説明

チャック装置

【課題】ワークが保持される状態において、ワークの姿勢の安定性を高めつつワークと他の部材との接触を防止するチャック装置を提供する。
【解決手段】ワークWに対向する保持面32に開口する旋回室33を有した保持部材12を備え、旋回室33に流入した圧縮空気の旋回流によって旋回室33とワークWとの間に負圧を形成するとともに、旋回室33から流出した圧縮空気によって保持面32とワークWとの間に正圧を形成することによって、支持台40に支持されたワークWを浮上させて保持部材12から保持距離HDだけ離れた保持位置でワークWを保持するチャック装置10において、ワークWの浮上方向において保持面32から保持位置よりも保持部材12の領域である規制領域に配置されるとともに、ワークWとの接触によって浮上方向におけるワークWの進路を規制領域の支持台40側に規制する浮上規制部材45を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに負圧を作用させることによってワークを保持するチャック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載のように、液晶基板や半導体ウェハなどのワークに負圧を作用させることによってワークを保持するチャック装置が知られている。特許文献1に記載のチャック装置では、ワークに対向する一側面に設けられた凹部の内部で気体の旋回流が発生して凹部とワークとの間に旋回流による負圧が形成される。また凹部の外側とワークとの間に気体が流れることによって凹部の外側とワークとの間に気体による正圧が形成される。そして負圧と正圧とがワークの異なる部分に作用することによって、ワークに対向する一側面から所定の距離だけ離れた保持位置でワークが保持されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−142462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ワークに対向する一側面である保持面に向けてワークが持ち上げられる際には、上述した負圧や正圧に基づく力の他に、浮上するワークの慣性力が該ワークに作用する。そのため、ワークの位置が保持位置で安定する前に、保持位置よりも保持面側にワークが一旦浮上する結果、ワークと保持面とが接触して保持面に変形が生じたり異物が付着してしまう虞がある。その結果、変形した部分や異物によって気体の流れが乱されて、ワークに作用する負圧の変動やワークに作用する正圧の局所的な変動を招く結果、保持面に保持されているワークの姿勢が不安定になってしまう。
【0005】
なお、上述したような保持面とワークとの接触は、特許文献1に記載のチャック装置のように、保持面よりもワーク側に位置する摩擦面を有した摩擦部材を凹部の周辺に設けることによって防止することが可能である。このような構成であれば、摩擦部材とワークとが接触し続けるものの、保持面とワークとが接触しない状態を確実に維持することができるため、上述したような気体の流れの乱れが抑えられる。しかしながら、特許文献1に記載のチャック装置では、チャック装置がワークを保持する間、摩擦部材とワークとが接触し続けているため、ワークと他の部材とが所定の距離だけ離れた状態でワークが保持されるという保持の態様が不可能となってしまう。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワークが保持される状態において、ワークの姿勢の安定性を高めつつワークと他の部材との接触を防止するチャック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のチャック装置は、ワークに対向する保持面を有するとともに該保持面に凹部を有した保持部材を備え、前記凹部に流入した気体の旋回流によって前記凹部と前記ワークとの間に負圧を形成するとともに、前記凹部から流出した気体によって前記保持面と前記ワークとの間に正圧を形成することによって、支持台に支持されたワークを前記保持部材に向けて浮上させて前記保持部材から離れた保持位置で該ワークを保持するチャック装置
において、前記ワークが浮上する方向において前記保持位置よりも前記保持部材側の領域である規制領域に配置されるとともに、前記浮上するワークとの接触によって前記浮上するワークの進路を前記規制領域の前記支持台側に規制する浮上規制部材を備えることを要旨とする。
【0008】
本発明のチャック装置によれば、保持位置よりも保持部材側の領域である規制領域では、浮上するワークの進路が浮上規制部材によって規制される。そのため、浮上するワークの慣性によって保持位置よりも保持部材側にワークが浮上しようとしても、ワークの進路が浮上規制部材で規制される結果、該ワークの浮上が抑制されることとなる。ワークの浮上によってワークが保持面に接触した場合には、保持面に変形が生じたり異物が付着したりする。この点、上記構成であれば、保持位置よりも保持部材側でワークの浮上が抑制される分、保持面に一旦変形が生じたり異物が付着したりすること、ひいては変形した部分や異物によって気体の流れが乱される結果、保持面に保持されているワークの姿勢が不安定になること、それを抑制することが可能である。そのうえ、慣性によるワークの浮上が停止した後には、浮上規制部材から離れた保持位置でワークが保持されるため、ワークと浮上規制部材との接触を防止することが可能である。その結果、ワークが保持される状態において、ワークの姿勢の安定性を高めつつ、且つ、ワークと他の部材との接触を防止することが可能である。
