説明

光源装置及びこれを用いた撮像装置

【課題】 発振スペクトル線幅の狭小化と、高速な波長掃引と、を同時に達成し得る光源装置を提供する。
【解決手段】 光を増幅させる光増幅媒体と、光導波路と、光の強度を変調する光変調器と、を含んで構成される光共振器を備えた光源装置であって、前記光共振器は、該光共振器を周回する光に対する増幅率が複数の周波数域において、それぞれ極大値と極小値をとるように構成され、前記光の周波数をν、前記光共振器の屈折率をn(ν)、前記光共振器の長さをl、光速をc、自然数をaとして、前記光変調器を変調する周波数fmは、fm = a×c /(n(ν)×l)を満足し、前記周波数fmに対応して発振周波数が変化すると共に、該発振周波数は前記複数の周波数域における前記極大値をとる周波数に対応して定まり、前記極大値の帯域幅が2×fmよりも大きいことを特徴とする光源装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発振波長を変化させることが可能な光源装置、及びこれを用いた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源、特にレーザ光源については、発振波長を可変とするものが通信ネットワーク分野や検査装置の分野で種々利用されてきている。
通信ネットワーク分野では、高速な波長切替、また、検査装置の分野では高速で広範な波長掃引が、要望されている。
検査装置における波長可変(掃引)光源の用途としては、レーザ分光器、分散測定器、膜厚測定器、波長掃引型光トモグラフィー(Swept Source Optical Coherence Tomography:SS−OCT)装置等がある。
【0003】
光トモグラフィーは、光干渉を用いて検体の断層像を撮像するもので、ミクロンオーダーの空間分解能が得られることや無侵襲性等の理由から医用分野における研究が近年、盛んになってきている撮像技術である。
波長掃引型光コヒーレンストモグラフィーでは、深さ情報を得るのにスペクトル干渉を用い、分光器を用いないことから光量のロスが少なく高SN比の像取得も期待されている。
SS−OCT技術を適用した医用画像撮像装置を構成する場合には、掃引速度が速いほど画像取得時間を短縮でき、また、波長掃引幅が広いほど断層像の空間解像度を高めることが可能なためこれらのパラメータは重要である。
具体的には波長掃引幅Δλ、発振波長λ0、とするとき深さ分解能は
【0004】
【数1】

【0005】
で表される。したがって奥行き分解能を高めるためには波長掃引幅の拡大が必要であり、広帯域な波長掃引光源が求められている。
こうした中、SS−OCT装置に用い得る光源として、主に通信分野で使用される帯域にて検討されてきた共振器中の屈折率の波長分散(以下、単に「分散」ともいう。)を利用して波長を可変とする分散チューニングの手法が非特許文献1に開示されている。
【0006】
この分散チューニングでは共振器の自由スペクトル間隔(Free Spectral Range :以下「FSR」ともいう。)が波長依存性を持っていることを用いて、能動モード同期状態での発振波長を制御する。つまり、能動モード同期を生じせしめる変調信号の周波数を変化させることで波長掃引行うことから、変調信号の周波数を高速に変化させることで、高速な波長掃引が可能となる。
ここで、自由スペクトル間隔は、共振器内を周回する光に対する共振器モードの周波数間隔を示す。自由スペクトル間隔(FSR)は真空中の光速をcとし、共振器が持つ屈折率をn、共振器長をLとしたとき以下の式(2)で表される。
【0007】
【数2】

【0008】
分散チューニング方式は、このFSRが波長依存性を有していることを利用し、モードロック周波数を掃引する事でモードロック時の中心波長を掃引する技術である。
また、非特許文献1は、分散チューニングによる波長掃引範囲Δλは以下の式で表わされるとしている。
【0009】
【数3】

【0010】
ここで、nは共振器の屈折率、Dは共振器の分散パラメータ、Nはモードロックの次数(自然数)である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】S.Yamashita, et al. Opt. Exp. Vol.1 4, pp.9299(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
非特許文献1に開示された分散チューニング方式による波長掃引では変調信号の周波数を高速に変化させることで波長掃引速度を高めることが可能である。
しかし、モード同期レーザであるため一定の位相関係を有する複数モードが同時発振することから、発振スペクトルのスペクトル幅(線幅)は、比較的広がりやすく、狭いスペクトル幅が必要とされる用途には必ずしも十分対応できないのが実情である。
【0013】
