説明

流体シリンダ機構

【課題】ピストンがシリンダ内に引き込まれてロッキング状態となるときに、ピストンの戻り動作を実質的に伴わずにロッキング状態を保持することのできる流体シリンダ機構を提供する。
【解決手段】基端部12および開口端部11を有するシリンダ10と、シリンダ内に配置されるフランジ部21およびシリンダの開口端部を貫通するロッド部25を有するピストン20とを備え、ピストンのフランジ部によって、シリンダ内の空間が、基端部側の第1圧力室14と、開口端部側の第2圧力室15とに仕切られる流体シリンダ機構1であって、第1圧力室から第2圧力室への流体の流れを許容する第1流路22と、第2圧力室から第1圧力室への流体の流れを許容する第2流路32と、第2流路の開閉を行う開閉手段35と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体シリンダ機構に関する。詳しくは、ピストンがシリンダ内に引き込まれた状態でロックされるロック機構を備えた流体シリンダ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ピストンがシリンダ内に引き込まれた状態でロックされる流体シリンダ機構が提案されている(例えば、引用文献1参照)。
以下、図16〜図20を参照して、従来の流体シリンダ機構101について説明する。
【0003】
従来の流体シリンダ機構101は、一端が開口したスリーブ110と、中空ピストンロッド120と、変位ピストンロッド135とを有する。
スリーブ110の開口には閉塞部材111が挿入されて、作動用エアを収容する第1室114が内部に形成されている。
スリーブ110の天井面には、ウレタンゴムからなる緩衝部材112が固着される。
【0004】
スリーブ110および緩衝部材112には導入通路116が形成され、導入通路116を介して第1室114に作動用エアが導入される。スリーブ110の導入通路116には供給管117が挿入され、供給管117の先端には逆止弁118が設けられている。逆止弁118により、第1室114内の作動用エアが流体シリンダ機構101の外部に漏洩することが回避される。
【0005】
中空ピストンロッド120は、フランジ部121を有する筒状体125に蓋部材127が嵌合されることで構成され、内部に第2室126が形成される。フランジ部121の側壁とスリーブ110の内壁との間にはシール部材124が介装される。
中空ピストンロッド120の内周壁と外周壁との間には、第1室114と第2室126とを連通する第1連通路133が複数本形成されている。
【0006】
中空ピストンロッド120の蓋部材127にも、第1室114と第2室126とを連通する第2連通路134が形成されている。第2連通路134には逆止弁123が配設され、逆止弁123は、第1室114の圧力が所定値となったときに開いて第1室114内の作動用エアを第2室126に導入する。
中空ピストンロッド120の底部壁128には、挿入孔129が形成され、底部壁128の上面には、環状の着座部141が形成されている。
【0007】
変位ピストンロッド135は、中空ピストンロッド120に収容された円盤部142と、円盤部142から延びる円柱部143とを有する。円柱部143が挿入孔129に通されている。挿入孔129には軸受131が介装されており、この軸受131によって挿入孔129と円柱部143との間のシールがなされている。
円盤部142の側壁には、パッキン144が装着されている。変位ピストンロッド135が変位する際には、パッキン144が中空ピストンロッド120の内壁に対して摺接する。
【0008】
変位ピストンロッド135が図16における下死点に位置するとき、円盤部142は、着座部141に着座する。このため、底部壁128の上面と円盤部142との間には第3室145が形成される。
円盤部142には、その高さ方向に沿って延びる複数本の通路146が形成されている。第3室145と、第2室126とは、通路146を介して連通される。これにより、第2室126の圧力と第3室145の圧力が、常時、互いに等しくなる。
【0009】
上記のように構成された従来の流体シリンダ機構101は、例えば後述する成形装置50の上型70の下面に、スリーブ110の緩衝部材112側が固定される。一方、上型70に対して相対的に上下動する可動型80の上面よりやや上方に、変位ピストンロッド135が位置する。
【0010】
図16に示すように、初期状態では、変位ピストンロッド135の円柱部143と、可動型80の上面とは、離間している。
このとき、変位ピストンロッド135の円盤部142は、着座部141に着座している。第1室114と第2室126とは、第1連通路133を介して連通し、第2室126と第3室145とは、通路146を介して連通している。
この状態において、第1室114、第2室126および第3室145は、所定圧力の作動用エアが充填されている。
【0011】
図17に示すように、上型70と可動型80とが相対的に接近する方向に作動して、変位ピストンロッド135の円柱部143が中空ピストンロッド120の内方へ没入すると、変位ピストンロッド135の円盤部142が、第1連通路133を閉鎖する。
