説明

偏波変換デバイス及び偏波多重変調器

【課題】反射型の偏波変換デバイスにおいて、出力光の偏波消光比の劣化を効果的に防止する。
【解決手段】偏波変換デバイスは、第1導波路2に入力された光の偏波状態、すなわち、光のTE/TMモードを変換して第1導波路2から出力する。第1導波路2に入力されたTMモードの光は、接続導波路4を伝搬する間に1/4波長板20を2回通過してTEモードに変換され(モード変換部)、偏波ビームスプリッタ10に入力する。偏波ビームスプリッタ10は、入力した光をTEモードの光とTMモードの光とに分離し、TEモードの光を第1導波路2に出力する(偏波分離部)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信等に用いられる偏波変換デバイス及び偏波多重変調器に関する。
【背景技術】
【0002】
偏波変換デバイスは、例えばTMモードで入力される光をTEモードに変換して出力する場合などのように、入力光の偏波状態を異なる偏波状態に変換して出力する光デバイスである。このような偏波変換デバイスを、入力部と出力部とが共通する反射型とする場合には、例えば特許文献1の図9に示されるように、1/4波長板と反射ミラーとを用いて構成することが考えられる。このような反射型の偏波変換デバイスでは、入力部から入力されたTMモード(又はTEモード)の光が1/4波長板を通過し、その後、反射ミラーによって反射されて再び1/4波長板を通過することによって、TEモード(TMモード)の光に変換されて前記入力部から出力される。
【特許文献1】特開2007−163780号公報(図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記構成の偏波変換デバイスにおいては、1/4波長板の設置角度や厚さのズレ、波長依存性、又は、温度状態などによって偏波変換されない成分が生じると、偏波変換されなかった成分と偏波変換された成分とが混在した状態で出力されてしまうため、出力光の偏波消光比が劣化するという課題がある。
【0004】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、反射型の偏波変換デバイスにおいて、出力光の偏波消光比の劣化を効果的に防止することを目的とする。また、反射型の偏波変換部を備えた偏波多重変調器において、偏波多重光を安定して生成し出力することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面によると、偏波変換デバイスは、第1導波路に入力された光の偏波状態を変換して前記第1導波路から出力するように構成され、前記第1導波路に入力された光のTE/TMモードを相互変換するモード変換部と、前記モード変換部を通過した光を入力し、前記モード変換部でTE/TMモードが変換された第1の光とTE/TMモードが変換されなかった第2の光とに分離して前記第1の光を前記第1導波路に出力する偏波分離部と、を備える。
【0006】
本発明の他の側面によると、偏波多重変調器は、電気光学効果を有する基板と、前記基板上に形成され、それぞれ同一偏波状態の光を変調する第1光変調部及び第2光変調部と、前記第2光変調部の出力光の偏波状態を変換する偏波変換部と、前記第1光変調部の出力光と前記偏波変換部の出力光とを偏波合成して偏波多重光を出力する偏波合成部と、を備え、前記偏波変換部は、前記第2光変調部の出力光のTE/TMモードを相互変換するモード変換部と、前記モード変換部を通過した光を入力し、前記モード変換部によってTE/TMモードが変換された第1の光とTE/TMモードが変換されなかった第2の光とに分離して前記第1の光を前記偏波合成部に出力する偏波分離部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
上記偏波変換デバイスによれば、入力部と出力部とが共通する反射型の構成において、モード変換部でTE/TMモードが変換されなかった成分が生じた場合でも、偏波分離部によってTE/TMモードが変換された光が出力されるので、部品や温度バラツキによって出力光の偏波消光比が劣化してしまうことを抑制できる。
【0008】
上記偏波多重変調器によれば、第1光変調部の出力光と、第2光変調部の出力光を偏波変換する偏波変換部の出力光と、を偏波合成して偏波多重光を生成し、出力する構成において、前記偏波変換部の出力光に偏波変換されなかった光が混在することが抑制され、安定して偏波多重光を生成し出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による偏波変換デバイスの概略構成を示している。この偏波変換デバイスは、外部から入力導波路に入力されたTEモード(TMモード)の光を、TMモード(TEモード)に変換して前記入力導波路から出力する、いわゆる反射型の偏波変換デバイスとして構成されている。
【0010】
図1に示すように、第1実施形態による偏波変換デバイスは、基板1と、基板1上に設けられた導波路型の偏波ビームスプリッタ10と、1/4波長板20と、を備える。
基板1は、例えばニオブ酸リチウム(LiNbO:LN)からなるLN基板である。但し、LN基板に代えてタンタル酸リチウム(LiTaO:LT)からなるLT基板とすることも可能である。この基板1は、その表面上にチタン(Ti)等の金属膜を形成して熱拡散させ、又は、パターニング後に安息香酸中でプロトン交換するなどにより導波路を形成することができる。
【0011】
