説明

配線基板及びその製造方法

【課題】配線基板の反りを抑制する。
【解決手段】配線基板100が、スペース200(収納部)を有するコア基板300と、基板400cと基板400cの表面F21上の樹脂層400dと樹脂層400d上の電極400aとを有しスペース200に収納されている電子部品400と、コア基板300の第1面F1に形成されている第1の導体回路(配線層300a)と、コア基板300の第2面F2に形成されている第2の導体回路(配線層300b)と、コア基板300の第1面F1上、第1の導体回路上、及び基板400cの裏面F22上に形成されている第1の層間樹脂絶縁層410と、コア基板300の第2面F2上、第2の導体回路上、及び基板400cの表面F21上に形成されている第2の層間樹脂絶縁層420と、から構成される。そして、第1の層間樹脂絶縁層410に含まれている樹脂の量は前記第2の層間樹脂絶縁層420に含まれている樹脂の量より多い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を収納する配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品を収納する配線基板が開示されている。この配線基板は、片面のみに配線が形成された電子部品を収納している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−81367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された配線基板では、コア基板(回路基板)に形成された収容部に電子部品が収容され、その電子部品の両側に、それぞれ樹脂材料で構成された層間樹脂絶縁層が形成されている。そして、コア基板(回路基板)を中心として上下対称の積層構造を形成することで、配線基板の反りを抑制している(特許文献1の段落「0020」参照)。しかしながら、こうした配線基板では、必ずしも配線基板の反りを十分に抑制できるとは限らない。
【0005】
本発明は、配線基板の反りを抑制することができる配線基板及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る配線基板は、
第1面と、該第1面とは反対側の第2面と、電子部品を収納するための収納部と、を有するコア基板と、
表面及び該表面とは反対側の裏面を有する基板と、該基板の前記表面上の樹脂層と、該樹脂層上の電極と、を有し、前記収納部に収納されている電子部品と、
前記コア基板の前記第1面に形成されている第1の導体回路と、
前記コア基板の前記第2面に形成されている第2の導体回路と、
前記コア基板の前記第1面上、前記第1の導体回路上、及び前記電子部品の前記基板の前記裏面上に形成されている第1の層間樹脂絶縁層と、
前記コア基板の前記第2面上、前記第2の導体回路上、及び前記電子部品の前記基板の前記表面上に形成されている第2の層間樹脂絶縁層と、
から構成される配線基板であって、
前記第1の層間樹脂絶縁層に含まれている樹脂の量は前記第2の層間樹脂絶縁層に含まれている樹脂の量より多い。
【0007】
なお、「電子部品を収納するコア基板」とは、電子部品の少なくとも一部がコア基板の内部に配置される構成であればよく、例えば、電子部品の全体がコア基板内部に完全に内蔵される構成のほか、コア基板に形成されている凹部に電子部品の一部のみが配置される構成なども含む。
【0008】
前記第1の層間樹脂絶縁層の膜厚が、前記第2の層間樹脂絶縁層の膜厚よりも厚い、ことが好ましい。
【0009】
前記コア基板に対する前記電子部品が占有する比率が、面積比で50パーセントから90パーセントの範囲にある、ことが好ましい。
【0010】
前記第1の層間樹脂絶縁層と前記第2の層間樹脂絶縁層は、補強材を有する、ことが好ましい。
【0011】
本発明の第2の観点に係る配線基板の製造方法は、
第1面及び該第1面と反対側の第2面とを有するコア基板に、表面と該表面とは反対側の裏面とを有する基板とその基板の表面上に形成されている樹脂層と該樹脂層上に形成されている電極とを有する電子部品を収納するための収納部を形成することと、
前記電子部品の前記基板の前記裏面が前記コア基板の前記第1面と同じ方向を向くように前記電子部品を前記収納部に収納することと、
前記コア基板の前記第1面上及び前記電子部品上に第1の層間樹脂絶縁層用の絶縁層を積層することと、
前記コア基板の前記第2面上及び前記電子部品上に第2の層間樹脂絶縁層用の絶縁層を形成することと、
前記第1の層間樹脂絶縁層用の絶縁層を硬化することと、
前記第2の層間樹脂絶縁層用の絶縁層を硬化することと、
を含む配線基板の製造方法であって、
前記第1の層間樹脂絶縁層用の絶縁層に含まれる樹脂の量は前記第2の層間樹脂絶縁層用の絶縁層に含まれる樹脂の量より多い。
【0012】
前記第1の層間樹脂絶縁層用の絶縁層は前記第2の層間樹脂絶縁層用の絶縁層よりも厚い、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、配線基板の反りを抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】本発明の第1実施形態に係る配線基板の断面図である。
【図1B】本発明の第1実施形態に係る配線基板の一部を拡大した断面図である。
【図2A】配線基板に収納された電子部品とコア基板との関係を示す図である。
【図2B】配線基板に収納される電子部品の拡大図である。
【図3A】配線基板の反りの量を示す図である。
【図3B】配線基板の反りの様子を模式的に示す図である。
【図4A】第1実施形態の工程フローを示す図である。
【図4B】第1実施形態の工程フローを示す図である。
【図4C】第1実施形態の工程フローを示す図である。
【図4D】第1実施形態の工程フローを示す図である。
【図5A】第1実施形態の工程フローを示す図である。
【図5B】第1実施形態の工程フローを示す図である。
【図6】図5Bの状態の中間基板の第1の層間樹脂絶縁層の表面を示す図である。
【図7A】図5Bの中間基板を、第1の対角線に沿って第1の層間樹脂絶縁層の表面と垂直な面で切断することで得られる断面を示す断面図である。
【図7B】図5Bの中間基板を、第2の対角線に沿って第1の層間樹脂絶縁層の表面と垂直な面で切断することで得られる断面を示す断面図である。
【図8A】第1実施形態の工程フローを示す図である。
【図8B】第1実施形態の工程フローを示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る配線基板の断面図である。
【図10A】第2実施形態に係る配線基板の断面図である。
【図10B】第2実施形態に係る配線基板の断面図である。
【図11A】電子部品の基板の表面側と裏面側とで樹脂量が異なる配線基板の構成の別例を示す図である。
【図11B】電子部品の基板の表面側と裏面側とで樹脂量が異なる配線基板の構成の別例を示す図である。
【図12A】第2実施形態の工程フローを示す図である。
【図12B】第2実施形態の工程フローを示す図である。
【図12C】第2実施形態の工程フローを示す図である。
【図12D】第2実施形態の工程フローを示す図である。
【図13A】第2実施形態の工程フローを示す図である。
【図13B】第2実施形態の工程フローを示す図である。
【図13C】第2実施形態の工程フローを示す図である。
【図13D】第2実施形態の工程フローを示す図である。
【図14】変形例に係る配線基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図中、矢印Z1、Z2は、それぞれ配線基板の主面(表裏面)の法線方向(又はコア基板の厚み方向)に相当する配線基板の積層方向を指す。一方、矢印X1、X2は、それぞれ積層方向に直交する方向(配線基板の主面に平行な方向)を指す。配線基板の主面は、X−Y平面となる。また、配線基板の側面は、X−Z平面又はY−Z平面となる。
【0016】
回路等の配線(グランドも含む)として機能する導体パターンを含む層のほか、ベタパターンのみからなる層も、配線層という。配線層には、上記導体パターンのほかに、フィルド導体のランドなどが含まれることもある。
