説明

電池パックおよび電池制御システム

【課題】各組電池の並列の各列に流れる電流値が各々の許容電流値を上回る状況を回避することのできる電池制御システムを提供する。
【解決手段】直列に接続された複数の二次電池からなる電池モジュールが、並列に複数接続されて電流の出力を行う組電池と、電流の許容電流値を算出する電池管理部と、を有し、電池管理部は、複数の電池モジュールの各々の第一許容電流値を算出し、複数の電池モジュールのうち1つの電池モジュールの第一許容電流値を基準として他の電池モジュールの第二許容電流値を算出し、第二許容電流値の各々がそれぞれ対応する電池モジュールの第一許容電流値以下の値の場合には、前記基準とした第一許容電流値と前記各々の第二電流値の和に対応する値を許容電流値とする。そしてその和に対応する値を外部へ通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を複数備えて構成された組電池およびこの組電池を管理する電池管理部を備えた電池パック、並びにこの電池パックを管理制御する電池制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車など電池制御システムにおいては、その電力を供給する電池として充放電を繰り返し行うことのできるリチウムイオン電池等の二次電池が利用されている。そしてこのような電池制御システムは高い電力を必要とするため、複数の二次電池を直列に接続し(以下、「電池モジュール」とも称する)、この電池モジュールをさらに複数並列に接続して構成した組電池が用いられている。
【0003】
例えば、電気自動車においては、組電池およびこの組電池を管理するCMUとBMUとからなる電池管理部(以下、この電池管理部をBMSとも称する)からなる電池パックを車両内の所定箇所に配置し、上位システム制御部としての車両側コントローラがBMUと通信を行って組電池の充放電制御を行っている。
【0004】
なお、組電池を搭載した電池制御システムに関連する技術として特許文献1があり、この特許文献1によれば、ハイブリッド車両に搭載された上位システムである制御回路4(電池コントロールユニット10および自動車コントロールユニット11)によって組電池の充放電における電流を監視することが開示されている。
そして組電池を構成する各電池モジュールのうちいずれかの電池モジュールに異常が検知された場合、制御回路4は、異常が検知された電池モジュールを切断する制御を行うことにより、組電池全体が使用不可となることを回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−185228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のように車両側に搭載された制御回路が一方的に組電池における出力電流を制御したのでは、以下に示す課題を生じてしまう。
すなわち、特許文献1によれば、電池モジュールに異常が検知された後に当該電池モジュールの接続を切断しており、少なからず組電池全体としての出力が低下してしまうことは避けられない。なお、特に電気自動車やハイブリッド車などの車両にあっては、如何に少ないといっても運転状況(例えば、高速道路や登坂車線を走行中の場合)によっては突然の出力低下は出来るだけ避けねばならないことは言うまでもない。
【0007】
一方、特許文献1では、組電池側からは電池モジュールに異常が発生したことを示す信号を車両側の制御回路へ送信するのみであり、上記信号を受信した車両側の制御回路が上記切断を行わない場合には当該組電池を構成する二次電池の許容電流を超える電流が継続して流れてしまい、当該二次電池の劣化が加速したり、重要な故障が発生してしまう。
【0008】
具体的には、各電池モジュールに流れる電流は、各電池モジュール内の二次電池の内部抵抗のばらつきやモジュール間を接続する配線長さの違いや端子接続箇所の接触抵抗の違いなどから、単純に各電池モジュール間で均等な分布とはならない。従って、制御回路からの要求電流は各電池モジュールに均等に分散されるわけではなく、各電池モジュールにおける内部抵抗のばらつきや配線抵抗のばらつき等を考慮すると、いずれかの電池モジュールにおいては許容電流を超える電流が流れてしまう場合がある。
そして、許容電流を超える電流が電池モジュールに流れた場合、許容電流を超えて電流が流れた電池モジュールでは異常が発生してしまう。一方、異常発生を回避するために制御回路がこの電池モジュールの接続を切断すれば組電池からの出力電流が低下してしまう。
【0009】
