説明

基板搬送装置、これを備える塗布現像装置、及び基板搬送方法

【課題】基板を保持して搬送する基板保持部の位置を検出することにより、基板の搬送を監視することができる基板搬送装置を提供する。
【解決手段】基板を支持する支持部を含む搬送機構と、ラインセンサ、及び該ラインセンサに光を照射する光源を含み、前記搬送機構が動作して前記支持部が移動したときに前記光が前記支持部により遮られ得るように配置される位置検出部と、前記ラインセンサからの信号に基づいて、前記搬送部の位置を検出する制御部とを備える基板搬送装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハやフラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板などの基板を搬送する基板搬送装置、塗布現像装置、及び基板搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスやフラットパネルディスプレイなどを製造する製造装置には、半導体ウエハやフラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板などの基板を搬送する基板搬送装置が設けられている。基板搬送装置は、基板を保持する搬送アームと、搬送アームを駆動するモータと、モータの駆動力を搬送アームに伝える駆動機構とを有している(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−1924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送アームにより基板を搬送する際、基板が正常に搬送されているか否かは、搬送アームを駆動するモータに設けられるエンコーダからの信号に基づいて判断されている。すなわち、エンコーダからのフィードバック信号によりモータが正常に動作していることが確認されれば、基板も正常に搬送されていると判断される。
【0005】
ところが、基板の搬送異常は、駆動機構を構成する部品(例えばギアやベルトなど)やの不具合や、電気信号が流れるケーブルの断線、周囲からのノイズなどによっても生じる場合がある。このような場合であっても、モータが正常に動作しているときには、基板は正常に搬送されていることになる。すなわち、モータのエンコーダに基づく判断によっては、駆動機構の部品などの不具合による搬送異常を検出することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に照らしてなされ、基板を保持して搬送する基板保持部の位置を検出することにより、基板の搬送を監視することができる基板搬送装置、これを備える塗布現像装置、及び基板搬送方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、基板を支持する支持部を含む搬送機構と、ラインセンサ、及び該ラインセンサに光を照射する光源を含み、前記光の光路の一部が前記支持部により遮られ得るように配置される位置検出部と、前記ラインセンサからの信号に基づいて、前記搬送部の位置を検出する制御部とを備える基板搬送装置が提供される。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、基板を支持する支持部により基板を支持するステップと、ラインセンサ、及び該ラインセンサに光を照射する光源を含み、前記光の光路の一部が前記支持部により遮られ得るように配置される位置検出部の当該光源から前記光を発するステップと、前記基板を支持する支持部を移動するステップと、前記支持部の移動により遮られた前記光に基づいて、前記支持部の位置を検出するステップとを含む基板搬送方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、基板を保持して搬送する基板保持部の位置を検出することにより、基板の搬送を監視することができる基板搬送装置、これを備える塗布現像装置、及び基板搬送方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態による塗布現像装置を示す概略平面図である。
