説明

排気浄化装置

【課題】酸化触媒へのサルフェートのコーキングを最少にし、大型のバーナ装置に比して少ない燃料の消費で酸化触媒の入口部を必要温度に加熱できるようにする。
【解決手段】パティキュレートフィルタ13の上流に備えた酸化触媒14と、排気ガス9を酸化触媒を経由してフィルタへ導く再生流路22と、酸化触媒を迂回してフィルタへ直接導く通常流路23と、通常時は通常流路を選択しフィルタの再生時及び酸化触媒の脱硫処理時は再生流路を選択するバタフライ弁24とを備え、更に、酸化触媒の入口部に対峙し脱硫処理時に燃料16を燃焼用空気4’と共に噴射して酸化触媒の入口部を加熱する添加ノズル30と、添加ノズルから噴射される燃料に着火する放電端子32とを有するバーナ装置28を備え、バーナ装置と酸化触媒との間に、バーナ火炎28aにより加熱されて排気ガスを均一に加熱する孔開き加熱板36を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンから排出されるパティキュレート(Particulate Matter:粒子状物質)は、炭素質から成る煤と、高沸点炭化水素成分から成るSOF分(Soluble Organic Fraction:可溶性有機成分)とを主成分とし、更に微量のサルフェート(ミスト状硫酸成分)を含んだ組成を成すものであるが、この種のパティキュレートの低減対策としては、排気ガスが流通する排気管の途中に、パティキュレートフィルタを装備することが従来より行われている。
【0003】
この種のパティキュレートフィルタは、コージェライト等のセラミックから成る多孔質のハニカム構造を成し、格子状に区画された各流路の入口が交互に目封じされ、入口が目封じされていない流路については、その出口が目封じされるようになっており、各流路を区画する多孔質薄壁を透過した排気ガスのみが下流側へ排出される一方、排気ガス中のパティキュレートが多孔質薄壁の内側表面に捕集されるようになっている。
【0004】
そして、排気ガス中のパティキュレートは、前記多孔質薄壁の内側表面に捕集されて堆積するので、目詰まりにより排気抵抗が増加しないうちにパティキュレートを適宜に燃焼除去してパティキュレートフィルタの再生を図る必要があるが、通常のディーゼルエンジンの運転状態においては、パティキュレートが自己燃焼するほどの高い排気温度が得られる機会が少ない為、PtやPd等を活性種とする酸化触媒をパティキュレートフィルタに一体的に担持させるようにしている。
【0005】
即ち、このような酸化触媒を担持させたパティキュレートフィルタを採用すれば、捕集されたパティキュレートの酸化反応が促進されて着火温度が低下し、従来より低い排気温度でもパティキュレートを燃焼除去することが可能となるのである。
【0006】
ただし、斯かるパティキュレートフィルタを採用した場合であっても、排気温度の低い運転領域では、パティキュレートの処理量よりも捕集量が上まわってしまうので、このような低い排気温度での運転状態が続くと、パティキュレートフィルタの再生が良好に進まずに該パティキュレートフィルタが過捕集状態に陥る虞れがある。
【0007】
そこで、パティキュレートフィルタの前段にフロースルー型の酸化触媒を付帯装備させ、パティキュレートの堆積量が増加してきた段階で酸化触媒より上流側に燃料を添加してパティキュレートフィルタの強制再生を行うことが考えられている。
【0008】
つまり、このようにすれば、燃料添加で生じた炭化水素が酸化触媒を通過する間に酸化反応し、その反応熱で昇温した排気ガスの流入によって直後のパティキュレートフィルタの床温度が上げられてパティキュレートが燃やし尽くされ、パティキュレートフィルタの再生化が図られることになる。
【0009】
ところが、このようにパティキュレートフィルタの前段に酸化触媒を付帯装備させた場合に、ディーゼルエンジンの排気ガス中に燃料(軽油)中の硫黄分を起源とするSO2ガスが存在していると、このSO2ガスが次式
[化1]
2SO2+O2+2H2O→2H2SO4
によりサルフェート(ミスト状硫酸成分)を生成してしまう懸念があった。
【0010】
