説明

複合酸化物触媒およびその製造方法並びに排ガス浄化装置

【課題】脱硝性能を向上させた複合酸化物触媒を提供することにある。
【解決手段】一般式:A0.9Ba0.1Coy0.97-yPt0.033にて表され、A成分がランタン(La),セリウム(Ce)のうちの少なくとも一種であり、B成分が酸化状態の価数が+4価以上である金属元素である複合酸化物触媒とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジン等から排出される排ガス中の窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素を除去する複合酸化物触媒およびその製造方法並びに排ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン等から排出される排ガス中の窒素酸化物を除去する排ガス浄化用触媒として、例えば、貴金属と、NOxを吸蔵する吸蔵材とが担持される担体をハニカム状の基材に塗布してなるものが挙げられる。前記担体として、アルミナ、セリア、ジルコニア、チタニアが挙げられる。また、前記貴金属として、白金、ロジウムが挙げられる。前記吸蔵材として、Kなどのアルカリ金属やBaなどのアルカリ土類金属が挙げられる。
【0003】
このような排ガス浄化用触媒をディーゼルエンジン等の排気管に設置することで、排ガス中の窒素酸化物を除去するようにしている。すなわち、排ガスがリーン状態(酸素濃度が高い(3%以上))の場合には、貴金属上にてNOと酸素とが反応してNOxを生成し、このNOxを吸蔵材に吸蔵している。
【0004】
また、排ガス浄化用触媒に還元剤となる有機化合物や燃料を噴霧したり、エンジンにて燃料の噴射量を多くしたりして、排ガスがリッチ状態(酸素濃度が低い)である還元雰囲気を作ることで、吸蔵材に吸蔵されていたNOxが貴金属上に移動し、このNOxと炭化水素およびCOとが反応して水,窒素,二酸化炭素を生成し、これらが排出している。そのため、排気ガス浄化用触媒では、窒素酸化物の吸蔵と、吸蔵された窒素酸化物を窒素としての排出(触媒の再生処理)が繰り返し行われている。
【0005】
上述したような排ガス浄化用触媒の再生を迅速、且つ低温にて処理可能な触媒として、ペロブスカイト型触媒、いわゆる複合酸化物触媒が種々開発されている(例えば、特許文献1,2等参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−342336号公報
【特許文献2】特開2002−301337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した複合酸化物触媒にて排ガスに含まれる窒素酸化物を除去することができるものの、このような複合酸化物触媒にてさらなる脱硝性能の向上が望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、前述した問題に鑑み提案されたもので、脱硝性能を向上させた複合酸化物触媒、およびその製造方法並びに排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決する第1の発明に係る複合酸化物触媒は、一般式:A0.9Ba0.1Coy0.97-yPt0.033にて表されることを特徴とする。ただし、A成分は、ランタン(La),セリウム(Ce)のうちの少なくとも一種であり、B成分は、酸化状態の価数が+4価以上である金属元素である。
【0010】
上述した課題を解決する第2の発明に係る複合酸化物触媒は、第1の発明に係る複合酸化物触媒であって、前記B成分の金属元素が、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)のうちの少なくとも一種であることを特徴とする。
【0011】
上述した課題を解決する第3の発明に係る複合酸化物触媒は、第2の発明に係る複合酸化物触媒であって、前記A成分がLaであると共に、前記B成分がMoである場合には、前記yの範囲を0.62以上0.72以下とし、前記A成分がLaであると共に、前記B成分がWである場合には、前記yの範囲を0.42以上0.77以下とすることを特徴とする。
【0012】
上述した課題を解決する第4の発明に係る複合酸化物触媒は、第2の発明に係る複合酸化物触媒であって、前記A成分がCeであると共に、前記B成分がTiである場合には、前記yの範囲を0より大きく0.82以下とし、前記A成分がCeであると共に、前記B成分がNbである場合には、前記yの範囲を0.47以上0.75以下とすることを特徴とする。
【0013】