このとき、第1室114、第2室126および第3室145の容積に実質的な変化はないので、作動用エアの圧力は変わらない。
【0012】
図18に示すように、上型70と可動型80とが相対的に接近する方向にさらに作動すると、スリーブ110に対して中空ピストンロッド120が相対的に上昇して、フランジ部121がスリーブ110内を相対的に上昇する。そのため、第1室114の高さが収縮するとともに、フランジ部121と閉塞部材111との間に第4室147が形成される。
第1室114の高さが収縮していくと、第1室114の圧力は、第2室126の圧力に比べて高くなる。その差が所定値を超えると、逆止弁123が開いて、第1室114の圧力が第2室126および第3室145に逃がされ、両者の圧力差がなくなる。すると、逆止弁123が閉じる。
この動作を繰り返すことで、第1室114の圧力と、第2室126および第3室145の圧力とは、実質的に等しい状態に近似したまま、徐々に上昇していく。
【0013】
図19に示すように、上型70と可動型80とが相対的に接近する方向にさらに作動して、ついには中空ピストンロッド120のフランジ部121の上面が、スリーブ110の緩衝部材112に実質的に接する位置(上昇限位置)まで上昇する。
このとき、第1室114および導入通路116の圧力と、第2室126および第3室145の圧力とは、実質的に等しく、しかも非常に高い圧力状態にある。第4室147の圧力は、ほぼ大気圧である。
【0014】
図20に示すように、図19に示す状態から上型70と可動型80とが相対的に離間する方向に作動すると、中空ピストンロッド120を下から支える力は失われる。そのため、中空ピストンロッド120はスリーブ110に対して下降する。
そして、中空ピストンロッド120が下降することにより、第1室114の圧力が低下することで中空ピストンロッド120を下方へ押し下げる圧力が減少する一方、第4室147の圧力が上昇することで中空ピストンロッド120を下から支える圧力が増加する。
中空ピストンロッド120を下から支える第4室147の圧力と、中空ピストンロッド120の自重とがバランスする位置で、中空ピストンロッド120は、第4室147の圧力によって支えられて、ロッキング状態となり、それ以上は下降しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2009−299795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、第4室147の圧力は、中空ピストンロッド120が下降する当初は実質的に大気圧である。そのため、中空ピストンロッド120の自重を下から支える高圧まで圧力を高めるには、かなりの容積圧縮が必要であり、それには中空ピストンロッド120はかなり下降しなければならない。したがって、図19に示す状態における中空ピストンロッド120の高さと、図20に示す状態における中空ピストンロッド120の高さとは、かなりの差があり、この差を縮小することはできない。
【0017】
中空ピストンロッド120の蓋部材127に、第1室114と第2室126とを連通する第2連通路134を形成するだけでなく、中空ピストンロッド120の内周壁と外周壁との間にも、第1室114と第2室126とを連通する第1連通路133を形成しなければならない。中空ピストンロッド120の内周壁と外周壁との間に第1連通路133を形成するためには、中空ピストンロッド120の壁厚をより厚くしたうえ、中空ピストンロッド120の軸線方向に沿った面倒な機械加工をしなければならない。
【0018】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、ピストンがシリンダ内に引き込まれてロッキング状態となるときに、ピストンの戻り動作を実質的に伴わずにロッキング状態を保持することのできる流体シリンダ機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の流体シリンダ機構は、基端部および開口端部を有するシリンダと、前記シリンダ内に配置されるフランジ部および前記シリンダの前記開口端部を貫通するロッド部を有するピストンとを備え、前記ピストンの前記フランジ部によって、前記シリンダ内の空間が、前記基端部側の第1圧力室と、前記開口端部側の第2圧力室とに仕切られる流体シリンダ機構であって、前記第1圧力室から前記第2圧力室への流体の流れを許容する第1流路と、前記第2圧力室から前記第1圧力室への流体の流れを許容する第2流路と、前記第2流路の開閉を行う開閉手段と、を備える。
【0020】
この発明によれば、開閉手段によって第2流路を閉鎖することで、第2圧力室から第1圧力室への流体の流れは阻止される。そのため、ピストンが外力を受けてシリンダ内に引き込まれる方向に作動することにより、第1圧力室の圧力が上昇すると、第1圧力室中の流体が第1流路を通って第2圧力室へ流れることで、第2圧力室の圧力も上昇する。
第2圧力室の圧力が所定レベルまで上昇した状態で、ピストンを作動させる外力が除去されたとき、第2圧力室の圧力によって、ピストンの戻り動作を抑えてロッキング状態とすることができる。
