説明

クレセントの回転阻止装置

【課題】 施錠状態のクレセントの回転阻止および解除の手間を軽減できるうえ、迅速にクレセントの回転阻止の解除を行えるクレセントの回転阻止装置を提供する。
【解決手段】 本発明の回転阻止装置は、ガラス戸3を閉めた状態で回転させて受け具9に係止させることで施錠状態になったクレセント8の回転を阻止する。回転阻止装置12は、ガラス戸3に取り付けられ、その本体12aには、進退移動可能な阻止部材13と、阻止部材13を駆動する駆動部14と、駆動部14を制御する制御部15と、リモコン16から無線送信されてくる指示信号を受信して制御部15に送る通信部17と、各部に電源供給を行う電源部18を有する。阻止部材13が進出したときには、阻止部材13によってクレセント8の回転が阻止され、阻止部材13が後退したときには、クレセント8の回転阻止が解除される。電源部18には、太陽電池28を接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引違い戸、片引き戸または引違い式の窓などに設置されるクレセントの回転を阻止する回転阻止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば引違い式のサッシ窓では、内側の縦窓枠にクレセントを取り付け、外側の縦窓枠であって前記クレセントに対応する位置に受け金具を取り付け、当該クレセントを回転させて受け金具に係止させることで施錠していた。
【0003】
ところが、前記サッシ窓では、外部からサッシ窓のガラスに小穴をあけて、そこから手などを差し入れることで、クレセントを回転させて解錠することが可能であり、防犯上の問題があった。
【0004】
その対策として、特許文献1では、鍵によってデッドボルトをスライド移動させることが可能な補助錠を内側の縦窓枠に取り付け、鍵を回してデッドボルトを施錠位置にスライドさせることで、施錠状態のクレセントの回転を阻止して解錠不能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−97118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の補助錠では、当該補助錠の鍵穴に鍵を差し込んだのち、当該鍵を回してデッドボルトをスライド移動させなければならない。このため、施錠状態のクレセントの回転阻止およびその解除に手間がかかって煩わしいといった問題がある。また火事などの際に迅速に解錠することができないといった問題がある。
【0007】
本発明は、かかる不都合を解決することを目的とするものであり、施錠状態のクレセントの回転阻止および解除の手間を軽減できるうえに、迅速にクレセントの回転阻止の解除を行えるクレセントの回転阻止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記不都合を解決するものである。すなわち本発明は、障子3を閉めた状態で回転させて受け具9に係止させることで施錠状態になるクレセント8に対して配置されて、その施錠状態のクレセント8の回転を阻止する回転阻止装置12であって、回転阻止装置12は、障子3に取り付けられるようになっており、回転阻止装置12の本体12aには、進退移動可能な阻止部材13と、その阻止部材13を駆動する駆動部14と、その駆動部14を制御する制御部15と、無線送信機から無線で送信されてくる指示信号を受信して当該指示信号を制御部15に送る通信部17と、各部に電源供給を行う電源部18とを有しており、制御部15は、前記指示信号に基づいて駆動部14を制御しており、前記指示信号に基づいて阻止部材13が進出駆動されたときには、その阻止部材13によってクレセント8の回転が阻止され、阻止部材13が後退駆動されたときには、クレセント8の回転阻止が解除されるようになっており、電源部18には、太陽電池28を接続していることを特徴とする。ここでの無線送信機には、無線式のリモコン16などが該当する。電源部18は、一次電池または充電可能な二次電池などを有している。
【0009】
詳しくは、阻止部材13が進出駆動されたときに、その阻止部材13がクレセント8のレバー8aに臨むことで、クレセント8の回転を阻止するようになっている。
【0010】
また、阻止部材13の進出状態を維持するためのロック手段を有している。ロック手段としては、阻止部材13を進退駆動するモータ20の電源端子間を短絡して、当該モータ20にブレーキ力を発生させることや、モータ20と阻止部材13とをネジを介在させて連結することで阻止部材13の進退を困難にすることなどが該当する。
【0011】
太陽電池28は、電源部18に対して着脱自在になっているものとすることができる。
【0012】
