説明

苗移植機

【課題】圃場の浅い深いに拘わらず、常に直進の指標となるマークを圃場に引くことができる線引きマーカ1を備えた苗移植機を提供すること。
【解決手段】車体5の後側に複数条分の苗を積載する苗タンク20と植付装置7と苗タンク昇降用のリンク機構6を備え、圃場に植え付けた苗の上方に位置して直進の目安とするサイドマーカ57と圃場面に接触して直進の目安となる線を引く線引きマーカ1と任意の植付装置7の駆動を入切する部分条クラッチの入切を行う部分条クラッチレバーを設け、 圃場の深浅に合わせてサイドマーカ57の上下位置を自動調節するサイドマーカ自動調節機構と部分条クラッチレバーの操作に合わせて線引きマーカ1の左右位置が自動的に変更される線引きマーカ位置自動変更装置を備えた苗移植機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、走行装置を有する機体の側部に線引き用の各種マーカを備えた苗移植機などの作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
苗植付装置を機体後部に備えた苗移植機の線引き用の各種マーカは、機体の側部に、次工程の植付条の圃場面に接触して直進の指標となる線を引く線引きマーカと圃場に植え付けた苗の上方を通過して直進走行の指標となるサイドマーカである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−246409号公報
【特許文献2】特開2008−263821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1、2記載の苗移植機には線引きマーカはあるが、サイドマーカは特許文献2記載に説明文無しに図示されているだけである。
苗移植機にサイドマーカを設置すると、その上下位置は常に機体に対して一定の高さにあるため、圃場が浅いとサイドマーカの下端部と苗が接触してしまい、苗が押し倒されて正常な成長ができなくなり、収穫量が減少する問題がある。
【0005】
また、圃場が深いと苗とサイドマーカの上下距離が離れ過ぎ、直進の指標とならなくなってしまい、機体の進行方向がいびつになり、苗の植付精度が低下する問題がある。
そして、線引きマーカは機体から所定距離の位置に線を引く構成であるため、畦際などでは線引き位置と実際の走行時の機体の中心がずれてしまい、直進の指標にならない問題がある。
そこで本発明の課題は、圃場の浅い深いに拘わらず、常に直進の指標となるマークを圃場に引くことができる線引きマーカを備えた苗移植機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記課題は次の解決手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、走行車体(5)の後側に複数条分の苗を積載する苗載せ台(20)と、該苗載せ台(20)に積載した苗を圃場に移植する複数条分の植付装置(7)と、苗載せ台(20)を昇降させるリンク機構(6)と、圃場に植え付けた苗の上方に位置し、直進の目安とするサイドマーカ(57)と、圃場面に接触して直進の目安となる線を引く線引きマーカ(1)と、任意の植付装置(7)の駆動を入切する部分条クラッチと、該部分条クラッの入切を行う部分条クラッチレバーを設けた苗移植機において、圃場の深浅に合わせてサイドマーカ(57)の上下位置を自動調節するサイドマーカ自動調節機構と、部分条クラッチレバーの操作に合わせて線引きマーカ(1)の左右位置が自動的に変更される線引きマーカ位置自動変更装置を備える苗移植機である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、サイドマーカ自動調節機構が、圃場の深さを検出する深度検出装置(昇降センサ)56と、走行車体(5)側に設けたピニオンギア(61)を有する上下調節モータ(60)とサイドマーカ(57)側に設けたラックギア(62)を有するサイドマーカ上下調節機構と、前記深度検出装置(56)の検出結果に合わせてサイドマーカ上下動機構の上下調節モータ(60)を作動させてサイドマーカ(57)の上下位置を自動調節する制御部(45)を備える請求項1記載の苗移植機である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、サイドマーカ(57)の下部に二又部を形成し、二又部の間隔部が苗の上方に位置するようにサイドマーカ(57)を走行車体に取り付けたことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、線引きマーカ位置自動変更装置が、部分条クラッチレバーの「切」操作(倒した状態)を検知する操作検知部材(レバー検出センサ)(64)と、中空の受軸(65)と、該受軸(65)に線引き体を設けた摺動軸(66)を左右摺動可能に装着して構成した線引きマーカ(1)と、操作検知部材(64)が部分条クラッチレバーの「切」操作を検知すると左右調節モータ(69)が作動して線引き体が所定位置まで移動する制御構成を備えた制御部(45)を備える請求項1記載の苗移植機である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、苗載せ台(20)に中空の支持ロッド(73)を回動自在に配置し、線引きマーカ(1)を移動させて、該線引きマーカ(1)を約90度位相を変えて作用状態と非作用状態とに切り替える移動溝(73a)を有する支持ロッド(73)と、該支持ロッド(73)の内部で、且つ線引きマーカ(1)の基部に調節スプリング(74)を配置し、支持ロッド(73)よりも機体内側に受プレート(77)を配置し、調節スプリング(74)と受プレート(77)に亘って連結ワイヤ(76)を配置し、支持ロッド(73)を回動させると線引きマーカ(1)が移動溝(73a)に沿って移動し、作用状態と非作用状態のいずれかの状態に切り替わる構成とする請求項4記載の苗移植機である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、苗載せ台(20)に配置した苗を移動させる苗送り装置(80)と、苗送り装置(80)の下部を前後回動させる回動装置(回動モータ)(81)と、苗載せ台(20)に積載した苗を押圧する苗押え体(82)と、苗押え体(82)の圧力を検出する感圧センサ(83)とを苗載せ台(20)に設け、さらに 感圧センサ(83)の検知した圧力に合わせて回動装置(81)を作動させ、苗送り装置を苗にかかる圧力が一定になる方向に回動させる制御装置(45)を設ける請求項1から5のいずれか1項に記載の苗移植機である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、直進走行の指標となるサイドマーカ57の上下位置が圃場条件に合わせて自動的に調節される構成としたことにより、サイドマーカ57が苗に近付き過ぎて苗を押し倒してしまうことを防止できるので、苗の成長が妨げられることが防止され、収穫量が従来より向上する。
また、サイドマーカ57が苗から離れ過ぎ、作業者が直進方向を合わせ損なうことを防止できるので、苗の植付が直線状に行われるため、苗の植付精度が従来より向上する。
そして、圃場に線を引く線引きマーカ1の左右位置が作業状態に合わせて自動的に調節される構成としたことにより、畦際などの次工程の植付位置が異なる際に、適切な位置に線引きマーカ1を接地させて線を引くことができるので、作業条件に関わらず直線状に苗を植え付けられるため、苗の植付精度が従来より向上する。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、深度検出装置で検出した圃場の深浅に合わせて上下調節モータ60が駆動し、サイドマーカ57の上下位置が自動調節される構成としたことにより、圃場の深度が変わるたびにサイドマーカ57の上下高さが自動的に変更されるので、サイドマーカ57が苗を押し倒して生育を妨げることが防止され、収穫量が従来より向上する。また、サイドマーカ57が苗から離れ過ぎて直進走行の指標にならなくなることを防止できるので、苗の植付が直線状になり、苗の植付精度が従来より向上する。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、サイドマーカ57の下部に二又部を形成し、この二又部の間隔部が苗の上方に位置する構成としたことにより、苗はこの間隔部を通過することができるので、サイドマーカ57の上下位置調節が間に合わなくても苗が押し倒されることが防止され、苗の生育が安定する。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、部分条クラッチレバーが「切」操作されたことを操作検知部材64が検知すると、左右調節モータ69が駆動して線引きマーカ1の左右位置を自動調節し、畦際植付作業時の直進の指標となる線を形成する位置に接地させる構成としたことにより、畦際の作業時にも適切な位置に線を引くことができるので、苗の植付が直線状になり、苗の植付精度が従来より向上する。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果に加えて、支持ロッド73に線引きマーカ1が約90度位相を変えて移動可能な移動溝73aを形成し、支持ロッド73が前記移動溝73a内を移動するときの回動に連動して線引きマーカ1が作用状態、及び非作用状態に切り替わる構成としたことにより、従来構成のように線引きマーカ1を取り外すことなく収納状態にすることができるので、収納作業の能率が従来より向上する。また、約90度位相を変えることにより、苗載せ台の左右幅内に線引きマーカ1が収まる構成となるため、収納時の機体の左右幅がコンパクトになるため、収納場所の自由度が従来より向上する。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、苗押え体82が苗を押圧する圧力に合わせて苗送り装置80を回動させる構成としたことにより、苗を押さえる圧力が弱い場合は、苗押え体82と苗送り装置80の間隔が狭くなる方向に苗送り装置80を回動させて苗を押さえる圧力を高めることができるので、機体の振動や傾斜により苗が苗載せ台から離れることが防止され、苗の植付が確実に行われると共に、離れた苗を載せ直す必要が無く、作業能率が従来より向上する。