上述した課題を解決する第5の発明に係る複合酸化物触媒の製造方法は、各種成分の溶液を混合して混合溶液を調製する調製工程と、調製された混合液を乾燥した後に焼成する焼成工程とを行うことにより、第1の発明乃至第4の発明の何れか一に係る複合酸化物触媒を製造する複合酸化物触媒の製造方法であって、前記La,Ce,Ba,Co,Ptの溶液として、各種の金属塩溶液を用いる一方、前記B成分の溶液として有機酸水溶液を用いるようにしたことを特徴とする。
【0014】
上述した課題を解決する第6の発明に係る複合酸化物触媒の製造方法は、第5の発明に係る複合酸化物触媒の製造方法であって、前記有機酸水溶液が、シュウ酸チタニアアンモニウム<(NH42[TiO(C242]・nH2O>のアンモニア水溶液、タングステン酸アンモニウム(パラ)<(NH4)10W1241・5H2O>のアンモニア水溶液、モリブデン酸アンモニウム<(NH4)6Mo724・4H2O>のアンモニア水溶液、または二酸化ニオブの過酸化水素水溶液であることを特徴とする。
【0015】
上述した課題を解決する第7の発明に係る複合酸化物触媒の製造方法は、第6の発明に係る複合酸化物触媒の製造方法であって、前記二酸化ニオブの過酸化水素水溶液が、塩化ニオブを希アンモニア水に溶かし析出した沈殿物をろ取した後に水洗したろ取物と、過酸化水素水およびアンモニア水の混合溶液とを攪拌してなる溶液をアセトンに添加し、得られた沈殿物を過酸化水素水に溶かして得られる溶液であることを特徴とする。
【0016】
上述した課題を解決する第8の発明に係る排ガス浄化装置は、窒素酸化物を含む排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、前記排ガスが排気される排気管に配置され、第1の発明乃至第4の発明の何れか一に係る複合酸化物触媒と、前記複合酸化物触媒の上流側に配置され、該複合酸化物触媒に有機還元剤または燃料を噴射する燃料噴射手段とを有することを特徴とする。
【0017】
上述した課題を解決する第9の発明に係る排ガス浄化装置は、第8の発明に係る排ガス浄化装置であって、前記複合酸化物触媒の上流側に第一の酸化触媒を配置させることを特徴とする。
【0018】
上述した課題を解決する第10の発明に係る排ガス浄化装置は、第8の発明または第9の発明に係る排ガス浄化装置であって、前記複合酸化物触媒の下流側に第二の酸化触媒を配置させることを特徴とする。
【0019】
上述した課題を解決する第11の発明に係る排ガス浄化装置は、第8の発明乃至第10の発明の何れか一に係る排ガス浄化装置であって、前記複合酸化物触媒の上流側または下流側に前記排ガス中のパティキュレートマターを処理するPM処理手段を配置させることを特徴とする。
【0020】
上述した課題を解決する第12の発明に係る排ガス浄化装置は、第8の発明乃至第11の発明の何れか一に係る排ガス浄化装置であって、前記排ガスが、ディーゼルエンジンから排出された排ガスであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る複合酸化物触媒によれば、一般式:A0.9Ba0.1Coy0.97-yPt0.033にて表され、A成分をランタン(La),セリウム(Ce)のうちの少なくとも一種とし、B成分を酸化状態の価数が+4価以上である金属元素とすることにより、前記B成分の金属元素が大きな酸化数へ変化でき、酸化−還元反応に寄与するため、一般式:La0.9Ba0.1CoyPt0.033にて表される従来の複合酸化物触媒と比べて、酸化−還元反応が容易になり、脱硝性能が向上する。その結果、再生処理時間を短縮して、再生処理時に使用する燃料量を低減することができる。
【0022】
本発明に係る複合酸化物触媒の製造方法によれば、各種成分の溶液を混合して混合溶液を調製する調製工程と、調製された混合液を乾燥した後に焼成する焼成工程とを行うことにより、複合酸化物触媒を製造する複合酸化物触媒の製造方法であって、前記La,Ce,Ba,Co,Ptの溶液として、各種の金属塩溶液を用いる一方、前記B成分の溶液として有機酸水溶液を用いるようにしたにより、一般式:A0.9Ba0.1Coy0.97-yPt0.033にて表される触媒において、A成分がランタン(La),セリウム(Ce)のうちの少なくとも一種で構成されると共に、B成分が、酸化状態の価数が+4価以上である金属元素で構成される複合酸化物触媒を得ることができる。
【0023】
本発明に係る排ガス浄化装置によれば、燃料噴射手段により有機還元剤または燃料を複合酸化物触媒に噴射することで、排ガス中の酸素濃度が低下し、前記複合酸化物触媒に吸蔵された窒素酸化物が還元されて窒素として排出される。よって、排ガスに含まれる窒素酸化物を複合酸化物触媒の吸蔵材に吸蔵し、吸蔵した窒素酸化物を窒素として排出することができるので、排ガス中の窒素酸化物を効率良く浄化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明の最良の形態に係る複合酸化物触媒について説明する。
【0025】
