになっている。
【0041】
また、送信装置16による操作が行われた場合にのみ、制御手段19が切換手段21を切換え、分圧手段20からの電圧を検出することで、操作が行われていない間はこれらに電池8から電源が供給されていないため、電池8の消耗を少なくし、省電力化が図れるように形成されている。
【0042】
なお、以上の説明では、送信装置16に発光素子15Aと15Bを設け、解錠時には発光素子15Aを、施錠時には発光素子15Bを各々点滅させる構成について説明したが、発光素子を一つにし、その点滅回数や間隔を変えて施錠や解錠、あるいは電池8の電圧低下を知らせるようにすれば、構成部品を減らし、送信装置16をより安価に形成することができる。
【0043】
このように本実施の形態によれば、制御手段19が電池8の電圧を検出すると共に、この電圧が所定値以下の場合には、送信手段18から警告コードPを送信することによって、門扉の錠を遠隔操作する都度、制御手段19が電池8の電圧を検出し、電圧が所定値以下の場合には、これを操作者に知らせることができるため、使い易く確実な操作が可能な受信装置22を得ることができるものである。
【0044】
また、受信装置22と送信装置16が電波によって双方向に通信を行うと共に、送信装置16に発光素子15Aや15Bを設け、これによって施解錠の遠隔操作や確認操作、あるいは電池8の電圧低下を知らせることで、操作や電池電圧の確認を操作者が容易に行うことが可能な、通信システムとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明による受信装置は、使い易く確実な操作が可能なものが得られ、主に門扉の施解錠等の遠隔操作用として有用である。
【符号の説明】
【0046】
8 電池
9 駆動手段
11 送信手段
12 受信手段
13 制御手段
14A、14B、14C スイッチ
15A、15B 発光素子
16 送信装置
17 受信手段
18 送信手段
19 制御手段
20 分圧手段
21 切換手段
22 受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作信号を受信する受信手段と、応答信号を送信する送信手段と、これらに接続された制御手段からなり、上記制御手段が電池電圧を検出すると共に、この電圧が所定値以下の場合には上記送信手段から警告コードを送信する受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−151578(P2011−151578A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10789(P2010−10789)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】