説明

自動焦点調節機能の付いたCMOSイメージセンサ及びそれを含むカメラ装置

【課題】自動焦点調節のための別の追加的な時間を低減し、かつ自動焦点調節アルゴリズムの動作を安定して実行できる、CMOSイメージセンサ及びそれを含むカメラ装置を提供すること。
【解決手段】本発明のCMOSイメージセンサによれば、複数の単位画素を備え、これを介して外部の被写体に対する光学映像を受信して、各単位画素別に該当画素の色相に対する電気的信号を出力するセンシング部と、該センシング部から出力される電気的信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号をプロセシングして映像信号を出力し、前記センシング部を制御するための制御部と、前記映像信号を受信して自動焦点調節用追跡アルゴリズムを利用して焦点値を計算するための自動焦点アルゴリズム部と、前記焦点値を利用してアクチュエーターを制御するためのアクチュエーター制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動焦点調節機能を実現することのできる装置に関し、特に、自動焦点調節機能の付いたCMOSイメージセンサ及びそれを含むカメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、光学映像を電気信号に変換させる半導体素子のことを言う。このうち電荷結合素子(CCD;Charge Coupled Device)は、それぞれのMOS(Metal−Oxide−Semiconductor)キャパシタが互いに極めて近接した位置にあり、かつ電荷キャリアがキャパシタに格納され移送される素子である。
【0003】
これに対し、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサは、制御回路及び信号処理回路を周辺回路に使用するCMOS技術を利用し、画素数と同じ数だけのMOSトランジスタを作り、これを利用して順次出力を検出するスイッチング方式を採用する素子であって、低電力及び高集積特性に優れていることから、小型化したカメラ装置に適している。
【0004】
光学系の光軸に平行に入射した光が、レンズを通過するか、反射鏡から反射した後に一応ある点に集まるか、またはある点から出力されるように進行する時、その点がレンズや反射鏡の焦点をなす。したがって、CMOSイメージセンサでも被写体に応じてレンズの焦点を合せなければならず、これは自動焦点調節(Auto Focus Control;以下、「AFC」と記す)により実現される。
【0005】
AFCの例として、望遠鏡の場合は、対物レンズと対眼レンズの距離を調整することであり、カメラの場合は、対物レンズとフィルムとの間の距離を調整することを例とすることができる。一方、カメラの場合は、複合レンズを利用した焦点距離の変更により焦点が合わせられる場合もある。また、周知のように、AFCは、三角測量法の原理に基づいて距離を測定し、それに応じてレンズを調節する。
【0006】
最近のイメージセンサシステムにおいて、AFC機能はイメージセンサの必須機能として位置づけられており、様々な環境下でどれくらい鮮明に焦点を合せるのかがイメージセンサの機能を決定する基準となっている。これにより、AFC機能を実現するイメージセンサシステムが増えてきており、最近では、最短時間内に焦点が合う位置にレンズを移動させ、最適のイメージを獲得する過程が極めて重要になった。
【0007】
図1は、自動焦点調節機能の付いた従来のカメラ装置を概略的に示すブロック構成図である。
【0008】
同図に示すように、従来のカメラ装置は、集光のためのレンズ100Aとレンズ100Aを駆動するためのアクチュエーター100Bとを備えて、AFC動作により被写体に応じて適した焦点を受け取るためのレンズモジュール100と、CMOS技術によって実現され、レンズモジュール100を介して被写体から得られた光学映像を電気的信号に変換した後に、映像出力のためのフォーマットを揃えたイメージ情報に変換して出力するためのCMOSイメージセンサ101と、CMOSイメージセンサ101から出力される信号を毎フレーム単位で処理し、レンズモジュール100を駆動するための焦点値を計算するためのイメージプロセッサ102とを備える。
【0009】
図面では、イメージプロセッサ102から提供される焦点値制御信号CTRLを受信して、レンズモジュール100を駆動するためのドライバー103を点線で表示した。これは、ドライバー103を別に備えることもでき、別に備えなくても良いためである。さらに詳細に説明すれば、この焦点値制御信号CTRLは、レンズの位置を制御する機能と関連している。