本発明の最良の形態に係る複合酸化物触媒は、ペロブスカイト型触媒を含有する。具体的には、以下の一般式(1)にて表される。
【0026】
0.9Ba0.1Coy0.97-yPt0.033 ・・・(1)
ただし、A成分は、ランタン(La)またはセリウム(Ce)のうちの少なくとも一種である。B成分は、酸化状態で+4価以上である金属元素であり、例えば、酸化状態で+6価を示す、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)や、酸化状態で+4価を示すチタン(Ti)や、酸化状態で+5価を示すニオブ(Nb)などが挙げられる。
【0027】
上述した一般式(1)にて表されるB成分に酸化状態での価数が+4価以上の金属元素を構成したことにより、前記金属元素が大きな酸化数へ変化でき、酸化−還元反応に寄与するため、脱硝反応が向上する。
【0028】
[複合酸化物触媒の調製方法]
上述した複合酸化物触媒の調製方法としては、以下の2種(液相法および固相法)が挙げられる。
【0029】
<液相法>
この方法では、出発原料として、LaまたはCeの一種、Ba、Co、およびPtを含む金属塩溶液と、上述したB成分を含む有機酸水溶液(酢酸、シュウ酸、アミノ酸など)水溶液とが用いられる。ただし、前述した出発原料は、以下の調製工程前に任意の濃度の水溶液に調製される。
【0030】
<調製手順>
(1)最初に、上述した各金属塩溶液と有機酸水溶液などの有機化合物を所定の元素比となるようにそれぞれ秤量する。
(2)続いて、秤量された各金属塩水溶液を反応器内に添加し混合する。この液を混合液と以下称する。
(3)続いて、混合液を攪拌しながら上述した有機酸水溶液を徐々に加え、全量が溶解するまで攪拌する。さらに、得られた溶液にバインダ(結合剤)を徐々に加え攪拌する。
(4)続いて、エバポレータにて水分を蒸発させて濃縮する。
(5)続いて、乾燥器内に入れ、この器内雰囲気を250℃として乾燥し、粉末にする。
(6)続いて、この粉末を乳鉢で粉砕した後、600〜1200℃にて5時間焼成して、複合酸化物触媒が得られる。
【0031】
ただし、上述したB成分がW,Mo,Nb,Tiである場合には、有機酸水溶液として、タングステン酸アンモニウム(パラ)<(NH4101241・5H2O>のアンモニア(5.6%)水溶液(80℃で4時間程度攪拌した溶液)、モリブデン酸アンモニウム<(NH46Mo724・4H2O>のアンモニア(5.6%)水溶液、二酸化ニオブの過酸化水素水溶液、シュウ酸チタニアアンモニウム<(NH42[TiO(C242]・nH2O>のアンモニア(5.6%)水溶液がそれぞれ用いられる。
【0032】
<固相法>
この方法では、出発原料である、LaまたはCeの一種、Ba、Co、上述したB成分、Ptを含む酸化物または炭酸化物と、分散剤と、各種溶媒(H2O、エタノール、メタノール等)が用いられる。ただし、前述した出発原料は、以下の調製工程前に内部の雰囲気が120℃の乾燥器に入れられ十分に乾燥される。
【0033】
<調製手順>
(1)最初に、各種出発原料(120℃にて乾燥済み)と分散剤および溶媒を秤量する(分散剤量は粉体重量の5wt%、溶媒は原料粉末と同量)。
(2)続いて、秤量された各出発原料、分散剤、溶媒および粉砕用ボールを容器に入れる。
(3)続いて、ボールミルにて粉砕、攪拌、および混合を行う。
(4)続いて、エバポレータにて水分を蒸発させて濃縮する。
(5)続いて、乾燥器内に入れ、この器内雰囲気を120℃として乾燥し、粉末にする。
(6)続いて、この粉末を乳鉢で粉砕した後、800〜1200℃にて5時間焼成し、複合酸化物触媒が得られる。
【実施例1】
【0034】
[触媒調製法1]
硝酸セリウム6水和物、硝酸バリウム、硝酸コバルト6水和物、シュウ酸チタンアンモニウム<(NH42[TiO(C242]・nH2O>の5.6%のアンモニア水溶液およびジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液(Pt=50g/L)を、それぞれ、水を用いて、1mol/L、0.2mol/L、1mol/L、0.04mol/Lおよび0.05mol/Lの濃度の溶液を調製する。
【0035】
続いて、所定の濃度に調製された溶液を所定量分取し、混合する。具体的には、硝酸セリウム水溶液量を180mlとし、硝酸バリウム水溶液量を100mlとし、硝酸コバルト水溶液量を155mlとし、シュウ酸チタンアンモニウム水溶液量を970mlとし、ジニトロジアンミン白金(II)硝酸水溶液量を120mlとして、各金属イオン量のモル比(Ce:Ba:Co:Ti:Pt)が0.90:0.10:0.776:0.194:0.03となるように混合して混合溶液を得た。
【0036】
