説明

乾式コンデンサ及び電力変換装置

【課題】 安全性に優れた乾式コンデンサ及び電力変換装置を提供する。
【解決手段】 乾式コンデンサは、それぞれ共通の一端面側に位置した端子を有した複数のコンデンサ素子11と、複数のコンデンサ素子の上記一端面側を覆ったモールド材15と、上記モールド材に対して上記複数のコンデンサ素子の反対側で、上記モールド材に隣接し、地絡される導体DT1と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乾式コンデンサ及び電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉄道車両には、電動機電力を供給する電力変換装置が搭載され、この電力変換装置は接地されている。電力変換装置は、通常、鉄道車両の床下に設置され、鉄道架線から電力が供給される。電力変換装置は、変圧器、コンデンサ及び電力変換回路を備えている。電力変換回路は、複数個の半導体モジュールで形成されたインバータ回路を有している。
【0003】
コンデンサは、フィルタコンデンサであり、鉄道架線から変圧器等を介して入力される直流電力を平滑化し、平滑化した直流電力をインバータ回路に与える。インバータ回路は、直流電力を交流電力に変換し、交流電力を電動機に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−31690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、上記電力変換装置の小形・軽量化が進み、特に軽量化のために、上記コンデンサには、従来使用したオイル(油入式)コンデンサに替えた乾式コンデンサの適用が目覚しい。乾式コンデンサを構成する各コンデンサ素子の誘電体には、保安機構として自己回復機能を持たせている。このような乾式コンデンサは、一般にSH(Self-Healing)コンデンサと呼ばれている。上記コンデン素子は、(1)ヒーリング動作、(2)ヒューズパターン動作するように構成されている。上記(1)、(2)の動作は次に示す通りである。
【0006】
(1)ヒーリング動作:誘電体が何らかの原因で絶縁破壊すると、その部分の電極が瞬時に蒸発気化し、コンデンサ素子の機能を回復させる。
【0007】
(2)ヒューズパターン動作:上記(1)において、自己回復機能を超えた誘電体破壊が生じたとき、絶縁破壊時の発生する過電流により、小区分単位にヒューズパターンにより、コンデンサ素子の故障部分が回路から切り離される。
【0008】
ところで、誘電体の絶縁破壊箇所の面積が大きい場合、バックパワーにより供給される電気エネルギが破壊箇所に集中し、熱暴走にいたる場合がある。この場合、コンデンサ素子は自己回復機能を失い、コンデンサ素子内部に多量の分解ガスが発生し、発煙、発火に至る恐れがある。上記事象は、鉄道車両用の電力変換装置として絶対にあってはならないものである。
【0009】
また、上記事象は、過負荷での長時間運転による、コンデンサ素子の内部の温度上昇や、乾式コンデンサの周囲の温度上昇等に左右される。なお、最悪なケースは、中途半端な絶縁破壊が続き、長時間に亘ってガスが発生し、そのガスが装置内部に蓄積され、爆発破壊に繋がることである。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、安全性に優れた乾式コンデンサ及び電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態に係る乾式コンデンサは、
それぞれ共通の一端面側に位置した端子を有した複数のコンデンサ素子と、
前記複数のコンデンサ素子の前記一端面側を覆ったモールド材と、
前記モールド材に対して前記複数のコンデンサ素子の反対側で、前記モールド材に隣接し、地絡される導体と、を備える。
【0011】
また、一実施形態に係る電力変換装置は、
それぞれ共通の一端面側に位置した端子を有した複数のコンデンサ素子と、前記複数のコンデンサ素子の前記一端面側を覆ったモールド材と、前記モールド材に対して前記複数のコンデンサ素子の反対側で、前記モールド材に隣接し、地絡される導体と、を備え、入力される電力を平滑化する乾式コンデンサと、
前記乾式コンデンサにて平滑化された電力が与えられる電力変換回路と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る電力変換装置を示す回路図である。
