説明

硬化性樹脂組成物並びに硬化性樹脂組成物の被膜を有するフレキシブル基板及び反射シート

【課題】優れた柔軟性を有し且つ熱処理や長期間の使用を経ても優れた耐変色性と高反射率を有する硬化物を形成できる硬化性樹脂組成物を提供することである。
【解決手段】(A)光硬化性樹脂及び/または熱硬化性樹脂と、(B)シリコーンエラストマー粒子及び/またはポリテトラフルオロエチレン粒子と、を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた柔軟性と耐変色性を有する硬化性樹脂組成物に関するものであり、例えば、フレキシブル配線板やプリント配線板等の基板にソルダーレジスト膜として使用する場合や、シートの反射被膜として使用する場合に、基板やシートの折り曲げに対応でき、長期間にわたって被膜の変色を防止できる硬化性樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板は、基板の上に導体回路のパターンを形成し、そのパターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けにより搭載するために使用され、そのはんだ付けランドを除く回路部分は永久保護被膜としてのソルダーレジスト膜で被覆される。これにより、プリント配線板に電子部品をはんだ付けする際に、はんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食されるのを防止する。
【0003】
また、近年、電子機器の小型化、内部構造の複雑化等が進んだことから、やわらかい構造を有するフレキシブル配線板にソルダーレジストが使用されている。この場合、フレキシブル配線板にやわらかい構造を与えるために、ソルダーレジスト膜には、柔軟性、低反り性が求められる。そこで、ソルダーレジスト膜の可撓性を向上させるために、1分子中に1個以上の内部エポキシド基を有するポリブタジエンとポリウレタン微粒子とを配合した光硬化性・熱硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
【0004】
一方、フレキシブル配線板は発光ダイオード素子(LED)等の実装用基板としても使用されることがあり、この場合、実装面に形成されるソルダーレジスト膜には、光源からの光の反射率を向上させる機能が求められている。このような用途では、ソルダーレジスト膜を形成する硬化性樹脂組成物として白色に着色されたものが使用されている。
【0005】
しかし、特許文献1の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物はポリウレタン微粒子を使用しているので、白色に着色しても、光硬化性・熱硬化性樹脂組成物の塗膜を加熱して硬化させる際や、フレキシブル配線板を長期にわたって高温条件下で使用する際に、ソルダーレジスト膜が変色して光反射率が低下してしまうという問題があった。一方で、近年、HAST試験(130℃、85℃R.H.、168時間)での耐変色性に対する信頼性向上の要求も高まっている。
【0006】
また、環境負荷の低減の観点から、エネルギー源として太陽電池が使用されている。太陽電池の裏面側には、保護部材としてバックシートが取り付けられている。そして、太陽電池バックシートは、太陽電池への入射光を有効に利用して電力変換効率を高めるために、高い反射能を有する白色の色調を有するものが求められている。しかし、太陽電池は過酷な自然環境に曝されることから、使用当初の太陽電池バックシートは白色であっても、長期間にわたって日射、太陽熱及び湿気等の影響を受けることによって、変色していき、次第に光反射能が劣化していくという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−293882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記事情に鑑み、本発明の目的は、優れた柔軟性を有し且つ熱処理や長期間の使用を経ても優れた耐変色性と高反射率を有する硬化物を形成できる硬化性樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様は、(A)光硬化性樹脂及び/または熱硬化性樹脂と、(B)シリコーンエラストマー粒子及び/またはポリテトラフルオロエチレン粒子と、を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
【0010】
シリコーンエラストマー粒子とは、粒子状または粉末状のシリコーンゴムである。この態様では、粒子状のポリウレタンは配合されていない。シリコーンエラストマー粒子及び/またはポリテトラフルオロエチレン粒子を配合すると、柔軟性を有しつつ耐変色性と反射率に優れた硬化物を形成する硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0011】
本発明の態様は、前記シリコーンエラストマー粒子が、下記一般式(1)
【0012】
[化1]
RSiO3/2 (1)
【0013】
(式中、Rは、非置換または置換の炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。)で表される単位を有するポリオルガノシルセスキオキサンを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
【0014】
本発明の態様は、前記光硬化性樹脂が、カルボキシル基含有光硬化性樹脂、アクリル基含有光硬化性樹脂、または該カルボキシル基含有光硬化性樹脂と該アクリル基含有光硬化性樹脂との混合物であることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
【0015】
本発明の態様は、さらに、(C)光重合開始剤及び/または(D)熱ラジカル開始剤を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。この態様では、上記(A)成分と(B)成分に加えて、さらに、(C)光重合開始剤及び/または(D)熱ラジカル開始剤が配合されている。
【0016】
本発明の態様は、さらに、(E)反応性希釈剤及び/または(F)エポキシ化合物を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。(F)エポキシ化合物は、特に、(A)成分として、カルボキシル基含有光硬化性樹脂を使用する場合に、硬化物の架橋密度を上げることで機械的強度を向上させる。
【0017】
本発明の態様は、前記熱硬化性樹脂が、カルボキシル基含有熱硬化性樹脂であることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
【0018】
