説明

電力変換装置

【課題】パワーモジュールの冷却性能の向上を図る。
【解決手段】電力変換装置は、冷却流路10を形成する筐体1と、冷却流路10内に配置されて冷媒との間で熱交換を行う放熱フィン群33を有しているパワーモジュール3を備え、パワーモジュール3は、半導体素子を収容する筒部31と、筒部31の開口に形成されるフランジ部32とを有し、筒部31は対向配置される1対の側板31aを有し、1対の側板31aのそれぞれには、フランジ部32に対して所定長さの隙間16を介して放熱フィン群33が冷却流路10に突出するように立設されており、筒部31の1対の側板31aのそれぞれに立設される放熱フィン群33とフランジ部32との間の隙間16に配置されて、冷媒を放熱フィン群33へと導く少なくとも1対の邪魔板13が、筐体1からパワーモジュール3の筒部31の側板31a側に向かって突出するように設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車あるいはハイブリッド自動車においては、搭載される部品の小型化や低コスト化が重要視されている。バッテリの直流電流をモータの交流電流に変換する電力変換装置も例外ではなく、小型化や低コスト化が求められおり、その結果、発熱密度が大きくなるため冷却性能を向上させる必要がある。
【0003】
電力変換装置を構成する電子部品の中で最も発熱量が大きいものはパワーモジュールである。そのパワーモジュールの冷却性能を向上させるためには、半導体素子の両面から放熱する両面冷却構造が有効である。パワーモジュールの両面冷却実装構造として、たとえば、パワーモジュールを冷却流路に挿入する構造が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-110143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、パワーモジュールを冷却流路に挿入する構造では、冷却流路を形成する冷却ジャケットの上面に取り付けられるフランジ部と複数のピンフィンを有する放熱フィン群との間に隙間ができてしまう。この隙間は、隣接するピンフィン間の隙間に比べて広いため、通過抵抗も放熱フィン群に比べて小さい。したがって、冷媒が放熱フィン群を迂回してフランジ部と放熱フィン群との間の隙間に流れてしまい、パワーモジュールの冷却性能を十分に発揮できないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、半導体素子のスイッチング動作によって電力を直流から交流に、交流から直流に変換する電力変換装置であって、冷媒が流れる冷却流路が形成され、冷却流路と連通する開口部が形成された流路形成体と、冷却流路内に配置されて冷却流路内を流れる冷媒との間で熱交換を行う放熱フィン群を有しているパワーモジュールとを備え、パワーモジュールは、複数の半導体素子を収容し、流路形成体の開口部から冷媒の流れ方向と交差するように挿入される筒部と、筒部の開口に形成されて流路形成体の開口部を塞ぐように流路形成体に固定されるフランジ部とを有し、筒部は対向配置される1対の側板を有し、1対の側板のそれぞれには、フランジ部に対して所定長さの隙間を介して放熱フィン群が冷却流路に突出するように立設されており、筒部の1対の側板のそれぞれに立設される放熱フィン群とフランジ部との間の隙間に配置されて、冷媒を放熱フィン群へと導く少なくとも1対の流路制御部材が、流路形成体からパワーモジュールの筒部の側板側に向かって突出するように設けられていることを特徴とする電力変換装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電力変換装置において、少なくとも1対の流路制御部材が放熱フィン群の上流側に設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の電力変換装置において、放熱フィン群は、半導体素子の位置に対応して設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の電力変換装置において、複数の半導体素子の位置に対応するように、放熱フィン群が冷媒の流れ方向に沿って複数の分割フィン群に分かれて配置され、少なくとも1対の流路制御部材は、1対の第1流路制御部材と1対の第2流路制御部材とを含んで構成され、第1流路制御部材は放熱フィン群の上流側に設けられ、第2流路制御部材は複数の分割フィン群同士の間に設けられ、筒部を流路形成体の開口部から挿入したときに第2流路制御部材が分割フィン群同士の間を挿通可能とされていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項3に記載の電力変換装置において、半導体素子は、冷媒の流れ方向に沿って複数配置され、少なくとも1対の流路制御部材は、1対の第1流路制御部材と1対の第2流路制御部材とを含んで構成され、第1流路制御部材は放熱フィン群の上流側に設けられ、第2流路制御部材は複数の半導体素子同士の間に設けられ、複数のピンフィン同士の間隙を挿通可能な大きさに形成されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の電力変換装置において、少なくとも1対の流路制御部材は、1対の第1流路制御部材と1対の第3流路制御部材とを含んで構成され、第1流路制御部材は放熱フィン群の上流側に設けられ、第3流路制御部材は放熱フィン群の下流側に設けられていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の電力変換装置において、放熱フィン群が冷媒の流れ方向に沿って第1分割フィン群と第2分割フィン群とに分かれて配置され、少なくとも1対の流路制御部材は、1対の第1流路制御部材と1対の第2流路制御部材と1対の第3流路制御部材とを含んで構成され、第1流路制御部材は第1分割フィン群の上流側に設けられ、第2流路制御部材は第1分割フィン群と第2分割フィン群との間に設けられ、第3流路制御部材は第2分割フィン群の下流側に設けられ、筒部を流路形成体の開口部から挿入したときに第2流路制御部材が第1分割フィン群と第2分割フィン群との間を挿通可能とされていることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電力変換装置において、少なくとも1対の流路制御部材は、上流側に冷媒を放熱フィン群に案内するテーパ面が設けられていることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電力変換装置において、筒部の下端面と放熱フィン群との間の筒部下部が挿入される凹部を有していることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、半導体素子のスイッチング動作によって電力を直流から交流に、交流から直流に変換するインバータ回路を有する電力変換装置において、冷媒が流れる冷却流路が形成された流路形成体と、冷媒との間で熱交換を行う放熱フィン群が突設された筒部に半導体素子を内蔵し、冷却流路に筒部を挿入した状態でフランジ部で流路形成体に固定されるパワーモジュールと、冷媒の流れ方向に直交する流路断面において放熱フィン群とフランジ部との間に形成される隙間流路への冷媒の流入を阻止する突部が流路形成体に設けられていることを特徴とする電力変換装置である。
請求項11に係る発明は、請求項10の電力変換装置において、突部は少なくとも冷却流路の入口側に設けられていることを特徴とする電力変換装置である。
