説明

基板処理装置、基板収納容器開閉装置、基板処理方法、基板の搬送方法および基板収納容器の開閉方法

【課題】リードタイムを短縮しスループットを高める。
【解決手段】基板処理装置は、複数枚の基板を収納し開閉自在なキャップを有する基板収納容器に対して基板を出し入れする、垂直方向に複数設置された基板ローディングポートと、複数の基板ローディングポートに載置された基板収納容器のキャップを保持するクロージャ40がそれぞれ設けられ、基板ローディングポートに載置された基板収納容器のキャップを開閉する際にクロージャによりキャップを保持しつつ、キャップを水平方向に個別に移動させる、基板ローディングポートそれぞれに設けられた開閉装置20と、が構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、基板収納容器開閉装置、基板処理方法、基板の搬送方法および基板収納容器の開閉方法に関する。
特に、ポッドを開閉する技術に係り、例えば、半導体素子を含む半導体集積回路を作り込まれる基板としての半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したり不純物を拡散したりするバッチ式縦形拡散・CVD装置およびこれを使用して成膜したり不純物を拡散したりする基板処理方法並びに半導体装置を製造する方法に利用して有効なものに関する。
【0002】
基板処理装置の一例であるバッチ式縦形拡散・CVD装置(以下、半導体製造装置という。)においては、未処理のウエハがキャリア(ウエハ収納容器)に収納された状態で半導体製造装置の外部から搬入される。
従来のこの種のキャリアとして、互いに対向する一対の面が開口された略立方体の箱形状に形成されているカセットと、一つの面が開口された略立方体の箱形状に形成され開口面にキャップが着脱自在に装着されているFOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという。)とがある。
【0003】
ウエハのキャリアとしてポッドが使用される場合には、ウエハが密閉された状態で搬送されることになるため、周囲の雰囲気にパーティクル等が存在していたとしてもウエハの清浄度は維持することができる。したがって、半導体製造装置が設置されるクリーンルーム内の清浄度をあまり高く設定する必要がなくなるため、クリーンルームに要するコストを低減することができる。
そこで、最近の半導体製造装置においてはウエハのキャリアとしてポッドが使用されて来ている。
【0004】
ウエハのキャリアとしてポッドを使用した半導体製造装置においては、キャップを開閉するに際して筐体内およびポッド内のウエハの清浄度を維持しつつウエハをポッドに対して出し入れ可能とする基板収納容器開閉装置(以下、ポッドオープナという。)が、設置されている。
従来のこの種のポッドオープナとして、特開平8−279546号公報に開示されているものがある。すなわち、このポッドオープナはウエハローディングポートに設置されており、ウエハローディングポートに載置されたポッドのキャップを摩擦係合によって固定するクロージャを備えており、クロージャがキャップを固定した状態で下降することによりポッドを開放するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−279546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の半導体製造装置においては、ウエハローディングポートが一つだけしか設定されていないことにより、ウエハの移載時間にポッドの入替え時間が算入されることになるため、半導体製造装置全体としての処理時間が長くなり、半導体製造装置のスループットが低下するという問題点がある。
本発明の目的は、スループットを高めることができる基板処理装置、基板収納容器開閉装置、基板処理方法、基板の搬送方法および基板収納容器の開閉方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
複数枚の基板を収納し開閉自在なキャップを有する基板収納容器に対して前記基板を出し入れする、垂直方向に複数設置された基板ローディングポートと、
前記複数の基板ローディングポートに載置された前記基板収納容器の前記キャップを保持するクロージャがそれぞれ設けられ、前記基板ローディングポートに載置された前記基板収納容器の前記キャップを開閉する際に前記クロージャにより前記キャップを保持しつつ、前記キャップを水平方向に個別に移動させる、前記基板ローディングポートそれぞれに設けられた開閉装置と、が構成された基板処理装置。
【発明の効果】
【0008】
前記した手段によれば、スループットを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体製造装置を示す概略斜視図である。
【図2】ポッドオープナを示す正面側から見た斜視図である。
【図3】そのポッド載置状態を示す斜視図である。
【図4】ポッドオープナを示す背面側から見た一部省略斜視図である。
【図5】図4の省略したV部を示す斜視図である。
【図6】マッピング装置を示す各平面断面図であり、(a)は待機中を示し、(b)は作動中を示している。
【図7】本発明の第一の実施の形態であるウエハ装填脱装方法を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態であるウエハ装填脱装方法を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第三の実施の形態であるウエハ装填脱装方法を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第四の実施の形態であるウエハ装填脱装方法を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置、基板収納容器開閉装置、基板処理方法、基板の搬送方法および基板収納容器の開閉方法は、図1に示されているように半導体製造装置すなわちバッチ式縦形拡散・CVD装置に使用される。
図1に示されている半導体製造装置1は気密室構造に構築された筐体2を備えている。筐体2内の一端部(以下、後端部とする。)の上部にはヒータユニット3が垂直方向に据え付けられており、ヒータユニット3の内部にはプロセスチューブ4が同心に配置されている。
プロセスチューブ4にはプロセスチューブ4内に原料ガスやパージガス等を導入するためのガス導入管5と、プロセスチューブ4内を真空排気するための排気管6とが接続されている。