本発明の態様は、さらに、(F)エポキシ化合物を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。この態様では、(A)カルボキシル基含有熱硬化性樹脂と(B)シリコーンエラストマー粒子及び/またはポリテトラフルオロエチレン粒子に加えて、さらに、(F)エポキシ化合物が配合されている。(F)エポキシ化合物は、熱硬化性樹脂としてカルボキシル基含有熱硬化性樹脂を使用する場合に、硬化物の架橋密度を上げることで機械的強度を向上させる。
【0019】
本発明の態様は、さらに、(G)酸化チタンを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
【0020】
本発明の態様は、上記硬化性樹脂組成物の硬化被膜を有するフレキシブル基板である。本発明の態様は、硬化性樹脂組成物の硬化被膜を有する反射シートである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、シリコーンエラストマー粒子及び/またはポリテトラフルオロエチレン粒子が含まれているので、折り曲げ性(柔軟性、フレキシブル性)と低反り性を損なうことなく、耐変色性と反射率の向上した硬化物を形成できる硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0022】
本発明によれば、シリコーンエラストマー粒子に、上記一般式(1)で表される単位を有するポリオルガノシルセスキオキサンを使用することで、硬化物の柔軟性がより向上するとともに、光硬化性樹脂及び/または熱硬化性樹脂と混練または混合しやすくなり、硬化性樹脂組成物の製造が容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)(a‐1)光硬化性樹脂及び/または(a‐2)熱硬化性樹脂と、(B)(b‐1)シリコーンエラストマー粒子及び/または(b‐2)ポリテトラフルオロエチレン粒子と、を含有することを特徴とし、上記各成分は、以下の通りである。
【0024】
(a‐1)光硬化性樹脂
光硬化性樹脂には、例えば、(a‐1‐1)カルボキシル基含有光硬化性樹脂、(a‐1‐2)アクリル基含有樹脂を挙げることができる。まず、(a‐1‐1)カルボキシル基含有光硬化性樹脂について説明する。
【0025】
(a‐1‐1)カルボキシル基含有光硬化性樹脂
カルボキシル基含有光硬化性樹脂は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有するカルボキシル基含有樹脂が挙げられる。(a‐1‐1)成分の例として、分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にアクリル酸又はメタクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂とし、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の有するカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つグリシジル化合物を反応させた化合物を挙げることができる。
【0026】
前記多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。多官能性エポキシ樹脂のエポキシ当量は特に制限されないが、1000以下が好ましく、100〜500が特に好ましい。多官能性エポキシ樹脂には、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものも使用可能である。これらのうち、折り曲げ性と耐変色性の点からビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0027】
使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ、アクリル酸、メタクリル酸(以下、(メタ)アクリル酸ということがある。)が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。(メタ)アクリル酸を反応させたものがエポキシ(メタ)アクリレートである。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法は特に限定されず、例えばエポキシ樹脂とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱する反応方法が挙げられる。
【0028】
多塩基酸又は多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応で生成した水酸基に反応し、樹脂に遊離のカルボキシル基を持たせるものである。使用する多塩基酸又はその無水物としては、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0029】
本発明のカルボキシル基含有光硬化性樹脂においては、上記した多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の有するカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入して感光性を向上させている。
【0030】
この感光性を向上させた樹脂は、グリシジル化合物の反応によってラジカル重合性不飽和基が、その前駆体の樹脂の高分子の骨格の側鎖に結合するため、光重合反応性が高く、優れた感光特性を有する。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つ化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つ化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0031】
カルボキシル基含有光硬化性樹脂の酸価の下限値は、確実なアルカリ現像の点から30mgKOH/gであり、40mgKOH/gが好ましい。一方、酸価の上限値は、アルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から200mgKOH/gであり、硬化物の耐湿性と電気特性の劣化防止の点から150mgKOH/gが好ましい。
【0032】
また、カルボキシル基含有光硬化性樹脂の重量平均分子量の下限値は、硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から3000であり、好ましくは5000である。一方、重量平均分子量の上限値は、(E)成分である反応性希釈剤等との相溶性及び円滑なアルカリ現像性の点から200000であり、好ましくは50000である。カルボキシル基含有光硬化性樹脂の二重結合当量は、光硬化性の点から200〜1500g/eqであり、折り曲げ性と光硬化性のバランスの点から400〜800g/eqが好ましい。