【0010】
一方、イメージプロセッサ102は、レンズモジュール100からその状態値STATEを提供される。
【0011】
上述したような構成の従来のCMOSイメージセンサを利用した自動焦点調節システムは、CMOSイメージセンサ外部にCMOSイメージセンサを制御するための別の制御用チップ(IC)を備え、CMOSイメージセンサから出力される各フレーム別イメージ情報を処理し、焦点値を生成して、制御用チップに内蔵されている自動焦点調節アルゴリズムに応じてアクチュエーターを制御し、かつ最適の焦点位置を探した。
【0012】
この方式では、イメージセンサからデータを受信するステップと、イメージを処理するステップ、及びアクチュエーターを制御するステップを必要とし、アクチュエーターを制御するステップにおいて、動作時間が必要となることから、AFCに必要な動作時間を増加させる要因となる。
【0013】
また、アクチュエーターの制御とCMOSイメージセンサの制御が別に行われるため、アクチュエーターの動作が完了した後に獲得されるイメージが、レンズの位置が安定した位置から得られたイメージではないので、AFCアルゴリズムの動作が不安定になる恐れがある。さらに詳細に説明すれば、アクチュエーターとCMOSイメージセンサとの間のタイミング調節に更なる努力が必要となる。そのため、CMOSイメージセンサから出力されるイメージデータをリアルタイムで処理し、内部イメージ獲得過程を行う間に、AFC用アクチュエーターが制御信号をやりとりする動作を制御する方式が必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明は、上記した従来の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、自動焦点調節のための別の追加的な時間を低減し、かつ自動焦点調節アルゴリズムの動作を安定して実行できる、CMOSイメージセンサ及びそれを含むカメラ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するため、本発明のCMOSイメージセンサによれば、複数の単位画素を備え、これを介して外部の被写体に対する光学映像を受信して、各単位画素別に該当画素の色相に対する電気的信号を出力するセンシング部と、該センシング部から出力される電気的信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号をプロセシングして映像信号を出力し、前記センシング部を制御するための制御部と、前記映像信号を受信して自動焦点調節用追跡アルゴリズムを利用して焦点値を計算するための自動焦点アルゴリズム部と、前記焦点値を利用してアクチュエーターを制御するためのアクチュエーター制御部とを備える。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、本発明のカメラ装置によれば、集光のためのレンズと該レンズを駆動するためのアクチュエーターとを備えて、自動焦点調節動作により被写体に応じて適した焦点を得るためのレンズモジュールと、CMOS技術に基づいて実現され、レンズモジュールを介して被写体から得られた光学映像を電気的信号に変換した後、映像出力のためのフォーマットを揃えたイメージ情報に変換して出力するためのCMOSイメージセンサとを備え、前記CMOSイメージセンサは、前記アクチュエーターを制御するための制御機を内蔵し、自分の出力を毎フレーム単位で処理し、前記レンズモジュールを駆動するための焦点値を計算することを特徴とする。
【0017】
本発明は、CMOSイメージセンサ内部にAFC用アクチュエーター制御機を内蔵する方式であり、内蔵されているAFC用アクチュエーター制御機は、CMOSイメージセンサにおいて、毎フレームごとに自動焦点追跡アルゴリズム(Auto focus tracking algorithm)に基づいて指示される命令に応じて、外部に位置するアクチュエーターを制御するための制御信号を出力する方式を使用することによって、毎フレームごとにイメージデータを処理しアクチュエーターを制御するために必要な時間を低減することができる。
【0018】
