説明

回路基板およびその製造方法

【課題】キャビティーを有する回路基板を提供する。
【解決手段】回路基板200は第1のコア層210、第2のコア層220、および中央誘電体層230を含む。第1のコア層はコア誘電体層212およびコア回路層214を含み、コア回路層はコア誘電体層の上に配置される。第2のコア層は第1のコア層の上に配置される。中央誘電体層は、第1のコア層と第2のコア層の間に配置される。キャビティーRは第2のコア層および中央誘電体層を貫通し、コア回路層の一部を露出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、回路基板およびその製造方法に関し、特に、キャビティーを有する回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の市場は、電気製品に、小型で、薄く、軽量で、携帯性が良く設計されていることを要求する。したがって、そのような電気製品の中においては、電子部品と回路基板の組み立て品の厚さも薄くなければならない。
【0003】
従来は、電子部品(例えばチップのパッケージ品)と回路基板の組み立て品の厚さは、回路基板にキャビティーを形成し電子部品をキャビティーの中に配置することで薄くしていた。図1は、従来の回路基板の断面図である。図1を参照すると、回路基板100は、コア層110、並びに、それぞれコア層110の上と下に配置される、回路構造120および130を有する。コア層110は、コア誘電体層112、並びに、それぞれコア誘電体層112の上と下に配置される2つの回路層114および116を有する。キャビティーR1は、回路構造120およびコア誘電体層112を貫通し、回路層116を露出させる。
【0004】
回路基板100の従来の製造工程では、コア層110の両側に追加する層を積み上げて、回路構造120および回路構造130を形成するとともに、回路構造120の一部およびコア誘電体層112の一部を除去して、回路層116を露出させる。このようにして、回路層116は回路構造130の誘電体層132の中に埋設される。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明は2つの積み重ねられたコア層を有する回路基板を対象とする。
【0006】
本発明は、さらに、2つの積み重ねられたコア層を有する回路基板の製造方法を対象とする。
【0007】
本発明は、キャビティーを有する回路基板を提供する。回路基板は、第1のコア層、第2のコア層および中央誘電体層を含む。第1のコア層はコア誘電体層およびコア回路層を含み、コア回路層はコア誘電体層の上に配置される。第2のコア層は第1のコア層の上に配置される。中央誘電体層は、第1のコア層と第2のコア層の間に配置される。キャビティーは、第2のコア層および中央誘電体層を貫通し、コア回路層の一部を露出させる。
【0008】
本発明の実施例によると、コア回路層はコア誘電体層の表面から突出している。
【0009】
本発明の実施例によると、回路基板は、さらに、第1の回路構造および第2の回路構造を含む。第1の回路構造は第1のコア層の中央誘電体層とは反対側に配置され、第2の回路構造は第2のコア層の中央誘電体層とは反対側に配置され、キャビティーは第2の回路構造を貫通する。
【0010】
本発明の実施例によると、第1の回路構造は第1の誘電体層および第1の回路層を含み、第1の誘電体層は第1のコア層の上に配置され、第1の回路層は第1の誘電体層の上に配置される。
【0011】
本発明の実施例によると、第2の回路構造は第2の誘電体層および第2の回路層を含み、第2の誘電体層は第2のコア層の上に配置され、第2の回路層は第2の誘電体層の上に配置される。
【0012】
本発明の実施例によると、コア回路層はレーザーレジストパターンを有し、レーザーレジストパターンはコア誘電体層の、キャビティーによって露出させられた一部の周囲に位置する。
【0013】
本発明の実施例によると、中央誘電体層はレーザーレジストパターンの一部を覆い、キャビティーはレーザーレジストパターンのその他の部分を露出させる。
【0014】
本発明の実施例によると、中央誘電体層とコア誘電体層の間に隙間が存在し、当該隙間はコア誘電体層の、キャビティーによって露出させられた一部の周囲に位置する。
【0015】
本発明は、回路基板の製造方法を提供する。最初に、第1のコア層、第2のコア材料層および中央誘電体材料層が提供される。第1のコア層はコア誘電体層およびコア回路層を含む。コア回路層はコア誘電体層の上に配置され、当該コア回路層は非埋設の回路層である。第2のコア材料層は第1のコア層の上に配置され、中央誘電体材料層は第1のコア層と第2のコア材料層の間に配置される。
次に、第1のコア層、第2のコア材料層および中央誘電体材料層をプレスし、合成回路構造を形成する。当該合成回路構造は事前除去領域を有し、少なくともコア回路層の一部は当該事前除去領域内に位置する。続いて、事前除去領域の周囲に位置する中央誘電体材料層の一部および事前除去領域の周囲に位置する第2のコア材料層の一部が除去される。
