履物及びその製法
【課題】 本発明は中底を一切使用しないで、返りの良好な履物であり、かつ履物の各構成部材の柔軟性を損なうことがなく、履く人にやさしく、履いた時に軽量感のあるサンダルや靴等の履物及びその製法を提供する。
【解決手段】本発明に係る履物は、表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿って凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部を交互に形成し、かつ踵部を一体に形成し、表底の踵部及び前記凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた足形形状のシート状被覆体にて凸条部及び踵部が穴部から顕出する如く前記表底を被覆し、前記表底の上面には足形形状をした弾性シートを形成し、該弾性シートの上に中敷を形成し、中敷周縁と前記シート状被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及びシート状被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付ける。
【解決手段】本発明に係る履物は、表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿って凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部を交互に形成し、かつ踵部を一体に形成し、表底の踵部及び前記凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた足形形状のシート状被覆体にて凸条部及び踵部が穴部から顕出する如く前記表底を被覆し、前記表底の上面には足形形状をした弾性シートを形成し、該弾性シートの上に中敷を形成し、中敷周縁と前記シート状被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及びシート状被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサンダル、靴、室内履き履物等の各種履物に適用され、特に履いた時に足の返りが良好な履物及びその製法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来靴の製法として、グッドイヤ式製法があり、この製法は中底を靴型に仮止めして製甲をつり込み、製甲と細革とをこの中底リブに製靴機械にて縫いつける方法である。これに対してセメンテッド式製法は、つり込んだ甲と底とを糸で縫い付けないで接着剤で張り合わせる方法である。また、マッケイ式製法は、つり込み済みの製甲と中底に表底を張り付けて、靴型を抜いてから製甲・中底・表底の3者を一緒に機械で通し縫いする方法である。
【0003】
上記従来の靴の製法は、いずれも中底を製法上の必須構成部材としている。この中底は靴の土台となる重要な部品であり、構造上はアッパー(靴の甲の部分)、ヒール、細革(グッドイヤー・ウェルト式製法の場合)、本底(表底)を接合する本体として、靴の背骨の役割を果たすと同時に、直接足を支えるという機能をもっており、靴のふまずあたりから後方はびくともしないように強靭に作られている。
【0004】
上記従来の靴の製法は、いずれも中底を構造上の必須構成部材としているために、靴本来の強靭さは確保されるものの、靴を履く人にとっては、靴底自体の返しがないために長時間に亘り履いていると足に過度の負担や疲労の原因ともなる。
【0005】
また、靴底の返しをよくするための靴として、甲革、中底及び表底を備えた履物において、該中底のうち足の趾部と中足部相当部位に繰り抜き穴を形成し、該繰り抜き穴全体を埋めるように返りの良好な柔軟材にて形成したことを特徴とする履物がある(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平10−57104号公報
【0007】
しかし、上記特許文献1も基本的に中底を使用しており、また中底のうち足の趾部と中足部相当部位に繰り抜き穴を形成し、該繰り抜き穴全体を埋めるように返りの良好な柔軟材にて形成しているが、繰り抜き穴から柔軟材が剥離あるいは脱落等が起きたりする原因となり、さらには繰り抜き穴部位と中底との材料が異なるために履く人に違和感等が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の点に鑑み、中底を一切使用しないで、返りの良好な履物であり、かつ履物の各構成部材の柔軟性を損なうことがなく、履く人にやさしく、履いた時に軽量感のあるサンダルや靴等の履物及びその製法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る履物は、熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材からなる表底であって、該表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿って凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部を交互に形成し、かつ踵部を一体に形成し、表底の踵部及び前記凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた足形形状のシート状被覆体にて凸条部及び踵部が穴部から顕出する如く前記表底を被覆し、前記表底の上面には足形形状をした弾性シートを形成し、該弾性シートの上に中敷を形成し、アッパーの周縁下端が前記弾性シートの周縁又は表底の上面周縁に当接状態で中敷周縁