また、アクチュエーター制御機が内蔵されたタイミング制御アルゴリズム(Timing control algorithm)を利用して、アクチュエーター制御信号の出力が完了した後、計算されたタイミング値だけの時間遅延(Delay)を付与し、レンズ移動が完了したという信号を発生させて、レンズが安定した位置に固定された状態で獲得されたCMOSイメージセンサのフレームイメージデータをAFCアルゴリズムで使用されるように制御して、AFCアルゴリズムから発生する可能性のある動作エラーを防止する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、自動焦点調節のための時間遅延問題を解決し、かつ安定した動作を確保することによって、自動焦点機能の付いたイメージセンサの性能を大きく向上させるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の最も好ましい実施形態を、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
本発明はAFC機能を揃えており、CMOSイメージセンサを利用したカメラ装置において、AFCアルゴリズムを效率良く運営するようにCMOSイメージセンサ内部にアクチュエーター制御機を内蔵して、アクチュエーターを制御する。
【0022】
図2は、自動焦点調節機能の付いた本発明のカメラ装置を概略的に示すブロック構成図である。
【0023】
同図に示すように、本発明のカメラ装置は、集光のためのレンズ200Aとレンズ200Aを駆動するためのアクチュエーター200Bとを備えて、AFC動作により被写体に応じて適した焦点を得るためのレンズモジュール200と、CMOS技術に基づいて実現され、レンズモジュール200を介して被写体から得られた光学映像を電気的信号に変換した後に、映像出力のためのフォーマットを揃えたイメージ情報に変換して出力するためのCMOSイメージセンサ201とを備え、CMOSイメージセンサ201は、アクチュエーター200Bを制御するための制御機を内蔵し、自分の出力を毎フレーム単位で処理し、レンズモジュール200を駆動するための焦点値を計算する。
【0024】
図面では、イメージセンサ201から提供される焦点値制御信号CTRLを受信して、レンズモジュール200を駆動するためのドライバー202を点線で示した。これは、ドライバー202を別に備えることもでき、別に備えなくても良いためである。
【0025】
一方、イメージセンサ200は、レンズモジュール200からその状態値STATEを提供される。
【0026】
図3は、図2に記載されたCMOSイメージセンサの一実施形態に係るブロック構成図であって、CMOSイメージセンサにおいて自動焦点と関連した部分のみを分離して示している。
【0027】
同図に示すように、本発明の一実施形態に係るCMOSイメージセンサは、複数の単位画素を備え、これを介して外部の被写体に対する光学映像を受信して、各単位画素別に該当画素の色相に対する電気的信号を出力するセンシング部300と、センシング部300から出力される電気的信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号をプロセシングして映像信号を出力し、センシング部300を制御するための制御部301と、制御部301を介して提供される映像信号を受信して、AFC用追跡アルゴリズムを利用して焦点値を計算するためのAFアルゴリズム部302と、焦点値を利用してアクチュエーターを制御するためのアクチュエーター制御部303とを備えて構成される。
【0028】
一方、アクチュエーターは、CMOSイメージセンサを利用して、AF実現時にイメージの焦点位置を変換させるために用いられる全てのドライバーチップ(IC)、回路またはレンズを含む。
【0029】
図4は、図3のアクチュエーター制御部を示す詳細ブロック構成図である。
【0030】
同図に示すように、アクチュエーター制御部303は、アクチュエーター303の全体の動作を制御するための主制御部400と、アクチュエーター制御信号を生成するためのアクチュエーター制御信号生成部402と、アクチュエーター制御後にアクチュエーターの制御信号が安定になる時間を確保して、安定したイメージ獲得を可能なようにするタイミング制御部401とを備えて構成される。
【0031】
主制御部400は、AFアルゴリズム部302から生成された制御信号をアクチュエーター制御信号生成部402の入力信号に適合するように変換した後、変換された制御信号をアクチュエーター制御信号生成部402に提供することによって、AFアルゴリズム部302とアクチュエーター制御信号生成部402とが連動して動作できるようにする。
【0032】
