説明

整形外科装具用の制動ヒンジ

整形外科装具用の制動ヒンジ(20)を提供する。ヒンジは、1つのアーム(22、24)に固定されたアクチュエータ(58)、および少なくとも1つのばね部材(80)を含んでいる。アクチュエータを有するアームが、第1の方向に回動すると、所定の屈曲角度において、アクチュエータは、ばね部材に力をかけて、その結果、ばね部材が撓む。ばね部材は、アクチュエータをばね部材から遠ざける方へ付勢し、アームを第1の方向と逆の第2の方向に付勢する力を、アクチュエータにかける。好ましい実施形態では、ばね部材には、複数の平坦な板状の板ばねが含まれる。支点部(104)を移動させ得ることによって、ばね部材がアクチュエータにかける力を調節し得る。大きさが異なる種々のアダプタ(66)をアクチュエータに固定し得る。アダプタ(66)のサイズによって、ばね部材が最初にアクチュエータに力をかける屈曲角度が決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形外科装具に関する。さらに詳細には、整形外科装具用の本制動ヒンジは、関節の伸展に対して抵抗を与え、この抵抗は、所定の角度で始まり、関節がさらに伸展すると増す。
【背景技術】
【0002】
大腿四頭筋は、特により小さな膝屈曲角度において、前十字靱帯(ACL)を引っ張る、ACLの拮抗筋としての機能を果たす。60°未満の膝屈曲角度では、大腿四頭筋の構成要素は、前方向に力を作用させる。膝の構造体、主にACLは、この前構成要素に抵抗する。したがって、小さな屈曲角度で大腿四頭筋が収縮することによって、ACLに張力がかかる。この張力は、ACLを損傷する原因になる場合が多い。最近ACLを再建した患者にとって、この張力によって、ACL移植片が伸び切ってしまうので、次に、膝が不安定になってしまい、これにより、他の構造体(例えば、半月板)が損傷するか、または関節が変性により変化する結果になりかねない。患者は、不安定さを減少させるために第2の侵襲性の処置を受けなければならない場合がある。
【0003】
小さな屈曲角度でACLを損傷する危険があるために、医師は、一般に、小さな屈曲角度での大腿四頭筋収縮を回避することを勧める。しかしながら、通常の行動の間に小さな屈曲角度になることを回避するのは困難であることが多い。さらに、動くことおよび行動することは、ACLを再建する治療を促進しACLへの悪影響を低減するために重要である。したがって、患者が、小さな屈曲角度での大腿四頭筋の収縮を回避し得る膝装具は、ACLを再建した患者にとって、またはACL不全を患う人々にとって大きな利益になるだろう。
【0004】
患者が小さな屈曲角度になることを回避し得る1つのタイプの膝装具は、着用者に自分の膝を特定の屈曲角度を超える角度に伸展させない伸展停止部を有する装具である。例えば、Kausek他への米国特許第4,732,143号明細書は、多軸ヒンジに取り外し可能に装着し得る伸展停止部を提供する。停止部は、ヒンジにより回動可能に連結された一対の剛性アームの前方への回動を制限する。ヒンジは、一対の平行なフェースプレートの間に間隔を置いて配置された回動連結部で連結された一対の剛性アームを含んでいる。アームの噛み合い端部上の連結歯が、プレートとの回動連結部の周りにおいて両方のアームを同時に回動させる。伸展停止部は、フェースプレートの1枚のフェースプレートに沿って取り付け可能なC字状のプラスチック体である。停止部は、フェースプレートの1枚のフェースプレートを取り付けるための弾性クリップを含んでいる。停止部は、さらに伸展ブロックを含み、この伸展ブロックは、アームの前方への回転を制限するように、アームの噛み合い端部同士の間に配置され得る。伸展停止部は、強固で軽量なプラスチックからなる。使用者が伸展限界を選択し得るように、サイズの異なるブロック手段が設けられる。
【0005】
Kausek他の明細書に記載された装具のような装具は、特定の屈曲角度で着用者の膝の伸展を停止させる。そのような装具を着用した患者は、装具が急停止に至り伸展が最大になったとき、きしみを感じる。多くの患者は、このきしみを不快に思い、そのきしみによって、患者の医師らが決めたリハビリテーションガイドラインに、多くの患者が従わない場合がある。関節完全伸展および/または関節完全屈曲時に緩衝させて停止する関節装具が、不快なきしみを低減または除去することに役立つ。装具によって、患者は、さらに強い信頼および確信をもてると思い、それにより、前向きになった患者がリハビリテーションプログラムに従うことになって、回復時間が早くなることにつながる。
【0006】
スポーツ選手は、様々な運動競技中に地面から跳び上がることがよくある。これらの運動選手は、膝をわずかに曲げて着地することが好ましい。その衝撃によって、膝の屈曲を減速し最終的に停止させる力を提供するように大腿四頭筋が収縮するにつれてさらに膝が屈曲する。膝は、このように衝撃力を吸収し、これらの力によって、壊れやすい骨および他の関節が損傷するのを妨げる。
【0007】
しかしながら、運動選手は、空中にいる間に、膝を曲げない場合がある。研究によれば、女性の運動選手は、ジャンプ後着地するときに、男性の運動選手が膝を屈曲させるほど、自分の膝を屈曲させない傾向があることが分かっている。自分の膝を完全伸展させて着地した場合、膝は、屈曲しない。その代わり、衝撃力のすべてが、運動選手の骨および/または関節により吸収される。そのようなきしみを伴った衝撃によって、損傷が生じることがよくある。運動選手が、膝の完全伸展を妨げまたは膝関節を完全伸展状態から屈曲状態へ付勢する停止部または緩衝部を含む膝装具を着用した場合、装具は、運動選手が空中にいる間自分の膝を屈曲させるように力を与えることになる。したがって、運動選手は、常に、膝を屈曲させて着地することになり、負傷しにくくなる。
【0008】
いくつかの関節装具には、関節完全伸展を妨げるか、または関節完全伸展時に緩衝式の停止を行うヒンジが含まれている。Hensleyらへの米国特許第RE37,209号明細書は、伸展減速装具を提供している。当該装具は、関節の動きを制御する靭帯の役割を果たし、前後方向に関節を安定させる。装具は、軽量な外側ばねアセンブリ、細長い上方アームおよび下方アーム、並びに単軸または多軸支点部を備える。装具は、その可動域を調整可能であり、多くの異なるスタイルの装具における使用に適合可能であり、補正要件、予防要件、外観適合要件、環境要件、使用要件に適する強度に変更し得る。装具は、過伸展を妨げるように、伸展時の脚の角速度を機械的に抑制するための手段を含んでいる。装具は、より迅速、滑らかに、それほど応力を多く生じることなく動き得るように、屈曲時の脚の角速度を速めるための手段をさらに含んでいる。一実施形態では、ばねロッドは、通常の一対の細長い装具アームの中央に横方向に組み立てられる。ばねロッドは、ローラーポストに曲がりくねって係合させることによって関節の支点部の場所におよぶ。したがって、アセンブリは、伸展の最後の15〜20度の間脚を減速させて、過伸展の危険が生じる、停止部へのアームの衝突を妨げる。アセンブリはまた、脚の屈曲を促進するためにばねの蓄積エネルギーを使用する。
【0009】
Bartlettへの米国特許第6,074,355号明細書は、3点固定を行い、膝関節の両側に配置された一対の第1のアーム部材を含む膝装具を提供する。下方脚装具部材は、一対の第2のアーム部材を有し、これらのアーム部材は、膝関節の両側に方向付けて配置し得る。剛性のある大腿部材および下方脚部材は、着用者の脚に取り付けられ、この取り付けは、可撓性のあるストラップを脚の裏側に延ばし、調節して装着することにより行われる。アームの噛み合い端部は、間隔をおいて平行に配置された一対のフェースプレートにより連結され、これらのフェースプレートは、多軸ヒンジを形成し、この多軸ヒンジによって、アームの噛み合い端部が連結部の周りを回動し得る。伸展緩衝部の様々な形態によって、噛み合い端部の相互の接近が制限され、それにより、アームの前方への動きが制限される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これらの装具のどれも、ヒンジの部品を交換しなければ、ヒンジの動きを抑制する力の大きさを調節することができない。さらに、これらの装具のどれも、ヒンジの動きを抑制する力の大きさを容易に調整し得ることと、ヒンジ制動力がかけられる角度を容易に調整し得ることとを、有利な組み合わせにすることができない。したがって、これらの利点を有する整形外科装具用のヒンジは、整形外科装具の着用者に大変役立つことになるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
