説明

シートヒンジ構造

【課題】シートの上下方向への移動により発生する音を低減できるシートヒンジ構造を提供すること。
【解決手段】シート31を支持するラゲージボックス30に取り付けられ、ピン支持穴56a,57aが形成された第1ヒンジ部材51と、ピン支持穴56a,57aの上下方向の大きさよりも小さい直径を有するヒンジピン67を備え、ヒンジピン67がピン支持穴56a,57aに通されることで、第1ヒンジ部材51に対して回動可能かつ上下方向に移動可能に取り付けられると共に、シート31に取り付けられる第2ヒンジ部材52と、を備えたシートヒンジ構造において、第1ヒンジ部材51と第2ヒンジ部材52との間に介装される樹脂製又はゴム製のワッシャ55を備え、ワッシャ55には、ピン支持穴56a,57aの上下方向の各辺56b,56c,57b,57cと、ヒンジピン67と、のそれぞれの間に差し込まれる爪部55c,55dが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車等のシートヒンジ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクータ型の自動二輪車は、運転者が着座するシートの下方に設けられ、ヘルメット等の荷物を収納する上部が開口されたラゲージボックスを備えている。このような自動二輪車では、シートは、シートヒンジを介してラゲージボックスに固定されており、このシートを、シートヒンジを回動軸として回動することにより、ラゲージボックスの上部の開口が開閉される。
また、シートへの運転者の着座を検知する着座検知機能を備えた自動二輪車も提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ラゲージボックス側に取り付けられると共に上下方向に長い長穴状のピン支持穴を有する第1ヒンジ部材と、シート側に取り付けられると共にピン支持穴に挿通されるヒンジピンを有する第2ヒンジ部材と、第2ヒンジ部材の上下動を検知するスイッチ手段と、を具備するシートヒンジ構造を備える自動二輪車が提案されている。
【0004】
特許文献1で提案されたシートヒンジ構造によれば、ピン支持穴が長穴状に形成されているので、シート及び第2ヒンジ部材は、ラゲージボックス及び第1ヒンジ部材に対して上下方向に移動可能に構成される。これにより、運転者がシートに着座すると、シート及び第2ヒンジ部材が下方に移動してスイッチ手段により着座が検知される。また、運転者がシートに着座していない状態では、シート及び第2ヒンジ部材が上方に移動するので、スイッチ手段により着座は検知されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3926559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のように、特許文献1で提案された自動二輪車によれば、簡易なシートヒンジ構造により運転者のシートへの着座を好適に検知できる。しかしながら、特許文献1で提案されたシートヒンジ構造では、シートの上下動に伴って第2ヒンジ部材が上下動するときに、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材との間に生じる摩擦が大きくなってしまう場合があり、このような場合には、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材が擦れあうことで音が発生してしまう場合があった。
【0007】
従って、本発明は、シートの上下方向への移動により発生する音を低減できるシートヒンジ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、人が着座するシートと、前記シートの下方に配置され、前記シートを、人が着座可能な第1の状態と、前記第1の状態から上方向に回動した第2の状態と、の間で回動可能に支持するシート支持部材と、ピン支持穴を有し前記シート支持部材に固定される第1ヒンジ部材と、前記ピン支持穴の上下方向の長さよりも小さい直径のヒンジピンを有し該ヒンジピンを前記ピン支持穴に挿通させることで前記第1ヒンジ部材に対して回動可能、かつ、上下方向に移動可能に前記第1ヒンジ部材に取り付けられると共に前記シートに固定される第2ヒンジ部材とを備えるシートヒンジと、前記第1ヒンジ部材又は前記第2ヒンジ部材の一方に取り付けられ、前記ピン支持穴に対する前記ヒンジピンの上下方向の移動を検出するセンサ手段と、を備えたシートヒンジ構造において、前記第2ヒンジ部材は、互いに向かい合う2枚の縦壁部と、前記2枚の縦壁部の上部を連結する上壁部と、からなる断面略コ字状であって、前記2枚の縦壁部の間に前記ヒンジピンを掛け渡し、前記第1ヒンジ部材を前記2枚の縦壁部の間に配置させることで、前記ヒンジピンが前記ピン支持穴に挿通されて、前記第1ヒンジ部材に