請求項12に係る発明は、請求項11の電力変換装置において、突部は冷却流路の出口側にも設けられていることを特徴とする電力変換装置である。
請求項13に係る発明は、請求項11または12の電力変換装置において、パワーモジュールには、複数の半導体素子を有する半導体素子グループがN組(ただしN≧2)収容され、放熱フィン群は、冷媒の流れ方向に所定間隔をあけて配置された第1の分割フィン群〜第Nの分割フィン群に分割され、N個の分割フィン群のそれぞれはN組の半導体素子グループのそれぞれと対向配置され、N個の分割フィン群の間に対応する隙間流路にも突部が設けられていることを特徴とする電力変換装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、パワーモジュールの冷却性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ハイブリッド自動車の制御ブロックを示す図。
【図2】インバータ回路の電気回路の構成を説明する図。
【図3】電力変換装置の外観斜視図。
【図4】電力変換装置の分解斜視図。
【図5】筐体を上から見た斜視図。
【図6】筐体を下から見た斜視図。
【図7】図3のA−A’線に沿って一部切断して内部を示す斜視図。
【図8】パワーモジュールの外観を示す斜視図。
【図9】パワーモジュールがパワーモジュール収容部に収容された状態を示す図3のB−B’断面図。
【図10】図9の中間部用邪魔板の位置であるC−C’で切断した断面図。
【図11】鍛造成形によるフィン付き金属ケースの製造方法を示す図。
【図12】鍛造と摩擦攪拌接合の組合せによるフィン付き金属ケースの製造方法を示す図。
【図13】パワーモジュールの取付時の様子を示す説明図である。
【図14】第1の実施の形態に係る邪魔板の作用を説明する図。
【図15】第2の実施の形態に係る平板状の放熱フィンを有するパワーモジュールが冷媒により冷却される様子を示す図。
【図16】第3の実施の形態に係る平板状の放熱フィンを有するパワーモジュールがテーパ面を有する邪魔板により案内される冷媒により冷却される様子を示す図。
【図17】第4の実施の形態に係るピンフィンが碁盤目状に配列されたパワーモジュールを示す図。
【図18】邪魔板と各チップレイアウトの位置関係を示す一覧表。
【図19】変形例に係るパワーモジュールのピンフィンと邪魔板の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
−第1の実施の形態−
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、ハイブリッド自動車の制御ブロックを示す図である。エンジンEGNおよびモータジェネレータMG1、モータジェネレータMG2は車両の走行用トルクを発生する。また、モータジェネレータMG1およびモータジェネレータMG2は回転トルクを発生するだけでなく、モータジェネレータMG1あるいはモータジェネレータMG2に外部から加えられる機械エネルギーを電力に変換する機能を有する。
【0010】
モータジェネレータMG1,MG2は、たとえば同期機あるいは誘導機であり、上述のごとく、運転方法によりモータとしても発電機としても動作する。モータジェネレータMG1,MG2を自動車に搭載する場合には、小型で高出力を得ることが望ましく、ネオジウムなどの磁石を使用した永久磁石型の同期電動機が適している。また、永久磁石型の同期電動機は誘導電動機に比べて回転子の発熱が少なく、この観点でも自動車用として優れている。
【0011】
エンジンEGNの出力側およびモータジェネレータMG2の出力トルクは動力分配機構TSMを介してモータジェネレータMG1に伝達され、動力分配機構TSMからの回転トルクあるいはモータジェネレータMG1が発生する回転トルクは、トランスミッションTMおよびデファレンシャルギアDIFを介して車輪に伝達される。一方、回生制動の運転時には、車輪から回転トルクがモータジェネレータMG1に伝達され、供給されてきた回転トルクに基づいて交流電力を発生する。
【0012】
発生した交流電力は後述するように電力変換装置200により直流電力に変換され、高電圧用のバッテリ136を充電し、充電された電力は再び走行エネルギーとして使用される。また高電圧用のバッテリ136の蓄電している電力が少なくなった場合に、エンジンEGNが発生する回転エネルギーをモータジェネレータMG2により交流電力に変換し、次に交流電力を電力変換装置200により直流電力に変換し、バッテリ136を充電することができる。エンジンEGNからモータジェネレータMG2への機械エネルギーの伝達は動力分配機構TSMによって行われる。
【0013】
次に半導体素子のスイッチング動作によって電力を直流から交流に、交流から直流に変換するインバータ回路140,142を有する電力変換装置200について説明する。インバータ回路140,142は、バッテリ136と直流コネクタ138を介して電気的に接続されており、バッテリ136とインバータ回路140,142との相互において電力の授受が行われる。モータジェネレータMG1をモータとして動作させる場合には、インバータ回路140は直流コネクタ138を介してバッテリ136から供給された直流電力に基づき交流電力を発生し、交流端子188を介してモータジェネレータMG1に供給する。モータジェネレータMG1とインバータ回路140からなる構成は第1電動発電ユニットとして動作する。
【0014】
同様にモータジェネレータMG2をモータとして動作させる場合には、インバータ回路142は直流コネクタ138を介してバッテリ136から供給された直流電力に基づき交流電力を発生し、交流端子159を介してモータジェネレータMG2に供給する。モータジェネレータMG2とインバータ回路142からなる構成は第2電動発電ユニットとして動作する。
【0015】
第1電動発電ユニットと第2電動発電ユニットは、運転状態に応じて両方をモータとしてあるいは発電機として運転する場合、あるいはこれらを使い分けて運転する場合がある。また片方を運転しないで、停止することも可能である。なお、本実施形態では、バッテリ136の電力によって第1電動発電ユニットを電動ユニットとして作動させることにより、モータジェネレータMG1の動力のみによって車両の駆動ができる。さらに、本実施形態では、第1電動発電ユニットまたは第2電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジンEGNの動力あるいは車輪からの動力によって作動させて発電させることにより、バッテリ136の充電ができる。
【0016】
また、図1では省略したが、バッテリ136はさらに補機用のモータを駆動するための電源としても使用される。補機用のモータとしてはたとえば、エアコンディショナーのコンプレッサを駆動するモータ、あるいは制御用の油圧ポンプを駆動するモータである。バッテリ136から直流電力が補機用パワーモジュールに供給され、補機用パワーモジュールは交流電力を発生して補機用のモータに供給する。補機用パワーモジュールはインバータ回路140と基本的には同様の回路構成および機能を持ち、補機用のモータに供給する交流の位相や周波数、電力を制御する。なお、電力変換装置200は、インバータ回路140,142に供給される直流電力を平滑化するためのコンデンサモジュール500を備えている。
【0017】