【図2】図1の乾式コンデンサの外観を示す概略斜視図である。
【図3】図2の乾式コンデンサを線A−Aに沿って示す断面図である。
【図4】上記乾式コンデンサの配線されている複数のコンデンサ素子を示す概略斜視図である。
【図5】第2の実施形態に係る電力変換装置を示す回路図である。
【図6】第3の実施形態に係る電力変換装置を示す回路図である。
【図7】図6の乾式コンデンサの外観を示す概略斜視図である。
【図8】上記乾式コンデンサの変形例のフレームを示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら第1の実施形態に係る電力変換装置について詳細に説明する。ここでは、鉄道車両に電力を供給する電力変換装置について説明する。
図1に示すように、電力変換装置は、高速遮断器HBと、直流リアクトルDCLと、電流検出器GCTと、乾式コンデンサFCと、電力変換部としての2レベルPWMインバータ回路INVとを備えている。
【0014】
なお、全てを図示しないが、鉄道車両は、それぞれ車輪SSが設けられた一対の台車フレームと、台車フレームに空気ばねを介して支持された車体と、パンタグラフPPとを備えている。車輪SSは、レールRRに接触するため、地絡されている。
【0015】
電力変換装置は、車体の床下に設置されている。詳しくは、高速遮断器HB及び直流リアクトルDCLは、車体の床下に設けられた筐体B1内に収容されている。電流検出器GCT、乾式コンデンサFC及び2レベルPWMインバータ回路INVは、車体の床下に設けられた筐体B2内に収容されている。筐体B2のアース端子Eは、負電位側の車輪SSに電気的に接続され、感電等を防止している。
【0016】
高速遮断器HBは、パンタグラフPPを介して鉄道架線Oに電気的に接続されている。直流リアクトルDCLは、高速遮断器HBに接続されている。乾式コンデンサFCは、一方が直流リアクトルDCLに接続され、他方が車輪SSに接続されている。乾式コンデンサFCは、乾式フィルタコンデンサであり、入力される電力を平滑化するものである。電流検出器GCTは、貫通タイプの電流検出器であり、正側電流+Idと、負側電流−Idとの差電流ΔIdを測定するものである。
【0017】
2レベルPWMインバータ回路INVは、乾式コンデンサFC及び電動機M1間に接続されている。2レベルPWMインバータ回路INVは、3個の半導体モジュール群21、22、23で形成されている。半導体モジュール群21、22、23は互いに並列に接続されている。2レベルPWMインバータ回路INVは、相対的に、負電位側の端子N及び正電位側の端子Pを有している。2レベルPWMインバータ回路INVは、端子N及び端子Pから入力される直流電力を交流電力に変換し、交流電力を電動機M1に供給するものである。
【0018】
半導体モジュール群21は、端子N及び端子P間に直列に接続された第1半導体モジュールQU及び第2半導体モジュールQXを含んでいる。半導体モジュール群22は、端子N及び端子P間に直列に接続された第1半導体モジュールQV及び第2半導体モジュールQYを含んでいる。半導体モジュール群23は、端子N及び端子P間に直列に接続された第1半導体モジュールQW及び第2半導体モジュールQZを含んでいる。
【0019】
第1半導体モジュールQU、QV、QW及び第2半導体モジュールQX、QY、QZは、それぞれスイッチング素子としてのIGBT(絶縁ゲート型トランジスタ)及びダイオードを有している。各半導体モジュール群21、22、23の第1半導体モジュール及び第2半導体モジュールのIGBTは、これらの各ゲートに、図示しないゲート駆動回路からゲート信号が与えられ、導通状態又は非導通状態に切替える。
上記のように電力変換装置が構成されている。
【0020】
次に、上記乾式コンデンサFCについて詳細に説明する。
図1、図2、図3及び図4に示すように、乾式コンデンサFCは、複数のコンデンサ素子11、モールド材15、導体DT1及びケースCAを備えている。
【0021】
コンデンサ素子11は、一対の帯状の電極を誘電体を挟んで捲回することにより円柱状に形成されている。コンデンサ素子11の外周は、絶縁シートで覆われている。複数のコンデンサ素子11は、隣接して並んでいる。ここでは、複数のコンデンサ素子11は、縦方向に5個、長さ方向に7個並べられ、計35個並べられている。
【0022】