【0017】
めっきとは、金属や樹脂などの表面に層状に導体(例えば金属)を析出させることと、析出した導体層(例えば金属層)をいう。めっきには、電解めっきや無電解めっき等の湿式めっきのほか、PVD(Physical Vapor Deposition)やCVD(Chemical Vapor Deposition)等の乾式めっきも含まれる。
【0018】
(第1実施形態)
図1Aは、本発明の第1実施形態の配線基板100を示している。配線基板100は、図1Aに示すように、コア基板300と、第1の層間樹脂絶縁層410と、第2の層間樹脂絶縁層420と、導体パターンとしての配線層310及び320と、電子部品400と、を備える。配線基板100は、電子部品400の外形に対応した形状のスペース(空隙)200を備える。電子部品400はスペース200に収納される。スペース200は電子部品400を収納するための収納部とも称される。配線層300aの厚さと配線層300bの厚さはそれぞれ12μmから70μmである。
【0019】
電子部品400は、表面F21と表面F21とは反対側の裏面F22とを有する基板400cと、基板400cの表面F21上に形成されている樹脂層400dと、樹脂層400d上の電極400aと、を有する。表面F21は、電極400a(パッド)が形成されている側(以下、パッド側という)の面であり、裏面F22は、電極400a(パッド)が形成されていない側(以下、非パッド側という)の面である。基板400cは、例えばシリコン又はゲルマニウムからなる。
【0020】
例えばIC(集積回路)上に、樹脂層400dと、樹脂層400d上の電極400aと、が形成されている部品が、本実施形態の電子部品400に含まれる。また、IC(集積回路)上に再配線層が形成されている部品も、本実施形態の電子部品400に含まれる。さらに、樹脂層400dと電極400a上に、電極400aを露出するための開口を有する保護フィルムが形成されていてもよい。電極400aの表面は、粗面であってもよい。なお、電子部品400は、ウエハの状態で、パッシベーション膜やダイパッド等の形成、さらには再配線などを行い、その後、個片化することで得られるウエハ・レベルCSPも含む。
【0021】
本実施形態の配線基板100では、電子部品400の両側に、それぞれ樹脂材料で構成された層間樹脂絶縁層(第1の層間樹脂絶縁層410及び第2の層間樹脂絶縁層420)が形成されている。さらに、電子部品400は、樹脂材料で構成された絶縁層(樹脂層400d)を有している。
【0022】
ここで、電子部品400の両側の樹脂の量を比べると、パッド側には、第2の層間樹脂絶縁層420を構成する樹脂及び電子部品400の樹脂層400dが存在する。これに対し、非パッド側には、第1の層間樹脂絶縁層410を構成する樹脂のみが存在する。
【0023】
この結果、電子部品400において、パッド側に存在する樹脂の量は、樹脂層400dの分だけ、非パッド側に存在する樹脂の量よりも多くなる。このため、樹脂の硬化収縮が発生すると、電子部品400のパッド側の樹脂と、電子部品400の非パッド側の樹脂とで、硬化収縮量が異なることになる。これにより、配線基板100に反りが生じやすくなると考えられる。しかしながら、本実施形態の配線基板100は、以下に説明するような構造を有することで、反りを抑制することを可能にしている(後述の図3A参照)。
【0024】
電子部品400の厚みは、コア基板300と略同一であっても、コア基板300より厚くても、コア基板300より薄くてもよい。第1実施形態では、コア基板300の厚さと電子部品400の厚さは略同一である。そのため、配線基板100が薄くなりやすい。また、電子部品400の厚みがコア基板300より薄い場合に比べ電子部品400の基板400cが厚くなりやすいので配線基板100(プリント配線板)の剛性が高くなりやすい。したがって、第1実施形態では、電子部品400を内蔵する配線基板100(プリント配線板)の厚みが薄くなりやすくなると共に、配線基板100の反り量が小さくなりやすい。
【0025】
コア基板300は、例えばエポキシ樹脂からなる。コア基板300は、エポキシ樹脂と、ガラス繊維やアラミド繊維等の補強材と、からなることが好ましい。補強材は、主材料(エポキシ樹脂)よりも熱膨張率の小さい材料である。
【0026】
コア基板300の厚さは(矢印Z1−Z2方向)、例えば0.06mmから0.4mmである。コア基板300の大きさは(X−Y面)、例えば7mm×7mmから18mm×18mmであり、コア基板300の形状は矩形である。また、電子部品400の大きさは(X−Y面)、例えば5mm×5mmから16mm×16mmであり、電子部品400の形状は矩形である。
【0027】
第1実施形態のコア基板300の厚さは0.1mmである。第1実施形態のコア基板300の大きさは11mm×11mmである。第1実施形態の電子部品400の大きさは、8mm×8mmである。第1実施形態の電子部品400の厚さとコア基板300の厚さは略同じである。
【0028】
図1Bに、第1実施形態に係る配線基板100の一部を拡大して示す。図1Bに示されるように、コア基板300の厚さは、コア基板300の第1面F1から第2面F2までの距離T101である。コア基板300の厚さ(T101)と第1の導体回路(配線層300a)の厚さと第2の導体回路(配線層300b)の厚さとの合計は、T100である。第1実施形態の電子部品400の厚さは、電子部品400の第1面F11(電極400aの上面)から電子部品400の第2面F12(基板400cの裏面F22)までの距離T10である。T10/T100は0.5〜1.2の範囲にある。T10/T100が0.5未満であると、配線基板100の反りにより電子部品400が破壊されやすくなる。T10/T100が1.2を超えると、コア基板300から突出する電子部品400の部分が多くなるので、電子部品400上の層間樹脂絶縁層の平坦性が低下する。その結果、その部分に配線層を形成することが難しくなる。また、樹脂充填剤430上の配線層が断線しやすいと考えられる。
【0029】
本実施形態では、電子部品400を収納するコア基板300に対して電子部品400が占有する比率が、面積比((電子部品400の面積(a×b))/(コア基板300の面積(A×B))で約90パーセントである(図2A参照)。面積比は、50パーセントから90パーセントの範囲内にあることが好ましい。面積比が大きいほど、配線基板100の反りが発生しやすい。なお、コア基板300の形状や、厚さ、材料等は、用途等に応じて変更可能である。
【0030】
コア基板300には、スルーホール301aが形成される。スルーホール301aの内壁には、スルーホール導体301bが形成される。さらに、コア基板300には、電子部品400の外形に対応した形状のスペース200が形成される。
【0031】
コア基板300の第1面F1と第2面F2には、それぞれ配線層300a、300bが形成される。第1面F1と第2面F2とは対向する面である。配線層300aはコア基板300の第1面F1上に形成されていて、複数の第1の導体回路からなる。配線層300bはコア基板300の第2面F2上に形成されていて、複数の第2の導体回路からなる。配線層300aと配線層300bとは、スルーホール導体301bにより、電気的に接続される。第1実施形態の配線層300aの厚さと配線層300bの厚さはそれぞれ12μmである。
【0032】
コア基板300の第1面F1(矢印Z1側の面)上に、第1の層間樹脂絶縁層410、配線層310が順に積層される。配線層310は、複数の第3の導体回路からなる。また、コア基板300の第2面F2(矢印Z2側の面)上に、第2の層間樹脂絶縁層420、配線層320が順に積層される。配線層320は、複数の第4の導体回路からなる。第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420は、エポキシなどの樹脂と、シリカなどの無機粒子と、からなる。その他の例として、エポキシ樹脂などの樹脂と、ガラスクロスなどの補強材と、からなる例や、エポキシ樹脂などの樹脂と、ガラスクロスなどの補強材と、シリカなどの無機粒子と、からなる例を挙げることができる。また、配線層310及び320は、例えば銅のめっき膜からなる。
