膝痛止板付き靴
【目的】 従来、変形性膝関節症内側型(O脚)疾患を靴による治療の装具は個人専用の一品製作によるものであって、製作価格は高価であった。そこで個人専用でなく、同疾患の誰にでも適合する装具で固着が簡単であり、しかも安価な膝痛止板付き靴を提供する。
【構成】 基台(2)の厚さ約5mm踵部最大幅約20mm前足部最大幅約30mm踵部・中足部・前足部の板外甲側端(33)の対辺の先端より板外甲側端に向って約5mmの切欠部(3)を有する図3形状の膝痛止板(4)を設ける。
該膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の本底(55)の本底上面(56)の本底外甲側(58)の本底外甲側縁(59)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)
該膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の中底(64)の中底上面(65)の中低外甲側(67)の中底外甲側縁(68)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)。
【構成】 基台(2)の厚さ約5mm踵部最大幅約20mm前足部最大幅約30mm踵部・中足部・前足部の板外甲側端(33)の対辺の先端より板外甲側端に向って約5mmの切欠部(3)を有する図3形状の膝痛止板(4)を設ける。
該膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の本底(55)の本底上面(56)の本底外甲側(58)の本底外甲側縁(59)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)
該膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の中底(64)の中底上面(65)の中低外甲側(67)の中底外甲側縁(68)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、変形性膝関節症内側型(O脚)の膝の痛みを解消する、また変形性膝関節内側型(O脚)疾患を予防する技術で、これを装着する靴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、変形性膝関節症内側型(O脚)疾患の治療用装具は個人専用の一品製作によるものであって、製作価格は高価であり、また同疾患の個人専用の装具であった。そこで個人専用でなく、同疾患の誰にも使用できる装具で安価なものが求められていた。
足の裏に接地する形に同形の上台と下台を合わせ一体となる基台を設け、楔形補強板は厚さ約5mm一方先端を正三角形状部を有する楔形断面胴部と基台の上面楔形部に類似の楔形補強板の踵部最大幅約25mm踵中心起点と基台の上面楔形部に類似の楔形補強板の前足部最大幅約35mm中足指中間起点を結び楔指先および楔踵後双方に延長の楔稜線と楔稜線の対辺の板外甲側端に至る略々幅からなる楔形補強板を設け基台の上台と下台の間に基台の外甲側の外甲側縁から上面楔稜線へ向けて基台の外甲側の外甲側縁に楔形補強板の板外甲側の板外甲側端を合わせて挾装縫着して形成し、基台の上面楔稜線から上面楔稜線の対辺基台の内甲側の内甲側縁に至る略々上面低部を設けてなるインソール構造体。該インソール構造体の楔形補強板は足の第5中足骨と第4中足骨接地部を押し上げて胆持することによって、大腿四頭筋などの筋力強化を図ると同時に変形性膝関節症内側型(O脚)の場合は体重が外にかかり正常な位置に戻る、よって膝の痛みを解消する。インソール構造体特願2005−118909号がある。現在、変形性膝関節内側型(O脚)の膝の痛みを解消、または予防する安価で良質な靴が要望されている。
【0003】