複数のコンデンサ素子11は、それぞれ、正電位側の端子12及び負電位側の端子13を有している。ここでは、複数のコンデンサ素子11のうち、複数の端子12は共通の一端面側に位置し、複数の端子13は共通の他端面側に位置している。なお、端子12は、上記の一方の電極に接続されたリードで形成されている。端子13は、上記の他方の電極に接続されたリードで形成されている。
【0023】
複数の端子12は配線5により互いに接続され、また、複数の端子13も配線6により互いに接続されている。そして、複数の端子12は配線5により端子1に接続されている。複数の端子13は配線6により端子2に接続されている。
【0024】
モールド材15は、複数のコンデンサ素子11の一端面側(端子12と対向した側)を覆っている。モールド材16は、複数のコンデンサ素子11の他端面側(端子13と対向した側)を覆っている。
【0025】
導体DT1は、モールド材15に対して複数のコンデンサ素子11の反対側で、モールド材15に隣接して設けられている。導体DT1は、電線DS1により筐体B2の接続点FE1に接続されている。このため、導体DT1は地絡される。導体DT1は、複数のコンデンサ素子11の中、中央に位置した複数のコンデンサ素子11に対向するようなサイズに形成されている。
【0026】
ケースCAは、複数のコンデンサ素子11及びモールド材15、16を収容している。ケースCAは、プラスチックで矩形箱状に形成されている。導体DT1は、ケースCAに取り付けられている。導体DT1はケースCAの一部を形成している。このため、ケースCAは、モールド材15を導体DT1に隣接するよう収容している。また、ケースCAは、上記端子1、2も取り付けられている。端子1は端子Pに接続され、端子2は端子Nに接続されている。ケースCAには、複数の孔部hが形成されている。このため、ケースCAは、孔部hを使用して筐体B2内の所定個所に取り付けられている。
【0027】
次に、上記電力変換装置において、乾式コンデンサFCが正常に機能する場合について説明する。
正電位側(端子P側)の電流値の大きさ|+Id|と、負電位側(端子N側)の電流値の大きさ|−Id|とは同等となる。このため、電流検出器GCTで検出した差電流ΔIdはほぼ0となり、この差電流ΔIdは図示しない制御回路に入力される。これにより、制御回路は、電力変換装置(乾式コンデンサFC)が正常に機能していると判断することができる。
【0028】
次に、上記電力変換装置において、乾式コンデンサFCが正常に機能しない場合として、コンデンサ素子11の正電位側(端子12側)が導体DT1に短絡し、地絡した場合について説明する。
正電位側(端子P側)の電流値+Idは増加するのに対し、負電位側(端子N側)の電流値−Idは減少する。このため、電流検出器GCTで検出した差電流ΔId=|+Id|−|−Id|は、正側に増加する。その結果、制御回路は、乾式コンデンサFCが地絡したものと判断することができる。これにより、電力変換装置の動作を停止するよう、システムの保護装置を働かせることができる。
【0029】
上記のように構成された第1の実施形態に係る電力変換装置によれば、乾式コンデンサFCの内部の正電位側に不具合が発生し、異常な温度上昇が生じると、モールド材15が溶解し、コンデンサ素子11の正電位側の導体(電極、端子12又は配線5等)と、導体DT1との間に電気アーク又は短絡を発生させ、正電位側の主回路を地絡させることができる。
【0030】
この場合、電力変換装置の動作を停止するよう、システムの保護装置を働かせることができる。乾式コンデンサFC及びその周辺回路の温度上昇を抑えられるため、乾式コンデンサFCに起因した被害の拡大を抑制することができる。このため、例えば、乾式コンデンサFCの爆発破壊の発生を防止することができる。
上記のことから、安全性に優れた乾式コンデンサ及び電力変換装置を得ることができる。
【0031】
次に、第2の実施形態に係る電力変換装置について詳細に説明する。この実施形態において、他の構成は上述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0032】
図2、図3及び図5に示すように、乾式コンデンサFCは、導体DT1の替わりに他の導体DT2を備えている。導体DT2は、モールド材16に対して複数のコンデンサ素子11の反対側で、モールド材16に隣接して設けられている。導体DT2は、電線DS2により筐体B2の接続点FE2に接続されている。このため、導体DT2は地絡される。導体DT2は、複数のコンデンサ素子11の中、中央に位置した複数のコンデンサ素子11に対向するようなサイズに形成されている。
【0033】