【0033】
電子部品400は、電子部品の基板400cの裏面F22がコア基板300の第1面F1と同じ方向(Z1側)を向くように、スペース200に配置される。電子部品400とコア基板300との隙間は、樹脂と無機フィラーとからなる樹脂充填剤430で充填される。第1又は第2の層間樹脂絶縁層410又は420に含まれている樹脂と無機粒子とが、電子部品400とコア基板300との隙間にしみ出てその隙間を充填してもよい。
【0034】
第1の層間樹脂絶縁層410は、電子部品400の第2面F12上、コア基板300の第1面F1上、及び第1の導体回路(配線層300a)上に形成されていて、電子部品400の第2面F12を覆っている。電子部品400の第2面F12は、基板400cの裏面F22と同じ面(非パッド側の面)である。電子部品400の第1面F11は、電子部品400の第2面F12とは反対側の面であって電極が形成されている側の面(パッド側の面)である。第1の層間樹脂絶縁層410は所定の箇所に、配線層300aに至るバイアホール410aを有している。バイアホール410a内には、第1のビア導体410bが形成される。本実施形態では、第1のビア導体410bが、バイアホール410aをめっきで充填しているフィルドビアである。ただしこれに限られず、第1のビア導体410bは、バイアホール410aの壁面上及び底面上にめっき膜が形成されてなるコンフォーマルビアであってもよい。第1のビア導体410bにより、配線層300aと配線層310とが電気的に接続される。配線層310及び第1のビア導体410bは、例えば銅のめっきからなる。
【0035】
一方、第2の層間樹脂絶縁層420は、コア基板300の第2面F2上、第2の導体回路(配線層300b)上、及び電子部品400の第1面F11上に形成されていて、電子部品400の第1面F11を覆っている。第2の層間樹脂絶縁層420は所定の箇所に、配線層300b、電極400aに至るバイアホール420aを有している。バイアホール420a内には、第2のビア導体420bが形成される。本実施形態では、第2のビア導体420bが、バイアホール420aをめっきで充填しているフィルドビアである。ただしこれに限られず、第2のビア導体420bは、バイアホール420aの壁面上及び底面上にめっき膜が形成されてなるコンフォーマルビアであってもよい。第2のビア導体420bにより、配線層300bと配線層320、さらには電極400aと配線層320とが、電気的に接続される。配線層320及び第2のビア導体420bは、例えば銅のめっきからなる。
【0036】
電子部品400は、樹脂充填剤430、及び第1、第2の層間樹脂絶縁層410、420で囲まれる。これにより、電子部品400が、樹脂充填剤430、及び第1、第2の層間樹脂絶縁層410、420で保護され、かつ所定の位置に固定される。
【0037】
図2Bは、電子部品400の周りを部分的に拡大した図である。電子部品400の第1面F11上の第2の層間樹脂絶縁層420の厚さ(t2)は、電子部品400の第2面F12上の第1の層間樹脂絶縁層410の厚さ(t1)よりも小さい(t2<t1)。この結果、第1の層間樹脂絶縁層410の樹脂の量に比べて第2の層間樹脂絶縁層420の樹脂の量は少なくなるので、電子部品400の基板400cの表面F21上に存在する樹脂(樹脂層400d及び第2の層間樹脂絶縁層420を構成する樹脂)の量と、電子部品400の基板400cの裏面F22上に存在する樹脂(第1の層間樹脂絶縁層410を構成する樹脂)の量との差が小さくなり、略等しくすることも可能になる。
【0038】
これにより、樹脂の硬化収縮が発生した場合でも、電子部品400の片側と反対側とで硬化収縮量を略等しくできるため、配線基板100の反りが抑制されると推測される。また、第2の層間樹脂絶縁層420に比べて第1の層間樹脂絶縁層410の硬化収縮量が多くなるため、基板400cの表面F21に樹脂層400dを有する電子部品400をコア基板300に内蔵することで生じると推察される反りが矯正されると考えられる。なお、本実施形態では、第1の層間樹脂絶縁層410及び第2の層間樹脂絶縁層420を構成している樹脂材料の熱収縮係数が略等しい。
【0039】
図3Aは、硬化収縮に起因すると考えられる配線基板100の挙動(反り)を示している。試料#1の配線基板100に使用されている第1の層間樹脂絶縁層410は第2の層間樹脂絶縁層420よりも厚い。一方、試料#2の配線基板100に使用されている第1の層間樹脂絶縁層410の厚さと第2の層間樹脂絶縁層420の厚さとは略等しい。試料#1の配線基板の第1の層間樹脂絶縁層410の厚さは42.34μmであり、第2の層間樹脂絶縁層420の厚さは28.68μmである。試料#2の配線基板の第1の層間樹脂絶縁層410の厚さは27.44μmであり、第2の層間樹脂絶縁層420の厚さは27.06μmである。
【0040】
上記構成の試料#1及び試料#2を、まず、25℃になるまで加熱し、つぎに180℃になるまで加熱し、さらに260℃になるまで加熱する。その後、試料#1及び試料#2を180℃になるまで冷却し、さらに25℃になるまで冷却する。図3Aに、各温度における配線基板100の反りの量が示されている。図3Aから全ての温度において、試料#1の配線基板100の反りの量が、試料#2の配線基板の反りの量よりも小さいことが分かる。
【0041】
ここで図3A中の反りの量とは、配線基板100の両端を結ぶ仮想線と、配線基板100の上面(Z2側の面)との間の最大距離h(図3B参照)を示す値である。
【0042】
各温度における反りの量は次の通りである。すなわち、25℃(加熱時)において、試料#1の配線基板100の反りの量が34μmであるのに対して、試料#2の配線基板の反りの量は50μmである。また、180℃(加熱時)において、試料#1の配線基板100の反りの量が14μmであるのに対して、試料#2の配線基板の反りの量は36μmである。また、260℃において、試料#1の配線基板100の反りの量が18μmであるのに対して、試料#2の配線基板の反りの量は33μmである。さらに、180℃(冷却時)において、試料#1の配線基板100の反りの量が24μmであるのに対して、試料#2の配線基板の反りの量は35μmである。また、25℃(冷却時)において、試料#1の配線基板100の反りの量が37μmであるのに対して、試料#2の配線基板の反りの量は58μmである。
【0043】
図3Bは、配線基板100に発生する反りの様子を模式的に示す図である。図2Bに示されているように、電子部品400の基板400cの表面F21上に、樹脂層400dが形成され、さらにその上に、第2の層間樹脂絶縁層420が形成されている。従って、電子部品400の基板400cの表面F21上には、樹脂層400dを構成する樹脂及び第2の層間樹脂絶縁層420を構成する樹脂が存在する。これに対し、電子部品400の基板400cの裏面F22上には、第1の層間樹脂絶縁層410を構成する樹脂のみが存在する。
【0044】
第1の層間樹脂絶縁層410の厚さt1と第2の層間樹脂絶縁層420の厚さt2とが略等しい場合、各層間樹脂絶縁層を構成する樹脂の量は互いに等しくなる。この結果、コア基板300に内蔵されている電子部品400の基板400cの表面F21上に存在する樹脂の量は、電子部品の樹脂層400dの量だけ、電子部品400の基板400cの裏面F22上に存在する樹脂の量よりも多くなる。
【0045】
この状態で樹脂の硬化収縮が発生すると、図3Bに示すように、電子部品400の基板400cの上側(Z2側)と電子部品400の基板400cの下側(Z1側)とでは収縮量が異なる。具体的には、電子部品400の基板400cの裏面F22上にある樹脂の収縮量に比べて、電子部品400の基板400cの表面F21上にある樹脂の収縮量が多くなる。電子部品400の基板400cの上側に生じる収縮量と電子部品400の基板400cの下側に生じる収縮量との差が、配線基板100に反りを発生させる原因になると推測される。
