説明

基板縁部測定装置および基板縁部研磨装置

投受光部(52)は、液体が基板(14)に供給されて縁部(30)に流れる状態で、レーザ光を縁部(30)に投光し、反射光を受光する。信号処理コントローラ(54)は、反射波の電気信号を処理して縁部(30)の状態を判断する。研磨途中の縁部の状態が監視される。また、研磨終点が検知される。レーザ光以外の送信波が用いられてもよい。縁部(30)が流路形成部材で囲まれて、流路が好適に形成されてもよい。液体が基板縁部に流れる状況でも好適に縁部を測定可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の縁部の状態を測定する基板縁部測定装置に関する。基板縁部測定装置は、例えば、半導体ウエハの縁部研磨装置に備えられ、縁部の研磨中に研磨状態を測定するために用いられる。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの微細化及び高集積化が進むにつれて、パーティクルの管理はますます重要になりつつある。パーティクルを管理する上での大きな問題の1つとして、半導体デバイスの製造工程中に半導体ウェハ(基板)の周縁部に生じる表面荒れに起因する発塵がある。
【0003】
半導体デバイスの製造工程において、半導体ウェハの周縁部には、キズや多数の微小な針状突起が形成されることがあり、これが表面荒れを形成する。この針状突起は、半導体ウエハの搬送時あるいはプロセス時に破損してパーティクルを発生させる。このようなパーティクルは歩留りの低下につながるため、半導体ウエハの周縁部に形成された針状突起を除去する必要がある。
【0004】
また、近年では、半導体デバイスの配線材料としてCuや絶縁材料としてLow-k材が用いられる傾向にある。半導体ウェハの周縁部に形成されたCuが搬送ロボットのアームや、基板を収納するカセット等に付着すると、これが拡散して他工程を汚染する、いわゆるクロスコンタミネーションの原因となり得る。また、非常に脆いLow-k膜はCMP加工中に基板の周縁部から脱離し、パターン面にスクラッチなどのダメージを与えてしまう。したがって、半導体ウェハの周縁部からCuやLow-k膜を完全に除去することが重要となる。
【0005】
このように、半導体ウエハのパターンが高密度化するのに伴い、従来は問題にならなかったサブミクロンコンタミネーションが、ウエハプロセスでの重要な欠陥要因として問題視され、クローズアップされている。このような背景の下、ウエハ縁部の膜等を研磨で除去することも重要になっている。
【0006】
従来の一般的な縁部研磨技術では、回転するウエハに水等の液体が供給される。そして、研磨テープ等の研磨工具が縁部に押しつけられ、これにより縁部が研磨される。
【0007】
従来技術では、研磨途中の縁部の状態を把握することはできない。そこで、研磨プロセスを管理するために、トータル研磨時間が求められる。トータル研磨時間を求めるためには、まず、サンプルウエハに対して初期段階の研磨が実施され、それから、カメラでウエハ端面が観測され、欠陥部の残痕の程度が調べられる。そして、目的の仕上がり状態を得るのに必要な追加研磨時間が算出され、追加研磨が行われる。追加研磨時間は研磨レートを使って算出される。追加研磨とその後のカメラ観測が繰り返され、トータル研磨時間が求められる。このようにして得られたトータル研磨時間が、その後のウエハの研磨に適用される。
【0008】
また、従来、ウエハ縁部の測定装置も提案されている。例えば、特開2003−139523号公報(第3、4ページ、図1)の測定装置は、拡散光で縁部を照明して、縁部を撮影し、撮影画像から縁部の欠陥を検出する。
【0009】
しかしながら、サンプルウエハを使ってトータル研磨時間を見つける場合、追加研磨とカメラ観測を繰り返すために膨大な時間を要する。また、実際に必要なトータル研磨時間は、ウエハによって個体差がある。そのため、サンプルウエハでトータル研磨時間を決めても、他のウエハでは研磨不足または研磨過多が生じる可能性があり、プロセスが安定せず、生産性が低い。
【0010】
また、従来のウエハ縁部の測定装置は、水等の液体の存在下での測定を想定していない。そのため、従来装置は、縁部研磨の装置内(インライン)および研磨中(インシチュ)の測定には適していない。これに対して、研磨装置内で研磨中にも縁部の測定をできれば、縁部研磨プロセスを好適に管理でき、生産性を向上できると考えられる。
【0011】
なお、ここでは、ウエハの縁部研磨を取り上げて本発明の背景技術を説明した。同様の事情は、縁部研磨以外にも当てはまり得る。例えば、洗浄工程で縁部の測定を可能にする技術の提供が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記背景の下でなされたものであり、その目的は、縁部の状態を好適に測定できる縁部測定装置を提供することにある。この縁部の状態とは、典型的には、キズや微小突起等による表面粗さのことを言い、また、Cuや絶縁材料としてのLow-k材等のデバイスの製造工程で使用された材料が、基板周縁部表面に付着していること、あるいは膜状物質を形成していることを言う。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の基板縁部測定装置は、基板の縁部の状態を測定する装置であって、液体が前記基板に供給されて前記縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受ける送受波部と、前記反射波の信号を処理して前記縁部の状態を判断する受信波処理部と、を備えている。このように、本発明によれば、液体が縁部に流れる状況でも好適に縁部を測定できる。
【0014】
なお、液体は例えば水であり、送信波は例えばレーザ光である。液体および送信波の種類は、測定が可能な範囲で限定されなくてよい。
【0015】
また、本発明において、基板の縁部は、基板のベベル部とエッジ部を含む。ベベル部は、基板の外周面であり、エッジ部は、ベベル部の両側の部分(表面および裏面の端の部分)である。本発明の装置は、ベベル部を測定しても、エッジ部を測定しても、ベベル部とエッジ部の両方を測定してもよい。したがって、後述の縁部の処理にも、ベベル部の処理とエッジ部の処理が含まれる。
【0016】
好ましくは、本発明の基板縁部測定装置は、前記縁部を取り囲み、前記液体を前記縁部に送り込む流路を形成する流路形成部を備えており、前記送受波部の送受波部位が前記流路に配置されている。このように、流路形成部を設けたことにより、縁部での液体の流れを安定化でき、測定能力を向上できる。
【0017】
好ましくは、前記流路の壁面が、前記反射波をさらに反射して前記反射波を集める形状の集波面を有し、前記送受波部は、前記反射波が集められる位置に前記反射波の受波部位を有する。この構成は、流路の壁面を、液体を導くだけでなく、反射波を集める集波面としても機能させる。これにより、送受波部が反射光を好適に受けることができ、測定能力が向上する。
【0018】
好ましくは、本発明の装置は、前記縁部から前記液体を吹き飛ばす液体除去部を備え、前記液体除去部により前記液体が吹き飛ばされる場所に前記送受波部が前記送信波を送る。このように、液体除去部を設けたことにより、液体の影響を低減して、測定精度を向上できる。
【0019】
好ましくは、本発明の装置は、前記縁部を部分的に包み込み、前記縁部への液体の到達を阻止する液体阻止部を備え、前記液体阻止部を介して送受波を行うように前記送受波部が設けられている。このように、液体阻止部を設けたことにより、液体の影響を低減して、測定精度を向上できる。
【0020】
本発明において、前記反射波処理部は、前記基板の変化に伴う前記反射波の相対変化に基づいて前記縁部の状態を判断してよい。前記反射波処理部は、前記基板の変化に伴う前記反射波の時間微分に基づいて前記縁部の状態を判断してもよい。前記反射波処理部は、前記反射波の周波数解析を行って前記縁部の状態を判断してもよい。
【0021】
また、本発明において、前記反射波処理部は、前記縁部の処理の終点検知を行ってよい。前記反射波処理部は、前記縁部の処理過程の状態をモニターしてもよい。前記反射波処理部は、前記縁部の欠陥を検知してもよい。ここで、本発明において、縁部の処理は、研磨処理とエッチング処理を含み、より詳細には、ベベル研磨、エッジ研磨、ベベルエッチングおよびエッジエッチングを含む。これらの一つが行われてもよく、また、複数の処理が行われてもよい。
【0022】
また、本発明において、前記送受波部は、レーザ光、白色光、マイクロ波、超音波、交番磁界信号の少なくとも一つを送信波として前記縁部に送ってよい。送信波は典型的にはレーザ光である。
【0023】
また、複数の前記送受波部が、前記基板の縁部に沿って配置されてよい。また、測定対象である基板縁部が、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜(SiO2(酸化膜))、ポリシリコン膜、Ta、TaN、TiN、Ti等のバリヤ膜、または、Cu、W等の金属膜を有してよい。
【0024】
また、好ましくは、前記反射波処理部は、前記反射波の信号から雑音成分を除去する手段を有する。このように、雑音成分を除去することにより、縁部の状態を表す信号を正確に安定して得られる。
【0025】
また、好ましくは、前記送受波部は、レーザ光を投射して反射光を受光するように構成されており、ビームサイズが、回転中のウエハ移動量に応じて設定されている。このように、ビームサイズをウエハ移動量に応じて設定することにより、回転中にウエハがある程度移動しても、ウエハの縁部の状態を正確に測定できる。
【0026】
また、好ましくは、本発明の装置は、前記送受波部により前記送信波として投射されるレーザ光を変調する変調部と、前記送受波部により前記反射波として受光される反射光を前記変調部による変調に同期して検波する同期検波部と、を備えている。このように、レーザ光の変調と反射光の同期検波を行うことにより、測定感度を増大して、測定能力を向上できる。
【0027】
また、好ましくは、前記送受波部は、複数種類の送信波を送れるように構成されており、前記信号処理部は、前記送受波部が受ける複数種類の反射波を処理可能に構成されている。ここで、複数種類の送信波は、例えば、前述したレーザ光、白色光、マイクロ波、超音波、交番磁界信号のうちの少なくとも2種類の送信波である。測定に使う送信波の種類は、例えば、測定対象の基板縁部の材質に応じて変更される。また、送信波の種類は、研磨等の基板処理の進行に応じて変更されてよい。このように、複数種類の送信波を選択的に使うことにより、適切な送信波を使うことができ、測定能力を向上できる。
【0028】
また、好ましくは、前記反射波処理部は、前記基板の外周に沿って設けられた測定ゾーンの反射波から得られるゾーンデータに基づいて前記縁部の状態を判断する。ここで、ゾーンデータは、測定ゾーンの反射波を代表するデータであり、例えば、測定ゾーンの複数箇所から得られる反射波の振幅平均値である。ゾーンデータを用いることにより、基板縁部の状態を適切に把握することができ、測定能力を向上できる。
【0029】
また、好ましくは、前記反射波処理部は、複数の前記測定ゾーンから得られるゾーンデータを比較して前記縁部の状態を判断する。このように、複数の測定ゾーンのゾーンデータを比較することにより、測定ゾーンを基準として縁部の状況を把握できる。これにより基板縁部の状態を適切に把握することができ、測定能力を向上できる。
【0030】
また、好ましくは、前記反射波処理部は、前記基板の処理に伴う前記縁部の表面の材質変化に応じた反射量の変化に基づいて前記縁部の状態を判断する。このように、縁部の表面の材質変化に応じた反射量の変化に着目することにより、縁部の状態を正確に判断でき、測定能力を向上できる。
【0031】
また、好ましくは、前記反射波処理部は、前記基板の処理に伴う前記縁部の表面の材質変化に応じた前記反射波のパターン変化に基づいて前記縁部の状態を判断する。このように、縁部の表面の材質変化に応じた反射パターンの変化に着目することにより、縁部の状態を正確に判断でき、測定能力を向上できる。
【0032】
また、本発明の測定装置は、基板の縁部を研磨する基板縁部研磨装置に備えられ、研磨中の基板の縁部の研磨状態を測定してよい。また、測定装置は、基板の縁部を研磨する基板縁部研磨装置を備えた基板処理装置に備えられ、研磨中の基板の縁部の研磨状態を測定してよい。
