施錠システム
【課題】 作業者が個別に有する携帯機器を用い、鍵装置による施錠対象のスムーズな解錠/施錠を実現する。
【解決手段】 最初にバーコードリーダが接続動作を行う(S100)。鍵装置は、電力供給の開始により、接続待ち状態となり、バーコードリーダからの接続要求があると判断すると、認証済みか否かを判断する。ここで過去に認証がなされていない場合、鍵装置は自身のパスキーを送信する。バーコードリーダでは、パスキーが送信されると(S110:YES)、コードの読み取りを促し(S120)、コードの読み取りが完了すると(S130:YES)、送信されたパスキーと照合し、通信回線を確立する(S140)。
【解決手段】 最初にバーコードリーダが接続動作を行う(S100)。鍵装置は、電力供給の開始により、接続待ち状態となり、バーコードリーダからの接続要求があると判断すると、認証済みか否かを判断する。ここで過去に認証がなされていない場合、鍵装置は自身のパスキーを送信する。バーコードリーダでは、パスキーが送信されると(S110:YES)、コードの読み取りを促し(S120)、コードの読み取りが完了すると(S130:YES)、送信されたパスキーと照合し、通信回線を確立する(S140)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術を用いた施錠/解錠技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば宅配便のトラックでは、集配される荷物の盗難を避けるなどの目的で、荷台扉が施錠される。このとき、集配時にはトラックを離れる度に施錠を行う必要があり、運転者にとって、手間のかかる作業となっている。
【0003】
これを解決するための手法として、作業者に携帯される携帯機器からトラックの荷台扉の解錠信号を所定周期で常時送信し、この解錠信号が車載機器に受信される場合にはトラックの荷台扉を解錠し、受信されなくなると施錠するトラック荷台扉用リモートロック装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−58029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、解錠や施錠がなされる荷台扉の鍵装置と作業者に携帯される携帯機器がそもそもペアになっていることが前提となる。そのため、作業者の乗るトラックが変更されると、携帯機器もペアとなるものに変更する必要が生じる。つまり、携帯機器がトラック側の鍵装置に依存するのである。結果として、携帯機器がトラックに備え付けのものとなり、例えば作業者個人の携帯電話機など、作業者が個別に有する携帯機器を利用することができない。
【0006】
なお、ここでは、トラックの荷台扉の解錠/施錠を例に挙げたが、解錠/施錠を頻繁に行う必要がある例えば集配のための手押しカートなどでも同様の問題が生じる。つまり、本課題は、作業者が頻繁に離れることになる施錠対象物のすべてに生じ得る。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、作業者が個別に有する携帯機器を用い、鍵装置による施錠対象のスムーズな解錠/施錠を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためになされた請求項1に記載の施錠システムは、施錠対象を施錠するための鍵装置と、鍵装置との間で通信回線を確立可能な携帯機器とを備える。
このとき、通信回線が確立されると鍵装置によって施錠対象が解錠され、一方、通信回線が切断されると鍵装置によって施錠対象が施錠されるよう構成されている。
【0009】
ここで特に、鍵装置及び携帯機器の一方が他方を認証するためのパスキーを示す情報コードを読み取るコード読取手段を有しており、鍵装置及び携帯機器は、コード読取手段にて読み取られた情報コードの示すパスキーに基づき、通信回線を確立する。情報コードとは、バーコードなどの一次元コードであってもよいし、QRコードなどの二次元コードであってもよい。
【0010】
このようにすれば、鍵装置と携帯機器とを1対1に対応させておかなくても、一方が他方を認証するためのパスキーがコード読取手段にて情報コードとして読み取られ、このパスキーに基づいて通信回線が確立される。その結果、作業者が個別に有する携帯機器を用い、トラック側の鍵装置によるスムーズな解錠/施錠を実現することができる。
【0011】
例えば、携帯機器をバーコードリーダや携帯電話機として具現化することにより、当該バーコードリーダや携帯電話機で、鍵装置固有のパスキーを、バーコード等で読み取るという具合である。この場合、鍵装置が設置される施錠対象などにバーコードを付しておくことが考えられる。
【0012】
また例えば、鍵装置がコード読取手段を備えており、鍵装置に対しバーコードなどを翳すことで、携帯機器固有のパスキーを読み取るという具合である。この場合、携帯機器にバーコードを付しておくことが考えられる。
【0013】
また、請求項2に示すように、鍵装置及び携帯機器の他方は、一方の認証が過去になされていない場合、自身のパスキーを送信するようにしてもよい。例えば、携帯機器でバーコードなどを読み取る場合、鍵装置が自身のパスキーを携帯機器に送信するという具合である。また例えば、鍵装置でバーコードなどを読み取る場合、携帯機器が自身のパスキーを鍵装置に送信するという具合である。この場合、鍵装置及び携帯機器の一方は、コード読取手段にて読み取られたパスキーと他方から送信されたパスキーとを照合する。このようにすれば、パスキーの照合が比較的簡単に行える。
【0014】
このときは、請求項3に示すように、鍵装置及び携帯機器の一方は、パスキーが送信されると、情報コードの読取を促すこととしてもよい。このようにすれば、情報コードの読み取りが必要であるか否かが、また、その読み取りタイミングが、作業者にとって分かり易くなり、便利である。
【0015】
なお、鍵装置は常時電力供給される構成としてもよいが、必要に応じて電力供給される構成とするのが好ましい。そこで、請求項4に示すように、鍵装置が車両の荷台扉の施錠に用いられることを前提として、当該車両のイグニッションスイッチがオフになると電力供給が開始される構成とすることが考えられる。なお、荷台扉には、乗用車のトランクなども含まれる。このようにすれば、無駄な電力供給を削減することができる。また、荷物の積み卸し時のアイドリングストップに寄与する。