支持され、前記ヒンジピンが挿通される挿通孔を有し、前記第1ヒンジ部材と前記縦壁部との間に、前記挿通孔に前記ヒンジピンが挿通された状態で配置される樹脂製又はゴム製のワッシャを更に備え、前記ワッシャには、前記第1ヒンジ部材に向けて突出し、前記ピン支持穴の上下方向に延びる互いに向かい合う各辺と、前記ヒンジピンと、のそれぞれの間に差し込まれる爪部が設けられることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の構成に加えて、前記第1ヒンジ部材には、前記ワッシャに向けて突出する突出部が設けられ、前記ワッシャには、前記突出部に係合する係合部が設けられることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載の構成に加えて、前記第1ヒンジ部材は、互いに向かい合う2枚の縦壁部と、前記2枚の縦壁部の上部を連結する上壁部と、からなる断面略コ字状であって、前記2枚の縦壁部の下部の間に掛け渡された棒状部材を備え、前記棒状部材の端部を前記縦壁部から前記ワッシャに向けて突出させて前記突出部とすることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明においては、請求項2又は3に記載の構成に加えて、前記突出部は、前記第1ヒンジ部材の前記ピン支持穴の下側に設けられると共に、前記係合部を貫通するように前記ワッシャから突出し、前記第2ヒンジ部材には、前記シートを前記第1の状態から前記第2の状態に回動させた際に前記突出部に近づいて、前記ヒンジピンの上下方向の移動量を、前記第1の状態に比べて減少させるカム面が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、シート支持部材に取り付けられる第1ヒンジ部材と、シートに取り付けられる第2ヒンジ部材と、の間に、樹脂製又はゴム製のワッシャを配置した。これにより、第2ヒンジ部材の第1ヒンジ部材に対する上下方向の移動の際に、第2ヒンジ部材が第1ヒンジ部材に擦れない。よって、第2ヒンジ部材の第1ヒンジ部材に対する上下方向の移動により発生する音を低減できる。
また、ワッシャに、第1ヒンジ部材に形成されたピン支持穴の上下方向に延びる向かい合う各辺と、第2ヒンジ部材が備えるヒンジピンと、のそれぞれの間に差し込まれる爪部を設けた。これにより、第2ヒンジ部材の第1ヒンジ部材に対する上下方向の移動の際に、ヒンジピンがピン支持穴に擦れない。よって、第2ヒンジ部材の第1ヒンジ部材に対する上下方向の移動により発生する音を低減できる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、第1ヒンジ部材に、ワッシャに向けて突出する突出部を設けると共に、ワッシャに、突出部に係合する係合部を設けた。これにより、ワッシャを第1ヒンジ部材に固定できる。よって、第2ヒンジ部材がヒンジピンを回動軸として回動した場合に、ワッシャが第2ヒンジ部材と共にヒンジピン回りを回転してしまうことを防止できる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、第1ヒンジ部材を、互いに向かい合う2枚の縦壁部と、2枚の縦壁部の上部を連結する上壁部と、からなる断面略コ字状とし、2枚の縦壁部の下部の間に棒状部材を掛け渡した。これにより、単純で簡単な構造で剛性を高めることができる。よって、低コストで耐久性を向上できる。
また、棒状部材の端部を縦壁部からワッシャに向けて突出させて突出部とした。これにより、棒状部材を利用して、ワッシャを第1ヒンジ部材に固定できる。よって、棒状部材を利用して、ワッシャのヒンジピン回りの回転を防止できる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、突出部を、第1ヒンジ部材のピン支持穴の下側に設けると共に、係合部を貫通するようにワッシャから突出させた。また、第2ヒンジ部材に、シートを着座可能な第1の状態から上方向に回動させた際に突出部に近づいて、ヒンジピンの上下方向の移動量を第1の状態に比べて減少させるカム面を設けた。これにより、シートを第1の状態から上方向に回動させた場合におけるシートの上下方向の移動量を、第1の状態の場合よりも少なくできる。よって、突出部を利用して、シートを上方向に回動させた場合におけるシート揺動を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のシートヒンジ構造を備えるスクータ型の自動二輪車を示す左側面図である。
【図2】図1に示すシートヒンジを示す分解斜視図である。
【図3】第1ヒンジ部材のピン支持穴56aにワッシャ55及びヒンジピン67が差し込まれた状態を示す左側面図である。
【図4】第1状態(着座可能な状態)におけるシートヒンジを示す左側面図である。