整形外科装具用の制動ヒンジの好ましい実施形態は、いくつかの特徴を有し、それらの特徴の1つの特徴のみでは、望ましい特性を得られない。以下の特許請求の範囲によって示す本発明の範囲を限定せずに、ここで、さらに顕著な特徴を簡潔に説明する。この説明を考慮した後、また特に「好ましい実施形態の詳細な説明」の欄を読んだ後、好ましい実施形態の特徴からいかに利点を得られるかを理解するだろう。これら利点には、ヒンジの動きを抑制する力の大きさを容易に調節できること、およびヒンジの動きを制御する力がかけられる角度を容易に調節できることが含まれる。
【0012】
整形外科装具用のヒンジの好ましい実施形態には、ヒンジプレートと、ばね部材と、ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第1のアームおよび第2のアームとが含まれる。アクチュエータは、第2のアームに固定される。アームが、アーム同士の間の角度が広がるように第1の方向に回動して、所望の伸展角度に達すると、ばね部材は、第1の方向と逆の第2の方向に第2のアームを付勢する力をアクチュエータにかける。
【0013】
整形外科装具用のヒンジの別の好ましい実施形態には、ヒンジを含む整形外科装具が含まれる。ヒンジは、ヒンジプレートと、ばね部材と、ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第1のアームおよび第2のアームとが含まれる。アクチュエータは、第2のアームに固定される。装具が完全伸展へ回動すると、ばね部材は、装具を完全伸展状態から屈曲状態へ付勢する力をアクチュエータにかける。
【0014】
整形外科装具用のヒンジの別の好ましい実施形態には、ヒンジプレートと、板ばねと、ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第1のアームおよび第2のアームとが含まれる。アクチュエータは、第2のアームに固定される。第2のアームが第1の方向に回動すると、アクチュエータは、板ばねと接触し、板ばねが、アクチュエータに、アクチュエータを板ばねから遠ざけ第2のアームを第1の方向と逆の第2の方向に付勢する力をかけるように撓む。
【0015】
整形外科装具用のヒンジの別の好ましい実施形態には、ヒンジプレートと、実質的に平坦な板として形成された板ばねと、ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第1のアームおよび第2のアームとが含まれる。アーム同士の間の角度が180°に近づく第1の形態へアームが回動すると、板ばねは、第2のアームを第1の形態から付勢する力を第2のアームにかける。
【0016】
整形外科装具用のヒンジの別の好ましい実施形態には、ヒンジの所定の可動範囲内の第1の方向のヒンジの動きに対して抵抗を提供するための抵抗部材と、抵抗部材により提供される抵抗量を調節するために抵抗部材に力をかけるように適合された調節部材とが含まれる。調節部材が、抵抗部材に対して第1の位置に配置されると、抵抗部材により提供される抵抗は、第1の大きさである。調節部材が、抵抗部材に対して第2の位置に配置されると、抵抗部材により提供される抵抗は、第1の大きさとは異なる第2の大きさである。
【0017】
ここで、整形外科装具用の制動ヒンジの特徴を示す好ましい実施形態を、詳細に説明する。これらの実施形態は、添付の図面に示す、新規で非自明なヒンジを示し、図面は、例示することのみを目的とする。これらの図面は、以下の図を含み、図では、同様の部分を同様の番号で示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1および図2に、整形外科装具用の本制動ヒンジ20の外側を示す。図3に、ヒンジ20の内部構成要素の分解図を示す。ヒンジ20は、第1の剛性アーム22および第2の剛性アーム24を含み、これらアームは、内側ヒンジプレート26(図2および図3)と外側ヒンジプレート28(図1および図3)との間に、回動可能に取り付けられている。図3および図4を参照すると、各ヒンジプレート26、28は、第1の回動開口部30と、第1の回動開口部30から間隔おいて配置された第2の回動開口部32とを含むことが好ましい。各アーム22、24は、嵌合端部の近くに回動開口部34を含むことが好ましい。図2および図3に示すように、リベットなどの第1の締め付け部材36が、ヒンジプレート26の第1の回動開口部30から、第1のアーム22の回動開口部34、ヒンジプレート28の第1の回動開口部30を貫通し、それにより、ヒンジプレート26とヒンジプレート28との間に、第1のアーム22が回動可能に取り付けられる。リベットなどの第2の締め付け部材36が、ヒンジプレート26の第2の回動開口部32から、第2のアーム24の回動開口部34、ヒンジプレート28の第2の回動開口部32を貫通し、それにより、ヒンジプレート26とヒンジプレート28との間に、第2のアーム24が回動可能に取り付けられる。
【0019】
ここに示した実施形態では、各アームの回動開口部34は、補強インサート38(図4)を含む。アーム22、24は、比較的安価で軽量なアルミニウムなどの金属から作製されることが好ましい。そのような軽量な金属によって、本ヒンジ20を含む装具の全重量が低下して、着用者にとって装具の快適さが増す。しかしながら、軽量な金属の硬度は、一般に、本ヒンジ20における長期使用にアーム22、24が耐え得るのに十分ではない。アーム22、24は、アーム22、24の回動開口部34において締め付け部材36と摩擦する。同様に、アーム22の第1の歯40(図4)は、対向したアーム24の歯と摩擦し、アーム24の第1の歯40(図4)は、対向したアーム22の歯と摩擦する。これらの接触場所において摩擦が生じることによって、回動開口部34および第1の歯40の材料が摩耗しやすい。したがって、アーム22、24が最もひどく摩耗し裂傷する場所において、補強インサート38が、アーム22、24の強度を高め得る。補強インサート38は、本ヒンジ20の利点を達成するために必須ではないことを、当業者は理解するだろう。補強インサート38は、低重量と低価格とを維持しながら、本ヒンジ20の所定の耐用年数を延ばすだけである。
【0020】
図16を参照すると、インサート38は、細長い径方向の突出部44を有する環状部42を含んでいる。環状部42は、径方向の突出部44と反対側に、第1および第2のアーチ状突出部46を含み、これらの突出部46は、環状部42と実質的に接している。各アーム22、24の嵌合端部には、インサート38の形状と相補的な形状の切り抜き部を含むことが好ましい。インサート38は、摩擦嵌合または接着剤などの任意の適切な手段により切り抜き部内に保持し得る。環状部44と反対側の径方向の突出部44の端部は、第1の歯40を含む。アーム22、24の歯付き端部の作用は、以下に詳述する。インサート38は、ステンレス鋼などの高硬度の材料から作製されることが好ましい。したがって、インサート38は、比較的軟質なアーム22、24の回動開口部34および第1の歯40が受ける摩耗および裂傷にさらによく耐え得る。
【0021】