さらに、上記混合溶液にグリシンを240g添加し、30分間攪拌した。続いて、グリシンが添加された混合溶液をロータリーエバポレータにより濃縮してゲル化させた。ゲル化した試料を乾燥器中に入れ、250℃にて乾燥させ、乾燥した試料を700℃にて5時間焼成して、複合酸化物触媒(Ce0.9Ba0.1Co0.776Ti0.194Pt0.033)を50g得た。得られた複合酸化物触媒を触媒(No.1)とした。
【実施例2】
【0037】
[触媒調製法2]
上述した触媒調製法1にて所定の濃度に調製された溶液を所定量分取し、混合する。具体的には、硝酸セリウム水溶液量を180mlとし、硝酸バリウム水溶液量を100mlとし、硝酸コバルト水溶液量を78mlとし、シュウ酸チタンアンモニウム水溶液量を1940mlとし、ジニトロジアンミン白金(II)硝酸水溶液量を120mlとして、各金属イオン量のモル比(Ce:Ba:Co:Ti:Pt)が0.90:0.10:0.679:0.291:0.03となるように混合して混合溶液を得た。
【0038】
以下、上述した触媒調製法1と同様に操作し、複合酸化物触媒(Ce0.9Ba0.1Co0.679Ti0.291Pt0.033)を50g得た。得られた複合酸化物触媒を触媒(No.2)とした。
【実施例3】
【0039】
[触媒調製法3]
[二酸化ニオブの過酸化水素水溶液の調製]
塩化ニオブ(NbCl5)5gを希アンモニア水(50mL水+4mLアンモニア水(28%))に溶かし、室温で30分攪拌し、析出した白色の沈殿物をろ取し水洗する。水洗後、ただちに、水洗したろ取物を、過酸化水素水(35%水溶液25mL+水25mL)とアンモニア水(28%、6mL)の混合溶液に加え攪拌して無色の溶液を得る。この無色の溶液をアセトン100mLに加え(添加し)、得られた白色沈殿物をろ取する。ろ取した白色沈殿物を3.5%過酸化水素水に溶かして二酸化ニオブの3.5%過酸化水素水溶液を得た。
【0040】
硝酸セリウム6水和物、硝酸バリウム、硝酸コバルト6水和物、上記二酸化ニオブの3.5%過酸化水素水溶液およびジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液(Pt=50g/L)を、それぞれ、水を用いて、1mol/L、0.2mol/L、1mol/L、0.04mol/Lおよび0.05mol/Lの濃度の溶液を調製する。
【0041】
続いて、所定の濃度に調製された溶液を所定量分取し、混合する。具体的には、硝酸セリウム水溶液量を180mlとし、硝酸バリウム水溶液量を100mlとし、硝酸コバルト水溶液量を78mlとし、水酸化ニオブ水溶液量を1940mlとし、ジニトロジアンミン白金(II)硝酸水溶液量を120mlとして、各金属イオン量のモル比(Ce:Ba:Co:Nb:Pt)が0.90:0.10:0.679:0.291:0.03となるように混合して混合溶液を得た。
【0042】
以下、上述した触媒調製法1と同様に操作し、複合酸化物触媒(Ce0.9Ba0.1Co0.679Nb0.291Pt0.033)を50g得た。得られた複合酸化物触媒を触媒(No.3)とした。
【実施例4】
【0043】
[触媒調製法4]
硝酸ランタン6水和物、硝酸バリウム、硝酸コバルト6水和物、タングステン酸アンモニウム(パラ)<(NH4101241・5H2O>の5.6%のアンモニア水溶液およびジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液(Pt=50g/L)を、それぞれ、水を用いて、1mol/L、0.2mol/L、1mol/L、0.04mol/Lおよび0.05mol/Lの濃度の溶液を調製する。
【0044】
続いて、所定の濃度に調製された溶液を所定量分取し、混合する。具体的には、硝酸ランタン水溶液量を180mlとし、硝酸バリウム水溶液量を100mlとし、硝酸コバルト水溶液量を78mlとし、タングステン酸アンモニウム水溶液量を1940mlとし、ジニトロジアンミン白金(II)硝酸水溶液量を120mlとして、各金属イオン量のモル比(La:Ba:Co:W:Pt)が0.90:0.10:0.679:0.291:0.03となるように混合して混合溶液を得た。
【0045】
以下、上述した触媒調製法1と同様に操作し、複合酸化物触媒(La0.9Ba0.1Co0.6790.291Pt0.033)を50g得た。得られた複合酸化物触媒を触媒(No.4)とした。
【実施例5】
【0046】
[触媒調製法5]
硝酸ランタン6水和物、硝酸バリウム、硝酸コバルト6水和物、モリブデン酸アンモニウム<(NH46Mo724・4H2O>の5.6%のアンモニア水溶液およびジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液(Pt=50g/L)を、それぞれ、水を用いて、1mol/L、0.2mol/L、1mol/L、0.04mol/Lおよび0.05mol/Lの濃度の溶液を調製する。
【0047】