筐体2の後端部の下部にはエレベータ7が設置されており、エレベータ7はプロセスチューブ4の真下に配置されたボート8を垂直方向に昇降させるように構成されている。
ボート8は多数枚のウエハ9を中心を揃えて水平に配置した状態で支持して、プロセスチューブ4の処理室に対して搬入搬出するように構成されている。
【0011】
筐体2の正面壁にはポッド出し入れ口(図示せず)が開設されており、ポッド出し入れ口はフロントシャッタによって開閉されるようになっている。ポッド出し入れ口にはポッド10の位置合わせを実行するポッドステージ11が設置されており、ポッド10はポッド出し入れ口を通してポッドステージ11に出し入れされるようになっている。
【0012】
筐体2内の前後方向の中央部の上部には回転式のポッド棚12が設置されており、回転式のポッド棚12は合計八個のポッド10を保管するように構成されている。すなわち、回転式のポッド棚12は略卍形状に形成された棚板が上下二段に配置されて水平面内で回転自在に支承されており、モータ等の間欠回転駆動装置(図示せず)によってピッチ送り的に一方向に回転されるようになっている。
筐体2内のポッド棚12の下側には基板としてのウエハ9を払い出す(ローディングする)ためのウエハローディングポート13が一対、垂直方向に上下二段に配置されて設置されており、両ウエハローディングポート13、13には後記するポッドオープナ20がそれぞれ設置されている。
なお、便宜上、図1においてはポッド棚は合計八個のポッドを保管するように図示されているが、最大十六個のポッドを保管することができる。
【0013】
筐体2内のポッドステージ11とポッド棚12およびウエハローディングポート13との間にはポッド搬送装置14が設置されており、ポッド搬送装置14はポッドステージ11とポッド棚12およびウエハローディングポート13との間およびポッド棚12とウエハローディングポート13との間でポッド10を搬送するように構成されている。
また、ウエハローディングポート13とボート8との間にはウエハ移載装置15が設置されており、ウエハ移載装置15はウエハローディングポート13とボート8との間でウエハ9を搬送するように構成されている。
【0014】
上下のウエハローディングポート13、13に設置されたポッドオープナ20、20は同一に構成されているため、ポッドオープナ20の構成については上段のウエハローディングポート13に設置されたものについて説明する。
【0015】
図1に示されているように、ポッドオープナ20は筐体2内においてウエハローディングポート13とウエハ移載装置15とを仕切るように垂直に立脚された側壁をなすベース21を備えており、図2および図3に示されているように、ベース21にはポッド10のキャップ10aと若干大きめに相似する四角形に形成されたウエハ出入口22が開設されている。
なお、ベース21は上下のポッドオープナ20、20で共用されているため、ベース21には上下で一対のウエハ出入口22、22が垂直方向で縦に並ぶように開設されている。
【0016】
図2に示されているように、ベース21のウエハローディングポート13側の主面(以下、正面とする。)におけるウエハ出入口22の下側にはアングル形状の支持台23が水平に固定されており、支持台23の平面視の形状は一部が切り欠かれた略正方形の枠形状に形成されている。
支持台23の上面には一対のガイドレール24、24がベース21の正面と平行方向(以下、左右方向とする。)に配置されて、ベース21の正面と直角方向(以下、前後方向とする。)に延在するように敷設されており、左右のガイドレール24、24には載置台27が複数個のガイドブロック25を介して前後方向に摺動自在に支承されている。載置台27は支持台23の上面に据え付けられたエアシリンダ装置26によって前後方向に往復移動されるようになっている。
【0017】
図2に示されているように、載置台27は一部が切り欠かれた略正方形の枠形状に形成されており、載置台27の上面には位置決めピン28が三本、正三角形の頂点に配置されて垂直に突設されている。三本の位置決めピン28はポッド10が図3に示されているように載置台27の上に載置された状態において、ポッド10の下面に没設された三箇所の位置決め凹部(図示せず)に嵌入するようになっている。
【0018】
図4に示されているように、ベース21のウエハ移載装置15側の主面(以下、背面とする。)におけるウエハ出入口22の下側には、ガイドレール30が左右方向に水平に敷設されており、ガイドレール30にはアングル形状に形成された左右方向移動台31が左右方向に往復移動し得るように摺動自在に支承されている。
左右方向移動台31の垂直部材にはエアシリンダ装置32が左右方向に水平に据え付けられており、エアシリンダ装置32のピストンロッド32aの先端はベース21に固定されている。すなわち、左右方向移動台31はエアシリンダ装置32の往復作動によって左右方向に往復駆動されるようになっている。
【0019】
図5に示されているように、左右方向移動台31の水平部材の上面には一対のガイドレール33、33が左右に配されて前後方向に延在するように敷設されており、両ガイドレール33、33には前後方向移動台34が前後方向に往復移動し得るように摺動自在に支承されている。前後方向移動台34の片側端部にはガイド孔35が左右方向に延在するように開設されている。
左右方向移動台31の一側面にはブラケット36が固定されており、ブラケット36にはロータリーアクチュエータ37が垂直方向上向きに据え付けられている。ロータリーアクチュエータ37のアーム37aの先端に垂直に立脚されたガイドピン38は前後方向移動台34のガイド孔35に摺動自在に嵌入されている。すなわち、前後方向移動台34はロータリーアクチュエータ37の往復回動によって前後方向に往復駆動されるように構成されている。
【0020】
前後方向移動台34の上面にはブラケット39が垂直に立脚されており、ブラケット39の正面にはウエハ出入口22に若干大きめに相似する長方形の平盤形状に形成されたクロージャ40が垂直に固定されている。つまり、クロージャ40は前後方向移動台34によって前後方向に往復移動されるようになっているとともに、左右方向移動台31によって左右方向に往復移動されるようになっている。そして、クロージャ40は前進移動してそのベース側を向いた主面(以下、正面とする。)がベース21の背面に当接することによりウエハ出入口22を閉塞し得るようになっている。
