苗移植機
【課題】
後輪ローリング機構をシリンダで制御して、植付作業時や旋回作業時に機体の走行姿勢が作業に適した形態となる姿勢制御装置を設けた苗移植機を提供する。
【解決手段】
車体4の後部に中央回動軸42を中心に左右方向に回動するローリング機枠41を設け、ローリング機枠41の両端部に後輪3,3に回転駆動力を供給する後輪伝動ケース8,8を設け、ローリング機枠41を回動させる回動アクチュエータ9を設け、ハンドル1の操舵角度を検出する操舵角度検出部材7を設け、操舵角度検出部材7の検出した操舵角度から旋回内側を判別して回動アクチュエータ9を伸張または収縮させて車体4の旋回内側が低位となる側にローリング機枠41を回動させて傾斜姿勢にする構成とした。
後輪ローリング機構をシリンダで制御して、植付作業時や旋回作業時に機体の走行姿勢が作業に適した形態となる姿勢制御装置を設けた苗移植機を提供する。
【解決手段】
車体4の後部に中央回動軸42を中心に左右方向に回動するローリング機枠41を設け、ローリング機枠41の両端部に後輪3,3に回転駆動力を供給する後輪伝動ケース8,8を設け、ローリング機枠41を回動させる回動アクチュエータ9を設け、ハンドル1の操舵角度を検出する操舵角度検出部材7を設け、操舵角度検出部材7の検出した操舵角度から旋回内側を判別して回動アクチュエータ9を伸張または収縮させて車体4の旋回内側が低位となる側にローリング機枠41を回動させて傾斜姿勢にする構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗用四輪走行形態の車体の後側に、多条植形態の植付装置を装着して植付作業を行う苗移植機において、後輪をローリングさせて走行姿勢を変更制御して水平に保つ水平制御装置を備えたものである。
【背景技術】
【0002】
車体の後側に連結する植付装置をローリング制御して、この多条植形態の植付装置を左右水平状の苗植姿勢に維持させる技術(例えば、特許文献1参照)がある。
【0003】
【特許文献1】特開2009−142296号公報(第6頁〜7頁、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、苗移植機が圃場端や畦際等で旋回する行程では、左右の後輪の旋回径の違いにより僅かに旋回内側方向に車体が傾斜するが、この旋回走行位置の土壌状態や、後側に多条植形態の幅広い植付装置を連結している形態等によって、この旋回軌跡が大きくなり、旋回時間が長くなってしまうため、旋回移動に時間がかかり作業能率が低下する問題や、旋回後に苗を植え付け始める位置合わせが行いにくく、苗の植付精度が低下する問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、前記車体(4)の後部に中央回動軸(42)を中心に左右方向に回動するローリング機枠(41)を設け、該ローリング機枠(41)の両端部に前記後輪(3,3)に回転駆動力を供給する後輪伝動ケース(8,8)を設け、前記ローリング機枠(41)を回動させる回動アクチュエータ(9)を設け、前記ハンドル(1)の操舵角度を検出する操舵角度検出部材(7)を設け、該操舵角度検出部材(7)の検出した操舵角度から旋回内側を判別して前記回動アクチュエータ(9)を伸張または収縮させて車体(4)の旋回内側が低位となる側にローリング機枠(41)を回動させて傾斜姿勢とする構成としたことを特徴とする苗移植機とした。
請求項2に記載の発明は、前記車体(4)にローリング機枠(41)の傾斜角度を検出するローリング角度検出部材(10)を設け、該ローリング角度検出部材(10)が設定した上限値よりも大きな角度を検出すると前記回動アクチュエータ(9)の伸縮作動を停止させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機とした。
請求項3に記載の発明は、車体(4)の走行速度を検出する速度検出部材(11)を設け、該速度検出部材(11)が設定上限以上の速度を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御を行なうと共に、設定下限未満の速度を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を遅くする制御を行なう構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機とした。
請求項4に記載の発明は、前記車体(4)が畦際で植付作業を行っていることを検出する畦際検知部材(12)を設け、該畦際検知部材(12)が畦際を検出すると前記回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御を行なうことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機とした。
請求項5に記載の発明は、前記車体(4)に施肥装置(13)を設け、該施肥装置(13)に残留する肥料を排出する排出シュート(14)を設け、該排出シュート(14)を操作すると回動アクチュエータ(9)を伸縮させて前記施肥装置(13)の肥料取出側に車体(4)を傾斜させる構成としたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の苗移植機とした。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明は、左右の後輪(3,3)を中央回動軸(42)を中心に左右方向に回動自在なローリング機枠(41)に設けたことにより、圃場に凹凸があり車体(4)の左右高さが異なることがあっても、左右の後輪(3,3)の上下位置に合わせてローリング機枠(41)が回動して車体(4)を水平にするため、作業者は安定した姿勢で車体(4)に乗ることができるので、作業能率が向上する。