従来のスポーツシューズ及び靴は、特にスポーツシューズにおいては挿入される足との密着感の向上に注意が向けられてきたものであり、ソールによる靴底の形状は、土踏まず部が靴底のアーチラインに合っているように変形されている。更に靴底に変形されたアーチラインの寸法、形状共に足によく合致し、きつすぎず、ゆるすぎず快適な状態を保つことが最良であると考えられてきた。更に、元来使用者が有している走行上の欠点、あるいは運動時における体重移動上の欠点を解消する特開平8−280409号があるが、これは変形性膝関節症内側型の膝痛の解消、又は同膝痛の予防をするものではなく、これはむしろ変形性膝関節症内側型には適さないものであった。
【0004】
公知の特開2000−93202(靴のインソール構造)は、本底上面にインソールを設けてなる靴において、第1中足骨接地部及び第5中足骨接地部に対応するインソールの表面部分と第1中足骨接地部から第5中足骨接地部にわたる部分に対応するインソール表面部分に凹部を設けたことを特徴とするもの、更に第1指指骨と第2指指骨との中間部近傍を頂点としけい側中足点前方の第1指指骨中間部からひ側中足点前方の第5指指骨中間部に至る略々“へ”字形線に対応する前記インソールの部分段差を設けて、“へ”字形の前方部分全体を低部としたことを特徴とする靴のインソール構造である。これは靴の内部における前後左右方向のずれ防止において、安定した歩行が出来ることによりハンマートウや足指上部のタコ、マメが防止されるが変形性膝関節症内側型(O脚)の治療または予防に効果を望むものではない。
【0005】
人の足を見てみると、筋力のバランス等に起因して足の姿勢が歪んでいる人が多い。そこで靴底の前後方向又は幅方向の一側方を他側方に比して薄く形成することにより、足の姿勢を矯正する方法が提案されている。(特願文献1、特開文献2、特開文献3、特開文献4)
〔特願文献1〕特願2005−118909
〔特開文献2〕特開2000−93202
〔特開文献3〕特開平8−280409
〔特開文献4〕特開平05−154007
従来は以上のごとく安価な靴で変形性膝関節症内側型(O脚)の治療、または予防に効果のあるものはなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
変形性膝関節症内側型(O脚)に係わる膝の関節痛等は以下のごとく痛み、腫張、変形、不安定性、可動域制限、筋力低下、日常生活動作(更衣、トイレ動作など)、歩行、階段昇降、肥満など関連症状がある。これら症状を保存療法のなかで患者の障害を包括的にとらえたリハビリテーション・アプローチすることは重要であり安価で良質で、しかも比較的簡単に使用できる靴はなかった。
【0007】
変形性膝関節症内側型(O脚)に係わる膝の関節痛の治療として大腿四頭筋の筋力強化が膝の関節痛の解消と予防の治療方法であるが、これを比較的簡単に日常生活の中でリハビリテーション・アプローチに用いる靴はなかった。
【0008】
従来、変形性膝関節症内側型(O脚)患者の治療用装具は個人専用の一品製作によるものであって、製品価格は高価となる欠点があり、安価で経済的なものが要望されていた。
【0009】
従来、変形性膝関節症内側型(O脚)患者の膝痛の解消及び予防できる製造コストの低い靴はなかった。
以上のような課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
基台(2)の厚さ約5mm踵部最大幅約20mm前足部最大幅約30mm踵部・中足部・前足部の板外甲側端(33)の対辺の先端より板外甲側端に向って約5mmの切欠部(3)を有する図3形状の膝痛止板(4)を設ける。
【0011】
該膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の本底(55)の本底上面(56)の本底外甲側(58)の本底外甲側縁(59)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)
【0012】
該膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の中底(64)の中底上面(65)の中低外甲側(67)の中底外甲側縁(68)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)。
本発明は以上のような構成を特徴とする膝痛止板付き靴。
【発明の効果】
【0013】
