説明

ピンレールキャリパを有するディスクブレーキ

【課題】ディスクブレーキ構成部材のアタッチメントを改良する。
【解決手段】回転ディスクにクランプ力を加えるように動作可能なディスクブレーキであって、一対の離間されたフレーム部材が対向端に設けられたサポートブラケットを有し、各フレーム部材は、少なくとも3つのアームが延びている面を有する。この少なくとも3つのアームには、第1アーム、第3アームおよび第3アームが含まれ、各アームは開口部を備えるとともに互いに離間されて設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改良されたブレーキシステムに関し、より詳細には、スライドピンに沿って摺動自在にディスクブレーキ部材を係合するための摺動機構を含む改良されたブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のブレーキシステムには通常、キャリパが備えられている。これは、対向して配置された摩擦パッドをロータ上の環状制動面に一時的に固定して制動力を加えるようにするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これにより生じる制動荷重(例えば、制動トルク)は、スライドピンに沿って摺動可能に係合された複数のディスクブレーキ構成部材との相互作用(サポーティング等)によって接触されてしまう。ある特定の形態においては、スライドピンに重荷重がかかる。上記形態では、重荷重によりピンが変形したりピンが歪んでしまうおそれがあり、あるいは、その他生じ得るスライドピンの欠陥を招いてしまうおそれがある。このような問題点を解決するために、従来技術では、増加する荷重に対処するためにより太いスライドピンを提供したり、スライドピンを荷重から部分的に解放するためにディスクブレーキサポートブラケットに対してブレーキシューを接触させたりしている。しかし、より太い摺動部材を提供するには更なる費用及び/又はサポートブラケットでブレーキシューを接触させるための機械加工(ブローチングやミリングなど)に関連する製造コストがかかってしまう。加えて、より太い摺動部材を用いると、ブレーキロータとホイールとの間に必要な間隔が増えてしまい、これにより、ブレーキロータが小さくなってしまう。
【0004】
別の特定の形態では、摺動機構を備えたディスクブレーキが、「ロックアップ」状態となってしまい、そのために、ディスクブレーキ構成部材がスライドピンに沿って実質的に自由に摺動できなくなってしまうおそれがある。上記形態では、摺動機構が「ロックアップ状態」になってしまうのは、スライドピンに沿って摺動可能に係合された複数のディスクブレーキ構成部材と相互作用している汚染物(例えば、埃やデブリス、屑などの粒子)によるためである。この問題を解決するために、先行技術では、ディスクブレーキ構成部材を周辺の環境から保護するように、摺動機構のシーリング、ブーティングおよび/又はグリースが用いられているものの、このような試みでは、どうしても、より高額な部品コストおよびこれらの付加的構成部材の形成、設置および維持に関連する製造コストが追加されてしまう。他の特定の形態では、ディスクブレーキは、対向して配置された摩擦パッドを一時的に固定する場合、制動荷重(例えば、制動トルク)の全てではないにしても、その大部分を一方のスライドピンに加え、その一方で、もう一方のスライドピンは各ブレーキシューの相対位置を単に維持する役割を果たす。従来技術では、様々なディスクブレーキ構造を用いてこの問題を解決するための試みがなされているが、成功しているのはわずかであって、製造コストは増加している。
【0005】
制動荷重を接触して受ける一方で、「プル」タイプと「プッシュ」タイプ両方の接触モードを組み入れて、通常は軽量化されたディスクブレーキにおいて、NVH(Noise、Vibration、Harshness)、テーパー磨耗及び/又は動作性能を改良するようにするスライドピンを備えた改良されたピンレールキャリパを提供することが特に重要であろう。ディスクブレーキアセンブリの例は、米国特許第4,144,952号、 第4,279,331号、 第4,319,668号、第4,344,551号、 第4,351,421号、 第4,418,797号、 第5,094,323号、 第5,111,915号、および第5,860,496号、米国特許出願第20080029356号に見ることができ、これらは参照として本文に組み込まれている。図示するとともに本文に記載しているように、本発明によりこれらのディスクブレーキアセンブリが改良される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、従来のディスクブレーキシステムを改良することを目的とし、具体的には、そのディスクブレーキ構成部材のアタッチメントを改良することを目的としている。1つの態様では、本発明はサポートブラケット、2つの対向して配置され離間されたスライドピン、インナーブレーキシューとアウターブレーキシュー、およびキャリパボディを有する回転ディスクにクランプ力を加えるように動作可能なディスクブレーキが提供される。サポートブラケットはその対向端に一対の離間されたフレーム部材を備える。各フレーム部材は、少なくとも3つのアームが延びる面を有する。少なくとも3つのアームとしては、第1アーム、第2アーム、および第3アームが挙げられる。各アームは開口部を有しており、各アームはその間に間隔を伴って順に設けられている。2つの対向して配置され離間されたスライドピンは、第1、第2および第3アームのうちの少なくとも1つのアームがスライドピンを支承、あるいはサポートや支持をするように、第1、第2および第3アームの開口部と係合される。キャリパボディはスライドピンにより摺動可能に支承される。キャリパボディは、インナーブレーキシューとアウターブレーキシューとを互いに近づかせるように動作可能な摺動可能ピストンを備える。スライドピンの各々はサポートブラケットの第1、第2、および第3アームにより支承されており、これにより、制動荷重がかけられるピンを備えた従来のキャリパよりもピンの変形やピンの歪み、あるいはこの両方が軽減している。
【0007】
別の態様では、本発明はサポートブラケット、2つの対向して配置され離間されたスライドピン、インナーブレーキシューとアウターブレーキシュー、およびキャリパボディを有する回転ディスクにクランプ力を加えるように動作可能なディスクブレーキを提供する。サポートブラケットはその対向端に一対の離間されたフレーム部材を備える。各フレーム部材は、少なくとも1つのアームが延びる面を有する。この少なくとも1つのアームは開口部を含む。この2つの対向して配置され離間されたスライドピンは、少なくとも1つのアームのうちの少なくとも1つがスライドピンを支承するように、各フレーム部材の少なくとも1つの開口部と係合される。キャリパボディは、インナーブレーキシューとアウターブレーキシューとを互いに近づかせ、さらに、少なくとも一対の離間されたボス部がスライドピンによって摺動自在に支承されるように動作可能な摺動可能ピストンを備える。ボス部の各々は、各々のスライドピンが摺動可能に係合するように各々のスライドピンを収容するように(例えば、スライドピンを支承する)開口部を画定する複数の溝を有する高分子ブッシングを含む。
【0008】
別の態様では、本発明は、サポートブラケット、2つの対向して離間されたスライドピン、インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシュー、およびキャリパボディを有する回転ディスクにクランプ力を加えるように動作可能なディスクブレーキを提供する。サポートブラケットはその対向端に一対の離間されたフレーム部材を備える。各フレーム部材は、少なくとも2つのアームが延びている面を有する。この少なくとも2つのアームには、第1アーム、第2アームが含まれ、各アームは開口部を有しており、各アームはその間に間隔を伴って順に設けられている。この間隔は第1および第2アームの側壁と、その間のフレーム部材の面とによって画定される。この2つの対向して配置され離間されたスライドピンは、第1および第2アームの少なくとも一方がスライドピンを支承するように、第1アームおよび第2アームの開口部と係合される。