本発明は、発振スペクトル線幅の狭小化と、高速な波長掃引と、を同時に達成し得る光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明により提供される光源装置は、光を増幅させる光増幅媒体と、光導波路と、光の強度を変調する光変調器と、を含んで構成される光共振器を備えた光源装置であって、前記光共振器は、該光共振器を周回する光に対する増幅率が複数の周波数域において、それぞれ極大値と極小値をとるように構成され、前記光の周波数をν、前記光共振器の屈折率をn(ν)、前記光共振器の長さをl、光速をc、自然数をaとして、前記光変調器を変調する周波数fmは、fm = a×c /(n(ν)×l)を満足し、前記周波数fmに対応して発振周波数が変化すると共に、該発振周波数は前記複数の周波数域における前記極大値をとる周波数に対応して定まり、前記極大値の帯域幅が2×fmよりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光源装置では、光共振器が、該光共振器を周回する光に対する増幅率が複数の周波数域において、それぞれ極大値と極小値をとるように構成されている。つまり、周波数に対する増幅率が、複数の極大値及び極小値をとる。そして、光変調器を変調する周波数fmが、fm = a×c /(n(ν)×l)を満足し、周波数fmに対応して発振周波数が変化することから、周波数fmにより制御されるモードロック方式の光源装置となる。
【0016】
本発明の光源装置では、前記極大値の帯域幅が2×fmよりも大きいことから、発振周波数近傍のサイドバンドが抑制された状態で発振が生ずるので、発振スペクトル波長は急峻で狭小化されたものとなる。そして、発振周波数は複数の周波数域における前記極大値をとる周波数に対応して定まるので、周波数fmを制御することで発振波長を高速に可変可能な光源装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の光源装置の一例を示す模式図
【図2】本発明の光源装置における増幅率スペクトルを示すグラフ
【図3】モード同期(モードロック)動作における発振スペクトルを示すグラフ
【図4】本発明の光源装置における増幅率スペクトルと発振スペクトルを示すグラフ
【図5】本発明の光源装置における増幅率スペクトルと発振スペクトルを示すグラフ
【図6】本発明の実施例1の装置を説明する模式図
【図7】本発明の実施例2の装置の一例を説明する模式図
【図8】本発明の実施例2の装置の一例を説明する模式図
【図9】本発明の光源装置における増幅率スペクトルを示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の光源装置の一例を示す模式図である。
図1に示した光源装置においては、光を増幅させる光増幅媒体としての光増幅器101と光導波路102、光の強度を変調する光変調器103と、を含んで光共振器104を構成している。
105は、光共振器104の一部を構成する光透過部材であり、106は、光取り出しカップラであり、107は、光増幅器101の駆動を制御する駆動制御部である。108は光共振器としてリング共振器を構成する場合に必要に応じて設けられ、光を一方向に周回させるため光アイソレータである。
【0019】
ここで光増幅器101は、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)を例として説明する。
光導波路102は、例えば屈折率が波長依存性を有するシングルモード光ファイバで構成することができる。
【0020】
光変調器103は、後述するモード同期(以下、モードロックともいう。)を得るために光共振器104内の透過率変化に対し光の強度を(時間的に)変調する変調信号を与える光学素子であり、例えば電気光学素子で構成することができる。
【0021】
光透過部材105は、その透過率が複数の周波数に対して極大値、極小値をとるものを用意する。例えばバルク部材あるいはエアギャップ式のエタロン板等で構成することができる。
光透過部材105以外の光学素子の透過率の周波数依存性が光透過部材105と比較してあまり強くない場合、前記光共振器106内を光子が一周する際の増幅率のスペクトルは光透過部材105の透過率スペクトルと同様のものとなる。
【0022】
駆動制御部107は光増幅器にエネルギーを投入しその利得(ゲイン)を制御するための機器であり、電源装置及びこれらを制御するためのPCなどで構成される。
図2に、図1の光源装置の光共振器104内を光子が一周する際の光の増幅率スペクトル201を示す。
図1に示した光共振器104では、光の増幅率スペクトルは基本的に光増幅器101が有する増幅率スペクトルに、光共振器を構成する他の光学部材の透過率を掛け合わせたものとなる。
光共振器104内に光透過部材105が挿入されている図1の装置の場合、図2に示すように増幅率スペクトル201は複数の周波数νで極大値202、極小値203を取る。
【0023】

これは複数の周波数域のそれぞれにおいて、極大値と極小値とを取ると言い換えることができる。尚、光の周波数νと光の波長λの関係は光速をcとしてνλ=cを満足する。
本発明の光源装置では、光共振器を光の増幅率スペクトルが複数の周波数域のそれぞれで極大値と極小値を取るように構成し、この極大値をモード同期駆動時における発振中心周波数として、この中心周波数の近傍に生ずる側帯波(以下、「サイドバンド」ともいう。)を抑制することで、発振スペクトルを急峻とすることで発振スペクトルの線幅を狭める。