【0046】
従って、電子部品400の基板400cの表面F21上に存在する樹脂の量と、電子部品400の基板400cの裏面F22上に存在する樹脂の量とを略等しくすると、電子部品400の基板400cの表面F21上にある樹脂の収縮量と、電子部品400の基板400cの裏面F22上にある樹脂の収縮量が略等しくなる。この結果、配線基板100に発生する反りが抑制されると推測される。上記理由により、電子部品400の基板400cの裏面F22上に形成されている第1の層間樹脂絶縁層410の厚さ(t1)が、電子部品400の基板400cの表面F21上に形成されている第2の層間樹脂絶縁層420の厚さ(t2)よりも厚くなるように、第1の層間樹脂絶縁層410と、第2の層間樹脂絶縁層420は形成される。これにより、電子部品400の基板400cより上側に存在する樹脂の量と、電子部品400の基板400cより下側に存在する樹脂の量とが調整される。
【0047】
第1実施形態では、第1の層間樹脂絶縁層410の厚さ(t1)が、第2の層間樹脂絶縁層420の厚さ(t2)よりも厚い。これにより、第1の層間樹脂絶縁層410の樹脂の量が、第2の層間樹脂絶縁層420の樹脂の量よりも多くなる。また、電子部品400は、基板400cの表面F21上に樹脂層400dを有するが、基板400cの裏面F22上には樹脂層400dを有していない。電子部品400の基板400cの裏面F22上に第1の層間樹脂絶縁層410が存在し、電子部品400の基板400cの表面F21上に、第1の層間樹脂絶縁層410より厚みの薄い第2の層間樹脂絶縁層420と樹脂層400dが存在する。この結果、電子部品400の基板400cの表面F21上に形成されている樹脂層400dを構成する樹脂の量と、電子部品400の基板400cの表面F21上に形成されている第2の層間樹脂絶縁層420を構成している樹脂の量の合計が、電子部品400の基板400cの裏面F22上に形成されている第1の層間樹脂絶縁層410を構成する樹脂の量と略等しくなる。従って、樹脂に硬化収縮が発生した場合でも、電子部品400の基板400cの表面F21上に形成されている樹脂の硬化収縮量と、電子部品400の基板400cの裏面F22上に形成されている樹脂の硬化収縮量とが略等しくなる。このため、配線基板100の反りを抑制することが可能となる。なお、第1実施形態の配線基板100は、コア基板300に対する電子部品400の占有率が高い場合に効果的である。
【0048】
以下、第1実施形態の配線基板100の製造方法について説明する。
【0049】
まず、図4Aは、コア基板300に、スルーホール301a、スルーホール導体301b、並びに配線層300a及び300bが形成されている状態を示している。コア基板300は、配線基板100のコアに相当する。
【0050】
続けて、図4Bに示すように、レーザ等により、コア基板300を貫通するスペース200が、コア基板300に形成される。
【0051】
続けて、図4Cに示すように、例えばPET(ポリ・エチレン・テレフタレート)からなるキャリア2110が、コア基板300の第1面F1側に貼り付けられる。キャリア2110は、例えばラミネートにより、コア基板300と接着される。
【0052】
続けて、図4Dに示すように、電子部品400の電極400aを上(キャリア2110とは反対側)に向けて、電子部品400は、スペース200(収納部)内に入れられ、キャリア2110上に固定される。電極400aの表面は、粗面であってもよい。なお、電極400aの粗面は、通常、電極の表面を、例えば化学薬品等で粗化することで形成される。
【0053】
続けて、図5Aに示すように、例えば真空ラミネートにより、電子部品400上及びコア基板300の第2面F2上に、第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200が積層される。さらに、加熱プレスにより、絶縁層4200は硬化し、第2の層間樹脂絶縁層420がコア基板300上と電子部品400上に形成される。同時に、絶縁層4200を構成している樹脂が電子部品400とコア基板300との隙間に染み出て、電子部品400とコア基板300との隙間を充填する。電子部品400とコア基板300との隙間を充填する樹脂は硬化し樹脂充填剤430になる。電子部品400とコア基板300との隙間は樹脂充填剤430で充填される。これにより、電子部品400が、所定の位置に固定される。第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200として、エポキシ樹脂などの樹脂とシリカなどの無機粒子とからなる絶縁層やエポキシ樹脂などの樹脂とシリカなどの無機粒子とガラスクロスなどの補強材とからなる絶縁層を例示することができる。第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200がシリカなどの無機粒子を有する場合、樹脂充填剤430は樹脂と無機粒子とからなる。
【0054】
続けて、コア基板300の第1面F1(第2の層間樹脂絶縁層420とは反対側の面)からキャリア2110が除去される。その後、図5Bに示すように、コア基板300の第1面F1に、第1の層間樹脂絶縁層410用のフィルム状の絶縁層4100が積層される。第1の層間樹脂絶縁層410用のフィルム状の絶縁層4100は第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200と同様である。第1の層間樹脂絶縁層410用のフィルム状の絶縁層4100の膜厚は、第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200の膜厚より厚い。その後、加熱プレスにより、第1の層間樹脂絶縁層410用の絶縁層4100は硬化し、第1の層間樹脂絶縁層410がコア基板300上と電子部品400上に形成される。これにより、電子部品400がコア基板300に内蔵(収容)される。
【0055】
第1の層間樹脂絶縁層410の膜厚はt1であり、第2の層間樹脂絶縁層420の膜厚はt2である。上述のように、フィルム状の絶縁層4100の膜厚とフィルム状の絶縁層4200の膜厚とが異なるので、t1は、t2より厚い。ここで、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420の膜厚が測定される箇所を、以下に説明する。
【0056】
図6に、図5Bの状態の中間基板の第1の層間樹脂絶縁層410の表面を示す。図7Aは、図5Bの中間基板を、L1−M1を通り第1の層間樹脂絶縁層410の表面と垂直な面で切断することで得られる断面を示す断面図である。M1は、L1の対角であり、M2は、L2の対角である。図7Bは、図5Bの中間基板を、P1−Q1を通り第1の層間樹脂絶縁層410の表面と垂直な面で切断することで得られる断面を示す断面図である。対角線P1−Q1は、対角線L1−M1と異なる対角線である。Q1は、P1の対角であり、Q2は、P2の対角である。
【0057】
V1は、中間基板の1つのコーナー(L1)に最も近い導体回路V11と次に近い導体回路V12との中間点である。V2は、中間基板の別のコーナー(M1)に最も近い導体回路V21と次に近い導体回路V22との中間点である。V3は、中間基板の別のコーナー(P1)に最も近い導体回路V31と次に近い導体回路V32との中間点である。V4は、中間基板の別のコーナー(Q1)に最も近い導体回路V41と次に近い導体回路V42との中間点である。V5は、中間基板の別のコーナー(L2)に最も近い導体回路V51と次に近い導体回路V52との中間点である。V6は、中間基板の別のコーナー(M2)に最も近い導体回路V61と次に近い導体回路V62との中間点である。V7は、中間基板の別のコーナー(P2)に最も近い導体回路V71と次に近い導体回路V72との中間点である。V8は、中間基板の別のコーナー(Q2)に最も近い導体回路V81と次に近い導体回路V82との中間点である。
【0058】