また、無線送信機が、非常感知器であり、制御部15は、通信部17が非常感知器からの非常感知信号を受信したときに、阻止部材13を後退駆動させるものとすることができる。ここでの非常感知器には、煙感知器や火災感知器やガス感知器や地震感知器などが該当する。これらの非常感知器は、火事やガス漏れや地震などの非常時を感知したときに非常感知信号を送信する。回転阻止装置12は、非常感知器の非常感知信号を直接受信するものであってもよく、非常感知器(無線式または有線式)の非常感知信号を、無線で送信する中継機器などを介して受信するものであってもよい。ここでは、回転阻止装置12は、非常感知信号または前記指示信号のいずれかを受信したときに阻止部材13を後退させることになる。
【0013】
電源部18に二次電池を有し、回転阻止装置12の本体12a内に発電機を設けるとともに、その発電機に連結している手回し式のハンドルを本体12aの表面に配置し、前記ハンドルを回して発電した電力で電源部18の二次電池を充電するものとすることができる。
【0014】
また電源部18には、充電器などの外部電源が接続可能になっているものとすることができる。外部電源には商用電源を含んでおり、回転阻止装置12は、その商用電源を整流するなどによって各部に電源供給を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のクレセント8の回転阻止装置12は、リモコンなどの無線送信機からの指示信号に基づいて阻止部材13を進出駆動したときには、その阻止部材13によって施錠状態のクレセント8の回転を阻止するので、その施錠状態のクレセント8を解錠することが困難となる。このため、例えば外部から障子3に小穴をあけ、そこから手などを差し入れてもクレセント8を回転させて解錠することができず、これによって防犯効果を向上させることができる。
【0016】
このように、無線送信機から指示信号を送信するだけで、施錠状態のクレセント8の回転の阻止およびその回転阻止を解除できるので、その回転阻止および解除の手間を軽減できるうえに、迅速にクレセント8の回転阻止の解除を行える。
【0017】
また、回転阻止装置12の本体12aに、クレセント8の回転を阻止するための構成である阻止部材13と駆動部14と制御部15と通信部17と電源部18とを全て有するので、本体12aを障子3に取り付けるだけの簡単な作業で、クレセント8の回転を阻止することができる。しかも本体12aに、無線送信機と無線で通信する通信部17と、電源部18とを有するので、外部との接続用の配線が不要となり、それによっても回転阻止装置12の配置に伴う作業の低減を図ることができる。また、太陽電池28を有しているので、例えば電源として電池のみを用いた場合に比べて、電池交換や充電などの手間を軽減できる。
【0018】
進出駆動された阻止部材13がクレセント8から突出しているレバー8aに臨むようにすると、阻止部材13を棒状に形成して、その阻止部材13を直線状にスライド移動させるだけの簡単な構成で、施錠状態のクレセント8の回転を阻止することができる。
【0019】
阻止部材13の進出状態を維持するためのロック手段を有していると、進出状態の阻止部材13を指などで押して後退させることが困難となり、防犯効果をより向上させることができる。
【0020】
太陽電池28が電源部18に対して着脱自在になっていると、障子3への取り付け時には太陽電池28を外しておくことで、太陽電池28との配線に煩わされることなく、回転阻止装置12を障子3へ取り付けることができ、また太陽電池28は、回転阻止装置12との配線に煩わされることなく、障子3の外面などに取り付けることができる。
【0021】
無非常感知器からの非常感知信号を受信したときに阻止部材13を後退駆動させると、火事などの非常時には、施錠状態のクレセント8の回転阻止の解除が自動的に行われ、これによってクレセント8を回して解錠して室内などから迅速に脱出することができる。
【0022】
回転阻止装置12の本体12a内の発電機に連結しているハンドルを回して発電した電力で電源部18の二次電池を充電すると、太陽電池28の発電だけでは二次電池を十分に充電できないときに、ハンドルを回して前記二次電池を十分に充電することができ、これによって回転阻止装置12を確実に作動させることができる。
【0023】
電源部18に外部電源が接続可能になっていると、その外部電源によって、各部に電源供給を行ったり、電源部18の二次電池を充電したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施例にかかる回転阻止装置の側面図である。
【図2】回転阻止装置の斜視図である。
【図3】回転阻止装置を配置した引違い戸の正面図である。
【図4】回転阻止装置のブロック構成図である。
【図5】回転阻止装置の駆動部を示す縦断面図である。
【図6】本発明の回転阻止装置の第2実施例を示す縦断面図である。