主制御部400は、AFアルゴリズム部302から出力される制御信号をタイミング制御部401の入力信号に適合するように変換して、タイミング制御部401に提供することによって、AFアルゴリズム部302とタイミング制御部401とを連動させる。
【0033】
また、主制御部400は、タイミング制御部401とアクチュエーター制御信号生成部402の動作状態を確認して、AFアルゴリズム部302にアクチュエーター制御信号の生成が完了したか否かを通知することによって、AFアルゴリズム部302が安定したイメージでAFC機能を果たすことができるようにする。
【0034】
また、主制御部400は、アクチュエーターモジュールから発生するアクチュエーター動作状態と関連した情報が入力される場合、これを利用してアクチュエーターの初期化動作や制限された動作範囲から外れないようにする機能と、外部から入力されるアクチュエーターの状態情報を利用して、アクチュエーターの状態が安定化したか否かを確認する信号を発生させて、AFアルゴリズム部302が安定したイメージ情報を使用し得るようにする機能を果たす。
【0035】
ここで、アクチュエーターの初期化動作は、アクチュエーターモジュール製作時に決められている初期化状態にアクチュエーターを制御する過程を表し、動作範囲が制限されるということは、アクチュエーターの使用電圧、位置、周波数、出力信号のデューティー比(Duty rate)、制御位相信号が制限されるということを表す。
【0036】
アクチュエーター制御信号生成部402は、パルス幅信号生成器402Aと、I2C(Inter−Integrated Circuit)バスインターフェース信号生成器402Bと、ステッピングモータ制御信号生成器402Cと、アナログアクチュエーター制御機402Dと、周波数制御式アクチュエーター制御機402Eなどを備える。
【0037】
アナログアクチュエーター制御機402Dは、内蔵または外蔵DAC(Digital to Analog Converter)構造を利用して、電圧でアクチュエーターを制御する方式を利用する。
【0038】
周波数制御式アクチュエーター制御機402Eは、周波数生成器を使用した周波数変化を利用してアクチュエーターを制御する。
【0039】
アクチュエーター制御信号生成部402は、上述したパルス幅信号生成器402A〜周波数制御式アクチュエーター制御機402Eのうちの1つ以上を備える。
【0040】
主制御部400の制御により選択されたアクチュエーター制御信号生成部402の特定制御機に該当信号を出力する。
【0041】
アクチュエーター制御信号生成部402は、主制御部400から入力された命令を行った後に、完了信号を主制御部400に伝達して主制御部400がアクチュエーター安定化タイミングを判断し処理できるようにする。
【0042】
タイミング制御部401は、AFアルゴリズム部302の命令に応じて、アクチュエーター制御信号の出力が完了してもアクチュエーターがAFアルゴリズム部302のアルゴリズムにより指示された状態において安定になるために必要な追加的な時間を合せるための適切な遅延時間計算及び時間遅延制御機能を行う。
【0043】
タイミングを合せるための時間遅延値は、下記のように様々な方式により計算されるか選択されることができる。
イ)定数値を選択して使用する方式
ロ)CMOSイメージセンサ内部の格納装置にあるタイミングテーブルから毎回選択して使用する方式
ハ)CMOSイメージセンサ外部の格納装置にあるタイミングテーブルから使用する値を毎回選択して使用する方式
二)アクチュエーター制御命令以前の位置と以後の位置に関連した演算式によって計算する方式
ホ)n次方程式(nは定数)の演算をロジックで構成して、タイミング値を計算する方式
へ)ログ(log,ln)演算式を簡略化してロジックで実現してタイミング値を計算する方式
ト)イ)〜へ)のうちの1つ以上を含んで四則演算を行う方式
【0044】
タイミング制御部401は、上記したようなタイミング値選択及び計算方式を利用してタイミングを制御することによって、主制御部400がAFアルゴリズム部302にアクチュエーター安定化状態に関連した制御信号を送信することができるようにする。
【0045】
図5は、図4に示すアクチュエーター制御部303により、アクチュエーターが開ループ制御されて動作する場合を説明するためのブロック構成図である。
【0046】
ここで、アクチュエーター503は、アクチュエーター及びそれに関連した回路を含み、開ループではアクチュエーター503から主制御部500に入力される信号(アクチュエーターの状態を通知する信号)がない。
