画像コントロールIC及び電子機器
【課題】 3つの色信号処理回路にそれぞれ位相の異なるクロック信号を供給して、位相の異なるクロック信号により、時間軸上で異なるタイミングで発生する個々のEMIノイズの重なり合いをなくして、全体としてEMIノイズのピークを低減した画像処理コントローラICを提供すること。
【解決手段】 一画素の色データを第1〜第3の色信号R,G,Bに分割して処理する画像コントロールICにおいて、基準クロック信号DCLKが入力され、それぞれ位相が異なる第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3を出力するクロック信号生成回路28と、第1の色信号Rを第1のクロック信号φ1により同時に駆動される第1の同期回路を用いて処理する第1の色信号処理回路20と、第2の色信号Bを第2のクロック信号φ2により同時に駆動される第2の同期回路を用いて処理する第2の色信号処理回路22と、第3の色信号Bを第3のクロック信号φ3により同時に駆動される第3の同期回路を用いて処理する第3の色信号処理回路24とを有する。
【解決手段】 一画素の色データを第1〜第3の色信号R,G,Bに分割して処理する画像コントロールICにおいて、基準クロック信号DCLKが入力され、それぞれ位相が異なる第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3を出力するクロック信号生成回路28と、第1の色信号Rを第1のクロック信号φ1により同時に駆動される第1の同期回路を用いて処理する第1の色信号処理回路20と、第2の色信号Bを第2のクロック信号φ2により同時に駆動される第2の同期回路を用いて処理する第2の色信号処理回路22と、第3の色信号Bを第3のクロック信号φ3により同時に駆動される第3の同期回路を用いて処理する第3の色信号処理回路24とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一画素の色データを3つの色信号(RGB、YUV、YCrCbなど)に分割して処理する第1〜第3の色信号処理回路を有する画像コントロールIC及び電子機器に関し、特にEMI(Electro Magnetic Interference)ノイズのピークを低減した画像コントロールIC及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
単位時間あたりのIC内部の消費電流の変化が最大となる時に、EMIノイズはピークに達する。このEMIノイズのピークを低減する方法が提案されている。
【0003】
特許文献1は、表示駆動回路を制御する制御回路の最終段で、複数のデジタル信号を位相の異なるクロック信号によりラッチすることで、複数のデジタル信号を複数の位相で出力している。これにより、制御回路−駆動回路間の信号線に流れる電流に位相差をつけ、信号線からの放射を低減している。
【0004】
引用文献2は、相互にデータの受け渡しが行なわれる2つのフリップフロップ(F/F)群にそれぞれ位相差のあるクロック信号を供給し、消費電流が過渡的に変化するタイミングが、各F/F群にて同時期に集中することを緩和して、EMIノイズのピークを下げている。
【0005】
引用文献3は、位相クロック選択部より、異なる位相のクロックパターンを選択した各回にて輻射強度を観測し、その中で最も少ない輻射強度の時の位相クロックパターンを選択している。
【特許文献1】特開平11−288339号公報
【特許文献2】特開2000−91887号公報
【特許文献3】特開2004−164293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般にデジタル信号を扱うICでは、データ信号線は、クロック信号よりも先にその内容(HかLか)を確定しておき、さらにデータが確実に内部に取り込めるように、タイミング信号を与えた後もしばらくはそのままの状態で保持しておく必要がある。そうでないと、IC内部でHかLかを正しく認識できず、内部状態が不定となってしまうからである。
【0007】
このクロック信号に先だって、データ信号を確定、保持しておかなければならない最小限の時間を「セットアップタイム」といい、逆に、タイミング信号を与えた後もデータ信号を保持しておかなければならない時間を「(入力)ホールドタイム」という。同期回路では、EMI低減対策として上述の通りクロック信号の位相を異ならせた場合でも、ICの全回路にて「セットアップタイム」及び「ホールドタイム」を満たさなければならない。そうでないと、IC内部でデータ信号を正しく処理できないからである。
【0008】
上述した引用文献1は、出力信号線からの輻射防止が目的であり、制御回路内でのEMIのピークノイズの低減は図れない。引用文献2,3は、いずれも一つのICを同期回路として扱っており、ICの「セットアップタイム」及び「ホールドタイム」を満たしている制約下でクロック信号の位相をずらす必要がある。
【0009】
画像信号の場合、ドットクロックの一周期(1sec÷フレームレート÷表示部の全画素数)は、例えばフレームレートを60とし320×240画素とするとほぼ20nsec(n=10−9)であるのに対して(一般に数十nsec)、同期回路内で許されるEMI対策上のクロックの位相差はせいぜい数百psec(p=10−12)である。この制約下では、第1のクロック信号で駆動される第1の同期回路にて発生する第1のEMIノイズが下がりきる前に、第2のクロック信号にて駆動される第2の同期回路で第2のEMIノイズが発生し、各同期回路にて時間軸上でずれて発生する第1,第2のEMIノイズが相互に重なり合ってしまう。よって、引用文献2,3では、同一クロック信号により同時期に処理するものと比べればEMIノイズのピークは下がっても、相互に重なり合う部分のEMIノイズが加算されてノイズピークを下げるのにも限界があった。
【0010】
本発明は、3つの色信号処理回路を非同期回路として扱い、3つの色信号処理回路にそれぞれ位相の異なるクロック信号を供給して、位相の異なるクロック信号により時間軸上で異なるタイミングで発生する個々のEMIノイズの重なり合いをなくして、全体としてEMIノイズのピークを低減した画像処理コントローラIC及びそれを用いた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、一画素の色データを第1〜第3の色信号に分割して処理する画像コントロールICにおいて、基準クロック信号が入力され、それぞれ位相が異なる第1〜第3のクロック信号を出力するクロック信号生成回路と、前記第1の色信号を、前記第1のクロック信号により同時に駆動される第1の同期回路を用いて処理する第1の色信号処理回路と、前記第2の色信号を、前記第2のクロック信号により同時に駆動される第2の同期回路を用いて処理する第2の色信号処理回路と、前記第3の色信号を、前記第3のクロック信号により同時に駆動される第3の同期回路を用いて処理する第3の色信号処理回路とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様によれば、第1〜第3の色信号をそれぞれ独立して処理する第1〜第3の色信号処理回路は、相互間にて色信号の授受はなく、非同期で作動させることができる。従って、第1〜第3の色信号処理回路にそれぞれ入力される第1〜第3のクロック信号間の位相差は、第1〜第3の色信号処理回路の全体でのセットアップ/ホールドタイムを考慮しなくて済む。従って、従来のように位相差を数百psecのオーダーとしなくて良い。この結果、第1〜第3の色信号処理回路にて第1〜第3のクロック信号に同期して発生するEMIノイズは、単位時間あたりの消費電流の変化が最大となる時にピークを時間軸でより大きく分散させることができる。これにより、第1〜第3の色信号処理回路にて各々発生するEMIノイズが重なり合わないため、回路全体のEMIノイズのピークは第1〜第3の色信号処理回路にて各々発生する個々のEMIノイズのピークと等しくなる。よって、回路全体のEMIノイズのピークは、クロック信号に位相差を設けない場合と比べてほぼ1/3に低減できる。