【0033】
また、測定装置は、基板洗浄装置に備えられ、洗浄中の基板の縁部の研磨状態を測定してよい。また、測定装置は、基板洗浄装置を備えた基板処理装置に備えられ、洗浄中の基板の縁部の研磨状態を測定してよい。
【0034】
また、本発明の別態様は基板縁部研磨装置であり、本装置は、基板を保持する基板保持部と、前記基板を回転させる基板回転部と、前記基板に液体を供給する液体供給部と、前記液体が供給された状態で前記基板の縁部を研磨する縁部研磨部と、前記液体が前記縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受ける送受波部と、前記反射波の信号を処理して前記縁部の研磨状態を判断する受信波処理部と、前記受信波処理部により得られた前記縁部の研磨状態に応じて前記縁部の研磨を制御する制御部と、を備えている。このように、本発明は、液体が縁部に流れる状況でも好適に縁部を測定できる。したがって、研磨中でも縁部の状態を測定できる。
【0035】
好ましくは、本発明の基板縁部研磨装置は、前記縁部を取り囲み、前記液体を前記縁部に送り込む流路を形成する流路形成部を備えており、前記送受波部の送受波部位が前記流路に配置されている。このように、流路形成部を設けたことにより、縁部での液体の流れを安定化でき、測定能力を向上できる。
【0036】
好ましくは、前記流路の壁面が、前記反射波をさらに反射して前記反射波を集める形状の集波面を有し、前記送受波部は、前記反射波が集められる位置に前記反射波の受波部位を有する。この構成は、流路の壁面を、液体を導くだけでなく、反射波を集める集波面としても機能させている。これにより、送受波部が受け取る反射波の量が増大し、測定能力が向上する。
【0037】
好ましくは、本装置は、前記縁部から前記液体を吹き飛ばす液体除去部を備え、前記液体除去部により前記液体が吹き飛ばされる場所に前記送受波部が前記送信波を送る。このように、液体除去部を設けたことにより、液体の影響を低減して、測定精度を向上できる。
【0038】
好ましくは、本装置は、前記縁部を部分的に包み込み、前記縁部への液体の到達を阻止する液体阻止部を備え、前記液体阻止部を介して送受波を行うように前記送受波部が設けられている。このように、液体阻止部を設けたことにより、液体の影響を低減して、測定精度を向上できる。
【0039】
本装置において、前記受信波処理部は、縁部の研磨終点を検知する処理を行い、前記制御部は、前記縁部の研磨終点が検知されたときに前記縁部の研磨を終了する処理を行ってよい。また、前記受信波処理部は、縁部の研磨過程の状態をモニターし、前記制御部は、前記縁部の研磨過程の状態に応じて前記縁部の研磨条件を制御してよい。前記制御部は、前記基板の回転速度、研磨工具の前記縁部への押圧力、研磨テープの送り移動量、研磨テープの送り移動速度、研磨ヘッドの基板に対する相対移動量、研磨ヘッドの基板に対する相対移動速度および前記液体の供給量の少なくとも一つを制御してよい。基板の回転速度、研磨工具の縁部への押圧力、研磨テープの送り移動量、研磨テープの送り移動速度、研磨ヘッドの基板に対する相対移動量、研磨ヘッドの基板に対する相対移動速度および液体の供給量の少なくとも一つを制御することにより、効果的に研磨条件を変更できる。また、前記受信波処理部は、縁部の欠陥の有無を判断してもよい。
【0040】
好ましくは、本装置は、研磨時間が所定の最大研磨時間に達しても研磨終点が検知されないときに研磨異常が発生したと判定する異常判定部を備え、前記制御部は、前記異常判定部により異常が検出されたときに研磨を停止させる。これにより、研磨異常に好適に対処できる。
【0041】
また好ましくは、本装置は、反射波の波形が異常であるときに研磨異常が発生したと判定する異常判定部を備え、前記制御部は、前記異常判定部により異常が検出されたときに研磨を停止させる。これにより、研磨異常に好適に対処できる。
【0042】
また好ましくは、本装置は、前記反射波から得られる研磨レートが所定の工具交換しきいレートまで低下したときに、研磨工具の交換時期の到来を報知する工具交換報知部を備えている。これにより、交換時期を適切に報知でき、適切なタイミングで交換を促せる。
【0043】
好ましくは、前記送受波部は、複数種類の送信波を送れるように構成されており、前記反射波から求められる研磨過程の進行状況に応じて、測定に用いる前記送信波の種類が変更される。ここで、複数種類の送信波は、例えば、前述したレーザ光、白色光、マイクロ波、超音波、交番磁界信号のうちの少なくとも2種類の送信波である。このように、複数種類の送信波を選択的に使うことにより、適切な送信波を使うことができ、測定能力を向上できる。
【0044】
また好ましくは、前記送受波部は、複数種類の送信波を送れるように構成されており、前記制御部による研磨条件の変更と連動して、測定に用いる前記送信波の種類が変更される。このように、研磨条件に合わせて送信波の種類を変えることにより、適切な送信波を使うことができ、測定能力を向上できる。
【0045】
また好ましくは、前記制御部は、前記研磨状態と縁部研磨工具の制御パラメータとに基づいて前記基板の研磨を制御する。ここで、制御パラメータは、例えば、研磨テープの制御モータのトルク電流である。このように、制御パラメータを利用することにより、研磨制御を好適に行える。
【0046】
また好ましくは、前記制御部は、基板の研磨過程の進行に応じて前記制御パラメータに基づく制御と前記研磨状態に基づく制御とを切り替える。例えば、研磨の前半は制御パラメータに基づいて粗い制御を行い、研磨後半は反射波を使って細かい制御を行う。このようにして、制御パラメータを適切に使って研磨制御を行える。
【0047】
また好ましくは、前記受信波処理部は、研磨初期段階の反射波に応じて設定された研磨終点目標と前記送受波部から得られる反射波を比較して研磨終点を検知する。研磨終点目標を設定することにより、研磨終点を好適に検知できる。
【0048】
また好ましくは、本装置は、研磨過程で所定の基準研磨状態が得られるまでの基準時間に基づき、研磨終点に到達する研磨終点時間を設定する終点時間設定部を備えている。これにより、研磨中の測定によって得られた研磨状態の情報を使って研磨時間を正確に設定できる。
【0049】
本発明の別態様は基板洗浄装置であり、本装置は、基板を保持する基板保持部と、前記基板を回転させる基板回転部と、前記基板に液体を供給する液体供給部と、前記液体が前記基板の縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受ける送受波部と、前記反射波の信号を処理して前記縁部の研磨状態を判断する受信波処理部と、を備えている。このように、基板洗浄装置の態様でも本発明の利点が得られる。
【0050】
また、本発明の別態様は、基板の縁部の状態を測定する基板縁部測定方法である。この方法は、液体が前記基板に供給されて前記縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受け、前記反射波の信号を処理して前記縁部の状態を判断する。このように、基板縁部測定方法の態様でも本発明の利点が得られる。
【0051】
また、本発明の別態様は基板縁部研磨方法である。この方法は、基板を保持し、前記基板を回転させ、前記基板に液体を供給し、前記液体が供給された状態で前記基板の縁部を研磨し、前記液体が前記縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受け、前記反射波の信号を処理して前記縁部の研磨状態を判断し、前記縁部の研磨状態に応じて前記縁部の研磨を制御する。
【0052】
また、本発明の別態様は、基板洗浄方法である。この方法は、基板を保持し、前記基板を回転させ、前記基板に液体を供給し、前記液体が前記基板の縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受け、前記反射波の信号を処理して前記縁部の研磨状態を判断する。
【発明の効果】
【0053】
上述のように、本発明によれば、液体が縁部に流れる状況でも好適に縁部を測定できる。例えば、ウエハ基板の縁部研磨途中に好適に縁部を測定できる。研磨中に縁部を測定することにより、従来の目視検査と研磨時間設定作業を削減でき、生産性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下に詳細な説明を図面を参照して述べる。以下の詳細な説明と添付の図面は発明を限定するものではない。代わりに、発明の範囲は添付の請求の範囲により規定される。
【0055】
本実施の形態では、基板縁部測定装置が、半導体ウエハの縁部を研磨する基板縁部研磨装置に備えられている。
図1において、基板縁部研磨装置10は、回転可能な基板ホルダ12を備えている。基板ホルダ12にウエハ14が保持される。基板ホルダ12の回転軸16はモータ18に連結されている。モータ18が回転すると、基板ホルダ12とともにウエハ14が回転する。基板ホルダ12の上方には、ノズル20が備えられている。ノズル20は、制御弁22を介して水タンク24に連結されている。
【0056】
また、ウエハ14の縁部30を研磨する構成としては、研磨テープ32が設けられている。研磨テープ32は、テープ上に研磨材が付着した研磨工具である。研磨テープ32は、縁部30に接するように配置されている。そして、研磨テープ32の背後にはパッド34が配置されており、さらに、パッド34を押すようにアクチュエータ36が設けられている。アクチュエータ36は、パッド34を押して、研磨テープ32をウエハ14の縁部30に押圧する。アクチュエータ36はシリンダで構成されている。
【0057】
ここで、本実施の形態において、基板の縁部は、基板のベベル部とエッジ部を含む。ベベル部は、基板の外周面である。エッジ部は、ベベル部の両側の部分(表面および裏面の端の部分)である。
【0058】
図1Aおよび図1Bは、ウエハの縁部の部分的な拡大断面図である。図1Aは、縁部の断面が複数の直線部で構成されたいわゆるストレート型のウエハWの断面図である。図1Bは、縁部の断面が曲線部で構成されたいわゆるラウンド型のウエハWの断面図である。以下の説明において、図1AのウエハWでは、ウエハのベベル部とは、図中のB部分を指す。B部分は、ウエハWの外周部の上面及び下面から傾斜した上側傾斜部P及び下側傾斜部Q、及びウエハWの外周部の側面部Rからなる部分である。また、図1BのウエハWでは、ウエハのベベル部Bは、ウエハWの外周部の断面が曲率を有する部分を指す。また、ウエハのエッジ部は、図1Aおよび図1Bの領域Eの部分を指す。領域Eは、ウエハWのベベル部Bの内側の境界と、半導体デバイスが形成されるウエハWの上面D部分との間の領域である。
【0059】
以下の記述において、ウエハWの縁部は、上記のベベル部B及びエッジ部Eを含む。本実施の形態では、ベベル部が研磨されてもよく、エッジ部が研磨されてもよく、ベベル部とエッジ部の両方が研磨されてもよい。同様に、後述の縁部測定においても、ベベル部が測定されてもよく、エッジ部が測定されてもよく、ベベル部とエッジ部の両方が測定されてもよい。ここでは、主としてベベル部を研磨および測定する構成を例として説明する。
【0060】
また、本実施の形態では縁部が研磨されるが、この縁部研磨は、縁部の処理の一形態である。縁部の処理には、後述するエッチングも含まれる。より詳細には、縁部の処理には、ベベル研磨、エッジ研磨、ベベルエッチングおよびエッジエッチングが含まれる。ここでは研磨について説明する。
【0061】
図1の説明に戻り、研磨コントローラ40は、上記の基板縁部研磨装置10の全体を制御するコンピュータである。研磨コントローラ40は、モータ18、制御弁22およびアクチュエータ36を制御するように構成されている。
【0062】
縁部研磨の全体的な動作としては、研磨コントローラ40がモータ18を制御して、基板ホルダ12をウエハ14とともに回転させる。さらに、研磨コントローラ40は、制御弁22を開き、水タンク24の水(純水)をノズル20を介してウエハ14の上面に供給する。水は、ウエハ14の上面で広がり、縁部30に至り、縁部30から流下する。この状態で、研磨コントローラ40は、アクチュエータ36を制御し、研磨テープ32をウエハ14の縁部30に押圧する。これにより、研磨テープ32が縁部30を研磨する。