【0047】
まず、AFアルゴリズム部から提供されるアクチュエーターの第1目標状態値(すなわち、アクチュエーターが最終的に実現しなければならない焦点値)がAのように主制御部500に入力される。
【0048】
主制御部500は、入力されたAをアクチュエーター制御信号生成部502で処理できる入力値に変換されたBのような第2目標状態値(第2目標状態値は、第1目標状態値と同じであり得る)に変換する。
【0049】
第2目標状態値を受けたアクチュエーター制御信号生成部502は、アクチュエーター制御信号を生成した後、アクチュエーターの状態を第2目標状態値にするための最後の信号が出力されたことを通知する第1動作完了信号Cを主制御部500に提供する。
【0050】
主制御部500は、新しい第1目標状態と以前の第1目標状態の差を表す状態変化量Dをタイミング制御部501に提供し、タイミング制御部501は、この値を利用してタイミング遅延が必要な程度を計算する。
【0051】
また、主制御部500は、Cが入力されるにつれて、タイミング制御部501を動作させるための信号Eをタイミング制御部501に提供し、タイミング制御部501は、E信号に応答して動作する。
【0052】
タイミング制御部501は、E信号入力後にタイミング遅延を維持する過程が完了したことを通知する信号Fを主制御部500に提供する。
【0053】
主制御部500は、C信号とF信号が発生して、アクチュエーター制御及び安定化時間が確保されたことを通知する信号GをAFアルゴリズム部に提供する。
【0054】
図6は、図4に示すアクチュエーター制御部303を介してアクチュエーターが閉ループ制御されて動作する場合を説明するためのブロック構成図である。
【0055】
ここで、アクチュエーター603は、アクチュエーター及びそれに関連した回路を含み、閉ループでは、アクチュエーター603から主制御部600に入力される信号(アクチュエーターの状態を通知する信号)がある。
【0056】
まず、AFアルゴリズム部から提供されるアクチュエーターの第1目標状態値(すなわち、アクチュエーターが最終的に実現しなければならない焦点値)がHのように主制御部600に入力される。
【0057】
主制御部600は、入力されたHをアクチュエーター制御信号生成部602で処理できる入力値に変換されたIのような第2目標状態値(第2目標状態値は第1目標状態値と同じであり得る)に変換する。
【0058】
第2目標状態値を受けたアクチュエーター制御信号生成部602は、アクチュエーター制御信号を生成した後、アクチュエーターの状態を第2目標状態値にするための最後の信号が出力されたことを通知する第1動作完了信号Jを主制御部600に提供する。
【0059】
アクチュエーター603は、自分の状態を表す出力がある場合、これを主制御部600にアクチュエーターフィードバック状態値Lを提供する。Lは、直接ICのポートに入力されることもでき、IC内部のレジスタをIC外部にあるコントローラが入力することで入力されることもできる。
【0060】
主制御部600は、J信号が発生した状態でアクチュエーターフィードバック状態値Lが目標状態値と同じであるか、誤差限界内で同じである場合、アクチュエーター制御及び安定化時間が確保されたことを通知する信号KをAFアルゴリズム部に提供する。
【0061】
上述したような本発明は、CMOSイメージセンサを使用するシステムでAFCアルゴリズムを実現する場合、より速く動作し、より安定して動作できるように、アクチュエーター制御機能をCMOSイメージセンサに持たせた。
【0062】
AFCのためのアクチュエーター制御機能の付いたCMOSイメージセンサを実現することによって、従来のAFC処理に必要なCPU(Central Processing Unit)動作時間及びプロセス処理能力の低下と動作速度の低下の問題を解決できる。
【0063】
また、アクチュエーター制御とAFCアルゴリズム及びCMOSイメージセンサの制御を連動させ、アクチュエーターの動作状態を安定化させるためのタイミング制御方式を適用することによって、安定したフレームイメージを利用したAFCアルゴリズムの実現を可能にして、AFCアルゴリズムが不安定なフレームイメージに基づいて誤って判断するのを防止できることを実施形態を通じて確認した。
【0064】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明に係る技術的思想の範囲から逸脱しない範囲内で様々な変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に属する。
