説明

超音波モータ駆動式の車両用指針計器

【課題】超音波モータの振動体やロータの邪魔にならないように導光路を配しながら、簡単な構成で指針を照光できるようにした超音波モータ駆動式の車両用指針計器を提供する。
【解決手段】ハウジング20に超音波モータのステータ部分である振動体10を固定し、この振動体10に共振振動を起こさせ、その共振振動をロータ15に伝達することで該ロータ15を回転させ、それにより該ロータ15の先端側に連結された指針4を回す超音波モータ駆動式の車両用指針計器において、ロータ15の回転中心位置に導光体である指針軸部5を貫通して設け、その指針軸部5の一端に対向させて、該一端から指針軸部5内に光が入射するようにLED(光源)7を配置すると共に、指針軸部5の他端に指針4の基端部を光学的に接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行速度計やエンジン回転計等に使用される超音波モータ駆動式の車両用指針計器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超音波モータを駆動源として用いた車両用指針計器の例として、特許文献1や特許文献2に記載のものが知られている。これらの特許文献に記載の車両用指針計器は、進行波型の超音波モータや捩り結合子型の超音波モータ等のステータ部分をハウジングに固定し、ステータ部分の振動によって回動するロータに指針を連結したものである。
【特許文献1】特開昭63ー300995号公報
【特許文献2】特開平3ー200072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、これらの超音波モータを指針の駆動源として用いた場合、超音波モータを構成する振動体やロータを通常は摩耗に強い金属で構成する関係から、指針を照光しようとする際に、指針照光用の光源をどこに設け、指針までどのように光源からの光を導くかが問題になる。
【0004】
本発明は、上記事情を考慮し、超音波モータの振動体やロータの邪魔にならないように導光路を配しながら、簡単な構成で指針を照光できるようにした超音波モータ駆動式の車両用指針計器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明の超音波モータ駆動式の車両用指針計器は、文字盤側に固定されるハウジングに超音波モータのステータ部分である振動体を固定し、この振動体に共振振動を起こさせ、その共振振動をロータに伝達することで該ロータを回転させ、それにより該ロータに連結された指針を回す超音波モータ駆動式の車両用指針計器において、前記ロータの回転中心位置に導光路を貫通して設け、該導光路の一端に対向させて、該一端から導光路内に光が入射するように光源を配置すると共に、前記導光路の他端に前記指針の基端部を光学的に接続したことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、前記導光路として、透明固形材料よりなる導光体が配置され、該導光体が前記指針の軸部として構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、前記振動体が、環状の本体と、該環状の本体の内周側にバネ部を介して突設された複数の振動子と、該各振動子に設けられたピエゾ素子とから構成され、前記振動体の本体の内部に前記ロータが挿入されることで、該ロータの外周に前記振動子が接触しており、前記ロータの中心に形成された貫通孔に前記導光体が圧入されていることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、前記ハウジングに、前記振動体の内部に挿入されるロータが回転自在に貫通する軸受孔が設けられ、前記ロータの軸方向両端が、前記軸受孔の外側で位置決め手段により軸方向に位置決めされていることを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、前記ハウジングが、互いに合体することにより前記振動体を収容固定する上ケース及び下ケースとで構成され、これら上ケース及び下ケースにそれぞれ前記軸受孔が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項2に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、前記振動体が、環状の本体と、該環状の本体の外周側にバネ部を介して突設された複数の振動子と、該各振動子に設けられたピエゾ素子とから構成され、前記振動体の本体の外周にリング状の前記ロータが嵌め合わせられることで、該ロータの内周に前記振動子が接触しており、前記振動体の本体の中心に前記導光体が貫通していることを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、前記ハウジングが、中心貫通孔を有し前記振動体を固定するホルダとして構成され、前記導光体が前記ホルダの中心貫通孔に回転自在に挿通され、該導光体の軸方向両端が、前記ホルダの中心貫通孔の両外側で位置決め手段により軸方向に位置決めされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、ロータの回転中心位置に導光路を貫通して設け、その導光路を通して光源からの光を指針に導くようにしているので、超音波モータを駆動機構として採用しながらも、指針を効率よく照光することができる。