ヒンジ20は、外側ヒンジプレート28とアーム22、24との間にはさまれた、第1の摩擦低減プレート46(図3)を含み得る。ヒンジ20はまた、内側ヒンジプレート26とアーム22、24との間にはさまれた、第2の摩擦低減プレート48を含み得る。摩擦低減プレート46、48は、プラスチック、TEFLON(登録商標)またはDELRIN(登録商標)などの低摩擦材料からなることが好ましい。摩擦低減プレート46、48によって、アーム22、24は、ヒンジプレート26、28に対してさらに容易に回動し得る。ヒンジ20が摩擦低減プレート46、48を必ずしも含む必要はないことを、当業者は理解するだろう。
【0022】
外側ヒンジプレート28の外面50は、ヒンジ20の外観をよくし取り外し可能な化粧用カバー52(図1および図3)を含むことが好ましい。カバー52は、例えば接着剤または連結「スナップ嵌合」係合で、外側ヒンジプレート28に取り付け可能である。カバー52は、回動開口部30、32およびアダプタ交換開口部54を隠すものであって、以下に詳述する。
【0023】
図3および図4に示すように、第2のアーム24の外面56は、回動開口部34に隣接してアクチュエータ58を含むことが好ましい。ここに示した実施形態では、アクチュエータ58には、不規則な形状の固体が含まれる。アクチュエータ58は、第1および第2の貫通孔60(図4)を含んでいる。アクチュエータ58の第1および第2の貫通孔60は、第2のアーム24の第1および第2の貫通孔62(図3)と同心に配置される。ねじまたはリベットなどの締め付け部材64(図3)は、第2のアーム24の第1および第2の貫通孔62と、そしてアクチュエータ58の第1および第2の貫通孔60と協働して、第2のアーム24にアクチュエータ58を取り付ける。必ずしも締め付け部材で第2のアーム24にアクチュエータ58を取り付けなくてもよいことを、当業者は理解するだろう。例えば、接着剤で第2のアーム24にアクチュエータ58を接合してもよいし、または第2のアーム24に溶接してもよい。あるいは、アクチュエータ58を、ダイカストなどにより、第2のアーム24と一体成形してもよい。ここに示すように、締め付け部材64で第2のアーム24にアクチュエータ58を取り付ける場合、締め付け部材64のヘッドが内側ヒンジプレート26に当たらないように、内側ヒンジプレート26は、切り抜き部112(図2)を含むことが好ましい。
【0024】
アクチュエータ58は、金属などの硬質で耐久性のある材料から作製することが好ましい。好ましい金属は、ステンレス鋼である。図4、図5および図16に示すように、アダプタ66を、選択的にアクチュエータ58に取り付け可能である。アダプタ66は、平面(図5)において実質的にJ字状に形成され、アクチュエータ58の外側部70に相補的な内側湾曲面68を含んでいる。したがって、アダプタ66は、アクチュエータ58の周りにぴったり嵌合する。アダプタ66のフック部72は、半円筒形の凹縁74を有する三日月形フランジを含んでいる。ねじなどの保持部材76が、第2のアーム24の第3の開口部78(図3)と係合し、その結果、保持部材76の長手方向軸線が、フランジ凹縁74の長手方向軸線と実質的に同一になる。したがって、保持部材76の円筒形外部が、フランジの凹縁74と協働し、それによって、アダプタ66が、アクチュエータ58上の所定位置にしっかり保持される。
【0025】
アダプタ66は、金属などの硬質で耐久性のある材料からなることが好ましい。好ましい金属は、ステンレス鋼である。後述するように、アダプタ66によって、関節がさらに屈曲することに対する抵抗が始まる屈曲角度を容易に調節し得る。
【0026】
外側ヒンジプレート28(図9)の内部には、複数の板ばね80が収容される。ここに示した実施形態では、各板ばね80は、弾性材料からなる平坦な棒材を含む。板ばね80を必ずしも平坦な棒材の形状にする必要はないことを、当業者は理解するだろう。例えば、板ばね80は、楔形(一直線にテーパーをつけた棒材)にしてもよいし、または板ばね80をアーチ形にしてもよい。各板ばね80の上縁81(図4)には、第1の端部82の近くに隆起部83が含まれている。外側ヒンジプレート28の一部分(図示せず)は、隆起部83の形状に相補的な形状になっている。隆起部83は、外側ヒンジプレート28のこの部分の内側に収まり、板ばね80が、両方のヒンジプレート開口部30、32がある軸線A(図9および図10)に沿ってずれるのを妨げる。
【0027】
板ばね80は、かけられた荷重が取り除かれた後に、元の形状に戻る弾性材料から作製されることが好ましい。板ばね80の好ましい材料は、ステンレス鋼である。しかしながら、板ばね80の剛性を変更するために、他の材料から板ばね80を作製し得ることを、当業者は理解するだろう。例えば、剛性が低い金属またはプラスチックを使用して、可撓性が高い板ばね80を得ることができ、また剛性が高い金属を使用して、剛性が高い板ばね80を得ることができる。
【0028】
ここに示した実施形態では、3枚の板ばね80が設けられ、板ばね80は、隆起部83の近くを除いて、相互に自由に滑動し得る。この近くにおいて、外側ヒンジプレート28内に隆起部83を収めることによって、板ばね80が相互に滑動することが妨げられる。ここに示した板ばね80の長さは、不揃いである。最も内側の板ばね80(回動開口部30、32に最も近い板ばね80)が、最も長く、最も外側の板ばね80が、最も短い。この構成によって、ばね80は、外側ヒンジプレート28の壁に触れずにさらに自由に湾曲し得る。板ばね80の長さを必ずしも不揃いにする必要はないことを、当業者は理解するだろう。
【0029】
板ばねを3枚で構成することによって、板ばね80が壊れる危険は全くなしに、伸展抵抗を高くし得ることが好ましい。3枚の板ばね80を、ここに示した3枚の板ばね80と同じ剛性の単一の堅固な板ばね80と入れ替えた場合、単一の板ばね80は、はるかに壊れやすくなる。しかしながら、特定の用途に適合させるために、3枚の板ばね80は、単一の板ばね80を含めて、さらに多数または少数の板ばね80と入れ替え得ることを、当業者は理解するだろう。ヒンジ20の伸展抵抗特性を望ましいものにするために、各板ばね80の形状、寸法、および/または構成を変更し得ることもまた、当業者は理解するだろう。例えば、伸展抵抗が大きいことが望ましい場合、板ばね80のいくつかまたはすべてを比較的剛性が高い材料から作製し得る。あるいは、結合させた3枚の板ばね80と同じ厚さのばね80を1枚設けてもよい。あるいは、3枚のばねを、実質的に単一の板ばね80として作用するように相互に接着させてもよい。
【0030】
図9および図10を参照すると、各板ばね80の第1の端部82の、軸線Aへの移動は、外側ヒンジプレート28の第1の壁84によって妨げられる。外側ヒンジプレート28の第2の壁86は、第1の端部82に隣接した場所において、各板ばね80が、軸線Aから遠ざかる方へ移動することを妨げる。板ばね80の第2の端部88は、軸線Aから遠ざかる方へ自由に移動する。したがって、板ばね80は、片持ち梁と類似している。
【0031】
外側ヒンジプレート28は、平面図において実質的にL字状である緩衝部90を収容している(図10)。緩衝部90は、変形可能だが弾性があっていくらかの緩衝作用をする材料から作製することが好ましい。緩衝部90の好ましい材料には、ウレタン、ゴムおよびプラスチックがある。緩衝部90は、アダプタ66と板ばね80との間に緩衝を提供し、それによって、後述するように、アダプタ66が板ばね80と接触すると生じる種々の音を減少させる。緩衝部90は、本ヒンジ20の利点を達成するのに必ずしも必要ではないことを、当業者は理解するだろう。アダプタ66を板ばね80と直接接触させてもよい。あるいは、アダプタ66を完全に取り外した場合、アクチュエータ58を板ばね80と直接接触させてもよい。
【0032】