【0063】
なお、図1では、ノズル20が、ウエハ14の中央部に示されており、そして、ノズル20が真下を向いている。しかし、ノズル20の位置および角度は図1に限定されない。ノズル20は、例えば、研磨に必要な水を供給できる範囲で、ウエハ周辺部の上方に設けられてもよい。また、ノズル20が、ウエハ14に対して傾斜するように設けられてもよい。そして、ウエハ14に対して角度をつけて水が噴射されてもよい。
【0064】
また、図2は、縁部研磨で除去される縁部の傷の例を示している。図において、例えば200mmウエハでは、ウエハ外周の全長は628mmである。そして、傷の高さ(ウエハ厚み方向)は、10〜250μmであり、長さ(ウエハ円周方向)は10μm〜628mm(全長)であり、傷の奥行き(深さ)は10〜50μmである。このような傷が、縁部研磨で除去される。
【0065】
また、縁部研磨では、基板縁部が、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜(SiO2(酸化膜))、ポリシリコン膜、Ta、TaN、TiN、Ti等のバリヤ膜、または、Cu、W等の金属膜を有していてもよい。これらの膜が、下記の縁部測定の測定対象になる。そして、このような膜を除去することにより、膜の残部の悪影響を効果的に低減できる。
【0066】
次に、基板縁部研磨装置10に備えられた基板縁部測定装置50について説明する。基板縁部測定装置50は、投受光部52および信号処理コントローラ54を備えている。投受光部52は投光部56および受光部58を備えている。投光部56は、レーザ光をウエハ14の縁部30に投光する。そして、受光部58は、縁部30からの反射光を受光する。投光および受光は、縁部30から流下する水の膜を介して行われる。
【0067】
図3は、投受光部52の構成を示している。図3において、LD安定化光源装置70(以下、光源装置70)は投光部を構成し、高速コンバータ72(以下、コンバータ72)は受光部を構成している。光源装置70には投光用光ファイバ74が取り付けられている。コンバータ72には受光用光ファイバ76が取り付けらている。投光用光ファイバ74およびコンバータ72の先端は、センサヘッド78に保持されている。光源装置70が発するレーザ光は、投光用光ファイバ74を通り、センサヘッド78のレンズを介してウエハ14に投光される。そして、ウエハ14からの反射光は、受光用光ファイバ76に受光され、受光用光ファイバ76を通ってコンバータ72に到達する。コンバータ72では、光信号が電気信号に変換される。
【0068】
図1に戻ると、受光部58は、上述のように反射光を電気信号に変換し、信号処理コントローラ54に供給する。信号処理コントローラ54は、コンピュータ装置であり、反射信号のアナログ信号をデジタル信号に変換する。さらに、信号処理コントローラ54は、反射光の信号を処理して、ウエハ14の縁部30の状態を判断する処理を行う。信号処理コントローラ54の処理結果はモニタ60に表示され、また、研磨コントローラ40に供給される。
【0069】
信号処理コントローラ54は、反射光の実効値振幅の相対変化から縁部30の状態を判断してもよい。また、信号処理コントローラ54は、反射光の実効値振幅の時間微分値から縁部30の状態を判断してもよい。また、信号処理コントローラ54は、実効値振幅のFFT解析による周波数解析結果から縁部30の状態を判断してもよい。これらのパラメータが組み合わされてもよい。
【0070】
そして、信号処理コントローラ54は、縁部30の状態として、研磨過程の進行状況を求め、さらに、研磨終点を検知する。研磨終点とは、縁部30の欠陥等が研磨により除去された状態であり、研磨を終了すべき状態である。さらに、信号処理コントローラ54は、縁部の微小欠陥を検知してもよい。
【0071】
信号処理コントローラ54の処理結果は、上述のように研磨コントローラ40に供給される。研磨コントローラ40は、信号処理コントローラ54で求められた縁部30の状態に基づいて研磨を制御する。この制御では、研磨コントローラ40は、研磨条件を制御する。研磨条件は、モータ回転数、供給水量または研磨テープ押圧力である。また、研磨条件は、研磨テープの送り移動量、研磨テープの送り移動速度、研磨ヘッドのウエハに対する相対移動量、または、研磨ヘッドのウエハに対する相対移動速度である。これらの複数のパラメータが制御されてもよい。研磨条件の制御により研磨速度が調整される。
【0072】
さらに、信号処理コントローラ54が、研磨終点を検知したことを研磨コントローラ40に伝えると、研磨コントローラ40は、研磨を終了する処理を行う。ここでは、アクチュエータ36が制御されて、研磨テープ32がウエハ14の縁部30から離される。そして、モータ18が停止して、ウエハ14の回転が停止する。
【0073】
「変形例」
以上に本発明の一実施の形態の基板縁部研磨装置10および基板縁部測定装置50について説明した。本実施の形態では、水がウエハに供給された。しかし、水以外の液体が供給されてもよい。
【0074】
液体は、研磨の際の研磨テープとウエハとの摩擦を低減し、発熱を低減する液体であればよい。あるいは、研磨テープによる研磨の能力を補助する研磨粒子が、液体または水に混合されてもよい。同様に、液体は、化学反応によって研磨対象物を除去する、あるいは除去しやすくすることによりテープ研磨を補助する薬液であってもよい。
【0075】
また、本実施の形態では、レーザ光が投光された。しかし、レーザ光以外の送信波が送られてもよい。例えば、白色光(ハロゲン、キセノン等)、マイクロ波、超音波または交番磁界信号が送信波として送られてもよい。ハロゲン白色光の場合、反射光が集光され、分光解析が行われる。マイクロ波の場合、反射信号は、反射信号の入射信号に対する偏向の信号に変換され、偏向の信号が解析される。交番磁界を印加するタイプでは、印加信号に対する反射電束が、渦電流センサのインピーダンス変換に変換され、この変換信号が処理され、解析される。また、マイクロ波を使う場合にはマイクロ波導波管が備えられる。超音波を使う場合には超音波同軸ケーブルが備えられる。その他、送信波の種類に応じて、投受波および信号処理のための適当な構成が設けられてよい。
【0076】
また、本実施の形態では、ウエハ14の円周上の1カ所に投受光部が設けられていた。しかし、投受光部は複数箇所に設けられてもよい。この場合、複数箇所から得られる反射波を使って縁部30の状態が求められ、研磨が制御される。
【0077】
また、本実施の形態では、センサヘッドがウエハ14の横(基板面を基準とする)に配置されていて、投受光は横方向から行われた。これに対して、投受光は、斜め上、斜め下、上または下から行われてもよい。複数の方向から投受光が行われてもよい。例えば、斜め上、横、斜め下というように3方向から投受光が行われてよい。ベベル部およびその上下のエッジ部を独立して測定可能である。
【0078】
なお、上記の各種の変形は、下記の他の実施の形態でも同様に適用可能である。
【0079】
その他、上述の説明では述べていないが、反射光の信号は、投受光部の機器差に起因してばらつく。このばらつきの測定への影響を排除するために、センサハード部とそのコントローラに関し、デジタル的な増幅処理、オフセットおよび位相処理が好適に施される。これにより、機器差の影響を低減し、測定精度を向上できる。
【0080】
「流路形成」
図4および図5は、基板縁部測定装置の別の構成例を示している。図示のように、基板縁部測定装置80は、上述の構成に加えて、流路形成部材82を有している。流路形成部材82は、U字形の断面形状を有している。流路形成部材82は、ウエハ14の縁部30を取り囲み、水を縁部30に送り込む流路84を形成している。また、流路形成部材82は、ウエハ全周の一部の領域に設けられている。水は、ノズル22からウエハ14に供給され、ウエハ14の上面を流れ、流路84に流れ込み、流路84中の縁部30に至り、縁部30を通り過ぎて流路84から流出する。
【0081】
さらに、本実施の形態では、図示のように投受光部52の投受光部位が流路84に配置されている。より詳細には、投受光部52のセンサヘッド(図示せず)が流路形成部材82に取り付けられている。そして、投光用光ファイバおよび受光用光ファイバが、流路形成部材82の壁面86に設けられた測定穴88に配置されている。これにより、投受光部52は、流路84内の水を介してレーザ光を投光し、反射光を受光する。
【0082】
このように、本実施の形態では、流路形成部を設けたことにより、縁部での液体の流れを安定化できる。そして、安定な流れを介して投受光を行うので、投光、反射光への流れの影響が低減し、測定能力を向上できる。
【0083】
「集光面」
図6は、基板縁部測定装置の別の構成例を示している。本実施の形態の基板縁部測定装置90は、図4および図5の構成と同様に、流路形成部材92を備えている。さらに、本実施の形態では、流路形成部材92の流路94の壁面96は、レーザ光を反射する材質でできている。例えば、流路形成部材92が、アルミナが蒸着された鉄またはガラスである。これにより壁面96でレーザ光が反射される。そして、壁面96は、反射光をさらに反射して反射光を集める形状の集波面で構成されている。
【0084】
より詳細には、ウエハ14の縁部30が、ベベル部30aと、その上下のコーナー部30b、30cで構成されている。レーザ光は、ウエハ14に向かって水平方向に投光される。そして、ベベル部30aの反射光は、水平方向に反射する。これに対して、上側のコーナー部30bの反射光は、上向きに進み、壁面96の上側部分で再度反射して、下方に集められる。一方、下側のコーナー部30cの反射光は、下向きに進み、壁面96の下側部分で再度反射して、上方に集められる。
【0085】
そして、図示のように、本実施の形態では、壁面96により反射光が集められる位置に、反射光の受光部位が設けられている。すなわち、受光用光ファイバが、壁面96の上側部分、中央部分、下側部分の測定穴98に配置されている。これらの受光用光ファイバは、それぞれ、下側のコーナー部30c、ベベル部30a、および上側のコーナー部30bの反射光を受光する。
【0086】
このように、本実施の形態では、流路壁面が、液体を導くだけでなく、反射波を集める集波面としても機能している。これにより、反射光を効率よく集めることができる。
【0087】
なお、本実施の形態では、集光は、測定能力の要求に応えるのに必要な程度の範囲で行われればよい。撮像光学系のように光が一点に正確に集められなくてよい。そして、壁面の集光部は、半円または半楕円等の適当な曲面形状でよい。
【0088】
「水除去構成」
図7および図8は、基板縁部測定装置の別の構成例を示している。図示のように、基板縁部測定装置100は、水除去ノズル102を備えている。水除去ノズル102は、ウエハ14の縁部30の近傍に配置されている。そして、水除去ノズル102は、ウエハ14の縁部に向かって空気を噴出し、これにより局部的に縁部30の水を吹き飛ばし、縁部30から水を除去する。
【0089】
そして、図示のように、投受光部52は、水が除去される場所にレーザ光を投光するように配置されている。より詳細には、センサヘッドが、水の除去される場所の近傍に配置されている。そして、投光用光ファイバおよび受光用光ファイバが、水の除去される場所に対して投受光を行う。
【0090】
このように、本実施の形態では、液体除去部を設けたことにより、測定への水の影響を低減して、これにより測定精度を向上できる。
【0091】
なお、水除去ノズル102が噴出する気体は空気に限定されない。すなわち、水除去ノズル102は空気以外の気体を噴出してもよく、例えば、水除去ノズル102は窒素ガスを噴出してもよい。水除去ノズル102は、窒素ガス、不活性ガスのように、ウエハ表面の膜を酸化または還元するというような問題が起こらない適当なガスを噴射してもよい。
【0092】
「水阻止構成」
図9および図10は、基板縁部測定装置の別の構成例を示している。図示のように、基板縁部測定装置110は、水阻止パッド112を備えている。水阻止パッド112は、ウエハ14の縁部30を部分的に包み込む形状を有している。より詳細には、水阻止パッド112は、溝部114を有している。溝部114に縁部30が嵌り込み、縁部30は溝部114の内面に密接する。水阻止パッド112は固定されている。したがって、ウエハ14が回転すると、ウエハ14の縁部30が溝部114内をスライドする。