なお、図5および図6に示されているように、ベース21の正面におけるウエハ出入口22の周りには、ポッド10の押し付け時にポッド10のウエハ出し入れ口およびベース21のウエハ出入口22をシールするパッキン54が敷設されている。
クロージャ40の正面における外周縁近傍には、クロージャ40の押し付け時にベース21のウエハ出入口22をシールするためのパッキン55が敷設されている。クロージャ40の正面における外周縁のパッキン55の内側には、キャップ10aに付着した異物がウエハ移載装置15の設置室側へ侵入するのを防止するためのパッキン56が敷設されている。
【0021】
図4に示されているように、クロージャ40の上下方向の中心線上には、一対の解錠軸41、41が左右に配置されて前後方向に挿通されて回転自在に支承されている。両解錠軸41、41におけるクロージャ40のベースと反対側の主面(以下、背面とする。)側の端部には一対のプーリー42、42が固定されており、両プーリー42、42間には連結片44を有するベルト43が巻き掛けられている。クロージャ40の背面における一方のプーリー42の上側にはエアシリンダ装置45が水平に据え付けられており、エアシリンダ装置45のピストンロッドの先端はベルト43の連結片44に連結されている。すなわち、両解錠軸41、41はエアシリンダ装置45の伸縮作動によって往復回動されるようになっている。
図2に示されているように、両解錠軸41、41のクロージャ40の正面側の端部にはキャップ10aの錠前(図示せず)に係合する係合部41aが直交して突設されている。
【0022】
図2に示されているように、クロージャ40の正面における一方の対角付近にはキャップ10aの表面に吸着する吸着具(吸盤)46が二個、吸込口部材47によってそれぞれ固定されている。吸着具46を固定する吸込口部材47は中空軸によって構成されており、吸込口部材47の背面側端は給排気路(図示せず)に接続されている。
吸込口部材47の正面側端の外径はキャップ10aに没設された位置決め穴(図示せず)に嵌入するように設定されている。すなわち、吸込口部材47はキャップ10aの位置決め穴に嵌入してキャップ10aを機械的に支持するための支持ピンを兼用するように構成されている。
【0023】
図2、図4および図6に示されているように、ベース21の正面におけるウエハ出入口22の片脇にはロータリーアクチュエータ50が回転軸50aが垂直方向になるように据え付けられており、回転軸50aには略C字形状に形成されたアーム51の一端が水平面内で一体回動するように固定されている。
アーム51はベース21に開設された挿通孔52を挿通されており、アーム51のベース21の背面側の先端部にはマッピング装置53が固定されている。
【0024】
次に、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法の特徴工程であって、本発明の一実施の形態に係る基板の搬送方法および基板処理方法であるウエハのボートへの装填および脱装(チャージングおよびディスチャージング)方法を、前記構成に係る半導体製造装置を使用して実施する場合について図7に示されたシーケンスに沿って説明する。
なお、説明を理解し易くするため、以下の説明においては、一方のウエハローディングポート13を上段ポートAとし、他方のウエハローディングポート13を下段ポートBとする。
【0025】
図7に示されたシーケンスが実施される前に、予め、図1に示されているように、筐体2内のポッドステージ11にポッド出し入れ口から搬入されたポッド10は、ポッド搬送装置14によって指定されたポッド棚12に適宜に搬送されて一時的に保管される。
【0026】
ポッド棚12に予め保管されたポッド10はポッド搬送装置14によって適宜にピックアップされ、図7に示された実ポッド搬入ステップS1において、上段ポートAに搬送されて、ポッドオープナ20の載置台27に図3に示されているように移載される。
この際、ポッド10の下面に没設された位置決め凹部が載置台27の三本の位置決めピン28とそれぞれ嵌合されることにより、ポッド10と載置台27との位置合わせが実行される。
【0027】
ポッド10が載置台27に載置されて位置合わせされると、載置台27がエアシリンダ装置26によってベース21の方向に押され、図6(a)に示されているように、ポッド10の開口側端面がベース21の正面におけるウエハ出入口22の開口縁辺部に押し付けられる。また、ポッド10がベース21の方向に押されると、クロージャ40の解錠軸41がキャップ10aの鍵穴に挿入される。
【0028】
続いて、負圧がクロージャ40の吸込口部材47に給排気路から供給されることにより、ポッド10のキャップ10aが吸着具46によって真空吸着保持される。この状態で、解錠軸41がエアシリンダ装置45によって回動されると、解錠軸41はキャップ10a側の錠前に係合した係合部41aによってキャップ10aの錠前の施錠を解除する。
【0029】
次いで、前後方向移動台34がロータリーアクチュエータ37の作動によってベース21から離れる方向に移動され、続いて、左右方向移動台31がエアシリンダ装置32の作動によってウエハ出入口22から離れる方向に移動されることにより、キャップ10aを吸着具46によって真空吸着保持したクロージャ40がベース21の背面における退避位置に移動される。このクロージャ40の移動により、キャップ10aがポッド10の開口部から外されるため、図6(b)に示されているように、ポッド10が開放される。
以上により、上段ポートAにおいては図7の実ポッド開けステップS2が実行されたことになる。
【0030】
次に、図7に示されているように、上段ポートAにおいてはマッピングステップS3が実行される。すなわち、図6(b)に示されているように、マッピング装置53がロータリーアクチュエータ50の作動によって移動されて、ポッド10の開口に挿入される。ポッド10の開口に挿入されたマッピング装置53はポッド10に収納された複数枚のウエハ9を検出することによってマッピングする。ここで、マッピングとはポッド10の中のウエハ9の所在位置(ウエハ9がどのスリットにあるのか。)を確認することである。
指定されたマッピング作業が終了すると、マッピング装置53はロータリーアクチュエータ50の作動によって元の待機位置に戻される。
【0031】
マッピング装置53が待機位置に戻ると、上段ポートAにおいて開けられたポッド10の複数枚のウエハ9はボート8にウエハ移載装置15によって順次装填(チャージング)されて行く。すなわち、図7のチャージングステップS4−1が実行される。
【0032】