【図5】第2ヒンジ部材を上方向に回動した状態(第2状態)におけるシートヒンジを示す左側面図である。
【図6】シートヒンジを示す左側面図であり、第2ヒンジ部材が図4の状態から下方向に移動した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
先ず、図1を参照しながら、本発明のシートヒンジ構造を備えるスクータ型の自動二輪車の全体構成について説明する。図1は、本発明のシートヒンジ構造を備えるスクータ型の自動二輪車を示す左側面図である。
尚、以下の説明における前後、左右及び上下の方向の記載は、特に明記がない限り、自動二輪車に乗車する乗員(運転者)から見た方向に従う。また、図中、矢印FRは車両の前方を示し、矢印UPは車両の上方を示す。
【0018】
図1に示すように、自動二輪車1は、ヘッドパイプ11及びシートレール13を含んで構成される車体フレーム10と、この車体フレーム10の前方に配置される前輪21と、この前輪21の上方に配置されるフロントフェンダ211と、前輪21を軸支するフロントフォーク22と、このフロントフォーク22をヘッドパイプ11に対して左右に回動自在に連結するボトムブリッジ231及びステアリングステム232と、このステアリングステム23の上端に連結されるハンドル24と、車体フレーム10の下方に揺動可能に連結されたエンジン25と、車体フレーム10の後方に配置される後輪26と、この後輪26の上方に配置されるリアフェンダ261と、エンジン25に取り付けられると共に後輪26を軸支する動力伝達装置27と、この動力伝達装置27とシートレール13との間に介在するリアクッション28と、エンジン25の前方に配置される燃料タンク29と、ヘルメット等の荷物を収納するシート支持部材としてのラゲージボックス30と、このラゲージボックス30の上方に配置されるシート31と、ラゲージボックス30とシート31とを連結するシートヒンジ50と、車体フレーム10を覆うボディカバー32と、を備える。
【0019】
車体フレーム10は、複数種の鋼材が溶接等により一体的に結合されて構成される。この車体フレーム10は、ヘッドパイプ11と、メインフレーム12と、シートレール13と、ダウンフレーム14と、複数のクロスメンバ(図示せず)と、を備える。
【0020】
ヘッドパイプ11は、車体フレーム10の前端部に配置される。
メインフレーム12は、左右に一対設けられている。一対のメインフレーム12は、前端側がヘッドパイプ11に連結されている。一対のメインフレーム12は、側面視で、ヘッドパイプ11から斜め下後方に延び、途中で屈曲して後方に延びている。一対のメインフレーム12の後端側は、シートレール13に連結されている。
【0021】
シートレール13は、左右に一対設けられている。一対のシートレール13は、一端側がダウンフレーム14に連結されている。一対のシートレール13は、側面視で、ダウンフレーム14との連結部から上方に延び、途中で屈曲して他端が斜め上後方に向かって延びている。一対のシートレール13における屈曲部分の近傍には、メインフレーム12の後端側が連結されている。
【0022】
ダウンフレーム14は、メインフレーム12の下方に配置され、左右に一対設けられている。一対のダウンフレーム14は、側面視で、ヘッドパイプ11から斜め下後方に延び、途中で屈曲して後方に延びている。一対のダウンフレーム14の後端側は、一対のシートレール13に連結されている。
【0023】
クロスメンバ(図示せず)は、例えば、左右方向に延びるパイプ部材からなり、左右に一対のフレーム(メインフレーム12、シートレール13、ダウンフレーム14等)を左右方向に連結する。
【0024】
フロントフォーク22は、左右に一対設けられている。一対のフロントフォーク22は、ヘッドパイプ11の下方において、ボトムブリッジ231及びステアリングステム232を介してヘッドパイプ11に支持される。ステアリングステム232の上端部は、ハンドル24の下端部に連結されている。
【0025】
エンジン25は、自動二輪車1の原動機であり、車両における前後方向の略中央部に搭載される。このエンジン25は、一対の連結部材(図示せず)等を介してシートレール13に対して揺動可能に連結される。
エンジン25は、クランクケース34と、シリンダヘッド37を有するシリンダ部35と、シリンダヘッド37に連結された吸気装置39及び排気装置44と、を備える。
【0026】
クランクケース34は、クランク軸及び変速機構(いずれも図示せず)を収容する。このクランクケース34は、クランクケース34には、上述の連結部材(図示せず)が連結される一対の車体連結部341が設けられる。
【0027】
シリンダ部35は、クランクケース34の前方に取り付けられたシリンダブロック36と、このシリンダブロック36の前方に取り付けられたシリンダヘッド37と、このシリンダヘッド37の開口を覆うヘッドカバー38と、を備える。
