説明

ブレーキ装置

【課題】ブレーキ装置の発熱を低減し、ディスク面の摩擦変動を防止するとともに、ディスク面に付着した水分や油分等のドレインを除去し、ディスク面の摩擦力低下を防止することである。
【解決手段】ライニングが設けられた一対のブレーキパッド間に配置されたディスクが、その盤面に同心円状に設けられた複数の円周溝と、円周溝の底部にディスクの径方向に形成された排出溝と、ディスクのライニングが接触する接触部に形成され、且つ隣接する円周溝の排出溝間を連通させる貫通孔とを備えたブレーキ装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブレーキパッドをディスクに押圧、または、ブレーキシューをドラムに押圧して制動するブレーキ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にブレーキ装置は、回転体と結合されたディスクにブレーキパッドで挟圧するか、回転体に結合されたドラムの周部にブレーキシューを押圧して、ディスクとブレーキパッド、あるいはドラムとブレーキシューとの摩擦により、制動している。
このため、ブレーキ装置は、長時間使用されると、ブレーキパッドとディスクとの摩擦、あるいはブレーキシューとドラムとの摩擦による発熱により、摩擦係数の低下や熱疲労亀裂や焼きつき等が発生して破損する場合がある。
このブレーキ装置の発熱を抑制する手段として、ブレーキ装置に空気や水のミスト等の冷却媒体を吹き付ける方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ブレーキ装置は、その使用環境における水分の浸入により、ブレーキパッドとディスクとの摩擦力、あるいはブレーキシューとドラムとの摩擦力が小さくなり、制動能力が低下する場合がある。
この水分によるブレーキ装置の制動能力の低下を防止するものとして、ディスクに透孔を設け、ブレーキパッドの摩擦面に相当数の溝を形成したディスクブレーキ装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−339150号公報(第4頁、第5図)
【特許文献2】実公平1−43557号公報(第2頁、第3図、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、冷却媒体を吹き付けて冷却する特許文献1に記載のブレーキ装置では、冷却媒体の吹付け装置を設ける必要があり、ブレーキ装置の部品点数が増えるとともに、組立て工数が多くなり、コストが増大するとの問題があった。
また、ブレーキパッドとディスク、あるいはブレーキシューとドラムとを備えたブレーキ装置に、特許文献1に記載のブレーキ装置の冷却方法である水のミストを吹き付ける方法を用いると、水分により、ブレーキパッドとディスク、あるいはブレーキシューとドラムとの摩擦力が小さくなり、制動能力が低下するとの問題があった。
【0006】
また、圧縮空気を吹付ける冷却方法では、ブレーキパッドとディスク、あるいはブレーキシューとドラムとの摩擦力を低下させる油分を含む機械のドレインを、空気中から除去することが不可欠である。そのため、ドレイン除去装置を設けることが必要であり、やはり、ブレーキ装置のコストが増大するとの問題があった。それと、ドレイン除去装置はメンテナンスが必要であり、ブレーキ装置の運用コストも増大するとの問題があった。
また、特許文献2に記載のブレーキ装置は、透孔を設けたディスクが用いられており、ディスクの円盤面に形成される水膜は除去できるが、透孔部に付着した水分や油分は除去されにくく、これらの水分や油分により、ブレーキパッドとディスクとの摩擦力が小さくなり、制動能力が低下するとの問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、冷却装置等の特別な装置を付加しなくても、ブレーキ装置の発熱を低減でき、熱疲労亀裂や焼きつきを防止できるとともに、ディスクあるいはドラムに付着した水分や油分を除去でき、ブレーキパッドとディスク、あるいはブレーキシューとドラムとの摩擦力が小さくなり、制動能力が低下するのを防止できる、高信頼性で低コストのブレーキ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係わるブレーキ装置は、ライニングが設けられた一対のブレーキパッドと、一対のブレーキパッドの一方のブレーキパッドに接合されたバネ体と、バネ体に接合されたブレーキパッドを電磁吸引する電磁コイルが設けられたヨーク部とを有する制動部と、一対のブレーキパッドの間に、盤面をブレーキパッドのライニングと対向させて配置したディスクとを備えたブレーキ装置であって、ディスクが、その盤面に同心円状に設けられた複数の円周溝と、円周溝の底部にディスクの径方向に形成された排出溝と、ディスクのライニングに接触する接触部に形成され、且つ隣接する円周溝の排出溝間を連通させる貫通孔とを備え、排出溝と貫通孔とで排出路を形成しているものである。