【0009】
このチャック装置における前記浮上規制部材は、前記保持位置に保持されたワークにおいて互いに異なる複数の周縁部分に対向するように配置されて該複数の周縁部分の進路を規制することを要旨とする。
【0010】
ワークが保持部材に向けて浮上する際には、保持面に対してワークが傾くことなく浮上する場合と、保持面に対してワークが傾いて浮上する場合とがある。これらのうち、保持面に対してワークが傾いて浮上する場合には、ワークの一端部が保持面側に先に浮上するかたちでワークが浮上する。そのため、先に浮上するワークの一端部とは異なる位置に浮上規制部材が配置されている場合には、ワークと浮上規制部材とが接触する前にワークの一端部と保持面とが接触してしまう虞がある。この点、このチャック装置によれば、ワークにおいて互いに異なる周縁部分に対向するように浮上規制部材が配置されている。こうした構成によれば、保持面に対してワークが傾いて浮上する場合であっても、先に浮上するワークの一端部と浮上規制部材との接触する可能性が高くなる結果、ワークの一端部と保持面とが接触することをより高い確率で抑制することが可能である。また、先に浮上するワークの一端部と浮上規制部材とが接触した後には、後に浮上するワークの他端部が保持面側に向けて浮上することになる。このような場合にも、後に浮上するワークの他端部と浮上規制部材との接触する可能性が高くなる結果、ワークの他端部と保持面とが接触することをより高い確率で抑制することが可能である。それゆえ、保持面とワークとの接触を確実に抑制することができる。
【0011】
このチャック装置は、前記ワークが浮上する方向において前記保持部材よりも前記支持台側には、前記浮上するワークの周縁を囲う進路規定部材が配置されていることを要旨とする。
【0012】
浮上規制部材とワークとが接触すると、その接触の程度によっては、ワークが保持面に保持される前に、ワークを構成する一側面の面方向にワークが移動してしまう虞がある。この点、このチャック装置によれば、ワークを構成する一側面の面方向において、浮上するワークの進路が進路規定部材によって規定される結果、ワークの浮上先が保持部材に向くことになる。それゆえに、ワークを構成する一側面の面方向へのワークの移動を進路規定部材により抑えることが可能である。
【0013】
このチャック装置における前記保持面には、前記凹部における旋回流の旋回方向と同じ方向に延びる渦巻き状の案内溝が設けられていることを要旨とする。
ここで、上記案内溝が設けられていない保持面においては、該保持面に沿って流れる気体が周辺の気体との摩擦などによって急激に減速することがある。こうした急激な減速は、凹部内で形成される旋回流の旋回状態を変化させる結果、凹部とワークとの間に形成される負圧を変動させて保持されているワークの姿勢を不安定にする虞がある。このチャック装置によれば、凹部から流出した気体が案内溝に導かれて保持面の外側まで円滑に流出する。そのため、凹部から流出した気体と周辺の気体との摩擦が抑えられて、保持面に沿って流れる気体の流速の急激な減速が抑えられる。その結果、保持されているワークの姿勢が安定するため、浮上規制部材とワークとが接触する機会を少なくすることが可能でもある。
【0014】
このチャック装置は、前記凹部が、円形孔であり、前記保持部が、前記凹部の内周面に開口を有して前記内周面の接線方向に延びる導入路を有することを要旨とする。
このチャック装置によれば、導入路を通して凹部に流入する気体が該凹部の内周面の接線方向に沿った流れを有するため、該凹部に気体の旋回流を効率よく発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態にかかるチャック装置の分解斜視図。
【図2】チャック装置の内部構造を示す断面図。
【図3】保持部材の斜視構造を示す斜視図であって、保持面とは反対側から見た図。
【図4】保持面を示す平面図。
【図5】保持面側におけるホルダ部の平面図であって、ワークが移動可能範囲の中央部で保持されている状態を示す図。
【図6】保持面側におけるホルダ部の平面図であって、ワークが移動可能範囲の一方に偏倚して保持されている状態を示す図。
【図7】(a)〜(d)ワークの浮上態様を説明するための説明図。
【図8】(a)(b)変形例にかかるワークの浮上態様を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態にかかるチャック装置について図1〜図7を参照して説明する。図1は、チャック装置の分解斜視図である。