【0028】
シリンダブロック36は、変速機構(図示せず)に連結されているコンロッド(図示せず)を収容する。シリンダヘッド37は、ピストン(図示せず)を往復可能に収容する。ピストンの往復動は、コンロッドを介してクランク軸の回転動に変換される。そして、エンジン25の出力は、変速機構を経由して出力され、動力伝達装置27を介して、後輪26に伝達される。
【0029】
フロントフェンダ211は、フロントフォーク22に固定され、前輪21の上方を覆う。リアフェンダ261は、シートレール13に固定され、後輪26の上方を覆う。
【0030】
動力伝達装置27は、車両の幅方向における左端側に配置されている。動力伝達装置27は、後輪26を回転自在に支持する。動力伝達装置27は、エンジン25の駆動力を後輪26に伝達する。
【0031】
リアクッション28は、左右に一対設けられている。左側のリアクッション28は、その上端側においてシートレール13に連結され、その下端側において動力伝達装置27の後端部に連結されている。右側のリアクッション(図示せず)は、その上端側においてシートレール13に連結され、その下端側においてスイングアーム(図示せず)に連結されている。
【0032】
燃料タンク29は、エンジン25の前方におけるメインフレーム12及びダウンフレーム14に囲まれた空間に配置される。
【0033】
ラゲージボックス30は、エンジン25の上方であり、かつ、シート31の下方に形成される空間に配置される。ラゲージボックス30は、ボルト及びナット(いずれも図示せず)によって、一対のシートレール13に取り付けられる。ラゲージボックス30は、上方に開口(図示せず)を有する箱型をなし、ヘルメット等の荷物が収納できるように大型に形成されている。
【0034】
乗員(運転者及び後部同乗者)着座用のシート31は、シートヒンジ50を介してラゲージボックス30の上部に取り付けられ、着座可能な第1の状態(図3参照)と、この第1の状態から上方向に回動した第2の状態(図4参照)と、の間で回動する。
【0035】
次に、図2〜図6を参照しながら、本実施形態のシートヒンジ構造について説明する。図2は、シートヒンジ50を示す分解斜視図である。図3は、第1ヒンジ部材のピン支持穴56aにワッシャ55及びヒンジピン67が差し込まれた状態を示す左側面図である。図4は、第1状態(着座可能な状態)におけるシートヒンジ50を示す左側面図である。図5は、第2ヒンジ部材52を上方向に回動した状態(第2状態)におけるシートヒンジ50を示す左側面図である。図6は、シートヒンジ50を示す左側面図であり、第2ヒンジ部材52が図4の状態から下方向に移動した状態を示す図である。
【0036】
本実施形態のシートヒンジ構造は、シート31とラゲージボックス30とを連結するシートヒンジ50と、シート31の上下方向の移動を検出するセンサ手段としてのシートスイッチ53と、を備える。
シートヒンジ50は、図2〜図6に示すように、第1ヒンジ部材51と、第2ヒンジ部材52と、板ばね54と、ワッシャ55と、を備える。
【0037】
第1ヒンジ部材51は、ラゲージボックス30に取り付けられる。この第1ヒンジ部材51は、図2に示すように、互いに向かい合う一対の縦壁部56,57と、この一対の縦壁部56,57の上部を連結する上壁部58と、一対の縦壁部56,57及び上壁部58に囲まれた位置に配置されるL字形状のブラケット59と、一対の縦壁部56,57の下部の間に掛け渡される棒状部材60と、を備える。
【0038】
一対の縦壁部56,57及び上壁部58は、一枚の鋼板がプレス加工されることで、断面略コ字状に成形される。
一対の縦壁部56,57には、それぞれピン支持穴56a,57aが形成されている。これらピン支持穴56a,57aには、後述するヒンジピン67が挿通される。ピン支持穴56a,57aは、正方形に近い四角形の四つ角が丸められた形状を有する。ピン支持穴56a,57aは、上下方向の各辺56b,56c,57b,57cの大きさが、それぞれ、ヒンジピン67の直径よりも大きく形成される。
【0039】
上壁部58には、ボルト穴58a,58b、及び開口58cが形成されている。
ボルト穴58a,58bには、それぞれ、ボルト61が通され、このボルト61により第1ヒンジ部材51はラゲージボックス30に固定される。開口58cからは、後述のシートスイッチ53の検知部70が露出される。
【0040】
ブラケット59は、上壁部58における開口58cの近傍に、下方向に向けて溶接で固定される。このブラケット59には、シートスイッチ53が固定される。ブラケット59の下部には、シートスイッチ53を取り付けるためのビス62を通すビス穴59aが形成されている。ブラケット59には、ビス62及びナット63でシートスイッチ53が取り付けられる。
【0041】