と前記シート状被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及びシート状被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付け、且つアッパーがない箇所がある場合は中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付けたことを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の履物は、表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿って凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部を交互に形成するとともに該凸条部及び凸条部より凹んだ薄肉部は表底裏面における足の指先相当部位にも形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の履物の表底裏面に一体に形成する踵部が、表底裏面における足の返り相当部位の近傍まで延出形成していることを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の履物に用いる足形形状をした弾性シートは、軟らかいスポンジ体と該スポンジ体より硬く柔軟性を有する弾性材とを重ね合わせるか又は該スポンジ体より硬く柔軟性を有する弾性材単独で形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る履物の製法は、表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿ってブロック状の凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部が交互に形成され、かつ踵部を備えた表底を熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材にて一体に成型し、その成型した表底の踵部及び前記凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた足形形状のシート状被覆体にて各凸条部及び踵部が穴部から顕出する如く前記表底の裏面を被覆する工程と、表底の上面に足形形状をした弾性シートを敷設する工程と、弾性シートの上に重ねて中敷を敷設する工程と、アッパーの周縁下端が前記弾性シートの周縁又は表底の上面周縁に当接状態で中敷周縁と被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及び被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付ける工程及びアッパーがない箇所がある場合での糸による縫い付けは中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付ける工程とからなる。
【0014】
本発明に係る履物の製法は、表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿ってブロック状の凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部が交互に形成され、かつ踵部を備えた表底を熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材にて一体に成型した表底を予め作成する工程と、足形形状をした弾性シートの上に重ねて中敷を敷設する工程と、前記中敷周縁は表底の踵部及び前記各凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及び被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付け、外部から糸縫い部が見えないように内部に縫い目を包み込むように縫いつける工程及びアッパーがない箇所がある場合には糸による縫い付けは中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着し外部から糸縫い部が見えないように内部に縫い目を包み込むように縫いつける工程と、上記被覆体の踵部相当部位の穴部から上記表底を挿入して袋状に縫われた中敷と上記被覆体で形成される空間に収納し、かつ被覆体の穴部から各凸条部及び踵部をそれぞれ顕出させる工程からなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は中底を一切使用しないで、返りの良好なサンダルや靴等の履きやすい履物が得られる。特に、中敷及び足形形状をした弾性シートは従来のように全面に接着剤接着をするといった固定方法を採用しないので、履物の各構成部材の柔軟性がそれぞれ損なわれることがなく、履く人にやさしく、履いた時に軽量感を与えることができる履物である。
【0016】
また本発明は、中敷の周縁と、表底の踵部及び前記各凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた被覆体の上部周縁とが糸により密着するように袋状に縫い込まれるので、その縫いこまれた空間内に足形形状をした弾性シート及び表底が収納され、表底の凸条部及び踵部が上記穴部から外部に顕出することとなり、表底の上面に敷設した弾性シートが中敷によりしっかりと固定され、接着剤等が不要となり各部材の柔軟性が維持され、履き心地の良い履物が得られる。
【0017】