【図7】図6のA−A線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係るクレセントの回転阻止装置の第1実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。本発明の回転阻止装置は、例えば室内とベランダとを仕切る出入り口(開口部)に配置される引違い戸に設けられる。
【0026】
前記引違い戸1は、図3に示すように、前記出入り口に固定しているアルミニウム製の矩形状の枠2と、前記出入り口を開閉する内外二枚のガラス戸(障子)3・4とを有している。前記枠2は、左右の竪枠2a・2aと、それらの竪枠2a・2aの上端間に掛け渡した上枠2bと、竪枠2a・2aの下端間に掛け渡した下枠2cとで構成している。
【0027】
各ガラス戸3・4は、ガラス5をアルミニウム製の矩形状の框6の中に取り付けている。その框6は、左右の縦框6a・6aと、その縦框6a・6aの上端間に掛け渡した上框6bと、左右の縦框6a・6aの下端間に掛け渡した下框6cとで構成している。各ガラス戸3・4は、枠2の上枠2bおよび下枠2cに配置した上下のレール(不図示)に沿って左右方向にスライド移動可能になっている。
【0028】
前記ガラス戸3・4のうち、内側(室内側)のガラス戸3(図3では右側)には、その左側の縦框6aの左面に、図1および図2に示すクレセント8を取り付けている。そのクレセント8は、上下方向に回動自在になっている。外側(ベランダ側)のガラス戸4(図3では左側)には、その右側の縦框6aであって前記クレセント8に対応する位置に、フック状の受け金具(受け具)9を取り付けている。
【0029】
そして、ガラス戸3・4を閉めた状態で、クレセント8のレバー8aをベランダ側(図1の反時計方向)に回転させて受け金具9に係止させることで施錠状態になる(図1および図2の状態)。その施錠状態のクレセント8のレバー8aを室内側(図1の時計方向)に回転させたときには、クレセント8が受け金具9から外れて解錠状態になり、ガラス戸3・4を開閉することができる。なお、両ガラス戸3・4において前記出入り口の左右の端部に位置する縦框6a・6aには、その内側および外側に、図3に示すように取っ手10をそれぞれ取り付けている。
【0030】
前記内側のガラス戸3の左側の縦框6aの左面であってクレセント8よりも上側には、図1および図2に示すように、回転阻止装置12をビスなどで取り付けている。その回転阻止装置12の本体12aには、当該本体12aに対して上下方向に進退移動可能に支持されている縦長の四角棒状の阻止部材13と、その阻止部材13を上下方向に駆動する駆動部14と、その駆動部14を制御する制御部15と、リモコン(無線送信機)16から無線で送信されてくる指示信号(無線信号)を受信して当該指示信号を制御部15に送る通信部17と、制御部15、通信部17および直流モータ20などの各部に電源供給を行う電源部18とを有している。
【0031】
駆動部14は、図4および図5に示すように、直流モータ20と、その直流モータ20の出力軸に連結されているピニオンギヤ21とを有している。ピニオンギヤ21は、阻止部材13において上下方向に形成されているラック23に噛合している。そして、直流モータ20が駆動されることで阻止部材13が下降し、または上昇する。制御部15にはロック手段22を設けており、そのロック手段22は、作動したときに、例えば直流モータ20の正負の電源端子間を短絡して、当該直流モータ20にブレーキ力が発生するようにしている。
【0032】
制御部15には、阻止部材13が所定の進出位置まで下降したことを検出する第1リミットスイッチ25と、阻止部材13が所定の後退位置まで上昇したことを検出する第2リミットスイッチ26とを接続している。具体的には、例えば阻止部材13の上下中間位置にピンを設けており、リミットスイッチ25・26は、そのピンを検知することで阻止部材13の位置(進出位置・後退位置)を検出する。リミットスイッチ25・26は、回転阻止装置12の本体12a内に配置されている。
【0033】
そして、制御部15は、直流モータ20を駆動して阻止部材13を前記進出位置まで下降させたときに、直流モータ20を停止させるとともにロック手段22を作動させる。これによって阻止部材13は、手などで強制的に上昇させようとしても、直流モータ20のブレーキ力によって進出位置に進出した状態で維持される。
【0034】
また、制御部15は、阻止部材13を前記後退位置まで上昇させたときにも、直流モータ20を停止させるとともにロック手段22を作動させる。これによって阻止部材13は、直流モータ20のブレーキ力によって前記後退位置に後退した状態で維持される。
【0035】
前記進出位置の阻止部材13は、その下部が施錠状態(図1の仮想線図の状態)のクレセント8のレバー8aの内側(室内側)の面に臨んでおり、これによってクレセント8のレバー8aを内側に回して解錠することができなくなる。阻止部材13が前記後退位置のときには、当該阻止部材13は前記クレセント8のレバー8aから離れており(図1の実線図の状態)、クレセント8のレバー8aを内側に回して解錠することが可能になる。後退位置にある阻止部材13は、直流モータ20のブレーキ力によって自重などで下降することが抑制される。