【0033】
カルボキシル基含有光硬化性樹脂として市販されているものには、例えば、ZFR−1124、FLX−2089(以上、日本化薬(株)製)、サイクロマーP(ACA)Z−250、サイクロマーP(ACA)Z−300(以上、ダイセル化学工業(株)製)、リポキシ SP−4621(昭和高分子(株)製)等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0034】
(a‐1‐2)アクリル基含有光硬化性樹脂
アクリル基含有光硬化性樹脂は、感光性の不飽和二重結合を1個以上有するアクリル基含有光硬化性樹脂が挙げられる。(a‐1‐2)成分の例として、分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にアクリル酸を反応させてエポキシアクリレートを得たものが挙げられる。アクリル基含有光硬化性樹脂は、エポキシアクリレートを得た際に生成した水酸基に、多塩基酸又はその無水物を反応させないので、カルボキシル基は含有していない。
【0035】
前記多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。エポキシ樹脂の例としては、上記と同様のものが挙げられる。また、エポキシ樹脂とアクリル酸との反応方法は特に限定されず、例えばエポキシ樹脂とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱する反応方法が挙げられる。
【0036】
アクリル基含有光硬化性樹脂の酸価は、絶縁性の点から5mgKOH/g以下が好ましい。アクリル基含有光硬化性樹脂の重量平均分子量の下限値は、硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から3000であり、好ましくは5000である。一方、重量平均分子量の上限値は、(E)成分である反応性希釈剤等との相溶性及び円滑なアルカリ現像性の点から200000であり、好ましくは50000である。アクリル基含有光硬化性樹脂の二重結合当量は、光硬化性の点から200〜1500g/eqであり、折り曲げ性と光硬化性のバランスの点から400〜800g/eqが好ましい。
【0037】
(a‐2)熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂には、例えば、(a‐2‐1)カルボキシル基含有熱硬化性樹脂を挙げることができる。
【0038】
(a‐2‐1)カルボキシル基含有熱硬化性樹脂
カルボキシル基含有熱硬化性樹脂は、熱硬化性を有するものであれば、特に限定されず、例えば(F)エポキシ化合物と反応性を有するものが挙げられる。上記樹脂には、例えば、アクリル酸とスチレンの共重合樹脂や、分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にアクリル酸又はメタクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。カルボキシル基含有熱硬化性樹脂は、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の有するカルボキシル基に、ラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つグリシジル化合物を反応させていないので、ラジカル重合性不飽和基を更に導入した、感光性を向上させた樹脂とはなっていない。
【0039】
前記多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。エポキシ樹脂の例としては、上記と同様のものが挙げられる。また、使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、上記と同様に、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができる。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法は、上記同様に、特に限定されず、例えばエポキシ樹脂とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱する反応方法が挙げられる。多塩基酸又は多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応で生成した水酸基に反応し、樹脂に遊離のカルボキシル基を持たせるものである。使用する多塩基酸又はその無水物としては、特に限定されず、例えば、上記と同様のものが挙げられる。
【0040】
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物が有する水酸基1モルに対して、多塩基酸又は多塩基酸無水物の使用量の下限値は、0.3モルであり、0.4モルが好ましく、特に好ましくは0.6モルである。また、その上限値は、1.0モルが好ましい。
【0041】
多塩基酸は、上記不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に添加され、脱水縮合反応され、反応時生成した水は反応系から連続的に取り出すことが好ましい。また、上記反応は加熱状態で行うのが好ましく、反応温度は70〜130℃が好ましい。
【0042】
上記多塩基酸または多塩基酸無水物と不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂との反応生成物である多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の酸価は、(F)エポキシ化合物との反応性の点から50〜500mgKOH/gであり、60〜300mgKOH/gがより好ましい。なお、反応させる多塩基酸の量により、反応生成物の酸価は調整可能である。
【0043】
また、カルボキシル基含有熱硬化性樹脂の重量平均分子量の下限値は、硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から3000であり、好ましくは5000である。一方、重量平均分子量の上限値は、(E)成分である希釈剤等との相溶性及び円滑なアルカリ現像性の点から200000であり、好ましくは50000である。カルボキシル基含有熱硬化性樹脂の二重結合当量は、折り曲げ性の点から200g/eq未満が好ましい。
【0044】