【0013】
本発明の一態様では、前記基準クロック信号に基づいて、画像を出力駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路をさらに有し、前記第1〜第3のクロック信号のいずれか一つを、前記タイミング信号生成回路に入力されるクロック信号の位相と一致させることができる。
【0014】
タイミング信号生成回路は、第1〜第3の色信号処理回路と比べて回路規模は小さく消費電流も格段に少ない。よって、タイミング信号生成回路に入力されるクロックの位相を第1〜第3のクロック信号のいずれか一つと一致させても、EMIノイズのピークはほとんど増大しない。むしろ、クロック信号を共通化することでクロック信号生成回路の回路規模が小さくすることの効果を確保できる。
【0015】
本発明の一態様では、前記第1〜第3の同期回路の各々は、色データを転送する複数のフリップフロップを含み、前記第1の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第1のクロック信号が供給され、前記第2の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第2のクロック信号が供給され、前記第3の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第3のクロック信号を供給することができる。
【0016】
フリップフロップは、クロック信号に同期してデータを保持・出力する機能を有し、第1〜第3の色信号処理回路に多用されている。本発明では、IC全体にあるフリップフロップがほぼ3分割で分配された第1〜第3の色信号処理回路に、それぞれ異なる位相のクロック信号を供給し、ほぼ3分割されたフリップフロップを分配領域毎に同時駆動するので、EMIノイズのピークは位相差を設けないときに比べてほぼ1/3になる。
【0017】
本発明の一態様では、前記第1,第2のクロック信号間の位相差と、前記第2,第3のクロック信号間の位相差と、第1,第3のクロック信号間の位相差とは、それぞれ、10−9secの桁に整数値を有するオーダーに設定することができる。
【0018】
セットアップ/ホールドタイムを考慮した従来例では、位相差が数百p(10−12)secのオーダーであったが、本発明では10−9secと従来例の10倍近くの位相差をつけることができる。よって、第1〜第3の色信号処理回路にて各々発生するEMIノイズが重なり合わず、回路全体のEMIノイズのピークを第1〜第3の色信号処理回路にて各々発生する個々のEMIノイズのピークとすることができる。
【0019】
本発明の一態様では、前記第1,第2のクロック信号の位相差と、前記第2,第3のクロック信号の位相差と、第1,第3のクロック信号間の位相差とは、それぞれ、前記基準クロック信号の一周期をTとしたとき、T/10〜T/3に設定することができる。
【0020】
基準クロックの一周期Tは数十nsecであり、各クロック信号間の位相差をT/10〜T/3とすれば、10−9secの桁に整数値を有するオーダーに設定することができる。なお、位相差=T/3とすると、各色信号処理回路の個々で発生するEMIノイズの発生時期を時間軸上で最も離すことができ、しかも、一つの色信号が1周期遅れとなることがないので、第1〜第3の色信号を色信号処理後に位相合わせする際にも都合がよい。
【0021】
本発明の一態様では、前記第1〜第3の色信号補正回路のいずれかは、色補正回路、所定中間階調レベルに対して一時的に高い階調レベルで駆動するためのオーバードライブ回路、あるいは入力階調ビット数に対して出力階調ビット数を異ならせるフレームレートコントロール回路を含むことができる。これらの各回路は処理上フリップフロップが必要となるからである。
【0022】
本発明の一態様では、前記第1〜第3の色信号処理回路からの前記第1〜第3の色信号の位相を合わせる位相合わせ回路をさらに含むことができる。
【0023】
画像コントロールICの出力はドライバICに供給され、ドライバICでは最終的に第1〜第3の色信号を同時にラッチして駆動することが多い。よって、画像コントロールICの最終出力として、第1〜第3の色信号の位相を合わせることが好ましい。
【0024】
本発明の他の態様は、本発明の一態様に係る画像ドライバICを内蔵した電子機器を定義している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0026】
図1は、本発明を携帯電話機に適用した実施形態を示している。図1において、ベースバンドエンジン(BBE:広義には画像供給側IC)1は携帯電話機の基本機能を司るLSI(Large Scale Integrated Circuit)であり、インターネット経由で受信した動画や静止画、カメラで撮影した自然画、携帯電話機の操作上で必要なメニュー画面、アイコンなどの文字・図形情報等の各種画像データの出力源である。
【0027】
図1において、携帯電話機のディスプレイとして例えば液晶パネル2が設けられている。この液晶パネル2は、2枚のガラス基板3,4間に液晶10を封入したものである。大きなガラス基板3は例えばアクティブマトリクス基板であり、各画素に例えば三端子アクティブ素子であるTFT(Thin Film Transistor)12が画素スイッチとして設けられ、そのゲート電圧を保持する保持容量14も設けられている。各画素のTFT12のドレイン端子に透明画素電極が、ソース端子にデータ線であるソース線16が、ゲート端子に走査線であるゲート線18がそれぞれ接続されている。このガラス基板3と対向するガラス基板4には透明電極が設けられている。ガラス基板3上には、ガラス基板3の短辺に沿って、液晶パネル2を駆動する液晶ドライバIC(広義には画像出力ドライバIC))5がCOG実装されている。ドライバIC5は、液晶パネル2のゲート線に走査信号を、ソース線にデータ信号を供給して液晶パネル2を表示駆動する。
【0028】
このベースバンドエンジン1とドライバIC5との間に、画像コントロールIC6が設けられている。ベースバンドエンジン1と画像コントロールIC6とは複数本のバスライン7で接続され、画像コントロールIC6とドライバIC5とも、複数本のバスライン8で接続され、画像データ、水平・垂直同期信号、クロック信号、各種コマンドが転送される。
【0029】
ここで、画像コントロールIC6の主な役割は各種の画像データの処理である。画像処理として、画像の拡大、縮小、回転、合成などの他、オーバードライブ処理、色補正処理、FRC(フレーム・レート・コントロール)等がある。
【0030】
本発明では、色信号として、R(レッド)信号(広義には第1の色信号)、G(グリーン)信号(広義には第2の色信号)及びB(ブルー)信号(広義には第3の色信号)を用いている。
【0031】
図2は、図1に示す画像コントロールICのブロック図である。画像コントロールICは、R信号を処理するR信号処理回路(広義には第1の色信号処理回路)20、G信号を処理するG信号処理回路(広義には第2の色信号処理回路)22及びB信号を処理するB信号処理回路(広義には第3の色信号処理回路)24を含む。これら、RGB信号処理回路20,22,24は、色信号(RGB)を処理して、ドライバIC5内のソース線(データ線)ドライバ(図示せず)に供給するものである。
【0032】
RGB信号処理回路20,22,24の各々は、相互間でのRGB信号の授受はない。つまり、R信号処理回路20は、R信号を処理し、G信号及びB信号は入力されないし、他の処理回路22,24にR信号を出力しない。他のGB信号処理回路22,24も同様である。そのため、R信号処理回路20、G信号処理回路22及びB信号処理回路24は、それぞれ非同期にて駆動することができる。