靴の本底上面又は中底上面に膝痛止板を設けたことで、足の第5中足骨と第4中足骨の接地部を押し上げ胆持することによって、大腿四頭筋などの筋力強化を図る、また変形性膝関節症内側型(O脚)の場合は体重が外にかかる、これを正常な位置に戻す。これらによって膝の痛みを解消する。更に変形性膝関節症内側型(O脚)疾患の予防をする。
【0014】
これら保存療法は患者の障害を包括的にとらえたリハビリテーション・アプローチに簡単に取り入れ使用することができる利便性がある。また製造コストは廉価で、他の装具を使用することと比較してトータルな経済的効果は大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
上記の膝板止板に用いる材料は、天然皮革、エチルビニルアセテート(EVA)、クレストッパ、クラリーノハード、レザーボード、パルプボード、コルクスポンジ、熱可塑性合成樹脂、熱硬化性樹脂、ポリウレタン等を用いる。
【0016】
靴(53)の本底(55)の本底楔稜線(57)から本底楔稜線(57)の対辺本底外甲側縁(59)に至る略々幅からなる本底楔形部(60)と本底楔稜線(57)の対辺本底内甲側縁(62)に至る略々幅からなる本底上面低部(63)を設ける。
【0017】
靴(53)の中底(64)の中底楔稜線(66)から中底楔稜線(66)の対辺中底外甲側縁(68)に至る略々幅からなる中底楔形部(69)と中底楔稜線(66)の対辺中底内甲側縁(71)に至る略々幅からなる中底上面低部(72)を設ける。
【0018】
膝痛止板形成にする方法その1
膝痛止板形成における基台図(20)と足の骨格図(21)に基づいて、足の踵部の幅及び前足部幅は、足の腫部の距骨滑車(T)の中心点(T1)と踵骨(T2)の隆起部の頂点を結ぶ延長上の足の踵部の外甲側縁(12)に至る、足の踵部の外甲側縁(12)から距骨滑車(T)の中心接地部へ向けて最大幅20mmの位置を踵起点(T3)と定め、足の踵部の外甲側縁(12)から距骨滑車(T)の中心へ向けて踵起点(T3)に至る幅接地部と足の前足部の第5中足指節関節(M5)と第4中足指節関節(M4)を経て第3中足指節関節(M3)へ至る中間点を中足指中間点(T4)と定め、該中足指中間点(T4)と前記踵部の踵起点(T3)と縦長に結ぶ線の延長上の前後爪先(9)及び踵後端(8)に至る線を中足指線(T5)とし、該中足指線(T5)の対辺中足部及び前足部の外甲側縁(12)に向けて第5中足指節関節(M5)部位近傍略々幅からなる最大幅30mmの幅接地部とする。次に中足指線(T5)を頂点とする先端から外甲側縁(12)に向けて5mmの切欠部(3)を有する膝痛止板の基台(2)を形成する図。
【0019】
膝痛止板を形成する方法その2
前記膝痛止板形成における基台図(20)と足の骨格図(21)に基づき、膝板止版(4)の厚さを5mmとし、膝板止板(4)の足の踵部の幅及び前足部幅は、足の踵部の距骨滑車(T)の中心点(T1)と踵骨(T2)の隆起部の頂点を結ぶ延長上の足の踵部の板外甲側端(33)に至る、足の踵部の板外甲側端(33)から距骨滑車(T)の中心接地部へ向けて最大幅20mmの位置を踵起点(T3)と定め、足の踵部の板外甲側端(33)から距骨滑車(T)の中心へ向けて踵起点(T3)に至る幅接地部と足の前足部の第5中足指節関節(M5)と第4中足指節関節(M4)を経て第3中足指節関節(M3)へ至る中間点を中足指中間点(T4)と定め、該中足指中間点(T4)と前記踵部の踵起点(T3)と縦長に結ぶ線の延長上の前後楔指先(37)及び楔踵後(36)に至る線を楔稜線(39)とし、該楔稜線(39)の対辺中足部及び前足部の板外甲側端(33)に向けて第5中足指節関節(M5)部位近傍略々幅からなる最大30mmの幅接地部とし、楔稜線(39)を頂点とする先端から板外甲側端(33)に向けて5mmの切欠部(3)を有する膝痛止板(4)を形成する。
【0020】
膝板止版を形成する方法その3
