説明

履物用のインナーソールサポートシステム

順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料から形成される凸形状中足部サポート構造体(40)を備えるシューズ(10)、とりわけハイヒールシューズが、着用者の足(110)の中足区域(116)の少なくとも一部分に接触しそれを支持するのに十分な高さ(h1)を有するように、サイズ設定され形状設定される。中足部サポート(40)は、10mmから22mmの間の最大厚さを有するエラストマー材料から構成され、サポートプラットフォーム(42)および側壁部(44および46)を備える。好ましくは、前方足サポート(58)が、インナーソール(20)の上方表面上に、インナーソール(20)の前方足部分(28)にさらに設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明者は、「Foam Insole Support System for High Heeled Shoe」と題された2007年9月28日出願(参照番号4074-P0007A)の米国仮特許出願第60/976,024号、および、やはり「Foam Insole Support System for High Heeled Shoe」と題された2008年1月25日出願(参照番号4074-P0010A)の米国仮特許出願第61/023,621号に基づいて、優先権を主張する。
【0002】
本発明は、履物用のインナーソールサポートシステムに関し、好ましい一実施形態は、ハイヒールシューズにおける使用を対象とする。
【背景技術】
【0003】
本発明は、概して、とりわけ、履物に関し、それは一般的に女性によって着用されるハイヒール履物のスタイル、およびローヒール履物のスタイルを含むものである。より詳細には、本発明は、快適性および性能を向上させるための、履物に対する改良に関する。
【0004】
多くの場合、従来式のハイヒール履物は、着用し、履いて歩くには、快適ではなく、疲れやすく、さらには痛みを生じさせるものである。ハイヒールの着用に関連して、足、足関節、膝、股関節部、および腰部の問題を含む、複数の医学的問題が存在する。しかし、多くの女性は、依然として、ハイヒール履物を日常的に着用する。なぜなら、ハイヒール履物は、着用する者をよりスタイリッシュに、エレガントに、知的に、および/またはセクシーに変えることが可能であり、より身長を高く見せることが可能であるからである。
【0005】
ハイヒール履物を着用することによる不快感および痛みは、ハイヒール履物が、着用者の姿勢および立脚姿勢を著しく変化させることによって引き起こされる。平靴または裸足の状態においては、荷重分布は、5%がつま先区域に対してであり、40%が足の母趾球部に対してであり、5%が中足部に対してであり、50%が足の踵区域におけるものである。したがって、体重は、足の前部と後部と間において比較的均一に分散される。
【0006】
ヒールの高さが高くなると、荷重分布は変化し、前方に移動し、足の母趾球部によって支持される体重の割合が増加する。一般的には、ハイヒールを着用して起立状態にあるまたは歩行する着用者にとっては、踵部は、前方足部よりもかなり低い圧力を支持する。例えば、2インチのヒールを有するハイヒールシューズにおいては、一般的には着用者の体重の70%が、着用者の足の母趾球部により支持され、足の母趾球部に対する過渡荷重は、平靴を着用した足の母趾球部区域における圧力の250%もの高さになり得る。さらに、ヒールの高さが高くなると、足の母趾球部区域と靴のインナーソールとの間の前方足部接触区域は、その面積が狭くなり、つま先区域の付近に前方に移動する。
【0007】
ハイヒールシューズ着用者の多くの割合が、職場環境または社会環境において見受けられる典型的な歩行、起立状態、および着座において、30分から4時間の間でそのような履物の着用に関連する痛みを訴えている。多数のハイヒールシューズにおいて、シューズの急勾配傾斜部により、足が下方に摺動し、つま先が、押し付けられ、締め付けられる。さらに、ハイヒールシューズの着用は、とりわけ腹筋が弱い着用者にとっては、腰痛の原因となり得る。疑う余地なく、ハイヒールシューズは、長時間着用して立つまたは歩行するためには快適ではない。
【0008】
本発明者は、本願中に記載される本発明による複数のプロトタイプシューズを開発し、試験した。そして、着用者の不快感の主な原因は、着用者の中足部区域の不十分なサポートであり、着用者の前方足区域に対する荷重の集中であるという結論に達した。とりわけ、多数のハイヒールシューズにおいて、中底の形状が、着用者の足にとって快適でなく、着用者の足が、シューズの中央区域においては中底と接触状態にならない。多数の着用者にとって、足の中足部区域と中底との間の隙間は、着用者の足と中底との間に視認可能な隙間が存在するほど、大きなものである。踵および前方足部のみが、シューズと接触状態になる場合には、適切なサポートのための足/中底間の接触が、大幅に低減する。
【0009】
本発明者が展開した1つの試験においては、(1)平靴を着用した被験者の足を、(2)100mmのハイヒールシューズを着用した被験者の足と、比較する、被験者についての測定値は、片足について、5.64平方インチの接触面積の縮小を示し、すなわち36.3%の表面積の縮小を示した。
【0010】
本発明者が展開した別の試験においては、米国の女性サイズで8.5のそれぞれ同一のシューズサイズの、4人の別個の被験者の長手方向足プロファイルを研究した。100mmのハイヒールを着用した足プロファイルを、各被験者に対して研究した。空隙長さ、つまり、足の中足部区域と中底との間の隙間の(踵区域から前方足部区域までの)長さは、平均で約6インチであることが判明した。この試験において、6インチは、9と5/8インチの長さのシューズの約62%となる。換言すると、足の約62%が、サポートを伴うことなく空中に浮いている。最大中足部高さ、すなわち足の中足部区域におけるソール表面から足の土踏まずまでのピーク高さを判定するための被験者の測定値は、普通の土踏まずを有する人に関しては中底から約1/2インチとなることが判明し、高い土踏まずを有する人に関しては最大で1.5インチとなることが判明した。
【0011】
