説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】パラジウムシリサイドからなるフルシリサイドゲート電極を有し、ソース/ドレイン領域上にシリサイド層を備えた半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板と、半導体基板の上に、ゲート絶縁膜を介して設けられたパラジウムシリサイドのゲート電極と、ゲート電極の両側の半導体基板に形成されたソース/ドレイン領域とを含むMOS構造の半導体装置において、ゲート電極にホウ素を不純物としてドープすることにより、ゲート電極の仕事関数を小さくなるようにシフトさせた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、パラジウムシリサイドからなるフルシリサイドゲート電極を用いたMOS型半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のCMOS集積回路では、多結晶シリコンをゲート電極に用いて多結晶シリコン中の不純物の量や濃度を調整することにより、ゲート電極の仕事関数を制御していた。しかし、半導体装置の微細化が進み、ゲート酸化膜の膜厚が2nm以下のように薄くなると、ゲート電極中に延びる空乏層の厚みも無視できなくなり、ゲート酸化膜の10%以上に相当する容量の増加をもたらす場合もあった。
【0003】
このような問題を回避するために、多結晶シリコンゲート電極に代えて、金属をゲート電極に用いた半導体装置が提案されているが、NiSiフルシリサイド(FUSI:fully silicided)ゲート電極を用いた半導体装置もその一つである(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】C. Cabral et al., "Dual workfunction fully silicided metal gates", VLSI Tech. Symp., pp. 174-185, 2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、NiSiフルシリサイドをゲート電極に用いた場合、シリコンの析出等が発生する、あるいはシリサイド相の制御が困難であるという問題があった。また、シリコン相をシリサイド化してゲート電極を形成する熱処理工程において、ソース/ドレイン領域上であらかじめ形成されていたNiSi層が相変化や相分離を起こし、コンタクト抵抗やNi拡散により接合リーク電流が増加するという問題もあった。
【0005】
これに対して、発明者らは鋭意研究の結果、PdSiを材料に用いたフルシリサイドゲート電極を採用することにより、これらの問題点を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、パラジウムシリサイドからなるフルシリサイドゲート電極を用いた半導体装置およびその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、半導体基板と、半導体基板の上に、ゲート絶縁膜を介して設けられたパラジウムシリサイドのゲート電極と、ゲート電極の両側の半導体基板に形成されたソース/ドレイン領域とを含むMOS構造の半導体装置であって、ゲート電極にホウ素を不純物としてドープすることにより、ゲート電極の仕事関数を小さくなるようにシフトさせたことを特徴とする半導体装置である。
【0008】
また、本発明は、半導体基板と、半導体基板の上に、ゲート絶縁膜を介して設けられたパラジウムシリサイドのゲート電極と、ゲート電極の両側の半導体基板に形成されたソース/ドレイン領域とを含むMOS構造の半導体装置であって、ゲート電極に、アンチモン、ヒ素、リン、およびフッ素からなる群から選択される元素を不純物としてドープすることにより、ゲート電極の仕事関数を大きくなるようにシフトさせたことを特徴とする半導体装置でもある。
【0009】
また、本発明は、半導体基板を準備する工程と、半導体基板に、p型ウエル領域を形成する工程と、p型ウエル領域上にゲート絶縁膜を形成し、その上にシリコン層を堆積する工程と、シリコン層にホウ素を不純物としてドープする工程と、シリコン層をパターニングしてゲート電極を形成する工程と、ゲート電極の両側のp型ウエル領域にn型イオンをドープして、ゲート電極を挟むようにソース/ドレイン領域を形成する工程と、ソース/ドレイン領域の上にニッケル層を形成し、熱処理によりニッケルシリサイドからなるシリサイド層を形成する第1熱処理工程と、ゲート電極を覆うようにパラジウム層を形成し、熱処理によりゲート電極をパラジウムシリサイドからなるフルシリサイド電極とする第2熱処理工程とを含み、第2熱処理工程が、第1熱処理工程より低温で行われることを特徴とする半導体装置の製造方法でもある。