(B)成分である(b‐1)シリコーンエラストマー粒子及び/または(b‐2)ポリテトラフルオロエチレン粒子は、硬化物に、折り曲げ性、低反り性、耐変色性及び高反射率を与えるために配合する。シリコーンエラストマー粒子若しくはポリテトラフルオロエチレン粒子を配合すること、またはシリコーンエラストマー粒子とポリテトラフルオロエチレン粒子ともに配合することで上記目的を達成できる。
【0045】
(b‐1)シリコーンエラストマー粒子
シリコーンエラストマー粒子は、特に限定されないが、凝集性が抑えられて分散性が向上する点から、一般式(1)
【0046】
[化2]
RSiO3/2 (1)
【0047】
(式中、Rは、非置換または置換の炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。)で表される単位を有するポリオルガノシルセスキオキサンであるかまたは主成分(例えば、シリコーンエラストマー粒子中80質量%以上の含有量)として上記一般式(1)の単位を有するポリオルガノシルセスキオキサンを含むものが好ましい。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;ならびにこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、非置換または置換のアミノ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、メルカプト基、カルボキシル基等で置換した1価の炭化水素基等が挙げられる。また、上記した置換のアミノ基としては、例えば、非置換または置換の炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基で置換されたアミノ基が挙げられる。ここで、非置換または置換の炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、上記Rについて例示した1価の炭化水素基が挙げられる。これらのポリオルガノシルセスキオキサンのうち、Rの炭素原子数は1〜6が好ましく、ポリジメチルシルセスキオキサンが特に好ましい。
【0048】
また、シリコーンエラストマー粒子は、上記一般式(1)のポリオルガノシルセスキオキサンに代えて、下記一般式(2)
【0049】
【化3】

【0050】
(式中、R、Rは、それぞれ独立して、非置換または置換の炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。)で表される構造を有するゴム状のシリコーンでもよい。ここで、非置換または置換の炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、上記Rについて例示した1価の炭化水素基が挙げられる。一般式(2)のシリコーンエラストマー粒子の分子構造は、特に制限されず、例えば、直鎖状、部分分岐した直鎖状、分岐鎖状、樹枝状(デンドリマー状)が挙げられる。シリコーンエラストマー粒子は、上記有機基を含むホモポリマーまたはコポリマーであってよく、疎水性の点からR、Rはそれぞれ独立して、メチル基、エチル基が好ましい。
【0051】
シリコーンエラストマー粒子の平均一次粒子径は、特に限定されないが、その下限値は塗工性の点から0.1μmが好ましく、製造時の分散性の点から0.5μmがより好ましく、1.0μmが特に好ましい。また、その上限値は塗膜面の平滑性の点から15μmが好ましく、5.0μmが特に好ましい。また、シリコーンエラストマー粒子のゴム硬度は、JIS K 6253に規定されているタイプAデュロメータによる測定で、上限値は折り曲げ性の点で90が好ましく、80が特に好ましい。一方で、ゴム硬度の下限値は、塗膜硬度の点で5が好ましく、10が特に好ましい。また、シリコーンエラストマー粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状である。
【0052】
シリコーンエラストマー粒子の配合量は、特に限定されないが、(A)成分の樹脂100質量部に対して、その下限値は、低反り性、耐変色性及び高反射率を付与する点から5質量部であり、さらに折り曲げ性を付与する点から10質量部が好ましく、20質量部が特に好ましい。一方、その上限値は、(A)成分の樹脂100質量部に対して、分散性の点から60質量部であり、塗工性の点から50質量部が好ましく、40質量部が特に好ましい。
【0053】
(b‐2)ポリテトラフルオロエチレン粒子
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、テトラフルオロエチレンの重合体である。ポリテトラフルオロエチレン粒子の融点は、耐変色性の点から300〜340℃が好ましい。
【0054】
ポリテトラフルオロエチレン粒子の平均一次粒子径は、特に限定されないが、その下限値は塗工性の点から0.1μmが好ましく、製造時の分散性の点から0.5μmがより好ましく、1.0μmが特に好ましい。また、その上限値は塗膜面の平滑性の点から15μmが好ましく、5.0μmが特に好ましい。ポリテトラフルオロエチレン粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状である。
【0055】
ポリテトラフルオロエチレンには、上記したテトラフルオロエチレンのホモポリマーであってもよく、変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)であってもよい。変性ポリテトラフルオロエチレンとは、テトラフルオロエチレンと共重合可能な変性モノマーとテトラフルオロエチレンとの共重合から得られる重合体である。上記変性モノマーとしては、テトラフルオロエチレンと共重合可能なモノマーであれば特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロプロピレン等のパーフルオロオレフィン等を挙げることができる。
【0056】
ポリテトラフルオロエチレン粒子の配合量は、特に限定されないが、(A)成分の樹脂100質量部に対して、その下限値は、低反り性、耐変色性及び高反射率を付与する点から5質量部であり、さらに折り曲げ性を付与する点から10質量部が好ましく、20質量部が特に好ましい。一方、その上限値は、(A)成分の樹脂100質量部に対して、分散性の点から60質量部であり、塗工性の点から50質量部が好ましく、40質量部が特に好ましい。
【0057】
本発明の硬化性樹脂組成物の製造容易性及び硬化物のより優れた柔軟性の点から、(B)成分には、(b‐1)シリコーンエラストマー粒子を使用することがより好ましい。
【0058】
本発明では、さらに、(C)光重合開始剤、(D)熱ラジカル開始剤、(E)反応性希釈剤及び/または(F)エポキシ化合物を含有してもよい。上記各成分は、以下の通りである。
【0059】
