説明

施錠制御システム

【課題】ユーザの意図に反してドアが施錠されることを抑制できる施錠制御システムを提供すること。
【解決手段】携帯機200は、要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合にユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測して応答信号を返信せず、要求信号を受信したとき及び要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまではユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測して要求信号の受信に関係なく応答信号を返信する。車載機100は、携帯機200からの応答信号を受信してない場合はユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測されたとみなしてドア22〜62の施錠を行ない、応答信号を受信した場合はユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測されたとみなしてドア22〜62の施錠を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアの施錠制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ドアの施錠制御システムの一例として、特許文献1に開示された無線式施解錠装置がある。
【0003】
無線式施解錠装置は、車両のドア(開閉体)が閉じられたタイミングを検出するドアタイミング検出手段と、ドアタイミングに応答し、送信リクエストコマンドの間欠的な無線送信を開始する送信リクエスト手段と、送信リクエストコマンドに応答して、携帯機から返送されるコード信号の受信を確認する受信確認手段と、コード信号の受信が途絶えたことを条件として、車両ドアの施錠を行う施錠制御手段と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−37479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、無線式施解錠装置は、携帯機を所持したユーザが送信リクエストコマンドの送信エリアから出ると、自動的にドアを施錠するものである。
【0006】
ところで、例えば、携帯機を所持したユーザが車両から降車して、トランクや助手席のドアを開けて荷物を降ろしたり、助手席や後部座席のドアを開けて子供を降ろそうとした場合、携帯機を所持したユーザは送信エリアから出てしまうこともある。このような場合、ユーザは、ドアの施錠を意図していないことが多い。しかしながら、無線式施解錠装置は、車両ドアの施錠を行うことになる。
【0007】
また、送信リクエストコマンドを送信する無線環境(電波環境)によっては、送信エリアが狭くなることもありうる。よって、携帯機を所持したユーザが送信エリアと送信エリア外との境界付近で話しをしていた場合、送信エリアが狭くなることによって、携帯機を所持したユーザが送信エリアから出た状態となってしまうこともある。このような場合も、ユーザは、ドアの施錠を意図していないことが多い。しかしながら、無線式施解錠装置は、車両ドアの施錠を行うことになる。
【0008】
このように、無線式施解錠装置では、ユーザの意図に反して、ドアが自動的に施錠される可能性がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、ユーザの意図に反してドアが施錠されることを抑制できる施錠制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1に記載の施錠制御システムは、
ドアの施錠を行うドア側ユニットと、ユーザが携帯可能な携帯機とを備え、ドアの施錠を制御するものであって、
ドア側ユニットは、
ドアの周辺における所定範囲に、携帯機に対する応答信号の要求を示す要求信号を送信するドア側送信手段と、
携帯機からの応答信号を受信するドア側受信手段と、を備え、
携帯機は、
要求信号を受信する携帯機側受信手段と、
携帯機側受信手段にて受信した要求信号に応答して応答信号を返信する携帯機側送信手段と、を備え、
ドア側ユニット又は携帯機は、ユーザがドアの施錠を意図しているか否かを推測する推測手段を備え、
ドア側ユニットは、推測手段にて、ユーザがドアの施錠を意図していないと推測された場合はドアの施錠を行なわず、ユーザがドアの施錠を意図していると推測された場合はドアの施錠を行なう施錠手段を備えることを特徴とする。
【0011】
このように、ユーザがドアの施錠を意図していないと推測された場合はドアの施錠を行わず、ユーザがドアの施錠を意図していると推測された場合はドアの施錠を行うので、ユーザの意図に反したドアの施錠を抑制することができる。
【0012】
また、請求項2に示すように、
推測手段は、携帯機に設けられるものであり、携帯機側受信手段による要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合にユーザがドアの施錠を意図していると推測し、携帯機側受信手段にて要求信号を受信したとき及び携帯機側受信手段による要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまではユーザがドアの施錠を意図していないと推測し、
携帯機側送信手段は、推測手段にてユーザがドアの施錠を意図していると推測された場合は応答信号を返信せず、推測手段にてユーザがドアの施錠を意図していないと推測された場合は要求信号の受信に関係なく応答信号を返信し、
施錠手段は、ドア側受信手段が応答信号を受信してない場合はユーザがドアの施錠を意図していると推測されたとみなしてドアの施錠を行ない、ドア側受信手段が応答信号を受信した場合はユーザがドアの施錠を意図していないと推測されたとみなしてドアの施錠を行わないようにしてもよい。
【0013】
このように、携帯機側受信手段による要求信号の受信状況、及び要求信号の受信が途絶えてからの経過時間によって、ユーザがドアの施錠を意図しているか否かを推測するようにしてもよい。
【0014】
例えば、携帯機側受信手段にて要求信号を受信したときや、携帯機側受信手段による要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまでは、携帯機を所持したユーザは、ドアの近辺にいるとみなすことができる。このように、ドアの近辺にいるユーザは、直ちにドアから遠ざからないことも考えられる。よって、このような場合、携帯機を所持したユーザは、ドアの施錠を意図していないと推測する。
【0015】
また、ユーザがドアの施錠を意図していないと推測された場合、携帯機側送信手段は要求信号の受信に関係なく応答信号を返信する。つまり、携帯機は、要求信号を受信していなくても(すなわち、携帯機を所持したユーザが要求信号の送信エリア(ドアの周辺における所定範囲)からでた場合でも)、要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまでは応答信号を返信する。そして、施錠手段はドア側受信手段が応答信号を受信した場合にユーザがドアの施錠を意図していないと推測されたとみなす。従って、携帯機に推測手段を設けた場合であっても、ドア側ユニットに設けられた施錠手段は、推測手段の推測結果に応じてドアの施錠を行わないようにすることができる。また、このようにすることによって、携帯機を所持したユーザが、要求信号の送信エリアから一時的に出た場合であっても、ドアが施錠されることを抑制できる。
【0016】
一方、携帯機側受信手段による要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合、携帯機を所持したユーザは、ドアから遠ざかったとみなすことができる。このような場合、ユーザはドアの施錠を意図していると推測する。
【0017】
また、ユーザがドアの施錠を意図していると推測された場合、携帯機側送信手段は応答信号を返信しない。そして、施錠手段はドア側受信手段が応答信号を受信してない場合はユーザがドアの施錠を意図していると推測されたとみなす。従って、携帯機に推測手段を設けた場合であっても、ドア側ユニットに設けられた施錠手段は、推測手段の推測結果に応じてドアの施錠を行うことができる。また、このようにすることによって、携帯機を所持したユーザが、ドアの施錠を意図してドアから遠ざかった場合には、ドアを施錠することができる。