この上段ポートAにおけるウエハ移載装置15によるウエハ9の装填作業中(チャージングステップS4−1の実行中)に、図7に示されているように、下段ポートBにおいては実ポッド搬入ステップS1、実ポッド開けステップS2およびマッピングステップS3が実行される。すなわち、下段ポートBにはポッド棚12から別のポッド10がポッド搬送装置14によって搬送されて移載され、ポッドオープナ20による前述した位置決め作業からマッピング作業が同時進行される。
なお、下段ポートBにおいてマッピングステップS3が完了した後に上段ポートAにおいてチャージングステップS4−1が継続中の場合には、下段ポートBにおいては待機ステップStが適宜に実行されることになる。
【0033】
このように下段ポートBにおいてマッピングステップS3迄が同時進行されていると、上段ポートAにおけるウエハ9の装填作業の終了と同時に、下段ポートBに待機させたポッド10についてのウエハ9のウエハ移載装置15による装填作業を開始することができる。すなわち、ウエハ移載装置15はポッド10の入替え作業についての待ち時間を浪費することなくウエハ移載(ウエハローディング)作業を連続して実施することができるため、半導体製造装置1のスループットを高めることができる。
【0034】
翻って、図7に示されているように、上段ポートAにおいてチャージングステップS4−1が終了すると、空ポッド閉じステップS5が実行される。すなわち、クロージャ40に保持されて退避されていたキャップ10aがウエハ出入口22の位置に左右方向移動台31によって戻され、前後方向移動台34によってウエハ出入口22に挿入されてポッド10の開口部に嵌入される。キャップ10aがポッド10に嵌入されると、解錠軸41がエアシリンダ装置45によって回動され、キャップ10aの錠前を施錠する。
キャップ10aの施錠が終了すると、給排気路から吸込口部材47へ供給されていた負圧が切られて大気に開放されることにより、吸着具46の真空吸着保持が解除される。
続いて、載置台27がエアシリンダ装置26によってベース21から離れる方向に移動され、ポッド10の開口側端面がベース21の正面から離座される。
【0035】
キャップ10aによりウエハ出入口が閉塞された上段ポートAの空のポッド10は、図7の空ポッド搬出ステップS6において、ポッド棚12にポッド搬送装置14によって搬送されて一時的に戻される。
【0036】
空のポッド10が上段ポートAから搬出されると、図7に示されているように、次の実ポッド10が上段ポートAに搬入される実ポッド搬入ステップS1が実行される。
以降、上段ポートAにおいては前述した各ステップS2〜S6が必要回数繰り返される。但し、マッピングステップS3の後に必要に応じて待機ステップStが実行される。
【0037】
以上の上段ポートAにおける空ポッド閉じステップS5〜待機ステップStの実行中に、図7に示されているように、下段ポートBにおいてはチャージングステップS4−2が前述した上段ポートAのそれと同様にして実行される。
【0038】
下段ポートBにおいてチャージングステップS4−2が終了すると、図7に示されているように、空ポッド閉じステップS5が実行される。
続いて、下段ポートBの空のポッド10は空ポッド搬出ステップS6においてポッド棚12にポッド搬送装置14によって搬送されて一時的に戻される。空のポッド10が下段ポートBから搬出されると、図7に示されているように、次の実ポッド10が下段ポートBに搬入される実ポッド搬入ステップS1が実行される。
以降、下段ポートBにおいては前述した各ステップS2〜S6が必要回数繰り返される。
【0039】
このように上段ポートAにおいてマッピングステップS3迄が同時進行されていると、下段ポートBにおけるウエハ9の装填作業の終了と同時に、上段ポートAに待機させたポッド10についてのウエハ9のウエハ移載装置15による装填(チャージング)作業を開始することができる。すなわち、ウエハ移載装置15はポッド10の入替え作業についての待ち時間を浪費することなくウエハ移載(ローディング)作業を連続して実施することができるため、半導体製造装置1のスループットを高めることができる。
【0040】
以上のようにして上段ポートAと下段ポートBとに対するウエハ移載装置15によるチャージングステップS4−1、S4−2、S4−3、S4−4が交互に繰り返されることによって、複数枚のウエハ9がポッド10からボート8に装填されて行く。
この際、バッチ処理するウエハ9の枚数(例えば、百枚〜百五十枚)は一台のポッド10に収納されたウエハ9の枚数(例えば、二十五枚)よりも何倍も多いため、複数台のポッド10が上段ポートAと下段ポートBとにポッド搬送装置14によって交互に繰り返し供給されることになる。すなわち、前述したステップS1〜ステップS6が上段ポートAと下段ポートBとにおいて複数回繰り返される。
例えば、一回のバッチ処理のウエハ枚数が百枚の場合には、図7に示されているように、前述したステップS1〜ステップS6が上段ポートAと下段ポートBとにおいて二回宛繰り返される。
【0041】
予め指定された複数枚(図7の場合は百枚)のウエハ9がポッド10からボート8に移載されると、図7に示されているように、ウエハローディングポート13にとっては実質的に待機ステップ〔以下、成膜待機ステップSt(Sp)という。〕となる成膜処理がプロセスチューブ4において実行される。すなわち、ボート8はエレベータ7によって上昇されてプロセスチューブ4の処理室に搬入される。ボート8が上限に達すると、ボート8を保持したキャップの上面の周辺部がプロセスチューブ4をシール状態に閉塞するため、処理室は気密に閉じられた状態になる。
【0042】
プロセスチューブ4の処理室が気密に閉じられた状態で、所定の真空度に排気管6によって真空排気され、ヒータユニット3によって所定の温度に加熱され、所定の原料ガスがガス導入管5によって所定の流量だけ供給される。これにより、所定の膜がウエハ9に形成される。
【0043】
そして、予め設定された処理時間が経過すると、ボート8がエレベータ7によって下降されることにより、処理済みウエハ9を保持したボート8が元の装填および脱装ステーション(以下、装填ステーションという。)に搬出される。
【0044】
以上の成膜待機ステップSt(Sp)の実行中に上段ポートAおよび/または下段ポートBにおいては処理済みウエハの回収準備作業が同時進行されている。例えば、図7に示されているように、空ポッド搬入ステップS7において、空のポッド10が上段ポートAに搬入され、空ポッド開けステップS8において、空のポッド10のキャップ10aが外される。