【0016】
また、請求項5に示すように、鍵装置が車両の荷台扉の施錠に用いられることを前提として、当該車両のイグニッションスイッチがオンになると電力供給が停止される構成とすることが考えられる。このようにすれば、無駄な電力供給を削減することができる。
【0017】
なお、請求項6に示すように、鍵装置は、電力供給が停止されると、施錠対象を施錠する構成が好ましい。このようにすれば、電力供給停止時には施錠がなされるため、十分なセキュリティを確保することができる。
【0018】
以上は、施錠システムの発明として説明してきたが、上記施錠システムを構成する鍵装置の発明として実現することもできる。また、上記施錠システムを構成する携帯機器の発明として実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】バーコードリーダの概略構成を示すブロック図である。
【図2】鍵装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は鍵装置が設置されるトラックの後部を示す説明図であり、(b)は後部に付されたバーコードを示す説明図である。
【図4】リーダ側処理を示すフローチャートである。
【図5】鍵側処理を示すフローチャートである。
【図6】鍵側処理の接続時処理を示すフローチャートである。
【図7】鍵側処理の解錠処理を示すフローチャートである。
【図8】鍵側処理の施錠処理を示すフローチャートである。
【図9】鍵側処理の電源オフ処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態の施錠システムは、図1に示すバーコードリーダ10、及び、図2に示す鍵装置90を備えている。
【0021】
図1に示すバーコードリーダ10は、制御部20と、通信部30と、リーダ部40と、LED50と、スピーカ60と、パワーマネジメント部70とを備えている。
制御部20は、コントローラ21を中心に構成されており、フラッシュROM22、RAM23、及び、I/Oインターフェース24を有している。
【0022】
コントローラ21は、例えばフラッシュROM22に記憶されたプログラムを所定タイミングで実行する。フラッシュROM22は、不揮発性のメモリ装置であり、パワーマネジメント部70からの電力供給が途絶えても、記憶内容を保持可能である。RAM23は、プログラムに基づく処理においての一時的な記憶処理を実現する。また、I/Oインターフェース24は、通信部30やリーダ部40との間で情報の入出力を行うための構成である。
【0023】
通信部30は、Bluetooth(登録商標)LSIとして構成されており、ベースバンドコントローラ31、高周波回路32、及び、アンテナ33を有している。
アンテナ33で受信される受信信号は、高周波回路32へ入力される。このとき高周波回路32は、当該受信信号からアナログ信号としての情報信号(ベースバンド信号)を取り出してベースバンドコントローラ31へ出力する。ベースバンドコントローラ31は、高周波回路32から出力されるアナログ信号としての情報信号を、デジタル信号へ変換して、制御部20へ出力する。
【0024】
一方、制御部20から出力されるデジタル信号としての情報信号は、ベースバンドコントローラ31によって、アナログ信号へ変換されて高周波回路32へ出力される。高周波回路32は、ベースバンドコントローラ31から出力されるアナログ信号としての情報信号(ベースバンド信号)と高周波の搬送信号とから送信信号を生成する。これにより、アンテナ33から送信信号が出力されることになる。
【0025】
リーダ部40は、バーコードを読み取るための構成であり、CCD又はCISセンサ41を備えている。リーダ部40で読み取られた情報は、制御部20へ出力される。
LED50及びスピーカ60は、報知手段として用いられる。
【0026】
パワーマネジメント部70は、バーコードリーダ10の各部へ電力供給を行うための構成であり、DC/DCコンバータ71、充電回路72、及び、充電池73を有している。
DC/DCコンバータ71は、昇圧回路であり、充電池の電圧をデジタル回路を動作させるための電圧に昇圧する。また、充電回路72は、充電池73の充電を行うための構成である。
【0027】
図2に示す鍵装置90は、鍵コントローラ91と鍵部92とで構成される。上述したバーコードリーダ10が作業者に携帯されるのに対し、鍵装置90は、図3(a)に示すようにトラック後部に設置される。
【0028】
具体的には、図3に示すように、トラック100の後部の荷台扉101の内側に、鍵コントローラ91及び鍵部92が設置されるという具合である。このとき、鍵部92は、図示しないモータにより横方向(記号Aで示す方向)に突出/埋没する突出部92aを有しており、突出部92aが突出することで、荷台扉101が施錠される。これにより、ハンドル103,104を回動させても荷台扉101は開かない状態となる。一方、突出部92aが埋没することで、荷台扉101が解錠される。これにより、ハンドル103,104の回動により荷台扉101が開く状態となる。
【0029】
図2に戻り、鍵コントローラ91は、バーコードリーダ10と同様、制御部20と、通信部30と、LED50と、スピーカ60と、パワーマネジメント部70とを備えている。バーコードリーダ10と異なるのは、リーダ部40に代え、鍵コントロール部80を備える点である。したがって、バーコードリーダ10と同様の構成部分については同一の符号を付して説明を省略し、鍵コントロール部80に関する説明を行う。
【0030】
鍵コントロール部80は、モータドライバ81を有している。モータドライバ81は、鍵部92に接続されている。これにより、鍵部92のモータ(不図示)を駆動する。鍵部92は、上述したように、トラック100の荷台扉101に取り付けられている(図3(a)参照)。鍵部92のモータが駆動されると、上述したように、突出部92aが突出することで荷台扉101が施錠され、突出部92aが埋没することで荷台扉101が解錠される。
【0031】
次に、バーコードリーダ10の制御部20にて実行されるリーダ側処理を説明する。図4は、リーダ側処理を示すフローチャートである。この処理は、バーコードリーダ10の電源オンによって実行される。
【0032】