緩衝部90の直立部分92は、平坦な凹部94を含んでおり、この凹部94は、直立部92が緩衝部90の底部96と接する内側の角と隣接している。平坦な凹部94は、外側ヒンジプレート28から突出するポスト98(図9)を受け入れる。ポスト98は、後述のように、緩衝部90を静止位置に保持し、静止位置に緩衝部90を戻すように案内する。
【0033】
外側ヒンジプレート28は、前方縁102の隣に複数の開口部100を含んでいる。ここに示した実施形態では、3つの開口部100が設けられ、すべての開口部100は、雌ねじを含んでいる。特定の用途に適合させるために、より多数または少数の開口部100を設けてもよく、また開口部100には必ずしも雌ねじを切る必要はないことを、当業者は理解するだろう。各開口部の長手方向軸線は、外側ヒンジプレート28により画定される平面に実質的に垂直である。平面図において見ると(図15)、開口部100の中心は、同一線上にある。
【0034】
開口部100は、支点部104を受け入れるように適合され、支点部104は、ここに示した実施形態では、雄ねじが外側に切られたヘッド部分を有する軸を備える(図3)。ヘッド部分は、好ましくは六角形の凹陥などの特徴を表面に有する部分106を含んでおり、この凹陥部分106は、六角形のキーなどの調節器具と係合するように適合されている。図1および図15に示すように、支点部104のねじ山部を、開口部100の1つの開口部内のねじ溝と係合させて、その開口部内に支点部104を取り付ける。したがって、支点部104は、選択的に、3つの開口部100のうちの1つの開口部内に配置可能である。支点部104を、開口部100の1つの開口部内に配置した場合、図4に示すように、ねじ山が切られていない軸の部分が、最も外側の板ばね80に接する。したがって、後述するように、支点部104の位置が、板ばね80の曲げ特性を決定する。
【0035】
螺合係合以外の手段を使用して、開口部100の1つの開口部内に支点部104を保持し得ることを、当業者は理解するだろう。例えば、摩擦嵌合によって、開口部100の1つの開口部100内に支点部104を保持し得る。しかしながら、螺合係合によって、本ヒンジ20を含む装具の着用者は、第1の開口部100から支点部104を迅速に取り外し、異なる開口部100内に配置し得ることが好ましい。したがって、着用者は、ヒンジを取り外さずヒンジ20のどんな部品も交換せずに、板ばね80の曲げ特性を調整することによって、着用者が感じる伸展抵抗の大きさを調整し得る。
【0036】
各アーム22、24の噛み合う端部は、第1の歯40(図4)および追加の歯108(図3)を含んでいる。第1のアーム22の歯40、108は、第2のアーム24の歯40、108と連結して、その結果、アーム22、24が別々に回動することは不可能である。上述のように、各補強インサート38から径方向の突出部44は、各アーム22、24の第1の歯40を含む。インサート38をより硬質の材料にすることによって、第1の歯40が受ける摩耗量が減少して、本ヒンジ20の寿命が長くなる。
【0037】
アーム22、24が回動すると、アクチュエータ58およびアダプタ66は、第2のアーム24とともに動く。アーム22、24は、完全に屈曲した配置(図示せず)から、アダプタ66がまず緩衝部90と接触する屈曲角度へ自由に回動し得る(図5)。アーム22、24が、完全伸展する方へさらに回動すると(図7)、アダプタ66は、緩衝部90に力をかけて、アダプタ66と板ばね80との間において緩衝部90を圧縮する。緩衝部90が圧縮されると、緩衝部90は、次に板ばね80に力をかけて、板ばね80をわずかに曲げる。最終的に、緩衝部90は、図7に示すように、アダプタ66が板ばね80と接触し得るのに十分な圧縮を行う。したがって、緩衝部90は、アダプタ66が板ばね80と接触したときに生じるどんな騒音も減少させ、これは、アダプタ66が板ばね80と接触したときには、すでに、板ばね80が曲がっていることによる。その後、アダプタ66および緩衝部90は、同時に板ばね80に力をかけて、板ばね80が外側ヒンジプレート28の壁110(図9および図10)と接触するまで、板ばね80をさらに曲げる。ここに示した実施形態では、板ばね80が壁110と接触すると、ヒンジ20は、完全に伸展する。しかしながら、板ばね80はどんな屈曲角度でも壁110と接触し得ることを、当業者は理解するだろう。
【0038】
したがって、図6に示すように、ヒンジアセンブリ20は、板ばね80の3箇所に曲げ荷重をかける。アクチュエータ58および緩衝部90のアセンブリは、板ばね80の自由端部88に、軸線Aから遠ざかる方向に荷重Aをかける。外側ヒンジプレートの第1の壁84(図9および図10)は、板ばね80の固定端部82に、軸線Aから遠ざかる方向に荷重Wをかける。外側ヒンジプレートの第2の壁86または支点部104は、板ばね80の中間部に軸線Aの方向への荷重Fをかける。支点部104を開口部100の1つの開口部100内に挿入する場合、支点部104の位置により、荷重Fの位置が異なる。支点部104がない場合、第2の外側ヒンジプレート壁86が、力Fをかける。
板ばね80は、曲げ荷重の下で図7に示すように撓む。板ばね80が、図5の形態から図7の形態まで撓むにつれて、ばねを撓ませるのに必要な力の量が、益々増加する。したがって、ヒンジ20を含む膝装具を着用した人が、膝をさらに一層伸展させていくにつれて、抵抗力は、どんどん増していく。このように、ヒンジ20によって、完全伸展時に緩やかに止めることができ、概説した問題を引き起こし得る不快なきしみが排除される。
【0039】
着用者が自分の脚を弛緩させる場合、板ばね80は、膝を、板ばね80が直線状に戻るまで圧迫して屈曲させ、それを、図5および図10に示す。ヒンジの構成要素がこの方向に動く場合、図10および図11に示すように、外側ヒンジプレート28の内側のポスト98(図9)は、緩衝部90の底部96と係合し、静止位置に緩衝部90を案内する。
【0040】
支点部104を多数の位置に配置し得ること、および支点部104を取り外し得ることによって、着用者、または着用者を治療する医師は、ヒンジを取り外さずヒンジ20のどんな部品も交換しなくても、着用者が受ける伸展抵抗の量を迅速に調節し得る。図6を参照すると、板ばね80の特性は、荷重がかけられる単純支持梁の周知のモデルを用いて決定し得る。板ばねの自由端部88における歪みは、次の式から得られる。
【0041】
【数1】

この式において、
FA = 荷重Aがかけられる種々の場所と反力Fがかけられる種々の場所との間の任意の場所における板ばね80の撓み、
A = アクチュエータ58およびアダプタ66により板ばね80にかけられる荷重の大きさ、
x = x軸に沿って測定した、板ばねの固定端部82からの距離、
l = x軸に沿って測定した、板ばね固定端部82と、ヒンジプレートの第2の壁86または支点部104により反力Fがかけられる場所との間の距離、
a = x軸に沿って測定した、ヒンジプレートの第2の壁86または支点部104により反力Fがかけられる場所と、アクチュエータ58およびアダプタ66により板ばね80に荷重Aがかけられる場所との間の距離、
E = 板ばね80の弾性係数(板ばね80を作製するために使用する材料により決定される定数)、および
I = 板ばね80の慣性モーメント(板ばね80の断面形状により決定される定数)。
【0042】
板ばね自由端部88における撓み(かけられる荷重Aの作用点における撓みがそれに極めて近い)を決定するために、上記の式中のxの代わりに(a+l)を入れる。次に、以下に、その式を簡単にする。
【0043】
【数2】