その後、事前除去領域内に位置する中央誘電体材料層の一部および事前除去領域内に位置する第2のコア材料層の一部が除去され、中央誘電体層および第2のコア層を形成する。
【0016】
本発明の実施例によると、第1のコア層、第2のコア材料層および中央誘電体材料層をプレスするステップは、さらに以下の工程を含む。最初に、第1の誘電体材料層および第1の導電層が第1のコア層の上にプレスされ、このとき、第1の誘電体材料層は第1のコア層と第1の導電層の間に位置している。第2の誘電体材料層および第2の導電層は第2のコア層の上にプレスされ、このとき、第2の誘電体材料層は第2のコア層と第2の導電層の間に位置する。次に、第1の導電層および第2の導電層はパターニングされ、第1の回路層および第2の回路層を形成する。
【0017】
本発明の実施例によると、製造方法は、中央誘電体材料層および事前除去領域の周囲に位置する第2のコア材料層の一部を除去しつつ、事前除去領域の周囲に位置する第2の誘電体材料層の一部を除去するステップ、並びに、中央誘電体材料層および事前除去領域内に位置する第2のコア材料層の一部を除去しつつ、事前除去領域内に位置する第2の誘電体材料層の一部を除去して、第2の誘電体層を形成するステップを、さらに含む。
【0018】
本発明の実施例によると、中央誘電体材料層の、事前除去領域の周囲に位置する部分および第2のコア材料層の、事前除去領域の周囲に位置する部分を除去する技術は、レーザーエッチングの技術を含む。
【0019】
本発明の実施例によると、コア回路層はレーザーレジストパターンを有し、レーザーレジストパターンは事前除去領域の周囲に位置する。
【0020】
本発明の実施例によると、製造方法は、レーザーレジストパターンを除去するために、さらにエッチング工程または機械的な工程を実行するステップを含む。
【0021】
本発明の実施例によると、中央誘電体材料層の、事前除去領域内に位置する部分および第2のコア材料層の、事前除去領域内に位置する部分を除去する技術には、リフトオフの技術が含まれる。
【0022】
本発明の実施例によると、第1のコア層は、さらに保護層を含み、当該保護層はコア回路層の、事前除去層内に位置する部分を覆う。
【0023】
本発明の実施例によると、製造方法は、中央誘電体材料層の、事前除去領域内に位置する部分および第2のコア材料層の、事前除去領域内に位置する部分を除去するステップの後に保護層を除去するステップを、さらに含む。
【0024】
本発明はキャビティーを有する回路基板を提供する。回路基板は多層コア構造を含む。多層コア構造は、ともに交互に積み重ねられた複数のコア層および複数の中央誘電体層を含む。キャビティーはコア層の一部および少なくとも多層コア構造の中央誘電体層の一部を貫通する。コア層のうちの一つはキャビティーの底に位置し、キャビティーは当該キャビティーの底に位置するコア層のコア回路層を露出させる。
【0025】
本発明の実施例によると、回路基板は、さらに、第1の回路構造および第2の回路構造を含む。第1の回路構造は多層コア構造の第1の面に配置される。第2の回路構造は多層コア構造の第2の面に配置される。第1の面は第2の面の反対側であり、キャビティーは第2の回路構造を貫通する。
【0026】
本発明の実施例によると、第1の回路構造は第1の誘電体層および第1の回路層を含む。第1の誘電体層は多層コア構造の第1の面に配置される。第1の回路層は第1の誘電体層の上に配置される。
【0027】
本発明の実施例によると、第2の回路構造は第2の誘電体層および第2の回路層を含む。第2の誘電体層は多層コア構造の第2の面に配置される。第2の回路層は第2の誘電体層の上に配置される。
【0028】
上記のように、本発明で提供される回路基板は、ともに交互に積み重ねられた複数のコア層および複数の中央誘電体層を有する。したがって、キャビティーが誘電体層の半分以上を貫通したときに、キャビティーは、いくつかのコア層および少なくともいくつかの中央誘電体層を貫通し、キャビティーの底に位置するコア層のコア回路層を露出させる。
【0029】
添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、この明細書に含まれ、この明細書の一部を構成する。図面は本発明の実施例を説明し、明細書とともに、本発明の本質を説明することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来の回路基板の断面図である。
【図2A】本発明の一実施例に係る回路基板の断面図である。
【図2B】図2Aの回路基板の変形例である。
【図3A】本発明の一実施例に係る回路基板の製造工程を示す断面図である。
【図3B】本発明の一実施例に係る回路基板の製造工程を示す断面図である。
【図3C】本発明の一実施例に係る回路基板の製造工程を示す断面図である。
