説明

車両用前照灯

【課題】発光面1aの左右方向寸法w1aが小さい発光素子光源1を用いる必要なく、車両用前照灯100全体の大型化を回避しつつ、横幅wP1RLが小さい配光パターンP1を形成する。
【解決手段】凹レンズとして作用する透光部材4を発光素子光源1とリフレクタ7との間に配置し、リフレクタ7の楕円系反射面7aおよび透光部材4を合成した光学系の第1焦点上またはその近傍に前後方向寸法d1aより左右方向寸法w1aが大きい発光面1aを有する発光素子光源1を配置し、リフレクタ7の楕円系反射面7aおよび透光部材4を合成した光学系の第2焦点上またはその近傍に投影レンズ3の焦点3aを配置し、投影レンズ3の中心軸線3'を含む鉛直面上に発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCを配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子光源と投影レンズとを具備する直射タイプの車両用前照灯に関する。また、本発明は、発光素子光源と、発光素子光源からの光を反射するリフレクタと、リフレクタからの反射光が透過せしめられる投影レンズとを具備するプロジェクタタイプの車両用前照灯に関する。
【0002】
特に、本発明は、発光面の右端部と左端部との間隔が小さい発光素子光源を用いる必要なく、車両用前照灯全体の大型化を回避しつつ、右端部と左端部との間隔が小さい配光パターンを形成することができる車両用前照灯に関する。
【背景技術】
【0003】
従来から、発光素子光源と投影レンズとを具備する車両用前照灯が知られている。この種の車両用前照灯の例としては、例えば特許文献1(特開2009−220631号公報)の図6に記載されたものがある。
【0004】
特許文献1の図6に記載された車両用前照灯のようないわゆる直射タイプの車両用前照灯では、上下方向寸法よりも左右方向寸法が大きい発光面を有する発光素子光源を用い、投影レンズの中心軸線を含む鉛直面上に発光素子光源の発光面の中央部を配置することにより、発光素子光源の横長の発光面が投影レンズによって投影され、投影レンズからの照射光によって横長の配光パターンを形成することができる。
【0005】
ところで、特許文献1の図6に記載された車両用前照灯のようないわゆる直射タイプの車両用前照灯では、発光面の左右方向寸法が小さい小型の発光素子光源を用いることにより、右端部と左端部との間隔(左右方向寸法)が小さい横長の配光パターンを形成することができると考えられる。ところが、現存しないような小型の発光素子光源を用いなければ左右方向寸法が小さい所望の横長の配光パターンを形成できない場合には、小型の発光素子光源を用いる策を採用すると、小型の発光素子光源の製造・開発に多大な費用がかかってしまう。
【0006】
あるいは、特許文献1の図6に記載された車両用前照灯のようないわゆる直射タイプの車両用前照灯では、相似的に拡大した大型の投影レンズを用いることによっても、右端部と左端部との間隔(左右方向寸法)が小さい横長の配光パターンを形成することができると考えられる。ところが、相似的に拡大した大型の投影レンズを用いる策を採用すると、車両用前照灯全体が大型化してしまう。
【0007】
また、従来から、発光素子光源と、発光素子光源からの光を反射するリフレクタと、リフレクタからの反射光が透過せしめられる投影レンズとを具備する車両用前照灯が知られている。この種の車両用前照灯の例としては、例えば特許文献(特開2004−158292号公報)の図12に記載されたものがある。
【0008】
特許文献2の図12に記載された車両用前照灯のようないわゆるプロジェクタタイプの車両用前照灯では、前後方向寸法よりも左右方向寸法が大きい発光面を有する発光素子光源を用い、投影レンズの中心軸線を含む鉛直面上に発光素子光源の発光面の中央部を配置することにより、投影レンズの焦点の近傍に形成される発光素子光源の横長の発光面の反射像が投影レンズによって投影され、投影レンズからの照射光によって横長の配光パターンを形成することができる。
【0009】
ところで、特許文献2の図12に記載された車両用前照灯のようないわゆるプロジェクタタイプの車両用前照灯では、発光面の左右方向寸法が小さい小型の発光素子光源を用いることにより、右端部と左端部との間隔(左右方向寸法)が小さい横長の配光パターンを形成することができると考えられる。ところが、現存しないような小型の発光素子光源を用いなければ左右方向寸法が小さい所望の横長の配光パターンを形成できない場合には、小型の発光素子光源を用いる策を採用すると、小型の発光素子光源の製造・開発に多大な費用がかかってしまう。
【0010】
あるいは、特許文献2の図12に記載された車両用前照灯のようないわゆるリフレクタタイプの車両用前照灯では、相似的に拡大した大型のリフレクタおよび投影レンズを用いることによっても、右端部と左端部との間隔(左右方向寸法)が小さい横長の配光パターンを形成することができると考えられる。ところが、相似的に拡大した大型のリフレクタおよび投影レンズを用いる策を採用すると、車両用前照灯全体が大型化してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−220631号公報
【特許文献2】特開2004−158292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記問題点に鑑み、本発明は、発光面の右端部と左端部との間隔が小さい発光素子光源を用いる必要なく、車両用前照灯全体の大型化を回避しつつ、右端部と左端部との間隔が小さい配光パターンを形成することができる車両用前照灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、上下方向寸法(h1a)よりも左右方向寸法(w1a)が大きい発光面(1a)を有する発光素子光源(1)と投影レンズ(3)とを具備し、
投影レンズ(3)の中心軸線(3’)を含む鉛直面上に発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)を配置し、
発光素子光源(1)と投影レンズ(3)との間に透光部材(4)を配置し、
発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの投影レンズ(3)の中心軸線(3’)に平行な光(L1aC)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4C)が、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの投影レンズ(3)の中心軸線(3’)に平行な光(L1aR)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4R)、および、発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの投影レンズ(3)の中心軸線(3’)に平行な光(L1aL)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4L)よりも小さくなるように、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む水平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の水平断面形状を円弧によって形成すると共に、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む水平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の水平断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する円弧または直線によって、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む水平面内における透光部材(4)の出射面(4b)の水平断面形状を形成し、
発光素子光源(1)の発光面(1a)からの光が透光部材(4)および投影レンズ(3)を透過せしめられることにより、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)に対応する右端部(P1R)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)に対応する左端部(P1L)とを有する横長の配光パターン(P1)を形成することを特徴とする車両用前照灯(100)が提供される。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、前後方向寸法(d1a)よりも左右方向寸法(w1a)が大きい発光面(1a)を有する発光素子光源(1)と、楕円系反射面(7a)を有するリフレクタ(7)と、投影レンズ(3)とを具備し、
発光素子光源(1)とリフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)との間に透光部材(4)を配置し、
リフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)および透光部材(4)を合成した光学系の第1焦点上またはその近傍に発光素子光源(1)を配置し、
リフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)および透光部材(4)を合成した光学系の第2焦点上またはその近傍に投影レンズ(3)の焦点(3a)を配置し、
投影レンズ(3)の中心軸線(3’)を含む鉛直面上に発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)を配置し、
発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの発光素子光源(1)の発光面(1a)に垂直な光(L1aC)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4C)が、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの発光素子光源(1)の発光面(1a)に垂直な光(L1aR)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4R)、および、発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの発光素子光源(1)の発光面(1a)に垂直な光(L1aL)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4L)よりも小さくなるように、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の断面形状を円弧によって形成すると共に、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する円弧または直線によって、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む平面内における透光部材(4)の出射面(4b)の断面形状を形成し、
発光素子光源(1)の発光面(1a)からの光が透光部材(4)を透過せしめられ、リフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)によって反射され、投影レンズ(3)を透過せしめられることにより、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)に対応する左端部(P1L)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)に対応する右端部(P1R)とを有する横長の配光パターン(P1)を形成することを特徴とする車両用前照灯(100)が提供される。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、上下方向寸法(h1a)よりも左右方向寸法(w1a)が大きい発光面(1a)を有する発光素子光源(1)と投影レンズ(3)とが設けられている。また、投影レンズ(3)の中心軸線(3’)を含む鉛直面上に発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)が配置されている。更に、発光素子光源(1)と投影レンズ(3)との間に透光部材(4)が配置されている。