足の大きさや靴のタイプにより適宜選択できる範囲は、前記膝板止板形成における基台図(20)と足の骨格図(21)に基づき、膝痛止板(4)の厚さを4mm乃至10mmとし、膝痛止板(4)の足の踵部の幅及び前足部幅は、足の踵部の距骨滑車(T)の中心点(T1)と踵骨(T2)の隆起部の頂点を結ぶ延長上の足の踵部の板外甲側端(33)に至る、足の踵部の板外甲側端(33)から距骨滑車(T)の中心接地部へ向けて最大幅18mm乃至25mmの位置を踵起点(T3)と定め、足の踵部の板外甲側端(33)から距骨滑車(T)の中心へ向けて踵起点(T3)に至る幅接地部と足の前足部の第5中足指節関節(M5)と第4中足指節関節(M4)を経て第3中足指節関節(M3)へ至る中間点を中足指中間点(T4)と定め、該中足指中間点(T4)と前記踵部の踵起点(T3)と縦長に結ぶ線の延長線上の前後楔指先(37)及び楔踵後(36)に至る線を楔稜線(39)とし、該楔稜線(39)の対辺中足部及び前足部の板外甲側端(33)に向けて第5中足指節関節(M5)部位近傍略々幅からなる最大28mm乃至35mmの幅接地部とし、楔稜線(39)を頂点とする先端から板外甲側端(33)に向けて4mm乃至10mmの切欠部(3)を有する膝痛止板(4)を形成する。
【0021】
膝痛止板(4)の板外甲側(31)の板外甲側端(33)と膝痛止板(4)の楔稜線(39)を靴(53)の本底(55)の本底外甲側(58)の本底外甲側縁(59)と靴(53)の本底楔稜線(57)に合わせて固着する。
【0022】
本底(55)に膝痛止板(4)を固着せず中底(64)を載設する場合に膝痛止板(4)の板外甲側(31)の板外甲側端(33)と膝痛止板(4)の楔稜線(39)を靴(53)の中底(64)の中底外甲側(67)の中底外甲側縁(68)と靴(53)の中底楔稜線(66)に合わせて固着する。
【0023】
靴(53)の本底上面低部(63)または本底楔形部(60)に固着した膝痛止板(4)をカバーシート(73)で覆設する。
【0024】
靴(53)の本底や中底に膝痛止板(4)を固着するには縫着、貼着、溶着、圧着等の方法がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の本底上面に膝痛止板を固着した斜視図。
【図2】本発明の中底上面に膝痛止板を固着した斜視図。
【図3】本発明の膝痛止板の斜視図。
【図4】本発明の膝痛止板A−Aに沿った断面図。
【図5】本発明の膝痛止板B−Bに沿った断面図。
【図6】本発明の靴内面の本底上面に膝痛止板を固着する位置を現わす平面図。
【図7】本発明の靴内面の中底上面に膝痛止板を固着する位置を現わす平面図。
【図8】本発明の靴内面の一部本底上面に膝痛止板を固着したC−C断面図。
【図9】本発明の靴内面の一部中底上面に膝痛止板を固着したD−D断面図。
【図10】本発明の膝痛止板製作に係わる足の骨格図。
【図11】本発明の膝板止板の基台製作に係わる平面図。
【符号の説明】
【0026】
1:膝痛止板付き靴 2:基台 3:切欠部 4:膝痛止板 5:踵部 6:中足部 7:前足部 8:踵後端 9:爪先 10:外甲則 11:内甲則 12:外甲側縁 13:内甲側縁 20:基台図 21:足の骨格図 31:板外甲側 32:板内甲側 33:板外甲側端 36:楔踵後 37:楔指先 38:踵中心起点 39:楔稜線 40:中足指中間起点 48:踵部楔形断面胴 48J:前足部楔形断面胴 53:靴 54:アッパー 55:本底 56:本底上面 57:本底楔稜線 58:本底外甲則 59:本底外甲側縁 60:本底楔形部 61:本底内甲側 62:本底内甲側縁 63:本底上面低部 64:中底 65:中底上面 66:中底楔稜線 67:中底外甲側 68:中底外甲側縁 69:中底楔形部 70:中底内甲側 71:中底内甲側縁 72:中底上面低部 73:カバーシート T:踵骨滑車 T1:中心点 T2:踵骨 T3:踵起点 T4:中足指中間点 T5:中足指線 M1:第1中足指関節 M2:第2中足指関節 M3:第3中足指関節 M4:第4中足指関節 M5:第5中足指関節
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、変形性膝関節症内側型(O脚)の膝の痛みを解消する、また変形性膝関節内側型(O脚)疾患を予防する技術で、これを装着する靴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、変形性膝関節症内側型(O脚)疾患の治療用装具は個人専用の一品製作によるものであって、製作価格は高価であり、また同疾患の個人専用の装具であった。そこで個人専用でなく、同疾患の誰にも使用できる装具で安価なものが求められていた。