さらに本発明の履物の製法は、従来の中底を廃止し、履く人が長時間に亘って履いても過度の負担がかかることがなく履きやすく、履いた時に軽量感及び柔軟性の得られる履物として画期的な製法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施例を図面に基いて説明する。
図1は本発明に係る履物をサンダルに適用した場合の斜視図である。1はアッパー、2は中敷、3は表底、4はシート状被覆体、6は糸縫い部分をそれぞれ示す。
【0019】
図2は本発明に係る履物をサンダルに適用した場合の分解斜視図である。
中敷2は足の裏に直接当たる部分であり、革、合成樹脂等の素材からなるシートであるが、後述する足形形状をした弾性シート5とは全面に接着剤による貼り合わせをする構造ではなくスポット的な接着またはその他の固定手段を採用するか、あるいは弾性シート5の上面に単に中敷2を密着させる構造とする。
中敷2と弾性シート5を貼り合わせする構造を採用しない理由は各素材の柔軟性を有効に生かし、足の返り動作をなるべく阻害しないようにするためである。従来のように、貼り合わせ構造とした場合、接着剤の硬化に伴う素材自体の柔軟性が損なわれることを防ぐためである。
【0020】
足形形状をした弾性シート5は図2では足形形状に裁断したシート状のスポンジ体5aと合成ゴム、柔軟性を有する合成樹脂その他の弾性材料からなるシート状弾性体5bを重ねて組み合わせ使用するか、あるいはシート状弾性体5bの単独使用であってもよい。シート状のスポンジ体5aとシート状弾性体5bは全面が接着剤により貼り合わせ構造とすることなく両者がずれない程度にスポット的に固定するか、あるいは単に密着して重ねるようにしてもよい。
【0021】
表底3はEVA等の熱可塑性エラストマー、合成ゴム、ウレタン樹脂等の発泡体その他の弾性材からなり、該表底3の裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿ってブロック状の凸条部7及び該凸条部7より凹んだ薄肉部8を交互に形成し、かつブロック状の踵部9が成型により一体に形成される。
ブロック状の凸条部7の形状は直方体その他各種形状であってもよく、要は足の返りがしやすい形状及び構造であればよい。表底3自体は軽量化等の観点から成型時に表底3の上面及びその内部に窪み3aを形成する場合であってもよい。
ブロック状の踵部9は図7に示すように、表底3の裏面における足の返り相当部位の近傍に延出する大きさに形成してもよい。この場合は、後述する履物の製法のうち、シート状被覆体4の踵部相当部位の穴部4aから上記表底を挿入して袋状に縫われた中敷2と上記被覆体4で形成される空間に収納し、かつ被覆体4の穴部4aから凸条部7及び踵部9のそれぞれを外部に顕出させる。
【0022】
図3はアッパー1と弾性シート5と表底3とシート状被覆体4を分解した斜視図である。シート状被覆体4は足形形状に裁断され、表底3の各凸条部7及び踵部9が穴部4aから顕出する如くして表底3の裏面を被覆し、シート状被覆体4の上部周縁をアッパー1の下部周縁と糸で縫うための縫い代が形成される。シート状被覆体4の素材は皮革、丈夫な布地その他の丈夫なシート状素材が採用される。
図4は中敷2とアッパー1とシート状被覆体4とを縫い合わせた状態を示す履物の側面断面図である。図5(a)は中敷2とアッパー1とシート状被覆体4とを縫い合わせた状態を示す履物の正面断面図である。図5(b)は図5(a)の破線部分を拡大した一部切断断面斜視図である。
アッパー1の周縁下端が弾性シート5の周縁に当接状態で中敷2の周縁とシート状被覆体4の上部周縁との間にアッパー1の下部周縁を挟んで糸10で中敷2の周縁、アッパー1の下部周縁及びシート状被覆体4の上部周縁が互いに密着するように縫付ける。
【0023】
図6は本発明に係るサンダルの斜視図である。図7は本発明に係るサンダルの斜視図で、アッパーの一部が縫われる前の状態を示す斜視図である。
【0024】
図8は本発明に係るサンダルが糸で縫い込まれる状態を示す斜視図である。図9は本発明に係るサンダルを組立てる前の各部品の分解斜視図である。表底3の踵部9が足の返り相当部位の近傍まで延出して形成した場合を示す。踵部9が大きく形成されることにより袋状に縫われた中敷2とシート状被覆体4で形成される空間に表底3を挿入する際に、シート状被覆体4の踵相当部位の穴部4aから表底3を容易に挿入することができる。
【0025】
図10(a)は袋状に縫われた中敷2とシート状被覆体4で形成される空間を示す正面断面図である。図10(b)は図10(a)の破線部分を拡大した一部切断断面斜視図である。
【0026】
図11はシート状被覆体4の踵相当部位の穴部4aから表底3を挿入する状態を示す斜視図である。
【0027】
図12はシート状被覆体4の踵相当部位の穴部4aから表底3を挿入した後の状態を示す斜視図である。
【0028】
図13は本発明に係る靴のアッパー11の下部周縁が糸で縫われた時の糸縫い部が表面に現れる場合の斜視図である。
【0029】
図14は本発明に係る靴のアッパー11の下部周縁が糸で縫われた時の糸縫い部が表面に現れない場合の斜視図である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る履物をサンダルに適用した場合の斜視図である。
【図2】本発明に係る履物をサンダルに適用した場合の分解斜視図である。
【図3】アッパーと弾性シートと表底とシート状被覆体を分解した斜視図である。
【図4】中敷とアッパーとシート状被覆体とを縫い合わせた状態を示す履物の側面断面図である。
【図5】(a)は中敷とアッパーとシート状被覆体とを縫い合わせた状態を示す履物の正面断面図である。 (b)は図5(a)の破線部分を拡大した一部切断断面斜視図である。