【0018】
また、請求項3に示すように、
ドア側ユニットは、ドア側受信手段で受信した応答信号の電波強度を測定する電波強度測定手段を備え、
携帯機側送信手段は、携帯機側受信手段にて受信した要求信号に応答して応答信号を返信するとともに、携帯機側受信手段による要求信号の受信が途絶えてから所定期間は応答信号を返信するものであり、
推測手段は、ドア側ユニットに設けられるものであり、電波強度測定手段にて測定された電波強度又は電波強度の減衰量が所定値に達した場合はユーザがドアの施錠を意図していると推測し、電波強度又は電波強度の減衰量が所定値に達してない場合はユーザが前記ドアの施錠を意図していないと推測するようにしてもよい。
【0019】
携帯機から送信される応答信号(電波)は、携帯機から遠ざかるに連れて電波強度が弱くなる。そこで、請求項3に示すように、ドア側ユニットに設けられた電波強度測定手段にて測定された応答信号における電波強度又は電波強度の減衰量によって、ユーザがドアの施錠を意図しているか否かを推測するようにしてもよい。
【0020】
例えば、電波強度の減衰量(又は電波強度)が所定値に達してない場合、携帯機を所持したユーザは、要求信号の送信範囲外であっても、ドアの近辺にいるとみなすことができる。このように、ドアの近辺にいるユーザは、直ちにドアから遠ざからないことも考えられる。よって、このような場合、携帯機を所持したユーザは、ドアの施錠を意図していないと推測する。このようにすることで、施錠手段は、電波強度の減衰量が所定値に達してない場合(すなわち、携帯機を所持したユーザがドアの施錠を意図しておらずドアの近辺にいるとみなすことができる場合)にはドアの施錠を行わないようにすることができる。
【0021】
一方、電波強度の減衰量(又は電波強度)が所定値に達した場合、携帯機を所持したユーザは、ドアから遠ざかったとみなすことができる。このような場合、ユーザはドアの施錠を意図していると推測する。よって、施錠手段は、電波強度の減衰量が所定値に達した場合(すなわち、携帯機を所持したユーザがドアの施錠を意図してドアから遠ざかったとみなすことができる場合)にはドアの施錠を行うことができる。
【0022】
また、請求項4に示すように、
携帯機側送信手段は、携帯機側受信手段による要求信号の受信が途絶えてから応答信号を返信する際には、要求信号を未受信であることを示す未受信情報を含む応答信号を返信するものであり、
推測手段は、電波強度測定手段にて測定された電波強度又は電波強度の減衰量が所定値に達し、且つ応答信号が未受信情報を含む場合はユーザが前記ドアの施錠を意図していると推測するようにしてもよい。
【0023】
このようにすることによって、携帯機を所持したユーザが、ドアから遠ざかり、且つ要求信号の送信範囲(ドアの周辺における所定範囲)から出た場合に、ユーザがドアの施錠を意図していると推測することができる。つまり、携帯機が要求信号の送信範囲(ドアの周辺における所定範囲)にあるか否かを示す情報(未受信情報)、及び電波強度の減衰量(又は電波強度)の二つの情報に基づいて、ユーザがドアの施錠を意図していると推測することができる。よって、より一層ユーザの意図に即したドアの施錠を行うことができる。
【0024】
また、請求項5に示すように、
推測手段は、ドア側ユニットに設けられるものであり、ドア側受信手段による応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するとユーザがドアの施錠を意図していると推測し、ドア側受信手段による応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまではユーザがドアの施錠を意図していないと推測するようにしてもよい。
【0025】
このように、ドア機側受信手段による応答信号の受信状況、及び応答信号の受信が途絶えてからの経過時間によって、ユーザがドアの施錠を意図しているか否かを推測するようにしてもよい。
【0026】
例えば、ドア側受信手段にて応答信号を受信したときや、ドア機側受信手段による応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまでは、携帯機を所持したユーザは、ドアの近辺にいるとみなすことができる。このように、ドアの近辺にいるユーザは、直ちにドアから遠ざからないことも考えられる。よって、このような場合、携帯機を所持したユーザは、ドアの施錠を意図していないと推測する。このようにすることで、施錠手段は、ドア側受信手段にて応答信号を受信したときや、ドア機側受信手段による応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまでは(すなわち、携帯機を所持したユーザがドアの施錠を意図しておらずドアの近辺にいるとみなすことができる場合)、ドアの施錠を行わないようにすることができる。
【0027】
一方、ドア機側受信手段による応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合、携帯機を所持したユーザは、ドアから遠ざかったとみなすことができる。このような場合、ユーザはドアの施錠を意図していると推測する。よって、施錠手段は、ドア機側受信手段による応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合(すなわち、携帯機を所持したユーザがドアの施錠を意図してドアから遠ざかったとみなすことができる場合)にはドアの施錠を行うことができる。
【0028】
また、請求項6に示すように、ドア側ユニットは、移動体に搭載されるものであり、移動体に設けられたドアの施錠を行うようにしてもよい。つまり、本発明の施錠制御システムは、ドアを有する移動体に適用することができる。
【0029】
また、請求項7に示すように、ドア側ユニットは、建屋に搭載されるものであり、建屋に設けられたドアの施錠を行うようにしてもよい。つまり、本発明の施錠制御システムは、ドアを有する建屋に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態における施錠制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における検知エリアを示すイメージ図である。
【図3】本発明の実施形態における車載機の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態における携帯機の処理動作を示すフローチャートである。
【図5】(a)はLFエリアと携帯機との位置関係の一例を示すイメージ図であり、(b)は図5(a)における携帯機の各位置におけるLF受信状況及びFR受信状況を示す表である。
【図6】変形例1における車載機の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】図5(a)における携帯機の各位置におけるRF電波強度とRF電波強度減衰量を示す表である。
【図8】変形例2における車載機の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。なお、本実施形態においては、本発明の施錠制御システムを車両に適用した例を採用する。より詳細には、一例として、五つのドアを有する車両に施錠制御システムを適用した例を採用する。
【0032】
図1に示すように、施錠制御システムは、車両に搭載された車載機(ドア側ユニット)100と、ユーザが携帯(携行)可能な携帯機200とを備える。この施錠制御システムは、車載機100から車両のドア周辺の所定範囲に送信される要求信号(以下、リクエスト信号とも称する)に応答して、携帯機200が応答信号(以下、レスポンス信号とも称する)を送信する双方向通信(より詳細には、双方向暗号通信)を行うものである。そして、車載機100は、携帯機200との双方向通信に基づいてドアの施錠を行う。つまり、施錠制御システムは、ユーザがドアをタッチしたりすることなくドアを自動的に施錠(オートロック)するものである。
【0033】
図1に示すように、車載機100は、制御部(ドア側制御部)10、第1送信部(ドア側送信部)20、第1アンテナ(ドア側送信アンテナ)21、第2送信部(ドア側送信部)30、第2アンテナ(ドア側送信アンテナ)31、第3送信部(ドア側送信部)40、第3アンテナ(ドア側送信アンテナ)41、第4送信部(ドア側送信部)50、第4アンテナ(ドア側送信アンテナ)51、第5送信部(ドア側送信部)60、第5アンテナ(ドア側送信アンテナ)61、受信部(ドア側受信部)70、受信アンテナ(ドア側受信アンテナ)71、施解錠機構80などを備えて構成されている。
