説明

携帯用コンピュータシステム

【課題】様々な環境において携帯用コンピュータの人間工学的な使用を可能にする。
【解決手段】
携帯用コンピュータシステムは、前縁(18)、後縁(20)、上面(22)、および下面(24)を有する主シャーシ(12)を含む。支持シャーシ(14)は主シャーシ(12)の前縁(18)に回転可能に接続される。表示パネル(16)は主シャーシ(12)の後縁(20)に回転可能に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間工学的な使用を可能にしながら容易に移動させることができる携帯用コンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯用コンピュータは、小型で軽量の計算処理装置であり、例えばノートブック型コンピュータ、携帯情報端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、ラップトップ型コンピュータなどの任意の携帯用電子装置である。携帯用と移動用に設計されているが、多くの人は、携帯用コンピュータを卓上で使用する。携帯用コンピュータを卓上で使用すると、常に、人間工学と使い易さの問題が生じていた。携帯用コンピュータを有用な移動用ツールにしている特徴の多く、例えばサイズの小ささや部品の一体化は、卓上で使用されたときに制約になることがある。
【0003】
携帯用コンピュータを卓上で使い易くするために、携帯用コンピュータのスタンドとドッキングステーションが開発されてきた。そのようなスタンドとドッキングステーションの多くは、携帯用コンピュータを従来のデスクトップシステムとして使い易くするために、例えば入力装置、ネットワーク、プリンタ、追加の表示装置などの周辺装置とのインタフェースを提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
卓上で固定して使用するように設計されたスタンドとドッキングステーションは容易に移動できない。
【0005】
したがって、様々な環境における携帯用コンピュータの人間工学的な使用を可能にする携帯用コンピュータスタンドが必要であることが分かる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の問題は、主に、前縁、後縁、上面および下面を有する主シャーシを含む携帯用コンピュータシステムによって解決される。主シャーシの前縁に支持シャーシが回転可能に接続される。主シャーシの後縁に回転可能に表示パネルが接続される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の例示的な実施形態を詳細に説明するために添付図面を参照する。以下の説明と特許請求の範囲の全体にわたって特定のシステム構成要素を参照するために特定の用語を使用する。当業者は、コンピュータ会社が構成要素を様々な名前で呼ぶ場合があることを理解するであろう。この文書は、名前が異なるが機能は同じ構成要素を区別しない。以下の説明と特許請求の範囲において、「含む」と「備える」とは制限のない形で使用されており、したがって、「〜を含むそれに限定されない」ことを意味するように解釈されるべきである。また、用語「結合する」は、間接電気接続と直接電気接続のいずれも意味する。したがって、第1の装置が第2の装置に結合する場合、その接続は、直接電気接続によるものでもよく、他の装置および接続を介した間接電気接続によるものでもよい。
【0008】
以下の説明は、本発明の様々な実施形態を対象とする。まず図1を参照すると、主シャーシ12、支持シャーシ14、および表示パネル16からなる携帯用コンピュータシステム10が示されている。主シャーシ12は、前縁18、後縁20、上面22、および下面24を含む。支持シャーシ14は、下面24と隣り合って配置され、ヒンジ26によって前縁18に回転可能に接続されている。表示パネル16は、上面22と隣り合って配置され、ヒンジ28によって後縁20に回転可能に接続されている。例えばキーボード30やタッチパッド32などの入力装置が、主シャーシ12の上面22に配置されている。表示画面34が、表示パネル16上に配置されている。
【0009】
コンピュータシステム10は、図1に、支持シャーシ14が、例えば卓上など実質的に水平な面に配置された展開位置で示されている。主シャーシ12は、主シャーシが高い傾斜位置になるように、支持シャーシ14に対して斜めに配置されている。表示パネル16は、実質的に垂直位置に位置決めされている。展開位置は、システム10が、例えば机やテーブルなどの比較的平らな作業面上で使用されているときに有用な場合がある。主シャーシ12は、キーボード30やタッチパッド32の使い勝手を良くする高い角度で位置決めすることができる。表示パネル16は、人間工学的な表示高さまで上げられ、所望の視る角度に傾けることができる。