また、苗を押さえる圧力が強い場合は、苗押え体82と苗送り装置80の間隔が広くなる方向に苗送り装置80を回動させて苗を押さえる圧力を弱めることができるので、苗送り装置80による苗の搬送が妨げられることが防止されて苗の植付が確実に行われると共に、苗が苗押え体82に押し潰されることが防止され、苗の生育が安定して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例の苗移植機の側面図である。
【図2】図1の苗移植機の平面図である。
【図3】図1の苗移植機のラインマーカ部の作動状態を示す正面図である。
【図4】図1の苗移植機のリフトシリンダ部の側面図である。
【図5】図1の苗移植機のラインマーカ部の側面図である。
【図6】図5のラインマーカ部の正断面図である。
【図7】図1の苗移植機の制御ブロック図である。
【図8】図1の苗移植機のラインマーカ部の拡大図である。
【図9】本発明の一実施例の苗移植機の正面図である。
【図10】本発明の一実施例の苗移植機の圃場内での走行軌跡を示す図(図10(a))と畦際での線引きマーカを短く収縮させた位置を示す図(図10(b))である。
【図11】本発明の一実施例の苗移植機の線引きマーカの支持構造図である。
【図12】本発明の一実施例の線引きマーカの支持構造を示す図(機体正面から見た該マーカが非作動状態の図(図12(a)と該マーカが作動状態の図12(b))である。
【図13】図12の線引きマーカの支持構造の一部拡大図(図13(a)〜図13(c))である。
【図14】本発明の一実施例の苗移植機の苗タンクの側面図である。
【図15】本発明の一実施例の苗移植機のミッションケース内のクラッチボディの側面図(図15(a))と正面図(図15(b))である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施例の苗移植機を図面に基づいて説明する。苗移植機はトラクタ車体5の後側にリフトリンク6を介して苗植装置7を装着している。車体5は、ステアリングポスト8上のハンドル9によって操向する前輪10及び運転席11の後側に後輪12を配置し、運転席11の下側に搭載したエンジン13によって、フロア14の下側に配置した油圧無段変速装置15やミッションケース16内の伝動機構等を介して後輪12を駆動して走行する構成としている。
前記車体5の後部に苗植装置7を連結するためのリフトリンク6が配置され、リフトシリンダ17の伸縮によってリフトリンク6が昇降可能に構成され、リフトリンク6の後端にフロート18、苗植フレーム19、多条植苗タンク(苗載せ台)20及び苗植爪21等から構成される苗植装置7が装着される。各フロート18の前側には代掻ロータ22を設けている。後輪12の後輪軸23を軸受けするアクスルハウジング24から代掻軸25等を介して代掻ロータ22は後輪12と連動駆動する。車体5の後上方部には施肥装置26を設けており、施肥装置26から繰出する肥料は施肥ホース27により案内されて各フロート18の均平部に設けられる作溝器28に流下し、苗植爪21により苗が植え付けられる圃場に施肥することができる。
【0020】
フロア14の外側部には補助苗受枠29が配置され、車体5の前端部にはフロントアーム30が設けられている。苗植装置7の左側と右側部に横側土壌面に接近するように下方回動し、又は苗タンク20の後側部へ上方回動するようにマーカアーム31か設けられ、該マーカアーム31の先端部にはラインマーカ1が装着されている。
苗移植機は、前記フロート18の上下揺動によって土壌(圃場)の耕盤深さを検出して、リフトシリンダ17の油圧回路の油圧バルブ49(図7)を切り替えて苗植装置7の昇降制御を行い、苗植深さを一定に維持するような構成を備えている。
【0021】
ここで、水田を走行しながら対地作業をする苗移植機の横側に出没して、土壌面に操向指標の線引きを行う土掻きラグ3(図3)を有するラインマーカ1について説明をする。 土掻きラグ3を強制的に駆動回転させて土壌面を掻き起して線引きするラインマーカ1を作業走行中の苗移植機の横側から出して、接地状態で駆動回転する。このラインマーカ1がモータ等による強制駆動によって回転すると、土壌面の線引部分が土掻きラグ3によって掻き起されて土壌面が深く、また高く掻き起されて、土壌面に明確に線引をすることができる。
【0022】
また、土壌の硬軟度を検出する硬軟センサ2(図7参照)の検出によって、前記ラインマーカ1は硬い土壌では低速で駆動回転し、軟い土壌では高速で駆動回転するように制御部45(図7)により回転制御が行われる。苗移植機が対地作業をするときは、硬軟センサ2が土壌面の硬軟度を検出して、この土壌面が硬いときは、ラインマーカ1の回転駆動を低速にして、土壌面の土掻きラグ3による掻き飛しを少なくして、みだりに土壌を掻き乱さないようにして、正確な線引きを行わせ、また、土壌面が軟いときはラインマーカ1の回転駆動を高速にして、泥土の掻き起しを高くして線引きを正確に行うようにしている。
