説明

無線通信装置

【課題】本発明は応答性を損なわないで消費電力を可能な限り少なくすることができる無線通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の無線通信装置は、無線タグと交信するための複数のアンテナ7と、複数のアンテナ7の中から1つのアンテナ7を選んで切替えるアンテナ切替部6と、読取対象を検出すると共に該読取対象との距離を検出するセンサ14と、センサ14が検出した距離に応じて、複数のアンテナ7の中の何れか1つのアンテナ7をその距離に対応する所定のアンテナ7として対応づけるためのアンテナ情報部16aと、センサ14によって検出された距離を基に、アンテナ情報部16aを参照してアンテナ切替部6によってアンテナを切替え、無線タグと交信を行う制御部13を備えたことを主要な特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグ等に送信信号を送り応答信号を受信してこれを解読する無線通信装置であって、無線タグ等との距離によらず好適な電力を送信して通信を行うことができる無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identificatin)タグ等の非接触の無線タグが注目されている。そして、今後あらゆる物品にこのRFIDタグ等が貼付され、流通することすら予想されている。このためRFIDタグと非接触で通信するリーダライタ装置等の無線通信装置に対する要求はいやが上にも高まっている。
【0003】
さて、このRFIDタグと無線通信装置の間の通信方式には、大きくみて次のような通信方式がある。第1の種類は電磁誘導による通信方式である。この電磁誘導による方式にも2種類があり、使用周波数が400kHz〜530kHzで、電磁的結合度が高く、RFIDタグのコイルとリーダのコイルの相互誘導・電磁誘導により通信するものと、主として250kHz以下または13.56MHzの電磁波を利用し、比較的電磁的結合度が低く、両コイル間の誘起電圧を使って交信するものがある。
【0004】
これに対し、第2の種類として電波方式がある。無線通信装置のアンテナから放射されたマイクロ波をRFIDタグの平面波アンテナで受信しこの反射波を使ってデータを送信するものである。このマイクロ波方式にも、2.45GHzのマイクロ波を使って交信する方式と、UHF(860MHz〜960MHz)帯の電波を使って通信する方式の2種類がある。前者の交信距離は最大1m程度であるが、後者の交信距離は比較的長く最大8m程度となる。
【0005】
さて、後者の第2の種類の電波方式で通信するとき、無線通信装置では受信電界強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indication)などに基づいて自動利得制御を行う。パッシブ型の無線タグに対する無線通信装置では、いつ無線タグが通信領域内に入って来ても通信できるように無線通信装置は質問信号を送信し続けておかなければならない。この質問信号の電界強度を大きくすれば、無線通信装置と無線タグの間の通信可能な距離を伸ばすことが可能であるが、質問信号の電界強度は電波法で規定される値よりも大きくすることはできない。従って送信電界強度には制約があるが、できるだけ距離を確保して通信する必要があり、また、いつでも交信できるように常時電波を出し続けている必要がある。
【0006】
このため、無線通信装置は待機状態でもかなりの電力を消費しており、消費電力の低減が求められている。しかし、出力電力を低下させることは、パッシブ型の無線タグを動作させるための電力レベルが低くなることを意味し、これは通信距離が短くなって通信できなくなるという矛盾を含んだものとなる。そこで、通信距離を従来通り維持することができ、且つ応答性も損なわないで消費電力を少なくすることができる無線通信装置が提案された(例えば特許文献1参照)。
【0007】
これは、無線タグからの応答信号の受信時または非受信時の状態に応じて、無線通信装置の質問信号のアンテナ出力電力を以下のように設定する制御回路を設けたものである。すなわち、(1)無線タグからの応答信号の非受信時は予め決められた一定時間間隔で質問電波のアンテナ出力電力を強弱2種類の電力で交互に出力し、(2)無線タグからの応答信号の受信時は、識別情報送受信に必要な期間その時必要な強の電力に設定し続け、この識別情報送受信が終了したときは半減した弱の出力電力を出力するものである。
【0008】
しかし、(特許文献1)の無線通信装置は、応答信号を受信したときだけに、識別情報送受信に必要な期間に強の電力を供給し続ける上に、非受信時には常時強弱2種類の電力を供給しなければならない。無線タグが通信領域内に入っていないのに、強弱2種類とはいえ常時こうした電力を供給しなければならないのでは消費電力は十分低減できない。最大の消費電力低減は使用しないときはアンテナから電波を出さないことである。
【0009】
すなわち、アンテナを複数備えてセンサの検出により切替える無線通信装置の場合、センサが人を検出した位置のアンテナだけがこの人物の無線タグと交信できれば、消費電力を少なくすることが可能になる(例えば特許文献2)。しかし、(特許文献2)の無線通信装置も人を検出した後は交信を正常に行う必要から出力は大きくなる(例えば、特許文献3)。そこで、(特許文献3)は人を検出した領域に対応づけて使用するアンテナと出力を決定する。