【0009】
また、本発明に係わるブレーキ装置は、円弧面にライニングが設けられた一対のブレーキシューと、各ブレーキシューの一端部に接続され、且つ一対のブレーキシューの間に設けられたバネ体と、ブレーキシューのバネ体が接続された一端部を電磁吸引する電磁コイルが設けられたヨーク部と、ブレーキシューの他端部を回動可能に保持するピンとを有する制動部と、ブレーキシューの円弧面に設けられたライニングに、内周面を対向させて配置したドラムとを備えたブレーキ装置であって、ドラムが、一端の開口部が塞がれた中空円筒状であり、ドラムの円筒部の内周面の円周方向に設けられた複数の円周溝と、円周溝の底部にドラムの軸方向に形成された排出溝と、ドラム内周面のライニングに接触する接触部に形成され、且つ隣接する円周溝の排出溝間を連通させる貫通孔とを備え、排出溝と貫通孔とで排出路を形成しているものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係わるブレーキ装置は、ライニングが設けられた一対のブレーキパッドと、一対のブレーキパッドの一方のブレーキパッドに接合されたバネ体と、バネ体に接合されたブレーキパッドを電磁吸引する電磁コイルが設けられたヨーク部とを有する制動部と、一対のブレーキパッドの間に、盤面をブレーキパッドのライニングと対向させて配置したディスクとを備えたブレーキ装置であって、ディスクが、その盤面に同心円状に設けられた複数の円周溝と、円周溝の底部にディスクの径方向に形成された排出溝と、ディスクのライニングに接触する接触部に形成され、且つ隣接する円周溝の排出溝間を連通させる貫通孔とを備え、排出溝と貫通孔とで排出路を形成しているものであり、ディスクの温度上昇を抑制し、温度上昇によるディスクのライニングとの接触部の摩擦係数の変動を防止できるとともに、ディスク盤面に付着するドレインを効率よく排出し、ディスクの接触部の摩擦係数の低下を抑制できる。
【0011】
また、本発明に係わるブレーキ装置は、円弧面にライニングが設けられた一対のブレーキシューと、各ブレーキシューの一端部に接続され、且つ一対のブレーキシューの間に設けられたバネ体と、ブレーキシューのバネ体が接続された一端部を電磁吸引する電磁コイルが設けられたヨーク部と、ブレーキシューの他端部を回動可能に保持するピンとを有する制動部と、ブレーキシューの円弧面に設けられたライニングに、内周面を対向させて配置したドラムとを備えたブレーキ装置であって、ドラムが、一端の開口部が塞がれた中空円筒状であり、ドラムの円筒部の内周面の円周方向に設けられた複数の円周溝と、円周溝の底部にドラムの軸方向に形成された排出溝と、ドラム内周面のライニングに接触する接触部に形成され、且つ隣接する円周溝の排出溝間を連通させる貫通孔とを備え、排出溝と貫通孔とで排出路を形成しているものであり、ドラムの温度上昇を抑制し、温度上昇によるドラムのライニングとの接触部の摩擦係数の変動を防止できるとともに、ドラム内周面に付着するドレインを効率よく排出し、ドラムの接触部の摩擦係数の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1に係わるブレーキ装置の断面模式図(a)とこのブレーキ装置に用いられるディスクの正面模式図(b)とである。
【図2】本発明の実施の形態2に係わるブレーキ装置に用いられるディスクの正面模式図(a)とこの正面模式図のA−A断面の模式図(b)とである。
【図3】本発明の実施の形態3に係わるブレーキ装置の断面模式図(a)とこのブレーキ装置に用いられるディスクの正面模式図(b)とである。
【図4】本発明の実施の形態4に係わるブレーキ装置の断面模式図である。
【図5】本発明の実施の形態5に係わるブレーキ装置の断面模式図である。
【図6】本発明の実施の形態6に係わるブレーキ装置に用いられるディスクの盤面を示す部分断面模式図である。
【図7】本発明の実施の形態7に係わるブレーキ装置の正面模式図(a)とこの正面模式図におけるB−B断面の模式図(b)とである。
【図8】本発明の実施の形態8に係わるブレーキ装置の正面模式図(a)とこの正面模式図におけるC−C断面におけるドラムの模式図(b)とである。
【図9】本発明の実施の形態9に係わるブレーキ装置の正面模式図(a)とこの正面模式図におけるD−D断面のドラムの模式図(b)とである。
【図10】本発明の実施の形態10に係わるブレーキ装置に用いられるドラムの部分正面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係わるブレーキ装置の断面模式図(a)とこのブレーキ装置に用いられるディスクの正面模式図(b)とである。