図1に示されるように、チャック装置10は、ケース部11と、保持部材12と、圧縮空気供給源13とを有している。ケース部11は、下部ケース14と該下部ケース14に固定される上部ケース15とによって構成される。ケース部11は、保持部材12が配設されるホルダ部16と、該ホルダ部16に連なって直線状に延びるアーム部17とを有している。このアーム部17は、チャック装置10を手持ちとする場合にはグリップ部として機能し、装置に取り付ける場合には取付け部として機能する。
【0017】
下部ケース14には、ホルダ部16及びアーム部17に連なる段差18を有する多段状の凹部19が形成されている。下部ケース14のホルダ部16には、凹部19の底面に開口する、断面円状の4つの貫通孔20がマトリクス状に配置されている。そして4つの貫通孔20の各々に、保持部材12が挿入されている。また、アーム部17の延出方向を挟むように対向する2つの貫通孔20の間には、段差18と同じ高さを有するスペーサー部21が凹部19の底面から立設されている。
【0018】
上部ケース15は、平板状をなしている。上部ケース15の一端には、チューブ25を介して圧縮空気供給源13に接続されるチューブ接続口26が設けられている。上部ケース15は、凹部19の段差18及びスペーサー部21の上面に接触するかたちで該凹部1
9に挿入されるとともに、下部ケース14に対して気密に固定されている。
【0019】
次に、保持部材12について図2〜図4を参照して説明する。
図2は、チャック装置の断面構造を示す断面図であって、ワークが保持位置に保持されている状態を示している。図3は、保持部材の斜視構造を示す斜視図であって、保持面の反対側から見た図である。図4は、保持面を示す平面図であって、旋回室から流出した圧縮空気の流れを示した図である。なお、図2では、チャック装置10の内部構造を説明する便宜上、スペーサー部21を省略して示している。
【0020】
図2に示されるように、保持部材12は、外周面が貫通孔20の内周面に接触するかたちに軸30を中心軸とする円筒形状に形成されている。保持部材12の上側の端面31は、上部ケース15の下面に接触するように下部ケース14に配置されている。また保持部材12の上側の端面である保持面32は、該保持面32の略周方向に沿った段差を有する段差面であって、下部ケース14の下面からわずかに突出するように配置されている。また各保持部材12の保持面32が有する段差の最下端は、軸30と直交する同一平面上に配置される。そして、保持部材12の内周面が上部ケース15によって閉塞されることによって、凹部として円形孔状の旋回室33が形成される。また、保持部材12がケース部11に固定されることによって、ケース部11の内部には、圧縮空気供給源13からの圧縮空気がチューブ接続口26を介して供給される気体室28が上述した段差18及びスペーサー部21の高さに応じて形成される。
【0021】
図2及び図3に示されるように、保持部材12の端面31には、該保持部材12の内周面と外周面とに開口するとともに、端面31における開放部分が上部ケース15によって閉塞される導入路34が凹設されている。導入路34は、旋回室33と気体室28とを連通させて該気体室28内の圧縮空気を旋回室33に導入する。また導入路34は、旋回室33の内周面である円周面の略接線方向であって、該旋回室33の内周面において対向する位置から互いに相反する方向に向かって延出形成されている。こうした構成の導入路34であれば、該導入路34を通じて旋回室33に導入された圧縮空気は、該旋回室33の内周面に沿った流れを有するため、旋回室33内において旋回流を効率よく発生させることができる。こうした旋回室33における圧縮空気の旋回によって、旋回室33にはベルヌーイ効果に基づく負圧が発生する。そして旋回室33にて旋回流を形成した圧縮空気は、保持面32における開口部から流出する。
【0022】
図4に示されるように、保持部材12の保持面32には、旋回室33から流出する圧縮空気を案内する3つの案内溝35,36,37が設けられている。案内溝35,36,37は、保持部材12の内周面に始端を、外周面に終端を有して、旋回室33で生じる旋回流の旋回方向と同じ方向の渦巻き状に形成されている。案内溝35,36,37は、上記軸30を中心として120°だけ回転移動させたかたちの同一の構造をなしている。すなわち、案内溝35,36,37は、各始端が保持部材12の内周面における周方向に等間隔で設けられているとともに、各終端が保持部材12の外周面における周方向に等間隔で設けられている。このように案内溝35,36,37の始端を内周面における周方向に等間隔で設けることによって、各案内溝35,36,37に流入する圧縮空気量を均一にすることができる。旋回室33から流出した圧縮空気は、各案内溝35,36,37に案内されて保持面32の外側へと流出する。なお図4では、案内溝35における圧縮空気の流れを実線、案内溝36における圧縮空気の流れを一点鎖線、案内溝37における圧縮空気の流れを破線で示している。この流出過程において案内溝35,36,37を流れる圧縮空気の一部が該案内溝35,36,37の開放部分から保持面32側へと流れ出す。そして、この流れ出した圧縮空気によって、保持面32とワークWとの間に正圧が発生する。
【0023】
ここで、ワークWには渦巻き状の各案内溝35,36,37を流れる圧縮空気によって