【0016】
更に、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの投影レンズ(3)の中心軸線(3’)に平行な光(L1aC)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4C)が、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの投影レンズ(3)の中心軸線(3’)に平行な光(L1aR)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4R)、および、発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの投影レンズ(3)の中心軸線(3’)に平行な光(L1aL)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4L)よりも小さくなるように、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む水平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の水平断面形状が円弧によって形成され、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む水平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の水平断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する円弧または直線によって、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む水平面内における透光部材(4)の出射面(4b)の水平断面形状が形成されている。
【0017】
つまり、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、透光部材(4)が凹レンズとして作用し、実際の発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)と左端部(1aL)との間隔(w1aRL)よりも、見かけ上の発光素子光源(1V)の発光面(1aV)の右端部(1aRV)と左端部(1aLV)との間隔(w1aRLV)が小さくなる。
【0018】
また、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1)の発光面(1a)からの光が透光部材(4)および投影レンズ(3)を透過せしめられることにより、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)に対応する右端部(P1R)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)に対応する左端部(P1L)とを有する横長の配光パターン(P1)が形成される。
【0019】
詳細には、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)から照射され、透光部材(4)を透過せしめられた光(L1aR1,L1aR2,L1aR3)の光路が、見かけ上の発光素子光源(1V)の発光面(1aV)の右端部(1aRV)から照射された光(L1aR1V,L1aR2V,L1aR3V)の光路にほぼ一致する。
【0020】
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、実際の発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)に対応する位置ではなく、見かけ上の発光素子光源(1V)の発光面(1aV)の右端部(1aRV)に対応する位置に、配光パターン(P1)の右端部(P1R)が形成される。
【0021】
更に、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)から照射され、透光部材(4)を透過せしめられた光(L1aL1,L1aL2,L1aL3)の光路が、見かけ上の発光素子光源(1V)の発光面(1aV)の左端部(1aLV)から照射された光(L1aL1V,L1aL2V,L1aL3V)の光路にほぼ一致する。
【0022】
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、実際の発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)に対応する位置ではなく、見かけ上の発光素子光源(1V)の発光面(1aV)の左端部(1aLV)に対応する位置に、配光パターン(P1)の左端部(P1L)が形成される。
【0023】
その結果、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、凹レンズとして作用する透光部材(4)が設けられておらず、実際の発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)に対応する位置に配光パターン(P1’)の右端部(P1R’)が形成され、実際の発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)に対応する位置に配光パターン(P1’)の左端部(P1L’)が形成される場合よりも、配光パターン(P1)の右端部(P1R)と左端部(P1L)との間隔(wP1RL)を小さくすることができる。
【0024】
すなわち、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、発光面(1a)の右端部(1aR)と左端部(1aL)との間隔(w1aRL)が小さい発光素子光源(1)を用いる必要なく、車両用前照灯(100)全体の大型化を回避しつつ、右端部(P1R)と左端部(P1L)との間隔(wP1RL)が小さい配光パターン(P1)を形成することができる。
【0025】
請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、前後方向寸法(d1a)よりも左右方向寸法(w1a)が大きい発光面(1a)を有する発光素子光源(1)と、楕円系反射面(7a)を有するリフレクタ(7)と、投影レンズ(3)とが設けられている。また、発光素子光源(1)とリフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)との間に透光部材(4)が配置されている。更に、リフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)および透光部材(4)を合成した光学系の第1焦点上またはその近傍に発光素子光源(1)が配置されている。
【0026】
また、請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、リフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)および透光部材(4)を合成した光学系の第2焦点上またはその近傍に投影レンズ(3)の焦点(3a)が配置されている。更に、投影レンズ(3)の中心軸線(3’)を含む鉛直面上に発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)が配置されている。
【0027】
更に、請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの発光素子光源(1)の発光面(1a)に垂直な光(L1aC)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4C)が、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの発光素子光源(1)の発光面(1a)に垂直な光(L1aR)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4R)、および、発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの発光素子光源(1)の発光面(1a)に垂直な光(L1aL)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4L)よりも小さくなるように、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の断面形状が円弧によって形成され、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する円弧または直線によって、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む平面内における透光部材(4)の出射面(4b)の断面形状が形成されている。
【0028】
つまり、請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、透光部材(4)が凹レンズとして作用し、実際の発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)と左端部(1aL)との間隔(w1aRL)よりも、見かけ上の発光素子光源(1V)の発光面(1aV)の右端部(1aRV)と左端部(1aLV)との間隔(w1aRLV)が小さくなる。
【0029】
また、請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1)の発光面(1a)からの光が透光部材(4)を透過せしめられ、リフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)によって反射され、投影レンズ(3)を透過せしめられることにより、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)に対応する左端部(P1L)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)に対応する右端部(P1R)とを有する横長の配光パターン(P1)が形成される。
【0030】
詳細には、請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)から照射され、透光部材(4)を透過せしめられた光(L1aR6,L1aR7,L1aR8)の光路が、見かけ上の発光素子光源(1V)の発光面(1aV)の右端部(1aRV)から照射された光(L1aR6V,L1aR7V,L1aR8V)の光路にほぼ一致する。
【0031】
そのため、請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、実際の発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)に対応する位置ではなく、見かけ上の発光素子光源(1V)の発光面(1aV)の右端部(1aRV)に対応する位置に、配光パターン(P1)の左端部(P1L)が形成される。
【0032】
更に、請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)から照射され、透光部材(4)を透過せしめられた光(L1aL6,L1aL7,L1aL8)の光路が、見かけ上の発光素子光源(1V)の発光面(1aV)の左端部(1aLV)から照射された光(L1aL6V,L1aL7V,L1aL8V)の光路にほぼ一致する。
【0033】
そのため、請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、実際の発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)に対応する位置ではなく、見かけ上の発光素子光源(1V)の発光面(1aV)の左端部(1aLV)に対応する位置に、配光パターン(P1)の右端部(P1R)が形成される。
【0034】