偏波ビームスプリッタ10は、入力した光をTEモードの光とTMモードの光とに分離して出力できるものであり、第1ポート10a〜第4ポート10dの4つの入出力ポートを有する。本実施形態において、偏波ビームスプリッタ10は、第1ポート10aからTMモードの光を入力すると、そのまま第3ポート10cから出力する一方、第4ポート10dからTEモードとTMモードとが混在する光を入力すると、TEモードの光を第1ポート10aから出力すると共にTMモードの光を第2ポート10bから出力するように構成されている。そして、偏波ビームスプリッタ10の第1ポート10aは、基板1上に形成された第1導波路2に接続され、偏波ビームスプリッタ10の第2ポート10bは、基板1上に第1導波路2と略平行に形成された第2導波路3に接続されている。
【0012】
ここで、第1導波路2が本実施形態による偏波変換デバイスの入力導波路及び出力導波路として機能する。すなわち、本実施形態による偏波変換デバイスは、外部から第1導波路2にTMモードの光を入力すると、この入力されたTMモードの光をTEモードに変換して第1導波路2から外部に出力する。
【0013】
また、偏波ビームスプリッタ10の第3ポート10cと第4ポート10dとは、基板1上に形成された接続導波路4によって接続されている。接続導波路4は、偏波ビームスプリッタ10の第3ポート10cに接続する第1直線導波路4aと、偏波ビームスプリッタ10の第4ポート10dに接続する第2直線導波路4bと、光の伝搬方向を折り返すように円弧状に形成されて第1直線導波路4aと第2直線導波路4bとを接続する曲がり導波路4cと、を含む。
【0014】
基板1上には、曲がり導波路4cの外周側に沿って円弧状の溝5が形成されており、この円弧状の溝5によって曲がり導波路4c内への光の閉じ込め効果を向上させて接続導波路4を伝搬する光の損失を抑制する。但し、この円弧状の溝5は必須ではなく、必要に応じて設ければよい。
【0015】
1/4波長板20は、接続導波路4を構成する第1直線導波路4a及び第2直線導波路4bを切断するように形成された溝6に挿入され、例えば接着剤によって固定される。ここで、接続導波路4を曲がり導波路4cのみで構成してもよく、この場合には、1/4波長板20は、曲がり導波路4cの2ヶ所を切断するように形成された溝に挿入されて固定される。また、接続導波路4を切断する溝を2つ形成し、それぞれの溝に1/4波長板20を挿入して固定するようにしてもよい。但し、図1に示すように、第1直線導波路4aと第2直線導波路4bとを切断する一つの溝6に、一つの1/4波長板20を挿入することにより、溝6を形成する手間や1/4波長板20の設置角度の調整の手間などを軽減することができると共に、接続導波路4の必要以外の部分を傷付けてしまうことを防止することができ、偏波変換デバイスの製造性が向上する。
【0016】
次に、第1実施形態による偏波変換デバイスの作用を説明する。
まず、外部から基板1上に形成された第1導波路2にTMモードの光が入力される。すると、この入力されたTMモードの光は、偏波ビームスプリッタ10の第1ポート10aに入力し、そのまま第3ポート10cから接続導波路4へと出力される。接続導波路4に出力されたTMモードの光は、接続導波路4を伝搬する間に1/4波長板20を2回通過することによって偏波面が90度回転され、TEモードの光に変換されて偏波ビームスプリッタ10の第4ポート10dに入力する。
【0017】
ここで、1/4波長板20の設置角度のズレ等によって、接続導波路4を伝搬するTMモードの光のうち偏波変換(モード変換)されない成分が生じる場合がある。この場合、偏波ビームスプリッタ10の第4ポート10dには、図1に示すように、TEモードとTMモードとが混在する光が入力されることになる。
【0018】
上述したように、偏波ビームスプリッタ10は、第4ポート10dからTEモードとTMモードとが混在する光を入力すると、TEモードの光を第1ポート10aから出力する一方、TMモードの光を第2ポート10bから出力する。すなわち、偏波ビームスプリッタ10は、接続導波路4を伝搬することによって1/4波長板20を2回通過した光を入力し、この入力した光を、モード変換された光(すなわち、TEモードの光)とモード変換されなかった光(すなわち、TMモードの光)とに分離する。そして、モード変換された光(TEモードの光)を第1ポート10aから出力して第1導波路2に導く一方、モード変換されなかった光(TMモードの光)を第2ポート10bから出力し第2導波路3を介して基板1内に拡散させる。これにより、TMモードの光が入力された第1導波路2には、TEモードに変換された光が戻されることになり、また、第2導波路3を介して基板1内に拡散されたTMモードの光が第1導波路2に結合することは実質的にないので、偏波変換デバイスからはTEモードの光が出力される。
【0019】
このように、本実施形態による偏波変換デバイスは、第1導波路2から入力されたTMモードの光を1/4波長板20を2回通過させてTEモードの光に変換し、さらに偏波ビームスプリッタ10を通過させることよって実質的にTEモードの光のみを第1導波路2から出力するようにしている。このため、1/4波長板20の設置角度のズレ等によってモード変換されなかった成分が存在しても、このモード変換されなかった成分が第1導波路2から出力されることが抑制されることとなり、反射型に構成した偏波変換デバイスにおける出力光の偏波消光比の劣化を抑制できる。
【0020】