続いて、所定の濃度に調製された溶液を所定量分取し、混合する。具体的には、硝酸ランタン水溶液量を180mlとし、硝酸バリウム水溶液量を100mlとし、硝酸コバルト水溶液量を78mlとし、モリブデン酸アンモニウム水溶液量を1940mlとし、ジニトロジアンミン白金(II)硝酸水溶液量を120mlとして、各金属イオン量のモル比(La:Ba:Co:Mo:Pt)が0.90:0.10:0.679:0.291:0.03となるように混合して混合溶液を得た。
【0048】
以下、上述した触媒調製法1と同様に操作し、複合酸化物触媒(La0.9Ba0.1Co0.679Mo0.291Pt0.033)を50g得た。得られた複合酸化物触媒を触媒(No.5)とした。
【0049】
(比較例1)
[比較触媒調製法1]
硝酸ランタン6水和物、硝酸バリウム、硝酸コバルト6水和物およびジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液(Pt=50g/L)を、それぞれ、水を用いて、1mol/L、0.2mol/L、1mol/Lおよび0.05mol/Lの濃度の溶液を調製する。
【0050】
続いて、所定の濃度に調製された溶液を所定量分取し、混合する。具体的には、硝酸ランタン水溶液量を180mlとし、硝酸バリウム水溶液量を100mlとし、硝酸コバルト水溶液量を194mlとし、ジニトロジアンミン白金(II)硝酸水溶液量を120mlとして、各金属イオン量のモル比(La:Ba:Co:Pt)が0.90:0.10:0.97:0.03となるように混合して混合溶液を得た。
【0051】
さらに、上記混合溶液にグリシンを240g添加し、30分間攪拌した。続いて、グリシンが添加された混合溶液をロータリーエバポレータにより濃縮してゲル化させた。ゲル化した試料を乾燥器中に入れ、250℃にて乾燥させ、乾燥した試料を700℃にて5時間焼成して、複合酸化物触媒(La0.9Ba0.1Co0.97Pt0.033)を50g得た。得られた複合酸化物触媒を比較触媒(No.1)とした。
【0052】
(比較例2)
[比較触媒調製法2]
硝酸セリウム6水和物、硝酸バリウム、硝酸コバルト6水和物およびジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液(Pt=50g/L)を、それぞれ、水を用いて、1mol/L、0.2mol/L、1mol/Lおよび0.05mol/Lの濃度の溶液を調製する。
【0053】
続いて、所定の濃度に調製された溶液を所定量分取し、混合する。具体的には、硝酸セリウム水溶液量を180mlとし、硝酸バリウム水溶液量を100mlとし、硝酸コバルト水溶液量を194mlとし、ジニトロジアンミン白金(II)硝酸水溶液量を120mlとして、各金属イオン量のモル比(Ce:Ba:Co:Pt)が0.90:0.10:0.97:0.03となるように混合して混合溶液を得た。
【0054】
以下、上述した比較触媒調製法1と同様に操作し、複合酸化物触媒(Ce0.9Ba0.1Co0.97Pt0.033)を50g得た。得られた複合酸化物触媒を比較触媒(No.2)とした。
【0055】
[評価実験]
上記触媒(No.1〜No.5)および比較触媒(No.1,No.2)に対して、下記の表1に示す条件で排ガスを流通させて、脱硝性能をそれぞれ測定した。表1において、SVは空間速度(流体の流量/触媒の体積)を示し、Lean/Richは、リーン/リッチの処理時間の比を示す。
【0056】
【表1】

【0057】
上記測定結果を図1に示す。
図1において、脱硝率は、処理ガスがリーン状態である場合の脱硝率と、処理ガスがリッチ状態である場合の脱硝率との平均である。
【0058】
図1に示すように、上述した触媒(No.1,No.2,No.3,No.4,No.5)の脱硝率、および比較触媒(No.1,No.2)の脱硝率は、それぞれ、66%,53%、56%,69%,53%,5%,51%となった。よって、上述した触媒(No.1,No.2,No.3,No.4,No.5)は、比較触媒(No.1,No.2)と比べて、脱硝率が向上したことが分かった。すなわち、複合酸化物触媒A0.9Ba0.1Coy0.97-y(Pt)0.033において、A成分がCeである場合には、B成分をTiまたはNbとする、または、A成分がLaである場合には、B成分をWまたはMoとすることで、従来の複合酸化物触媒であるABaCoPtO3(A:Ce,La)と比べて脱硝性能が向上したことが分かった。このようにCoのサイト(Bサイト)に、Ti(酸化状態の価数:+4価),Nb(酸化状態の価数:+5価),W(酸化状態の価数:+6価),Mo(酸化状態の価数:+6価)のような高融点であり、且つ酸化状態の価数が+4以上となる金属元素を構成することで、前記金属元素が大きな酸化数へ変化でき、酸化−還元反応に寄与して、脱硝反応が向上すると考えられる。
【0059】