図1(a)に示すように、本実施の形態のブレーキ装置100は、回転可能なディスク1と、ディスク1を制動する制動部11とで構成されるディスクブレーキ装置である。
【0014】
図1(a)に示すように、制動部11は、基台5の一方の側壁部内に設けられた電磁コイル6と、基台5の一方の側壁部に形成した陥没孔に配置されたバネ体4と、このバネ体4の端部に接合された支持板2aとこの支持板2aのバネ体4との接合面と対向する面に貼り付けられたライニング3とからなる第1のブレーキパッド12aと、基台5の他方の側壁部の内面に設けられた支持板2bとこの支持板2bに貼り付けられたライニング3とからなる第2のブレーキパッド12bと、基台5の底部の内面に設けられたドレイン受け10とを備えている。
そして、電磁コイル6が設けられた基台5の一方の側壁部はヨーク部となり、第1のブレーキパッド12aの支持板2aはアマチュア部となり、電磁コイル6に通電すると、ライニング3が貼り付けられた第1のブレーキパッド12aの支持板2aは、基台5の一方の側壁部に電磁吸引される。
【0015】
図1に示すように、ディスク1は、その両円盤面に、同心円状に複数の溝(円周溝と記す)8が設けられている。但し、円盤面の最外周部は段差8aとなっている。すなわち、ディスク1の円盤面には、各ブレーキパッド12a,12bのライニング3と接触する接触部7と、円周溝8とを備えている。
また、ディスク1の各隣接する円周溝8は、外周部側の円周溝8の深さが内周部側の円周溝8の深さより深くなっている。そして、最外周に設けられた段差8aの深さも内周部側に隣接する円周溝8の深さより大きくなっている。すなわち、ディスク1の中心部側から外周部側に向かって円周溝8の深さが深くなっている。
【0016】
また、各円周溝8の底部は、ディスク1の径方向における中心部側の深さより外周部側の深さが深くなるように傾斜している。そして、最外周に設けられた段差8aの底面もディスク1の径方向で、中心部側から外周部側に傾斜している。
また、ディスク1には、円周溝8の底部に、複数の径方向の溝(排出溝)9aが形成されており、隣接する円周溝8の排出溝9aは、接触部7に設けられた貫通孔9bで連通している。
すなわち、円周溝8の底部に設けられた排出溝9aと、接触部7に設けられた、排出溝9aと連通する貫通孔9bとで、排出路9を形成している。図1(a)に示すように、排出路9も傾斜しており、ディスク1の、中心部側では接触部7で形成される盤面に近く、外周部側では接触部7で形成される盤面から遠くなっている。
本実施の形態では、排出路9は4本であるが、これに限定されるものではない。
【0017】
次に、本実施の形態のブレーキ装置100の動作を説明する。
本実施の形態のブレーキ装置100は、基台5のヨークにおける電磁コイル6に通電して、アマチュア部を電磁吸引することにより、第1のブレーキパッド12aのライニング3と第2のブレーキパッド2baのライニング3とが、ディスク1の接触部7から離れ、制動が解除された状態となり、ディスク1は回転可能となる。そして、バネ体4は圧縮される。
また、制動する場合は、電磁コイル6の通電を切ると、第1のブレーキパッド12aがバネ体4の力により、ディスク1の方向に押し出され、第1のブレーキパッド12aと第2のブレーキパッド12bとで、例えば、回転するディスク1を挟圧する。すなわち、第1のブレーキパッド12aのライニング3がディスク1の一方の接触部7に押し付けられ、第2のブレーキパッド12bのライニング3がディスク1の他方の接触部7に押し付けられる。そして、バネ体14は、ライニング3がディスク1の他方の接触部7に押し付けられた状態でも、圧縮された状態であり、ライニング3をディスク1の円盤面に押し付ける力を保持している。
【0018】
本実施の形態のブレーキ装置100は、ディスク1の両円盤面に、同心円状に複数の円周溝8が設けられており、円盤面の最外周部は段差8aとなっている。すなわち、ディスク1の円盤面の面積が大きくなっているので、制動時のディスク1と、ブレーキパッド12aのライニング3および第2のブレーキパッド12bのライニング3との摩擦による発熱を十分に放熱できる。
そのため、本実施の形態のブレーキ装置100は、ディスク1の温度上昇を抑制でき、温度上昇による、ディスク1のライニング3との接触部7の摩擦係数の変動を防止できる。すなわち、ディスク1のライニング3との接触部7の摩擦係数の変動が少ないので、摩擦係数の変動に起因するブレーキ装置の振動およびこの振動による騒音の発生が抑制される。
【0019】