したがって、ロッキング状態において、ピストンを、シリンダ内に引き込まれた位置と実質的に変わらない位置で確実に保持することができる。
【0021】
この場合、前記第1流路は、前記ピストンの作動による前記第1圧力室中の流体の圧縮にともない、前記第1圧力室から前記第2圧力室への流体の流れを許容する逆止弁を備えることが好ましい。
【0022】
この発明によれば、ピストンがシリンダ内に引き込まれる方向に作動することにより、第1圧力室の圧力が上昇すると、第1圧力室中の流体が第1流路を通って第2圧力室へ流れようとするが、この流体の流れを逆止弁は許容する。そのため、第1圧力室の圧力が上昇したとき、第1圧力室中の流体は、第1流路を通って自動的に第2圧力室へ流れることができる。
したがって、第1流路の構造をきわめて簡素に構成することができる。
【0023】
この場合、前記ピストンは内部空間を有しており、前記第1流路は、前記ピストンの前記フランジ部に設けられ、前記第2流路は、前記ピストンの前記ロッド部の側壁を貫通して前記第2圧力室と前記内部空間とを連通する第1連通路と、前記ピストンの前記内部空間と前記第1圧力室とを連通する第2連通路と、を備えることが好ましい。
【0024】
この発明によれば、ピストンのロッド部にはその側壁を貫通して第1連通路が形成される。
これにより、例えば、ピストンのロッド部にその軸線方向に沿った面倒な機械加工をすること、そのため、ピストンのロッド部の壁厚をより厚くするためにロッド部の外径をより大きく形成すること、ひいては、流体シリンダ機構全体の外径をより大きく構成すること、などは全く不要である。
したがって、流体シリンダ機構の外径寸法を小さく構成することができる。
【0025】
この場合、前記開閉手段は、前記ピストンの前記内部空間において前記第2流路を開閉するバルブ機構と、前記ピストンの前記内部空間において前記ロッド部の軸線方向に沿ってスライド可能であり、一端が前記ロッド部の端部から出没するのに応じて、他端が前記バルブ機構を開閉させるスイッチ部材と、を備えることが好ましい。
【0026】
この発明によれば、スイッチ部材の一端がピストンのロッド部の端部から出没するのに応じて、スイッチ部材の他端がバルブ機構を介して第2流路を開閉させることができる。すなわち、スイッチ部材の一端がロッド部の端部から突出しているとき、バルブ機構は第2連通路を開放し、スイッチ部材の一端がロッド部の端部に没入しているとき、バルブ機構は第2連通路を閉鎖する。
したがって、第2流路の開閉構造をきわめて簡素に構成することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ピストンが外力を受けてシリンダ内に引き込まれる方向に作動することにより、第1圧力室の圧力が上昇すると、第2圧力室の圧力も上昇する。第2圧力室の圧力が所定レベルまで上昇した状態で、ピストンを作動させる外力が除去されたとき、第2圧力室の圧力によって、ピストンの戻り動作を抑えてロッキング状態とすることができる。
したがって、ロッキング状態において、ピストンを、シリンダ内に引き込まれた位置と実質的に変わらない位置で確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係る流体シリンダ機構のスイッチロッドがオフ位置にある状態を示す概略的縦断面図である。
【図2】本発明の流体シリンダ機構のスイッチロッドがオン位置に変位した状態を示す概略的縦断面図である。
【図3】本発明の流体シリンダ機構のピストンがシリンダ室の中間位置にある状態を示す概略的縦断面図である。
【図4】本発明の流体シリンダ機構のピストンがシリンダ室の基端部側にある状態を示す概略的縦断面図である。
【図5】本発明の流体シリンダ機構のピストンがロッキング状態にあることを示す概略的縦断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る流体シリンダ機構を示す概略的縦断面図である。
【図7】図1に示す本発明の流体シリンダ機構を備えた実施形態に係る成形装置の型開き状態を示す要部の縦断面図である。
【図8】成形装置の上型が下降して、ワークの両端部を成形装置が挟持した状態を示す要部の縦断面図である。
【図9】成形装置の上型がさらに下降して、流体シリンダ機構のスイッチロッドがオン位置に変位した状態を示す要部の縦断面図である。
【図10】成形装置の上型がさらに下降して、可動型の変位用ロッドが所定長まで短縮した状態を示す要部の縦断面図である。
【図11】成形装置の上型がさらに下降して、ワーク支持部材が下降しながら、可動型が下死点に到達した状態を示す要部の縦断面図である。
【図12】成形装置の上型がさらに下降して、ワーク支持部材がさらに下降しながら、上型が下死点に到達した状態を示す要部の縦断面図である。
【図13】流体シリンダ機構のピストンがロッキング状態にあり、成形装置の上型が上昇を開始して、ワークが下型から離型した状態を示す要部の縦断面図である。
【図14】流体シリンダ機構のピストンがロッキング状態にあり、成形装置の上型がさらに上昇して、ワークが可動型および上型から離型した状態を示す要部の縦断面図である。