女性のハイヒール用のインナーソール快適化構成物を供給する最も最近の製造業者は、かかる補強材は、シューズのより滑らかな構造に対応するように非常に薄い必要があると、考えている。その結果、インナーソールパッド、クッションシステム、および挿入物は、しばしば、特別なプラットフォーム構造を伴わないシューズにおいては、平靴の標準的なインナーソールよりも薄く、平均で約2mmから3mmである。しかし、むしろ実際には、足がシステムと接触状態になり、それにより十分な快適性をもたらそうとするならば、ハイヒールは、それらの平坦な対応物よりも厚いシステムを要するはずである。さらに、足の形状が、比較的高いヒールにおける急勾配な土踏まず部の表面と合わないために、足の母趾球部は、意図された母趾球部ブレーク軸のはるか前方に位置するようになる。ヒールの高さがより高いほど、足の母趾球部はさらに前方へと移動して、つま先部に接近し、意図された母趾球部ブレークと実際の母趾球部ブレークとの間の距離が大きくなる。実際の母趾球部ブレークと意図される母趾球部ブレークとの間が離れていることは、足を完全には支持しない中底表面が広がっていることを示唆する。
【0012】
着用者に対する快適性またはサポートを向上させるために、いくつかの先行技術のシステムが提案されてきたが、今日まで、ハイヒールシューズにおける快適性を高めるための効果的なシステムは、発見されていない。
【0013】
Hickeyによる特許文献1は、ハイヒールシューズ用の挿入物を開示している。Hickeyは、着用者の前方足部を支持するための前方平坦部分と、中足部区域とを有する、シューズ挿入物を教示している。しかし、Hickeyの中足部区域は、約1/4インチの最大厚さを有する。
【0014】
Dananbergによる特許文献2は、踵シートが、典型的なハイヒールよりも緩い下方傾斜を有し、中底の前方部分が、若干上方に上昇傾斜を有する、ハイヒールシューズ設計を開示している。しかし、この発明は、固定的な形状を有し、したがって、土踏まずの高さ、土踏まずの位置、および隙間距離に関して足の多様性に対応することができず、また、歩行の際の着用者の足の形状の変化に対応することができない。
【0015】
糖尿病患者およびリウマチ患者用のカスタムフィット装具が、既に、ローヒールシューズにおける使用のために開発されている。これらの装具は、足のサポートを最大限にし、潰瘍を引き起こし得る足の足底表面の骨の突出部に対する圧力を低減させるために、熱成形可能な材料を使用してカスタム形状設定される。これらの装具は、一般的には、足の形状に対応するように、EVAまたはPPTなどの多様な半剛性材料から構築される。これらの装具が、過去において使用されてきたが、これらは、ローヒールシューズと共にのみ使用され、これらの材料が適切なサポートを与えつつ多様な足の形状および位置に対応するのに十分には順応可能ではないため、大量生産することができない。
【0016】
本発明は、これらのおよび他の先行技術のデバイスを大きく上回る利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第4,631,841号
【特許文献2】米国特許第5,782,015号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、新規の履物用のインナーソールサポートシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
シューズ、とりわけハイヒールシューズが、順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料から形成される凸形状中足部サポート構造体を含む。このクッション性材料は、足の土踏まずによる荷重を支持するのに十分な密度を有する。中足部サポート構造体は、着用者の足の中足区域の少なくとも一部分に接触しそれを支持するのに十分な高さを有するように、サイズ設定され形状設定される。中足部サポートは、10mmから25mmの間の最大厚さを有するエラストマー材料から構成される。中足部サポートは、サポート表面と、シューズのアッパーの内方壁部から離間されるが、シューズのアッパーの内方壁部に隣接する側壁部とを備える。好ましくは、前方足サポートが、インナーソールの上方表面上に、インナーソールの前方足部分にさらに設けられる。
【0020】
本発明は、シューズの中足区域にサポートを提供するために、ミッドヒールシューズおよびハイヒールシューズ(ヒールの高さが1インチを上回る任意のもの)においてとりわけ用途を有する。このシステムにより、履物全体において、足裏の圧力および足の局所的な応力が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ハイヒールシューズ(後部閉鎖スタイル)および本発明による中足部サポート構造体との斜視分解図である。
【図2】ハイヒールシューズ(後部閉鎖スタイル)および本発明による中足部サポート構造体の斜視組立図である。
【図3】ハイヒールシューズ(後部開放スタイル)および本発明による中足部サポート構造体の斜視組立図である。
【図4】本発明による中足部サポート構造体の側立面図である。
【図5】中足サポート構造体が圧縮下にある、ハイヒールシューズを着用した着用者の足および本発明による中足部サポート構造体を示す、部分断面側面図である。
【図6】本発明による前方足部サポート構造体を備えた中足部サポート構造体の第1の実施形態の斜視図である。
【図7】本発明による前方足部サポート構造体を備えた中足部サポート構造体の第2の実施形態の斜視図である。
【図8】本発明による中足部サポート構造体の第3の実施形態の斜視図である。
【図9A】本発明による2層の中足部サポート構造体の断面図である。
【図9B】本発明による3層の中足部サポート構造体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、中足部を支持し、主に中足骨の前方部およびつま先部によって支持される荷重を足全体にわたって再分散させるための、シューズの中底から突出する、ミッドヒールシューズおよびハイヒールシューズにおいて使用するための、中足部サポート構造体を有する圧縮可能なおよび/または順応可能なインナーソールから構成される。本発明は、好ましくは、図2に図示されるパンプスなどの後部閉鎖型ハイヒールシューズに組み込まれるが、図3に図示されるスライズ(slide)などの後部開放型シューズまたは他のシューズスタイルにおいても適用可能である。
【0023】
次に図1〜5を参照すると、シューズ10が、図1〜2および図4〜5に図示され、サンダルまたはスライズ210が、図3に図示される。シューズ10および210は、シューズのアッパー12における違いを除けば、構造および要素においては基本的に同様である。シューズ10は、内方壁部14および16を有するアッパー12を備える。シューズ10は、土踏まず部を任意に備えるアウターソール18を有する。シューズ10は、上方表面22および下方表面24を有する、インナーソール20を有する。インナーソール20は、着用者の足110のつま先区域112を受容するためのつま先部分26、着用者の足110の母趾球部区域または中足骨区域114を受容するための前方足部分28、着用者の足110の中足部区域116の区域に位置する中足部分30、および、着用者の足110の踵区域118の区域に位置する踵部分32を有する。
