説明

農用作業機

【課題】
モータで駆動される単一の電動駆動部を利用し複数の作業機を付け代えて複数の作業を可能にし、コストの低減を図る。
【解決手段】
機体フレーム(1)にはモータ(2)及びバッテリ(3)を搭載すると共に、作業機取付用の取付手段(6,7,8)及びハンドル(10)を付設して電動駆動部を構成し、複数の作業機(12,14,16,18)には電動駆動部側の取付手段(6,7,8)に取り付けることのできる作業機取付手段(12c,14c,16c,18c)をそれぞれ設ける。複数の作業機(12,14,16,18)からいずれか一つを選択し作業機取付手段(12c,14c,16c,18c)を介して電動駆動部側の取付手段(6,7,8)に取り付けると、電動駆動部の駆動部と作業機側の駆動部とが伝動連結状態となり、一個の電動駆動部を利用して複数の作業を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、農用作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
圃場を耕耘するロータリ部と、ロータリ部を駆動するモータと、モータの上方を覆うモータカバーと、モータの電源であるバッテリを収納したバッテリケースと、ロータリ部の上方を覆うロータリカバーを備え、ロータリカバーの左右中央部に開口部を設け、この開口部に沿って壁部を形成し、バッテリケースの左右側面を支持する構成とし、バッテリケースを上下方向に機体フレーム側に対して着脱自在に構成した電動耕耘機は公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−6号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、モータで駆動される単一の電動駆動部に複数の作業機を付け代えることにより、単一の電動駆動部で複数の作業ができるようにしコストの低減を図ろうとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記課題を解決するために次のような技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、機体フレーム(1)にモータ(2)及びバッテリ(3)を搭載すると共に、作業機取付用の取付手段(6,7,8)及びハンドル(10)を付設して電動駆動部を構成し、複数の作業機(12,14,16,18)には前記電動駆動部側の取付手段(6,7,8)に取り付けることのできる作業機取付手段(12c,14c,16c,18c)をそれぞれ設け、前記電動駆動部側の取付手段(6,7,8)に複数の作業機(12,14,16,18)のいずれか一つを選択し作業機取付手段(12c,14c,16c,18c)を介して取り付けると、電動駆動部の駆動手段と作業機側の駆動手段とが伝動連結状態となり、一個の電動駆動部を利用して複数の作業をすることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記電動駆動部のモータ(2)から作業機(12,14,16,18)の作業装置への動力伝動経路中には減速し増トルクを図りながら動力を伝達する伝動手段(21,22)を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、耕耘作業機(12)の耕耘動力伝動経路にはワンウェイクラッチ(23)を介装し、ロータリ(12b)を所定方向にのみ回転駆動し反対方向には空転するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、芝刈機(14)には、芝刈り伝動手段(14g)を内装している芝刈りフレーム(14a)と、前側部に配設されている芝刈り刃(14b)と、該芝刈り刃14bの後方に位置している左右車輪(14d,14d,14e,14e)とを備え、前記左右車輪(14d,14d,14e,14e)を前記芝刈り刃(14b)の左右幅よりも内側に位置するように配設したことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1、請求項2又は請求項4の発明において、芝刈機(14)には、芝刈り伝動手段(14g)を内装している芝刈りフレーム(14a)と、前側部に配設されている芝刈り刃(14b)と、該芝刈り刃14bの後方に位置している左右車輪(14d,14d,14e,14e)とを備え、前記芝刈り伝動手段(14g)を機体の中央部に配設し、芝刈り伝動手段(14g)の終端側から左右一側に延出している走行伝動手段(14h)を経由して前記左右車輪(14d,14d)に動力を伝達し、芝刈り伝動手段(14g)の終端側から左右他側に延出している第2芝刈り伝動手段(14i)を経由して前記芝刈り刃(14b)に動力を伝達することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によると、電動駆動部側の取付手段(6,7,8)に複数の作業機(12,14,16,18)のいずれか一つを選択し、作業機取付手段(12c,14c,16c,18c)を介して取り付けると、電動駆動部の駆動手段と作業機側の駆動手段とが伝動連結状態となり、一個の電動駆動部を利用して複数の作業を迅速にすることができ、コストの低減を図ることができる。
