説明

把持搬送装置

【課題】接触センサ自体が、周囲の物体との干渉要因になり難いようにするとともに、複数の把持爪で対象物を把持する時に、当該対象物もしくはこれの周囲にある物体と当該把持爪との接触を検出できるようにする。
【解決手段】対象物を把持する複数の把持爪3と、把持爪3を動作可能に保持して移動する保持移動体5と、物体との接触を検出する接触センサ7とを備える。接触センサ7は、その一部が把持爪3の内部に配置されるように把持爪3の先端部に組み込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を把持して搬送する把持搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
把持搬送装置(例えば、ロボットハンド)は、対象物を把持する複数の把持爪と、複数の把持爪を動作可能に保持して3次元的に移動する保持移動体(例えば、ロボットアーム)とを備える。対象物を把持する時に、複数の把持爪が対象物を把持できる位置まで保持移動体を移動させる。この位置で、例えば、複数の把持爪は、対象物の内面に押し付けられる方向に動作させられて対象物を把持し、または、対象物を挟み込む方向に動作させられて対象物を把持する。
【0003】
従来において、保持移動体または把持爪と周囲の物体との接触を検出している。そのために、接触センサを保持移動体に取り付けていた。
【0004】
保持移動体が、障害物と接触したことを接触センサが検出すると、接触センサから接触信号が出力される。この接触信号に基づいて、制御装置が、保持移動体の移動を停止させる制御を行う。
【0005】
本願の先行技術文献として、下記の特許文献1、2がある。特許文献1では、検出部材が障害物に当接すると、ロボットハンドを停止させて把持爪と障害物との接触を防止している。特許文献2では、ロボットハンドにおいて、搬送物(基板)が積載される支持部材の先端に、接触センサを設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平06−083982号公報
【特許文献2】特開2003−60004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、接触センサを保持移動体や把持爪に設けると、接触センサ自体が保持移動体や把持爪の外面から突出した凸部となる。従って、接触センサ自体が周囲の物体との干渉要因になりやすい。そのため、接触センサ自体が周囲との干渉要因にならないようにすることが望まれる。
【0008】
また、対象物を把持できる位置へ複数の把持爪を移動させる時に、当該把持爪が、当該対象物またはこれの周囲にある物体と接触しやすい。例えば、複数の対象物が積まれており、これらの対象物のうち1つの対象物を複数の把持爪で把持する場合、当該把持爪が、当該対象物またはこれの周囲にある他の対象物と接触しやすい。そのため、このような接触を防止できるようにすることが望まれる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、接触センサ自体が、周囲の物体との干渉要因になり難いようにするとともに、把持すべき対象物もしくはこれの周囲にある物体と把持爪との接触を検出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明によると、対象物を把持して搬送する把持搬送装置であって、
対象物の内部空間に挿入された状態で互いに離間して該内部空間の内面に押し付けられることで対象物を把持し、または、対象物を挟み込むことで対象物を把持する複数の把持爪と、
複数の把持爪を動作可能に保持して移動する保持移動体と、
物体との接触を検出する接触センサと、を備え、
該接触センサは、その一部が把持爪の内部に配置されるように前記把持爪の先端部に組み込まれている、ことを特徴とする把持搬送装置が提供される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によると、各把持爪は、保持移動体に保持されている部分から先端まで伸長しており、
前記接触センサは、把持爪の先端から把持爪の伸長方向に突出している突出部を有する。
【0012】
好ましくは、前記伸長方向と直交する平面による前記突出部の断面積は、前記伸長方向に移行するにつれて小さくなっている。