【0009】
インナーブレーキシューとアウターブレーキシューとは、その対向端から延びる突起部を有する。このインナーブレーキシューとアウターブレーキシューの突起部は、これらのシューの支承を補助するためのスライドピンを収容する各々の開口部を含む。このインナーブレーキシューとアウターブレーキシューの突起部は、フレーム部材の面と実質的に接触しないように、第1アームと第2アームの間の間隔内に設けられる。キャリパボディには、インナーブレーキシューとアウターブレーキシューとを互いに近づかせるように動作可能な摺動可能ピストンと、キャリパボディの内側部の対向端から延びる第1ペアの離間されたボス部が備えられている。各ボス部は、各々のスライドピンを摺動可能に係合するように各々のスライドピンを収容するように、各高分子ブッシング内に開口部を画定する複数の溝を有する。
【0010】
上記記載における複数の溝は、高分子ブッシングが各々のスライドピンに沿って摺動する間に各々のスライドピンから出る破片やデブリの除去を補助するか、その深度が高分子ブッシングの内径の約5%から約20%の範囲の値をとるか、複数の溝により縦方向に延びる約5〜約15のアーチ状の溝を形成するか、あるいは上記の構成の任意の組合せとなっている。アウターブレーキシューは、その外面に沿って突起部を備えており、キャリパボディは、通常はアウターブレーキシューの外面に対して平行に延びる外側部を備えており、そのために、キャリパボディの外側部は、アウターブレーキシューの突起部を係合し、それによってキャリパボディの外側部がアウターブレーキシューに固定されて支承されるようにするための開口部を備えている。
【0011】
さらに別の態様では、本発明のいずれの態様は、以下に記載する特徴の1つあるいは任意の組合せによりさらに特徴づけられる。
そのような特徴としては、
スライドピンは、制動荷重がかけられるピンを備えた従来のキャリパよりもスライドピンの直径を約20%から約40%まで縮小することができるように、フレーム部材の第1、第2、第3アームによって支承されており、これにより、ピンの変形やピンの歪み、あるいはこの両方が軽減しており、
インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューのうちの少なくとも一方には、これらのブレーキシューの少なくとも一方の対向端から延びる突起部が設けられており、この突起部には、各々のインナーおよびアウターブレーキシューの支承を補助するようにスライドピンを収容するための開口部が設けられており、
スライドピンは、ブレーキオン位置で、実質的に、あるいは完全に接線方向の制動荷重がかけられるように接触した状態であり、
前記間隔には、第1アームと第2アームのサイドウォールと、その間のフレーム部材の面と、により画定される第1アームと第2アームとの間に設けられる第1間隔、第2アームと第3アームのサイドウォールと、フレーム部材の面と、により画定される第2アームと第3アームとの間に設けられる第2間隔が含まれ、インナーブレーキシューとアウターブレーキシューには、これらのブレーキシューの対向端から延びる突起部が設けられており、この突起部には、各々のインナーおよびアウターブレーキシューの支承を補助するようにスライドピンを収容するための開口部が設けられており、そのために、アウターブレーキシューの各突起部は第1アームと第2アームの間の第1間隔内に設けられ、インナーブレーキシューの各突起部は第2アームと第3アームの間の第2間隔内に設けられ、
インナーブレーキシューとアウターブレーキシューの突起部はフレーム部材の面と実質的に接触せず、
インナーブレーキシューとアウターブレーキシューの少なくとも一方は、キャリパボディの第2係合部に固定し支承するために、各々のブレーキシューの外面沿いに第1係合部を有し、
第1係合部はアウターブレーキシューの外面に沿って少なくとも1つの突起部を備え、キャリパボディの外側部がアウターブレーキシューに支承されるよう少なくとも1つの突起部が少なくとも1つの開口部と係合するように、第2係合部はキャリパボディの外側部に沿って少なくとも1つの開口部を備え、
キャリパボディはスライドピンによって摺動自在に支承される、少なくとも一対の離間されたボス部を含み、このボス部の各々は各々のスライドピンが摺動可能に係合するように各々のスライドピンを収容するための開口部を画定する複数の溝を有する高分子ブッシングを含み、
複数の溝は、高分子ブッシングは各々のスライドピンに沿って摺動する間に各々のスライドピンから出る破片の除去を補助するか、複数の溝の深度は、高分子ブッシングの内径の約5%から約20%の範囲の値をとるか、複数の溝により縦方向に延びる、約5〜15の数のアーチ状の溝が形成されるか、あるいは、上記を任意に組み合わせたものであり、
ボス部は、サポートブラケット、インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューのうちの一方あるいは両方、キャリパボディ、あるいはこれらの任意の組合せが回転ディスクの係合面に対して、通常は同じ方向にスライドピンに沿って実質的に自在に摺動するように、2つのスライドピンの位置合せを補助するように個別に変形可能である、というものである。
各ボス部は高分子ブッシングとは別々に形成されて、その後、一体化されるか、一体型高分子ボス構成部材として高分子ブッシングとともに形成され、
少なくとも一対の離間されたボス部は、キャリパボディの内側部の対向端から延びる、第1ペアの離間されたボス部を含み、
ボス部は、サポートブラケット、インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューのうちの一方あるいは両方、キャリパボディ、あるいはこれらの任意の組合せが、回転ディスクの係合面に対して、通常は同じ方向にスライドピンに沿って実質的に自在に摺動するように、2つのスライドピンの位置合せを補助するように個別に変形可能である、
各ボス部は高分子ブッシングとは別々に形成され、その後、一体化されるか、一体型高分子ボス構成部材として高分子ブッシングとともに形成され、
インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューはこれらのシューの対向端から延び、各々のインナーブレーキシューとアウターブレーキシューとの支承を補助するようにスライドピンを収容するための開口部を含む突起部を備え、
インナーブレーキシューとアウターブレーキシューの少なくとも一方は、各々のブレーキシューの外面に沿って、第1係合部を有し、キャリパボディの第2係合部に固定して支承するようにし、第1係合部は、アウターブレーキシューの外面に沿って少なくとも1つの突起部を含み、第2係合部は、キャリパボディの外側部がアウターブレーキシューに支承されるよう少なくとも1つの突起部が少なくとも1つの開口部を係合するようにキャリパボディの外側部に沿う少なくとも1つの開口部であるか、またか、上記の任意の組合せである。
【0012】
上記に参照した態様と例とは限定的なものではなく、本明細書に記載し、図示しているように、その他の形態もとり得ることはわかるであろう。例えば、本文に記載し、図面に示しているように、本発明の上述した態様や特徴を任意に組み合わせて他の固有の構造を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態を含むディスクブレーキアセンブリの分解斜視図。