ブレーキ装置のディスクの温度上昇は、ディスクのライニングとの接触部の摩擦係数を低下さす、特に、ディスクとライニングとの相対速度が大きくなると、摩擦係数が急激に低下するフェード現象を発生する。
しかし、本実施の形態のブレーキ装置100は、ディスク1の放熱性が高く、ディスク1の温度上昇が抑制できるので、フェード現象を防止できる安定した品質のブレーキ装置である。
【0020】
また、本実施の形態のブレーキ装置100は、ディスク1の両円盤面に設けられた円周溝8の深さは、ディスク1の中心部側のものより、外周部側のものほど、深くなっているとともに、各円周溝8の底部が、ディスク1の中心部側の深さより外周部側の深さが深くなるように傾斜している。そして、円周溝8の底部に設けられた排出溝9aと、この排出溝9aに連通する、接触部7の貫通孔9bとで、排出路9が形成されている。
【0021】
そのため、ブレーキ装置の使用時に、ディスク1とライニング3の間に水分や油分等のドレインが浸入してきても、遠心力により、各円周溝8の傾斜した底部を伝わり外周側に集められる。各円周溝8の外周側に集められたドレインは排出路9を流れて、ディスク1の外部に排出される。
そして、本実施の形態のブレーキ装置100は、制動部11の基台5の底部にドレイン受け10が設けられており、ディスク1の排出路9から流れ出たドレインを溜めるので、ブレーキ装置の周囲へのドレインの飛散を防止できる。
【0022】
本実施の形態のブレーキ装置100は、ディスク1の放熱性が優れており、ディスクを冷却する冷却装置を設置する必要がなく、コストアップが防止できる。
また、水分や油分等のドレインが浸入しても、ブレーキパッドのライニング3と接触するディスク1の接触部7に、水分や油分が残留するのを防止できるので、ディスク1の接触部7の摩擦係数の低下を抑制した安定な摩擦面を有する。
【0023】
また、ディスク1の接触部7の摩擦係数が低下せず安定しているので、水分や油分の付着による摩擦係数の低下を考慮して、ブレーキ装置を大きくしたり、ブレーキパッドを押し付けるバネ体4の力を強くしたり、バネ体4を大きくすることに伴う、第1のブレーキパッド12aを電磁吸引する電磁コイル4の大型化が必要なく、ブレーキ装置の小型化および低コスト化が図れるとともに、製造時の二酸化炭素の排出量の低減が実現できる。
それと、第1のブレーキパッド12aを電磁吸引する電磁コイル4の吸引力を大きくする必要がなく、消費電力を低減でき、エネルギの消費も抑制することができる。
【0024】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2に係わるブレーキ装置に用いられるディスクの正面模式図(a)とこの正面模式図のA−A断面の模式図(b)とである。
本実施の形態のブレーキ装置もディスクブレーキ装置であり、ディスク21が、図2に示す構造である以外、実施の形態1のブレーキ装置と同様である。
図2(a)に示すように、本実施の形態のブレーキ装置のディスク21は、その両円盤面に、径方向において中心部側から外周部側へ放射状に複数の溝(放射溝と記す)28が設けられている。また、図2(b)に示すように、放射溝28は、ディスク21の中心部側の深さより外周部側の深さが深くなるように、その底部が傾斜している。
本実施の形態のブレーキ装置も、ディスク21を、第1と第2とのブレーキパッド12a,12bで挟圧して制動する。すなわち、ディスク21の接触部27に、第1と第2とのブレーキパッド12a,12bとに取り付けられたライニング3が押し付けられる。
【0025】
本実施の形態のブレーキ装置も、ディスク21には複数の放射溝28が設けられ、ディスク21の円盤面の面積が大きくなっているので、摩擦による発熱を十分に放熱できる。
また、複数の放射溝28は、底部が傾斜するとともに、ディスク21の最外周部まで連通して、排出路となっているので、ブレーキ装置に浸入した水分や油分等のドレインを、遠心力により、ディスク21の外部に排出できる。
すなわち、本実施の形態のブレーキ装置も、実施の形態1のブレーキ装置と同様な効果を有する。
【0026】
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3に係わるブレーキ装置の断面模式図(a)とこのブレーキ装置に用いられるディスクの正面模式図(b)とである。
本実施の形態のブレーキ装置300も、回転可能なディスク31と、ディスク31を制動する制動部11とで構成されているディスクブレーキ装置である。
本実施の形態のブレーキ装置300は、ディスク31が、図3に示す構造である以外、実施の形態1のブレーキ装置100と同様である。
【0027】
図3に示すように、本実施の形態のブレーキ装置300のディスク31は、その両円盤面に、実施の形態1と同様な円周溝38と段差38aが設けられている。そして、ディスク31の両盤面間に、ディスク31の径方向で中心部側から最外周まで貫通した排出孔39が設けられている。それと、排出孔39は、ディスク31の盤面と略平行に設けるのが、加工性の点から好ましい。