光の増幅率スペクトルの複数の極大値を順次、発振中心周波数として駆動させることで波長掃引(波長可変)光源として用いることができる。
【0024】
以下、分散チューニング、と呼ばれる能動モード同期方式により波長掃引動作を行う本願発明の光源装置により、発振スペクトルの狭小化と波長掃引が成し得る詳細について説明する。
<能動モード同期>
能動モード同期とは、複数の共振器モードを同時に励振し(縦多モード発振)、これらの位相関係を一定にするときにレーザの高周波パルス発振動作を得る手法である。
【0025】
縦多モード発振及びモード間の位相関係確定のために、典型的にはレーザの光学系内に非線形性を持たせ、かつ何らかの光変調器を導入する。例えば、光変調器が透過率制御型の光変調器である場合、光変調器で高周波に透過率を変動させることで、初めに励振された共振器モードの低周波側及び高周波側にサイドバンドを励振する。光変調器から印加される周波数をω’とするとき、前記サイドバンドは上述の初めに励振された共振器モードの周波数をω0とするときω0±ω’の周波数に励振される。
【0026】
ここでω’が共振器のモード間隔またはその整数倍に等しいとすると、前記サイドバンドがω0の隣の共振器モードを励振する。このように共振器モード同士が互いにサイドバンドを通して励起しあい、縦多モード発振か可能となる。
また、共振器内に光増幅媒体や非線形媒質、もしくは光変調器そのものなどが持つ非線形性を導入することでモード間相互作用が生じ、モード間の位相関係が確定する。その結果、レーザはパルス列を発振し出力するようになる。
このように外部から共振器に変調を加え、強制的にモード同期状態を発生させることを能動モード同期である。
【0027】
モード同期のために外部から共振器に与える変調の周波数としては、例えば光共振器の長さを200m、屈折率を約1.5とすると、光共振器の光学的周回長は300m程度になるため、この中を伝搬する光は約1MHzで共振器内を周回することになる。従ってこの共振器の共振器モード間隔(自由スペクトル間隔FSR)も約1MHzとなる。
【0028】
そこで光変調器の駆動周波数を1MHzもしくはこの整数倍に設定するとモード同期が得られる。この状態では繰り返し周波数が1MHzの整数倍のパルス列が発生する。実際にはモード同期動作の安定化のため、繰り返し周波数の100から1000倍程度で用いることが好適である。その場合、100MHzから1GHz程度でモード同期の為の変調を行うことになる。
【0029】
<分散チューニング>
分散チューニングとは、上述のモード同期を得るレーザの光共振器の屈折率が波長依存性を持つ場合、その結果として光共振器が有するFSRが波長依存性を持つことを利用して能動モード同期レーザの発振波長を変化させる動作方法である。
上述のとおり、能動モード同期は発振周波数帯において光共振器が有するFSRまたはその整数倍の変調を掛けることで実現可能である。分散チューニングでは、FSRが波長依存性を持つため、変調周波数を変化させることでモード同期の発振波長を変化させる。
つまり分散チューニング方式においては、光増幅媒体の増幅率あるいは光変調器での透過率変化の繰り返し周波数を変化させることで、モード同期状態での発振波長を変化させる。
光共振器の屈折率をn(ν)、共振器長をLとするとき以下の式(4)でFSRが表わされる。
【0030】
【数4】

【0031】
そしてこのFSRの自然数倍(×a)の周波数fmで増幅率の変調または透過率の変調を掛けることで能動モード同期が得られ、fmを変化させることで分散チューニングによる波長掃引が実現する。この説明から理解されるように分散チューニング方式の波長掃引光源は基本的にモード同期レーザである。
【0032】
ここでは、光共振器の屈折率が波長依存性を持つ場合として説明したが、別の表現をすると光共振器が強い屈折率の波長分散を持つ場合であり、更には光共振器を構成する光導波路を強い屈折率の波長分散を持つ部材で構成した場合ともいうことができる。
【0033】
<本発明における発振スペクトル狭小化>
図3にモード同期動作における発振スペクトルのグラフを示す。図3において発振線幅301はモード同期動作における縦多モード発振の総合的な線幅をとる。図3において302は、各共振器モード、303は、発振スペクトルを示す。
【0034】
ここで分散チューニング方式を含むモード同期動作を行うレーザ装置においては、発振波長のスペクトル線幅を狭める為には発振時の中心周波数の近傍に励振されるサイドバンドを抑制することが有用であると発明者は認識した。
サイドバンド抑制の手法として、中心周波数に対してその周囲のサイドバンドの周波数における増幅率を低くすることが挙げられる。
【0035】
具体的には、光共振器内の光に対しての総合的な増幅率スペクトルを図4に示すように複数の極大値402と極小値403を持つ(複数の周波数域のそれぞれで極大値と極小値を持つ)ようにする。そして極大値をとるいずれかの周波数に中心周波数404を設定して発振させる。