【0023】
前述したようにラインマーカ1を強制的に駆動回転して、土壌面の一部を土掻きラグ3の駆動によって掻き起して土壌面に線引きマークを形成する。この線引きマークの形成状態は土壌条件等によって変ることがあるが、前記ラインマーカ1の駆動回転を減速したり、停止したりするように人為的にラインマーカ1の動きを規制するときは、規制装置4(詳細は後述)を操作する。
【0024】
図3に示すように、苗植装置7の苗タンク20の左右外側には苗植フレーム19から苗タンク20の後側に沿って配置されるタンク支持フレーム32と一体のブラケット33に、マーカアーム31の基部をアーム軸34によって枢支して、マーカアーム31をアーム軸34の周りに外側の土壌面へ向けて倒伏回動してマーク姿勢Aに作動したり、また上方の苗タンク20の裏側に向けて収納姿勢Bとして起立回動することができる。
マーカアーム31は、先端部にラインマーカ1をマーカ軸35によって回転自在に軸支し、マーカアーム31に取り付けた電動モータ36によって駆動回転することができる。ラインマーカ1はマーカ軸35を中心に円形盤状のマーカリング37を形成し、このマーカリング37の外周にフック形態の土掻きラグ3を取り付け、土掻きラグ3を回転させることによって、該土掻きラグ3により土壌面を所定の幅に掻き上げて、土掻きラグ3の回転跡に土壌の突出部を形成し、該土壌の突出部が苗移植機の進行方向に沿って線引きをしたような土壌痕を形成する。
このため、マーカ軸35は、苗移植機の進行方向に対して直交する左右方向に設定され、マーカ軸35の周りを回転するラインマーカ1は、苗移植機の進行方向と平行な鉛直面に沿って回転する。また、ラインマーカ1の回転方向を、苗移植機の進行方向と同調するように接地面の土壌を後側へ掻くように、または逆に前側へ掻き上げるように設定することができる。
更に図5に示すように、電磁的操作等によって前記土掻きラグ3を挾持してラインマーカ1の回転を停止することができる規制装置4を設ける。該規制装置4はマーカアーム31を挟持する位置に突出自在な規制具38と該規制具38を作動する図示しない電磁的操作具からなり、一対の規制具38で土掻きラグ3を挾持してラインマーカ1の回転を停止することができる。
【0025】
また、規制装置4として規制具38をブレーキシューから構成して前記マーカリング37の回転面に規制具38を圧接させて制動する形態としても良い。さらに、マーカアーム31は苗タンク20から出没回動可能な構成であり、苗植装置7を昇降するリフトシリンダ17の伸縮作動とマーカアーム31の出没回動を連動させることが望ましい。
苗移植機が苗植付作業をする場合は、リフトシリンダ17の収縮C(図4)によって、苗植装置7が畦際位置で非苗植位置へ上昇されると共にマーカアーム31と連結するワイヤー39が引かれて、前記マーカアーム31を、収納姿勢B(図3)の位置へ回動する。 ワイヤー39は左、右2連に設けられて、ソレノイドボックス40に設けられるソレノイド47,48(図7のみに図示)の作動でそれぞれ左、右押え体41,42によって押えられて、この押え体41又は42によって押圧された側のワイヤー39は、移動不可の状態となり、押圧の解放された側のワイヤー39がリフトシリンダ17の伸張作動に伴って復動して、このワイヤー39と連動するマーカアーム31がマーク姿勢A(図3)へ作動される構成としている。
マーカアーム31をマーク姿勢Aへ回動するように付勢するためのスプリング43の両端がブラケット33の基部とアーム軸34の間に取り付けられている。またタンク支持フレーム32にマーカアーム31を収納姿勢Bに維持するためのフック44を設けている。
【0026】
前記したように苗植付作業時に畦際で往復走行を折返す毎に左右ラインマーカ1の出没作動を切り替えるが、この切替操作は車体5の折返旋回方向(ステアリングハンドル9の操向方向)をステアリングセンサ46(図7にのみ図示)により検出することによって、前記ソレノイドボックス40の押え体41,42を切替選択して作動制御し、旋回後に土壌面に線引きを行う側のラインマーカ1のみをマーク姿勢Aに作動させる。
前記ラインマーカ1のモータ36による駆動回転方向を正、逆回転方向に切り替える制御を可能にした構成として、ラインマーカ1の回転による泥土掻き起し状態を切り替え選択し、線引状態を選択変更できるようにしている。
【0027】
前記フロート18には硬軟センサ2(図7にのみ図示)を設け、苗植付用の土壌面の硬軟度を検出する。前後に回動するレバー形態の硬軟センサ2の下端部を、フロート18の底面よりも下方へ突出させて、この硬軟センサ2の土壌面に対する揺動抵抗によって、土壌面の硬軟度を検出する。この硬軟度の検出によってコントローラ45は、前記電動モータ36の駆動回転の制御を行い、ラインマーカ1の回転速度を変更制御する。土壌面が硬いときは、ラインマーカ1の回転を低速に駆動し、又、軟いときは、ラインマーカ1の回転を高速に駆動することができる。