【0033】
ゲート信号処理回路(広義には走査信号処理回路)26は、ドライバIC5内のゲート(走査線)ドライバ(図示せず)を介して液晶パネル2の複数のゲート線(走査線)に供給されるゲート信号を処理する回路である。
【0034】
クロック信号生成回路28は、例えば基準クロック(ドットクロック)DCLKに基づいて、位相の異なる第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3を出力する。このクロック信号生成回路30は、例えばDLL(ディレイ・ロックド・ループ)にて形成することができるが、PLL(フェイズ・ロックド・ループ)等の他の逓倍回路や遅延素子にて形成できる。
【0035】
RGB信号処理回路20,22,24の後段には、位相差のあるR,G,B信号を位相合わせしてドライバIC5のソースドライバ(データ線ドライバ)に出力させる位相合わせ回路30が設けられている。この位相合わせ回路30を画像コントロールIC6に必ずしも設ける必要はない。ただし、通常はドライバIC5内のソースドライバ(データ線ドライバ)よりR,G,B信号が同時に出力されるので、本実施形態では画像コントロールIC6にてRGB信号の位相合わせを実施している。
【0036】
図2に示すように、第1のクロック信号φ1はR信号処理回路20及びゲート信号処理回路26に供給され、第2のクロック信号φ2はG信号処理回路22に供給され、第3のクロック信号φ3はB信号処理回路24に供給されている。
【0037】
図3に示すように、RGB信号処理回路20,22,24の各々は、それぞれ複数のフリップフロップF.F.を内蔵している。タイミング信号処理回路26もフリップフロップF.F.を有するが、RGB信号処理回路20,22,24の各々に比べて回路規模は小さく消費電流も少ない。よって、EMIノイズ対策上ではタイミング信号処理回路26は無視して良く、このため、本実施形態ではタイミング信号処理回路26に入力されるクロック信号は、RGB信号処理回路20,22,24のいずれか一つ、例えばR信号処理回路20に入力される第1のクロック信号φ1を兼用している。これにより、クロック信号生成回路28では3種類のクロック信号を生成すればよい。なお、基準クロックDCLKと第1のクロック信号φ1の位相を一致させれば、第2,第3のクロック信号φ2,φ3のみ生成すれば良い。
【0038】
上述の通り、RGB信号処理回路20,22,24の各々は、それぞれ複数のフリップフロップF.F.から成る第1〜第3の同期回路20A,22A,24Aを内蔵している。その理由の一つとして、例えば図4に示すように、N(Nは自然数)番目の画素のRデータを、(N−1)番目の画素のRデータと比較器40で比較する場合、(N−1)番目の画素のRデータをフリップフロップF.F.で遅延させる必要があるからである。この一例として、RGB信号処理回路20,22,24の各々に配置されるオーバードライブ回路やFRC(フレーム・レート・コントローラ)を挙げることができる。
【0039】
オーバードライブ回路とは、図5に示すように、現在の表示画素のレベルL1から、頻度の高い中間階調レベルL2に変更する場合、その中間階調レベルL2よりも高いレベルL3に一時的に設定して、中間階調の応答時間を短縮して、動画応答性を改善したものである。
【0040】
FRCでは、例えば8ビット階調データを6ビット表示するとき、単純に2ビット脱落させず、例えば、その前後の画素のデータと処理すべき画素のデータとを比較した結果の階調差に応じて、処理すべき画素の階調値を決定するようにしている。
【0041】
RGB信号処理回路20,22,24の各々に複数のフリップフロップF.F.から成る第1〜第3の同期回路20A,22A,24Aを内蔵させる他の理由として、色補正を挙げることができる。例えば、中間階調レベルでは無彩色が青色方向に偏移することから、図6に示すように、入力階調に対してB信号のみレベルを落とす色補正が行なわれる。
【0042】
図7(A)に示すように、B信号はLUT(ルックアップテーブル)42にて色補正するのに対して、R,G信号は色補正が不要である。ただし、図7(B)(C)に示すように、B信号が遅延する分、R,G信号を例えば1段あるいは複数段のフリップフロップF.F.にて遅延させている。こうして、図2に示す位相合わせ回路30での位相合わせ時に、位相合わせ回路30が「セットアップタイム」及び「ホールドタイム」を満たせるようにしている。
【0043】
図3では、EMIノイズが支配的となるRGB信号処理回路20,22,24のみを示し、RGB信号処理回路20,22,24の各々は、画像コントロールIC6内におけるフリップフロップF.F.の全数をほぼ3分割した数のフリップフロップF.F.を有する。
【0044】
本実施形態の図3の動作について、図8及び図9のタイミングチャートを用いて説明する。まず、図8に示すように、RGB信号処理回路20,22,24にそれぞれ入力される第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3は、図8に示すように位相差がつけられている。R信号処理回路20内の全フリップフロップF.F.は、位相が最も進んだ第1のクロック信号φ1が入力される。この第1のクロック信号φ1の立ち上がりにより動作するR信号処理回路20内の全フリップフロップF.F.のみに消費電流が流れ、EMIノイズN1のピークが発生する。
【0045】
次に、第2のクロック信号φ2の立ち上がりにより動作するG信号処理回路22内の全フリップフロップF.F.のみに消費電流が流れ、EMIノイズN2のピークが発生する。その後、第3のクロック信号φ3の立ち上がりにより動作するB信号処理回路24内の全フリップフロップF.F.のみに消費電流が流れ、EMIノイズN3のピークが発生する。
【0046】
ここで、各回路20,22,24の個々で生ずるEMIノイズN1,N2,N3は重ならないので、画像ドライバIC6全体のEMIノイズのピークも、EMIノイズN1,N2,N3の個々のピークとほぼ一致することになる。
【0047】
比較例として、図10に示すようにRGB信号処理回路に共通のクロック信号を供給すれば、全数のフリップフロップF.F.が同時に駆動され、同時に消費電流が流れるので、図11に示すEMIノイズNのピークは、図8の3つのEMIノイズの和(N1+N2+N3)となる。
【0048】
また、仮に第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3の各位相差を数百p(p=10−12)sec程度とすれば、図8のノイズN1〜N3は部分的に重なり合い、図8の個々のノイズN1〜N3のピークよりも大きくなる。
【0049】
本実施形態では、ドットクロックDCLKの一周期T(1sec÷フレームレート÷表示部の全画素数)は、例えばフレームレートを60とし320×240画素とするとほぼ20nsec(n=10−9)であるのに対して(一般に数十nsec)、第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3の位相差を数n(n=10−9)secとし、数百p(p=10−12)secの10倍程度の位相差としている。
【0050】
最も好ましい形態は図9に示すとおりである。図9では、第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3の位相差を、それぞれ、T/3(TはドットクロックDCLKの一周期)とした。こうすると、EMIノイズN1〜N3は一周期T内の時間軸でほぼ均等に分散され、EMIノイズN1〜N3は全く重なり合うことがない。
【0051】