棒状部材60は、その両方の端部60a,60bが縦壁部56,57の外側に突出するように、縦壁部56,57におけるピン支持穴56a,57aの下方において、縦壁部56,57に溶接で固定される。より具体的には、縦壁部56,57それぞれの下端部には、棒状部材60の周面の形状に対応した形状の上方に向かって凹んだ凹部が形成されている。そして、棒状部材60は、これらの凹部が形成された位置に配置されて縦壁部56,57に溶接される。
【0042】
第2ヒンジ部材52は、図2、及び図4〜図6に示すように、第1ヒンジ部材51に対して回動可能かつ上下方向に移動可能に取り付けられると共に、シート31にボルト68で取り付けられる。この第2ヒンジ部材52は、図2に示すように、互いに向かい合う一対の縦壁部64,65と、この一対の縦壁部64,65の上部を連結する上壁部66と、一対の縦壁部64,65の間に掛け渡されたヒンジピン67と、一対の縦壁部64,65それぞれの下端側に形成されるカム面64b,65bと、を備える。第2ヒンジ部材52は、第1ヒンジ部材51よりも一回り大きく構成される。
【0043】
一対の縦壁部64,65及び上壁部66は、一枚の鋼板がプレス加工されることで、断面略コ字状に成形される。
一対の縦壁部64,65には、それぞれピン支持穴64a,65aが形成されている。ピン支持穴64a,65aは、円形状を有する。ヒンジピン67は、先端側にねじ溝が形成されたボルト状に構成される。このヒンジピン67は、ピン支持穴64a,65aに通され、縦壁部65の外面におけるピン支持穴65aの近傍に溶接されたナット67aにより固定される。
【0044】
カム面64b,65bは、一対の縦壁部64,65におけるピン支持穴64a,65aの周囲に設けられる。カム面64b,65bは、棒状部材60の端部(突出部)60a,60bに当接することで、ヒンジピン67(第2ヒンジ部材52)の上下方向の移動量を制限する。
より具体的には、カム面64b,65bは、ピン支持穴64a,65aの周囲に位置する縦壁部64,65の底面(側面)により構成される。そして、図4に示すように、着座可能な第1の状態において、ピン支持穴64a,65aの中心P(ヒンジピン67の中心)から下方に位置するカム面64b,65bまでの長さL1は、ピン支持穴64a,65aの中心Pから第2の状態(図5参照)において下方に位置するカム面64b,65bまでの長さL2よりも短く構成されている。
【0045】
上壁部66には、ボルト穴66a,66bが形成されている。ボルト穴66a,66bには、それぞれ、ボルト68が通され、このボルト68により第2ヒンジ部材52はシート31に固定される。
【0046】
シートスイッチ53は、ヒンジピン67の上下方向の移動を検出する。このシートスイッチ53は、図2に示すように、スイッチボックス69と、スイッチボックス69の上端から出入り自在に設けられた検知部70と、スイッチボックスで検知した信号を取り出すための第1端子71及び第2端子72と、ブラケット59に取り付けるためのビス62を通すビス穴73aが形成された取付け部73と、を備える。
【0047】
検知部70は、上昇した状態に付勢されており、下方向への荷重が付与されると下降した状態に移行し、荷重が除去されると上昇した状態に戻る。
【0048】
板ばね54は、第1ヒンジ部材51とラゲージボックス30との間に配置されて、第2ヒンジ部材52(ヒンジピン67)を上方向に付勢する。この板ばね54は、ラゲージボックス30に取り付けられる取付け部74と、ヒンジピン67の下部に当接し、ヒンジピン67を上方向に付勢する一対のばね部75,76と、を備える。
取付け部74には、ラゲージボックス30に取り付けるためのボルト61を通すボルト穴74a,74bが形成されている。
【0049】
ワッシャ55は、図2及び図3に示すように、縦長の板状に形成された樹脂製又はゴム製の部材であり、第1ヒンジ部材51と第2ヒンジ部材52との間に配置される。このワッシャ55は、挿通孔55aと、係合部としての係合孔55bと、一対の爪部55c,55dと、を備える。
【0050】
挿通孔55aは、ワッシャ55の長手方向の一端側に形成され、四角形の四つ角が丸められた形状を有する。この挿通孔55aにはヒンジピン67が挿通される。挿通孔55aは、上下方向の大きさが、第1ヒンジ部材51のピン支持穴56a,57aにおける上下方向の各辺56b,56c,57b,57cの大きさと略同じであり、ヒンジピン67を上下方向に移動可能に通す。
係合孔55bは、ワッシャ55の長手方向の他端側に形成される。この係合孔55bには、棒状部材60の端部60a,60bである突出部が係合される。
【0051】
一対の爪部55c,55dは、ワッシャ55における挿通孔55aの上下方向の各辺に沿うように設けられる。一対の爪部55c,55dは、ワッシャ55の一方の面側からこの面に対して略垂直に突出している。
一対の爪部55c,55dは、第1ヒンジ部材51のピン支持穴56a又は57aにおける上下方向の各辺56b,56c又は57c,57bと、ヒンジピン67と、のそれぞれの間に差し込まれる。