【0013】
また、本発明の好ましい実施形態によると、前記把持爪の先端部には、前記伸長方向に延びて、前記伸長方向の先端で開口する挿入孔が形成されており、該挿入孔の内周面には、雌ネジが切られており、
接触センサは、前記挿入孔に螺合する雄ネジ部を有し、前記突出部は、把持爪の外部に位置するように前記雄ネジ部に結合されている。
【0014】
好ましくは、前記突出部は、前記雄ネジ部における前記伸長方向の先端側部分を構成する雄ネジ構成部と、該雄ネジ構成部に螺合する螺合部とを有し、
前記伸長方向と直交する平面による前記螺合部の断面積は、前記伸長方向に移行するにつれて小さくなっている。
【発明の効果】
【0015】
上述した本発明によると、接触センサの一部が把持爪の内部に配置されているので、接触センサ自体が、周囲との干渉要因になり難い。
また、対象物を把持できる位置に複数の把持爪を移動させる時に当該対象物やこれの周囲にある物体に最も干渉しやすい把持爪の先端部に接触センサを組み込んでいる。従って、対象物を把持する時に当該対象物もしくはこれの周囲にある物体と把持爪との接触を最も効果的に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態による把持搬送装置の構成図である。
【図2】(A)は、図1の部分拡大図であり、(B)は、(A)の部分拡大図であり、(C)は、(B)の分解図であり、(D)は、(C)のD−D矢視図である。
【図3】テーパ形状を有する突出部の機能を説明するための図である。
【図4】対象物を挟みこんで把持する場合において、テーパ形状を有する突出部の機能を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態による把持搬送装置10の構成図である。把持搬送装置10は、把持爪3、保持移動体5、接触センサ7、駆動機構9、および制御装置11を備える。
【0019】
複数の把持爪3は、この例では、対象物1の内部空間1aに挿入された状態で、互いに離間して内部空間1aを区画する内面1bに押し付けられることで対象物1を把持する。図1の例では、2つの把持爪3が保持移動体5に設けられ、対象物1は、円筒形状を有する。また、図1では、複数の対象物1が、上面が開口したボックス4内に積まれている。各把持爪3は、保持移動体5に保持されている部分から先端まで伸長している。すなわち、各把持爪3は、後述する図2(A)のように、保持移動体5に動作可能に保持されている被保持部13と、該被保持部13から該把持爪3の先端まで伸長している伸長部15と、を有する。
【0020】
保持移動体5は、複数の把持爪3を動作可能に保持して移動する。すなわち、保持移動体5は、複数の把持爪3が対象物1を把持できる位置(当該対象物1の内部空間1a内)へ移動させられ、複数の把持爪3が当該対象物1を把持した状態で、搬送先へ当該対象物1を搬送するように移動させられる。
【0021】
保持移動体5には、図示しないアクチュエータとガイドレールが設けられる。当該アクチュエータは、複数の把持爪3が互いに近接し離間する方向にこれらの把持爪3を往復動させる。ガイドレールは、前記アクチュエータによる複数の把持爪3の往復運動を案内する。なお、前記アクチュエータは、伸縮動作により把持爪3を往復動方向に駆動する空圧または油圧によるシリンダ装置であってよい。代わりに、前記アクチュエータは、サーボモータと、該サーボモータのトルクを往復動方向の駆動力に変換する変換機構(例えばラックとピニオン)とにより構成されてもよい。
【0022】
接触センサ7は、物体との接触を検出する。接触センサ7は、接触センサ7の一部が把持爪3の内部に配置されるように把持爪3の先端部に組み込まれている。
【0023】
接触センサ7の構成を図2に基づいて説明する。図2(A)は、図1の部分拡大図である。図2(B)は、図2(A)における各把持爪3の部分拡大図である。図2(A)の2つの把持爪3のいずれも図2(B)の構成を有する。図2(C)は、図2(B)に示す把持爪の分解図である。図2(D)は、図2(C)のD−D矢視図である。
【0024】