【0065】
例えば、上述した本発明では、P型基板に形成されるCMOSイメージセンサをその例としたが、その他にもCCDなどの他の形態のイメージセンサも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】自動焦点調節機能の付いた従来のカメラ装置を概略的に示すブロック構成図である。
【図2】自動焦点調節機能の付いた本発明のカメラ装置を概略的に示すブロック構成図である。
【図3】図2に示されたCMOSイメージセンサの一実施形態に係るブロック構成図である。
【図4】図3のアクチュエーター制御部を示す詳細ブロック構成図である。
【図5】図4に示すアクチュエーター制御部によりアクチュエーターが開ループ制御されて動作する場合を説明するためのブロック構成図である。
【図6】図4に示すアクチュエーター制御部によりアクチュエーターが閉ループ制御されて動作する場合を説明するためのブロック構成図である。
【符号の説明】
【0067】
300 センシング部
301 制御部
302 自動焦点アルゴリズム部
303 アクチュエーター制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位画素を備え、これを介して外部の被写体に対する光学映像を受信して、各単位画素別に該当画素の色相に対する電気的信号を出力するセンシング部と、
該センシング部から出力される電気的信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号をプロセシングして映像信号を出力し、前記センシング部を制御するための制御部と、
前記映像信号を受信して自動焦点調節用追跡アルゴリズムを利用して焦点値を計算するための自動焦点アルゴリズム部と、
前記焦点値を利用してアクチュエーターを制御するためのアクチュエーター制御部と
を備えたことを特徴とするCMOSイメージセンサ。
【請求項2】
前記アクチュエーター制御部が、
前記アクチュエーター全体の動作を制御するための主制御部と、
前記アクチュエーター制御信号を生成するためのアクチュエーター制御信号生成部と、
アクチュエーターの制御後に、アクチュエーターの制御信号が安定になる時間を確保するために、タイミングを制御するタイミング制御部と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項3】
前記主制御部が、
前記自動焦点アルゴリズム部から生成された制御信号を前記アクチュエーター制御信号生成部の入力信号に適合するように変換した後、変換された制御信号をアクチュエーター制御信号生成部に提供し、
前記自動焦点アルゴリズム部から出力される制御信号を前記タイミング制御部の入力信号に適合するように変換して、前記タイミング制御部に提供することを特徴とする請求項2に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項4】
前記主制御部が、
前記タイミング制御部と前記アクチュエーター制御信号生成部の動作状態を確認して、前記自動焦点アルゴリズム部にアクチュエーター制御信号の生成が完了したか否かを通知し、
アクチュエーターモジュールから発生するアクチュエーター動作状態と関連した情報が入力される場合に、これを利用してアクチュエーターの初期化動作や制限された動作範囲から外れないようにし、
外部から入力されるアクチュエーターの状態情報を利用して、アクチュエーターの状態が安定になったか否かを確認する信号を発生させることを特徴とする請求項2又は3に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項5】
前記アクチュエーター制御信号生成部が、
パルス幅信号生成器、I2C(Inter−Integrated Circuit)バスインターフェース信号生成器、ステッピングモータ制御信号生成器、アナログアクチュエーター制御機、及び周波数制御式アクチュエーター制御機からなるグループから選択された少なくとも1つ以上を備えたことを特徴とする請求項2に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項6】
前記アクチュエーター制御信号生成部が、
前記主制御部がアクチュエーター安定化タイミングを判断し処理できるようにするために、前記主制御部から入力された命令を行った後、完了信号を前記主制御部に伝送することを特徴とする請求項5に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項7】