【図2】図1の塗布現像装置を示す概略斜視図である。
【図3】図1の塗布現像装置を示す概略側面図である。
【図4】図1の塗布現像装置のモジュールブロックを示す概略斜視図である。
【図5】図4のモジュールブロックにおける搬送アームを示す概略斜視図である。
【図6】図5の搬送アームに取り付けられる位置検出器を説明する説明図である。
【図7】図5の搬送アームに取り付けられる他の位置検出器を説明する説明図である。
【図8】図5の搬送アームに取り付けられるまた別の位置検出器を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的とせず、したがって具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし当業者により決定されるべきものである。
【0012】
先ず、図1から図4までを参照しながら、本発明の第1の実施形態による塗布現像装置を説明する。図1及び図2に示すように、塗布現像装置100には、キャリアステーションS1、処理ステーションS2、及びインターフェイスステーションS3がこの順に並んで設けられている。また、塗布現像装置100のインターフェイスステーションS3側には露光装置S4が結合されている。
【0013】
キャリアステーションS1は載置台21及び搬送機構Cを有する。載置台21上には、所定の枚数(例えば25枚)の半導体ウエハ(以下、ウエハ)Wが収容されるキャリア20が載置される。本実施形態では、載置台21には4つのキャリア20を並べて載置することができる。以下の説明では、図1に示すように、キャリア20が並ぶ方向をX方向とし、これと直交する方向をY方向とする。搬送機構Cは、キャリア20からウエハWを取り出し、処理ステーションS2に搬送するとともに、処理ステーションS2において処理された処理済みのウエハWを受け取り、キャリア20に収容する。
【0014】
処理ステーションS2は、図1及び図2に示すように棚ユニットU1、棚ユニットU2、第1のブロック(DEV層)B1、第2のブロック(BCT層)B2、第3のブロック(COT層)B3、及び第4のブロック(TCT層)B4を有している。
【0015】
棚ユニットU1は、図3に示すように、例えば下から順に積層された、受け渡しモジュールTRS1、TRS1、CPL11、CPL2、BF2、CPL3、BF3、CPL4、及びTRS4を有する。また、図1に示すように、棚ユニットU1の+X方向側には、昇降自在な搬送機構Dが設けられ、棚ユニットU1の各モジュール間では搬送機構DによりウエハWが搬送される。
棚ユニットU2は、図3に示すように、例えば下から順に積層された、受け渡しモジュールTRS6、TRS6、及びCPL12を有する。
【0016】
なお、受け渡しモジュールのうち、参照符号「CPL+数字」が付されている受け渡しモジュールには、ウエハWを加熱する加熱モジュールを兼ねるものがあり、ウエハWを冷却して所定の温度(例えば23℃)に維持する冷却モジュールを兼ねるものがある。参照符号「BF+数字」が付されている受け渡しモジュールは、複数枚のウエハWを載置可能なバッファモジュールを兼ねている。また、受け渡しモジュールTRS、CPL、BF等には、ウエハWが載置される載置部が設けられている。
【0017】
次に、図4を参照しながら、処理ステーションS2の第3のブロックB3について説明する。図4に示すように、第3のブロックB3は、塗布モジュール23、棚ユニットU3、及び搬送機構A3を有している。塗布モジュール23には、ウエハW上にフォトレジスト液を供給し、ウエハWを回転することによりフォトレジスト膜を形成する塗布ユニット(図示せず)が配置されている。棚ユニットU3は、塗布モジュール23と対向するように配列され、熱処理モジュールTMを有している。熱処理モジュールTMには、塗布モジュール23においてフォトレジスト膜を形成する前の前処理を行う前処理ユニット、形成されたフォトレジスト膜を加熱するプリベークユニット、露光されたフォトレジスト膜を加熱するポストベークユニットなどであって良い。
【0018】