電力変換装置200は、上位の制御装置から指令を受けたりあるいは上位の制御装置に状態を表すデータを送信したりするための通信用のコネクタ21を備えている。電力変換装置200は、コネクタ21からの指令に基づいて制御回路172でモータジェネレータMG1やモータジェネレータMG2、補機用のモータ(不図示)の制御量を演算し、さらにモータとして運転するか発電機として運転するかを演算し、演算結果に基づいて制御パルスを発生し、その制御パルスをドライバ回路174や補機用モジュール(不図示)のドライバ回路(不図示)へ供給する。ドライバ回路174は、供給された制御パルスに基づいて、インバータ回路140やインバータ回路142を制御するための駆動パルスを発生する。
【0018】
次に、図2を用いてインバータ回路140やインバータ回路142の電気回路の構成を説明する。なお、インバータ回路140やインバータ回路142は回路構成も動作も極めて類似しているので、以下ではインバータ回路140で代表して説明する。また、以下で半導体素子として絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを使用しており、以下略してIGBTと記す。
【0019】
上アームのIGBT328およびダイオード156と、下アームのIGBT330およびダイオード166とで、上下アーム直列回路150が構成される。インバータ回路140は、この上下アーム直列回路150を、出力しようとする交流電力のU相、V相、W相の3相に対応して備えている。
【0020】
これらの3相は、この実施の形態ではモータジェネレータMG1の電機子巻線の3相の各相巻線に対応している。3相のそれぞれの上下アーム直列回路150は、直列回路の中点部分である中間電極169から交流電流を出力する。この中間電極169は、交流端子159および交流端子188を通して、モータジェネレータMG1への交流電力線である交流バスバー802と接続される。
【0021】
上アームのIGBT328のコレクタ電極153は、正極端子157を介してコンデンサモジュール500の正極側のコンデンサ端子506に電気的に接続されている。また、下アームのIGBT330のエミッタ電極は、負極端子158を介してコンデンサモジュール500の負極側のコンデンサ端子504に電気的に接続されている。
【0022】
上述のように、制御回路172は上位の制御装置からコネクタ21を介して制御指令を受け、これに基づいてインバータ回路140を構成する各相の上下アーム直列回路150の上アームあるいは下アームを構成するIGBT328やIGBT330を制御するための制御信号である制御パルスを発生し、ドライバ回路174に供給する。
【0023】
ドライバ回路174は、上記制御パルスに基づき、各相の上下アーム直列回路150の上アームあるいは下アームを構成するIGBT328やIGBT330を制御するための駆動パルスを各相のIGBT328やIGBT330に供給する。IGBT328やIGBT330は、ドライバ回路174からの駆動パルスに基づき、導通あるいは遮断動作を行い、バッテリ136から供給された直流電力を三相交流電力に変換し、この変換された電力はモータジェネレータMG1に供給される。
【0024】
上アームのIGBT328は、コレクタ電極153と、信号用のエミッタ電極155と、ゲート電極154を備えている。また、下アームのIGBT330は、コレクタ電極163と、信号用のエミッタ電極165と、ゲート電極164を備えている。上アームのダイオード156が、コレクタ電極153とエミッタ電極155との間に電気的に接続されている。また、ダイオード166が、コレクタ電極163とエミッタ電極165との間に電気的に接続されている。
【0025】
スイッチング用パワー半導体素子としては金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ(以下略してMOSFETと記す)を用いてもよい、この場合はダイオード156やダイオード166は不要となる。スイッチング用パワー半導体素子としては、IGBTは直流電圧が比較的高い場合に適していて、MOSFETは直流電圧が比較的低い場合に適している。
【0026】
コンデンサモジュール500は、複数の正極側のコンデンサ端子506と複数の負極側のコンデンサ端子504と正極側の電源端子509と負極側の電源端子508とを備えている。バッテリ136からの高電圧の直流電力は、直流コネクタ138を介して、正極側の電源端子509や負極側の電源端子508に供給され、コンデンサモジュール500の正極側のコンデンサ端子506および負極側のコンデンサ端子504から、インバータ回路140へ供給される。
【0027】
一方、交流電力からインバータ回路140やインバータ回路142によって変換された直流電力は、正極側のコンデンサ端子506や負極側のコンデンサ端子504からコンデンサモジュール500に供給され、正極側の電源端子509や負極側の電源端子508から直流コネクタ138を介してバッテリ136に供給され、バッテリ136に蓄積される。
【0028】
制御回路172は、IGBT328およびIGBT330のスイッチングタイミングを演算処理するためのマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と記述する)を備えている。マイコンへの入力情報としては、モータジェネレータMG1に対して要求される目標トルク値、上下アーム直列回路150からモータジェネレータMG1に供給される電流値、およびモータジェネレータMG1の回転子の磁極位置がある。
【0029】
目標トルク値は、不図示の上位の制御装置から出力された指令信号に基づくものである。電流値は、電流センサ180による検出信号に基づいて検出されたものである。磁極位置は、モータジェネレータMG1に設けられたレゾルバなどの回転磁極センサ(不図示)から出力された検出信号に基づいて検出されたものである。本実施形態では、電流センサ180は3相の電流値を検出する場合を例に挙げているが、2相分の電流値を検出するようにし、演算により3相分の電流を求めてもよい。
【0030】
制御回路172内のマイコンは、目標トルク値に基づいてモータジェネレータMG1のd軸,q軸の電流指令値を演算し、この演算されたd軸,q軸の電流指令値と、検出されたd軸,q軸の電流値との差分に基づいてd軸,q軸の電圧指令値を演算し、この演算されたd軸,q軸の電圧指令値を、検出された磁極位置に基づいてU相、V相、W相の電圧指令値に変換する。そして、マイコンは、U相、V相、W相の電圧指令値に基づく基本波(正弦波)と搬送波(三角波)との比較に基づいてパルス状の変調波を生成し、この生成された変調波をPWM(パルス幅変調)信号としてドライバ回路174に出力する。
【0031】
ドライバ回路174は、下アームを駆動する場合、PWM信号を増幅したドライブ信号を、対応する下アームのIGBT330のゲート電極に出力する。また、ドライバ回路174は、上アームを駆動する場合、PWM信号の基準電位のレベルを上アームの基準電位のレベルにシフトしてからPWM信号を増幅し、これをドライブ信号として、対応する上アームのIGBT328のゲート電極にそれぞれ出力する。
【0032】
また、制御回路172内のマイコンは、異常検知(過電流、過電圧、過温度など)を行い、上下アーム直列回路150を保護している。このため、制御回路172にはセンシング情報が入力されている。たとえば、各アームの信号用のエミッタ電極155および信号用のエミッタ電極165からは各IGBT328とIGBT330のエミッタ電極に流れる電流の情報が、対応する駆動部(IC)に入力されている。これにより、各駆動部(IC)は過電流検知を行い、過電流が検知された場合には対応するIGBT328,IGBT330のスイッチング動作を停止させ、対応するIGBT328,IGBT330を過電流から保護する。
【0033】