その流れ方向に応じた回転力が与えられることになる。そのため、マトリクス状に配置される4つの保持部材12を全て同じ旋回方向で構成したとあっては、上記回転力によってワークWの上面Waに沿ってワークWが回転してしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、マトリクス状に配置される4つの保持部材12は、対角位置に配置された2つの保持部材12において旋回流の旋回方向が同じであるとともに、スペーサー部21を挟むかたちに配置された2つの保持部材12においては旋回流の旋回方向が反対になるように構成されている(図1参照)。こうした構成であれば、案内溝を流れる圧縮空気によってワークWが受ける回転力を互いに打ち消し合うことができるため、ワークWの上面Waの面方向におけるワークWの回転を抑えることができる。
【0024】
また、案内溝35,36,37の終端においては、該案内溝35,36,37を流れた圧縮空気が保持面32の外側へ流出することにともなって急激な圧力の低下を生じている。そのため、保持されているワークWがその圧力低下している部分に引き寄せられてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、案内溝35,36,37の終端は、保持部材12の外周面における周方向に等間隔で配置されている。こうした構成であれば、保持されているワークWに対して上述した終端付近における圧力の低下が軸30を中心に均等に作用する。
【0025】
さらに、上述した案内溝35,36,37が形成されていない保持面にあっては、旋回室33の開口部から流出した圧縮空気の流速が周辺の気体との摩擦などによって急激に低下することがある。こうした急激な流速の低下は、旋回室33にて形成される旋回流の旋回状態を変化させるため、該旋回流によって形成される負圧の変動を招いてしまう。これに対して、上記構成によれば、旋回室33から流出する圧縮空気は、案内溝35,36,37によって案内されて保持面32の外側に流出することから、案内溝が形成されていない保持面を通じて外側に流出される圧縮空気に比べて、保持面32の外側に円滑に流出することとなる。すなわち、案内溝35,36,37を流れる圧縮空気に急激な減速が生じ難くなることから、旋回流の旋回状態を安定させることができ、ひいては旋回室33で発生する負圧の変動を抑えることができる。
【0026】
こうした構成のチャック装置10によれば、圧縮空気がケース部11に供給されるとともに、支持台40に支持されたワークWと保持面32との距離が、上記負圧がワークWに作用する浮上開始距離になると、該ワークWが支持台40から浮上する。このような浮上開始距離は、旋回室33に供給される圧縮空気の流量やワークWの自重などに応じて異なる距離である。この際、浮上したワークWには、浮上する方向(以下、単に浮上方向という。)に沿う方向における力として、上記負圧に基づく力と上記正圧に基づく力との他、ワークWの自重、装置周辺雰囲気の圧力(本実施形態では大気圧)に基づく力などが作用する。そしてワークWは、これらの力が釣り合った位置で保持面32に対して非接触の状態で保持される。すなわちチャック装置10は、上記負圧と上記正圧とをワークWに作用させることによって、保持面32から保持距離HDだけ離れた位置を保持位置としてワークWを保持する。
【0027】
ところで、浮上過程にあるワークWは、その位置が上述した保持位置で安定する前に、支持台40からの浮上に基づく慣性によって該保持位置よりも保持面32側に一旦移動する。そのため、ワークWが保持位置で保持されるまでの過程では、該ワークWと保持面32とが接触する虞がある。そこで本実施形態のチャック装置10には、こうしたワークWの浮上に基づく慣性によってワークWと保持面32とが接触することを抑えるべく、浮上方向におけるワークWの進路を規制する浮上規制部材45が設けられている。
【0028】
図2に示されるように、チャック装置10は、下部ケース14の下面に固定されて該下面から支持台40に向かって延びる浮上規制部材45を有している。浮上規制部材45の
下端面45aは、保持位置にあるワークWの上面Waよりも保持面32側の領域である規制領域Sにおいて同一平面上に配置されているとともに、ワークWの浮上方向において該ワークWの周縁部に対向するように配置されている。こうした構成であれば、保持位置よりも保持面32側にワークWが浮上した場合であっても、浮上方向におけるワークWの進路が浮上規制部材45によって規制されることから、保持面32とワークWとの接触を抑えることができる。また、浮上規制部材45の下端面45aが、保持位置にあるワークWの上面Waよりも保持面32側に配置されていることから、浮上規制部材45に接触した状態でワークWが保持されることもない。
【0029】
一方、浮上規制部材45とワークWとが接触すると、その接触の程度によっては、ワークWが保持位置で保持される前に、ワークWの上面Waの面方向に沿ってワークWが移動してしまう虞がある。こうしたワークWの移動によって、例えばワークWの上面Waの面方向における負圧の作用範囲外にまでワークWが移動してしまうと、ワークWの上面Waに作用する力の釣り合いが該上面Wa内で崩れてしまい、保持されているワークWが脱落することにもなる。そこで本実施形態では、ワークWの上面Waの面方向におけるワークWの進路を保持部材12に向けて規定する進路規定部材としての規定ピン46が設けられている。