搬送機構A3は、2枚のフォーク3A、3B、基台31、回転機構32、及び昇降台34を有している。昇降台34は、上下方向(図4中Z軸方向)に直線状に延びる図示しないZ軸ガイドレールに沿って、昇降機構により昇降自在である。昇降機構は、例えばモータと、このモータの駆動力を昇降台34に伝達するボールネジ機構やタイミングベルトとを含むことができる。この例ではZ軸ガイドレール及び昇降機構は夫々カバー体35により覆われており、例えば上部側において接続されて一体となっている。またカバー体35は、Y軸方向に直線状に伸びるY軸ガイドレール36に沿って、摺動機構により摺動自在である。摺動機構は、例えばモータと、このモータの駆動力をカバー体35に伝達するボールネジ機構やタイミングベルトとを含むことができる。また、フォーク3A及び3Bは、昇降台34及び基台31の間に設けられる回転機構32により、基台31とともに回転可能である。これにより、フォーク3A及び3Bは、X軸の+方向及び−方向を向くことができる。上述の構成により、搬送機構A3は、各熱処理モジュールTMの間、及び各熱処理モジュールTMと塗布モジュール23との間にウエハWが搬入出される。
【0019】
再び図1及び図3を参照すると、第1のブロックB1には、現像モジュール22、搬送機構A1、及びシャトルアームEが設けられている。詳しくは、第1のブロックB1内には2つの現像モジュール22があり、これらは上下に積層されている。各現像モジュール22には、露光されたフォトレジスト膜を有するウエハWに対して現像液を供給し、当該フォトレジスト膜を現像する現像ユニットが設けられている。
【0020】
第2のブロックB2及び第4のブロックB4は、第3のブロックB3と同様の構成を有している。ただし、第2のブロックB2では、フォトレジスト液の代わりに反射防止膜用の薬液がウエハWに供給され、フォトレジスト膜の下地層となる下部反射防止膜が形成される。また、第4のブロックB4においても反射防止膜用の薬液がウエハWに供給され、フォトレジスト膜の上に上部反射防止膜が形成される。なお、図3に示すように、第2のブロックB2の搬送機構に参照符号A2を付し、第4のブロックB4の搬送機構に参照符号A4を付す。
【0021】
また、インターフェイスステーションS3には、図1及び図3に示すように、インターフェイスアームFが設けられている。インターフェイスアームFは、処理ステーションS2の棚ユニットU2の+Y方向側に配置されている。棚ユニットU2の各モジュール間、及び各モジュールと露光装置S4との間においては、インターフェイスアームFによりウエハWが搬送される。
【0022】
また、塗布現像装置100には制御部6(図1)が設けられ、制御部6により、塗布現像装置100の搬送機構A1〜A2,C,及びD、熱処理モジュールTMや塗布モジュール23などのモジュールなどが制御され、塗布現像装置100において塗布現像プロセスが行われる。制御部6は、例えばメモリ、CPU(Central Processing Unit)を有し、記憶部6aに記録されたプログラムを読み取り、そのプログラムに含まれる命令(コマンド)に従って、塗布現像装置100に塗布現像プロセスを実行させる。塗布現像プロセス用のプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体6b、例えばCD−ROM、DVD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク装置などに記憶されて記憶部6aへダウンロードされる。
【0023】
また、制御部6は、後に図5を参照しながら搬送機構A3について説明する位置検出器5によるフォーク3A及び3Bの位置検出を制御する。具体的には、位置検出器5からの信号に基づいて、フォーク3A又は3Bの実際の位置を検出し、フォーク3A又は3Bの実際の位置が所定の範囲に収まっているか否かの判定を行い、判定結果に従って、アラーム信号を発したり、塗布現像装置100の動作を中断したりすることができる。
【0024】
上記の構成を有する塗布現像装置100においては、以下のようにウエハWが各モジュールに搬送されて、フォトレジスト膜が形成され、露光されたフォトレジスト膜が現像される。まず、キャリアステーションS1の搬送機構Cによって載置台21上のキャリア20からウエハWが取り出され、処理ステーションS2の棚ユニットU1の受け渡しモジュールCPL2へ搬送される(図3参照)。受け渡しモジュールCPL2に搬送されたウエハWは、第2のブロックB2の搬送機構A2により、第2のブロックB2の熱処理モジュール及び塗布モジュールに順次搬送され、ウエハW上に下部反射防止膜が形成される。