V1における第1の層間樹脂絶縁層410の膜厚は、コア基板300の第1面F1から第1の層間樹脂絶縁層410の上面までの距離T1である。V2における第1の層間樹脂絶縁層410の膜厚は、コア基板300の第1面F1から第1の層間樹脂絶縁層410の上面までの距離T2である。V3における第1の層間樹脂絶縁層410の膜厚は、コア基板300の第1面F1から第1の層間樹脂絶縁層410の上面までの距離T3である。V4における第1の層間樹脂絶縁層410の膜厚は、コア基板300の第1面F1から第1の層間樹脂絶縁層410の上面までの距離T4である。V5における第2の層間樹脂絶縁層420の膜厚は、コア基板300の第2面F2から第2の層間樹脂絶縁層420の上面までの距離T5である。V6における第2の層間樹脂絶縁層420の膜厚は、コア基板300の第2面F2から第2の層間樹脂絶縁層420の上面までの距離T6である。V7における第2の層間樹脂絶縁層420の膜厚は、コア基板300の第2面F2から第2の層間樹脂絶縁層420の上面までの距離T7である。V8における第2の層間樹脂絶縁層420の膜厚は、コア基板300の第2面F2から第2の層間樹脂絶縁層420の上面までの距離T8である。
【0059】
第1の層間樹脂絶縁層410の膜厚(t1)は、図7A、図7Bに示されている4箇所(V1、V2、V3、V4)の膜厚(T1、T2、T3、T4)の平均値であり、第2の層間樹脂絶縁層420の膜厚(t2)は、図7A、図7Bに示されている4箇所(V5、V6、V7、V8)の膜厚(T5、T6、T7、T8)の平均値である。
【0060】
第1実施形態では、配線基板100の反り量を小さくするため、樹脂層400dを有する電子部品400の第1面F11上の樹脂量と樹脂層400dを有する電子部品400の第2面F12上の樹脂量を調整している。第1実施形態では、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420用のフィルム状の絶縁層4100及び4200の厚さを変えることで樹脂量を調整している。第1実施形態では、第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200の一部がスペース200(収納部)にしみ出る。しかしながら、上述の測定箇所(V1からV8)は電子部品400を内蔵するための貫通孔から比較的離れている箇所に位置するので、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410、420の膜厚(t1、t2)は、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420用のフィルム状の絶縁層4100及び4200の膜厚と略同じである。そのため、上述の測定方法により測定される第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420の膜厚を調整することで、配線基板100の反り量を小さくすることができる。また、第1実施形態では電子部品400の厚さとコア基板300の厚さとが略同じなので、T1、T2、T3、T4の平均値は電子部品400の第2面F12上(電子部品400の基板400cの裏面F22側)の第1の層間樹脂絶縁層410の膜厚と略同じであり、T5、T6、T7、T8の平均値は電子部品400の第1面F11上(電子部品400の基板400cの表面F21側)の第2の層間樹脂絶縁層420の膜厚と略同じである。
【0061】
第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420用のフィルム状の絶縁層4100及び4200が、エポキシ樹脂などの樹脂とシリカなどの無機粒子とからなる場合、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420は、エポキシ樹脂などの樹脂とシリカなどの無機粒子とからなる。また、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420用のフィルム状の絶縁層4100及び4200が、エポキシ樹脂などの樹脂とシリカなどの無機粒子とガラスクロスなどの補強材とからなる場合、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420は、エポキシ樹脂などの樹脂とシリカなどの無機粒子とガラスクロスなどの補強材とからなる。
【0062】
続けて、図8Aに示すように、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420に、レーザ等により、バイアホール410a、420aが形成される。
【0063】
続けて、図8Bに示すように、例えばセミアディティブ法により、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420上に、導体回路を有する配線層310及び配線層320が形成される。また、バイアホール410a及び420aは導体で充填され、バイアホール410a及び420a内にフィルドビア(第1及び第2のビア導体410b及び420b)が形成される。第1のビア導体410bは、コア基板300上の導体回路(配線層300a)と第1の層間樹脂絶縁層410上の導体回路(配線層310)とを、接続している。第2のビア導体420bは、電子部品400の電極400aと第2の層間樹脂絶縁層420上の導体回路(配線層320)、さらにはコア基板300上の導体回路(配線層300b)と第2の層間樹脂絶縁層420上の導体回路(配線層320)とを、それぞれ接続している。なお、セミアディティブ法に代えて、サブトラクティブ法により、配線層310及び配線層320を形成してもよい。
【0064】
これにより、図1Aに示されている配線基板100が完成する。
【0065】
第1実施形態の工程では、電子部品400の基板400cの裏面F22上に形成される第1の層間樹脂絶縁層410の厚さ(t1)が、電子部品400の基板400cの表面F21上に形成される第2の層間樹脂絶縁層420の厚さ(t2)よりも厚くなるように、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420が形成される。これにより、第1の層間樹脂絶縁層410の樹脂の量が、第2の層間樹脂絶縁層420の樹脂の量よりも多くなる。この結果、電子部品400の基板400c上の樹脂層400dの量と、第2の層間樹脂絶縁層420を構成する樹脂の量との合計を、第1の層間樹脂絶縁層410を構成する樹脂の量と略等しくすることができる。従って、樹脂の硬化収縮が発生した場合でも、電子部品400の基板400cの上側と下側とで硬化収縮量を略等しくすることができるため、配線基板100の反りを抑制することが可能となる。
【0066】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態の配線基板150を示している。以下、図1Aに示されている第1実施形態の配線基板100と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0067】
第2実施形態の電子部品400の基板400cは、第1実施形態の電子部品400の基板400cより薄い。第2実施形態の電子部品400は、第1実施形態の電子部品400より薄い。第2実施形態では、電子部品400の厚みがコア基板300の厚みより薄い。第2実施形態では、電子部品400の基板400cが薄いため、配線基板150(プリント配線板)だけでなく、電子部品400も反り易い。第2実施形態では、コア基板300の第2面F2上の導体回路(第2の導体回路)の上面と電子部品400の第1面F11とが、略同一面に存在することが好ましい。
【0068】
図10Aは、電子部品400が保護フィルム400eを有している例を示している。図10Aの例では、電子部品400の保護フィルム400eの上面と第2の導体回路(配線層300b)の上面が略同一面に存在している。図10Bは、電子部品400が保護フィルム400eを有していない例を示している。図10Bの例では、電子部品400の電極400aの上面(電子部品400の第1面F11)とコア基板300の第2面F2上の導体回路(配線層300b)の上面が略同一面に存在している。スペース200内で電子部品400の第2面F12上に樹脂充填剤430が存在するので、電子部品400が反りにくいと考えられる。第1実施形態においても保護フィルム400eを有する電子部品400や保護フィルム400eを有しない電子部品400を使用することができる。保護フィルム400eにバイアホールを形成することにより、電子部品400の電極400aを部分的に露出させることができる。