【0024】
中足部サポート構造体40が、インナーソール20の中足部分30に沿って、インナーソール20の上方表面22の上に配置される。このサポートデバイスの配置により、先行技術に対する大きな利点がもたらされる。本発明の好ましい実施形態においては、中足部サポート構造体40は、足の前方部分の中足骨頭の後方に配置され、踵の前で終端する。換言すると、中足部サポート構造体は、シューズの角度を付けられた土踏まず部に沿って中足部区域116の下方に配置される。中足部サポート構造体40は、中足部サポート機能およびクッション機能の両方を果たす。
【0025】
図5において最もよく理解されるように、中足部サポート構造体40は、凸形状を有し、着用者の足の中足部区域116の少なくとも一部分に接触し、それを支持するのに十分な高さを有するように、サイズ設定および形状設定される。中足部サポート構造体は、前方端部60および後方端部62を有する。中足部サポート構造体40は、最も好ましくは、インナーソールの上方表面22の上に配置され、中足部サポート構造体40の前方端部60は、つま先部分26の後方に配置され、中足部サポート構造体40の後方端部62は、インナーソール20の踵部分32の前方で終端する。
【0026】
中足部サポート構造体40は、順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料から形成され、好ましくは、着用者の最大中足部高さh2(図5を参照)を上回る最大高さh1(図4を参照)を中心軸に沿って有する。
【0027】
中足部サポート構造体40は、少なくとも5mmの最大厚さを有する。より好ましくは、中足部サポート構造体40は、少なくとも8mmの、または少なくとも10mmの最大厚さを有し、さらにより好ましくは、中足部サポート構造体40は、少なくとも12mmの、または少なくとも14mmの、または少なくとも15mmの、または少なくとも16mmの最大厚さを有し、最も好ましくは、中足部サポート構造体40は、少なくとも18mmの、または少なくとも20mmの、または少なくとも22mmの、または少なくとも24mmの、または少なくとも25mmの最大厚さを有する。中足部サポート構造体40の厚さの好ましい範囲は、100mmのハイヒールにおいては、18mmから22mmの最大厚さである。一実施形態においては、中足部サポート構造体40は、16mmから20mmの最大厚さを有する。別の実施形態においては、中足部サポート構造体40は、14mmから18mmの最大厚さを有する。さらに別の実施形態においては、中足部サポート構造体40は、12mmから16mmの最大厚さを有し、または、10mmから14mmの最大厚さを有してもよい。
【0028】
好ましくは、中足部サポート構造体40は、インナーソール20と共に組み込まれる。かかる場合においては、中足部サポート構造体40は、ハイヒールシューズのインナーソールと一体的に作製されてよく、または、代替的には、インナーソール20に接着もしくは装着される別個の部材であってもよく、いずれの場合においても、中足部サポート構造体40は、図1〜8に図示されるように、中敷43によって覆われることになる。一般的には、中敷43によって覆われた中足部サポート構造体40の全体的なプロファイルは、靴との中足部サポート構造体のシームレスフィットが可能となるように、テーパ状である。
【0029】
一実施形態においては、中足部サポート構造体40のプロファイルは、好ましくは、中底表面に平滑に隣接するように、底部においては平坦であり、頂部に沿って足の形状に合わせて輪郭形状設定される。別の実施形態においては、中足部サポート構造体は、ウェッジの形態において作製される。別の実施形態においては、ウェッジ型中足部サポート構造体は、シューズ内における足の不自然な上方への変位を生じさせないように、シューズのアッパーバンプの下方に足をシームレス状態で収容するように、前方側に沿ってやはりテーパ状となる。さらに別の実施形態においては、中足部サポート構造体部40は、2つ以上の部分に分割される。
【0030】
好ましさにおいてやや劣る実施形態は、中敷の頂部を覆って接着されるか、または装着される中足部サポート構造体40と、別個のシューズ挿入物とを備える。中足部サポート構造体40は、好ましくは、適切な中敷材料で覆われるが、いくつかの実施形態においては、この中敷は、省かれてもよい。インナーソールを有さない、またはインナーソールが可撓性もしくは軟性の性質のものである靴においては、中足部サポート構造体40は、アウターソールの頂部内方表面(すなわち地面に接触しない側)中に形成されるか、またはアウターソールの頂部内方表面に対して固着されてよい。中足部サポート構造体40は、インナーソールとアウターソールとの間に配置されてもよい。
【0031】
中足部サポート構造体40は、好ましくは、足の内側上の足の土踏まず区域において最大厚さを有するように、輪郭形状設定される。好ましい実施形態においては、中足部サポート構造体40は、内側側端部50および外側側端部52を有し、内側側端部50は、外側側端部52よりも厚い。そのような好ましい一実施形態においては、インナーソール20は、少なくとも2mmの厚さを有し、(a)中足部サポート構造体40の内側側端部50が、少なくとも12mmの厚さを有し、中足部サポート構造体の外側側端部52が、少なくとも4mmの厚さを有し、または、(b)中足部サポート構造体40の内側側端部50が、少なくとも16mmの厚さを有し、中足部サポート構造体の外側側端部52が、少なくとも6mmの厚さを有し、または、(c)中足部サポート構造体40の内側側端部50が、少なくとも20mmの厚さを有し、中足部サポート構造体の外側側端部52が、8mmの厚さを有する。
【0032】
中足部サポート構造体40は、中足部サポート構造体40の中心軸に沿って延在するサポートプラットフォーム42と、サポートプラットフォーム42からインナーソール20まで延在する側壁部44および46とを有する。本発明の好ましい実施形態においては、中足部サポート構造体のサポートプラットフォーム42と側壁部44および46とは、アッパー12の内壁部14および16の内側に配置され、アッパー12の内壁部14および16から離間される。好ましくは、中足部サポート構造体40の側壁部44は、中足部サポート40の内側側端部にて、鉛直方向から急角度にて、内方壁部14およびインナーソール20から離れるように、インナーソール20から上方および側方に延在する。最も好ましくは、中足部サポート構造体40の側壁部44は、中足部サポート40の内側側端部にて、鉛直方向から最大で45までの角度にて、内方壁部14およびインナーソール20から離れるように、インナーソール20から上方および側方に延在する。
【0033】