【0028】
前記車体5の前端部のセンターマーカ30aを有するフロントアーム30は、通常走行時はアーム軸50の周りに上方へ起立E状態に回動(図8)させているが、畦越え走行するときは、補助作業者等が車体5の前部を持ち上げて浮上させ易いように、このフロントアーム30をアーム軸50の周りに前下方へ倒伏F状態に回動(図8)させて、フロントアーム30の基部に設けられたフック51を車体5側のロックピン52に係合させる。
【0029】
ロック状態となるフロントアーム30の倒伏F状態をロック検出センサ53で検出して、前記フロート18の上下動を検出するフロートセンサ18a(図7にのみ図示)(フロートセンサ18aは角度センサ(ポテンショメータ)であり、圃場の凹凸によるセンターフロート18の前部の上下動によりシリンダ17を伸縮作動させ、植付部7を上下動させて苗の植付高さを揃えるもの)により土壌の耕盤深さを検出しながら前記リフトシリンダ17の油圧バルブ49(図7にのみ図示)に出力し、苗植装置7を昇降制御して、苗植爪21による苗植付深さを一定に維持するように植付深さ制御を行う。この制御時に、前記フロート18による土壌の耕盤深さの検出感度をフロートセンサ18aにより検出して、検出した耕盤深さの検出感度により切替変更させるものである。なお、畦越走行状態の姿勢において、畦際における苗植付作用を行わせるときは、このフロート18による前記検出感度を敏感にすることによって、このフロート18による泥押しを少なくするものである。
【0030】
圃場(土壌)に植え付けた苗の上方に位置し、直進の目安とするサイドマーカ57(図9)を車体5の左右両側に取り付けている。該サイドマーカ57は圃場の深浅に合わせてサイドマーカ57の上下位置が自動調節される。その理由はセンターフロート18の上下動で圃場の深浅に合わせて上下動する際に、ポテンショメータなどからなる圃場の深浅を検出する昇降センサ(深度検出装置)56(図7にのみ図示)が前記圃場の深浅の程度を検知するので、該昇降センサ56の前記圃場の深浅の程度の検知結果に応じて、制御部45からサイドマーカ57の上下位置を自動調整する機構を、サイドマーカ57の車体5への取り付け部に設けている。
【0031】
前記圃場の深浅を検出する昇降センサ56として、従来はスイッチ式の昇降センサをリフトリンク6に取り付けていたが、この場合は、苗植装置7が所定高さまで上がるとリフトリンク6に押されて昇降センサスイッチが入ったこと、及び所定高さ未満まで下がるとリフトリンク6が離れて昇降センサスイッチが切れたことを検出する方式であったが、本実施例では圃場の深浅を検出する昇降センサ56としてスイッチに代えてポテンショメータを用いるので、苗の植付高さを変更すべく苗植装置7を僅かに上下動させた際に検出角度が変わるので、圃場の深浅の変化が判る。
【0032】
なお、音波式又は光学式の昇降センサ56を用いても良い。昇降センサ56を、例えば、補助苗受枠29の最下段の下側に設けておくと、機体の最前部で圃場の深浅の変化を検出できる。また昇降センサ56として音波検知式又は光学検知式のセンサを用いる場合には走行による泥の飛散の影響を受け難くなる。
【0033】
図9の苗移植機正面図(センターマーカは図示せず)に示すように前記サイドマーカ57の上下自動調整機構は車体5から左右の水平方向に延出して設けたロッド58の先端に設けた上下調節モータ60と該上下調節モータ60で駆動するピニオン61と該ピニオン61に噛合するサイドマーカ57に設けたフックギヤ62からなる。
前記上下調節モータ60が駆動し、サイドマーカ57の上下位置が制御装置45により自動調節される構成としたことにより、圃場の深度が変わるたびにサイドマーカ57の上下高さが自動的に変更されるので、サイドマーカ57が苗を押し倒して生育を妨げることが防止され、収穫量が従来技術に比べて向上する。
【0034】
また、車体前面に設けられたライト(図示せず)は苗移植機の前方しか照らさないので、サイドマーカ57が見えず、条合わせができない。また、圃場が深水状態ではセンターマーカ30aで線引きされてラインが見え難く、浅い圃場ではサイドマーカ57が高すぎて、その先端を苗に合わせるのが難しい。
そこでサイドマーカ57の先端にはライト(LED)を付けておくことで、夕方暗くなってきても、又、昼間でもライトの当たったサイドマーカ57の先端部を隣接条苗に合わせ易くなる。
従って、直進走行の指標となるサイドマーカ57の上下位置が圃場条件に合わせて自動的に調節されるため、サイドマーカ57が苗に近付き過ぎて苗を押し倒してしまうことを防止できるので、苗の成長が妨げられることが防止され、収穫量が従来技術より向上する。
【0035】
また、サイドマーカ57が苗から離れ過ぎ、作業者が直進方向を合わせ損なうことを防止できるので、苗の植付が直線状に行われ苗の植付精度が従来技術より向上する。