また、ローリング機枠(41)を回動させる回動アクチュエータ(9)を設け、旋回時に作業者が前輪(2,2)を操舵させるハンドル(1)の操舵角度を検出する操舵角度検出部材(7)を設け、この操舵角度検出部材(7)の検出角度から車体(4)の左右どちら側が旋回内側かを判断して回動アクチュエータ(9)伸張または収縮させる構成としたことにより、旋回時に車体(4)の旋回内側を旋回外側よりも大幅に下方に位置させることができるので、車体(4)の旋回時の姿勢が安定するため、作業者の乗り心地が良く作業者の労力が軽減される。
そして、圃場の土質がぬかるむ様な土質であっても車体(4)は旋回内側に向かって傾斜する姿勢であるため、旋回がスムーズに行なわれるため、旋回動作にかかる時間を短縮することができるので、作業能率が向上する。
さらに、旋回時の土の抵抗が車体(4)の出力に拮抗、あるいは上回って旋回姿勢を乱し、次の条の植付開始位置からずれた位置に旋回してしまうことが防止されるので、苗の植付位置が揃うことにより、苗の植付精度が向上する。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、ローリング機枠(41)の傾斜角度を検出するローリング角度検出部材(10)を設け、ローリング角度検出部材(10)が設定した上限値よりも大きな角度を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮作動が停止する構成としたことにより、旋回時に車体(4)の旋回外側が上方移動し過ぎて傾斜角度が極端に大きくなることを防止できるので、旋回時の機体バランスが向上してスムーズな旋回が行なわれるため、作業能率が向上する。
また、機体に搭乗する作業者が過剰な傾斜による不安定さを感じることがないので、作業者の労力が軽減される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、車体(4)に設けた速度検出部材(11)が設定上限以上の速度を検出すると、回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御を行なう構成としたことにより、高速走行中に圃場の凹凸にさしかかった場合、ローリング機枠(41)が左右方向に回動して凹凸を検出するとすぐに回動アクチュエータ(9)が伸縮して車体(4)を迅速に水平状態にすることができるので、車体(4)の走行姿勢が安定し、苗の植付精度が向上する。
また、旋回動作を高速で行なう場合に、姿勢変更速度を追従させることができるので、旋回時の機体バランスが向上してスムーズな旋回が行なわれるため、作業能率が向上する。
そして、速度検出部材(11)が設定下限未満の速度を検出すると、回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を遅くする制御を行なう構成としたことにより、回動アクチュエータ(9)の作動による機体の揺れを防止することができるので、作業者が不快感を覚えにくく、作業者の労力が軽減される。
さらに、圃場に小さな凹凸が多い場合、凹凸がある度に回動アクチュエータ(9)が伸縮することを防止できるので、頻繁に車体(4)の姿勢が変わることが防止されるため、機体の揺れがさらに防止される。
そして、旋回動作を低速で行なう場合に、姿勢変更速度を追従させることができるので、旋回時の機体バランスが向上してスムーズな旋回が行なわれるため、作業能率が向上する。
請求項4に記載の発明は、車体(4)に車体(4)が畦際で作業しているか否かを判断する畦際検知部材(12)を設け、この畦際検知部材(12)が畦際での作業を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御が行なわれることにより、凹凸の多い畦際で作業する際、車体(4)を迅速に水平状態にすることができるので、車体(4)の走行姿勢が安定すると共に、苗の植付深さが安定するため、作業能率や苗の植付精度が向上する。
請求項5に記載の発明は、施肥装置(13)に残っている肥料を排出する排出シュート(14)を設け、この排出シュート(14)を操作すると回動アクチュエータ(9)が伸縮動作して車体(4)を施肥装置(13)の肥料取出側に傾斜させる構成としたことにより、施肥装置内の肥料を効率的に排出することができるので、作業能率が向上すると共に、メンテナンス性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の平面図
【図3】苗移植機の車体部背面図
【図4】苗移植機の車体ローリング制御部のブロック図
【図5】旋回操向行程におけるローリング制御のフローチャート
【図6】植付作業行程におけるローリング制御のフローチャート
【図7】車速検出によりアクチュエータ作動速制御のフローチャート
【図8】畦際センサの検出によるアクチュエータ作動速制御のフローチャート
【図9】残留肥料排出時のローリング制御のフローチャート
【図10】苗移植機のフロア部の平面図
【図11】苗移植機の側面図
【図12】苗移植機の正面図
【図13】(a) 昇降ステップ部の乗車時の作用状態を示す正面図(b) 昇降ステップ部の降車時の作用状態を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜図9で示すように、車体4は、前側に左右一対の前輪2,2を設け、後側に左右の後輪3,3を設けると共に、運転席15上から前側のハンドル1を操作して、前輪2を操向しながら走行する乗用四輪走行形態のトラクタを構成する。