【図15】成形装置の上型がさらに上昇して、流体シリンダ機構のピストンがロッキング状態を解除される位置を示す要部の縦断面図である。
【図16】従来の流体シリンダ機構の変位ピストンロッドがオフ位置にある状態を示す概略的縦断面図である。
【図17】従来の流体シリンダ機構の変位ピストンロッドがオン位置に変位した状態を示す概略的縦断面図である。
【図18】従来の流体シリンダ機構のピストンがスリーブの中間位置にある状態を示す概略的縦断面図である。
【図19】従来の流体シリンダ機構のピストンがスリーブの基端部側にある状態を示す概略的縦断面図である。
【図20】従来の流体シリンダ機構のピストンがロッキング状態にあることを示す概略的縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る流体シリンダ機構1のスイッチロッド37がオフ位置にある状態、図2はスイッチロッド37がオン位置に変位した状態、図3はピストン20がシリンダ室13の中間位置にある状態、図4はピストン20がシリンダ室13の基端部側にある状態、図5はピストン20がロッキング状態にあること、をそれぞれ示す概略的縦断面図である。
【0030】
流体シリンダ機構1は、シリンダ10とピストン20とを備える。
シリンダ10は、一端が開口した円筒形状であり、開口には環状部材11が嵌入されている。シリンダ10内は、基端部12側から開口端部としての環状部材11側まで延びるシリンダ室13が形成される。環状部材11の内径は、シリンダ室13の内径に比べて小径に形成される。
【0031】
シリンダ室13は、後述するように、ピストン20のフランジ部21によって、基端部12側の第1圧力室14と、開口端部11側の第2圧力室15とに仕切られる。
シリンダ10の基端部12側には、導入通路16が形成されている。導入通路16を介して、第1圧力室14に作動用エアが導入される。シリンダ10の導入通路16には、供給管17が挿入され、供給管17の先端には逆止弁18が設けられている。逆止弁18により、第1圧力室14内の作動用エアが流体シリンダ機構1の外部に漏洩することが防止される。
【0032】
ピストン20は、フランジ部21と、ロッド部25とを備える。
フランジ部21は、シリンダ室13の内径に相当する外径を有する。
ロッド部25は、環状部材11の内径に相当する外径を有し、フランジ部21の一端から環状部材11を貫通してシリンダ10の外部へ露出している。
ピストン20は、フランジ部21側が開口した内部空間26を有し、その開口に蓋部材27を嵌合することで、内部空間26が仕切られる。
【0033】
ピストン20のフランジ部21には、第1圧力室14から第2圧力室15への流体の流れを許容する第1流路22が設けられる。
第1流路22は、ピストン20がシリンダ10内に引き込まれる方向に作動することによる第1圧力室14中の流体の圧縮にともない、第1圧力室14から第2圧力室15への流体の流れを許容する逆止弁23を備える。
フランジ部21の周壁には、シリンダ室13の内周壁との間をシールするシール部材24が介装される。
【0034】
ピストン20のロッド部25および蓋部材27には、第2圧力室15から第1圧力室14への流体の流れを許容する第2流路32が設けられる。
第2流路32は、第1連通路33と、第2連通路34とを備える。
第1連通路33は、ロッド部25の側壁を貫通して第2圧力室15とピストン20の内部空間26とを連通する。
第2連通路34は、蓋部材27を貫通してピストン20の内部空間26と第1圧力室14とを連通する。
第1連通路33と第2連通路34とは、ピストン20の内部空間26を介して互いに繋がる。
【0035】
ピストン20には、第2流路32の開閉を行う開閉手段35が設けられる。
開閉手段35は、バルブ機構36と、スイッチ部材としてのスイッチロッド37と、を備える。
バルブ機構36は、ピストン20の内部空間26において第2流路32を開閉する。
スイッチロッド37は、ピストン20の内部空間26においてロッド部25の軸線方向に沿ってスライド可能である。スイッチロッド37の一端としてのスイッチ端部38は、ロッド部25の端部としての露出端部28に形成された貫通孔29を貫通して出没自在である。バルブ機構36は、スイッチロッド37の他端に取り付けられる。
【0036】
スイッチロッド37のスイッチ端部38が、露出端部28から下方へ突出しているとき、バルブ機構36は第2連通路34から離間して第2連通路34を開放している。
スイッチ端部38が、露出端部28の内方へ没入しているとき、バルブ機構36は第2連通路34に当接して第2連通路34を閉鎖している。
貫通孔29の内周壁には、スイッチロッド37との間をシールするシール部材31が介装される。
【0037】
上記のように構成された流体シリンダ機構1は、例えば成形装置50の上型70の下面に、シリンダ10の基端部12側が固定される。一方、上型70に対して相対的に上下動する可動型80の上面よりやや上方に、ピストン20の露出端部28が位置する。
【0038】
図1に示すように、初期状態では、ピストン20の露出端部28、および所定の突出位置にあるスイッチロッド37のスイッチ端部38と、可動型80の上面とは、離間している。