【0010】
主シャーシ12と支持シャーシ14の間にできる角度は、ヒンジ26に一体化されたロックシステムによって維持される。主シャーシ12と表示パネル16の間にできる角度は、ヒンジ28に一体化されたロックシステムによって維持される。ヒンジ26、28は、ユーザ操作式の確実に係合されるロックシステムを備えてもよく、各シャーシの相対位置を自動的に維持するために摩擦力を利用してもよい。ヒンジ26、28に一体化されたおよび/またはヒンジ外部の他のロックシステムを使用することもできる。ヒンジ26、28は、支持シャーシ14および/または表示パネル16を主シャーシ12から切り離すことができるように着脱可能なヒンジでもよい。
【0011】
次に図2を参照すると、携帯用コンピュータシステム10は、システムを運ぶのに適した折り畳み位置で示されている。表示パネル16は、主シャーシ12の上面22と平行に隣り合って配置されている。支持シャーシ14は、主シャーシ12の下面24と平行に隣り合って配置されている。
【0012】
次に図3を参照すると、携帯用コンピュータシステム10は、移動用途に適した部分的に展開された位置で示されている。支持シャーシ14は、主シャーシ12の下面24と平行に隣り合って配置されている。表示パネル16は、キーボード30および/またはタッチパッド32の使用と表示画面34を見ることを可能にする直立位置まで回転されている。
【0013】
したがって、システム10は、例を図2に示す折り畳み位置と、例を図3に示す部分的に展開された位置と、例を図1に示す展開位置に対応する。示した構成において、システム10は、様々な形態でシステムの使用を可能にするカスタマイズ可能なパッケージを提供する。システム10の特定の実施形態は、外部スタンドや支持体のない単一シャーシシステムで多数の形態を提供する。代替の実施形態において、支持シャーシは着脱可能であり、したがって使用していないときにシステムと別に保管することができる。したがって、携帯用コンピュータシステム10は、カスタマイズ可能な単一パッケージでの融通性を高める携帯用コンピュータシステムを提供する。
【0014】
次に図4を参照すると、携帯用コンピュータシステム40は、主シャーシ42、支持シャーシ44、および表示パネル46からなる。支持シャーシ44は、ヒンジ56によって主シャーシ42の前縁48に接続されている。支持シャーシ44は、下面54に対して鋭角に配置されている。表示パネル46は、ヒンジ58によって後縁50に回転可能に接続されており、主シャーシ42の上面52と鈍角をなす。代替として、ヒンジ56、58は、支持シャーシ44および/または表示パネル46が主シャーシ42から外れることを可能にすることができる。
【0015】
主シャーシ42の下面54は、また、突出した中心部分60と引っ込んでいる周囲部分62とを含む。主シャーシ42は、例えばプロセッサ43、メモリ、データ記憶装置、その他の電子部品などのコンピュータシステムの動作部品を含む。支持シャーシ44は、例えばバッテリ45や他の電源などの特定の電気部品を含むこともあり、システムを、例えばプリンタ、外部記憶部品、キーボード、外部電源などの周辺部品につなぐポート64を備えてもよい。
【0016】
支持シャーシ44は、支持シャーシが主シャーシ42に対して閉じられたときに、支持シャーシの底面が主シャーシの下面54と実質的に同じ平面になるように、凹んだ周囲部分62にぴったりと嵌るようにサイズが決められることが好ましい。したがって、主シャーシ42の厚さの範囲内で支持シャーシ44と主シャーシ42を互いに平行に位置決めすることができる。したがって、システム40は、携帯用コンピュータに、ユーザがよく知っている従来の二枚貝型構造(クラムシェル構造)の一体形スタンドを提供する。
【0017】
次に図6を参照すると、コンピュータシステムは、第1の回転接続部で主シャーシを支持シャーシに取り付けることによって組み立てられる。表示パネルは、第2の回転接続部で主シャーシに取り付けられる。第1の回転接続部は主シャーシの前縁に配置され、第2の回転接続部は主シャーシの後縁に配置される。主シャーシには、プロセッサなどの第1のコンピュータシステム構成要素が取り付けられる。支持シャーシには、バッテリや外部コネクタなどの第2のコンピュータシステム構成要素が取り付けられる。第1のコンピュータシステム構成要素は、第2のコンピュータシステム構成要素に通信可能に結合される。コンピュータシステムは、任意の配列たまは順序で組み立てることができる。いくつかの実施形態において、特定の構成要素が、コンピュータに一時的に取り付けられることもあり、取り外し可能に接続されることもある。