また、本実施例の苗移植機は、任意の植付爪21を有する植付装置の駆動を入切する部分条クラッチ(図示せず)の作動を入切する部分条クラッチレバー(図示せず)を備えている。また部分条クラッチ(畦クラッチ)レバーの作動を検知する畦クラッチレバーセンサ64(図7にのみ図示)を備えている。
【0036】
図9の苗移植機の正面図に示すようにサイドマーカ57の下部に二又部を形成し、該二又部の間隔部が圃場に植え付けた苗の上方に位置するような構成とすることで、苗は前記二又部の間隔部を通過することができ、サイドマーカ57の上下位置調節が間に合わなくても苗が押し倒されることが防止され、苗の生育が安定する。
【0037】
畦際での苗の植付時に4条全ての植え付けができないときに、必要な植え付条分の苗植装置7の苗植付爪21だけを駆動させるために、駆動させない苗植付爪21に対応した畦クラッチレバーを操作して畦クラッチを切る必要がある。
このため、本実施例の苗移植機では、畦クラッチレバー操作を検知できる畦クラッチレバー検知センサ64と線引きマーカ1の左右方向の伸縮手段を設けた構成を採用しても良い。図10は、このような場合の線引きマーカ1の作動の様子を説明するための苗移植機の走行軌跡と機体の概略平面図である。図10(a)には苗植付作業を行う苗移植機の圃場内での走行軌跡を示し、図10(b)には図10(a)に図示した畦際での苗植付作業中の苗移植機の位置における切断された畦クラッチに対応する長さ分だけ線引きマーカ1の左右方向の伸縮手段(例えば図11に示す中空の受軸65と該中空の受軸65に摺動可能に装着した摺動軸66からなる)を短く収縮させた状態(実線位置)を示す。6条全ての植え付けをする場合の線引きマーカ1の位置と、例えば4条分のみの線引きマーカ1位置をそれぞれ点線と実線で示す。
こうして、畦クラッチを切った時に、線引きマーカ1の長さが次の苗植付走行時に通る圃場面に苗移植機中心に線を引くことができる。
【0038】
部分条クラッチレバーのクラッチ「切」操作(部分クラッチレバーを倒す操作)を検知する畦クラッチレバーセンサ64を設け、線引きマーカ1の左右方向の伸縮手段(左右移動機構)を車体左右に設けた。前記線引きマーカ1の伸縮手段(左右移動機構)として図11に示す構成を採用してもよい。
図11に示すように前記線引きマーカ1の伸縮手段(左右移動機構)は、中空の受軸65と、車体5の左右に前記受軸65に摺動可能に装着した摺動軸66と該摺動軸66と一体の線引き体67からなり、前記受軸65にピニオンギア69aを装着した左右調節モータ69を配置し、摺動軸66にラックギア66aを配置している。
そして畦クラッチレバー検知センサ64が部分条クラッチレバーの「切」操作を検知すると左右調節モータ69が作動して線引き体67が所定位置まで移動する構成とした。前記線引き体67の移動は通常は摺動軸66が車体側に引き込まれる方向に動き、所定長さだけ摺動軸66が車体5側に引き込まれると、その所定長さをストロークセンサ70(図7)が検知して、左右調節モータ69の作動を停止させる。
【0039】
従って部分条クラッチレバーが「切」操作されたことを畦クラッチレバー検知センサ64が検知すると、左右調節モータ69が駆動して線引きマーカ1の左右位置を自動調節し、畦際植付作業時の直進の指標となる線を形成する位置に接地させることにより、畦際の作業時にも適切な位置に線を引くことができるので、苗の植付が直線状になり、苗の植付精度が従来技術より向上する。
そして、さらに圃場に線を引く線引きマーカ1の左右位置が作業状態に合わせて自動的に調節される構成としたことにより、畦際などの次工程の植付位置が異なる際に適切な位置に線引きマーカ1を接地させて線を引くことができるので、作業条件に関わらず直線状に苗を植え付けられるため、苗の植付精度が従来技術より向上する。
従来技術では畦クラッチを切って線引きマーカ1の線が使えなくなる場合は、サイドマーカ57のみで条合わせするしかなく、横を見ながらまっすぐ進むのは難しかったが、上記本実施例の構成で畦クラッチを切っても、苗移植機中心が通る位置に線を引くことができる。
【0040】
図12には他の実施例の線引きマーカ1の支持構造を示す。
図12の機体正面から見た図(マーカ非作用状態を示す図12(a)とマーカ作用状態を示す図12(b)と図13(a)〜図13(c)にその一部拡大図を示すように、苗タンク20に中空の支持ロッド73を回動自在に配置し、該支持ロッド73に移動溝73aを形成し、該移動溝73aの形状を該移動溝73aに沿って約90度位相を変えて線引きマーカ1のマーカアーム31が移動可能な構造とする。
【0041】
そして線引きマーカ1のマーカアーム31の一部を支持ロッド73に形成した移動溝73aに挿入し、支持ロッド73の内部で、且つマーカアーム31の基部に圧縮スプリング74の一端を接続し、該圧縮スプリング74の他端を連結ワイヤ76の一端に接続し、該連結ワイヤ76の他端を受プレート77に接続している。そして支持ロッド73よりも機体内側の車体5に設けたブラケット33に受プレート77を配置し、支持ロッド73を回動させると線引きマーカ1のマーカアーム31が移動溝73aに沿って移動し、作用状態と非作用状態のいずれかの状態に切り替わる構成とした。