【図3D】本発明の一実施例に係る回路基板の製造工程を示す断面図である。
【図3E】本発明の一実施例に係る回路基板の製造工程を示す断面図である。
【図3F】図3Eの回路基板の変形例である。
【図3G】図3Eの回路基板の変形例である。
【実施例】
【0031】
ここで、本発明の好適な実施例を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。同一又は類似の部分を参照するために、可能な限り、同じ参照番号を図面と明細書に対して用いる。
【0032】
図2Aは、本発明の一実施例における回路基板の断面図である。図2Bは、図2Aの回路基板の他の実施例を示す。図2Aを参照すると、本実施例の回路基板200はキャビティーRを有する。回路基板200は、第1のコア層210、第2のコア層220、中央誘電体層230、第1の回路構造240、および第2の回路構造250を含む。
【0033】
第1のコア層210は、コア誘電体層212並びに2つのコア回路層214および216を含む。コア回路層214および216は、それぞれ、コア誘電体層212の上面212aおよび下面212bに配置され、お互いに電気的に接続される。コア回路層214および216は、それぞれ、コア誘電体層212の表面212aおよび212bから突出している。
【0034】
第2のコア層220は、第1のコア層210の上に配置される。第2のコア層220は、コア誘電体層222並びに2つのコア回路層224および226を含む。コア回路層224および226は、それぞれ、コア誘電体層222の上面222aおよび下面222bに配置され、お互いに電気的に接続される。中央誘電体層230は、第1のコア層210と第2のコア層220の間に配置される。
【0035】
第1の回路構造240は、第1のコア層210の中央誘電体層230と反対側の面218の上に配置される。本実施例では、第1の回路構造240は、ともに積み重ねられた2つの誘電体層242および246、並びに、2つの回路層244および248を含む。誘電体層242は第1のコア層210の上に配置され、回路層244は誘電体層242上で誘電体層242と246の間に配置され、回路層248は誘電体層246の回路層244と反対側の面の上に配置される。しかしながら、本実施例では、第1の回路構造240の回路層および誘電体層の数は制限されない。つまり、1つまたは複数の回路層および誘電体層があり得る。
【0036】
第2の回路構造250は、第2のコア層220の中央誘電体層230と反対側の面228に配置される。本実施例では、第2の回路構造250は、ともに積み重ねられた2つの誘電体層252および256、並びに、2つの回路層254および258を含む。誘電体層252は第2のコア層220の上に配置され、回路層254は誘電体層252上で誘電体層252と256の間に配置され、回路層258は誘電体層256の回路層254と反対側の面の上に配置される。しかしながら、本実施例では、第2の回路構造250の回路層および誘電体層の数は制限されない。つまり、1つまたは複数の回路層および誘電体層があり得る。
【0037】
回路基板200のキャビティーRは、第2のコア層220、中央誘電体層230、および第2の回路構造250を貫通し、コア回路層214の一部を露出させる。本実施例においては、キャビティーRが貫通する誘電体層の数(中央誘電体層230、コア誘電体層222、並びに、誘電体層242および246を含む)は、キャビティーRが貫通しない誘電体層の数(コア誘電体層212並びに誘電体層242および246を含む)より多いことに注意しなければならない。つまり、キャビティーRは、(回路基板200の)誘電体層の半分以上を貫通する。しかしながら、他の実施例では、キャビティーRが誘電体層の半分以下を貫通してもよい。本実施例では、回路基板200はともに積み重ねられた第1のコア層210および第2のコア層220を有するため、キャビティーRは、誘電体層の半分以上を貫通するときに、第2のコア層220を貫通し第1のコア層210のコア回路層214を露出させる。
【0038】
本実施例では、コア層の数が制限されないことに注意しなければならない。つまり、3層以上コア層がある場合もある。キャビティーは、コア層の一部および中央誘電体層の少なくとも一部を貫通し、1つのコア層はキャビティーの底に位置し、キャビティーは、当該キャビティーの底に位置するコア層の回路層を露出させる場合がある。例えば、図2Bに示されるように、本実施例の回路基板200aは、多層コア構造Mを含む。
多層コア構造Mは、第1のコア層210、第2のコア層220、第3のコア層270、第1のコア層210と第2のコア層220の間に配置される中央誘電体層230、および、第2のコア層220と第3のコア層270の間に配置される中央誘電体層280を有する。キャビティーRは、第2のコア層220、第3のコア層270、中央誘電体層230、および中央誘電体層280を貫通し、キャビティーRの底に位置する第1のコア層210のコア回路層214を露出させる。本実施例では、多層コア構造Mの中のキャビティーRが貫通するコア層の数および貫通しないコア層の数は制限されないことに注意しなければならない。つまり、キャビティーRは第3のコア層270のみを貫通してもよい。