上下アーム直列回路150に設けられた温度センサ(不図示)からは上下アーム直列回路150の温度の情報がマイコンに入力されている。また、マイコンには上下アーム直列回路150の直流正極側の電圧の情報が入力されている。マイコンは、それらの情報に基づいて過温度検知および過電圧検知を行い、過温度あるいは過電圧が検知された場合には全てのIGBT328,IGBT330のスイッチング動作を停止させる。
【0034】
図3〜5は本実施形態における電力変換装置200の概略構成を示す図であり、図3は外観斜視図、図4は分解斜視図、図5は筐体1を上から見た斜視図、図6は筐体1を下から見た斜視図、図7は図3のA−A’線に沿って一部切断して内部を示す図である。
【0035】
図3および図4に示すように、電力変換装置200は、筐体1と、筐体1に収容されるコンデンサモジュール500および3つのパワーモジュール3と、筐体1の上方に配置されるドライバ回路基板8および制御回路基板7と、制御回路基板7の上部に装着されるトップカバー2と、筐体1の下部に装着されるボトムカバー6とを含んで構成される。上述したドライバ回路174はドライバ回路基板8に実装され、上述した制御回路172は制御回路基板7に実装されている。
【0036】
制御回路基板7には外部の制御装置と接続されるコネクタ(不図示)が設けられ、コネクタを介して制御回路基板7に設けられた制御回路172と上位の制御装置などの外部の制御装置との間で信号伝送が行われる。
【0037】
図5および図6に示すように、筐体1には、冷媒(たとえば冷却水)が流れる平面視U字状の冷却流路10と、この冷却流路10に囲まれるようにコンデンサ収容部12とが形成されている。
【0038】
筐体1の側面には、冷媒を流入するための冷媒入口管4と、冷媒を流出するための冷媒出口管5とが設けられている。図5および図6に矢印で模式的に示すように、冷媒は、冷媒入口管4から冷却流路10内に流入し、U字状の冷却流路10を流れた後に冷媒出口管5から流出する。
【0039】
図5に示すように、筐体1には、パワーモジュール3を収容するパワーモジュール収容部15が冷却流路10に沿って3つ形成され、各パワーモジュール収容部15は冷却流路10の一部を構成している。各パワーモジュール収容部15の上方には各パワーモジュール3を挿入する開口部11が冷却流路10と連通するように設けられている。
【0040】
図4に示す各パワーモジュール3は、図2に示した上下アーム直列回路150を金属ケース30内に内蔵しており、電子部品の中でも最も発熱量が大きい。そのため、3つのパワーモジュール3は、開口部11を介して冷却流路10内に挿入され、図7に示すように、冷媒により直接冷却される。図7に示すように、コンデンサモジュール500はコンデンサ収容部12に収容されて冷却流路10の壁面を通して冷却される。
【0041】
ドライバ回路基板8および制御回路基板7は金属製の筐体1に熱的に接続されており、ドライバ回路基板8および制御回路基板7で発生した熱は筐体1を通して冷却流路10内の冷媒へ放熱される。
【0042】
図8〜図10を参照して、パワーモジュール3の構成について説明する。図8はパワーモジュール3の外観を示す斜視図であり、図9はパワーモジュール3がパワーモジュール収容部15に収容された状態を示す図3のB−B’断面図であり、図10は図9の邪魔板13bの位置であるC−C’で切断した断面図である。図8および図9の二点鎖線で囲まれた領域は、複数のピンフィン34が形成された領域、すなわち放熱フィン群33を示している。なお、図10において、IGBT330およびダイオード166は表れないが、便宜上かっこ書きで図示している。
【0043】
図8に示すように、パワーモジュール3はアルミニウム製の金属ケース30を有し、この金属ケース30内には、図中破線で示すように図2に示した上下アーム直列回路150を構成する半導体素子(IGBT328,330およびダイオード156,166)が収容されている。IGBT328およびダイオード156により構成される上アームと、IGBT330およびダイオード166により構成される下アームは、金属ケース30内で左右に並んで配置されている。
【0044】
金属ケース30は、半導体素子を含んで構成されるトランスファーモールド体が収容される筒部31と、パワーモジュール3を筐体1に固定するために筒部31の開口から外方に突出するように形成されるフランジ部32とを備えている。トランスファーモールド体は、図10に示すように、IGBT328,330およびダイオード156,166の表裏両面が電極としての銅リードで挟まれ、それらが樹脂でトランスファーモールドされて一体となっているものである。トランスファーモールド体は、密着性の絶縁シート39で挟まれた状態で筒部31内に固定されている。
【0045】
図8に示すように、パワーモジュール3には、通電用の主端子51(正極端子51a、負極端子51b、交流端子51c)と、ドライブ信号の送信や異常検知信号の受信を目的とした制御ピン52とが金属ケース30の外部に突出するように設けられている。
【0046】
図9および図10に示すように、金属ケース30の筒部31は相互に対向して配置される幅広の1対の側板31aを有し、両側板31aの外表面は、パワーモジュール3がパワーモジュール収容部15に収容されたとき、冷媒の流れに沿うように配置される。
【0047】
図10に示すように、両側板31aのそれぞれには、冷媒の流れに直交するように複数個のピンフィン34が冷却流路10に突出するように立設されている。図9に示すように、複数のピンフィン34は、千鳥状に配列されている、すなわち列ごとに半ピッチずつずれるように配置されている。パワーモジュール3は、放熱フィン群33が冷却流路10内に配置されて、冷却流路10内を流れる冷媒との間で熱交換を行うことで冷却される。
【0048】
図8および図9において二点鎖線で示すように、放熱フィン群33は、冷媒の流れ方向に沿って上流側分割フィン群33aと下流側分割フィン群33bとに分かれて配置されている。上流側分割フィン群33aと下流側分割フィン群33bとの間には、後述する中間部用邪魔板13bが挿通可能な幅bを有する間隙33cが設けられている。
【0049】
上述したように、パワーモジュール3はIGBT328,330とダイオード156,166とで構成される上アームと下アームを備え、上アームと下アームは左右に並んで配置されている。上流側分割フィン群33aと上アームのIGBT328およびダイオード156とが対向配置され、下流側分割フィン群33bと下アームのIGBT330およびダイオード166とが対向配置されるように、パワーモジュール3を製作することができる。
【0050】
パワーモジュール3の金属ケース30は量産性を考慮し、筒部31の成形、ピンフィン34の成形、フランジ部32の成形を鍛造で行い、一体型の容器となっている。このとき、フランジ部32とピンフィン34との間に所定長さz=5〜10mm程度の隙間16が形成される。この隙間16は、以下に示す製造過程により必然的に形成されるものである。
【0051】
以下、図11を参照して、パワーモジュール3の金属ケース30を鍛造により一体的に成形する製造方法を説明する。図11は、鍛造成形によるフィン付き金属ケース30の製造方法を示す。図11(a)および図11(b)は第1工程、図11(c)および図11(d)は第2工程を示している。第1工程は、原材料100をおおよそ金属ケース30の形状に成形するための工程である。図11(a)に示すように、上型90には、トランスファーモールド体の収容部を形成する凸部90aと、フランジ部32を形成する凹部90bとが設けられている。箱状の下型91には、アルミニウムや銅などの変形しやすい金属や粉末状の金属等の原材料100が入れられる。図11(b)に示すように、上型90と下型91とによってプレスを行うと1次成形体98Aが形成される。