【0034】
制御部10は、周知のコンピュータとして構成されており、内部にはCPU、記憶装置(例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等))、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。制御部10は、CPUがRAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、各種演算処理を行い、後ほど説明する制御を実行する。例えば、リクエスト信号の送信指示などを実行する。なお、制御部10は、レスポンス信号を受信してからの経過時間をカウント(計時)するカウント手段(計時手段)を備えている。
【0035】
第1送信部20〜第5送信部60及び第1アンテナ21〜第5アンテナ61は、車外にリクエスト信号を送信する車外送信機である。第1送信部20〜第5送信部60は、制御部10からの制御信号(送信指示)に応じて、第1アンテナ21〜第5アンテナ61を介してリクエスト信号を送信する。なお、第1アンテナ21〜第5アンテナ61として、例えばLF(lowfrequency)アンテナを採用することができる。よって、第1送信部20〜第5送信部60は、第1アンテナ21〜第5アンテナ61を介して、例えばLF帯の電波にてリクエスト信号を送信する。また、このリクエスト信号(すなわちLF帯の電波)の到達距離は、例えば0.8〜1.5メートル程度である。なお、以下の説明においては、第1送信部20〜第5送信部60及び第1アンテナ21〜第5アンテナ61を纏めて、車外送信機とも称する。
【0036】
図2に示すように、第1アンテナ21は、前方右側ドア22に設けられている。そして、第1送信部20は、この第1アンテナ21を介して、前方右側ドア22の周辺の所定範囲にリクエスト信号を送信する。また、第2アンテナ31は、後方右側ドア32に設けられている。そして、第2送信部30は、この第2アンテナ31を介して、後方右側ドア32の周辺の所定範囲にリクエスト信号を送信する。また、第3アンテナ41は、前方左側ドア42に設けられている。そして、第3送信部40は、この第3アンテナ41を介して、前方左側ドア42の周辺の所定範囲にリクエスト信号を送信する。また、第4アンテナ51は、後方左側ドア52に設けられている。そして、第4送信部50は、この第4アンテナ51を介して、後方左側ドア52の周辺の所定範囲にリクエスト信号を送信する。また、第5アンテナ61は、バックドア(ラゲッジドア)62に設けられている。そして、第5送信部60は、この第5アンテナ61を介して、バックドア62の周辺の所定範囲にリクエスト信号を送信する。以下の説明においては、前方右側ドア22,後方右側ドア32,前方左側ドア42,後方左側ドア52,バックドア62を纏めて、ドア22〜62と簡略化して記載することもある。
【0037】
なお、このリクエスト信号が送信される範囲を検知エリア(LFエリア)とも称する。よって、換言すると、リクエスト信号の到達距離に応じた検知エリア(LFエリア)が車両の各ドア22,32,42,52,62の周辺に形成される。つまり、第1送信部20〜第5送信部60及び第1アンテナ21〜第5アンテナ61は、各ドア22,32,42,52,62の周辺に、リクエスト信号の到達距離に応じた検知エリア(LFエリア)を形成するとも言い換えることができる。
【0038】
受信部70は、車両の車内に設けられ、後ほど説明する携帯機200から送信されるレスポンス信号を受信する。受信部70は、例えばUHF帯の電波にて携帯機200から送信されてくるレスポンス信号を受信アンテナ(UHFアンテナ)71で受信する。受信部70は、受信したレスポンス信号を制御部10に出力する。なお、以下の説明においては、受信部70と受信アンテナ71を纏めて、受信機とも称する。
【0039】
施解錠機構80は、ドアロックモーターなどを備えるものである。この施解錠機構80は、制御部10からの制御信号に応じて、ドアロックモーターが回転(正転又は逆転)して、ドアの施錠及び解錠を行う。
【0040】
なお、車載機100は、これらの構成の他にも、ドア22〜62が施錠されているか解錠されているかを検出して、その検出結果を制御部10に出力するドアロックポジションセンサーを備えるものであってもよい。さらに、車載機100は、ドア22〜62が開いているか閉じているかを検出して、その検出結果を制御部10に出力するカーテシスイッチを備えるものであってもよい。
【0041】
携帯機200は、内部に電池(図示省略)が設けられており、この電池から電源供給されて動作するものであり、制御部(携帯機側制御部)210、受信部(携帯機側受信部)211、送信部(携帯機側送信部)212、アンテナ(携帯機側送受信アンテナ、携帯機側送信アンテナ及び携帯機側受信アンテナ)213などを備えて構成されている。
【0042】
制御部210は、例えば周知のコンピュータとして構成されており、内部にはCPU、記憶装置(例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等))、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。制御部210は、CPUがRAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、各種演算処理を行い、後ほど説明する制御(処理)を実行する。例えば、リクエスト信号に応答して、レスポンス信号の送信指示などを実行する。また、制御部210は、リクエスト信号の受信が途絶えてからの経過時間をカウント(計時)するカウント手段(計時手段)を備えている。
【0043】
受信部211は、車両側の車外送信機から送信されるリクエスト信号を受信するものである。受信部211は、アンテナ213を介して、車両側の車外送信機からLF帯の電波にて送信されてくるリクエスト信号を受信する。また、受信部211は、受信したリクエスト信号を制御部210に出力する。
【0044】
送信部212は、制御部210からの制御信号(送信指示)に応じて、車両側の受信機にレスポンス信号を送信するものである。送信部212は、アンテナ213を介して、車両側の受信機にUHF帯の電波にてレスポンス信号を送信する。なお、このレスポンス信号(すなわちUHF帯の電波)の到達距離は、例えば数メートル程度である。よって、レスポンス信号の到達距離は、リクエスト信号の到達距離よりも十分に長い。換言すると、レスポンス信号が送信される範囲(RFエリア)は、リクエスト信号が送信される範囲(LFエリア)よりも十分に広い。
【0045】
ここでは、制御部210を備える構成を一例として採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、受信部211が、レスポンス信号の送信指示や、リクエスト信号の受信が途絶えてからの経過時間をカウントなどの機能(処理)を行うようにしてもよい。
【0046】
ここで、図3〜図5に基づいて、本実施形態における施錠制御システムの処理動作に関して説明する。
【0047】
なお、図5(a)における二点鎖線Aは、携帯機200を所持したユーザが、車両の運転席から降車して、領域t1,領域t2,領域t3,領域t4,領域t5の順に車両から離れる動きを示すものである。図5(a)における二点鎖線Bは、携帯機200を所持したユーザが、車両の運転席から降車して、領域t6,領域t7,領域t8,領域t9,領域t10の順に荷物室に移動する動きを示すものである。
【0048】
また、領域t2,t3,t6,t8,t9は、要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過してないと判定される領域とする一方、領域t4,t5は、要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過したと判定される領域とする。
【0049】
また、図5(b)におけるRF受信とは、車載機100における応答信号の受信有無を示すものである。RF受信「○」は、車載機100における応答信号の受信有(応答信号を受信できたこと)を示す。一方、RF受信「×」は、車載機100における応答信号の受信無し(応答信号を受信できなかったこと)を示す。
【0050】
