説明

回路基板

【課題】簡単な構成で、パターン重複部分での特性インピーダンスの整合を容易に実現することが可能な回路基板を提供する。
【解決手段】電気的絶縁層5を介して順に積層配置された、グランド層2と、信号伝送配線3と、グランドパターン4とを備えた回路基板1である。グランド層2の、信号伝送配線3とグランドパターン4との重複部分をグランド層2に正射影したときの射影領域を少なくとも含む部分6が除去されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、無線通信機器などの電子機器に用いられる回路基板に関し、特に、パターン重複部分、層間接続をする表層ビア、内層ビア又は貫通ビア等での特性インピーダンスを整合させるための回路基板の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、回路基板の多層化に伴い、信号伝送配線間の距離は短くなっている。一方、信号の高速化に伴い、高周波でのインピーダンス整合の必要性が高まってきている。
【0003】
特許文献1(特開2010−212439号公報)には、図4に示すように、グランド層65と、グランド層65に対して電気的絶縁層62を介して配設された信号伝送配線63a、63bとを備えた回路基板であって、グランド層65とは反対面の信号伝送配線63a、63bを覆う電気的絶縁層64上に導電性材料からなるシールド層67が形成された回路基板61が開示されている。ここで、特性インピーダンスの制御が必要な信号伝送配線63a、63bに対峙する電気的絶縁層64上は、シールド層67が敷設されないシールド層67の開口部67aとなっている。また、信号伝送配線63a、63bが差動伝送される一対の差動信号伝送配線(ペア配線)である場合には、ペア配線間の線間距離をSとしたとき、当該線間距離Sの位置におけるペア配線の両外側とシールド層67の開口端67bとの距離Uが、3S≦U≦20Sの範囲に設定される。尚、図4中、66は電気的絶縁層を示している。
【0004】
そして、特許文献1に記載の回路基板において、ペア配線の特性インピーダンスは、信号伝送配線63a、63bのグランド層65との距離(電気的絶縁層62の厚さt)と線幅wとで規定される。
【0005】
また、特許文献2(特開2005−197720号公報)においては、ビアの周囲にインピーダンス整合用のパターンを設けた回路基板が提案されている。すなわち、図5に示すように、特許文献2の回路基板80は、複数の金属層82、83、84、86、87、89のうち、2つの金属層が高周波信号伝達のための高周波信号層86、87とされ、1つの金属層は他の金属層にグランドを提供するグランド層83とされ、回路基板80を貫通するように形成され、各高周波信号層86、87を相互に接続させる少なくとも1つのビア90と、グランド層83を貫通するように形成され、ビア90が通る経路を提供するインピーダンス整合ホール85とを備えている。そして、ビア90とグランド層83との間の離隔距離をインピーダンス整合ホール85によって適切に調節して、キャパシタンスを調整することにより、高周波信号層86、87間の高周波信号を伝達するときの回路基板80のインピーダンス整合を図るようにされている。尚、図5中、81は電気的絶縁層、88はメッキ層を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−212439号公報
【特許文献2】特開2005−197720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の回路基板の構成では、高密度配線により、グランド層65に対して規定されている信号伝送配線63a、63bに対し、シールド層(シールドパターン)67が重複し、インピーダンス不整合の状態になるという問題があった。
【0008】
また、特許文献2に記載の多層回路基板の構成は、構成が複雑であると共に、グランド層83以外の層の信号パッド84等の信号線の影響によってインピーダンス不整合の状態になるという問題があった。
【0009】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、回路基板の多層化に伴って信号伝送配線間の距離が短くなっても、簡単な構成で、パターン重複部分、層間接続をする表層ビア、内層ビア又は貫通ビア等での特性インピーダンスの整合を容易に実現することが可能な回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明に係る回路基板の第1の構成は、電気的絶縁層を介してグランド層と導電体層とが積層した積層構成の回路基板であって、前記グランド層は、前記導電体層に正射影したときの射影領域を少なくとも除去した除去領域を有する。
【0011】
本第1の構成によれば、電気的絶縁層の膜厚が薄く、グランド層と導電体層との離隔距離が近い場合であっても、導電体層がグランド層による電気的な影響を与え難い構成と成し得る。従って、導電体層のインピーダンスを下げることができ、導電体層のインピーダンスの整合をとり易い回路基板が簡単な構成で実現できる。
【0012】
本発明に係る回路基板の第2の構成は、上記第1の構成における積層構成に信号伝送配線を含み、除去領域を導電体層および信号伝送配線をグランド層に対し正射影したときの射影領域における少なくとも重複領域を含有する構成であってもよい。