この種のサルフェートは、約630℃以上の高温下で再びSO2ガスとなって脱離してしまうものであるが、開発途上国等での高硫黄燃料の使用にあっては、サルフェートの生成量が多すぎて短期間のうちに酸化触媒の入口部の表面が全てサルフェートで覆われるコーキングを招いてしまうので、酸化触媒の機能が発揮できなくなってパティキュレートフィルタの再生を図ることができなくなる虞れがあり、このため、前記酸化触媒の入口部にバーナ装置を設けて該バーナ装置の火炎で排気ガスを大幅に昇温し、この高温となった排気ガスを流入させることで酸化触媒の入口部を加熱してサルフェートをSO2ガスとして脱離させることが検討されている。
【0011】
尚、この種の触媒や排気ガスをバーナ装置を用いて加熱する技術に関連する先行技術文献情報としては下記の特許文献1や特許文献2がある。
【特許文献1】特開平5−86845号公報
【特許文献2】特開平6−167212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、酸化触媒に流入する排気ガスの全てを単にバーナ装置によるバーナ火炎によって例えば約630℃以上の高温に加熱するためには大きな能力のバーナ装置が必要であるためにバーナ装置が大型化してしまう問題があり、又、バーナ火炎のみによる加熱では排気ガス及び酸化触媒の入口部を均一に加熱することが困難である問題があり、更に、前記したように高硫黄燃料の使用にあっては、短期間でサルフェートによって酸化触媒の入口部が覆われてしまうために、頻繁にバーナ装置を作動させて酸化触媒のサルフェートを除去する必要があるため燃料の使用量が増加することになるが、前記したように均一加熱が困難なことと相俟って、多量の燃料が消費されることにより燃費が大幅に悪化してしまう問題がある。
【0013】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、酸化触媒へのサルフェートのコーキングを最少にし、しかも大型のバーナ装置に比して比較的少ない燃料の消費で酸化触媒の入口部を必要温度に効果的に加熱して入口部の脱硫処理を図れるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の排気浄化装置は、パティキュレートフィルタの上流に備えた酸化触媒と、排気ガスを前記酸化触媒を経由してパティキュレートフィルタへ導く再生流路と、排気ガスを酸化触媒を迂回してパティキュレートフィルタへ直接導く通常流路と、通常時は通常流路を選択して排気ガスを流し且つパティキュレートフィルタの再生時及び酸化触媒の脱硫処理時には排気ガスの流れを通常流路から再生流路に切り換える流路切換手段とを備え、更に、前記酸化触媒の入口部に対峙して配置され脱硫処理時に燃料を燃焼用空気と共に噴射して酸化触媒の入口部を脱硫可能温度に加熱する容量を備えた添加ノズルと、該添加ノズルの噴射口近傍に配置され且つ該噴射口から噴射される燃料に着火する着火手段とからなるバーナ装置を備え、前記バーナ装置と前記酸化触媒との間に、バーナ火炎により加熱されて排気ガスを均一に加熱する孔開き加熱板を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
而して、通常時は通常流路を選択して排気ガスをパティキュレートフィルタへ流し、パティキュレートフィルタの再生時のみ再生流路に排気ガスを流し酸化触媒を経由してパティキュレートフィルタへ導くようにしているので、高硫黄燃料を使用するディーゼルエンジンにおいても、酸化触媒に対するサルフェートのコーキングが最少になるように減少される。
【0016】
酸化触媒の脱硫処理時には、再生流路に排気ガスを流すように切り換えた状態で、添加ノズルにより燃料を燃焼用空気と共に噴射して燃焼させるが、このとき、バーナ装置のバーナ火炎によって孔開き加熱板が灼熱化されることにより排気ガスが均一温度に加熱されるので、その結果、酸化触媒の入口部をバーナ装置の比較的少ない燃料によって脱硫可能な約630℃以上に均一に加熱することができ、よって酸化触媒の入口部に貯留したサルフェートはSO2ガスとして脱離され、酸化触媒の入口部は脱硫処理されることになる。
【発明の効果】
【0017】
上記した本発明の排気浄化装置によれば、通常時は通常流路を選択して排気ガスをパティキュレートフィルタへ流し、パティキュレートフィルタの再生時のみ再生流路に排気ガスを流し酸化触媒を経由してパティキュレートフィルタへ導くようにしているので、高硫黄燃料を使用するディーゼルエンジンにおいても、酸化触媒に対するサルフェートのコーキングを最少にすることができる。
【0018】