その結果、請求項2に記載の車両用前照灯(100)によれば、凹レンズとして作用する透光部材(4)が設けられておらず、実際の発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)に対応する位置に配光パターン(P1’)の左端部(P1L’)が形成され、実際の発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)に対応する位置に配光パターン(P1’)の右端部(P1R’)が形成される場合よりも、配光パターン(P1)の右端部(P1R)と左端部(P1L)との間隔(wP1RL)を小さくすることができる。
【0035】
すなわち、請求項2に記載の車両用前照灯(100)によれば、発光面(1a)の右端部(1aR)と左端部(1aL)との間隔(w1aRL)が小さい発光素子光源(1)を用いる必要なく、車両用前照灯(100)全体の大型化を回避しつつ、右端部(P1R)と左端部(P1L)との間隔(wP1RL)が小さい配光パターン(P1)を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1の実施形態の車両用前照灯100の概略的に示した図である。
【図2】第1の実施形態の車両用前照灯100の一部を構成するランプユニット10の概略的な正面図である。
【図3】第1の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット10の一部を構成する発光素子光源1、シェード2および透光部材4の断面図である。
【図4】図1(A)に示す水平断面内を進む発光素子光源1からの光を示した図である。
【図5】図1(A)に示す水平断面内を進む発光素子光源1からの光を示した図である。
【図6】図1(B)に示す鉛直断面内を進む発光素子光源1からの光を示した図である。
【図7】図1(B)に示す鉛直断面内を進む発光素子光源1からの光を示した図である。
【図8】透光部材4が設けられていない比較例の車両用前照灯100の投影レンズ3の中心軸線3’を含む水平断面を進む発光素子光源1からの光を示した図である。
【図9】透光部材4が設けられていない比較例の車両用前照灯100の投影レンズ3の中心軸線3’を含む水平断面を進む発光素子光源1からの光を示した図である。
【図10】第1の実施形態の車両用前照灯100によって形成される配光パターンP1などを示した図である。
【図11】第5の実施形態の車両用前照灯100の概略的に示した図である。
【図12】第5の実施形態の車両用前照灯100の一部を構成するランプユニット10の概略的な平面図である。
【図13】第5の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット10の一部を構成する発光素子光源1および透光部材4の断面図である。
【図14】第5の実施形態の車両用前照灯100の発光素子光源1からの光を投影レンズ3の中心軸線3’の方向の後側から投影した図である。
【図15】第5の実施形態の車両用前照灯100の発光素子光源1からの光を投影レンズ3の中心軸線3’の方向の後側から投影した図である。
【図16】第5の実施形態の車両用前照灯100の発光素子光源1からの光を投影レンズ3の中心軸線3’の方向の後側から投影した図である。
【図17】透光部材4が設けられていない比較例の車両用前照灯100の発光素子光源1からの光を投影レンズ3の中心軸線3’の方向の後側から投影した図である。
【図18】透光部材4が設けられていない比較例の車両用前照灯100の発光素子光源1からの光を投影レンズ3の中心軸線3’の方向の後側から投影した図である。
【図19】透光部材4が設けられていない比較例の車両用前照灯100の発光素子光源1からの光を投影レンズ3の中心軸線3’の方向の後側から投影した図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は第1の実施形態の車両用前照灯100の概略的に示した図である。詳細には、図1(A)は投影レンズ3の中心軸線3’を含む第1の実施形態の車両用前照灯100の概略的な水平断面図、図1(B)は投影レンズ3の中心軸線3’を含む第1の実施形態の車両用前照灯100の概略的な鉛直断面図である。図2は第1の実施形態の車両用前照灯100の一部を構成するランプユニット10の概略的な正面図である。詳細には、図2(A)はランプユニット10の一部を構成するシェード2、投影レンズ3、透光部材4およびレンズホルダ6を透視して見たランプユニット10の正面図である。図2(B)はランプユニット10の一部を構成する投影レンズ3およびレンズホルダ6を透視して見たランプユニット10の正面図である。図3は第1の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット10の一部を構成する発光素子光源1、シェード2および透光部材4の断面図である。詳細には、図3(A)は図2(B)のA−A線に沿った概略的な水平断面図、図3(B)は図2(B)のB−B線に沿った概略的な鉛直断面図である。
【0038】
図4および図5は図1(A)に示す水平断面内を進む発光素子光源1からの光を示した図である。詳細には、図4は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aC1、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aR1、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aL1を示した図である。図5(A)は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aC2、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aR2、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aL2を示した図である。図5(B)は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aC3、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aR3、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aL3を示した図である。
【0039】
図6および図7は図1(B)に示す鉛直断面内を進む発光素子光源1からの光を示した図である。詳細には、図6は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aC1、および、発光素子光源1の発光面1aの上端部1aUから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aU1を示した図である。図8は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aC4、および、発光素子光源1の発光面1aの上端部1aUから照射され、透光部材4および投影レンズ3を透過せしめられた光L1aU4を示した図である。
【0040】
図8および図9は透光部材4が設けられていない比較例の車両用前照灯100の投影レンズ3の中心軸線3’を含む水平断面を進む発光素子光源1からの光を示した図である。詳細には、図8は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、投影レンズ3を透過せしめられた光L1aC1、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、投影レンズ3を透過せしめられた光L1aR1、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、投影レンズ3を透過せしめられた光L1aL1を示した図である。図9(A)は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、投影レンズ3を透過せしめられた光L1aC2、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、投影レンズ3を透過せしめられた光L1aR2、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、投影レンズ3を透過せしめられた光L1aL2を示した図である。図9(B)は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、投影レンズ3を透過せしめられた光L1aC3、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、投影レンズ3を透過せしめられた光L1aR3、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、投影レンズ3を透過せしめられた光L1aL3を示した図である。
【0041】
図10は第1の実施形態の車両用前照灯100によって形成される配光パターンP1などを示した図である。詳細には、図10(A)は発光素子光源1からの光がシェード2によって遮られない場合における第1の実施形態の車両用前照灯100によって形成される配光パターンP1と、比較例の車両用前照灯100によって形成される配光パターンP2とを示した図である。図10(B)はシェード2によってカットオフラインCLが形成された第1の実施形態の車両用前照灯100の配光パターンP1を示した図である。図10(C)はシェード2によってカットオフラインCLが形成された比較例の車両用前照灯100の配光パターンP2を示した図である。
【0042】
第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1に示すように、発光素子光源1およびシェード2がヒートシンク5に接続されている。また、図1および図2(A)に示すように、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直面上に発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCが配置されている。更に、図2(A)に示すように、上下方向寸法h1aよりも左右方向寸法w1aが大きい発光面1aを有する発光素子光源1が用いられている。
【0043】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1に示すように、発光素子光源1を覆うための概略キャップ状の透光部材4が、発光素子光源1と投影レンズ3との間に配置されている。更に、投影レンズ3および透光部材4を合成した光学系の焦点上またはその近傍に発光素子光源1およびシェード2が配置されている。また、投影レンズ3とヒートシンク5とがレンズホルダ6を介して接続されている。更に、発光素子光源1とシェード2と投影レンズ3と透光部材4とヒートシンク5とレンズホルダ6とによって構成されるランプユニット10が、ハウジング100aとアウターレンズ100bとによって画定される灯室100c内に収容されている。また、例えばエイミングスクリュー、ボールジョイントなどのような光軸調整機構100dを介してランプユニット10がハウジング100aに接続されている。
【0044】
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図3(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの投影レンズ3の中心軸線3’に平行な光L1aCが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Cが、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの投影レンズ3の中心軸線3’に平行な光L1aRが入射する位置における透光部材4の肉厚t4R、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの投影レンズ3の中心軸線3’に平行な光L1aLが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Lよりも小さくなるように、投影レンズ3の中心軸線3’を含む水平断面内における透光部材4の入射面4aの水平断面形状が円弧によって形成され、投影レンズ3の中心軸線3’を含む水平断面内における透光部材4の出射面4bの水平断面形状が直線によって形成されている。