エンジン16は、運転席15下のエンジンカバー17内に搭載し、フロア18下側の油圧無段変速装置19、及びミッションケース20の伝動機構を介して、フロントアクスルハウジング21の左右両側に軸装の前輪2、及びリヤアクスルハウジング8の左右両側に軸装の後輪3を伝動回転する。
この車体4の後端部のリヤフレーム22上に施肥タンク23や、肥料を繰出す繰出装置24、この繰出装置24から繰出された肥料を搬送案内する施肥筒25、この施肥筒25へ送風するブロワー26、及び施肥作業後に前記繰出装置24や施肥タンク23などに残留した肥料を取出して横方向へ搬送案内する排出シュート14等を設けて施肥装置13を構成する。
前記施肥筒25には各苗植付条毎に連通する施肥ホース27を設けて、後側の植付装置6の各苗植付位置の土壌面へ施肥案内する。
前記リヤフレーム22には平行リンク形態のリフトリンク5が上下回動自在に設けられて、リフトシリンダ28の伸縮によって昇降される。このリフトリンク5の後端のヒッチリンク29に、ローリング軸30周りにローリング自在にして、苗植フレーム31の中央部が連結支持される。この苗植フレーム31の下部にセンターフロート32と、この左右両側のサイドフロート33,33を配置して、植付装置6を土壌面に滑走支持する。
また、苗植フレーム31の上方には前下り傾斜の多条植形態の苗タンク34を支持して、左右横方向へ往復移動する形態としている。この苗タンク34に後下端部には、苗植付爪35を有する苗植付装置36を設けて、この苗植付爪35を各苗タンク34のマット苗繰出部の苗取口37に作用させるように、側面視楕円形状の苗植軌跡線Dを描いて昇降することにより、センターフロート32及び左右のサイドフロート33,33で均平された土壌面に挿苗することができる。
前記センターフロート32及び左右のサイドフロート33,33の前側には、代掻ロータ38を設け、センターフロート32及び左右のサイドフロート33,33が滑走する土壌面をこの代掻ロータ38で予め掻き均す。これら植付装置6や、代掻ロータ38の伝動は、車体4側のミッションケース20側から出力されるPTO軸39や、前記リヤアクスルハウジング8内の伝動機構から出力される連動軸40等を介して伝動構成する。
前記車体4後部のリヤアクスルハウジング8は、センタケース41部の左右両端部に一体として取付けられて、このセンタケース41部の中央部を、車体4の後端部のセンタピボット42の周りに回動自在に軸受けして連結している。
このセンタケース41の一側部とリヤフレーム22上部との間に伸縮シリンダからなるアクチュエータ9を連結して、このアクチュエータ9を油圧回路から供給される油圧力により伸縮することによって、車体4に対してセンタケース41をセンタピボット42の周りに回動させて、これら車体4と、リヤアクスルハウジング8のセンタケース41部との間の相対的支持角度を調節制御するものである。
そして、リヤフレーム22の上端には車体4の左右傾斜(及び水平)角を検出する左右傾斜センサ10を設け、センタピボット42上の車体4部には、このセンタピボット42周りに回動するリヤアクスルハウジング8の回動角を検出するポテンショメータからなる角度センサ43を設けている。
左右の後輪3,3が同じ高さの土壌耕盤面に接地支持されるときリヤアクスルハウジング8は左右方向に水平状態であり、このとき車体4がアクチュエータ9の伸縮によって作動されて水平状態であれば、左右傾斜センサ10が水平角を検出することとなる。また、これら車体4とリヤアクスルハウジング8との間の、センタピボット42周りの回動角度を角度センサ43によって検出することができる。
前記リヤアクスルハウジング8は、センタケース41部を介して左右両側部に連結された形態で、各リヤアクスルハウジング8の外側に軸装する後輪3の車軸44は、前記ミッションケース20から取出されて、自在継手や伸縮軸等を有した左右の連動軸45を介して連動される。そして、このリヤアクスルハウジング8、及びセンタケース41部がセンタピボット42周りに回動しても、常時左右の後輪3,3や、この後側に配置の代掻ロータ38の連動軸40等を伝動することができる状態に構成する。
前記車体4と、左右両側端に後輪3を有するリヤアクスルハウジング8との相対的回動により車体4の支持角度を変更するように作動する車体4のローリング制御において、コントローラ46の入力側には、前記ハンドル1によって操向される前輪2の操向角を検出する操向センサ7や、前記車体4の左右方向の傾斜や水平状態等を検出する左右傾斜センサ10、リヤアクスルハウジング8内の伝動機等の回転から後輪3の回転数や車速を検出する車速センサ11、植付装置6の横端部から超音波や、赤外線等を発信させて畦際との間隔を検出する畦際センサ12、及びセンタピボット42周りの車体4、乃至リヤアクスルハウジング8の回動角を検出する角度センサ43等を配置する。
また、このコントローラ46の出力側には、油圧回路のソレノイドバルブを設けて、このソレノイドバルブの切り替えによって、アクチュエータ9である油圧シリンダを伸縮作動させる。
そして、前記車体4のローリング制御は、車体4を植付作業時等において左右水平状に維持制御する水平制御モードと、苗の植付条の終端部で折返旋回操向行程において、車体4をこの旋回操向側へ向けて傾斜するように制御する傾斜制御モードとがある。