ここで、図8の色信号R,G,Bを図2の位相合わせ回路30にてラッチして位相合わせするには、図8の時間幅t1の範囲のタイミングでラッチすれば、色信号R,G,Bの位相を合せてドライバIC5に出力することができる。図9では、時間幅t2が図8の時間幅t1よりも狭くなるとはいえ、その時間幅t2のいずれかのタイミングでラッチすればよい。図2に示すタイミング信号処理回路26は、位相合わせのラッチタイミング(図8の時間幅t1または図9の時間幅t2内のラッチタイミング)に合ったドットクロックφを生成することができる。
【0052】
第1〜第3の色信号処理回路20〜24では、その各々の回路内にてそれぞれセットアップ/ホールドタイムを満たすスキュー調整がなされていることは前提であるが、第1〜第3の色信号処理回路20〜24の任意の2つの回路間ではスキュー調整は不要である。
【0053】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【0054】
例えば、上述した実施形態では処理される色信号をRGBとしたが、複数の色信号処理回路の相互間で色信号のやりとりがない他の例として、YUVをそれぞれ処理する3つの色信号処理回路、あるいはYCrCbをそれぞれ処理する3つの色信号処理回路を備える画像コントロールICにも適用することができる。なお、この画像コントロールICからの信号に基づいて表示部を駆動するドライバICがRGB駆動の場合には、RGBへの変換を、画像コントロールICかドライバICにて行えば良い。例えばYUV処理回路の場合、Y=0.299×R+0.587×G+0.114×B、U=−0.169×R−0.3316×G+0.500×B、V=0.500×R−0.4186×G−0.0813×B等の関係式を用いて、YUV−RGB変換を実施できる。
【0055】
また、位相の異なるクロック信号でそれぞれ処理された色信号は、上述の実施形態では位相合わせ回路にて位相が合わせられたが、この位相合わせ回路は必ず必要とも限らない。位相合わせは、後段のドライバICにて実施できるからである。特に、ドライバICにてRGBデータをサンプリングするクロックの位相を異ならせた三相クロック信号を用いる場合(特開平11−73236号公報参照)、ドライバICにおいても位相合わせ回路を不要としてもよい。
【0056】
上述の実施形態は、携帯電話機の液晶表示を例に挙げて説明したが、画像データの供給を受けて出力ドライブ制御する画像コントロールICであれば、他の表示装置、あるいはプリンタ等の画像コントロールICに適用できることは言うまでもない。また、表示用として用いる場合も、必ずしも三端子素子(TFT)を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置に限らず、他の三端子素子や二端子素子を画素スイッチとしたアクティブマトリクス、画素スイッチを用いないパッシブマトリクス、液晶以外のEL(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレス等のフラットパネルやCRTにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明を携帯電話機に適用した実施形態の概略ブロック図である。
【図2】図1に示す画像コントロールICのブロック図である。
【図3】RGB信号処理回路に設けられるフリップフロップを示す概略図である。
【図4】画素データ同士の比較のために挿入されるフリップフロップの一例を示す図である。
【図5】動画応答性を向上させるオーバードライブ原理を示す図である。
【図6】色補正の一例を示す入出力特製図である。
【図7】図7(A)〜図7(C)は、色補正のタイミング合わせのために挿入されるフリップフロップの一例を示す図である。
【図8】図3に示すフリップフロップの動作タイミングとEMIノイズの発生とを示すタイミングチャートである。
【図9】図8よりもクロック信号間の位相差を大きくした時のタイミングチャートである。
【図10】RGB処理回路の全フリップフロップに共通クロックを入力させた比較例の説明図である。
【図11】図10に示すフリップフロップの動作タイミングとEMIノイズの発生とを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 ベースバンドエンジン、2 表示部、5 ドライバIC、6 画像コントロールIC 7,8 バスライン、10 液晶、12 TFT(画素スイッチ)、14 保持容量、16 ソース線(データ線9、18 ゲート線(走査線)、20 第1の色信号処理回路、20A 第1の同期回路、22 第2色信号処理回路、22A 第2の同期回路、24 第3の色信号処理回路、24A 第3の同期回路、26 走査信号処理回路、28 クロック信号生成回路、30 位相合わせ回路、40 比較器、42 ルックアップテーブル、F.F. フリップフロップ、N1 R信号処理回路のEMIノイズ、N2 G信号処理回路のEMIノイズ、N3 B信号処理回路のEMIノイズ、φ1 第1のクロック信号、φ2 第2のクロック信号、φ3 第3のクロック信号
【技術分野】
【0001】
本発明は、一画素の色データを3つの色信号(RGB、YUV、YCrCbなど)に分割して処理する第1〜第3の色信号処理回路を有する画像コントロールIC及び電子機器に関し、特にEMI(Electro Magnetic Interference)ノイズのピークを低減した画像コントロールIC及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
単位時間あたりのIC内部の消費電流の変化が最大となる時に、EMIノイズはピークに達する。このEMIノイズのピークを低減する方法が提案されている。
【0003】
特許文献1は、表示駆動回路を制御する制御回路の最終段で、複数のデジタル信号を位相の異なるクロック信号によりラッチすることで、複数のデジタル信号を複数の位相で出力している。これにより、制御回路−駆動回路間の信号線に流れる電流に位相差をつけ、信号線からの放射を低減している。
【0004】
引用文献2は、相互にデータの受け渡しが行なわれる2つのフリップフロップ(F/F)群にそれぞれ位相差のあるクロック信号を供給し、消費電流が過渡的に変化するタイミングが、各F/F群にて同時期に集中することを緩和して、EMIノイズのピークを下げている。
【0005】
引用文献3は、位相クロック選択部より、異なる位相のクロックパターンを選択した各回にて輻射強度を観測し、その中で最も少ない輻射強度の時の位相クロックパターンを選択している。
【特許文献1】特開平11−288339号公報
【特許文献2】特開2000−91887号公報
【特許文献3】特開2004−164293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般にデジタル信号を扱うICでは、データ信号線は、クロック信号よりも先にその内容(HかLか)を確定しておき、さらにデータが確実に内部に取り込めるように、タイミング信号を与えた後もしばらくはそのままの状態で保持しておく必要がある。そうでないと、IC内部でHかLかを正しく認識できず、内部状態が不定となってしまうからである。
【0007】
このクロック信号に先だって、データ信号を確定、保持しておかなければならない最小限の時間を「セットアップタイム」といい、逆に、タイミング信号を与えた後もデータ信号を保持しておかなければならない時間を「(入力)ホールドタイム」という。同期回路では、EMI低減対策として上述の通りクロック信号の位相を異ならせた場合でも、ICの全回路にて「セットアップタイム」及び「ホールドタイム」を満たさなければならない。そうでないと、IC内部でデータ信号を正しく処理できないからである。
【0008】
上述した引用文献1は、出力信号線からの輻射防止が目的であり、制御回路内でのEMIのピークノイズの低減は図れない。引用文献2,3は、いずれも一つのICを同期回路として扱っており、ICの「セットアップタイム」及び「ホールドタイム」を満たしている制約下でクロック信号の位相をずらす必要がある。
【0009】