【0045】
第2の実施形態の車両用前照灯100では、代わりに、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの投影レンズ3の中心軸線3’に平行な光L1aCが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Cが、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの投影レンズ3の中心軸線3’に平行な光L1aRが入射する位置における透光部材4の肉厚t4R、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの投影レンズ3の中心軸線3’に平行な光L1aLが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Lよりも小さくなるように、投影レンズ3の中心軸線3’を含む水平断面内における透光部材4の入射面4aの水平断面形状を円弧によって形成すると共に、投影レンズ3の中心軸線3’を含む水平断面内における透光部材4の入射面4aの水平断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する円弧によって、投影レンズ3の中心軸線3’を含む水平断面内における透光部材4の出射面4bの水平断面形状を形成することも可能である。
【0046】
つまり、第1および第2の実施形態の車両用前照灯100では、投影レンズ3の中心軸線3’を含む水平断面内において透光部材4が凹レンズとして作用する。その結果、図4に示すように、実際の発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRと左端部1aLとの間隔w1aRLよりも、図4中に破線で示す見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの右端部1aRVと左端部1aLVとの間隔w1aRLVが小さくなる。
【0047】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1(図1参照)の発光面1a(図1(B)および図2(A)参照)からの光が透光部材4(図1および図2(B)参照)および投影レンズ3(図1参照)を透過せしめられることにより、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aR(図2(A)参照)に対応する右端部P1R(図10(A)および図10(B)参照)と発光素子光源1の発光面1aの左端部1aL(図2(A)参照)に対応する左端部P1L(図10(A)および図10(B)参照)とを有する横長の配光パターンP1(図10(A)および図10(B)参照)が形成される。
【0048】
具体的には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図4に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aC1の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの中央部1aCVから照射された光L1aC1Vの光路にほぼ一致する。更に、図5(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aC2の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの中央部1aCVから照射された光L1aC2Vの光路にほぼ一致する。また、図5(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aC3の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの中央部1aCVから照射された光L1aC3Vの光路にほぼ一致する。
【0049】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図4に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aR1の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの右端部1aRVから照射された光L1aR1Vの光路にほぼ一致し、透光部材4を透過せしめられた光L1aR1と透光部材4を透過せしめられた光L1aC1とが角度θR1をなす。また、図5(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aR2の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの右端部1aRVから照射された光L1aR2Vの光路にほぼ一致し、透光部材4を透過せしめられた光L1aR2と透光部材4を透過せしめられた光L1aC2とが角度θR1をなす。更に、図5(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aR3の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの右端部1aRVから照射された光L1aR3Vの光路にほぼ一致し、透光部材4を透過せしめられた光L1aR3と透光部材4を透過せしめられた光L1aC3とが角度θR1をなす。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100では、実際の発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRに対応する位置ではなく、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの右端部1aRVに対応する右向きの角度θR1(図10(A)および図10(B)参照)の位置に、配光パターンP1(図10(A)および図10(B)参照)の右端部P1R(図10(A)および図10(B)参照)が形成される。
【0050】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図4に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aL1の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの左端部1aLVから照射された光L1aL1Vの光路にほぼ一致し、透光部材4を透過せしめられた光L1aL1と透光部材4を透過せしめられた光L1aC1とが角度θL1をなす。更に、図5(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aL2の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの左端部1aLVから照射された光L1aL2Vの光路にほぼ一致し、透光部材4を透過せしめられた光L1aL2と透光部材4を透過せしめられた光L1aC2とが角度θL1をなす。また、図5(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aL3の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの左端部1aLVから照射された光L1aL3Vの光路にほぼ一致し、透光部材4を透過せしめられた光L1aL3と透光部材4を透過せしめられた光L1aC3とが角度θL1をなす。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100では、実際の発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLに対応する位置ではなく、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの左端部1aLVに対応する左向きの角度θL1(図10(A)および図10(B)参照)の位置に、配光パターンP1(図10(A)および図10(B)参照)の左端部P1L(図10(A)および図10(B)参照)が形成される。
【0051】
一方、凹レンズとして作用する透光部材4が設けられていない比較例の車両用前照灯100では、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aC1,L1aC2,L1aC3(図8、図9(A)および図9(B)参照)が、透光部材4を透過せしめられて照射方向(図8、図9(A)および図9(B)の下側)に照射される。更に、比較例の車両用前照灯100では、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aR1,L1aR2,L1aR3(図8、図9(A)および図9(B)参照)が、透光部材4を透過せしめられて照射方向(図8、図9(A)および図9(B)の下側)に照射される。詳細には、図8に示すように、透光部材4を透過せしめられた光L1aR1と透光部材4を透過せしめられた光L1aC1とが角度θR2(>θR1(図4参照))をなし、図9(A)に示すように、透光部材4を透過せしめられた光L1aR2と透光部材4を透過せしめられた光L1aC2とが角度θR2(>θR1(図5(A)参照))をなし、図9(B)に示すように、透光部材4を透過せしめられた光L1aR3と透光部材4を透過せしめられた光L1aC3とが角度θR2(>θR1(図5(B)参照))をなす。そのため、比較例の車両用前照灯100では、実際の発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRに対応する右向きの角度θR2(図10(A)および図10(C)参照)の位置に、配光パターンP1’(図10(A)および図10(C)参照)の右端部P1R’(図10(A)および図10(C)参照)が形成される。
【0052】
また、比較例の車両用前照灯100では、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aL1,L1aL2,L1aL3(図8、図9(A)および図9(B)参照)が、透光部材4を透過せしめられて照射方向(図8、図9(A)および図9(B)の下側)に照射される。詳細には、図8に示すように、透光部材4を透過せしめられた光L1aL1と透光部材4を透過せしめられた光L1aC1とが角度θL2(>θL1(図4参照))をなし、図9(A)に示すように、透光部材4を透過せしめられた光L1aL2と透光部材4を透過せしめられた光L1aC2とが角度θL2(>θL1(図5(A)参照))をなし、図9(B)に示すように、透光部材4を透過せしめられた光L1aL3と透光部材4を透過せしめられた光L1aC3とが角度θL2(>θL1(図5(B)参照))をなす。そのため、比較例の車両用前照灯100では、実際の発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLに対応する左向きの角度θL2(図10(A)および図10(C)参照)の位置に、配光パターンP1’(図10(A)および図10(C)参照)の左端部P1L’(図10(A)および図10(C)参照)が形成される。その結果、比較例の車両用前照灯100では、図10(A)に示すように、配光パターンP1’の右端部P1R’と左端部P1L’との間隔wP1RL’が大きくなる。
【0053】
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、凹レンズとして作用する透光部材4が設けられておらず、実際の発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRに対応する位置に配光パターンP1’の右端部P1R’が形成され、実際の発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLに対応する位置に配光パターンP1’の左端部P1L’が形成される比較例の車両用前照灯100よりも、配光パターンP1の右端部P1Rと左端部P1Lとの間隔wP1RL(図10(A)参照)を小さくすることができる。