【0093】
水阻止パッド112は、ウエハ14を傷つけないように柔らかい材料でできている。そして、水阻止パッド112は、レーザ光を透過するように透明な材料でできている。水阻止パッド112は、例えば、ウレタン透明材でできている。
【0094】
さらに、本実施の形態では、投受光部52が、液体阻止パッド112を介して投受光を行うように配置されている。より詳細には、センサヘッドが液体阻止パッド112に接している。そして、投光用光ファイバおよび受光用光ファイバが、液体阻止パッド112を介して縁部30を向けて設けられている。光ファイバは、液体阻止パッド112の中に食い込んでいてもよい。
【0095】
このように、本実施の形態では、液体阻止部を設けたことにより、測定への水の影響を低減して、測定精度を向上できる。
【0096】
「信号処理(実データ)」
次に、信号処理コントローラ(図1、54)の処理をより詳細に説明する。信号処理コントローラは、反射光のアナログ信号を投受光部52から受け取ると、アナログ信号をデジタル信号に変換する。信号処理コントローラは、デジタル形式の反射光の信号を処理し、実効値振幅を求める。そして、信号処理コントローラは、実効値振幅の実データから縁部30の状態を求める。例えば、実効値振幅の相対変化が求められ、相対変化から研磨過程の進行状況がモニタされ、さらに、研磨終点が検知される。
【0097】
図11は、反射信号の実効値振幅を模式的に示している。研磨開始時は、ウエハの円周上の一部で振幅が大きく変化している。研磨が進むと、振幅の山が低くなる。山の高さが所定のしきい値以下になった時点で、研磨終点が検知される。
【0098】
図11の例では、研磨が進むにつれて、振幅が均一になった。しかし、振幅が逆の傾向を示す場合もある。この場合には、研磨の進行に従い、振幅のばらつきが増大する。そして、ばらつきが所定のしきい値に達したときに研磨終点が検知される。
【0099】
図11Aは、別の例を示している。図11Aの例では、研磨が進むと、実行値振幅が大きくなる。全体の実行値振幅がしきい値以上になった時点で、研磨終点が検知される。
【0100】
実データの処理は、上記の例に限定されない。研磨終点に対応する任意の特徴事象(特徴的検出パターン)が、実データから特定され、これにより研磨終点が検知されてよい。使用可能な特徴事象は、例えば、(1)所定の設定値以上の値、(2)所定の設定値以下の値、(3)極大値、(4)極小値、(5)上昇開始点、(6)上昇終了点、(7)下降開始点、(8)下降終了点、(9)所定の勾配範囲内の値、(10)勾配極大値、または(11)勾配極小値である。ウエハの種類、ウエハ縁部の状態や測定目標に応じて、適当なパターンが使われてよい。
【0101】
「信号処理(時間微分)」
また、信号処理コントローラは、実効値振幅の時間微分を求め、時間微分から縁部の状態を求めてもよい。時間微分に関しても、研磨状況が時間微分から把握される。例えば、傷に対応するパターンがモニタされる。傷のパターンがなくなったときに、研磨終点が検知される。
【0102】
時間微分についても、実データと同様に、研磨終点に対応する特徴事象が、実際に得られた時間微分データから抽出され、これにより研磨終点が検知されてよい。特徴事象の例は、上述にて列挙した通りである。
【0103】
なお、時間微分は、1次微分でも、2次微分でも、それ以上の次数の微分でもよい。複数の次数の微分が併用されてもよい。
【0104】
「信号処理(周波数解析)」
また、信号処理コントローラは、実効値振幅に対してFFTの処理を行い、周波数解析を行ってもよい。この場合、周波数解析結果から、研磨過程の進行状況がモニタされ、研磨終点が検知される。
【0105】
図12は、周波数解析結果の一例を模式的に示している。この例では、研磨が進行すると、ある周波数(左のピーク)のレベルは維持されるが、別の周波数(右の3つのピーク)のレベルは研磨の進行に伴って低下する。そこで、後者の周波数に基づいて、研磨過程がモニタされる。そして、着目周波数のレベルが所定のしきいレベルまで下がった時点で、研磨終点が検知される。
【0106】
図12の例では、研磨の進行に伴って、一部の周波数のレベルが低下した。これに対して、研磨の進行に伴って、一部の周波数のレベルが増大することもあり得る。また、全周波数のレベルが変化することもあり得る。これらの場合にも、同様に、周波数解析結果から縁部の状態を検出できる。
【0107】
「信号処理(積分)」
また、信号処理コントローラは、実効値振幅を積分する処理を行ってもよい。この場合、信号処理コントローラは、ウエハ回転に伴ってウエハ円周に沿って得られる反射波の信号を積算する。そして、積分結果から、研磨状態が求められ、そして、研磨終点が検知される。ここでも、研磨終点に対応する特徴事象が積分結果から抽出される。
【0108】
「信号処理/欠陥検出」
上述の各種の処理では、研磨過程がモニタされ、また、研磨終点が検知された。これらの他に、信号処理コントローラは、欠陥を検出してもよい。好適には、微小欠陥を示す特徴的部分が、反射波の信号から抽出される。微小欠陥の特徴的部分は、上記の実データから抽出されても、時間微分から抽出されても、周波数解析結果から抽出されても、積分結果から抽出されてもよい。欠陥発生を示す信号は、モニタに表示される。
【0109】
好ましくは、信号処理コントローラは、ウエハのノッチ、オリエンテーションフラットとこれ以外の部分の信号差からウエハの基準(位置)を得る。さらに、信号処理コントローラは、ウエハの回転角の情報を取得する。このウエハ回転角は、モータの回転角から得られてもよい。そして、信号処理コントローラは、ウエハ回転角に基づき、欠陥の位置を求める。欠陥の位置は、ウエハ円周上の位置で表される。欠陥の位置も、欠陥情報の一部としてモニタに表示される。
【0110】
「信号処理/ノイズ除去」
また、信号処理コントローラは、反射光の信号から雑音成分を除去するように構成されている。例えば、信号処理コントローラは、FFT信号解析により雑音成分を求める。そして、信号処理コントローラは、特定された雑音成分に応じて、雑音除去用のフィルタのカットオフ周波数を設定する。カットオフ周波数の調整は、制御部のレシピ設定の中に好適に設けられる。フィルタは、例えば、LPF(ローパスフィルタ)、BPF(バンドパスフィルタ)、HPF(ハイパスフィルタ)またはノッチフィルタである。複数種類のフィルタが併用されてもよい。フィルタは、アナログ回路で実現されてもよく、デジタル処理で実現されてもよい。
【0111】
このように、雑音成分を除去することで、縁部の状態を表す信号を正確に安定して得られ、縁部の状態を正確に特定でき、研磨終点を正確に検知できる。
【0112】
「ビームサイズの設定」
ところで、本実施の形態では、レーザ光のビームサイズは下記のように設定されている。ウエハは、回転中に水平方向および垂直方向にある程度移動する。このようにウエハが移動しても検出感度が低下しないように、ワークの移動量に応じてビームサイズが設定されている。これにより、ワークの移動範囲でレーザ光が収束できる。すなわち、移動範囲内でワークが移動しても、ワークの縁部にレーザ光が好適に照射される。ビームサイズは、光源を絞る制御によって調整される。
【0113】
例えば、微小欠陥を検出する場合、ビームサイズが10μm×1000μmに設定される。10μmは、横方向のビームサイズであり、1000μmは、縦方向(ウエハ厚さ方向)のビームサイズである。このようなビームサイズを適用することにより、ウエハが上下に動いても、欠陥を検出できる。また、横方向のビームサイズを小さくしてあるので、光量が増大し、微小欠陥を検出するための感度が確保される。
【0114】
また、例えば、ウエハ縁部の表面の均一性を測定するときは、ビームが円形であり、ビーム径が1〜2mmに設定される。これにより、ウエハが動いても、縁部全体の測定を効果的に行える。また、均一性の測定なので、ビームサイズが大きくても十分な性能が得られる。
【0115】
このように、本実施の形態では、ビームサイズをウエハ移動量に応じて設定することにより、回転中にウエハがある程度移動しても、ウエハの縁部の状態を正確に測定できる。
【0116】
「レーザ光の変調」
また、本実施の形態では、下記のように、レーザ光の変調が好適に行われる。
図13を参照すると、本実施の形態では、レーザ光源120にて、パルス変調が行われる。例えば、コヒーレンス光源が用いられ、34kHzのパルス変調が行われる(ただし、34kHzに限定されない)。これにより、パルス状のレーザ光がウエハに投射される。そして、フォトダイオード122も、パルス状の反射光を受光する。フォトダイオード122は、反射光を電気信号に変換する。この電気信号は同期検波器124に供給される。同期検波器124には、レーザ光源120から変調の情報が供給される。そして、同期検波器124は、反射光の信号に対して同期検波処理を行う。同期検波を経た信号が、信号処理コントローラ54に供給される。
【0117】
このように、本実施の形態では、レーザ光を変調している。レーザ光を変調して、縁部研磨信号のみ高感度に抽出し、これ以外のノイズ信号を除去し、S/N比を高めることで、測定感度を増大でき、これにより、測定能力を向上できる。
【0118】
「研磨制御」
次に、縁部の測定結果に基づいた研磨制御をより詳細に説明する。この制御は、研磨コントローラ(図1、40)により行われる。
【0119】
研磨コントローラは、既に説明したように、研磨終点が検知されると、基板縁部研磨装置を制御して、研磨を終了する。さらに、研磨コントローラは、研磨中も、縁部の測定結果に応じて基板縁部研磨装置の研磨動作を制御する。ここでは、クローズループ制御が行われる。
【0120】
制御対象は、ウエハ回転用のモータ、水供給用の制御弁および研磨テープ押付け用のアクチュエータである。研磨コントローラは、ウエハの回転速度、研磨工具の縁部への押圧力、研磨テープの送り移動量、研磨テープの送り移動速度、研磨ヘッドの基板に対する相対移動量、研磨ヘッドのウエハに対する相対移動速度および水の供給量の少なくとも一つを制御する。制御により、研磨スピード(研磨レート)が調整される。例えば、モータの回転数を増大することで研磨スピードが増大する。また、テープ押圧力を増大することで研磨スピードが増大する。これらの複数が同時に連動して制御されてよい。また、これらの一部のみが制御されてもよい。
【0121】
図14は、好適な研磨制御の例を示している。ここでは、縁部研磨が、ウエハのシリコン膜を露出させ、縁部表面をなめらかにするために行われるとする。図14において、横軸は時間であり、縦軸は研磨状態のパラメータである。パラメータは、例えば、反射光の実効値振幅の範囲(最大値と最小値の差)である。
【0122】
研磨コントローラは、研磨状態のパラメータが所定の値P1に達するまでは、高速モードで研磨を行う。すなわち、研磨スピードが所定の大きな値になるように、モータ等が制御される。時間t1でパラメータがP1に達すると、研磨速度が切り替えられ、低速モードで研磨が行われる。研磨スピードが高速モードより小さい所定の値になるようにモータ等が制御される。そして、研磨状態のパラメータが、研磨終点に対応する値P2に達すると、研磨コントローラは研磨を終了する。このとき、ウエハの縁部では、不要な膜等が除去され、シリコン面が表れ、表面が滑らかになっている。
【0123】
このように、本実施の形態では、縁部の測定状態に基づいて好適に研磨を制御できる。また、基板の回転速度、研磨工具の縁部への押圧力、研磨テープの送り移動量、研磨テープの送り移動速度、研磨ヘッドの基板に対する相対移動量、研磨ヘッドの基板に対する相対移動速度および液体の供給量の少なくとも一つを制御することにより、効果的に研磨条件を変更できる。そして、測定結果に基づいて適当な範囲で研磨速度を増大することができ、研磨時間を短縮できる。
【0124】
「異常検知(研磨時間超過)」
次に、本実施の形態の異常検知機能について説明する。この機能は、図1の信号処理コントローラ54によって実現される。信号処理コントローラ54は、研磨開始の情報を研磨コントローラ40から受け取り、研磨開始からの経過時間を監視する。そして、信号処理コントローラ54は、研磨開始から所定の最大研磨時間が経過したか否かを判定する。最大研磨時間は予め設定され、信号処理コントローラ54に記憶されている。