足の裏に接地する形に同形の上台と下台を合わせ一体となる基台を設け、楔形補強板は厚さ約5mm一方先端を正三角形状部を有する楔形断面胴部と基台の上面楔形部に類似の楔形補強板の踵部最大幅約25mm踵中心起点と基台の上面楔形部に類似の楔形補強板の前足部最大幅約35mm中足指中間起点を結び楔指先および楔踵後双方に延長の楔稜線と楔稜線の対辺の板外甲側端に至る略々幅からなる楔形補強板を設け基台の上台と下台の間に基台の外甲側の外甲側縁から上面楔稜線へ向けて基台の外甲側の外甲側縁に楔形補強板の板外甲側の板外甲側端を合わせて挾装縫着して形成し、基台の上面楔稜線から上面楔稜線の対辺基台の内甲側の内甲側縁に至る略々上面低部を設けてなるインソール構造体。該インソール構造体の楔形補強板は足の第5中足骨と第4中足骨接地部を押し上げて胆持することによって、大腿四頭筋などの筋力強化を図ると同時に変形性膝関節症内側型(O脚)の場合は体重が外にかかり正常な位置に戻る、よって膝の痛みを解消する。インソール構造体特願2005−118909号がある。現在、変形性膝関節内側型(O脚)の膝の痛みを解消、または予防する安価で良質な靴が要望されている。
【0003】
従来のスポーツシューズ及び靴は、特にスポーツシューズにおいては挿入される足との密着感の向上に注意が向けられてきたものであり、ソールによる靴底の形状は、土踏まず部が靴底のアーチラインに合っているように変形されている。更に靴底に変形されたアーチラインの寸法、形状共に足によく合致し、きつすぎず、ゆるすぎず快適な状態を保つことが最良であると考えられてきた。更に、元来使用者が有している走行上の欠点、あるいは運動時における体重移動上の欠点を解消する特開平8−280409号があるが、これは変形性膝関節症内側型の膝痛の解消、又は同膝痛の予防をするものではなく、これはむしろ変形性膝関節症内側型には適さないものであった。
【0004】
公知の特開2000−93202(靴のインソール構造)は、本底上面にインソールを設けてなる靴において、第1中足骨接地部及び第5中足骨接地部に対応するインソールの表面部分と第1中足骨接地部から第5中足骨接地部にわたる部分に対応するインソール表面部分に凹部を設けたことを特徴とするもの、更に第1指指骨と第2指指骨との中間部近傍を頂点としけい側中足点前方の第1指指骨中間部からひ側中足点前方の第5指指骨中間部に至る略々“へ”字形線に対応する前記インソールの部分段差を設けて、“へ”字形の前方部分全体を低部としたことを特徴とする靴のインソール構造である。これは靴の内部における前後左右方向のずれ防止において、安定した歩行が出来ることによりハンマートウや足指上部のタコ、マメが防止されるが変形性膝関節症内側型(O脚)の治療または予防に効果を望むものではない。
【0005】
人の足を見てみると、筋力のバランス等に起因して足の姿勢が歪んでいる人が多い。そこで靴底の前後方向又は幅方向の一側方を他側方に比して薄く形成することにより、足の姿勢を矯正する方法が提案されている。(特願文献1、特開文献2、特開文献3、特開文献4)
〔特願文献1〕特願2005−118909
〔特開文献2〕特開2000−93202
〔特開文献3〕特開平8−280409
〔特開文献4〕特開平05−154007
従来は以上のごとく安価な靴で変形性膝関節症内側型(O脚)の治療、または予防に効果のあるものはなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
変形性膝関節症内側型(O脚)に係わる膝の関節痛等は以下のごとく痛み、腫張、変形、不安定性、可動域制限、筋力低下、日常生活動作(更衣、トイレ動作など)、歩行、階段昇降、肥満など関連症状がある。これら症状を保存療法のなかで患者の障害を包括的にとらえたリハビリテーション・アプローチすることは重要であり安価で良質で、しかも比較的簡単に使用できる靴はなかった。
【0007】