前記タイミング制御部が、
前記自動焦点アルゴリズム部の命令に応じて、前記アクチュエーター制御信号の出力が完了しても、前記アクチュエーターが自動焦点アルゴリズム部のアルゴリズムにより指示された状態において安定になるために必要な追加的な時間を合せるための適切な遅延時間計算及び時間遅延制御をすることを特徴とする請求項2に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項8】
前記タイミング制御部がタイミングを合せるための時間遅延値を計算するにおいて、
イ)定数値を選択して使用する方式と、
ロ)CMOSイメージセンサ内部の格納装置にあるタイミングテーブルから毎回選択して使用する方式と、
ハ)CMOSイメージセンサ外部の格納装置にあるタイミングテーブルから使用する値を毎回選択して使用する方式と、
二)アクチュエーター制御命令以前の位置と以後の位置に関連した演算式によって計算する方式と、
ホ)n次方程式(nは定数)の演算をロジックで構成して、タイミング値を計算する方式と、
ヘ)ログ(log,ln)演算式を簡略化してロジックで実現して、タイミング値を計算する方式と
のうちの少なくとも1つ以上を含んで四則演算を利用して行うことを特徴とする請求項7に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項9】
前記アクチュエーターが開ループ制御され、前記アクチュエーターから前記主制御部に自分の状態を提供しないことを特徴とする請求項2に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項10】
前記アクチュエーターは閉ループ制御され、前記アクチュエーターから前記主制御部に自分の状態を提供することを特徴とする請求項2に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項11】
前記アクチュエーターは、CMOSイメージセンサを利用してAFを実現する時に、イメージの焦点位置を変換させるために用いられる全てのドライバーチップ(IC)、回路またはレンズのうちのいずれかを備えたことを特徴とする請求項9又は10に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項12】
集光のためのレンズと該レンズを駆動するためのアクチュエーターとを備えて、自動焦点調節動作により被写体に応じて適した焦点を得るためのレンズモジュールと、
CMOS技術に基づいて実現され、レンズモジュールを介して被写体から得られた光学映像を電気的信号に変換した後、映像出力のためのフォーマットを揃えたイメージ情報に変換して出力するためのCMOSイメージセンサと
を備え、
前記CMOSイメージセンサは、前記アクチュエーターを制御するための制御機を内蔵し、自分の出力を毎フレーム単位で処理し、前記レンズモジュールを駆動するための焦点値を計算することを特徴とするカメラ装置。
【請求項13】
前記CMOSイメージセンサから提供される焦点値制御信号を受信して、前記レンズモジュールを駆動するためのドライバーをさらに備えたことを特徴とする請求項12に記載のカメラ装置。
【請求項14】
前記アクチュエーターは、CMOSイメージセンサを利用してAFを実現する時に、イメージの焦点位置を変換させるために用いられる全てのドライバーチップ(IC)、回路またはレンズのうちのいずれかを備えたことを特徴とする請求項12に記載のカメラ装置。
【請求項15】
前記CMOSイメージセンサが、
複数の単位画素を備え、これを介して外部の被写体に対する光学映像を受信して、各単位画素別に該当画素の色相に対する電気的信号を出力するセンシング部と、
該センシング部から出力される電気的信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号をプロセシングして映像信号を出力し、前記センシング部を制御するための制御部と、
前記映像信号を受信して、自動焦点調節用追跡アルゴリズムを利用して焦点値を計算するための自動焦点アルゴリズム部と、
前記焦点値を利用してアクチュエーターを制御するためのアクチュエーター制御部と
を備えたことを特徴とする請求項12に記載のカメラ装置。
【請求項16】
前記アクチュエーター制御部が、
前記アクチュエーター全体の動作を制御するための主制御部と、