画像信号の場合、ドットクロックの一周期(1sec÷フレームレート÷表示部の全画素数)は、例えばフレームレートを60とし320×240画素とするとほぼ20nsec(n=10−9)であるのに対して(一般に数十nsec)、同期回路内で許されるEMI対策上のクロックの位相差はせいぜい数百psec(p=10−12)である。この制約下では、第1のクロック信号で駆動される第1の同期回路にて発生する第1のEMIノイズが下がりきる前に、第2のクロック信号にて駆動される第2の同期回路で第2のEMIノイズが発生し、各同期回路にて時間軸上でずれて発生する第1,第2のEMIノイズが相互に重なり合ってしまう。よって、引用文献2,3では、同一クロック信号により同時期に処理するものと比べればEMIノイズのピークは下がっても、相互に重なり合う部分のEMIノイズが加算されてノイズピークを下げるのにも限界があった。
【0010】
本発明は、3つの色信号処理回路を非同期回路として扱い、3つの色信号処理回路にそれぞれ位相の異なるクロック信号を供給して、位相の異なるクロック信号により時間軸上で異なるタイミングで発生する個々のEMIノイズの重なり合いをなくして、全体としてEMIノイズのピークを低減した画像処理コントローラIC及びそれを用いた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、一画素の色データを第1〜第3の色信号に分割して処理する画像コントロールICにおいて、基準クロック信号が入力され、それぞれ位相が異なる第1〜第3のクロック信号を出力するクロック信号生成回路と、前記第1の色信号を、前記第1のクロック信号により同時に駆動される第1の同期回路を用いて処理する第1の色信号処理回路と、前記第2の色信号を、前記第2のクロック信号により同時に駆動される第2の同期回路を用いて処理する第2の色信号処理回路と、前記第3の色信号を、前記第3のクロック信号により同時に駆動される第3の同期回路を用いて処理する第3の色信号処理回路とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様によれば、第1〜第3の色信号をそれぞれ独立して処理する第1〜第3の色信号処理回路は、相互間にて色信号の授受はなく、非同期で作動させることができる。従って、第1〜第3の色信号処理回路にそれぞれ入力される第1〜第3のクロック信号間の位相差は、第1〜第3の色信号処理回路の全体でのセットアップ/ホールドタイムを考慮しなくて済む。従って、従来のように位相差を数百psecのオーダーとしなくて良い。この結果、第1〜第3の色信号処理回路にて第1〜第3のクロック信号に同期して発生するEMIノイズは、単位時間あたりの消費電流の変化が最大となる時にピークを時間軸でより大きく分散させることができる。これにより、第1〜第3の色信号処理回路にて各々発生するEMIノイズが重なり合わないため、回路全体のEMIノイズのピークは第1〜第3の色信号処理回路にて各々発生する個々のEMIノイズのピークと等しくなる。よって、回路全体のEMIノイズのピークは、クロック信号に位相差を設けない場合と比べてほぼ1/3に低減できる。
【0013】
本発明の一態様では、前記基準クロック信号に基づいて、画像を出力駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路をさらに有し、前記第1〜第3のクロック信号のいずれか一つを、前記タイミング信号生成回路に入力されるクロック信号の位相と一致させることができる。
【0014】
タイミング信号生成回路は、第1〜第3の色信号処理回路と比べて回路規模は小さく消費電流も格段に少ない。よって、タイミング信号生成回路に入力されるクロックの位相を第1〜第3のクロック信号のいずれか一つと一致させても、EMIノイズのピークはほとんど増大しない。むしろ、クロック信号を共通化することでクロック信号生成回路の回路規模が小さくすることの効果を確保できる。
【0015】
本発明の一態様では、前記第1〜第3の同期回路の各々は、色データを転送する複数のフリップフロップを含み、前記第1の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第1のクロック信号が供給され、前記第2の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第2のクロック信号が供給され、前記第3の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第3のクロック信号を供給することができる。
【0016】
フリップフロップは、クロック信号に同期してデータを保持・出力する機能を有し、第1〜第3の色信号処理回路に多用されている。本発明では、IC全体にあるフリップフロップがほぼ3分割で分配された第1〜第3の色信号処理回路に、それぞれ異なる位相のクロック信号を供給し、ほぼ3分割されたフリップフロップを分配領域毎に同時駆動するので、EMIノイズのピークは位相差を設けないときに比べてほぼ1/3になる。
【0017】
本発明の一態様では、前記第1,第2のクロック信号間の位相差と、前記第2,第3のクロック信号間の位相差と、第1,第3のクロック信号間の位相差とは、それぞれ、10−9secの桁に整数値を有するオーダーに設定することができる。
【0018】
セットアップ/ホールドタイムを考慮した従来例では、位相差が数百p(10−12)secのオーダーであったが、本発明では10−9secと従来例の10倍近くの位相差をつけることができる。よって、第1〜第3の色信号処理回路にて各々発生するEMIノイズが重なり合わず、回路全体のEMIノイズのピークを第1〜第3の色信号処理回路にて各々発生する個々のEMIノイズのピークとすることができる。
【0019】
本発明の一態様では、前記第1,第2のクロック信号の位相差と、前記第2,第3のクロック信号の位相差と、第1,第3のクロック信号間の位相差とは、それぞれ、前記基準クロック信号の一周期をTとしたとき、T/10〜T/3に設定することができる。
【0020】
基準クロックの一周期Tは数十nsecであり、各クロック信号間の位相差をT/10〜T/3とすれば、10−9secの桁に整数値を有するオーダーに設定することができる。なお、位相差=T/3とすると、各色信号処理回路の個々で発生するEMIノイズの発生時期を時間軸上で最も離すことができ、しかも、一つの色信号が1周期遅れとなることがないので、第1〜第3の色信号を色信号処理後に位相合わせする際にも都合がよい。
【0021】
本発明の一態様では、前記第1〜第3の色信号補正回路のいずれかは、色補正回路、所定中間階調レベルに対して一時的に高い階調レベルで駆動するためのオーバードライブ回路、あるいは入力階調ビット数に対して出力階調ビット数を異ならせるフレームレートコントロール回路を含むことができる。これらの各回路は処理上フリップフロップが必要となるからである。
【0022】
本発明の一態様では、前記第1〜第3の色信号処理回路からの前記第1〜第3の色信号の位相を合わせる位相合わせ回路をさらに含むことができる。
【0023】
画像コントロールICの出力はドライバICに供給され、ドライバICでは最終的に第1〜第3の色信号を同時にラッチして駆動することが多い。よって、画像コントロールICの最終出力として、第1〜第3の色信号の位相を合わせることが好ましい。
【0024】
本発明の他の態様は、本発明の一態様に係る画像ドライバICを内蔵した電子機器を定義している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0026】
図1は、本発明を携帯電話機に適用した実施形態を示している。図1において、ベースバンドエンジン(BBE:広義には画像供給側IC)1は携帯電話機の基本機能を司るLSI(Large Scale Integrated Circuit)であり、インターネット経由で受信した動画や静止画、カメラで撮影した自然画、携帯電話機の操作上で必要なメニュー画面、アイコンなどの文字・図形情報等の各種画像データの出力源である。