【0011】
請求項2の発明によると、請求項1の発明の前記効果に加えて、電動駆動部のモータ(2)から作業機(12,14,16,18)の作業装置への動力伝動経路中には減速し増トルクを図りながら動力を伝達する伝動手段(21,22)を設けたので、モータ(2)を動力源としながら高負荷の作業をすることができる。
【0012】
請求項3の発明によると、請求項1の発明又は請求項2の発明による前記効果に加えて、耕耘作業機(12)の耕耘動力伝動経路にはワンウェイクラッチ(23)を介装し、ロータリ(12b)を所定方向にのみ回転駆動し反対方向には空転するようにしたので、ロータリ(12b)の爪部(12f,…)に石などの異物が噛み込みメカロックした際には、ロータリ(12b)の爪部(12f)の反駆動方向に沿ってハンマーで異物や爪部(12f)を叩くことにより、ロータリ軸(12e)から爪部(12f)を取り外さずに耕耘伝動手段(12g)の損傷を防止しながら異物を除去することができる。
【0013】
請求項4の発明によると、請求項1の発明又は請求項2の発明による前記効果に加えて、芝刈機(14)には芝刈り刃(14b)の左右幅よりも内側に位置するように左右車輪(14d,14d,14e,14e)を配設したので、左右車輪(14d,14d,14e,14e)で未刈地の芝草類を踏み付け押し倒すようなこともなく、刈り高さを揃えることができる。
【0014】
請求項5の発明によると、請求項1、請求項2又は請求項4の発明による前記効果に加えて、芝刈り伝動手段(14g)を機体の中央部に配設し、芝刈り伝動手段(14g)の終端側から左右一側に延出している走行伝動手段(14h)を経由して左右車輪(14d,14d)に動力を伝達し、芝刈り伝動手段(14g)の終端側から左右他側に延出している第2芝刈り伝動手段(14i)を経由して芝刈り刃(14b)に動力を伝達するとうにしたので、芝刈機(14)の左右のバランスを良好にし、安定した状態で走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】機体フレームの斜視図。
【図2】電動耕耘作業機の側面図。
【図3】電動耕耘作業機の分解状態の側面図。
【図4】電動芝刈機の側面図。
【図5】電動芝刈機の分解状態の側面図。
【図6】電動刈払い機の側面図。
【図7】電動刈払い機の分解状態の側面図。
【図8】電動ポンプ作業機の側面図。
【図9】電動ポンプ作業機の分解状態の側面図。
【図10】耕耘作業機の切断側面図。
【図11】耕耘作業機の切断正面図。
【図12】電動芝刈機の側面図。
【図13】電動芝刈機の切断平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の実施例について説明する。
機体フレーム1を平面視で前後方向に長い長方形としその上方を開放したボックス状に構成し、機体フレーム1の前側フレーム1aにモータ2を搭載し、モータ2の出力軸2aを機体フレーム1の下端部から下方へ突出するように設け、上部カバー1aaにはメインスイッチ4、ブレーカ5を設けている。また、機体フレーム1の後側フレーム1bにバッテリ3を取り外し自在に搭載している。
【0017】
機体フレーム1の前側フレーム1aの前側下部左右両角部に左右前側取付枠体6,6を下方へ突出するように設け、後側フレーム1bの後側下部左右両角部に左右後側取付枠体7,7を下方へ突出するように設けている。また、機体フレーム1の前側フレーム1aと後側フレーム1bの境界部に中間取付枠体8を下方に突出するように設けている。
【0018】
左右ハンドル11,11の下端部を左右方向に沿ったハンドル枠体11aに取り付け、ハンドル枠体11aを機体フレーム1の左右後側取付枠体7,7にボルト・ナットで連結し、左右ハンドル11,11を後上り傾斜に延出している。左右ハンドル11,11には左右作業スイッチ10,10を設け、バッテリ3、モータ2及び左右作業スイッチ10,10をコード9などのコネクタを介して接続し、左右作業スイッチ10,10によりモータ2をON/OFF操作するようにしている。
【0019】