例えば、図2に示すように、1/4波長板20の設置角度が1度ずれた場合には、偏波非変換度が約−15dBとなってモード変換されない成分が増加する。この状態のまま第1導波路2に戻されて出力してしまうと、出力光の偏波消光比が劣化する。
【0021】
この点、本実施形態に係る偏波変換デバイスでは、モード変換されなかった光が存在しても、偏波ビームスプリッタ10によってTEモードの光とTMモードの光とに分離されてTEモードの光が第1導波路2から出力されるようになっており、たとえ1/4波長板20の設置角度が1度ずれたとしても、偏波ビームスプリッタ10の偏波消光比を20dBとすれば、出力光の偏波消光比を35dB程度とすることができる。
【0022】
本実施形態において、接続導波路4及び1/4波長板20が本発明の「モード変換部」に相当し、偏波ビームスプリッタ10が本発明の「偏波分離部」に相当し、1/4波長板20が本発明の「モード変換素子」に相当する。
【0023】
図3は、本発明の第2実施形態による偏波変換デバイスの概略構成を示している。図3に示すように、第2実施形態による偏波変換デバイスは、1/4波長板20に代えて1/2波長板25を用いている。すなわち、上記第1実施形態による偏波変換デバイスが1/4波長板20を2回通過させることによって光のTE/TMモードを変換するのに対して、1/2波長板25を1回通過させることによって光のTE/TMモードを変換するようにしており、1/2波長板25は、接続導波路4を1ヶ所だけ切断する溝26に挿入されて接着剤等によって固定される。その他の構成については上記第1実施形態による偏波変換デバイスと同じであるので説明を省略する。
【0024】
次に、第2実施形態による偏波変換デバイスの作用を説明する。
第1実施形態による偏波変換デバイスと同様に、基板1上に形成された第1導波路2にTMモードの光が入力される。この入力されたTMモードの光は、偏波ビームスプリッタ10の第1ポート10aに入力し、そのまま第3ポート10cから接続導波路4へと出力される。接続導波路4に出力されたTMモードの光は、1/2波長板21を通過することにより偏波面が90度回転し、TEモードの光に変換されて偏波ビームスプリッタ10の第4ポート10dに入力する。ここで、接続導波路4を伝搬する光の一部がモード変換されず、偏波ビームスプリッタ10の第4ポート10dにTEモードとTMモードとが混在する光が入力しても、偏波ビームスプリッタ10は、TEモードの光とTMモードの光とに分離し、TEモードの光を第1ポート10aから出力して第1導波路2に導き、TMモードの光を第2ポート10bから出力し第2導波路3を介して基板1内に拡散させる。
【0025】
これにより、1/2波長板25の設置角度のズレ等によってモード変換されなかった成分が存在しても、このモード変換されなかった成分が第1導波路2に戻されて出力されることが抑制され、上記第1実施形態による偏波変換デバイスと同様、偏波変換デバイス(出力光)の偏波消光比の劣化を抑制できる。また、接続導波路4の切断箇所が1つで済むので、上記第1実施形態による偏波変換デバイスに比べて、接続導波路4を伝搬する光の損失を低減できる。
【0026】
本実施形態において、接続導波路4及び1/2波長板25が本発明の「モード変換部」に相当し、偏波ビームスプリッタ10が本発明の「偏波分離部」に相当し、1/2波長板25が「モード変換素子」に相当する。
【0027】
ここで、上記第1、第2実施形態による偏波変換デバイスでは、偏波ビームスプリッタ10の第3ポート10cと第4ポート10dとを接続する構成(折り返し構成)として基板1上に形成された接続導波路4を用いている。但し、これに限るものではなく、該接続導波路4に代えて、第3ポート10cと第4ポート10dとを光ファイバによって接続するようにしてもよい。この場合には、例えば光ファイバの両端面にそれぞれ1/4波長板20を取り付けるか、光ファイバの一方の端面に1/2波長板25を取り付ける構成とすればよい。
【0028】
図4は、本発明の第3実施形態による偏波変換デバイスの概略構成を示している。図4示すように、第3実施形態による偏波変換デバイスは、基板1と、基板1上に設けられた導波路型の偏波ビームスプリッタ15と、1/4波長板20と、反射ミラー30と、を備える。
【0029】
偏波ビームスプリッタ15は、入力した光をTEモードの光とTMモードの光とに分離して出力できるものであり、第1ポート15a〜第3ポート15cの3つの入出力ポートを有する。本実施形態において、偏波ビームスプリッタ15は、第1ポート15aからTMモードの光を入力すると、そのまま第3ポート15cから出力する一方、第3ポート15cからTEモードとTMモードとが混在する光を入力すると、TEモードの光を第1ポート15aから出力すると共にTMモードの光を第2ポート15bから出力するように構成されている。そして、偏波ビームスプリッタ15の第1ポート15aは、基板1上に形成された第1導波路2に接続され、第2ポート15bは、基板1上に第1導波路2と略平行に形成された第2導波路3に接続され、第3ポート15cは、基板1上に形成された第3導波路6に接続されている。ここで、上記第1、第2実施形態による偏波変換デバイスと同様に、第1導波路2が本実施形態による偏波変換デバイスの入力導波路及び出力導波路として機能する。
【0030】