【0013】
この構成によれば、信号伝送配線と導電体層とのインピーダンスがグランド層の影響を受け難く成し得るため、信号伝送配線や導電体層のインピーダンスが不整合の状態になることはない。すなわち、この構成によれば、信号伝送配線と導電体層との重複部分をグランド層に正射影したときの射影領域を少なくとも含む部分を除去するという簡単な構成で、パターン重複部分での特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。
【0014】
また、この第2の構成における信号伝送配線は、一対の差動信号伝送配線を含むと、信号伝送配線が高周波信号の場合に信号の伝送を高速に対応させることができるため好ましい。
【0015】
また、この第2の構成における電気的絶縁層は、その厚み方向を貫通し、信号伝送配線と導電体層とを電気的に接続するビアを備える構成とすることもできる。この構成によると、導電性材料で構成される信号伝送配線および導電体層を、電気的絶縁層を貫通する貫通ビアが電気的に接続することにより、多層回路基板に適用できるため好ましい。
【0016】
また、この第2の構成は、信号伝送配線および導電体層がビアと電気的に接続されたビアパッドとすることもできる。この構成によると、電気的絶縁層を介して配置されるビアパッド同士のインピーダンスの整合がとれるため好ましい。
【0017】
また、本発明に係る回路基板の第3の構成における積層構成は、導電体層と信号伝送配線とグランド層とが電気的絶縁層を介してこの順に積層することもできる。この構成によると、信号伝送配線のインピーダンスを整合させることができるため好ましい。
【0018】
なお、この導電体層が、この第3の構成における積層構成の第1層に備える表層グランド層の場合、第1層に配置した導電体層を表層グランド層とする積層回路基板に適用できるため好ましい。
【0019】
また、本発明に係る回路基板の第4の構成における積層構成は、信号伝送配線とグランド層と導電体層とが電気的絶縁層を介してこの順に積層することもできる。この構成によると、信号伝送配線のインピーダンスを整合させることができるため好ましい。
【0020】
なお、上述の回路基板の第4の構成における積層構成は、電気的絶縁層を介して積層配置された複数層の信号伝送配線と、電気的絶縁層の厚さ方向に前記電気的絶縁層を貫通して設けられ、複数の信号伝送配線それぞれを電気的に接続する複数のビアとを備え、複数層の信号伝送配線それぞれは、偶数配列されると共に、隣り合う一対の差動信号伝送配線を少なくとも一組含み、複数の電気的絶縁層を貫通して設けられ、複数層の信号伝送配線のそれぞれの差動信号伝送配線同士を電気的に接続する一対の前記ビアと、一対のビアそれぞれを電気的に接続する一対のビアパッドとを備え、グランド層に隣接する信号伝送配線をこのグランド層に正射影したときの射影領域と略同じ形状を有する除去領域を全層に備えてもよい。
【0021】
この積層構成においては、一対のビア間の距離を、拡張等することによって調整することにより、ビアでの特性インピーダンスが制御される。従って、この構成によれば、回路基板の多層化に伴って信号伝送配線間の距離が短くなっても、複数の信号伝送配線の各差動信号伝送配線同士をそれぞれ電気的に接続する一対のビアのそれぞれのビアパッド間にグランド層が位置し、このグランド層におけるビアパッドをこのグランド層に正射影したときの射影領域と略同じ形状を有する部分を全層で除去するという簡単な構成で、内層ビア又は貫通ビアでの特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。
【0022】
また、この回路基板の構成においては、グランド層における一対のビアパッド間に位置する信号伝送配線が、全層で除去されているのが好ましい。この好ましい例によれば、一対のビアパッド間の距離を、拡張等することによって調整することによるこのビアでの特性インピーダンスの制御がやりやすくなる。
【0023】
また、回路基板の第3の構成における積層構成は、電気的絶縁層を介して積層配置された複数層の信号伝送配線と、複数層の信号伝送配線それぞれを電気的に接続すると共に、電気的絶縁層の厚さ方向を貫通する複数のビアとを備え、最表面に存在する1層目の電気的絶縁層を貫通して設けられ、隣り合う2つの信号伝送配線同士それぞれを電気的に接続する2つのビアと、2つのビアを電気的にそれぞれ接続する2つのビアパッドとを備え、ビアパッドをグランド層に正射影したときの射影領域と略同じ形状を有する除去領域を備えてもよい。
【0024】
この構成によれば、最表面の1つの電気的絶縁層を貫通して設けられ、隣り合う2つの信号伝送配線同士を電気的に接続するビアの一方のビアパッドのみがグランド層と対向した状態を回避することができるため、インピーダンス不整合の状態になることはない。すなわち、この構成によれば、回路基板の多層化に伴って信号伝送配線間の距離が短くなっても、最表面の1つの電気的絶縁層を貫通して設けられ、隣り合う2つの信号伝送配線同士を電気的に接続するビアを備え、電気的絶縁層の厚さ方向でこのビアに隣り合うグランド層に、このビアのビアパッドを正射影したときの射影領域と略同じ形状を有する部分を除去するという簡単な構成で、表層ビアでの特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。