【図6】本発明に係るサンダルの斜視図である。図7は本発明に係るサンダルの斜視図で、アッパーの一部が縫われる前の状態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るサンダルの斜視図で、アッパーの一部が縫われる前の状態を示す斜視図である。
【図8】本発明に係るサンダルが糸で縫い込まれる状態を示す斜視図である。
【図9】本発明に係るサンダルを組立てる前の各部品の分解斜視図である。
【図10】(a)は袋状に縫われた中敷とシート状被覆体で形成される空間を示す正面断面図である。 (b)は図10(a)の破線部分を拡大した一部切断断面斜視図である。
【図11】シート状被覆体の踵相当部位の穴部から表底を挿入する状態を示す斜視図である。
【図12】シート状被覆体の踵相当部位の穴部から表底を挿入した後の状態を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る靴のアッパーの下部周縁が糸で縫われた時の糸縫い部が表面に現れる場合の斜視図である。
【図14】本発明に係る靴のアッパーの下部周縁が糸で縫われた時の糸縫い部が表面に現れない場合の斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 アッパー
2 中敷
3 表底
4 シート状被覆体
5 弾性シート
6 糸縫い部分
7 凸条部
8 薄肉部
9 踵部
10 糸
【技術分野】
【0001】
本発明はサンダル、靴、室内履き履物等の各種履物に適用され、特に履いた時に足の返りが良好な履物及びその製法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来靴の製法として、グッドイヤ式製法があり、この製法は中底を靴型に仮止めして製甲をつり込み、製甲と細革とをこの中底リブに製靴機械にて縫いつける方法である。これに対してセメンテッド式製法は、つり込んだ甲と底とを糸で縫い付けないで接着剤で張り合わせる方法である。また、マッケイ式製法は、つり込み済みの製甲と中底に表底を張り付けて、靴型を抜いてから製甲・中底・表底の3者を一緒に機械で通し縫いする方法である。
【0003】
上記従来の靴の製法は、いずれも中底を製法上の必須構成部材としている。この中底は靴の土台となる重要な部品であり、構造上はアッパー(靴の甲の部分)、ヒール、細革(グッドイヤー・ウェルト式製法の場合)、本底(表底)を接合する本体として、靴の背骨の役割を果たすと同時に、直接足を支えるという機能をもっており、靴のふまずあたりから後方はびくともしないように強靭に作られている。
【0004】
上記従来の靴の製法は、いずれも中底を構造上の必須構成部材としているために、靴本来の強靭さは確保されるものの、靴を履く人にとっては、靴底自体の返しがないために長時間に亘り履いていると足に過度の負担や疲労の原因ともなる。
【0005】
また、靴底の返しをよくするための靴として、甲革、中底及び表底を備えた履物において、該中底のうち足の趾部と中足部相当部位に繰り抜き穴を形成し、該繰り抜き穴全体を埋めるように返りの良好な柔軟材にて形成したことを特徴とする履物がある(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平10−57104号公報
【0007】
しかし、上記特許文献1も基本的に中底を使用しており、また中底のうち足の趾部と中足部相当部位に繰り抜き穴を形成し、該繰り抜き穴全体を埋めるように返りの良好な柔軟材にて形成しているが、繰り抜き穴から柔軟材が剥離あるいは脱落等が起きたりする原因となり、さらには繰り抜き穴部位と中底との材料が異なるために履く人に違和感等が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の点に鑑み、中底を一切使用しないで、返りの良好な履物であり、かつ履物の各構成部材の柔軟性を損なうことがなく、履く人にやさしく、履いた時に軽量感のあるサンダルや靴等の履物及びその製法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る履物は、熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材からなる表底であって、該表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿って凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部を交互に形成し、かつ踵部を一体に形成し、表底の踵部及び前記凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた足形形状のシート状被覆体にて凸条部及び踵部が穴部から顕出する如く前記表底を被覆し、前記表底の上面には足形形状をした弾性シートを形成し、該弾性シートの上に中敷を形成し、アッパーの周縁下端が前記弾性シートの周縁又は表底の上面周縁に当接状態で中敷周縁と前記シート状被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及びシート状被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付け、且つアッパーがない箇所がある場合は中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付けたことを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の履物は、表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿って凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