【0052】
第2工程は、第1工程で形成した1次成形体98Aの筒状部の両側にピンフィン34を形成する工程である。図11(c)に示すように、第2工程に使用されるフィン成形用金型92L,92Rには円柱状のピンフィン34を形成する穴94が複数設けられ、下端近傍には1次成形体98Aの下端部を湾曲状に形成する突起部95が設けられている。1次成形体98Aの両側にフィン成形用金型92L,92Rを配置してプレスを行うと、図11(d)に示すように、ピンフィン34と外周湾曲部99とが形成される。このとき、所定の突出高さを有する複数のピンフィン34のそれぞれを均等な高さになるように成形するために、フィン成形用金型92L,92Rの上面から最上段の穴94までの距離z0に所定の長さが必要となる(図11(c)参照)。この距離z0は、約5〜10mm程度である。
【0053】
パワーモジュール3の金属ケース30の製造方法としては、ピンフィン34を有する放熱板を別に成形し、摩擦攪拌接合により放熱板を1次成形体98Bに接合する製造方法を採用してもよい。図12は鍛造と摩擦攪拌接合の組合せによるフィン付き金属ケースの製造方法を示している。図12(a)および図12(b)は第1工程、図12(c)および図12(d)は第2工程を示している。第1工程は、図11(a)および図11(b)と同様であるが、放熱板が接合される側の筒状部の側板は、図11(b)の場合に比べて薄く形成されている(図12(b)参照)。
【0054】
図12(c)および図12(d)に示すように、第2工程では、第1工程で形成した1次成形体98Bに、別途成形した1対の放熱板96L,96Rを接合する。摩擦攪拌接合により放熱板を接合する場合は、接合面積を確保するために図に示すように所定径の回転ツール97をフランジ部32の下面と最上段のピンフィン34(放熱フィン群33の上縁)との間に配置させる必要がある。所定径の回転ツール97を配置させて接合作業を行うためには、フランジ部32の下面と最上段のピンフィン34との間に所定長さz=10mm程度の隙間が必要となる。
【0055】
このように、図11および図12に示した製法のいずれの場合であっても、フランジ部32と放熱フィン群33との間に所定長さz=5〜10mm程度の隙間16が形成されてしまうことは避けられない。なお、量産性を無視して切削加工によりピンフィン34とフランジ部32を作製することも考えられるが、この場合にも、フランジ部32のシール面を切削する際に工具が入る隙間が必要となるため、フランジ部32と放熱フィン群33との間に所定長さz=5〜10mm程度の隙間16が生じることになる。
【0056】
本実施の形態では、この隙間16を塞ぐように、隙間16の開口面積とほぼ同じ面積の突部(邪魔板13a,13b,13c)が設けられている(図5参照)。邪魔板13a,13b,13cを有する各パワーモジュール収容部15と、各パワーモジュール収容部15に収容される各パワーモジュール3は同様の構成とされるため、以下、代表して冷媒出口管5の近傍に位置するパワーモジュール収容部15の構成、そのパワーモジュール収容部15に収容されるパワーモジュール3と邪魔板13a,13b,13cとの配置関係、および、冷媒出口管5の近傍に位置するパワーモジュール収容部15に流れ込む冷媒の流れについて詳しく説明する。
【0057】
図4、図6および図7に示すように、筐体1の下面には、冷却流路10の下側の開口を塞ぐボトムカバー6が取り付けられている。ボトムカバー6は冷却流路10の上方に形成される複数の開口部11(図5参照)と対向するそれぞれの位置に、下方に窪んだ凹部6aが形成されている。図7および図9、図10に示すように、この凹部6aの窪み内には、パワーモジュール3の先端部分が挿入され、筒部31の下端面と放熱フィン群33との間の筒部下部31bの外表面は凹部6aによって覆われている。
【0058】
図10に示すように、パワーモジュール収容部15は、筐体1とボトムカバー6とで区画されることによって形成されている。ここで、筐体1はパワーモジュール収容部15を含む冷却流路10の側面を構成し、ボトムカバー6はパワーモジュール収容部15を含む冷却流路10の底面を構成している。さらに筐体1は、図5に示すように、パワーモジュール収容部15の開口部11を除く冷却流路10の上面を構成し、パワーモジュール収容部15にパワーモジュール3が取り付けられることで、パワーモジュール収容部15の上面が塞がれる(図10参照)。
【0059】
図10に示すように、パワーモジュール収容部15は、パワーモジュール3の外面と冷却流路10の内面との間隙の寸法が可能な限り狭くなるように形成されている。ボトムカバー6と筐体1との間には、シール部材41が設けられ気密性が保たれている。
【0060】
図9および図10に示すように、パワーモジュール3は、次のようにパワーモジュール収容部15に収容される。すなわち、放熱フィン群33を有する筒部31が開口部11を介して冷却流路10内に挿入され、冷却流路10に筒部31を挿入した状態でフランジ部32がボルトで締結されることにより、筐体1の上面の所定位置に固定される。フランジ部32が筐体1に固定されると、パワーモジュール3のフランジ部32によって開口部11(図5参照)が塞がれる。図10に示すように、フランジ部32と筐体1との間には、シール部材40が設けられ気密性が保たれている。
【0061】
次に、各パワーモジュール収容部15の開口部11の近傍に設けられ、冷媒を放熱フィン群33へと導くための邪魔板について説明する。図9に示すように、フランジ部32と放熱フィン群33との間の隙間16に対応する位置に邪魔板13a,13b,13cが設けられている。
【0062】
図5および図9、図10に示すように、各邪魔板13a,13b,13cは、それぞれ冷却流路10の側面から筒部31の側板31a側に向かって突出して設けられ、冷媒の流れ方向と直交する方向である上下方向に延在している。図9に示すように、各邪魔板13a,13b,13cの長さLは、パワーモジュール3のフランジ部32と放熱フィン群33との隙間16の所定長さzとほぼ同じである。なお、本実施の形態では、邪魔板の長さLがわずかに隙間16の所定長さzよりも短いが、逆に邪魔板13a,13b,13cの長さLを隙間16の所定長さzよりも長くしてもよい。
【0063】
各邪魔板13a,13b,13cは、パワーモジュール3の放熱フィン群33の位置に対応して配置される。図9に示すように、放熱フィン群33の上流側、すなわち冷却流路10の入口側には上流部用邪魔板13aが配置され、放熱フィン群33の下流側、すなわち冷却流路10の出口側には下流部用邪魔板13cが配置され、放熱フィン群33の中央には中間部用邪魔板13bが配置されている。中間部用邪魔板13bの厚み方向の寸法Tは、放熱フィン群33を上流側と下流側とに分割することで形成される上流側分割フィン群33aと下流側分割フィン群33bとの間に形成される間隙33cの幅bよりも短く設定されている(T<b)。
【0064】
図13はパワーモジュール3の取付時の様子を示す説明図であり、図3のB−B’で切断した斜視図である。図13に示すように、邪魔板13a,13cが放熱フィン群33の上流側と下流側とに配置され、邪魔板13bが分割フィン群33a,33b同士の間に配置されているため、パワーモジュール3の筒部31が冷媒の流れ方向と直交する方向である下方向に挿入されるとき、各邪魔板13a,13b,13cは放熱フィン群33に干渉しない。このとき、中間部用邪魔板13bは、上流側分割フィン群33aと下流側分割フィン群33bとの間を挿通される。
