配線基板、モールド及び配線基板の製造方法
【課題】凹パターンに導電材料が充填されてなるランド部において、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンに凹みなく導電材料が充填されており、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板を提供する。
【解決手段】本発明の配線基板は、樹脂材料からなる基板2と、前記基板の一面側に設けられた凹パターン3A(3)と、前記凹パターンに導電材料5が充填されてなる導電部と、を備えた配線基板1であって、前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部4を有すること、を特徴とする。
【解決手段】本発明の配線基板は、樹脂材料からなる基板2と、前記基板の一面側に設けられた凹パターン3A(3)と、前記凹パターンに導電材料5が充填されてなる導電部と、を備えた配線基板1であって、前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部4を有すること、を特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板、モールド及び配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品が小型化、薄型化、高密度化によって軽薄短小化する趨勢にあり、このような電子製品に搭載して用いられる配線基板にも小型化が求められている。前記の配線基板への要求を満たすべく、図20に示すような、ダマシンプロセスを用いた配線形成工程を含む配線基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この方法では、配線形成工程において、下層配線層110上に形成された層間絶縁層111に[図20(a)参照]、下層配線層110に達するビアホールVHを形成すると、ビアホールVHの内底部にスミアSMが生じる[図20(b)参照]。このスミアSMを除去した後[図20(c)参照]、層間絶縁層111上に、ビアホールVHの上方に位置する所要の配線パターンの形状に従う開口部(配線溝)OPを有するように感光性永久レジスト層112を形成する[図20(d)参照]。次に、全面にシード層113を形成し[図20(e)参照]、ビアホールVH及び開口部(配線溝)OPの内部を充填するようにしてシード層113上に導体層114を形成する[図20(f)参照]。その後、感光性永久レジスト層112が露出するまで導体層114の表面を研磨して平坦化し、配線パターン115を形成する[図20(g)参照]。
この場合、ビアホールとランドとの積層時に位置ずれがあるため、ビア径(ビアホールの径)よりランド径を積層精度以上に大きく設ける必要がある。
【0004】
しかしながら、前述した製造方法では、図21に示すように、樹脂基板に形成されるビアホール120やランド部121の深さや開口面積が異なる場合、表面に均一な厚さのめっき層を形成することが難しく、導電部122に凹みが発生してしまうという問題が発生する。
特に、図21(b)に示すように、広い(アスペクト比の低い)ランド部へ導電材料を充填する際に、凹みが発生し表面を平坦にすることができないため、研磨することにより平坦化する必要がある。この際、表面の研磨として、定盤研磨機にスラリー(slurry)を流すCMP(Chemical Mechanical Polishing)工法を用いる。
【0005】
しかしながら、このCMP工法は、設備投資、工程維持費および消耗品費などの費用が過度にかかって製品のコストをアップさせるという問題点がある。また、機械的研磨すると応力により樹脂が伸びるため、基板の寸法安定性が悪く、信頼性が十分でないという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−049804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、凹パターンに導電材料が充填されてなるランド部において、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンに凹みなく導電材料が充填されており、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、一面に設けられた凹パターンに導電材料を充填してランド部を形成する際に、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンに凹みなく導電材料を充填することが可能な基板を、インプリント法により形成することが可能な、モールドを提供することを第二の目的とする。
また、本発明は、基板に設けられた凹パターンに導電材料を充填してランド部を形成する際に、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンに凹みなく導電材料を充填することが可能であり、機械的研磨することなく導電部の表面を平坦化でき、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板を安定して製造することが可能な、配線基板の製造方法を提供することを第三の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の配線基板は、樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備えた配線基板であって、前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有すること、を特徴とする。
本発明の請求項2に記載の配線基板は、請求項1において、前記突起部の頂部は、前記導電材料に覆われていること、を特徴とする。
本発明の請求項3に記載の配線基板は、請求項1または2において、前記突起部は、板状に設けられていること、を特徴とする。
本発明の請求項4に記載の配線基板は、請求項1または2において、前記突起部は、柱状に設けられていること、を特徴とする。
本発明の請求項5に記載の配線基板は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記凹パターンの底面部から前記基板の他面側に、該基板を貫通して設けられた貫通孔と、前記貫通孔に導電材料が充填されてなる貫通配線を有すること、を特徴とする。
【0009】
本発明の請求項6に記載のモールドは、樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備え、前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有する配線基板をインプリント法により製造するために用いられるモールドであって、前記凹パターンに対応した形状の凸パターンと、前記凸パターンに設けられ、前記突起部に対応した形状の溝部と、が一面側に形成されてなること、を特徴とする。
【0010】
本発明の請求項7に記載の配線基板の製造方法は、樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備え、前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有する配線基板の製造方法であって、前記凹パターンに対応した形状の凸パターンと、前記凸パターンに設けられ、前記突起部に対応した形状の溝部と、が一面側に形成されてなるモールドを用い、可塑性を有する状態の前記樹脂材料に、前記モールドの一面側を対向させて、前記樹脂材料に前記モールドを押し当てる工程Aと、前記樹脂材料を固化させることにより、前記モールドのパターン形状を転写し、凹パターンと、前記凹パターンの底面部に、該底面部に対して凸状に設けられた突起部とを一面側に有する基板を形成する工程Bと、前記凹パターンに導電材料を充填して導電部を形成する工程Cと、を少なくとも順に備えたこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の配線基板は、樹脂材料からなる基板の一面に設けられた凹パターンと、該凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有しているので、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部において、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンにおいて、前記突起部の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、凹みなく導電材料が充填され、その表面が平坦なものとなる。
これにより広い凹パターンにおいても凹みなく導電材料が充填され、その表面が平坦なものとなる。その結果、本発明では、均一な厚さの(凹みの無い)導電部を有し、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板を提供することができる。
【0012】
本発明のモールドは、形成しようとする凹パターンに対応した形状の凸パターンと、前記凸パターンに設けられ、形成しようとする突起部に対応した形状の溝部と、が一面側に形成されてなるので、このモールドをインプリント法に用いることで、凹パターンと、前記凹パターンの底面部に、該底面部に対して凸状に設けられた突起部とを一面側に有する基板を簡便に形成することができる。このような基板は、前記凹パターンに導電材料を充填して導電部を形成する際に、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンにおいて、前記突起部の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、該凹パターンにおいても凹みなく導電材料を充填することが可能となる。
【0013】
また、本発明の配線基板の製造方法では、インプリント法により、凹パターンと、前記凹パターンの底面部に、該底面部に対して凸状に設けられた突起部とを一面側に有する基板を形成しているので(工程B)、前記凹パターンに導電材料を充填して導電部を形成する際に(工程C)、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンにおいて、前記突起部の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、該凹パターンに凹みなく導電材料を充填することが可能となる。これにより、機械的研磨することなく、エッチングのみにより導電部の表面を平坦化できる。また、機械的研磨を必要としないので応力により樹脂が伸びることがない。その結果、本発明では、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板を安定して製造することが可能な配線基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の配線基板の一例を模式的に示す断面図。
【図2】図1に示す配線基板において、ランド部を抜き出して示す上面図。
【図3】ランド部の他の例を示す上面図。
【図4】ランド部の他の例を示す上面図。
【図5】ランド部の他の例を示す上面図。
【図6】ランド部の他の例を示す断面図。
【図7】ランド部の他の例を示す断面図。
【図8】ランド部の他の例を示す断面図。
【図9】ランド部の他の例を示す断面図。
【図10】ランド部の他の例を示す断面図。
【図11】ランド部の他の例を示す断面図。