変形性膝関節症内側型(O脚)に係わる膝の関節痛の治療として大腿四頭筋の筋力強化が膝の関節痛の解消と予防の治療方法であるが、これを比較的簡単に日常生活の中でリハビリテーション・アプローチに用いる靴はなかった。
【0008】
従来、変形性膝関節症内側型(O脚)患者の治療用装具は個人専用の一品製作によるものであって、製品価格は高価となる欠点があり、安価で経済的なものが要望されていた。
【0009】
従来、変形性膝関節症内側型(O脚)患者の膝痛の解消及び予防できる製造コストの低い靴はなかった。
以上のような課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
基台(2)の厚さ約5mm踵部最大幅約20mm前足部最大幅約30mm踵部・中足部・前足部の板外甲側端(33)の対辺の先端より板外甲側端に向って約5mmの切欠部(3)を有する図3形状の膝痛止板(4)を設ける。
【0011】
該膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の本底(55)の本底上面(56)の本底外甲側(58)の本底外甲側縁(59)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)
【0012】
該膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の中底(64)の中底上面(65)の中低外甲側(67)の中底外甲側縁(68)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)。
本発明は以上のような構成を特徴とする膝痛止板付き靴。
【発明の効果】
【0013】
靴の本底上面又は中底上面に膝痛止板を設けたことで、足の第5中足骨と第4中足骨の接地部を押し上げ胆持することによって、大腿四頭筋などの筋力強化を図る、また変形性膝関節症内側型(O脚)の場合は体重が外にかかる、これを正常な位置に戻す。これらによって膝の痛みを解消する。更に変形性膝関節症内側型(O脚)疾患の予防をする。
【0014】
これら保存療法は患者の障害を包括的にとらえたリハビリテーション・アプローチに簡単に取り入れ使用することができる利便性がある。また製造コストは廉価で、他の装具を使用することと比較してトータルな経済的効果は大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
上記の膝板止板に用いる材料は、天然皮革、エチルビニルアセテート(EVA)、クレストッパ、クラリーノハード、レザーボード、パルプボード、コルクスポンジ、熱可塑性合成樹脂、熱硬化性樹脂、ポリウレタン等を用いる。
【0016】
靴(53)の本底(55)の本底楔稜線(57)から本底楔稜線(57)の対辺本底外甲側縁(59)に至る略々幅からなる本底楔形部(60)と本底楔稜線(57)の対辺本底内甲側縁(62)に至る略々幅からなる本底上面低部(63)を設ける。
【0017】
靴(53)の中底(64)の中底楔稜線(66)から中底楔稜線(66)の対辺中底外甲側縁(68)に至る略々幅からなる中底楔形部(69)と中底楔稜線(66)の対辺中底内甲側縁(71)に至る略々幅からなる中底上面低部(72)を設ける。
【0018】
膝痛止板形成にする方法その1
膝痛止板形成における基台図(20)と足の骨格図(21)に基づいて、足の踵部の幅及び前足部幅は、足の腫部の距骨滑車(T)の中心点(T1)と踵骨(T2)の隆起部の頂点を結ぶ延長上の足の踵部の外甲側縁(12)に至る、足の踵部の外甲側縁(12)から距骨滑車(T)の中心接地部へ向けて最大幅20mmの位置を踵起点(T3)と定め、足の踵部の外甲側縁(12)から距骨滑車(T)の中心へ向けて踵起点(T3)に至る幅接地部と足の前足部の第5中足指節関節(M5)と第4中足指節関節(M4)を経て第3中足指節関節(M3)へ至る中間点を中足指中間点(T4)と定め、該中足指中間点(T4)と前記踵部の踵起点(T3)と縦長に結ぶ線の延長上の前後爪先(9)及び踵後端(8)に至る線を中足指線(T5)とし、該中足指線(T5)の対辺中足部及び前足部の外甲側縁(12)に向けて第5中足指節関節(M5)部位近傍略々幅からなる最大幅30mmの幅接地部とする。次に中足指線(T5)を頂点とする先端から外甲側縁(12)に向けて5mmの切欠部(3)を有する膝痛止板の基台(2)を形成する図。