最初のS100では、接続動作を開始する。この処理は、バーコードリーダ10側から鍵装置90への接続を試みるものである。これに対し、鍵装置90は、バーコードリーダの認証が必要と判断すると、認証に必要なパスキーを送信してくる。
【0033】
続くS110では、パスキーの送信があったか否かを判断する。ここでパスキーの送信があったと判断された場合(S110:YES)、S120へ移行する。一方、パスキーの送信がないと判断された場合(S110:NO)、S120及びS130の処理を実行せず、S140へ移行する。
【0034】
S120では、コードの読み取りを促す。この処理は、作業者に、コードの読み取りを促すものであり、例えばLED50やスピーカ60を介して読み取りを促す。これに対し、作業者は、バーコードリーダ10のリーダ部40でトラック100に貼付されたバーコード102(図3参照)を読み取る。バーコード102を拡大して示すのが、図3(b)である。
【0035】
続くS130では、コードの読み取りが完了したか否かを判断する。ここでコードの読み取りが完了したと判断された場合(S130:YES)、S140へ移行する。一方、コードの読み取りが完了していないうちは(S130:NO)、S120からの処理を繰り返す。
【0036】
S140では、通信回線を確立する。この処理は、鍵装置90から送信されたパスキーとバーコードとして読み取られたパスキーとを照合し、通信回線を確立するものである。なお、パスキーが送信されない場合には、既にパスキーによる認証が完了している場合であり、保持されたリンクキーを用いて通信回線を確立する。
【0037】
次に、鍵装置90の制御部20にて実行される鍵側処理を説明する。図5は、鍵側処理を示すフローチャートである。この処理は、鍵装置90の電源オンによって実行される。鍵装置90の電源は、例えばトラック100のイグニッションスイッチがオフされたことによってオンされるものとする。
【0038】
S200では、接続時処理を実行する。この処理は図4中のS100に対応するものであり、図6が接続時処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS201では、接続待ち状態とする。この処理は、周囲のバーコードリーダ10からの接続要求を待つものである。
【0039】
続くS202では、接続要求があったか否かを判断する。ここで接続要求があったと判断された場合(S202:YES)、S203へ移行する。一方、接続要求がないうちは(S202:NO)、S201からの処理を繰り返す。
【0040】
S203では、認証済みか否かを判断する。過去にバーコードリーダ10との通信回線が確立されている場合には、肯定判断される。ここで認証済みであると判断された場合(S203:YES)、S204の処理を実行せず、接続時処理を終了する。一方、認証済みでないと判断された場合(S203:NO)、S204にてパスキーを送信し、その後、接続時処理を終了する。
【0041】
図5に戻り、S210では、解錠処理を実行する。この処理は、通信回線が確立された場合に、荷台扉101を解錠するためのものである。図7が解錠処理の詳細を示すフローチャートである。
【0042】
最初のS211では、通信回線が確立されているか否かを判断する。ここで通信回線が確立されていると判断された場合(S211:YES)、S212へ移行する。一方、通信回線が確立されていないと判断された場合(S211:NO)、以降の処理を実行せず、解錠処理を終了する。
【0043】
S212では、解錠されているか否かを判断する。ここで解錠されていると判断された場合(S212:YES)、S213の処理を実行せず、解錠処理を終了する。一方、解錠されていないと判断された場合(S212:NO)、すなわち施錠されている場合には、S213にて解錠を指示し、その後、解錠処理を終了する。S213の解錠指示により、鍵コントロール部80のモータドライバ81によって鍵部92のモータが駆動され、鍵部92の突出部92aが埋没する。
【0044】
図5に戻り、S220では、施錠処理を実行する。この処理は、通信回線が切断された場合に、荷台扉101を施錠するためのものである。図8が施錠処理の詳細を示すフローチャートである。
【0045】
最初のS221では、通信回線が切断されたか否かを判断する。ここで通信回線が切断されたと判断された場合(S221:YES)、S222へ移行する。一方、通信回線が切断されていないと判断された場合(S221:NO)、以降の処理を実行せずに、施錠処理を終了する。
【0046】
S222では、施錠されているか否かを判断する。ここで施錠されていると判断された場合(S222:YES)、S223の処理を実行せず、施錠処理を終了する。一方、施錠されていないと判断された場合(S222:NO)、すなわち解錠されている場合には、S223にて施錠を指示し、その後、施錠処理を終了する。S223の施錠指示により、鍵コントロール部80のモータドライバ81によって鍵部92のモータが駆動され、鍵部92の突出部92aが突出する。
【0047】
図5に戻り、S230では、電源オフされたか否かを判断する。この処理は、鍵装置90の電源がオフとなったか否かを判断するものである。ここで電源オフされたと判断された場合(S230:YES)、S240へ移行する。一方、電源オフされていないと判断された場合(S230:NO)、S210からの処理を繰り返す。鍵装置90の電源は、例えばトラック100のイグニッションスイッチがオンされたことによってオフされるものとする。
【0048】
S240では、電源オフ処理を実行する。この処理は、鍵装置90の電源がオフされた場合に、荷台扉101を施錠するためのものである。図9が電源オフ処理の詳細を示すフローチャートである。
【0049】
最初のS241では、施錠されているか否かを判断する。ここで施錠されていると判断された場合(S241:YES)、S242の処理を実行せず、電源オフ処理を終了する。一方、施錠されていないと判断された場合(S241:NO)、すなわち解錠されている場合には、S242にて施錠を指示し、その後、電源オフ処理を終了する。S242の施錠指示により、鍵コントロール部80のモータドライバ81によって鍵部92のモータが駆動され、鍵部92の突出部92aが突出する。
【0050】
次に、本実施形態の施錠システムが発揮する効果を説明する。