【図12】ランド部の他の例を示す断面図。
【図13】本発明のモールドの一例を模式的に示す断面図。
【図14】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図15】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図16】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図17】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図18】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図19】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図20】従来の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図21】従来の製造方法により製造された導電部の一例を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の配線基板、モールド及び配線基板の製造方法の好適な実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の配線基板の一例を模式的に示す断面図である。また、図2は、図1に示す配線基板において、ランド部を抜き出して示す上面図である。
この配線基板1は、樹脂材料からなる基板2と、前記基板2の一面2a側に設けられた凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3Aに導電材料5が充填されてなるランド部6と、を備える。また、配線基板1は、前記凹パターン3Aの底面部3aから前記基板2の他面2b側に該基板2を貫通して設けられた凹パターン3B(貫通孔)と、前記貫通孔3Bに導電材料5が充填されてなる貫通配線8、及び前記凹パターン3Cに導電材料5が充填されてなる配線部9を有する。基板2の他面2bには銅(Cu)等の金属箔10が配されており、貫通配線8と電気的に接続されている。
【0017】
基板2は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。また、基板2を成形する合成樹脂には、液晶ポリマー(LCP)等を用いてもよい。
【0018】
凹パターン3A,3B,3C(3)は、ランド部6を構成するものや、貫通配線8を構成するもの、配線部9を構成するものなど、それぞれのパターンに応じて異なる開口面積や深さを有している。
これらの凹パターン3A,3B,3C(3)に導電材料5が充填されることにより、ランド部6や貫通配線8、配線部9などの導電部を構成する。具体的には、例えば凹パターン3Aに導電材料5が充填されてランド部6を構成し、凹パターン3B(貫通孔)に導電材料5が充填されて貫通配線8を構成し、凹パターン3Cに導電材料5が充填されて配線部9を構成する。
【0019】
凹パターン3A,3B,3C(3)に充填される導電材料5としては、電気の良導体であれば特に制限は無く、例えば電気抵抗が低い銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、銀、錫等の他に、Au−Sn、Sn−Pb等の合金、あるいはSn基、Pb基、Au基、In基、Al基などのはんだ合金等の金属が利用できる。
【0020】
そして本発明の配線基板1は、図2に示すように、前記凹パターン3、特に凹パターン3Aの底面部3aに、前記樹脂材料からなり、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有すること、を特徴とする。これらの突起部4は、後述するインプリント法により、基板2と一体に形成されてなる。
本発明の配線基板1は、樹脂材料からなる基板2の一面2a側に設けられた凹パターン3Aと、該凹パターン3Aの底面部3aに、前記樹脂材料からなり、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有しているので、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターン3Aにおいて、前記突起部4の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、前記凹パターン3Aに導電材料5が充填されてなるランド部(導電部)6において、凹みなく導電材料5が充填され、その表面が平坦なものとなる。その結果、本発明の配線基板1は、均一な厚さの(凹みの無い)導電部を有し、寸法安定性がよく信頼性の高いものとなる。
【0021】
[変形例1]
ここで、図2に前示する例では、前記突起部4が壁状に形成されている場合を例として挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば図2では平面をなす板状の突起部4が複数、平行に配されているが、平面状に限らず、例えば図3に示すように、円弧状(曲面)をなす板状の突起部4が複数、同心円状に配されていてもよい。
[変形例2]
また、本発明において、突起部4は、板状ではなく、柱状とすることもできる。その場合、例えば図4に示すように角柱状としてもよいし、図5に示すように円柱状としてもよい。
[変形例3]
また、突起部4の形状や数、配置は特に限定されるものではなく、これらの例に限定されるものではなく、必要に応じて様々の形状、数、配置とすることができる。なお、本実施形態のように、ランド部6の底面部3aに接合する貫通配線8が設けられている場合、突起部4は貫通配線8(凹パターン3B)が設けられている領域を除いて設けられる。
【0022】
[変形例4]
また、本実施形態では、前記突起部4が、凹パターン3Aの底面部3aに対して垂直に設けられている場合を例として挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、凹パターン3Aの底面部3aに対して略垂直に設けられていてもよい。
【0023】
[変形例5]
また、本実施形態では、前記突起部4が、同じ幅(厚み)で形成されている場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、突起部4の幅(厚み)が異なってもよい。ただし、インプリント法による製造において、モールド20と樹脂の離型性を損なうものであってはならない。
【0024】
[変形例6]
また、本実施形態では、前記突起部4の先端部が平面である場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、突起部4の先端部を平面ではなく、図6に示すような曲面にしてもよいし、図7に示すように突起部4を錐形形状としてもよい。
【0025】
[変形例7]
図8〜12は、樹脂材料からなる基板の一面102aに凹パターン103Aが設けられてなる配線基板101の断面図である。凹パターンの内底面103aには突起部104が形成されており、突起部104の頂部が導電材料105に覆われている点が、本実施形態と異なる。
本実施形態では、凹パターン103Aの開口部を向いた突起部4の先端が、凹パターンの内底面103aから見て、基板102の一面102aとほぼ同じ高さにある場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、図8〜12に示すように突起部104はその先端が、凹パターンの内底面103aから見て、基板102の一面102aよりも低い位置にあって、導電材料105に覆われている。
なお、突起部104の形状に関する制限はなく、例えば、凹パターン103Aの開口部を向いた突起部104の先端部は、図8に示すように平面となっていてもよいし、図11に示すように曲面となっていてもよい。あるいは、図9に示すように突起部104の全体が錐形形状となっていてもよいし、図10に示すように突起部104の先端部のみ錐形形状となっていてもよい。
凹パターンの内底面103aからの突起部104の高さは、凹パターン103Aに充填された導電材料105の表面が平坦となるように、凹パターン103A内部の各位置において、必要に応じて調整することができ、例えば、図12に示すように、中央の突起部が外側の突起部よりも高く形成されていてもよい。
【0026】
次に、本実施形態とその変形例1〜6に対応する配線基板1の製造方法について説明する。
図14は、図1に示した本実施形態の配線基板の製造方法を、工程順に示す断面図である。
本実施形態の配線基板の製造方法は、可塑性を有する状態の樹脂材料2Aに、前記モールド20の一面20a側を対向させて、樹脂材料2Aに前記モールド20を押し当てる工程Aと、前記樹脂材料2Aを固化させることにより、前記モールド20のパターン形状を転写し、凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3Aの底面部3aに、該底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4とを一面2a側に有する基板2を形成する工程Bと、前記凹パターン3に導電材料5を充填して導電部を形成する工程Cと、を少なくとも順に備えたこと、を特徴とする。
【0027】
本発明では、インプリント法により凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3Aの底面部3aに、該底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4とを一面2a側に有する基板2を形成しているので(工程B)、前記凹パターン3A,3B,3C(3)に導電材料5を充填して導電部(ランド部6や貫通配線8、配線部9)を形成する際に(工程C)、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターン3Aにおいて、前記突起部4の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、前記凹パターン3Aに凹みなく導電材料5を充填することが可能となる。これにより、機械的研磨することなく、エッチングのみにより導電部の表面を平坦化できる。また、機械的研磨を必要としないので応力により樹脂が伸びることがない。その結果、本発明の配線基板1の製造方法では、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板1を安定して製造することが可能である。
以下、工程順に説明する。
【0028】
(1)まず、図14(a)(b)に示すように、可塑性を有する状態の前記樹脂材料2Aに、前記モールド20の一面20a側を対向させて、前記樹脂材料2Aに前記モールド20を押し当てる。
具体的には、形成しようとする凹パターン3の反転パターン(凸パターン21)を造形した原版(マスター)を用意し、該原版そのもの、あるいは前記原版に対して1回以上電鋳又はエンボス加工を繰返すことにより複製したものをモールド20(賦形型)として用いる。
【0029】
ここで、図13は、配線基板1をインプリント法により製造するために用いられるモールド20の一例を模式的に示す断面図である。
本発明のモールド20は、樹脂材料からなる基板2と、前記基板2の一面2aに設けられた凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3A,3B,3C(3)に導電材料5が充填されてなる導電部と、を備え、前記凹パターン3Aの底面部3aに、前記樹脂材料からなり、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有する配線基板1をインプリント法により製造するために用いられるものであって、前記凹パターン3A,3B,3C(3)に対応した形状の凸パターン21A,21B,21C(21)と、前記凸パターン21Aに設けられ、前記突起部4に対応した形状の溝部22と、が一面20a側に形成されてなること、を特徴とする。