そこで、この発明は、組電池を構成する各電池モジュールに異常をきたさず、それでいて各電池モジュールに流れる電流値が許容電流値を上回る状況を回避することのできる電池パックおよびこの電池パックを管理制御する電池制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の電池パックは、直列に接続された複数の二次電池からなる電池モジュールが、並列に複数接続されて電流の出力を行う組電池と、前記電流の許容電流値を算出する電池管理部と、を有し、前記電池管理部は、前記複数の電池モジュールの各々の第一許容電流値を算出する第一許容電流値算出部と、前記複数の電池モジュールのうち1つの電池モジュールの前記第一許容電流値を基準として他の電池モジュールの第二許容電流値を算出する第二許容電流値算出部と、前記第二許容電流値の各々がそれぞれ対応する前記電池モジュールの前記第一許容電流値以下の値の場合には、前記基準とした前記第一許容電流値と前記各々の前記第二電流値の和に対応する値を前記許容電流値とする算出部と、前記算出部が算出した前記和に対応する値を外部へ通知する許容電力値通知部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の電池制御システムは、電力負荷と、直列に接続された複数の二次電池からなる電池モジュールが、並列に複数接続されて前記電力負荷に対して電流の出力を行う組電池と、前記複数の電池モジュールの各々の第一許容電流値を算出する第一許容電流値算出部と、前記複数の電池モジュールのうち1つの電池モジュールの前記第一許容電流値を基準として他の電池モジュールの第二許容電流値を算出する第二許容電流値算出部と、前記第二許容電流値の各々がそれぞれ対応する前記電池モジュールの前記第一許容電流値以下の値の場合には、前記基準とした前記第一許容電流値と前記各々の前記第二電流値の和に対応する値を許容電流値とする算出部と、前記許容電流値を受け、前記電力負荷に対して前記許容電流値以下で動作するよう制御する上位システム制御部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、組電池を構成する複数の電池モジュールに対して許容電流を超える電流が流れることが防止され、これにより組電池の出力が低下してしまうことや電池モジュールを構成する二次電池の寿命が劣化してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】電池制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】パラメータ計測装置とCMUの接続例を示す図である。
【図3】CMUおよびBMUの機能ブロックを示す図である。
【図4】BMU内に保持される許容電流値参照テーブルを示す図である。
【図5】実施例における電池制御システムの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態による電池パックおよびこの電池パックを制御する電池制御システムについて図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による電池制御システムの構成を示すブロック図である。
電池制御システム100は、例えば電気自動車であり、電池制御システム100に搭載された電力負荷9に対して組電池50から必要な電流を供給する制御を行う。なお、以下の説明においては電池制御システムとして電気自動車を例に説明するが、例えばフォークリフトなどの産業車両、ハイブリッド電気自動車、電車、船、飛行機などの移動体であってもよい。また、電力負荷としての電気機器に電力を供給する家庭用電源など、定置用の電池制御システムであってもよい。すなわち、電力負荷を電力で駆動する他の電池制御システムとして本発明の電池制御システム100を用いることが可能である。電力負荷9は、産業車両、ハイブリッド電気自動車、電車などの移動体の場合には、例えば、車輪に接続された電気モータである。一方、船、飛行機などの移動体の場合には、例えば、プロペラに接続された電気モータである。
【0015】
電池制御システム100は、組電池50と、BMS(Battery Management System)1とからなる電池パックを備えてなる。このBMS1は本発明の電池管理部に相当し、CMU(Cell Monitor Unit)10a〜10c(以下、総称してCMU10とする)と、BMU(Battery Management Unit)20とからなり、二次電池2を監視および制御する。
組電池50は、直列に接続された二次電池2a,2bを含んで構成される電池モジュール30a、直列に接続された二次電池2c,2dを含んで構成される電池モジュール30b、直列に接続された二次電池2e,2f(以下、二次電池2a〜2fを総称して二次電池2とする)を含んで構成される30c(以下、総称して電池モジュール30とする)が並列に接続された構成を取る。
【0016】
また、電池制御システム100は、組電池50から出力する電力を消費し、または組電池50に充電を行う電力負荷9と、BMU20と通信を行って組電池50の充放電制御を行う上位システム制御部200、上位システム制御部200が算出した情報のうちのいくつかを表示する表示部300を少なくとも含んで構成されている。
【0017】
組電池50を構成する各電池モジュール30は、本実施形態においては2つの直列に接続した二次電池2と、当該電池モジュール30を流れる電流を計測する電流計3と、各二次電池2の正極端子と負極端子との電圧値を計測する2つの電圧計4と、各二次電池2の筐体の温度を計測する2つの温度計5と、を含んで構成されている。
そして、BMS1内の各CMU10a〜10cは、複数の直列に接続された二次電池2を含んで構成される複数の電池モジュール30a〜30cそれぞれに1対1に対応している。なお、CMU10は、電池モジュール30毎に1対1に対応している例に限られず、例えばCMU10が二次電池2と1対1に対応していてもよい。