また、図5(b)におけるLF受信とは、携帯機200における要求信号の受信有無を示すものである。LF受信「○」は、携帯機200における要求信号の受信有(要求信号を受信できたこと)を示す。一方、LF受信「×」は、携帯機200における要求信号の受信無し(要求信号を受信できなかったたこと)を示す。
【0051】
まず、図3のフローチャートに基づいて、車載機100の処理動作に関して説明する。車載機100は、イグニッションスイッチがオフ且つ全てのドア22〜62が閉じているときに、所定時間毎に図3のフローチャートに示す処理動作を実行する。換言すると、図3に示すフローチャートは、イグニッションスイッチがオフ且つ全てのドア22〜62が閉じているときに、所定時間毎にスタートする。
【0052】
図3のステップS10では、車載機100は、検知エリアを形成する。このとき、制御部10は、各第1送信部20〜第5送信部60に対して要求信号の送信指示を行う。各第1送信部20〜第5送信部60は、この送信指示に応じて、各第1アンテナ21〜第5アンテナ61を介して要求信号を送信する。つまり、車載機100は、各ドア22,32,42,52,62の周辺における所定範囲に、携帯機200に対する応答信号の要求を示す要求信号を送信する(ドア側送信手段)。
【0053】
図3のステップS11では、車載機100は、応答信号有りか否かを判定する。つまり、車載機100は、携帯機200から応答信号を受信したか否かを判定する。携帯機200から応答信号が送信された場合、車載機100は、受信アンテナ71を介して受信部70で応答信号を受信する(ドア側受信手段)。そして、受信部70は、この応答信号を制御部10に出力する。よって、制御部10は、受信部70から応答信号を取得したか否かによって、応答信号有りか否かを判定する。そして、応答信号有りと判定(YES判定)した場合はステップS12へ進み、応答信号無しと判定(NO判定)した場合はステップS14へ進む。
【0054】
より詳細には、車載機100は、受信した応答信号に含まれている識別符号と、自身の記憶装置に予め登録されている登録コードとを比較(照合)する。そして、識別符号と登録コードとが所定の対応関係(例えば一致)を満たす場合に応答信号有りと判定し、所定の対応関係を満たさない場合及び応答信号を受信できなかった場合に応答信号無しと判定する。
【0055】
図3のステップS12では、車載機100は、カウントをスタートする。このとき、制御部10は、応答信号を受信してからの経過時間をカウント(計時)する。また、図3のステップS13では、車載機100は、応答信号を受信してからの経過時間が所定時間(例えば10分〜数10分程度)に達したか否か(所定時間経過したか否か)を判定する。このとき、制御部10は、ステップS12でスタートさせたカウント値によって、応答信号を受信してからの経過時間が所定時間に達したか否かを判定する。そして、所定時間経過したと判定した場合はステップS14へ進み、所定時間経過してないと判定した場合はステップS10へ戻る
なお、本願発明の施錠制御システムは、このステップS12,13を行わなくても目的を達成できる。ステップS12,13を行わない場合、ステップS11においてYES判定になると、図3に示すフローチャートの処理を終了する。
【0056】
図3のステップS14では、車載機100は、全ドア22〜62の施錠を行う(施錠手段)。このとき、制御部10は、施解錠機構80に対して、全ドア22〜62の施錠を示す制御信号を出力する(全ドア22〜62の施錠を指示する)。そして、施解錠機構80は、この制御信号に応じて、ドアロックモーターを回転させて全ドア22〜62の施錠を行う。
【0057】
図3のステップS15では、車載機100は、カウントをクリアする。このとき、制御部10は、ステップS12でスタートさせたカウントをクリアする。
【0058】
なお、後ほど説明するが、携帯機200は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測する。そして、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測された場合は応答信号を返信せず、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測された場合は要求信号の受信に関係なく応答信号を返信するものである。つまり、車載機100は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していない場合に応答信号を受信し、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していると場合には応答信号を受信できない。
【0059】
よって、車載機100(施錠手段)は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測された場合は全ドア22〜62の施錠を行なわず、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測された場合は全ドア22〜62の施錠を行なうことになる。換言すると、車載機100(施錠手段)は、応答信号を受信した場合はユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測されたとみなして全ドア22〜62の施錠を行わず、応答信号を受信してない場合はユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測されたとみなして全ドア22〜62の施錠を行う。
【0060】
次に、図4のフローチャートに基づいて、携帯機200の処理動作に関して説明する。携帯機200は、所定時間毎に図4のフローチャートに示す処理動作を実行する。換言すると、図4に示すフローチャートは、所定時間毎にスタートする。
【0061】
図4のステップS20では、携帯機200は、要求信号待ちを行う。そして、図4のステップS21では、携帯機200は、要求信号有りか否かを判定する。つまり、携帯機200は、車載機100から要求信号を受信したか否かを判定する。受信部211は、アンテナ213を介して、車載機100から送信された要求信号を受信する(携帯機側受信手段)。そして、受信部211は、この要求信号を制御部210に出力する。よって、制御部210は、受信部211から要求信号を取得したか否かによって、要求信号有りか否かを判定する。そして、要求信号有りと判定(YES判定)した場合はステップS27へ進み、要求信号無しと判定(NO判定)した場合はステップS22へ進む。
【0062】
ステップS27では、携帯機200は、履歴を保存する。このとき、制御部210は、要求信号を受信したことを示す履歴(履歴情報)を自身の記憶装置(ここでは、例えばEEPROM)に保存(記憶)する。このように履歴(履歴情報)を保存するのは、後ほど説明する、要求信号の受信が途絶えてからの経過時間を計時(カウント)するためである。
【0063】
ステップS28では、携帯機200は、応答信号を送信する。このとき、制御部210は、送信部212に対して応答信号の送信指示を行う。送信部212は、この送信指示に応じて、アンテナ213を介して応答信号を送信する。つまり、携帯機200は、自身の周辺における所定範囲に、車載機100からの要求信号に対する応答信号を送信する(携帯機側送信手段)。
【0064】
このように、要求信号を受信したときは、携帯機200を所持したユーザは、LFエリア内にいることになるので、ドア22〜62の近辺にいるとみなすことができる。ドア22〜62の近辺にいるユーザは、直ちにドア22〜62から遠ざからないことも考えられる。よって、このような場合、携帯機200を所持したユーザは、ドア22〜62の施錠を意図していないと推測する。つまり、携帯機200(制御部210)は、要求信号を受信したときはユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測する(推測手段)。
【0065】
例えば、図5(a)における領域t1,t7,t10に携帯機200を所持したユーザがいる状況では、携帯機200はユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測して応答信号を送信する。なお、上述のように、応答信号を受信した車載機100(施錠手段)は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測されたとみなして全ドア22〜62の施錠を行わない。