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0060】
波長300〜400nmの紫外光が本発明の硬化性樹脂組成物に照射されると、上記光重合開始剤が光硬化性樹脂の光硬化を促進する。光重合開始剤の配合量は、光硬化性樹脂100質量部に対して、5〜20質量部であり、8〜15質量部が好ましい。
【0061】
(D)熱ラジカル開始剤
光重合開始剤とともに、または光重合開始剤に代えて、熱ラジカル開始剤を使用しても、光硬化性樹脂の重合を促進することができる。熱ラジカル開始剤とは、加熱によりラジカルを発生する化合物である。熱ラジカル開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されないが、保存安定性の点から、1時間半減期温度が80〜200℃の熱ラジカル開始剤が好ましい。このような、熱ラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4、4´−アゾビス−(4−シアノバレイン酸)、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシアセテート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル,2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルヒドロパーオキサイド等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0062】
光重合開始剤を使用しない場合の光ラジカル開始剤の配合量は、光硬化性樹脂100質量部に対して、5〜20質量部であり、8〜15質量部が好ましい。
【0063】
(E)反応性希釈剤
反応性希釈剤は、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも2つ以上の重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、光硬化性樹脂の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。反応性希釈剤には、例えば、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0064】
反応性希釈剤の配合量は、光硬化性樹脂100質量部に対して、10〜150質量部であり、50〜100質量部が好ましい。
【0065】
(F)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、カルボキシル基を含有する樹脂(すなわち、例えば、カルボキシル基含有光硬化性樹脂、カルボキシル基含有熱硬化性樹脂)の硬化物について、その架橋密度を上げて、硬化物に十分な機械的強度を付与するためのものである。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0066】
エポキシ化合物の配合量は、硬化後に十分な機械的強度の塗膜を得る点から、カルボキシル基を含有する樹脂100質量部に対して、10〜50質量部であり、20〜30質量部が好ましい。
【0067】
本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物に、光源(例えば、発光ダイオード素子)からの光の反射率を向上させる機能を付与する場合には、本発明の硬化性樹脂組成物を白色に着色してもよい。白色の着色剤としては、例えば、無機白色顔料である(G)酸化チタンを挙げることができる。
【0068】
(G)酸化チタン
酸化チタンには、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンを挙げることができる。アナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンと比較して白色度は高いものの、光触媒活性を有するので、硬化性樹脂組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。これに対して、ルチル型酸化チタンは光触媒活性をほとんど有さず、樹脂の変色を防止できる点で好ましい。ルチル型酸化チタンの粒子の平均一次粒子径は特に限定されないが、通常は、0.01〜1μmである。また、ルチル型酸化チタン粒子の表面処理剤も特に限定されない。ルチル型酸化チタンには、例えば、富士チタン工業(株)製「TR−600」、「TR−700」、「TR−750」、「TR−840」、石原産業(株)製「R−550」、「R−580」、「R−630」、「R−820」、「CR−50」、「CR−60」、「CR−80」、「CR−90」、「CR−93」、チタン工業(株)製「KR−270」、「KR−310」、「KR−380」、テイカ(株)製「JR−1000 」等を使用することができる。ルチル型酸化チタンの使用量は、(A)成分の樹脂100質量部に対して30〜800質量部であり、好ましくは50〜500質量部である。
【0069】
また、本発明の硬化性樹脂組成物を白色以外の色、例えば、黒色、青色、黄色等に着色する場合には、白色着色剤に代えて、黒色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤等を配合してもよい。
【0070】
本発明の硬化性樹脂組成物では、上記各成分の他に、必要に応じて、難燃剤、アクリル化ウレタン樹脂をさらに配合させることができる。
【0071】
本発明の硬化性樹脂組成物に難燃剤を配合することで、硬化物に難燃性を付与することができる。難燃剤は特に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム等を挙げることができる。
【0072】
本発明の硬化性樹脂組成物にアクリル化ウレタン樹脂を配合することで、折り曲げ性のより向上した、つまり、柔軟性のより向上した硬化物を形成できるので、例えば、フレキシブル配線板への適用に有効である。アクリル化ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂にアクリル酸を反応させて得られるウレタンアクリレートであればよく、特定の化合物に限定されない。ウレタン樹脂は、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物と1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物を反応させて得られるものである。
【0073】
1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネアート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、ヘキサメチルアミンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0074】