また、導光路がロータの回転中心位置にあるから、光源と超音波モータの振動体及びロータとを互いに干渉せずにレイアウトすることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、導光路として透明固形材料よりなる導光体を配置し、その導光体を指針の軸部として構成しているので、部品点数を減らしながら、簡単な構造で指針を照光しつつ回転させることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、超音波モータを、環状の振動体の内周側にロータを配した内ロータ構造のものとし、ロータの中心に貫通孔を形成して、その貫通孔に、指針の軸部として構成された導光体を圧入しているので、ロータや振動体を摩耗に強い金属で構成しながら、導光体を通して効率よく指針を照光することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、ロータの軸方向の両端を、ハウジングの軸受孔の外側で位置決め手段により位置決めするので、ロータの抜けや移動を無くし、ロータの円滑な回転を保証することができる。また、ハウジングの軸受孔の外側に位置決め手段を配するので、組み立てが簡単にできる。
【0016】
請求項5の発明によれば、ロータを上ケースと下ケースの軸受孔で回転自在に支持するので、両ケースの軸受孔間の距離を長くとれることによって、ロータの安定回転を保証することができる。また、上ケースと下ケースを合体することで、振動体を収容すると共にロータを支持するので、組み立てが簡単にできる。
【0017】
請求項6の発明によれば、超音波モータを、環状の振動体の外周側にロータを配した外ロータ構造のものとし、振動体の本体の中心部に導光体を貫通させているので、ロータや振動体を摩耗に強い金属で構成しながらも、導光体を通して効率よく指針を照光することができる。
【0018】
請求項7の発明によれば、ハウジングとして設けられたホルダの中心貫通孔に、指針の軸部として構成された導光体を回転自在に挿通させ、導光体の軸方向両端を、ホルダの中心貫通孔の両外側で位置決め手段により軸方向に位置決めしているので、導光体の抜けや移動を無くして、導光体を安定回転させることができる。また、ホルダの中心貫通孔の外側に位置決め手段を配するだけでよいので、組み立てが簡単にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の超音波モータ駆動式の車両用指針計器の要部の分解斜視図、図2は更に細かく示す分解斜視図、図3は同指針計器に使用している振動体の構成を示す斜視図、図4は振動体の位置で要部を切って示す横断面図、図5は要部の縦断面図である。
【0021】
この車両用指針計器は、図5に示すように、導光板1と、導光板1の背面に配置された配線板2と、導光板1の表面に配置された文字盤3と、文字盤3と平行な面内で回転する指針4と、指針4の基端部に一体に形成された指針軸部5と、指針軸部5から指針4への曲がり部をカバーする指針キャップ6と、指針軸部5の基端面5cに対向するよう配線板2上に実装され、指針軸部5を介して指針4を照光するLED7と、超音波モータのステータ部分である振動体10と、振動体10を収容固定すると共に文字盤3と導光板1の間に挟持されたハウジング20と、指針軸部5の貫通孔15cの内部に圧入されたパイプ状のロータ15と、を有する。ここで、導光板1は、文字盤3の文字や目盛部分を背面側から照らすためのものである。
【0022】
指針4及び指針軸部5は透明な硬質樹脂材料により一体成形されており、指針軸部5が、LED7の光を指針4に導く導光体として構成され、ロータ15の回転中心位置(後述するロータ15の中心の貫通孔15c)に貫通して配設されている。ここでは、指針4の基端部に指針軸部5が一体化されていることで、導光体としての指針軸部5と指針4の基端部とが光学的に接続された関係にある。なお、指針4と指針軸部5とは直交した関係にあるので、指針軸部5から指針4への曲がり部に、指針軸部5を通って来た光を指針4に向けて反射する反射面5dが設けられている。
【0023】
この車両用指針計器では、振動体10に共振振動を起こさせ、その共振振動をロータ15に伝達することで該ロータ15を回転させ、それにより、該ロータ15の先端側に連結された指針4を回す。そのため、振動体10は、図3に示すように、環状の本体11と、該環状の本体11の内周側にバネ部12を介して突設された複数の振動子13と、該各振動子13に設けられたピエゾ素子14とから構成されている。そして、図4、図5に示すように、振動体10の内部にロータ15の基端側が挿入され、ロータ15の外周に振動子13が圧接している。
【0024】