又、酸化触媒の脱硫処理時には、再生流路に排気ガスを流すように切り換えた状態で、添加ノズルにより燃料を燃焼用空気と共に噴射して燃焼させるが、このとき、バーナ装置のバーナ火炎によって孔開き加熱板が灼熱化されることにより排気ガスが均一温度に加熱され、その結果、酸化触媒の入口部をバーナ装置の比較的少ない燃料の使用によって脱硫可能温度に均一に加熱することができ、よって酸化触媒の入口部に貯留したサルフェートを少ない燃料で脱硫処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1、図2は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図1中における符号1はターボチャージャ2を装備したディーゼルエンジンを示しており、エアクリーナ3から導かれた吸気4が吸気管5を通し前記ターボチャージャ2のコンプレッサ2aへと送られ、該コンプレッサ2aで加圧された吸気4がインタークーラ6へと送られて冷却され、該インタークーラ6から更に吸気マニホールド7へと吸気4が導かれてディーゼルエンジン1の各気筒8(図1では直列6気筒の場合を例示している)に分配されるようになっている。
【0021】
また、前記ディーゼルエンジン1の各気筒8から排出された排気ガス9は、排気マニホールド10を介しターボチャージャ2のタービン2bへと送られ、該タービン2bを駆動した後に排気管11へと送り出されるようにしてあるが、この排気管11の終端部にフィルタケース12が介装されており、該フィルタケース12内における後段側に、パティキュレートフィルタ13が収容されている。このパティキュレートフィルタ13は酸化触媒を一体的に担持して成る触媒再生型であってもよく、酸化触媒が担持されていないものであってもよい。
【0022】
このパティキュレートフィルタ13は、セラミックから成る多孔質のハニカム構造を有し、格子状に区画された各流路の入口が交互に目封じされ、入口が目封じされていない流路については、その出口が目封じされるようになっており、各流路を区画する多孔質薄壁を透過した排気ガス9のみが下流側へ排出されるようにしてある。
【0023】
更に、前記フィルタケース12内におけるパティキュレートフィルタ13の前段には、フロースルー型の酸化触媒14が装備されており、燃料タンク15に貯留された前記ディーゼルエンジン1の燃料或いは灯油からなる燃料16を、ポンプ17、配管18、燃料供給弁19からなる再生燃料供給手段20を介してノズル21から前記排気管11に添加し、添加された燃料16により生じた炭化水素を酸化触媒14で酸化させ、その反応熱で排気ガス9を昇温して直後のパティキュレートフィルタ13の床温度を上げ、ここに捕集されているパティキュレートを燃やし尽くしてパティキュレートフィルタ13の再生化を図り得るようにしてある。
【0024】
また、前記ノズル21による燃料16の添加位置と、前記フィルタケース12との間を接続する排気管11は、図1、図2に示す如く、排気ガス9を酸化触媒14を経由させてパティキュレートフィルタ13へ導く再生流路22と、排気ガス9を酸化触媒14を迂回させてパティキュレートフィルタ13へ直接導く通常流路23とに二股状に分岐され、その分岐箇所には、通常時は通常流路23を選択して実線で示すように排気ガス9を流し且つパティキュレートフィルタ13の再生処理及び酸化触媒14の脱離処理を施す必要が生じた時には排気ガス9の流れを一点鎖線で示すように通常流路23から再生流路22へ切り換えて流すバタフライ弁24が流路切換手段として設けられている。図2中、25は前記通常流路23と再生流路22を仕切るように酸化触媒14の外周に設けたセパレータ、26は環状を有して前記通常流路23の排気ガス9を周方向で均等にパティキュレートフィルタ13へ導くようにした開口を有するフィルタ分散筒を示す。
【0025】
また、前記フィルタケース12の前端内部における酸化触媒14の前側には、環状を有して前記再生流路22の排気ガス9を周方向で均等に酸化触媒14へ導くようにした開口を有する触媒分散筒27が設けてあり、該触媒分散筒27の前側には、前記酸化触媒14の入口部を加熱して該入口部の脱硫処理を図り得るようにしたバーナ装置28が入口チャンバ29を介して装備されている。このバーナ装置28は、燃料と燃焼用空気を噴射する添加ノズル30と、該添加ノズル30の噴射口31近傍に配置され、噴射口31から噴射される燃料を放電によって着火するようにした放電端子32(着火手段)とを備えている。