【0030】
本発明のモールド20は、形成しようとする凹パターン3A,3B,3C(3)に対応した形状の凸パターン21A,21B,21C(21)と、前記凸パターン21Aに設けられ、形成しようとする突起部4に対応した形状の溝部22と、が一面20a側に形成されてなるので、このモールド20をインプリント法に用いることで、凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3Aの底面部3aに、該底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4とを一面2a側に有する基板2を簡便に形成することができる。このような基板2は、前記凹パターン3A,3B,3C(3)に導電材料5を充填して導電部を形成する際に、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターン3Aにおいて、前記突起部4の存在によりアスペクト比が見かけ上、高くなるため、該凹パターン3Aに凹みなく導電材料5を充填することが可能となる。
【0031】
そして、図14(a)に示すように、金属箔10上に、可塑性を有する状態の樹脂材料2Aを供給し、前記モールド20の一面20a側を対向させて、図20(a)に示すように、樹脂材料2Aにモールド20を押し当てる。
樹脂材料2Aとしては絶縁性樹脂が用いられる。絶縁性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。また、基板2を成形する合成樹脂には、液晶ポリマー(LCP)等を用いてもよい。
また、圧入(転写)条件として、具体的には、例えば250℃、0.25MPaとする。
【0032】
このとき、モールド20の凸パターン21Aに溝部22が形成されているので、樹脂材料2Aへの圧入をしやすくすることができる。
モールド20の凸パターン21に形成されている溝部22の形状は、形成しようとする配線基板1において、ランド部6に設けられる突起部4の形状に対応したものとなるが、溝部22のアスペクト比が高いと、後にモールド20を離型する際に、樹脂材料2Aがモールド20に付着するため、形成しようとする突起部4が板状をなす場合、溝部22のアスペクト比は5以下であることが好ましい。一方、形成しようとする突起部4が柱状の場合は、離形性が悪化するため溝部22のアスペクト比は3以下であることが好ましい。
【0033】
(2)そして、図14(c)に示すように、前記樹脂材料2Aを固化させることにより、前記モールド20のパターン形状を転写し、凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3Aの底面部3aに、該底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4とを一面2a側に有する基板2を形成する(工程B)。
その後、モールド20の離型を行なう。樹脂材料2Aにモールド20を押し当てた後、すぐに離型しても良いし、樹脂材料2Aをある程度固化させた後で離型しても良い。
これにより、図14(c)に示すように、樹脂からなる基板2の一面2a側に、凹パターン3及び突起部4が形成される。
この後、必要に応じて酸素プラズマなどの方法で、残膜除去を行ってもよい。
【0034】
(3)そして、図14(d)に示すように、前記凹パターン3に導電材料5を充填して導電部を形成する(工程C)。
前記基板2の一面2a上に、導電部(ランド部6や貫通配線8、配線部9)を形成する。具体的には、例えば凹パターン3Aに導電材料5が充填されてランド部6を構成し、凹パターン3B(貫通孔)に導電材料5が充填されて貫通配線8を構成し、凹パターン3Cに導電材料5が充填されて配線部9を構成する。
【0035】
導電部は、無電解めっきまたは電解めっきの他、導電性ペーストの印刷、スパッタ、蒸着などにより形成することができる。
なお、めっきにより導電部を形成する場合、基板2には直接電解めっきを施すことができないため、無電解めっきやスパッタなどによりシード層を形成した後で電解めっきを施して導電部を形成させる。
導電部形成工程において、凹パターン3A,3B,3C(3)の開口面積や深さの違いにより導電部の厚さにバラツキが発生する。そのため導電部の表面高さが少なくとも基板2の表面高さよりも高くなるように導電部を厚く形成させる。
【0036】
このとき、凹パターン3Aのように、アスペクト比の小さい(例えば0.6以下)の凹パターンの場合、ビアフィリングめっき液、PR(periodic−reverse)めっきなどのフィリングに有利なめっき液・方法を使っても、表面が平坦になるように導体を充填することが難しく、導電部(ランド部6)表面に凹みが生じてしまう問題があった。
これに対し本発明では、凹パターン3Aの底面部3aに、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有しているので、前記突起部4の存在により、凹パターン3Aのアスペクト比が見かけ上高くなる。すなわち、凹パターン3Aに突起部4を設けることにより めっき液中の添加剤が拡散律速性を示すため、底面部3aからのめっき成長が優先的に行われる。これにより該凹パターン3Aに凹みなく導電材料5を充填することが可能となり、めっき後の表面を平坦にすることができる。
【0037】
(3)次に、図14(e)に示すように、前記導電部の少なくとも一部が前記基板2の表面に露呈させるように、前記基板2の一面2a側に対して化学的エッチングを行う。
最後に、前記基板2の一面2a側に対して化学的エッチングを行い、前記導電部の少なくとも一部を前記基板2の表面に露呈させる。この時のエッチング液としては、例えば塩化銅、塩化鉄、アルカリエッチング液および過酸化水素/硫酸系エッチングなどを用いることができる。
本発明では、凹パターン3Aの底面部3aに、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有しているので、凹パターン3に凹みなく導電材料5を充填することができる。これにより機械的研磨することなく、エッチングのみにより導電部の表面を平坦化することができる。
【0038】
以上のようにして、図1に示したような配線基板1が得られる。
このようにして得られた配線基板1は、樹脂材料からなる基板2の一面2a側に設けられた凹パターン3A,3B,3C(3)と、該凹パターン3Aの底面部3aに、前記樹脂材料からなり、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有しているので、前記凹パターン3Aに導電材料5が充填されてなる導電部(ランド部6)において、広い凹パターン3Aにおいても凹みなく導電材料5が充填され、その表面が平坦なものとなる。
これにより厚みバラツキがなくなり、均一な厚さの(凹みの無い)導電部を有し、寸法安定性がよく優れた品質を有するものとなる。
【0039】
また、配線基板1は、図15(a)〜(d)に示すように、金属箔10をレジスト11を用いたフォトリソグラフィーによりパターニングし、塩化第2鉄などによりエッチングを行ってもよい。また、さらに基板2の両面または片面に保護層12を形成し、金属箔10を露出する開口部12aを設け、該開口部12aから露出した金属箔10上にはんだバンプ13を形成することもできる。
また、図16(a)〜(d)に示すように、配線基板1上に新たに樹脂材料2Aを供給し、上述したような凹パターン形成工程、導電層形成工程を所要の配線層数になるまで繰り返し、多層基板を形成することができる。
【0040】
次に、本実施形態の変形例7に対応する配線基板101の製造方法について説明する。
図17(e)に示した変形例7の配線基板の製造方法を、工程順に示す断面図である。
変形例7の配線基板の製造方法は、可塑性を有する状態の樹脂材料102Aに、モールド120の凹凸形状を有する側の面を対向させて、樹脂材料102Aにモールド120を押し当てる工程Dと、樹脂材料102Aを固化させることにより、モールド120のパターン形状を転写し、凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103Aの底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104と、を一面側に有する基板102を形成する工程Eと、凹パターン103A、103B、103Cに導電材料105を充填して導電部を形成する工程Cと、を少なくとも順に備えたこと、を特徴とする。
【0041】
変形例7では、インプリント法により凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103Aの底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104d(104)と、を一面102a側に有する基板102を形成しているので(工程B)、凹パターン103A、103B、103Cに導電材料105を充填して導電部(ランド部6や貫通配線8、配線部9)を形成する際に(工程C)、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターン103Aにおいて、突起部104の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、凹パターン103Aに凹みなく導電材料105を充填することが可能となる。これにより、機械的研磨することなく、エッチングのみにより導電部の表面を平坦化できる。また、機械的研磨を必要としないので応力により樹脂が伸びることがない。その結果、変形例7の配線基板101の製造方法でも、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板101を安定して製造することが可能である。
以下、工程順に説明する。
【0042】
(1)まず、図17(a)(b)に示すように、可塑性を有する状態の前記樹脂材料102Aに、モールド120の一面側を対向させて、樹脂材料102Aにモールド120を押し当てる。
具体的には、形成しようとする突起部のパターン(凸パターン)104a、104b、104c、104dの反転パターン(溝部124a、124b、124c、124d)を造形した原版(マスター)を用意し、原版そのもの、あるいは原版に対して1回以上電鋳又はエンボス加工を繰返すことにより複製したものをモールド120(賦形型)として用いる。
【0043】
変形例7に係る配線基板の製造に用いるモールド120は、樹脂材料からなる基板102と、基板102の一面102aに設けられた凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103A、103B、103Cに導電材料105が充填されてなる導電部と、を備え、凹パターン103Aの底面部103aに、樹脂材料からなり、底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104を有する配線基板101を、インプリント法により製造するために用いられるものである。凹パターン103A、103B、103Cに対応した形状の凸パターン121A、121B、121Cと、凸パターン121Aに設けられ、突起部104a、104b、104c、104dに対応した形状の溝部124a、124b、124c、124dが、一面120a側に形成されてなることを特徴とする。