接触センサ7は、把持爪3の先端から把持爪3の伸長方向に突出している突出部17を有する。突出部17は、好ましくは、前記伸長方向に移行するにつれ先細りするテーパ形状を有する。すなわち、前記伸長方向と直交する平面による突出部17の断面積は、前記伸長方向に移行するにつれて小さくなっている。なお、本発明によると、突出部17は、前記伸長方向に移行するにつれ先細りするテーパ形状を有していなくてもよい。
【0025】
接触センサ7は、把持爪3の伸長部15に螺合している。そのために、把持爪3の伸長部15における先端部には、前記伸長方向に延びて、前記伸長方向の先端で開口する挿入孔19が形成されており、該挿入孔19の内周面19aには、雌ネジが切られている。一方、接触センサ7は、挿入孔19に螺合する雄ネジ部21を有する。突出部17は、把持爪3の外部に位置するように雄ネジ部21に結合されている。
【0026】
突出部17は、雄ネジ構成部17aと螺合部17bとを有する。雄ネジ構成部17aは、雄ネジ部21の一部であって雄ネジが形成されている部分である。すなわち、雄ネジ構成部17aは、雄ネジ部21における前記伸長方向の先端側部分を構成する。螺合部17bは、雄ネジ構成部17aに螺合する。螺合部17bには、貫通孔18が形成されており、この貫通孔18の内周面18aに、雄ネジ部21(雄ネジ構成部17a)が螺合するようになっている。
【0027】
螺合部17bは、好ましくは、上述のテーパ形状を有する。すなわち、前記伸長方向と直交する平面による螺合部17bの断面積は、前記伸長方向に移行するにつれて小さくなっている。好ましくは、螺合部17bは、テーパ面23と、平行面25とを有する。テーパ面23と平行面25は、この例では平面である。なお、本発明によると、螺合部17bは、上述のテーパ形状を有していなくてもよい。
【0028】
テーパ面23は、螺合部17bの中心軸と直交する方向に関して螺合部17bにおける両側に位置する。各テーパ面23は、螺合部17bの中心軸と平行な仮想平面から傾いている面である。
【0029】
平行面25は、把持爪3の動作方向と雄ネジ部21の中心軸に直交する方向に関して螺合部17bにおける両側に位置する。また、2つの平行面25は、雄ネジ部21の中心軸と平行であって、かつ、互いに反対方向を向き互いに平行である。これらの平行面25にレンチを係合させ、このレンチを回転させることで、螺合部17bを雄ネジ部21(雄ネジ構成部17a)に螺合させることができる。
【0030】
螺合部17bを雄ネジ部21に螺合させ、さらに、螺合部17bを回転させて、螺合部17bが、把持爪3の先端面3a(図2(C)を参照)に当接した状態(図2(B)の状態)にしておく。この状態では、把持爪3が保持移動体5に対し上述のように往復動する動作方向両側に2つのテーパ面23がそれぞれ位置するようにする。これにより、図3を参照して後述するテーパ面23の案内機能を発揮することができる。
【0031】
突出部17(雄ネジ構成部17a)における前記伸長方向の先端に、接触検出部27が設けられている。この接触検出部27が、物体(対象物1など)と接触すると、物体と接触した旨の接触信号を出力するように接触センサ7が構成されている。例えば、当該接触信号を制御装置11に出力するための信号線が、接触検出部27から雄ネジ部21の内部を通過し、さらに、把持爪3および保持移動体5の内部を通過するようになっていてよい。
【0032】
接触検出部27は、例えば、前記伸長方向に物体と接触することで前記伸長方向と反対方向に変位し、これにより閉じるスイッチとして構成されていてよい。この場合、スイッチが閉じることでスイッチに電流が流れる回路が前記信号線として設けられていてよい。この場合、当該電流または当該電流による電圧が上述の接触信号であってよい。
【0033】
駆動機構9は、保持移動体5を移動させ、保持移動体5の姿勢を変化させる。この駆動機構9は、例えば、図1に示す多関節ロボットのアーム機構を有する。この場合、アーム機構は、図1の例では、第1〜第4のアーム29a〜29d、および第1〜第3の関節31a〜31cを備える。第1のアーム29aには、保持移動体5が結合されている。また、第1のアーム29aは、第1の関節31aを介して第2のアーム29bに連結されているとともに、第1の関節31aの回転軸C1(図1の紙面と垂直な軸)周りに第2のアーム29bに対して回転可能である。第2のアーム29bは、第2の関節31bを介して第3のアーム29cに連結されているとともに、第2の関節31bの回転軸C2(図1の紙面と垂直な軸)周りに第3のアーム29cに対して回転可能である。第3のアーム29cは、第3の関節31cを介して第4のアーム29dに連結されているとともに、第3の関節31cの回転軸C3(図1の紙面と垂直な軸)周りに第4のアーム29dに対して回転可能である。第4のアーム29dは、自身の中心軸である回転軸C4周りに回転可能に設置台33に支持されている。