【図2】図1に図示したディスクブレーキアセンブリおよび実施形態の斜視図。
【図3】図1および図2に図示したディスクブレーキアセンブリおよび実施形態の別の斜視図。
【図4A】図1〜3に図示したディスクブレーキアセンブリおよび実施形態の拡大斜視図。
【図4B】本発明の教示に従う1つの態様の斜視図。
【図5】本発明の教示に従う第2実施形態の斜視図。
【図6】図5に図示したディスクブレーキアセンブリおよび第2実施形態の別の斜視図。
【図7】図6に図示したディスクブレーキアセンブリおよび第2実施形態の分解斜視図。
【図8A】本発明の教示に従う別の態様の斜視図。
【図8B】本発明の教示に従う別の態様の斜視図。
【図8C】図5〜7に図示したディスクブレーキアセンブリおよび実施形態の拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、広義には、テーパー磨耗や 動作性能に関連する問題を克服するための改良されたブレーキシステムに関する。一態様では、本発明は自動車車両の回転ディスク12にクランプ力を加えるように動作可能な改良されたディスクブレーキ10に関する。一般に、図1〜4Bに関連するディスクブレーキ10には、サポートブラケット14、インナーブレーキシュー16およびアウターブレーキシュー18、ピストン20、キャリパーボディ22、および2つの対向して配置されたスライドピン30が含まれるものと考えられるが、構成部材数の多少は問わない。典型的に、ディスクブレーキ10はサポートブラケット14を含む。このサポートブラケットはその対向端に一対の離間したフレーム部材34を有する。各フレーム部材34は、少なくとも1つのアームが延びている内壁面36を有する。上記アームにはスライドピン30を収容するための開口部40が設けられていてもよい。
【0015】
2つ以上のアームが含まれる場合、その間には、2つ以上のアームの側壁と各々のフレーム部材34の内壁面36により画定される間隔が設けられることはわかるであろう。概して、サポートブラケットの両フレーム部材からは同数のアームが延びていてもよいが、必ずしも必須ではない。例えば、各々の対向して配置されるフレーム部材からは、1つ、2つ、あるいはそれ以上のアームが延びてもよい。あるいは、一方のフレーム部材から延びるアーム数は他方のフレーム部材から延びるアーム数より多くてもよいし、少なくてもよい。さらに、1つ以上のアームが、もう一方のアームよりも各々のスライドピン30のより広い部分を覆うことができるように、アームの大きさは(例えば、回転ディスクの放射軸に対する太さ)は様々であってよいことはわかるであろう。
【0016】
図2に示すように、1つの好適な実施形態では、フレーム部材34はディスクブレーキ10の外部に設けられる第1アーム42、ディスクブレーキ10の中心部に設けられる第2アーム44、および、ディスクブレーキ10の内部に設けられる第3アーム46を含む。開口部40は1つあるいはそれ以上の第1アーム42、第2アーム44および第3アーム46を通って延び、スライドピン30を係合するようにしてもよい。開口部40がほぼ整合してアラインメントが保たれるように、第1、第2および第3アームがこれらの間に間隔48、50を伴って順に配置されうることはわかるであろう。一態様では、第1間隔48と第2間隔50とが間隔として挙げられる。第1間隔48は第1アーム42と第2アーム44との間に設けられうる。第1間隔48は、第1アーム42の側壁52と第2アーム44の側壁54、およびこれらの間のフレーム部材34の内壁面36により画定される。第2間隔50は、第2アーム44と第3アーム46の間に設けられうる。第2間隔50は、第2アーム44の側壁56と第3アーム46の側壁58、および、フレーム部材34の内壁面36により画定される。第1、第2および第3アームを備える場合、これらのアームによりスライドピン30が十分に支承されるので、従来のキャリパー(例えば、制動荷重を運ぶためにピンを使用する現行のキャリパー)よりも、ピンの変形、ピンの歪み、など、およびこれらの任意の組合せ、が軽減される。
【0017】
そのようなものとして、少なくとも3つのアームを備えたフレーム部材を有するディスクブレーキのスライドピン30の直径を従来のキャリパーよりも約20%から約40%まで短くすることができ、好適には、約25%〜約35%まで短くすることができる。例えば、少なくとも3重に支承された10mmピンの荷重容量は、サポートブラケットのフレーム部材の端部だけで支承された14mmスライドピンの荷重容量に相当すると推測されるが、これに限定されるものではない。そのようなものとして、スライドピン30の直径を短くすることにより、ディスクブレーキ10に必要とされる実装スペース、いわゆるパッケージスペースが小さくなり、これにより、所与のパッケージに、より大きな回転ディスク12を設けることができる。
【0018】
ディスクブレーキ10は、インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18とを備えており、各々にはプレッシャープレート60とブレーキパッド62(例えば、摩擦材料)とが備えられている。このインナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18とは、各ブレーキパッド62が、回転ディスク12の面にそれぞれ対向するように位置決めされる。インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18の少なくとも一方には各々のブレーキシュー16、18の対向端から延びる突起部64が設けられうることはわかるであろう。突起部64が設けられる場合は、プレッシャープレート60の対向端周辺に設けられてもよい。また、突起部には、各々のインナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18の支承を補助するようにスライドピン30を収容し摺動自在に係合させるための開口部66が設けられてもよい。
【0019】
1つの好適実施形態では、インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18とは双方とも、スライドピン30を収容して支承するための開口部66が設けられた突起部64が設けられてもよい。典型的に、インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18とは、間隔内に設けられうるものである。例えば、アウターブレーキシュー18の突起部64を、第1アーム42と第2アーム44との間の第1間隔48内に設けるようにしてもよい。さらに、インナーブレーキシューの突起部64を、第2アーム44と第3アーム46との間の第2間隔50内に設けるようにしてもよい。有利にも、開口部66が設けられた突起部64は、ディスクブレーキ10をアセンブルする間、スライドピン30を収容していてもよく、摺動自在に係合されたインナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18とは、残りをアセンブルする間、ディスクブレーキ10から実質的に、あるいは完全に外れてしまわないように通常はディスクブレーキ10に固定されていることはわかるであろう。
【0020】
インナーブレーキシュー16、アウターブレーキシュー18、あるいはその双方は少なくともその一部がフレーム部材34の内部壁面36と接触して支承するようにしているものと考えられる。しかしながら、インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18とは、フレーム部材34の内部壁面36と実質的に、あるいは完全に接触しないのが好ましい。後者のアレンジメントでは、インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18とは、実質的に、あるいは完全にスライドピン30により支承されている。荷重に抵抗する設計要素の記述として、接触部(アバットメント:abutment)を用いることができると考えられる。例えば、制動荷重は、回転ディスク12およびインナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18間の摩擦により生じるが、この制動負荷のための接触部として両方のスライドピン30(例えば、後述しているようなリーディングスライドピンおよびトレーリングスライドピン)を使用してもよい。