【0010】
なお、(特許文献1)の無線通信装置のように通信環境を考慮せずに、ただ一律に出力を低下させるのも不適当である。電波環境の良否によりRSSIが左右されるからである。RSSIが適正であって、リトライしたとき、送信電力を上げる必要があると判断される場合にこれを上げるのが合理的である。そして、対象物との間の距離をセンサで測定する技術は従来知られている(例えば、特許文献4)。
【0011】
なお、受信電力レベルの通知要求を無線タグに送信し、無線タグは無線通信装置に対して受信電力レベルを通知し、無線通信装置は、通知された受信電力レベルに応じて無線タグに対する送信電力レベルを調整するシステムも提案されている(特許文献5)。
【0012】
すなわち、無線通信装置は、無線タグから通知された受信電力レベルが適切なレベルよりも低いと判断した場合には、送信電力レベルがより大きくなるように調整し、逆に、通知された受信電力レベルが適切なレベルよりも高いと判断した場合には、送信電力レベルがより小さくなるようにするものである。
【特許文献1】特開2000−009654号公報
【特許文献2】特開2000−020648号公報
【特許文献3】特開2006−268695号公報
【特許文献4】特開2001−074855号公報
【特許文献5】特開2003−008481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上説明したように無線通信装置ではRSSIに基づいて自動利得制御を行う。しかし、(特許文献1)の無線通信装置ように、無線タグからの応答信号がないときは予め決められた一定時間間隔で質問電波を強弱2種類の電力で交互に出力し、無線タグからの応答信号があったときは、識別情報送受信に必要な期間電力を供給し続けるのでは、無線タグが通信領域内に入っていない場合でも、常時こうした電力を供給しなければならないことを意味し、これでは消費電力を低減できない。また、電波状態を考慮せずにただ一律に出力を低下させるのも効果的ではない。
【0014】
また、(特許文献2)のように、センサが人を検出して指定されたアンテナだけがこの人物の無線タグと交信できれば、消費電力を少なくすることは可能になるが、(特許文献2)の無線通信装置も人を検出した後は通信を通常レベルで行うため、トータルしてみれば出力はやはり大きなもとのとなっていた。また、(特許文献3)のように人物の位置だけで一律に出力を低下させるのでは電波状態の良好、不良が看過されている。
【0015】
できれば無線タグが領域に存在しないときは、電波による電力の供給を断つのが望ましいし、RSSIが適正の範囲内であって、この程度なら出力増してもよいと判断されるときに電力を上げるのが合理的である。そして、必要に応じ、複数のアンテナの中で最善のアンテナに切替えることができれば、あるアンテナでは同一の電力で通信できない場合にも別のアンテナでは無線タグと通信が可能になる可能性がある。なお、(特許文献4)のように距離センサ自体が従来知られていても、消費電力を低下させることとは関係がない。
【0016】
また、(特許文献5)の無線通信装置のように、無線タグに対して受信電力レベルの通知要求を送信し、無線タグからは無線通信装置に対して受信電力レベルを通知し、この通知された受信電力レベルに応じて送信電力レベルを調整する無線通信装置も従来存在する。しかし、受信電力レベルの通知要求と受信電力レベルの通知という通知、応答が必要で、この通信のために別途電力が消費される。できれば、無線通信装置だけで、送信電力のレベルを調整し、アンテナの切替えが行えるのが望ましい。
【0017】
そこで本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、応答性を損なわないで消費電力を可能な限り少なくすることができる無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このような問題を解決するために本発明の無線通信装置は、読取対象と共に移動することができる無線タグに送信信号を送信し、前記無線タグから応答信号を受信して、該応答信号中の前記無線タグに格納された情報を読み取る無線通信装置であって、前記無線タグと交信するための複数のアンテナと、前記複数のアンテナの中から1つのアンテナを選んで切替えるアンテナ選択部と、前記読取対象を検出すると共に該読取対象との距離を検出するセンサと、前記センサが検出した距離に応じて、前記複数のアンテナの中の何れか1つのアンテナをその距離に対応する所定のアンテナとして対応づけるためのアンテナ情報部と、前記センサによって検出された距離を基に、前記アンテナ情報部を参照して前記アンテナ選択部によってアンテナを切替え、前記無線タグと交信を行う制御部を備えたことを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の無線通信装置によれば、応答性を損なわないで消費電力を可能な限り少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