このとき、ピストン20のフランジ部21の下端面は、環状部材11の上端面に接する位置にあり、そのため、第2圧力室15は実質的に室内空間を有しない状態にある。スイッチロッド37のスイッチ端部38が所定の突出位置にあるため、バルブ機構36は、第2連通路34を開放した状態にある。
この状態において、第1圧力室14およびピストン20の内部空間26は、所定圧力の作動用エアが充填されている。
【0039】
図2に示すように、上型70と可動型80とが相対的に接近する方向に作動して、スイッチロッド37のスイッチ端部38が可動型80によりロッド部25の内方へ没入すると、バルブ機構36が第2連通路34を閉鎖する。
このとき、第1圧力室14およびピストン20の内部空間26の容積に実質的な変化はないので、作動用エアの圧力は変わらない。
【0040】
図3に示すように、上型70と可動型80とが相対的に接近する方向にさらに作動すると、シリンダ10に対してピストン20が相対的に上昇して、フランジ部21がシリンダ室13内を相対的に上昇する。そのため、第1圧力室14の高さが収縮する一方、第2圧力室15の高さが伸長する。
第2圧力室15は第1連通路33を介してピストン20の内部空間26と連通しているので、第2圧力室15の圧力は、ピストン20の内部空間26の圧力に等しい。
【0041】
第1圧力室14の高さが収縮していくと、第1圧力室14の圧力は、第2圧力室15およびピストン20の内部空間26の圧力に比べて高くなる。その差が所定値を超えると、逆止弁23が開いて、第1圧力室14の圧力が第2圧力室15およびピストン20の内部空間26に逃がされ、両者の圧力差がなくなる。すると、逆止弁23が閉じる。
この動作を繰り返すことで、第1圧力室14の圧力と、第2圧力室15およびピストン20の内部空間26の圧力とは、実質的に等しい状態に近似したまま、徐々に上昇していく。
【0042】
図4に示すように、上型70と可動型80とが相対的に接近する方向にさらに作動して、ついにはピストン20のフランジ部21の上面が、シリンダ10のシリンダ室13の天井面にほぼ接する位置(上昇限位置)まで上昇する。
このとき、第1圧力室14はほとんど室内空間を有しなくなり、導入通路16の圧力と、第2圧力室15およびピストン20の内部空間26の圧力とは、実質的に等しく、しかも非常に高い圧力状態にある。
【0043】
図5に示すように、図4に示す状態から上型70と可動型80とが相対的に離間する方向に作動すると、ピストン20のロッド部25を下から支える力は失われる。そのため、通常なら、ピストン20はシリンダ10に対して下降する。ところが、流体シリンダ機構1は、つぎのように作動する。
【0044】
いま、第2圧力室15およびピストン20の内部空間26の圧力は、非常に高い圧力状態にある。
そのため、第2圧力室15の非常に高い圧力は、ピストン20のフランジ部21を下から支える。つまり、第2圧力室15の圧力と、ピストン20の自重とがバランスする位置で、ピストン20は、第2圧力室15の圧力によって支えられ、それ以上は下降しない。
【0045】
第2圧力室15の圧力は、図4に示す状態で非常に高い圧力に達しているため、可動型80によりロッド部25を下から支える力は失われても、第1圧力室14の体積増加により、第1圧力室14の圧力が急激に低下し、図5に示すように、ピストン20はほとんど下降することなく、第2圧力室15の内部圧力とバランスされる。
したがって、図4に示す状態におけるピストン20の高さと、図5に示す状態におけるピストン20の高さとは、ほとんど変わらず、わずかに下降するのみであり、この下降量はほとんど無視できる程度のものである。
すなわち、第2圧力室15の非常に高い圧力によって、ピストン20は戻り動作を抑えられてロッキング状態となる。
よって、ロッキング状態において、ピストン20は、シリンダ10内に引き込まれた位置と実質的に変わらない位置で確実に保持される。
【0046】
成形装置50は、図7〜図15に示すように、下型60と、上型70と、可動型80とを備える。
下型60は、水平方向に延びるベース部61の中央から隆起した成形部62を有する。成形部62は、例えば上に凸状に湾曲していて、その縦断面は、例えば半楕円形状に湾曲している。
【0047】
下型60には、ベース部61の左右両側にワーク支持部材63が配置される。ワーク支持部材63は、ワーク(例えば自動車のサイドパネル)Wの端部をそれぞれ載せて支持する。ワーク支持部材63は支柱部材64によって支えられ、支柱部材64は、適宜のダンパ機構(図示省略)に支持されて、所定レベルを上回る押下力を受けると、その押下力に応じて下降する。
【0048】
上型70は、図示しない駆動機構の作動により図7の上下方向に沿って変位自在なボルスタ(図示省略)に支持されている。そのため、上型70は、ボルスタの変位に追従して下型60に対して接近し、または離間する。
上型70は、水平方向に延びるベース部71の左右両側から垂下した垂下部72と、垂下部72の下端から互いに遠ざかる方向に水平に延びる水平部73とを有する。垂下部72の途中には支持部74が形成されている。
【0049】