【0069】
配線基板150は、図9に示すように、コア基板300と、導体パターンとしての配線層310及び320と、電子部品400と、を備える。コア基板300は電子部品400の外形に対応しているスペース200(収納部)を有している。電子部品400はスペース200に収納される。第2実施形態では、第1実施形態と同様な電子部品400を使用することができる。
【0070】
コア基板300は、例えばエポキシ樹脂からなる。コア基板300は、エポキシ樹脂などの樹脂と、ガラス繊維やアラミド繊維等の補強材と、からなることが好ましい。補強材は、主材料(エポキシ樹脂)よりも熱膨張率の小さい材料である。コア基板300の厚さは(矢印Z1−Z2方向)、例えば0.1mmであり、長さは(矢印X1−X2方向)、例えば11mmである。また、電子部品400の長さは(矢印X1−X2方向)、例えば、8mmである。電子部品400の厚さは0.08mmである。
【0071】
コア基板300には、スルーホール301aが形成される。スルーホール301aの内壁には、スルーホール導体301bが形成される。
コア基板300の表面(両面)には、それぞれ配線層300a、300bが形成される。配線層300aと配線層300bとは、スルーホール導体301bにより、互いに電気的に接続される。第2実施形態の配線層300aと配線層300bの厚さは、第1実施形態と同じ範囲にある。図9の配線基板150の配線層300a、300bの厚さは25μmである。
【0072】
コア基板300の第1面F1(Z1側の面)には、第1の層間樹脂絶縁層410、配線層310が順に積層される。また、コア基板300の第2面F2(Z2側の面)には、第2の層間樹脂絶縁層420、配線層320が順に積層される。第1の層間樹脂絶縁層410及び第2の層間樹脂絶縁層420は、例えばエポキシ樹脂などの樹脂と、ガラスクロスと、からなる。さらに、層間樹脂絶縁層は、SiOやAlなどの無機粒子を含んでもよい。層間樹脂絶縁層は、エポキシ樹脂などの樹脂と、SiOやAlなどの無機粒子と、からなってもよい。また、配線層310及び320は、例えば銅のめっき膜からなる。
【0073】
電子部品400は、スペース200に配置される。電子部品400とコア基板300との隙間は、樹脂充填剤430で充填される。樹脂充填剤430は、エポキシなどの樹脂と、無機粒子と、からなることが好ましい。樹脂充填剤430は、層間樹脂絶縁層から隙間に染み出る樹脂と無機粒子とからなってもよい。
【0074】
第1の層間樹脂絶縁層410は、電子部品400の基板400cの裏面F22上、コア基板300の第1面F1上、及びコア基板300の第1面F1上の配線層300a上に形成されている。第1の層間樹脂絶縁層410は、所定の箇所に、配線層300aに至るバイアホール410aを有する。バイアホール410aは銅めっき等のめっきで充填される。バイアホールを充填している第1のビア導体410bにより、配線層300aと配線層310とが電気的に接続される。配線層310及び第1のビア導体410bは、例えば銅のめっきからなる。
【0075】
一方、第2の層間樹脂絶縁層420は、電子部品400の第1面F11、コア基板300の第2面F2、及びコア基板300の第2面F2上の導体回路(配線層300b)を覆っている。第2の層間樹脂絶縁層420は、所定の箇所に、配線層300b又は電極400aに至るバイアホール420aを有する。バイアホール420aは銅めっき等のめっきで充填される。バイアホール420aを充填している第2のビア導体420bにより、配線層300b及び電極400aと配線層320とが電気的に接続される。配線層320及び第2のビア導体420bは、例えば銅のめっきからなる。
【0076】
電子部品400は、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420と樹脂充填剤430により、囲まれる。これにより、電子部品400が、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420で保護され、かつ所定の位置に固定される。
【0077】
第2実施形態では、電子部品400の基板400cを薄くすることで、電子部品400の第2面F12はコア基板300の第1面F1よりZ2側に位置している。電子部品400の第2面F12(基板400cの裏面F22)はコア基板300の第1面F1に対しへこんでいる。電子部品400の第1面F11はコア基板300の第2面F2上の導体回路(配線層300b)の上面と略同一平面に位置し、電子部品400の第2面F12(電子部品400の基板400cの裏面F22)はスペース200内に位置している。
【0078】
スペース200内において、電子部品400の基板400cの表面F21上に電子部品400の樹脂層400dが形成され、電子部品400の基板400cの裏面F22上に樹脂充填剤430が形成される。これにより、スペース200内で、電子部品400の基板400cの表面F21上と裏面F22上に樹脂が存在することになるので、電子部品400の反り量がゼロ、または、小さくなる。第2実施形態では、第1実施形態と同様に第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200の膜厚は、第1の層間樹脂絶縁層410用のフィルム状の絶縁層4100の膜厚より薄い。これにより、第1の層間樹脂絶縁層410用のフィルム状の絶縁層4100の樹脂の量が、第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200の樹脂の量よりも多くなる。この結果、電子部品400の基板400cの表面F21上の樹脂層400dの量と、第2の層間樹脂絶縁層420を構成する樹脂の量との合計を、電子部品400の基板400cの裏面F22上に形成されている樹脂充填剤430を構成する樹脂の量と、コア基板300の第1面F1上に形成されている第1の層間樹脂絶縁層410を構成する樹脂の量との合計と略等しくすることができる。従って、樹脂の硬化収縮が発生した場合でも、電子部品400の基板400cの上側と下側とで硬化収縮量が略等しくなるため、配線基板150の反りを抑制することが可能となる。
【0079】
なお、電子部品400の基板400cの表面F21側と裏面F22側で樹脂量を調整することが可能な配線基板の構成は、第1及び第2実施形態に示したものに限定されない。例えば図11A、図11Bに示される配線基板160、170のように、電子部品400の厚さ(T10)がT100より厚くてもよい。図11Aは、電子部品400の第1面F11とコア基板300の第2面F2上の導体回路(配線層300b)の上面が略同一平面に位置している例を示している。図11Bは、電子部品400の第2面F12とコア基板300の第1面F1上の導体回路(配線層300a)の上面が略同一平面に位置している例を示している。
【0080】
図11Aの配線基板160では、電子部品400の第2面F12が、第1の導体回路(配線層300a)の上面(コア基板300の第1面F1に接している面とは反対側の面)よりコア基板300の外側(Z1側)に位置している。これにより、電子部品400の基板400cの裏面F22から第1の層間樹脂絶縁層410の上面までの距離が短くなる。電子部品400がIC(集積回路)である場合、図11Aの配線基板160は、第1実施形態の配線基板100、第2実施形態の配線基板150、及び図11Bの配線基板170に比べ、放熱の点で優れている。
【0081】