【0045】
そして、図7に示されているように、上段ポートAのディスチャージングステップS9−1において、装填ステーションに搬出されたボート8の処理済みウエハ9はウエハ移載装置15によってディスチャージングされ、上段ポートAに予め搬入されてキャップ10aを外されて開放された空のポッド10に収容(アンローディング)される。
【0046】
上段ポートAへの空のポッド10への所定の枚数のウエハ9の収容が終了すると、図7に示されているように、処理済みポッド閉じステップS10が実行される。すなわち、クロージャ40に保持されて退避されていたキャップ10aがウエハ出入口22の位置に左右方向移動台31によって戻され、前後方向移動台34によってウエハ出入口22に挿入されポッド10の開口部に嵌入される。キャップ10aがポッド10に嵌入されると、解錠軸41がエアシリンダ装置45によって回動され、キャップ10aの錠前を施錠する。キャップ10aの施錠が終了すると、給排気路から吸込口部材47に供給されていた負圧が切られて大気に開放されることにより、吸着具46のキャップ10aの真空吸着保持が解除される。
続いて、載置台27がエアシリンダ装置26によってベース21から離れる方向に移動され、ポッド10の開口側端面がベース21の正面から離座される。
【0047】
次いで、図7に示された処理済み実ポッド搬出ステップS11において、処理済みのウエハ9が収納された処理済み実ポッド10はポッド棚12にポッド搬送装置14によって搬送されて戻される。
【0048】
以上の上段ポートAにおけるディスチャージングステップS9−1の実行中に、図7に示されているように、下段ポートBにおいては空ポッド搬入ステップS7および空ポッド開けステップS8が、上段ポートAの場合と同様にして実行される。
下段ポートBにおいて空ポッド開けステップS8が終了した後に上段ポートAにおいてディスチャージングステップS9−1が継続中の場合には、下段ポートBにおいては待機ステップStが適宜に実行されることになる。
【0049】
このように上段ポートAのディスチャージングステップS9−1の実行中に、下段ポートBにおいて空ポッド開けステップS8迄が同時進行されていると、上段ポートAにおけるウエハ9の脱装(ディスチャージング)作業の終了と同時に、下段ポートBに待機させたポッド10についてのウエハ9のウエハ移載装置15によるディスチャージング作業を開始することができる。すなわち、ウエハ移載装置15はポッド10の入替え作業についての待ち時間を浪費することなくウエハ移載(ウエハアンローディング)作業を連続して実施することができるため、半導体製造装置1のスループットを高めることができる。
【0050】
以上の処理済みウエハ9のディスチャージング作業の際も、ボート8に装填してバッチ処理したウエハ9の枚数は一台の空のポッド10に収納するウエハ9の枚数よりも何倍も多いため、複数台のポッド10が上段ポートAと下段ポートBとに交互にポッド搬送装置14によって繰り返し供給されることになる。
この場合にも、上段ポートA(または下段ポートB)におけるディスチャージングステップS9−1の実行中に、下段ポートB(または上段ポートA)における空のポッド10の搬送やディスチャージング準備作業が同時進行されることにより、ウエハ移載装置15は空のポッド10の入替え作業についての待ち時間を浪費することなくディスチャージング作業を連続して実施することができるため、半導体製造装置1のスループットを高めることができる。
【0051】
処理済みウエハ9を収納してポッド棚12に戻されたポッド10はポッド棚12からポッドステージ11へポッド搬送装置14によって搬送される。ポッドステージ11に移載されたポッド10はポッド出し入れ口から筐体2の外部に搬出されて、洗浄工程や成膜検査工程等の次工程へ搬送される。
そして、新規のウエハ9を収納したポッド10が筐体2内のポッドステージ11にポッド出し入れ口から搬入される。
【0052】
なお、新旧ポッド10のポッドステージ11への搬入搬出(ポッドローディングおよびポッドアンローディング)作業およびポッドステージ11とポッド棚12との間の入替え作業は、プロセスチューブ4におけるボート8の搬入搬出(ボートローディングおよびボートアンローディング)作業や成膜処理の間すなわち成膜待機ステップSt(Sp)の実行中に同時進行されるため、半導体製造装置1の全体としての作業時間が延長されるのを防止することができる。
【0053】
以降、以上説明したウエハ装填脱装方法および成膜方法が繰り返されて、CVD膜がウエハ9に半導体製造装置1によって形成され、半導体素子を含む集積回路がウエハ9に作り込まれる半導体装置の製造方法における成膜工程が実施されたことになる。
【0054】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0055】
1) 一対のウエハローディングポート13、13を上下に二段設置するとともに、両ウエハローディングポート13、13にはポッド10のキャップ10aを開閉するポッドオープナ20をそれぞれ設けることにより、一方のウエハローディングポート13におけるポッド10に対するウエハ9の出し入れ作業(ウエハローディングおよびウエハアンローディング)中に、他方のウエハローディングポート13へのポッド10の搬入搬出作業やウエハローディングまたはウエハアンローディングのための準備作業を同時進行させることができるため、ポッド10を入替える際の待ち時間をなくしスループットを高めることができる。
【0056】
2) 一対のウエハローディングポート13、13を上下に二段設置することにより、ウエハローディングポートの占拠面積を増加させなくて済むため、半導体製造装置1の横幅の増加を回避しつつスループットを高めることができる。
【0057】
3) 一対のウエハローディングポート13、13を上下に二段設置するとともに、両ウエハローディングポート13、13にはポッド10のキャップ10aを開閉するポッドオープナ20をそれぞれ設けることにより、ウエハ移載装置15に幅方向の動作を追加させずに済むため、半導体製造装置1の横幅の増加を回避しつつスループットを高めることができる。
【0058】
4) 一対のウエハローディングポート13、13を上下に二段設置するとともに、両ウエハローディングポート13、13には一対のマッピング装置53、53をそれぞれ設けることにより、一方のウエハローディングポート13におけるポッド10に対するウエハ9の出し入れ作業中に、他方のウエハローディングポート13のポッド10に対するマッピング作業を同時進行させることができるため、ポッド10に対するマッピング作業の際の待ち時間をなくし半導体製造装置1のスループットを高めることができる。