【0036】
発振の中心周波数を増幅率の極大値とすることで自ずと発振周波数の周辺のサイドバンドに対する増幅率は発振周波数よりも小さくなる為、サイドバンドは励振されにくくなる。
このため、モード同期動作時の光源の発振線幅は結果的に増幅率スペクトルの周波数依存性が小さい場合と比較して狭帯域化される。
また、パルス発振のためには縦多モード発振が必要であり、少なくとも中心周波数とその最近接の2つのサイドバンド、合わせて3つの縦モードの同時励振が必要である。したがって、サイドバンド間の間隔をfとおくと(fは、変調周波数fmに相当するので)、極大値の帯域幅は2×fm以上であることが必要となる。
ここで、増幅率の極大値の帯域幅について図9を参照して説明する。図9は増幅率スペクトルを示すグラフである。
【0037】
増幅率スペクトル903における一つの極大値901に注目すると、極大値901の両脇の極小値のうち増幅率が高いほうの極小値904の増幅率と、極大値901の増幅率の中間の増幅率における増幅率の周波数幅を帯域幅902と定義する。
例えば、OCT装置を用いた像取得を想定した場合、OCT像取得のために光源に必要なコヒーレンス長をbと置くとき、光源の発振線幅の上限値は光の速度をcとおくときc/bと書ける。
【0038】
したがって光源の発振線幅をc/b以下に抑制することは好適であり、そのためには増幅率の極大値の帯域幅をc/b以下に設定することも好適である。
例えば、SS−OCT装置を特に眼底測定に適用することを考えると、奥行方向に2mm以上の深さの断層像を取得できることが好適である。断層像を奥行方向2mmに渡って取得するには、最低でも奥行方向2mmの倍の4mmのコヒーレンス長が必要となる。
さらに、干渉スペクトルに乗る各種低周波ノイズと干渉信号を分離する為には、被測定物体までの距離と干渉系の参照鏡までの距離差を2倍の8mmにして測定することが好適である。つまり8mmのコヒーレンス長があることが好ましい。8mmのコヒーレンス長に対応する線幅は周波数にして約38.5GHzである。この値以下の線幅で発振していることが好適である。
【0039】
ここでファブリーペロー・エタロンの部材の屈折率をn、厚さをd、両端面の反射率をR、光速度をcとすると、エタロンが有する透過帯域幅Δfは以下の式(5)で表わされる。
【0040】
【数5】

【0041】
またこのときFSR(フリースペクトラルレンジ)は以下の式(6)で表わされる。
【0042】
【数6】

【0043】
例えば、R=0.5、エタロンの光学的厚さをn×d=4.38mmとするとき、Δf=7.7GHzとなる。光の波長を840nmとすると、波長幅に換算して約0.02nmである。またFSRは0.08nmとなる。
エタロンはその特性上、FSRは等周波数間隔である。このことは本発明の光源をSS−OCT装置用として用いる際には好ましい。
SS−OCT装置を用いて被験物体の断層像を光干渉により計測する際、測定されるデータは被験物体からの反射光と、別の参照ミラーからの反射光との干渉で生じる広帯域な干渉スペクトルである。この干渉スペクトルをフーリエ変換することで、被験物体の断層構造を算出する。
【0044】
したがってフーリエ変換のためには干渉スペクトルを等周波数間隔で計測し、得られた値をそのままフーリエ変換することが最も好ましい。逆に等周波数間隔で干渉スペクトルが計測出来ない場合には、不等周波数間隔の干渉スペクトルデータを補完し、等周波数間隔の干渉スペクトルデータを算出した上でこれをフーリエ変換する必要がある。つまり前記補完の過程で誤差が生じるため、補完操作の必要がない、等周波数間隔での干渉スペクトルデータの取得が好適である。
【0045】
本発明の光源は、等周波数間隔で離散的な波長可変動作を行う光源であって、連続的な波長掃引動作を行う光源ではない。しかしながら上述のように、OCT装置においては最終的なデータ処理として取得した干渉スペクトルデータを離散フーリエ変換する。したがって、干渉スペクトルのデータは離散的で良いため、スペクトルの取得のための光源の波長掃引も離散的な波長間隔で良いことになる。
【0046】
本発明の光源はこのような離散的な波長掃引動作を行い、特に波長掃引のステップが等周波数間隔である様なものを構成することが可能である。このような光源はOCT装置用の波長掃引光源として好適なものとなる。
【0047】
ここで、増幅率スペクトルの極小値が、1を下回っている(増幅率が極小値をとる周波数において1未満)ことも好適である。増幅率が1を下回っていることにより、その周波数ではレーザ発振が生じない。つまり増幅率が1を下回る周波数にモード同期動作のサイドバンドを励振することは不可能だからである。
【0048】
増幅率の値が1を下回る二つの極小値で挟まれた極大値に発振周波数を設定した場合、図5に示すように発振線幅の最大値を最大線幅505未満に限定することが容易となり好適である。図5において増幅率は、極大値をとる周波数において1以上を示している。
光共振器内の総合的な増幅率スペクトルに複数の極大値を持たせるために使用可能な光学素子は前述のようなファブリーペロー・エタロン(エタロン板)に限るものではない。