また、ディスク31には、円周溝38の底部から排出孔39に至る連結孔39aが形成されている。そして、この連結孔39aは排出孔39に対して略垂直に形成されている。
すなわち、ディスク31には連結孔39aと排出孔39とで排出路が形成されている。
【0028】
本実施の形態のブレーキ装置300も、ディスク31には、その両円盤面に複数の円周溝38が形成され、表面積が大きく放熱性に優れている。また、ディスク31には、円周溝38と、円周溝38の底部と連結孔39aでつながった排出孔39とが設けられ、連結孔39aと排出孔39とで排出路が形成されているので、ブレーキ装置に浸入した水分や油分等のドレインを外部に排出できる。
すなわち、本実施の形態のブレーキ装置300も、ディスク31の放熱性が優れるとともに、水分や油分等のドレインを外部に排出して、ブレーキパッドのライニング3と接触するディスク31の接触部37に、ドレインが残留するのを防止できるので、実施の形態1のブレーキ装置と同様な効果を有する。
また、本実施の形態では、排出孔39が、ディスク31の両盤面間に、外周面から中心部方向に真直ぐに設けられているので、穿孔加工が容易であり、ブレーキ装置の製造コストを低減できる。
本実施の形態では、排出孔39は4本であるが、これに限定されるものではない。
【0029】
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4に係わるブレーキ装置の断面模式図である。
本実施の形態のブレーキ装置400も、回転可能なディスク41と、ディスク41を制動する制動部11とで構成されているディスクブレーキ装置である。
図4に示すように、本実施の形態のブレーキ装置400は、ディスク41に設けられた排出路を形成する連結孔49aの、排出孔39との接続部が、円周溝38の底部との接続部より、ディスク41の径方向で外周部側になっている。すなわち、連結孔49aが、円周溝38の底部から排出孔39方向に向かって、外周部側に傾斜している以外、実施の形態3のブレーキ装置300と同様である。
【0030】
本実施の形態のブレーキ装置400は、上記のような構造であるので、実施の形態3のブレーキ装置と同様な効果を有する。
それと、本実施の形態のブレーキ装置400は、ディスク41の排出路を形成する連結孔49aが、排出孔39の方向に向かって、外周部側に傾斜しているので、円周溝38に集められた水分や油分等のドレインが、遠心力により、排出孔39に流れ易く、短時間にドレインを排出できる。
【0031】
実施の形態5.
図5は、本発明の実施の形態5に係わるブレーキ装置の断面模式図である。
本実施の形態のブレーキ装置500も、回転可能なディスク51と、ディスク51を制動する制動部11とで構成されているディスクブレーキ装置である。
図5に示すように、本実施の形態のブレーキ装置500も、ディスク51に設けられた、円周溝38の底部が排出孔39と連結孔59aで接続されており、排出孔39と連結孔59aとで排出路を形成している。但し、各1個の円周溝38の底部が各1本の排出孔39と複数の連結孔59aで接続されている。
本実施の形態のブレーキ装置500は、ディスク51が上記のような構造である以外、実施の形態3のブレーキ装置300と同様である。
【0032】
本実施の形態のブレーキ装置500は、上記のような構造であるので、実施の形態3のブレーキ装置と同様な効果を有する。
それと、本実施の形態のブレーキ装置500は、そのディスク51が、一本の円周溝38の底部が同一の排出孔39と複数の連結孔59aで接続されているので、円周溝38に集められたドレインの排出量が大きく、例えば、雨水がかかる環境や工作機械用の切削液が飛散する環境で用いられ、多量のドレインが制動面に浸入する場合でも、短時間にドレインを排出できる。
【0033】
実施の形態6.
図6は、本発明の実施の形態6に係わるブレーキ装置に用いられるディスクの盤面を示す部分断面模式図である。
図6に示すように、本実施の形態のブレーキ装置は、ディスク61のライニングが押し付けられる盤面62が波状である以外、実施の形態1と同様である。
本実施の形態のブレーキ装置は、実施の形態1のブレーキ装置100と同様な効果を有するとともに、ディスク61のライニングが押し付けられる盤面62が波状であるので、例えば、ディスク61を鋳物で作製する場合に、加工が容易でありコスト低減が図れる。
ディスクのライニングが押し付けられる盤面が波状とすることは、実施の形態2から実施の形態5のブレーキ装置にも適用でき、同様な効果が得られる。
【0034】
実施の形態7.