この式は、次のことを示す。板ばね自由端部88における撓みは、アクチュエータ58およびアダプタ66により板ばね80にかけられる荷重Aの大きさと、距離aとに直接依存し、距離aは、ヒンジプレートの第2の壁86または支点部104により反力Fがかけられる場所と、荷重Aがかけられる場所との間の距離である。これらの変数の一方が小さくなると、板ばね自由端部88の一定の撓みを維持するために、他方を大きくしなければならない。したがって、支点部104が、板ばね自由端部88へ移動され、よって距離aが短くなると、一定の撓みを維持するために、かけられる荷重Aを大きくする必要がある。ヒンジ20を含む装具の着用者は、自分の膝を所与の屈曲/伸展角度へ伸展させるために、支点部104が板ばね自由端部88に近づくにつれて、より大きな力Aをかける必要がある。換言すると、支点部104が板ばね自由端部88に近づくにつれて大きな伸展抵抗を、着用者が受ける。好ましい実施形態では、ヒンジ20は、板ばね自由端部88から最も遠い開口部100内に支点部104を配置した場合、最大14in.−lbの抵抗を提供し、中間の開口部100に支点部104を配置した場合、最大28in.−lbの抵抗を提供し、板ばね自由端部88に最も近い開口部100に支点部104を配置した場合、最大42in.−lbの抵抗を提供する。
【0044】
支点部104を取り外した場合(図示せず)、着用者は、非常に軽い伸展抵抗を受ける。図5および図7に示すように、板ばね80の自由端88から最大距離にある開口部100内に支点部104を配置した場合、着用者は、軽い伸展抵抗を受ける。中間の開口部100内に支点部104を配置した場合、着用者は、中間量の伸展抵抗を受ける。図8に示すように、板ばね80の自由端88から最小距離にある開口部100内に支点部104を配置した場合、着用者は、重い伸展抵抗を受ける。ヒンジ20により提供される伸展抵抗量をさらに精密に調節するために、さらに多数の開口部100を設け得ることを、当業者は理解するだろう。代替装置を使用して、板ばね80に沿って支点部104の位置決めをし得ることも、当業者は理解するだろう。例えば、支点部104は、外側ヒンジプレート28に沿って滑動させ、板ばね80に沿って複数の所定位置にロックし得るスイッチの一部分(図示せず)を含ませてもよい。
【0045】
本ヒンジ20の設計によって、支点部104の迅速な取り外しおよび位置調節が促進される。上述のように、支点部104は、外側ヒンジプレート28の複数の開口部100の1つの開口部内に交互に配置し得る。開口部100の1つの開口部に支点部104を留め付けるために、着用者は、支点部104の、ねじ山が形成されていない軸部分を開口部100内へ挿入し、この挿入は、支点部104のねじ山が開口部100の1つの開口部のねじ溝と係合するまで行う。その後、着用者は、六角形キーなどの調節器具を使用して、開口部100内において支点部104を回転させて、ヒンジ20を普通に使用している間に支点部104が開口部100から飛び出さない程度十分に、支点部104を差し込む。着用者は、外側ヒンジプレート28の外面50から突出しなくなるまで、支点部104の回転を続けることが好ましい。別の開口部100に支点部104を移動させるために、着用者は、調節器具を使用して支点部104を逆方向に回転させて、その結果、支点部104が開口部100から引き出される。その後、着用者は、所望の開口部100に支点部104を移動させて、説明したばかりの挿入工程を実行する。
【0046】
1つの開口部100から別の開口部に迅速かつ容易に支点部104を移動させ得ることによって、本ヒンジ20を含む装具の融通性が高められる。例えば、サイズおよび体力が種々に異なる人々が、本ヒンジ20を含む装具を着用する場合がある。体力が高い着用者は、伸展抵抗が重い装具から最も多くの利益を得やすく、また、より体力が低い着用者は、伸展抵抗が軽い装具から多くの利益を得やすいだろう。しかしながら、本ヒンジ20は、着用者のサイズおよび体力とは関係なく、実質的にどんな着用者が着用するための調節も迅速かつ容易に行い得る。また、調節処置には、着用者がヒンジを取り外しどんな部品も交換する必要がない。さらに、ある着用者は、治療が進むにつれて伸展抵抗が着実に増加することから、治療の初期段階の間は、伸展抵抗が軽いことが好ましい場合がある。他の着用者は、治療が進むにつれて伸展抵抗が着実に減少することから、治療の初期段階の間は、伸展抵抗が重いことが好ましい場合もある。本ヒンジ20によって、そのような患者は、治療が進んでも装具を交換する必要なく治療コースを受け得る。
【0047】
ヒンジ20によって、着用者は、最初に伸展抵抗を受ける屈曲角度を容易に調節し得る。図12〜図14に示すように、着用者は、アクチュエータ58に様々なサイズのアダプタ66を配置することができる。図12では、比較的小さなアダプタ66が、アクチュエータ58上に配置されている。アダプタ66は、まずほぼ35°の屈曲角度で緩衝部90に接触し、そして、着用者は、まずこれと同じ角度の伸展抵抗を受ける。図13では、わずかに大きなアダプタ66が、アクチュエータ58上に配置されている。アダプタ66は、まずほぼ45°の屈曲角度で緩衝部90に接触し、そして、着用者は、まずこれと同じ角度で伸展抵抗を受ける。最後に、図14では、さらに大きなアダプタ66が、アクチュエータ58上に配置されている。アダプタ66は、まず、ほぼ55°の屈曲角度で緩衝部90に接触し、そして、着用者は、まずこれと同じ角度で伸展抵抗を受ける。実質的に種々のサイズのアダプタ66をアクチュエータ58上に配置して、その結果、着用者が、まず実質的に種々の屈曲角度で伸展抵抗を受けることを、当業者は理解するだろう。着用者が最初に伸展抵抗を受ける屈曲角度をさらに狭めるために、アダプタ66を完全に取り外し得ることを、当業者は理解するだろう。
【0048】
上述したように、アダプタ66は、保持部材76で所定位置に取り付けられる(図15および図16)。1つのアダプタ66を、サイズが異なる別のアダプタと交換するために、着用者は、外側ヒンジプレート28から、設けられている場合は第1の化粧用カバー52を取り外す。その後、着用者は、外側ヒンジプレート28中のアダプタ交換開口部54からアダプタ66に触れることができる。着用者は、ドライバまたは六角形キーなどの適切な器具を使用して、保持部材76を取り外す。その後、着用者は、自分の指またはピンセットを使用して、アクチュエータ58からアダプタ66を取り外して、アダプタ66を、サイズが異なるアダプタに交換し得る。アダプタ66を所定位置に取り付けるために、着用者は、保持部材76を元に戻す。最後に、着用者は、設けられている場合は化粧用カバー52を元に戻す。
【0049】
本ヒンジ20は、関節の伸展に対して抵抗し得るヒンジとして上に説明してきた。ヒンジ20が関節の屈曲に対して抵抗し得るように、本ヒンジ20の構成を容易に適合させ得ることを、当業者は理解するだろう。例えば、板ばね80が、外側ヒンジプレート28の後縁に隣接して配置されるように、外側ヒンジプレート28内に収容された場合、アーム22、24の間の屈曲角度が増加するにつれて、アクチュエータ58およびアダプタ66のアセンブリは、板ばね80に接近し接触することになるだろう。
【0050】
本ヒンジ20は、主に、膝装具とともに使用するためのヒンジとして上に説明してきた。本ヒンジ20は、種々の身体の関節の周りにおいて摩耗する装具において使用されるように適合されることを、当業者は理解するだろう。
【0051】
本発明の範囲
上記のことは、整形外科装具用の本制動ヒンジを実施するために考えられたベストモードの説明であり、また本制動ヒンジを作製し使用する方法および工程の説明であって、それらの説明から、いかなる当業者もこのヒンジを作製し使用し得る、完全で、明確、簡潔、正確な用語による説明である。しかしながら、このヒンジは、上に説明した構造から、完全に等価である構造へ変更しまたはそれと置き換えることができる。したがって、このヒンジは、ここに開示した特定の実施形態に限定されない。一方、このヒンジは、次の特許請求の範囲により全体が示されるような本ヒンジの精神および範囲内で変更し置き換えられたヒンジの構造すべてをカバーし、この特許請求の範囲は、ヒンジの主題を詳細に示し明確にクレームしている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る整形外科装具用の制動ヒンジの好ましい実施形態の上部の後方からの斜視図である。