【0044】
モールド120は、形成しようとする凹パターン103A、103B、103Cに対応した形状の凸パターン121A、121B、121Cと、凸パターン121Aに設けられ、形成しようとする突起部104a、104b、104c、104dに対応した形状の溝部124a、124b、124c、124dが、一面120a側に形成されてなるので、このモールド120をインプリント法に用いることにより、凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103Aの底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104dを一面102a側に有する基板102を簡便に形成することができる。このような基板102は、凹パターン103A、103B、103Cに導電材料5を充填して導電部を形成する際に、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターン3Aにおいて、前記突起部104の存在によりアスペクト比が見かけ上、高くなるため、凹パターン103Aに凹みなく導電材料105を充填することが可能となる。
【0045】
そして、図17(a)に示すように、金属箔110上に、可塑性を有する状態の樹脂材料102Aを供給し、樹脂材料102Aの金属箔110が配されていない一面102a側の面を、モールド120の凹凸形状を有する一面120a側の面に対向させて、図17(b)に示すように、樹脂材料102Aにモールド120を押し当てる。
樹脂材料102Aとしては絶縁性樹脂が用いられる。絶縁性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。また、基板2を成形する合成樹脂には、液晶ポリマー(LCP)等を用いてもよい。
また、圧入(転写)条件として、具体的には、例えば250℃、0.25MPaとする。
【0046】
このとき、モールド120の凸パターン121Aに溝部124a、124b、124c、124dが形成されているので、樹脂材料102Aへの圧入をしやすくすることができる。
モールド120の凸パターン121Aに形成されている溝部124a、124b、124c、124dの形状は、形成しようとする配線基板101において、ランド部に設けられる突起部104a、104b、104c、104dの形状に対応したものとなるが、溝部124a、124b、124c、124dのアスペクト比が高いと、後にモールド120を離型する際に、樹脂材料102Aがモールド120に付着しやすい。
これに対し、変形例7に係る配線基板の製造用のモールド120を用いた場合、基板102に形成される突起部104の先端は、凹パターンの底面部103aから見て、基板102の一面102aよりも低い位置となる。そのため、モールド120を基板102から容易に離型することができ、離型する際に、樹脂材料102Aがモールド120に付着するのを抑えることが可能となる。
【0047】
(2)そして、図17(c)に示すように、樹脂材料102Aを固化させることにより、モールド120のパターン形状を転写し、凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103Aの底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104dとを一面102a側に有する基板102を形成する(工程B)。
その後、モールド120の離型を行なう。樹脂材料102Aにモールド120を押し当てた後、すぐに離型しても良いし、樹脂材料102Aをある程度固化させた後で離型しても良い。
これにより、図17(c)に示すように、樹脂からなる基板102の一面102a側に、凹パターン103A、103B、103C及び突起部104a、104b、104c、104dが形成される。
この後、必要に応じて酸素プラズマなどの方法で、残膜除去を行ってもよい。
【0048】
(3)そして、図17(d)に示すように、凹パターン103A、103B、103Cに導電材料105を充填して導電部を形成する(工程C)。
基板102の一面102a上に、導電部(ランド部6や貫通配線8、配線部9)を形成する。具体的には、例えば凹パターン3Aに導電材料105が充填されてランド部6を構成し、凹パターン103B(貫通孔)に導電材料105が充填されて貫通配線8を構成し、凹パターン103Cに導電材料105が充填されて配線部9を構成する。
【0049】
導電部は、無電解めっきまたは電解めっきの他、導電性ペーストの印刷、スパッタ、蒸着などにより形成することができる。
なお、めっきにより導電部を形成する場合、基板102には直接電解めっきを施すことができないため、無電解めっきやスパッタなどによりシード層を形成した後で電解めっきを施して導電部を形成させる。
導電部形成工程において、凹パターン103A、103B、103Cの開口面積や深さの違いにより導電部の厚さにバラツキが発生する。そのため導電部の表面高さが少なくとも基板102の表面高さよりも高くなるように導電部を厚く形成させる。
【0050】
このとき、凹パターン103Aのように、アスペクト比の小さい(例えば0.6以下)の凹パターンの場合、ビアフィリングめっき液、PR(periodic−reverse)めっきなどのフィリングに有利なめっき液・方法を使っても、表面が平坦になるように導体を充填することが難しく、導電部(ランド部)表面に凹みが生じてしまう問題があった。
これに対し本発明では、凹パターン103A内に、凹パターン103Aの底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104dを有しているので、突起部104a、104b、104c、104dの存在により、凹パターン103Aのアスペクト比が見かけ上高くなる。すなわち、凹パターン103Aに突起部104a、104b、104c、104dを設けることにより、めっき液中の添加剤が拡散律速性を示すため、底面部からのめっき成長が優先的に行われる。これにより凹パターン103Aに凹みなく導電材料105を充填することが可能となり、めっき後の表面を平坦にすることができる。
【0051】
(3)次に、前記導電部の少なくとも一部が前記基板102の表面に露呈させるように、基板102の一面102a側に対して化学的エッチングを行う。
最後に、基板2の一面102a側に対して化学的エッチングを行い、前記導電部の少なくとも一部を基板102の表面に露呈させる。この時のエッチング液としては、例えば塩化銅、塩化鉄、アルカリエッチング液および過酸化水素/硫酸系エッチングなどを用いることができる。
本発明では、凹パターン103Aの底面部103aに、底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104dを有しているので、凹パターン103Aに凹みなく導電材料105を充填することができる。これにより機械的研磨することなく、エッチングのみにより導電部の表面を平坦化することができる。
【0052】
以上のようにして、図17(e)に示したような配線基板が得られる。
このようにして得られた配線基板101は、樹脂材料からなる基板102の一面102a側に設けられた凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103Aの底面部103aに、樹脂材料からなり、底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104dを有しているので、凹パターン103Aに導電材料105が充填されてなる導電部において、広い凹パターン103Aにおいても凹みなく導電材料105が充填され、その表面が平坦なものとなる。
これにより厚みバラツキがなくなり、均一な厚さの(凹みの無い)導電部を有し、寸法安定性がよく優れた品質を有するものとなる。
【0053】
また、図18(a)〜(d)に示すように、配線基板1上に新たに樹脂材料2Aを供給し、上述したような凹パターン形成工程、導電層形成工程を所要の配線層数になるまで繰り返し、多層基板を形成することができる。突起部104の頂部が導電材料105に覆われているため、貫通配線とランド部との電気的接続性を良好にすることができる。
【0054】
図19(a)は、異なる配線構造を有する配線基板201、231の断面を示している。配線基板231の貫通配線部の開口部233Bと配線基板201のランド部203Aとが、合金層211を挟んで接合されるように、図19(b)に示すように、配線基板201上に配線基板231を積層することにより、各配線基板同士が電気的に接続された多層基板250を得ることができる。
【0055】
以上、本発明の配線基板、モールド及び配線基板の製造方法について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、配線基板、モールド及び配線基板の製造方法に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 配線基板、2 基板、3A,3B,3C(3) 凹パターン、4 突起部、
5 導電材料、6 ランド部、8 貫通配線、9 配線部、10 金属箔、
20 モールド、21A,21B,21C(21) 凸パターン、22 溝部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板、モールド及び配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品が小型化、薄型化、高密度化によって軽薄短小化する趨勢にあり、このような電子製品に搭載して用いられる配線基板にも小型化が求められている。前記の配線基板への要求を満たすべく、図20に示すような、ダマシンプロセスを用いた配線形成工程を含む配線基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この方法では、配線形成工程において、下層配線層110上に形成された層間絶縁層111に[図20(a)参照]、下層配線層110に達するビアホールVHを形成すると、ビアホールVHの内底部にスミアSMが生じる[図20(b)参照]。このスミアSMを除去した後[図20(c)参照]、層間絶縁層111上に、ビアホールVHの上方に位置する所要の配線パターンの形状に従う開口部(配線溝)OPを有するように感光性永久レジスト層112を形成する[図20(d)参照]。次に、全面にシード層113を形成し[図20(e)参照]、ビアホールVH及び開口部(配線溝)OPの内部を充填するようにしてシード層113上に導体層114を形成する[図20(f)参照]。その後、感光性永久レジスト層112が露出するまで導体層114の表面を研磨して平坦化し、配線パターン115を形成する[図20(g)参照]。
この場合、ビアホールとランドとの積層時に位置ずれがあるため、ビア径(ビアホールの径)よりランド径を積層精度以上に大きく設ける必要がある。
【0004】
しかしながら、前述した製造方法では、図21に示すように、樹脂基板に形成されるビアホール120やランド部121の深さや開口面積が異なる場合、表面に均一な厚さのめっき層を形成することが難しく、導電部122に凹みが発生してしまうという問題が発生する。
特に、図21(b)に示すように、広い(アスペクト比の低い)ランド部へ導電材料を充填する際に、凹みが発生し表面を平坦にすることができないため、研磨することにより平坦化する必要がある。この際、表面の研磨として、定盤研磨機にスラリー(slurry)を流すCMP(Chemical Mechanical Polishing)工法を用いる。