【0066】
図4のステップS22では、携帯機200は、履歴の有無を判定する。このとき、制御部210は、自身の記憶装置に履歴情報が記憶されているか否かを判定する。この履歴情報は、後ほど説明するが、要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するとクリアされるものである。なお、この所定時間は、例えば数秒〜数分程度に設定されるものである。つまり、記憶装置に履歴情報が記憶されてない場合は、携帯機200は、車両から十分離れた位置にあるとみなすことができる。よって、履歴無しと判定(NO判定)した場合は図4のフローチャートの処理を終了する。つまり、携帯機200は、応答信号を送信することなく、図4のフローチャートの処理を終了する。
【0067】
一方、記憶装置に履歴情報が記憶されていた場合は要求信号の受信が途絶えてから(携帯機200がLFエリアからLFエリア外に出てから)所定時間が経過していないので、携帯機200は、車両の近くにあるとみなすことができる。このように、履歴有りと判定(YES判定)した場合はステップS23へ進む。
【0068】
図4のステップS23では、携帯機200は、カウントをスタートする。このとき、制御部210は、要求信号が途絶えてからの経過時間をカウント(計時)する。
【0069】
また、図4のステップS24では、車載機100は、要求信号が途絶えてからの経過時間が所定時間に達したか否か(所定時間経過したか否か)を判定する。このとき、制御部210は、ステップS23でスタートさせたカウント値によって、要求信号が途絶えてからの経過時間が所定時間に達したか否かを判定する。
【0070】
要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合、携帯機200を所持したユーザは、ドア22〜62から遠ざかったとみなすことができる。このような場合、携帯機200は、ユーザはドア22〜62の施錠を意図していると推測する(推測手段)。つまり、携帯機200は、要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合にユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測する(推測手段)。そして、所定時間経過したと判定(YES判定)した場合はステップS26へ進む。
【0071】
なお、図4のステップS26では、携帯機200は、カウント及び履歴をクリアする。このとき、制御部210は、ステップS23でスタートされたカウント、及び自身の記憶装置に記憶している履歴情報をクリアする。このように、携帯機200は、要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測して、応答信号を送信することなく、図4のフローチャートの処理を終了する。
【0072】
一方、要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまでは、携帯機200を所持したユーザは、ドア22〜62の近辺にいるとみなすことができる。このように、ドア22〜62の近辺にいるユーザは、直ちにドア22〜62から遠ざからないことも考えられる。よって、このような場合、携帯機200は、携帯機200を所持したユーザは、ドア22〜62の施錠を意図していないと推測する(推測手段)。つまり、携帯機200は、要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまではユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測する(推測手段)。そして、所定時間経過してないと判定(NO判定)した場合はステップS25へ進む。
【0073】
図4のステップS25では、携帯機200は、応答信号を送信する。このように、携帯機200は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測した場合は、要求信号の受信に関係なく応答信号を返信する(携帯機側送信手段)。換言すると、携帯機200は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測した場合は、要求信号を受信していなくても応答信号を返信する(携帯機側送信手段)。このように、携帯機200は、要求信号に応答して応答信号を返信するとともに、要求信号の受信が途絶えてから所定期間は応答信号を返信する。
【0074】
例えば、図5(a)における領域t2,t3,t6,t8,t9に携帯機200を所持したユーザがいる状況では、携帯機200はユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測して応答信号を送信する。そして、上述のように、応答信号を受信した車載機100(施錠手段)は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測されたとみなして全ドア22〜62の施錠を行わない。
【0075】
一方、図5(a)における領域t4に携帯機200を所持したユーザがいる状況では、携帯機200はユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測して応答信号を送信しない。そして、上述のように、応答信号を受信してない車載機100(施錠手段)は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測されたとみなして全ドア22〜62の施錠を行う。つまり、車載機100は、携帯機200を所持したユーザが車両の運転席から降車して領域t1,t2,t3と移動して、領域t4に移動してきた時点、すなわちタイミングp1で全ドア22〜62の施錠を行う。
【0076】
このように、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測された場合はドア22〜62の施錠を行わず、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測された場合はドア22〜62の施錠を行うので、ユーザの意図に反したドア22〜62の施錠を抑制することができる。よって、携帯機200を所持したユーザが、LFエリアから一時的に出た場合であっても、ドア22〜62が施錠されることを抑制できる。
【0077】
また、ドア22〜62に施錠を行う際には、施解錠機構80から機械音が発せられる。ユーザは、意図していないのにドア22〜62の施錠が行われ、且つ、ドア22〜62の施錠に伴って機械音が発せられることを煩わしく感じることもある。しかしながら、本実施形態における施錠制御システムでは、上述のようにユーザの意図に反したドア22〜62の施錠を抑制することができるので、このような煩わしさを抑制することもできる。
【0078】
また、本実施形態で説明したように、携帯機200において、要求信号の受信状況、及び要求信号の受信が途絶えてからの経過時間によって、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測するようにしてもよい。
【0079】
本実施形態においては、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測した場合、携帯機200は、要求信号の受信に関係なく応答信号を返信する。そして、車載機100は、応答信号を受信した場合にユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測されたとみなす。従って、携帯機200でユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを判定する場合であっても、車載機100は、推測結果に応じてドア22〜62の施錠を行わないようにすることができる。
【0080】
また、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測した場合、携帯機200は、応答信号を返信しない。そして、車載機100は、応答信号を受信してない場合はユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測されたとみなす。従って、携帯機200でユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを判定する場合であっても、車載機100は、推測結果に応じてドア22〜62の施錠を行うことができる。