【0039】
再び図2Aを参照すると、本実施例では、コア回路層214はキャビティーRによって露出させられるコア誘電体層212の周囲に位置するレーザーレジストパターン214aを有する。中央誘電体層230は、レーザーレジストパターン214aの一部を覆い、キャビティーRはレーザーレジストパターン214aの他の部分を露出させる。さらに、本実施例では、ソルダーレジスト層260が、第1の回路構造240、第2の回路構造250、および第1のコア層210のそれぞれについて形成され、回路層248、回路層258、およびコア回路層214の一部を覆って保護する。
【0040】
以下に、本実施例における回路基板200の製造方法を詳細に記述する。
【0041】
図3A〜3Eは、本発明の一実施例における、回路基板の製造工程を示す断面図である。図3Fは、図3Eに示す回路基板の他の実施例である。図3Gは、図3Eに示す回路基板の他の実施例である。
【0042】
最初に、図3Aを参照すると、第1のコア層210、第2のコア材料層220a、中央誘電体材料層230a、誘電体層242、導電層244a、誘電体材料層252a、および導電層254aが設けられている。
【0043】
第1のコア層210は、図2Aの第1のコア層210と同じ構造を有する。第2のコア材料層220aは、第1のコア層210の上に配置される。中央誘電体材料層230aは、第1のコア層210と第2のコア材料層220aの間に配置される。誘電体層242は、第1のコア層210の中央誘電体材料層230aと反対側の面に配置され、第1のコア層210と導電層244aの間に配置される。誘電体材料層252aは、第2のコア材料層220aの中央誘電体材料層230aと反対側の面に配置され、導電層254aと第2のコア材料層220aの間に配置される。
【0044】
次に、図3Bを参照すると、第1のコア層210、第2のコア材料層220a、中央誘電体材料層230a、誘電体層242、導電層244a、誘電体材料層252a、および導電層254aが、ともにプレスされ、合成回路構造Cを形成する。合成回路構造Cは、事前除去領域Pを有し、コア回路層214の一部は事前除去領域P内に位置する。
続いて、導電層244および導電層254aがそれぞれパターニングされ、回路層244および回路層254を形成し、複数の導電チャネルV1およびV2が、回路層244および回路層254が、それぞれ、第1のコア層210および第2のコア材料層220aに電気的に接続されるように形成される。
【0045】
その後、図3Cを参照すると、誘電体層242、回路層244、誘電体材料層252a、および回路層254を形成する技術と同じ技術で、誘電体層246aおよび回路層248が、誘電体層242の上に選択的に形成され、誘電体材料層256aおよび回路層258が、誘電体材料層252aの上に形成される。
【0046】
続いて、図3Dを参照すると、事前除去領域Pの周囲に位置する、中央誘電体材料層230a、第2のコア材料層220a、並びに、誘電体材料層252aおよび256aは、前述の材料層230a、220a、252a、および256を貫通する隙間Gを形成するために、レーザーエッチング工程で除去される。本実施例では、コア誘電体層212がレーザーエッチング工程によってダメージを受けないよう保護するために、コア回路層214が、事前除去領域Pの表面に位置するレーザーレジストパターン214aを有することができる。
さらに、第1のコア層210は保護層Aを有することができる。その後の除去工程においてコア回路層214を保護するために、保護層Aは、事前除去領域P内に位置するコア回路層214の一部を覆う。また、事前除去領域P内に位置する中央誘電体材料層230aが容易に除去できるように、保護層Aは、剥離層とすることができる。
【0047】
続いて、図3Eを参照すると、中央誘電体層230、第2のコア層220、並びに、誘電体層252および256、およびキャビティーRを形成するために、事前除去領域P内に位置する、中央誘電体材料層230a、第2のコア材料層220a、並びに、誘電体材料層252aおよび256aは、リフトオフ技術により除去される。誘電体層252および256、並びに、回路層254および258は、第2の回路構造250を形成し、キャビティーRは、第2の回路構造250、第2のコア層220、および中道誘電体層230を貫通する。続いて、保護層Aが除去される。
他の実施例では、事前除去領域P内に位置する、保護層A、並びに、中央誘電体材料層230a、第2のコア材料層220a、および誘電体材料層252aと256aは、すべてともに除去することができる。次いで、本実施例では、回路層248および258、並びに、コア回路層214の一部を覆い保護するために、ソルダーレジスト層260が、それぞれ、第1の回路構造240、第2の回路構造250、および第1のコア層210の上に形成される。