上記課題を解決するために本発明の第1の発明は、読取対象と共に移動することができる無線タグに送信信号を送信し、無線タグから応答信号を受信して、該応答信号中の無線タグに格納された情報を読み取る無線通信装置であって、無線タグと交信するための複数のアンテナと、複数のアンテナの中から1つのアンテナを選んで切替えるアンテナ選択部と、読取対象を検出すると共に該読取対象との距離を検出するセンサと、センサが検出した距離に応じて、複数のアンテナの中の何れか1つのアンテナをその距離に対応する所定のアンテナとして対応づけるためのアンテナ情報部と、センサによって検出された距離を基に、アンテナ情報部を参照してアンテナ選択部によってアンテナを切替え、無線タグと交信を行う制御部を備えたことを特徴とする無線通信装置である。この構成によって、応答性を損なわないで消費電力を可能な限り少なくすることができる。
【0021】
本発明の第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、センサが読取対象を検出して該読取対象との距離を検出したとき、制御部が距離に応じた送信電力で送信することを特徴とする無線通信装置である。この構成によって、読取対象を検出したとき、この距離に対応した予定された最小限の消費電力で送信信号を送信することができる。
【0022】
本発明の第3の発明は、第1または第2の発明に従属する発明であって、センサが読取対象を検出して該読取対象との距離を検出したとき、無線タグから応答信号を受信できない場合には、制御部が送信電力を上げることを特徴とする無線通信装置である。この構成によって、読取対象を検出して応答信号を受信できない場合に送信電力を上げるため、最小限の消費電力で送信信号を送信することができる。
【0023】
本発明の第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明に従属する発明であって、応答信号の受信電界強度を検出する電界レベル検出部を備え、制御部が、電界レベル検出部が検出した受信電界強度に基づいて受信ゲインと送信電力を調整することを特徴とする無線通信装置である。この構成によって、応答性を損なわないで最小限の消費電力で送受信することができる。
【0024】
本発明の第5の発明は、第4の発明に従属する発明であって、無線タグの応答エラー率が閾値以下の場合には、制御部が送信信号を1ラウンドの送信が終了するまで繰り返して送信し、応答エラー率が閾値を越えた場合には、制御部が送信電力を上げて1ラウンドの送信が終了するまで繰り返して送信し、無線タグの応答信号がない場合には、制御部がセンサによって読取対象の検出と該読取対象との距離の検出を行うことを特徴とする無線通信装置である。この構成によって、応答エラー率が悪いときのみ送信電力を上げ、応答信号がない場合には再度読取対象の検出を行うため、応答性を損なわないで最小限の消費電力で送受信することができる。
【0025】
本発明の第6の発明は、第1または第2の発明に従属する発明であって、センサによって読取対象を検出しても無線タグから応答信号を受信できないとき、制御部が無線タグに送信する送信信号を停止することを特徴とする無線通信装置である。この構成によって、無線通信装置から放射される漏れ電磁波を最小限にすることができる。
【0026】
本発明の第7の発明は、第1の発明に従属する発明であって、複数のアンテナの中の何れか1つのアンテナをセンサが検出した距離に対応する所定のアンテナとして設定するための設定部が設けられたことを特徴とする無線通信装置である。この構成によって、ユーザが選択するアンテナを決定するための条件が設定でき、この条件と対応づけられたアンテナを既定のアンテナとして設定することができる。
【0027】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における無線通信装置について説明する。実施の形態1の無線通信装置はRFIDタグ等の通信対象と電波で通信を行うリーダライタ装置であり、送受信共用器を備えた無線装置である。図1は本発明の実施の形態1における無線通信装置の全体構成図、図2は本発明の実施の形態1における無線通信装置に対する無線タグからの応答信号のフォーマット説明図、図3(a)は本発明の実施の形態1における無線通信装置からの読取要求に対して応答がない場合の説明図、図3(b)は(a)の読取要求に対して応答があった場合の説明図、図3(c)は(b)の読取要求に対してレベルの低い応答と高いレベルの応答が混ざった場合の説明図、図4は本発明の実施の形態1における無線通信装置と無線タグとの通信のフローチャートである。
【0028】
まず、図1に基づいて実施の形態1の無線通信装置を構成する主要部分の構成について説明する。図1において、1はRFIDタグ等のパッシブ型の無線タグに向けて読取要求等のベースバンド信号を生成する送信信号生成部である。2は送信信号生成部1で生成されたベースバンド信号をASK(Amplitude shift keying)方式等で直交変調する変調部(直交変調部)、3は変調部2で変調するための所定周波数(860MHz〜960MHzのUHF帯の周波数)、例えば900MHzの局部発振信号(搬送波)を発生する搬送波生成部である。これは局部発振回路(Local Oscillator)等で構成される。さらに、4は局部発振信号とベースバンド信号がASK方式で変調された送信信号を増幅する可変の電力増幅器(Power Amplifier)である。