図11Bの配線基板170では、電子部品400の第1面F11が、第2の導体回路(配線層300b)の上面(コア基板300の第2面F2に接している面とは反対側の面)より基板の外側(Z2側)に位置している。これにより、第2の層間樹脂絶縁層420の上面から電子部品400の電極400aまでの距離が、第1実施形態の配線基板100、第2実施形態の配線基板150、及び図11Aの配線基板160より短くなる。このため、図11Bの配線基板170では、電子部品400の電極400a上のバイアホール420aの径を大きくすることができるので、第1実施形態の配線基板100、第2実施形態の配線基板150、及び図11Aの配線基板160に比べ、電子部品400の電極400aとその電極400aに接続している第2のビア導体420bとの間の接続信頼性が高くなる。
【0082】
図11A、図11Bに示されている配線基板160、170の製造に使用される第1の層間樹脂絶縁層410用のフィルム状の絶縁層4100(図13A参照)の厚さは、第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200(図13B参照)の厚さより厚い。これにより、配線基板の反り量を低減することができる。図11A、図11Bに示されている配線基板160、170の第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420の厚さの測定位置や測定方法は、第1実施形態と同様である。配線層300a、300bの厚さや、コア基板300、電子部品400、層間樹脂絶縁層は、第1実施形態と同様なサイズや同様な材料である。
【0083】
以下、図12A〜図13Dを参照して第2実施形態の配線基板150の製造方法について説明する。
【0084】
図12Aに示すように、第1面F1と第1面F1とは反対側の第2面F2を有するコア基板300にスルーホール301aが形成される。コア基板300の第1面F1上の第1の導体回路(配線層300a)とコア基板300の第2面F2上の第2の導体回路(配線層300b)とを接続するスルーホール導体301bがスルーホール301aの内壁に形成される。
【0085】
続けて、図12Bに示すように、レーザ等によりコア基板300に、スペース200が形成される。
【0086】
続けて、図12Cに示すように、例えばPET(ポリ・エチレン・テレフタレート)からなるキャリア2110がコア基板300の第2面F2に貼り付けられる。キャリア2110は、例えばラミネートにより、コア基板300と接着される。
【0087】
続けて、図12Dに示すように、電子部品400の電極400aとキャリア2110が対向するように、電子部品400はスペース200内でキャリア2110上に固定される。電極400aの表面は、粗面でも良い。第1実施形態では、基板400c側(非パッド側)がキャリア2110に固定されている(図4D参照)が、第2実施形態では、電極400a側(パッド側)がキャリア2110に固定される。
【0088】
続けて、図13Aに示すように、例えば真空ラミネートにより、電子部品400の第2面F12上及びコア基板300の第1面F1上に、第1の層間樹脂絶縁層410用のフィルム状の絶縁層4100が積層される。加熱プレスにより、絶縁層4100が軟化し、絶縁層4100を構成している樹脂がスペース200(収納部)内の空間にしみ出る。その後、絶縁層4100を構成している樹脂は硬化し、スペース200内の電子部品400以外の空間は樹脂充填剤430で充填される。また、コア基板300の第1面F1、配線層300aと電子部品400の基板400cの裏面F22上に第1の層間樹脂絶縁層410が形成される。これにより、電子部品400が、所定の位置に固定される。第1の層間樹脂絶縁層410用のフィルム状の絶縁層4100として、第1実施形態と同様な材料が用いられる。
【0089】
続けて、コア基板300の第2面F2(第1の層間樹脂絶縁層410とは反対側の面)からキャリア2110を引きはがす。その後、図13Bに示すように、コア基板300の第2面F2上と電子部品400の第1面F11上に、第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200が積層される。第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200の厚さは、第1の層間樹脂絶縁層410用のフィルム状の絶縁層4100の厚さよりも薄い。その後、加熱プレスにより、絶縁層4200が硬化し、コア基板300の第2面F2と電子部品400の第1面F11上に、第2の層間樹脂絶縁層420が形成される。これにより、電子部品400の第1面F11が、第2の層間樹脂絶縁層420で覆われる。そして、電子部品400がコア基板300に内蔵される。
【0090】
続けて、図13Cに示すように、第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420に、レーザ等により、電子部品400の電極400a、又はコア基板300上の第1の導体回路(配線層300a)、第2の導体回路(配線層300b)に至るバイアホール410a及び420aが形成される。
【0091】
続けて、図13Dに示すように、例えばセミアディティブ法により、配線層310及び320、並びに第1及び第2のビア導体410b及び420bを形成する。詳しくは、第1と第2の層間樹脂絶縁層410及び420上に無電解めっき膜やスパッタ膜からなるシード層が形成される。続いて、シード層上にシード層を部分的に露出しているめっきレジストが形成される。その後、めっきレジストにより露出しているシード層上に電解めっき膜が形成される。そして、めっきレジストが除去され、電解めっき膜から露出するシード層が除去される。なお、セミアディティブ法に代えて、サブトラクティブ法により、配線層310及び320を形成してもよい。
【0092】
上記セミアディティブ法により、第1と第2の層間樹脂絶縁層410及び420上に、導体パターン、すなわち配線層310及び320が形成される。同時に、バイアホール410a及び420a内に導体が充填され、バイアホール410a及び420aに、第1及び第2のビア導体410b及び420bが形成される。第1のビア導体410bにより、第1の層間樹脂絶縁層410上の導体回路(配線層310)とコア基板300上の導体回路(配線層300a)とが、接続される。また、第2のビア導体420bにより、第2の層間樹脂絶縁層420上の導体回路(配線層320)とコア基板300上の導体回路(配線層300b)、さらには電子部品400の電極400aと第2の層間樹脂絶縁層420上の導体回路(配線層320)とが、それぞれ接続される。その結果、図9に示されている配線基板150が完成する。
【0093】
第2実施形態では、基板400cが薄いため、電子部品400の基板400cの裏面F22がコア基板300のスペース200(収納部)内に位置している。電子部品400の基板400cの裏面F22はコア基板300の第1面F1よりコア基板300の内側に位置している。第2実施形態では、第1の層間樹脂絶縁層410用のフィルム状の絶縁層4100の樹脂の量が、第2の層間樹脂絶縁層420用のフィルム状の絶縁層4200の樹脂の量よりも多い。さらに、スペース200内で電子部品400の基板400cの裏面F22上に樹脂充填剤430が形成されている。第2実施形態では、電子部品400の第1面F11は第2の層間樹脂絶縁層420で覆われているのに対し、電子部品400の第2面F12は樹脂充填剤430で覆われている。この結果、電子部品400の基板400c上の樹脂層400dを構成する樹脂の量と、電子部品400の基板400cの表面F21上及びコア基板300の第2面F2上の第2の層間樹脂絶縁層420を構成する樹脂の量との合計を、電子部品400の基板400cの裏面F22上の樹脂充填剤430を構成する樹脂の量と、電子部品400の基板400cの裏面F22上及びコア基板300の第1面F1上の第1の層間樹脂絶縁層410を構成する樹脂の量との合計と略等しくすることができる。従って、樹脂の硬化収縮が発生した場合でも、電子部品400の基板400cの表面F21側と裏面F22側とで硬化収縮量が略等しくなるため、配線基板150の反りを抑制することが可能となる。本発明の実施形態に示されている第1の層間樹脂絶縁層410は、コア基板300の第1面F1及び第1の導体回路(配線層300a)の上面を覆っている。また、本発明の実施形態に示されている第2の層間樹脂絶縁層420は、コア基板300の第2面F2及び第2の導体回路(配線層300b)の上面を覆っている。