この他、偏波保持ファイバを用いたときに生じる偏波ビートを用いても良い。
【0049】
偏波ビートとは、複屈折材料に光を入射し、透過光を特定の偏光で観測すると、その透過率スペクトルにビートが重畳される現象である。
ここで、偏波保持ファイバは、入射した偏光状態を保ったまま伝送できる光ファイバであり、2つの偏波モード間に伝搬定数差を生じさせそれぞれの偏波モードから他方への偏波モードへの結合を抑制し偏波保持能力を高めたファイバである。
【0050】
偏波保持ファイバの例えば、パンダ型(PANDA:Polarazation−Maintaining AND Absorption−reducing)ファイバのようにslow軸とfast軸を有する媒質に対して、入射する直線偏光の偏光方向がslow軸とfast軸のいずれとも一致しない場合、光が偏波保持ファイバ中を伝搬する距離に応じて、前記slow軸に入射した偏光成分と前記fast軸に入射した偏光成分の間に位相差が生じる。
【0051】
この位相差が2πの整数倍であれば、伝搬光の偏光方向は入射光と同じ偏光方向を持つ直線偏光である。また、位相差がπの奇数倍であれば伝搬光の偏光方向は入射光の偏光方向とは異なった、つまり入射光の偏光方向をある主軸に対して反転した直線偏光である。
ここで、偏波保持ファイバの長さを、ある波長の入射光に対して、光伝搬後に2πの位相差がつくように設定し、ファイバの出射端において偏光子を通して伝搬光の透過率を測定して、入射光の偏光成分と同一の偏光成分のみを透過するように前記偏光子を配置すれば、出射光の偏光方向と偏光子が透過する偏光方向は一致する。そのため、その波長での透過率は1に近い値を示す。
ところが伝搬する光の波長が異なる場合には、2πの位相差が生じるために必要なファイバ伝搬距離は基本的に波長に比例した値となる。
別の言い方をすると、同じファイバ長でも伝播後にslow軸の偏光成分とfast軸の偏光成分に対して生じる位相差が波長によって異なる。したがって、ある波長に対して2πの位相差がついても別の波長ではπである場合もある。位相差がπの場合、出射光の偏光成分は入射光と直交する直線偏光となるため、上記の系では透過率が0に近い値となる。
【0052】
このように、ある長さの偏波保存ファイバを伝搬した際に、透過率が高い波長と低い波長があるため、透過率スペクトルにほぼ等周波数間隔のビートが乗る。
これが偏波ビートである。
偏波ビートを生じさせるためには複屈折を示す部材および偏光子が必要である。複屈折を示す部材としては、上述のような偏波保持ファイバに限らず複屈折を有する光学結晶やその他の光学素子を用いても良い。
【0053】
偏光子も通常の偏光子のほかに、偏光方向によって透過率が異なる光学素子であればいずれも採用可能である。たとえば断面形状が長方形の半導体光増幅器などは入射する偏光方向にたいして増幅率が異なることから、上述の偏波ビートを生じる為の偏光子として機能させることが可能である。
【0054】
上記複屈折媒体を伝搬した後の光の偏光が直線偏光になる場合、その偏光方向は入射光と同じ偏光方向かあるいは入射光の偏光方向をある主軸方向に対して反転した偏光方向になる。
これら二つの直線偏光状態のなす角度を90度にすることは、偏光子による消光比を大きく取る事を可能にし、結果的に偏波ビートのフリンジを深くすることに寄与するため好ましい。上記二つの直線偏光状態のなす角を90度にするためには、複屈折媒体に入射する光の直線偏光の方向を、複屈折媒体が有する二つの主軸がなす角度をちょうど二分するように入射すればよい。
【0055】
ここで、光の速度をc、上記複屈折媒体の長さをL、二つの主軸の屈折率差をΔneffとすると、偏波ビートによる透過率スペクトル上のフリンジの周波数間隔Δνは以下の式(7)を満たす。
【0056】
【数7】

【0057】
このように、エタロン板や、複屈折媒体を用いて透過率スペクトルに複数の極大値、極小値を持たせることで、モードロック動作時の発振線幅を狭帯域化することが可能となる。
【0058】
<その他採用し得る形態>
これまで光増幅媒体として半導体光増幅器(SOA)を例に説明したが、この他、光増幅媒体としては、エルビウムやネオジウム等を含有する希土類添加(イオンドープ)光ファイバ、光ファイバ中に色素を添加して色素により増幅を行うもの等を採用することができる。
【0059】
希土類添加光ファイバは、高利得で良好な雑音特性を得るためには好適である。色素添加光ファイバは、蛍光色素材料やそのホスト材料などを適宜選択することで可変波長の選択肢が増す。
【0060】
半導体光増幅器は、小型で且つ高速制御が可能なことから好ましい。半導体光増幅器としては、共振器型光増幅器と進行波形光増幅器の双方を用いることができる。半導体光増幅器を構成する材料は、一般的な半導体レーザを構成する化合物半導体等を用いることができ、具体的にはInGaAs系、InAsP系、GaAlSb系、GaAsP系、AlGaAs系、GaN系等の化合物半導体を挙げることができる。半導体光増幅器は、利得の中心波長が、例えば、840nm、1060nm、1300nm、1550nmのものの中から光源の用途等に応じて適宜、選択して採用することができる。