【0029】
また、5は送信信号をアンテナ側にだけ伝え受信信号は受信系回路にのみ伝送する送受信共用部であり、6は複数設けられたアンテナの1つを後述するセンサ14からの入力によって選択するアンテナ切替部(本発明のアンテナ選択部)、7は無線タグとUHF帯の周波数で無線通信する複数設けられたアンテナである。従って、実施の形態1のアンテナ7は平面アンテナとなる。そして、送信系回路からの送信信号はアンテナ7側へは出力されるが、送受信共用部5から後述の受信系回路に回り込むことはなく、逆にアンテナ7で受信した受信信号が送受信共用部5から送信系回路に回り込むことはない。
【0030】
以上、アンテナ7から送信信号を送る無線通信装置の送信系回路について説明したが、次に受信系回路の説明を行う。図1において、8は無線タグからの応答である反射波を受信し受信信号を低雑音で増幅する低雑音増幅部、9は低雑音増幅部8で低雑音増幅された出力を直交復調する復調部(直交復調部)である。復調部9では、搬送波生成部3の局部発振信号が受信信号と同位相に、また同時に90°(π/2)だけ位相がずらされて入力され、アンテナ7からの受信信号とミキシングされて直交復調される。
【0031】
従って、復調部9からは受信信号と同位相のI(In−phase)信号と、これより90°位相が遅れたQ(Quadrature−phase)信号の直交した2信号を出力する。10はI信号とQ信号をそれぞれ増幅するVGA(Variable Gain Amplifier)であるところの自動利得制御部、11は受信電界強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indication)を検出するRSSI検出部である。
【0032】
そして、12は自動利得制御部10でゲイン調整されたI信号、Q信号の各信号をデジタル信号に変換して無線タグから応答された応答情報を解読することができる信号復号部、信号復号部12にはI信号、Q信号の各信号を合成する演算部とここで演算された出力を基に無線タグからの応答情報を解読するための解読部も設けられている。
【0033】
続いて、図1において13は無線通信装置のシステムを制御する制御部であり、14は無線タグを貼付されたパレットや容器、フォークリフト等の物体、人やその他の無線タグと共に移動する読取対象(物体)を検出するセンサである。センサ14は超音波、電磁波、光等を使って距離を検出するセンサであり、複数個若しくは1個設けられて最も近い位置にあるはずの既定(所定)のアンテナ7を選択することができる。15はセンサ14で検出した信号を基に読取対象との距離を検出する距離検出部である。この所定のアンテナ7とセンサ14が検出した距離の対応関係については後述する。
【0034】
制御部13は、距離検出部15が検出した距離の情報を基に、無線タグと最も近い位置にあると判断されるアンテナ7を選出するための演算(どの選択条件に合致するかの演算)を行い、選ばれたアンテナ7の情報に基づいてアンテナ切替部6へ切替信号を送って1つのアンテナ7に切替える。併せて、制御部13はこのアンテナ7と無線タグとの距離に応じた電力で読取要求の送信信号をこのアンテナ7から無線タグに向けて送信する。
【0035】
図1において、16は制御部13のためのメモリ部であり、16aはメモリ部16に設けられた参照テーブルであるアンテナ情報部である。アンテナ情報部16aには、センサ14が検出した距離に応じてアンテナ7を決定するための条件が格納されており、制御部13はセンサ14が検出した距離に基づいてアンテナ7を選択するための演算を行い、この結果と条件を照らし合わせて、所定のアンテナ7をその距離に対応するアンテナ7として決定する。17はアンテナ情報部16aのアンテナ7を決定するための条件とこれと対応づけるアンテナ7を設定する設定部である。設定部17からの設定で、ユーザがアンテナ7を決定するための条件が設定でき、また、1つのアンテナ7をこの条件と対応づけられた所定のアンテナとして設定することができる。なお、この対応づけの詳細な説明は後述する。
【0036】
図2は無線タグから無線通信装置に送られる応答信号の通信フォーマットを示す。ここで、21はこの応答信号のプリアンブルである。プリアンブル21は規格が同一であれば共通のデータを有しており、複数オクテットで同一パターンの繰り返しがあるフィールドの後に、応答データが続くことを示すSFD(Start Frame Delimiter)が置かれている。22は応答データを収めるデータ部であり、無線タグに対する応答要求のコマンドなどが収められる。23は16bitや32bit、あるいは8bit、12bitなどのビット幅をもつ、ここでは16bitのCRC(Cyclic Redundancy Check)符号であり、巡回冗長検査によって通信データ中にエラーが発生したか否かを検出するためのものである。なお、以上の説明は無線タグから無線通信装置へ送られる応答信号についての説明であったが、無線通信装置から無線タグに送られる読取要求の通信フォーマットもプリアンブル21が異なるだけで基本的に違いはない。