【0018】
CMU10aは、電池モジュール30a内を流れる電流の値を、信号線を介して接続された電流計3aから取得する。また、当該電池モジュール30a内の二次電池2aの電圧と温度を、それぞれ信号線を介して接続された電圧計4aおよび温度計5aから取得する。さらに、当該電池モジュール30a内の二次電池2bの電圧と温度を、それぞれ信号線を介して接続された電圧計4bおよび温度計5bから取得する。
【0019】
CMU10bは、電池モジュール30b内を流れる電流の値を、信号線を介して接続された電流計3bから取得する。また、当該電池モジュール30b内の二次電池2cの電圧と温度を、それぞれ信号線を介して接続された電圧計4cおよび温度計5cから取得する。さらに、当該電池モジュール30b内の二次電池2dの電圧と温度を、それぞれ信号線を介して接続された電圧計4dおよび温度計5dから取得する。
【0020】
CMU10cは、電池モジュール30c内を流れる電流の値を、信号線を介して接続された電流計3cから取得する。また、当該電池モジュール30c内の二次電池2eの電圧と温度を、それぞれ信号線を介して接続された電圧計4eおよび温度計5eから取得する。さらに、当該電池モジュール30c内の二次電池2fの電圧と温度を、それぞれ信号線を介して接続された電圧計4fおよび温度計5fから取得する。
なお、電流計3a〜3cを総称して電流計3、電圧計4a〜4fを総称して電圧計4、温度計5a〜5fを総称して温度計5とする。なお、CMU10および電流計3が本発明の電流値取得部に相当しており、CMU10および温度計5が本発明の温度値取得部に相当する。
【0021】
図1で示すBMU20は、CMU10a〜10cと接続されている。BMU20は、CMU10a〜10cのそれぞれから取得した電流値、温度値、およびBMU20にて算出される許容電流値(詳細は後述する)等に基づいて、各電池モジュール30に流れる電流を許容電流値の範囲内に制限するための処理を行う。
より具体的には、BMU20は、電気自動車を制御する上位システム制御部200と電気的に接続されており、上位システム制御部200へ組電池として許容される許容電流値に関する情報を通知する。
【0022】
上位システム制御部200は、電気自動車に搭載される電力負荷9を制御する処理部である。より具体的に上位システム制御部200は、BMU20からの許容電流値の通知に基づいて、電力負荷9が組電池50に要求する電流値を制御する。
これにより、電力負荷9に対する放電や、電力負荷9からの充電を行う組電池50において、各電池モジュール30a〜30cを流れる電流値が許容範囲に収まる。このようにして電池制御システム100は、各電池モジュール30を流れる電流や、各電池モジュール30において入出力する電力を制限する処理を行う。
なお電力負荷9は本実施形態では電気自動車に搭載される電動モータであり、このモータで発生する動力が駆動輪へ伝達されることにより電気自動車が駆動される。
【0023】
図2は電流計、電圧計、温度計等のパラメータ計測装置とCMU10の接続例を示す図である。
図2において、CMU10は、その内部に図示しないADC(Analog Digital Converter)を備えており、このADCを介して電池モジュール30の電流値、各二次電池2の電圧値、各二次電池2の温度などのパラメータ値のアナログ信号をデジタル信号に変換する。
また、CMU10はパラメータ値取得部121を備えており、このパラメータ値取得部121は電池モジュール30からのパラメータ値(電流値、電圧値、温度値)をデジタル信号に変換してこれらの各パラメータ値を取得する。
【0024】
なおCMU10の取得するパラメータ値が電圧値である場合、CMU10のパラメータ値取得部121は、各二次電池2の正極端子230と負極端子220との間に設けられた電圧計(V)4(パラメータ値計測装置)を介して、当該電圧計(V)4から二次電池2の電圧値を取得する。
また、CMU10の取得するパラメータ値が温度である場合、二次電池2の筐体200に取り付けられた温度計(T)5(パラメータ値計測装置)を介して、当該温度計(T)5によって計測された各二次電池2の温度値を示すデータを取得する。
また、CMU10の取得するパラメータ値が電流値である場合、CMU10のパラメータ値取得部121は、電池モジュール30の各二次電池2に直列に接続された電流計(I)3を介して、当該電流計(I)3から各二次電池2の電流値を取得する。
【0025】
そしてCMU10は、二次電池2から取得した各パラメータ値を、信号線を介してBMU20へ送信する。
BMU20は、本実施の形態においては3つのCMU10と信号線を介して接続されている。このBMU20はCMUを介して接続された各二次電池2を管理する機能を備え、例えば二次電池2の電圧値が正常か否かを管理し、接続された各二次電池2間での電圧調整(セルバランス)を行い、CMU10から送信された各二次電池2の各種情報に基づいて各二次電池2のSOC(充電率)を算出する。なおBMU20が、本発明の充電率算出部に相当する。
【0026】
また、BMU20の図示しないメモリ等の記憶手段には、図4に示す許容電流値参照テーブル6が記憶されている。なお、本実施の形態においては、放電時における出力許容電流を示しているが、充電時に用いられる入力許容電流に関しても同様に用いることができる。また、BMU20が、本発明の許容電流値参照テーブル保持部に相当する。