【0065】
なお、パワーモジュール3が挿入される際、上流側分割フィン群33aおよび下流側分割フィン群33bは各邪魔板13a,13b,13cによって位置が規制されるため、パワーモジュール3の筒部31はパワーモジュール収容部15にスムーズに挿入される。
【0066】
図9および図10に示すように、パワーモジュール3が冷却流路10に挿入され、フランジ部32が筐体1に固定されると、上流側分割フィン群33aの上流側における隙間16が上流部用邪魔板13aによって塞がれる。同様に、上流側分割フィン群33aと下流側分割フィン群33bとの間における隙間16は中間部用邪魔板13bによって塞がれ、下流側分割フィン群33bの下流側における隙間16は下流部用邪魔板13cによって塞がれる。なお、冷却流路10の底面を構成するボトムカバー6には上述したようにパワーモジュール3の底面に合わせる形で凹部6aが形成され、凹部6a内には筒部下部31bが挿入されている。
【0067】
図14(a),(b)は、各邪魔板13a,13b,13cの作用を説明する図であり、冷媒の流れに沿って切断した断面図である。図14(a)は、邪魔板13a,13b,13cを設けた場合を示し、図14(b)は邪魔板13a,13b,13cを設けない場合を示す。なお、図14(b)に示す放熱フィン群33Pは、上流側と下流側とで分割されていない。図中の各矢印は流線を模式的に表し、矢印の太さが太いほど流速が速い。
【0068】
図14(b)を参照して、邪魔板13a,13b,13cを設けなかった場合の冷媒の流れについて説明する。図14(b)に示すように、パワーモジュール3のフランジ部32と放熱フィン群33Pとの間には所定長さzの隙間16が形成されている。
【0069】
冷媒は、図中の矢印で示されるように図示右側からパワーモジュール3が挿入された冷却流路10に流れ込む。流れ込んだ冷媒の大部分はピンフィン34の隙間を通り抜けるように図示左側に流れるが、冷媒の一部は、流線14bのように放熱フィン群33Pを迂回してフランジ部32と放熱フィン群33Pとの間の隙間16を流れる。その結果、放熱フィン群33Pを通過する冷媒の流量が減って冷却能力の低下を招くことになる。
【0070】
一方、図14(a)に示す本実施の形態のように、フランジ部32と放熱フィン群33との間の隙間16に邪魔板13a,13b,13cを配置した場合には、流線14aのように、パワーモジュール収容部15に流れ込む冷媒は放熱フィン群33を迂回することなく上流部用邪魔板13aによって上流側放熱フィン群33aへと導かれる。さらに、上流側放熱フィン群33aに流入した冷媒のうちフランジ部32側へ流れ込んだ冷媒の一部は、流線14cのように、中間部用邪魔板13bによって下流側放熱フィン群33bへと導かれる。すなわち、邪魔板13a,13bによって冷媒の流れ方向に直交する流路断面において放熱フィン群33とフランジ部32との間に形成される隙間流路への冷媒の流入が阻止される。その結果、放熱フィン群33を通過する冷媒の量が増えて流速が上昇するため、パワーモジュール3の冷却能力が向上する。
【0071】
図14(a)と図14(b)の冷却性能の差は、熱伝達率で約15%の差であることを実測にて確認している。なお、図14(a)に示すように、中間部用邪魔板13bによって流線14cの方向がIGBT330の方向に向いて、冷媒が下流側放熱フィン群33bに案内されるため、フランジ部32と放熱フィン群33の間に位置する隙間16の全体を埋めなくても、隙間16全体を埋めた場合と同等の冷却性能が得られる。隙間16全体を埋めるように詰め物を配置しても同等の性能を得ることができるが、詰め物を入れる分、追加部材コストおよび取付けの手間が発生する。本実施形態によれば、パワーモジュール3を筐体1に取り付けるだけでバイパス流を防止できるため、低コストで冷却性能の向上を図ることができる。
【0072】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)筒部31を構成する1対の側板31aのそれぞれには、フランジ部32に対して所定長さzの隙間16を介して放熱フィン群33が立設され、この隙間16に冷媒を放熱フィン群33へと導く邪魔板13a,13bが設けられている。これにより、放熱フィン群33を迂回する流れを抑制して、放熱フィン群33に流れる冷媒の流量を増やし、冷媒の流速を上げることができるため、パワーモジュール3の冷却能力を向上できる。その結果、冷媒を冷却する冷却装置(不図示)とパワーモジュール3の小型化を図ることができるため、電力変換装置全体の小型化を図ることができる。
【0073】
(2)放熱フィン群33の上流側に上流部用邪魔板13aが設けられているため、パワーモジュール収容部15に流れ込む冷媒を放熱フィン群33に導くことができ、効果的にパワーモジュール3を冷却することができる。
【0074】
(3)上流側分割フィン群33aと下流側分割フィン群33bとの間に中間部用邪魔板13bが設けられているため、上流側分割フィン群33aを通過した冷媒の一部がフランジ部32側に流出しても、その冷媒の一部を中間部用邪魔板13bによって下流側分割フィン群33bへと導いて下流側分割フィン群33bによりパワーモジュール3を効果的に冷却することができる。
【0075】
(4)半導体素子の位置に対応して放熱フィン群33が設けられている。すなわち、上アーム用IGBT328と下アーム用IGBT330のそれぞれに対応して上流側分割フィン群33aおよび下流側分割フィン群33bが設けられている。そのため、ピンフィン34の本数を必要最小限に抑えることができる。その結果、圧力損失を抑えつつ効果的な放熱を行うことができ、さらにフィン部生産性の向上にも繋がる。
【0076】
(5)電力変換装置200に導入される冷媒の流れの向きは電力変換装置200が搭載される車両などの機器の制約条件によって変化し得る。本実施の形態では、放熱フィン群33の下流側にも邪魔板13cが設けられている。これにより、冷媒の流れの方向が逆であっても、パワーモジュール3の冷却能力の向上を図ることができる。
【0077】
(6)筒部31の下端面と放熱フィン群33との間の筒部下部31bが挿入される凹部6aが設けられているため、冷媒の底部側への迂回を抑制し、放熱フィン群33を通過する冷媒の流速を上昇させて、より効果的にパワーモジュール3を冷却することができる。
【0078】
−第2の実施の形態−
図15を参照して、第2の実施の形態について説明する。図15は、図14(a)のピンフィン34の代わりに、複数の平板フィン35を設けた場合の実施形態を示す図である。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。図15に示すように、平板フィン35は、上流側と下流側とに分割されている。平板フィン35を設けた場合、ピンフィン34とは異なり一度フィン間に入った冷媒は隙間16に流れ込まない。したがって、上流部用邪魔板13aをパワーモジュール収容部15に設けることで、放熱フィン群33を迂回して流れるバイパス流を防止して、パワーモジュールの冷却能力の向上を図ることができる。なお、電力変換装置の要求仕様によっては、平板フィン35では冷却性能が足りない場合もあるため、状況に応じてフィンの形状は使い分けられる。第2の実施の形態では、上流部用邪魔板13aだけでなく、中間部用邪魔板13bおよび下流部用邪魔板13cも設けられているため、種々のフィン形状を有するパワーモジュール(たとえば、図14(a)のパワーモジュール3)がパワーモジュール収容部15に収容された場合であっても、バイパス流を防止して、冷却能力の向上を図ることができる。
【0079】