1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物には、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,18−オクタデカンジオールなどのC2−C22アルカンジオールや、2−ブテン−1,4−ジオール、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオールなどのアルケンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール;グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール等の脂肪族トリオール;テトラメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール等の水酸基を4つ以上有するポリオールなどが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0075】
アクリル化ウレタン樹脂の配合量は、(A)成分の樹脂100質量部に対して、硬化物に柔軟性を付与しつつ耐変色性の低下を防止する点から1〜40質量部であり、2〜25質量部が好ましい。
【0076】
また、本発明では、必要に応じて、種々の添加成分、例えば、消泡剤、各種添加剤、有機溶剤などを含有させることができる。
【0077】
消泡剤には、公知のものを使用でき、例えば、シリコーン系、オレフィン系共重合物、アクリル系等を挙げることができる。各種添加剤には、例えば、シラン系、チタネート系、アルミナ系等のカップリング剤といった分散剤、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等の潜在性硬化剤、アセチルアセナートZn及びアセチルアセナートCr等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸錫、第4級スルホニウム塩、トリフェニルホスフィン、イミダゾール類、イミダゾリウム塩並びにトリエタノールアミンボレート等の熱硬化促進剤を挙げることができる。
【0078】
有機溶剤は、硬化性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するために使用するものである。有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類等を挙げることができる。
【0079】
上記した本発明の硬化性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されないが、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。
【0080】
次に、上記した本発明の硬化性樹脂組成物の使用方法例について説明する。ここでは、(A)成分として光硬化性樹脂を使用した硬化性樹脂組成物について説明する。また、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するフレキシブル配線板用基板上に、本発明の硬化性樹脂組成物を塗工して、ソルダーレジスト膜を形成する方法を例にとって説明する。
【0081】
銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するフレキシブル配線板用基板上に、上記のように製造した硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法、スプレーコート法等の方法を用いて所望の厚さに塗布し、硬化性樹脂組成物中の有機溶剤を揮散させるために60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行い、硬化性樹脂組成物から有機溶剤を揮発させて塗膜の表面をタックフリーの状態にする。その後、塗布した硬化性樹脂組成物上に、前記回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを密着させ、その上から紫外線(例えば、波長300〜400nmの範囲)を照射させる。そして、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリも使用可能である。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、フレキシブル配線板用基板上に目的とするソルダーレジスト膜を形成させることができる。
【0082】
このようにして得られた硬化塗膜にて被覆されたフレキシブル配線板用基板に、噴流はんだ付け方法、リフローはんだ付け方法等により電子部品がはんだ付けされることで、電子回路ユニットが形成される。
【0083】
次に、上記した硬化性樹脂組成物をシート状ベースフィルムの表面に塗工して、反射シートを製造する方法の例について説明する。ここでは、(A)成分として熱硬化性樹脂を使用した硬化性樹脂組成物について説明する。
【0084】
上記のようにして得られた硬化性樹脂組成物を熱硬化させて反射シートの反射被膜を形成する場合、例えば、シート状ベースフィルム表面を酸で処理して洗浄後、洗浄した表面に、上記硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法、スプレーコート法等の方法を用いて所望の厚さ、例えば5〜100μmの厚さに塗布する。次に、熱風炉または遠赤外線炉等で予備乾燥を行い、硬化性樹脂組成物から有機溶剤を揮発させて塗膜の表面をタックフリーの状態にする。予備乾燥では、60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する。次いで、例えば130〜170℃の熱風炉または遠赤外線炉等の乾燥機等で10〜80分間加熱することによりポストキュアを行って、ベースフィルム表面の塗膜を熱硬化させ、反射被膜を有する反射シートを製造する。
【0085】
上記シート状ベースフィルムの材料は、特に限定されないが、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルフロライド(PVF)、フッ化エチレン・プロピレンコポリマー(FEP)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、アラミド、ポリアミド・イミド、エポキシ、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)等を挙げることができる。