耕耘作業機12は、図2及び図3に示すように、上下方向に長い筒体状の耕耘フレーム12aと、耕耘フレーム12aの下端部に左右方向の軸回りに回転自在に支架している左右ロータリ12b,12bと、耕耘フレーム12aの上端部に設けた耕耘取付枠体12cと、耕耘フレーム12aに内装している耕耘伝動手段12gと、で構成している。
【0020】
なお、前記耕耘伝動手段12gは、例えば、耕耘フレーム12aに上下方向に沿った耕耘伝動軸を軸架し、耕耘伝動軸の下側終端側と左右ロータリ12b,12bとの伝動経路にウォームギヤ、ウォームホイールを介装し、減速し且つ増トルクしながら動力を伝達するように構成している。
【0021】
耕耘作業機12の耕耘取付枠体12cに対して機体フレーム1の左右前側取付枠体6,6及び中間取付枠体8を上方から下方へ移動しながら嵌合装着すると、モータ2の出力軸2aの下端部と耕耘作業機12の耕耘伝動手段12gの上端部が係合し動力伝動状態となり、左右前側取付枠体6,6及び中間取付枠体8と耕耘取付枠体12cとをボルト・ナットで固着する。しかして、モータ2の出力軸2aから耕耘フレーム12a内の耕耘伝動手段12gにより減速し増トルクを図りながら左右ロータリ12b,12bに動力が伝達され、耕耘作業をすることができる。
【0022】
前記構成によると、バッテリ3及びモータ2を備えた機体フレーム1の下部に耕耘作業機12を取り付けることにより、耕耘作業をすることができる。
次に、図4及び図5に基づき芝刈機14の電動駆動構成について説明する。
【0023】
芝刈機14は、芝刈りフレーム14aと、芝刈りフレーム14aに左右方向の軸回りに回転自在に支架している芝刈り刃14bと、芝刈りフレーム14aの上端部前後に設けている芝刈り取付枠体14c,14cと、芝刈りフレーム14aを支持する左右前輪14d,14d及び左右後輪14e,14eと、芝草収納袋14fと、芝刈りフレーム14a内に設けていて減速し増トルクを図りながら動力を伝達する芝刈り伝動手段14gと、で構成している。
【0024】
芝刈り作業機14の芝刈り取付枠体14cに対して機体フレーム1の左右前側取付枠体6,6及び中間取付枠体8を上方から下方に移動しながら嵌合装着すると、モータ2の出力軸2aの終端側と芝刈り作業機14の芝刈り伝動手段14gの始端側とが係合し動力伝動状態となり、左右前側取付枠体6,6、中間取付枠体8と芝刈り取付枠体14cをボルト・ナットで固着し、機体フレーム1に芝刈り作業機14を取り付ける。
【0025】
しかして、モータ2の出力軸2aから芝刈り伝動手段14gに動力を伝達し、減速し増トルクを図りながら芝刈り刃14bを駆動し、芝刈り作業をすることができる。
前記構成によると、バッテリ3及びモータ2を備えた機体フレーム1に芝刈り作業機14を取り付けることにより、芝刈り作業をすることができる。
【0026】
次に、図6及び図7に基づき刈払い機16の電動駆動構成について説明する。
刈払い機16は、前後方向に長い刈払いフレーム16aと、刈払いフレーム16aの前端屈曲部に回転自在に支架している刈払い刃16bと、刈払いフレーム16aの後側端部に設けている刈払い取付枠体16cと、刈払いフレーム16aの後側部に取り付けた操作ハンドル16dと、機体フレーム1に取り付けている肩掛けベルト16eと、刈払いフレーム16aに内装されていて減速し増トルクを図りながら動力を伝達する刈払い伝動手段16gと、で構成している。
【0027】
なお、操作ハンドル16dには作業スイッチ10を設け、バッテリ3、モータ2及び作業スイッチ10をコード9などのコネクタを介して接続し、作業スイッチ10によりモータ2をON/OFFするようにしている。
【0028】
機体フレーム1の左右前側取付枠体6,6を前方に、左右後側取付枠体7,7を後方に配した状態で、左右前側取付枠体6,6と中間取付枠体8に対して刈払い作業機16の刈払い取付枠体16cを前方から後方へ移動しながら嵌合装着すると、モータ2の出力軸2aの終端側と刈払い作業機16の刈払い伝動手段18gの始端側とが係合し動力伝動状態となり、左右前側取付枠体6,6、中間取付枠体8と刈払い取付枠体16cをボルト・ナットで固着する。しかして、刈払い作業機16を取り付け機体フレーム1を肩掛けベルト16eにより吊り下げ支持し、モータ2により刈払い刃16bを回転駆動し、刈払い作業をすることがきる。
【0029】
前記構成によると、バッテリ3及びモータ2を備えた機体フレーム1に刈払い機16を取り付けることにより、芝刈り作業をすることができる。
次に、図8及び図9に基づきポンプ作業機18の電動駆動構成について説明する。
【0030】
ポンプ作業機18は、ボックス状のポンプフレーム18aと、ポンプフレーム18a内に配設しているポンプ18bと、ポンプフレーム18aの前側端部に設けているポンプ取付枠体18cと、ポンプフレーム18aの吸水部に取り付ける吸水用ホース18dと、ポンプフレーム18aの吐出部に取り付ける吐出用ホース18eと、ポンプフレーム18a内に配設されていて減速し増トルクを図りながら動力を伝達するポンプ伝動手段18gと、で構成している。