アッパー12、アウターソール18、またはインナーソール20は、最大シューズ幅である幅を有する最大幅区域56を有する。殆どの実施形態においては、中足部サポート構造体40のサポートプラットフォーム42は、この最大幅区域の幅以下の幅を有する。この実施形態は、図3におけるようなサンダル/ミュールの実施形態に対してとりわけ有効である。その理由は、中足部サポート構造体40が、シューズを着用する際に比較的目立つことがない、または際立つことがないためである。
【0034】
いくつかの実施形態においては、中足部サポート構造体40は、インナーソール20の幅を上回る幅を有するサポートプラットフォーム42を有する。
【0035】
望ましい一実施形態においては、中足部サポート構造体40は、下方部分48を有し、この下方部分48は、内方壁部14および16の上方端部17および19の一方または両方が、下方部分48が存在しない場合よりも、着用者の足110のさらに近傍に移動されるように、アッパー12の内方壁部14および16の下方部分に対して側方圧力を十分に印加するように位置決めされる。
【0036】
本発明の好ましい実施形態においては、中足部サポート構造体は、インナーソール20の上方表面上に、インナーソール20の前方足部分28に配置された前方足サポート58を備える。この前方足サポート58は、少なくとも4mmの厚さを有し、インナーソールの上方表面上に、インナーソール20の前方足部分28に配置される。
【0037】
前方足サポート58Aが、図6に図示されるように、シューズの幅にわたり延在してよい。前方足部により多くの材料が使用されるほど、足の変位に対して材料により対応するために、シューズの型および対応するアッパーに対して調節を行う可能性がより高くなる。したがって、好ましい態様は、図7のより局所的なアプローチであり、前方足サポート58Bが、着用者の第2の中足骨および第3の中足骨の区域に配置された材料からなる中心フィンガ部となる。この前方足サポート58Bにより、着用の際の足の上方部分に対するバンプによる締め付けが回避され、型を大きくすることおよび対応してアッパーを大きくすることの必要性が軽減される。代替の実施形態においては、前方足サポート58Aは、少なくとも着用者の第2の中足骨および第3の中足骨の区域に配置された、開口空洞部を備えてよい。代替の一実施形態においては、フィンガ形状前方足部サポート58Bは、より厚いクッション性材料によって囲まれたインナーソール20の表面中の開口空洞部であってよい。最も好ましい一実施形態においては、インナーソール20の前方足部分28は、ポリウレタン記憶フォームなどの順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料からなるフィンガ部である、前方足サポート58Bを収容する空洞部を有する。この実施形態は、高度な快適さを備える概して水平な上方表面を形成する。
【0038】
この前方足サポート58は、図8に図示されるように全体的に省くことが可能である。しかし性能全体を最適化し維持するために、少なくとも幾分かの前方足クッションを使用することが推奨される。さらに、前方足クッションの高さ部分は、シューズ内部において足を水平にして、後方足部および中足部に対する荷重の均衡をさらに保つ役割を果たす。局所的な支持は、前方足部がシューズの最大のぴったり合う区域であるため、前方足部においては最も重要である。
【0039】
踵区域32は、中足部サポート構造体40の後方にて定位置に踵を十全に位置決めすることが可能となるとなるように、比較的水平に留まるべきであり、最小限のクッション性に留めるべきである。このシステムは、踵においてクッション性材料がない状態で、または薄いクッション性材料と共に、機能する。一般的には、2mmから4mmが、着用者にとって好ましい。踵におけるクッションが、ハイヒールシューズにおいて厚すぎる場合には、足は、前方に摺動する傾向がある。踵閉鎖型シューズまたは平靴の作製においては、追加の材料が、中底の外周部の全てまたは一部分において裏打ちされて、安定性およびクッション性の向上を実現することができる。踵区域32は、急激な傾斜または緩い傾斜のいずれかにより、中足部区域から区別される。
【0040】
中足部サポート構造体40は、着用者の母趾球部区域114および着用者の足110の踵区域118から、着用者の足110の中足部区域116への、静荷重(着用者が直立状態にある場合)と、移行衝撃荷重(着用者が歩行中の場合)との両方の転移効果を、着用者に対して有する。荷重のこの転移および再分散により、着用者の快適性が高まる。プロトタイプの試験においては、被験者は、快適性の著しい上昇を訴えた。
【0041】
本発明は、着用者の足110の中足部区域116への荷重の転移に効果的であり、そのため、着用者の踵区域118が、中足部サポート構造体40を欠くシューズにおいて典型的であるのと同一程度には、側方への拡張を生じさせないことが判明している。換言すれば、中足部サポート構造体40を欠くハイヒールシューズにおいては、着用者の足の踵区域118は、踵区域に対する着用者の体重からなる荷重による側方延展を呈し、これにより、踵の組織が側方に展伸され延展されることとなる。中足部サポート構造体40を備えることにより、この影響は低減される。中足部サポート構造体40は、着用者の踵の側方変位がかかる中足部サポート構造体を欠くシューズと比較して2mmから8mmだけ低減されるように、十分に着用者の足を支持することが、判明している。中足部サポート構造体40を備えるシューズにおいて適切なフィットを実現するためには、アッパー12は、同一サイズの標準的なシューズよりも狭いヒール体積部を有するべきである。好ましい一実施形態においては、アッパー12は、同一サイズの標準的なシューズのヒール体積部よりも2mm〜8mm狭いヒール体積部を有する。さらに、いくつかの実施形態においては、シューズのアウターソール、インナーソール、またはアッパーは、同一サイズの標準的なシューズよりも短い長さを有してよい。
【0042】
この発明に関して適切な材料を選択することは、この材料が、底打ちすることなくその材料の上に置かれた荷重を支持するのに十分な強度を有さなければならず、それと同時に、足に対する良好な接触軟性を実現しなければならないため、困難である。理想的な材料は、順応可能または圧縮可能であり、軽量であり、着用感が良好であり、高い耐荷能力を有する。さらに、理想的には、この材料は、着用者の足の形状にも合い、継続的な着用のためにその耐荷強度を再確立するのに十分な迅速さで反発する。さらに、この材料は、エネルギー回収も実現し得る。
【0043】