【0025】
また、この構成においては、前記各信号伝送配線が、偶数配列されると共に、隣り合う一対の差動信号伝送配線を少なくとも一組含むのが好ましい。この好ましい例によれば、上述の第2の構成と組み合わせることにより、特性インピーダンスの整合を考慮した回路基板の設計の自由度を高めることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、回路基板の多層化に伴って信号伝送配線間の距離が短くなっても、簡単な構成で、パターン重複部分、層間接続をする表層ビア、内層ビア又は貫通ビア等での特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。そして、特性インピーダンスの整合により、配線の長さを延長することが可能となる。このため、従来、情報処理装置や無線通信機器などの電子機器の本体にしか内蔵できなかった高性能グラフィック機能を、電子機器と独立する周辺機器に搭載することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】第1の実施の形態における回路基板の要部を模式的に示した斜視図である。
【図1B】図1Aの実施の形態における回路基板の変形例の要部を模式的に示した斜視図である。
【図1C】図1Aの実施の形態における回路基板の他の変形例の要部を模式的に示した斜視図である。
【図2】第2の実施の形態における回路基板の要部を模式的に示した斜視図である。
【図3】第2の実施の形態における回路基板の変形例の要部を模式的に示した斜視図である。
【図4A】第3の実施の形態における回路基板の要部を模式的に示した斜視図である。
【図4B】図4Aの要部を模式的に示した平面図である。
【図4C】図4Aの要部を模式的に示した断面図である。
【図5A】第4の実施の形態における回路基板の変形例の要部を模式的に示した斜視図である。
【図5B】図5Aの要部を模式的に示した平面図である。
【図5C】図5Aの要部を模式的に示した断面図である。
【図6】第4の実施形態における回路基板の変形例の要部を模式的に示した斜視図である。
【図7】第4の実施の形態における回路基板の他の例の要部を模式的に示した斜視図である。
【図8】第1の従来技術における回路基板を示す断面図である。
【図9】第2の従来技術における回路基板を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、実施の形態を用いてさらに具体的に説明する。
【0029】
[第1の実施の形態]
まず、本実施の形態について、図1A乃至図1Cを参照して説明する。
【0030】
図1Aは、最も簡便化した回路基板101の構成を示す斜視図である。同図において、102はグランド層、104は導電体層、106はグランド層102から除去した除去領域である。なお、煩雑となるため図示は省略したが、少なくともグランド層102と導電体層104との間には、電気的絶縁層が配置されている。近年このように積層構成を有する回路基板では、高密度実装に対する要請に対応するため、グランド層102と導電体層104との間隙Dも益々薄膜化されている。導電体層104のインピーダンス整合を図る必要性があるとき、グランド層102と導電体層104との離隔距離Dが小さいと、グランド層102の導電性によりインピーダンスの整合に乱れが生じる。そこで、回路基板101は、グランド層102に正射影したときの導電体層104の射影領域を、グランド層102から除去した除去領域106を少なくともグランド層102に備える。この構成により、グランド層102による電気的影響を導電体層104に与え難い構成が達成でき、回路基板101としてのインピーダンスが下げられ、インピーダンスの整合を簡単な構成で取ることができる。
【0031】
なお、回路基板102が例えば多層構成を有する場合には、図1Bや図1Cに示したように、導電体層104は、他の層の導電性材料(不図示)と電気的に接続するビア104aに接続するビアパッド等として適用できる。この導電性材料は、導電体層104に電流を供給する配線や信号を授受する信号伝送配線等がある。なお、図1Bはグランド層102に対して導電体層104側に存在する導電性材料と電気的に接続する構成であり、図1Cは逆にグランド層102に対し導電体層104を配置した層と反対側に存在する導電性材料と電気的に接続する構成である。また、図1Aと同様に、少なくともグランド層102と導電体層104との間には電気的絶縁層が存在する。さらに、ビア104aも電気的絶縁層を貫通し、導電体層104(図1Bの場合)またはグランド層106(図1Cの場合)のいずれかと他の層に配置した導電性材料とは電気的に絶縁されている。
【0032】
[第2の実施の形態]
次に、信号伝送配線を積層構成に備える場合について、図2および図3を参照して説明する。
【0033】