−第3の実施の形態−
図16を参照して、第3の実施の形態について説明する。図16は、図14(a)のピンフィン34の代わりに、平板フィン36を設けた場合の実施形態を示す図である。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。ここで、平板フィン36は上流側と下流側とで分割されていない。この平板フィン36を用いれば、ピンフィン34を設けた場合(図14(a)参照)とは異なり一度フィン間に入った冷媒は隙間16に流れ込まない。第3の実施の形態では、上流部用邪魔板13dがフィン群の上流側に設けられ、下流部用邪魔板13eがフィン群の下流側に設けられている。
【0080】
図16に示すように、上流部用邪魔板13dは、上流側に冷媒を放熱フィン群に案内するテーパ面13fが設けられている。これにより、フィン群にスムーズに冷媒を案内することができる。その結果、圧力損失が小さくなり、ほとんどの冷媒をフィン群へ導くことができる。同様に、上流部用邪魔板13dと対称となるように下流部用邪魔板13eにもテーパ面13fが設けられている。これにより、冷媒の流れの向きが逆である場合に、下流部用邪魔板13eによってスムーズに冷媒をフィン群へ案内することができる。
【0081】
−第4の実施の形態−
図17を参照して、第4の実施の形態について説明する。図17は、ピンフィン34が碁盤目状に配列されてなる放熱フィン群33gを採用した場合の実施形態を示す図である。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。本構造であれば、図14(a)の放熱フィン群33と比べて熱伝達率は若干下がるが、その分圧力損失を低減できるメリットがある。ピンフィン34が碁盤目状に配列されている場合、隣り合うピンフィン34同士の間に、ピンフィン34同士の隙間よりも寸法が短い厚さに設定された中間部用邪魔板13bが配置されている。
【0082】
中間部用邪魔板13bが複数のピンフィン34同士の間隙を挿通可能な大きさに形成されているため、パワーモジュール3の挿入時にピンフィン34と中間部用邪魔板13bとが干渉することはない。第4の実施の形態によれば、ピンフィン34と邪魔板13bとの干渉を回避するために放熱フィン群33gを上流側と下流側とに分割する必要がないため、たとえば放熱フィン群33gをプレス成形する場合、均等にプレス圧を与えることができる。
【0083】
−第5の実施の形態−
図18を参照して、第5の実施の形態について説明する。図18は邪魔板13と各チップレイアウトの位置関係を示す一覧表である。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。第1〜第4の実施の形態では、上下アーム直列回路150を金属ケース30内に収容した2in1のパッケージングのパワーモジュール3であって、半導体素子(IGBT328,330およびダイオード156,166)が2行2列にレイアウトされたパワーモジュール3を例に説明をした(図18の(c2))。ここでは、IGBT(I)およびダイオード(D)のみからなる単一アーム回路である1in1のパッケージングのパワーモジュールや、3相インバータ回路140を構成する6in1のパッケージングのパワーモジュールも含めて説明する。
【0084】
図18に示すように、パワーモジュールには、1組あるいはN組(ただしN≧2)の半導体素子グループ50が収容されている。図示するように、半導体素子グループ50は、1つのIGBT(I)によって構成されるグループや、1つのダイオード(D)によって構成されるグループ、1つのIGBT(I)と1つのダイオード(D)により構成されるグループ、複数のIGBT(I)のみから構成されるグループ、複数のダイオード(D)のみから構成されるグループ、複数のIGBT(I)と複数のダイオード(D)により構成されるグループがある。
【0085】
1組の半導体素子グループ50を収容する場合であって冷媒の流れ方向が1方向と定められているとき(図18の(a1))には、半導体素子グループ50の上流側に邪魔板13が配置され、冷媒を逆に流すことが想定されるとき(図18の(a2))には、半導体素子グループ50の上流側および下流側に邪魔板13が配置されている。
【0086】
N組(ただしN≧2)の半導体素子グループ50が収容されている場合(図18の(b1)〜(h1)および図18(b2)〜(h2))について説明する。図示しないが、放熱フィン群は、冷媒の流れ方向に所定間隔をあけて配置された第1の分割フィン群〜第Nの分割フィン群に分割され、N個の分割フィン群(第1の分割フィン群〜第Nの分割フィン群)のそれぞれはN組の半導体素子グループ50のそれぞれと対向配置されている。
【0087】
冷媒の流れ方向が1方向と定められているとき(図18のb1)〜(h1))には最も上流側に位置する半導体素子グループ50の上流側の隙間流路、および、N個の分割フィン群(第1の分割フィン群〜第Nの分割フィン群)の間に対応する隙間流路に邪魔板13が配置され、冷媒を逆に流すことが想定されるとき(図18の(b2)〜(h2))にはさらに下流側の隙間流路に邪魔板13が配置されている。
【0088】
このように、冷媒の流れ方向に沿って複数の半導体素子グループ50を配置する場合、各半導体素子グループ50に対応する位置に放熱フィン群が分割されて配置されているため(不図示)、パワーモジュール3の挿入時に邪魔板13が放熱フィン群と干渉することはない。
【0089】
このように、第5の実施の形態では、冷媒の流れ方向が1方向と定められている場合、図18の上欄に示すように、上流部用邪魔板13が半導体素子グループ50直前の上流側に配置され、さらに放熱フィン群が半導体素子グループ50の位置に応じて分割されている場合には、分割フィン群同士の間に中間部用邪魔板13が配置されている。したがって、第5の実施の形態によれば、冷媒の大部分を効率よくフィン群に誘導できるため、冷却性能の向上を図ることができる。
【0090】
さらに、第5の実施の形態では、冷媒を逆に流すことが想定される場合、図18の下欄に示すように、下流側にも邪魔板13が設けられている。したがって、邪魔板13の配置は図中左右対称になる。下流側にも邪魔板13を設けることで、冷媒の向きが逆であっても冷却性能の向上を図ることができる。
【0091】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を前述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(1)放熱フィンは、ピン形状や平板形状のものを採用する場合に限定されることなく、種々の形状を採用できる。フィンの形状や個数は、要求される冷却性能や圧力損失から決定される。
【0092】
(2)筐体1とボトムカバー6によって冷却流路10を形成したが、本発明はこれに限定されない。筐体1のみで流路形成体を構成してもよい。冷却流路10は、平面視U字状とする場合に限定されない。
【0093】
(3)千鳥状にピンフィン34を配列した場合であっても、図19に示すように、邪魔板13bを挿通可能な幅bを有する隙間が確保されていれば、放熱フィン群33tを分割しなくてもよい。
【0094】
(4)電力変換装置は、他の電動車両、たとえばハイブリッド電車などの鉄道車両、バスなどの乗合自動車、トラックなどの貨物自動車、バッテリ式フォークリフトトラックなどの産業車両などの車両用電源装置に利用することもできる。
【0095】
(5)電力変換装置は、コンピュータシステムやサーバシステムなどに用いられる無停電電源装置、自家用発電設備に用いられる電源装置など、電動車両以外の電源装置を構成する電力変換装置に適用しても構わない。