【0061】
本発明において、光導波路は光を伝搬させる機能と波長分散を有するものであれば、基本的に用いることができるが、外部からの影響を極力抑えるために光を閉じ込めて伝搬させる、スラブ導波路や、光ファイバを用いることが好ましい。光を閉じ込めて伝搬させる導波路は、基本的には屈折率の高い部分(コア)と屈折率の低い部分(クラッド)を有するが、細かい間隔のFSRを得るためには、比較的長い共振器長が望ましく、この観点から光ファイバを用いるのが好ましい。これは分散チューニング方式の原理からFSR間隔が小さい方が発振波長を選択するピッチが細かくなるからである。光ファイバとしては石英(SiO)ガラスを用いたものや、プラスチックを用いたもの、石英とプラスチックの両方を用いたもの等を挙げることができる。
【0062】
本発明において、光導波路が有する波長分散の分散値は、正常分散(分散値が負)のものから異常分散(分散値が正)のものまで、採用する光増幅媒体、得ようと掃引速度、掃引波長範囲等を考慮して適宜、所定の分散値のものを採用することができる。
【0063】
光変調器の例としては高速変調が可能な導波路型変調器が挙げられ、具体例としては、電気光学効果(ポッケルス効果)を用いたLN強度変調器(LiNbO基板使用)や電界吸収型光変調器(EA変調器)が挙げられる。LN強度変調器では、干渉計を備えた構成で一方の光路の屈折率を変化させて得られる干渉状態の変化により光のON/OFF制御を行うもので、高速制御に優れている。
【0064】
電界吸収型光変調器は、電界印加により半導体の吸収端がシフトすることを利用した強度変調器であり、小型で低電圧動作が可能である。
【0065】
本発明で採用し得る光共振器は、上述したリング型共振器の他、直線型共振器やσ型共振器等を採用することができる。リング型共振器は、光ファイバを用いた共振器の他、スラブ導波路、ミラーを用いて空中や真空中を光が伝播する光学系を用いたもの等を採用することができる。
【0066】
直線型共振器としては、一対の平行平面を備えた光共振器(所謂、ファブリー・ペロー共振器)や、光ファイバの端面をミラーとして直線状とした共振器等を挙げることができる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0067】
図6に本実施例の光源装置の模式図を示す。
図6に示した光源装置は、半導体光増幅器601、アイソレータ608、LN強度変調器603、光導波路としての光ファイバ603、カップラ604、光透過部材としてのエタロン板605とで光共振器が構成されている。半導体光増幅器601には駆動電源607が接続されており、駆動電源607は制御部609から送出される信号によって注入電流や増幅率を制御される。
【0068】
光ファイバ603の屈折率は大きな波長依存性(周波数依存性)を有しており、その屈折率は長波長程小さい値になっている。このため光共振器全体のFSRも周波数依存性を有することとなり、変調信号を制御することで発振波長を可変とする分散チューニング動作が可能となっている。
【0069】
半導体光増幅器は波長800nmから880nmの間で利得(ゲイン)を有しており、光導波路を含む光共振器長は100mである。光導波路としての光ファイバはシングルモードファイバで構成してある。
【0070】
LN強度変調器603を駆動して変調器の透過率を高速に変調し、能動モード同期を得る。光共振器全体の平均屈折率を1.46とすると、実効的な共振器長は146mとなる。
したがって、光共振器全体でのFSRは2.053MHzとなる。
【0071】
能動モード同期をかける光変調の周波数はFSRの整数倍に設定する。例えばFSRの500倍の周波数に設定すると、光変調の周波数は1.027GHzである。
LN強度変調器603の変調周波数を変化させることで、発振波長の掃引は波長800nmから880nmまで行う。掃引周期は10kHz、パルスレートは上述の光変調周波数に対応し1.027GHzである。
【0072】
光透過部材として用いたエタロン板は、端面の反射率R=0.5、屈折率は、1.46であり、物理的な厚さd=3mmである。ここで、このエタロン板の透過帯域は7.7GHzとなる。本実施例の光源の発振波長、840nmに着目すると、上記透過帯域は波長幅に換算して約0.02nmである。またエタロン板自体のFSRは0.08nmとなる。
【0073】
光変調器の変調周波数に対応して発振波長が変化する。本発明の光源では、発振している中心周波数を、上記エタロン板等の光透過部材を組み込んだ光共振器全体が有する増幅率スペクトルに含まれる複数の極大値にそれぞれ設定することで、中心周波数周囲のサイドバンドに対する増幅率を抑制し、結果的に発振線幅の狭帯域化が可能となる。
【0074】
また、半導体光増幅器の温度や注入電流量、各光学素子の温度等の変化により、光共振器全体が有する増幅率スペクトルは変化するため、本発明の光源の増幅率スペクトルも駆動条件により変化する。したがって、動作前に増幅率スペクトルをあらかじめ測定しておき、光源を動作させるべき発振の中心周波数をあらかじめ検証しておくことが好ましい。