【0027】
この許容電流値参照テーブル6は、二次電池2の温度(セル温度とも称する)と、SOC(二次電池2の充電率を示す値)とから、二次電池2における許容電流値(単位:A)を算出するためのテーブルである。この許容電流値参照テーブル6における各々の許容電流値は予め実験等により求められている。
なお、図3に示す許容電流値は一例であり、実際の実験や条件により種々の値が入り得る。また、縦軸の温度に関しても一例であり、5℃刻みでテーブルを作成してもよいし、他の使用範囲に応じて適宜設定してもよい。
【0028】
そして、BMU20は、後述するとおり、組電池を構成する二次電池2各々におけるセル温度と、二次電池2におけるSOCの値に基づいて第一許容電流値を算出する。ここで、SOCの算出に際しては種々の公知の手法が適用でき、例えば電流計3により検出された電流の積算値に基づいて算出してもよいし、二次電池2の電圧値に基づいて算出してもよい。
【0029】
次に、本実施形態における電池制御システムの処理について、順を追って説明する。
図3はCMUおよびBMUの機能ブロックを示す図である。
図5は電池制御システムの処理フローを示す図である。
次に、図3および図5を用いて電池制御システム100の処理フローについて順を追って説明する。
まず、BMS1のCMU10a〜10cのパラメータ値取得部121は、電流計3a〜3cのそれぞれから、各電池モジュール30を流れる電流値を取得する(ステップS101)。なお、電池モジュール30aに流れる電流の電流値をIa、電池モジュール30bに流れる電流の電流値をIb、電池モジュール30cに流れる電流の電流値をIcとする。
CMU10のパラメータ値取得部121は、取得した電流値Ia〜IcをBMU20へ出力する。
【0030】
次に、CMU10a〜10cのパラメータ値取得部121は、各二次電池2毎に備えられた温度計5からセル温度を取得してこれらの値をBMU20へ出力する一方で、BMU20は上述した公知の手法により各二次電池2毎にSOCを演算する(ステップS102)。
具体的には、CMU10aは、電池モジュール30aに関するセル温度について、例えば二次電池2aに設けられた温度計5aから温度値を取得し、この取得した温度値を電池モジュール30aに関するセル温度としてBMU20へ出力する。また、BMU20は、電池モジュール30aに関するSOCについて、例えば温度値を取得した二次電池2aに関する電流の積算値から当該SOCを演算する。なお、二次電池2bについても同様である。
【0031】
同様に、CMU10bは、電池モジュール30bに関するセル温度について、例えば二次電池2cに設けられた温度計5cから温度値を取得し、この取得した温度値を電池モジュール30bに関するセル温度としてBMU20へ出力する。また、BMU20は、電池モジュール30bに関するSOCについて、例えば温度値を取得した二次電池2cに関する電流の積算値から当該SOCを演算する。なお、二次電池2dについても同様である。
【0032】
また、CMU10cは、電池モジュール30cに関するセル温度について、例えば二次電池2eに設けられた温度計5eから温度値を取得し、この取得した温度値を電池モジュール30cに関するセル温度としてBMU20へ出力する。そしてBMU20は、電池モジュール30cに関するSOCについて、例えば温度値を取得した二次電池2eに関する電流の積算値から当該SOCを演算する。なお、二次電池2fについても同様である。
【0033】
ここで、セル温度およびSOCは二次電池2毎に異なる値となることが多いが、本実施例では説明の簡略化のため、ある電池モジュール30内に配置された各二次電池2におけるセル温度とSOCはほぼ同一であると仮定し、この電池モジュール30内におけるいずれか1つの二次電池2を選択してセル温度およびSOCを算出する例について説明する。なお、他の手法を用いて電池モジュール30内のセル温度およびSOCを算出する例については後述する。
【0034】
次に、BMU20の第一許容電流値算出部211は、各電池モジュール30に対応するセル温度とSOCを取得すると、図4に示した許容電流値参照テーブル6に基づいて各電池モジュール30における第一許容電流値(電池モジュール30a〜30cにおける第一許容電流値をそれぞれIta、Itb、Itcと定義する。)を算出する(ステップS103)。各電池モジュール毎に算出されるそれぞれの第一許容電流値は、対応する各電池モジュールで流すことが可能な電流の上限値を各々示す。この上限値は、例えば、各電池モジュールが通常動作をすることができる範囲で設定される。
ここでは、上記ステップS102で取得された電池モジュール30aにおけるセル温度が20℃であり、算出されたSOCが30%である場合には、許容電流値参照テーブル6より電池モジュール30aにおける第一許容電流値は15Aなどと算出される。
【0035】
各電池モジュール30に対応した第一許容電流値を算出した後、続いてBMU20の第二許容電流値算出部221は、電池モジュール30a〜30cのそれぞれを基準として該基準となった電池モジュールに第一許容電流値の電流が流れた場合における他の各電池モジュール30における電流値(この電流値を第二許容電流値とする)を算出する(ステップS104)。