【0010】
また、本発明は、半導体基板を準備する工程と、半導体基板に、n型ウエル領域を形成する工程と、n型ウエル領域上にゲート絶縁膜を形成し、その上にシリコン層を堆積する工程と、シリコン層にアンチモン、ヒ素、リン、およびフッ素からなる群から選択される元素を不純物としてドープする工程と、シリコン層をパターニングしてゲート電極を形成する工程と、ゲート電極の両側のn型ウエル領域にp型イオンをドープして、ゲート電極を挟むようにソース/ドレイン領域を形成する工程と、ソース/ドレイン領域の上にニッケル層を形成し、熱処理によりニッケルシリサイドからなるシリサイド層を形成する第1熱処理工程と、ゲート電極を覆うようにパラジウム層を形成し、熱処理によりゲート電極をパラジウムシリサイドからなるフルシリサイド電極とする第2熱処理工程とを含み、第2熱処理工程が、第1熱処理工程より低温で行われることを特徴とする半導体装置の製造方法でもある。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる半導体装置では、ソース/ドレイン領域上に良好なシリサイド層を形成しつつ、PdSiからなるフルシリサイドゲート電極の仕事関数の調整が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、全体が100で表される、本実施の形態にかかるMOS型半導体装置の断面図である。MOS型半導体装置100は、n−chMOSFET100aとp−chMOSFET100bとを含むCMOS構造となっている。
【0013】
MOS型半導体装置100は、例えばシリコンからなる半導体基板1を含む。半導体基板1には、p型ウエル領域1aとn型ウエル領域1bとが設けられている。p型ウエル領域1aとn型ウエル領域1bとの間は、例えば酸化シリコンからなる分離領域2で電気的に分離されている。分離領域2は、トレンチ型分離領域でもLOCOS型分離領域でも構わない。
【0014】
p型ウエル領域1aには、n型のソース/ドレイン領域9aと、同じくn型のエクステンション領域7aが設けられている。ソース/ドレイン領域9aの上には、例えばNiSiからなる金属シリサイド膜11が設けられている。
【0015】
2つのエクステンション領域7aに挟まれたp型ウエル領域1aがnチャネル領域となり、その上に、例えば酸化シリコンからなるゲート絶縁膜3を介してゲート電極14aが設けられている。ゲート電極14aは、パラジウムシリサイドを用いたフルシリサイド(FUSI)ゲート電極からなる。
【0016】
一方、n型ウエル領域1bには、p型のソース/ドレイン領域9bと、同じくp型のエクステンション領域7bが設けられている。ソース/ドレイン領域9bの上には、例えばNiSiからなる金属シリサイド膜11が設けられている。
【0017】
2つのエクステンション領域7bに挟まれたn型ウエル領域1bがpチャネル領域となり、その上に、同じくゲート絶縁膜3を介してゲート電極14bが設けられている。ゲート電極14bは、パラジウムシリサイドを用いたフルシリサイド(FUSI)ゲート電極からなる。
【0018】
ここで、パラジウムシリサイド(PdSi)からなるゲート電極14a、14bでは、不純物をドープしない状態において、フェルミ準位はシリコンの禁制帯の中央近傍にある。このため、n−chMOSFET100aでは、ゲート電極14aに、例えばホウ素(B)等の不純物イオンをドープして、フェルミ準位を伝導帯(E)の方に(仕事関数が小さくなる方に)シフトさせる。一方、p−chMOSFET100bでは、ゲート電極14bに、例えばアンチモン(Sb)、ヒ素(As)、リン(P)、フッ素(F)等の不純物イオンをドープして、フェルミ準位を荷電子帯(E)の方に(仕事関数が大きくなる方に)シフトさせる。これにより、n−chMOSFET100a、p−chMOSFET100bの閾値電圧を小さくすることができる。
【0019】
図2は、NiSiとPdSiに各種不純物イオンをドープした場合の、仕事関数変調域を示すグラフである。図2の縦軸において、中央(Undoped)がイオンをドープしない場合のフェルミ準位であり、禁制帯の中央近傍にある。