【0081】
なお、ドア22〜62の解錠は、自動(応答信号有り)で行ってもよいし、手動(例えば、応答信号有りかつ、ドアを握る)で行ってもよい。
【0082】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
【0083】
(変形例1)
なお、上述の実施形態においては、携帯機200において、要求信号の受信状況、及び要求信号の受信が途絶えてからの経過時間によって、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測する例を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
【0084】
携帯機200から送信される応答信号(電波)は、携帯機200から遠ざかるに連れて電波強度が弱くなる。そこで、車載機100において、応答信号の電波強度の減衰量によって、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測するようにしてもよい。
【0085】
変形例1における施錠制御システムと、上述の実施形態における施錠制御システムとは、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測する手段が異なる。変形例1の車載機100は、受信した応答信号(電波、RF電波)の電波強度(受信強度、RF電波強度)を測定する機能(電波強度測定手段)を有するものである。また、車載機100は、測定結果(電波強度を示す電波強度情報)を、自身の記憶装置に記憶しておくものである。このとき、車載機100は、受信した順序(測定した順序)で電波強度情報を記憶しておく。
【0086】
さらに、変形例1の車載機100は、測定された電波強度の減衰量が所定値に達した場合はユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測し、電波強度の減衰量が所定値に達してない場合はユーザが前記ドア22〜62の施錠を意図していないと推測する。
【0087】
また、変形例1における携帯機200は、要求信号を受信していないときに応答信号を返信する際に、要求信号を未受信であることを示す未受信情報を含む応答信号を返信するものである。つまり、携帯機200は、要求信号の受信が途絶えてから所定期間は未受信情報を含む応答信号を返信する。この点以外は、変形例1における携帯機200と上述の実施形態における携帯機200とは同様である。よって、携帯機200に関する詳しい説明は省略する。なお、車載機100と携帯機200の基本的な構成に関しては、上述の実施形態と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0088】
ここで、図6に示すフローチャートに基づいて、変形例1における車載機100の処理動作に関して説明する。車載機100は、イグニッションスイッチがオフ且つ全てのドア22〜62が閉じているときに、所定時間毎に図6のフローチャートに示す処理動作を実行する。換言すると、図6に示すフローチャートは、イグニッションスイッチがオフ且つ全てのドア22〜62が閉じているときに、所定時間毎にスタートする。なお、図6におけるステップS30〜S35は、図3におけるステップS10〜S15と同様であるため、説明は省略する。
【0089】
車載機100は、ステップS33において、所定時間が経過していないと判定(NO判定)した場合、ステップS36へ進む。そして、ステップS36では、車載機100は未受信情報の有無を判定する。このとき、制御部10は、受信した応答信号に未受信情報が含まれているか否かを判定する。そして、未受信情報有り(すなわち応答信号に未受信情報が含まれている)と判定した場合は、ステップS37に進み、未受信情報無し(すなわち応答信号に未受信情報が含まれていない)と判定した場合は、ステップS30に戻る。なお、応答信号に未受信情報が含まれていた場合、携帯機200を所持したユーザはLFエリア外にいるが、要求信号の受信が途絶えてから所定期間は経過してない状況を示す。一方、応答信号に未受信情報が含まれていない場合、携帯機200を所持したユーザはLFエリア内にいる状況を示す。
【0090】
ステップS37では、車載機100は電波強度の減衰量が所定値以上であるか否かを判定する。そして、減衰量が所定値以上であると判定した場合はステップS34へ進む。電波強度の減衰量が所定値に達した場合、携帯機200を所持したユーザは、LFエリア外におり、且つドア22〜62から遠ざかったとみなすことができる。このような場合、ユーザはドア22〜62の施錠を意図していると推測する(推測手段)。つまり、車載機100は、応答信号の電波強度の減衰量が所定値に達し、且つ応答信号が未受信情報を含む場合にユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測する。
【0091】
よって、車載機100は、電波強度の減衰量が所定値に達した場合(すなわち、携帯機200を所持したユーザがドア22〜62の施錠を意図してドアから遠ざかったとみなすことができる場合)にはドア22〜62の施錠を行うことができる(施錠手段)。さらに、携帯機200を所持したユーザが、ドア22〜62から遠ざかり、且つ要求信号の送信範囲(ドア22〜62の周辺における所定範囲)から出た場合に、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測することができる。よって、より一層ユーザの意図に即したドア22〜62の施錠を行うことができる。
【0092】
一方、減衰量が所定値以上でないと判定した場合はステップS30へ戻る。電波強度の減衰量が所定値に達してない場合、携帯機200を所持したユーザは、LFエリア外ではあるが、ドア22〜62の近辺にいるとみなすことができる。このように、ドア22〜62の近辺にいるユーザは、直ちにドア22〜62から遠ざからないことも考えられる。よって、このような場合、携帯機200を所持したユーザは、ドア22〜62の施錠を意図していないと推測する(推測手段)。このようにすることで、車載機100は、電波強度の減衰量が所定値に達してない場合(すなわち、携帯機を所持したユーザがドア22〜62の施錠を意図しておらずドア22〜62の近辺にいるとみなすことができる場合)にはドア22〜62の施錠を行わないようにすることができる(施錠手段)。
【0093】
例えば、図5(a)における領域t1にある携帯機200から送信された応答信号の電波強度(大)よりも、領域t2にある携帯機200から送信された応答信号の電波強度(中)の方が小さくなる(図7参照)。同様に、領域t2にある携帯機200から送信された応答信号の電波強度(中)よりも、領域t3にある携帯機200から送信された応答信号の電波強度(小)の方が小さくなる(図7参照)。よって、RF電波の減衰量は、携帯機200を所持したユーザが、車両の運転席から降車して領域t1,t2の順で移動した場合よりも、車両の運転席から降車して領域t1,t2,t3の順で移動した場合の方が大きくなる。なお、ここでは、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測するための減衰量の所定値として、領域t1のときのRF電波強度と領域t3のときのRF電波強度との差に相当する値を採用している。
【0094】
従って、携帯機200を所持したユーザが、車両の運転席から降車して領域t1,t2までしか移動してない状況では、減衰量が所定値に達しない。よって、このような状況においては、車載機100は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測して、ドア22〜62の施錠を行わない。
【0095】
また、図5(a)における二点鎖線Bの場合、携帯機200を所持したユーザは、車両の周辺を移動しているだけである。よって、図7に示すように、領域t6〜t10において、減衰量が所定値に達することはない。従って、車載機100は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測して、ドア22〜62の施錠を行わない。
【0096】