【0042】
線引きマーカ1の基部側の回動中心に線引きマーカ1と一体的にマーカアーム31の一端が接続し、該マーカアーム31の他端はロッド片31aの一端と回動自在に連結している。また、ロッド片31aの他端部に設けられた長穴31aaにマーカアーム31の先端が連結している。ロッド片31aの一端に鍔31abが設けられ、また該鍔31abの近傍に連結ワイヤ76を接続しており、該連結ワイヤ76が中心部を貫通する一つ鍔76aが設けられており、これら2つの鍔31ab,76aの間にスプリング74が配置されている。該連結ワイヤ76側に設けられた鍔76aは、中空状の支持ロッド73の端部に設けられた径の小さな狭持部に当接するように配置されている。
【0043】
また、支持ロッド73に線引きマーカ1が約90度位相を変えて移動可能な移動溝73aを形成し、支持ロッド73の移動溝73a内でのマーカアーム31の摺動により線引きマーカ1が作用状態、及び非作用状態のいずれかの状態に切り替わる構成としたことにより、従来構成のように線引きマーカ1を取り外すことなく収納状態にすることができるので、収納作業の能率が従来技術より向上する。
また、線引きマーカ1を、約90度位相を変えることにより、苗タンク20の左右幅内に線引きマーカ1が収まる構成となるため、収納時の機体の左右幅がコンパクトになり、収納場所の自由度が従来技術より向上する。
線引きマーカ1を収納状態(非作用状態)から作用状態に回転移動させると、連結ワイヤ76の長さは一定なので圧縮スプリング74は、圧縮する方向に負荷が掛かる。また圧縮スプリング74は、その許容ねじりトルク内の力でねじりコイルバネの役割を果たし、圃場面の凹凸にも対応する。
このように、スプリング74とワイヤ76を使い、線引きマーカ1を機体から取り外すことなく、線引きマーカ1を車幅より内側に収納でき、また使用する際には機体から容易に引き出して作動状態とすることができるだけでなく、圧縮スプリング74があるため、圃場面の凹凸にも容易に対応可能となる。
【0044】
図14の苗タンク20の側面図に示すように、苗タンク20に苗を移動させる苗送りベルト(苗送り装置)80を配置しているが、該苗送りベルト80の下部を前後揺動させる回動装置(回動モータ)81を設け、苗タンク20に積載した苗を押圧する苗押え体82と、苗押え体82に圧力を検出する感圧センサ83を苗タンク20の適所に配置し、該感圧センサ83の検知した圧力に合わせて回動モータ81を作動させ、苗送りベルト80を苗にかかる圧力が一定になる方向に回動させる構成とした。
【0045】
苗押え体82が苗を押圧する圧力に合わせて苗送りベルト80を回動させる構成としたことにより、苗を押さえる圧力が弱い場合は、苗押え体82と苗送りベルト80の間隔が狭くなる方向に苗送りベルト80を回動させて苗を押さえる圧力を高めることができるので、機体の振動や傾斜により苗が苗タンク20から離れることが防止でき、苗の植付が確実に行われると共に、離れた苗を載せ直す必要が無く、作業能率が向上する。
【0046】
また、苗を押さえる圧力が強い場合は、苗押え体82と苗送りベルト80の間隔が広くなる方向に苗送りベルト80を回動させて苗を押さえる圧力を弱めることができるので、苗送りベルト80による苗の搬送が妨げられることが防止できて苗の植付が確実に行われると共に苗が苗押え体82に押し潰されることが防止でき、苗の生育が安定して行われる。
【0047】
図15(a)の側面図と図15(b)の正面図に示すようにミッションケース16内のクラッチ(湿式)ボディ85の外周に螺旋状に突起状のリブ85aを設けることで該クラッチボディ85の周辺の油温が上昇するのを防止し、クラッチの性能が落ちるのを防止する。
すなわちメインクラッチボディ85の外周の螺旋状のリブ85aはオイルを循環させる作用があるのでオイルを移動させることで、油温をさげることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ラインマーカ 2 硬軟センサ
3 土掻きラグ 4 規制装置
5 トラクタ車体 6 リフトリンク
7 苗植装置 8 ステアリングポスト
9 ハンドル 10 前輪
11 運転席 12 後輪
13 エンジン 14 フロア
15 油圧無段変速装置 16 ミッションケース
17 リフトシリンダ 18 フロート
19 苗植フレーム
20 苗タンク(苗載せ台)
21 苗植爪 22 代掻ロータ
23 後輪軸 24 アクスルハウジング
25 代掻軸 26 施肥装置
27 施肥ホース 28 作溝器
30 フロントアーム 30a センターマーカ
31 マーカアーム 31a ロッド片
31aa 長穴 31ab,76a 鍔
32 タンク支持フレーム
33 ブラケット 34 アーム軸
35 マーカ軸 36 電動モータ
37 マーカリング 38 規制具
39 ワイヤー 40 ソレノイドボックス