中足部サポート構造体40は、中足部の底打ちを回避しつつ、また着用者に快適性を与えるのに十分な柔軟さを有するように、完全には圧縮されることなく、中足部および前方側部による荷重を支持するのに十分な密度からなるものであることが好ましい材料から形成される。好ましくは、この材料は、歩行中に着用者の足の形状の変化に適合させるのに十分な成形能力を有する。中足部サポート構造体40は、歩行のあらゆる局面にて着用者の足の特定の形状に対して適応すると共に、そのような荷重下において底打ちすることなく十分な支持を与えるのに十分な頑丈さを有するように、着用者の重量下においてへこむことが意図される。この目的を容易に果たす材料の例としては、かなりの密度の通常のフォーム、記憶フォームおよび他の低速反発材料、EVA、ラテックス、ゴム、ポリウレタンおよび他の粘弾性材料、シリコン、ゲル、軟質固体、軟質プラスチック、水および他の液体、空気および砂などの微粒子、ビーズ、および、頑丈ではあるが可撓性の膜の中に収容されるシードが含まれる。かかるシステムは、対象の区域における固定的なサポートと、さらなる快適性のためのクッション性との両方を実現するように意図された、二重目的システムである。圧縮の際にこの材料がより従順になるように、さらに固い材料が、溝を施され、チャネルを施され、中空部を施され、等々が実施されて(すなわち、頂部から底部まで材料が取り除かれて)、より軟質の感触をもたらすことが可能である。圧縮の際に材料の支持性がより高まるように、ゲル、軟質固体、または軟質複合材料に、剛性繊維を注入して、強度を高めることが可能である。長時間にわたる荷重下において足跡の形状に概して耐えると共に、起立状態中または歩行中に、快適性、圧力解放性、エネルギー回収性、衝撃吸収性、および/または緩衝性を実現する材料が、好ましい。中足部サポート構造体40は、好ましくは、順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料から形成され、これは、好ましくは、連続気泡粘弾性材料、独立気泡粘弾性材料、または無気泡粘弾性材料などのエラストマー材料である。順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料は、不飽和ゴム、飽和ゴム、または別のエラストマーである。不飽和ゴムには、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ポリブタジエン、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、またはネオプレンゴムが含まれ得る。飽和ゴムとしては、エチレンプロプレンゴムおよびエチレンプロピレンジエンゴム、ポリアクリルゴム、シリコンゴム、エチレンビニルアセテート、およびポリウレタンが含まれ得る。
【0044】
本発明において使用するための1つの望ましい材料は、ポリウレタン記憶フォームである。ポリウレタン記憶フォームは、ポリウレタンの粘度レベルを上昇させることにより密度を高める追加の化学物質を含むポリウレタンから作製される。これは、しばしば粘弾性ポリウレタンフォームと呼ばれる。使用される化学物質およびその全体の密度に応じて、これは、より冷たい温度においてはより固くなり、より暖かい環境においてはより軟質になる。比較的高密度の記憶フォームは、体温に反応し、これにより、このフォームは、数分の間にそれ自体を暖かい身体の形状に成形させることが可能となる。比較的低密度の記憶フォームは、圧力に対して敏感であり、身体の形状に対してより迅速に成形される。
【0045】
この材料の硬さおよび柔らかさは、本発明にとって重要である。材料の硬度は、押込み力たわみ(IFD: Indentation Force Deflection)の評定により、または圧縮力たわみ(CFD: Compression Force Deflection)の評定により、判定される。CFDは、2インチ×2インチ×1インチのサンプルを25%だけ圧縮するのに必要な力の量をポンドで計測する。これは、一般的には、CFD@25%圧縮として知られている。好ましくは、中足部サポート構造体40は、足と接触状態になる最上表面に対する25%の圧縮にて0.6psiから30psiのCFDを有する材料から作製される。最も好ましくは、中足部サポート構造体40は、足と接触状態になる最上表面に対する25%の圧縮にて3psiから6psiのCFDを有する。最も好ましくは、前方足部サポート58は、25%の圧縮にて25psiから35psiのCFDを有する。
【0046】
好ましい実施形態においては、中足部サポート構造体40は、フォームポリウレタンまたは非フォームポリウレタンである。
【0047】
クッションとして機能するのに十分に順応可能であるが、衝撃を被った際に展伸または硬い感触を被るのに耐えるに十分な強度である単一材料を有することが理想的である。しかし、殆どの材料は、比較的高い荷重下において不十分な圧縮強度を有する軟性のものであるか、または、高い荷重を支持するのに十分な硬さではあるが、足の裏面にとっては感触が硬いかのいずれかである。換言すれば、圧縮強度がより高いほど、材料はより硬くなる。これらの制約により、中足部サポート構造体40の好ましい一実施形態は、各層が異なる役割を果たす材料層を備える。この好ましい構造においては、上方の比較的厚い層が、着用者に快適性および軟性を伝える接触層であり、下方の比較的薄い層が、長時間のサポートを提供し、底打ちを回避させるサポート層である。
【0048】
このサポート層は、インナーソールの前方に限定されてよく、この区域は、圧力が典型的にはハイヒールにおいて最も高い。あるいは、このサポート層は、インナーソールのさらに広い部分まで、インナーソールの全表面まで拡張可能である。インナーソールの一実施形態においては、サポート層は、足の母趾球部領域において約6mmで最も厚く、シューズの後方に近づくにしたがって薄くなり、踵区域においてクッションサポートは2mmとなる。このサポート層は、前方足部において、および中足骨区域において側部に沿って、実質的にゼロにまで薄くなり、シューズは、前方足部において最大の快適性で最も快適なフィット感となると共に、シューズの締め付けが最小限となる。別の実施形態においては、2つ以上のサポート層が存在する。例えば、踵に1つのサポート区域が存在し、前方足部に別のサポート区域が存在する。これらは共に、同一のまたは異なる材料からなるものであってよく、同一のまたは異なる密度からなるものであってよい。または、1つのサポート層が、別のサポート層の下方に置かれてもよい。典型的な米国女性のサイズ8のインナーソールは、最大厚さにおいて約3/4インチであるため、それぞれが異なる特性を有し、それぞれが異なる利点を着用者に提供する材料からなる複数の材料層を有することは、可能である。ある層が、接触軟性を提供することができ、別の層が、カスタマイズされた断面形状を形成し、別の層が、エネルギー回収性を有し、別の層が、しっかりしたサポートを与えることができ、別の層が、さらにしっかりしたサポートを与えることができ、等々である。別の例としては、固い材料は、前方足部に限定され、軟質のゲル膜が、中足部および前方足部に位置してよい。この複合体は、長さ方向に沿って、幅方向に沿って、または高さ方向に沿って、または長さおよび幅方向に沿って、または長さおよび高さ方向に沿って、または幅および高さ方向に沿って、または長さ、幅、および高さ方向に沿って、様々であってよい。