【0005】
しかしながら、このCMP工法は、設備投資、工程維持費および消耗品費などの費用が過度にかかって製品のコストをアップさせるという問題点がある。また、機械的研磨すると応力により樹脂が伸びるため、基板の寸法安定性が悪く、信頼性が十分でないという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−049804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、凹パターンに導電材料が充填されてなるランド部において、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンに凹みなく導電材料が充填されており、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、一面に設けられた凹パターンに導電材料を充填してランド部を形成する際に、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンに凹みなく導電材料を充填することが可能な基板を、インプリント法により形成することが可能な、モールドを提供することを第二の目的とする。
また、本発明は、基板に設けられた凹パターンに導電材料を充填してランド部を形成する際に、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンに凹みなく導電材料を充填することが可能であり、機械的研磨することなく導電部の表面を平坦化でき、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板を安定して製造することが可能な、配線基板の製造方法を提供することを第三の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の配線基板は、樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備えた配線基板であって、前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有すること、を特徴とする。
本発明の請求項2に記載の配線基板は、請求項1において、前記突起部の頂部は、前記導電材料に覆われていること、を特徴とする。
本発明の請求項3に記載の配線基板は、請求項1または2において、前記突起部は、板状に設けられていること、を特徴とする。
本発明の請求項4に記載の配線基板は、請求項1または2において、前記突起部は、柱状に設けられていること、を特徴とする。
本発明の請求項5に記載の配線基板は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記凹パターンの底面部から前記基板の他面側に、該基板を貫通して設けられた貫通孔と、前記貫通孔に導電材料が充填されてなる貫通配線を有すること、を特徴とする。
【0009】
本発明の請求項6に記載のモールドは、樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備え、前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有する配線基板をインプリント法により製造するために用いられるモールドであって、前記凹パターンに対応した形状の凸パターンと、前記凸パターンに設けられ、前記突起部に対応した形状の溝部と、が一面側に形成されてなること、を特徴とする。
【0010】
本発明の請求項7に記載の配線基板の製造方法は、樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備え、前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有する配線基板の製造方法であって、前記凹パターンに対応した形状の凸パターンと、前記凸パターンに設けられ、前記突起部に対応した形状の溝部と、が一面側に形成されてなるモールドを用い、可塑性を有する状態の前記樹脂材料に、前記モールドの一面側を対向させて、前記樹脂材料に前記モールドを押し当てる工程Aと、前記樹脂材料を固化させることにより、前記モールドのパターン形状を転写し、凹パターンと、前記凹パターンの底面部に、該底面部に対して凸状に設けられた突起部とを一面側に有する基板を形成する工程Bと、前記凹パターンに導電材料を充填して導電部を形成する工程Cと、を少なくとも順に備えたこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の配線基板は、樹脂材料からなる基板の一面に設けられた凹パターンと、該凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有しているので、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部において、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンにおいて、前記突起部の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、凹みなく導電材料が充填され、その表面が平坦なものとなる。
これにより広い凹パターンにおいても凹みなく導電材料が充填され、その表面が平坦なものとなる。その結果、本発明では、均一な厚さの(凹みの無い)導電部を有し、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板を提供することができる。
【0012】
本発明のモールドは、形成しようとする凹パターンに対応した形状の凸パターンと、前記凸パターンに設けられ、形成しようとする突起部に対応した形状の溝部と、が一面側に形成されてなるので、このモールドをインプリント法に用いることで、凹パターンと、前記凹パターンの底面部に、該底面部に対して凸状に設けられた突起部とを一面側に有する基板を簡便に形成することができる。このような基板は、前記凹パターンに導電材料を充填して導電部を形成する際に、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンにおいて、前記突起部の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、該凹パターンにおいても凹みなく導電材料を充填することが可能となる。
【0013】
また、本発明の配線基板の製造方法では、インプリント法により、凹パターンと、前記凹パターンの底面部に、該底面部に対して凸状に設けられた突起部とを一面側に有する基板を形成しているので(工程B)、前記凹パターンに導電材料を充填して導電部を形成する際に(工程C)、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターンにおいて、前記突起部の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、該凹パターンに凹みなく導電材料を充填することが可能となる。これにより、機械的研磨することなく、エッチングのみにより導電部の表面を平坦化できる。また、機械的研磨を必要としないので応力により樹脂が伸びることがない。その結果、本発明では、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板を安定して製造することが可能な配線基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の配線基板の一例を模式的に示す断面図。
【図2】図1に示す配線基板において、ランド部を抜き出して示す上面図。
【図3】ランド部の他の例を示す上面図。
【図4】ランド部の他の例を示す上面図。
【図5】ランド部の他の例を示す上面図。
【図6】ランド部の他の例を示す断面図。
【図7】ランド部の他の例を示す断面図。
【図8】ランド部の他の例を示す断面図。
【図9】ランド部の他の例を示す断面図。
【図10】ランド部の他の例を示す断面図。
【図11】ランド部の他の例を示す断面図。
【図12】ランド部の他の例を示す断面図。
【図13】本発明のモールドの一例を模式的に示す断面図。
【図14】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図15】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図16】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図17】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図18】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図19】本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図20】従来の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図。
【図21】従来の製造方法により製造された導電部の一例を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の配線基板、モールド及び配線基板の製造方法の好適な実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の配線基板の一例を模式的に示す断面図である。また、図2は、図1に示す配線基板において、ランド部を抜き出して示す上面図である。
この配線基板1は、樹脂材料からなる基板2と、前記基板2の一面2a側に設けられた凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3Aに導電材料5が充填されてなるランド部6と、を備える。また、配線基板1は、前記凹パターン3Aの底面部3aから前記基板2の他面2b側に該基板2を貫通して設けられた凹パターン3B(貫通孔)と、前記貫通孔3Bに導電材料5が充填されてなる貫通配線8、及び前記凹パターン3Cに導電材料5が充填されてなる配線部9を有する。基板2の他面2bには銅(Cu)等の金属箔10が配されており、貫通配線8と電気的に接続されている。
【0017】
基板2は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。また、基板2を成形する合成樹脂には、液晶ポリマー(LCP)等を用いてもよい。
【0018】
凹パターン3A,3B,3C(3)は、ランド部6を構成するものや、貫通配線8を構成するもの、配線部9を構成するものなど、それぞれのパターンに応じて異なる開口面積や深さを有している。
これらの凹パターン3A,3B,3C(3)に導電材料5が充填されることにより、ランド部6や貫通配線8、配線部9などの導電部を構成する。具体的には、例えば凹パターン3Aに導電材料5が充填されてランド部6を構成し、凹パターン3B(貫通孔)に導電材料5が充填されて貫通配線8を構成し、凹パターン3Cに導電材料5が充填されて配線部9を構成する。
【0019】
凹パターン3A,3B,3C(3)に充填される導電材料5としては、電気の良導体であれば特に制限は無く、例えば電気抵抗が低い銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、銀、錫等の他に、Au−Sn、Sn−Pb等の合金、あるいはSn基、Pb基、Au基、In基、Al基などのはんだ合金等の金属が利用できる。