前記コントローラ46では、通常時は前記水平制御モードガ行われるように設定されていて、操向センサ7が旋回操向角を検出することによって傾斜制御モードが行われるように制御モードスイッチが自動的に切り替えられる。また、これらの制御モードの切替は、人為的切替スイッチを設けて、植付作業状態に応じて選択操作することもできる。
前記車体4を左右水平姿勢に維持する水平制御モードでは、苗移植機の植付作業行程で、土壌面の凹凸等によって車体4が左右一側へ大きく傾斜すると、左右傾斜センサ10による検出によって、アクチュエータ9を伸縮させて車体4をセンタケース41のセンタピボット42周りに傾斜状態から左右水平状態へローリング回動させる構成としている。
この回動角度は、前記フィードバック制御用としての角度センサ44により所定の角度回動したことを検出し、又は、この左右傾斜センサ10が水平状態を検出すること等によって、このローリング制御を停止して車体4の水平位置が維持される。
また、前記車体4を旋回操向行程において旋回側へ傾斜させる傾斜モードでは、操向センサ7が一定以上の操向角度を検出することによって、このローリング制御モードが傾斜モードに切り替えられて、前記アクチュエータ9が伸縮作動して、車体4がセンタケース41のセンタピボット42周りに旋回操向側へ向けて所定角度回動されて傾斜される。
この車体4の回動角度、または傾斜角度は、角度センサ43あるいは左右傾斜センサ10の検出によって制御される。
図10〜図12に示すように、前記エンジンカバー17及びハンドルポスト50の間にわたって設けるフロア18、及びこの左右両側方に広く形成するサイドフロア51の後端に、適宜高位に設定のリヤステップ52をボルト、ナット等の連結具53で着脱可能に連結し、これらサイドステップ51の後端のリヤステップ52との間に形成される段差部54に、一部の苗植条の苗植クラッチを入り、切りするための畦クラッチレバー55のレバーガイド56を形成する。
該各畦クラッチレバー55はリヤステップ52の下側に取付けて、各畦クラッチレバー55の先端部を段差部54のレバーガイド56から前側へ突出させて配置している。
また、前記レバーガイド56を、リヤステップ52と一体成形する段差部54に形成するもよい。
上記のレバーガイド56にのぞむ畦クラッチレバー55を、リヤステップ52に取付けて、ブロック形態としてフロア18やサイドフロア51の後端部に着脱するため、メンテナンス性を高めることができる。
図1及び図13(a)(b)に示すように、サイドフロア5の外側下方に配置の昇降ステップ57を、サイドフロア51の外縁58から外側へ水平面状に張出形成し、この奥側に上側へ屈曲させた屈曲部59を形成する。この昇降ステップ57は、サイドフロア51下側に設けるハンガアーム60によって取付支持される。
運転者が乗るときは、足Aのつま先Bを奥側の屈曲部59にかけて上り易くし、また、降りるときは、外側に向いた態勢で足Aの踵Cで屈曲部59を踏つけないようにして降り易く構成する。
【符号の説明】
【0009】
1 ハンドル
2 前輪
3 後輪
4 車体
5 リフトリンク
6 植付装置
7 操向センサ
8 リヤアクスルハウジング
9 アクチュエータ
10 左右傾斜センサ
11 車速センサ
12 畦際センサ
13 施肥装置
14 排出シュート
42 センタピボット
43 角度センサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗用四輪走行形態の車体の後側に、多条植形態の植付装置を装着して植付作業を行う苗移植機において、後輪をローリングさせて走行姿勢を変更制御して水平に保つ水平制御装置を備えたものである。
【背景技術】
【0002】
車体の後側に連結する植付装置をローリング制御して、この多条植形態の植付装置を左右水平状の苗植姿勢に維持させる技術(例えば、特許文献1参照)がある。
【0003】
【特許文献1】特開2009−142296号公報(第6頁〜7頁、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、苗移植機が圃場端や畦際等で旋回する行程では、左右の後輪の旋回径の違いにより僅かに旋回内側方向に車体が傾斜するが、この旋回走行位置の土壌状態や、後側に多条植形態の幅広い植付装置を連結している形態等によって、この旋回軌跡が大きくなり、旋回時間が長くなってしまうため、旋回移動に時間がかかり作業能率が低下する問題や、旋回後に苗を植え付け始める位置合わせが行いにくく、苗の植付精度が低下する問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、前記車体(4)の後部に中央回動軸(42)を中心に左右方向に回動するローリング機枠(41)を設け、該ローリング機枠(41)の両端部に前記後輪(3,3)に回転駆動力を供給する後輪伝動ケース(8,8)を設け、前記ローリング機枠(41)を回動させる回動アクチュエータ(9)を設け、前記ハンドル(1)の操舵角度を検出する操舵角度検出部材(7)を設け、該操舵角度検出部材(7)の検出した操舵角度から旋回内側を判別して前記回動アクチュエータ(9)を伸張または収縮させて車体(4)の旋回内側が低位となる側にローリング機枠(41)を回動させて傾斜姿勢とする構成としたことを特徴とする苗移植機とした。
請求項2に記載の発明は、前記車体(4)にローリング機枠(41)の傾斜角度を検出するローリング角度検出部材(10)を設け、該ローリング角度検出部材(10)が設定した上限値よりも大きな角度を検出すると前記回動アクチュエータ(9)の伸縮作動を停止させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機とした。