導体DT2は、ケースCAに取り付けられている。導体DT2はケースCAの一部を形成している。このため、ケースCAは、モールド材16を導体DT2に隣接するよう収容している。
【0034】
次に、上記電力変換装置において、乾式コンデンサFCが正常に機能する場合について説明する。
正電位側(端子P側)の電流値の大きさ|+Id|と、負電位側(端子N側)の電流値の大きさ|−Id|とは同等となる。このため、電流検出器GCTで検出した差電流ΔIdはほぼ0となり、この差電流ΔIdは図示しない制御回路に入力される。これにより、制御回路は、電力変換装置(乾式コンデンサFC)が正常に機能していると判断することができる。
【0035】
次に、上記電力変換装置において、乾式コンデンサFCが正常に機能しない場合として、コンデンサ素子11の負電位側(端子13側)が導体DT2に短絡し、地絡した場合について説明する。
負電位側(端子N側)の電流値−Idは減少するのに対し、正電位側(端子P側)の電流値+Idは変化しない。このため、電流検出器GCTで検出した差電流ΔId=|+Id|−|−Id|は、正側に増加する。その結果、制御回路は、乾式コンデンサFCが地絡したものと判断することができる。これにより、電力変換装置の動作を停止するよう、システムの保護装置を働かせることができる。
【0036】
上記のように構成された第2の実施形態に係る電力変換装置によれば、乾式コンデンサFCの内部の負電位側に不具合が発生し、異常な温度上昇が生じると、モールド材16が溶解し、コンデンサ素子11の負電位側の導体(電極、端子13又は配線6等)と、導体DT2との間に電気アーク又は短絡を発生させ、負電位側の主回路を地絡させることができる。
【0037】
この場合、電力変換装置の動作を停止するよう、システムの保護装置を働かせることができる。乾式コンデンサFC及びその周辺回路の温度上昇を抑えられるため、乾式コンデンサFCに起因した被害の拡大を抑制することができる。このため、例えば、乾式コンデンサFCの爆発破壊の発生を防止することができる。
上記のことから、安全性に優れた乾式コンデンサ及び電力変換装置を得ることができる。
【0038】
次に、第3の実施形態に係る電力変換装置について詳細に説明する。この実施形態において、他の構成は上述した第1及び第2の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0039】
図6及び図7に示すように、乾式コンデンサFCは、導体DT1及び導体DT2の両方を備えている。導体DT1はモールド材15に隣接して設けられ、導体DT2はモールド材16に隣接して設けられている。導体DT1は、電線DS1により筐体B2の接続点FE1に接続されている。導体DT2は、電線DS2により筐体B2の接続点FE2に接続されている。このため、導体DT1、DT2は地絡される。
【0040】
上記のように構成された第3の実施形態に係る電力変換装置によれば、乾式コンデンサFCの内部に不具合が発生し、異常な温度上昇が生じると、モールド材15又はモールド材16が溶解し、コンデンサ素子11の正電位側の導体(電極、端子12又は配線5等)と、導体DT1との間、又はコンデンサ素子11の負電位側の導体(電極、端子13又は配線6等)と、導体DT2との間に電気アーク又は短絡を発生させ、正電位側の主回路、又は負電位側の主回路を地絡させることができる。
【0041】
この場合、電力変換装置の動作を停止するよう、上述した第1及び第2の実施形態の何れかのシステムの保護装置を働かせることができる。乾式コンデンサFC及びその周辺回路の温度上昇を抑えられるため、乾式コンデンサFCに起因した被害の拡大を抑制することができる。このため、例えば、乾式コンデンサFCの爆発破壊の発生を防止することができる。
上記のことから、安全性に優れた乾式コンデンサ及び電力変換装置を得ることができる。
【0042】
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0043】
例えば、図8に示すように、乾式コンデンサFCは、ケースCAの替わりにフレームFLを備えていてもよい。フレームFLは、複数のコンデンサ素子11及びモールド材15、16を支持し、覆っている。フレームFLは、導体材料で矩形箱状に形成されている。フレームFLは、両側壁に矩形状の開口部31、32を有している。
【0044】