【0020】
そして本発明の配線基板1は、図2に示すように、前記凹パターン3、特に凹パターン3Aの底面部3aに、前記樹脂材料からなり、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有すること、を特徴とする。これらの突起部4は、後述するインプリント法により、基板2と一体に形成されてなる。
本発明の配線基板1は、樹脂材料からなる基板2の一面2a側に設けられた凹パターン3Aと、該凹パターン3Aの底面部3aに、前記樹脂材料からなり、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有しているので、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターン3Aにおいて、前記突起部4の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、前記凹パターン3Aに導電材料5が充填されてなるランド部(導電部)6において、凹みなく導電材料5が充填され、その表面が平坦なものとなる。その結果、本発明の配線基板1は、均一な厚さの(凹みの無い)導電部を有し、寸法安定性がよく信頼性の高いものとなる。
【0021】
[変形例1]
ここで、図2に前示する例では、前記突起部4が壁状に形成されている場合を例として挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば図2では平面をなす板状の突起部4が複数、平行に配されているが、平面状に限らず、例えば図3に示すように、円弧状(曲面)をなす板状の突起部4が複数、同心円状に配されていてもよい。
[変形例2]
また、本発明において、突起部4は、板状ではなく、柱状とすることもできる。その場合、例えば図4に示すように角柱状としてもよいし、図5に示すように円柱状としてもよい。
[変形例3]
また、突起部4の形状や数、配置は特に限定されるものではなく、これらの例に限定されるものではなく、必要に応じて様々の形状、数、配置とすることができる。なお、本実施形態のように、ランド部6の底面部3aに接合する貫通配線8が設けられている場合、突起部4は貫通配線8(凹パターン3B)が設けられている領域を除いて設けられる。
【0022】
[変形例4]
また、本実施形態では、前記突起部4が、凹パターン3Aの底面部3aに対して垂直に設けられている場合を例として挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、凹パターン3Aの底面部3aに対して略垂直に設けられていてもよい。
【0023】
[変形例5]
また、本実施形態では、前記突起部4が、同じ幅(厚み)で形成されている場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、突起部4の幅(厚み)が異なってもよい。ただし、インプリント法による製造において、モールド20と樹脂の離型性を損なうものであってはならない。
【0024】
[変形例6]
また、本実施形態では、前記突起部4の先端部が平面である場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、突起部4の先端部を平面ではなく、図6に示すような曲面にしてもよいし、図7に示すように突起部4を錐形形状としてもよい。
【0025】
[変形例7]
図8〜12は、樹脂材料からなる基板の一面102aに凹パターン103Aが設けられてなる配線基板101の断面図である。凹パターンの内底面103aには突起部104が形成されており、突起部104の頂部が導電材料105に覆われている点が、本実施形態と異なる。
本実施形態では、凹パターン103Aの開口部を向いた突起部4の先端が、凹パターンの内底面103aから見て、基板102の一面102aとほぼ同じ高さにある場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、図8〜12に示すように突起部104はその先端が、凹パターンの内底面103aから見て、基板102の一面102aよりも低い位置にあって、導電材料105に覆われている。
なお、突起部104の形状に関する制限はなく、例えば、凹パターン103Aの開口部を向いた突起部104の先端部は、図8に示すように平面となっていてもよいし、図11に示すように曲面となっていてもよい。あるいは、図9に示すように突起部104の全体が錐形形状となっていてもよいし、図10に示すように突起部104の先端部のみ錐形形状となっていてもよい。
凹パターンの内底面103aからの突起部104の高さは、凹パターン103Aに充填された導電材料105の表面が平坦となるように、凹パターン103A内部の各位置において、必要に応じて調整することができ、例えば、図12に示すように、中央の突起部が外側の突起部よりも高く形成されていてもよい。
【0026】
次に、本実施形態とその変形例1〜6に対応する配線基板1の製造方法について説明する。
図14は、図1に示した本実施形態の配線基板の製造方法を、工程順に示す断面図である。
本実施形態の配線基板の製造方法は、可塑性を有する状態の樹脂材料2Aに、前記モールド20の一面20a側を対向させて、樹脂材料2Aに前記モールド20を押し当てる工程Aと、前記樹脂材料2Aを固化させることにより、前記モールド20のパターン形状を転写し、凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3Aの底面部3aに、該底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4とを一面2a側に有する基板2を形成する工程Bと、前記凹パターン3に導電材料5を充填して導電部を形成する工程Cと、を少なくとも順に備えたこと、を特徴とする。
【0027】
本発明では、インプリント法により凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3Aの底面部3aに、該底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4とを一面2a側に有する基板2を形成しているので(工程B)、前記凹パターン3A,3B,3C(3)に導電材料5を充填して導電部(ランド部6や貫通配線8、配線部9)を形成する際に(工程C)、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターン3Aにおいて、前記突起部4の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、前記凹パターン3Aに凹みなく導電材料5を充填することが可能となる。これにより、機械的研磨することなく、エッチングのみにより導電部の表面を平坦化できる。また、機械的研磨を必要としないので応力により樹脂が伸びることがない。その結果、本発明の配線基板1の製造方法では、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板1を安定して製造することが可能である。
以下、工程順に説明する。
【0028】
(1)まず、図14(a)(b)に示すように、可塑性を有する状態の前記樹脂材料2Aに、前記モールド20の一面20a側を対向させて、前記樹脂材料2Aに前記モールド20を押し当てる。
具体的には、形成しようとする凹パターン3の反転パターン(凸パターン21)を造形した原版(マスター)を用意し、該原版そのもの、あるいは前記原版に対して1回以上電鋳又はエンボス加工を繰返すことにより複製したものをモールド20(賦形型)として用いる。
【0029】
ここで、図13は、配線基板1をインプリント法により製造するために用いられるモールド20の一例を模式的に示す断面図である。
本発明のモールド20は、樹脂材料からなる基板2と、前記基板2の一面2aに設けられた凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3A,3B,3C(3)に導電材料5が充填されてなる導電部と、を備え、前記凹パターン3Aの底面部3aに、前記樹脂材料からなり、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有する配線基板1をインプリント法により製造するために用いられるものであって、前記凹パターン3A,3B,3C(3)に対応した形状の凸パターン21A,21B,21C(21)と、前記凸パターン21Aに設けられ、前記突起部4に対応した形状の溝部22と、が一面20a側に形成されてなること、を特徴とする。
【0030】
本発明のモールド20は、形成しようとする凹パターン3A,3B,3C(3)に対応した形状の凸パターン21A,21B,21C(21)と、前記凸パターン21Aに設けられ、形成しようとする突起部4に対応した形状の溝部22と、が一面20a側に形成されてなるので、このモールド20をインプリント法に用いることで、凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3Aの底面部3aに、該底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4とを一面2a側に有する基板2を簡便に形成することができる。このような基板2は、前記凹パターン3A,3B,3C(3)に導電材料5を充填して導電部を形成する際に、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターン3Aにおいて、前記突起部4の存在によりアスペクト比が見かけ上、高くなるため、該凹パターン3Aに凹みなく導電材料5を充填することが可能となる。
【0031】
そして、図14(a)に示すように、金属箔10上に、可塑性を有する状態の樹脂材料2Aを供給し、前記モールド20の一面20a側を対向させて、図20(a)に示すように、樹脂材料2Aにモールド20を押し当てる。
樹脂材料2Aとしては絶縁性樹脂が用いられる。絶縁性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。また、基板2を成形する合成樹脂には、液晶ポリマー(LCP)等を用いてもよい。
また、圧入(転写)条件として、具体的には、例えば250℃、0.25MPaとする。
【0032】
このとき、モールド20の凸パターン21Aに溝部22が形成されているので、樹脂材料2Aへの圧入をしやすくすることができる。
モールド20の凸パターン21に形成されている溝部22の形状は、形成しようとする配線基板1において、ランド部6に設けられる突起部4の形状に対応したものとなるが、溝部22のアスペクト比が高いと、後にモールド20を離型する際に、樹脂材料2Aがモールド20に付着するため、形成しようとする突起部4が板状をなす場合、溝部22のアスペクト比は5以下であることが好ましい。一方、形成しようとする突起部4が柱状の場合は、離形性が悪化するため溝部22のアスペクト比は3以下であることが好ましい。
【0033】
(2)そして、図14(c)に示すように、前記樹脂材料2Aを固化させることにより、前記モールド20のパターン形状を転写し、凹パターン3A,3B,3C(3)と、前記凹パターン3Aの底面部3aに、該底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4とを一面2a側に有する基板2を形成する(工程B)。
その後、モールド20の離型を行なう。樹脂材料2Aにモールド20を押し当てた後、すぐに離型しても良いし、樹脂材料2Aをある程度固化させた後で離型しても良い。