【0027】
図1において、携帯電話機のディスプレイとして例えば液晶パネル2が設けられている。この液晶パネル2は、2枚のガラス基板3,4間に液晶10を封入したものである。大きなガラス基板3は例えばアクティブマトリクス基板であり、各画素に例えば三端子アクティブ素子であるTFT(Thin Film Transistor)12が画素スイッチとして設けられ、そのゲート電圧を保持する保持容量14も設けられている。各画素のTFT12のドレイン端子に透明画素電極が、ソース端子にデータ線であるソース線16が、ゲート端子に走査線であるゲート線18がそれぞれ接続されている。このガラス基板3と対向するガラス基板4には透明電極が設けられている。ガラス基板3上には、ガラス基板3の短辺に沿って、液晶パネル2を駆動する液晶ドライバIC(広義には画像出力ドライバIC))5がCOG実装されている。ドライバIC5は、液晶パネル2のゲート線に走査信号を、ソース線にデータ信号を供給して液晶パネル2を表示駆動する。
【0028】
このベースバンドエンジン1とドライバIC5との間に、画像コントロールIC6が設けられている。ベースバンドエンジン1と画像コントロールIC6とは複数本のバスライン7で接続され、画像コントロールIC6とドライバIC5とも、複数本のバスライン8で接続され、画像データ、水平・垂直同期信号、クロック信号、各種コマンドが転送される。
【0029】
ここで、画像コントロールIC6の主な役割は各種の画像データの処理である。画像処理として、画像の拡大、縮小、回転、合成などの他、オーバードライブ処理、色補正処理、FRC(フレーム・レート・コントロール)等がある。
【0030】
本発明では、色信号として、R(レッド)信号(広義には第1の色信号)、G(グリーン)信号(広義には第2の色信号)及びB(ブルー)信号(広義には第3の色信号)を用いている。
【0031】
図2は、図1に示す画像コントロールICのブロック図である。画像コントロールICは、R信号を処理するR信号処理回路(広義には第1の色信号処理回路)20、G信号を処理するG信号処理回路(広義には第2の色信号処理回路)22及びB信号を処理するB信号処理回路(広義には第3の色信号処理回路)24を含む。これら、RGB信号処理回路20,22,24は、色信号(RGB)を処理して、ドライバIC5内のソース線(データ線)ドライバ(図示せず)に供給するものである。
【0032】
RGB信号処理回路20,22,24の各々は、相互間でのRGB信号の授受はない。つまり、R信号処理回路20は、R信号を処理し、G信号及びB信号は入力されないし、他の処理回路22,24にR信号を出力しない。他のGB信号処理回路22,24も同様である。そのため、R信号処理回路20、G信号処理回路22及びB信号処理回路24は、それぞれ非同期にて駆動することができる。
【0033】
ゲート信号処理回路(広義には走査信号処理回路)26は、ドライバIC5内のゲート(走査線)ドライバ(図示せず)を介して液晶パネル2の複数のゲート線(走査線)に供給されるゲート信号を処理する回路である。
【0034】
クロック信号生成回路28は、例えば基準クロック(ドットクロック)DCLKに基づいて、位相の異なる第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3を出力する。このクロック信号生成回路30は、例えばDLL(ディレイ・ロックド・ループ)にて形成することができるが、PLL(フェイズ・ロックド・ループ)等の他の逓倍回路や遅延素子にて形成できる。
【0035】
RGB信号処理回路20,22,24の後段には、位相差のあるR,G,B信号を位相合わせしてドライバIC5のソースドライバ(データ線ドライバ)に出力させる位相合わせ回路30が設けられている。この位相合わせ回路30を画像コントロールIC6に必ずしも設ける必要はない。ただし、通常はドライバIC5内のソースドライバ(データ線ドライバ)よりR,G,B信号が同時に出力されるので、本実施形態では画像コントロールIC6にてRGB信号の位相合わせを実施している。
【0036】
図2に示すように、第1のクロック信号φ1はR信号処理回路20及びゲート信号処理回路26に供給され、第2のクロック信号φ2はG信号処理回路22に供給され、第3のクロック信号φ3はB信号処理回路24に供給されている。
【0037】
図3に示すように、RGB信号処理回路20,22,24の各々は、それぞれ複数のフリップフロップF.F.を内蔵している。タイミング信号処理回路26もフリップフロップF.F.を有するが、RGB信号処理回路20,22,24の各々に比べて回路規模は小さく消費電流も少ない。よって、EMIノイズ対策上ではタイミング信号処理回路26は無視して良く、このため、本実施形態ではタイミング信号処理回路26に入力されるクロック信号は、RGB信号処理回路20,22,24のいずれか一つ、例えばR信号処理回路20に入力される第1のクロック信号φ1を兼用している。これにより、クロック信号生成回路28では3種類のクロック信号を生成すればよい。なお、基準クロックDCLKと第1のクロック信号φ1の位相を一致させれば、第2,第3のクロック信号φ2,φ3のみ生成すれば良い。
【0038】
上述の通り、RGB信号処理回路20,22,24の各々は、それぞれ複数のフリップフロップF.F.から成る第1〜第3の同期回路20A,22A,24Aを内蔵している。その理由の一つとして、例えば図4に示すように、N(Nは自然数)番目の画素のRデータを、(N−1)番目の画素のRデータと比較器40で比較する場合、(N−1)番目の画素のRデータをフリップフロップF.F.で遅延させる必要があるからである。この一例として、RGB信号処理回路20,22,24の各々に配置されるオーバードライブ回路やFRC(フレーム・レート・コントローラ)を挙げることができる。
【0039】
オーバードライブ回路とは、図5に示すように、現在の表示画素のレベルL1から、頻度の高い中間階調レベルL2に変更する場合、その中間階調レベルL2よりも高いレベルL3に一時的に設定して、中間階調の応答時間を短縮して、動画応答性を改善したものである。
【0040】
FRCでは、例えば8ビット階調データを6ビット表示するとき、単純に2ビット脱落させず、例えば、その前後の画素のデータと処理すべき画素のデータとを比較した結果の階調差に応じて、処理すべき画素の階調値を決定するようにしている。
【0041】
RGB信号処理回路20,22,24の各々に複数のフリップフロップF.F.から成る第1〜第3の同期回路20A,22A,24Aを内蔵させる他の理由として、色補正を挙げることができる。例えば、中間階調レベルでは無彩色が青色方向に偏移することから、図6に示すように、入力階調に対してB信号のみレベルを落とす色補正が行なわれる。
【0042】
図7(A)に示すように、B信号はLUT(ルックアップテーブル)42にて色補正するのに対して、R,G信号は色補正が不要である。ただし、図7(B)(C)に示すように、B信号が遅延する分、R,G信号を例えば1段あるいは複数段のフリップフロップF.F.にて遅延させている。こうして、図2に示す位相合わせ回路30での位相合わせ時に、位相合わせ回路30が「セットアップタイム」及び「ホールドタイム」を満たせるようにしている。
【0043】
図3では、EMIノイズが支配的となるRGB信号処理回路20,22,24のみを示し、RGB信号処理回路20,22,24の各々は、画像コントロールIC6内におけるフリップフロップF.F.の全数をほぼ3分割した数のフリップフロップF.F.を有する。
【0044】