【0019】
膝痛止板を形成する方法その2
前記膝痛止板形成における基台図(20)と足の骨格図(21)に基づき、膝板止版(4)の厚さを5mmとし、膝板止板(4)の足の踵部の幅及び前足部幅は、足の踵部の距骨滑車(T)の中心点(T1)と踵骨(T2)の隆起部の頂点を結ぶ延長上の足の踵部の板外甲側端(33)に至る、足の踵部の板外甲側端(33)から距骨滑車(T)の中心接地部へ向けて最大幅20mmの位置を踵起点(T3)と定め、足の踵部の板外甲側端(33)から距骨滑車(T)の中心へ向けて踵起点(T3)に至る幅接地部と足の前足部の第5中足指節関節(M5)と第4中足指節関節(M4)を経て第3中足指節関節(M3)へ至る中間点を中足指中間点(T4)と定め、該中足指中間点(T4)と前記踵部の踵起点(T3)と縦長に結ぶ線の延長上の前後楔指先(37)及び楔踵後(36)に至る線を楔稜線(39)とし、該楔稜線(39)の対辺中足部及び前足部の板外甲側端(33)に向けて第5中足指節関節(M5)部位近傍略々幅からなる最大30mmの幅接地部とし、楔稜線(39)を頂点とする先端から板外甲側端(33)に向けて5mmの切欠部(3)を有する膝痛止板(4)を形成する。
【0020】
膝板止版を形成する方法その3
足の大きさや靴のタイプにより適宜選択できる範囲は、前記膝板止板形成における基台図(20)と足の骨格図(21)に基づき、膝痛止板(4)の厚さを4mm乃至10mmとし、膝痛止板(4)の足の踵部の幅及び前足部幅は、足の踵部の距骨滑車(T)の中心点(T1)と踵骨(T2)の隆起部の頂点を結ぶ延長上の足の踵部の板外甲側端(33)に至る、足の踵部の板外甲側端(33)から距骨滑車(T)の中心接地部へ向けて最大幅18mm乃至25mmの位置を踵起点(T3)と定め、足の踵部の板外甲側端(33)から距骨滑車(T)の中心へ向けて踵起点(T3)に至る幅接地部と足の前足部の第5中足指節関節(M5)と第4中足指節関節(M4)を経て第3中足指節関節(M3)へ至る中間点を中足指中間点(T4)と定め、該中足指中間点(T4)と前記踵部の踵起点(T3)と縦長に結ぶ線の延長線上の前後楔指先(37)及び楔踵後(36)に至る線を楔稜線(39)とし、該楔稜線(39)の対辺中足部及び前足部の板外甲側端(33)に向けて第5中足指節関節(M5)部位近傍略々幅からなる最大28mm乃至35mmの幅接地部とし、楔稜線(39)を頂点とする先端から板外甲側端(33)に向けて4mm乃至10mmの切欠部(3)を有する膝痛止板(4)を形成する。
【0021】
膝痛止板(4)の板外甲側(31)の板外甲側端(33)と膝痛止板(4)の楔稜線(39)を靴(53)の本底(55)の本底外甲側(58)の本底外甲側縁(59)と靴(53)の本底楔稜線(57)に合わせて固着する。
【0022】
本底(55)に膝痛止板(4)を固着せず中底(64)を載設する場合に膝痛止板(4)の板外甲側(31)の板外甲側端(33)と膝痛止板(4)の楔稜線(39)を靴(53)の中底(64)の中底外甲側(67)の中底外甲側縁(68)と靴(53)の中底楔稜線(66)に合わせて固着する。
【0023】
靴(53)の本底上面低部(63)または本底楔形部(60)に固着した膝痛止板(4)をカバーシート(73)で覆設する。
【0024】
靴(53)の本底や中底に膝痛止板(4)を固着するには縫着、貼着、溶着、圧着等の方法がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の本底上面に膝痛止板を固着した斜視図。
【図2】本発明の中底上面に膝痛止板を固着した斜視図。
【図3】本発明の膝痛止板の斜視図。
【図4】本発明の膝痛止板A−Aに沿った断面図。
【図5】本発明の膝痛止板B−Bに沿った断面図。
【図6】本発明の靴内面の本底上面に膝痛止板を固着する位置を現わす平面図。
【図7】本発明の靴内面の中底上面に膝痛止板を固着する位置を現わす平面図。
【図8】本発明の靴内面の一部本底上面に膝痛止板を固着したC−C断面図。
【図9】本発明の靴内面の一部中底上面に膝痛止板を固着したD−D断面図。