【0052】
図3に示すように、一対の爪部55c,55dの内面間の距離(隙間)W1は、ヒンジピン67の直径と略等しく構成される。また、一対の爪部55c,55dの外面間の距離(幅)W2は、ピン支持穴56a,57aの幅と略等しく、又はピン支持穴56a,57aの幅よりも若干広く設定される。
一対の爪部55c,55dそれぞれの上端は、挿通孔55a及びピン支持穴56a,57aに挿入されたヒンジピン67が最も上方に上がった状態におけるヒンジピン67の中心Pよりも上方に位置する(図3の実線部分及び図4参照)。また、一対の爪部55c,55dそれぞれの下端は、挿通孔55a及びピン支持穴56a,57aに挿入されたヒンジピン67が最も下方に下がった状態におけるヒンジピン67の中心Pよりも下方に位置している(図3の破線部分及び図6参照)。つまり、一対の爪部55c,55dの上端から下端までの長さW3は、挿通孔55a及びピン支持穴56a,57aに挿入された状態で最も上方に上がった場合のヒンジピン67の中心Pと、挿通孔55a及びピン支持穴56a,57aに挿入された状態で最も下方に下がった場合のヒンジピン67の中心Pとの間の長さW4よりも長く構成される。
【0053】
以上のシートヒンジ50は、以下のように組み立てられて、ラゲージボックス30及びシート31に取り付けられる。
先ず、第1ヒンジ部材51におけるブラケット59に、ビス62及びナット63でシートスイッチ53が取り付けられる。次いで、第1ヒンジ部材51における一対の縦壁部56,57のそれぞれに、ワッシャ55が取り付けられる。より具体的には、棒状部材60の端部60a,60bに係合孔55bが係合するように、かつ、ピン支持穴56a,57aに爪部55c,55dが差し込まれるように、ワッシャ55が取り付けられる。
【0054】
次いで、第1ヒンジ部材51の上に第2ヒンジ部材52が重ねられる。より具体的には、第1ヒンジ部材51における縦壁部56,57と、第2ヒンジ部材52における縦壁部64,65と、の間にワッシャ55が配置されるように、かつ、第1ヒンジ部材51におけるピン支持穴56a,57aと、第2ヒンジ部材52におけるピン支持穴64a,65aと、が連なるように、第1ヒンジ部材51の上に第2ヒンジ部材52が重ねられる。
【0055】
次いで、ヒンジピン67が第2ヒンジ部材52のピン支持穴64a、ワッシャ55の挿通孔55a、第1ヒンジ部材51のピン支持穴56a、57a、ワッシャ55の挿通孔55a、第2ヒンジ部材52のピン支持穴65aの順に通されて、ナット67aに固定される。
【0056】
次いで、第1ヒンジ部材51が板ばね54を介してボルト61によりラゲージボックス30に固定される。また、第2ヒンジ部材52がボルト68によりシート31に固定される。
このようにして、シートヒンジ50は、ラゲージボックス30及びシート31に取り付けられる。
【0057】
次に、本発明のシートヒンジ50の動作を説明する。
本実施形態のシートヒンジ50では、第2ヒンジ部材52は、第1ヒンジ部材51に対して、ヒンジピン67を中心に、図4に示す第1の状態と、図5に示す第2の状態と、の間で回動する。
第1の状態では、シート31に着座することができる。第2の状態では、ラゲージボックス30の開口が開かれ、ラゲージボックス30に対してヘルメット等の荷物を出し入れできる。
【0058】
図4に示す第1の状態では、ヒンジピン67は、板ばね54の付勢力によって、ピン支持穴56a,57aの上端部に押し付けられており、ヒンジピン67の下端部とピン支持穴56a,57aとの間には、所定の隙間が形成されている。そして、この状態では、カム面64b,65bと棒状部材60の端部(突出部)60a,60bの上縁部との間の長さL3は、ヒンジピン67の軸部の下縁部とピン支持穴56a,57aとの間の隙間の長さL4よりも長くなっている。
【0059】
図4に示す第1の状態において、シート31に乗員が着座すると、下方向に荷重が付与され、図6に示すように、ヒンジピン67は、板ばね54の付勢力に抗して下降し、ピン支持穴56a,57aの下端部に押し付けられるまで下方に移動する。すると、ヒンジピン67と共に下降した上壁部66により検知部70が押される。これにより、シートスイッチ53は、乗員が着座していることを検知する。
尚、カム面64b,65bと棒状部材60の端部(突出部)60a,60bの上縁部との間の長さL3を、ヒンジピン67の軸部の下縁部とピン支持穴56a,57aとの間の隙間の長さL4よりも短く設定することも可能である。この場合、ヒンジピン67は、カム面64b,65bが棒状部材60の端部(突出部)60a,60bに押し付けられるまで下方に移動する。
【0060】