そして、この第二許容電流値につき、例えば電池モジュール30aを基準とした場合の電池モジュール30bおよび30cにおける第二許容電流値をそれぞれIpab、Ipacと定義する。また、電池モジュール30bを基準とした場合の電池モジュール30aおよび30cにおける第二許容電流値をそれぞれIpba、Ipbcと定義し、電池モジュール30cを基準とした場合の電池モジュール30aおよび30bにおける第二許容電流値をそれぞれIpca、Ipcbと定義する。
【0036】
本実施形態においては、ステップS103にて許容電流値参照テーブル6から各電池モジュール30におけるそれぞれの第一許容電流値を算出しているが、この値は各電池モジュール30間のインピーダンスのバラツキ等を考慮したものではない。すなわち、電池管理部と各電池モジュール30間における配線長さの違いや接触抵抗の違いにより電池モジュール30それぞれで固有のインピーダンスを示し、このインピーダンスは同一とはならないことが一般的であるが、この点が考慮されたものではない。
従って、各電池モジュール30のそれぞれの第一許容電流値の合計を組電池全体から出力される電流(すなわち、電池パックの出力電流)の許容電流値としてしまうと、実際には上述したインピーダンスバラツキにより許容電流値を超えてしまう電池モジュール30が出てきてしまう(後述の実施例にて具体的に例示)。
そこで、本実施形態では、ステップS104として、いずれの電池モジュール30も許容電流値を超えないように各電池モジュール30の第一許容電流値をそれぞれ基準として許容電流値を改めて算出している。
【0037】
より具体的には、各電池モジュール30における電流分布に実質的な変化はないとして、電池モジュール30aを基準とした場合の第二許容電流値IpabおよびIpacは下記の値となる。
Ipab=Ib×Ita/Ia、Ipac=Ic×Ita/Ia
(ちなみに、電池モジュール30aの第二許容電流値Ipaaは、Ipaa=Ia×Ita/Ia となり、電池モジュール30aの第一許容電流値Itaと同じ値となる)
また、同様に、電池モジュール30bを基準とした場合と電池モジュール30cを基準とした場合の第二許容電流値はそれぞれ、
Ipba=Ia×Itb/Ib、Ipbc=Ic×Itb/Ib、Ipbb=Itb
Ipca=Ia×Itc/Ic、Ipcb=Ib×Itc/Ic、Ipcb=Itc
となる。
【0038】
そして、BMU20の判定部231は、ある電池モジュール30を基準として算出した他の電池モジュール30のそれぞれの第二許容電流値が、ステップS103で算出した対応する電池モジュール30の第一許容電流値を超えていないか各電池モジュール30毎に判定し、この判定を満たす各電池モジュールの第二許容電流値の組合わせが1つであるか複数であるかを判断する(ステップS105)。
具体的には、例えば電池モジュール30aを基準とした場合、BMU20は下記の関係が満たされるか否かを判定することとなる。
Ipab≦Itb、且つ、Ipac≦Itc
【0039】
すなわち、この関係は、電池モジュール30aにおける電流の増加率に相当する電流が他の電池モジュール30bおよび電池モジュール30cに流れた場合において、各電池モジュール30bおよび電池モジュール30cで第一許容電流値を超えてしまわないかを判定していることになる。この際の上記第二許容電流値の組合わせ(ケース1という)は、電池モジュール30a、電池モジュール30b、電池モジュール30cの順に、Ita、Ipab、Ipac、となる。電池モジュール30aの第一許容電流値を基準としているので、電池モジュール30aの第二許容電流値は第一許容電流値と同じ値である。
【0040】
同様に、電池モジュール30bの第一許容電流値を基準とした場合の判定式は、
Ipba≦Ita、且つ、Ipbc≦Itc
となる。この際の上記組合わせ(ケース2という)は、電池モジュール30a、電池モジュール30b、電池モジュール30cの順に、Ipba、Itb、Ipbc、となる。
電池モジュール30cの第一許容電流値を基準とした場合の判定式は、
Ipca≦Ita、且つ、Ipcb≦Itb
となる。この際の上記組合わせ(ケース3という)は、電池モジュール30a、電池モジュール30b、電池モジュール30cの順に、Ipca、Ipcb、Itc、となる。
なお、ステップS105においては、上記の関係を満たす組合わせが、ケース1乃至ケース3の中で必ず1組以上存在するとして判定を行っているが、上記の関係を満たす組合わせが必ず1つ以上存在することは数学的に証明可能であり、従ってBMU20の判定部231は少なくとも1つの組合わせが上記の関係を満たすと判定することになる。
【0041】
そしてステップS105により、上記の関係を満たす組合わせが1つであると判断すると、BMU20の算出部241は、その組合わせにおける組電池全体、すなわち電池パックから出力される電流の許容電流値(Imax)を算出する(ステップS106)。具体的には、上記関係を満たす組合わせの各第二許容電流値を合算して許容電流値(Imax)とする。
例えば、ステップS105で電池モジュール30aの第一許容電流値を基準とした組合わせが上記の関係を満たすとすれば、組電池全体の許容電流値Imaxは、
【0042】