【0021】
この制動荷重は、ブレーキシューを通じてスライドピンに伝達され、その後、スライドピンからサポートブラケットに伝達される。さらに、従来の設計では、制動荷重はブレーキシューからサポートブラケットに直接伝達されてもよいと考えられている(例えば、スライドピンが、アバットメントとなる)。そのようにして、インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18とが実質的に、あるいは完全にスライドピン30に支承される場合、スライドピン30は接触してアバットメントとなっている状態である(例えば、ブレーキオン位置にある間にディスクブレーキ10により引き起こされる接線方向の制動荷重は、実質的に、あるいは完全にスライドピン30により伝達される)。
【0022】
ディスクブレーキ10はさらに、各々のインナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18を適所に(例えば、ブレーキオン位置、ブレーキオフ位置あるいはその両方)保持するための補助をするように、バイアス部材114(例えば、バネ、クリップなど)をさらに含むことができる。図2および3に示すような一例示的実施形態では、バイアス部材114の端部は、バイアス部材114の中央部はフレーム部材34の第2アームと係合する一方で、インナーブレーキシューとアウターブレーキシューの対応する端部と係合している。バイアス部材114は、インナーブレーキシュー16およびアウターブレーキシュー18とフレーム部材34の内部側壁36との間の間隙112(例えば、接触および/又はアバットメントとなっていない状態)を保持するよう補助することが望ましい。従って、インナーブレーキシュー16およびアウターブレーキシュー18は接触および/又はアバットメントしていない状態の間に、本明細書にて検討されているように、ディスクブレーキ10にプル−プッシュ型のアレンジメントを提供する補助となってもよい。
【0023】
このプルプッシュモードは、相対的に低負荷で変形が少ない状態において、まず、制動荷重がブレーキシューの先端部(例えば、ブレーキパッド)で反応し、その一方で、プレッシャープレートは引張られた状態(例えば、引張られた状態)である概念と称することができる。次いで、低負荷において、リーディングピンが負荷をサポートブラケットに伝達するように、ブレーキシューがタイヤの回転方向にリーディングピンを引張る。負荷が増加すると、変形によりブレーキシューのトレーリング端部がそのアバットメントに(例えばスライドピンに)接触し、プレッシャープレートの負荷が引張から圧縮(例えば、押し付け)へと遷移し、リーディングアバットメントとトレーリングアバットメント間の負荷が共有される。
【0024】
本発明では、このプッシュプル機能は、サポートブラケットの変形に対して、ブレーキシューのプレッシャープレートに対するピンの間隔、およびサポートブラケットに対するピンの間隔をコントロールすることにより実現される。ほぼ同時に、ブレーキシューによりトレーリングピンがタイヤの回転方向に押し付けられる。一度負荷が十分に増加すると、変形により(例えば、スライドピンと開口部間の)間隔が実質的に、あるいは完全になくなり、さらに、その後、トレーリングエンドピンによって負荷がサポートブラケットに伝達される。この態様(例えば、プルプッシュモード)では、リーディングピンの負荷はトレーリングピンの負荷よりも大きい(例えば、接触している)と考えられている。以下に検討しているように、プッシュプルと称される、反対の態様で動作するようにキャリパを配置することも可能である。
【0025】
インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18の少なくとも一方は、キャリパボディ22及び/又はサポートブラケット14の第2係合部に固定するための第1係合部を備えうる。この第1および第2係合部は、ファスナ(例えば、クリップ、ボルト、フック、ピン、など)あるいは任意のアタッチメント構成部材により固定されてもよい。1つの態様では、第1係合部は突起部72(例えば、ナブnubなど)であり、第2係合部は、突起部72を収容するための開口部74であるが、この逆の構成として係合することも可能である。第1係合部、第2係合部、あるいはその両方は、各々のインナーブレーキシュー16及び/又はアウターブレーキシュー18、及び/又はキャリパボディ22と一体化となって形成されてもよいし、別々に付加された構成部材であってもよいことはわかるであろう。好適実施形態では、アウターブレーキシュー18は、プレッシャープレート60の外面76に設けられた一対の突起部72を有する第1係合部を含むものであってよい。さらに、キャリパボディ22は、一対の突起部72を係合するための一対の開口部74を有する第2係合部を含むものであってもよい。突起部72は、プレッシャープレート60の外面76に沿うアウターブレーキシュー18の対向端に設けられてもよいことはわかるであろう。
【0026】
ディスクブレーキ10は、回転ディスク12の反対側を係合するためにインナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18とを相互に近づかせるように動作可能なピストン20を備えたスライドピン30により摺動自在に支承されるキャリパボディ22をさらに含む。キャリパボディ22には、ディスクブレーキ10の外部に設けられたフィンガー部80、ディスクブレーキ10の中央部に設けられたブリッジ部82、および、ディスクブレーキ10の内部に設けられたピストン部84が備えられていてもよい。キャリパボディ22には、少なくとも一対の離間されたボス部78がさらに備えられていてもよい。ボス部78は、キャリパボディ22の対向端に設けられ、さらに、スライドピン30を収容するための開口部86が設けられていてもよい。キャリパボディ22がスライドピン30によって部分的に、実質的に、あるいは完全に支承されるようにスライドピン30がキャリパボディ22を支承するようにしてもよいことはわかるであろう。
【0027】
ボス部78はブッシング88をさらに含むことができる。ブッシング88は、ボス部78と一体化された状態で形成されてもよいし、ボス部78と一体化される別々の構成部材であってもよい。再度図1〜4Bを参照すると、一実施形態ではキャリパボディ22のボス部78はブッシング88とは別に形成され、その後一体化される。別々に形成されたブッシング88は、実質的に、あるいは完全に高分子材を用いてもよい。高分子材料としては、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネートなど、あるいはこれらの任意の組合せが挙げられるが、これに限定されるものではない。高分子材料として充填剤(例えば、ガラスなど)を挙げることもできる。高分子材料の少なくとも20%量、少なくとも40%量あるいは少なくとも60%量の充填材が含まれてもよい。しかし、含まれる充填材量はこれよりも少なくてもよいことはわかるであろう。好適には、高分子材料の溶融点(例えば、結晶融点)は少なくとも150度であり、より好適には少なくとも200度である。
【0028】