【0025】
下部反射防止膜が形成されたウエハWは、搬送機構A2により棚ユニットU1の受け渡しモジュールBF2へ搬送され、搬送機構D(図1)により棚ユニットU1の受け渡しモジュールCPL3へ搬送される。次に、ウエハWは、第3のブロックB3の搬送機構A3により受け取られ、第3のブロックB3の熱処理モジュールTM及び塗布モジュール23(図3)に順次搬送され、下部反射防止膜上にフォトレジスト膜が形成される。
フォトレジスト膜が形成されたウエハWは、搬送機構A3により、棚ユニットU1の受け渡しモジュールBF3に搬送される。
【0026】
なお、フォトレジスト膜が形成されたウエハWは、第4のブロックB4において更に反射防止膜が形成される場合もある。この場合は、ウエハWは受け渡しモジュールCPL4を介し、第4のブロックB4の搬送機構A4に受け取られ、第4のブロックB4の熱処理モジュール及び塗布モジュールに順次搬送され、フォトレジスト膜上に上部反射防止膜が形成される。この後、ウエハWは、搬送機構A4により、棚ユニットU1の受け渡しモジュールTRS4に受け渡される。
【0027】
フォトレジスト膜(又は、その上に更に上部反射防止膜)が形成されたウエハWは、搬送機構Dにより、受け渡しモジュールBF3(又は受け渡しモジュールTRS4)から受け渡しモジュールCPL11へ搬送される。受け渡しモジュールCPL11に搬送されたウエハWは、シャトルアームEにより棚ユニットU2の受け渡しモジュールCPL12に搬送された後、インターフェイスステーションS3のインターフェイスアームFに受け取られる。
【0028】
この後、ウエハWはインターフェイスアームFにより露光装置S4に搬送され、所定の露光処理が行われる。露光処理が行われたウエハWは、インターフェイスアームFにより、棚ユニットU2の受け渡しモジュールTRS6に搬送され、処理ステーションS2に戻される。処理ステーションS2に戻されたウエハWは、第1のブロックB1へ搬送され、ここで現像処理が行われる。現像処理が行われたウエハWは、搬送機構A1により棚ユニットU1のいずれかの受け渡しモジュールへ搬送され、搬送機構Cによりキャリア20に戻される。
【0029】
次に、図5を参照しながら搬送機構A3について説明する。図5においては、説明の便宜上、昇降台34及び回転機構32は省略している。図示のとおり、フォーク3Aは、ほぼC字状の平面形状を有しており、その内周の直径は、搬送するウエハWの直径よりも僅かに大きい。また、フォーク3Aの内周に沿って4つの保持爪4が形成されている。保持爪4がウエハWの裏面周縁部を支持することにより、ウエハWがフォーク3Aにより保持される。
【0030】
また、本実施形態においては、保持爪4の上面には、吸引孔と、吸引孔の周囲を囲む環状のパッド(ともに図示せず)とが設けられている。吸引孔は、フォーク3A内に形成され、フォーク3Aの例えば端面に開口する導管(図示せず)と接続されている。導管は排気装置(図示せず)に接続され、このようにしてバキューム機構が構成されている。したがって、ウエハWの裏面周縁部が保持爪4により支持されたときにバキューム機構を起動すると、ウエハWはフォーク3Aにしっかりと保持される。なお、他の実施形態においては、バキューム機構を設けず、保持爪4によりウエハWが支持されて、フォーク3Aにより搬送されても良い。
【0031】
また、フォーク3Aは、その基端側(図4においてX軸の+方向の端部側)において支持部13Aにより支持され、支持部13Aは、基台31の一方の側面側に基台31の長手方向に沿って摺動可能に取り付けられている。支持部13Aが、基台31内に設けられた摺動機構(図示せず)により駆動される。摺動機構は、例えばモータと、このモータの駆動力を支持部13Aに伝達するボールネジ機構やタイミングベルトとなどにより構成される。上述の構成により、フォーク3AがX軸方向に移動することができる。また、フォーク3Aは、例えば、図中のX軸の−方向に移動して塗布モジュール23(図4)内に進入し、塗布モジュール23内の塗布ユニットのウエハ支持部にウエハWを受け渡す位置(進入位置)と、図中のX軸の+方向に移動して、基台31の基端側の位置(退避位置)と、退避位置から僅かにX軸の−方向に移動した位置(ホーム位置)とに停止することができる。