第3導波路6は、偏波ビームスプリッタ15を挟んで第1導波路2、第2導波路3とは反対側の基板1の端面まで延びており、該基板1の端面(すなわち、第3導波路6の端面)に1/4波長板20及び反射ミラー30が順に取り付けられている。但し、これに限るものではなく、第3導波路6を伝搬する光が1/4波長板20を通過し、その後、反射ミラー30によって反射されて再び1/4波長板20を通過するように構成すればよい。例えば、第3導波路6の途中に形成した溝に1/4波長板20及び反射ミラー30を挿入してもよいし、第3導波路6の途中に形成した溝に1/4波長板20を挿入し、基板1(第3導波路15)の端面に反射ミラー30を取り付けてもよい。また、図5に示す変形例のように、第3導波路6を省略し、偏波ビームスプリッタ15の第3ポート15cが基板1の端面に露出するように構成してもよい。
【0031】
次に、第3実施形態による偏波変換デバイスの作用を説明する。
第1、第2実施形態による偏波変換デバイスと同様、基板1上に形成された第1導波路2にTMモードの光が入力される。この入力されたTMモードの光は、偏波ビームスプリッタ15の第1ポート15aに入力し、そのまま第3ポート15cから出力される。第3ポート15cから第3導波路7へと出力されたTMモードの光は、1/4波長板20を通過し、その後、反射ミラー30によって反射されて再び1/4波長板20を通過する。これにより、TMモードの光は1/4波長板20を2回通過することになるので、その偏波面が90度回転しTEモードの光に変換されて偏波ビームスプリッタ15の第3ポート15cに戻される。
【0032】
ここで、1/4波長板20や反射ミラー30の設置角度のズレ等によってモード変換されない成分が生じる場合がある。この場合、偏波ビームスプリッタ15の第3ポート15cにはTEモードとTMモードとが混在する光が入力される(戻される)ことになるが、偏波ビームスプリッタ15によってTEモードの光とTMモードの光とに分離され、TEモードの光が第1ポート15aから出力されて第1導波路2に導かれ、TMモードの光が第2ポート15bから出力され第2導波路3を介して基板1内に拡散される。
【0033】
これにより、本実施形態による偏波変換デバイスにおいても、上記第1、第2実施形態と同様、モード変換されなかった成分が第1導波路2から出力されることが抑制され、出力光の偏波消光比の劣化を抑制できる。また、1/4波長板20及び反射ミラー30を基板1の端面に取り付けることにより、導波路を切断する溝を形成する必要がないので、該溝による光の損失等を防止できる。
【0034】
上記第1〜第3実施形態による偏波変換デバイスにおいては、TMモードの光を入力してTEモードの光に変換して出力しているが、TEモードの光を入力してTMモードの光に変換して出力するようにしてもよい。この場合、上記各実施形態の説明においてTEモードとTMモードとを逆にして考えればよい。
【0035】
図6は、本発明を適用した偏波多重変調器の概略構成を示している。この偏波多重変調器は、入力部INから入力した同一偏波状態(TEモード又はTMモード)の光を2つの光変調部で変調し、一方の光変調部の出力光の偏波状態を変換して2つの出力光の偏波合成を行い、偏波多重光を生成して出力部OUTから出力する。ここで、一方の光変調部の出力光の偏波状態を変換する構成として、上記第1〜第3実施形態による偏波変換デバイスを利用することができる。
【0036】
図6に示すように、本実施形態による偏波多重変調器は、電気光学効果を有する基板50と、基板50上に形成された分波部60と、基板50上に形成された第1光変調部70及び第2光変調部80と、基板50上に形成された第1偏波ビームスプリッタ90と、基板10上に形成された第2偏波ビームスプリッタ100と、1/4波長板110と、反射ミラー120と、を備える。
【0037】
基板50は、例えば、Zカットのニオブ酸リチウム(LiNbO:LN)からなるLN基板である。このため、本実施形態による偏波多重変調器には、変調効率のよいTMモードの光が入力される。なお、LN基板に代えてタンタル酸リチウム(LiTaO:LT)からなるLT基板とすることも可能である。また、Zカットの基板に代えてXカットの基板を用いることもできる。Xカットの基板を用いた場合には、偏波多重変調器にはTEモードの光が入力されることになる。
【0038】
分波部60は、入力部INから入力した光を2つに分波して第1光変調部70及び第2光変調部80に供給するものであり、例えば導波路型の1入力2出力カプラ(1×2カプラ)として構成することができる。
【0039】
第1光変調部70と第2光変調部80とは、実質的に同一の構成を有しており、基板50上に並列して配置されている。詳細な説明は省略するが、第1光変調部70及び第2光変調部80は、それぞれ入力導波路、該入力導波路から分岐した一対の分岐導波路、該一対の分岐導波路が合流した出力導波路、信号電極及び接地電極を有しており、信号電極にマイクロ波電気信号が印加されることにより強度変調又は位相変調された光を出力する構成とすることができる。ここで、第1光変調部70の出力導波路は、光の伝搬方向を折り返すように円弧状に形成された曲がり導波路51に接続され、基板50には、この曲がり導波路51の外周側に沿って円弧状の溝52が形成されている。この円弧状の溝52によって曲がり導波路51を伝搬する光の損失を抑制する。
【0040】