上述の説明では光導波路としてシングルモードファイバを用い、光透過部材にエタロン板を使用したが本発明の光源装置は、この構成に限られるものではない。
【0075】
光導波路に偏波保持ファイバを使用し、偏波保持ファイバのslow軸とfast軸がなす角度を二分する方向に透過軸を設定した偏光子を前記偏波保持ファイバの後に挿入する構成をも採用することができる。
また、偏光子を挿入せず、その代わりに光増幅器として増幅率が偏光依存性を有するものを用いることもできる。この場合、たとえば光増幅器の活性層の断面形状が長方形をなし、その長辺方向が前記ファイバの二つの主軸がなす角度を2分する方向に設定することも好ましい。このような構成にすることで偏波ビートが生じる結果、光共振器全体の増幅率スペクトルには複数の周波数で増幅率の極大値を持つビートを生じせしめることが可能となる。
さらに本実施例では光変調器により透過率を時間的に変調させ、結果的に光共振器全体での増幅率を時間的に変調したが、光共振器内の変調方法はこの限りではなく、光変調器の機能を光増幅器で代替しても良い。つまり光増幅器に注入する電流量を時間的に変調することにより、光共振器全体の増幅率に時間的変調を与えることで能動モード同期を得る手法も採用し得る。
【実施例2】
【0076】
本実施例では、本発明の光源を用いた光干渉断層撮像装置の例を示す。
図7は本例のOCT装置の模式図である。
図7のOCT装置は、基本的には光源部(701等)、光源部からの光を検体に照射し、検体部からの反射光を伝達させる検体測定部(707等)、光を参照ミラーに照射し、参照ミラーからの反射光を伝達させる参照部(702等)、2つの反射光を干渉させる干渉部(703)、干渉部により得られた干渉光を検出する光検出部(709等)、光検出部で検出された光に基づいて画像処理を行う(断層像を得る)画像処理部(711)で構成されている。以下、各構成要素を説明する。
【0077】
光源部は、波長可変光源701と該波長可変光源を制御する光源制御部712を有して構成され、波長可変光源701は光照射用の光ファイバ710を介して干渉部を構成するファイバカップラ703に接続されている。
干渉部のファイバカップラ703は、光源の波長帯域でシングルモードのもので構成し、各種ファイバカップラは3dBカップラで構成した。
反射ミラー704は、参照光光路用ファイバ702に接続されて参照部を構成し、ファイバ702は、ファイバカップラ703に接続されている。
【0078】
検査光光路用705ファイバ、照射集光光学系706、照射位置走査用ミラー707により測定部が構成され、検査光光路用705ファイバは、ファイバカップラ703に接続されている。ファイバカップラ703では、検査物体714の内部及び表面から発生した後方散乱光と、参照部からの戻り光とが干渉して干渉光となる。
光検出部は、受光用ファイバ708とフォトディテクタ709で構成され、ファイバカップラ703で生ずる干渉光をフォトディテクタ709に導く。
フォトディテクタ709で受光された光は信号処理装置711にてスペクトル信号に変換され、さらにフーリエ変換を施すことで被験物体の奥行き情報を取得する。取得された奥行き情報は画像出力モニター713に断層画像として表示される。
ここで、信号処理装置711は、パーソナルコンピュータ等で構成することができ、画像出力モニター713は、パーソナルコンピュータの表示画面等で構成できる。
【0079】
本実施例で特徴的なのは光源部であり、波長可変光源701は光源制御装置712によりその発振波長や強度及びその時間変化が制御される。
光源制御装置712は、照射位置走査用ミラー707の駆動信号等をも制御する信号処理装置711に接続され、走査用ミラー707の駆動と同期して波長可変光源701が制御される。
【0080】
本発明の光源装置を用いた波長可変光源701は波長掃引中の線幅が細く、光干渉断層撮像の際、参照ミラーと等距離の位置から遠い位置までの干渉像を取得することが可能となる。これについて多少説明すると、波長掃引における発振波長のスペクトル幅が狭いことは、コヒーレンス長が長いことに相当し、すなわち可干渉距離が長いことになる。これより干渉光学系を構成する二つの光路の光路長差が長くても干渉信号を得られることになる。つまり、発振スペクトルの線幅が狭い本発明の光源装置を用いたOCT装置は、被検査物体の奥深い構造まで検知できるという効果を奏する。
【実施例3】
【0081】
本実施例では、干渉信号を差動検出するための光学系を備えた光断層撮像装置の例について説明する。本実施例の光断層撮像装置は、図8に模式図を示すもので、図7に示した装置と同一の部位には同一の符号を付している。
図8の装置は図7のフォトディテクタ709に代えて光検出器と差動増幅器とを兼ね備えたバランスフォトディテクタ710とファイバカップラ703及び704を組み込んで構成したことが図7装置との主たる違いである。
【0082】