請求項3に記載の発明は、車体(4)の走行速度を検出する速度検出部材(11)を設け、該速度検出部材(11)が設定上限以上の速度を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御を行なうと共に、設定下限未満の速度を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を遅くする制御を行なう構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機とした。
請求項4に記載の発明は、前記車体(4)が畦際で植付作業を行っていることを検出する畦際検知部材(12)を設け、該畦際検知部材(12)が畦際を検出すると前記回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御を行なうことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機とした。
請求項5に記載の発明は、前記車体(4)に施肥装置(13)を設け、該施肥装置(13)に残留する肥料を排出する排出シュート(14)を設け、該排出シュート(14)を操作すると回動アクチュエータ(9)を伸縮させて前記施肥装置(13)の肥料取出側に車体(4)を傾斜させる構成としたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の苗移植機とした。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明は、左右の後輪(3,3)を中央回動軸(42)を中心に左右方向に回動自在なローリング機枠(41)に設けたことにより、圃場に凹凸があり車体(4)の左右高さが異なることがあっても、左右の後輪(3,3)の上下位置に合わせてローリング機枠(41)が回動して車体(4)を水平にするため、作業者は安定した姿勢で車体(4)に乗ることができるので、作業能率が向上する。
また、ローリング機枠(41)を回動させる回動アクチュエータ(9)を設け、旋回時に作業者が前輪(2,2)を操舵させるハンドル(1)の操舵角度を検出する操舵角度検出部材(7)を設け、この操舵角度検出部材(7)の検出角度から車体(4)の左右どちら側が旋回内側かを判断して回動アクチュエータ(9)伸張または収縮させる構成としたことにより、旋回時に車体(4)の旋回内側を旋回外側よりも大幅に下方に位置させることができるので、車体(4)の旋回時の姿勢が安定するため、作業者の乗り心地が良く作業者の労力が軽減される。
そして、圃場の土質がぬかるむ様な土質であっても車体(4)は旋回内側に向かって傾斜する姿勢であるため、旋回がスムーズに行なわれるため、旋回動作にかかる時間を短縮することができるので、作業能率が向上する。
さらに、旋回時の土の抵抗が車体(4)の出力に拮抗、あるいは上回って旋回姿勢を乱し、次の条の植付開始位置からずれた位置に旋回してしまうことが防止されるので、苗の植付位置が揃うことにより、苗の植付精度が向上する。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、ローリング機枠(41)の傾斜角度を検出するローリング角度検出部材(10)を設け、ローリング角度検出部材(10)が設定した上限値よりも大きな角度を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮作動が停止する構成としたことにより、旋回時に車体(4)の旋回外側が上方移動し過ぎて傾斜角度が極端に大きくなることを防止できるので、旋回時の機体バランスが向上してスムーズな旋回が行なわれるため、作業能率が向上する。
また、機体に搭乗する作業者が過剰な傾斜による不安定さを感じることがないので、作業者の労力が軽減される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、車体(4)に設けた速度検出部材(11)が設定上限以上の速度を検出すると、回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御を行なう構成としたことにより、高速走行中に圃場の凹凸にさしかかった場合、ローリング機枠(41)が左右方向に回動して凹凸を検出するとすぐに回動アクチュエータ(9)が伸縮して車体(4)を迅速に水平状態にすることができるので、車体(4)の走行姿勢が安定し、苗の植付精度が向上する。
また、旋回動作を高速で行なう場合に、姿勢変更速度を追従させることができるので、旋回時の機体バランスが向上してスムーズな旋回が行なわれるため、作業能率が向上する。
そして、速度検出部材(11)が設定下限未満の速度を検出すると、回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を遅くする制御を行なう構成としたことにより、回動アクチュエータ(9)の作動による機体の揺れを防止することができるので、作業者が不快感を覚えにくく、作業者の労力が軽減される。
さらに、圃場に小さな凹凸が多い場合、凹凸がある度に回動アクチュエータ(9)が伸縮することを防止できるので、頻繁に車体(4)の姿勢が変わることが防止されるため、機体の揺れがさらに防止される。
そして、旋回動作を低速で行なう場合に、姿勢変更速度を追従させることができるので、旋回時の機体バランスが向上してスムーズな旋回が行なわれるため、作業能率が向上する。