図2は、グランド層202と導電体層204との間に、信号伝送配線203を配置した回路基板201である。なお、煩雑となるため図示は省略したが、導電体層204と信号伝送配線203との間、および信号伝送配線203とグランド層202との間には、少なくとも電気絶縁層が設けられている。上述したように高密度実装のため、信号伝送配線203とグランド層202との間隙Dが小さく構成される。一方、信号伝送配線203と導電体層204とのインピーダンスの整合を取る必要性があるとき、グランド層202が信号伝送配線203に対して電気的な影響を与え、インピーダンス整合がとれないことが生じる。そこで、導電体層204と信号伝送配線203との重複領域(以下、非接触で厚み方向に重なり合う領域を有する関係を「重複」という)206を、グランド層202から除去する構成で、グランド層202から受ける電気的な影響をなくすことができ、回路基板201のインピーダンス整合を簡単な構成で取ることができる。
【0034】
なお、上述の実施の形態では信号伝送配線203は単一の場合であるが、高密度実装の要請のため、信号伝送配線203の配線幅を狭く、かつ信号伝送配線203を備える層の面方向に対しても複数本備える構成を採用されている。特に、高周波信号を伝送する伝送線路を高速に対応させるため、一対の差動信号伝送路を多数配列する構成が専ら取られている。
【0035】
図3は、上記要請の一例として、差動信号伝送配線303aと303bとを備える信号伝送配線303を、導電体層304とグランド層302との間に備えた構成である。なお、導電体層304と信号伝送配線303との間、および信号伝送配線303とグランド層302との間には少なくとも電気的絶縁層が配置されている。図2に示したように、差動信号伝送配線303aおよび303bと導電体層304との重複部分のみグランド層302から除去する構成が、回路基板301に対する変更点が少なく、また差動信号伝送配線303bの反対側で、差動信号伝送配線303aに隣接する他の差動信号伝送配線等に対する影響を最小限に抑えることができ好ましい。しかしながら、高密度化された差動信号伝送配線303aおよび303bと導電体層304との重複領域のみをグランド層302から除去することは非常に困難をきたし、実際の製造を鑑みると製造誤差等が存在するため実現し難い。そこで、図3に示したように、グランド層302に対し、一対の差動信号伝送配線303aおよび303bが重複する側の導電体層304の正射影領域を除去領域としても、差動信号伝送配線303aおよび303bのインピーダンス整合を取ることができる。このように、図3に示した構成であっても、少なくとも差動信号伝送配線303aおよび303bのグランド層302に対する正射影領域は除去されている。なお、導電体層304は、例えば他の層の導電性材料とビアによって電気的に接続され、このビアと電気的に接続されるビアパッドであっても、図1Bおよび図1Cの構成と同様に、図3の構成は同様の効果を呈する。
【0036】
[第3の実施の形態]
図4Aは、第3の実施の形態における回路基板の要部を模式的に示した斜視図、図4Bは、当該回路基板の要部を模式的に示した平面図、図4Cは、当該回路基板の要部を模式的に示した断面図である。
【0037】
図4A乃至図4Cに示すように、本実施の形態の回路基板1は、グランド層2および信号伝送配線3が電気的絶縁層5を介して順に積層配置されている。ここで、信号伝送配線3は、差動伝送される一対の差動信号伝送配線3a、3bからなっている。
【0038】
また、回路基板1は、信号伝送配線3上に、電気的絶縁層5(図4C参照)を介して導電材料で形成した所定のパターン(以下「グランドパターン」と称する)4が配置されている。すなわち、グランドパターン4は本実施の形態における導電体層である。そして、このグランドパターン4は、グランド用ビア4aを介してグランド層2に電気的に接続されている。
【0039】
この回路基板1は、図4Bに示した平面図で、信号伝送配線3(一対の差動信号伝送配線3a、3b)とグランドパターン4とは重複している。そしてグランド層2は、信号伝送配線3(一対の差動信号伝送配線3a、3b)とグランドパターン4との重複部分を、このグランド層2に正射影したときの射影領域を少なくとも含む領域(図4Bにおいて「ドット」で示す部分)が除去されている。グランド層2の除去領域を参照符号6で示す。
【0040】
回路基板1の構成によれば、信号伝送配線3(一対の差動信号伝送配線3a、3b)は、その全長に亘ってグランド層2およびグランドパターン4のいずれか一方とのみ対向することになるため、インピーダンス不整合の状態になることはない。すなわち、回路基板1は、信号伝送配線3(一対の差動信号伝送配線3a、3b)およびグランドパターン4との重複部分(パターン重複部分)を、グランド層2に正射影した射影領域を少なくとも含む領域を除去するという簡単な構成で、パターン重複部分での特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。
【0041】
尚、本実施の形態において、グランド層2の除去領域6は、信号伝送配線3(一対の差動信号伝送配線3a、3b)とグランドパターン4との重複部分を、このグランド層2に正射影したときの射影領域を少なくとも含む領域であればよい。すなわち、信号伝送配線3(一対の差動信号伝送配線3a、3b)とグランドパターン4との重複部分を、グランド層2に正射影したときの射影領域のみを除去するようにしてもよく、図1Bに「ドット」で示す部分よりも広い部分に亘って除去するようにしてもよい。但し、グランドパターン4をグランド層2に正射影したときの射影領域の外側の領域に亘ってグランド層2を除去すると、グランド層2およびグランドパターン4のいずれとも対向しない信号伝送配線3(一対の差動信号伝送配線3a、3b)が現れ、特性インピーダンスの整合を実現できなくなるときがある。