【0096】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1 筐体、3 パワーモジュール、4 冷媒入口管、5 冷媒出口管、6 ボトムカバー、6a 凹部、10 冷却流路、11 開口部、13,13a,13b,13c,13d,13e,13f テーパ面、15 パワーモジュール収容部、16 隙間、30 金属ケース、31 筒部、32 フランジ部、33 放熱フィン群、33a 上流側分割フィン群、33b 下流側分割フィン群、33c 間隙、33g,33t 放熱フィン群、34 ピンフィン、35,36 平板フィン、39 絶縁シート、50 半導体素子グループ、140,142 インバータ回路、150 上下アーム直列回路、156 ダイオード、166 ダイオード、200 電力変換装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子のスイッチング動作によって電力を直流から交流に、交流から直流に変換する電力変換装置であって、
冷媒が流れる冷却流路が形成され、前記冷却流路と連通する開口部が形成された流路形成体と、
前記冷却流路内に配置されて前記冷却流路内を流れる冷媒との間で熱交換を行う放熱フィン群を有しているパワーモジュールとを備え、
前記パワーモジュールは、
複数の半導体素子を収容し、前記流路形成体の開口部から前記冷媒の流れ方向と交差するように挿入される筒部と、
前記筒部の開口に形成されて前記流路形成体の開口部を塞ぐように前記流路形成体に固定されるフランジ部とを有し、
前記筒部は対向配置される1対の側板を有し、前記1対の側板のそれぞれには、前記フランジ部に対して所定長さの隙間を介して放熱フィン群が前記冷却流路に突出するように立設されており、
前記筒部の1対の側板のそれぞれに立設される前記放熱フィン群と前記フランジ部との間の前記隙間に配置されて、前記冷媒を前記放熱フィン群へと導く少なくとも1対の流路制御部材が、前記流路形成体から前記パワーモジュールの筒部の側板側に向かって突出するように設けられていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置において、
前記少なくとも1対の流路制御部材が前記放熱フィン群の上流側に設けられていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電力変換装置において、
前記放熱フィン群は、前記半導体素子の位置に対応して設けられていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電力変換装置において、
前記複数の半導体素子の位置に対応するように、前記放熱フィン群が冷媒の流れ方向に沿って複数の分割フィン群に分かれて配置され、
前記少なくとも1対の流路制御部材は、1対の第1流路制御部材と1対の第2流路制御部材とを含んで構成され、
前記第1流路制御部材は前記放熱フィン群の上流側に設けられ、
前記第2流路制御部材は前記複数の分割フィン群同士の間に設けられ、前記筒部を前記流路形成体の開口部から挿入したときに前記第2流路制御部材が前記分割フィン群同士の間を挿通可能とされていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項3に記載の電力変換装置において、
前記半導体素子は、冷媒の流れ方向に沿って複数配置され、
前記少なくとも1対の流路制御部材は、1対の第1流路制御部材と1対の第2流路制御部材とを含んで構成され、
前記第1流路制御部材は前記放熱フィン群の上流側に設けられ、
前記第2流路制御部材は前記複数の半導体素子同士の間に設けられ、前記複数のピンフィン同士の間隙を挿通可能な大きさに形成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記少なくとも1対の流路制御部材は、1対の第1流路制御部材と1対の第3流路制御部材とを含んで構成され、
前記第1流路制御部材は前記放熱フィン群の上流側に設けられ、
前記第3流路制御部材は前記放熱フィン群の下流側に設けられていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電力変換装置において、
前記放熱フィン群が前記冷媒の流れ方向に沿って第1分割フィン群と第2分割フィン群とに分かれて配置され、
前記少なくとも1対の流路制御部材は、1対の第1流路制御部材と1対の第2流路制御部材と1対の第3流路制御部材とを含んで構成され、
前記第1流路制御部材は前記第1分割フィン群の上流側に設けられ、
前記第2流路制御部材は前記第1分割フィン群と前記第2分割フィン群との間に設けられ、
前記第3流路制御部材は前記第2分割フィン群の下流側に設けられ、
前記筒部を前記流路形成体の開口部から挿入したときに前記第2流路制御部材が前記第1分割フィン群と前記第2分割フィン群との間を挿通可能とされていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記少なくとも1対の流路制御部材は、上流側に前記冷媒を前記放熱フィン群に案内するテーパ面が設けられていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記筒部の下端面と前記放熱フィン群との間の筒部下部が挿入される凹部を有していることを特徴とする電力変換装置。
【請求項10】
半導体素子のスイッチング動作によって電力を直流から交流に、交流から直流に変換するインバータ回路を有する電力変換装置において、
冷媒が流れる冷却流路が形成された流路形成体と、
前記冷媒との間で熱交換を行う放熱フィン群が突設された筒部に前記半導体素子を内蔵し、前記冷却流路に前記筒部を挿入した状態でフランジ部で前記流路形成体に固定されるパワーモジュールと、
前記冷媒の流れ方向に直交する流路断面において前記放熱フィン群と前記フランジ部との間に形成される隙間流路への前記冷媒の流入を阻止する突部が前記流路形成体に設けられていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項11】
請求項10の電力変換装置において、
前記突部は少なくとも前記冷却流路の入口側に設けられていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項12】
請求項11の電力変換装置において、
前記突部は前記冷却流路の出口側にも設けられていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項13】
請求項11または12の電力変換装置において、
前記パワーモジュールには、複数の半導体素子を有する半導体素子グループがN組(ただしN≧2)収容され、
前記放熱フィン群は、前記冷媒の流れ方向に所定間隔をあけて配置された第1の分割フィン群〜第Nの分割フィン群に分割され、
N個の分割フィン群のそれぞれは前記N組の半導体素子グループのそれぞれと対向配置され、
前記N個の分割フィン群の間に対応する隙間流路にも前記突部が設けられていることを特徴とする電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−13255(P2013−13255A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144594(P2011−144594)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】