請求項4に記載の発明は、車体(4)に車体(4)が畦際で作業しているか否かを判断する畦際検知部材(12)を設け、この畦際検知部材(12)が畦際での作業を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御が行なわれることにより、凹凸の多い畦際で作業する際、車体(4)を迅速に水平状態にすることができるので、車体(4)の走行姿勢が安定すると共に、苗の植付深さが安定するため、作業能率や苗の植付精度が向上する。
請求項5に記載の発明は、施肥装置(13)に残っている肥料を排出する排出シュート(14)を設け、この排出シュート(14)を操作すると回動アクチュエータ(9)が伸縮動作して車体(4)を施肥装置(13)の肥料取出側に傾斜させる構成としたことにより、施肥装置内の肥料を効率的に排出することができるので、作業能率が向上すると共に、メンテナンス性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の平面図
【図3】苗移植機の車体部背面図
【図4】苗移植機の車体ローリング制御部のブロック図
【図5】旋回操向行程におけるローリング制御のフローチャート
【図6】植付作業行程におけるローリング制御のフローチャート
【図7】車速検出によりアクチュエータ作動速制御のフローチャート
【図8】畦際センサの検出によるアクチュエータ作動速制御のフローチャート
【図9】残留肥料排出時のローリング制御のフローチャート
【図10】苗移植機のフロア部の平面図
【図11】苗移植機の側面図
【図12】苗移植機の正面図
【図13】(a) 昇降ステップ部の乗車時の作用状態を示す正面図(b) 昇降ステップ部の降車時の作用状態を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜図9で示すように、車体4は、前側に左右一対の前輪2,2を設け、後側に左右の後輪3,3を設けると共に、運転席15上から前側のハンドル1を操作して、前輪2を操向しながら走行する乗用四輪走行形態のトラクタを構成する。
エンジン16は、運転席15下のエンジンカバー17内に搭載し、フロア18下側の油圧無段変速装置19、及びミッションケース20の伝動機構を介して、フロントアクスルハウジング21の左右両側に軸装の前輪2、及びリヤアクスルハウジング8の左右両側に軸装の後輪3を伝動回転する。
この車体4の後端部のリヤフレーム22上に施肥タンク23や、肥料を繰出す繰出装置24、この繰出装置24から繰出された肥料を搬送案内する施肥筒25、この施肥筒25へ送風するブロワー26、及び施肥作業後に前記繰出装置24や施肥タンク23などに残留した肥料を取出して横方向へ搬送案内する排出シュート14等を設けて施肥装置13を構成する。
前記施肥筒25には各苗植付条毎に連通する施肥ホース27を設けて、後側の植付装置6の各苗植付位置の土壌面へ施肥案内する。
前記リヤフレーム22には平行リンク形態のリフトリンク5が上下回動自在に設けられて、リフトシリンダ28の伸縮によって昇降される。このリフトリンク5の後端のヒッチリンク29に、ローリング軸30周りにローリング自在にして、苗植フレーム31の中央部が連結支持される。この苗植フレーム31の下部にセンターフロート32と、この左右両側のサイドフロート33,33を配置して、植付装置6を土壌面に滑走支持する。
また、苗植フレーム31の上方には前下り傾斜の多条植形態の苗タンク34を支持して、左右横方向へ往復移動する形態としている。この苗タンク34に後下端部には、苗植付爪35を有する苗植付装置36を設けて、この苗植付爪35を各苗タンク34のマット苗繰出部の苗取口37に作用させるように、側面視楕円形状の苗植軌跡線Dを描いて昇降することにより、センターフロート32及び左右のサイドフロート33,33で均平された土壌面に挿苗することができる。
前記センターフロート32及び左右のサイドフロート33,33の前側には、代掻ロータ38を設け、センターフロート32及び左右のサイドフロート33,33が滑走する土壌面をこの代掻ロータ38で予め掻き均す。これら植付装置6や、代掻ロータ38の伝動は、車体4側のミッションケース20側から出力されるPTO軸39や、前記リヤアクスルハウジング8内の伝動機構から出力される連動軸40等を介して伝動構成する。
前記車体4後部のリヤアクスルハウジング8は、センタケース41部の左右両端部に一体として取付けられて、このセンタケース41部の中央部を、車体4の後端部のセンタピボット42の周りに回動自在に軸受けして連結している。
このセンタケース41の一側部とリヤフレーム22上部との間に伸縮シリンダからなるアクチュエータ9を連結して、このアクチュエータ9を油圧回路から供給される油圧力により伸縮することによって、車体4に対してセンタケース41をセンタピボット42の周りに回動させて、これら車体4と、リヤアクスルハウジング8のセンタケース41部との間の相対的支持角度を調節制御するものである。
そして、リヤフレーム22の上端には車体4の左右傾斜(及び水平)角を検出する左右傾斜センサ10を設け、センタピボット42上の車体4部には、このセンタピボット42周りに回動するリヤアクスルハウジング8の回動角を検出するポテンショメータからなる角度センサ43を設けている。
左右の後輪3,3が同じ高さの土壌耕盤面に接地支持されるときリヤアクスルハウジング8は左右方向に水平状態であり、このとき車体4がアクチュエータ9の伸縮によって作動されて水平状態であれば、左右傾斜センサ10が水平角を検出することとなる。また、これら車体4とリヤアクスルハウジング8との間の、センタピボット42周りの回動角度を角度センサ43によって検出することができる。