【0054】
すなわち、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光面1a(図2(A)参照)の右端部1aR(図2(A)参照)と左端部1aL(図2(A)参照)との間隔w1aRL(図4(A)参照)が小さい発光素子光源1(図2(A)参照)を用いる必要なく、車両用前照灯100全体の大型化を回避しつつ、右端部P1R(図10(A)参照)と左端部P1L(図10(A)参照)との間隔wP1RL(図10(A)参照)が小さい配光パターンP1(図10(A)参照)を形成することができる。
【0055】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図3(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの投影レンズ3の中心軸線3’に平行な光L1aCが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Cが、発光素子光源1の発光面1aの上端部1aUからの投影レンズ3の中心軸線3’に平行な光L1aUが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Uよりも小さくなるように、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直断面内における透光部材4の入射面4aの鉛直断面形状が円弧によって形成され、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直断面内における透光部材4の出射面4bの鉛直断面形状が直線によって形成されている。
【0056】
第3の実施形態の車両用前照灯100では、代わりに、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの投影レンズ3の中心軸線3’に平行な光L1aCが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Cが、発光素子光源1の発光面1aの上端部1aUからの投影レンズ3の中心軸線3’に平行な光L1aUが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Uよりも小さくなるように、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直断面内における透光部材4の入射面4aの鉛直断面形状を円弧によって形成すると共に、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直断面内における透光部材4の入射面4aの鉛直断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する円弧によって、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直断面内における透光部材4の出射面4bの鉛直断面形状を形成することも可能である。
【0057】
つまり、第1および第3の実施形態の車両用前照灯100では、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直断面内において透光部材4が凹レンズとして作用する。その結果、図6に示すように、実際の発光素子光源1の発光面1aの上端部1aUよりも、図6中に破線で示す見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの上端部1aUVが下側(図6の下側)に位置する。
【0058】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1(図1参照)の発光面1a(図1(B)および図2(A)参照)からの光が透光部材4(図1および図2(B)参照)および投影レンズ3(図1参照)を透過せしめられることにより、発光素子光源1の発光面1aの上端部1aU(図2(A)参照)に対応する下端部P1D(図10(A)および図10(B)参照)を有する横長の配光パターンP1(図10(A)および図10(B)参照)が形成される。
【0059】
具体的には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図6に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aC1の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの中央部1aCVから照射された光の光路にほぼ一致する。更に、図7に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aC4の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの中央部1aCVから照射された光の光路にほぼ一致する。
【0060】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図6に示すように、発光素子光源1の発光面1aの上端部1aUから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aU1の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの上端部1aUVから照射された光の光路にほぼ一致し、透光部材4を透過せしめられた光L1aU1と透光部材4を透過せしめられた光L1aC1とが角度θD1をなす。また、図7に示すように、発光素子光源1の発光面1aの上端部1aUから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aU4の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの上端部1aUVから照射された光の光路にほぼ一致し、透光部材4を透過せしめられた光L1aU4と透光部材4を透過せしめられた光L1aC4とが角度θD1をなす。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100では、実際の発光素子光源1の発光面1aの上端部1aUに対応する位置ではなく、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの上端部1aUVに対応する下向きの角度θD1(図10(A)および図10(B)参照)の位置に、配光パターンP1(図10(A)および図10(B)参照)の下端部P1D(図10(A)および図10(B)参照)が形成される。
【0061】
第1の実施形態の車両用前照灯100では、上述したように、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直断面内において透光部材4を凹レンズとして作用させることにより、配光パターンP1(図10(A)および図10(B)参照)の上下方向寸法が配光パターンP1’(図10(A)および図10(C)参照)の上下方向寸法よりも小さくされている。一方、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直断面内において透光部材4を凹レンズとして作用させる代わりに、発光素子光源1(図2(A)参照)の発光面1a(図2(A)参照)のうち、シェード2(図1参照)によって覆われる領域を大きくすることによっても、カットオフラインCL(図10(B)参照)を有する配光パターンP1(図10(B)参照)の上下方向寸法を小さくすることができる。この点に鑑み、第1の実施形態の車両用前照灯100では、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直断面内において透光部材4が凹レンズとして作用せしめられているが、第4の実施形態の車両用前照灯100では、代わりに、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直断面内において透光部材4を素通しレンズとして作用させると共に、発光素子光源1(図2(A)参照)の発光面1a(図2(A)参照)のうち、シェード2(図1参照)によって覆われる領域を大きくすることにより、カットオフラインCL(図10(B)参照)を有する配光パターンP1(図10(B)参照)の上下方向寸法を小さくすることも可能である。
【0062】
図11は第5の実施形態の車両用前照灯100の概略的に示した図である。詳細には、図11(A)は投影レンズ3の中心軸線3’を含む第5の実施形態の車両用前照灯100の概略的な水平断面図、図11(B)は投影レンズ3の中心軸線3’を含む第5の実施形態の車両用前照灯100の概略的な鉛直断面図である。図12は第5の実施形態の車両用前照灯100の一部を構成するランプユニット10の概略的な平面図である。詳細には、図12(A)はランプユニット10の一部を構成する投影レンズ3、透光部材4およびリフレクタ7を透視して見たランプユニット10の平面図である。図12(B)はランプユニット10の一部を構成する投影レンズ3およびリフレクタ7を透視して見たランプユニット10の平面図である。図13は第5の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット10の一部を構成する発光素子光源1および透光部材4の断面図である。詳細には、図13(A)は図12(B)のC−C線に沿った概略的な鉛直断面図、図13(B)は図12(B)のD−D線に沿った概略的な鉛直断面図である。
【0063】
図14〜図16は第5の実施形態の車両用前照灯100の発光素子光源1からの光を投影レンズ3の中心軸線3’の方向の後側から投影した図である。詳細には、図14(A)は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCに到達する光L1aC6、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCに到達する光L1aR6、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCに到達する光L1aL6の投影図である。図14(B)はリフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3a上またはその近傍を透過せしめられる光L1aC6、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PLを透過せしめられる光L1aR6、および、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PRを透過せしめられる光L1aL6の投影図である。
【0064】
図15(A)は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLに到達する光L1aC7、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLに到達する光L1aR7、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLに到達する光L1aL7の投影図である。図15(B)はリフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3a上またはその近傍を透過せしめられる光L1aC7、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PLを透過せしめられる光L1aR7、および、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PRを透過せしめられる光L1aL7の投影図である。
【0065】