【0032】
なお、フォーク3Bは、支持部13Bにより基台31の他方の側面側に摺動可能に取り付けられる点で相違するものの、これ以外においては、フォーク3Aと同様の構成を有し、同様に動作する。
【0033】
また、搬送機構A3には、フォーク3A及び3Bの位置を検出する位置検出器5が設けられている。位置検出器5は、具体的には、基台31の側面下部に取り付けられる発光部5Lと、発光部5Lに対応して設けられる受光部5Dとから構成されている。受光部5Dは、基台31の側面下部に取り付けられ、ほぼ水平方向に延在する下部プレート5bと、下部プレート5bの遠端側に起立する支柱5pと、支柱5pの上端に取り付けられ、基台31に向かって延在する上部プレート5uと、上部プレート5uの下面に取り付けられ、発光部5Lから発せられる光を受光するセンサ5Sとを有している。下部プレート5b、支柱5p、及び上部プレート5uは、横から見るとコの字状(U字状)の形状を有し、フォーク3A及び3Bの摺動を妨げないように設けられている。センサ5Sは、複数のCCD(画素)が一列に配列されるCCDラインセンサにより構成されている。
【0034】
発光部5Lは、図6に示すように、上向きに光Lを発する光源5Eと、光源5Eからの光Lをほぼ平行光に変換するコリメータ5Cとを有している。光源5Eとしては、例えば発光ダイオードを使用することができる。コリメータ5Cとしては、シリンドリカルレンズや凸レンズを使用することができる。光源5Eから発せられ、コリメータ5Cにより平行光に変換された光は、受光部5Dの上部プレート5uの下面に取り付けられたセンサ5Sに入射する。ここで、フォーク3Aがホーム位置にある場合、その先端部がセンサ5Sに入射する平行光を遮るため、CCDラインセンサであるセンサ5Sにおいて照射部と非照射部とが生じる。この照射部と非照射部との境界の位置が、センサ5Sの例えば一端からの画素の数に基づいてセンサ5Sにより検出される。これにより、フォーク3Aがホーム位置にあるときの実際の位置が検出され得る。
【0035】
再び図5を参照すると、基台31の他方の側面の遠端側(図4では、塗布モジュール23側)にセンサ31BSが設けられている。センサ31BSもまたCCDラインセンサにより構成されている。図7(a)に示すように、基台31の底面から下部プレート15bが延びており、下部プレート15bの遠端側に支柱15pが立設している。支柱15pの基台31側の面には、発光部15Lが取り付けられている。発光部15Lは、図6に示す発光部5Lと同様の構成を有している。発光部15Lからセンサ31BSに対して平行光が照射される。ここで、図7(b)に示すように、フォーク3Bが基台31の長手方向に沿って摺動すると、発光部15Lからセンサ31BSに照射される平行光が、フォーク3Bを支持する支持部13Bにより遮られる。これにより、支持部13Bの端部の位置が検出される。これにより、フォーク3Bが塗布モジュール23(図4)内に進入したときのフォーク3Bの実際の進入位置が検出される。すなわち、センサ31BSと発光部15Lとにより、フォーク3Bの進入位置検出器が構成されている。
【0036】
また、図8に示すように、基台31の一方の側面の遠端側にセンサ31ASが設けられている。センサ31ASに対しても発光部(図示せず)から平行光が照射され、フォーク3Aの支持部13Aの端部により平行光が遮られることにより、フォーク3Aの実際の進入位置が検出される。
【0037】
次に、本発明の実施形態による基板搬送方法について、上述の搬送機構A3を用いて実施する場合を例にとって説明する。以下の説明においては、これまで参照した図面を適宜参照する。
まず、例えばメンテナンス後などに塗布現像装置100を起動した際、搬送機構A3(図5)に対して、塗布現像装置100の操作者により、いわゆるティーチングが行われる。例えば、搬送装置A3のフォーク3A及び3Bを進入位置及びホーム位置に適正に位置させるとともに、その位置を制御部6のメモリに記憶させるといった作業が行われる。以下の説明において、この作業を通して調整された位置を基準位置と呼ぶ。