導体DT1は、矩形状の形状を有し、開口部31に取り付けられている。導体DT2は、矩形状の形状を有し、開口部32に取り付けられている。すなわち、フレームFLは、導体DT1、DT2と対向した個所が開口している。ここでは、導体DT1、DT2は、フレームFLと同一材料で一体に形成されている。導体DT1、DT2は、複数のコンデンサ素子11の中、中央に位置した複数のコンデンサ素子11に対向している。
【0045】
フレームFLは、底壁から突出した複数の突出部33を有している。各突出部33には孔部33hが形成されている。このため、フレームFLは、孔部33hを使用して筐体B2内の所定個所に取り付けることができる。このため、導体DT1、DT2は、フレームFLを介して地絡される。
【0046】
乾式コンデンサは、それぞれ共通の一端面側に位置した端子を有した複数のコンデンサ素子11と、複数のコンデンサ素子11の一端面側を覆ったモールド材と、モールド材に対して複数のコンデンサ素子の反対側で、モールド材に隣接し、地絡される導体と、を備えていればよい。この際、上記端子は、複数のコンデンサ素子11毎に、正電位側の端子及び負電位側の端子の何れか一方であればよい。
【0047】
導体DT1、DT2は、中央に位置した複数のコンデンサ素子11に対向するよう形成されているが、これに限らず、全てのコンデンサ素子11に対向するよう形成されていてもよい。導体DT1、DT2は、モールド材15、16に接着されていてもよい。
【0048】
モールド材15及びモールド材16は、分断されているが、これに限らず、一体に形成されていてもよい。この際、コンデンサ素子11全体を一体に形成されたモールド材で覆ってもよい。
【符号の説明】
【0049】
5,6…配線、11…コンデンサ素子、12,13…端子、15,16…モールド材、31,32…開口部、B1,B2…筐体、CA…ケース、DT1,DT2…導体、DS1,DS2…電線、FC…乾式コンデンサ、FL…フレーム、GCT…電流検出器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ共通の一端面側に位置した端子を有した複数のコンデンサ素子と、
前記複数のコンデンサ素子の前記一端面側を覆ったモールド材と、
前記モールド材に対して前記複数のコンデンサ素子の反対側で、前記モールド材に隣接し、地絡される導体と、を備える乾式コンデンサ。
【請求項2】
前記複数のコンデンサ素子毎に、前記端子は、正電位側の端子及び負電位側の端子の何れか一方である請求項1に記載の乾式コンデンサ。
【請求項3】
前記複数のコンデンサ素子の前記端子は、それぞれ前記正電位側の端子である請求項2に記載の乾式コンデンサ。
【請求項4】
前記複数のコンデンサ素子の前記端子は、それぞれ前記負電位側の端子である請求項2に記載の乾式コンデンサ。
【請求項5】
他のモールド材と、他の導体と、をさらに備え、
前記複数のコンデンサ素子は、それぞれ、前記一端面側に位置した端子である前記正電位側の端子及び共通の他端面側に位置した前記負電位側の端子を有し、
前記他のモールド材は、前記複数のコンデンサ素子の前記他端面側を覆い、
前記他の導体は、前記他のモールド材に対して前記前記複数のコンデンサ素子の反対側で、前記他のモールド材に隣接し、地絡される請求項2に記載の乾式コンデンサ。
【請求項6】
前記複数のコンデンサ素子及びモールド材を収容したケースをさらに備え、
前記導体は、前記ケースに取り付けられている請求項1に記載の乾式コンデンサ。
【請求項7】
前記複数のコンデンサ素子及びモールド材を支持し、前記導体と対向した個所が開口したフレームをさらに備え、
前記導体は、前記フレームに取り付けられ、前記フレームを介して地絡される請求項1に記載の乾式コンデンサ。
【請求項8】
それぞれ共通の一端面側に位置した端子を有した複数のコンデンサ素子と、前記複数のコンデンサ素子の前記一端面側を覆ったモールド材と、前記モールド材に対して前記複数のコンデンサ素子の反対側で、前記モールド材に隣接し、地絡される導体と、を備え、入力される電力を平滑化する乾式コンデンサと、
前記乾式コンデンサにて平滑化された電力が与えられる電力変換回路と、を具備する電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−60025(P2012−60025A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203493(P2010−203493)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】