図7は、本発明の実施の形態7に係わるブレーキ装置の正面模式図(a)とこの正面模式図におけるB−B断面の模式図(b)とである。
図7(a)に示すように、本実施の形態のブレーキ装置700は、回転可能なドラム71と、ドラム71を制動する制動部72とで構成されるドラムブレーキ装置である。
【0035】
図7に示すように、制動部72は、保持体(図示せず)に取付けられたヨーク部76aと、一対のブレーキシュー75と、各ブレーキシュー75のヨーク部76aと対向する一端部に接続されたバネ体74とを備えている。それと、バネ体74は、両ブレーキシュー75の一端部間を接続している。
また、各ブレーキシュー75は、ドラム71の内周面と対向する円弧状の面にライニング73を備え、他端部が保持体に設けられたピン75aに回動可能に取付けられている。それと、ヨーク部76aには電磁コイル76が設けられている。
【0036】
本実施の形態のブレーキ装置700では、例えば、ドラム71の回転時は、電磁コイル76に通電し、ヨーク部76aにブレーキシュー75の一端部がアマチュア部として電磁吸引されている。そのため、ブレーキシュー75がピン75aを軸として回動し、ライニング73とドラム71の内周面とが離れるとともに、バネ体74が圧縮される。
また、制動時は、電磁コイル76の通電が切られ、ヨーク部76aの電磁吸引力がなくなり、バネ体74によりブレーキシュー75のライニング73がドラム71の内周面に押し付けられる。しかし、バネ体74は、ライニング73がドラム71の内周面に押し付けられた状態でも、圧縮された状態であり、ライニング73をドラム71の内周面に押し付ける力を保持している。
【0037】
図7に示すように、ドラム71は、一端の開口部が塞がれた中空円筒状であり、円筒部71aの内周面には、円周方向に複数の円周溝78が設けられている。但し、ドラム71の開口部側の端部は段差78aとなっている。すなわち、ドラム71の内周面は、ブレーキシュー75のライニング73と接触する接触部77と、円周溝78とを備えている。
また、ドラム71の各隣接する円周溝78は、ドラムの軸方向における開口部側の溝78の深さが閉塞孔部側の溝78の深さより深くなっている。すなわち、ドラム74の閉塞孔部から開口部側に向かって円周溝78の深さが深くなっている。
また、各円周溝78の底部は、ドラム71の閉塞孔部側の深さより開口部側の深さが深くなるように傾斜している。そして、最外周に設けられた段差78aの底部も閉塞孔部側から開口部側に傾斜している。
【0038】
また、図7(b)に示すように、ドラム71の円周溝78の底部には、ドラム71の軸方向に複数の溝(排出溝と記す)79aが形成されており、隣接する円周溝78の各排出溝79aは、接触部77に設けられた貫通孔79bで連通している。
すなわち、円周溝78の底部に設けられた排出溝79aと、この排出溝79aに連通する貫通孔79bとで、排出路79を形成している。
図1(b)に示すように、排出路79も傾斜しており、ドラム71の、閉塞孔部側では接触部77で形成される内周面に近く、開口部側では接触部77で形成される内周面から遠くなっている。
本実施の形態では、排出路79は4本であるが、これに限定されるものではない。
本実施の形態において、図示しないがドラムの外側にドレイン受けを設けても良い。
【0039】
本実施の形態のブレーキ装置も、ドラム71の内周に複数の円周溝78が設けられ、ドラム71の内周面の面積が大きくなっているので、ライニッグ73との摩擦による発熱を十分に放熱できる。
また、複数の円周溝78の底部は傾斜するとともに、排出路79を介してドラム71の開口部まで連通しているので、ブレーキ装置に浸入した水分や油分等のドレインを、遠心力により、ドラム71の外部に効率良く排出できる。
すなわち、本実施の形態のブレーキ装置も、冷却性とドレイン排出性に優れているので、実施の形態1のブレーキ装置と同様な効果を有する。
【0040】
実施の形態8.
図8は、本発明の実施の形態8に係わるブレーキ装置の正面模式図(a)とこの正面模式図におけるC−C断面におけるドラムの模式図(b)とである。
図8(a)に示すように、本実施の形態のブレーキ装置800も、回転可能なドラム81と、ドラム81を制動する制動部72とで構成されるドラムブレーキ装置である。
図8(a)に示すように、本実施の形態のブレーキ装置800の制動部72は、実施の形態7のブレーキ装置700と同様である。
【0041】
図8に示すように、本実施の形態のブレーキ装置800のドラム81は、実施の形態7のブレーキ装置700と同様な形状の、一端の開口部が塞がれた中空円筒状であり、円筒部81aの内周面には、実施の形態7と同様な複数の円周溝88と段差88aとが設けられている。すなわち、ドラム81の内周面は、実施の形態7と同様なブレーキシュー75のライニング73と接触する接触部87と、円周溝88とを備えている。
また、各円周溝88の底部には、円筒部81aを径方向に貫通した貫通孔89bが、排出路として設けられている。すなわち、各円周溝88は、排出路である貫通孔89bを介して、ドラム81の外周側の外部と連通している。
本実施の形態では、各1個の円周溝88に設けられた貫通孔89bは4個であるが、これに限定されるものではない。
本実施の形態においても、図示しないがドラムの外側にドレイン受けを設けても良い。
【0042】
本実施の形態のブレーキ装置も、ドラム81の内周に複数の円周溝88が設けられ、ドラム81の内周面の面積が大きくなっているので、ライニッグ73との摩擦による発熱を十分に放熱できる。
また、複数の円周溝88の底部は傾斜するとともに、排出路である貫通孔89bを介してドラム81の外周側の外部まで連通しているので、ブレーキ装置に浸入した水分や油分等のドレインを、遠心力により、ドラム81の外部に効率良く排出できる。
すなわち、本実施の形態のブレーキ装置も、冷却性とドレイン排出性に優れているので、実施の形態7のブレーキ装置と同様な効果を有する。
【0043】
実施の形態9.