【0048】
他の実施例では、図3Fを参照すると、ソルダーレジスト層260を形成する前に、キャビティーRによって露出させられるレーザーレジストパターン214aの一部が、機械的な工程により除去される。
【0049】
さらに他の実施例では、図3Gを参照すると、ソルダーレジスト層260を形成する前に、レーザーレジストパターン214aがエッチング工程により除去される。この点については、隙間Gは、中央誘電体層230とコア誘電体層212の間に存在し、当該隙間Gは、コア誘電体層212の、キャビティーRによって露出させられる部分の周囲に位置する。
【0050】
要約すれば、本発明により提供される回路基板は、ともに交互に積み重ねられる複数のコア層および複数の中央誘電体層を有する。したがって、キャビティーが誘電体層の半分以上を貫通するときは、キャビティーはコア層の一部および少なくとも中央誘電体層の一部を貫通し、当該キャビティーの底に位置するコア層のコア回路層を露出させる。
【0051】
本発明の範囲や精神から外れずに、様々な改良や変形が本発明の構造に対しされ得ることは、当業者にとっては明らかである。上述を考慮すると、本発明は、以下の請求項やそれと同等のものの範囲に含まれる、この発明の改良や変形に及ぶことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティーを有する回路基板であって、
コア誘電体層およびコア回路層を備え、前記コア回路層が前記コア誘電体層の上に配置される第1のコア層と、
前記第1のコア層の上に配置される第2のコア層と、
前記第1のコア層と前記第2のコア層との間に配置される中央誘電体層と、
を備え、
前記キャビティーが、前記第2のコア層および前記中央誘電体層を貫通し、前記コア回路層の一部を露出させる、
ことを特徴とする、回路基板。
【請求項2】
前記第1のコア層上の前記中央誘電体層と反対側に配置される第1の回路構造と、
前記第2のコア層上の前記中央誘電体層と反対側に配置される第2の回路構造と、
をさらに備え、
前記キャビティーが前記第2の回路構造を貫通する、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1の回路構造が、
前記第1のコア層の上に配置される第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層の上に配置される第1の回路層と、
を備える、請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第2の回路構造が、
前記第2のコア層の上に配置される第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層の上に配置される第2の回路層と、
を備える、請求項2に記載の回路基板。
【請求項5】
前記コア回路層がレーザーレジストパターンを有し、
前記レーザーレジストパターンが、前記コア誘電体層の、前記キャビティーによって露出させられる部分の周囲に位置する、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項6】
前記中央誘電体層が前記レーザーレジストパターンの一部を覆い、
前記キャビティーが前記レーザーレジストパターンのその他の部分を露出させる、
請求項5に記載の回路基板。
【請求項7】
前記中央誘電体層と前記コア誘電体層の間に隙間が存在し、
前記隙間が、前記コア誘電体層の、前記キャビティーによって露出させられる部分の周囲に位置する、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項8】
回路基板を製造する方法であって、
コア誘電体層およびコア回路層を備え、前記コア回路層が前記コア誘電体層の上に配置される第1のコア層と、
前記第1のコア層の上に配置される第2のコア材料層と、
前記第1のコア層と前記第2のコア材料層との間に配置される中央誘電体材料層と、
を供給するステップと、
前記第1のコア層、前記第2のコア材料層、および前記中央誘電体材料層をプレスして、事前除去領域を有し、少なくとも前記コア回路層の一部が前記事前除去領域内に位置する合成回路構造を形成するステップと、
前記中央誘電体材料層の、前記事前除去領域の周囲に位置する部分および前記事前除去領域の周囲に位置する前記第2コア材料層を除去するステップと、
前記中央誘電体材料層の、前記事前除去領域内に位置する部分および前記第2のコア材料層の、前記事前除去領域内に位置する部分を除去し、中央誘電体層および第2のコア層を形成するステップと、
を含むことを特徴とする、回路基板を製造する方法。
【請求項9】
前記第1のコア層、前記第2のコア材料層および前記中央誘電体材料層をプレスするステップが、
第1の導電層および、前記第1のコア層と前記第1の導電層との間に位置する第1の誘電体材料層を、前記第1のコア層の上にプレスするステップと、