【数1】

【0043】
となる。
電池モジュール30bの第一許容電流値を基準とした組合わせが上記の関係を満たすとすれば、組電池全体の許容電流値Imaxは、
【0044】
【数2】

【0045】
となる。
電池モジュール30cの第一許容電流値を基準とした組合わせが上記の関係を満たすとすれば、組電池全体の許容電流値Imaxは、
【0046】
【数3】

【0047】
となる。そしてステップS105で電池モジュール30aの第一許容電流値を基準とした組合わせが上記の関係を満たすとすれば、BMU20の許容電流値通知部251は、組電池全体の許容電流値Imaxの値として上記組合わせにおける許容電流値Imaxを車両側の上位システム制御部200へ通知する(ステップS108)。
【0048】
一方、ステップS105で上記の関係を満たす組合わせが2組以上あるとなれば、BMU20の判定部231は、算出部241にそれぞれの組合わせについて許容電流値(Imax)を算出させ、そのうち値が最も大きくなる組合わせを選択する。
続いて算出部241は、判定部231が選択した組合わせの許容電流値Imaxを許容電流値通知部へ出力する(ステップS107)。
【0049】
例えば、上記の関係を満たす組合わせがケース2とケース3であるとき、BMU20はそれぞれのImaxの値を比較し、大きい方の値を組電池全体の許容電流値Imaxとして上位システム制御部200へ通知する。この場合において、比較したImaxの値が同じ値であれば、その値を組電池全体の許容電流値Imaxとして外部(本実施形態では電気自動車の上位システム制御部200)へ通知する。
【0050】
なお、本実施の形態においては電池モジュール30bと電池モジュール30cの2つにおけるImaxの値を比較したが、並列に接続される電池モジュール30の数によっては3つ以上になる場合もあり、その場合においてもBMU20の判定部231は最も大きい値を組電池全体の許容電流値Imaxであると判定する。
【0051】
続いてBMU20の許容電流値通知部251は、ステップS106あるいはステップS107で算出した許容電流値Imaxを、車両側の上位システム制御部200へ通知する(ステップS108)。
なおBMU20は、ステップS101乃至ステップS108までの処理を所定の期間毎に繰り返す。ここで、所定期間としては例えば1秒毎でも数分毎でもよく、さらには電力負荷9からの要求電流の変化率が大きいほど上述した所定期間の間隔を短くしてもよい。
【0052】
車両側に搭載された上位システム制御部200は、BMU20から許容電流値を受け取った後は、当該許容電流値を上限として電力負荷9が組電池50に要求する電流値を制限する。
さらに上位システム制御部200は、表示部300を制御して運転者へ注意喚起を促すメッセージを表示させる。メッセージとしては種々の内容が適用できるが、例えば現在において動力として供給される電流が上記許容電流値に近く、運転者の意図した加速が得られない旨を表示したり、上記許容電流値からの残分(例えば残20%など)を表示してもよい。
【0053】
以上のとおり、本実施形態における電池制御システムによれば、組電池を構成する複数の電池モジュールに対して許容電流を超える電流が流れることが防止され、これにより組電池の出力が低下してしまうことや電池モジュールを構成する二次電池の寿命が劣化してしまうことを防止することができる。
【0054】
<変形例1>
なお、上述した実施の形態では、セル温度とSOCは電池モジュール30内ではほぼ同じものとして扱ったが、ある電池モジュール30を構成する複数の二次電池2それぞれのセル温度とSOCを比較して電池モジュール30についてのセル温度とSOCを算出してもよい。以下にその変形例について説明する。
【0055】
図1に示したとおり、例えば電池モジュール30aは、2つの二次電池2a、2bが直列に接続されている。そこで、BMU20は、ステップS102において各二次電池2aおよび2bからそれぞれセル温度TaおよびTbを取得するとともに、各二次電池2a、2bにおけるSOCa、SOCbを上記した公知の手法により演算する。
【0056】
より具体的には、CMU10aが、電池モジュール30aを構成する二次電池2aのセル温度については温度計5aより、二次電池2bのセル温度については温度計5bよりそれぞれのセル温度を取得し、取得した温度値をBMU20へ出力する。
また、CMU10bおよびCMU10cも、CMU10aと同様な処理を行い、それぞれに接続された二次電池2のセル温度を取得してBMU20へ出力する。
【0057】
続いて、BMU20は、ステップS103において、電池モジュール30aに関しては許容電流値テーブル6から各二次電池2a、2bの許容電流値を取得する。そして、BMU20は、取得した2つの許容電流値のうち小さい方の値を電池モジュール30aにおける第一許容電流値として決定する。
仮に大きい方の値を第一許容電流値としてしまうと、電池モジュール30aを構成する二次電池2a、2bのうちの1つは許容電流値を超える電流が流れることになってしまうからである。
【0058】
そして、BMU20は、電池モジュール30bおよび電池モジュール30cに関しても、上記と同様に二次電池2c〜2fのそれぞれについてセル温度を検出するとともにSOCを演算し、各電池モジュール30毎に第一許容電流値を決定する。