また、図2、図5に示すように、ハウジング20は、互いに合体することにより振動体10を収容固定する上ケース21及び下ケース22とで構成されており、振動体10は、下ケース22の上面に突設した支持突起23に環状の本体11に形成した取付孔11a(図3参照)を嵌めて支持突起23を加締めることにより、下ケース22上にがたつかないように強固に固定されている。
【0025】
これら上ケース21及び下ケース22には、振動体10の内部に挿入されるロータ15が貫通する軸受孔27、26がそれぞれ設けられ、ロータ15の基端部は、下ケース22の軸受孔26を貫通したところで、ロータ15の基端部外周の係合溝15bに止め輪(位置決め手段)16を嵌めることにより上方へ抜け止めされている。
【0026】
また、下ケース22は円板皿状のものであり、その上に被さる上ケース21は、下ケース22の上側に被さるフランジ状部分24と、その中央部上側に突出した円錐筒状部25とを有し、図1に示すように、円錐筒状部25が文字盤3の中心孔3aに嵌まって文字盤3の表面側にまで突き出している。また、円錐筒状部25の中央に軸受孔27が開いており、この軸受孔27にロータ15が貫通している。図5に示すように、ロータ15の先端部には外鍔15a(位置決め手段)が付いており、この外鍔15aが上ケース21の円錐筒状部25の上端に突き当たることで、ロータ15が下方へ向けて位置決めされている。
【0027】
この車両用指針計器においては、振動体10のピエゾ素子14を駆動すると、振動子13が振動して振動体10が共振振動し、その振動がロータ15に摩擦により伝えられることで、ロータ15が回転し、指針キャップ6及び指針4が回転する。また、LED7の光は、導光体である指針軸部5を通って、反射を繰り返しながら指針4に届いて指針4を照光する。
【0028】
以上の構成の車両用指針計器によれば、パイプ状のロータ15の貫通孔15c(回転中心位置)に導光体である指針軸部5を貫通して設け、その指針軸部5を通してLED7からの光を指針4に導くようにしているので、超音波モータを駆動機構として採用しながらも、指針4を効率よく照光することができる。また、指針軸部5はロータ15の回転中心位置にあるから、LED7と振動体10及びロータ15とを互いに干渉せずに容易にレイアウトすることができる。
【0029】
また、LED7の光を指針4まで導く導光体を、指針4と一体に形成した指針軸部5で構成しているので、部品点数を減らしながら、簡単な構造で、指針4を照光しつつ回転させることができる。また、超音波モータを、環状の振動体10の内周側にロータ15を配した内ロータ構造のものとし、ロータ15の中心に貫通孔15cを形成して、その貫通孔15cに、導光体よりなる指針軸部5を圧入しているので、ロータ15や振動体10を摩耗に強い金属で構成していながら、指針軸部5を通して効率よく指針4を照光することができる。
【0030】
さらに、本実施形態の車両用指針計器では、ロータ15の軸方向の両端を、上ケース21と下ケース22の各軸受孔27、26の外側で外鍔15a及び止め輪16(位置決め手段)により位置決めしているので、ロータ15の抜けや移動を無くして、ロータ15の円滑な回転を保証することができる。特に、上ケース21と下ケース22の両軸受孔27、26間は距離が開いているので、ロータ15を安定回転させることができる。また、上ケース21と下ケース22を合体することで、振動体10を収容すると共にロータ15を支持するハウジング20を構成しているので、組み立てが簡単にできる。
【0031】
<第2実施形態>
図6は本発明の第2実施形態の超音波モータ駆動式の車両用指針計器の要部の分解斜視図、図7は更に細かく示す分解斜視図、図8は同指針計器に使用している振動体の構成を示す斜視図、図9は振動体の位置で要部を切って示す横断面図、図10は要部の縦断面図である。
【0032】
この車両用指針計器は、図10に示すように、導光板1と、導光板1の背面に配置された配線板2と、導光板1の表面に配置された文字盤3と、文字盤3と平行な面内で回転する指針4と、指針4の基端部に一体に形成された指針軸部5と、指針軸部5から指針4への曲がり部をカバーする指針キャップ6と、指針軸部5の基端面5cに対向するよう配線板2上に実装され、指針軸部5を介して指針4を照光するLED7と、超音波モータのステータ部分である振動体30と、振動体30を固定すると共に文字盤3と導光板1の間に挟持された振動体ホルダ(ハウジング)40と、指針キャップ6の裾部内周に圧入されたリング状のロータ35とを有する。
【0033】
指針4及び指針軸部5は透明な硬質樹脂材料により一体成形されており、指針軸部5が、LED7の光を指針4に導く導光体として構成され、ロータ35の回転中心である振動体ホルダ40の中心に貫通して配設されている。ここでは、指針4の基端部に指針軸部5が一体化されていることで、導光体としての指針軸部5と指針4の基端部とが光学的に接続された関係にある。なお、指針4と指針軸部5とは直交した関係にあるので、指針軸部5から指針4への曲がり部に、指針軸部5を通って来た光を指針4に向けて反射する反射面5dが設けられている。
【0034】