【0037】
このように実施の形態1の無線通信装置はセンサ14で人等の読取対象を検出し、同時にこれとの距離を測定することができる。また、この情報に基づいて、制御部13はアンテナ情報部16aを参照し、この読取対象に最も近い位置にあるとして関係付けられたアンテナ7を選択し、このアンテナ7から検出された距離に応じた当初から最小電力で送信信号を無線タグに向けて送信する。そして、この無線タグから応答信号が返ってきたとき、RSSI検出部11でRSSIを検出し、レベルが低ければ電力増幅器4を制御して送信信号の送信電力のゲインを上げ、自動利得制御部10の受信ゲインを上げる。またRSSIが高ければ、逆にそれぞれを下げる。
【0038】
さらに、実施の形態1の無線通信装置は、信号復号部12で復号された応答信号の(1)プリアンブル21が正常であるか否か、そして(2)CRC符号によるチェックが正常であるか否かで、通信状態が正常であるか、エラーが多いかを判定する。この(1),(2)の条件を両方満たす場合のみが正常であり、これ以外の場合をエラーと判定する。
【0039】
これを詳細に説明すると、無線通信装置と無線タグとの間の通信の品質QoSを確保するため、1ラウンドの読取要求(送信回数N=2Q(Q=0〜16))のうち、何回これが受信できたら無線タグが応答信号を送信するか、送信回数Qを指定して通信を行う。すなわちQ=1の場合1ラウンドは送信回数N=21=2回となり、この2回の要求に対しては無線タグからは最大2回応答信号が送信される。Q=2の場合、1ラウンドはN=22=4回、Q=3の場合N=23=8回、Q=4の場合はN=24=16回となる。送信回数Qで指定された通信フレームを無線タグが受信できた場合、無線タグは応答信号の送信を開始する。しかし、このようにして送られる応答信号のすべてが正常な信号にはならず、無線環境の変化で応答フレームが無線通信装置でチェックされてエラーと判定されることもある。
【0040】
実施の形態1では、(1),(2)の条件を両方満たした場合が正常な応答信号の受信(交信成功)と判断され、(1)だけ満たす場合や、(2)だけ満たす場合、あるいは(1),(2)の双方を満たさない場合エラー(交信不成功)と判断される。そして、このエラーの回数Eと送信回数Nとの割合であるエラー比率E/N(本発明の応答エラー率)が例えばE/N≦0.5(%で言えば50%)の場合、実施の形態1の制御部13は電力増幅器4を制御して送信信号の送信電力のゲインを上げるように制御する。エラー比率E/Nの閾値を予め0.5(50%)などと定めておくか、1ラウンドの読取要求の送信回数Nとエラー比率E/N≦0.5(50%)とから閾値となるエラーの回数Eを直接設定しておけばよい。
【0041】
ただ、以上の説明においては上記(1),(2)を同時に満たす場合を正常な応答信号の受信と判定したが、(1)だけを満たせば正常と判定したり、(2)だけを満たせば正常と判定したりするのでもよい。簡易に判定することができる。
【0042】
このように実施の形態1では、RSSI検出部11の作用でRSSIを検出して送信電力のゲイン調整、自動利得制御部10の受信ゲイン調整をすると共に、あわせて応答信号のエラー比率が0.5(50%)未満になったら送信電力のゲインを調整する。これにより送信電力を最小限に抑えることができる。また、以上のゲイン調整でもRSSIとエラー率が改善されない場合、制御部13は仮に最も近いと判断したアンテナ7を切替え、センサ情報を参照して隣のアンテナ7に切替え、これを繰り返す。
【0043】
なお、図3(a)は無線通信装置からの読取要求に対して無線タグから応答がない場合を示す。これに対し、図3(b)は読取要求に対して無線タグから応答が3回あった場合を示している。また、図3(c)は無線タグから応答が3回あったが、RSSIが低レベル(所定の閾値以下)の応答が1回と、比較的高レベルの応答が混ざって応答されている状態を示している。これらは何れもこの結果を受けて送信電力のゲイン調整が行われる場合である。
【0044】
続いて、実施の形態1の無線通信装置で実行される無線タグの通信のフローチャートについて説明する。図4において、無線タグを持参している人や無線タグが貼付された物体などの読取対象が読み取りエリアに入ると(step1)、距離センサであるセンサ14がこの読取対象との距離を検出する(step2)。
【0045】
次いで、この検出動作で人間または無線タグが貼付された物体等の読取対象が存在するか否かが判定され(step3)、この読取対象が存在しない場合はそのまま終了する。しかし、step3で読取対象が存在した場合、制御部13はアンテナ切替部6を制御してアンテナ7を読取対象に一番近いとして設定されたアンテナ情報部16aの所定のアンテナ7を選択する(step4)。
【0046】