バランスフォトディテクタ710は、一端には、信号処理部711が接続され、他端には、2端子がある。そのうち一つの端子はファイバ716を介して光カップラ703に接続され、残りの一端子は、ファイバ717、光カップラ704を介して結合部を構成する光カップラ705に接続されている。
【0083】
こうした接続により本実施例の装置では、測定物714と参照ミラー704からの反射光による干渉信号を二つに分け、その一方と、他方との差動を検出する。
バランスフォトディテクタ710に到達する前に光を2つに分割することで干渉信号の位相が逆位相になるため、両者を引き算すると、分割前の信号に含まれるDC成分だけが除去され、干渉信号だけが取り出せるので好適である。
尚、図中、702はアイソレータ、718、719はそれぞれ偏波コントローラである。
また、光源701からの出射光の強度を逐次モニタリングし、そのデータを干渉信号の振幅補正に用いることも可能である。
【符号の説明】
【0084】
101 光増幅媒体
102 光導波路
103 光変調器
104 光共振器
201 増幅率スペクトル
202 極大値
203 極小値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を増幅させる光増幅媒体と、光導波路と、光の強度を変調する光変調器と、を含んで構成される光共振器を備えた光源装置であって、前記光共振器は、該光共振器を周回する光に対する増幅率が複数の周波数域において、それぞれ極大値と極小値をとるように構成され、前記光の周波数をν、前記光共振器の屈折率をn(ν)、前記光共振器の長さをl、光速をc、自然数をaとして、前記光変調器を変調する周波数fmは、fm = a×c /(n(ν)×l)を満足し、前記周波数fmに対応して発振周波数が変化すると共に、該発振周波数は前記複数の周波数域における前記極大値をとる周波数に対応して定まり、前記極大値の帯域幅が2×fmよりも大きいことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記光導波路が強い屈折率の波長分散を有することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光共振器が光透過部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の光源装置
【請求項4】
前記光透過部材がファブリーペロー・エタロンであることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記光導波路が複屈折を示す部材と、偏光子を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。
【請求項6】
前記共振器内の光は、前記複屈折を示す部材への入射の際、該部材の二つの主軸方向の偏光成分を有し、前記偏光子の透過軸は前記部材の二つの主軸のいずれとも一致せず、前記共振器内で生ずる偏波ビートの周波数間隔をΔν、前記部材が有する二つの主軸の屈折率の差をΔneffとして、前記部材の長さLは以下の式を満たすことを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
【数1】

【請求項7】
前記複屈折を示す部材は、偏波保持ファイバであることを特徴とする請求項5または6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記光増幅媒体が前記偏光子を兼ねることを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
【請求項9】
前記増幅率が前記極大値をとる周波数は等周波数間隔であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項10】
前記光増幅媒体が前記光変調器を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項11】
前記増幅率は、前記極小値をとる周波数において1未満であり、前記極大値をとる周波数において1以上であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項12】
請求項1から11の何れか一項に記載の光源装置を用いた光源部と、
前記光源部からの光を検体に照射し、検体からの反射光を伝達させる検体測定部と、
前記光源部からの光を参照ミラーに照射し、該参照ミラーからの反射光を伝達させる参照部と、
前記検体測定部からの反射光と前記参照部からの反射光とを干渉させる干渉部と、
前記干渉部からの干渉光を検出する光検出部と、
前記光検出部で検出された光に基づいて、前記検体の断層像を得る画像処理部と、
を有することを特徴とする光干渉断層撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−80013(P2012−80013A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225992(P2010−225992)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】