一方、携帯機200を所持したユーザが、車両の運転席から降車して領域t1からt3まで移動した状況では、減衰量が所定値に達する。よって、このような状況においては、車載機100は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測して、ドア22〜62の施錠を行う。つまり、車載機100は、携帯機200を所持したユーザが車両の運転席から降車して領域t1,t2,t3と移動してきた時点、すなわちタイミングp2で全ドア22〜62の施錠を行う。
【0097】
このように、応答信号の電波強度の減衰量によって、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測するようにしても、上述の実施形態における施錠制御システムと同様の効果を奏することができる。
【0098】
なお、変形例1においては、要求信号の受信が途絶えてから所定期間は未受信情報を含む応答信号を返信する携帯機200を採用したが本発明はこれに限定されるものではない。携帯機200としては、要求信号の受信が途絶えてから所定期間に未受信情報を含まない応答信号を返信するものであっても採用することができる。
【0099】
また、変形例1においては、電波強度の減衰量を用いて、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測する例を採用したが、単に電波強度を用いてもよい。つまり、電波強度が所定値に達した場合はユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測し、電波強度が所定値に達してない場合はユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測するようにしてもよい(推測手段)。
【0100】
(変形例2)
なお、上述の実施形態においては、携帯機200において、要求信号の受信状況、及び要求信号の受信が途絶えてからの経過時間によって、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測する例を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
【0101】
この変形例2のように、車載機100において、応答信号の受信状況、及び応答信号の受信が途絶えてからの経過時間によって、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測するようにしてもよい。つまり、車載機100において、応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過すると、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測し、応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまではユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測する。
【0102】
変形例2における施錠制御システムと、上述の実施形態における施錠制御システムとは、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測する手段が異なる。なお、変形例2における携帯機200は、車載機100からの要求信号を受信した場合のみ応答信号を送信するものである。よって、応答信号には、未受信情報は含まれない。また、車載機100と携帯機200の基本的な構成に関しては、上述の実施形態と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0103】
ここで、図8に示すフローチャートに基づいて、変形例2における車載機100の処理動作に関して説明する。車載機100は、イグニッションスイッチがオフ且つ全てのドア22〜62が閉じているときに、所定時間毎に図8のフローチャートに示す処理動作を実行する。換言すると、図8に示すフローチャートは、イグニッションスイッチがオフ且つ全てのドア22〜62が閉じているときに、所定時間毎にスタートする。
【0104】
なお、図8におけるステップS40,S41は、図3におけるステップS10,S11と同様であるため、説明は省略する。また、図8におけるステップS45は、図3におけるS14同様であるため、説明は省略する。また、ステップS44で採用する所定時間の値は、図3のステップS13での判定で採用した値とは異なる。ステップS44で採用する所定時間の値としては、図4のステップS24での判定で採用した値を採用する。
【0105】
車載機100は、ステップS41において、応答信号有りと判定(YES判定)した場合、ステップS47へ進む。一方、ステップS41において、応答信号無しと判定(NO判定)した場合、ステップS42へ進む。
【0106】
図8のステップS47では、車載機100は、履歴を保存する。このとき、制御部10は、応答信号を受信したことを示す履歴(車載機側履歴情報)を自身の記憶装置(ここでは、例えばEEPROM)に保存(記憶)する。このように履歴(車載機側履歴情報)を保存するのは、後ほど説明する、応答信号の受信が途絶えてからの経過時間を計時(カウント)するためである。
【0107】
また、車載機100は、ステップS47での処理の後、図8のフローチャートの処理を終了する。つまり、応答信号を受信したときは、携帯機200を所持したユーザは、LFエリア内にいることになる。つまり、ドア22〜62の近辺にいるとみなすことができる。このように、ドア22〜62の近辺にいるユーザは、直ちにドア22〜62から遠ざからないことも考えられる。よって、このような場合、携帯機200を所持したユーザは、ドア22〜62の施錠を意図していないと推測する。このようにすることで、車載機100(施錠手段)は、応答信号を受信したときは(すなわち、携帯機200を所持したユーザがドア22〜62の施錠を意図しておらずドア22〜62の近辺にいるとみなすことができる場合)、ドア22〜62の施錠を行わないようにすることができる。
【0108】
ステップS42では、車載機100は、履歴の有無を判定する。このとき、制御部10は、自身の記憶装置に車載機側履歴情報が記憶されているか否かを判定する。この車載機側履歴情報は、後ほど説明するが、応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するとクリアされるものである。なお、この所定時間は、例えば数秒〜数分程度に設定されるものである。つまり、記憶装置に車載機側履歴情報が記憶されてない場合は、携帯機200は、車両から十分離れた位置にあるとみなすことができる。よって、履歴無しと判定(NO判定)した場合は図8のフローチャートの処理を終了する。
【0109】
一方、記憶装置に車載機側履歴情報が記憶されていた場合は、携帯機200は、車両の近くにあるとみなすことができる。よって、履歴有りと判定(YES判定)した場合はステップS43へ進む。
【0110】
図8のステップS43では、車載機100は、カウントをスタートする。このとき、制御部10は、応答信号が途絶えてからの経過時間をカウント(計時)する。
【0111】
また、図8のステップS44では、車載機100は、応答信号が途絶えてからの経過時間が所定時間に達したか否か(所定時間経過したか否か)を判定する。このとき、制御部10は、ステップS43でスタートさせたカウント値によって、応答信号が途絶えてからの経過時間が所定時間に達したか否かを判定する。
【0112】
応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合、携帯機200を所持したユーザは、ドア22〜62から遠ざかったとみなすことができる。このような場合、携帯機200は、ユーザはドア22〜62の施錠を意図していると推測する(推測手段)。つまり、携帯機200は、(ドア側受信手段による)応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合にユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測する(推測手段)。そして、所定時間経過したと判定(YES判定)した場合はステップS45へ進む。
【0113】
そして、車載機100は、ステップS45において全ドア施錠を行い(施錠手段)、ステップS46へ進む。このように、車載機100は、応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していると推測して、全ドア22〜62の施錠を行う。なお、図8のステップS46では、車載機100は、カウント及び履歴をクリアする。このとき、制御部10は、ステップS43でスタートされたカウント、及び自身の記憶装置に記憶している車載機側履歴情報をクリアする。