図2から明らかなように、PdSiでは、Sb、As、P、Fのイオンをドープした場合に、フェルミ準位は荷電子帯(E)の方向にシフトし、Bのイオンをドープした場合に、フェルミ準位は伝導帯(E)の方向にシフトする。これは、これらの元素をNiSiに注入した場合と比較して、フェルミ準位のシフトする方向が逆方向となっている。
【0020】
ゲート電極14aの両側には、例えば酸化シリコンからなる側壁絶縁膜8が設けられている。なお、図1には図示しないが、表面保護膜や配線層は適宜形成するものとする。
【0021】
このように、本実施の形態にかかるMOS型半導体装置100では、シリコンの析出等のないPdSi層をゲート電極として使用することができる。
また、p型またはn型の不純物をゲート電極にドープすることにより、ゲート電極の仕事関数を調整することができる。この場合、NiSiをゲート電極に用いた場合と比較して、所定の不純物をゲート電極にドープした場合のフェルミ準位のシフト方向が逆方向となる。
【0022】
次に、図3を参照しながら、本実施の形態にかかるMOS型半導体装置100の製造方法について説明する。図3において、図1と同一符号は、同一又は相当箇所を示す。MOS型半導体装置100の製造方法は、以下の工程1〜工程10を含む。
【0023】
工程1:図3(a)に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板1を準備する。次に、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法やSTI(Shallow Trench Isolation)法を用いて、例えば酸化シリコンからなる分離領域2を形成する。続いて、半導体基板1に、ホウ素(B)等のp型イオン、リン(P)等のn型イオンを選択注入して、p型ウエル領域1a、n型ウエル領域1bをそれぞれ形成する。
【0024】
工程2:図3(b)に示すように、半導体基板1の表面に、例えば熱酸化法を用いてゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)3を形成する。ゲート絶縁膜3は酸化シリコンからなり、膜厚は、例えば2.5〜3.0nmである。
次に、ゲート絶縁膜3の上に、例えばCVD法を用いて、ポリシリコンやアモルファスシリコンからなるシリコン層4を形成する。シリコン層4の膜厚は、例えば100〜150nmである。
続いて、p型ウエル領域1a上のシリコン層4に、例えばホウ素等の不純物イオンを選択的に注入(プリドープ)する。また、p型ウエル領域1a上のシリコン層4に、例えばリン等の不純物イオンを選択的に注入(プリドープ)する。これにより、シリコン層4から形成されるフルシリサイド(FUSI)のゲート電極の仕事関数を制御することができる。
上述のように、ゲート電極への注入不純物とその仕事関数変調域との関係は、図2のようになり、NiSiをゲート電極に持ち用いた場合と異なった挙動を示している。
【0025】
工程3:図3(c)に示すように、シリコン層4の上に、例えばCVD法により、ハードマスク5が形成される。ハードマスク5は、例えば窒化シリコンからなり、膜厚は100nm以下である。続いて、ハードマスク5の上にフォトレジスト層を形成し、フォトリソグラフ法等によりパターニングして、レジストマスク6を形成する
【0026】
工程4:図3(d)に示すように、レジストマスク6をエッチングマスクに用いて、ハードマスク5をエッチングする。次に、ジストマスク6を除去して、ハードマスク5をエッチングマスクに用いて、シリコン層4とゲート絶縁膜3とをエッチングする。
【0027】
工程5:図3(e)に示すように、ハードマスク5を注入マスクに用いて、p型ウエル領域1aに、リン等のn型イオンを選択的に注入し、また、n型ウエル領域1bに、ホウ素等のp型イオンを選択的に注入する。これにより、エクステンション領域7a、7bが形成される。エクステンション領域7a、7bの不純物濃度は、例えば1×1020/cmである。
【0028】
工程6:図3(f)に示すように、例えば熱酸化法によりシリコン層4の側壁を酸化して、酸化シリコンからなる側壁絶縁膜8を形成する。次に、ハードマスク5および側壁酸化膜8を注入マスクに用いて、p型ウエル領域1aに、リン等のn型イオンを選択的に注入し、また、n型ウエル領1bに、ホウ素等のp型イオンを選択的に注入する。これにより、ソース/ドレイン領域9a、9bが形成される。ソース/ドレイン領域9a、9bの不純物濃度は、例えば1×1021/cmである。また、ソース/ドレイン領域9a、9bの深さは、エクステンション領域7a、7bの深さより大きくなっている。続いて、アニール工程により注入イオンを活性化する。これにより、ソース/ドレイン領域9a、9bと、その内方に設けられたエクステンション領域7a、7bが形成される。