【0059】
5) ベース21の背面のウエハ出入口22の片脇に据え付けたロータリーアクチュエータ50の回転軸50aにアーム51を固定するとともに、アーム51をベース21に開設された挿通孔52を挿通させて、そのベース21の正面側の先端部にマッピング装置53を固定することにより、マッピング装置53を円弧軌跡によってポッド10の開口部に出し入れさせることができるため、マッピング装置53の出し入れのための駆動装置を簡単かつ小形に構成することができる。
【0060】
6) ポッド10のキャップ10aを保持したクロージャ40が水平方向に移動するようにポッドオープナ20を構成することにより、ポッドオープナ20の高さが増加するのを防止することができるため、複数段のポッドオープナ20を垂直方向に並べて設置した場合であっても全体の高さが著しく増加するのを防止することができる。すなわち、クロージャ40を水平移動するように構成することによる効果は複数段のポッドオープナ20を垂直方向に並設した場合により一層顕著になる。換言すれば、クロージャ40を水平移動するように構成することにより、初めて複数段のポッドオープナ20を垂直方向に並設することができる。
【0061】
ここで、ポッド10のキャップ10aを保持したクロージャ40が垂直方向に移動するようにポッドオープナ20を構成した場合には、ポッドオープナ20の高さがキャップ10aの高さの分だけ増加(略倍増)してしまうため、複数段のポッドオープナ20を垂直方向に設置すると、高さが相乗的に増加してしまう。その増加に伴って、ポッド棚12はより一層上方に設置されることになるため、ポッドの搬送時間が増加しスループットが低下する。
また、半導体製造装置の高さ規制によってポッド棚の頂上の高さは制限されるため、ポッド棚が上方に行き過ぎると、ポッド棚の段数が減少されることになり、ポッド棚のポッドの収納数が減少してしまう。つまり、クロージャ40を垂直移動するように構成すると、複数段のポッドオープナ20すなわちウエハローディングポート13を垂直方向に並設することができない。
【0062】
図8は本発明の第二の実施の形態であるウエハ装填脱装方法を示すシーケンス図である。
【0063】
本実施の形態においては、マッピングステップは次の例のような方法によって事前に完了されている。
ポッド10の筐体2への投入時にポッド10がウエハローディングポート13にポッド搬送装置14によって搬送され、ポッド10のキャップ10aがポッドオープナ20によって外され、ポッド10内のウエハ9がマッピング装置50にマッピングされる。マッピング終了後に、ポッド10のキャップ10aがポッドオープナ20によって閉じられ、ポッド10がポッド棚12にポッド搬送装置14によって搬送されて保管される。
なお、各ステップにおけるポッドオープナ20やマッピング装置50等の動作は前記第一の実施の形態と同様である。
【0064】
予めマッピングされた後にポッド棚12に保管されたポッド10はポッド搬送装置14によって適宜にピックアップされ、図8に示された実ポッド搬入ステップS1において上段ポートAに搬入される。上段ポートAに搬入されたポッド10はキャップ10aを外される実ポッド開けステップS2を実行される。
続いて、上段ポートAのポッド10はウエハ移載装置15によってウエハ9をボート8に装填するチャージングステップS4−1を実行される。
【0065】
図8に示されているように、上段ポートAにおけるチャージングステップS4−1の実行中に、下段ポートBにおいては実ポッド搬入ステップS1が実行される。下段ポートBに搬入されたポッド10は待機ステップStにおいてそのまま待機される。
このように下段ポートBにおいてポッド10がキャップ10aを閉じたまま待機していると、上段ポートAのチャージングステップS4−1の実行に際して下段ポートBのポッド10の内部に異物が侵入するのを防止することができる。
【0066】
図8に示されているように、上段ポートAにおけるチャージングステップS4−1が終了すると、下段ポートBにおいてはポッド10のキャップ10aが外される実ポッド開けステップS2が実行される。
続いて、下段ポートBのポッド10はウエハ移載装置15によってウエハ9をボート8に装填するチャージングステップS4−2を実行される。
【0067】
翻って、図8に示されているように、上段ポートAにおいてはチャージングステップS4−1が終了すると、空ポッド閉じステップS5が実行される。キャップ10aによっウエハ出入口が閉塞された上段ポートAの空のポッド10は、図8の空ポッド搬出ステップS6において、ポッド棚12にポッド搬送装置14によって搬送されて一時的に戻される。
【0068】
空のポッド10が上段ポートAから搬出されると、図8に示されているように、次の実ポッド10が上段ポートAに搬入される実ポッド搬入ステップS1が実行される。この上段ポートAに搬入されたポッド10は待機ステップStにおいてにおいてそのまま待機される。
このように上段ポートAにおいてポッド10がキャップ10aを閉じたまま待機していると、下段ポートBのチャージングステップS4−2の実行に際して上段ポートAのポッド10の内部に異物が侵入するのを防止することができる。
【0069】
図8に示されているように、上段ポートAにおける空ポッド閉じステップS5〜待機ステップStの実行中に、下段ポートBにおいてはチャージングステップS4−2が実行される。下段ポートBにおいてチャージングステップS4−2が終了すると、空ポッド閉じステップS5が実行される。
続いて、空のポッド10は空ポッド搬出ステップS6においてポッド棚12にポッド搬送装置14によって搬送されて一時的に戻される。空のポッド10が下段ポートBから搬出されると、次に装填すべきポッド10が下段ポートBに搬入される実ポッド搬入ステップS1が実行される。
【0070】
以上のようにして上段ポートAと下段ポートBとに対するウエハ移載装置15によるチャージングステップS4−1、S4−2、S4−3、S4−4が交互に繰り返されることによって、複数枚のウエハ9がポッド10からボート8に装填されて行く。
例えば、一回のバッチ処理のウエハ枚数が百枚の場合には図8に示されているように、前述したステップS1〜ステップS6および待機ステップStが上段ポートAと下段ポートBとにおいて二回宛繰り返されることになる。