【0034】
駆動機構9は、第1〜第4のアーム29a〜29dを、対応する回転軸C1〜C4周りに回転駆動する回転用アクチュエータ(図示せず)を有する。これら回転駆動が、制御装置11によって制御されることで、上述のように保持移動体5を移動させたり、保持移動体5の姿勢を変更することができる。
【0035】
制御装置11は、把持しようとする対象物1の認識データに基づいて、前記回転用アクチュエータを制御することで、保持移動体5が移動させる。これにより、複数の把持爪3が、対象物1を把持できる内部空間1aの中に位置させられる。認識データは、対象物1の位置および姿勢に関するデータである。認識データは、例えば、CCDカメラなどの撮像装置またはレーザ距離計により取得される。撮像装置を用いる場合には、撮像装置により、対象物1を含む範囲を撮像して画像データを取得し、当該画像データに基づいて、対象物1の位置および姿勢に関する認識データを取得する。レーザ距離計を用いる場合には、レーザ距離計により、対象物1の位置および姿勢を計測して、対象物1の位置および姿勢に関する認識データを取得する。
【0036】
制御装置11は、接触センサ7から前記接触信号を受けることで、保持移動体5の移動を停止させる制御を行う。具体的には、制御装置11は、前記接触信号を受けると、駆動機構9(例えば、前記回転用アクチュエータ)の動作を停止させる制御を行う。これにより、駆動機構9の動作が停止し、その結果、保持移動体5も停止する。
【0037】
上述した実施形態の把持搬送装置10により、以下の効果(A)〜(F)が得られる。
【0038】
(A)接触センサ7の一部が把持爪3の内部に配置されているので、接触センサ7自体が、周囲との干渉要因になり難い。
【0039】
(B)対象物1を把持できる位置に複数の把持爪3を移動させる時に、当該対象物1やこれに近接する他の対象物1に最も干渉しやすい把持爪3の先端部に接触センサ7を組み込んでいる。従って、把持すべき対象物1もしくはこれに近接する他の対象物1と把持爪3との接触を最も効果的に検出することができる。
【0040】
(C)対象物1を把持できる位置に把持爪3を移動させる時に、接触センサ7が接触信号を出力すると制御装置11が保持移動体5の移動を停止させる。この場合、把持爪3と対象物1との接触により対象物1の位置がずれたとみなして、再び認識データを取得し、この認識データに基づいて、制御装置11が、再び、保持移動体5を移動させることで、対象物1を把持できる位置に把持爪3を移動させることができる。このようなリトライ動作により、対象物1を把持して搬送する装置の信頼性が向上する。
【0041】
(D)雄ネジ部21が挿入孔19に螺合するので、雄ネジ部21の回転により、挿入孔19に対する雄ネジ部21の挿入深さを調節することができる。これにより、前記伸長方向への突出部17(雄ネジ構成部17a)の突出長さを調節することができる。
【0042】
(E)この調節後に、螺合部17bにより、雄ネジ部21が回転しないようにすることができる。すなわち、螺合部17bは、次のように回転防止機能を有する。螺合部17bを雄ネジ部21に螺合させて、螺合部17bの回転により、螺合部17bを把持爪3の先端面3a(図2(C)を参照)に当接させる。これにより、雄ネジ部21が挿入孔19に対して回転しないようにすることができる。その結果、前記伸長方向への突出部17の突出長さを固定することができる。
【0043】
(F)螺合部17bは、好ましくは、上述の回転防止機能に加えて、次の案内機能をも有する。図3(A)のように、保持移動体5を矢印D1方向に移動させることで、把持爪3を、その先端から対象物1の内部空間1aに挿入する時に、螺合部17bのテーパ面23が、内部空間1aの開口を区画する対象物1の内周縁と接触する場合がある。この時、保持移動体5を矢印D1方向にさらに移動させると、テーパ面23により、図3(A)の矢印D2方向に対象物1がずれ、これにより、図3(B)のように、対象物1の内部空間1a内に複数の把持爪3を挿入することができる。その後、図3(B)の矢印D3方向に、複数の(この例では、2つの)把持爪3を離間させることで、図3(C)のように、複数の把持爪3は、対象物1の内面1bに押し付けられ、これにより対象物1を把持する。