【0030】
図2に示されるように、下部ケース14の下面には、支持台40に向かって延びる進路規定部材としての規定ピン46が、保持位置にあるワークWの下面よりも支持台40側に先端面46aが配置されるように設けられている。規定ピン46は、保持位置にあるワークWの外側面を囲うように配置されてワークWの上面Waの面方向におけるワークWの並進や回転を規制する。すなわち、規定ピン46は、ワークWの上面Waの面方向におけるワークWの移動可能範囲を各保持部材12の下方に規定する。こうした構成のチャック装置10によれば、支持台40に支持されているワークWを規定ピン46で規定される移動可能範囲内に位置させることにより、該ワークWを保持面32に向かって浮上させることが可能である。そして、規定ピン46によってワークWの上面Waの面方向におけるワークWの移動可能範囲が規定されることによって、ワークWにおける浮上規制部材45との接触部分が限定されるとともに、ワークWの上面Waの面方向に沿って移動して保持部材12から離間しようとしてもその進路を保持部材12に向けさせることができる。
【0031】
次に、上述した浮上規制部材45及び規定ピン46について、図5及び図6を参照してさらに詳細に説明する。図5及び図6には、ワークWの形状を矩形板状に具体化した形態を例示している。図5及び図6は、上記チャック装置の保持面側におけるホルダ部の平面図であって、より詳しくは、図5は保持されているワークの位置が移動可能範囲の中央部である状態を示した図である。また図6は保持されているワークの位置が移動可能範囲における一方に偏倚している状態を示した図である。
【0032】
図5に示されるように、規定ピン46は、ワークWの下面を構成する4つの辺の各々に対して2つずつ配置されて図中に二点鎖線で示すような四角形状の移動可能範囲Aを規定する。規定ピン46は、該規定ピン46によって規定される移動可能範囲Aの中央部でワークWを保持させたときに、移動可能範囲Aを構成する辺とワークWの辺との側方距離が側方距離SDになるように配置される。一方、浮上規制部材45は、ワークWが有する4つの周縁部の各々に対向するように配置されている。
【0033】
図5に示されるように、各浮上規制部材45の下端面45aは、規定ピン46によって囲まれる移動可能範囲Aの中央にワークWが保持されるとき、ワークWの周縁部に下端面45aが対向するように配置されている。また図6に示されるように、各浮上規制部材45の下端面45aは、ワークWが移動可能範囲Aの一方に偏倚した状態で保持される場合であっても、ワークWの周縁部に下端面45aが対向するように配置されている。
【0034】
ここで、ワークWを浮上させるときには、保持面32に対してワークWが傾くことなく浮上する場合と、保持面32に対してワークWが傾いて浮上する場合とがある。これらのうち、保持面32に対してワークWが傾いて浮上する場合には、ワークWの一端部が保持面32側に先に浮上するかたちでワークが浮上する。そのため、先に浮上するワークWの一端部とは異なる位置に浮上規制部材45が配置されている場合には、ワークWと浮上規制部材45とが接触する前にワークWの一端部と保持面32とが接触してしまう虞がある。
【0035】
この点、上記構成の浮上規制部材45によれば、ワークWが移動可能範囲Aにある限り、ワークWが有する4つの周縁部の各々に対向するように、各浮上規制部材45が配置されている。こうした構成によれば、ワークWが保持面32に対して傾いて浮上する場合であっても、先に浮上するワークWの周縁部と浮上規制部材45との接触する可能性が高くなる結果、ワークWの一端部と保持面32とが接触することをより高い確率で抑制することが可能である。また、先に浮上するワークWの周縁部と浮上規制部材45とが接触した後には、後に浮上する他の周縁部が保持面32側に向けて浮上することになる。このような場合にも、後に浮上するワークWの周縁部と浮上規制部材45との接触する可能性が高くなる結果、ワークWの他端部と保持面32とが接触することをより高い確率で抑制することが可能である。それゆえ、保持面32とワークWとの接触を確実に抑制することができる。
【0036】
次に、上述したチャック装置10におけるワークWの浮上の態様について図7を参照して説明する。図7(a)〜(d)は、ワークの浮上態様を説明するための説明図である。詳述すると、図7(a)はワークWが支持台40に支持されている状態を示す図、図7(b)は保持面32に対してワークWが平行なまま浮上して浮上規制部材45に接触した状態を示す図である。また図7(c)は移動可能範囲Aの一方に偏倚したワークWが一つの周縁部を先に浮上させて該周縁部が浮上規制部材45に接触した状態を示す図、図7(d)はワークWが保持位置で保持された状態を示す図である。
【0037】