【0042】
また、本実施の形態においては、信号伝送配線3と重複する所定のパターンがグランドパターン4である場合を例に挙げて説明したが、所定のパターンはグランドパターン4に限定されるものではない。所定のパターンは、銀等の導電性材料からなる例えばシールドパターン等であってもよい。
【0043】
[第4の実施の形態]
図5Aは、第4の実施の形態における回路基板の要部を模式的に示した斜視図、図5Bは、当該回路基板の要部を模式的に示した平面図、図5Cは、当該回路基板の要部を模式的に示した断面図である。
【0044】
図5A乃至図5Cに示すように、本実施の形態の回路基板7は、電気的絶縁層8を介して積層配置された複数の信号伝送配線9、10、11と、電気的絶縁層8の厚さ方向に電気的絶縁層8を貫通して設けられ、2つの信号伝送配線をそれぞれ別々に電気的に接続する複数のビア12、13とを備えている。ここで、ビア12はビアパッド16、17を有し、ビア13はビアパッド14、15を有している。また、信号伝送配線9、10、11は、一対の差動信号伝送配線9a、9b、一対の差動信号伝送配線10a、10b、一対の差動信号伝送配線11a、11bで構成され、それぞれは差動伝送する。そして、これに伴い、ビア12、13も、それぞれ、一対のビア12a、12b、一対のビア13a、13bからなっている。
【0045】
一対のビア13a、13bは、複数の電気的絶縁層8を貫通している。ビア13aは、信号伝送配線10の差動信号伝送配線10aおよび信号伝送配線11の差動伝送配線11aを電気的に接続している。ビア13bは、信号伝送配線10の差動信号伝送配線10bおよび信号伝送配線11の差動信号伝送配線11bを電気的に接続している。
【0046】
そして、ビア13aのビアパッド14aおよび15a間に位置するグランド層19は、ビアパッド14aおよび15aをグランド層19に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域21(21a)が除去されている。
【0047】
また、ビア13bのビアパッド14bおよび15b間に位置するグランド層19は、ビアパッド14bおよび15bをグランド層19に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域21(21b)が除去されている。
【0048】
すなわち、ビアパッド14とビアパッド15との間に存在するグランド層19から除去される除去領域21は、ビアパッド14および15の内、グランド層19に対し近接しているビアパッド(本実施の形態ではビアパッド14)を、グランド層に対し積層方向に対する射影領域以上である。
【0049】
なお、本実施の形態における回路基板7は、ビア13aのビアパッド14aと15aとの間、及び、ビア13bのビアパッド14bと15bとの間それぞれに1つのグランド層19が配置されている場合を例に挙げて説明したが、ビア13aのビアパッド14aと15aとの間、及び、ビア13bのビアパッド14bと15bとの間に複数のグランド層が配置されている場合には、複数のグランド層の全層が同じように除去される。
【0050】
また、回路基板7は、一対のビア13aおよび13bの距離を拡張等する調整により、ビア13での特性インピーダンスが制御される。従って、回路基板7の構成によれば、ビア13aのビアパッド14aおよび15a間に位置するグランド層19に対し、ビアパッド14aおよび15aを正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域21(21a)を全層で除去し、かつ、ビア13bのビアパッド14bおよび15b間に位置するグランド層19に対し、ビアパッド14bおよび15bを正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域21(21b)を全層で除去するという簡単な構成によって、内層ビア又は貫通ビアでの特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。
【0051】
尚、特開2008−211240号公報においては、上記特許文献2よりも簡単な構成で、ビアの周囲にインピーダンス整合用のパターンを設けた回路基板が提案されているが、回路基板の多層化に伴って信号伝送配線間の距離が短くなると、当該公報に記載の手法によってインピーダンスを整合させることが困難になる恐れがある。その点、本実施の形態における回路基板7の構成の場合には、ビア13aのビアパッド14aおよび15a間に位置するグランド層19に対し、ビアパッド14aおよび15aを正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域21(21a)を全層で除去し、かつ、ビア13bのビアパッド14bおよび15b間に位置するグランド層19に対し、ビアパッド14bおよび15bを正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域21(21b)を全層で除去するだけで、内層ビア又は貫通ビアでの特性インピーダンスの整合を実現するものであるので、回路基板の多層化に伴って信号伝送配線間の距離が短くなっても、内層ビア又は貫通ビアでの特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。