【0029】
工程7:図3(g)に示すように、例えばスパッタ法を用いて、半導体基板1の上にニッケル層10を堆積させる。
【0030】
工程8:図3(h)に示すように、熱処理により、NiSiからなるシリサイド層11をソース/ドレイン領域9a、9bの表面に形成する。熱処理には、例えばランプアニールが用いられ、熱処理温度は、400〜500℃の範囲内であり、好適には450℃である。次に、例えば硫酸と過酸化水素水の混合液により、シリサイド層11とならなかったニッケル層10を選択的に除去する。
【0031】
工程9:図3(i)に示すように、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜13を全面に堆積させた後、例えばCMP法を用いて表面の平坦化を行う。かかるCMP工程で、ハードマスク5も除去され、シリコン層4a、4bの上面が露出する。
【0032】
工程10:図3(j)に示すように、例えばスパッタ法を用いて、半導体基板1の上にパラジウム層12を堆積させる。パラジウム層12の膜厚は、次の熱処理工程でシリコン層4a、4bの全体をシリサイド化できるような膜厚であり、例えば、シリコン層4a、4bの膜厚の2分の1程度が好ましい。
続いて、熱処理により、シリコン層4a、4bの全体をシリサイド化して、PdSiからなるフルシリサイド(FUSI)ゲート電極であるシリコン層14a、14bを形成する。熱処理には、例えばランプアニールが用いられ、熱処理温度は、250〜300℃の範囲内である。かかる熱処理温度は、NiSiからなるシリサイド層11の熱処理温度(工程8)より低温であるため、シリコン層14a、14bの形成工程において、シリサイド層11の更なるシリサイド化(NiSiがNiSiになる等)や、Niが深さ方向に拡散して接合リーク電流を増加させるのを防止することができる。最後に、例えば王水を用いて、シリサイド化されていないパラジウム層12を選択的に除去することにより、図1に示すMOS型半導体装置100が完成する。
【0033】
なお、表面保護膜や配線層は、適宜形成するものとする。
【0034】
以上のように、本実施の形態にかかるMOS型半導体装置100の製造方法では、ゲート電極のシリサイド化(フルシリサイド化)工程が、ソース/ドレイン領域9a、9b上のシリサイド層11の形成工程より低温で行われる。このため、フルシリサイドゲートの形成工程において、シリサイド層11の更なるシリサイド化(NiSiがNiSiになる等)を防止することができる。また、Niが半導体基板の深さ方向に拡散して、pn接合面におけるリーク電流を増加させるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態にかかるMOS型半導体装置の断面図である。
【図2】NiSiとPdSiに不純物イオンを注入した場合の仕事関数変調域である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるMOS型半導体装置の製造工程の断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 半導体基板、1a p型ウエル領域、1b n型ウエル領域、2 分離領域、7a、7b エクステンション領域、8 側壁絶縁膜、9a、9b ソース/ドレイン領域、11 シリサイド層、12 パラジウム層、13 絶縁膜、14a、14b ゲート電極、100 MOS型半導体装置、100a n−chMOSFET、100b p−chMOSFET。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
該半導体基板の上に、ゲート絶縁膜を介して設けられたパラジウムシリサイドのゲート電極と、
該ゲート電極の両側の該半導体基板に形成されたソース/ドレイン領域とを含むMOS構造の半導体装置であって、
該ゲート電極にホウ素を不純物としてドープすることにより、該ゲート電極の仕事関数を小さくなるようにシフトさせたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