このように本変形例1によれば、電池モジュール30を構成する二次電池2毎にセル温度とSOCを算出し、二次電池2それぞれの許容電流値を比較して第一許容電流値を決定している。
【0059】
従って、電池モジュール毎に求めた第一許容電流値が電池モジュールを構成するいずれかの二次電池の許容電流値を超えることがなくなり、より正確な各電池モジュール30における第一許容電流値を算出することができる。
【0060】
<変形例2>
上述した実施の形態においては、BMU20から許容電流値の通知を受けた上位システム制御部200は、電力負荷9が要求する要求電流を許容電流値で制限する例について説明したが、これに限らない。
例えば、電池制御システムが電気自動車でなくエンジンも搭載したハイブリッド車両である場合には、電力負荷9の要求電流と許容電流値との差分、すなわち電流の不足分をエンジンからの動力で実質的に補うように制御してもよい。以下、本変形例2について説明する。
【0061】
ハイブリッド車両に搭載された上位システム制御部200は、BMU20から許容電流値の通知を受けた後、図示しないメモリ等の記憶手段に許容電流値を保持する。一方で、上位システム制御部200は電力負荷9からの要求電流の値を監視しており、この要求電流がBMU20から通知された許容電流値Imaxを超えるか否かを随時監視している。
【0062】
そして、例えば運転者のアクセルワーク等により電力負荷9からの要求電流が増加してBMU20から通知された許容電流値Imaxを超える場合には、上位システム制御部200は上記差分に関するエンジンの必要動力を算出する。
続いて、上位システム制御部200は、算出した上記差分に関する必要動力に基づいて、不足した電流(上記した差分)分に相当する動力をエンジンから得るように制御信号を生成してエンジンを駆動させる。
【0063】
このように本変形例2によれば、BMU20から通知された許容電流値Imaxによりハイブリッド車両の動力が不足してしまうことをエンジンによって補完でき、さらには組電池の出力が低下してしまうことや電池モジュールを構成する二次電池の寿命が劣化してしまうことを防止することができる。
【0064】
<実施例>
次に本発明を具体的に適用した実施例を示す。
例えば、電池制御システムを図1のように構成し、ある時点における電池モジュール30a〜30cに流れる電流値がそれぞれ12A、8A、4Aだったとする。この場合において、まずBMU20は、CMU10を介して各電池モジュール30におけるセル温度とSOCの値から、許容電流値参照テーブル6に基づき第一許容電流値を取得する。
【0065】
この第一許容電流値の算出にあたっては、電池モジュール30を構成する二次電池2はほぼ同様なセル温度およびSOCとしてもよいし、各二次電池2毎にセル温度とSOCを求めて第一許容電流値を決定してもよい。
例えば、電池モジュール30a〜cにおける第一許容電流値はそれぞれ、15A、14A、16Aだったとする。
【0066】
次に、BMU20は、各電池モジュール30の第一許容電流値を基準として、その基準となる電池モジュールに第一許容電流が流れた場合の他の電池モジュール30における電流値(第二許容電流値)を算出する。
具体的に各電池モジュール30各々を基準としたケースにおける第二許容電流値は以下のとおりとなる。
【0067】
(ケース1)電池モジュール30aの第一許容電流値を基準としてこの電池モジュール30aに第一許容電流値が流れたときの他の電池モジュール30bおよび30cに流れる電流
電池モジュール30bに流れる電流:8A×15/12=10A
電池モジュール30cに流れる電流:4A×15/12=5A
【0068】
(ケース2)電池モジュール30bの第一許容電流値を基準としてこの電池モジュール30bに第一許容電流値が流れたときの他の電池モジュール30aおよび30cに流れる電流
電池モジュール30aに流れる電流:12A×14/8=21A
電池モジュール30cに流れる電流:4A×14/8=7A
【0069】
(ケース3)電池モジュール30cの第一許容電流値を基準としてこの電池モジュール30cに第一許容電流値が流れたときの他の電池モジュール30aおよび30bに流れる電流
電池モジュール30aに流れる電流:12A×16/4=48A
電池モジュール30bに流れる電流:8A×16/4=32A
【0070】
続いて、BMU20は、算出した第一許容電流値および第二許容電流値に基づいて、上記ケース毎に、すべての電池モジュール30で各々の第二許容電流値が対応する第一許容電流値を超えないケースが1つ以上あるか判定する。ケース2では電池モジュール30aの第二許容電流値が対応する第一許容電流値を超えてしまい、また、ケース3では電池モジュール30aおよび電池モジュール30bのそれぞれの第二許容電流値がそれぞれ対応する第一許容電流値を超えてしまうので、ケース1のみが許容される組合わせに該当すると判定する。
【0071】
続いてBMU20は、ケース1における許容電流値Imaxを計算する。具体的には、電池モジュール30a、電池モジュール30bおよび電池モジュール30cにおける各第二許容電流値の合計値(15A+10A+5A=30A)を求め、この合計値を電池パックの許容電流値Imaxとして上位システム制御部200へ通知する。
【0072】