第1偏波ビームスプリッタ90は、入力した光をTEモードの光とTMモードの光とに分離して出力できると共に、TEモードの光とTMモードの光とを入力すると、これらを偏波合成して出力できるものであり、第1ポート90a〜第4ポート90dの4つの入出力ポートを有する。本実施形態において、第1偏波ビームスプリッタ90は、第1ポート90aからTMモードの光を入力すると、そのまま第3ポート90cから出力する一方、第3ポート90cと第4ポート90dとから偏波状態の異なる光をそれぞれ入力すると、各光の偏波状態を保持しながら合波(偏波合成)して第2ポート90bから出力するように構成されている。そして、第1偏波ビームスプリッタ90の第1ポート90aは、第2光変調部80の出力導波路に接続され、第2ポート90bは、出力部OUTに至る偏波多重変調器の出力導波路53に接続され、第3ポート90cは、接続導波路54を介して第2偏波ビームスプリッタ100の第1ポート100aに接続され、第4ポート90dは、曲がり導波路51を介して第1光変調部70の出力導波路に接続されている。
【0041】
第2偏波ビームスプリッタ100は、図5に示された偏波ビームスプリッタ15と同様の構成を有しており、第1ポート100a〜第3ポート100cの3つの入出力ポートを有する。本実施形態において、第2偏波ビームスプリッタ100は、第1ポート100aからTMモードの光を入力すると、そのまま第3ポート100cから出力する一方、第3ポート100cからTEモードとTMモードとが混在した光を入力すると、TEモードの光を第1ポート100aから出力する共にTMモードの光を第2ポート100bから出力するように構成されている。そして、第2偏波ビームスプリッタ100の第1ポート100aは、上述したように、接続導波路54を介して第1偏波ビームスプリッタ90の第3ポート90cに接続され、第2ポート100bは、接続導波路54に略平行に形成された第4導波路55に接続されている。また、第3ポート100cは、第2偏波ビームスプリッタ100を挟んで接続導波路54、第4導波路55とは反対側の基板50の端面に露出している。
【0042】
1/4波長板110及び反射ミラー120は、第2偏波ビームスプリッタ100の第3ポート100cが露出する基板50の端面に順に取り付けられている。これにより、第2偏波ビームスプリッタ100の第3ポート100cから出力された光は、1/4波長板110を通過し、反射ミラー120によって反射されて再び1/4波長板110を通過して第3ポート100cに戻される。
【0043】
なお、本実施形態における接続導波路54、第4導波路55は、それぞれ上記第1〜第3実施形態における第1導波路2、第2導波路3に相当する。
次に、本実施形態による偏波多重変調器の作用を説明する。
【0044】
上述したように、本実施形態による偏波多重変調器は、ZカットのLN基板を用いており、入力部INからTMモードの光が入力される。入力されたTMモードの光は、分波部60によって2つに分波され、第1光変調部70と第2光変調部80とにそれぞれ入力される。第1光変調部70及び第2光変調部80は、入力したTMモードの光をそれぞれ強度変調又は位相変調して出力導波路から出力する。
【0045】
第2光変調部80から出力されたTMモード光は、第1偏波ビームスプリッタ90の第1ポート90a、第3ポート90c、接続導波路54、第2偏波ビームスプリッタ100の第1ポート100aを通過し、そのまま第2偏波ビームスプリッタ100の第3ポート100cから出力される。第2偏波ビームスプリッタ100の第3ポート100cから出力されたTMモードの光は、1/4波長板110を通過し、その後、反射ミラー120によって反射されて再び1/4波長板110を通過して第2偏波ビームスプリッタ100の第3ポート100cに戻される。この戻された光は、1/4波長板110を2回通過しており、偏波面が90度回転されてTEモードに変換されている。このとき、1/4波長板110や反射ミラー120の設置角度のズレ等によってモード変換されない成分が生じ、第2偏波ビームスプリッタ100の第3ポート100cにTEモードとTMモードとが混在する光が入力される場合がある。このように、TEモードとTMモードとが混在する光が第3ポート100cに入力されても、第2偏波ビームスプリッタ100は、TEモードの光とTMモードの光とを分離し、TEモードの光を第1ポート100aから出力して接続導波路54に導く一方、TMモードの光を第2ポート100bから出力し第4導波路55を介して基板50内に拡散させる。第4導波路55を介して基板50内に拡散させたTMモードの光が接続導波路54に結合することは実質的にないので、第1偏波ビームスプリッタ90の第3ポート90cには、接続導波路54を介してTEモードの光が入力される(戻される)。
【0046】
一方、第1光変調部70から出力されたTMモードの光は、曲がり導波路51を介して第1偏波ビームスプリッタ90の第4ポート90dに入力する。ここで、第1光変調部70から出力されたTMモード光が第1偏波ビームスプリッタ90の第4ポート90dに入力するまでの時間と、第2光変調部80から出力されたTMモードの光がTEモードに変換されて第1偏波ビームスプリッタ90の第3ポート90cに入力されるまでの時間と、を一致させるように、曲がり導波路51及び接続導波路54を含む各導波路の長さが調整されている。これにより、第1偏波ビームスプリッタ90の第3ポート90cと第4ポート90dには、ほぼ同じタイミングでTEモードの光とTMモードの光とが入力することになる。
【0047】
そして、第1偏波ビームスプリッタ90は、第3ポート90cに入力したTEモードの光と第4ポート90dに入力したTMモードの光とを、それぞれの偏波状態を保持しながら合波して偏波多重光を生成し第2ポート90bから出力する。第1偏波ビームスプリッタ90の第2ポート90bから出力された偏波多重光は、出力導波路53を介して出力部OUTから出力される。
【0048】