上述したチャック装置10によってワークWを保持する場合には、まず図7(a)に示されるように、支持台40に支持されているワークWが移動可能範囲Aと対向する位置、すなわち各規定ピン46によって囲まれる領域の内側に位置するように、作動中のチャック装置10がワークWに近づけられる。そしてワークWと保持面32との距離が上記浮上開始距離になるようにチャック装置10がワークWに近づけられると、該ワークWが支持台40から浮上する。
【0038】
次いで、保持面32に対して平行な状態を保ったままワークWが浮上すると、図7(b)に示されるように、その浮上にともなう慣性によって保持位置よりも保持面32側にワークWが浮上してワークWの周縁部が浮上規制部材45に接触する。あるいは、図7(c)に示されるように、支持台40に支持されているワークWが移動可能範囲Aの一方に偏倚した状態、例えば4つの規定ピン46うちの1つの規定ピン46にワークWが近づくように、かつワークWの4つの周縁部のうちの1つが先に浮上するようにワークWが浮上しても、該1つの周縁部はそれと対向する浮上規制部材45と接触する。また、ワークWの4つの周縁部のうちで後に浮上する周縁部も該周縁部と対向する浮上規制部材45に接触する。
【0039】
つまり、ワークWが保持面32に対して平行に浮上する場合であれ、移動可能範囲Aの一方に偏倚した位置から一つの周縁部が先行して浮上する場合であれ、保持面32とワークWとの接触が抑えられることとなる。また、ワークWと浮上規制部材45との接触によって該ワークWが上面Waの面方向に移動したとしても、該ワークWが移動可能範囲Aか
ら外れるようなワークWの移動は、規定ピン46によって規制される。そして、図7(d)に示されるように、ワークWは、該ワークWに作用する力の釣り合った保持位置で保持されることとなる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態のチャック装置10によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、保持位置にあるワークWの上面Waよりも保持面32側の領域である規制領域Sに下端面45aを配置した浮上規制部材45が設けられている。こうした構成によれば、ワークWの浮上方向における進路が規制領域Sで規制されることになる。これにより、保持位置よりも保持面32側に浮上したワークWと保持面32との接触を抑えることができる。つまり、ワークWと保持面32との接触による該保持面32の変形や異物の付着が抑えられることから、保持されているワークWの姿勢の安定性を高めることができる。また、浮上規制部材45の下端面45aが保持位置にあるワークWよりも保持面32側に配置されていることから、保持面32及び浮上規制部材45に接触しない状態でワークWを保持することができる。
【0041】
(2)上記実施形態の浮上規制部材45は、矩形板状のワークWが有する4つの周縁部の各々に対して対向するように配置されている。こうした構成であれば、ワークWの4つの周縁部のうちの1つが保持面32に向けて先に浮上する場合であっても、該周縁部と浮上規制部材45との接触する可能性が高くなる結果、ワークWの一端部と保持面32とが接触することをより高い確率で抑制することが可能である。また、先に浮上するワークWの周縁部と浮上規制部材45とが接触した後には、後に浮上するワークWの他の周縁部が保持面32側に向けて浮上することになる。このような場合にも、後に浮上するワークWの他の周縁部と浮上規制部材45との接触する可能性が高くなる結果、ワークWの他の周縁部と保持面32とが接触することをより高い確率で抑制することが可能である。それゆえ、保持面32とワークWとの接触を確実に抑制することができる。
【0042】
(3)上記実施形態によれば、ワークWの上面Waの面方向においてワークWの並進や回転を規制して該ワークWの移動可能範囲Aを規定する規定ピン46が設けられている。こうした構成によれば、浮上規制部材45とワークWとの接触などによって保持面32の面方向にワークWが移動したとしても、規定ピン46とワークWとの接触によって該ワークを移動可能範囲A内に保持することができる。
【0043】
(4)上記実施形態の保持面32には、旋回室33における旋回流の旋回方向と同じ方向に延びる渦巻き状の案内溝35,36,37が設けられている。こうした構成によれば、案内溝35,36,37内を流れる圧縮空気は、周辺の圧縮空気との摩擦などによる流れの乱れが抑えられて保持面32の外側に円滑に流出されることとなる。これにより、旋回室33における旋回流の旋回状態が安定するため、該旋回室33で発生する負圧の変動を抑えることができる。それゆえ、保持位置にあるワークWの姿勢が安定することから、保持されているワークWと浮上規制部材45とが接触することを確実に防止することができる。
【0044】
(5)上記実施形態によれば、案内溝35,36,37の始端を保持部材12の内周面における周方向に等間隔となるように配置した。また、案内溝35,36,37の終端を保持部材12の外周面における周方向に等間隔で配置した。こうした構成によれば、該案内溝35,36,37に圧縮空気を均一に流入させることができるとともに、各案内溝35,36,37の終端付近における急激な圧力低下をワークWに対して軸30を中心に均等に作用させることができる。それゆえ、保持位置にあるワークWの姿勢が安定することから、保持されているワークWと浮上規制部材45とが接触することをより確実に防止することができる。