【0125】
研磨が正常に行われている場合、最大研磨時間が経過する前に、研磨終点が検知される。最大研磨時間が経過しても研磨終点が検知されない場合には、何らかの異常が発生したと考えられる。例えば、研磨装置が故障した可能性があり、あるいは、測定装置が故障した可能性がある。
【0126】
信号処理コントローラ54は、研磨時間が最大研磨時間に達しても研磨終点が検知されないときに、研磨異常が発生したと判定する。そして、信号処理コントローラ54は、異常発生を示す信号を研磨コントローラ40に送る。研磨コントローラ40は、異常発生を示す信号を受け取ると、モータ等を制御して、研磨を強制的に停止させる。また、信号処理コントローラは、異常発生をモニタ60に表示する。
このように、本実施の形態によれば、研磨異常に好適に対処できる。
【0127】
「異常検知(異常信号)」
次に、もう一つの異常検知機能について説明する。この検知機能では、信号処理コントローラ54は、反射光の信号波形が異常であるときに研磨異常が発生したと判定する。この処理では、信号処理コントローラ54は、反射光の信号波形の標準状態を示す情報を記憶している。そして、信号処理コントローラ54は、測定で得られる反射光の波形が標準状態から逸脱したか否かを判定する。実際の波形が標準状態を逸脱したとき、信号処理コントローラ54は異常が発生したと判定する。
【0128】
そして、異常発生はモニタ60に表示され、また、研磨コントローラ40に伝えられる。研磨コントローラ40は、モータ等を制御して研磨を強制的に停止する。
このように、本実施の形態によっても、研磨異常に好適に対処できる。
【0129】
ここでは、2種類の異常検知(研磨時間超過による異常検知と、異常信号による異常検知)が説明された。これらの異常検知は、測定対象のウエハ縁部の状態によって使い分けられるとよい。ウエハ縁部の状態に応じて一方の異常検知が行われてよい。
【0130】
「工具交換時期の報知」
次に、本実施の形態における工具交換時期の報知機能について説明する。この機能は、信号処理コントローラ54によって実現される。信号処理コントローラ54は、反射波の情報から得られる研磨レートを監視する。ここでは、信号処理コントローラ54は、研磨開始の情報を研磨コントローラ40から受け取る。また、信号処理コントローラ54は、反射波の信号から研磨終点を検知する。そして、信号処理コントローラ54は、研磨開始から研磨終点までの時間から研磨レートを算出する。
【0131】
信号処理コントローラ54は、こうして得られる研磨レートを監視する。多数のウエハが処理されるうちに、研磨レートが低下していく。信号処理コントローラ54は、研磨レートが低下していき、所定の工具交換しきいレートまで低下したときに、研磨工具の交換時期の到来を報知する。ここでは、信号処理コントローラ54は、モニタ60上に、工具交換時期を示す画像を表示させる。
【0132】
このように、本実施の形態によれば、交換時期を適切に報知できるので、適切なタイミングで工具の交換を促せる。
【0133】
なお、本実施の形態では、研磨時間が監視されてもよい。研磨時間は研磨レートと対応しているので、研磨時間の監視によっても、研磨レートを監視することができる。
【0134】
また、研磨コントローラで研磨条件が調整される場合、研磨条件を考慮して研磨レートの変化を監視することが好適である。
【0135】
「複数種類の送信波の組合せ」
次に、複数種類の送信波を組み合わせる好適な構成例を説明する。これまでの説明では、送信波は主としてレーザ光であった。これに対して、本実施の形態では、複数種類の送信波が組み合わされる。送信波の一つはレーザ光でもよいことはもちろんである。
【0136】
図15は、本実施の形態の基板縁部研磨装置を概略的に示している。基板縁部研磨装置130においては、送受波部132が、第1送受波部132aおよび第2送受波部132bで構成されている。第1送受波部132aは、第1の送信波の送受波を行い、第2送受波部132bは、第2の送信波の送受波を行う。第1の送信波と第2の送信波は、例えば、レーザ光、白色光、マイクロ波、超音波または交番磁界信号である。第1の送信波と第2の送信波では種類が異なっている。送信波がレーザ光の場合、送受波部は上述の投受光部になる。
【0137】
信号処理コントローラ134は、第1送受波部132aから、第1の送信波に対応する第1の反射波の電気信号を受け取り、第1の反射波の信号を処理してウエハ縁部の状態を求める。また、信号処理コントローラ134は、第2送受波部132bから、第2の送信波に対応する第2の反射波の電気信号を受け取り、第2の反射波の信号を処理してウエハ縁部の状態を求める。
【0138】
信号処理コントローラ134は、第1送受波部132aおよび第2送受波部132bを制御し、いずれか一方に送受波を行わせる。そして、信号処理コントローラ134は、第1送受波部132aおよび第2送受波部132bの一方から得られる信号を処理して、縁部の状態を検出する。これにより、第1の送信波と第2の送信波が選択的に利用される。
【0139】
信号処理コントローラ134は、第1送受波部132aと第2送受波部132bの両方に送受波を行わせてもよい。そして、信号処理コントローラ134は、第1送受波部132aと第2送受波部132bの片方から得られる信号からウエハ縁部の状態を求めてもよい。この場合も、第1の送信波と第2の送信波が選択的に利用される。
【0140】
次に、測定に用いる送信波の切替形態を説明する。ここでは、好適な3つのパターンを説明する。
【0141】
(1)第1のパターンでは、信号処理コントローラ134は、測定対象であるウエハの縁部の材質に応じて送信波の種類を変更する。これにより、縁部の材質に適した送信波を使用することができ、測定感度を向上し、測定能力を向上できる。
【0142】
(2)第2のパターンでは、信号処理コントローラ134は、研磨過程の進行状況に応じて、測定に用いる送信波の種類を変更する。研磨過程の進行状況は、反射波の信号から得られる。本実施の形態では、研磨の前半では、一方の送信波が使用され、研磨の後半では、他方の送信波が使用される。
【0143】
より詳細には、研磨が開始すると、一方の送信波が使用され、ウエハ縁部の状態がモニタされる。ウエハ縁部が所定の状態になると、測定に用いる送信波が切り替えられる。そして、他方の送信波を使用してウエハ縁部の状態がモニタされ、研磨終点が検知される。
【0144】
このように、研磨の進行に応じて送信波の種類を変更することで、適切な送信波を使うことができ、測定感度を向上し、測定能力を向上できる。
【0145】
(3)第3のパターンでは、信号処理コントローラ134は、研磨条件に合わせて送信波の種類を変更する。研磨条件の情報は、研磨コントローラ136から信号処理コントローラ134に供給されている。ここでは、例えば、研磨条件として、高速モードと低速モードが設定されるとする。研磨の前半では高速モードが設定され、研磨の後半では低速モードが設定される。
【0146】
この場合、信号処理コントローラ134は、研磨条件が切り替わるときに、送信波の種類を変更する。これにより、複数の研磨条件が設定されるマルチステップ研磨において、研磨条件に連動して、測定に用いる送信波が切り替えられる。
【0147】
このように、本実施の形態では、研磨条件に合わせて送信波の種類を変えることで、適切な送信波を使うことができ、測定感度を向上し、測定能力を向上できる。
【0148】
なお、上記の説明では、2種類の送信波が使用された。これに対して、3種類以上の送信波が使われてもよいことはもちろんである。また、各種類の送信波に関し、複数の送受波部が設けられてもよいことももちろんである。また、上述では3つのパターンを説明した。これら3つの中から、2つ以上のパターンが適当に組み合わされてもよい。
【0149】
「縁部測定と研磨工具の制御パラメータとの併用」
次に、縁部測定と研磨工具の制御パラメータとを併用する好適な実施の形態について説明する。図1を用いて説明したように、前述の実施の形態では、研磨工具は研磨テープ32であり、アクチュエータ36によってウエハ14に押圧されており、アクチュエータ36はシリンダで構成されていた。これに対して、本実施の形態では、アクチュエータ36が制御モータを備えるとする。この場合、制御モータのトルク電流が、研磨工具の制御パラメータとして利用できる。そして、本実施の形態では、トルク電流と縁部測定結果を利用して研磨が制御される。
【0150】
より詳細には、本実施の形態では、研磨が開始すると、研磨コントローラ40は、トルク電流を監視する。そして、トルク電流が所定のしきい値に達すると、研磨コントローラ40は、測定の開始を信号処理コントローラ54に指示する。この指示に従い、信号処理コントローラ54は、投受光部52から得られる信号を使って測定を開始する。そして、信号処理コントローラ54は、研磨終点を検知したとき、研磨終点の検知を研磨コントローラ40に知らせる。研磨コントローラ40は、モータ等を制御して、研磨を終了する。
【0151】
このように、本実施の形態では、研磨状態と研磨工具の制御パラメータとに基づいて基板研磨を制御しており、制御パラメータを利用することで、研磨制御を好適に行える。
【0152】
また、本実施の形態は、基板の研磨過程の進行に応じて制御パラメータに基づく制御と研磨状態に基づく制御とを切り替えている。上記の例は、研磨の前半は制御パラメータに基づいて粗い制御を行い、研磨後半は反射波を使って細かい制御を行っている。このようにして、制御パラメータを適切に使って研磨制御を行える。
【0153】
なお、本実施の形態でも、上述の実施の形態と同様に、複数種類の送信波が選択的に使用されてもよい。そして、これら複数種類の送信波が、研磨工具の制御パラメータと併用されてよい。
【0154】
「ゾーン処理」
次に、ゾーン処理を行う好適な実施の形態について説明する。このゾーン処理は、信号処理コントローラにて実現される。
【0155】
図16を参照すると、ゾーン処理では、レーザ反射光の信号を処理するときに、ウエハの外周に沿って複数の測定ゾーンが設けられる。図の例では、ウエハ外周が5つの測定ゾーンに分割されている。そして、ゾーン処理では、測定ゾーンからゾーンデータが求められる。ゾーンデータは、測定ゾーンから得られる反射光の信号を代表するデータである。そして、ゾーンデータを使ってウエハ縁部の状態が求められる。
【0156】
ここで、本実施の形態では、ウエハが回転しており、投受光部が固定されている。したがって、ウエハが回転することで、ウエハの全周からの反射光が得られる。この全周のデータが、複数のゾーンのデータに分けられる。
【0157】
測定ゾーンの境界は、ウエハ外周上の任意の位置でもよく、また、予め設定された位置でもよい。後者の場合、信号処理コントローラは、ウエハ回転角の情報を取得し、ウエハ回転角の情報から境界の位置を求める。ウエハ回転角の基準は例えばノッチの位置である。
【0158】
ゾーンデータは、上述のように、測定ゾーンから得られる反射光の信号を代表するデータである。ゾーンデータは、例えば、測定ゾーンでの反射光の実効値振幅の平均値、最大値、高低差(範囲)等である。また、ゾーンデータは、測定ゾーンにおける反射光の実効値振幅の時間微分で表されてもよく、時間微分は1次微分でも、2次微分でも、それ以上の次数の微分でもよい。
【0159】
ゾーンデータの処理では、すべての測定ゾーンのゾーンデータが使われてもよい。また、予め決められた1または複数の測定ゾーンのゾーンデータが使われてもよい。また、任意に選択された1または複数の測定ゾーンのゾーンデータが使われてもよい。
【0160】
そして、ゾーンデータが、予め設定された指定値と比較されて、これにより、研磨終点が検知される。例えば、ゾーンデータが所定の指定範囲に入ったとき、研磨終点が検知される。また、ゾーンデータが所定の指定値以上になったとき、研磨終点が検知される。あるいは、ゾーンデータが所定の指定値以下になったときに研磨終点が検知されてもよい。
【0161】
ゾーンデータの処理では、以下のゾーン収束処理を行うことも好適である。ゾーン収束処理では、複数の測定ゾーンのゾーンデータが比較される。
【0162】