本実施形態による偏波多重変調器によると、入力光を2つに分波して第1光変調部70、第2光変調部80でそれぞれ強度変調又は位相変調すると共に、第2光変調部80の出力光をモード変換し、第1光変調部70の出力光と、モード変換された第2光変調部80の出力光とを、偏波方向を保持しながら偏波合成して偏波多重光を出力する。ここで、偏波合成を行う第1ビームスプリッタ90には、第1光変調部70の出力光と、モード変換された第2光変調部80の出力光とが、ほぼ同じタイミングで入力され、また、第2光変調部80の出力光についてはモード変換された光のみが入力されるようになっている。これにより、偏波多重光を安定して生成し出力することができる。
【0049】
本実施形態において、第2偏波ビームスプリッタ100、1/4波長板110及び反射ミラー120が本発明の「偏波変換部」に相当し、第1ビームスプリッタ90が本発明の「偏波合成部」に相当する。また、1/4波長板110及び反射ミラー120が本発明の「モード変換部」に相当し、第2偏波ビームスプリッタ100が本発明の「偏波分離部」に相当する。
【0050】
なお、以上説明した偏波多重変調器の実施形態では、第2光変調部80の出力光の偏波状態を変換する構成として、図5に示された偏波変換デバイスに相当する構成を採用しているが、これに代えて、図1,3,4に示された偏波変換デバイスに相当する構成を採用することもできる。また、第1光変調部70及び第2光変調部80にTMモードの光を入力しているが、Xカットの基板を採用し、TEモードの光を入力するようにすることも可能である。
【0051】
ここで、以上説明した実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0052】
(付記1)第1導波路に入力された光の偏波状態を変換して前記第1導波路から出力する偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路に入力された光のTE/TMモードを相互変換するモード変換部と、
前記モード変換部を通過した光を入力し、前記モード変換部でTE/TMモードが変換された第1の光とTE/TMモードが変換されなかった第2の光とに分離して前記第1の光を前記第1導波路に出力する偏波分離部と、
を備える偏波変換デバイス。
【0053】
(付記2)付記1に記載の偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路に入力されたTEモード又はTMモードの光が前記偏波分離部を経てそのまま前記モード変換部に入力すると共に、該モード変換部の出力光が前記偏波分離部に入力するように構成され、
前記偏波分離部は、前記入力されたモード変換部の出力光を、前記第1導波路に入力された光とは異なるモードの光と前記第1導波路に入力された光と同じモードの光とに分離し、前記第1導波路に入力された光とは異なるモードの光を前記第1の光として前記第1導波路に出力すると共に、前記第1導波路に入力された光と同じモードの光を前記第2の光として前記第1導波路とは異なる第2導波路に出力する偏波変換デバイス。
【0054】
(付記3)付記2に記載の偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路に接続する第1ポート及び前記第2導波路に接続する第2ポートを含む4つの入出力ポートを有する偏波ビームスプリッタと、
前記偏波ビームスプリッタの第3ポートと第4ポートとを接続する接続導波路と、
前記接続導波路の途中に配置され、該接続導波路を伝搬する光のTE/TMモードを相互変換するモード変換素子と、を備え、
前記偏波ビームスプリッタは、
前記第1導波路から入力されたTEモード又はTMモードの光を第1ポートに入力してそのまま前記第3ポートから出力する一方、
前記第3ポートから出力され前記接続導波路を伝搬して前記モード変換素子を通過した光を前記第4ポートに入力し、前記第1導波路に入力された光とは異なるモードの光を前記第1の光として前記第1ポートから出力すると共に、前記第1導波路に入力された光と同じモードの光を前記第2の光として前記第2ポートから出力する偏波変換デバイス。
【0055】
(付記4)付記3に記載の偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路、前記第2導波路、前記偏波ビームスプリッタ及び前記接続導波路が同一基板上に形成されている偏波変換デバイス。
【0056】
(付記5)付記3又は4に記載の偏波変換デバイスであって、
前記モード変換素子は、1/2波長板である波長偏波デバイス。
【0057】
(付記6)付記3又は4に記載の偏波変換デバイスであって、
前記モード変換素子は、前記接続導波路の2ヶ所に位置するように設けられた1/4波長板である波長偏波デバイス。
【0058】
(付記7)付記3〜6のいずれか1つに記載の偏波変換デバイスであって、
前記接続導波路は、光の伝搬方向を折り返すように円弧状に形成された曲がり導波路である偏波変換デバイス。
【0059】
(付記8)付記2に記載の偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路に接続する第1ポート及び前記第2導波路に接続する第2ポートを含む3つの入出力ポートを有する偏波ビームスプリッタと、
前記偏波ビームスプリッタの第3ポートから出力された光が通過するように配置された1/4波長板と、
前記1/4波長板を通過した光を反射して、再び前記1/4波長板を通過させるように配置された反射ミラーと、を備え、
前記偏波ビームスプリッタは、