本実施形態の施錠システムでは、バーコードリーダ10が接続動作を行う(図4中のS100)。鍵装置90は、電力供給の開始により、接続待ち状態となり(図6中のS201)、バーコードリーダ10からの接続要求があると(S202:YES)、認証済みか否かを判断する(S203)。ここで過去に認証がなされていない場合(S203:NO)、鍵装置90は自身のパスキーを送信する(S204)。バーコードリーダ10では、パスキーが送信されると(図4中のS110:YES)コードの読み取りを促し(S120)コードの読み取りが完了すると(S130:YES)通信回線を確立する(S140)。
【0051】
これにより、鍵装置90とバーコードリーダ10とを1対1に対応させておかなくても、バーコードリーダ10が鍵装置90を認証するためのパスキーが読み取られ(図4中のS130:YES)、このパスキーに基づいて通信回線が確立される(S140)。その結果、作業者が個別に有するバーコードリーダ10を用い、トラック側の鍵装置90によるスムーズな解錠/施錠を実現することができる。
【0052】
また、本実施形態では、鍵装置90は、バーコードリーダ10が過去に認証されていない場合(図6中のS203:NO)、自身のパスキーを送信する(S204)。これに対し、バーコードリーダ10は、情報コードとして読み取ったパスキーと鍵装置90から送信されたパスキーとを照合する。これにより、パスキーの照合が比較的簡単に行える。
【0053】
さらにまた、バーコードリーダ10では、パスキーが送信されると(図4中のS110:YES)、コードの読み取りを促す(S120)。これにより、情報コードの読み取りが必要であるか否かが、また、その読み取りタイミングが、作業者にとって分かり易くなり、便利である。
【0054】
また、本実施形態では、トラック100のイグニッションスイッチがオフになると鍵装置90における電力供給が開始され、トラック100のイグニッションスイッチがオンになると、鍵装置90における電力供給が停止される。これにより、無駄な電力供給を削減することができる。また、荷物の積み卸し時のアイドリングストップに寄与する。
【0055】
しかも、鍵装置90は、電力供給が停止されると、施錠対象を施錠する(図9中のS241:NO,S242)。これにより、電力供給停止時には施錠がなされるため、十分なセキュリティを確保することができる。
【0056】
なお、本実施形態におけるトラック100の荷台扉101が「施錠対象」を構成し、鍵装置90が「鍵装置」を構成し、バーコードリーダ10が「携帯機器」を構成する。また、バーコードリーダ10のリーダ部40が「コード読取手段」を構成する。
【0057】
以上、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その技術的範囲を逸脱しない限りにおいて、種々なる形態で実施可能である。
(イ)上記実施形態では、バーコードリーダ10にてバーコードを読み取る構成であったが、作業者固有の携帯電話機にてバーコードを読み取る構成としてもよい。また、バーコードなどの一次元コードだけでなく、QRコードなどの二次元コードを読み取る構成としてもよい。
【0058】
(ロ)また、鍵装置90側に、リーダ部40を設けるようにしてもよい。この場合、例えば、リーダ側処理(図4参照)を鍵装置90の制御部20が実行するようにし、鍵側処理の中の接続時処理(図6参照)を携帯機器が実行するようにすればよい。
【0059】
(ハ)上記実施形態では、鍵装置90がトラック100の荷台扉101に設置されているが、集配のための手押しカートなどに鍵装置90を取り付けるようにしてもよい。つまり、作業者が頻繁に離れることになる施錠対象物のすべてに適用することができる。
【符号の説明】
【0060】
10:バーコードリーダ、20:制御部、21:コントローラ、22:フラッシュROM、23:RAM、24:I/Oインターフェース、30:通信部、31:ベースバンドコントローラ、32:高周波回路、33:アンテナ、40:リーダ部、41:CCD/CISセンサ、50:LED、60:スピーカ、70:パワーマネジメント部、71:DC/DCコンバータ、72:充電回路、73:充電池、80:鍵コントロール部、81:モータドライバ、91:鍵コントローラ、92:鍵部、92a:突出部、100:トラック、101:荷台扉、102:バーコード、103,104:ハンドル
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術を用いた施錠/解錠技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば宅配便のトラックでは、集配される荷物の盗難を避けるなどの目的で、荷台扉が施錠される。このとき、集配時にはトラックを離れる度に施錠を行う必要があり、運転者にとって、手間のかかる作業となっている。
【0003】
これを解決するための手法として、作業者に携帯される携帯機器からトラックの荷台扉の解錠信号を所定周期で常時送信し、この解錠信号が車載機器に受信される場合にはトラックの荷台扉を解錠し、受信されなくなると施錠するトラック荷台扉用リモートロック装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−58029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、解錠や施錠がなされる荷台扉の鍵装置と作業者に携帯される携帯機器がそもそもペアになっていることが前提となる。そのため、作業者の乗るトラックが変更されると、携帯機器もペアとなるものに変更する必要が生じる。つまり、携帯機器がトラック側の鍵装置に依存するのである。結果として、携帯機器がトラックに備え付けのものとなり、例えば作業者個人の携帯電話機など、作業者が個別に有する携帯機器を利用することができない。
【0006】
なお、ここでは、トラックの荷台扉の解錠/施錠を例に挙げたが、解錠/施錠を頻繁に行う必要がある例えば集配のための手押しカートなどでも同様の問題が生じる。つまり、本課題は、作業者が頻繁に離れることになる施錠対象物のすべてに生じ得る。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、作業者が個別に有する携帯機器を用い、鍵装置による施錠対象のスムーズな解錠/施錠を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためになされた請求項1に記載の施錠システムは、施錠対象を施錠するための鍵装置と、鍵装置との間で通信回線を確立可能な携帯機器とを備える。