なお、上記では、各実施例にて液相法により調製された複合酸化物触媒を用いて説明したが、固相法により調製された複合酸化物触媒としても良い。上述した触媒調製法1の代わりに、以下の固相法によっても上述した複合酸化物触媒を調製することができる。すなわち、酸化セリウム(CeO2)量を31.1gとし、炭酸バリウム量を4.0gとし、酸化コバルト(CoO)量を11.7gとし、酸化チタン(TiO2)量を3.1gとし、酸化白金(PtO2)量を1.4gとし、エタノール量を50gとして、各金属イオン量のモル比(Ce:Ba:Co:Ti:Pt)が0.90:0.10:0.776:0.194:0.03となるように混合して粉体混合物を得る。
【0060】
続いて、粉体混合物をボールミルにて粉砕し、粉砕処理した粉体混合物をロータリーエバポレータにより濃縮してゲル化させる。ゲル化した試料を乾燥器中に入れ、120℃にて乾燥させ、乾燥した試料を700℃にて5時間焼成することで、複合酸化物触媒(Ce0.9Ba0.1Co0.776Ti0.194Pt0.033)を50g得ることができる。
【0061】
よって、上述した液相法を用いた複合酸化物触媒の製造方法の代わりに、固相法を用いた複合酸化物の製造方法とすることができる。
【0062】
[La0.9Ba0.1Coy0.97-yPt0.033の脱硝性能の評価]
図2は、本発明に係る複合酸化物触媒におけるタングステンのモル比と脱硝率との関係を示すグラフである。この図2において、縦軸に脱硝率を示し、横軸に複合酸化物におけるタングステンイオン量のモル比を示す。
【0063】
図2に示すように、タングステンのモル比が0.2以上0.55以下の範囲にて、複合酸化物触媒の脱硝率が51%より大きくなることが分かった。
【0064】
よって、複合酸化物触媒がLa0.9Ba0.1Coy0.97-yPt0.033となる場合には、タングステンのモル比を0.2以上0.55以下の範囲に調製することで脱硝率を従来の複合酸化触媒よりも向上させることができることが分かった。
【0065】
[La0.9Ba0.1CoyMo0.97-yPt0.033の脱硝性能の評価]
図3は、本発明に係る複合酸化物触媒におけるモリブデンのモル比と脱硝率との関係を示すグラフである。この図3において、縦軸に脱硝率を示し、横軸に複合酸化物におけるモリブデンイオン量のモル比を示す。
【0066】
図3に示すように、モリブデンのモル比が0.25以上0.35以下の範囲にて、複合酸化物触媒の脱硝率が51%より大きくなることが分かった。
【0067】
よって、複合酸化物触媒がLa0.9Ba0.1CoyMo0.97-yPt0.033となる場合には、モリブデンのモル比を0.25以上0.35以下の範囲に調製することで脱硝率を従来の複合酸化触媒よりも向上させることができることが分かった。
【0068】
[Ce0.9Ba0.1CoyNb0.97-yPt0.033の脱硝性能の評価]
図4は、本発明に係る複合酸化物触媒におけるニオブのモル比と脱硝率との関係を示すグラフである。この図4において、縦軸に脱硝率を示し、横軸に複合酸化物におけるニオブイオン量のモル比を示す。
【0069】
図4に示すように、ニオブのモル比が0.22以上0.5以下の範囲にて、複合酸化物触媒の脱硝率が51%より大きくなることが分かった。
【0070】
よって、複合酸化物触媒がCe0.9Ba0.1CoyNb0.97-yPt0.033となる場合には、ニオブのモル比を0.22以上0.5以下の範囲に調製することで脱硝率を従来の複合酸化触媒よりも向上させることができることが分かった。
【0071】
[Ce0.9Ba0.1CoyTi0.97-yPt0.033の脱硝性能の評価]
図4は、本発明に係る複合酸化物触媒におけるチタンのモル比と脱硝率との関係を示すグラフである。この図4において、縦軸に脱硝率を示し、横軸に複合酸化物におけるチタンイオン量のモル比を示す。
【0072】
図4に示すように、チタンのモル比が0.15以上1より小さい範囲にて、複合酸化物触媒の脱硝率が51%より大きくなることが分かった。
【0073】
よって、複合酸化物触媒がCe0.9Ba0.1CoyTi0.97-yPt0.033となる場合には、チタンのモル比を0.15以上1より小さい範囲に調製することで脱硝率を従来の複合酸化触媒よりも向上させることができることが分かった。
【0074】
[第1排ガス浄化装置]
以下に、上述した複合酸化物触媒を用いた排ガス浄化装置について説明する。
図6は、本発明に係る第1排ガス浄化装置の概略図である。
【0075】