【実施例】
【0086】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
【0087】
実施例1〜11、比較例1〜3
下記表1に示す各成分を下記表1に示す割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜11及び比較例1〜3にて使用する、硬化性樹脂組成物を調製した。下記表1中の配合の数字は質量部を示す。
【0088】
【表1】

【0089】
表1中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
(A)光硬化性樹脂及び/または熱硬化性樹脂
(a‐1‐1)カルボキシル基含有光硬化性樹脂
・ACA‐Z300:ダイセル化学工業(株)製、アクリル共重合樹脂を使用した光硬化性樹脂
・FLX‐2089:日本化薬(株)製、ウレタン変性エポキシ樹脂を使用した光硬化性樹脂
【0090】
(a‐1‐2)アクリル基含有光硬化性樹脂
アクリル基含有光硬化性樹脂は、下記のように合成した(表1中、「合成樹脂1」)。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、窒素または空気導入管を備えた3リットルセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(三洋化成品社製、アーコソルブPM)1500gを仕込み、105℃に昇温後、グリシジルメタクリレート(日油社製、ブレンマーGH)142g、n-ブチルメタクリレート1279g、プロピレングリコールモノメチルエーテル360g及びジメチル2,2’‐アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬社製、V−601)15.0gを混合した溶液を3時間かけて滴下した。滴下後、3時間窒素雰囲気下で反応を続けて熟成させた。次に、空気雰囲気下でアクリル酸690g、トリフェニルホスフィン3g、メトキシフェノール3gを混合した溶液を加えて110℃で10時間反応させた。これにより、酸価1.2mgKOH/g、二重結合当量1500g/eq、重量平均分子量22000のアクリル基含有光硬化性樹脂の溶液を得た。
【0091】
(a‐2‐1)カルボキシル基含有熱硬化性樹脂
・UC‐3900:東亞合成(株)製、カルボキシル基含有スチレンアクリル共重合樹脂、重量平均分子量4600、酸価108mgKOH/g、二重結合当量0g/eq
【0092】
(B)シリコーンエラストマー粒子及び/またはポリテトラフルオロエチレン粒子
(b‐1)シリコーンエラストマー粒子
・EP‐2601:東レ・ダウコーニング(株)製、主成分はポリジメチルシルセスキオキサン、平均一次粒子径1〜3μm
(b‐2)ポリテトラフルオロエチレン粒子
・L173JE:旭硝子(株)製、平均一次粒子径5μm
【0093】
(C)光重合開始剤
・SPEEDCURE TPO:LAMBSON社製、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド
・イルガキュア819:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、ビス(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイド
・イルガキュア369:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン
(D)熱ラジカル開始剤
・AIBN:大塚化学(株)、アゾビスイソブチロニトリル
【0094】
(E)反応性希釈剤
・DPHA:日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・EBECRYL3708:ダイセル・サイテック(株)、2官能変性エポキシアクリレート
(F)エポキシ化合物
・EPICRON860:DIC社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
・エピコート1003:三菱化学(株)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(G)酸化チタン
・CR−80:石原産業(株)、ルチル型酸化チタン
【0095】
OP‐935は、クラリアントジャパン(株)製、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウムである。EBECRYL8405は、ダイセル・サイテック(株)製、4官能アクリルウレタン樹脂である。AC−2000は、共栄社化学(株)、オレフィン系共重合物である。DICY−7(ジャパンエポキシレジン(株)製)及びメラミンは、潜在性硬化剤である。1B2PZ(四国化成工業(株)製)は、1‐ベンジル-2-フェニルイミダゾールであり、熱硬化促進剤である。なお、RHC‐730は、大日精化工業(株)製のウレタン粒子である。
【0096】
試験片作成工程1(実施例1〜6、10、11、比較例1〜3)
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製 カプトン100H)に回路パターンを形成したフレキシブル配線板用基板を希硫酸(3%)により表面処理後、スクリーン印刷法にて、上記のように調製した実施例1〜6、10、11及び比較例1〜3の硬化性樹脂組成物を塗布した。塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて波長360nmの紫外線を500mJ/cm露光し、30℃、1%の炭酸ナトリウム現像液にて現像した。現像後、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行うことで、銅張積層板上に硬化塗膜を形成した。硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。
【0097】
試験片作成工程2(実施例7)
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製 カプトン100H)に回路パターンを形成したフレキシブル配線板用基板を希硫酸(3%)により表面処理後、スクリーン印刷法にて、上記のように調製した実施例7の硬化性樹脂組成物をパターン印刷した。印刷後、BOX炉にて150℃で60分のキュアを行うことで、銅張積層板上に硬化塗膜を形成した。硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。
【0098】
試験片作成工程3(実施例8、9)