【0036】
リモコン16と通信部17とは、赤外線や電波や超音波などによる無線通信方式を用いている。リモコン16には、一個の押ボタン19を設けており、その押ボタン19を押すごとに前記指示信号を送信し、制御部15は、前記指示信号を受信したときに阻止部材13が後退位置にあると、阻止部材13を進出(下降)させ、その後に指示信号を受信したときに阻止部材13を後退(上昇)させる。
【0037】
なお、リモコン16に、阻止部材13を進出させるための進出指示用押ボタンと、阻止部材13を後退させるための後退指示用押ボタンとをそれぞれ設けてもよい。この場合、回転阻止装置12は、進出指示用押ボタンが押されたときに送信される指示信号を受信すると阻止部材13を進出させ、後退指示用押ボタンが押されたときに送信される指示信号を受信すると阻止部材13を後退させる。
【0038】
電源部18は、充電可能な二次電池、充電制御回路および過電流保護回路などを有している。電源部18には、図4に示すように、ガラス戸3の内面などに配置される太陽電池28(図3参照)がコネクタ29を介して着脱自在に接続されている。電源部18は、その太陽電池28の発電電力を、制御部15と通信部17と直流モータ20などの各部に供給し、さらには前記二次電池に供給して当該二次電池への充電を行わせる。太陽電池28は、ガラス戸3の外面全体に配置してもよい。
【0039】
制御部15および通信部17は、所定時間(例えば数秒)ごとにしか作動しないようになっており、リモコン16は、制御部15および通信部17の作動停止時間よりも長い時間、前記指示信号を送信するようになっている。制御部15および通信部17は、前記作動時間内に指示信号を受信したときには、その指示に応じて直流モータ20を駆動する。制御部15および通信部17を所定時間ごとにしか作動しないようにしたことで、消費電力が抑えられる。
【0040】
このように、リモコン16から指示信号を送信するだけで、施錠状態のクレセント8の回転の阻止およびその回転阻止を解除できるので、その回転阻止および解除の手間を軽減できるうえに、迅速にクレセント8の回転阻止の解除を行える。
【0041】
なお、前記説明では、回転阻止装置12をクレセント8の上側に配置したが、これに限られるものではなく、回転阻止装置12を、例えば内側のガラス戸3の左側の縦框6aの内側(室内側)の面であって施錠状態のクレセント8のレバー8aの側方となる位置に取り付けてもよい。
【0042】
前記説明では、ベランダ用の引違い戸1に回転阻止装置12を配置したが、回転阻止装置12は、クレセント8を設けたものであれば、引き戸などの扉、および引違い窓や片引き窓などの窓であってもよい。
【0043】
また、回転阻止装置12は、例えば煙感知器や火災感知器やガス感知器や地震感知器などの非常感知器(無線送信機)から無線で送信されてくる非常感知信号を直接受信し、あるいは有線式または無線式の前記非常感知器からの非常感知信号を中継機器(無線送信機)で受信し、その中継機器が無線で送信する非常感知信号を受信したときに、進出位置にある阻止部材13を後退(上昇)させてもよい。この場合、回転阻止装置12は、前記非常感知信号または前記指示信号のいずれかを受信したときに阻止部材13を後退させる。非常感知器は、火事やガス漏れや地震などの非常時を感知したときに前記非常感知信号を送信する。
【0044】
本発明に係るクレセントの回転阻止装置の第2実施例を図6および図7に基づいて説明する。第2実施例の回転阻止装置12では、阻止部材13は、上下移動が可能である一方で、水平方向の回転は不能である状態で本体12aに支持されている。具体的には、阻止部材13は、図7に示すように横断面でD字状に形成されており、回転阻止装置12の本体12aの底面12bにD字状に形成されている貫通孔30に貫通している。
【0045】
また、阻止部材13は、その上面から下方へ向けて、内面に雌ネジ31を形成した係合凹部32を設けており、その雌ネジ31に雄ネジ33を螺合させている。その雄ネジ33には、カプラー34を介して直流モータ20を連結している。なお、直流モータ20は、回転阻止装置12の本体12aに固定している。
【0046】
そして、制御部15が直流モータ20を駆動して雄ネジ33を回転させることによって、その雄ネジ33の回転に伴って阻止部材13がネジ作用で下降し、または上昇する。阻止部材13を前記進出位置まで下降させたときには、阻止部材13を手などで強制的に上昇させることが不可能になる。つまり、第2実施例では、直流モータ20と阻止部材13とを雌ネジ31と雄ネジ33とを介して結合することで、阻止部材13の進出(下降)状態を維持している(ロック手段)。
【0047】