【0018】
コンピュータシステムは、支持シャーシと表示パネルが主シャーシと実質的に平行でかつ好ましくは主シャーシの反対側にある折り畳み位置で位置決めすることができる。また、コンピュータシステムを、支持シャーシが主シャーシの下に傾斜しかつ表示パネルが主シャーシの上に傾斜している展開位置に位置決めすることによって、コンピュータシステムを配置することができる。
【0019】
以上の考察は、本発明の原理と様々な実施形態を例証するためのものである。以上の開示を完全に理解した後で、当業者には多くの変形と修正が明らかになるであろう。例えば、調整式コンピュータスタンドを、他のタイプの携帯用システム、ノートパッドシステム、携帯情報端末、他の機器などの様々な携帯用コンピュータシステムと共に使用するように容易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態による展開位置にある携帯用コンピュータシステムを示す図である。
【図2】折り畳み位置にある図1の携帯用コンピュータシステムを示す図である。
【図3】ある程度展開された位置にある図1の携帯用コンピュータシステムを示す図である。
【図4】本発明の実施形態により展開位置にある携帯用コンピュータシステムを示す図である。
【図5】折り畳み位置にある図4の携帯用コンピュータシステムを示す図である。
【図6】本発明の実施形態によりコンピュータシステムを構成する方法を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
10 携帯用コンピュータシステム
12 主シャーシ
14 支持シャーシ
16 表示パネル
18 前縁
20 後縁
22 上面
24 下面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前縁、後縁、上面、および下面を含む主シャーシと、
前記主シャーシの前記前縁に回転可能に接続される支持シャーシと、
前記主シャーシの前記後縁に回転可能に接続される表示パネルと、
を備えることを特徴とする携帯用コンピュータシステム。
【請求項2】
前記主シャーシの前記上面に配置される入力装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯用コンピュータシステム。
【請求項3】
前記支持シャーシが前記主シャーシの前記下面と隣り合い、かつ前記表示パネルが前記主シャーシの前記上面と隣り合う第1の位置を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯用コンピュータシステム。
【請求項4】
前記第1の位置において、前記支持シャーシが、前記主シャーシの厚みに収まるように配置されることを特徴とする請求項3に記載の携帯用コンピュータシステム。
【請求項5】
前記主シャーシが前記支持シャーシと角度をなし、かつ前記表示パネルが前記主シャーシと角度をなす第2の位置を有することを特徴とする請求項3に記載の携帯用コンピュータシステム。
【請求項6】
前記第2の位置において、前記支持シャーシが水平に向けられていることを特徴とする請求項5に記載の携帯用コンピュータシステム。
【請求項7】
前記主シャーシ内に配置され、前記入力装置および前記表示パネルと通信可能に結合されたプロセッサと、
前記支持シャーシ内に配置され、前記プロセッサと通信可能に結合された電気部品と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の携帯用コンピュータシステム。
【請求項8】
前記電気部品は電源であることを特徴とする請求項7に記載の携帯用コンピュータシステム。
【請求項9】
前記電源はバッテリであることを特徴とする請求項8に記載の携帯用コンピュータシステム。
【請求項10】
前記電気部品は、前記プロセッサを周辺部品に結合するポートであることを特徴とする請求項7に記載の携帯用コンピュータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−99764(P2006−99764A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−271566(P2005−271566)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】