【0038】
ティーチング終了後、塗布現像装置100による塗布現像プロセスが開始され、上述のように、キャリア20からのウエハWが各モジュールによる処理を経て、棚ユニットU1の受け渡しモジュールCPL3(図3参照)に搬入される。受け渡しモジュールCPL3のウエハWは、第3のブロックB3の搬送機構A3のフォーク3Aにより受け取られる。次いで、搬送機構A3が、図4に示すように塗布モジュール23に臨む位置に移動する。このとき、フォーク3Aはホーム位置にある。一方、ウエハWを保持していないフォーク3Bは、ホーム位置よりも基台31の基端側の退避位置にあり、このため、フォーク3Bは位置検出器5の光を遮ることがない。
【0039】
ここで、図5に示す位置検出器5によりフォーク3Aの位置が検出される。具体的には、まず、発光部5Lからの光がコリメータ5Cにより平行光に変換されてセンサ5Sに照射される。そうすると、図6を参照しつつ説明したように、平行光がフォーク3Aにより遮られる。このとき、センサ5Sは、平行光が照射された領域に応じた信号を制御部6に対して出力し、この信号に基づいて、制御部6は照射部と非照射部との境界を求め、フォーク3Aの位置を検出する。次いで、制御部6において、検出されたフォーク3Aの実際の位置と、記憶されている基準位置との偏差が算出され、偏差が所定の範囲に入っているか否かが判定される。ここで、所定の範囲は、例えば塗布モジュール23へそのまま搬入しても、塗布モジュール23にウエハWが接しない範囲に設定することができる。判定の結果、上述の偏差が所定の範囲に収まっていると判定された場合は、フォーク3AによりウエハWが塗布モジュール23内へ搬入される。なお、フォーク3Aは、上述のとおり、基台31内に設けられた摺動機構(図示せず)により支持部13Aが駆動されることにより塗布モジュール23内へ進入する。
【0040】
一方、判定の結果、偏差が所定の範囲内に無いと判定された場合は、制御部6はアラーム信号を発するとともに、塗布現像装置100の動作を中断させる。また、アラーム信号に基づき、搬送不具合の旨が、塗布現像装置100のプロセス表示部に表示され、塗布現像装置100の操作者に通知される。
【0041】
塗布モジュール23内にウエハWが搬入された場合は、図8に示すセンサ31AS及び発光部(図示せず)により、ホーム位置における位置検出と同様にして、フォーク3Aの実際の進入位置が検出され、検出されたフォーク3Aの実際の位置と上述の基準位置との偏差が算出され、偏差が所定の範囲に収まっている否かが判定される。判定の結果、偏差が所定の範囲に収まっていると判定された場合は、フォーク3Aから塗布モジュール23のウエハ保持部(図示せず)にウエハWが受け渡され、フォーク3Aはホーム位置へ戻る。この後、ホーム位置のフォーク3Aの位置検出を行っても良い。
【0042】
一方、判定の結果、上述の偏差が所定の範囲内に無いと判定された場合は、制御部6はアラーム信号を発するとともに、塗布現像装置100の動作を中断させる。また、アラーム信号に基づき、搬送不具合の旨が、塗布現像装置100のプロセス表示部に表示され、塗布現像装置100の操作者に通知される。
【0043】
塗布モジュール23のウエハ保持部に受け渡されたウエハW上には、フォトレジスト膜が形成される。フォトレジスト膜の形成後、例えばウエハ保持部がウエハWを持ち上げるとともに、フォーク3Aが塗布モジュール23内に再び進入し、フォーク3Aの位置が検出される。検出されたフォーク3Aの実際の位置と上述の基準位置との偏差が算出され、偏差が所定の範囲に収まっているか否かが判定される。判定の結果、偏差が所定の範囲に収まっていると判定された場合は、フォーク3Aは、塗布モジュール23のウエハ保持部からウエハWを受け取り、ホーム位置に戻る。この後において、フォーク3Aの位置検出、偏差の算出、判定が行われ、判定の結果に応じて搬送が継続され、又は塗布現像装置100の動作が中断される。
【0044】