この車両用指針計器では、振動体30に共振振動を起こさせ、その共振振動をロータ35に伝達することで該ロータ35を回転させ、それによりロータ35と指針キャップ6を介して一体に連結された指針4を回す。そのため、振動体30は、図8に示すように、環状の本体31と、該環状の本体31の外周側にバネ部32を介して突設された複数の振動子33と、該各振動子33に設けられたピエゾ素子34とから構成されている。そして、図9、図10に示すように、振動体30の外周にリング状のロータ35を嵌め合わせ、ロータ35の内周に振動子33を圧接させている。
【0035】
また、図7、図10に示すように、円板状のホルダ40の上面中央には中央ボス部42が突設され、その中央ボス部42の中心に中心貫通孔41が形成されている。中央ボス部42の周囲には支持突起43が設けられており、振動体30は、環状の本体31を中央ボス部42に嵌めた状態で、支持突起23に環状の本体31に形成した取付孔31a(図8参照)を嵌めて支持突起23を加締めることで、ホルダ40上にがたつかないように強固に固定されている。また、ホルダ40の上面には、中央ボス部42と同心に段差の小さな嵌合段部44が設けられており、この嵌合段部44が文字盤3の中心孔3aに嵌まることで、文字盤3と位置決めされている。
【0036】
また、図10に示すように、導光体として構成された指針軸部5は、ホルダ40の中心貫通孔41に回転自在に挿通され、先端側の段部5b(位置決め手段)がホルダ40の中央ボス部42の上端に突き当たることで下方へ向けて位置決めされ、基端側が、ホルダ40の中心貫通孔41を貫通したところで、基端外周の係合溝35aに止め輪(位置決め手段)16を嵌めることにより上方へ抜け止めされている。
【0037】
この車両用指針計器においては、振動体30のピエゾ素子34を駆動すると、振動子33が振動して振動体30が共振振動し、その振動がロータ35に摩擦により伝えられることで、ロータ35が回転し、指針キャップ6及び指針4が回転する。また、LED7の光は、導光体である指針軸部5を通って、反射を繰り返しながら指針4に届いて指針4を照光する。
【0038】
以上の構成の車両用指針計器によれば、環状の振動体30を固定したホルダ40の中心貫通孔41(ロータ35の回転中心位置)に導光体である指針軸部5を挿通させ、その指針軸部5を通してLED7からの光を指針4に導くようにしているので、超音波モータを駆動機構として採用しながらも、指針4を効率よく照光することができる。また、指針軸部5はロータ15の回転中心位置にあるから、LED7と振動体10及びロータ15とを互いに干渉せずに容易にレイアウトすることができる。
【0039】
また、LED7の光を指針4まで導く導光体を、指針4と一体に形成した指針軸部5で構成しているので、部品点数を減らしながら、簡単な構造で、指針4を照光しつつ回転させることができる。また、超音波モータを、環状の振動体30の外周側にリング状のロータ35を配した外ロータ構造のものとし、環状の振動体30の内側に導光体よりなる指針軸部5を貫通して設けているので、ロータ35や振動体30を摩耗に強い金属で構成していながら、指針軸部5を通して効率よく指針4を照光することができる。
【0040】
また、本実施形態の車両用指針計器では、ハウジングとして設けられたホルダ40の中心貫通孔41に、指針軸部5を回転自在に挿通させ、指針軸部5の軸方向両端を、ホルダ40の中心貫通孔41の両外側で段部5bと止め輪16により軸方向に位置決めしているので、指針軸部5の抜けや移動を無くして、指針軸部5を安定回転させることができる。また、ホルダ40の中心貫通孔41の外側に段部5bや止め輪16を配するだけでよいので、組み立てが簡単にできる。
【0041】
なお、上記第1、第2実施形態では、超音波モータの振動体10、30を固定したハウジング20、40を導光板1と文字盤3との間に配設し、配線板2から離して設けているので、配線板2と振動体10、30との電気接続をコネクタ等を用いて行う必要があるが、配線板2に直接、前記ハウジング20、40を搭載してもよい。ただし、配線板2上には種々の部品を搭載する可能性があるので、振動体10、30を固定したハウジング20、40は、上述の実施形態のように、配線板2に直接搭載しない方が、配線板2上のレイアウトの自由度を確保する上では好ましい。そうすれば、配線板2上に照明用の光源(例えば、いろいろな種類の光源や複数の光源)を自由に取り付けることができるようになるため、照明効率の向上を図ることができる。
【0042】
また、上記第1実施形態においては、ハウジング20を上ケース21と下ケース22の2部品で構成しているが、下ケース22の軸受孔26を軸方向に長いものとして構成して、その軸受孔26だけでロータ15を安定的に支持できるようにすれば、上ケース21を省略することもできる。
【0043】
また、上記第2実施形態では、指針軸部5をロータ35の回転中心位置に配置する導光体として設けているが、指針キャップ6をホルダ40に直接回転自在に嵌合させるようにすれば、指針軸部5を省略することもできる。そうした場合は、敢えて透明固形部品である導光体をロータ35の回転中心位置に貫通して設けずに、単なる空洞を導光路としてロータ35の回転中心位置に貫通して設け、その空洞を通してLED7と指針4の基端部の入光面とが向かい合うようにするだけでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態の超音波モータ駆動式の車両用指針計器の要部の分解斜視図である。