また、第2実施例では、太陽電池28は、回転阻止装置12の本体12aであって外側(ベランダ側)の面に配置している。この場合、太陽電池28が回転阻止装置12と一体になるので、その太陽電池28をガラス戸3などに配置する手間を省略できる。その他の構成については第1実施例と同様であるため、同一機能のものには同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
なお、太陽電池28を電源部18のコネクタ29から外して、または別コネクタ(不図示)を配置して、充電器などの外部電源(不図示)を前記コネクタ29または別コネクタに接続し、その外部電源によって電源部18の二次電池を充電してもよい。外部電源として、例えば外付けの手回し式の発電機(不図示)を前記コネクタ29または別コネクタに接続し、その手回し式の発電機によって電源部18の二次電池を充電してもよい。
【0049】
また、回転阻止装置12の本体12a内に発電機(内蔵発電機)を設けるとともに、その発電機に連結する手回し式のハンドルを、例えば本体12aの内側の面に配置し、前記ハンドルを回して内蔵発電機で発電した電力によって電源部18の二次電池を充電してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 引違い戸
3・4 ガラス戸
8 クレセント
8a レバー
9 受け金具
12 回転阻止装置
12a 本体
13 阻止部材
14 駆動部
15 制御部
16 リモコン
17 通信部
18 電源部
28 太陽電池
29 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
障子(3)を閉めた状態で回転させて受け具(9)に係止させることで施錠状態になるクレセント(8)に対して配置されて、その施錠状態のクレセント(8)の回転を阻止する回転阻止装置(12)であって、
その回転阻止装置(12)は、障子(3)に取り付けられるようになっており、
回転阻止装置(12)の本体(12a)には、進退移動可能な阻止部材(13)と、その阻止部材(13)を駆動する駆動部(14)と、その駆動部(14)を制御する制御部(15)と、無線送信機から無線で送信されてくる指示信号を受信して当該指示信号を制御部(15)に送る通信部(17)と、各部に電源供給を行う電源部(18)とを有しており、
制御部(15)は、前記指示信号に基づいて駆動部(14)を制御しており、
前記指示信号に基づいて阻止部材(13)が進出駆動されたときには、その阻止部材(13)によってクレセント(8)の回転が阻止され、阻止部材(13)が後退駆動されたときには、クレセント(8)の回転阻止が解除されるようになっており、
電源部(18)には、太陽電池(28)を接続していることを特徴とするクレセントの回転阻止装置。
【請求項2】
阻止部材(13)が進出駆動されたときに、その阻止部材(13)がクレセント(8)のレバー(8a)に臨むことで、クレセント(8)の回転を阻止することを特徴とする請求項1記載のクレセントの回転阻止装置。
【請求項3】
阻止部材(13)の進出状態を維持するためのロック手段を有していることを特徴とする請求項1または2記載のクレセントの回転阻止装置。
【請求項4】
太陽電池(28)は、電源部(18)に対して着脱自在になっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のクレセントの回転阻止装置。
【請求項5】
無線送信機が、非常感知器であり、
制御部(15)は、通信部(17)が非常感知器からの非常感知信号を受信したときに、阻止部材(13)を後退駆動させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のクレセントの回転阻止装置。
【請求項6】
電源部(18)には、充電可能な二次電池を有しており、
本体(12a)内に発電機を設けるとともに、その発電機に連結している手回し式のハンドルを本体(12a)の表面に配置し、前記ハンドルを回して発電した電力で電源部(18)の二次電池を充電することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のクレセントの回転阻止装置。
【請求項7】
電源部(18)には、外部電源が接続可能になっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のクレセントの回転阻止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−241476(P2012−241476A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115242(P2011−115242)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(397000160)株式会社豊和 (47)
【Fターム(参考)】