【0031】
機体フレーム1の左右前側取付枠体6,6を後側下方に、左右後側取付枠体7,7を後側上方に配した状態で、左右前側取付枠体6,6、左右後側取付枠体7,7及び中間取付枠体8に対してポンプ作業機18のポンプ取付枠体18cを後側から前側へ移動しながら嵌合装着しボルト・ナットで固着すると、モータ2の出力軸2aの終端側とポンプ伝動手段18gの始端側とが係合し動力伝動状態となる。しかして、ポンプ作業機18を取り付け機体フレーム1を水源近くに移動し、吸水用ホース18dの先端部を水源に接続し、モータ2を駆動すると、ポンプ伝動手段18gにより減速し増トルクを図りながら動力が伝達されてポンプ18bが駆動され、吸水用ホース18dから吸水した水を吐出用ホース18eから吐出し、ポンプ作業をすることがきる。
【0032】
前記構成によると、バッテリ3及びモータ2を備えた機体フレーム1にポンプ作業機18を取り付けることにより、ポンプ作業をすることができる。
前記のように、バッテリ3及びモータ2を備えた機体フレーム1を利用して作業機を付け代えることにより、耕耘作業機12で耕耘作業をしたり、芝刈り作業14で芝刈り作業をしたり、刈払い機16で刈払い作業をしたり、ポンプ作業機18でポンプ作業をすることができ、コストの低減を図りながら種々の作業を迅速に行なうことができる。また、機体フレーム1からバッテリ3を取り外して充電し、長時間にわたり作業をすることができる。
【0033】
次に、図10及び図11に基づき耕耘作業機12の他の実施例について説明する。
耕耘作業機12は、耕耘フレーム12aと、耕耘フレーム12aの下端部に支架している左右ロータリ12b,12bと、耕耘フレーム12aの上端部に設けた耕耘取付枠体12cと、上下方向に長い筒体状に構成した耕耘フレーム12aに上下方向に沿うように軸架している耕耘伝動軸12dと、で構成している。
【0034】
耕耘伝動軸12dの下端部にウォームギヤ21を取り付け、左右ロータリ12b,12bのロータリ軸12e,12e内端部にウォームホイール22,22を取り付け、ウォームギヤ21からウォームホイール22,22を介して減速し増トルクを図りながら左右ロータリ12b,12bに動力を伝達するようにしている。そして、左右ロータリ12b,12bのロータリ軸12e,12eとウォームホイール22,22との間にワンウェイクラッチ23,23を介装し、左右ロータリ12b,12bを所定方向にのみ回転駆動し反対方向には駆動せず空転するようにしている。
【0035】
耕耘作業機12の左右ロータリ12b,12bの爪部12f,…に石などの異物が噛み込みメカロックした際に、爪部12fや異物をハンマーで叩くと、ウォームホイール22,22が破損することがある。このため、異物を取り除く際には、ロータリ軸12eから爪部12fを取り外す必要があり、異物除去には手間がかかっていた。
【0036】
しかし、前記構成によると、左右ロータリ12b,12bのロータリ軸12e,12eとウォームホイール22,22との間にワンウェイクラッチ23,23を介装しているので、ロータリ12bの爪部12fの反駆動方向に沿うようにハンマーで異物や爪部12fを叩くことにより、ロータリ軸12eから爪部12fを取り外さずにしかもウォームギヤ21やウォームホイール22,22の損傷を防止しながら異物を除去することができる。
【0037】
次に、図12及び図13に基づき芝刈り機14の他の実施例について説明する。
芝刈機14の芝刈りフレーム14a内には芝刈り伝動手段14gを設け、減速し増トルクを図りながら動力を伝達している。芝刈りフレーム14aの前側部に左右方向の軸回りに回転する芝刈り刃14bを設け、芝刈りフレーム14aの上端部には芝刈り取付枠体14cを設け、芝刈りフレーム14aの芝刈り刃14bの後方に左右前輪14d,14d及び左右後輪14e,14eを設け、芝刈りフレーム14aを支持している。
【0038】
しかも、芝刈りフレーム14aの前後方向の中間部に左右前輪14d,14dを位置するようにし、芝刈機14の大部分の重量を支持するようにしている。そして、芝刈り刃14bの左右幅よりも内側に位置するように配設している。なお、左右後輪14e,14eは芝刈り刃14bの左右幅よりも外側に位置するようにしているが、左右前輪14d,14dと同様に芝刈り刃14bの左右幅よりも内側に位置するようにしてもよい。
【0039】
また、芝刈りフレーム14aの芝刈り伝動手段14gの下端部から左右一側に走行伝動手段14hを延出し、更に前後方向に沿った第2走行伝動手段14haを延出経由して左右前輪14d,14dに動力を伝達するように自走式とし、芝刈り作業を楽に行なうようにしている。