本実施形態の図3の動作について、図8及び図9のタイミングチャートを用いて説明する。まず、図8に示すように、RGB信号処理回路20,22,24にそれぞれ入力される第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3は、図8に示すように位相差がつけられている。R信号処理回路20内の全フリップフロップF.F.は、位相が最も進んだ第1のクロック信号φ1が入力される。この第1のクロック信号φ1の立ち上がりにより動作するR信号処理回路20内の全フリップフロップF.F.のみに消費電流が流れ、EMIノイズN1のピークが発生する。
【0045】
次に、第2のクロック信号φ2の立ち上がりにより動作するG信号処理回路22内の全フリップフロップF.F.のみに消費電流が流れ、EMIノイズN2のピークが発生する。その後、第3のクロック信号φ3の立ち上がりにより動作するB信号処理回路24内の全フリップフロップF.F.のみに消費電流が流れ、EMIノイズN3のピークが発生する。
【0046】
ここで、各回路20,22,24の個々で生ずるEMIノイズN1,N2,N3は重ならないので、画像ドライバIC6全体のEMIノイズのピークも、EMIノイズN1,N2,N3の個々のピークとほぼ一致することになる。
【0047】
比較例として、図10に示すようにRGB信号処理回路に共通のクロック信号を供給すれば、全数のフリップフロップF.F.が同時に駆動され、同時に消費電流が流れるので、図11に示すEMIノイズNのピークは、図8の3つのEMIノイズの和(N1+N2+N3)となる。
【0048】
また、仮に第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3の各位相差を数百p(p=10−12)sec程度とすれば、図8のノイズN1〜N3は部分的に重なり合い、図8の個々のノイズN1〜N3のピークよりも大きくなる。
【0049】
本実施形態では、ドットクロックDCLKの一周期T(1sec÷フレームレート÷表示部の全画素数)は、例えばフレームレートを60とし320×240画素とするとほぼ20nsec(n=10−9)であるのに対して(一般に数十nsec)、第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3の位相差を数n(n=10−9)secとし、数百p(p=10−12)secの10倍程度の位相差としている。
【0050】
最も好ましい形態は図9に示すとおりである。図9では、第1〜第3のクロック信号φ1〜φ3の位相差を、それぞれ、T/3(TはドットクロックDCLKの一周期)とした。こうすると、EMIノイズN1〜N3は一周期T内の時間軸でほぼ均等に分散され、EMIノイズN1〜N3は全く重なり合うことがない。
【0051】
ここで、図8の色信号R,G,Bを図2の位相合わせ回路30にてラッチして位相合わせするには、図8の時間幅t1の範囲のタイミングでラッチすれば、色信号R,G,Bの位相を合せてドライバIC5に出力することができる。図9では、時間幅t2が図8の時間幅t1よりも狭くなるとはいえ、その時間幅t2のいずれかのタイミングでラッチすればよい。図2に示すタイミング信号処理回路26は、位相合わせのラッチタイミング(図8の時間幅t1または図9の時間幅t2内のラッチタイミング)に合ったドットクロックφを生成することができる。
【0052】
第1〜第3の色信号処理回路20〜24では、その各々の回路内にてそれぞれセットアップ/ホールドタイムを満たすスキュー調整がなされていることは前提であるが、第1〜第3の色信号処理回路20〜24の任意の2つの回路間ではスキュー調整は不要である。
【0053】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【0054】
例えば、上述した実施形態では処理される色信号をRGBとしたが、複数の色信号処理回路の相互間で色信号のやりとりがない他の例として、YUVをそれぞれ処理する3つの色信号処理回路、あるいはYCrCbをそれぞれ処理する3つの色信号処理回路を備える画像コントロールICにも適用することができる。なお、この画像コントロールICからの信号に基づいて表示部を駆動するドライバICがRGB駆動の場合には、RGBへの変換を、画像コントロールICかドライバICにて行えば良い。例えばYUV処理回路の場合、Y=0.299×R+0.587×G+0.114×B、U=−0.169×R−0.3316×G+0.500×B、V=0.500×R−0.4186×G−0.0813×B等の関係式を用いて、YUV−RGB変換を実施できる。
【0055】
また、位相の異なるクロック信号でそれぞれ処理された色信号は、上述の実施形態では位相合わせ回路にて位相が合わせられたが、この位相合わせ回路は必ず必要とも限らない。位相合わせは、後段のドライバICにて実施できるからである。特に、ドライバICにてRGBデータをサンプリングするクロックの位相を異ならせた三相クロック信号を用いる場合(特開平11−73236号公報参照)、ドライバICにおいても位相合わせ回路を不要としてもよい。
【0056】
上述の実施形態は、携帯電話機の液晶表示を例に挙げて説明したが、画像データの供給を受けて出力ドライブ制御する画像コントロールICであれば、他の表示装置、あるいはプリンタ等の画像コントロールICに適用できることは言うまでもない。また、表示用として用いる場合も、必ずしも三端子素子(TFT)を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置に限らず、他の三端子素子や二端子素子を画素スイッチとしたアクティブマトリクス、画素スイッチを用いないパッシブマトリクス、液晶以外のEL(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレス等のフラットパネルやCRTにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明を携帯電話機に適用した実施形態の概略ブロック図である。
【図2】図1に示す画像コントロールICのブロック図である。
【図3】RGB信号処理回路に設けられるフリップフロップを示す概略図である。
【図4】画素データ同士の比較のために挿入されるフリップフロップの一例を示す図である。
【図5】動画応答性を向上させるオーバードライブ原理を示す図である。
【図6】色補正の一例を示す入出力特製図である。
【図7】図7(A)〜図7(C)は、色補正のタイミング合わせのために挿入されるフリップフロップの一例を示す図である。
【図8】図3に示すフリップフロップの動作タイミングとEMIノイズの発生とを示すタイミングチャートである。
【図9】図8よりもクロック信号間の位相差を大きくした時のタイミングチャートである。
【図10】RGB処理回路の全フリップフロップに共通クロックを入力させた比較例の説明図である。
【図11】図10に示すフリップフロップの動作タイミングとEMIノイズの発生とを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 ベースバンドエンジン、2 表示部、5 ドライバIC、6 画像コントロールIC 7,8 バスライン、10 液晶、12 TFT(画素スイッチ)、14 保持容量、16 ソース線(データ線9、18 ゲート線(走査線)、20 第1の色信号処理回路、20A 第1の同期回路、22 第2色信号処理回路、22A 第2の同期回路、24 第3の色信号処理回路、24A 第3の同期回路、26 走査信号処理回路、28 クロック信号生成回路、30 位相合わせ回路、40 比較器、42 ルックアップテーブル、F.F. フリップフロップ、N1 R信号処理回路のEMIノイズ、N2 G信号処理回路のEMIノイズ、N3 B信号処理回路のEMIノイズ、φ1 第1のクロック信号、φ2 第2のクロック信号、φ3 第3のクロック信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一画素の色データを第1〜第3の色信号に分割して処理する画像コントロールICにおいて、