第2の導電層および、前記第2のコア層と前記第2の導電層の間に位置する第2の誘電体材料層を、前記第2のコア層の上にプレスするステップと、
前記第1の導電層および前記第2の導電層をパターニングして、第1の回路層および第2の回路層を形成するステップと、
をさらに含む、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記中央誘電体材料層の、前記事前除去領域の周囲に位置する部分および前記第2のコア材料層の、前記事前除去領域の周囲に位置する部分を除去する際に、前記第2の誘電体材料層の、前記事前除去領域の周囲に位置する部分を除去するステップと、
前記中央誘電体材料層の、前記事前除去領域内に位置する部分および前記第2のコア材料層の、前記事前除去領域内に位置する部分を除去する際に、前記第2の誘電体材料層の、前記事前除去領域内に位置する部分を除去して、第2の誘電体層を形成するステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記中央誘電体材料層の、前記事前除去領域の周囲に位置する部分および前記第2のコア材料層の、前記事前除去領域の周囲に位置する部分を除去する技術にレーザーエッチングの技術を含むこと、
を特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
【請求項12】
前記コア回路層がレーザーレジストパターンを有し、前記レーザーレジストパターンが前記事前除去領域の周囲に位置すること、
を特徴とする、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
エッチング工程または機械的な工程を実行して、前記レーザーレジストパターンを除去するステップ、
をさらに含む、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記中央誘電体材料層の、前記事前除去領域内に位置する部分および前記第2のコア材料層の、前記事前除去領域内に位置する部分を除去する技術として、リフトオフの技術を含むこと、
を特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
【請求項15】
前記第1のコア層が、前記コア回路層の、前記事前除去領域内に位置する部分を覆う保護層をさらに含むこと、
を特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
【請求項16】
前記中央誘電体材料層の、前記事前除去領域内に位置する部分および前記第2のコア材料層の、前記事前除去領域内に位置する部分を除去するとき又は除去した後に、前記保護層を除去するステップ、
をさらに含む、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
キャビティーを有する回路基板であって、
前記回路基板は、多層コア構造を備え、
前記多層コア構造は、ともに積み重ねられた複数のコア層および複数の中央誘電体層を備え、
前記キャビティーは、前記コア層の一部および少なくとも前記多層コア構造の前記中央誘電体層の一部を貫通し、
前記コア層のうちの一層は、前記キャビティーの底に位置し、
前記キャビティーは、前記キャビティーの底に位置する前記コア層のコア回路層を露出させること、
を特徴とする回路基板。
【請求項18】
前記多層コア構造の第1の面に配置される第1の回路構造と、
前記多層コア構造の前記第1の面の反対側の第2の面に配置される第2の回路構造と、
をさらに備え、
前記キャビティーが前記第2の回路構造を貫通する、
請求項17に記載の回路基板。
【請求項19】
前記第1の回路構造が、前記多層コア構造の前記第1の面に配置される第1の誘電体層および前記第1の誘電体層の上に配置される第1の回路層を備える、
請求項18に記載の回路基板。
【請求項20】
前記第2の回路構造が、前記多層コア構造の前記第2の面に配置される第2の誘電体層および前記第2の誘電体層の上に配置される第2の回路層を備える、
請求項18に記載の回路基板。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【公開番号】特開2013−65881(P2013−65881A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−262953(P2012−262953)
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【分割の表示】特願2010−114795(P2010−114795)の分割
【原出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(504366109)欣興電子股▲ふん▼有限公司 (21)
【Fターム(参考)】