続いて、制御部13はこのアンテナ7と読取対象との距離に応じた送信電力(パワーレベル)を選択して電力増幅部4のゲイン調整を行う(step5)。これにより、当初から最小限の電力での通信が可能になる。そしてこのゲイン調整状態で送信信号(読取要求のコマンド)を送信する(step6)。これに対して、無線タグからの応答信号が検出されたか否かが判定される(step7)。この判定で無線タグが検出されなかった場合は、送信電力のレベルを上げて(step8)、step6に戻り、この判定で無線タグが検出された場合はRSSIのレベルが適正か否かを判定する(step9)。
【0047】
そしてstep9において、RSSIのレベルが適正でなければ、次の送信ラウンドから受信ゲイン、送信電力のゲイン調整を行って、step6に戻り、RSSIのレベルが適正な場合にはエラー率が所定の閾値以下かを判定する(step11)。このエラー率が所定の閾値以下の場合は正常な交信状態としてstep6に戻ってこの通信ラウンドを繰り返す。step11において、エラー率が所定の閾値を越えた場合は、通信状態としては異常であり、無線タグが存在しているか否かが判断され(step12)、応答信号が1つでもあり無線タグが存在しているのであれば送信電力のレベルを上げて(step13)、step6に戻る。
【0048】
step12において、応答信号が1つもなく無線タグが存在していないと判断される場合は、step2に戻って、再度センサ4で読取対象との距離を検出する。この再度の検出で読取対象が検出されなければ送信信号を送信するのを終了する。読み取り対象が検出された場合はstep4〜step13を繰り返し、最終的に読取対象が検出されなくなったときに送信信号を送信するのを終了する。
【0049】
なお、センサ14によって読取対象が存在するのは検出されているのに、step7において、無線タグが検出されなかった場合には、数ラウンドまでは送信電力のレベルを上げるが、これを越えると送信電力の停止制御を行う。これにより無線通信装置から放射される漏れ電磁波(EMF;Electromagnetic Fields)を最小限にすることができる。
【0050】
さて、本発明の実施の形態1における無線通信装置のセンサの配置とアンテナの選択について説明する。図5(a)は本発明の実施の形態1における無線通信装置のアンテナを読取対象の上側面に複数配置し1個のセンサを設けて距離検出を行うときの説明図、図5(b)は本発明の実施の形態1における無線通信装置のアンテナを読取対象の上側面に複数配置し側面に2個のセンサを対向配置して距離検出を行うときの説明図、図6は本発明の実施の形態1における無線通信装置のアンテナを読取対象の上面に一列に複数配置し側面に2個のセンサを対向配置して距離検出を行うときの説明図、図7は本発明の実施の形態1における無線通信装置のアンテナを読取対象の上下面に複数配置すると共に上下面に2個のセンサを対向配置して距離検出を行うときの説明図である。
【0051】
図5(a)は、読取対象として例えば無線タグを持参した人が通路を進行するような場合の1断面を示すものである。アンテナ(1),(4)はこの進行する人の側面に設けられ、アンテナ(2),(3)は天井に並べて配置される。このうちアンテナ(1)の近くにアンテナ(2)が配置され、アンテナ(4)の近くにアンテナ(3)が配置される。センサ(1)は人の側面のアンテナ(1)の近くに床面と天井の面に沿って平行に人との距離を検出できるように配置される。
【0052】
このアンテナ(1)とアンテナ(2)との間に無線タグが置かれ、このときのセンサ(1)からの距離を距離Aとしたとき、両者の中央付近に位置する距離A=aでアンテナ(1)で受信したRSSIとアンテナ(2)で受信したRSSIが逆転する大きさの位置である。なお、これは同時にアンテナ(3),(4)で受信したRSSIよりも大きい。従って、無線通信装置の制御部13はA<aの条件が満たされるとアンテナ切替部6を制御してアンテナ(1)を選択する。なお、境界値はどちらかに設定するなどすればよい。
【0053】
アンテナ(2)で受信するのは、アンテナ(2)で受信したRSSIとアンテナ(3)で受信したRSSIとを比較したとき、アンテナ(2)の方がアンテナ(3)よりRSSIが大きな値を示すA=bまでである。なお、これは同時にアンテナ(4)で受信したRSSIよりも強いはずである。従って、a<A<bの条件が満たされると制御部13はアンテナ切替部6を制御してアンテナ(2)を選択する。
【0054】
同様に、アンテナ(3)で受信するのは、アンテナ(3)で受信したRSSIとアンテナ(4)で受信する受信電波強度とを比較したとき、アンテナ(3)の方がアンテナ(4)よりRSSIが強くなるA=cまでである。従って、b<A<cの条件が満たされると制御部13はアンテナ切替部6を制御してアンテナ(3)を選択する。
【0055】
最後に、アンテナ(4)で受信するのは、アンテナ(4)の方がアンテナ(3)より受信電波強度強くなる距離A=cからアンテナ(4)の位置を示す距離A=dまでである。従って、c<A<dの条件が満たされると制御部13はアンテナ切替部6を制御してアンテナ(4)を選択する。
【0056】