【図2】更に細かく示す分解図である。
【図3】同指針計器に使用している振動体の構成を示す斜視図である。
【図4】振動体の位置で要部を切って示す横断面図でる。
【図5】同車両用指針計器の要部の縦断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の超音波モータ駆動式の車両用指針計器の要部の分解斜視図である。
【図7】更に細かく示す分解斜視図である。
【図8】同指針計器に使用している振動体の構成を示す斜視図である。
【図9】振動体の位置で要部を切って示す横断面図でる。
【図10】同車両用指針計器の要部の縦断面図である。
【符号の説明】
【0045】
3 文字盤
4 指針
5 指針軸部(導光体)
5b 段部(位置決め手段)
7 LED(光源)
10 振動体
11 環状の本体
12 バネ部
13 振動子
14 ピエゾ素子
15 ロータ
15a 外鍔(位置決め手段)
15c 貫通孔
16 止め輪(位置決め手段)
20 ハウジング
21 上ケース
22 下ケース
26,27 軸受孔
30 振動体
31 環状の本体
32 バネ部
33 振動子
34 ピエゾ素子
35 ロータ
40 ホルダ(ハウジング)
41 中心貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字盤側に固定されるハウジングに超音波モータのステータ部分である振動体を固定し、この振動体に共振振動を起こさせ、その共振振動をロータに伝達することで該ロータを回転させ、それにより該ロータに連結された指針を回す超音波モータ駆動式の車両用指針計器において、
前記ロータの回転中心位置に導光路を貫通して設け、該導光路の一端に対向させて、該一端から導光路内に光が入射するように光源を配置すると共に、前記導光路の他端に前記指針の基端部を光学的に接続したことを特徴とする超音波モータ駆動式の車両用指針計器。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、
前記導光路として、透明固形材料よりなる導光体が配置され、該導光体が前記指針の軸部として構成されていることを特徴とする超音波モータ駆動式の車両用指針計器。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、
前記振動体が、環状の本体と、該環状の本体の内周側にバネ部を介して突設された複数の振動子と、該各振動子に設けられたピエゾ素子とから構成され、前記振動体の本体の内部に前記ロータが挿入されることで、該ロータの外周に前記振動子が接触しており、前記ロータの中心に形成された貫通孔に前記導光体が圧入されていることを特徴とする超音波モータ駆動式の車両用指針計器。
【請求項4】
請求項3に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、
前記ハウジングに、前記振動体の内部に挿入されるロータが回転自在に貫通する軸受孔が設けられ、前記ロータの軸方向両端が、前記軸受孔の外側で位置決め手段により軸方向に位置決めされていることを特徴とする超音波モータ駆動式の車両用指針計器。
【請求項5】
請求項4に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、
前記ハウジングが、互いに合体することにより前記振動体を収容固定する上ケース及び下ケースとで構成され、これら上ケース及び下ケースにそれぞれ前記軸受孔が設けられていることを特徴とする超音波モータ駆動式の車両用指針計器。
【請求項6】
請求項2に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、
前記振動体が、環状の本体と、該環状の本体の外周側にバネ部を介して突設された複数の振動子と、該各振動子に設けられたピエゾ素子とから構成され、前記振動体の本体の外周にリング状の前記ロータが嵌め合わせられることで、該ロータの内周に前記振動子が接触しており、前記振動体の本体の中心に前記導光体が貫通していることを特徴とする超音波モータ駆動式の車両用指針計器。
【請求項7】
請求項6に記載の超音波モータ駆動式の車両用指針計器であって、
前記ハウジングが、中心貫通孔を有し前記振動体を固定するホルダとして構成され、前記導光体が前記ホルダの中心貫通孔に回転自在に挿通され、該導光体の軸方向両端が、前記ホルダの中心貫通孔の両外側で位置決め手段により軸方向に位置決めされていることを特徴とする超音波モータ駆動式の車両用指針計器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−216573(P2009−216573A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61144(P2008−61144)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】