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製 カプトン100H)に回路パターンを形成したフレキシブル配線板用基板を希硫酸(3%)により表面処理後、スクリーン印刷法にて、上記のように調製した実施例8、9の硬化性樹脂組成物をパターン印刷した。印刷後、塗膜上に露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて波長360nmの紫外線を1000mJ/cm露光することで塗膜をキュアし、銅張積層板上に硬化塗膜を形成した。硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。
【0099】
評価
(1)折り曲げ性
円筒形マンドレル法により、硬化塗膜の折り曲げ性(柔軟性)を目視観察及び×200の光学顕微鏡観察から評価したものであり、◎:直径1〜2mmで異常なし、○:直径3mmで異常なしだが、直径2mmでクラック、剥離等の異常あり、△:直径5mmで異常なしだが、直径3mmでクラック、剥離等の異常あり、×:直径5mmでクラック、剥離等の異常あり、の4段階で評価した。
(2)反り性
試験片を3cm×3cmに切り出した後、水平な台上に上が凹になるように静かに試験片を置き、特に外力を加えないようにして、試験片の4か所の角と台との間の垂直な隔たりを直尺で1mmの単位まで測定し、その最大値を反り量とした。測定結果については、1mm以下の反り量を「◎」、1mm超3mm以下の反り量を「○」、3mm超5mm以下の反り量を「△」、5mm超の反り量を「×」、の4段階で評価した。
(3)変色性
試験片の硬化塗膜を260℃で5分間加熱後、変色を目視にて評価した。変色なし「○」、変色が若干認められる「△」、黄変「×」、の3段階で評価した。
(4)反射率(%)
・初期:試験片の硬化塗膜について、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける反射率を測定した。
・加熱後:リフロー温度260℃、260℃のリフロー時間30秒にて、3回、リフロー炉にて熱処理後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)を用いて、450nmおける反射率を測定した。
(5)難燃性
UL94規格に準拠した垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0〜燃焼で表した。
(6)絶縁特性
IPC-TM-650のIPC−SM840B B−25テストクーポンのくし形電極を用い、85℃、85%R.H.で200時間加湿した後の絶縁抵抗値を、DC50Vを印加して測定した。
【0100】
実施例1〜11及び比較例1〜3の折り曲げ性、反り性、変色性、反射率、難燃性及び絶縁特性の結果を表2に示す。
【0101】
【表2】

【0102】
表2の実施例1〜11より、シリコーンエラストマー粒子またはポリテトラフルオロエチレン粒子を配合すると、折り曲げ性、低い反り性及び絶縁特性を損なうことなく、耐変色性と反射率に優れた硬化塗膜を得ることができた。なお、実施例1〜11の反射率はリフロー炉で熱処理しても比較例1〜3よりも優れた状態を維持していた。従って、熱処理工程や長期間の使用を経ても、優れた耐変色性と高反射率を有すると判断できた。また、難燃剤を配合することで、確実に難燃性を付与することができた。さらに、実施例4と比較例3より、他の光重合開始剤と比較して耐変色性と反射率に相対的に劣るイルガキュア369を使用しても、硬化塗膜の耐変色性と反射率を向上させることができた。
【0103】
一方、比較例1〜3より、シリコーンエラストマー粒子またはポリテトラフルオロエチレン粒子を配合しないと、折り曲げ性、低反り性、耐変色性、反射率のいずれかが低下した。また、比較例2、3より、折り曲げ性と低反り性の低下を防止するために、ウレタン粒子を配合すると、耐変色性と反射率が低下した。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明の硬化性樹脂組成物は、折り曲げ性、低反り性、耐変色性及び反射率に優れた硬化塗膜を得ることができるので、被膜の形成材料として、例えば、ソルダーレジスト、太陽電池用バックシートの被覆、LEDのバックシートの被覆等として利用価値が高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)光硬化性樹脂及び/または熱硬化性樹脂と、(B)シリコーンエラストマー粒子及び/またはポリテトラフルオロエチレン粒子と、を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記シリコーンエラストマー粒子が、下記一般式(1)
[化1]
RSiO3/2 (1)
(式中、Rは、非置換または置換の炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。)で表される単位を有するポリオルガノシルセスキオキサンを含むことを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記光硬化性樹脂が、カルボキシル基含有光硬化性樹脂、アクリル基含有光硬化性樹脂、または該カルボキシル基含有光硬化性樹脂と該アクリル基含有光硬化性樹脂との混合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
さらに、(C)光重合開始剤及び/または(D)熱ラジカル開始剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
さらに、(E)反応性希釈剤及び/または(F)エポキシ化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記熱硬化性樹脂が、カルボキシル基含有熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
さらに、(F)エポキシ化合物を含有することを特徴とする請求項6に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
さらに、(G)酸化チタンを含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化被膜を有するフレキシブル基板。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化被膜を有する反射シート。

【公開番号】特開2013−67756(P2013−67756A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209177(P2011−209177)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)
【Fターム(参考)】