上型70の左右の垂下部72どうしの間に、後述する可動型80が配置される。そのため、左右の垂下部72には、可動型80の後述する水平部82が貫通する貫通孔(図示省略)が、支持部74を下端としてその上方に上下方向に沿って長孔状に形成されている。
上型70の左右の水平部73には、可動型80の後述する変位用ロッド83が上下方向に沿って変位可能に挿通される挿通孔75が形成されている。
【0050】
水平部73における下型60に臨む側の端面から、垂下部72における可動型80に臨む側の端面に至るまでには、湾曲するように切り欠かれた形状の成形部76が設けられている。成形部76は、下型60の成形部62の左右各端部にそれぞれ対向する。
上型70には、左右の垂下部72間のベース部71に、例えば4個の流体シリンダ機構1が、その軸線方向をいずれも鉛直方向に向けて固定されている。
【0051】
可動型80は、上型70の左右の垂下部72どうしの間に配置される成形部81と、成形部81から左右に延びる水平部82とを有する。成形部81には、下型60の成形部62の湾曲に対応するように湾曲した凹部が形成されている。
水平部82は、上型70の垂下部72に形成された上記貫通孔(図示省略)を貫通して左右に突出している。長孔状に形成された上記貫通孔に沿って水平部82が上下方向に変位することにより、可動型80は、上型70に対して相対的に上下方向に変位する。
水平部82の突出端には、可動型80の変位用ロッド83を上下方向に変位させる可動型変位用シリンダ84が、固定されている。可動型変位用シリンダ84は、所定レベルを上回る押下力を受けると、その押下力に応じて下降する。
【0052】
図7に示すように、成形装置50が型開き状態にあるとき、可動型80は上型70の支持部74に載って支持されている。このとき、可動型80の上面は、流体シリンダ機構1のピストン20の下端から離間した位置にある。変位用ロッド83は所定長さの伸長状態にあり、変位用ロッド83の下端は、ワーク支持部材63に載置されたワークWの上面から離間した位置にある。ワーク支持部材63は、下型60のベース部61から所定高さに位置している。
【0053】
図8に示すように、成形装置50の上型70が下降していくと、まず、変位用ロッド83の下端が、ワーク支持部材63に載置されたワークWの上面に接触してワークWを挟持する。このとき、可動型変位用シリンダ84は作動しないため、変位用ロッド83は所定長さの伸長状態にある。上型70と可動型80との相対的位置関係に変化はなく、可動型80の上面は、流体シリンダ機構1のピストン20の下端から離間した位置にある。支柱部材64のダンパ機構は作動しないため、ワーク支持部材63は、下型60のベース部61から所定高さに位置している。
【0054】
図9に示すように、成形装置50の上型70がさらに下降するとき、可動型変位用シリンダ84は作動しないため、変位用ロッド83は、所定長さの伸長状態に維持される。そのため、可動型80は図8と同じ位置に保たれる。これにより、流体シリンダ機構1のピストン20の下端は、可動型80の上面に接触する。また、可動型80は、上型70の支持部74から上方へ離間する。このとき、支柱部材64のダンパ機構は作動しないため、ワーク支持部材63は、下型60のベース部61から所定高さに位置している。
【0055】
図10に示すように、成形装置50の上型70がさらに下降するとき、流体シリンダ機構1のピストン20の下端が可動型80の上面を押圧する。これにより、可動型変位用シリンダ84が作動して、変位用ロッド83は、所定の最短長さまで短縮していく。このとき、上型70と可動型80との相対的位置関係にほぼ変化はない。支柱部材64のダンパ機構は作動しないため、ワーク支持部材63は、下型60のベース部61から所定高さに位置している。
【0056】
図11に示すように、成形装置50の上型70がさらに下降するとき、変位用ロッド83はこれ以上短縮できない。そのため、支柱部材64のダンパ機構が作動して、ワーク支持部材63は、上型70の水平部73の底面に押されて、下型60のベース部61から所定の第1の高さまで下降する。これにより、可動型80は下死点に到達し、そして、可動型80の下面と下型60の中央部との間でワークWを成形する。このとき、上型70と可動型80との相対的位置関係にほぼ変化はない。
【0057】
図12に示すように、成形装置50の上型70がさらに下降するとき、支柱部材64のダンパ機構がさらに作動して、ワーク支持部材63は、上型70の水平部73の底面に押されて、下型60のベース部61から所定の第2の高さまでさらに下降する。このとき、可動型80は下降できない。そのため、流体シリンダ機構1のピストン20の下端が可動型80の上面により押圧されて、ピストン20がシリンダ10に対して上昇する。これにより、上型70は下死点に到達し、そして、上型70の下面と下型60の両側部との間でワークWを成形する。このとき、変位用ロッド83は中間長さまで伸長する。
【0058】