【0045】
(6)上記実施形態によれば、導入路34は、旋回室33の内表面における接線方向であって、該旋回室33の内表面において対向する位置から互いに相反する方向に向かって延出形成されている。こうした構成によれば、導入路34を通じて導入された圧縮空気は、旋回室33の内表面に沿った流れを有するため、旋回室33内において旋回流を効率よく発生させることができる。
【0046】
(7)上記実施形態のチャック装置10においては、複数の保持部材12を旋回方向の異なる同数で構成した。こうした構成によれば、案内溝35,36,37を流れる圧縮空気がワークに与える回転力を互いに打ち消すことができる。それゆえ、ワークWの上面Waの面方向におけるワークWの回転を抑えることができる。
【0047】
(8)上記実施形態によれば、各旋回室33には、共通する気体室28内の圧縮空気が各導入路34を通じて導入される。こうした構成によれば、各旋回室33に導入される圧縮空気の圧力及び流量が略等しくなるため、各旋回室33で発生する負圧の均一化を図ることができる。それゆえ、保持位置にあるワークWの姿勢が保持面32に対してより平行になるとともに、支持台40から浮上する際にワークWの一端部が先行して浮上することを抑えることもできる。
【0048】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、凹部としての旋回室33が円形孔状に形成されるとともに、導入路34が旋回室33の内周面の接線方向であって、該旋回室33の内周面で対向する位置から互いに相反する方向に向かって延出形成される。これに限らず、旋回室33において圧縮空気の旋回流が形成されるのであれば、例えば、上記した対向する位置から旋回室33の内表面における接線方向と交差する方向に導入路34が延出形成されていてもよい。また、導入路34を通じて導入された圧縮空気によって旋回室33に旋回流が形成されるのであれば、旋回室33の形状は円形孔状に限られない。
【0049】
・上記実施形態では、ケース部11に配設される複数の保持部材12が、旋回方向の異なる同数の保持部材12によって構成される。これを変更して、案内溝35,36,37を流れる圧縮空気がワークWに与える回転力の影響を受けないのであれば、ケース部11に配設される複数の保持部材12を、例えば旋回方向が同じ保持部材12のみで構成してもよい。
【0050】
・上記実施形態では、凹部としての旋回室33が、保持部材12と上部ケース15とによって構成される。これを変更して、凹部は、例えば保持部材12だけで構成してもよい。すなわち、保持部材12に保持面32に開口する有底の内部空間を形成して、該内部空間を凹部としてもよい。この際、導入路34は、上記内部空間に開口して保持部材12の周壁を貫通する貫通孔で構成される。
【0051】
・上記実施形態の保持面32には、始端ならびに終端が保持部材12の内周面ならびに外周面の周方向において等間隔に配置されるように、3つの案内溝35,36,37が形成される。これに限らず、保持面32に形成される案内溝の個数は0以上の整数であればよい。また複数の案内溝が形成されている場合には、それらの始端ならびに終端も保持部材12の内周面ならびに外周面における周方向に等間隔で配置されるものに限られるものでもない。そして保持面32は、案内溝35,36,37が割愛された平面であってもよい。
【0052】
・上記実施形態のチャック装置10には、保持位置にあるワークWの外側面を囲うように進路規定部材としての規定ピン46が設けられている。これに限らず、進路規定部材は
、ワークWの上面Waの面方向におけるワークWの移動を規制することが可能であればよく、例えば、ワークWの外側面を該ワークWの周方向の全域にわたって囲うように構成してもよく、あるいは上述した規定ピン46が1つだけ設けられる構成であってもよい。また、ワークWの上面Waの面方向に沿うワークWの移動が無視されるようなワークWの浮上の態様であれば、上述した進路規定部材が割愛される構成であってもよい。
【0053】
・上記実施形態の浮上規制部材45は、それの下端面45aが矩形板状のワークWが有する4つの周縁部の各々に対向するように配置されている。これに限らず、浮上規制部材45は、ワークWと保持面32との接触が抑えられるのであれば、例えば、ワークWの4つの周縁部のいずれか一つに対向するように配置されていてもよい。
【0054】
・上記実施形態の浮上規制部材45は、下部ケース14の下面に固定されている。これに限らず、浮上規制部材45は、ワークWとの接触によって浮上方向におけるワークWの進路を規制する構成であればよい。例えば、図8に示されるように、浮上規制部材45をケース部11に収容可能に構成するとともに、下部ケース14の下面から浮上方向に沿う方向に浮上規制部材45の下端面45aを進退させる移動装置51が別途設けられる構成であってもよい。