このとき、通信回線が確立されると鍵装置によって施錠対象が解錠され、一方、通信回線が切断されると鍵装置によって施錠対象が施錠されるよう構成されている。
【0009】
ここで特に、鍵装置及び携帯機器の一方が他方を認証するためのパスキーを示す情報コードを読み取るコード読取手段を有しており、鍵装置及び携帯機器は、コード読取手段にて読み取られた情報コードの示すパスキーに基づき、通信回線を確立する。情報コードとは、バーコードなどの一次元コードであってもよいし、QRコードなどの二次元コードであってもよい。
【0010】
このようにすれば、鍵装置と携帯機器とを1対1に対応させておかなくても、一方が他方を認証するためのパスキーがコード読取手段にて情報コードとして読み取られ、このパスキーに基づいて通信回線が確立される。その結果、作業者が個別に有する携帯機器を用い、トラック側の鍵装置によるスムーズな解錠/施錠を実現することができる。
【0011】
例えば、携帯機器をバーコードリーダや携帯電話機として具現化することにより、当該バーコードリーダや携帯電話機で、鍵装置固有のパスキーを、バーコード等で読み取るという具合である。この場合、鍵装置が設置される施錠対象などにバーコードを付しておくことが考えられる。
【0012】
また例えば、鍵装置がコード読取手段を備えており、鍵装置に対しバーコードなどを翳すことで、携帯機器固有のパスキーを読み取るという具合である。この場合、携帯機器にバーコードを付しておくことが考えられる。
【0013】
また、請求項2に示すように、鍵装置及び携帯機器の他方は、一方の認証が過去になされていない場合、自身のパスキーを送信するようにしてもよい。例えば、携帯機器でバーコードなどを読み取る場合、鍵装置が自身のパスキーを携帯機器に送信するという具合である。また例えば、鍵装置でバーコードなどを読み取る場合、携帯機器が自身のパスキーを鍵装置に送信するという具合である。この場合、鍵装置及び携帯機器の一方は、コード読取手段にて読み取られたパスキーと他方から送信されたパスキーとを照合する。このようにすれば、パスキーの照合が比較的簡単に行える。
【0014】
このときは、請求項3に示すように、鍵装置及び携帯機器の一方は、パスキーが送信されると、情報コードの読取を促すこととしてもよい。このようにすれば、情報コードの読み取りが必要であるか否かが、また、その読み取りタイミングが、作業者にとって分かり易くなり、便利である。
【0015】
なお、鍵装置は常時電力供給される構成としてもよいが、必要に応じて電力供給される構成とするのが好ましい。そこで、請求項4に示すように、鍵装置が車両の荷台扉の施錠に用いられることを前提として、当該車両のイグニッションスイッチがオフになると電力供給が開始される構成とすることが考えられる。なお、荷台扉には、乗用車のトランクなども含まれる。このようにすれば、無駄な電力供給を削減することができる。また、荷物の積み卸し時のアイドリングストップに寄与する。
【0016】
また、請求項5に示すように、鍵装置が車両の荷台扉の施錠に用いられることを前提として、当該車両のイグニッションスイッチがオンになると電力供給が停止される構成とすることが考えられる。このようにすれば、無駄な電力供給を削減することができる。
【0017】
なお、請求項6に示すように、鍵装置は、電力供給が停止されると、施錠対象を施錠する構成が好ましい。このようにすれば、電力供給停止時には施錠がなされるため、十分なセキュリティを確保することができる。
【0018】
以上は、施錠システムの発明として説明してきたが、上記施錠システムを構成する鍵装置の発明として実現することもできる。また、上記施錠システムを構成する携帯機器の発明として実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】バーコードリーダの概略構成を示すブロック図である。
【図2】鍵装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は鍵装置が設置されるトラックの後部を示す説明図であり、(b)は後部に付されたバーコードを示す説明図である。
【図4】リーダ側処理を示すフローチャートである。
【図5】鍵側処理を示すフローチャートである。
【図6】鍵側処理の接続時処理を示すフローチャートである。
【図7】鍵側処理の解錠処理を示すフローチャートである。
【図8】鍵側処理の施錠処理を示すフローチャートである。
【図9】鍵側処理の電源オフ処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態の施錠システムは、図1に示すバーコードリーダ10、及び、図2に示す鍵装置90を備えている。
【0021】
図1に示すバーコードリーダ10は、制御部20と、通信部30と、リーダ部40と、LED50と、スピーカ60と、パワーマネジメント部70とを備えている。
制御部20は、コントローラ21を中心に構成されており、フラッシュROM22、RAM23、及び、I/Oインターフェース24を有している。
【0022】
コントローラ21は、例えばフラッシュROM22に記憶されたプログラムを所定タイミングで実行する。フラッシュROM22は、不揮発性のメモリ装置であり、パワーマネジメント部70からの電力供給が途絶えても、記憶内容を保持可能である。RAM23は、プログラムに基づく処理においての一時的な記憶処理を実現する。また、I/Oインターフェース24は、通信部30やリーダ部40との間で情報の入出力を行うための構成である。
【0023】
通信部30は、Bluetooth(登録商標)LSIとして構成されており、ベースバンドコントローラ31、高周波回路32、及び、アンテナ33を有している。
アンテナ33で受信される受信信号は、高周波回路32へ入力される。このとき高周波回路32は、当該受信信号からアナログ信号としての情報信号(ベースバンド信号)を取り出してベースバンドコントローラ31へ出力する。ベースバンドコントローラ31は、高周波回路32から出力されるアナログ信号としての情報信号を、デジタル信号へ変換して、制御部20へ出力する。
【0024】
一方、制御部20から出力されるデジタル信号としての情報信号は、ベースバンドコントローラ31によって、アナログ信号へ変換されて高周波回路32へ出力される。高周波回路32は、ベースバンドコントローラ31から出力されるアナログ信号としての情報信号(ベースバンド信号)と高周波の搬送信号とから送信信号を生成する。これにより、アンテナ33から送信信号が出力されることになる。