ブッシング88はスライドピンを摺動可能に係合するようにスライドピン30を収容するための開口部90を含む。ブッシング88は、キャリパボディ22に対して低摩擦の摺動機構を提供することはわかるであろう。摺動機構が備えられている場合、該機構は、シール、ブート(例えば、ブートシール)、キャップ、給脂、あるいはこれらの組合せがなされていないことはわかるであろう。1つの好適実施形態では、ブッシング88は開口部90を画定する複数の溝92を含む。該溝92の溝深度Dは、ブッシング88の内径の約5%〜約20%までの範囲の値をとり、好適には約10%〜約15%までの範囲の値をとることができる。ブッシング88の内径は、溝92の最深部から得ることができることはわかるであろう。
【0029】
溝92は、輪郭を有した縦方向に延びる溝であってもよい。溝92の輪郭の形状およびサイズは様々であってよい。溝の数は約5〜15であり、より好適には、約8から12である。ディスクブレーキのサイズに対して溝の多少が検討されることはわかるであろう。実例として、図4Bでは、溝92の輪郭は複数の丸い(例えば、アーチ状の)溝輪郭であってもよい。四角や三角形の輪郭、階段状の輪郭、類似の、あるいは様々に異なる輪郭を備えた複数の溝、あるいはこれらの任意の組合せなどの他の輪郭が検討される。輪郭としてはさらに、フラットな側壁、アーチ状の側壁、フラットな底部、アーチ状の底部、実質的にU字型のような部分、実質的にV字型のような部分、あるいはこれらの任意の組合せ、を挙げることができる。
【0030】
さらに、溝92は、ブッシング88がスライドピン30に沿って摺動する間、スライドピン30からの破片を除去を補助する。例えば、自動車を運転する間、粒子やその他(埃、破片、汚染物質、コンタミナントなど)がブッシング88に密着し、および/さらに、ブッシング88内に埋め込まれてしまうおそれがある。キャリパボディ22が動作を継続し、スライドピン30に沿って摺動できるように、通常は粒子を溝92内に位置決めするようにしている。キャリパボディ22がスライドピン30に沿って摺動すると、ブッシング88の中を通るスライドピン30の摺動機構により、粒子がブッシング88から開口部90の中を通って、あるいは、より具体的には、溝92の中を通って実質的に粒子が除去あるいは排除されるように、粒子が溝92から除去される状態となる。通常、このような溝92の構造により、溝のない従来のブッシングと比べると、粒子の蓄積に起因してのスライドピン30に沿ったキャリパボディのロックアップが小さくなることから、キャリパボディの動作寿命が延びる。
【0031】
図5〜8Cに関する別の実施形態では、1つの構成部材(例えば、一体型ボス構成部材96)としてボス部78をブッシング88と一体化した状態で形成してもよい。好適には、この一体型ボス構成部材96は、実質的に、あるいは完全に高分子であってもよい。この一体型ボス構成部材96は、キャリパボディ22とは別々に形成されてもよいし、キャリパボディ22に固定されていてもよいことはわかるであろう。図8Aおよび8Bに図示しているように、この一体型ボス構成部材96は、上述したものと同様に機能する開口部90を画定する溝92を含む。この一体型ボス構成部材96はさらに、該部材をキャリパボディ22に固定するための第1アタッチメント部を含む。キャリパボディ22は、一体型ボス部96の第1アタッチメント部を係合し固定するための第2アタッチメント部を含む。例えば、図7に図示しているように、一体型構成部材96の第1アタッチメント部は、キャリパボディ22の第2アタッチメント部を係合するための突起部102を含むようにしてもよい。さらに、キャリパボディ22の第2アタッチメント部には、一体型ボス構成部材96の突起部102を収容するための開口部104が設けられていてもよい。キャリパボディ22に一体型ボス構成部材96を固定するために、他の固定手段を利用してもよいことはわかるであろう。
【0032】
ディスクブレーキには、開口部やスライドピンになどに変動(例えば、ずれや曲がりなど)などの欠陥が存在し、及び/又は、温度変化など、周辺の環境により生じる変動(歪み、磨耗など)により欠陥のある状態でディスクブレーキが形成されてしまうと考えられる。このような変動がディスクブレーキ10の摺動機構に影響を及ぼすおそれがある。そのようなものとして、一体型ボス構成部材96は、通常はディスクブレーキ10のセルフアラインを補助するように、個別に変形可能(例えば、回転できる、曲げられる、など)となっていることが理解されるであろう。
【0033】
より具体的には、一体型ボス構成部材96を必要に応じて個別に変形させて2つのスライドピンを位置合せするようにしてもよく、このようにすることで、サポートブラケット、インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューの一方あるいは両方、キャリパボディなど、あるいは、スライドピン30に摺動自在に係合するこれらの任意の組合せ、をスライドピンに沿って自在に摺動できるようにする。高分子ブッシング88及び/又は一体型ボス構成部材96をスライドピン30の一般位置と自己整合、いわゆるセルフアライン可能となるよう設計でき、これにより、スライドピン30に沿ったディスクブレーキ構成部材の摺動力及び/又はドラッグトルクを低減することができると考えられている。そのようなものとして、一体型ボス構成部材96の、セルフアラインフィーチャにより、回転ディスク12の回転軸に対して通常は同じ方向にスライドピン30を位置決めして、スライドピン30の摺動力および/またはドラッグトルクを低減するようにしてもよい。
【0034】
望ましくは、複数の丸い溝輪郭により、高分子ブッシング88周辺に集中した応力が実質的に軽減されるか、取り除かれることはわかるであろう。さらに、高分子ブッシング88及び/又は一体型ボス構成部材96を用いることで、振動状況下でガタガタした音が発生する可能性を減らすことができる。
【0035】
1つの好適実施形態では、キャリパボディ22は、少なくともその一部を支承するためにスライドピン30を収容するための、ピストン部84の近傍(例えば、サポートブラケット14の第3アーム46などのサポートブラケットの内側)に設けられた単一ペアのボス部(図1〜3の高分子ブッシング88を備えた状態のボス部78、あるいは、図5〜7のボス部96)を備えている。上述したように、キャリパボディは、第2係合部を通ってさらに支承されてもよい。アウターブレーキシュー18の第1係合部には、通常は該ブレーキシュー18(例えば、プレッシャープレート60)外面の対向端に設けられる一対の突起部72が設けられているのが望ましいとされる。さらに、キャリパボディ22の第2係合部には、通常はキャリパボディ22のフィンガー部80の対向端に設けられる一対の開口部74が設けられていてもよい。
【0036】
フィンガー部80は通常、キャリパボディ22のブリッジ部82から垂直に延びるものであって、従って、フィンガー部80の内面は、アウターブレーキシュー18(例えば、プレッシャープレート60)に対して平行に延びている。そのようなものとして、アウターブレーキシュー18の外面に沿う一対の突起部72は、通常はキャリパボディ22のフィンガー部80に沿う一対の開口部とアラインされて係合される。これにより、キャリパボディ22はアウターブレーキシュー18に固定されるか、少なくとも一部がアウターブレーキシュー18に支承される。このような構造では、セルフアライニング(例えば、一体型ボス構成部材96)あるいは、固定されたブッシング(例えば、高分子ブッシング88を備えたボス部78)が用いられるかどうかに関わらず、ディスクブレーキ支承アレンジメントにより摺動機構が与えられる。この機構の摺動荷重は相対的にキャリパボディ22、サポートブラケット14、スライドピン30、およびインナーブレーキシュー、アウターブレーキシューの変形の影響を受けない。
【0037】