41,42 押え体 43 スプリング
44 フック 45 制御部
46 ステアリングセンサ
47,48 ソレノイド 49 油圧バルブ
50 アーム軸 51 フック
52 ロックピン 53 ロック検出センサ
56 昇降センサ 57 サイドマーカ
58 ロッド 60 上下調節モータ
61 ピニオン 62 フックギヤ
64 畦クラッチレバーセンサ
65 受軸 66 摺動軸
67 線引き体 69 左右調節モータ
70 ストロークセンサ 73 支持ロッド
73a 移動溝 74 圧縮スプリング
76 連結ワイヤ 77 受プレート
80 苗送りベルト 81 回動モータ
82 苗押え体 83 感圧センサ
85 クラッチ(湿式)ボディ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(5)の後側に複数条分の苗を積載する苗載せ台(20)と、該苗載せ台(20)に積載した苗を圃場に移植する複数条分の植付装置(7)と、苗載せ台(20)を昇降させるリンク機構(6)と、圃場に植え付けた苗の上方に位置し、直進の目安とするサイドマーカ(57)と、圃場面に接触して直進の目安となる線を引く線引きマーカ(1)と、任意の植付装置(7)の駆動を入切する部分条クラッチと、該部分条クラッの入切を行う部分条クラッチレバーを設けた苗移植機において、
圃場の深浅に合わせてサイドマーカ(57)の上下位置を自動調節するサイドマーカ自動調節機構と、
部分条クラッチレバーの操作に合わせて線引きマーカ(1)の左右位置が自動的に変更される線引きマーカ位置自動変更装置
を備えたことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
サイドマーカ自動調節機構は、
圃場の深さを検出する深度検出装置(56)と、
走行車体(5)側に設けたピニオンギア(61)を有する上下調節モータ(60)とサイドマーカ(57)側に設けたラックギア(62)を有するサイドマーカ上下調節機構と、
前記深度検出装置(56)の検出結果に合わせてサイドマーカ上下動機構の上下調節モータ(60)を作動させてサイドマーカ(57)の上下位置を自動調節する制御部(45)
を備えたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
サイドマーカ(57)の下部に二又部を形成し、二又部の間隔部が苗の上方に位置するようにサイドマーカ(57)を走行車体に取り付けたことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機。
【請求項4】
線引きマーカ位置自動変更装置は、
部分条クラッチレバーの「切」操作(倒した状態)を検知する操作検知部材(レバー検出センサ)(64)と、
中空の受軸(65)と、該受軸(65)に線引き体を設けた摺動軸(66)を左右摺動可能に装着して構成した線引きマーカ(1)と、
操作検知部材(64)が部分条クラッチレバーの「切」操作を検知すると左右調節モータ(69)が作動して線引き体が所定位置まで移動する制御構成を備えた制御部(45)を備えたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項5】
苗載せ台(20)に中空の支持ロッド(73)を回動自在に配置し、
線引きマーカ1を移動させて、該線引きマーカ(1)を約90度位相を変えて作用状態と非作用状態とに切り替える移動溝(73a)を有する支持ロッド(73)と該支持ロッド(73)の内部で、且つ線引きマーカ(1)の基部に調節スプリング(74)を配置し、
支持ロッド(73)よりも機体内側に受プレート(77)を配置し、
調節スプリング(74)と受プレート(77)に亘って連結ワイヤ(76)を配置し、
支持ロッド(73)を回動させると線引きマーカ(1)が移動溝に沿って移動し、作用状態と非作用状態のいずれかの状態に切り替わる構成とした
ことを特徴とする請求項4記載の苗移植機。
【請求項6】
苗載せ台(20)に配置した苗を移動させる苗送り装置(80)と、
苗送り装置(80)の下部を前後回動させる回動装置(回動モータ)(81)と、
苗載せ台(20)に積載した苗を押圧する苗押え体(82)と、
苗押え体(82)の圧力を検出する感圧センサ(83)とを苗載せ台(20)に設け、 さらに 感圧センサ(83)の検知した圧力に合わせて回動装置(81)を作動させ、苗送り装置を苗にかかる圧力が一定になる方向に回動させる制御装置(45)
を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の苗移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−223152(P2012−223152A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95109(P2011−95109)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】