【0044】
上述した把持搬送装置10の複数の把持爪3は、対象物1を挟み込むことで対象物を把持してもよい。この場合、テーパ面23は、次のように、対象物1の位置を調節する案内機能を有し、他の点は、上述と同じである。
図4(A)のように、保持移動体5を矢印D1方向に移動させることで、複数の把持爪3(この例では2つの把持爪3)を、その先端から対象物1の両側へ移動させる時に、螺合部17bのテーパ面23が、対象物1の縁部と接触する場合がある。この時、保持移動体5を矢印D1方向にさらに移動させると、テーパ面23により、図4(A)の矢印D2方向に対象物1がずれ、これにより、図4(B)のように、複数の(この例では、2つの)把持爪3をそれぞれ対象物の両側に位置させることができる。その後、図4(B)の矢印D3方向に、複数の把持爪3を近接させることで、図4(C)のように、複数の把持爪3は、対象物1を挟み込み、これにより対象物1を把持する。
【0045】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0046】
1 対象物、1a 内部空間、1b 内面、3 把持爪、5 保持移動体、7 接触センサ、9 駆動機構、10 把持搬送装置、11 制御装置、13 被保持部、15 伸長部、17 突出部、17a 雄ネジ構成部、17b 螺合部、18 貫通孔、18a 内周面、19 挿入孔、21 雄ネジ部、23 テーパ面、25 平行面、27 接触検出部、29a〜29d 第1〜第4のアーム、31a〜31c 第1〜第3の関節、33 設置台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を把持して搬送する把持搬送装置であって、
対象物の内部空間に挿入された状態で互いに離間して該内部空間の内面に押し付けられることで対象物を把持し、または、対象物を挟み込むことで対象物を把持する複数の把持爪と、
複数の把持爪を動作可能に保持して移動する保持移動体と、
物体との接触を検出する接触センサと、を備え、
該接触センサは、その一部が把持爪の内部に配置されるように前記把持爪の先端部に組み込まれている、ことを特徴とする把持搬送装置。
【請求項2】
各把持爪は、保持移動体に保持されている部分から先端まで伸長しており、
前記接触センサは、把持爪の先端から把持爪の伸長方向に突出している突出部を有し、
前記伸長方向と直交する平面による前記突出部の断面積は、前記伸長方向に移行するにつれて小さくなっている、ことを特徴とする請求項1に記載の把持搬送装置。
【請求項3】
各把持爪は、保持移動体に保持されている部分から先端まで伸長しており、
前記接触センサは、把持爪の先端から把持爪の伸長方向に突出している突出部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の把持搬送装置。
【請求項4】
前記把持爪の先端部には、前記伸長方向に延びて、前記伸長方向の先端で開口する挿入孔が形成されており、該挿入孔の内周面には、雌ネジが切られており、
接触センサは、前記挿入孔に螺合する雄ネジ部を有し、前記突出部は、把持爪の外部に位置するように前記雄ネジ部に結合されている、ことを特徴とする請求項2または3に記載の把持搬送装置。
【請求項5】
前記突出部は、前記雄ネジ部における前記伸長方向の先端側部分を構成する雄ネジ構成部と、該雄ネジ構成部に螺合する螺合部とを有し、
前記伸長方向と直交する平面による前記螺合部の断面積は、前記伸長方向に移行するにつれて小さくなっている、ことを特徴とする請求項4に記載の把持搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−24884(P2012−24884A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165629(P2010−165629)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】