ゾーン収束処理では、1つの測定ゾーンが指定される。そして、指定されたゾーンと残りのゾーンのゾーンデータの差が、所定のしきい値以下になったか否かが判定される。ゾーンデータの差がしきい値以下になったとき、研磨終点が検知される。ゾーン収束処理では、ゾーンデータは、測定ゾーンの実効値振幅の代表値であってもよく、また、時間微分でもよい。
【0163】
以上のように、本実施の形態では、ゾーンデータを用いることで、基板縁部の状態を適切に把握することができ、測定能力を向上できる。
【0164】
さらに、複数の測定ゾーンのゾーンデータを比較することで、測定ゾーンを基準として縁部の状況を把握できることから、縁部の状態の検出感度が向上する。これにより基板縁部の状態を適切に把握することができ、測定能力を向上できる。
【0165】
「目標設定処理」
その他、本実施の形態の基板縁部測定装置は、下記のように、研磨終点目標を設定し、設定した目標を使って測定処理を行うように構成されてもよい。
【0166】
この処理では、信号処理コントローラは、研磨初期段階に得られる反射光の信号から、残研磨量を求め、そして、研磨終点目標を設定する。研磨終点目標は、残研磨量の研磨が終わり、ウエハ縁部が滑らかになるときに得られる反射光を示す。残研磨量および研磨終点目標は、例えば、反射光の実効値振幅で表される。
【0167】
信号処理コントローラは、研磨終点目標を保持し、研磨終点目標を使って研磨終点を検知する。ここでは、入力される反射波の信号が、研磨終点目標と比較される。そして、入力信号が研磨終点目標に達したとき、研磨終点が検知される。そして、研磨終点が研磨コントローラに通知され、研磨が終了する。
【0168】
このように、本実施の形態では、研磨終点目標を設定することで、研磨終点を好適に検知できる。
【0169】
「終点時間設定処理」
また、本実施の形態の基板縁部測定装置は、下記のように、研磨終点時間を設定するように構成されてもよい。
【0170】
この処理では、まず、研磨過程で所定の基準研磨状態が得られるまでの基準時間t1が求められる。そして、基準時間t1と所定の係数k1から、補助的時間taが算出される。例えば、ta=t1×k1である。補助的時間taは、ta=t1×k1、ta=t1÷k1、ta=t1+k1、ta=t1−k1等により計算される。補助的時間taは、基準時間t1から、研磨終点までの時間である。したがって、研磨終点時間t2(研磨開始から研磨終点までの時間)は、t1+taである。この研磨終点時間t2まで、基準時間t1から追加研磨が行われる。
【0171】
上記の研磨終点時間t2は信号処理コントローラから研磨コントローラに送られ、研磨コントローラでの研磨の制御に適用される。本実施の形態では、サンプルウエハを使って研磨終点時間t2が好適に設定される。研磨終点時間t2は研磨コントローラで保持され、サンプル処理の後、複数のウエハの処理に適用される。
【0172】
このように、本実施の形態では、研磨中の測定によって得られた研磨状態の情報を使って研磨時間を正確に設定できる。また、研磨時間を簡単に設定することができる。
【0173】
以上に目標設定処理と終点時間設定処理が説明された。処理対象となるウエハの材質によって、研磨終点目標と研磨終点時間のどちらかが設定されてよい。あるいは、両方を利用する処理が行われ、この場合、必要に応じて、どちらかの設定の時間(早い方の時間または遅い方の時間)が終点時間に設定されてよい。
【0174】
「縁部材質と反射量の関係の利用」
また、本実施の形態の基板縁部測定装置は、下記の例に示されるように、ウエハの処理に伴うウエハ縁部の表面の材質変化に応じた反射量の変化に基づいて、縁部の状態を判断してもよい。
【0175】
ここでは、シリコンウエハ(Si)の縁部の窒化シリコン膜(SiN)が除去されるとする。シリコンと窒化シリコンでは、光学的特性としての吸収波長特性が異なる。窒化シリコン膜は、320nm以下の波長を吸収する。これに対して、シリコンウエハは、全波長を反射する。
【0176】
そこで、レーザ光の波長が、窒化シリコン膜でレーザ光が吸収されるように設定される。レーザ光の波長は例えば240〜320nmに設定される。
【0177】
研磨の初期段階ではウエハ表面に窒化シリコン膜が存在しているので、反射光量が小さい。縁部の研磨が進むと、ウエハ表面の材質が窒化シリコンからシリコンへと変化する。そして、シリコンが表れると、反射光の光量が急激に増大する。この光量変化が信号処理コントローラで検出される。そして、所定の光量変化が表れたとき、研磨終点が検知される。光量変化が顕著なので、終点検知が正確に行われる。
【0178】
このように、縁部の表面の材質変化に応じた反射量の変化に着目することで、縁部の状態を正確に判断でき、測定能力を向上できる。
【0179】
「縁部材質と反射パターンの関係の利用」
また、本実施の形態の基板縁部測定装置は、下記の例に示されるように、ウエハの処理に伴う縁部の表面の材質変化に応じた反射パターン変化に基づいて縁部の状態を判断してもよい。
【0180】
レーザ光の出力を適当に調整すると、反射光にパターンが表れる。本実施の形態では、この反射パターンが利用される。
【0181】
ここでは、シリコンウエハ(Si)の縁部の窒化シリコン膜(SiN)が除去されるとする。研磨が進むと、窒化シリコン膜が除去されて、シリコンウエハが表れる。
【0182】
図17に示すように、特定の波長のコリメートレーザビームを照射すると、窒化シリコン膜(研磨なし)とシリコン(研磨済み)では、反射パターンに有意差が現れる。窒化シリコン膜では、膜エッジの回析に起因して、反射パターンに縞模様が表れる。これに対して、シリコンの研磨面からの反射パターンには縞模様が表れない。このパターンの変化が検出される。
【0183】
パターン検出のために、投受光部のフォトダイオードで、反射パターンの信号がIV変換(電流電圧変換)される。また、投受光部に高速の画像取込装置が設けられてもよい。画像取込装置(撮像装置)は、例えば、CCDまたはCMOSカメラを備える。こうして得られるパターンに対してパターン認識処理が施される。そして、上述の例ではパターン中の縞模様がなくなったとき、研磨終点が検知される。
【0184】
このように、本実施の形態では、縁部の表面の材質変化に応じた反射パターンの変化に着目することで、縁部の状態を正確に判断でき、測定能力を向上できる。
上記のように、反射量の変化および反射パターンの変化を利用することができる。測定対象のウエハ縁部の状態により、反射量か反射パターンが使い分けられるとよい。
【0185】
「基板縁部研磨装置を備えた基板処理装置」
次に、図18は、本実施の形態の基板縁部研磨装置が備えられた基板処理装置の例を示している。基板処理装置200は、ロード・アンロード部202、第1搬送ロボット204、基板ステージ206(バッファ)、第2搬送ロボット208、ノッチ研磨モジュール210、ベベル研磨モジュール212、1次洗浄モジュール214および2次洗浄モジュール216を備える。
【0186】
ウエハは、第1搬送ロボット204によりロード・アンロード部202から基板ステージ206に移される。そして、ウエハは、第2搬送ロボット208により、ノッチ研磨モジュール210、ベベル研磨モジュール212、1次洗浄モジュール214および2次洗浄モジュール216へと順次移される。そして、第1搬送ロボット204は、洗浄後のウエハをロード・アンロード部202へ戻す。
【0187】
図18において、ベベル研磨モジュール212が、これまで説明された基板縁部研磨装置に相当する。そして、本実施の形態の基板縁部測定装置もベベル研磨モジュール212に好適に備えられる。
【0188】
その他、本実施の形態の応用例としては、ウエハの評価面が、ウエハ端面または裏面に設定される。評価のタイミングは研磨中または研磨後である。評価では、研磨中の研磨状態のモニタ、研磨中の研磨終点の検知、または、研磨後のウエハの欠陥の有無の判定が行われる。欠陥部の研磨状態のモニタでは、例えば、端面研磨の途中段階で、端面研磨が保留され、ウエハが退避される。そして、残りの欠陥(欠陥研磨の残り量)が計測される。この計測結果から追加研磨の必要時間が算出され、追加研磨が行われる。再度ウエハが研磨位置から、計測用の退避位置(図18の符号206)に移動され、研磨残り量の計測が行われる。このようにして、初期研磨、退避位置での計測、追加研磨、再退避および再計測、追加研磨の一連の動作が行われる。計測と追加研磨は繰り返されてよい。こうした一連の動作で縁部が研磨される。そして、研磨時間を求めることもできる。
【0189】
「洗浄装置への適用(めっき後洗浄)」
次に、洗浄装置へ基板縁部測定装置を組み込む実施の形態について説明する。これまでの説明では、基板縁部測定装置は、基板縁部研磨装置に組み込まれていた。これに対して、以下の説明では、基板縁部測定装置が洗浄装置に組み込まれる。洗浄装置としては、めっき関連の洗浄装置、CMP(化学的機械的研磨)関連の洗浄装置およびエッチング関連の洗浄装置を取り上げる。洗浄装置で縁部を測定することで、縁部の欠陥および不要物等を検出できる。
【0190】
図19は、めっき用基板処理装置を示している。基板処理装置220は、基板カセット222、第1搬送ロボット224、基板ステージ226(仮置き台)、第2搬送ロボット228、めっき槽230、洗浄装置232、洗浄薬液供給装置234、めっき薬液供給装置236、制御部238および表示部240を備えている。
【0191】
基板は、第1搬送ロボット224により基板カセット222から基板ステージ226に移される。さらに、基板は、第2搬送ロボット228によりめっき槽230および洗浄装置232に移される。めっき槽230には、めっき薬液供給装置236からめっき薬液が供給さる。また、洗浄装置232には、洗浄薬液供給装置234から薬液および洗浄液が供給される。洗浄装置232では、洗浄および乾燥処理が行われる。そして、洗浄後の基板は基板カセット222に戻される。
【0192】
図19の構成では、洗浄装置232に基板縁部測定装置が好適に備えられる。洗浄装置232では、通常の洗浄装置と同様に、回転するウエハ上に洗浄液が供給される。この状態でウエハ縁部を測定するように基板縁部測定装置が備えられる。
【0193】
図20は、図19の洗浄装置232の構成例を示している。洗浄装置232では、ベース部250がウエハ252を保持している。そして、ベース部250が回転軸254に支持されており、ウエハ252と共に回転する。
【0194】
ベース部250にはウエハ押え部材が設けられている。図示のように、ウエハ押え部材は、回動ピンで回転自在に支持されている。回動ピンは、ウエハ押え部材の重心位置より上方の部分を軸支している。ウエハ押え部材は、ウエハ静止時には、その自重で回転軸254と平行になるように配置されている。そして、回転軸254の回転に伴ってウエハ押え部材に遠心力が生じる。この遠心力で、下方部分(ウエハ押え部材の回動ピンより下方側の部分)が、外方向に移動して持ち上がる。これにより、上方部分(ウエハ押え部材の回動ピンより上方側の部分)が、ウエハを押さえ込むように内方向に倒れ込み、ウエハを把持する。ウエハ押え部材は、円周方向に少なくとも3箇所に設けられている。
【0195】
ウエハ252の表面には、洗浄液供給ノズル256から洗浄液が供給され、薬液供給ノズル258から薬液が供給される。洗浄液供給ノズル256には洗浄液供給系260から洗浄液が供給され、薬液供給ノズル258には薬液供給系262から薬液が供給される。そして、ウエハ回転および液体供給は制御部264に制御され、制御部264には表示入力部266が接続されている。
【0196】
図20の洗浄装置において、洗浄液は典型的には水(純水)またはガス溶存水である。洗浄液が供給された状態で縁部を測定するように、縁部測定装置が好適に備えられる。縁部測定装置は、薬液が供給されるときに縁部を測定してもよい。
【0197】
「洗浄装置への適用(CMP後洗浄)」
図21は、CMP用基板処理装置を示している。基板処理装置270は、基板カセット272、第1搬送ロボット274、基板ステージ276(仮置き台)、第2搬送ロボット278、研磨モジュール280、洗浄装置282、洗浄薬液供給装置284、スラリー供給装置286、制御部288および表示部290を備えている。
【0198】