これにより、図14(c)に示すように、樹脂からなる基板2の一面2a側に、凹パターン3及び突起部4が形成される。
この後、必要に応じて酸素プラズマなどの方法で、残膜除去を行ってもよい。
【0034】
(3)そして、図14(d)に示すように、前記凹パターン3に導電材料5を充填して導電部を形成する(工程C)。
前記基板2の一面2a上に、導電部(ランド部6や貫通配線8、配線部9)を形成する。具体的には、例えば凹パターン3Aに導電材料5が充填されてランド部6を構成し、凹パターン3B(貫通孔)に導電材料5が充填されて貫通配線8を構成し、凹パターン3Cに導電材料5が充填されて配線部9を構成する。
【0035】
導電部は、無電解めっきまたは電解めっきの他、導電性ペーストの印刷、スパッタ、蒸着などにより形成することができる。
なお、めっきにより導電部を形成する場合、基板2には直接電解めっきを施すことができないため、無電解めっきやスパッタなどによりシード層を形成した後で電解めっきを施して導電部を形成させる。
導電部形成工程において、凹パターン3A,3B,3C(3)の開口面積や深さの違いにより導電部の厚さにバラツキが発生する。そのため導電部の表面高さが少なくとも基板2の表面高さよりも高くなるように導電部を厚く形成させる。
【0036】
このとき、凹パターン3Aのように、アスペクト比の小さい(例えば0.6以下)の凹パターンの場合、ビアフィリングめっき液、PR(periodic−reverse)めっきなどのフィリングに有利なめっき液・方法を使っても、表面が平坦になるように導体を充填することが難しく、導電部(ランド部6)表面に凹みが生じてしまう問題があった。
これに対し本発明では、凹パターン3Aの底面部3aに、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有しているので、前記突起部4の存在により、凹パターン3Aのアスペクト比が見かけ上高くなる。すなわち、凹パターン3Aに突起部4を設けることにより めっき液中の添加剤が拡散律速性を示すため、底面部3aからのめっき成長が優先的に行われる。これにより該凹パターン3Aに凹みなく導電材料5を充填することが可能となり、めっき後の表面を平坦にすることができる。
【0037】
(3)次に、図14(e)に示すように、前記導電部の少なくとも一部が前記基板2の表面に露呈させるように、前記基板2の一面2a側に対して化学的エッチングを行う。
最後に、前記基板2の一面2a側に対して化学的エッチングを行い、前記導電部の少なくとも一部を前記基板2の表面に露呈させる。この時のエッチング液としては、例えば塩化銅、塩化鉄、アルカリエッチング液および過酸化水素/硫酸系エッチングなどを用いることができる。
本発明では、凹パターン3Aの底面部3aに、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有しているので、凹パターン3に凹みなく導電材料5を充填することができる。これにより機械的研磨することなく、エッチングのみにより導電部の表面を平坦化することができる。
【0038】
以上のようにして、図1に示したような配線基板1が得られる。
このようにして得られた配線基板1は、樹脂材料からなる基板2の一面2a側に設けられた凹パターン3A,3B,3C(3)と、該凹パターン3Aの底面部3aに、前記樹脂材料からなり、前記底面部3aに対して凸状に設けられた突起部4を有しているので、前記凹パターン3Aに導電材料5が充填されてなる導電部(ランド部6)において、広い凹パターン3Aにおいても凹みなく導電材料5が充填され、その表面が平坦なものとなる。
これにより厚みバラツキがなくなり、均一な厚さの(凹みの無い)導電部を有し、寸法安定性がよく優れた品質を有するものとなる。
【0039】
また、配線基板1は、図15(a)〜(d)に示すように、金属箔10をレジスト11を用いたフォトリソグラフィーによりパターニングし、塩化第2鉄などによりエッチングを行ってもよい。また、さらに基板2の両面または片面に保護層12を形成し、金属箔10を露出する開口部12aを設け、該開口部12aから露出した金属箔10上にはんだバンプ13を形成することもできる。
また、図16(a)〜(d)に示すように、配線基板1上に新たに樹脂材料2Aを供給し、上述したような凹パターン形成工程、導電層形成工程を所要の配線層数になるまで繰り返し、多層基板を形成することができる。
【0040】
次に、本実施形態の変形例7に対応する配線基板101の製造方法について説明する。
図17(e)に示した変形例7の配線基板の製造方法を、工程順に示す断面図である。
変形例7の配線基板の製造方法は、可塑性を有する状態の樹脂材料102Aに、モールド120の凹凸形状を有する側の面を対向させて、樹脂材料102Aにモールド120を押し当てる工程Dと、樹脂材料102Aを固化させることにより、モールド120のパターン形状を転写し、凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103Aの底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104と、を一面側に有する基板102を形成する工程Eと、凹パターン103A、103B、103Cに導電材料105を充填して導電部を形成する工程Cと、を少なくとも順に備えたこと、を特徴とする。
【0041】
変形例7では、インプリント法により凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103Aの底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104d(104)と、を一面102a側に有する基板102を形成しているので(工程B)、凹パターン103A、103B、103Cに導電材料105を充填して導電部(ランド部6や貫通配線8、配線部9)を形成する際に(工程C)、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターン103Aにおいて、突起部104の存在によりアスペクト比が見かけ上高くなるため、凹パターン103Aに凹みなく導電材料105を充填することが可能となる。これにより、機械的研磨することなく、エッチングのみにより導電部の表面を平坦化できる。また、機械的研磨を必要としないので応力により樹脂が伸びることがない。その結果、変形例7の配線基板101の製造方法でも、寸法安定性がよく信頼性の高い配線基板101を安定して製造することが可能である。
以下、工程順に説明する。
【0042】
(1)まず、図17(a)(b)に示すように、可塑性を有する状態の前記樹脂材料102Aに、モールド120の一面側を対向させて、樹脂材料102Aにモールド120を押し当てる。
具体的には、形成しようとする突起部のパターン(凸パターン)104a、104b、104c、104dの反転パターン(溝部124a、124b、124c、124d)を造形した原版(マスター)を用意し、原版そのもの、あるいは原版に対して1回以上電鋳又はエンボス加工を繰返すことにより複製したものをモールド120(賦形型)として用いる。
【0043】
変形例7に係る配線基板の製造に用いるモールド120は、樹脂材料からなる基板102と、基板102の一面102aに設けられた凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103A、103B、103Cに導電材料105が充填されてなる導電部と、を備え、凹パターン103Aの底面部103aに、樹脂材料からなり、底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104を有する配線基板101を、インプリント法により製造するために用いられるものである。凹パターン103A、103B、103Cに対応した形状の凸パターン121A、121B、121Cと、凸パターン121Aに設けられ、突起部104a、104b、104c、104dに対応した形状の溝部124a、124b、124c、124dが、一面120a側に形成されてなることを特徴とする。
【0044】
モールド120は、形成しようとする凹パターン103A、103B、103Cに対応した形状の凸パターン121A、121B、121Cと、凸パターン121Aに設けられ、形成しようとする突起部104a、104b、104c、104dに対応した形状の溝部124a、124b、124c、124dが、一面120a側に形成されてなるので、このモールド120をインプリント法に用いることにより、凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103Aの底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104dを一面102a側に有する基板102を簡便に形成することができる。このような基板102は、凹パターン103A、103B、103Cに導電材料5を充填して導電部を形成する際に、特に、広い(アスペクト比の低い)凹パターン3Aにおいて、前記突起部104の存在によりアスペクト比が見かけ上、高くなるため、凹パターン103Aに凹みなく導電材料105を充填することが可能となる。
【0045】
そして、図17(a)に示すように、金属箔110上に、可塑性を有する状態の樹脂材料102Aを供給し、樹脂材料102Aの金属箔110が配されていない一面102a側の面を、モールド120の凹凸形状を有する一面120a側の面に対向させて、図17(b)に示すように、樹脂材料102Aにモールド120を押し当てる。
樹脂材料102Aとしては絶縁性樹脂が用いられる。絶縁性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。また、基板2を成形する合成樹脂には、液晶ポリマー(LCP)等を用いてもよい。
また、圧入(転写)条件として、具体的には、例えば250℃、0.25MPaとする。
【0046】
このとき、モールド120の凸パターン121Aに溝部124a、124b、124c、124dが形成されているので、樹脂材料102Aへの圧入をしやすくすることができる。
モールド120の凸パターン121Aに形成されている溝部124a、124b、124c、124dの形状は、形成しようとする配線基板101において、ランド部に設けられる突起部104a、104b、104c、104dの形状に対応したものとなるが、溝部124a、124b、124c、124dのアスペクト比が高いと、後にモールド120を離型する際に、樹脂材料102Aがモールド120に付着しやすい。
これに対し、変形例7に係る配線基板の製造用のモールド120を用いた場合、基板102に形成される突起部104の先端は、凹パターンの底面部103aから見て、基板102の一面102aよりも低い位置となる。そのため、モールド120を基板102から容易に離型することができ、離型する際に、樹脂材料102Aがモールド120に付着するのを抑えることが可能となる。
【0047】
(2)そして、図17(c)に示すように、樹脂材料102Aを固化させることにより、モールド120のパターン形状を転写し、凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103Aの底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104dとを一面102a側に有する基板102を形成する(工程B)。
その後、モールド120の離型を行なう。樹脂材料102Aにモールド120を押し当てた後、すぐに離型しても良いし、樹脂材料102Aをある程度固化させた後で離型しても良い。