次いで、図6に示す状態において、シート31から乗員が降りると、図4に示すように、ヒンジピン67は、板ばね54の付勢力によって上昇し、ピン支持穴56a,57aの上端部に押し付けられた状態に戻る。すると、検知部70を押していた上壁部66がヒンジピン67と共に上昇する。これにより、シートスイッチ53は、乗員が着座していないことを検知する。
【0061】
一方、図5に示す第2の状態においても、ヒンジピン67は、板ばね54の付勢力によって、ピン支持穴56a,57aの上端部に押し付けられている。ここで、第1の状態において、ピン支持穴64a,65aの中心Pから下方に位置するカム面64b,65bまでの長さL1は、ピン支持穴64a,65aの中心Pから第2の状態において下方に位置するカム面64b,65bまでの長さL2よりも短く構成されている(図4及び図5参照)。そのため、第2の状態では、カム面64b,65bと棒状部材60の端部(突出部)60a,60bの上縁部との間の長さL5は、ヒンジピン67の軸部の下縁部とピン支持穴56a,57aとの間の隙間の長さL4及び第1の状態におけるカム面64b,65bと棒状部材60の端部(突出部)60a,60bの上縁部との間の長さL3よりも短くなっている(図4及び図5参照)。これにより、第2の状態においてシート31に下方向への荷重が付与された場合には、ヒンジピン67が長さL5下降した状態で、カム面64b,65bと棒状部材60の端部(突出部)60a,60bとが当接し、それ以上のヒンジピン67の下方への移動は規制される。
つまり、図5に示す第2の状態では、カム面64b,65bが棒状部材60の端部(突出部)60a,60bに近づいており、第2ヒンジ部材52に取り付けられたシート31の上下方向の移動が第1の状態に比して規制される。
【0062】
以上説明した本発明のシートヒンジ構造を備える自動二輪車1によれば、以下のような効果を奏する。
【0063】
ラゲージボックス30に取り付けられる第1ヒンジ部材51と、シート31に取り付けられる第2ヒンジ部材52と、の間に、樹脂製又はゴム製のワッシャ55を配置した。これにより、第2ヒンジ部材52の第1ヒンジ部材51に対する上下方向の移動の際に、第2ヒンジ部材52が第1ヒンジ部材に擦れない。よって、第2ヒンジ部材52の第1ヒンジ部材51に対する上下方向の移動により発生する音を低減できる。
また、ワッシャ55に、第1ヒンジ部材51に形成されたピン支持穴56a,57aの上下方向に延びる向かい合う各辺56b,56c,57b,57cと、第2ヒンジ部材52が備えるヒンジピン67と、のそれぞれの間に差し込まれる爪部55c,55dを設けた。これにより、第2ヒンジ部材52の第1ヒンジ部材51に対する上下方向の移動の際に、ヒンジピン67がピン支持穴56a,57aに擦れない。よって、第2ヒンジ部材52の第1ヒンジ部材51に対する上下方向の移動により発生する音を低減できる。
【0064】
また、第1ヒンジ部材51に、ワッシャ55に向けて突出する突出部60a,60bを設けると共に、ワッシャ55に、突出部60a,60bに係合する係合孔55bを設けた。これにより、ワッシャ55を第1ヒンジ部材51に固定できる。よって、第2ヒンジ部材52がヒンジピン67を回動軸として回動した場合に、ワッシャ55が第2ヒンジ部材52と共にヒンジピン67回りを回転してしまうことを防止できる。
【0065】
また、第1ヒンジ部材51を、互いに向かい合う2枚の縦壁部56,57と、2枚の縦壁部56,57の上部を連結する上壁部58と、からなる断面略コ字状とし、2枚の縦壁部56,57の下部の間に棒状部材60を掛け渡した。これにより、単純で簡単な構造で剛性を高めることができる。よって、低コストで耐久性を向上できる。
また、棒状部材60の端部60a,60bを縦壁部56,57からワッシャ55に向けて突出させて突出部60a,60bとした。これにより、棒状部材60を利用して、ワッシャ55を第1ヒンジ部材51に固定できる。よって、棒状部材60を利用して、ワッシャ55のヒンジピン67回りの回転を防止できる。
【0066】
また、突出部60a,60bを、第1ヒンジ部材51のピン支持穴56a,57aの下側に設けると共に、係合孔55bを貫通するようにワッシャ55から突出させた。また、第2ヒンジ部材52に、シート31を着座可能な第1の状態から上方向に回動させた際に突出部60a,60bに近づいて、ヒンジピン67の上下方向の移動量を第1の状態に比べて減少させるカム面64b,65bを設けた。これにより、シート31を第1の状態から上方向に回動させた場合におけるシート31の上下方向の移動量を、第1の状態の場合よりも少なくできる。よって、突出部60a,60bを利用して、シート31を上方向に回動させた場合におけるシート31の揺動を低減できる。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、本実施形態では、本発明を自動二輪車のシートヒンジに適用したが、これに限られない。即ち、本発明をライディングシミュレータ、体感型アーケードゲーム、又は三輪や四輪の鞍乗型車両に適用してもよい。