前記リヤアクスルハウジング8は、センタケース41部を介して左右両側部に連結された形態で、各リヤアクスルハウジング8の外側に軸装する後輪3の車軸44は、前記ミッションケース20から取出されて、自在継手や伸縮軸等を有した左右の連動軸45を介して連動される。そして、このリヤアクスルハウジング8、及びセンタケース41部がセンタピボット42周りに回動しても、常時左右の後輪3,3や、この後側に配置の代掻ロータ38の連動軸40等を伝動することができる状態に構成する。
前記車体4と、左右両側端に後輪3を有するリヤアクスルハウジング8との相対的回動により車体4の支持角度を変更するように作動する車体4のローリング制御において、コントローラ46の入力側には、前記ハンドル1によって操向される前輪2の操向角を検出する操向センサ7や、前記車体4の左右方向の傾斜や水平状態等を検出する左右傾斜センサ10、リヤアクスルハウジング8内の伝動機等の回転から後輪3の回転数や車速を検出する車速センサ11、植付装置6の横端部から超音波や、赤外線等を発信させて畦際との間隔を検出する畦際センサ12、及びセンタピボット42周りの車体4、乃至リヤアクスルハウジング8の回動角を検出する角度センサ43等を配置する。
また、このコントローラ46の出力側には、油圧回路のソレノイドバルブを設けて、このソレノイドバルブの切り替えによって、アクチュエータ9である油圧シリンダを伸縮作動させる。
そして、前記車体4のローリング制御は、車体4を植付作業時等において左右水平状に維持制御する水平制御モードと、苗の植付条の終端部で折返旋回操向行程において、車体4をこの旋回操向側へ向けて傾斜するように制御する傾斜制御モードとがある。
前記コントローラ46では、通常時は前記水平制御モードガ行われるように設定されていて、操向センサ7が旋回操向角を検出することによって傾斜制御モードが行われるように制御モードスイッチが自動的に切り替えられる。また、これらの制御モードの切替は、人為的切替スイッチを設けて、植付作業状態に応じて選択操作することもできる。
前記車体4を左右水平姿勢に維持する水平制御モードでは、苗移植機の植付作業行程で、土壌面の凹凸等によって車体4が左右一側へ大きく傾斜すると、左右傾斜センサ10による検出によって、アクチュエータ9を伸縮させて車体4をセンタケース41のセンタピボット42周りに傾斜状態から左右水平状態へローリング回動させる構成としている。
この回動角度は、前記フィードバック制御用としての角度センサ44により所定の角度回動したことを検出し、又は、この左右傾斜センサ10が水平状態を検出すること等によって、このローリング制御を停止して車体4の水平位置が維持される。
また、前記車体4を旋回操向行程において旋回側へ傾斜させる傾斜モードでは、操向センサ7が一定以上の操向角度を検出することによって、このローリング制御モードが傾斜モードに切り替えられて、前記アクチュエータ9が伸縮作動して、車体4がセンタケース41のセンタピボット42周りに旋回操向側へ向けて所定角度回動されて傾斜される。
この車体4の回動角度、または傾斜角度は、角度センサ43あるいは左右傾斜センサ10の検出によって制御される。
図10〜図12に示すように、前記エンジンカバー17及びハンドルポスト50の間にわたって設けるフロア18、及びこの左右両側方に広く形成するサイドフロア51の後端に、適宜高位に設定のリヤステップ52をボルト、ナット等の連結具53で着脱可能に連結し、これらサイドステップ51の後端のリヤステップ52との間に形成される段差部54に、一部の苗植条の苗植クラッチを入り、切りするための畦クラッチレバー55のレバーガイド56を形成する。
該各畦クラッチレバー55はリヤステップ52の下側に取付けて、各畦クラッチレバー55の先端部を段差部54のレバーガイド56から前側へ突出させて配置している。
また、前記レバーガイド56を、リヤステップ52と一体成形する段差部54に形成するもよい。
上記のレバーガイド56にのぞむ畦クラッチレバー55を、リヤステップ52に取付けて、ブロック形態としてフロア18やサイドフロア51の後端部に着脱するため、メンテナンス性を高めることができる。
図1及び図13(a)(b)に示すように、サイドフロア5の外側下方に配置の昇降ステップ57を、サイドフロア51の外縁58から外側へ水平面状に張出形成し、この奥側に上側へ屈曲させた屈曲部59を形成する。この昇降ステップ57は、サイドフロア51下側に設けるハンガアーム60によって取付支持される。
運転者が乗るときは、足Aのつま先Bを奥側の屈曲部59にかけて上り易くし、また、降りるときは、外側に向いた態勢で足Aの踵Cで屈曲部59を踏つけないようにして降り易く構成する。
【符号の説明】
【0009】
1 ハンドル
2 前輪
3 後輪
4 車体
5 リフトリンク
6 植付装置
7 操向センサ
8 リヤアクスルハウジング
9 アクチュエータ
10 左右傾斜センサ
11 車速センサ
12 畦際センサ
13 施肥装置
14 排出シュート
42 センタピボット
43 角度センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル(1)によって操向する左右一対の前輪(2,2)と、駆動回転される左右一対の後輪(3,3)を配置する乗用四輪走行形態の車体(4)の後側にリフトリンク(5)を介して多条植形態の植付装置(6)を左右回動自在に設けた苗移植機において、