基板は、第1搬送ロボット274により基板カセット272から基板ステージ276に移される。さらに、基板は、第2搬送ロボット278により研磨モジュール280および洗浄装置282に順次移される。研磨モジュール280には、スラリー供給装置286からスラリーが供給さる。また、洗浄装置282には洗浄薬液供給装置284から薬液および洗浄液が供給される。洗浄装置282では、薬液、洗浄および乾燥処理が行われる。そして、洗浄後の基板は基板カセット272に戻される。
【0199】
図21の構成では、洗浄装置282に基板縁部測定装置が好適に備えられる。洗浄装置282では、通常の洗浄装置と同様に、回転するウエハ上に洗浄液が供給される。この状態でウエハ縁部を測定するように、基板縁部測定装置が備えられる。洗浄装置の構成は、図20に示される通りでよい。
【0200】
「洗浄装置への適用(エッチング後洗浄)」
図22は、めっき用基板処理装置を示している。基板処理装置300は、基板上に微細な銅配線を形成するために利用される。基板処理装置300は、基板ロード・アンロード部302、第1搬送ロボット304、基板ステージ306、第2搬送ロボット308、めっき装置310、ベベルエッチング装置312、洗浄装置314、熱処理装置316(アニール)、めっき液タンク318およびめっき液分析装置320を備えている。
【0201】
基板は、第1搬送ロボット304により基板ロード・アンロード部302の基板カセットから基板ステージ306に移される。さらに、基板は、第2搬送ロボット308によりめっき装置310およびベベルエッチング装置312に順次移される。
【0202】
ベベルエッチング装置312では、基板縁部のエッチング処理が行われる。ベベルエッチング装置312では、例えば、基板を水平に保持し、回転させた状態で、基板の表面側の中央部に酸溶液が連続的に供給される。また、基板周縁部に酸化剤溶液が連続的または間欠的に供給される。
【0203】
酸溶液は、非酸化性の酸であればよく、例えば、フッ酸、塩酸、硫酸、クエン酸、蓚酸等が用いられる。酸化剤溶液としては、オゾン水、過酸化水素水、硝酸水、次亜塩素酸ナトリウム水等のいずれかが用いられる。これらが組み合わせられてもよい。基板の周縁部には、銅等が成膜し、あるいは付着している。このような銅等が、酸化剤溶液で急速に酸化され、そして、基板の中央部から供給される酸溶液によってエッチングされ、溶融し、除去される。酸溶液は、基板中央から表面全体に広がる。
【0204】
ベベルエッチングの後、基板は、第2搬送ロボット308により洗浄装置314に送られる。洗浄装置314では、基板の表面が薬液または純水等の洗浄水で洗浄され、さらにスピン乾燥処理が行われる。
【0205】
そして、基板はさらに熱処理装置316に移される。熱処理装置316での熱処理を経た後、基板は、第2搬送ロボット308により基板ステージ306に移される。さらに、基板は、第1搬送ロボット304により基板ロード・アンロード部302に戻される。
【0206】
図22の構成では、洗浄装置314に基板縁部測定装置が好適に備えられる。洗浄装置314では、回転するウエハ上に洗浄液が供給される。この状態でウエハ縁部を測定するように、基板縁部測定装置が備えられる。縁部測定により、エッチングの取残しがないかどうかが検査される。
【0207】
また、縁部測定にてエッチングの残りが検出された場合、ウエハはベベルエッチング装置312に搬送されて、エッチング工程に戻されてよい。また、他の工程でエッチングの残りが除去されてもよい。このような洗浄工程での測定結果に応じた再処理等は、上述の他の実施の形態でも行われてよい。
【0208】
「その他の形態」
図18では、縁部研磨用の基板処理装置200において、基板縁部研磨装置としてのベベル研磨モジュール212に基板縁部測定装置が設けられた。これに対して、基板縁部測定装置は、ノッチ研磨モジュール210に設けられてもよい。また、基板縁部測定装置は、洗浄装置としての1次洗浄モジュール214または2次洗浄モジュール216に設けられてもよい。この場合、研磨が一旦終了され、洗浄工程で縁部が測定される。そして、再研磨が必要であればウエハが研磨工程に戻される。
【0209】
また、図22では、ベベルエッチング用の基板処理装置300において、洗浄装置314に基板縁部測定装置が設けられた。これに対して、基板縁部測定装置は、ベベルエッチング装置312に設けられてもよい。この場合、エッチング中に縁部が測定される。そして、水の代わりにエッチング用の薬液がウエハに供給された状態で、縁部が測定される。さらに、前述の実施の形態で説明したように、縁部の薬液を吹き飛ばした状態で、縁部が測定されてもよい。
【0210】
これらの例に見られるように、縁部測定装置は、エッチングまたは研磨などの除去処理装置に設けられ、除去処理中に縁部を測定して、終点等を検知してもよい。また、縁部測定装置は、上記のような除去処理装置と共に設けられる洗浄装置に設けられ、除去処理を中止した状態で測定を行ってもよい。
【0211】
その他にも、基板縁部測定装置は、他の装置に備えられてもよい。また、基板縁部測定装置は、単独で設けられてもよい。この場合には、測定用に基板が保持および回転され、測定用に液体(水等)がウエハへ供給されることになる。
【0212】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。
「実験例」
【0213】
図23および図24は、本発明の測定装置を用いた実験データを示している。図23および図24の実験データは、図3の実施の形態に示されるレーザ光を使った測定の結果である。図23は非研磨品の測定データであり、図24は研磨品の測定データである。
【0214】
図23および図24において、縦軸は、反射光を直流電圧で表したときの電圧である。1目盛りは、2ボルトに相当する。横軸は、ウエハの円周方向の位置である。図は、ウエハがノッチ部分からスタートして、4回転し、ノッチ部分が戻ってきたときのデータを示している。すなわち、横軸方向の全域は、ウエハの4周に相当している。横軸方向の2.5目盛りが、ウエハの1周に相当する。
【0215】
図23は、上述のように、非研磨品の測定データである。測定では、パルス状のレーザ光が光ファイバから投光され、そして、光ファイバで反射光が受光された。
【0216】
図23では、広い範囲で反射光量が小さくなっている。これは、ウエハの縁部が窒化シリコン(SiN)の膜で覆われていることを示している。
【0217】
また、図23では、縦長のスパイク信号が見られており、したがって、反射光量の強度が局部的に大きい箇所がある。この箇所は、ウエハが局部的に研磨された部分を示している。すなわち、この箇所では、実験のためにウエハ縁部が研磨され、窒化シリコンに傷がつけられており、シリコン(Si)が部分的に露出している。シリコンが露出したために反射信号の強度が大きくなっている。
【0218】
図24は、研磨品の測定データである。図24では、広い範囲で反射光量が大きくなっている。これは、ウエハ縁部の窒化シリコンの膜が研磨で除去され、シリコン(Si)が露出していることを示している。図23で傷があった部分を見ると、傷の周囲の窒化シリコンが除去され、その結果、傷がなくなっている。
【0219】
図23および図24に示されるように、研磨前後の反射光を比較することで、研磨終点(研磨の終了)を検知できる。既に説明したように、研磨終点の判定には、相対光量の変化が使われてもよく、絶対値の変化が用いられてもよく、微分値の変化が用いられてもよい。
【0220】
以上に現時点で考えられる本発明の好適な実施の形態を説明したが、本実施の形態に対して多様な変形が可能なことが理解され、そして、本発明の真実の精神と範囲内にあるそのようなすべての変形を添付の請求の範囲が含むことが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0221】
本発明は、基板の縁部を測定することができ、基板製造設備で有用に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0222】
【図1】図1は、本実施の形態の基板縁部研磨装置を示す図である。
【図1A】図1Aは、ストレート型のウエハにおける縁部の断面図である。
【図1B】図1Bは、ラウンド型のウエハにおける縁部の断面図である。
【図2】図2は、研磨対象の傷の例を示す図である。
【図3】図3は、基板縁部測定装置の投受光部を示す図である。
【図4】図4は、別の実施の形態における基板縁部測定装置を示す図である。
【図5】図5は、別の実施の形態における基板縁部測定装置を示す図である。
【図6】図6は、別の実施の形態における基板縁部測定装置を示す図である。
【図7】図7は、別の実施の形態における基板縁部測定装置を示す図である。
【図8】図8は、別の実施の形態における基板縁部測定装置を示す図である。
【図9】図9は、別の実施の形態における基板縁部測定装置を示す図である。
【図10】図10は、別の実施の形態における基板縁部測定装置を示す図である。
【図11】図11は、反射光の実効値振幅に基づく測定処理を示す図である。
【図11A】図11Aは、反射光の実効値振幅に基づく測定処理を示す図である。
【図12】図12は、反射光の周波数解析結果に基づく測定処理を示す図である。
【図13】図13は、レーザ光の変調を行う場合の構成を示す図である。
【図14】図14は、研磨条件の制御処理を示す図である。
【図15】図15は、複数種類の送信波を利用する場合の構成を示す図である。
【図16】図16は、ゾーン処理で設定される測定ゾーンを示す図である。
【図17】図17は、反射光のパターンの変化を示す図である。
【図18】図18は、基板縁部研磨装置が備えられる基板処理装置を示す図である。
【図19】図19は、洗浄装置が備えられるめっき用の基板処理装置を示す図である。
【図20】図20は、洗浄装置を示す図である。
【図21】図21は、洗浄装置が備えられるCMP用の基板処理装置を示す図である。
【図22】図22は、洗浄装置が備えられるめっき用の基板処理装置を示す図である。
【図23】図23は、非研磨品の測定データを示す図である。
【図24】図24は、研磨品の測定データを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の縁部の状態を測定する基板縁部測定装置であって、
液体が前記基板に供給されて前記縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受ける送受波部と、
前記反射波の信号を処理して前記縁部の状態を判断する受信波処理部と、
を備えたことを特徴とする基板縁部測定装置。
【請求項2】
前記縁部を取り囲み、前記液体を前記縁部に送り込む流路を形成する流路形成部を備えており、前記送受波部の送受波部位が前記流路に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項3】
前記流路の壁面が、前記反射波をさらに反射して前記反射波を集める形状の集波面を有し、前記送受波部は、前記反射波が集められる位置に前記反射波の受波部位を有することを特徴とする請求項2に記載の基板縁部測定装置。
【請求項4】
前記縁部から前記液体を吹き飛ばす液体除去部を備え、前記液体除去部により前記液体が吹き飛ばされる場所に前記送受波部が前記送信波を送ることを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項5】
前記縁部を部分的に包み込み、前記縁部への液体の到達を阻止する液体阻止部を備え、前記液体阻止部を介して送受波を行うように前記送受波部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項6】
前記反射波処理部は、前記基板の変化に伴う前記反射波の相対変化に基づいて前記縁部の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項7】
前記反射波処理部は、前記基板の変化に伴う前記反射波の時間微分に基づいて前記縁部の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項8】
前記反射波処理部は、前記反射波の周波数解析を行って前記縁部の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項9】
前記反射波処理部は、前記縁部の処理の終点検知を行うことを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項10】