【0025】
リーダ部40は、バーコードを読み取るための構成であり、CCD又はCISセンサ41を備えている。リーダ部40で読み取られた情報は、制御部20へ出力される。
LED50及びスピーカ60は、報知手段として用いられる。
【0026】
パワーマネジメント部70は、バーコードリーダ10の各部へ電力供給を行うための構成であり、DC/DCコンバータ71、充電回路72、及び、充電池73を有している。
DC/DCコンバータ71は、昇圧回路であり、充電池の電圧をデジタル回路を動作させるための電圧に昇圧する。また、充電回路72は、充電池73の充電を行うための構成である。
【0027】
図2に示す鍵装置90は、鍵コントローラ91と鍵部92とで構成される。上述したバーコードリーダ10が作業者に携帯されるのに対し、鍵装置90は、図3(a)に示すようにトラック後部に設置される。
【0028】
具体的には、図3に示すように、トラック100の後部の荷台扉101の内側に、鍵コントローラ91及び鍵部92が設置されるという具合である。このとき、鍵部92は、図示しないモータにより横方向(記号Aで示す方向)に突出/埋没する突出部92aを有しており、突出部92aが突出することで、荷台扉101が施錠される。これにより、ハンドル103,104を回動させても荷台扉101は開かない状態となる。一方、突出部92aが埋没することで、荷台扉101が解錠される。これにより、ハンドル103,104の回動により荷台扉101が開く状態となる。
【0029】
図2に戻り、鍵コントローラ91は、バーコードリーダ10と同様、制御部20と、通信部30と、LED50と、スピーカ60と、パワーマネジメント部70とを備えている。バーコードリーダ10と異なるのは、リーダ部40に代え、鍵コントロール部80を備える点である。したがって、バーコードリーダ10と同様の構成部分については同一の符号を付して説明を省略し、鍵コントロール部80に関する説明を行う。
【0030】
鍵コントロール部80は、モータドライバ81を有している。モータドライバ81は、鍵部92に接続されている。これにより、鍵部92のモータ(不図示)を駆動する。鍵部92は、上述したように、トラック100の荷台扉101に取り付けられている(図3(a)参照)。鍵部92のモータが駆動されると、上述したように、突出部92aが突出することで荷台扉101が施錠され、突出部92aが埋没することで荷台扉101が解錠される。
【0031】
次に、バーコードリーダ10の制御部20にて実行されるリーダ側処理を説明する。図4は、リーダ側処理を示すフローチャートである。この処理は、バーコードリーダ10の電源オンによって実行される。
【0032】
最初のS100では、接続動作を開始する。この処理は、バーコードリーダ10側から鍵装置90への接続を試みるものである。これに対し、鍵装置90は、バーコードリーダの認証が必要と判断すると、認証に必要なパスキーを送信してくる。
【0033】
続くS110では、パスキーの送信があったか否かを判断する。ここでパスキーの送信があったと判断された場合(S110:YES)、S120へ移行する。一方、パスキーの送信がないと判断された場合(S110:NO)、S120及びS130の処理を実行せず、S140へ移行する。
【0034】
S120では、コードの読み取りを促す。この処理は、作業者に、コードの読み取りを促すものであり、例えばLED50やスピーカ60を介して読み取りを促す。これに対し、作業者は、バーコードリーダ10のリーダ部40でトラック100に貼付されたバーコード102(図3参照)を読み取る。バーコード102を拡大して示すのが、図3(b)である。
【0035】
続くS130では、コードの読み取りが完了したか否かを判断する。ここでコードの読み取りが完了したと判断された場合(S130:YES)、S140へ移行する。一方、コードの読み取りが完了していないうちは(S130:NO)、S120からの処理を繰り返す。
【0036】
S140では、通信回線を確立する。この処理は、鍵装置90から送信されたパスキーとバーコードとして読み取られたパスキーとを照合し、通信回線を確立するものである。なお、パスキーが送信されない場合には、既にパスキーによる認証が完了している場合であり、保持されたリンクキーを用いて通信回線を確立する。
【0037】
次に、鍵装置90の制御部20にて実行される鍵側処理を説明する。図5は、鍵側処理を示すフローチャートである。この処理は、鍵装置90の電源オンによって実行される。鍵装置90の電源は、例えばトラック100のイグニッションスイッチがオフされたことによってオンされるものとする。
【0038】
S200では、接続時処理を実行する。この処理は図4中のS100に対応するものであり、図6が接続時処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS201では、接続待ち状態とする。この処理は、周囲のバーコードリーダ10からの接続要求を待つものである。
【0039】
続くS202では、接続要求があったか否かを判断する。ここで接続要求があったと判断された場合(S202:YES)、S203へ移行する。一方、接続要求がないうちは(S202:NO)、S201からの処理を繰り返す。
【0040】
S203では、認証済みか否かを判断する。過去にバーコードリーダ10との通信回線が確立されている場合には、肯定判断される。ここで認証済みであると判断された場合(S203:YES)、S204の処理を実行せず、接続時処理を終了する。一方、認証済みでないと判断された場合(S203:NO)、S204にてパスキーを送信し、その後、接続時処理を終了する。
【0041】
図5に戻り、S210では、解錠処理を実行する。この処理は、通信回線が確立された場合に、荷台扉101を解錠するためのものである。図7が解錠処理の詳細を示すフローチャートである。
【0042】
最初のS211では、通信回線が確立されているか否かを判断する。ここで通信回線が確立されていると判断された場合(S211:YES)、S212へ移行する。一方、通信回線が確立されていないと判断された場合(S211:NO)、以降の処理を実行せず、解錠処理を終了する。
【0043】