前記車体(4)の後部に中央回動軸(42)を中心に左右方向に回動するローリング機枠(41)を設け、該ローリング機枠(41)の両端部に前記後輪(3,3)に回転駆動力を供給する後輪伝動ケース(8,8)を設け、前記ローリング機枠(41)を回動させる回動アクチュエータ(9)を設け、前記ハンドル(1)の操舵角度を検出する操舵角度検出部材(7)を設け、該操舵角度検出部材(7)の検出した操舵角度から旋回内側を判別して前記回動アクチュエータ(9)を伸張または収縮させて車体(4)の旋回内側が低位となる側にローリング機枠(41)を回動させて傾斜姿勢とする構成としたことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
前記車体(4)にローリング機枠(41)の傾斜角度を検出するローリング角度検出部材(10)を設け、該ローリング角度検出部材(10)が設定した上限値よりも大きな角度を検出すると前記回動アクチュエータ(9)の伸縮作動を停止させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
車体(4)の走行速度を検出する速度検出部材(11)を設け、該速度検出部材(11)が設定上限以上の速度を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御を行なうと共に、設定下限未満の速度を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を遅くする制御を行なう構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機。
【請求項4】
前記車体(4)が畦際で植付作業を行っていることを検出する畦際検知部材(12)を設け、該畦際検知部材(12)が畦際を検出すると前記回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御を行なうことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機。
【請求項5】
前記車体(4)に施肥装置(13)を設け、該施肥装置(13)に残留する肥料を排出する排出シュート(14)を設け、該排出シュート(14)を操作すると回動アクチュエータ(9)を伸縮させて前記施肥装置(13)の肥料取出側に車体(4)を傾斜させる構成としたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の苗移植機。
【請求項1】
ハンドル(1)によって操向する左右一対の前輪(2,2)と、駆動回転される左右一対の後輪(3,3)を配置する乗用四輪走行形態の車体(4)の後側にリフトリンク(5)を介して多条植形態の植付装置(6)を左右回動自在に設けた苗移植機において、
前記車体(4)の後部に中央回動軸(42)を中心に左右方向に回動するローリング機枠(41)を設け、該ローリング機枠(41)の両端部に前記後輪(3,3)に回転駆動力を供給する後輪伝動ケース(8,8)を設け、前記ローリング機枠(41)を回動させる回動アクチュエータ(9)を設け、前記ハンドル(1)の操舵角度を検出する操舵角度検出部材(7)を設け、該操舵角度検出部材(7)の検出した操舵角度から旋回内側を判別して前記回動アクチュエータ(9)を伸張または収縮させて車体(4)の旋回内側が低位となる側にローリング機枠(41)を回動させて傾斜姿勢とする構成としたことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
前記車体(4)にローリング機枠(41)の傾斜角度を検出するローリング角度検出部材(10)を設け、該ローリング角度検出部材(10)が設定した上限値よりも大きな角度を検出すると前記回動アクチュエータ(9)の伸縮作動を停止させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
車体(4)の走行速度を検出する速度検出部材(11)を設け、該速度検出部材(11)が設定上限以上の速度を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御を行なうと共に、設定下限未満の速度を検出すると回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を遅くする制御を行なう構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機。
【請求項4】
前記車体(4)が畦際で植付作業を行っていることを検出する畦際検知部材(12)を設け、該畦際検知部材(12)が畦際を検出すると前記回動アクチュエータ(9)の伸縮速度を速くする制御を行なうことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機。
【請求項5】
前記車体(4)に施肥装置(13)を設け、該施肥装置(13)に残留する肥料を排出する排出シュート(14)を設け、該排出シュート(14)を操作すると回動アクチュエータ(9)を伸縮させて前記施肥装置(13)の肥料取出側に車体(4)を傾斜させる構成としたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の苗移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−95557(P2012−95557A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244184(P2010−244184)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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