図9は、本発明の実施の形態9に係わるブレーキ装置の正面模式図(a)とこの正面模式図におけるD−D断面のドラムの模式図(b)とである。
図9(a)に示すように、本実施の形態のブレーキ装置900も、回転可能なドラム91と、ドラム91を制動する制動部72とで構成されるドラムブレーキ装置である。
図9(a)に示すように、本実施の形態のブレーキ装置900の制動部72は、実施の形態7のブレーキ装置700と同様である。
【0044】
図9に示すように、本実施の形態のブレーキ装置900のドラム91は、実施の形態7のブレーキ装置700と同様な形状の、一端の開口部が塞がれた中空円筒状であるが、しかし、円筒部91aの内周面には、ドラムの軸方向における閉塞孔部側から開口部側へ至る複数の排出溝98が設けられている。すなわち、本実施の形態のドラム91は、ブレーキシュー75のライニング73と接触する接触部97と、排出溝98とを備えている。
そして、これらの排出溝98は、円筒部91aの内周面に略平行に並んで形成されているとともに、開口部側の深さが閉塞孔部側の深さより深くなるように、その底部が傾斜している。
本実施の形態においても、図示しないがドラムの外側にドレイン受けを設けても良い。
【0045】
本実施の形態のブレーキ装置900も、ドラム91の内周に複数の排出溝98が設けられ、ドラム91の内周面の面積が大きくなっているので、ライニッグ73との摩擦による発熱を十分に放熱できる。
また、複数の排出溝98の底部は傾斜するとともに、開口部側まで連通して、排出路となっているので、ブレーキ装置に浸入した水分や油分等のドレインを、遠心力により、ドラム91の外部に効率良く排出できる。
すなわち、本実施の形態のブレーキ装置も、冷却性とドレイン排出性に優れているので、実施の形態7のブレーキ装置と同様な効果を有する。
【0046】
実施の形態10.
図10は、本発明の実施の形態10に係わるブレーキ装置に用いられるドラムの部分正面模式図である。
図10に示すように、本実施の形態のブレーキ装置は、ドラム14のライニングが押し付けられる内周面15が波状である以外、実施の形態9と同様である。
本実施の形態のブレーキ装置は、実施の形態9のブレーキ装置900と同様な効果を有するとともに、ドラム14のライニングが押し付けられる内周面15が波状であるので、例えば、ドラム14を鋳物で作製する場合に、加工が容易でありコスト低減が図れる。
ドラムのライニングが押し付けられる接触部と溝部との形状を波状とすることは、実施の形態7から実施の形態8のブレーキ装置にも適用でき、同様な効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係わるブレーキ装置は、冷却性とドレイン排出性に優れているので、耐環境性と信頼性が要求される回転機器に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 ディスク、2a,2b 支持板、3 ライニング、4 バネ体、5 基台、
6 電磁コイル、7 接触部、8 円周溝、8a 段差、9 排出路、9a 排出溝、
9b 貫通孔、10 ディスク、11 制動部、12a 第1のブレーキパッド、
12b 第2のブレーキパッド、14 ドラム、15 内周面、21 ディスク、
27 接触部、28 放射溝、31 ディスク、37 接触部、38 円周溝、
38a 段差、39 排出孔、39a 連結孔、41 ディスク、49a 連結孔、
51 ディスク、59a 連結孔、61 ディスク、62 盤面、71 ドラム、
71a 円筒部、72 制動部、73 ライニング、74 バネ体、
75 ブレーキシュー、75a ピン、76 電磁コイル、76a ヨーク部、
77 接触部、78 円周溝、78a 段差、79 排出路、79a 排出溝、
79b 貫通孔、81 ドラム、81a 円筒部、87 接触部、88 円周溝、
88a 段差、89b 貫通孔、91 ドラム、91a 円筒部、97 接触部、
98 排出溝、
100,300,400,500,700,800,900 ブレーキ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライニングが設けられた一対のブレーキパッドと、上記一対のブレーキパッドの一方の上記ブレーキパッドに接合されたバネ体と、上記バネ体に接合された上記ブレーキパッドを電磁吸引する電磁コイルが設けられたヨーク部とを有する制動部と、上記一対のブレーキパッドの間に、盤面を上記ブレーキパッドの上記ライニングと対向させて配置したディスクとを備えたブレーキ装置であって、
上記ディスクが、その盤面に同心円状に設けられた複数の円周溝と、上記円周溝の底部に上記ディスクの径方向に形成された排出溝と、上記ディスクの上記ライニングに接触する接触部に形成され、且つ隣接する上記円周溝の排出溝間を連通させる貫通孔とを備え、上記排出溝と上記貫通孔とで排出路を形成しているブレーキ装置。