上述したように、ディスクブレーキ10は、2つの対向して配置され離間されたスライドピン30をさらに含み、これらは該ブレーキに対して取り外し可能に取り付けられているものである。スライドピン30は、1つ以上のディスクブレーキ構成部材(例えば、サポートブラケット14、インナーブレーキシュー16、アウターブレーキシュー18、キャリパボディ22、あるいはこれらの任意の組合せ)の開口部と係合し、これにより、スライドピン30に係合している少なくとも1つのディスクブレーキ構成部材が、該ピンに沿って摺動する、支承する、など、あるいはこれらの任意の組合せを行うように構成されるようにしてもよい。スライドピン30は、金属材料、高分子材料、複合材料などから形成されてもよい。スライドピン30は、通常は、もう一方に対して平行であり、さらに回転ディスク12の回転軸と同方向の、縦方向に延びる部材である。スライドピン30の輪郭は、形状および寸法が様々に異なっていてもよい。各スライドピン30の輪郭、寸法、重量などは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。好適には、スライドピン30は類似しているのが通常であり、アーチ状の輪郭を含むのが通常であるが、必ずしも必須ではない。
【0038】
典型的には、スライドピン30はスライドピン30をディスクブレーキ10に固定するためのリテンションフィーチャを含む。1つの態様では、スライドピン30にはフランジ部106が設けられていてもよい。このフランジ部は、スライドピン30に沿った1つ以上の開口部(例えば、サポートブラケット14、インナーブレーキシュー16、アウターブレーキシュー18、キャリパボディ22、あるいはスライドピン30に摺動自在に係合されているその他のものなどの開口部)を通ってスライドピン30を実質的にあるいは完全に摺動させないようにするためのものである。フランジ部106は、図1、5、および7に図示しているように、スライドピン30の端部に設けられるのが望ましい。任意に、あるいは、他の形態として、別の態様では、スライドピン30にはリテンションクリップ10(例えば、バイアス部材など)を収容するためのディプレッション(凹部)108などが設けられていてもよい。
【0039】
このディプレッションは(例えば、ディスクブレーキ構成部材の1つ以上の開口部を通って)スライドピンをサポートブラケットに対して実質的に、あるいは完全に軸方向に移動させないようにする(例えば、保持する)ためのものである。このリテンションクリップ110は、ステンレス鋼などの金属、プラスチック、あるいはその両方であってもよいことはわかるであろう。図2および3に図示している1つの例示的実施形態では、ディプレッション108は、通常はボス部78、96とフレーム部材34の第3アーム46との間に位置決めされ、リテンションクリップ110を収容するようにする。リテンションクリップ110は、(例えば、サポートブラケット14、インナーブレーキシュー16、アウターブレーキシュー18、キャリパボディ22、あるいは、スライドピン30を摺動自在に係合しているその他のもの、の1つ以上の摺動といった)摺動機構を補助するためバイアス機構をさらに与えるものであってもよいことはわかるであろう。
【0040】
上述しているように、「プル」タイプと「プッシュ」タイプのアバットメントモードを組み入れつつ、制動荷重アバットメントを与えるスライドピンを有する、改良されたピンレールキャリパを提供することが特に求められているであろう。1つの態様では、スキールノイズが発生し、多くの磨耗が生じる減速度の低い状態で「プル」アバットメントモード(つまり、ブレーキシューのプレッシャープレートが引張られた状態である)で動作するようにディスクブレーキを構成してもよい。回転ディスクからブレーキシューアバットメントまでの軸方向距離により、「プル」モードでは、ブレーキシューモーメントが、ブレーキシューの「セルフアプライ」(例えば、車両運転者がブレーキペダルから離れた状態にあるブレーキオフ位置状態で、ブレーキシューが回転ディスク面と部分的に係合する)傾向を小さくする。「セルフアプライ」傾向が軽減することで、スキールノイズおよび/またはテーパー磨耗が通常は低減すると考えられている。
【0041】
別の態様では、インナーブレーキシューとアウターブレーキシュー(例えば、プレッシャープレート)のリーディング(後方)およびトレーリング(前方)突起部の間の制動荷重を共有すべく、減速度の高い状態で「プルプッシュ」アバットメントモードに遷移するようにディスクブレーキを設計することができる。この結果、アウターサポートタイバー(例えば、通常はサポートブラケットの外側部に設けられている)の必要性を実質的に減らすかなくすことができ、これにより、軽量化を図ることができる。
【0042】
1つの例示的実施形態における議論を進めるために、回転ディスク12は、(例えば、キャリパボディ22のフィンガー部80などのキャリパの外部に面した)反時計回り方向に回転するものと想定される。本発明によれば、回転ディスクの各々の係合面と各ブレーキパッド62の係合とにより生成される制動トルクを、以下に述べるような方法で両スライドピンに伝達させるようにしてよい。
【0043】
参考のために、スライドピン30は後方ピン130(例えば、リーディングピン)、前方ピン132(例えば、トレーリングピン)、および、後方突起部116と前方突起部118とを備える突起部64とを備えている。回転ディスク12の反時計回り方向において、インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18の後方突起部116がそれぞれ、まず初めに後方ピン130と係合することはわかるであろう。関連づけられた後方突起部116が変形することで、前方突起部118が前方ピン132と係合する。より具体的には、ブレーキをかけると(例えば、ブレーキオン位置)、インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18の後方突起部116により後方ピン130が作用される。ブレーキシューの摩擦力により後方突起部116が弾性的に歪み、これにより、後方ピン130と後方突起部116の間が係合される他に、インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18の前方ピン132と前方突起部118各々の間が係合される。
【0044】
従って、所望のプルプッシュブレーキシュー係合モードでは、インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18が後方ピン130を(例えば、通常は低制動荷重で)引張り、前方ピン132に対して(例えば、通常は高制動荷重で)押し付けるという結果が得られる。後方突起部116が最初に係合することで、ブレーキの係合が安定し、その結果、平坦でない(パッドなどの)摩擦材料の磨耗と係合ノイズとを最小に抑えることができる。本明細書において「リーディングピン」とは、回転ディスク12の回転方向が与えられた場合に、そのスライドピンが、ブレーキシューの残りの部分をリードしているほうの端部に関連づけられていることを意味する。図2および3を参照すると、回転ディスク12を反時計回りさせるには、後方ピン130がリーディングピンとなり、前方ピン132がトレーリングピンとなる。従って、回転ディスク12が時計回りであるときは、前方ピン12がリーディングピンで、後方ピン130がトレーリングピンとなる。
【0045】
回転ディスク12が反時計回りではなく時計回りに回転するのであれば、係合パターンは原則として、上述したパターンと逆になることはわかるであろう。例えば、インナーブレーキシュー16とアウターブレーキシュー18の前方突起部118は各々、まずはじめに前方ピン132(例えば、リーディングピン)と係合する。関連づけられた前方突起部118が変形することで、後方突起部116が後方ピン130(例えば、トレーリングピン)と係合する。