【0114】
一方、応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまでは、携帯機200を所持したユーザは、LFエリア外ではアるが、ドア22〜62の近辺にいるとみなすことができる。このように、ドア22〜62の近辺にいるユーザは、直ちにドア22〜62から遠ざからないことも考えられる。よって、このような場合、携帯機200は、携帯機200を所持したユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測する(推測手段)。つまり、車載機100は、応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまではユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測する(推測手段)。そして、所定時間経過してないと判定(NO判定)した場合はステップS48へ進む。
【0115】
図8のステップS48では、車載機100は、ステップS41と同様に、応答信号の有無を判定する。応答信号無しと判定(NO判定)した場合は、ユーザがドア22〜62の施錠を意図していないと推測しているので、応答信号無しであっても全ドア22〜62の施錠を行うことなくステップS44へ戻る。このようにすることで、車載機100(施錠手段)は、(ドア側受信手段による)応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまでは(すなわち、携帯機200を所持したユーザがドア22〜62の施錠を意図しておらずドア22〜62の近辺にいるとみなすことができる場合)、ドア22〜62の施錠を行わないようにすることができる。
【0116】
一方、応答信号有りと判定(YES判定)した場合は、携帯機200を所持したユーザがLFエリアからLFエリア外に出て、再度LFエリアに戻ってきたとみなして、ステップS46へ進む。
【0117】
このように、車載機100において、応答信号の受信状況、及び応答信号の受信が途絶えてからの経過時間によって、ユーザがドア22〜62の施錠を意図しているか否かを推測するようにしても、上述の実施形態における施錠制御システムと同様の効果を奏することができる。
【0118】
なお、上述の実施形態、変形例1、変形例2においては、本発明の施錠制御システムを車両(移動体)に適用した例を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両以外の移動体、建屋(家や倉庫や店舗)などに適用しても、本発明の目的は達成できる。つまり、ドア側ユニットは、車両以外の移動体に搭載され、この移動体に設けられたドアの施錠を行うようにしてもよい。また、ドア側ユニットは、建屋に搭載され、この建屋に設けられたドアの施錠を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0119】
10 制御部、20 第1送信部、21 第1アンテナ、30 第2送信部、31 第2アンテナ、40 第3送信部、41 第3アンテナ、50 第4送信部、51 第4アンテナ、60 第5送信部、61 第5アンテナ、70 受信部、71 受信アンテナ、80 施解錠機構、100 車載機、200 携帯機、210 制御部、211 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの施錠を行うドア側ユニットと、ユーザが携帯可能な携帯機とを備え、前記ドアの施錠を制御する施錠制御システムであって、
前記ドア側ユニットは、
前記ドアの周辺における所定範囲に、前記携帯機に対する応答信号の要求を示す要求信号を送信するドア側送信手段と、
前記携帯機からの応答信号を受信するドア側受信手段と、を備え、
前記携帯機は、
要求信号を受信する携帯機側受信手段と、
前記携帯機側受信手段にて受信した要求信号に応答して応答信号を返信する携帯機側送信手段と、を備え、
前記ドア側ユニット又は前記携帯機は、ユーザが前記ドアの施錠を意図しているか否かを推測する推測手段を備え、
前記ドア側ユニットは、前記推測手段にて、ユーザが前記ドアの施錠を意図していないと推測された場合は前記ドアの施錠を行なわず、ユーザが前記ドアの施錠を意図していると推測された場合は前記ドアの施錠を行なう施錠手段を備えることを特徴とする施錠制御システム。
【請求項2】
前記推測手段は、前記携帯機に設けられるものであり、前記携帯機側受信手段による要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過した場合にユーザが前記ドアの施錠を意図していると推測し、前記携帯機側受信手段にて要求信号を受信したとき及び前記携帯機側受信手段による要求信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまではユーザが前記ドアの施錠を意図していないと推測し、
前記携帯機側送信手段は、前記推測手段にてユーザが前記ドアの施錠を意図していると推測された場合は応答信号を返信せず、前記推測手段にてユーザが前記ドアの施錠を意図していないと推測された場合は要求信号の受信に関係なく応答信号を返信し、
前記施錠手段は、前記ドア側受信手段が応答信号を受信してない場合はユーザが前記ドアの施錠を意図していると推測されたとみなして前記ドアの施錠を行ない、前記ドア側受信手段が応答信号を受信した場合はユーザが前記ドアの施錠を意図していないと推測されたとみなして前記ドアの施錠を行わないことを特徴とする請求項1に記載の施錠制御システム。
【請求項3】
前記ドア側ユニットは、前記ドア側受信手段で受信した応答信号の電波強度を測定する電波強度測定手段を備え、
前記携帯機側送信手段は、前記携帯機側受信手段にて受信した要求信号に応答して応答信号を返信するとともに、前記携帯機側受信手段による要求信号の受信が途絶えてから所定期間は応答信号を返信するものであり、
前記推測手段は、前記ドア側ユニットに設けられるものであり、前記電波強度測定手段にて測定された電波強度又は電波強度の減衰量が所定値に達した場合はユーザが前記ドアの施錠を意図していると推測し、電波強度又は電波強度の減衰量が所定値に達してない場合はユーザが前記ドアの施錠を意図していないと推測することを特徴とする請求項1に記載の施錠制御システム。
【請求項4】
前記携帯機側送信手段は、前記携帯機側受信手段による要求信号の受信が途絶えてから応答信号を返信する際には、要求信号を未受信であることを示す未受信情報を含む応答信号を返信するものであり、
前記推測手段は、前記電波強度測定手段にて測定された電波強度又は電波強度の減衰量が所定値に達し、且つ応答信号が未受信情報を含む場合はユーザが前記ドアの施錠を意図していると推測することを特徴とする請求項3に記載の施錠制御システム。
【請求項5】
前記推測手段は、前記ドア側ユニットに設けられるものであり、前記ドア側受信手段による応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するとユーザが前記ドアの施錠を意図していると推測し、前記ドア側受信手段による応答信号の受信が途絶えてから所定時間が経過するまではユーザが前記ドアの施錠を意図していないと推測することを特徴とする請求項1に記載の施錠制御システム。
【請求項6】
前記ドア側ユニットは、移動体に搭載されるものであり、前記移動体に設けられたドアの施錠を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の施錠制御システム。
【請求項7】
前記ドア側ユニットは、建屋に搭載されるものであり、前記建屋に設けられたドアの施錠を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の施錠制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−96163(P2013−96163A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240964(P2011−240964)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】