基準クロック信号が入力され、それぞれ位相が異なる第1〜第3のクロック信号を出力するクロック信号生成回路と、
前記第1の色信号を、前記第1のクロック信号により同時に駆動される第1の同期回路を用いて処理する第1の色信号処理回路と、
前記第2の色信号を、前記第2のクロック信号により同時に駆動される第2の同期回路を用いて処理する第2の色信号処理回路と、
前記第3の色信号を、前記第3のクロック信号により同時に駆動される第3の同期回路を用いて処理する第3の色信号処理回路と、
を有することを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項2】
請求項1において、
前記基準クロック信号に基づいて、画像を出力駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路をさらに有し、
前記第1〜第3のクロック信号のいずれか一つは、前記タイミング信号生成回路に入力されるクロック信号の位相と一致していることを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1〜第3の同期回路の各々は、色データを転送する複数のフリップフロップを含み、前記第1の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第1のクロック信号が供給され、前記第2の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第2のクロック信号が供給され、前記第3の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第3のクロック信号が供給されることを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第1,第2のクロック信号間の位相差と、前記第2,第3のクロック信号間の位相差と、第1,第3のクロック信号間の位相差とは、それぞれ、10−9secの桁に整数値を有するオーダーに設定されていることを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記第1,第2のクロック信号の位相差と、前記第2,第3のクロック信号の位相差と、第1,第3のクロック信号間の位相差とは、それぞれ、前記基準クロック信号の一周期をTとしたとき、T/10〜T/3に設定されていることを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記第1〜第3の色信号補正回路のいずれかは、色補正回路を含むことを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記第1〜第3の色信号補正回路は、所定中間階調レベルに対して一時的に高い階調レベルで駆動するためのオーバードライブ回路を含むことを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記第1〜第3の色信号処理回路は、入力階調ビット数に対して出力階調ビット数を異ならせるフレームレートコントロール回路を含むことを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかにおいて、
前記第1〜第3の色信号処理回路からの前記第1〜第3の色信号の位相を合わせる位相合わせ回路をさらに含むことを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の画像コントロールICを内蔵した電子機器。
【請求項1】
一画素の色データを第1〜第3の色信号に分割して処理する画像コントロールICにおいて、
基準クロック信号が入力され、それぞれ位相が異なる第1〜第3のクロック信号を出力するクロック信号生成回路と、
前記第1の色信号を、前記第1のクロック信号により同時に駆動される第1の同期回路を用いて処理する第1の色信号処理回路と、
前記第2の色信号を、前記第2のクロック信号により同時に駆動される第2の同期回路を用いて処理する第2の色信号処理回路と、
前記第3の色信号を、前記第3のクロック信号により同時に駆動される第3の同期回路を用いて処理する第3の色信号処理回路と、
を有することを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項2】
請求項1において、
前記基準クロック信号に基づいて、画像を出力駆動するタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路をさらに有し、
前記第1〜第3のクロック信号のいずれか一つは、前記タイミング信号生成回路に入力されるクロック信号の位相と一致していることを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1〜第3の同期回路の各々は、色データを転送する複数のフリップフロップを含み、前記第1の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第1のクロック信号が供給され、前記第2の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第2のクロック信号が供給され、前記第3の色信号処理回路内に配置された前記複数のフリップフロップには前記第3のクロック信号が供給されることを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第1,第2のクロック信号間の位相差と、前記第2,第3のクロック信号間の位相差と、第1,第3のクロック信号間の位相差とは、それぞれ、10−9secの桁に整数値を有するオーダーに設定されていることを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記第1,第2のクロック信号の位相差と、前記第2,第3のクロック信号の位相差と、第1,第3のクロック信号間の位相差とは、それぞれ、前記基準クロック信号の一周期をTとしたとき、T/10〜T/3に設定されていることを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記第1〜第3の色信号補正回路のいずれかは、色補正回路を含むことを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記第1〜第3の色信号補正回路は、所定中間階調レベルに対して一時的に高い階調レベルで駆動するためのオーバードライブ回路を含むことを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記第1〜第3の色信号処理回路は、入力階調ビット数に対して出力階調ビット数を異ならせるフレームレートコントロール回路を含むことを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかにおいて、
前記第1〜第3の色信号処理回路からの前記第1〜第3の色信号の位相を合わせる位相合わせ回路をさらに含むことを特徴とする画像コントロールIC。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の画像コントロールICを内蔵した電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−15407(P2008−15407A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188987(P2006−188987)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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