【0046】
インナーブレーキシューとアウターブレーキシューとをまずリーディングピンと係合させ、トレーリングピンを係合させるように振れさせてプルプッシュ係合を実現することにより、本発明においては、2つのスライドピンの間の回転ディスクに伝達される制動荷重を相対的に均等に分配することによって、従来技術である押し出すだけの、あるいは引張るだけのブレーキシステムに関連付けられることの多いディスクブレーキシステムの振動が低減される。
【0047】
他に別段の記載がない限りは、本明細書において図示された各種構造の寸法および幾何形状は本発明に限定されることを意図せず、その他の寸法やジオメトリも可能である。1つの組込構造により複数の構造用構成部材を提供するようにしてもよい。他の形態では、1つの組込構造を別の複数の構成部材に分けることもできる。加えて、本発明の特徴を1つの例示的実施形態に照らして説明してきたが、そのような特徴をいずれの所与のアプリケーションに対する他の実施形態の1つ以上の他の特徴と組み合わせてもよい。上述の記載から、固有の構造を製造とその動作とが、本発明に従う方法を構成することがさらにわかるであろう。
【0048】
本発明の好適な実施形態が開示されている。しかし、当業者であれば、ある程度の変更は本発明の教示の範囲内であることは理解するであろう。したがって、本発明の本来の特許請求の範囲および内容を決定するために以下の特許請求の範囲を検討するべきである。
【0049】
以上、要約すると、本発明によれば、回転ディスクにクランプ力を加えるように動作可能なディスクブレーキであって、一対の離間されたフレーム部材が対向端に設けられたサポートブラケットを有し、各フレーム部材は、少なくとも3つのアームが延びている面を有し、この少なくとも3つのアームには、第1アーム、第3アームおよび第3アームが含まれ、各アームは開口部を備えるとともに互いに離間されて設けられており、第1、第2および第3アームの少なくとも1つがスライドピンを支承するように、第1、第2および第3アームの開口部と係合した、2つの対向して離間されたスライドピン、インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューを含み、さらに、インナーブレーキシューとアウターブレーキシューとを相互に近づかせるように動作可能な摺動可能ピストンを備えた、前記スライドピンにより摺動自在に支承されるキャリパボディと、を含む構成が提供される。
【符号の説明】
【0050】
10 ディスクブレーキ
12 回転ディスク
14 サポートブラケット
16 インナーブレーキシュー
18 アウターブレーキシュー
20 ピストン
22 キャリパボディ
30 スライドピン
34 フレーム部材
36 内壁面
40 開口部
42、44、46、48 アーム
60 プレッシャープレート
62 ブレーキパッド
64 突起部
66 開口部
72 一対の突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ディスクにクランプ力を加えるように動作可能なディスクブレーキであって、前記ディスクブレーキは、
a:一対の離間されたフレーム部材が対向端に設けられたサポートブラケットを有し、各フレーム部材は、少なくとも3つのアームが延びている面を有し、前記少なくとも3つのアームには、第1アーム、第3アームおよび第3アームが含まれ、各アームには開口部が設けられており、さらに各アームはその間に間隔を伴って順に設けられているものであって、
b:第1、第2および第3アームの少なくとも1つがスライドピンを支承するように、前記第1、第2および第3アームの開口部と係合する、2つの対向して離間されたスライドピンを有し、
c:インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューを有し、
d:前記インナーブレーキシューとアウターブレーキシューとを相互に近づかせるように動作可能な摺動可能ピストンを備えて前記スライドピンにより摺動自在に支承されるキャリパボディを有し、
前記スライドピンの各々は、制動荷重がかかるピンを有する従来のキャリパよりもピンの変形やピンの歪み、あるいはその両方が軽減されるように、前記サポートブラケットの前記第1、第2および第3アームにより支承されている、ディスクブレーキ。
【請求項2】
制動荷重がかかるピンを有する従来のキャリパよりもスライドピンの直径を約20%から約40%まで縮小するように、前記スライドピンは前記フレーム部材の前記第1、第2、および第3アームに支承されており、よって、ピンの変形や、ピンの歪み、あるいはその両方が軽減される、請求項1記載のディスクブレーキ。
【請求項3】
前記インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューの少なくとも一方には、前記インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューの対向端から延びる突起部が設けられており、前記突起部には、前記各々のインナーブレーキシューとアウターブレーキシューとの支承を補助するように前記スライドピンを収容するための開口部が設けられる、請求項1記載のディスクブレーキ。
【請求項4】
前記スライドピンは、ブレーキオン位置において、前記スライドピンが接線方向の制動荷重を実質的に、あるいは完全にうけるように、接触した状態となっている請求項3記載のディスクブレーキ。
【請求項5】
前記間隔には、前記第1アームと前記第2アームの前記サイドウォールと、これらの間の前記フレーム部材の面と、により画定されて前記第1アームと前記第2アームとの間に設けられる第1間隔と、前記第2アームと前記第3アームの前記サイドウォールと、前記フレーム部材の前記面と、により画定されて前記第2アームと前記第3アームとの間に設けられる第2間隔と、が含まれ、前記インナーブレーキシューと前記アウターブレーキシューには、これらのシューの互いに対向する対向端から延びる突起部が設けられており、前記アウターブレーキシューの各突起部が前記第1アームと前記第2アームの間の前記第1間隔内に設けられ、前記インナーブレーキシューの各突起部が前記第2アームと前記第3アームの間の前記第2間隔内に設けられるように、前記突起部は前記各々のシューの支承を補助するように前記スライドピンを収容するための開口部を備える、請求項1記載のディスクブレーキ。
【請求項6】
前記インナーブレーキシューと前記アウターブレーキシューの前記突起部は前記フレーム部材の前記面と実質的に接触しない、 請求項5記載のディスクブレーキ。
【請求項7】
前記インナーブレーキシューと前記アウターブレーキシューの少なくとも一方は、前記キャリパボディの第2係合部に固定し支承するために、前記各々のブレーキシューの外面に沿って第1係合部を有する、請求項1記載のディスクブレーキ。
【請求項8】
前記第1係合部は、前記アウターブレーキシューの前記外面に沿って少なくとも1つの突起部を有しており、前記キャリパボディの前記外側部が前記アウターブレーキシューに支承されるよう少なくとも1つの突起部が前記少なくとも1つの開口部と係合するように、前記第2係合部は、前記キャリパボディの外側部に沿って少なくとも1つの開口部を有する、請求項7記載のディスクブレーキ。
【請求項9】
前記キャリパボディは前記スライドピンによって摺動自在に支承される、少なくとも一対の離間されたボス部を含むものであって、前記ボス部の各々は前記各々のスライドピンが摺動可能に係合するように前記各々のスライドピンを収容するための開口部を画定する複数の溝を有する高分子ブッシングを含む、請求項1記載のディスクブレーキ。
【請求項10】
a:前記複数の溝は、前記高分子ブッシングが前記各々のスライドピンに沿って摺動する間に前記各々のスライドピンから出る破片の除去を補助するか、