前記第1導波路に入力されたTEモード又はTMモードの光を第1ポートに入力してそのまま前記第3ポートから出力する一方、
前記第3ポートから出力され、前記反射ミラーで反射されることによって前記1/4波長板を往復して戻ってきた光を前記第3ポートに入力し、前記第1導波路に入力された光とは異なるモードの光を前記第1の光として前記第1ポートから出力すると共に、前記第1導波路に入力された光と同じモードの光を前記第2の光として前記第2ポートから出力する偏波変換デバイス。
【0060】
(付記9)付記8に記載の偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路、前記第2導波路及び前記偏波ビームスプリッタが同一基板上に形成されている偏波変換デバイス。
【0061】
(付記10)付記9に記載の偏波変換デバイスであって、
前記偏波ビームスプリッタの第3ポートは前記基板の端面に露出するように形成され、
前記前記1/4波長板及び前記反射ミラーは、前記偏波ビームスプリッタの第3ポートが露出する前記基板の端面に取り付けられている偏波変換デバイス。
【0062】
(付記11)付記9に記載の偏波変換デバイスであって、
前記基板上に、一方の端部が前記偏波ビームスプリッタの第3ポートに接続すると共に、他方の端部が前記基板の端面に露出する第3導波路が形成され、
前記前記1/4波長板及び前記反射ミラーは、前記第3導波路の前記他方の端部が露出する前記基板の端面に取り付けられている偏波変換デバイス。
【0063】
(付記12)電気光学効果を有する基板と、
前記基板上に形成され、それぞれ同一偏波状態の光を変調する第1光変調部及び第2光変調部と、
前記第2光変調部の出力光の偏波状態を変換する偏波変換部と、
前記第1光変調部の出力光と前記偏波変換部の出力光とを偏波合成して偏波多重光を生成して出力する偏波合成部と、を備え、
前記偏波変換部は、
前記第2光変調部の出力光のTE/TMモードを相互変換するモード変換部と、
前記モード変換部を通過した光を入力し、前記モード変換部によってTE/TMモードが変換された第1の光とTE/TMモードが変換されなかった第2の光とに分離し、前記第1の光を前記偏波合成部に出力する偏波分離部と、
を有する偏波多重変調器。
【0064】
(付記13)付記12に記載の偏波多重変調器であって、
前記基板上に形成され、入力された光を2つに分波して前記第1光変調部及び前記第2光変調部にそれぞれ供給する分波部を更に備える偏波多重変調器。
【0065】
(付記14)付記12に記載の偏波多重変調器であって、
前記偏波変換部は、前記第2光変調部の出力光が前記偏波分離部を経てそのまま前記モード変換部に入力すると共に、該モード変換部の出力光が前記偏波分離部に入力するように構成され、
前記偏波分離部は、前記入力されたモード変換部の出力光を、前記第2光変調部の出力光とは異なるモードの光と前記第2光変調部の出力光と同じモードの光とに分離し、前記第2光変調部の出力光と異なるモードの光を前記第1の光として前記偏波合成部に出力する偏波多重変調器。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1実施形態による偏波変換デバイスの概略構成を示す図である。
【図2】第1実施形態による偏波変換デバイスにおいて、1/4波長板の角度ズレと偏波非変換度との関係に一例を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態による偏波変換デバイスの概略構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態による偏波変換デバイスの概略構成を示す図である。
【図5】第3実施形態による偏波変換デバイスの変形例を示す図である。
【図6】本発明を適用した偏波多重変調器の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1…基板、2…第1導波路(入力導波路、出力導波路)、3…第2導波路、4…接続導波路、5…円弧状の溝、6…溝、10…偏波ビームスプリッタ(偏波変換部)、15…偏波ビームスプリッタ、20…1/4波長板(モード変換素子)、25…1/2波長板(モード変換素子)、30…反射ミラー、50…基板、60…分波部、70…第1光変調部、80…第2光変調部、90…第1偏波ビームスプリッタ、100…第2偏波ビームスプリッタ、110…1/4波長板、120…反射ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導波路に入力された光の偏波状態を変換して前記第1導波路から出力する偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路に入力された光のTE/TMモードを相互変換するモード変換部と、
前記モード変換部を通過した光を入力し、前記モード変換部によってTE/TMモードが変換された第1の光とTE/TMモードが変換されなかった第2の光とに分離して前記第1の光を前記第1導波路に出力する偏波分離部と、
を備える偏波変換デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路に入力されたTEモード又はTMモードの光が前記偏波分離部を経てそのまま前記モード変換部に入力すると共に、該モード変換部の出力光が前記偏波分離部に入力するように構成され、