この後、ウエハWはフォーク3Aにより熱処理モジュールTMへ搬送され、形成されたフォトレジスト膜の加熱処理が行われる。
【0045】
以上のとおり、本発明の実施形態による基板搬送装置(搬送機構A3)及び基板搬送方法によれば、ラインセンサ5Sと光源5Lによって、ウエハWを保持し搬送するフォーク3Aの位置を検出し、検出結果に基づいてフォーク3Aの実際の位置が所定の範囲内にあるか否かが判定される。このため、フォーク3Aを駆動する摺動機構のモータとしてエンコーダ付きモータを使用し、エンコーダからの信号のみによって、フォーク3Aが正常に動作したか否かが判断される場合と比べ、実際の位置を把握できるという効果が奏される。
【0046】
また、リニアエンコーダでは、例えばホーム位置からウエハWの受け渡し位置(進入位置)までの間、基板搬送装置の動作は継続して監視されるが、本発明の実施形態による基板搬送装置によれば、ホーム位置及び進入位置でのフォーク3Aの実際の位置を監視すれば良いため、これらの位置の間でのフォーク3Aの監視が不要となる。したがって、本発明の実施形態による基板搬送装置には、監視のために取得されるデータの量や、取得したデータに基づく計算量を格段に低減できるという利点がある。
【0047】
以上、幾つかの実施形態及び実施例を参照しながら本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態及び実施例に限定されることなく、添付の特許請求の範囲に照らし、種々に変形又は変更が可能である。
【0048】
例えば、上述の実施形態においては、フォーク3AのX軸方向の動作についてのみ説明したが、Y軸方向やZ軸方向についても同様にして、フォーク3A(又は3B)の実際の位置を把握することが可能である。そのためには、例えば図4に示すように、搬送機構A3のカバー体35に、センサ5Sと同様のセンサ50Sと、これに対応する、発光部5Lと同様の発光部50Lとを設けることが好ましい。これにより、フォーク3A(又は3B)が、カバー体35に囲まれるZ軸ガイドレール及び昇降機構(図示せず)によりZ軸方向に移動する際の実際の位置を検出することができる。また、Y軸ガイドレール36の側面に、センサ5Sと同様のセンサ51Sを設け、これに対応する、発光部5Lと同様の発光部51Lを設けることにより、フォーク3A(又は3B)がY軸方向に移動する際の実際の位置を検出することができる。
【0049】
また、上述の実施形態においては、搬送機構A3に位置検出器5並びにセンサ13BS及び発光部15Lなどを設ける場合を説明したが、搬送機構A3に限らず、塗布現像装置100内の他の搬送機構A1,A2,A4、搬送機構C、D、及びインターフェイスアーム67に位置検出器5並びにセンサ13BS及び発光部15Lなどを設けても良い。
【0050】
また、フォーク3Aの支持部13Aとフォーク3Bの支持部13Bとに対して、フォーク3A及びフォーク3Bが進入位置に移動したときに、位置検出器5の発光部5Lと受光部5Dとの間の平行光を遮ることができるように外向きに延びる突起を設けても良い。このようにすれば、位置検出器5により、フォーク3A及びフォーク3Bの進入位置をも検出することが可能となる。
また、検出されたフォーク3A(又は3B)の実際の位置と基準位置との偏差に関する判定基準である所定の範囲は、上述の実施形態においては、塗布モジュール23にウエハWが接しない範囲であったが、これに限定されることはない。例えば、ウエハWが塗布モジュール23に接することもなく、例えばフォトレジスト膜の塗布処理に悪影響(例えば膜厚均一性の悪化等)も生じない範囲を所定の範囲として定めても良い。このようにすれば、偏差が所定の範囲を超えた場合に塗布現像装置100を中断することにより、膜厚均一性が悪化したフォトレジスト膜が形成されるのを防ぐことができる。
【0051】
また、所定の範囲を2段階に設定しても良い。例えば、第1段階として、ウエハWがモジュール23に接することもなく、処理に悪影響(処理均一性の悪化等)も生じない範囲を設定し、第2段階として、塗布モジュール23にウエハWが接しない範囲を設定して良い。この場合、検出された実際の位置と基準位置との偏差が、所定の範囲の第1段階よりも大きい場合には、アラーム信号を出力して操作者にその旨を通知させるものの、塗布現像装置100の動作は継続することとし、所定の範囲の第2段階よりも大きい場合には、アラーム信号を出力して操作者にその旨を通知させるとともに塗布現像装置100の動作を中断させても良い。