【0052】
また、図6A乃至図6Cに示すように、一対のビア12a、12bは、最表面の1つの電気的絶縁層8を貫通して設けられ、それぞれ、2つの信号伝送配線9、10の各差動信号伝送配線同士(差動信号伝送配線9aと差動信号伝送配線10a、差動信号伝送配線9bと差動信号伝送配線10b)を電気的に接続している。
【0053】
そして、ビア12aに、電気的絶縁層8の厚さ方向で隣り合うグランド層19の、ビア12aのビアパッド17aをグランド層19に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域18aが除去されている。
【0054】
また、ビア12bに、電気的絶縁層8の厚さ方向で隣り合うグランド層19の、ビア12bのビアパッド17bをグランド層19に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域18bが除去されている。
【0055】
以上の回路基板7の構成によれば、最表面の1つの電気的絶縁層8を貫通して設けられ、2つの信号伝送配線9および10を電気的に接続するビア12の一方のビアパッド17のみがグランド層19と対向した状態を回避することができるため、インピーダンス不整合の状態になることはない。すなわち、以上の回路基板7の構成によれば、ビア12aに、電気的絶縁層8の厚さ方向で隣り合うグランド層19に対し、ビア12aのビアパッド17aを正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域を除去し、かつ、ビア12bに、電気的絶縁層8の厚さ方向で隣り合うグランド層19に対し、ビア12bのビアパッド17bを正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域を除去するという簡単な構成で、表層ビアでの特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。
【0056】
また、この場合にも、ビア12aに、電気的絶縁層8の厚さ方向で隣り合うグランド層19に対し、ビア12aのビアパッド17aを正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域を除去し、かつ、ビア12bに、電気的絶縁層8の厚さ方向で隣り合うグランド層19に対し、ビア12bのビアパッド17bを正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域を除去するだけで、表層ビアでの特性インピーダンスの整合を実現するものであるので、回路基板の多層化に伴って信号伝送配線間の距離が短くなっても、表層ビアでの特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。
【0057】
尚、本実施の形態においては、内層ビア又は貫通ビアでの特性インピーダンスの整合を実現する構成、及び、表層ビアでの特性インピーダンスの整合を実現する構成の両方を備えた回路基板7を例に挙げて説明したが、いずれか一方の構成を備えた回路基板であれば、所期の目的を達成することができる。
【0058】
そして、内層ビア又は貫通ビアでの特性インピーダンスの整合を実現する構成、及び、表層ビアでの特性インピーダンスの整合を実現する構成を適宜組み合わせることにより、特性インピーダンスの整合を考慮した回路基板の設計の自由度を高めることができる。
【0059】
また、上記第3及び第4の実施の形態においては、信号伝送配線3、9乃至11を、それぞれ一対の差動信号伝送配線として説明しているが、各信号伝送配線は、偶数配列されると共に、隣り合う一対の差動信号伝送配線を少なくとも一組含む構成であればよい。この場合、一対の差動信号伝送配線同士の間隔は、一対の差動信号伝送配線の間隔よりも広く設定される。
【0060】
図6は、第4の実施の形態の変形例における回路基板の要部を模式的に示した斜視図である。
【0061】
同図に示すように、回路基板407は、電気的絶縁層(図示は省略)を介して積層された複数の信号伝送配線409、410および411と、電気的絶縁層の厚さ方向に電気的絶縁層を貫通して設けられ、2つの信号伝送配線をそれぞれ別々に電気的に接続する複数のビア412および413を備えている。ここで、ビア412はビアパッド416および417を有し、ビア413はビアパッド414および415を有している。また、信号伝送配線409は一対の差動信号伝送配線409aおよび409bで構成され、信号伝送配線410は一対の差動信号伝送配線410aおよび410bで構成され、信号伝送配線411は一対の差動信号伝送配線411aおよび411bで構成され、それぞれは差動伝送する。そして、ビア412は一対のビア412aおよび412bで構成され、ビア413は一対のビア413aおよび413bで構成される。
【0062】
一対のビア412aおよび412bは、最表面の1つの電気的絶縁層(不図示)を貫通している。ビア412aは、信号伝送配線409の差動信号伝送配線409aおよび信号伝送配線410の差動信号伝送配線410aを電気的に接続している。ビア412bは、信号伝送配線409の差動信号伝送配線409bおよび信号伝送配線410の差動信号伝送配線410bを電気的に接続している。