部を交互に形成するとともに該凸条部及び凸条部より凹んだ薄肉部は表底裏面における足の指先相当部位にも形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の履物の表底裏面に一体に形成する踵部が、表底裏面における足の返り相当部位の近傍まで延出形成していることを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の履物に用いる足形形状をした弾性シートは、軟らかいスポンジ体と該スポンジ体より硬く柔軟性を有する弾性材とを重ね合わせるか又は該スポンジ体より硬く柔軟性を有する弾性材単独で形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る履物の製法は、表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿ってブロック状の凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部が交互に形成され、かつ踵部を備えた表底を熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材にて一体に成型し、その成型した表底の踵部及び前記凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた足形形状のシート状被覆体にて各凸条部及び踵部が穴部から顕出する如く前記表底の裏面を被覆する工程と、表底の上面に足形形状をした弾性シートを敷設する工程と、弾性シートの上に重ねて中敷を敷設する工程と、アッパーの周縁下端が前記弾性シートの周縁又は表底の上面周縁に当接状態で中敷周縁と被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及び被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付ける工程及びアッパーがない箇所がある場合での糸による縫い付けは中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付ける工程とからなる。
【0014】
本発明に係る履物の製法は、表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿ってブロック状の凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部が交互に形成され、かつ踵部を備えた表底を熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材にて一体に成型した表底を予め作成する工程と、足形形状をした弾性シートの上に重ねて中敷を敷設する工程と、前記中敷周縁は表底の踵部及び前記各凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及び被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付け、外部から糸縫い部が見えないように内部に縫い目を包み込むように縫いつける工程及びアッパーがない箇所がある場合には糸による縫い付けは中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着し外部から糸縫い部が見えないように内部に縫い目を包み込むように縫いつける工程と、上記被覆体の踵部相当部位の穴部から上記表底を挿入して袋状に縫われた中敷と上記被覆体で形成される空間に収納し、かつ被覆体の穴部から各凸条部及び踵部をそれぞれ顕出させる工程からなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は中底を一切使用しないで、返りの良好なサンダルや靴等の履きやすい履物が得られる。特に、中敷及び足形形状をした弾性シートは従来のように全面に接着剤接着をするといった固定方法を採用しないので、履物の各構成部材の柔軟性がそれぞれ損なわれることがなく、履く人にやさしく、履いた時に軽量感を与えることができる履物である。
【0016】
また本発明は、中敷の周縁と、表底の踵部及び前記各凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた被覆体の上部周縁とが糸により密着するように袋状に縫い込まれるので、その縫いこまれた空間内に足形形状をした弾性シート及び表底が収納され、表底の凸条部及び踵部が上記穴部から外部に顕出することとなり、表底の上面に敷設した弾性シートが中敷によりしっかりと固定され、接着剤等が不要となり各部材の柔軟性が維持され、履き心地の良い履物が得られる。
【0017】
さらに本発明の履物の製法は、従来の中底を廃止し、履く人が長時間に亘って履いても過度の負担がかかることがなく履きやすく、履いた時に軽量感及び柔軟性の得られる履物として画期的な製法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施例を図面に基いて説明する。
図1は本発明に係る履物をサンダルに適用した場合の斜視図である。1はアッパー、2は中敷、3は表底、4はシート状被覆体、6は糸縫い部分をそれぞれ示す。
【0019】
図2は本発明に係る履物をサンダルに適用した場合の分解斜視図である。
中敷2は足の裏に直接当たる部分であり、革、合成樹脂等の素材からなるシートであるが、後述する足形形状をした弾性シート5とは全面に接着剤による貼り合わせをする構造ではなくスポット的な接着またはその他の固定手段を採用するか、あるいは弾性シート5の上面に単に中敷2を密着させる構造とする。