【請求項2】
ディスクが、その盤面に同心円状に設けられた複数の円周溝と、上記ディスクの両盤面間に、上記ディスクの径方向で中心部側から最外周面まで貫通して設けられた排出孔と、上記円周溝の底部から上記排出孔に至る連結孔とを備え、上記連結孔と上記排出孔とで排出路を形成していることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
【請求項3】
連結孔が、円周溝の底部から排出孔の方向に向かって、ディスクの外周部側に傾斜していることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ装置。
【請求項4】
1個の円周溝の底部が1本の排出孔と複数の連結孔で接続されていることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ装置。
【請求項5】
円周溝の底部が、ディスクの径方向における中心部側の深さより外周部側の深さが深くなるように傾斜しているとともに、隣接する上記円周溝において、上記ディスクの内周部側の上記円周溝の深さより外周部側の上記円周溝の深さが深くなっていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
【請求項6】
ディスクが、その盤面に、上記ディスクの径方向の中心部側から外周部側に向かって形成された複数の放射溝を備え、上記放射溝の深さが上記ディスクの中心部側より上記ディスクの外周部側が深くなるように上記放射溝の底部が傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
【請求項7】
ディスクのライニングと対向する盤面が波状であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
【請求項8】
ディスクの外周部の外側近傍に、ドレイン受けを設置したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
【請求項9】
円弧面にライニングが設けられた一対のブレーキシューと、上記各ブレーキシューの一端部に接続され、且つ上記一対のブレーキシューの間に設けられたバネ体と、上記ブレーキシューの上記バネ体が接続された一端部を電磁吸引する電磁コイルが設けられたヨーク部と、上記ブレーキシューの他端部を回動可能に保持するピンとを有する制動部と、上記ブレーキシューの円弧面に設けられた上記ライニングに、内周面を対向させて配置したドラムとを備えたブレーキ装置であって、
上記ドラムが、一端の開口部が塞がれた中空円筒状であり、上記ドラムの円筒部の内周面の円周方向に設けられた複数の円周溝と、上記円周溝の底部に上記ドラムの軸方向に形成された排出溝と、上記ドラム内周面の上記ライニングに接触する接触部に形成され、且つ隣接する上記円周溝の上記排出溝間を連通させる貫通孔とを備え、上記排出溝と上記貫通孔とで排出路を形成しているブレーキ装置。
【請求項10】
ドラムが、円筒部の内周面の円周方向に設けられた複数の円周溝と、上記各円周溝の底部に、上記円筒部を径方向に貫通した貫通孔を備え、上記貫通孔が排出路となっていることを特徴とする請求項9に記載のブレーキ装置。
【請求項11】
円周溝の底部が、ドラムの軸方向における閉塞孔部側の深さより開口部側の深さが深くなるように傾斜しているとともに、隣接する上記円周溝において、上記ドラムの上記閉塞孔部側の上記円周溝の深さより上記開口部側の上記円周溝の深さが深くなっていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のブレーキ装置。
【請求項12】
ドラムが、その内周面に、上記ドラムの軸方向の閉塞孔部側から開口部に向かって形成された複数の排出溝を備え、上記排出溝の深さが上記ディスクの中心部側より上記ディスクの外周部側が深くなるように上記排出溝の底部が傾斜していることを特徴とする請求項9に記載のブレーキ装置。
【請求項13】
ドラムのライニングと対向する内周面が波状であることを特徴とする請求項9〜請求項12のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
【請求項14】
ドラムの外周部の外側近傍に、ドレイン受けを設置したことを特徴とする請求項9〜請求項13のいずれか1項に記載のブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−216530(P2010−216530A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62245(P2009−62245)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】