S212では、解錠されているか否かを判断する。ここで解錠されていると判断された場合(S212:YES)、S213の処理を実行せず、解錠処理を終了する。一方、解錠されていないと判断された場合(S212:NO)、すなわち施錠されている場合には、S213にて解錠を指示し、その後、解錠処理を終了する。S213の解錠指示により、鍵コントロール部80のモータドライバ81によって鍵部92のモータが駆動され、鍵部92の突出部92aが埋没する。
【0044】
図5に戻り、S220では、施錠処理を実行する。この処理は、通信回線が切断された場合に、荷台扉101を施錠するためのものである。図8が施錠処理の詳細を示すフローチャートである。
【0045】
最初のS221では、通信回線が切断されたか否かを判断する。ここで通信回線が切断されたと判断された場合(S221:YES)、S222へ移行する。一方、通信回線が切断されていないと判断された場合(S221:NO)、以降の処理を実行せずに、施錠処理を終了する。
【0046】
S222では、施錠されているか否かを判断する。ここで施錠されていると判断された場合(S222:YES)、S223の処理を実行せず、施錠処理を終了する。一方、施錠されていないと判断された場合(S222:NO)、すなわち解錠されている場合には、S223にて施錠を指示し、その後、施錠処理を終了する。S223の施錠指示により、鍵コントロール部80のモータドライバ81によって鍵部92のモータが駆動され、鍵部92の突出部92aが突出する。
【0047】
図5に戻り、S230では、電源オフされたか否かを判断する。この処理は、鍵装置90の電源がオフとなったか否かを判断するものである。ここで電源オフされたと判断された場合(S230:YES)、S240へ移行する。一方、電源オフされていないと判断された場合(S230:NO)、S210からの処理を繰り返す。鍵装置90の電源は、例えばトラック100のイグニッションスイッチがオンされたことによってオフされるものとする。
【0048】
S240では、電源オフ処理を実行する。この処理は、鍵装置90の電源がオフされた場合に、荷台扉101を施錠するためのものである。図9が電源オフ処理の詳細を示すフローチャートである。
【0049】
最初のS241では、施錠されているか否かを判断する。ここで施錠されていると判断された場合(S241:YES)、S242の処理を実行せず、電源オフ処理を終了する。一方、施錠されていないと判断された場合(S241:NO)、すなわち解錠されている場合には、S242にて施錠を指示し、その後、電源オフ処理を終了する。S242の施錠指示により、鍵コントロール部80のモータドライバ81によって鍵部92のモータが駆動され、鍵部92の突出部92aが突出する。
【0050】
次に、本実施形態の施錠システムが発揮する効果を説明する。
本実施形態の施錠システムでは、バーコードリーダ10が接続動作を行う(図4中のS100)。鍵装置90は、電力供給の開始により、接続待ち状態となり(図6中のS201)、バーコードリーダ10からの接続要求があると(S202:YES)、認証済みか否かを判断する(S203)。ここで過去に認証がなされていない場合(S203:NO)、鍵装置90は自身のパスキーを送信する(S204)。バーコードリーダ10では、パスキーが送信されると(図4中のS110:YES)コードの読み取りを促し(S120)コードの読み取りが完了すると(S130:YES)通信回線を確立する(S140)。
【0051】
これにより、鍵装置90とバーコードリーダ10とを1対1に対応させておかなくても、バーコードリーダ10が鍵装置90を認証するためのパスキーが読み取られ(図4中のS130:YES)、このパスキーに基づいて通信回線が確立される(S140)。その結果、作業者が個別に有するバーコードリーダ10を用い、トラック側の鍵装置90によるスムーズな解錠/施錠を実現することができる。
【0052】
また、本実施形態では、鍵装置90は、バーコードリーダ10が過去に認証されていない場合(図6中のS203:NO)、自身のパスキーを送信する(S204)。これに対し、バーコードリーダ10は、情報コードとして読み取ったパスキーと鍵装置90から送信されたパスキーとを照合する。これにより、パスキーの照合が比較的簡単に行える。
【0053】
さらにまた、バーコードリーダ10では、パスキーが送信されると(図4中のS110:YES)、コードの読み取りを促す(S120)。これにより、情報コードの読み取りが必要であるか否かが、また、その読み取りタイミングが、作業者にとって分かり易くなり、便利である。
【0054】
また、本実施形態では、トラック100のイグニッションスイッチがオフになると鍵装置90における電力供給が開始され、トラック100のイグニッションスイッチがオンになると、鍵装置90における電力供給が停止される。これにより、無駄な電力供給を削減することができる。また、荷物の積み卸し時のアイドリングストップに寄与する。
【0055】
しかも、鍵装置90は、電力供給が停止されると、施錠対象を施錠する(図9中のS241:NO,S242)。これにより、電力供給停止時には施錠がなされるため、十分なセキュリティを確保することができる。
【0056】
なお、本実施形態におけるトラック100の荷台扉101が「施錠対象」を構成し、鍵装置90が「鍵装置」を構成し、バーコードリーダ10が「携帯機器」を構成する。また、バーコードリーダ10のリーダ部40が「コード読取手段」を構成する。
【0057】
以上、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その技術的範囲を逸脱しない限りにおいて、種々なる形態で実施可能である。
(イ)上記実施形態では、バーコードリーダ10にてバーコードを読み取る構成であったが、作業者固有の携帯電話機にてバーコードを読み取る構成としてもよい。また、バーコードなどの一次元コードだけでなく、QRコードなどの二次元コードを読み取る構成としてもよい。
【0058】
(ロ)また、鍵装置90側に、リーダ部40を設けるようにしてもよい。この場合、例えば、リーダ側処理(図4参照)を鍵装置90の制御部20が実行するようにし、鍵側処理の中の接続時処理(図6参照)を携帯機器が実行するようにすればよい。
【0059】