【0040】
また、芝刈りフレーム14aの芝刈り伝動手段14gの下端部から左右他側に第2芝刈り伝動手段14iを延出し、更に第3芝刈り伝動手段14iaを経由して芝刈り刃14bに動力を伝達している。しかして、芝刈り機14の左右のバランスを良好に保持し安定走行をすることができる。
【0041】
また、左右前輪14d,14d及び左右後輪14e,14eを芝刈り刃14bの左右幅よりも左右外側に設ける構成であると、未刈作業地を左右前輪14d,14d及び左右後輪14e,14eが通り、未刈草を押し倒し、刈り高さが不揃いになる不具合が発生する。
【0042】
しかし、前記構成によると、芝刈り機14の大部分の重量を支持する左右前輪14d,14dを芝刈り刃12bよりも後方で、且つ、芝刈り刃14bの左右幅よりも内側に設けるようにしているので、左右前輪14d,14dは刈り取った後を通過し、前記不具合を解消することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 機体フレーム
2 モータ
3 バッテリ
6 作業機取付手段
7 作業機取付手段
8 作業機取付手段
10 ハンドル
12 作業機(耕耘作業機)
12a 耕耘フレーム
12b ロータリ
12c 作業機取付手段
14 作業機(芝刈機)
14a 芝刈りフレーム
14b 芝刈り刃
14c 作業機取付手段
14d 左右車輪
14e 左右車輪
14g 芝刈り伝動手段
14h 走行伝動手段
14i 第2芝刈り伝動手段
16 作業機(刈払い機)
16c 作業機取付手段
18 作業機(ポンプ作業機)
18c 作業機取付手段
21 ウォームギヤ
22 ウォームホイール
23 ワンウェイクラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレーム(1)にモータ(2)及びバッテリ(3)を搭載すると共に、作業機取付用の取付手段(6,7,8)及びハンドル(10)を付設して電動駆動部を構成し、複数の作業機(12,14,16,18)には前記電動駆動部側の取付手段(6,7,8)に取り付けることのできる作業機取付手段(12c,14c,16c,18c)をそれぞれ設け、前記電動駆動部側の取付手段(6,7,8)に複数の作業機(12,14,16,18)のいずれか一つを選択し作業機取付手段(12c,14c,16c,18c)を介して取り付けると、電動駆動部の駆動手段と作業機側の駆動手段とが伝動連結状態となり、一個の電動駆動部を利用して複数の作業をすることを特徴とする農用作業機。
【請求項2】
請求項1の発明において、前記電動駆動部のモータ(2)から作業機(12,14,16,18)の作業装置への動力伝動経路中には減速し増トルクを図りながら動力を伝達する伝動手段(21,22)を設けたことを特徴とする農用作業機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の発明において、耕耘作業機(12)の耕耘動力伝動経路にはワンウェイクラッチ(23)を介装し、ロータリ(12b)を所定方向にのみ回転駆動し反対方向には空転するようにしたことを特徴とする農用作業機。
【請求項4】
請求項1又は請求項2の発明において、芝刈機(14)には、芝刈り伝動手段(14g)を内装している芝刈りフレーム(14a)と、前側部に配設されている芝刈り刃(14b)と、該芝刈り刃14bの後方に位置している左右車輪(14d,14d,14e,14e)とを備え、前記左右車輪(14d,14d,14e,14e)を前記芝刈り刃(14b)の左右幅よりも内側に位置するように配設したことを特徴とする農用作業機。
【請求項5】
請求項1、請求項2又は請求項4の発明において、芝刈機(14)には、芝刈り伝動手段(14g)を内装している芝刈りフレーム(14a)と、前側部に配設されている芝刈り刃(14b)と、該芝刈り刃14bの後方に位置している左右車輪(14d,14d,14e,14e)とを備え、前記芝刈り伝動手段(14g)を機体の中央部に配設し、芝刈り伝動手段(14g)の終端側から左右一側に延出している走行伝動手段(14h)を経由して前記左右車輪(14d,14d)に動力を伝達し、芝刈り伝動手段(14g)の終端側から左右他側に延出している第2芝刈り伝動手段(14i)を経由して前記芝刈り刃(14b)に動力を伝達することを特徴とする農用作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−34432(P2013−34432A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173137(P2011−173137)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】