【0071】
そして、予め指定された複数枚(図8の場合は百枚)のウエハ9がポッド10からボート8に移載されると、図8に示されているように、成膜待機ステップSt(Sp)が前記実施の形態と同様にして実行される。すなわち、ボート8はエレベータ7によって上昇されてプロセスチューブ4の処理室に搬入される。ボート8が上限に達すると、ボート8を保持したキャップの上面の周辺部がプロセスチューブ4をシール状態に閉塞するため、処理室は気密に閉じられた状態になる。
この成膜待機ステップSt(Sp)の実行中に上段ポートAおよび/または下段ポートBにおいては、処理済みウエハの回収作業が同時に進行されている。例えば、図8に示されているように、成膜待機ステップSt(Sp)中に、上段ポートAへ空ポッド搬入ステップ7において空ポッド10が搬入され、続いて、空ポッド開けステップS8によって空ポッド10のキャップ10aが外される。
【0072】
次いで、上段ポートAのディスチャージングステップS9−1において装填ステーションに搬出されたボート8の処理済みウエハ9は、ウエハ移載装置15によりディスチャージングされ、上段ポートAに予め搬入されてキャップ10aを外されて開放された空のポッド10に収容(ウエハアンローディング)される。
【0073】
上段ポートAへの空のポッド10への所定の枚数のウエハ9の収容が終了すると、図8に示されているように、処理済みポッド閉じステップS10が前記第一の実施の形態の場合と同様にして実行される。
次いで、処理済み実ポッド搬出ステップS11において、処理済みのウエハ9が収納された処理済み実ポッド10はポッド棚12にポッド搬送装置14によって搬送されて戻される。
【0074】
以上の上段ポートAにおけるディスチャージングステップS9−1の実行中に、図8に示されているように、下段ポートBにおいては空ポッド搬入ステップS7が上段ポートAの場合と同様にして実行される。下段ポートBにおいて空ポッド搬入ステップS7が終了した後に上段ポートAにおいてディスチャージングステップS9−1が継続中の場合には、下段ポートBにおいては待機ステップStが適宜に実行されることになる。
【0075】
以上のように上段ポートAまたは下段ポートBのチャージングステップS4およびディスチャージングステップS9の実行中に、下段ポートBまたは上段ポートAにおいて実ポッド搬入ステップS1や空ポッド搬出ステップS6、処理済み実ポッド搬出ステップS11および空ポッド搬入ステップS7等を実行することにより、上段ポートAまたは下段ポートBにおけるウエハ9の装填作業または脱装作業の終了と同時に、下段ポートBまたは上段ポートAに待機させたポッド10のキャップ10aを外してウエハ9のウエハ移載装置15による装填作業または脱装作業を開始することができる。すなわち、ウエハ移載装置15はポッド10の入替え作業についての待ち時間を浪費することなくウエハ移載(ウエハローディングおよびウエハアンローディング)作業を連続して実施することができるため、半導体製造装置1のスループットを高めることができる。
【0076】
なお、新旧ポッド10のポッドステージ11への搬入搬出作業およびポッドステージ11とポッド棚12との間の入替え作業は、成膜待機ステップSt(Sp)の実行中に同時進行されるため、半導体製造装置1の全体としての作業時間が延長されるのを防止することができる。
【0077】
図9は本発明の第三の実施の形態であるウエハ装填脱装方法を示すシーケンス図である。
【0078】
本実施の形態が前記第二の実施の形態と異なる点は、上段ポートAまたは下段ポートBの一方におけるチャージングステップS4およびディスチャージングステップS9の終了直前に、下段ポートBまたは上段ポートAの他方においてポッド開けステップS2およびS8を実行するように設定されている点である。
【0079】
図10は本発明の第四の実施の形態であるウエハ装填脱装方法を示すシーケンス図である。
【0080】
本実施の形態が前記第二の実施の形態と異なる点は、上段ポートAまたは下段ポートBの一方におけるチャージングステップS4およびディスチャージングステップS9の実行中に、下段ポートBまたは上段ポートAの他方においてポッド搬入ステップおよびポッド開けステップを実行し、ポッド10のキャップ10aを外した状態で待機する(すなわち待機ステップStを実行する)ように設定されている点である。
【0081】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0082】
例えば、ウエハローディングポートは上下二段設置するに限らず、上中下三段のように三段以上設置してもよい。
【0083】
マッピング装置をポッドに対して進退させる構造としてはロータリーアクチュエータを使用した構成を採用するに限らず、XY軸ロボット等を使用した構成を採用してもよい。また、マッピング装置は省略してもよい。
【0084】
基板はウエハに限らず、ホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
【0085】
半導体製造装置は成膜処理に使用するCVD装置に限らず、酸化膜形成処理や拡散処理等の熱処理にも使用することができる。
【0086】
前記実施の形態ではバッチ式縦形拡散・CVD装置の場合について説明したが、本発明はこれに限らず、半導体製造装置全般に適用することができる。
【0087】
以上説明したように、本発明によれば、半導体製造装置のリードタイムを短縮しスループットを高めることができる。
【符号の説明】
【0088】
1…半導体製造装置(基板処理装置)、2…筐体、3…ヒータユニット、4…プロセスチューブ、5…ガス導入管、6…排気管、7…エレベータ、8…ボート、9…ウエハ(基板)、10…ポッド、10a…キャップ、11…ポッドステージ、12…ポッド棚、13…ウエハローディングポート、14…ポッド搬送装置、15…ウエハ移載装置、20…ポッドオープナ(開閉装置)、21…ベース、22…ウエハ出入口、23…支持台、24…ガイドレール、25…ガイドブロック、26…エアシリンダ装置、27…載置台、28…位置決めピン、30…ガイドレール、31…左右方向移動台、32…エアシリンダ装置、32a…ピストンロッド、33…ガイドレール、34…前後方向移動台、35…ガイド孔、36…ブラケット、37…ロータリーアクチュエータ、37a…アーム、38…ガイドピン、39…ブラケット、40…クロージャ、41…解錠軸、41a…係合部、42…プーリー、43…ベルト、44…連結片、45…エアシリンダ装置、46…吸着具、47…吸込口部材、50…ロータリーアクチュエータ、50a…回転軸、51…アーム、52…挿通孔、53…マッピング装置、54、55、56…パッキン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の基板を収納し開閉自在なキャップを有する基板収納容器に対して前記基板を出し入れする、垂直方向に複数設置された基板ローディングポートと、