図16(A)は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRに到達する光L1aC8、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRに到達する光L1aR8、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRに到達する光L1aL8の投影図である。図16(B)はリフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3a上またはその近傍を透過せしめられる光L1aC8、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PLを透過せしめられる光L1aR8、および、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PRを透過せしめられる光L1aL8の投影図である。
【0066】
図17〜図19は透光部材4が設けられていない比較例の車両用前照灯100の発光素子光源1からの光を投影レンズ3の中心軸線3’の方向の後側から投影した図である。図17(A)は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCに到達する光L1aC6、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCに到達する光L1aR6、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCに到達する光L1aL6の投影図である。図17(B)はリフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3a上またはその近傍を透過せしめられる光L1aC6、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PLを透過せしめられる光L1aR6、および、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PRを透過せしめられる光L1aL6の投影図である。
【0067】
図18(A)は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLに到達する光L1aC7、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLに到達する光L1aR7、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLに到達する光L1aL7の投影図である。図18(B)はリフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3a上またはその近傍を透過せしめられる光L1aC7、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PLを透過せしめられる光L1aR7、および、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PRを透過せしめられる光L1aL7の投影図である。
【0068】
図19(A)は発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRに到達する光L1aC8、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRに到達する光L1aR8、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRに到達する光L1aL8の投影図である。図19(B)はリフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3a上またはその近傍を透過せしめられる光L1aC8、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PLを透過せしめられる光L1aR8、および、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aの近傍の位置PRを透過せしめられる光L1aL8の投影図である。
【0069】
第5の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、発光素子光源1と楕円系反射面7aを有するリフレクタ7とがヒートシンク5に接続されている。また、図11および図12(A)に示すように、投影レンズ3の中心軸線3’を含む鉛直面上に発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCが配置されている。更に、図12(A)に示すように、前後方向寸法d1aよりも左右方向寸法w1aが大きい発光面1aを有する発光素子光源1が用いられている。
【0070】
また、第5の実施形態の車両用前照灯100では、図11(B)に示すように、発光素子光源1を覆うための概略キャップ状の透光部材4が、発光素子光源1とリフレクタ7の楕円系反射面7aとの間に配置されている。更に、リフレクタ7の楕円系反射面7aおよび透光部材4を合成した光学系の第1焦点上またはその近傍に発光素子光源1が配置されている。また、リフレクタ7の楕円系反射面7aおよび透光部材4を合成した光学系の第2焦点上またはその近傍に投影レンズ3の焦点3aおよびシェード2が配置されている。更に、ヒートシンク5の一部によってシェード2が構成されている。
【0071】
更に、第5の実施形態の車両用前照灯100では、図11に示すように、発光素子光源1と投影レンズ3と透光部材4とヒートシンク5とリフレクタ7とによって構成されるランプユニット10が、ハウジング100aとアウターレンズ100bとによって画定される灯室100c内に収容されている。また、例えばエイミングスクリュー、ボールジョイントなどのような光軸調整機構100dを介してランプユニット10がハウジング100aに接続されている。
【0072】
詳細には、第5の実施形態の車両用前照灯100では、図13(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの発光素子光源1の発光面1aに垂直な光L1aCが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Cが、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの発光素子光源1の発光面1aに垂直な光L1aRが入射する位置における透光部材4の肉厚t4R、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの発光素子光源1の発光面1aに垂直な光L1aLが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Lよりも小さくなるように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aRと発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aLとを含む平面内における透光部材4の入射面4aの断面形状が円弧によって形成され、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aRと発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aLとを含む平面内における透光部材4の入射面4aの断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する円弧によって、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aRと発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aLとを含む平面内における透光部材4の出射面4bの断面形状が形成されている。
【0073】
第6の実施形態の車両用前照灯100では、代わりに、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの発光素子光源1の発光面1aに垂直な光L1aCが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Cが、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの発光素子光源1の発光面1aに垂直な光L1aRが入射する位置における透光部材4の肉厚t4R、および、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの発光素子光源1の発光面1aに垂直な光L1aLが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Lよりも小さくなるように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aRと発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aLとを含む平面内における透光部材4の入射面4aの断面形状を円弧によって形成すると共に、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aRと発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aLとを含む平面内における透光部材4の入射面4aの断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する直線によって、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aRと発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aLとを含む平面内における透光部材4の出射面4bの断面形状を形成することも可能である。
【0074】
つまり、第5および第6の実施形態の車両用前照灯100では、図12(B)のC−C線に沿った断面内において透光部材4が凹レンズとして作用する。その結果、図14(A)に示すように、実際の発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRと左端部1aLとの間隔w1aRLよりも、図14(A)中に破線で示す見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの右端部1aRVと左端部1aLVとの間隔w1aRLVが小さくなる。
【0075】
また、第5の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1(図11参照)の発光面1a(図11参照)からの光が透光部材4(図11(B)および図12(B)参照)を透過せしめられ、リフレクタ7(図11(B)参照)の楕円系反射面7a(図11(B)参照)によって反射され、投影レンズ3(図11参照)を透過せしめられることにより、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aR(図12(A)参照)に対応する左端部P1L(図10(A)および図10(B)参照)と発光素子光源1の発光面1aの左端部1aL(図12(A)参照)に対応する右端部P1R(図10(A)および図10(B)参照)とを有する横長の配光パターンP1(図10(A)および図10(B)参照)が形成される。
【0076】