【図2】図1のヒンジの底部の後方からの斜視図である。
【図3】図1のヒンジの上部の後方からの分解斜視図である。
【図4】図1のヒンジのアクチュエータ、アダプタ、緩衝部、ばね、支点部、アームおよび外側ヒンジプレートの上部の後方からの部分拡大斜視図である。
【図5】図1のヒンジのアクチュエータ、アダプタ、緩衝部、ばね、支点部、アームおよび摩擦プレートの平面図であって、アダプタが緩衝部と接触しばねの撓みがなくなるようにアームが配置されたときの、これらの構成要素の配置を示す平面図である。
【図6】図1のヒンジのばねの平面図であって、ヒンジの構成要素によりばねにかけられる曲げ荷重の概略を示す平面図である。
【図7】図5の構成要素の平面図であって、アームが完全に伸展した位置になり、その結果、ばねが完全に撓み、支点部を緩衝部から最大の間隔をおいて配置した、これらの構成要素の配置を示す平面図である。
【図8】図5の構成要素の平面図であって、アームが完全に伸展して、その結果、ばねが完全に撓み、支点部を緩衝部から最小の間隔をおいて配置した、これらの構成要素の配置を示す平面図である。
【図9】図1のヒンジのアクチュエータ、アダプタ、緩衝部、ばね、および外側ヒンジプレートの底面の後方からの斜視図である。
【図10】図1のヒンジのアクチュエータ、アダプタ、緩衝部、ばね、支点部、および外側ヒンジプレートの底面図であって、アダプタが緩衝部と接触しばねの撓みがなくなるように、アームが配置されたときの、これらの構成要素の構成を図示する底面図である。
【図11】図1のヒンジのアクチュエータ、アダプタ、緩衝部、ばね、支点部および外側ヒンジプレートの底面図であって、アームが完全に伸展した位置になり、その結果、ばねが完全に撓み、支点部を緩衝部から最大の距離をおいて配置したときの、これらの構成要素の構成を図示する底面図である。
【図12】図1のヒンジのアクチュエータ、アダプタ、緩衝部、ばね、支点部、アームおよび摩擦プレートの平面図であって、アダプタが緩衝部と接触しばねの撓みがなくなるようにアームが配置されたときのアダプタと、これらの構成要素との相対的配置を示す平面図である。
【図13】図1のヒンジのアクチュエータ、アダプタ、緩衝部、ばね、支点部、アームおよび摩擦プレートの平面図であって、アダプタが緩衝部と接触しばねの撓みがなくなるようにアームが配置されたときの、大きさが異なるアダプタと、これらの構成要素との相対的配置を示す平面図である。
【図14】図1のヒンジのアクチュエータ、アダプタ、緩衝部、ばね、支点部、アームおよび摩擦プレートの平面図であって、アダプタが緩衝部と接触しばねの撓みがなくなるようにアームが配置されたときの、別の大きさのアダプタと、これらの構成要素との相対的配置を示す平面図である。
【図15】化粧用カバーを取り外してアダプタに容易に触れられる様子を示す、図1のヒンジの平面図である。
【図16】図1のヒンジのアクチュエータ、アダプタ、緩衝部、ばね、およびアームの上部の後方からの斜視図であって、第2のアーム上の所定位置にアダプタを保持するために使用することが好ましいねじを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科装具用のヒンジであって、
ヒンジプレートと、
前記ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第1のアームと、
前記ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第2のアームと、
前記第2のアームに取り付けられたアクチュエータと、
ばね部材と、
を備え、
前記アーム同士の間の角度が広がる第1の方向に、前記アームが回動して、前記アームが所望の伸展角度になると、前記ばね部材は、前記第1の方向と反対の第2の方向に前記第2のアームを付勢するように前記アクチュエータに力をかける整形外科装具用ヒンジ。
【請求項2】
前記アクチュエータは、締め付け部材で前記第2のアームに固定される請求項1に記載のヒンジ。
【請求項3】
前記アクチュエータは、接着剤で前記第2のアームに固定される請求項1に記載のヒンジ。
【請求項4】
前記アクチュエータは、前記第2のアームに溶接される請求項1に記載のヒンジ。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記第2のアームと一体に形成される請求項1に記載のヒンジ。
【請求項6】
前記ばね部材は、少なくとも1枚の平坦な板を含む請求項1に記載のヒンジ。
【請求項7】
前記ばね部材は、3枚の平坦な板を含む請求項6に記載のヒンジ。
【請求項8】
前記ヒンジプレートは、前記ばね部材の固定端部を支持し、第1の軸線に沿った前記固定端部の移動を抑止する請求項7に記載のヒンジ。
【請求項9】
前記アームが前記第1の方向に回動すると、前記アクチュエータは、前記ばね部材の自由端部に接触して、前記ばね部材を撓ませる請求項8に記載のヒンジ。
【請求項10】
前記ばね部材の固定端部と自由端部との中間に配置される支点部をさらに備える請求項9に記載のヒンジ。
【請求項11】
前記支点部は、前記ヒンジプレートとアクチュエータとともに、前記ばね部材に3点曲げ荷重を生じさせる請求項10に記載のヒンジ。
【請求項12】
前記支点部は、前記ばね部材に沿った複数の位置に選択的に配置可能である請求項10に記載のヒンジ。
【請求項13】
前記ヒンジプレートは、少なくとも1つの開口部を含む請求項12に記載のヒンジ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの開口部は、前記支点部を受け入れるように適合される請求項13に記載のヒンジ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの開口部は、内側ねじ溝を含む請求項13に記載のヒンジ。
【請求項16】
前記支点部は、外側ねじ山が付いた軸を含み、前記外側ねじ山は、前記少なくとも1つの開口部内の前記内側ねじ溝と係合して、前記開口部内に前記支点部が取り付けられる請求項15に記載のヒンジ。
【請求項17】
前記アクチュエータに取り付けられるアダプタをさらに備える請求項1に記載のヒンジ。
【請求項18】
前記アダプタの厚さは可変である請求項17に記載のヒンジ。
【請求項19】
前記アダプタは、前記アクチュエータとばね部材との間に配置されて、前記アダプタの厚さによって、前記ばね部材が最初に前記アクチュエータに力をかける、前記第2のアームの角度位置が決定される請求項18に記載のヒンジ。
【請求項20】
前記アクチュエータと前記ばね部材との間に配置された緩衝部をさらに備える請求項19に記載のヒンジ。
【請求項21】
前記アームが前記第1の方向に回動すると、前記アダプタは、前記緩衝部と接触し、当該緩衝部は、次に、前記ばね部材と接触して、前記ばね部材が撓む請求項20に記載のヒンジ。
【請求項22】
前記緩衝部は、実質的に、平面においてL字状である請求項20に記載のヒンジ。
【請求項23】
前記緩衝部は、弾性がある緩衝材料からなる請求項20に記載のヒンジ。
【請求項24】
前記ヒンジプレートは、第1のヒンジプレートであり、また、前記ヒンジは、さらに、第2のヒンジプレートであって、前記第1のヒンジプレートと前記第2のヒンジプレートとの間に前記アームが配置されるような間隔を前記第1のヒンジプレートからあけて配置された前記第2のヒンジプレートを備える請求項1に記載のヒンジ。
【請求項25】
ヒンジを含む整形外科装具であって、当該ヒンジは、
ヒンジプレートと、
前記ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第1のアームと、
前記ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第2のアームと、