前記アクチュエーター制御信号を生成するためのアクチュエーター制御信号生成部と、
アクチュエーター制御後に、アクチュエーターの制御信号が安定になる時間を確保するために、タイミングを制御するタイミング制御部と
を備えたことを特徴とする請求項15に記載のカメラ装置。
【請求項17】
前記主制御部が、
前記自動焦点アルゴリズム部から生成された制御信号を前記アクチュエーター制御信号生成部の入力信号に適合するように変換した後、変換された制御信号をアクチュエーター制御信号生成部に提供し、
前記自動焦点アルゴリズム部から出力される制御信号を前記タイミング制御部の入力信号に適合するように変換して、前記タイミング制御部に提供することを特徴とする請求項16に記載のカメラ装置。
【請求項18】
前記主制御部が、
前記タイミング制御部と前記アクチュエーター制御信号生成部の動作状態を確認して、前記自動焦点アルゴリズム部にアクチュエーター制御信号の生成が完了したか否かを通知し、
アクチュエーターモジュールから発生するアクチュエーター動作状態と関連した情報が入力される場合に、これを利用してアクチュエーターの初期化動作や制限された動作範囲から外れないようにし、
外部から入力されるアクチュエーターの状態情報を利用して、アクチュエーターの状態が安定化になったか否かを確認する信号を発生させることを特徴とする請求項16又は17に記載のカメラ装置。
【請求項19】
前記アクチュエーター制御信号生成部が、
パルス幅信号生成器、I2C(Inter−Integrated Circuit)バスインターフェース信号生成器、ステッピングモータ制御信号生成器、アナログアクチュエーター制御機、及び周波数制御式アクチュエーター制御機からなるグループから選択された少なくとも1つ以上を備えたことを特徴とする請求項16に記載のカメラ装置。
【請求項20】
前記アクチュエーター制御信号生成部が、
前記主制御部がアクチュエーター安定化タイミングを判断し処理できるようにするために、前記主制御部から入力された命令を行った後、完了信号を前記主制御部に伝送することを特徴とする請求項19に記載のカメラ装置。
【請求項21】
前記タイミング制御部が、
前記自動焦点アルゴリズム部の命令に応じて、前記アクチュエーター制御信号の出力が完了しても、前記アクチュエーターが自動焦点アルゴリズム部のアルゴリズムにより指示された状態において安定になるために必要な追加的な時間を合せるための適切な遅延時間計算及び時間遅延制御をすることを特徴とする請求項16に記載のカメラ装置。
【請求項22】
前記タイミング制御部がタイミングを合せるための時間遅延値を計算するにおいて、
イ)定数値を選択して使用する方式と、
ロ)CMOSイメージセンサ内部の格納装置にあるタイミングテーブルから毎回選択して使用する方式と、
ハ)CMOSイメージセンサ外部の格納装置にあるタイミングテーブルから使用する値を毎回選択して使用する方式と、
二)アクチュエーター制御命令以前の位置と以後の位置に関連した演算式によって計算する方式と、
ホ)n次方程式(nは定数))の演算をロジックで構成して、タイミング値を計算する方式と、
ヘ)ログ(log,ln)演算式を簡略化してロジックで実現して、タイミング値を計算する方式と
のうちの少なくとも1つ以上を含んで四則演算を利用して行うことを特徴とする請求項21に記載のカメラ装置。
【請求項23】
前記アクチュエーターが開ループ制御され、前記アクチュエーターから前記主制御部に自分の状態を提供しないことを特徴とする請求項16に記載のカメラ装置。
【請求項24】
前記アクチュエーターは閉ループ制御され、前記アクチュエーターから前記主制御部に自分の状態を提供することを特徴とする請求項16に記載のカメラ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−43707(P2007−43707A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209867(P2006−209867)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(505087780)マグナチップセミコンダクター有限会社 (125)
【氏名又は名称原語表記】MAGNACHIP SEMICONDUCTOR LTD
【住所又は居所原語表記】1 Hyangjeong−dong,Heungduk−gu,Cheongju City,Chung Cheong Bok−do,Korea
【Fターム(参考)】