【0049】
図9Aおよび図9Bにおいて理解される実施形態においては、中足部サポート構造体40は、多様な密度からなる少なくとも2つの材料層を備え、好ましくは、上方の順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料と、下方のエネルギー回収性材料とを備える。例えば、図9Aにおいては、上部層70は、足と接触状態になる順応可能な層であり、中間層72は、エネルギー回収性を実現する比較的高い密度を有する。図9Bにおいては、上部層70は、足と接触状態になる順応可能な層であり、中間層72は、エネルギー回収性を実現する比較的高い密度を有し、下部層74は、足の底打ちを回避するために最も高い密度を有する。
【0050】
層状のバージョンまたは複数の構成部を有するバージョンにおいては、本発明の一部分が、他の部分以外のシューズの層中に存在してよい。例えば、比較的固いサポート層が、インナーソールの下方に配置されてよく、その一方で、比較的軟性の順応性の層が、インナーソールの上に位置してよい。また、任意の比較的固いサポート層がアウターソールを構成することも全く可能である。
【0051】
図1および図9Aにおいて図示される好ましい一実施形態は、二重層インナーソールおよび中足部サポート構造体40である。上方の身体輪郭層は、約2mmの厚さにて踵部全体に広がる記憶ポリウレタンであり、中足部区域全体は、内側にて約20mmの最大厚さであり、外側にて約8mmの最大厚さであり、前方足部区域の一部分のみが、ちょうど第2の中足骨および第3の中足骨にて4mmの厚さである。下部層は、意図された母趾球部ブレークから始まり、前方足部全体に広がる、エネルギー回収特性を有する標準的なポリウレタンフォームである。下部層は、足の母趾球部領域にて5〜6mmにすぎない最大厚さであり、つま先区域において側部区域に沿って薄くなり、靴の適切なフィットが確保される。このバージョンは、とりわけつま先部閉鎖型パンプス用に設計された。
【0052】
中底に対する足の接触面積は、足に対する圧力の分布に直接的に関係がある。従来の平靴と、従来の100mmのハイヒールシューズと、本発明による中足部サポート構造体を使用した100mmのハイヒールシューズとを比較する、本発明に関連して実施した試験においては、本発明による中足部サポート構造体を使用した100mmのハイヒールシューズにおける足の接触面積は、平靴における足の接触面積の93〜105%の範囲となるが、従来の100mmのハイヒールシューズにおける足の接触面積は、平靴における足の接触面積の65〜80%の範囲となることが判明した。中足部サポート構造体を使用した100mmのハイヒールシューズにおけるピーク圧力は、従来の100mmのヒールと比較して、ユーザの足の母趾球部区域において2/3も低減した。
【0053】
本発明は、様々な体重、様々な足のサイズ、および履物のスタイルにわたって適用可能である。足と実際に接触状態になる表面積が増大することは、中足骨において荷重の均衡を保つのに非常に有効であり、圧力の解放をもたらす。正確な形状、形態、および材料により実現される表面接触の増大により、個々人に合ったフィット感、最適な踵の安定感およびサポート、土踏まずのサポート、足の母趾球部のサポート、クッション性、およびエネルギー回収の利点が実現される。
【0054】
中足部サポート構造体40は、シューズの踵部分32と概して同一の高さであるか、またはさらに高く、したがって、着用者の足の中足部区域116を上昇させ、支持し、そのため、足は、それ相応の荷重を支持するように十分に展伸される。中足部サポート構造体40は、中足部区域116において荷重を支持するのに加えて、踵区域118の方向に後方に重量を移動させる。
【0055】
本発明は、デザイナーの好みに応じて様式化することも可能であり、これには、本発明の断片化、本発明の流線型化、さらには本発明のいくつかの構成要素の誇張などが含まれてよい。これらの代替形態は、概して、本発明の趣旨を残しつつ、スタイルの好みおよび流行に応じることを概して目的とされる。いくつかの場合においては、デザイナーは、ある性能上の有効性に先んじて、完全な本発明により限定され得るある特定のスタイル上の利点を実現することを欲する場合がある。これは、最適区域の一部分のみが、本発明の趣旨を残しつつ高められることを意味し得る。例えば、ミュールまたはサンダルにおいては、中足部セクションの高さを低減させることができる。
【0056】
本発明は、踵における接地(摺動を回避するために定位置に踵を位置決めする)、中足部サポート、前方足部クッション、均衡の取れた圧力分布、および/または、シューズ内における足の水平化を実現する機能において洗練されており、本発明は、軽量構造であり、単純な外観を有する。ハイヒールに固有の需要に触発されて、本発明は、さらに平靴(男性用、女性用、および子供用)向けの用途も有する。平靴は、水平構造であり、荷重は、踵および側球部の両方にわたり概して均衡が取られている。しかし、足は、過剰な長時間にわたる起立状態または歩行の際に依然として疲労を受ける。時間の経過と共に、痛みが、初めに踵に来て、ついで、平靴内の足の母趾球部に来る。この痛みを緩和させるために、この本発明は、踵の安定化に加えた追加的な踵のクッションおよびサポート、土踏まずのサポート、ならびに既に提示された前方足部クッションを形成するように、さらに修正されてよい。
【符号の説明】
【0057】
10 シューズ
12 アッパー
14 内方壁部
16 内方壁部
17 上方端部
18 アウターソール
19 上方端部
20 インナーソール
22 上方表面
24 下方表面
26 つま先部分
28 前方足部分
30 中足部分
32 踵区域、踵部分
40 中足部サポート構造体
42 サポートプラットフォーム
43 中敷
44 側壁部
46 側壁部
48 下方部分
50 内側端部
52 外側端部
56 最大幅区域
58 前方足サポート
58A 前方部サポート
58B 前方部サポート
60 前方端部
62 後方端部
70 上部層
72 中間層
74 下部層
110 足
118 踵区域
112 つま先区域
114 母趾球部区域、中足骨区域
116 中足部区域
210 サンダル、スライズ、
h1 最大高さ
h2 最大中足部高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シューズ(10)であって、