このように無線通信装置はセンサ14で人等の読取対象を検出し、これとの距離を測定する。また、この距離情報に基づいて、上記条件を判定し、制御部13はこの読取対象に最も近い位置にあるはずであるとして関係付けられているアンテナ7を選択する。そして、このアンテナ7から検出された距離が分かっているから、この距離に応じた最小電力で送信信号を無線タグに向けて送信する。さらに、この無線タグから応答信号が返ってきたとき、RSSI検出部11でRSSIを検出し、低ければ電力増幅器4を制御して送信信号の送信電力のゲインを上げ、自動利得制御部10の受信ゲインを上げる。またRSSIが高ければ、逆にそれぞれを下げる。その後、人が進んでセンサ情報が変化すると、無線通信装置は別のセンサ14で取得したセンサ情報に基づいてアンテナを切替える。
【0057】
続いて、図5(b)を基にして、アンテナを読取対象の上側面に複数並べて配置し側面には2個のセンサだけを対向配置して距離検出を行う場合の説明を行う。アンテナ(1),(4)は人の側面に設けられ、アンテナ(2),(3)は天井に並べて配置される。アンテナ(1)の近くにアンテナ(2)が配置され、アンテナ(4)の近くにアンテナ(3)が配置される。センサ(1)は人の側面のアンテナ(1)の近くで床面と天井に沿って人との距離を検出できるように配置され、センサ(2)は人の側面のアンテナ(4)の近くで床面と天井に沿って人との距離を検出できるようにセンサ(1)と対向して配置される。
【0058】
この場合は、センサ(1)からの人との距離Aと、センサ(2)からの人との距離Bとの差でアンテナ(1),(2),(3),(4)の選択を行う。図5(b)の上側のように距離Aが距離Bより大きい場合は、A−B>0であり、アンテナ(1)とアンテナ(2)のどちらで送受信するのがよいかが問題となるが、アンテナ(1),(2)にはそれぞれ指向性等があるため、A−B<aとなる場合、制御部13はアンテナ切替部6を制御してアンテナ(1)を選択する。同様に、a<A−B<bを満たす場合には、制御部13はアンテナ(2)を選択させる。
【0059】
図5(b)の下側のように距離Aが距離Bより小さい場合は、A−B<0であり、アンテナ(3)とアンテナ(4)のどちらで送受信するのがよいかが問題となるが、アンテナ(3),(4)にもそれぞれ指向性等があるため、d<A−B<cとなる場合、制御部13はアンテナ切替部6を制御してアンテナ(3)を選択する。cは0の近傍値となる。同様に、A−B<dを満たす場合には、制御部13はアンテナ(4)を選択させる。なお、図5(b)で示したアンテナ(1),(2),(3),(4)の具体的な位置は一例にすぎないものであって、要は、各センサで距離情報A−Bを取得したとき、各アンテナに対してそれぞれ選択すべき距離情報が定まり1対1で対応付けられると言うことを示している。
【0060】
このように2個のセンサを対向配置して距離検出を行った場合も無線通信装置はセンサ14で人等の読取対象を検出し、これとの距離を測定する。また、この距離情報に基づいて、上記条件を判定し、制御部13はこの読取対象に最も近い位置にあるアンテナ7を選択する。そして、このアンテナ7から検出された距離に応じた最小電力で送信信号を無線タグに向けて送信する。さらに、この無線タグから応答信号が返ってきたとき、RSSI検出部11でRSSIを検出し、レベルが低ければ電力増幅器4を制御して送信信号の送信電力のゲインを上げ、自動利得制御部10の受信ゲインを上げる。またRSSIのレベルが高ければ、逆にそれぞれを下げる。その後、人が進んでセンサ情報が変化すると、無線通信装置は別の2個のセンサ14で取得したセンサ情報に基づいて別のアンテナを切替える。
【0061】
次に、図6を基にして、アンテナを読取対象の上面に一列に複数配置し側面に2個のセンサを対向配置して距離検出を行った場合の説明を行う。この場合は、図5(b)で説明したアンテナ(1),(4)が天井に一列に並んだだけで、上述の説明と同様になる。各センサで距離情報A−Bを取得したとき、各アンテナに対してそれぞれ選択すべき距離情報が定まり1対1で対応付けられると言うことを示している。
【0062】
また、図7を基にして、アンテナを読取対象の上下面に複数配置すると共に上下面に2個のセンサを対向配置して距離検出を行った場合の説明を行う。この場合は、距離のほかに方向情報も取得する場合であり、いわばベクトル情報となる。それゆえセンサ(1),(2)は方向情報も取得する。この場合の説明も、図5(b)で説明した説明と同様になるが、センサ(1),(2)を挟んで左半面で読取対象を検出したのか、右半面でこれを検出したのか、の方向情報で分かれ、次に距離情報でアンテナ(1),(2)を選択するのか、アンテナ(3),(4)を選択するのか、が分かれる。
【0063】
このように本発明の実施の形態1の無線通信装置によれば、応答性を損なわないで消費電力を可能な限り少なくすることができる。読取対象を検出したとき、この距離に対応した予定された最小限の消費電力で送信信号を送信することができ、読取対象を検出して応答信号を受信できない場合に送信電力を上げるため、最小限の消費電力で送信信号を送信することができる。また、無線通信装置から放射される漏れ電磁波を最小限にすることができ、ユーザが選択するアンテナを決定するための条件が設定でき、この条件と対応づけられたアンテナを既定のアンテナとして設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、無線タグ等と無線通信するリーダライタ装置などの無線通信装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1における無線通信装置の全体構成図