(ハ)上記実施形態では、鍵装置90がトラック100の荷台扉101に設置されているが、集配のための手押しカートなどに鍵装置90を取り付けるようにしてもよい。つまり、作業者が頻繁に離れることになる施錠対象物のすべてに適用することができる。
【符号の説明】
【0060】
10:バーコードリーダ、20:制御部、21:コントローラ、22:フラッシュROM、23:RAM、24:I/Oインターフェース、30:通信部、31:ベースバンドコントローラ、32:高周波回路、33:アンテナ、40:リーダ部、41:CCD/CISセンサ、50:LED、60:スピーカ、70:パワーマネジメント部、71:DC/DCコンバータ、72:充電回路、73:充電池、80:鍵コントロール部、81:モータドライバ、91:鍵コントローラ、92:鍵部、92a:突出部、100:トラック、101:荷台扉、102:バーコード、103,104:ハンドル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠対象を施錠するための鍵装置と、前記鍵装置との間で通信回線を確立可能な携帯機器とを備え、前記通信回線が確立されると前記鍵装置によって前記施錠対象が解錠され、一方、前記通信回線が切断されると前記鍵装置によって前記施錠対象が施錠されるよう構成された施錠システムであって、
前記鍵装置及び前記携帯機器の一方は、他方を認証するためのパスキーを示す情報コードを読み取るコード読取手段を有し、
前記鍵装置及び前記携帯機器は、前記コード読取手段にて読み取られた前記情報コードの示すパスキーに基づき、前記通信回線を確立すること
を特徴とする施錠システム。
【請求項2】
請求項1に記載の施錠システムにおいて、
前記鍵装置及び前記携帯機器の他方は、一方の認証が過去になされていない場合、自身のパスキーを送信し、
前記鍵装置及び前記携帯機器の一方は、前記コード読取手段にて読み取られた前記パスキーと他方から送信された前記パスキーとを照合すること
を特徴とする施錠システム。
【請求項3】
請求項2に記載の施錠システムにおいて、
前記鍵装置及び前記携帯機器の一方は、前記パスキーが送信されると、前記情報コードの読み取りを促すこと
を特徴とする施錠システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の施錠システムにおいて、
前記鍵装置は、車両の荷台扉の施錠に用いられ、当該車両のイグニッションキーがオフになると電力供給が開始されること
を特徴とする施錠システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の施錠システムにおいて、
前記鍵装置は、車両の荷台扉の施錠に用いられ、当該車両のイグニッションスイッチがオンになると電力供給が停止されること
を特徴とする施錠システム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の施錠システムにおいて、
前記鍵装置は、電力供給が停止されると、前記施錠対象を施錠すること
を特徴とする施錠システム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の施錠システムを構成する鍵装置。
【請求項8】
請求項1〜6の何れか一項に記載の施錠システムを構成する携帯機器。
【請求項1】
施錠対象を施錠するための鍵装置と、前記鍵装置との間で通信回線を確立可能な携帯機器とを備え、前記通信回線が確立されると前記鍵装置によって前記施錠対象が解錠され、一方、前記通信回線が切断されると前記鍵装置によって前記施錠対象が施錠されるよう構成された施錠システムであって、
前記鍵装置及び前記携帯機器の一方は、他方を認証するためのパスキーを示す情報コードを読み取るコード読取手段を有し、
前記鍵装置及び前記携帯機器は、前記コード読取手段にて読み取られた前記情報コードの示すパスキーに基づき、前記通信回線を確立すること
を特徴とする施錠システム。
【請求項2】
請求項1に記載の施錠システムにおいて、
前記鍵装置及び前記携帯機器の他方は、一方の認証が過去になされていない場合、自身のパスキーを送信し、
前記鍵装置及び前記携帯機器の一方は、前記コード読取手段にて読み取られた前記パスキーと他方から送信された前記パスキーとを照合すること
を特徴とする施錠システム。
【請求項3】
請求項2に記載の施錠システムにおいて、
前記鍵装置及び前記携帯機器の一方は、前記パスキーが送信されると、前記情報コードの読み取りを促すこと
を特徴とする施錠システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の施錠システムにおいて、
前記鍵装置は、車両の荷台扉の施錠に用いられ、当該車両のイグニッションキーがオフになると電力供給が開始されること
を特徴とする施錠システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の施錠システムにおいて、
前記鍵装置は、車両の荷台扉の施錠に用いられ、当該車両のイグニッションスイッチがオンになると電力供給が停止されること
を特徴とする施錠システム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の施錠システムにおいて、
前記鍵装置は、電力供給が停止されると、前記施錠対象を施錠すること
を特徴とする施錠システム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の施錠システムを構成する鍵装置。
【請求項8】
請求項1〜6の何れか一項に記載の施錠システムを構成する携帯機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−49993(P2013−49993A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189017(P2011−189017)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(399031827)エイディシーテクノロジー株式会社 (163)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(399031827)エイディシーテクノロジー株式会社 (163)
【Fターム(参考)】
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