前記複数の基板ローディングポートに載置された前記基板収納容器の前記キャップを保持するクロージャがそれぞれ設けられ、前記基板ローディングポートに載置された前記基板収納容器の前記キャップを開閉する際に前記クロージャにより前記キャップを保持しつつ、前記キャップを水平方向に個別に移動させる、前記基板ローディングポートそれぞれに設けられた開閉装置と、が構成された基板処理装置。
【請求項2】
前記開閉装置それぞれにおける前記クロージャの隣り合う同士の間隔が、該クロージャの前記垂直方向の大きさよりも小さい請求項1の基板処理装置。
【請求項3】
前記開閉装置それぞれが、前記基板出し入れ口を開く際に前記キャップを前記基板出し入れ口の開口面に対して平行であって、かつ水平方向の同一の方向に個別に移動し、前記基板出し入れ口を閉じる際に前記キャップをそれぞれ前記基板出し入れ口の開口面に対して平行であって、かつ水平方向の同一の方向に個別に移動するように構成されている請求項1または請求項2の基板処理装置。
【請求項4】
前記開閉装置の上側に前記基板収納容器を保管する基板収納容器棚が設置されている請求項1ないし請求項3のいずれかの基板処理装置。
【請求項5】
複数枚の基板を収納し開閉自在なキャップを有する基板収納容器に対して前記基板を出し入れする、垂直方向に複数設置された基板ローディングポートと、
前記複数の基板ローディングポートに載置された前記基板収納容器の前記キャップを保持するクロージャがそれぞれ設けられ、前記基板ローディングポートに載置された前記基板収納容器の前記キャップを開閉する際に前記クロージャにより前記キャップを保持しつつ、前記キャップを水平方向に個別に移動させる、前記基板ローディングポートそれぞれに設けられた開閉装置と、が構成された基板収納容器開閉装置。
【請求項6】
前記開閉装置それぞれにおける前記クロージャの隣り合う同士の間隔が、該クロージャの前記垂直方向の大きさよりも小さい請求項5の基板収納容器開閉装置。
【請求項7】
前記開閉装置それぞれが、前記基板出し入れ口を開く際に前記キャップを前記基板出し入れ口の開口面に対して平行であって、かつ水平方向の同一の方向に個別に移動し、前記基板出し入れ口を閉じる際に前記キャップをそれぞれ前記基板出し入れ口の開口面に対して平行であって、かつ水平方向の同一の方向に個別に移動するように構成されている請求項5または請求項6の基板収納容器開閉装置。
【請求項8】
第一基板ローディングポートに載置されている第一基板収納容器の第一キャップが第一クロージャにより保持され、第一開閉装置により第一キャップが水平方向に移動されて前記第一基板収納容器が開かれ、前記第一基板収納容器に収納された第一の複数枚の基板が搬送される工程と、
前記第一基板ローディングポートの垂直方向に設置された第二基板ローディングポートに載置されている第二基板収納容器の第二キャップが第二クロージャにより保持され、第二開閉装置により第二キャップが水平方向に移動されて前記第二基板収納容器が開かれ、前記第二基板収納容器に収納された第二の複数枚の基板が搬送される工程と、
を有する基板処理方法。
【請求項9】
第一基板ローディングポートに載置されている第一基板収納容器の第一キャップが第一クロージャにより保持され、第一開閉装置により第一キャップが水平方向に移動されて前記第一基板収納容器が開かれ、前記第一基板収納容器に収納された第一の複数枚の基板が前記ボートに搬送される工程と、
前記第一基板ローディングポートの垂直方向に設置された第二基板ローディングポートに載置されている第二基板収納容器の第二キャップが第二クロージャにより保持され、第二開閉装置により第二キャップが水平方向に移動されて前記第二基板収納容器が開かれ、前記第二基板収納容器に収納された第二の複数枚の基板が前記ボートに搬送される工程と、
前記ボートが処理室に搬送され該処理室で前記ボートに収納された少なくとも第一の複数枚の基板及び第二の基板が処理される工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項10】
第一基板ローディングポートに載置されている第一基板収納容器の第一キャップが第一クロージャにより保持され、第一開閉装置により第一キャップが水平方向に移動されて前記第一基板収納容器が開かれ、前記第一基板収納容器に収納された第一の複数枚の基板が搬送される工程と、
前記第一基板ローディングポートの垂直方向に設置された第二基板ローディングポートに載置されている第二基板収納容器の第二キャップが第二クロージャにより保持され、第二開閉装置により第二キャップが水平方向に移動されて前記第二基板収納容器が開かれ、前記第二基板収納容器に収納された第二の複数枚の基板が搬送される工程と、
を有する基板の搬送方法。
【請求項11】
複数枚の基板を収納し開閉自在なキャップを有する基板収納容器に対して前記基板を出し入れする、垂直方向に複数設置された基板ローディングポートと、
前記複数の基板ローディングポートに載置された前記基板収納容器の前記キャップを保持するクロージャがそれぞれ設けられ、前記基板ローディングポートそれぞれに設けられた開閉装置と、が構成されており、
前記開閉装置それぞれは、前記基板ローディングポートに載置された前記基板収納容器の前記キャップを開閉する際に前記クロージャにより前記キャップを保持しつつ、前記キャップを水平方向に個別に移動させる基板収納容器の開閉方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−40743(P2011−40743A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177194(P2010−177194)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【分割の表示】特願2008−35856(P2008−35856)の分割
【原出願日】平成13年4月13日(2001.4.13)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】