アッパー(12)と、
土踏まず部を任意に備えたアウターソール(18)と、
上方表面(22)および下方表面(24)を備えたインナーソール(20)と
を具備し、前記シューズが、着用者の足のつま先部分を受容するためのつま先部分(26)と、着用者の足の中足骨区域を受容するための前方足部分(28)と、着用者の足の中足部区域の区域に配置される中足部分(30)と、着用者の足の踵区域の区域に配置される踵部分(32)とを備えた、シューズ(10)において、
中足部サポート構造体(40)が、順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料から形成され、
前記中足部サポート構造体(40)は、前記シューズ中足部分(30)に配置され、着用者の足の中足区域の少なくとも一部分に接触しそれを支持するのに十分な高さ(h1)を有するようにサイズ設定され、形状設定されていることを特徴とする、シューズ(10)。
【請求項2】
前記中足部サポート構造体(40)は、凸形状であり、前記着用者の最大中足部高さ(h2)よりも高い、中心軸に沿った最大高さを有するようにサイズ設定されていることを特徴とする、請求項1に記載のシューズ。
【請求項3】
アッパー、前記アウターソール、または前記インナーソールの中のいずれか1つが、前記最大シューズ幅である幅を有する最大幅区域(56)を有し、前記中足部サポート構造体(40)は、前記中足部サポート構造体の中心軸に沿ってサポートプラットフォーム(42)を有し、前記プラットフォームは、前記最大幅区域の幅よりも狭い幅を有していることを特徴とする、請求項1または2に記載のシューズ。
【請求項4】
前記中足部サポート構造体(40)は、前記中足部サポート構造体の中心軸に沿ってサポートプラットフォーム(42)を有し、前記サポートプラットフォーム(42)は、前記インナーソールの幅よりも狭い幅を有していることを特徴とする、請求項1、2または3に記載のシューズ。
【請求項5】
前記中足部サポート構造体(40)は、前記中足部サポート構造体の中心軸に沿ってサポートプラットフォーム(42)を有し、前記サポートプラットフォームは、前記インナーソールの幅以上の幅を有していることを特徴とする、請求項1、2または3に記載のシューズ。
【請求項6】
前記サポートプラットフォーム(42)は、前記サポートプラットフォーム(42)から前記インナーソール(20)まで延在した側壁部(44、46)を有していることを特徴とする、請求項1、2、3、4または5に記載のシューズ。
【請求項7】
前記中足部サポート構造体(40)の前記サポートプラットフォーム(42)および前記側壁部(44、46)は、アッパー(12)の内方壁部(14、16)の内側に配置され、アッパー(12)の内方壁部(14、16)から少なくとも部分的に離間されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5または6に記載のシューズ。
【請求項8】
前記中足部サポート構造体(40)は、部分(48)を有し、前記部分(48)は、前記アッパーの前記内方壁部(14、16)の上方端部(17、19)が着用者の足のさらに近傍に移動されるように、シューズのアッパーの内方壁部(14、16)の一部に対して側方圧力を十分に印加するように位置決めされていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6または7に記載のシューズ。
【請求項9】
前記中足部サポート構造体(40)の前記側壁部(44)は、前記中足サポートの内側側端部にて、鉛直方向から鋭角で前記インナーソールから離れるように、前記インナーソール(20)から上方におよび側方に延在していることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載のシューズ。
【請求項10】
前記中足部サポート構造体の前記側壁部(44)は、前記中足サポート(40)の前記内側側端部にて、鉛直方向から最大で45度の角度で前記インナーソールから離れるように、前記インナーソール(20)から上方におよび側方に延在していることを特徴とする、請求項9に記載のシューズ。
【請求項11】
前記シューズ(10)は、ハイヒールシューズであり、歩行面に対して角度を付けられた中足部分(30)を有していることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載のシューズ。
【請求項12】
前記中足部サポート構造体(40)は、少なくとも5mmの、または少なくとも8mmの、または少なくとも10mmの、または少なくとも12mmの、または少なくとも14mmの、または少なくとも15mmの、または少なくとも16mmの、または少なくとも18mmの、または少なくとも20mmの、または少なくとも22mmの、または少なくとも24mmの、または少なくとも25mmの厚さを有していることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11に記載のシューズ。
【請求項13】
前記中足部サポート構造体(40)は、18mmから22mmの最大厚さを有している、請求項12に記載のシューズ。
【請求項14】
前記中足部サポート構造体(40)は、16mmから20mmの最大厚さを有している、請求項12に記載のシューズ。
【請求項15】
前記中足部サポート構造体(40)は、14mmから18mmの最大厚さを有している、請求項12に記載のシューズ。
【請求項16】
前記中足部サポート構造体(40)は、12mmから16mmの最大厚さを有している、請求項12に記載のシューズ。
【請求項17】
前記中足部サポート構造体(40)は、10mmから14mmの最大厚さを有している、請求項12に記載のシューズ。
【請求項18】
前記中足部サポート構造体(40)は、内側側端部(50)および外側側端部(52)を有し、前記内側側端部は、前記外側側端部よりも厚いことを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17に記載のシューズ。
【請求項19】
前記インナーソール(20)は、少なくとも2mmの厚さを有し、
(a)前記中足部サポート構造体の前記内側側端部(50)は、少なくとも12mmの厚さを有し、前記中足部サポート構造体の前記外側側端部(52)は、少なくとも4mmの厚さを有している、または、
(b)前記中足部サポート構造体の前記内側側端部(50)は、少なくとも16mmの厚さを有し、前記中足部サポート構造体の前記外側側端部(52)は、少なくとも6mmの厚さを有している、または、
(c)前記中足部サポート構造体の前記内側側端部(50)は、少なくとも20mmの厚さを有し、前記中足部サポート構造体の前記外側側端部(52)は、少なくとも8mmの厚さを有している、