【0063】
そして、ビア412aに、最表面の電気的絶縁層(不図示)の厚さ方向で隣り合うグランド層419の、ビア412aのビアパッド417aをグランド層419に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域418aが除去されている。
【0064】
また、ビア412bに、最表面の電気的絶縁層の厚さ方向で隣り合うグランド層419の、ビア412bのビアパッド417bをグランド層419に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域418bが除去されている。
【0065】
すなわち、回路基板7は、信号伝送配線10がビアパッド17における間隔よりもビアパッド13における間隔を広く構成した場合に対し、回路基板407は信号伝送配線410の間隔がビアパッド417とビアパッド414とで同一に構成した点が異なる。
【0066】
回路基板407の構成によれば、最表面の1つの電気的絶縁層(不図示)を貫通して設けられ、2つの信号伝送配線409、410を電気的に接続するビア412の一方のビアパッド417のみがグランド層419と対向した状態を回避することができる。この構成のため、インピーダンス不整合の状態になることはない。すなわち、回路基板407の構成によれば、ビア412aに、最表面の電気的絶縁層の厚さ方向で隣り合うグランド層419の、ビア412aのビアパッド417aをグランド層419に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域418aを除去し、かつ、ビア412bに、最表面の電気的絶縁層の厚さ方向で隣り合うグランド層419の、ビア412bのビアパッド417bをグランド層419に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域418bを除去するという簡単な構成で、表層ビアでの特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。
【0067】
また、この場合にも、ビア412aに、最表面の電気的絶縁層(不図示)の厚さ方向で隣り合うグランド層419の、ビア412aのビアパッド417aをグランド層419に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域418aを除去し、かつ、ビア412bに、最表面の電気的絶縁層の厚さ方向で隣り合うグランド層419の、ビア412bのビアパッド417bをグランド層419に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する除去領域418bを除去するだけで、表層ビアでの特性インピーダンスの整合を実現するものであるので、回路基板の多層化に伴って信号伝送配線間の距離が短くなっても、表層ビアでの特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。
【0068】
一対のビア413aおよび413bは、複数層の電気的絶縁層(不図示)を貫通している。ビア423aは、信号伝送配線410の差動信号伝送配線410aおよび信号伝送配線411の差動信号伝送配線411aを電気的に接続している。ビア423bは、信号伝送配線410の差動信号伝送配線410bおよび信号伝送配線411の差動信号伝送配線411bを電気的に接続している。
【0069】
そして、ビア413aのビアパッド414aおよび415a間に位置するグランド層419は、ビアパッド414aおよび415aをグランド層419に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する部分421(421a)が除去されている。
【0070】
また、ビア413bのビアパッド414bおよび415b間に位置するグランド層419は、ビアパッド414bおよび415bをグランド層419に正射影したときの射影領域と同じ形状又は前記射影領域の拡大相似形状を有する部分421(421b)が除去されている。
【0071】
すなわち、ビアパッド414とビアパッド415との間に存在するグランド層419から除去される部分421は、ビアパッド414および415の内、グランド層419に対し近接しているビアパッド(本実施の形態ではビアパッド414)を、グランド層に対し積層方向に対する射影領域以上である。
【0072】
なお、本実施の形態における回路基板407は、ビア413aのビアパッド414aと415aとの間、及び、ビア413bのビアパッド414bと415bとの間それぞれに1つのグランド層419が配置されている場合を例に挙げて説明したが、ビア413aのビアパッド414aと415aとの間、及び、ビア413bのビアパッド414bと415bとの間に複数のグランド層が配置されている場合には、複数のグランド層の全層が同じように除去される。
【0073】
このように、信号伝送配線410の間隙が同一の構成の回路基板407であっても、グランド層に対しビアパッドの正射影領域を除去するという簡単な構成により、内層ビア又は貫通ビアでの特性インピーダンスの整合を実現する構成、及び、表層ビアでの特性インピーダンスの整合を実現する構成を適宜組み合わせることにより、特性インピーダンスの整合を考慮した回路基板の設計の自由度を高めることができる。