中敷2と弾性シート5を貼り合わせする構造を採用しない理由は各素材の柔軟性を有効に生かし、足の返り動作をなるべく阻害しないようにするためである。従来のように、貼り合わせ構造とした場合、接着剤の硬化に伴う素材自体の柔軟性が損なわれることを防ぐためである。
【0020】
足形形状をした弾性シート5は図2では足形形状に裁断したシート状のスポンジ体5aと合成ゴム、柔軟性を有する合成樹脂その他の弾性材料からなるシート状弾性体5bを重ねて組み合わせ使用するか、あるいはシート状弾性体5bの単独使用であってもよい。シート状のスポンジ体5aとシート状弾性体5bは全面が接着剤により貼り合わせ構造とすることなく両者がずれない程度にスポット的に固定するか、あるいは単に密着して重ねるようにしてもよい。
【0021】
表底3はEVA等の熱可塑性エラストマー、合成ゴム、ウレタン樹脂等の発泡体その他の弾性材からなり、該表底3の裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿ってブロック状の凸条部7及び該凸条部7より凹んだ薄肉部8を交互に形成し、かつブロック状の踵部9が成型により一体に形成される。
ブロック状の凸条部7の形状は直方体その他各種形状であってもよく、要は足の返りがしやすい形状及び構造であればよい。表底3自体は軽量化等の観点から成型時に表底3の上面及びその内部に窪み3aを形成する場合であってもよい。
ブロック状の踵部9は図7に示すように、表底3の裏面における足の返り相当部位の近傍に延出する大きさに形成してもよい。この場合は、後述する履物の製法のうち、シート状被覆体4の踵部相当部位の穴部4aから上記表底を挿入して袋状に縫われた中敷2と上記被覆体4で形成される空間に収納し、かつ被覆体4の穴部4aから凸条部7及び踵部9のそれぞれを外部に顕出させる。
【0022】
図3はアッパー1と弾性シート5と表底3とシート状被覆体4を分解した斜視図である。シート状被覆体4は足形形状に裁断され、表底3の各凸条部7及び踵部9が穴部4aから顕出する如くして表底3の裏面を被覆し、シート状被覆体4の上部周縁をアッパー1の下部周縁と糸で縫うための縫い代が形成される。シート状被覆体4の素材は皮革、丈夫な布地その他の丈夫なシート状素材が採用される。
図4は中敷2とアッパー1とシート状被覆体4とを縫い合わせた状態を示す履物の側面断面図である。図5(a)は中敷2とアッパー1とシート状被覆体4とを縫い合わせた状態を示す履物の正面断面図である。図5(b)は図5(a)の破線部分を拡大した一部切断断面斜視図である。
アッパー1の周縁下端が弾性シート5の周縁に当接状態で中敷2の周縁とシート状被覆体4の上部周縁との間にアッパー1の下部周縁を挟んで糸10で中敷2の周縁、アッパー1の下部周縁及びシート状被覆体4の上部周縁が互いに密着するように縫付ける。
【0023】
図6は本発明に係るサンダルの斜視図である。図7は本発明に係るサンダルの斜視図で、アッパーの一部が縫われる前の状態を示す斜視図である。
【0024】
図8は本発明に係るサンダルが糸で縫い込まれる状態を示す斜視図である。図9は本発明に係るサンダルを組立てる前の各部品の分解斜視図である。表底3の踵部9が足の返り相当部位の近傍まで延出して形成した場合を示す。踵部9が大きく形成されることにより袋状に縫われた中敷2とシート状被覆体4で形成される空間に表底3を挿入する際に、シート状被覆体4の踵相当部位の穴部4aから表底3を容易に挿入することができる。
【0025】
図10(a)は袋状に縫われた中敷2とシート状被覆体4で形成される空間を示す正面断面図である。図10(b)は図10(a)の破線部分を拡大した一部切断断面斜視図である。
【0026】
図11はシート状被覆体4の踵相当部位の穴部4aから表底3を挿入する状態を示す斜視図である。
【0027】
図12はシート状被覆体4の踵相当部位の穴部4aから表底3を挿入した後の状態を示す斜視図である。
【0028】
図13は本発明に係る靴のアッパー11の下部周縁が糸で縫われた時の糸縫い部が表面に現れる場合の斜視図である。
【0029】
図14は本発明に係る靴のアッパー11の下部周縁が糸で縫われた時の糸縫い部が表面に現れない場合の斜視図である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る履物をサンダルに適用した場合の斜視図である。
【図2】本発明に係る履物をサンダルに適用した場合の分解斜視図である。
【図3】アッパーと弾性シートと表底とシート状被覆体を分解した斜視図である。
【図4】中敷とアッパーとシート状被覆体とを縫い合わせた状態を示す履物の側面断面図である。
【図5】(a)は中敷とアッパーとシート状被覆体とを縫い合わせた状態を示す履物の正面断面図である。 (b)は図5(a)の破線部分を拡大した一部切断断面斜視図である。
【図6】本発明に係るサンダルの斜視図である。図7は本発明に係るサンダルの斜視図で、アッパーの一部が縫われる前の状態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るサンダルの斜視図で、アッパーの一部が縫われる前の状態を示す斜視図である。
【図8】本発明に係るサンダルが糸で縫い込まれる状態を示す斜視図である。
【図9】本発明に係るサンダルを組立てる前の各部品の分解斜視図である。
【図10】(a)は袋状に縫われた中敷とシート状被覆体で形成される空間を示す正面断面図である。 (b)は図10(a)の破線部分を拡大した一部切断断面斜視図である。
【図11】シート状被覆体の踵相当部位の穴部から表底を挿入する状態を示す斜視図である。