図13に示すように、成形装置50の上型70がごくわずか上昇するとき、流体シリンダ機構1のピストン20は、シリンダ10内に引き込まれたままのロッキング状態となり、可動型80の上面を下方へ押圧しない。そのため、上型70は、上型70と可動型80との相対的位置関係にほぼ変化がない状態を保って上昇する。このとき、ワーク支持部材63は、上型70の上昇分だけ上昇する。これにより、ワークは、成形部81に押し戻されることなく、下型60から離型される。
【0059】
図14に示すように、成形装置50の上型70がさらに上昇するとき、ワーク支持部材63は、下型60のベース部61から初期の所定高さまで上昇する。その後、変位用ロッド83は、初期の所定長さまで伸長する。そのため、変位用ロッド83の下端は、上型70の水平部73から下方へ突出する。これにより、ワークWは、中央部が可動型80から、両側部が上型70から、同時に離型される。このとき、流体シリンダ機構1のピストン20は、ロッキング状態に保たれる。
【0060】
図15に示すように、成形装置50の上型70がさらに上昇するとき、可動型80は図14に示す位置から上昇しないため、流体シリンダ機構1のピストン20の下端は可動型80の上面から離間する。その後、流体シリンダ機構1のピストン20は、ロッキングを解除されることとなる。図15は、流体シリンダ機構1のピストン20がロッキングを解除される前の状態を示す。図15は、成形装置50の上型70の上昇にともない、上型70の支持部74が可動型80を載せて支持する高さまで上昇した位置を示す。
【0061】
その後は、成形装置50の上型70がさらに上昇して、図7に示す位置まで復帰する。それまでに、流体シリンダ機構1のピストン20は、ロッキングを解除されて、シリンダ10から下方へ突出した原位置に復帰する。つまり、下型60、上型70、可動型80、流体シリンダ機構1のすべてが、図7に示す位置に復帰する。
【0062】
第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)ピストン20が外力を受けてシリンダ10内に引き込まれる方向に作動することにより、第1圧力室14の圧力が上昇すると、第1圧力室14中の流体が第1流路22を通って第2圧力室15へ流れることで、第2圧力室15の圧力も上昇する。
第2圧力室15の圧力が所定レベルまで上昇した状態で、ピストン20を作動させる外力が除去されたとき、第2圧力室15の圧力によって、ピストン20の戻り動作を抑えてロッキング状態とすることができる。
したがって、ロッキング状態において、ピストン20を、シリンダ10内に引き込まれた位置と実質的に変わらない位置で確実に保持することができる。
【0063】
(2)ピストン20がシリンダ10内に引き込まれる方向に作動することにより、第1圧力室14の圧力が上昇すると、第1圧力室14中の流体が第1流路22を通って第2圧力室15へ流れようとするが、この流体の流れを逆止弁23は許容する。そのため、第1圧力室14の圧力が上昇したとき、第1圧力室14中の流体は、第1流路22を通って自動的に第2圧力室15へ流れることができる。
したがって、第1流路22の構造をきわめて簡素に構成することができる。
【0064】
(3)ピストン20のロッド部25にはその側壁を貫通して第1連通路33が形成される。
これにより、例えば、ピストン20のロッド部25にその軸線方向に沿った面倒な機械加工をすること、そのため、ピストン20のロッド部25の壁厚をより厚くするためにロッド部25の外径をより大きく形成すること、ひいては、流体シリンダ機構1全体の外径をより大きく構成すること、などは全く不要である。
したがって、流体シリンダ機構1の外径寸法を小さく構成することができる。
【0065】
(4)スイッチロッド37のスイッチ端部38がピストン20のロッド部25の貫通孔29から出没するのに応じて、スイッチロッド37がバルブ機構36を介して第2流路32を開閉させることができる。すなわち、スイッチロッド37のスイッチ端部38がロッド部25の貫通孔29から突出しているとき、バルブ機構36は第2連通路34を開放し、スイッチロッド37のスイッチ端部38がロッド部25の貫通孔29に没入しているとき、バルブ機構36は第2連通路34を閉鎖する。
したがって、第2流路32の開閉構造をきわめて簡素に構成することができる。
【0066】
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態に係る流体シリンダ機構2を示す概略的縦断面図である。
この流体シリンダ機構2と、第1実施形態に係る流体シリンダ機構1との相違点は、導入通路16および供給管17の設置位置にある。その他については、流体シリンダ機構2と流体シリンダ機構1には差異はない。そのため、流体シリンダ機構1で用いた符号と同じ符号を用いて流体シリンダ機構2の各部を示してある。
【0067】
流体シリンダ機構1の場合は、シリンダ10の基端部12側に、導入通路16が形成され、この導入通路16に、先端に逆止弁18を備えた供給管17が設置されている。この場合、導入通路16を介して、第1圧力室14に作動用エアが導入される。
これに対して、流体シリンダ機構2の場合は、ピストン20のロッド部25の側壁に、供給管17が設置されている。この場合、供給管17を介して、ピストン20の内部空間26に作動用エアが導入される。