前記偏波分離部は、前記入力されたモード変換部の出力光を、前記第1導波路に入力された光とは異なるモードの光と前記第1導波路に入力された光と同じモードの光とに分離し、前記第1導波路に入力された光とは異なるモードの光を前記第1の光として前記第1導波路に出力すると共に、前記第1導波路に入力された光と同じモードの光を前記第2の光として前記第1導波路とは異なる第2導波路に出力する偏波変換デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路に接続する第1ポート及び前記第2導波路に接続する第2ポートを含む4つの入出力ポートを有する偏波ビームスプリッタと、
前記偏波ビームスプリッタの第3ポートと第4ポートとを接続する接続導波路と、
前記接続導波路の途中に配置され、該接続導波路を伝搬する光のTE/TMモードを相互変換するモード変換素子と、を備え、
前記偏波ビームスプリッタは、
前記第1導波路に入力されたTEモード又はTMモードの光を第1ポートに入力してそのまま前記第3ポートから出力する一方、
前記第3ポートから出力され前記接続導波路を伝搬して前記モード変換素子を通過した光を前記第4ポートに入力し、前記第1導波路に入力された光とは異なるモードの光を前記第1の光として前記第1ポートから出力すると共に、前記第1導波路に入力された光と同じモードの光を前記第2の光として前記第2ポートから出力する偏波変換デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路、前記第2導波路、前記偏波ビームスプリッタ及び前記接続導波路が同一の基板上に形成されている偏波変換デバイス。
【請求項5】
請求項2に記載の偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路に接続する第1ポート及び前記第2導波路に接続する第2ポートを含む3つの入出力ポートを有する偏波ビームスプリッタと、
前記偏波ビームスプリッタの第3ポートから出力された光が通過するように配置された1/4波長板と、
前記1/4波長板を通過した光を反射して、再び前記1/4波長板を通過させるように配置された反射ミラーと、を備え、
前記偏波ビームスプリッタは、
前記第1導波路に入力されたTEモード又はTMモードの光を第1ポートに入力してそのまま前記第3ポートから出力する一方、
前記第3ポートから出力され、前記反射ミラーで反射されることによって前記1/4波長板を往復して戻ってきた光を前記第3ポートに入力し、前記第1導波路に入力された光とは異なるモードの光を前記第1の光として前記第1ポートから出力すると共に、前記第1導波路に入力された光と同じモードの光を前記第2の光として前記第2ポートから出力する偏波変換デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載の偏波変換デバイスであって、
前記第1導波路、前記第2導波路及び前記偏波ビームスプリッタが同一の基板上に形成されている偏波変換デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載の偏波変換デバイスであって、
前記偏波ビームスプリッタの第3ポートは前記基板の端面に露出するように形成され、
前記前記1/4波長板及び前記反射ミラーは、前記偏波ビームスプリッタの第3ポートが露出する前記基板の端面に取り付けられている偏波変換デバイス。
【請求項8】
前記基板上に、一方の端部が前記偏波ビームスプリッタの第3ポートに接続すると共に、他方の端部が前記基板の端面に露出する第3導波路が形成され、
前記前記1/4波長板及び前記反射ミラーは、前記第3導波路の前記他方の端部が露出する前記基板の端面に取り付けられている偏波変換デバイス。
【請求項9】
電気光学効果を有する基板と、
前記基板上に形成され、それぞれ同一偏波状態の光を変調する第1光変調部及び第2光変調部と、
前記第2光変調部の出力光の偏波状態を変換する偏波変換部と、
前記第1光変調部の出力光と前記偏波変換部の出力光とを偏波合成して偏波多重光を生成して出力する偏波合成部と、
を備え、
前記偏波変換部は、
前記第2光変調部の出力光のTE/TMモードを相互変換するモード変換部と、
前記モード変換部を通過した光を入力し、前記モード変換部によってTE/TMモードが変換された第1の光とTE/TMモードが変換されなかった第2の光とに分離して前記第1の光を前記偏波合成部に出力する偏波分離部と、
を有する偏波多重変調器。
【請求項10】
請求項9に記載の偏波多重変調器であって、
前記偏波変換部は、前記第2光変調部の出力光が前記偏波分離部を経てそのまま前記モード変換部に入力すると共に、該モード変換部の出力光が前記偏波分離部に入力するように構成され、
前記偏波分離部は、前記入力されたモード変換部の出力光を、前記第2光変調部の出力光とは異なるモードの光と前記第2光変調部の出力光と同じモードの光とに分離し、前記第2光変調部の出力光とは異なるモードの光を前記第1の光として前記偏波合成部に出力する偏波多重変調器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−139572(P2010−139572A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313622(P2008−313622)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人情報通信研究機構、「λユーティリティ技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】