【図2】本発明の実施の形態1における無線通信装置に対する無線タグからの応答信号のフォーマット説明図
【図3】(a)本発明の実施の形態1における無線通信装置からの読取要求に対して応答がない場合の説明図、(b)(a)の読取要求に対して応答があった場合の説明図、(c)(b)の読取要求に対してレベルの低い応答と高いレベルの応答が混ざった場合の説明図
【図4】本発明の実施の形態1における無線通信装置と無線タグとの通信のフローチャート
【図5】(a)本発明の実施の形態1における無線通信装置のアンテナを読取対象の上側面に複数配置し1個のセンサを設けて距離検出を行うときの説明図、(b)本発明の実施の形態1における無線通信装置のアンテナを読取対象の上側面に複数配置し側面に2個のセンサを対向配置して距離検出を行うときの説明図
【図6】本発明の実施の形態1における無線通信装置のアンテナを読取対象の上面に一列に複数配置し側面に2個のセンサを対向配置して距離検出を行うときの説明図
【図7】本発明の実施の形態1における無線通信装置のアンテナを読取対象の上下面に複数配置すると共に上下面に2個のセンサを対向配置して距離検出を行うときの説明図
【符号の説明】
【0066】
1 送信信号生成部
2 変調部
3 搬送波生成部
4 電力増幅器
5 送受信共用部
6 アンテナ切替部
7 アンテナ
8 低雑音増幅部
9 復調部
10 自動利得制御部
11 RSSI検出部
12 信号復号部
13 制御部
14 センサ
15 距離検出部
16 メモリ部
16a アンテナ情報部
17 設定部
21 プリアンブル
22 データ部
23 CRC符号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取対象と共に移動することができる無線タグに送信信号を送信し、前記無線タグから応答信号を受信して、該応答信号中の前記無線タグに格納された情報を読み取る無線通信装置であって、
前記無線タグと交信するための複数のアンテナと、
前記複数のアンテナの中から1つのアンテナを選んで切替えるアンテナ選択部と、
前記読取対象を検出すると共に該読取対象との距離を検出するセンサと、
前記センサが検出した距離に応じて、前記複数のアンテナの中の何れか1つのアンテナをその距離に対応する所定のアンテナとして対応づけるためのアンテナ情報部と、
前記センサによって検出された距離を基に、前記アンテナ情報部を参照して前記アンテナ選択部によってアンテナを切替え、前記無線タグと交信を行う制御部を備えたことを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記センサが前記読取対象を検出して該読取対象との距離を検出したとき、前記制御部が前記距離に応じた送信電力で送信することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記センサが前記読取対象を検出して該読取対象との距離を検出したとき、前記無線タグから応答信号を受信できない場合には、前記制御部が送信電力を上げることを特徴とする請求項1または2記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記応答信号の受信電界強度を検出する電界レベル検出部を備え、前記制御部が、前記電界レベル検出部が検出した受信電界強度に基づいて受信ゲインと送信電力を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された無線通信装置。
【請求項5】
前記無線タグの応答エラー率が閾値以下の場合には、前記制御部が送信信号を1ラウンドの送信が終了するまで繰り返して送信し、前記応答エラー率が前記閾値を越えた場合には、前記制御部が送信電力を上げて1ラウンドの送信が終了するまで繰り返して送信し、前記無線タグの応答信号がない場合には、前記制御部が前記センサによって前記読取対象の検出と該読取対象との距離の検出を行うことを特徴とする請求項4記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記センサによって前記読取対象を検出しても前記無線タグから応答信号を受信できないとき、前記制御部が前記無線タグに送信する送信信号を停止することを特徴とする請求項1または2記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記複数のアンテナの中の何れか1つのアンテナを前記センサが検出した距離に対応する所定のアンテナとして設定するための設定部が設けられたことを特徴とする請求項1記載
の無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−33486(P2009−33486A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195391(P2007−195391)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】