第1排ガス浄化装置20は、図6に示すように、排ガス11が流通する排気管12に複合酸化物触媒13が配置される。複合酸化物触媒13は、上述した一般式:A0.9Ba0.1Coy0.97-yPt0.033にて表され、A成分がCeまたはLaのうちの少なくとも一種であり、B成分が酸化状態で+4価以上である金属元素(モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)など)の少なくとも一種である触媒である。ただし、前記A成分がLaであると共に、前記B成分がMoである場合には、前記yの範囲が0.62以上0.72以下であり、前記A成分がLaであると共に、前記B成分がWである場合には、前記yの範囲が0.42以上0.77以下である。また、前記A成分がCeであると共に、前記B成分がTiである場合には、前記yの範囲が0より大きく0.82以下であり、前記A成分がCeであると共に、前記B成分がNbである場合には、前記yの範囲が0.47以上0.75以下である。このような複合酸化物触媒13の上流側に燃料噴射ノズル(燃料噴射手段)14が配置される。燃料噴射ノズル14から還元剤として燃料である軽油15を1分間で4秒間のみ噴射して複合酸化物触媒13に供給することで、排ガス11中の酸素濃度が低下し、複合酸化物触媒13に吸蔵された窒素酸化物が還元されて窒素として排出される。
【0076】
よって、第1排ガス浄化装置20によれば、排ガス11に含まれる窒素酸化物を吸着し除去することができ、複合酸化物触媒13の窒素酸化物の吸着除去性能を十分に発現することができる。
【0077】
[第2排ガス浄化装置]
図7は、本発明に係る第2排ガス浄化装置の概略図であり、図7(a)にそれが有する複合酸化物触媒の下流側にPM処理器を配置した状態の概略、図7(b)にそれが有する複合酸化物触媒の上流側にPM処理器を配置した状態の概略を示す。ただし、第2排ガス浄化装置は、第1排ガス浄化装置にPM処理器および酸化触媒を追加した装置であり、それ以外は第1排ガス浄化装置と同一構成を有し、同一構成には同一符号を付記しその説明を省略する。
【0078】
第2排ガス浄化装置30a,30bは、上述した第1排ガス浄化装置20に、パティキュレートマターを捕集し処理するPM処理手段であるPM処理器(例えば、PM燃焼触媒、PM捕集用フィルタ、またはPM燃焼触媒つき捕集用フィルタなど)31、および酸化触媒32を追加したものである。具体的には、第2排ガス浄化用装置30aでは、図7(a)に示すように、複合酸化物触媒13の下流側にPM処理器31が配置される。このように配置することで、窒素酸化物の除去、および黒煙の除去が可能であった。また、複合酸化物触媒13の機能時の廃熱により、排ガス温度が上昇するため、PM処理器31の反応速度が増加して、その性能が向上し、またPM処理器31の再生処理が可能であった。第2排ガス浄化用装置30bでは、図7(b)に示すように、複合酸化物触媒13の上流側にPM処理器31が配置される。このように配置することで、窒素酸化物の除去、および黒煙の除去が可能であった。また、PM処理器31により被毒物質が除去されるため、複合酸化物触媒13の寿命を延ばすことができた。
【0079】
一方、第2排ガス浄化装置30a、30bでは、複合酸化物触媒13およびPM処理器31の組み合わせの上流に位置し、燃焼噴射ノズル14と前記組み合わせとの間、および前記組み合わせの下流に第一および第二の酸化触媒32がそれぞれ配置される。
燃焼噴射ノズル14と前記組み合わせとの間にPM処理器31を配置させることで、複合酸化物触媒13の温度を上昇させて、複合酸化物触媒13に吸蔵された窒素酸化物を窒素として除去させることができた。酸化触媒32を前記組み合わせの下流側に配置させることで、排ガス中の窒素酸化物、未燃焼炭化水素、および一酸化炭素を除去させることができた。
【0080】
また、酸化触媒32を最終段にのみ配置させるようにしても良い。このような位置に配置させることにより、前記組み合わせを未燃焼炭化水素やその酸化物、一酸化炭素が通り抜けても、酸化触媒32にて燃焼することができた。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る複合酸化物触媒の脱硝率を示すグラフである。
【図2】複合酸化触媒におけるタングステンのモル比と脱硝率を示すグラフである。
【図3】複合酸化触媒におけるモリブデンのモル比と脱硝率を示すグラフである。
【図4】複合酸化触媒におけるニオブのモル比と脱硝率を示すグラフである。
【図5】複合酸化触媒におけるチタンのモル比と脱硝率を示すグラフである。
【図6】本発明に係る第1排ガス浄化装置の概略図である。
【図7】本発明に係る第2排ガス浄化装置の概略図である。
【符号の説明】
【0082】
11 排ガス
12 排気管
13 複合酸化物触媒
14 燃料噴射ノズル
15 燃料
20 排ガス浄化装置
30a,30b 排ガス浄化装置
31 PM処理器
32 酸化触媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式:A0.9Ba0.1Coy0.97-yPt0.033にて表される
ことを特徴とする複合酸化物触媒。
ただし、A成分は、ランタン(La),セリウム(Ce)のうちの少なくとも一種であり、B成分は、酸化状態の価数が+4価以上である金属元素である。