これにより、図17(c)に示すように、樹脂からなる基板102の一面102a側に、凹パターン103A、103B、103C及び突起部104a、104b、104c、104dが形成される。
この後、必要に応じて酸素プラズマなどの方法で、残膜除去を行ってもよい。
【0048】
(3)そして、図17(d)に示すように、凹パターン103A、103B、103Cに導電材料105を充填して導電部を形成する(工程C)。
基板102の一面102a上に、導電部(ランド部6や貫通配線8、配線部9)を形成する。具体的には、例えば凹パターン3Aに導電材料105が充填されてランド部6を構成し、凹パターン103B(貫通孔)に導電材料105が充填されて貫通配線8を構成し、凹パターン103Cに導電材料105が充填されて配線部9を構成する。
【0049】
導電部は、無電解めっきまたは電解めっきの他、導電性ペーストの印刷、スパッタ、蒸着などにより形成することができる。
なお、めっきにより導電部を形成する場合、基板102には直接電解めっきを施すことができないため、無電解めっきやスパッタなどによりシード層を形成した後で電解めっきを施して導電部を形成させる。
導電部形成工程において、凹パターン103A、103B、103Cの開口面積や深さの違いにより導電部の厚さにバラツキが発生する。そのため導電部の表面高さが少なくとも基板102の表面高さよりも高くなるように導電部を厚く形成させる。
【0050】
このとき、凹パターン103Aのように、アスペクト比の小さい(例えば0.6以下)の凹パターンの場合、ビアフィリングめっき液、PR(periodic−reverse)めっきなどのフィリングに有利なめっき液・方法を使っても、表面が平坦になるように導体を充填することが難しく、導電部(ランド部)表面に凹みが生じてしまう問題があった。
これに対し本発明では、凹パターン103A内に、凹パターン103Aの底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104dを有しているので、突起部104a、104b、104c、104dの存在により、凹パターン103Aのアスペクト比が見かけ上高くなる。すなわち、凹パターン103Aに突起部104a、104b、104c、104dを設けることにより、めっき液中の添加剤が拡散律速性を示すため、底面部からのめっき成長が優先的に行われる。これにより凹パターン103Aに凹みなく導電材料105を充填することが可能となり、めっき後の表面を平坦にすることができる。
【0051】
(3)次に、前記導電部の少なくとも一部が前記基板102の表面に露呈させるように、基板102の一面102a側に対して化学的エッチングを行う。
最後に、基板2の一面102a側に対して化学的エッチングを行い、前記導電部の少なくとも一部を基板102の表面に露呈させる。この時のエッチング液としては、例えば塩化銅、塩化鉄、アルカリエッチング液および過酸化水素/硫酸系エッチングなどを用いることができる。
本発明では、凹パターン103Aの底面部103aに、底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104dを有しているので、凹パターン103Aに凹みなく導電材料105を充填することができる。これにより機械的研磨することなく、エッチングのみにより導電部の表面を平坦化することができる。
【0052】
以上のようにして、図17(e)に示したような配線基板が得られる。
このようにして得られた配線基板101は、樹脂材料からなる基板102の一面102a側に設けられた凹パターン103A、103B、103Cと、凹パターン103Aの底面部103aに、樹脂材料からなり、底面部103aに対して凸状に設けられた突起部104a、104b、104c、104dを有しているので、凹パターン103Aに導電材料105が充填されてなる導電部において、広い凹パターン103Aにおいても凹みなく導電材料105が充填され、その表面が平坦なものとなる。
これにより厚みバラツキがなくなり、均一な厚さの(凹みの無い)導電部を有し、寸法安定性がよく優れた品質を有するものとなる。
【0053】
また、図18(a)〜(d)に示すように、配線基板1上に新たに樹脂材料2Aを供給し、上述したような凹パターン形成工程、導電層形成工程を所要の配線層数になるまで繰り返し、多層基板を形成することができる。突起部104の頂部が導電材料105に覆われているため、貫通配線とランド部との電気的接続性を良好にすることができる。
【0054】
図19(a)は、異なる配線構造を有する配線基板201、231の断面を示している。配線基板231の貫通配線部の開口部233Bと配線基板201のランド部203Aとが、合金層211を挟んで接合されるように、図19(b)に示すように、配線基板201上に配線基板231を積層することにより、各配線基板同士が電気的に接続された多層基板250を得ることができる。
【0055】
以上、本発明の配線基板、モールド及び配線基板の製造方法について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、配線基板、モールド及び配線基板の製造方法に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 配線基板、2 基板、3A,3B,3C(3) 凹パターン、4 突起部、
5 導電材料、6 ランド部、8 貫通配線、9 配線部、10 金属箔、
20 モールド、21A,21B,21C(21) 凸パターン、22 溝部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備えた配線基板であって、
前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有すること、を特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記突起部の頂部は、前記導電材料に覆われていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記突起部は、板状に設けられていること、を特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記突起部は、柱状に設けられていること、を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の配線基板。
【請求項5】
前記凹パターンの底面部から前記基板の他面側に、該基板を貫通して設けられた貫通孔と、
前記貫通孔に導電材料が充填されてなる貫通配線を有すること、を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の配線基板。
【請求項6】
樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備え、
前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有する配線基板をインプリント法により製造するために用いられるモールドであって、
前記凹パターンに対応した形状の凸パターンと、
前記凸パターンに設けられ、前記突起部に対応した形状の溝部と、が一面側に形成されてなること、を特徴とするモールド。
【請求項7】
樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備え、
前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有する配線基板の製造方法であって、
前記凹パターンに対応した形状の凸パターンと、前記凸パターンに設けられ、前記突起部に対応した形状の溝部と、が一面側に形成されてなるモールドを用い、
可塑性を有する状態の前記樹脂材料に、前記モールドの一面側を対向させて、前記樹脂材料に前記モールドを押し当てる工程Aと、
前記樹脂材料を固化させることにより、前記モールドのパターン形状を転写し、凹パターンと、前記凹パターンの底面部に、該底面部に対して凸状に設けられた突起部とを一面側に有する基板を形成する工程Bと、
前記凹パターンに導電材料を充填して導電部を形成する工程Cと、を少なくとも順に備えたこと、を特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項1】
樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備えた配線基板であって、
前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有すること、を特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記突起部の頂部は、前記導電材料に覆われていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記突起部は、板状に設けられていること、を特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記突起部は、柱状に設けられていること、を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の配線基板。
【請求項5】
前記凹パターンの底面部から前記基板の他面側に、該基板を貫通して設けられた貫通孔と、
前記貫通孔に導電材料が充填されてなる貫通配線を有すること、を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の配線基板。
【請求項6】
樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備え、
前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有する配線基板をインプリント法により製造するために用いられるモールドであって、
前記凹パターンに対応した形状の凸パターンと、
前記凸パターンに設けられ、前記突起部に対応した形状の溝部と、が一面側に形成されてなること、を特徴とするモールド。
【請求項7】
樹脂材料からなる基板と、前記基板の一面に設けられた凹パターンと、前記凹パターンに導電材料が充填されてなる導電部と、を備え、
前記凹パターンの底面部に、前記樹脂材料からなり、前記底面部に対して凸状に設けられた突起部を有する配線基板の製造方法であって、
前記凹パターンに対応した形状の凸パターンと、前記凸パターンに設けられ、前記突起部に対応した形状の溝部と、が一面側に形成されてなるモールドを用い、
可塑性を有する状態の前記樹脂材料に、前記モールドの一面側を対向させて、前記樹脂材料に前記モールドを押し当てる工程Aと、
前記樹脂材料を固化させることにより、前記モールドのパターン形状を転写し、凹パターンと、前記凹パターンの底面部に、該底面部に対して凸状に設けられた突起部とを一面側に有する基板を形成する工程Bと、
前記凹パターンに導電材料を充填して導電部を形成する工程Cと、を少なくとも順に備えたこと、を特徴とする配線基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−156498(P2012−156498A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−289727(P2011−289727)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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