前記第2のアームに取り付けられたアクチュエータと、
ばね部材と、
を備え、
前記装具が完全伸展するように回動すると、前記ばね部材は、完全伸展状態から屈曲状態へ前記装具を付勢するように、前記アクチュエータに力をかける整形外科装具。
【請求項26】
前記アクチュエータは、締め付け部材で前記第2のアームに固定される請求項25に記載のヒンジ。
【請求項27】
前記アクチュエータは、接着剤で前記第2のアームに固定される請求項25に記載のヒンジ。
【請求項28】
前記アクチュエータは、前記第2のアームに溶接される請求項25に記載のヒンジ。
【請求項29】
前記アクチュエータは、前記第2のアームと一体に形成される請求項25に記載のヒンジ。
【請求項30】
前記ばね部材は、少なくとも1枚の平坦な板を含む請求項25に記載のヒンジ。
【請求項31】
前記ばね部材は、3枚の平坦な板を含む請求項30に記載のヒンジ。
【請求項32】
前記ヒンジプレートは、前記ばね部材の固定端部を支持し、第1の軸線に沿った前記固定端部の移動を抑止する請求項31に記載のヒンジ。
【請求項33】
前記装具が完全伸展するように回動すると、前記アクチュエータは、前記ばね部材の自由端部と接触して、前記ばね部材を撓ませる請求項32に記載のヒンジ。
【請求項34】
前記ばね部材の固定端部と自由端部との中間に配置される支点部をさらに備える請求項33に記載のヒンジ。
【請求項35】
前記支点部は、前記ヒンジプレートとアクチュエータとともに、前記ばね部材に3点曲げ荷重を生じさせる請求項34に記載のヒンジ。
【請求項36】
前記支点部は、前記ばね部材に沿った複数の位置に選択的に配置可能である請求項34に記載のヒンジ。
【請求項37】
前記ヒンジプレートは、少なくとも1つの開口部を含む請求項36に記載のヒンジ。
【請求項38】
前記少なくとも1つの開口部は、前記支点部を受け入れるように適合される請求項37に記載のヒンジ。
【請求項39】
前記少なくとも1つの開口部は、内側ねじ溝を含む請求項37に記載のヒンジ。
【請求項40】
前記支点部は、外側ねじ山が付いた軸を含み、前記外側ねじ山は、前記少なくとも1つの開口部内の前記内側ねじ溝と係合して、前記開口部内に前記支点部を取り付ける請求項39に記載のヒンジ。
【請求項41】
前記アクチュエータに取り付けられたアダプタをさらに備える請求項25に記載のヒンジ。
【請求項42】
前記アダプタの厚さは可変である請求項41に記載のヒンジ。
【請求項43】
前記アダプタは、前記アクチュエータとばね部材との間に配置されて、前記アダプタの厚さによって、前記ばね部材が最初に前記アクチュエータに力をかける、前記第2のアームの角度位置が決定される請求項42に記載のヒンジ。
【請求項44】
前記アクチュエータと前記ばね部材との間に配置された緩衝部をさらに備える請求項43に記載のヒンジ。
【請求項45】
前記装具が完全伸展するように回動すると、前記アダプタは、前記緩衝部と接触し、当該緩衝部は、次に、前記ばね部材と接触して、前記ばね部材を撓ませる請求項44に記載のヒンジ。
【請求項46】
前記緩衝部は、実質的に、平面においてL字状である請求項44に記載のヒンジ。
【請求項47】
前記緩衝部は、弾性がある緩衝材料からなる請求項44に記載のヒンジ。
【請求項48】
前記ヒンジプレートは、第1のヒンジプレートであり、また、前記ヒンジは、さらに、第2のヒンジプレートであって、前記第1のヒンジプレートと前記第2のヒンジプレートとの間に前記アームが配置されるような間隔を前記第1のヒンジプレートからあけて配置された前記第2のヒンジプレートを備える請求項25に記載のヒンジ。
【請求項49】
整形外科装具用のヒンジであって、
ヒンジプレートと、
前記ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第1のアームと、
前記ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第2のアームと、
前記第2のアームに取り付けられたアクチュエータと、
板ばねと、
を備え、
前記第2のアームが第1の方向に回動すると、前記アクチュエータは、前記板ばねと接触し、それにより、前記板ばねは、前記アクチュエータに力をかけて、前記アクチュエータを前記板ばねから遠ざけるように付勢し、前記第2のアームを前記第1の方向と反対の第2の方向に付勢するように撓むヒンジ。
【請求項50】
前記アクチュエータは、締め付け部材で前記第2のアームに固定される請求項47に記載のヒンジ。
【請求項51】
前記アクチュエータは、接着剤で前記第2のアームに固定される請求項49に記載のヒンジ。
【請求項52】
前記アクチュエータは、前記第2のアームに溶接される請求項49に記載のヒンジ。
【請求項53】
前記アクチュエータは、前記第2のアームと一体に形成される請求項49に記載のヒンジ。
【請求項54】
前記板ばねは、少なくとも1枚の平坦な板を含む請求項49に記載のヒンジ。
【請求項55】
前記板ばねは、3枚の平坦な板を含む請求項49に記載のヒンジ。
【請求項56】
前記ヒンジプレートは、前記板ばねの固定端部を支持し、第1の軸線に沿った前記固定端部の移動を抑止する請求項55に記載のヒンジ。
【請求項57】
前記第2のアームが前記第1の方向に回動すると、前記アクチュエータは、前記板ばねの自由端部に接触し、前記板ばねを撓ませる請求項56に記載のヒンジ。
【請求項58】
前記板ばねの固定端部と自由端部との中間に配置される支点部をさらに備える請求項57に記載のヒンジ。
【請求項59】
前記支点部は、前記ヒンジプレートとアクチュエータとともに、前記板ばねに3点曲げ荷重を生じさせる請求項58に記載のヒンジ。
【請求項60】
前記支点部は、前記板ばねに沿った複数の位置に選択的に配置可能である請求項58に記載のヒンジ。
【請求項61】
前記ヒンジプレートは、少なくとも1つの開口部を含む請求項60に記載のヒンジ。
【請求項62】
前記少なくとも1つの開口部は、前記支点部を受け入れるように適合される請求項61に記載のヒンジ。
【請求項63】
前記少なくとも1つの開口部は、内側ねじ溝を含む請求項62に記載のヒンジ。
【請求項64】
前記支点部は、外側ねじ山が付いた軸を含み、前記外側ねじ山は、前記少なくとも1つの開口部内の前記内側ねじ溝と係合して、前記開口部内に前記支点部を取り付ける請求項63に記載のヒンジ。
【請求項65】
前記アクチュエータに取り付けられたアダプタをさらに備える請求項49に記載のヒンジ。
【請求項66】
前記アダプタの厚さは可変である請求項65に記載のヒンジ。
【請求項67】
前記アダプタは、前記アクチュエータと板ばねとの間に配置されて、前記アダプタの厚さによって、前記板ばねが最初に前記アクチュエータに力をかける、前記第2のアームの角度位置が決定される請求項66に記載のヒンジ。
【請求項68】
前記アクチュエータと前記板ばねとの間に配置された緩衝部をさらに備える請求項67に記載のヒンジ。
【請求項69】
前記第2のアームが前記第1の方向に回動すると、前記アダプタは、前記緩衝部と接触し、当該緩衝部は、次に、前記板ばねと接触して、前記板ばねを撓ませる請求項68に記載のヒンジ。
【請求項70】
前記緩衝部は、実質的に、平面においてL字状である請求項68に記載のヒンジ。
【請求項71】
前記緩衝部は、弾性がある緩衝材料からなる請求項68に記載のヒンジ。
【請求項72】
前記ヒンジプレートは、第1のヒンジプレートであり、前記ヒンジは、さらに、第2のヒンジプレートであって、前記第1のヒンジプレートと前記第2のヒンジプレートとの間に前記アームが配置されるような間隔を前記第1のヒンジプレートからあけて配置された前記第2のヒンジプレートを備える請求項49に記載のヒンジ。
【請求項73】
整形外科装具用のヒンジであって、
ヒンジプレートと、
前記ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第1のアームと、