【請求項2】
請求項1に記載された複合酸化物触媒であって、
前記B成分の金属元素は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)のうちの少なくとも一種である
ことを特徴とする複合酸化物触媒。
【請求項3】
請求項2に記載された複合酸化物触媒であって、
前記A成分がLaであると共に、前記B成分がMoである場合には、前記yの範囲を0.62以上0.72以下とし、前記A成分がLaであると共に、前記B成分がWである場合には、前記yの範囲を0.42以上0.77以下とする
ことを特徴とする複合酸化物触媒。
【請求項4】
請求項2に記載された複合酸化物触媒であって、
前記A成分がCeであると共に、前記B成分がTiである場合には、前記yの範囲を0より大きく0.82以下とし、前記A成分がCeであると共に、前記B成分がNbである場合には、前記yの範囲を0.47以上0.75以下とする
ことを特徴とする複合酸化物触媒。
【請求項5】
各種成分の溶液を混合して混合溶液を調製する調製工程と、調製された混合液を乾燥した後に焼成する焼成工程とを行うことにより、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載された複合酸化物触媒を製造する複合酸化物触媒の製造方法であって、
前記La,Ce,Ba,Co,Ptの溶液として、各種の金属塩溶液を用いる一方、
前記B成分の溶液として有機酸水溶液を用いるようにした
ことを特徴とする複合酸化物触媒の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載された複合酸化物触媒の製造方法であって、
前記有機酸水溶液は、シュウ酸チタニアアンモニウム<(NH42[TiO(C242]・nH2O>のアンモニア水溶液、タングステン酸アンモニウム(パラ)<(NH4)10W1241・5H2O>のアンモニア水溶液、モリブデン酸アンモニウム<(NH4)6Mo724・4H2O>のアンモニア水溶液、または二酸化ニオブの過酸化水素水溶液である
ことを特徴とする複合酸化物触媒の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載された複合酸化物触媒の製造方法であって、
前記二酸化ニオブの過酸化水素水溶液は、塩化ニオブを希アンモニア水に溶かし析出した沈殿物をろ取した後に水洗したろ取物と、過酸化水素水およびアンモニア水の混合溶液とを攪拌してなる溶液をアセトンに添加し、得られた沈殿物を過酸化水素水に溶かして得られる溶液である
ことを特徴とする複合酸化物触媒の製造方法。
【請求項8】
窒素酸化物を含む排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、
前記排ガスが排気される排気管に配置され、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載された複合酸化物触媒と、
前記複合酸化物触媒の上流側に配置され、該複合酸化物触媒に有機還元剤または燃料を噴射する燃料噴射手段とを有する
ことを特徴とする排ガス浄化装置。
【請求項9】
請求項8に記載された排ガス浄化装置であって、
前記複合酸化物触媒の上流側に第一の酸化触媒を配置させる
ことを特徴とする排ガス浄化装置。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載された排ガス浄化装置であって、
前記複合酸化物触媒の下流側に第二の酸化触媒を配置させる
ことを特徴とする排ガス浄化装置。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10の何れか一項に記載された排ガス浄化装置であって、
前記複合酸化物触媒の上流側または下流側に前記排ガス中のパティキュレートマターを処理するPM処理手段を配置させる
ことを特徴とする排ガス浄化装置。
【請求項12】
請求項8乃至請求項11の何れか一項に記載された排ガス浄化装置であって、
前記排ガスは、ディーゼルエンジンから排出された排ガスである
ことを特徴とする排ガス浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−246294(P2008−246294A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87715(P2007−87715)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成18年度経済産業省 地球環境保全等試験研究に基づく委託研究「粗悪燃料を用いる舶用および固定発生源からの大気汚染物質除去」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】