供給管17は、コンプレッションタンク90に配管91を介して接続される。配管91には、ガス注入部92が接続される。ガス注入部92には、バルブ93を介してガスボンベ94からガスが注入される。
【0068】
流体シリンダ機構2は、つぎのような特徴を有する。
流体シリンダ機構2自体には導入通路16を形成する必要がない。すなわち、シリンダ10の基端部12側に、導入通路16が形成されず、供給管17も設置されない。そのため、シリンダ10の基端部12側の構成がシンプルになり、流体シリンダ機構2全体の高さが低く抑えられる。
ピストン20の内部空間26は、第1圧力室14に比べて、容積を大きくすることが容易である。そのため、配管91に供給管17を接続することで、流体シリンダ機構2をコンプレッションタンク90に直接接続できる。これにより、流体シリンダ機構2の容積変化量が小さく抑えられ、急激な圧力上昇が防止される。
コンプレッションタンク90に直接接続するだけでなく、別の1台または複数台の流体シリンダ機構2と配管接続できる。
【0069】
第2実施形態によれば、上記の効果に加えて、以下のような効果がある。
(5)シリンダ10の基端部12側に、導入通路16および供給管17が設置されない。そのため、シリンダ10の基端部12側の構成がシンプルになる。したがって、流体シリンダ機構2全体の高さを低く抑えることができる。
【0070】
(6)ピストン20の内部空間26は、容積を大きくすることが比較的容易である。そのため、配管91に供給管17を接続することで、流体シリンダ機構2をコンプレッションタンク90に直接接続することができる。したがって、流体シリンダ機構2の容積変化量を小さく抑えることができ、急激な圧力上昇を防止することができる。
【0071】
(7)流体シリンダ機構2をコンプレッションタンク90に直接接続するだけでなく、別の1台または複数台の流体シリンダ機構2と配管接続することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端部および開口端部を有するシリンダと、前記シリンダ内に配置されるフランジ部および前記シリンダの前記開口端部を貫通するロッド部を有するピストンとを備え、前記ピストンの前記フランジ部によって、前記シリンダ内の空間が、前記基端部側の第1圧力室と、前記開口端部側の第2圧力室とに仕切られる流体シリンダ機構であって、
前記第1圧力室から前記第2圧力室への流体の流れを許容する第1流路と、
前記第2圧力室から前記第1圧力室への流体の流れを許容する第2流路と、
前記第2流路の開閉を行う開閉手段と、
を備える流体シリンダ機構。
【請求項2】
請求項1に記載の流体シリンダ機構であって、
前記第1流路は、前記ピストンの作動による前記第1圧力室中の流体の圧縮にともない、前記第1圧力室から前記第2圧力室への流体の流れを許容する逆止弁を備える流体シリンダ機構。
【請求項3】
請求項1に記載の流体シリンダ機構であって、
前記ピストンは内部空間を有しており、
前記第1流路は、前記ピストンの前記フランジ部に設けられ、
前記第2流路は、
前記ピストンの前記ロッド部の側壁を貫通して前記第2圧力室と前記内部空間とを連通する第1連通路と、
前記ピストンの前記内部空間と前記第1圧力室とを連通する第2連通路と、
を備える流体シリンダ機構。
【請求項4】
請求項2に記載の流体シリンダ機構であって、
前記ピストンは内部空間を有しており、
前記第1流路は、前記ピストンの前記フランジ部に設けられ、
前記第2流路は、
前記ピストンの前記ロッド部の側壁を貫通して前記第2圧力室と前記内部空間とを連通する第1連通路と、
前記ピストンの前記内部空間と前記第1圧力室とを連通する第2連通路と、
を備える流体シリンダ機構。
【請求項5】
請求項3に記載の流体シリンダ機構であって、
前記開閉手段は、
前記ピストンの前記内部空間において前記第2流路を開閉するバルブ機構と、
前記ピストンの前記内部空間において前記ロッド部の軸線方向に沿ってスライド可能であり、一端が前記ロッド部の端部から出没するのに応じて、他端が前記バルブ機構を開閉させるスイッチ部材と、
を備える流体シリンダ機構。
【請求項6】
請求項4に記載の流体シリンダ機構であって、
前記開閉手段は、
前記ピストンの前記内部空間において前記第2流路を開閉するバルブ機構と、
前記ピストンの前記内部空間において前記ロッド部の軸線方向に沿ってスライド可能であり、一端が前記ロッド部の端部から出没するのに応じて、他端が前記バルブ機構を開閉させるスイッチ部材と、
を備える流体シリンダ機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−2638(P2013−2638A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−137071(P2012−137071)
【出願日】平成24年6月18日(2012.6.18)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(512160014)バーンズ グループ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】