【図12】シート状被覆体の踵相当部位の穴部から表底を挿入した後の状態を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る靴のアッパーの下部周縁が糸で縫われた時の糸縫い部が表面に現れる場合の斜視図である。
【図14】本発明に係る靴のアッパーの下部周縁が糸で縫われた時の糸縫い部が表面に現れない場合の斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 アッパー
2 中敷
3 表底
4 シート状被覆体
5 弾性シート
6 糸縫い部分
7 凸条部
8 薄肉部
9 踵部
10 糸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材からなる表底であって、該表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿って凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部を交互に形成し、かつ踵部を一体に形成し、表底の踵部及び前記凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた足形形状のシート状被覆体にて凸条部及び踵部が穴部から顕出する如く前記表底を被覆し、前記表底の上面には足形形状をした弾性シートを形成し、該弾性シートの上に中敷を形成し、アッパーの周縁下端が前記弾性シートの周縁又は表底の上面周縁に当接状態で中敷周縁と前記シート状被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及びシート状被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付け、且つアッパーがない箇所がある場合は中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付けたことを特徴とする履物。
【請求項2】
請求項1記載の履物は、表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り幅方向に沿って凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部を交互に形成するとともに該凸条部及び凸条部より凹んだ薄肉部は表底裏面における足の指先相当部位にも形成されていることを特徴とする履物。
【請求項3】
請求項1記載の履物の表底裏面に一体に形成する踵部が、表底裏面における足の返り相当部位の近傍まで延出形成していることを特徴とする履物。
【請求項4】
請求項1記載の履物に用いる足形形状をした弾性シートは、軟らかいスポンジ体と該スポンジ体より硬く柔軟性を有する弾性材とを重ね合わせるか又は該スポンジ体より硬く柔軟性を有する弾性材単独で形成されていることを特徴とする履物。
【請求項5】
表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り幅方向に沿ってブロック状の凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部が交互に形成され、かつ踵部を備えた表底を熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材にて一体に成型し、その成型した表底の踵部及び前記凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた足形形状のシート状被覆体にて各凸条部及び踵部が穴部から顕出する如く前記表底の裏面を被覆する工程と、表底の上面に足形形状をした弾性シートを敷設する工程と、弾性シートの上に重ねて中敷を敷設する工程と、アッパーの周縁下端が前記弾性シートの周縁又は表底の上面周縁に当接状態で中敷周縁と被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及び被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付ける工程及びアッパーがない箇所がある場合での糸による縫い付けは中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付ける工程とからなる履物の製法。
【請求項6】
表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り幅方向に沿ってブロック状の凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部が交互に形成され、かつ踵部を備えた表底を熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材にて一体に成型した表底を予め作成する工程と、足形形状をした弾性シートの上に重ねて中敷を敷設する工程と、前記中敷周縁は表底の踵部及び前記各凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及び被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付け、外部から糸縫い部が見えないように内部に縫い目を包み込むように縫いつける工程及びアッパーがない箇所がある場合には糸による縫い付けは中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着し外部から糸縫い部が見えないように内部に縫い目を包み込むように縫いつける工程と、上記被覆体の踵部相当部位の穴部から上記表底を挿入して袋状に縫われた中敷と上記被覆体で形成される空間に収納し、かつ被覆体の穴部から各凸条部及び踵部をそれぞれ顕出させる工程からなる履物の製法。