上記MOS構造の半導体装置が、nチャネルMOSFETであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
半導体基板と、
該半導体基板の上に、ゲート絶縁膜を介して設けられたパラジウムシリサイドのゲート電極と、
該ゲート電極の両側の該半導体基板に形成されたソース/ドレイン領域とを含むMOS構造の半導体装置であって、
該ゲート電極に、アンチモン、ヒ素、リン、およびフッ素からなる群から選択される元素を不純物としてドープすることにより、該ゲート電極の仕事関数を大きくなるようにシフトさせたことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
上記MOS構造の半導体装置が、pチャネルMOSFETであることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板と、
該半導体基板の上に、ゲート絶縁膜を介して設けられたパラジウムシリサイドのゲート電極と、
該ゲート電極の両側の該半導体基板に形成されたソース/ドレイン領域とを含む半導体装置であって、
更に、該ソース/ドレイン領域の上にニッケルシリサイドからなるシリサイド層が設けられたことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
半導体基板を準備する工程と、
該半導体基板に、p型ウエル領域を形成する工程と、
該p型ウエル領域上にゲート絶縁膜を形成し、その上にシリコン層を堆積する工程と、
該シリコン層にホウ素を不純物としてドープする工程と、
該シリコン層をパターニングしてゲート電極を形成する工程と、
該ゲート電極の両側の該p型ウエル領域にn型イオンをドープして、該ゲート電極を挟むようにソース/ドレイン領域を形成する工程と、
該ソース/ドレイン領域の上にニッケル層を形成し、熱処理によりニッケルシリサイドからなるシリサイド層を形成する第1熱処理工程と、
該ゲート電極を覆うようにパラジウム層を形成し、熱処理によりゲート電極をパラジウムシリサイドからなるフルシリサイド電極とする第2熱処理工程とを含み、
該第2熱処理工程が、該第1熱処理工程より低温で行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
半導体基板を準備する工程と、
該半導体基板に、n型ウエル領域を形成する工程と、
該n型ウエル領域上にゲート絶縁膜を形成し、その上にシリコン層を堆積する工程と、
該シリコン層にアンチモン、ヒ素、リン、およびフッ素からなる群から選択される元素を不純物としてドープする工程と、
該シリコン層をパターニングしてゲート電極を形成する工程と、
該ゲート電極の両側の該n型ウエル領域にp型イオンをドープして、該ゲート電極を挟むようにソース/ドレイン領域を形成する工程と、
該ソース/ドレイン領域の上にニッケル層を形成し、熱処理によりニッケルシリサイドからなるシリサイド層を形成する第1熱処理工程と、
該ゲート電極を覆うようにパラジウム層を形成し、熱処理によりゲート電極をパラジウムシリサイドからなるフルシリサイド電極とする第2熱処理工程とを含み、
該第2熱処理工程が、該第1熱処理工程より低温で行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
上記第2熱処理工程が、400℃以上で500℃以下の温度で行われ、
上記第1熱処理工程が、250℃以上で300℃以下の温度で行われることを特徴とする請求項6又は7に記載の製造方法。
【請求項9】
上記シリコン層が、多結晶シリコン層又はアモルファスシリコン層からなることを特徴とする請求項6又は7に記載の製造方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−41767(P2008−41767A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−211151(P2006−211151)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年3月24日社団法人応用物理学会主催の「第53回応用物理学会学術講演会」において文書をもって発表 平成18年3月22日社団法人応用物理学会発行の「第53回応用物理学会学術講演会予稿集」に発表
【出願人】(396023993)株式会社半導体理工学研究センター (150)
【Fターム(参考)】