【0068】
また、本実施形態では、シートスイッチ53は、第1ヒンジ部材51に取り付けられたが、これに限らない。即ち、シートスイッチ53は、第2ヒンジ部材52に取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0069】
30 ラゲージボックス(シート支持部材)
31 シート
50 シートヒンジ
51 第1ヒンジ部材
52 第2ヒンジ部材
53 シートスイッチ(センサ手段)
55 ワッシャ
55a 挿通孔
55b 係合孔(係合部)
55c,55d 爪部
56,57 縦壁部
56a,57a ピン支持穴
56b,56c,57b,57c 辺
58 上壁部
60 棒状部材
60a,60b 端部(突出部)
64,65 縦壁部
64b,65b カム面
66 上壁部
67 ヒンジピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が着座するシート(31)と、
前記シートの下方に配置され、前記シート(31)を、人が着座可能な第1の状態と、前記第1の状態から上方向に回動した第2の状態と、の間で回動可能に支持するシート支持部材(30)と、
ピン支持穴(56a,57a)を有し前記シート支持部材(30)に固定される第1ヒンジ部材(51)と、前記ピン支持穴(56a,57a)の上下方向の長さよりも小さい直径のヒンジピン(67)を有し該ヒンジピン(67)を前記ピン支持穴(56a,57a)に挿通させることで前記第1ヒンジ部材(51)に対して回動可能、かつ、上下方向に移動可能に前記第1ヒンジ部材(51)に取り付けられると共に前記シート(31)に固定される第2ヒンジ部材(52)とを備えるシートヒンジ(50)と、
前記第1ヒンジ部材(51)又は前記第2ヒンジ部材(52)の一方に取り付けられ、前記ピン支持穴(56a,57a)に対する前記ヒンジピン(67)の上下方向の移動を検出するセンサ手段(53)と、を備えたシートヒンジ構造において、
前記第2ヒンジ部材(52)は、互いに向かい合う2枚の縦壁部(64,65)と、前記2枚の縦壁部(64,65)の上部を連結する上壁部(66)と、からなる断面略コ字状であって、前記2枚の縦壁部(64,65)の間に前記ヒンジピン(67)を掛け渡し、前記第1ヒンジ部材(51)を前記2枚の縦壁部(64,65)の間に配置させることで、前記ヒンジピン(67)が前記ピン支持穴(56a,57a)に挿通されて、前記第1ヒンジ部材(51)に支持され、
前記ヒンジピン(67)が挿通される挿通孔(55a)を有し、前記第1ヒンジ部材(51)と前記縦壁部(64,65)との間に、前記挿通孔(55a)に前記ヒンジピン(67)が挿通された状態で配置される樹脂製又はゴム製のワッシャ(55)を更に備え、
前記ワッシャ(55)には、前記第1ヒンジ部材(51)に向けて突出し、前記ピン支持穴(56a,57a)の上下方向に延びる互いに向かい合う各辺(56b,56c,57b,57c)と、前記ヒンジピン(67)と、のそれぞれの間に差し込まれる爪部(55c,55d)が設けられるシートヒンジ構造。
【請求項2】
前記第1ヒンジ部材(51)には、前記ワッシャ(55)に向けて突出する突出部(60a,60b)が設けられ、
前記ワッシャ(55)には、前記突出部(60a,60b)に係合する係合部(55b)が設けられる請求項1に記載のシートヒンジ構造。
【請求項3】
前記第1ヒンジ部材(51)は、互いに向かい合う2枚の縦壁部(56,57)と、前記2枚の縦壁部(56,57)の上部を連結する上壁部(58)と、からなる断面略コ字状であって、前記2枚の縦壁部(56,57)の下部の間に掛け渡された棒状部材(60)を備え、前記棒状部材(60)の端部(60a,60b)を前記縦壁部(56,57)から前記ワッシャ(55)に向けて突出させて前記突出部(60a,60b)とする請求項2に記載のシートヒンジ構造。
【請求項4】
前記突出部(60a,60b)は、前記第1ヒンジ部材(51)の前記ピン支持穴(56a,57a)の下側に設けられると共に、前記係合部(55b)を貫通するように前記ワッシャ(55)から突出し、
前記第2ヒンジ部材(52)には、前記シート(31)を前記第1の状態から前記第2の状態に回動させた際に前記突出部(60a,60b)に近づいて、前記ヒンジピン(67)の上下方向の移動量を、前記第1の状態に比べて減少させるカム面(64b,65b)が設けられる請求項2又は3に記載のシートヒンジ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−62970(P2012−62970A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208196(P2010−208196)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】