前記ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第2のアームと、
実質的に平坦な板のような形状の板ばねと、
を備え、
前記アーム同士の間の角度が180°に近づく第1の形態に、前記アームが回動すると、前記板ばねは、前記第1の形態から前記第2のアームを付勢するように、前記第2のアームに力をかけるヒンジ。
【請求項74】
前記第2のアームに固定された前記アクチュエータをさらに備える請求項73に記載のヒンジ。
【請求項75】
前記アクチュエータは、締め付け部材で前記第2のアームに固定される請求項74に記載のヒンジ。
【請求項76】
前記アクチュエータは、接着剤で前記第2のアームに固定される請求項74に記載のヒンジ。
【請求項77】
前記アクチュエータは、前記第2のアームに溶接される請求項74に記載のヒンジ。
【請求項78】
前記アクチュエータは、前記第2のアームと一体に形成される請求項74に記載のヒンジ。
【請求項79】
前記ヒンジプレートは、前記板ばねの固定端部を支持し、第1の軸線に沿った前記固定端部の移動を抑止する請求項74に記載のヒンジ。
【請求項80】
前記アームが前記第1の形態に回動すると、前記アクチュエータは、前記板ばねの自由端部に接触して、前記板ばねを撓ませる請求項79に記載のヒンジ。
【請求項81】
前記板ばねの固定端部と自由端部との中間に配置された支点部をさらに備える請求項80に記載のヒンジ。
【請求項82】
前記支点部は、前記ヒンジプレートとアクチュエータとともに、前記板ばねに3点曲げ荷重を生じさせる請求項81に記載のヒンジ。
【請求項83】
前記支点部は、前記板ばねに沿った複数の位置に選択的に配置可能である請求項81に記載のヒンジ。
【請求項84】
前記ヒンジプレートは、少なくとも1つの開口部を含む請求項73に記載のヒンジ。
【請求項85】
前記少なくとも1つの開口部は、前記支点部を受け入れるように適合される請求項84に記載のヒンジ。
【請求項86】
前記少なくとも1つの開口部は、内側ねじ溝を含む請求項84に記載のヒンジ。
【請求項87】
前記支点部は、外側ねじ山が付いた軸を含み、前記外側ねじ山は、前記少なくとも1つの開口部内の前記内側ねじ溝と係合して、前記開口部内に前記支点部が取り付けられる請求項83に記載のヒンジ。
【請求項88】
前記アクチュエータに取り付けられたアダプタをさらに備える請求項74に記載のヒンジ。
【請求項89】
前記アダプタの厚さは可変である請求項88に記載のヒンジ。
【請求項90】
前記アダプタは、前記アクチュエータと板ばねとの間に配置されて、その結果、前記アダプタの厚さによって、前記板ばねが最初に前記アクチュエータに力をかける、前記第2のアームの角度位置が決定される請求項89に記載のヒンジ。
【請求項91】
前記アクチュエータと前記板ばねとの間に配置された緩衝部をさらに備える請求項90に記載のヒンジ。
【請求項92】
前記アームが前記第1の形態に回動すると、前記アダプタは、前記緩衝部と接触し、当該緩衝部は、次に、前記板ばねと接触して、前記板ばねが撓む請求項91に記載のヒンジ。
【請求項93】
前記緩衝部は、実質的に、平面においてL字状である請求項91に記載のヒンジ。
【請求項94】
前記緩衝部は、弾性がある緩衝材料からなる請求項91に記載のヒンジ。
【請求項95】
前記ヒンジプレートは、第1のヒンジプレートであり、前記ヒンジは、さらに、第2のヒンジプレートであって、前記第1のヒンジプレートと第2のヒンジプレートとの間に前記アームが配置されるような間隔を前記第1のヒンジプレートからあけて配置された前記第2のヒンジプレートを備える請求項73に記載のヒンジ。
【請求項96】
整形外科装具用のヒンジであって、
複数の開口部を含むヒンジプレートと、
前記ヒンジプレート内に収容された少なくとも1つの板ばねと、
前記開口部の1つの開口部内に取り付け得る支点部と、
を備え、
前記開口部の1つの開口部内に前記支点部を取り付けると、前記支点部は、前記板ばねの第1の部分に接し、また、前記開口部の別の1つの開口部内に前記支点部を取り付けると、前記支点部は、前記板ばねの第2の部分に接して、その結果、前記板ばねに対する前記支点部の位置によって、前記板ばねの曲げ特性が決定されるヒンジ。
【請求項97】
前記ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第1のアームをさらに備える請求項96に記載のヒンジ。
【請求項98】
前記ヒンジプレートに回動可能に取り付けられた第2のアームをさらに備える請求項97に記載のヒンジ。
【請求項99】
前記第2のアームに固定されたアクチュエータをさらに備える請求項98に記載のヒンジ。
【請求項100】
前記ヒンジプレートは、前記板ばねの固定端部を支持し、前記固定端部の第1の軸線に沿った移動を抑止する請求項99に記載のヒンジ。
【請求項101】
前記アームが前記第1の形態に回動すると、前記アクチュエータは、前記板ばねの自由端部に接触し、前記板ばねを撓ませる請求項100に記載のヒンジ。
【請求項102】
前記支点部、前記ヒンジプレート、および前記アクチュエータは、前記板ばねに3点曲げ荷重をかける請求項101に記載のヒンジ。
【請求項103】
ヒンジにより付与される抵抗力を調整する方法であって、当該方法は、
前記ヒンジのヒンジプレートの第1の開口部から支点部を取り外すステップと、
前記支点部を前記ヒンジプレートに沿って前記ヒンジプレートの第2の開口部へ移動させるステップと、
前記支点部を前記第2の開口部内に取り付けるステップと、
を含む方法。
【請求項104】
前記支点部を移動させるステップによって、前記ヒンジプレート内に収容された少なくとも1つの板ばねに対する前記支点部の位置が変更される請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記少なくとも1つの板ばねに対する前記支点部の位置を変更するステップによって、前記少なくとも1つの板ばねの曲げ特性が変更される請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記少なくとも1つの板ばねの曲げ特性を変更することによって、かけられた曲げ荷重に応じて前記少なくとも1つの板ばねにより与えられる抵抗力が変化する請求項105に記載の方法。
【請求項107】
整形外科装具用のヒンジであって、
前記ヒンジが動く所定の範囲内において第1の方向への前記ヒンジの動きに抵抗を与える抵抗部材と、
前記抵抗部材により与えられる抵抗量を調整するために、前記抵抗部材に力をかけるように適合されている調整部材と、
を備え、
前記調整部材が前記抵抗部材に対して第1の位置に配置された場合、前記抵抗部材により与えられる前記抵抗は、第1の大きさであり、
前記調整部材が前記抵抗部材に対して第2の位置に配置された場合、前記抵抗部材により与えられる抵抗は、前記第1の大きさとは異なる第2の大きさであるヒンジ。
【請求項108】
前記調整部材は、前記抵抗部材と直接接する請求項107に記載のヒンジ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−516459(P2006−516459A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503218(P2006−503218)
【出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/002776
【国際公開番号】WO2004/069108
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(500009868)ディージェイ オーソペディクス,リミテッド ライアビリティー カンパニー (8)
【Fターム(参考)】