【0052】
また、センサ5S等については、CCDラインセンサだけでなく、CMOSなどのラインセンサを使用しても良い。
また、フォーク3A及び3Bは、ほぼC字状の平面形状を有し保持爪4によりウエハWを支持しているが、平板上にウエハWが載置される平板により構成されても良い。
【0053】
また、本発明の実施形態による基板搬送装置、これを備える塗布現像装置、及び基板搬送方法は、半導体ウエハだけでなく、FPD用ガラス基板を用いる場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
100・・・塗布現像装置、S1・・・キャリアステーション、S2・・・処理ステーション、S3・・・インターフェイスアームステーション、20・・・キャリア、21・・・載置台、B1・・・第1のブロック、B2・・・第2のブロック、B3・・・第3のブロック、U1〜U3・・・棚ユニット、A3・・・搬送機構、23・・・塗布モジュール、TM・・・熱処理モジュール、3A,3B・・・フォーク、31・・・基台、34・・・昇降台、13A,13B・・・支持部、4・・・保持爪、5・・・位置検出器、5L,15L・・・発光部、5D・・・受光部、5C・・・コリメータ、5E・・・光源、5S,31AS,31BS・・・センサ、W・・・ウエハ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持する支持部を含む搬送機構と、
ラインセンサ、及び該ラインセンサに光を照射する光源を含み、前記光の光路の一部が前記支持部により遮られ得るように配置される位置検出部と、
前記ラインセンサからの信号に基づいて、前記搬送部の位置を検出する制御部と
を備える基板搬送装置。
【請求項2】
前記搬送機構が、前記搬送部を摺動可能に支持する基台を更に含み、
前記ラインセンサが前記基台に取り付けられる、請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記搬送機構が、前記基台を所定の方向に移動するガイド部を更に含み、
前記ラインセンサが前記ガイド部に取り付けられる、請求項1又は2に記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記位置検出部により検出された前記支持部の位置が所定の範囲内に無いと判定した場合にアラーム信号を発する、請求項1から3のいずれか一項に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
基板を支持する支持部により基板を支持するステップと、
ラインセンサ、及び該ラインセンサに光を照射する光源を含み、前記光の光路の一部が前記支持部により遮られ得るように配置される位置検出部の当該光源から前記光を発するステップと、
前記基板を支持する支持部を移動するステップと、
前記ラインセンサからの信号に基づいて、前記支持部の位置を検出するステップと
を含む基板搬送方法。
【請求項6】
前記検出するステップにおいて検出された前記支持部の位置が所定の範囲内に無いと判定された場合にアラーム信号を発するステップを更に含む、請求項5に記載の基板搬送方法。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の基板搬送装置と、
前記基板搬送装置により搬入される前記基板にフォトレジスト膜を形成するフォトレジスト塗布モジュールと、
前記基板に形成され、露光された前記フォトレジスト膜を現像する現像ユニットと
を備える塗布現像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−238762(P2012−238762A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107427(P2011−107427)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】