【図10】本発明の膝痛止板製作に係わる足の骨格図。
【図11】本発明の膝板止板の基台製作に係わる平面図。
【符号の説明】
【0026】
1:膝痛止板付き靴 2:基台 3:切欠部 4:膝痛止板 5:踵部 6:中足部 7:前足部 8:踵後端 9:爪先 10:外甲則 11:内甲則 12:外甲側縁 13:内甲側縁 20:基台図 21:足の骨格図 31:板外甲側 32:板内甲側 33:板外甲側端 36:楔踵後 37:楔指先 38:踵中心起点 39:楔稜線 40:中足指中間起点 48:踵部楔形断面胴 48J:前足部楔形断面胴 53:靴 54:アッパー 55:本底 56:本底上面 57:本底楔稜線 58:本底外甲則 59:本底外甲側縁 60:本底楔形部 61:本底内甲側 62:本底内甲側縁 63:本底上面低部 64:中底 65:中底上面 66:中底楔稜線 67:中底外甲側 68:中底外甲側縁 69:中底楔形部 70:中底内甲側 71:中底内甲側縁 72:中底上面低部 73:カバーシート T:踵骨滑車 T1:中心点 T2:踵骨 T3:踵起点 T4:中足指中間点 T5:中足指線 M1:第1中足指関節 M2:第2中足指関節 M3:第3中足指関節 M4:第4中足指関節 M5:第5中足指関節
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台(2)の厚さ約5mm踵部最大幅約20mm前足部最大幅約30mm踵部・中足部・前足部の板外甲側端(33)の対辺の先端より板外甲側端に向って約5mmの切欠部(3)を有する図3形状の膝痛止板(4)を設ける。
【請求項2】
請求項1の膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の本底(55)の本底上面(56)の本底外甲側(58)の本底外甲側縁(59)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)。
【請求項3】
請求項1の膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の中底(64)の中底上面(65)の中底外甲側(67)の中底外甲側縁(68)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)。
本発明は以上のような構成を特徴とする膝痛止板付き靴。
【請求項1】
基台(2)の厚さ約5mm踵部最大幅約20mm前足部最大幅約30mm踵部・中足部・前足部の板外甲側端(33)の対辺の先端より板外甲側端に向って約5mmの切欠部(3)を有する図3形状の膝痛止板(4)を設ける。
【請求項2】
請求項1の膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の本底(55)の本底上面(56)の本底外甲側(58)の本底外甲側縁(59)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)。
【請求項3】
請求項1の膝痛止板(4)の板外甲側端(33)を靴(53)の中底(64)の中底上面(65)の中底外甲側(67)の中底外甲側縁(68)に合わせて固着してなる膝痛止板付き靴(1)。
本発明は以上のような構成を特徴とする膝痛止板付き靴。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−62005(P2008−62005A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275790(P2006−275790)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(505141048)有限会社武田義肢装具製作所 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(505141048)有限会社武田義肢装具製作所 (2)
【Fターム(参考)】
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