具体的には、第5の実施形態の車両用前照灯100では、図14(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aC6の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの中央部1aCVから照射された光の光路にほぼ一致する。詳細には、図14(A)および図14(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aC6が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3a上またはその近傍を透過せしめられる。また、図15(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aC7の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの中央部1aCVから照射された光の光路にほぼ一致する。詳細には、図15(A)および図15(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aC7が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3a上またはその近傍を透過せしめられる。更に、図16(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aC8の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの中央部1aCVから照射された光の光路にほぼ一致する。詳細には、図16(A)および図16(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aC8が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3a上またはその近傍を透過せしめられる。
【0077】
更に、第5の実施形態の車両用前照灯100では、図14(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aR6の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの右端部1aRVから照射された光L1aR6Vの光路にほぼ一致する。詳細には、図14(A)および図14(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aR6が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx1の位置PL上またはその近傍を透過せしめられる。また、図15(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aR7の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの右端部1aRVから照射された光L1aR7Vの光路にほぼ一致する。詳細には、図15(A)および図15(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aR7が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx1の位置PL上またはその近傍を透過せしめられる。更に、図16(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aR8の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの右端部1aRVから照射された光L1aR8Vの光路にほぼ一致する。詳細には、図16(A)および図16(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aR8が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx1の位置PL上またはその近傍を透過せしめられる。そのため、第5の実施形態の車両用前照灯100では、実際の発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRに対応する位置ではなく、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの右端部1aRVに対応する位置に、配光パターンP1(図10(A)および図10(B)参照)の左端部P1L(図10(A)および図10(B)参照)が形成される。詳細には、第5の実施形態の車両用前照灯100では、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx1の位置PLに対応する位置に、配光パターンP1の左端部P1Lが形成される。
【0078】
また、第5の実施形態の車両用前照灯100では、図14(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aL6の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの左端部1aLVから照射された光L1aL6Vの光路にほぼ一致する。詳細には、図14(A)および図14(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aL6が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx2の位置PR上またはその近傍を透過せしめられる。また、図15(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aL7の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの左端部1aLVから照射された光L1aL7Vの光路にほぼ一致する。詳細には、図15(A)および図15(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aL7が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx2の位置PR上またはその近傍を透過せしめられる。更に、図16(A)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLから照射され、透光部材4を透過せしめられた光L1aL8の光路が、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの左端部1aLVから照射された光L1aL8Vの光路にほぼ一致する。詳細には、図16(A)および図16(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aL8が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx2の位置PR上またはその近傍を透過せしめられる。そのため、第5の実施形態の車両用前照灯100では、実際の発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLに対応する位置ではなく、見かけ上の発光素子光源1Vの発光面1aVの左端部1aLVに対応する位置に、配光パターンP1(図10(A)および図10(B)参照)の右端部P1R(図10(A)および図10(B)参照)が形成される。詳細には、第5の実施形態の車両用前照灯100では、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx2の位置PRに対応する位置に、配光パターンP1の右端部P1Rが形成される。
【0079】
一方、凹レンズとして作用する透光部材4が設けられていない比較例の車両用前照灯100では、図17(A)および図17(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aR6が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx1’(>Δx1(図14(B)参照))の位置PL上またはその近傍を透過せしめられる。また、図18(A)および図18(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aR7が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx1’(>Δx1(図15(B)参照))の位置PL上またはその近傍を透過せしめられる。更に、図19(A)および図19(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRからの光L1aR8が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx1’(>Δx1(図16(B)参照))の位置PL上またはその近傍を透過せしめられる。そのため、比較例の車両用前照灯100では、実際の発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRに対応する位置に、配光パターンP1’(図10(A)および図10(C)参照)の左端部P1L’(図10(A)および図10(C)参照)が形成される。詳細には、比較例の車両用前照灯100では、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx1’の位置PLに対応する位置に、配光パターンP1’の左端部P1L’が形成される。
【0080】
また、比較例の車両用前照灯100では、図17(A)および図17(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aL6が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aCにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx2’(>Δx2(図14(B)参照))の位置PR上またはその近傍を透過せしめられる。また、図18(A)および図18(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aL7が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aLにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx2’(>Δx2(図15(B)参照))の位置PR上またはその近傍を透過せしめられる。更に、図19(A)および図19(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLからの光L1aL8が、リフレクタ7の楕円系反射面7a上の位置7aRにおいて反射され、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx2’(>Δx2(図16(B)参照))の位置PR上またはその近傍を透過せしめられる。そのため、比較例の車両用前照灯100では、実際の発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLに対応する位置に、配光パターンP1’(図10(A)および図10(C)参照)の右端部P1L’(図10(A)および図10(C)参照)が形成される。詳細には、比較例の車両用前照灯100では、投影レンズ3の焦点3aから距離Δx2’の位置PRに対応する位置に、配光パターンP1’の左端部P1L’が形成される。その結果、比較例の車両用前照灯100では、図10(A)に示すように、配光パターンP1’の右端部P1R’と左端部P1L’との間隔wP1RL’が大きくなる。
【0081】
つまり、第5の実施形態の車両用前照灯100によれば、凹レンズとして作用する透光部材4が設けられておらず、実際の発光素子光源1の発光面1aの右端部1aRに対応する位置に配光パターンP1’の左端部P1L’が形成され、実際の発光素子光源1の発光面1aの左端部1aLに対応する位置に配光パターンP1’の右端部P1R’が形成される比較例の車両用前照灯100よりも、配光パターンP1の右端部P1Rと左端部P1Lとの間隔wP1RL(図10(A)参照)を小さくすることができる。
【0082】
すなわち、第5の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光面1a(図12(A)参照)の右端部1aR(図12(A)参照)と左端部1aL(図12(A)参照)との間隔w1aRL(図14(A)参照)が小さい発光素子光源1(図12(A)参照)を用いる必要なく、車両用前照灯100全体の大型化を回避しつつ、右端部P1R(図10(A)参照)と左端部P1L(図10(A)参照)との間隔wP1RL(図10(A)参照)が小さい配光パターンP1(図10(A)参照)を形成することができる。
【0083】