【0074】
尚、図7に示すように、グランド層19の、一対のビア13a、13b間に位置する部分を、さらに全層で除去して、長円形の除去部分20を形成することにより、一対のビア13a、13b間の距離を、拡張等することによって調整することによるビア13での特性インピーダンスの制御がやりやすくなる。ここで、一対のビア13a、13b間に位置するグランド層19の除去部分の幅は、ビア13a、13bの外径以上であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によれば、回路基板の多層化に伴って信号伝送配線間の距離が短くなっても、簡単な構成で、パターン重複部分、層間接続をする表層ビア、内層ビア又は貫通ビア等での特性インピーダンスの整合を容易に実現することができる。そして、特性インピーダンスの整合により、配線の長さを延長することが可能となる。従って、本発明は、例えば,高性能グラフィック機能を周辺機器に搭載することが要求される電子機器の回路基板として有用である。
【符号の説明】
【0076】
1、7 回路基板
2、19 グランド層
3、9、10、11 信号伝送配線
3a、3b、9a、9b、10a、10b、11a、11b 差動信号伝送配線
4グランドパターン
4a グランド用ビア
5、8 電気的絶縁層
6、20、21、21a、21b グランド層の除去部分
12、13、12a、12b、13a、13b ビア
14、14a、15、15a、16、16a、16b、17、17a、17b ビアパッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的絶縁層を介してグランド層と導電体層とが積層した積層構成の回路基板であって、
前記グランド層は、前記導電体層を正射影したときの射影領域を少なくとも除去した除去領域を少なくとも有する回路基板。
【請求項2】
前記積層構成は、信号伝送配線を含み、
前記除去領域は、前記導電体層および前記信号伝送配線を正射影したときの射影領域における少なくとも重複領域を含有する、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記信号伝送配線は、一対の差動信号伝送配線を含む、請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記電気的絶縁層の厚み方向を貫通し、前記信号伝送配線と前記導電体層とを電気的に接続するビアを備える、請求項2に記載の回路基板。
【請求項5】
前記信号伝送配線および前記導電体層が前記ビアと電気的に接続されたビアパッドである、請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記積層構成は、前記導電体層、前記信号伝送配線および前記グランド層が電気的絶縁層を介してこの順に積層されている、請求項2に記載の回路基板。
【請求項7】
前記導電体層は、前記積層構成における第1層に備える表層グランド層である、請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記積層構成は、前記信号伝送配線、前記グランド層および前記導電体層が電気的絶縁層を介してこの順に積層されている、請求項2に記載の回路基板。
【請求項9】
前記積層構成は、前記電気的絶縁層を介して積層配置された複数層の信号伝送配線と、複数層の前記信号伝送配線を電気的に接続する前記電気的電気的絶縁層の厚さ方向を貫通する複数のビアとを備え、
複数層の前記信号伝送配線それぞれの層は、偶数配列されると共に、隣り合う一対の差動信号伝送配線を少なくとも一組含み、
複数の前記電気的絶縁層を貫通して設けられ、複数層の前記信号伝送配線のそれぞれの前記差動信号伝送配線同士を電気的に接続する一対の前記ビアと、一対の前記ビアを電気的に接続する一対の前記ビアパッドとを、前記グランド層に正射影したときの射影領域と略同じ形状を有する前記除去領域を全層に備える、請求項7に記載の回路基板。
【請求項10】
前記積層構成は、前記電気的絶縁層を介して積層配置された複数層の信号伝送配線と、前記電気的絶縁層の厚さ方向に前記電気的絶縁層を貫通して設けられ、複数層の前記信号伝送配線を電気的に接続する複数のビアとを備え、
最表面に存在する1層目の前記電気的絶縁層を貫通して設けられ、隣り合う2つの前記信号伝送配線同士それぞれを電気的に接続する2つの前記ビアと、2つの前記ビアを電気的にそれぞれ接続する2つの前記ビアパッドとを備え、前記ビアパッドを前記グランド層に正射影したときの射影領域と略同じ形状を有する前記除去領域を備える、請求項6に記載のする回路基板。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−238848(P2012−238848A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−95055(P2012−95055)
【出願日】平成24年4月18日(2012.4.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】