【請求項1】
熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材からなる表底であって、該表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り、幅方向に沿って凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部を交互に形成し、かつ踵部を一体に形成し、表底の踵部及び前記凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた足形形状のシート状被覆体にて凸条部及び踵部が穴部から顕出する如く前記表底を被覆し、前記表底の上面には足形形状をした弾性シートを形成し、該弾性シートの上に中敷を形成し、アッパーの周縁下端が前記弾性シートの周縁又は表底の上面周縁に当接状態で中敷周縁と前記シート状被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及びシート状被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付け、且つアッパーがない箇所がある場合は中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付けたことを特徴とする履物。
【請求項2】
請求項1記載の履物は、表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り幅方向に沿って凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部を交互に形成するとともに該凸条部及び凸条部より凹んだ薄肉部は表底裏面における足の指先相当部位にも形成されていることを特徴とする履物。
【請求項3】
請求項1記載の履物の表底裏面に一体に形成する踵部が、表底裏面における足の返り相当部位の近傍まで延出形成していることを特徴とする履物。
【請求項4】
請求項1記載の履物に用いる足形形状をした弾性シートは、軟らかいスポンジ体と該スポンジ体より硬く柔軟性を有する弾性材とを重ね合わせるか又は該スポンジ体より硬く柔軟性を有する弾性材単独で形成されていることを特徴とする履物。
【請求項5】
表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り幅方向に沿ってブロック状の凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部が交互に形成され、かつ踵部を備えた表底を熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材にて一体に成型し、その成型した表底の踵部及び前記凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた足形形状のシート状被覆体にて各凸条部及び踵部が穴部から顕出する如く前記表底の裏面を被覆する工程と、表底の上面に足形形状をした弾性シートを敷設する工程と、弾性シートの上に重ねて中敷を敷設する工程と、アッパーの周縁下端が前記弾性シートの周縁又は表底の上面周縁に当接状態で中敷周縁と被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及び被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付ける工程及びアッパーがない箇所がある場合での糸による縫い付けは中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付ける工程とからなる履物の製法。
【請求項6】
表底裏面における足の返り相当部位の前後に亘り幅方向に沿ってブロック状の凸条部及び該凸条部より凹んだ薄肉部が交互に形成され、かつ踵部を備えた表底を熱可塑性エラストマー、合成ゴム等の弾性材にて一体に成型した表底を予め作成する工程と、足形形状をした弾性シートの上に重ねて中敷を敷設する工程と、前記中敷周縁は表底の踵部及び前記各凸条部のそれぞれに対応した穴部を備えた被覆体の上部周縁との間にアッパー下部周縁を挟んで糸で中敷周縁、アッパー下部周縁及び被覆体の上部周縁が互いに密着するように縫付け、外部から糸縫い部が見えないように内部に縫い目を包み込むように縫いつける工程及びアッパーがない箇所がある場合には糸による縫い付けは中敷周縁と被覆体の上部周縁が互いに密着し外部から糸縫い部が見えないように内部に縫い目を包み込むように縫いつける工程と、上記被覆体の踵部相当部位の穴部から上記表底を挿入して袋状に縫われた中敷と上記被覆体で形成される空間に収納し、かつ被覆体の穴部から各凸条部及び踵部をそれぞれ顕出させる工程からなる履物の製法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−264258(P2008−264258A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−112231(P2007−112231)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(599104831)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(599104831)
【Fターム(参考)】
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