前記反射波処理部は、前記縁部の処理過程の状態をモニターすることを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項11】
前記反射波処理部は、前記縁部の欠陥を検知することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項12】
前記送受波部は、レーザ光、白色光、マイクロ波、超音波、交番磁界信号の少なくとも一つを送信波として前記縁部に送ることを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項13】
複数の前記送受波部が、前記基板の縁部に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項14】
測定対象である基板縁部が、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、ポリシリコン膜、Ta、TaN、TiN、Ti等のバリヤ膜、または、Cu、W等の金属膜を有することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項15】
前記反射波処理部は、前記反射波の信号から雑音成分を除去することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項16】
前記送受波部は、レーザ光を投射して反射光を受光するように構成されており、ビームサイズが検出目標の回転中のウエハ移動量に応じて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項17】
前記送受波部により前記送信波として投射されるレーザ光を変調する変調部と、
前記送受波部により前記反射波として受光される反射光を前記変調部による変調に同期して検波する同期検波部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項18】
前記送受波部は、複数種類の送信波を送れるように構成されており、
前記受信波処理部は、前記送受波部が受ける複数種類の反射波を処理可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項19】
前記基板の前記縁部の材質に応じて測定に用いる送信波の種類を変更するように構成されていることを特徴とする請求項18に記載の基板縁部測定装置。
【請求項20】
前記反射波処理部は、前記基板の外周に沿って設けられた測定ゾーンの反射波から得られるゾーンデータに基づいて前記縁部の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項21】
前記反射波処理部は、複数の前記測定ゾーンから得られるゾーンデータを比較して前記縁部の状態を判断することを特徴とする請求項20に記載の基板縁部測定装置。
【請求項22】
前記反射波処理部は、前記基板の処理に伴う前記縁部の表面の材質変化に応じた反射量の変化に基づいて前記縁部の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項23】
前記反射波処理部は、前記基板の処理に伴う前記縁部の表面の材質変化に応じた前記反射波のパターン変化に基づいて前記縁部の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項24】
基板の縁部を研磨する基板縁部研磨装置に備えられ、研磨中の基板の縁部の研磨状態を測定することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項25】
基板の縁部を研磨する基板縁部研磨装置を備えた基板処理装置に備えられ、研磨中の基板の縁部の研磨状態を測定することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項26】
基板洗浄装置に備えられ、洗浄中の基板の縁部の研磨状態を測定することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項27】
基板洗浄装置を備えた基板処理装置に備えられ、洗浄中の基板の縁部の研磨状態を測定することを特徴とする請求項1に記載の基板縁部測定装置。
【請求項28】
基板を保持する基板保持部と、
前記基板を回転させる基板回転部と、
前記基板に液体を供給する液体供給部と、
前記液体が供給された状態で前記基板の縁部を研磨する縁部研磨部と、
前記液体が前記縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受ける送受波部と、
前記反射波の信号を処理して前記縁部の研磨状態を判断する受信波処理部と、
前記受信波処理部により得られた前記縁部の研磨状態に応じて前記縁部の研磨を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする基板縁部研磨装置。
【請求項29】
前記縁部を取り囲み、前記液体を前記縁部に送り込む流路を形成する流路形成部を備えており、前記送受波部の送受波部位が前記流路に配置されていることを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項30】
前記流路の壁面が、前記反射波をさらに反射して前記反射波を集める形状の集波面を有し、前記送受波部は、前記反射波が集められる位置に前記反射波の受波部位を有することを特徴とする請求項29に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項31】
前記縁部から前記液体を吹き飛ばす液体除去部を備え、前記液体除去部により前記液体が吹き飛ばされる場所に前記送受波部が前記送信波を送ることを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項32】
前記縁部を部分的に包み込み、前記縁部への液体の到達を阻止する液体阻止部を備え、前記液体阻止部を介して送受波を行うように前記送受波部が設けられていることを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項33】
前記受信波処理部は、縁部の研磨終点を検知する処理を行い、
前記制御部は、前記縁部の研磨終点が検知されたときに前記縁部の研磨を終了する処理を行うことを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項34】
前記受信波処理部は、縁部の研磨過程の状態をモニターし、
前記制御部は、前記縁部の研磨過程の状態に応じて前記縁部の研磨条件を制御することを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項35】
前記制御部は、前記基板の回転速度、研磨工具の前記縁部への押圧力、研磨テープの送り移動量、研磨テープの送り移動速度、研磨ヘッドの基板に対する相対移動量、研磨ヘッドの基板に対する相対移動速度および前記液体の供給量の少なくとも一つを制御することを特徴とする請求項34に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項36】
前記受信波処理部は、縁部の欠陥の有無を判断することを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項37】
研磨時間が所定の最大研磨時間に達しても研磨終点が検知されないときに研磨異常が発生したと判定する異常判定部を備え、
前記制御部は、前記異常判定部により異常が検出されたときに研磨を停止させることを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項38】
反射波の波形が異常であるときに研磨異常が発生したと判定する異常判定部を備え、
前記制御部は、前記異常判定部により異常が検出されたときに研磨を停止させることを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項39】
前記反射波から得られる研磨レートが所定の工具交換しきいレートまで低下したときに、研磨工具の交換時期の到来を報知する工具交換報知部を備えたことを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項40】
前記送受波部は、複数種類の送信波を送れるように構成されており、
前記反射波から求められる研磨過程の進行状況に応じて、測定に用いる前記送信波の種類が変更されることを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項41】
前記送受波部は、複数種類の送信波を送れるように構成されており、
前記制御部による研磨条件の変更と連動して、測定に用いる前記送信波の種類が変更されることを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項42】
前記制御部は、前記研磨状態と縁部研磨工具の制御パラメータとに基づいて前記基板の研磨を制御することを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項43】
前記制御部は、基板の研磨過程の進行に応じて前記制御パラメータに基づく制御と前記研磨状態に基づく制御とを切り替えることを特徴とする請求項42に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項44】
前記受信波処理部は、研磨初期段階の反射波に応じて設定された研磨終点目標と前記送受波部から得られる反射波を比較して研磨終点を検知することを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項45】
研磨過程で所定の基準研磨状態が得られるまでの基準時間に基づき、研磨終点に到達する研磨終点時間を設定する終点時間設定部を備えたことを特徴とする請求項28に記載の基板縁部研磨装置。
【請求項46】
基板を保持する基板保持部と、
前記基板を回転させる基板回転部と、
前記基板に液体を供給する液体供給部と、
前記液体が前記基板の縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受ける送受波部と、
前記反射波の信号を処理して前記縁部の研磨状態を判断する受信波処理部と、
を備えたことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項47】
基板の縁部の状態を測定する基板縁部測定方法であって、
液体が前記基板に供給されて前記縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受け、前記反射波の信号を処理して前記縁部の状態を判断することを特徴とする基板縁部測定方法。
【請求項48】
基板を保持し、前記基板を回転させ、前記基板に液体を供給し、前記液体が供給された状態で前記基板の縁部を研磨し、前記液体が前記縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受け、前記反射波の信号を処理して前記縁部の研磨状態を判断し、前記縁部の研磨状態に応じて前記縁部の研磨を制御することを特徴とする基板縁部研磨方法。
【請求項49】
基板を保持し、前記基板を回転させ、前記基板に液体を供給し、前記液体が前記基板の縁部に流れる状態で送信波を前記縁部に送り、前記縁部からの反射波を受け、前記反射波の信号を処理して前記縁部の研磨状態を判断することを特徴とする基板洗浄方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2008−500907(P2008−500907A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539168(P2006−539168)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【国際出願番号】PCT/JP2005/009821
【国際公開番号】WO2005/115689
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】