【0055】
浮上規制部材45が固定された構成では、浮上規制部材45に接触する際のワークWの浮上量が下端面45aの位置によって固定されるが、上記構成であれば、浮上規制部材45に接触する際のワークWの浮上量の自由度を拡張することができる。そのため、浮上するワークWと浮上規制部材45との距離を短くするような態様でワークWを浮上させることが可能である。
【0056】
例えば、チャック装置によってワークWが保持される際に、図8(a)に示されるように、まず保持位置におけるワークWの上面Waを示す仮想線52よりも支持台40側に、浮上規制部材45の下端面45aが配置される。そして、図8(b)に示されるように、浮上規制部材45が固定された上記実施形態と比較して下端面45aとワークWとの距離が短くなるように、移動装置51が浮上規制部材45をケース部11内に待避させながら、ワークWを仮想線52まで浮上させる。こうしたワークWの浮上態様によれば、浮上規制部材45の下端面45aが固定された上記実施形態と比較して、浮上規制部材45とワークWとの接触時におけるワークWの速度が抑えられる。そのため、浮上するワークWと浮上規制部材45とが接触する場合であっても、接触時にワークWが受ける衝撃を抑えることができる。これにより、浮上規制部材45との接触によるワークWの変形などを抑えることができる。
【0057】
・上記実施形態のチャック装置10は、直方体形状のワークWを保持するものとした。これに限らず、チャック装置が保持するワークの形状は、例えば円板形状であってもよい。こうした場合には、円板形状の周方向に所定間隔毎に浮上規制部材45、進路規制部材としての規定ピン46を設けるとよい。
【0058】
・上記実施形態における各保持部材12の旋回室33には、一つの気体室28から圧縮空気が導入されるが、これを変更して、各保持部材12の旋回室33に対して個別の気体室から圧縮空気が導入される構成であってもよい。
【0059】
・上記実施形態のチャック装置10では、気体として圧縮空気を用いたが、気体は例えば不活性ガスなどであってもよい。
【符号の説明】
【0060】
A…移動可能範囲、W…ワーク、Wa…上面、HD…保持距離、SD…側方距離、S…
規制領域、10…チャック装置、11…ケース部、12…保持部材、13…圧縮空気供給源、14…下部ケース、15…上部ケース、16…ホルダ部、17…アーム部、18…段差、19…凹部、20…貫通孔、21…スペーサー部、25…チューブ、26…チューブ接続口、28…気体室、30…軸、31…端面、32…保持面、33…旋回室、34…導入路、35,36,37…案内溝、40…支持台、45…浮上規制部材、45a…先端面、46…規定ピン、46a…先端面、51…移動装置、52…保持位置にあるワークの上面を示す仮想線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対向する保持面を有するとともに該保持面に凹部を有した保持部材を備え、
前記凹部に流入した気体の旋回流によって前記凹部と前記ワークとの間に負圧を形成するとともに、前記凹部から流出した気体によって前記保持面と前記ワークとの間に正圧を形成することによって、支持台に支持されたワークを前記保持部材に向けて浮上させて前記保持部材から離れた保持位置で該ワークを保持するチャック装置において、
前記ワークが浮上する方向において前記保持位置よりも前記保持部材側の領域である規制領域に配置されるとともに、前記浮上するワークとの接触によって前記浮上するワークの進路を前記規制領域の前記支持台側に規制する浮上規制部材を備える
ことを特徴とするチャック装置。
【請求項2】
前記浮上規制部材は、
前記保持位置に保持されたワークにおいて互いに異なる複数の周縁部分に対向するように配置されて該複数の周縁部分の進路を規制する
ことを特徴とする請求項1に記載のチャック装置。
【請求項3】
前記ワークが浮上する方向において前記保持部材よりも前記支持台側には、前記浮上するワークの周縁を囲う進路規定部材が配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のチャック装置。
【請求項4】
前記保持面には、前記凹部における旋回流の旋回方向と同じ方向に延びる渦巻き状の案内溝が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のチャック装置。
【請求項5】
前記凹部が、円形孔であり、
前記保持部が、前記凹部の内周面に開口を有して前記内周面の接線方向に延びる導入路を有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のチャック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−161528(P2011−161528A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24064(P2010−24064)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】