【0026】
前記添加ノズル30の基端部には、図1に示すように、該コンプレッサ2a出口の圧縮された吸気4を空気ダンパ33aを介し燃焼用空気4’として供給するようにしたエアホース33が接続されていると共に、燃料タンク15の燃料16をポンプ17、配管34からなる脱硫燃料供給手段35を介して供給するようにしてあり、添加ノズル30から燃料16を燃焼用空気4’と共に噴射し得るようにしている。尚、図1では前記再生燃料供給手段20と脱硫燃料供給手段35が同一の燃料タンク15及びポンプ17を共用して燃料16を供給するようにしているが、夫々単独の燃料タンク15及びポンプ17を備えて燃料16を供給するようにしてもよい。又、ここで、燃料タンク15の燃料16としてサルファーフリー燃料を用いることは好ましい。
【0027】
また、前記添加ノズル30と酸化触媒14の入口部との間には、バーナ装置28のバーナ火炎28aにより加熱されて排気ガス9を均一に加熱するようにした孔開き加熱板36を備えている。孔開き加熱板36は耐熱性の高いステンレス鋼等により構成されている。
【0028】
尚、ディーゼルエンジン1の作動、バタフライ弁24(流路切換手段)の切換作動、ポンプ17の作動、燃料供給弁19の作動、空気ダンパ33aの作動等は、図示しないエンジン制御コンピュータ(ECU:Electronic Control Unit)からなる制御装置によって制御されるようになっている。又、図1において、符号37は排気ガス9を排気側から吸気側へ再循環するためのEGRパイプ、38はその再循環される排気ガス9の一部を冷却する水冷式のEGRクーラ、39はEGRバルブ、40は前記フィルタケース12の後端部に備えられた排気取出管、41は前記フィルタケース12、再生流路22及び通常流路23の外面に備えた断熱層を夫々示している。
【0029】
而して、図1、図2の形態では、通常時は通常流路23を選択するようにバタフライ弁24(流路切換手段)を切り換えて排気ガス9を実線で示すようにパティキュレートフィルタ13へ流すようにしている。
【0030】
パティキュレートフィルタ13の再生時には、バタフライ弁24(流路切換手段)を切り換えて再生流路22に一点鎖線で示すように排気ガス9を流し酸化触媒14を経由してパティキュレートフィルタ13へ導くと共に、再生燃料供給手段20により燃料タンク15からの燃料16をノズル21により排気管11へ供給し、この燃料16の添加により炭化水素が酸化触媒14で酸化する反応熱によって排気ガス9を昇温させて直後のパティキュレートフィルタ13の床温度を上げ、ここに捕集されたパティキュレートを燃やし尽くしてパティキュレートフィルタ13を再生させる。
【0031】
パティキュレートフィルタ13の再生は、所定時間毎、或いはパティキュレートフィルタ13の前後の圧力差の増加に基づいて行われるが、前記したように、パティキュレートフィルタ13の再生時にのみ、再生流路22に排気ガス9を流すようにしているので、高硫黄燃料を使用するディーゼルエンジンにおいても、酸化触媒14に対するサルフェートのコーキングは最少にすることができる。尚、パティキュレートフィルタ13の再生時に供給する燃料16にサルファーフリー燃料を用いるようにすると、サルフェートのコーキングの発生を更に減少させることができる。
【0032】
上記によって、酸化触媒14に対するサルフェートのコーキングの発生は減少されることになるが、長期間の運転が行われると、サルフェートのコーキングは徐々に増加してくるため、所定の期間ごとには酸化触媒14を脱硫処理することが必要になる。
【0033】
酸化触媒14の脱硫処理時には、再生流路22に排気ガス9を流すようにバタフライ弁24(流路切換手段)を切り換えた状態で、再生燃料供給手段20により燃料タンク15の燃料16を添加ノズル30に供給する一方、空気ダンパ33aによりコンプレッサ2a出口の吸気4を燃焼用空気4’として添加ノズル30に供給して共に噴射し、その噴射燃料に放電端子32(着火手段)で着火するとバーナ火炎28aによって酸化触媒14の入口部が加熱され、酸化触媒14の入口部に生じたサルフェートを蒸発させることが可能となる。
【0034】