ことを特徴とする、請求項18に記載のシューズ。
【請求項20】
前記踵区域(32)は、同一サイズの標準的なシューズよりも狭い体積部分を有していることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19に記載のシューズ。
【請求項21】
前記踵区域(32)は、同一サイズの標準的なシューズの踵体積部分よりも2mm〜9mm狭い体積部分を有していることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20に記載のシューズ。
【請求項22】
前記中足部サポート構造体(40)は、着用者の踵の側方変位が、前記前記中足部サポート構造体を欠くシューズに比較して少なくとも2mmだけ低減されるように、着用者の足を支持している、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または21に記載のシューズ。
【請求項23】
前記順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料は、エラストマー材料であることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22に記載のシューズ。
【請求項24】
前記順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料は、オープンセル粘弾性材料、クローズセル粘弾性材料、またはノンセル粘弾性材料であることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23に記載のシューズ。
【請求項25】
前記順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料は、不飽和ゴム、飽和ゴム、または別のエラストマーであることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24に記載のシューズ。
【請求項26】
前記中足部サポート構造体(40)は、少なくとも2つの材料層(70、72)を備えていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25に記載のシューズ。
【請求項27】
前記少なくとも2つの層(70、72)は、上方の順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料と、下方のエネルギー回収性材料とを備えていることを特徴とする、請求項26に記載のシューズ。
【請求項28】
前記少なくとも2つの層(70、72)は、前記シューズの中足部分に配置された上方の順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料と、前記靴の前記中足部分、1つもしくは複数のつま先部分、前方足部分、および踵部分に配置された、下方層または複数の下方層を備えていることを特徴とする、請求項26に記載のシューズ。
【請求項29】
前記順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料は、25%の圧縮にて0.6psiから25psiのCFDを有していることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27または28に記載のシューズ。
【請求項30】
前記下方層または複数の下方層は、25%の圧縮にて6psi以上のCFDを有していることを特徴とする、請求項26、27または28に記載のシューズ。
【請求項31】
前方足サポート(58)が、前記インナーソール(20)の上方表面上に、前記インナーソールの前記前方足部分(28)に配置されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30に記載のシューズ。
【請求項32】
前記前方足サポート(58)は、少なくとも4mmの厚さを有し、前記インナーソールの前記上方表面上に、前記インナーソールの前記前方足部分に配置されていることを特徴とする、請求項31に記載のシューズ。
【請求項33】
前記前方足サポート(58)は、着用者の第2の中足骨および第3の中足骨の区域に配置されるか、または、前記前方足サポートは、着用者の第2の中足骨および第3の中足骨の区域において省かれていることを特徴とする、請求項31または32に記載のシューズ。
【請求項34】
前記前方足サポート(58)は、少なくとも2つの材料層を備えていることを特徴とする、請求項31、32または33に記載のシューズ。
【請求項35】
前記順応可能なまたは圧縮可能なクッション性システムは、緩いまたは流体の順応可能なもしくは圧縮可能な材料で充填された頑丈かつ柔軟な膜であることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22に記載のシューズ。
【請求項36】
前記順応可能なまたは圧縮可能なクッション性システムは、順応可能なまたは圧縮可能なゲル、軟質固体、または軟性複合材料であることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22に記載のシューズ。
【請求項37】
前記シューズのアウターソール、インナーソール、またはアッパーの中の1つまたは複数が、同一サイズの標準的なシューズよりも短い長さを有していることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33または34に記載のシューズ。
【請求項38】
ハイヒールシューズ用の挿入物において、
中足部サポート構造体(40)が、順応可能なまたは圧縮可能なクッション性材料から形成され、
前記中足部サポート構造体は、ハイヒールシューズ(10)の中足部分(30)に配置されるように適合化され、着用者の足の中足領域の少なくとも一部分に接触しそれを支持するのに十分な高さ(h1)を有するように、サイズ設定され形状設定される
ことを特徴とする、挿入物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2010−540069(P2010−540069A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526871(P2010−526871)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/004926
【国際公開番号】WO2009/041993
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(510086464)
【Fターム(参考)】