b:前記複数の溝の深度は、前記高分子ブッシングの内径の約5%から約20%の範囲の値をとるか、
c:前記複数の溝により、縦方向に延びる、約5〜15の数のアーチ状の溝が形成されるか、あるいは、
d:上記の任意の組み合わせとなっている、請求項9記載のディスクブレーキ。
【請求項11】
前記ボス部は、前記サポートブラケット、前記インナーブレーキシューおよび前記アウターブレーキシューのうちの一方あるいは両方、前記キャリパボディ、あるいはこれらの任意の組合せが、前記回転ディスクの係合面に対して、通常は同じ方向に前記スライドピンに沿って実質的に自在に摺動するように、前記2つのスライドピンの位置合せを補助するように個別に変形可能である、請求項10記載のディスクブレーキ。
【請求項12】
各ボス部は前記高分子ブッシングとは別々に形成されて、その後、一体化されるか、一体型高分子ボス構成部材として前記高分子ブッシングとともに形成される、請求項11記載のディスクブレーキ。
【請求項13】
回転ディスクにクランプ力を加えるように動作可能なディスクブレーキであって、前記ディスクブレーキは、
a:一対の離間されたフレーム部材が対向端に設けられたサポートブラケットを有し、各フレーム部材は、少なくとも1つのアームが延びている面を有し、前記少なくとも1つのアームには開口部が設けられており、
b:前記少なくとも1つのアームが前記スライドピンを支承するように、前記少なくとも1つのアームの開口部と係合する2つの対向して配置され離間されたスライドピンを有し、
c:インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューを有し、
d:前記インナーブレーキシューと前記アウターブレーキシューとを相互に近づかせるように動作可能な摺動可能ピストンと、前記スライドピンにより摺動自在に支承される少なくとも一対の離間されたボス部とを有するキャリパボディと、を含み、前記ボス部の各々は、前記各々のスライドピンが摺動可能に係合するように前記各々のスライドピンを収容するための開口部を画定する複数の溝を有する高分子ブッシングを含む、ディスクブレーキ。
【請求項14】
a:前記複数の溝は、前記高分子ブッシングが前記各々のスライドピンに沿って摺動する間に前記各々のスライドピンから出る破片の除去を補助するか、
b:前記複数の溝の深度は、前記高分子ブッシングの内径の約5%から約20%の範囲の値をとるか、
c:前記複数の溝により、縦方向に延びる、約5〜15の数のアーチ状の溝が形成されるか、
あるいは、
d:上記の任意の組み合わせとなっている、請求項13記載のディスクブレーキ。
【請求項15】
前記少なくとも一対の離間されたボス部は、前記キャリパボディの内側部の対向端から延びる、第1ペアの離間されたボス部を含む、請求項14記載のディスクブレーキ。
【請求項16】
前記ボス部は、前記サポートブラケット、前記インナーブレーキシューおよび前記アウターブレーキシューのうちの一方あるいは両方、前記キャリパボディ、あるいはこれらの任意の組合せが、前記回転ディスクの係合面に対して、通常は同じ方向に前記スライドピンに沿って実質的に自在に摺動するように、前記2つのスライドピンの位置合せを補助するように個別に変形可能である、 請求項13記載のディスクブレーキ。
【請求項17】
各ボス部は前記高分子ブッシングとは別々に形成され、その後、一体化されるか、一体型高分子ボス構成部材として前記高分子ブッシングとともに形成される、請求項16記載のディスクブレーキ。
【請求項18】
前記インナーブレーキシューおよび前記アウターブレーキシューは、これらのシューの対向端から延びる突起部を備え、これら突起部は、前記各々のインナーブレーキシューとアウターブレーキシューとを支承する際に補助となるようにスライドピンを収容するための開口部を含むものである、請求項13記載のディスクブレーキ。
【請求項19】
前記インナーブレーキシューと前記アウターブレーキシューの少なくとも一方は、前記キャリパボディの第2係合部に固定し支承するために、前記各々のブレーキシューの外面に沿って第1係合部を有しており、 前記第1係合部は、前記アウターブレーキシューの前記外面に沿って少なくとも1つの突起部を有しており、前記第2係合部は、前記キャリパボディの前記外側部が前記アウターブレーキシューに支承されるよう少なくとも1つの突起部が前記少なくとも1つの開口部と係合するように前記キャリパボディの外側部に沿って少なくとも1つの開口部を有している、請求項1記載のディスクブレーキ。
【請求項20】
回転ディスクにクランプ力を加えるように動作可能なディスクブレーキであって、前記ディスクブレーキは、
a:一対の離間されたフレーム部材が対向端に設けられたサポートブラケットを含み、各フレーム部材は、少なくとも2つのアームが延びている面を有し、前記少なくとも2つのアームは第1アームと第2アームとを備え、各アームには開口部が設けられており、前記各アームはその間に間隔を伴って順に設けられているものであって、前記間隔は前記第1アームと前記第2アームのサイドウォールと、その間の前記フレーム部材の前記面とにより画定されるものであって、
b:前記第1および第2の少なくとも一方がスライドピンを支承するように、前記第1および第2アームの開口部と係合した、2つの対向して離間されたスライドピンを含み、
c:突起部がその対向端から延びているインナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューを含み、
i:前記インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューの前記突起部は、前記インナーブレーキシューおよびアウターブレーキシューの支承を補助するための前記スライドピンを収容するための各々の開口部を含むものであって、
および、
ii:前記インナーおよびアウターブレーキシューの前記突起部は、前記フレーム部材の前記面と実質的に接しないように、前記第1アームと前記第2アームの間の前記間隔内に設けられており、
d:前記インナーおよびアウターブレーキシューを相互に近づかせるように動作可能な摺動可能ピストンを有するキャリパボディと、前記キャリパボディの内側部の対向端から延びる、第1ペアの離間されたボス部とを含み、前記ボス部は各々のスライドピンを摺動可能に係合するよう各々のスライドピンを収容するように、各高分子ブッシング内に開口部を画定する複数の溝を有するものであって、
i:前記複数の溝は、前記高分子ブッシングが前記各々のスライドピンに沿って摺動する間に前記各々のスライドピンから出る破片の除去を補助するか、
ii:前記複数の溝の深度は、前記高分子ブッシングの内径の約5%から約20%の範囲の値をとるか、
iii:前記複数の溝により、縦方向に延びる、約5〜15の数のアーチ状の溝が形成されるか、
あるいは、
iv:上記の任意の組み合わせであり、
e:前記アウターブレーキシューは該シューの外面に沿って突起部を備え、前記キャリパボディは、通常は前記アウターブレーキシューの前記外面に平行に延びる外側部を備えており、前記キャリパボディの外側部は、当該キャリパボディの外側部が前記アウターブレーキシューに固定されて支承されるよう前記アウターブレーキシューの前記突起部と係合するための開口部を備えている、ディスクブレーキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【公開番号】特開2011−185420(P2011−185420A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−54474(P2010−54474)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(507100661)アケボノ コーポレイション(ノース アメリカ) (7)
【Fターム(参考)】