ここで、バーナ装置28の添加ノズル30と酸化触媒14の入口部との間には孔開き加熱板36が備えてあるので、前記バーナ火炎28aによって孔開き加熱板36が灼熱化することにより排気ガス9が均一温度に加熱されるようになり、その結果、酸化触媒14の入口部を脱硫可能な約630℃以上に均一に加熱することができ、よって酸化触媒14の入口部に貯留したサルフェートをSO2ガスとして脱離させ、酸化触媒14の入口部を脱硫処理することができる。このように、孔開き加熱板36を備えたことにより酸化触媒14の入口部を均一に加熱できるため、従来の大型のバーナ装置に比して中型の容量を備えた中型バーナ装置28によって少ない燃料の消費で効果的に酸化触媒14の入口部を脱硫可能な温度に加熱することができ、よって燃費を大幅に向上させることができる。又、前記バーナ装置28は簡単な構成であるため、安価に製造できると共に、耐久性を高めることができる。尚、前記酸化触媒14の脱硫処理時に供給する燃料16にサルファーフリー燃料を用いるようにすると、脱硫時にサルフェートが発生することを防止できる。
【0035】
図3、図4は、本発明の形態の他の例を示したもので、パティキュレートフィルタ13と酸化触媒14を箱形のフィルタケース42内に同心に配置するようにした箱形フィルタの場合を示しており、前記パティキュレートフィルタ13と酸化触媒14の軸線が鉛直になるようにフィルタケース42をフレーム43に固定しており、前記酸化触媒14の前側(上側)にはバーナ装置28が配置され、パティキュレートフィルタ13の下部から導出される排気ガス9を箱形のフィルタケース43内部を通して上部から外部に導く排気取出管44を有している点以外は前記の形態と同様であり、前記形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0036】
尚、本発明の排気浄化装置は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明で対象としている酸化触媒には、高硫黄燃料を使用した場合にSO2ガスを酸化してサルフェートを生成してしまう酸化促進性能を備えた触媒全てが含まれ、この種の酸化促進性能を備えた触媒であれば、NOx吸蔵還元触媒等と呼称されているものであっても同様に適用できること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す全体概略図である。
【図2】図1のバーナ装置を含む要部の詳細を示す断面図である。
【図3】本発明を実施する形態の他の例を示す正面図である。
【図4】図3をIV−IV方向から見た切断平面図である。
【符号の説明】
【0038】
4’ 燃焼用空気(吸気)
9 排気ガス
11 排気管
13 パティキュレートフィルタ
14 酸化触媒
16 燃料
22 再生流路
23 通常流路
24 バタフライ弁(流路切換手段)
28 バーナ装置(中型バーナ装置)
28a バーナ火炎
30 添加ノズル
31 噴射口
32 放電端子(着火手段)
36 孔開き加熱板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パティキュレートフィルタの上流に備えた酸化触媒と、排気ガスを前記酸化触媒を経由してパティキュレートフィルタへ導く再生流路と、排気ガスを酸化触媒を迂回してパティキュレートフィルタへ直接導く通常流路と、通常時は通常流路を選択して排気ガスを流し且つパティキュレートフィルタの再生時及び酸化触媒の脱硫処理時には排気ガスの流れを通常流路から再生流路に切り換える流路切換手段とを備え、更に、前記酸化触媒の入口部に対峙して配置され脱硫処理時に燃料を燃焼用空気と共に噴射して酸化触媒の入口部を脱硫可能温度に加熱する容量を備えた添加ノズルと、該添加ノズルの噴射口近傍に配置され且つ該噴射口から噴射される燃料に着火する着火手段とからなるバーナ装置を備え、前記バーナ装置と前記酸化触媒との間に、バーナ火炎により加熱されて排気ガスを均一に加熱する孔開き加熱板を備えたことを特徴とする排気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−43564(P2010−43564A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206599(P2008−206599)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】