そして、BMU20から許容電流値Imaxの通知を受けた上位システム制御部200は、この許容電流値Imax(30A)を上限として電力負荷9の要求電流を制限する制御を行う。すなわち、この許容電流値Imaxを超える電流値が電力負荷9から要求された場合に、上位システム制御部200は許容電流値Imaxで電力負荷9を動作させる。
【0073】
なお、上述の電池制御システム100におけるCMU10やBMU20は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
また、CMU10がBMU20の処理機能の一部(例えば電流値の計測等)を備えるようにしてもよいし、BMU20がCMU10の処理機能の一部を備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1・・・BMS
2・・・二次電池
3・・・電流計
4・・・電圧計
5・・・温度計
6・・・許容電流値参照テーブル
10・・・CMU
20・・・BMU
200・・・上位システム制御部
300・・・表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数の二次電池からなる電池モジュールが、並列に複数接続されて電流の出力を行う組電池と、
前記電流の許容電流値を算出する電池管理部と、を有し、
前記電池管理部は、前記複数の電池モジュールの各々の第一許容電流値を算出する第一許容電流値算出部と、前記複数の電池モジュールのうち1つの電池モジュールの前記第一許容電流値を基準として他の電池モジュールの第二許容電流値を算出する第二許容電流値算出部と、前記第二許容電流値の各々がそれぞれ対応する前記電池モジュールの前記第一許容電流値以下の値の場合には、前記基準とした前記第一許容電流値と前記各々の前記第二電流値の和に対応する値を前記許容電流値とする算出部と、
前記算出部が算出した前記和に対応する値を外部へ通知する許容電力値通知部と、を備える
ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記電池管理部は、
前記複数の二次電池のそれぞれの温度値を取得する温度値取得部と、
前記複数の二次電池のそれぞれの充電率を算出する充電率算出部と、
前記二次電池の温度および充電率と予め対応づけられた第一許容電流値を格納した許容電流値参照テーブルを保持する許容電流値参照テーブル保持部と、
前記第二許容電流値の各々がそれぞれ対応する前記電池モジュールの前記第一許容電流値以下の値かを判定する判定部と、をさらに備え、
前記第一許容電流値算出部は、前記許容電流値参照テーブル、前記温度値、および前記充電率に基づいて、前記電池モジュール毎に前記第一許容電流値を算出し、
前記第二許容電流値算出部は、基準となった前記1つの電池モジュールに前記第一許容電流値に示される電流が流れた場合における電流の増加率に基づいて、前記他の電池モジュールにおける前記第二許容電流値を当該他の電池モジュールの前記第一許容電流値を基準に算出し、
前記判定部は、各電池モジュールのそれぞれを基準とした前記複数の電池モジュールの組合わせの各々に対し、前記第二許容電流値の各々がそれぞれ対応する前記電池モジュールの前記第一許容電流値以下の値かを判定し、
前記算出部は、前記判定部による判定を満たす前記組合わせにおける前記各電池モジュールの第二許容電流値の和に対応する値を算出すること
を特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
電力負荷と、
直列に接続された複数の二次電池からなる電池モジュールが、並列に複数接続されて前記電力負荷に対して電流の出力を行う組電池と、
前記複数の電池モジュールの各々の第一許容電流値を算出する第一許容電流値算出部と、
前記複数の電池モジュールのうち1つの電池モジュールの前記第一許容電流値を基準として他の電池モジュールの第二許容電流値を算出する第二許容電流値算出部と、
前記第二許容電流値の各々がそれぞれ対応する前記電池モジュールの前記第一許容電流値以下の値の場合には、前記基準とした前記第一許容電流値と前記各々の前記第二電流値の和に対応する値を許容電流値とする算出部と、
前記許容電流値を受け、前記電力負荷に対して前記許容電流値以下で動作するよう制御する上位システム制御部と
を有することを特徴とする電池制御システム。
【請求項4】
前記電力負荷に接続された車輪と、
前記車輪に接続されたエンジンとをさらに有し、
前記上位システム制御部は、前記エンジンの駆動を制御するとともに、
前記電力負荷の要求する要求電流値が前記許容電流値より大きい場合には、前記要求電流値と前記許容電流値との差分に相当する電流分を前記エンジンの駆動で補う制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の電池制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−205827(P2011−205827A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72196(P2010−72196)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】