更に、第5の実施形態の車両用前照灯100では、図13(B)に示すように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの発光素子光源1の発光面1aに垂直な光L1aCが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Cが、発光素子光源1の発光面1aの後端部1aBからの発光素子光源1の発光面1aに垂直な光L1aBが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Bよりも小さくなるように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの後端部1aBからの光L1aBとを含む平面内における透光部材4の入射面4aの断面形状が円弧によって形成され、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの後端部1aBからの光L1aBとを含む平面内における透光部材4の入射面4aの断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する円弧によって、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの後端部1aBからの光L1aBとを含む平面内における透光部材4の出射面4bの断面形状が形成されている。
【0084】
第7の実施形態の車両用前照灯100では、代わりに、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの発光素子光源1の発光面1aに垂直な光L1aCが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Cが、発光素子光源1の発光面1aの後端部1aBからの発光素子光源1の発光面1aに垂直な光L1aBが入射する位置における透光部材4の肉厚t4Bよりも小さくなるように、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの後端部1aBからの光L1aBとを含む平面内における透光部材4の入射面4aの断面形状を円弧によって形成すると共に、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの後端部1aBからの光L1aBとを含む平面内における透光部材4の入射面4aの断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する直線によって、発光素子光源1の発光面1aの中央部1aCからの光L1aCと発光素子光源1の発光面1aの後端部1aBからの光L1aBとを含む平面内における透光部材4の出射面4bの断面形状を形成することも可能である。
【0085】
つまり、第5および第7の実施形態の車両用前照灯100では、図12(B)のD−D線に沿った断面内において透光部材4が凹レンズとして作用する。
【0086】
また、第5の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1(図11参照)の発光面1a(図11および図12(A)参照)からの光が透光部材4(図11および図12(B)参照)を透過せしめられ、リフレクタ7(図11(B)参照)の楕円系反射面7a(図11(B)参照)によって反射され、投影レンズ3(図11参照)を透過せしめられることにより、発光素子光源1の発光面1aの後端部1aB(図12(A)参照)に対応する下端部P1D(図10(A)および図10(B)参照)を有する横長の配光パターンP1(図10(A)および図10(B)参照)が形成される。
【0087】
第5の実施形態の車両用前照灯100では、上述したように、図12(B)のD−D線に沿った断面内において透光部材4を凹レンズとして作用させることにより、配光パターンP1(図10(A)および図10(B)参照)の上下方向寸法が配光パターンP1’(図10(A)および図10(C)参照)の上下方向寸法よりも小さくされている。一方、図12(B)のD−D線に沿った断面内において透光部材4を凹レンズとして作用させる代わりに、リフレクタ7(図11(B)参照)の楕円系反射面7a(図11(B)参照)からの反射光のうち、シェード2(図11(B)参照)によって遮られる光を多くすることによっても、カットオフラインCL(図10(B)参照)を有する配光パターンP1(図10(B)参照)の上下方向寸法を小さくすることができる。この点に鑑み、第5の実施形態の車両用前照灯100では、図12(B)のD−D線に沿った断面内において透光部材4が凹レンズとして作用せしめられているが、第8の実施形態の車両用前照灯100では、代わりに、図12(B)のD−D線に沿った断面内において透光部材4を素通しレンズとして作用させると共に、リフレクタ7(図11(B)参照)の楕円系反射面7a(図11(B)参照)からの反射光のうち、シェード2(図11(B)参照)によって遮られる光を多くすることにより、カットオフラインCL(図10(B)参照)を有する配光パターンP1(図10(B)参照)の上下方向寸法を小さくすることも可能である。
【0088】
第9の実施形態では、上述した第1から第8の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 発光素子光源
1a 発光面
1aC 中央部
1aR 右端部
1aL 左端部
3 投影レンズ
3’ 中心軸線
4 透光部材
4a 入射面
4b 出射面
100 車両用前照灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向寸法(h1a)よりも左右方向寸法(w1a)が大きい発光面(1a)を有する発光素子光源(1)と投影レンズ(3)とを具備し、
投影レンズ(3)の中心軸線(3’)を含む鉛直面上に発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)を配置し、
発光素子光源(1)と投影レンズ(3)との間に透光部材(4)を配置し、
発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの投影レンズ(3)の中心軸線(3’)に平行な光(L1aC)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4C)が、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの投影レンズ(3)の中心軸線(3’)に平行な光(L1aR)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4R)、および、発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの投影レンズ(3)の中心軸線(3’)に平行な光(L1aL)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4L)よりも小さくなるように、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む水平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の水平断面形状を円弧によって形成すると共に、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む水平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の水平断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する円弧または直線によって、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む水平面内における透光部材(4)の出射面(4b)の水平断面形状を形成し、
発光素子光源(1)の発光面(1a)からの光が透光部材(4)および投影レンズ(3)を透過せしめられることにより、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)に対応する右端部(P1R)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)に対応する左端部(P1L)とを有する横長の配光パターン(P1)を形成することを特徴とする車両用前照灯(100)。
【請求項2】
前後方向寸法(d1a)よりも左右方向寸法(w1a)が大きい発光面(1a)を有する発光素子光源(1)と、楕円系反射面(7a)を有するリフレクタ(7)と、投影レンズ(3)とを具備し、
発光素子光源(1)とリフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)との間に透光部材(4)を配置し、
リフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)および透光部材(4)を合成した光学系の第1焦点上またはその近傍に発光素子光源(1)を配置し、
リフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)および透光部材(4)を合成した光学系の第2焦点上またはその近傍に投影レンズ(3)の焦点(3a)を配置し、
投影レンズ(3)の中心軸線(3’)を含む鉛直面上に発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)を配置し、
発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの発光素子光源(1)の発光面(1a)に垂直な光(L1aC)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4C)が、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの発光素子光源(1)の発光面(1a)に垂直な光(L1aR)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4R)、および、発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの発光素子光源(1)の発光面(1a)に垂直な光(L1aL)が入射する位置における透光部材(4)の肉厚(t4L)よりも小さくなるように、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の断面形状を円弧によって形成すると共に、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む平面内における透光部材(4)の入射面(4a)の断面形状の円弧の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する円弧または直線によって、発光素子光源(1)の発光面(1a)の中央部(1aC)からの光(L1aC)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)からの光(L1aR)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)からの光(L1aL)とを含む平面内における透光部材(4)の出射面(4b)の断面形状を形成し、
発光素子光源(1)の発光面(1a)からの光が透光部材(4)を透過せしめられ、リフレクタ(7)の楕円系反射面(7a)によって反射され、投影レンズ(3)を透過せしめられることにより、発光素子光源(1)の発光面(1a)の右端部(1aR)に対応する左端部(P1L)と発光素子光源(1)の発光面(1a)の左端部(1aL)に対応する右端部(P1R)とを有する横長の配光パターン(P1)を形成することを特徴とする車両用前照灯(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−198658(P2011−198658A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65290(P2010−65290)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】