【0094】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば以下のように変形して実施することもできる。
【0095】
上記実施形態において、各層の材質、サイズ、層数等は、任意に変更可能である。図1Aに示されている構造の配線基板100及び図9にされている構造の配線基板150に対して、さらに積層を続けて、より多層の基板としてもよい。第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420上に積層される各層間樹脂絶縁層に含まれる樹脂の量は略等しい。第1及び第2の層間樹脂絶縁層410及び420上に積層される各層間樹脂絶縁層の膜厚は略等しい。
【0096】
コア基板の第1面F1上に複数の層間樹脂絶縁層と配線層とが交互に積層され、コア基板の第2面F2上に複数の層間樹脂絶縁層と配線層とが交互に積層されている場合、コア基板の第1面F1上に形成されている各層間樹脂絶縁層の厚みの和は、コア基板の第2面F2に形成されている各層間樹脂絶縁層の厚みの和より大きくてもよい。例えば図14に示す配線基板180のように、コア基板300の第1面F1上に2層の層間樹脂絶縁層(第1の層間樹脂絶縁層410及びその上の層間樹脂絶縁層510)と配線層310、330とが交互に積層され、コア基板300の第2面F2上に2層の層間樹脂絶縁層(第2の層間樹脂絶縁層420及びその上の層間樹脂絶縁層520)と配線層320、340とが交互に積層されている場合、コア基板300の第1面F1に接する第1の層間樹脂絶縁層410の厚みT11と、コア基板300の第2面F2に接する第2の層間樹脂絶縁層420の厚みT12とが略同じで、第1の層間樹脂絶縁層410上の層間樹脂絶縁層510の厚みT21が、第2の層間樹脂絶縁層420上の層間樹脂絶縁層520の厚みT22より大きくてもよい。
【0097】
各配線層の材料は、上記のものに限定されず、用途等に応じて変更可能である。例えば配線層の材料として、銅以外の金属を用いてもよい。また、各絶縁層の材料も任意である。絶縁層を構成する樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む樹脂、又は光硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂のほか、例えばイミド樹脂(ポリイミド)、BT樹脂、アリル化フェニレンエーテル樹脂(A−PPE樹脂)、アラミド樹脂などを用いることができる。また、熱可塑性樹脂としては、例えば液晶ポリマー(LCP)、PEEK樹脂、PTFE樹脂(フッ素樹脂)などを用いることができる。これらの材料は、例えば絶縁性、誘電特性、耐熱性、又は機械的特性等の観点から、必要性に応じて選ぶことが望ましい。また、上記樹脂には、添加剤として、硬化剤、安定剤、フィラーなどを含有させることができる。また、各配線層及び各絶縁層は、異種材料からなる複数の層から構成されていてもよい。
【0098】
上記実施形態の工程は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に順序を変更することができる。また、用途等に応じて、必要ない工程を割愛してもよい。
【0099】
以上、本発明の実施形態について説明したが、設計上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、「請求項」に記載された発明や「発明を実施するための形態」に記載された具体例に対応する発明の範囲に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明に係る配線基板は、携帯電話などの回路基板に適している。本発明に係る配線基板の製造方法は、そうした配線基板の製造に適している。
【符号の説明】
【0101】
100、150、160、170、180 配線基板
200 スペース
300 コア基板
300a 配線層
300b 配線層
301a スルーホール
301b スルーホール導体
310、320、330、340 配線層
400 電子部品
400a 電極
400c 基板
400d 樹脂層
400e 保護フィルム
410 第1の層間樹脂絶縁層
410a バイアホール
410b 第1のビア導体
420 第2の層間樹脂絶縁層
420a バイアホール
420b 第2のビア導体
430 樹脂充填剤
510、520 層間樹脂絶縁層
2110 キャリア
4100、4200 絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、該第1面とは反対側の第2面と、電子部品を収納するための収納部と、を有するコア基板と、
表面及び該表面とは反対側の裏面を有する基板と、該基板の前記表面上の樹脂層と、該樹脂層上の電極と、を有し、前記収納部に収納されている電子部品と、
前記コア基板の前記第1面に形成されている第1の導体回路と、
前記コア基板の前記第2面に形成されている第2の導体回路と、
前記コア基板の前記第1面上、前記第1の導体回路上、及び前記電子部品の前記基板の前記裏面上に形成されている第1の層間樹脂絶縁層と、
前記コア基板の前記第2面上、前記第2の導体回路上、及び前記電子部品の前記基板の前記表面上に形成されている第2の層間樹脂絶縁層と、
から構成される配線基板であって、
前記第1の層間樹脂絶縁層に含まれている樹脂の量は前記第2の層間樹脂絶縁層に含まれている樹脂の量より多い、
ことを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記第1の層間樹脂絶縁層の膜厚が、前記第2の層間樹脂絶縁層の膜厚よりも厚い、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記コア基板に対する前記電子部品が占有する比率が、面積比で50パーセントから90パーセントの範囲にある、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記第1の層間樹脂絶縁層と前記第2の層間樹脂絶縁層は、補強材を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項5】
第1面及び該第1面と反対側の第2面とを有するコア基板に、表面と該表面とは反対側の裏面とを有する基板とその基板の表面上に形成されている樹脂層と該樹脂層上に形成されている電極とを有する電子部品を収納するための収納部を形成することと、
前記電子部品の前記基板の前記裏面が前記コア基板の前記第1面と同じ方向を向くように前記電子部品を前記収納部に収納することと、
前記コア基板の前記第1面上及び前記電子部品上に第1の層間樹脂絶縁層用の絶縁層を積層することと、
前記コア基板の前記第2面上及び前記電子部品上に第2の層間樹脂絶縁層用の絶縁層を形成することと、
前記第1の層間樹脂絶縁層用の絶縁層を硬化することと、
前記第2の層間樹脂絶縁層用の絶縁層を硬化することと、
を含む配線基板の製造方法であって、
前記第1の層間樹脂絶縁層用の絶縁層に含まれる樹脂の量は前記第2の層間樹脂絶縁層用の絶縁層に含まれる樹脂の量より多い、
ことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記第1の層間樹脂絶縁層用の絶縁層は前記第2の層間樹脂絶縁層用の絶縁層よりも厚い、
ことを特徴とする請求項5に記載の配線基板の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−84891(P2012−84891A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224164(P2011−224164)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】